(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 64/00 20060101AFI20241210BHJP
C08G 64/20 20060101ALI20241210BHJP
C08L 69/00 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
C08G64/00
C08G64/20
C08L69/00
(21)【出願番号】P 2023526123
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2022012136
(87)【国際公開番号】W WO2023182589
(87)【国際公開日】2023-09-28
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0035981
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】イル・ファン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】キョンムン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヘ・ジン・イム
(72)【発明者】
【氏名】ジェスン・ペ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンファ・ベク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョナ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ミン・スク・ジュン
【審査官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-551233(JP,A)
【文献】特表2024-514993(JP,A)
【文献】特表2023-537580(JP,A)
【文献】特表2023-552125(JP,A)
【文献】特開2022-037011(JP,A)
【文献】特開2020-083813(JP,A)
【文献】特開2013-001868(JP,A)
【文献】特開2015-131918(JP,A)
【文献】特表2018-502820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の単位および下記化学式2の単位を含むポリカーボネート樹脂:
【化1】
前記化学式1および2において、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
r1は
2であり
、2個の前記R1は互いに同一または異なり、
r2およびr3は
4であり、前記
4個のR2は互いに同一または異なり、前記
4個のR3は互いに同一または異なり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
X1~X8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z1~Z4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a、b、c、およびdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~10の整数であり、前記a、b、c、およびdがそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なり、
*は、樹脂の主鎖に連結される部位を意味する。
【請求項2】
前記ポリカーボネート樹脂は、下記化学式3の単位をさらに含む、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂:
【化2】
前記化学式3において、
L11は、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;置換もしくは非置換であり、2価の芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
l11は1~5の整数であり、前記l11が2以上である場合、前記2以上のL11は互いに同一または異なり、
X11~X14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a’およびb’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して0~10の整数であり、前記a’およびb’がそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なり、
*は、樹脂の主鎖に連結される部位を意味する。
【請求項3】
前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基、または炭素数2~30の単環もしくは多環のヘテロアリール基で置換もしくは非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基;または炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基で置換もしくは非置換の炭素数2~30の単環もしくは多環のヘテロアリール基であり、
前記R1は、水素であり、
前記X1~X4は、Oであり、
前記Z1およびZ2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項4】
前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基であり、
前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリーレン基であり、
前記X5~X8は、Oであり、
前記Z3およびZ4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項5】
重量平均分子量(Mw)は5,000g/mol~500,000g/molである、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項6】
波長587nmで測定された屈折率は1.50~1.75である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項7】
ガラス転移温度(Tg)は80℃~200℃である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項8】
波長486、587、および656nmで測定されたアッベ数は5~45である、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
【請求項9】
下記化学式1aの化合物;
下記化学式2aの化合物;および
ポリカーボネート前駆体を含むポリカーボネート樹脂製造用組成物を重合するステップを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法:
【化3】
前記化学式1aおよび2aにおいて、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
r1は
2であり
、前記2個のR1は互いに同一または異なり、
r2およびr3は
4であり、前記
4個のR2は互いに同一または異なり、前記
4個のR3は互いに同一または異なり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
X1~X8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z1~Z4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a、b、c、およびdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~10の整数であり、前記aおよびbがそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なる。
【請求項10】
前記ポリカーボネート樹脂の製造方法は、下記化学式3aの化合物をさらに含み、前記化学式1aの化合物、前記化学式2aの化合物、および前記化学式3aの化合物は、0.01モル%~99.99モル%:0.01モル%~99.99モル%:0モル%~99.98モル%で含まれる、請求項9に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法:
【化4】
前記化学式3aにおいて、
L11は、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;置換もしくは非置換であり、2価の芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
l11は1~5の整数であり、前記l11が2以上である場合、前記2以上のL11は互いに同一または異なり、
X11~X14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a’およびb’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して0~10の整数であり、前記a’およびb’がそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なる。
【請求項11】
前記ポリカーボネート前駆体は、下記化学式Aである、請求項9に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法:
【化5】
前記化学式Aにおいて、
Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のアリール基であり、
a1およびa2はそれぞれ0または1である。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項13】
請求項12に記載のポリカーボネート樹脂組成物を含む成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年3月23日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2022-0035981号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本明細書は、ポリカーボネート樹脂およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光学材料の屈折率が高いと、同一レベルの補正を達成するのに必要な光学レンズの厚さは薄くなる。これにより、光学材料の屈折率が高いほど、より薄くて軽いレンズの製造が可能となり、レンズが用いられる各種機器の小型化が可能である。
【0004】
一般に、光学材料の屈折率が高くなると、アッベ数(Abbe’s Number)が低くなるという問題があり、また、光学材料への使用のために一定レベル以上の透明性が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書の一実施態様は、新規な構造のポリカーボネート樹脂およびその製造方法を提供しようとする。
【0006】
本明細書のまた一つの実施態様は、新規な構造のポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物および前記ポリカーボネート樹脂組成物から製造された成形品を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1の単位および下記化学式2の単位を含むポリカーボネート樹脂を提供する。
【化1】
前記化学式1および2において、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
r1は1または2であり、前記r1が2である場合、前記2個のR1は互いに同一または異なり、
r2およびr3はそれぞれ1~4の整数であり、前記r2が2以上である場合、前記2以上のR2は互いに同一または異なり、前記r3が2以上である場合、前記2以上のR3は互いに同一または異なり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
X1~X8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z1~Z4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a、b、c、およびdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~10の整数であり、前記a、b、c、およびdがそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なり、
*は、樹脂の主鎖に連結される部位を意味する。
【0008】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1aの化合物;下記化学式2aの化合物;およびポリカーボネート前駆体を含むポリカーボネート樹脂製造用組成物を重合するステップを含む、前記ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。
【化2】
前記化学式1aおよび2aにおいて、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
r1は1または2であり、前記r1が2である場合、前記2個のR1は互いに同一または異なり、
r2およびr3はそれぞれ1~4の整数であり、前記r2が2以上である場合、前記2以上のR2は互いに同一または異なり、前記r3が2以上である場合、前記2以上のR3は互いに同一または異なり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
X1~X8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z1~Z4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a、b、c、およびdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~10の整数であり、前記a、b、c、およびdがそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なる。
【0009】
本明細書のまた一つの実施態様は、前述した実施態様によるポリカーボネート樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【0010】
本明細書のまた一つの実施態様は、前述した実施態様によるポリカーボネート樹脂組成物を含む成形品を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本明細書の一実施態様によるポリカーボネート樹脂は、高い屈折率および高い透明性を有する。
【0012】
本明細書の一実施態様によるポリカーボネート樹脂を用いることで、厚さの薄い優れた光学レンズ、光学フィルム、光学薄膜、または光学樹脂を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】屈折率差によるレンズの厚さ減少率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
ローレンツ-ローレンツの式(Lorentz-Lorenz’s formula)により知られている分子構造と屈折率の関係式から、分子の電子密度を高め、分子の体積を減らすことで、分子で構成される物質の屈折率が高くなることが分かる。
【0015】
前記化学式1の単位を含む樹脂は、前記化学式1のコア構造がフェニレン基であることで、分子の体積が小さく、パッキング(packing)可能な能力に優れ、樹脂の屈折率を向上させることができる。また、Ar1およびAr2が置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基のように電子に富む置換基である場合、前記化学式1で表される構造の電子密度を高めて樹脂の屈折率をさらに向上させることができる。
【0016】
前記化学式2のフルオレン構造の両側のベンゼン環の置換基が非対称構造(asymmetric structure)をなし、R2およびR3を置換基として含むため、電子密度を高め、前記ポリカーボネート樹脂を含む成形品の屈折率を向上させることができる。
【0017】
すなわち、本明細書による樹脂は、前記化学式1の単位および前記化学式2の単位を含むことで、反応性が向上して前記樹脂を製造することが容易であり、各コア構造の電子密度が高くなることで樹脂の屈折率を向上させることができる。したがって、本明細書の一実施態様によるポリカーボネート樹脂は、高い屈折率および高い透明性を有し、それを用いた光学レンズ、光学フィルム、または光学樹脂は、厚さが薄く、優れた光学特性を示すことができる。
【0018】
本明細書の全体にわたって、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載の構成要素からなる群より選択される一つ以上の混合または組み合わせを意味し、前記構成要素からなる群より選択される一つ以上を含むことを意味する。
【0019】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書において、
【化3】
は、連結される部位を意味する。
【0021】
本明細書において、前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に置き換わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0022】
本明細書において、「置換もしくは非置換」という用語は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;シアノ基;アルキル基;シクロアルキル基;アルコキシ基;アルケニル基;アリールオキシ基;アリールチオ基;アルキルチオ基;シリル基;アリール基;芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基;およびヘテロアリール基からなる群より選択される1以上の置換基で置換されるか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、またはいかなる置換基も有しないことを意味する。
【0023】
本明細書において、2以上の置換基が連結されるとは、いずれか一つの置換基の水素が他の置換基と連結されることをいう。例えば、2個の置換基が連結されるとは、フェニル基とナフチル基が連結され、
【化4】
の置換基になることができる。また、3個の置換基が連結されるとは、(置換基1)-(置換基2)-(置換基3)が連続して連結されることだけでなく、(置換基1)に(置換基2)および(置換基3)が連結されることも含む。例えば、フェニル基、ナフチル基、およびイソプロピル基が連結され、
【化5】
の置換基になることができる。4以上の置換基が連結されることにも前述した定義が同様に適用される。
【0024】
本明細書において、前記ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。
【0025】
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~30であることが好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、1-メチル-ブチル基、1-エチル-ブチル基、ペンチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、ヘプチル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、n-ノニル基、2,2-ジメチルヘプチル基、1-エチル-プロピル基、1,1-ジメチル-プロピル基、イソヘキシル基、2-メチルペンチル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書において、前記シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3~30であることが好ましく、具体的に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、2,3-ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書において、前記アルコキシ基は、直鎖、分岐鎖もしくは環状鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~30であることが好ましい。具体的に、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、3,3-ジメチルブチルオキシ基、2-エチルブチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、ベンジルオキシ基、p-メチルベンジルオキシ基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖もしくは分岐鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~30であることが好ましい。具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、アリル基、1-フェニルビニル-1-イル基、2-フェニルビニル-1-イル基、2,2-ジフェニルビニル-1-イル基、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル基、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル基、スチルベニル基、スチレニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書において、アリール基は、特に限定されないが、炭素数6~50であることが好ましく、前記アリール基は、単環式もしくは多環式であってもよい。
【0030】
前記アリール基が単環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6~30であることが好ましい。具体的に、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
前記アリール基が多環式アリール基である場合、炭素数は特に限定されないが。炭素数10~50であることが好ましい。具体的に、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、フェナレン基、ペリレン基、クリセン基、フルオレン基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書において、前記フルオレン基は置換されていてもよく、隣接した基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0033】
前記フルオレン基が置換される場合、
【化6】
などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書において、「隣接した」基は、当該置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、当該置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または当該置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味し得る。例えば、ベンゼン環においてオルト(ortho)位に置換された2個の置換基、および脂肪族環において同一炭素に置換された2個の置換基は、互いに「隣接した」基と解釈することができる。
【0035】
本明細書において、前記ヘテロアリール基は、炭素ではない原子、ヘテロ原子を1以上含むものであり、具体的に、前記ヘテロ原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含んでもよい。炭素数は特に限定されないが、炭素数2~30であることが好ましく、前記ヘテロアリール基は、単環式もしくは多環式であってもよい。ヘテロアリール基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ピリジン基、ビピリジン基、ピリミジン基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジン基、ピリダジン基、ピラジン基、キノリン基、キナゾリン基、キノキサリン基、フタラジン基、ピリドピリミジン基、ピリドピラジン基、ピラジノピラジン基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、フェナントリジン基(phenanthridine)、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾール基、チアジアゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾシロール基、フェノキサチイン基(phenoxathiine)、フェノキサジン基(phenoxazine)、フェノチアジン基(phenothiazine)、ジヒドロインデノカルバゾール基、スピロフルオレンキサンテン基、スピロフルオレンチオキサンテン基、テトラヒドロナフトチオフェン基、テトラヒドロナフトフラン基、テトラヒドロベンゾチオフェン基、およびテトラヒドロベンゾフラン基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書において、前記シリル基は、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルキルアリールシリル基、ヘテロアリールシリル基などであってもよい。前記アルキルシリル基中のアルキル基は、前述したアルキル基の例示が適用されてもよく、前記アリールシリル基中のアリール基は、前述したアリール基の例示が適用されてもよく、前記アルキルアリールシリル基中のアルキル基およびアリール基は、前記アルキル基およびアリール基の例示が適用されてもよく、前記ヘテロアリールシリル基中のヘテロアリール基は、前記ヘテロ環基の例示が適用されてもよい。
【0037】
本明細書において、前記炭化水素環基は、芳香族炭化水素環基、脂肪族炭化水素環基、または芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基であってもよく、前記シクロアルキル基、アリール基、およびこれらの組み合わせの例示の中から選択されてもよく、前記炭化水素環基は、フェニル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]オクチル基、テトラヒドロナフタレン基、テトラヒドロアントラセン基、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン基、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-エタノナフタレン基、スピロシクロペンタンフルオレン基、スピロアダマンタンフルオレン基、およびスピロシクロヘキサンフルオレン基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書において、前記アリールオキシ基は、-ORoで表されてもよく、前記Roは、前述したアリール基に関する説明が適用される。
【0039】
本明細書において、前記アリールチオ基は、-SRs1で表されてもよく、前記Rs1は、前述したアリール基に関する説明が適用される。
【0040】
本明細書において、前記アルキルチオ基は、-SRs2で表されてもよく、前記Rs2は、前述したアルキル基に関する説明が適用される。
【0041】
本明細書において、アルキレン基は、アルキル基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述したアルキル基の説明が適用されてもよい。
【0042】
本明細書において、シクロアルキレン基は、シクロアルキル基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述したシクロアルキル基の説明が適用されてもよい。
【0043】
本明細書において、2価の芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基は、芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述した芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基の説明が適用されてもよい。
【0044】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が二つ存在するもの、すなわち、2価の基を意味する。これらは、それぞれ2価の基であることを除いては、前述したアリール基の説明が適用されてもよい。
【0045】
本明細書の一実施態様によれば、前記ポリカーボネート樹脂は、下記化学式3の単位をさらに含む。
【化7】
前記化学式3において、
L11は、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;置換もしくは非置換であり、2価の芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
l11は1~5の整数であり、前記l11が2以上である場合、前記2以上のL11は互いに同一または異なり、
X11~X14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a’およびb’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して0~10の整数であり、前記a’およびb’がそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なり、
*は、樹脂の主鎖に連結される部位を意味する。
【0046】
前記ポリカーボネート樹脂が前記化学式3で表される単位をさらに含むことで、前記化学式1および化学式2の単位を含む樹脂のガラス転移温度(Tg)を補完するか、または前記ポリカーボネート樹脂の鎖挙動を柔軟にすることができ、成形品の射出加工に有利な技術的効果を有する。
【0047】
本明細書の一実施態様は、前記化学式1の単位;前記化学式2の単位;および前記化学式3の単位を含むポリカーボネート樹脂を提供する。
【0048】
本明細書の一実施態様によれば、前記r2は1である。
【0049】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式2は、下記化学式2-1~2-4のうちいずれか一つである。
【化8】
前記化学式2-1~2-4において、
Z3、Z4、X5~X8、c、d、L1、L2、およびR2の定義は、前記化学式2における定義と同様である。
【0050】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基、または炭素数2~30の単環もしくは多環のヘテロアリール基で置換もしくは非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基;または炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基で置換もしくは非置換の炭素数2~30の単環もしくは多環のヘテロアリール基であり、前記R1は、水素であり、前記X1~X4は、Oであり、前記Z1およびZ2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0051】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基であり、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリーレン基であり、前記X4~X8は、Oであり、前記Z3およびZ4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0052】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基である。
【0053】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~20の単環もしくは多環のアリール基である。
【0054】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数10~30の多環のアリール基である。
【0055】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数10~20の多環のアリール基である。
【0056】
本明細書の一実施態様によれば、前記Ar1およびAr2はナフチル基である。
【0057】
本明細書の一実施態様によれば、前記R1は水素である。
【0058】
本明細書の一実施態様によれば、前記X1はOである。
【0059】
本明細書の一実施態様によれば、前記X2はOである。
【0060】
本明細書の一実施態様によれば、前記X3はOである。
【0061】
本明細書の一実施態様によれば、前記X4はOである。
【0062】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z1およびZ2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0063】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z1およびZ2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0064】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z1およびZ2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、エチレン基;またはイソプロピレン基である。
【0065】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基である。
【0066】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数6~20の単環もしくは多環のアリール基である。
【0067】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数10~30の多環のアリール基である。
【0068】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;または非置換の炭素数10~20の多環のアリール基である。
【0069】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;またはナフチル基である。
【0070】
本明細書の一実施態様によれば、前記R2はナフチル基である。
【0071】
本明細書の一実施態様によれば、前記R3は水素である。
【0072】
本明細書の一実施態様によれば、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~30の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0073】
本明細書の一実施態様によれば、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数6~20の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0074】
本明細書の一実施態様によれば、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数10~30の多環のアリーレン基である。
【0075】
本明細書の一実施態様によれば、前記L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数10~20の多環のアリーレン基である。
【0076】
本明細書の一実施態様によれば、前記L1およびL2は2価のナフタレン基である。
【0077】
本明細書の一実施態様によれば、前記X5はOである。
【0078】
本明細書の一実施態様によれば、前記X6はOである。
【0079】
本明細書の一実施態様によれば、前記X7はOである。
【0080】
本明細書の一実施態様によれば、前記X8はOである。
【0081】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z3およびZ4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0082】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z3およびZ4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0083】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z3およびZ4はエチレン基である。
【0084】
本明細書の一実施態様によれば、前記aは1である。
【0085】
本明細書の一実施態様によれば、前記bは1である。
【0086】
本明細書の一実施態様によれば、前記cは1である。
【0087】
本明細書の一実施態様によれば、前記dは1である。
【0088】
本明細書の一実施態様によれば、前記aは0である。
【0089】
本明細書の一実施態様によれば、前記bは0である。
【0090】
本明細書の一実施態様によれば、前記cは0である。
【0091】
本明細書の一実施態様によれば、前記dは0である。
【0092】
本明細書の一実施態様によれば、前記L11は、炭素数1~30の単環もしくは多環のアルキレン基;2価の炭素数6~30の単環もしくは多環の芳香族炭化水素環と炭素数3~30の脂肪族炭化水素環の縮合環基;または炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基で置換もしくは非置換の炭素数6~50の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0093】
本明細書の一実施態様によれば、前記L11は、炭素数1~20の単環もしくは多環のアルキレン基;2価の炭素数6~20の単環もしくは多環の芳香族炭化水素環と炭素数3~20の脂肪族炭化水素環の縮合環基;または炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、または炭素数6~20の単環もしくは多環のアリール基で置換もしくは非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリーレン基である。
【0094】
本明細書の一実施態様によれば、前記L11は、メチル基で置換もしくは非置換のメチレン基;イソプロピレン基;メチル基、フェニル基で置換もしくは非置換のフェニレン基;2価のナフタレン基;または2価のフルオレン基である。
【0095】
本明細書の一実施態様によれば、前記l11は1である。
【0096】
本明細書の一実施態様によれば、前記l11は2であり、前記2個のL11は互いに同一または異なる。
【0097】
本明細書の一実施態様によれば、前記l11は3であり、前記3個のL11は互いに同一または異なる。
【0098】
本明細書の一実施態様によれば、前記X11はOである。
【0099】
本明細書の一実施態様によれば、前記X12はOである。
【0100】
本明細書の一実施態様によれば、前記X13はOである。
【0101】
本明細書の一実施態様によれば、前記X14はOである。
【0102】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0103】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。
【0104】
本明細書の一実施態様によれば、前記Z11およびZ12はエチレン基である。
【0105】
本明細書の一実施態様によれば、前記a’は1である。
【0106】
本明細書の一実施態様によれば、前記b’は1である。
【0107】
本明細書の一実施態様によれば、前記a’は0である。
【0108】
本明細書の一実施態様によれば、前記b’は0である。
【0109】
本明細書の一実施態様によれば、前記ポリカーボネート樹脂は、末端基として-OH;-SH;-CO2CH3;-Cl;または-OC6H5を有してもよい。
【0110】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は5,000g/mol~500,000g/molであり、好ましくは、7,000g/mol~400,000g/mol、8,000g/mol~300,000g/mol、または9,000g/mol~200,000g/molである。より好ましくは、10,000g/mol~100,000g/mol、10,000g/mol~80,000g/mol、15,000g/mol~70,000g/mol、または18,000g/mol~65,000g/molである。
【0111】
本発明の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は2,000g/mol~250,000g/molであり、3,000g/mol~200,000g/mol、4,000g/mol~180,000g/mol、または5,000g/mol~150,000g/mol、好ましくは、8,000g/mol~100,000g/molである。
【0112】
前記ポリカーボネート樹脂が前述した重量平均分子量および数平均分子量範囲を満たす場合、前記ポリカーボネート樹脂は、最適な流動性および加工性を有することができる。
【0113】
前記ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量および数平均分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0114】
本明細書において、ポリカーボネート樹脂およびその製造に用いられるオリゴマーの重量平均分子量および数平均分子量は、Agilent 1200シリーズを用いて、ポリスチレン標準(PS standard)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatograph;GPC)で測定することができる。具体的には、Polymer Laboratories PLgel MIX-B 300mm長さのカラムを用いて、Agilent 1200シリーズ機器を用いて測定することができ、この際、測定温度は40℃であり、使用溶媒はテトラヒドロフラン(THF)であり、流速は1mL/minである。ポリカーボネート樹脂またはオリゴマーのサンプルは、それぞれ10mg/10mLの濃度に調製した後、10μLの量で供給し、ポリスチレン標準を用いて形成された較正曲線を用いて重量平均分子量(Mw)値を誘導する。この際、ポリスチレン標準品の分子量(g/mol)が2,000/10,000/30,000/70,000/200,000/700,000/2,000,000/4,000,000/10,000,000の9種を用いる。
【0115】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は80℃~200℃であってもよい。または、85℃~190℃であってもよい。好ましくは、100℃~180℃、120℃~170℃、または130℃~160℃、具体的には、85.0℃~168.0℃であってもよい。
【0116】
前記ポリカーボネート樹脂が前記ガラス転移温度範囲を満たす場合、耐熱性および射出性に優れ、前述した範囲とは異なるガラス転移温度を有する樹脂と混合してポリカーボネート樹脂組成物を製造する際に、ガラス転移温度の調節が容易であり、本明細書が目的とする物性を満たすことができる。
【0117】
前記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。具体的に、前記ガラス転移温度は、5.5mg~8.5mgの前記ポリカーボネート樹脂試料を窒素雰囲気下で270℃まで加熱後に冷却した後、2回目の加熱時に10℃/minの昇温速度で加熱しつつスキャンして得られたグラフから測定することができる。
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂の波長587nmで測定された屈折率が1.50~1.75である。前記屈折率は、好ましくは1.65~1.712であり、具体的には1.607~1.709であってもよい。前記樹脂が前記屈折率を満たす場合、それを光学レンズのような成形品に適用する際に薄くて軽い光学レンズの製造が可能である。
【0119】
本明細書の一実施態様において、前記樹脂の波長486、587、および656nmで測定および計算されたアッベ数は5~45であってもよい。好ましくは10~25、より好ましくは14~20であってもよい。具体的には14.0~26.5であってもよい。
【0120】
前記樹脂が前記アッベ数範囲を満たす場合、前記樹脂を光学レンズのような成形品に適用する際に、分散が少なく、鮮明度が高くなるという効果がある。前記アッベ数は、具体的に、20℃で、D(587nm)、F(486nm)、C(656nm)波長における屈折率(nD、nF、nC)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりアッベ数を得ることができる。
アッベ数=(nD-1)/(nF-nC)
【0121】
前記屈折率およびアッベ数の測定は、前記樹脂を溶媒に溶解して製造された溶液をシリコンウェハーにスピンコーティング(spin-coating)で塗布して製造された膜から行われてもよく、塗布された膜を20℃でエリプソメータ(ellipsometer)を用いて光の波長に応じた結果値を得て測定することができる。前記スピンコーティングによる塗布は150rpm~300rpmの回転速度で行われてもよく、前記塗布された膜の厚さは5μm~20μmであってもよい。前記シリコンウェハーは、特に制限されず、本明細書による樹脂組成物の屈折率およびアッベ数を測定できるものであれば適宜採用されてもよい。前記溶媒は、ジメチルアセトアミドまたは1,2-ジクロロベンゼンであってもよく、前記溶液は、溶液の総重量を基準として前記樹脂試料を10重量%で溶解して製造されてもよい。
【0122】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1aの化合物;下記化学式2aの化合物;およびポリカーボネート前駆体を含むポリカーボネート樹脂製造用組成物を重合するステップを含む、前記ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。
【化9】
前記化学式1aおよび2aにおいて、
Ar1およびAr2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1は、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2およびR3は、互いに異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシリル基;重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
r1は1または2であり、前記r1が2である場合、前記2個のR1は互いに同一または異なり、
r2およびr3はそれぞれ1~4の整数であり、前記r2が2以上である場合、前記2以上のR2は互いに同一または異なり、前記r3が2以上である場合、前記2以上のR3は互いに同一または異なり、
L1およびL2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
X1~X8は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z1~Z4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a、b、c、およびdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1~10の整数であり、前記a、b、c、およびdがそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なる。
【0123】
本明細書の一実施態様によれば、前記ポリカーボネート樹脂の製造方法は、下記化学式3aの化合物をさらに含み、前記化学式1aの化合物、前記化学式2aの化合物、および前記化学式3aの化合物は、0.01モル%~99.99モル%:0.01モル%~99.99モル%:0モル%~99.98モル%、具体的には、0.1モル%~99.9モル%:0.1モル%~99.9モル%:0モル%~99.8モル%で含まれ、より具体的には、1モル%~99モル%:1モル%~99モル%:0モル%~98モル%、5モル%~95モル%:95モル%~5モル%:0モル%~90モル%、または10モル%~90モル%:90モル%~10モル%:0モル%~80モル%で含まれる。
【化10】
前記化学式3aにおいて、
L11は、置換もしくは非置換のアルキレン基;置換もしくは非置換のシクロアルキレン基;置換もしくは非置換であり、2価の芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素環の縮合環基;または置換もしくは非置換のアリーレン基であり、
l11は1~5の整数であり、前記l11が2以上である場合、前記2以上のL11は互いに同一または異なり、
X11~X14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、O;またはSであり、
Z11およびZ12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアルキレン基;または置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
a’およびb’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して0~10の整数であり、前記a’およびb’がそれぞれ2以上である場合、各括弧内の構造は互いに同一または異なる。
【0124】
本明細書の一実施態様は、前記化学式1aの化合物;前記化学式2aの化合物;およびポリカーボネート前駆体を含むポリカーボネート樹脂製造用組成物を重合するステップを含む、前記ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。前記化学式1aの化合物および前記化学式2aの化合物は、0.01モル%~99.99モル%:99.99モル%~0.01モル%で含まれる。具体的には、0.1モル%~99.9モル%:99.9モル%~0.1モル%、1モル%~99モル%:99モル%~1モル%、5モル%~95モル%:95モル%~5モル%、または10モル%~90モル%:90モル%~10モル%で含まれる。
【0125】
前記化学式1aおよび2aの化合物が前記含量で含まれる場合、重合しやすく、置換基に応じて多様な範囲の屈折率、または高い屈折率を有し、広い範囲のガラス転移温度を有する。
【0126】
本明細書の一実施態様は、前記化学式1aの化合物;前記化学式2aの化合物;前記化学式3aの化合物;およびポリカーボネート前駆体を含むポリカーボネート樹脂製造用組成物を重合するステップを含む、前記ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。前記化学式1aの化合物、前記化学式2aの化合物、および前記化学式3aの化合物は、0.01モル%~99.99モル%:0.01モル%~99.99モル%:0モル%~99.98モル%、具体的には、0.1モル%~99.9モル%:0.1モル%~99.9モル%:0モル%~99.8モル%で含まれ、より具体的には、1モル%~99モル%:1モル%~99モル%:0モル%~98モル%、5モル%~95モル%:95モル%~5モル%:0モル%~90モル%、または10モル%~90モル%:90モル%~10モル%:0モル%~80モル%で含まれる。
【0127】
前記化学式1a、2a、および3aの化合物が前記含量で含まれる場合、ガラス転移温度(Tg)および屈折率を調節することができ、前記ポリカーボネート樹脂の鎖挙動を柔軟にすることができるため、成形品の射出加工に有利な技術的効果を有する。
【0128】
前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物は、溶媒をさらに含んでもよい。
【0129】
前記溶媒は、例えば、ジフェニルエーテル、ジメチルアセトアミド、またはメタノールであってもよいが、これらに限定されず、当該技術分野に適用されるものが適宜採用されてもよい。
【0130】
前記溶媒は、前記樹脂製造用組成物100重量部に対して5重量部~60重量部で含まれてもよい。
【0131】
前記溶媒は、前記樹脂製造用組成物100重量部に対して、好ましくは、5重量部~50重量部、7重量部~45重量部、または8重量部~40重量部で含まれてもよい。
【0132】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1aを2以上含んでもよい。前記2以上の化学式1aは互いに同一または異なる。
【0133】
本発明の一実施態様において、前記化学式1aの化合物は、下記化合物の中から選択されるいずれか一つであってもよいが、これらに限定されない。
【化11】
【0134】
本発明の一実施態様において、前記化学式2aの化合物は、下記化合物であってもよいが、これに限定されない。
【化12】
【0135】
本発明の一実施態様において、前記化学式3aの化合物は、下記化合物であってもよいが、これらに限定されない。
【化13】
【0136】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して1重量部~99重量部で含まれてもよい。
【0137】
前記化学式1aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して、好ましくは、1~60重量部、1~50重量部、1~40重量部、1~30重量部、1~20重量部、または1~10重量部で含まれてもよい。
【0138】
本明細書の一実施態様において、前記化学式2aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して1重量部~99重量部で含まれてもよい。
【0139】
前記化学式2aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して、好ましくは、1~60重量部、1~50重量部、1~40重量部、1~30重量部、1~20重量部、または1~10重量部で含まれてもよい。
【0140】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート前駆体は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して1重量部~60重量部で含まれてもよい。
【0141】
前記ポリカーボネート前駆体は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して、好ましくは、1~60重量部、1~55重量部、1~50重量部、1~45重量部、または1~40重量部で含まれてもよい。
【0142】
本明細書の一実施態様において、前記化学式3aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して0重量部~98重量部で含まれてもよい。
【0143】
前記化学式3aの化合物は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物100重量部に対して、好ましくは、0~60重量部、1~50重量部、0~40重量部、0~30重量部、0~20重量部、または0~10重量部で含まれてもよい。
【0144】
本明細書の一実施態様によれば、前記ポリカーボネート前駆体は、下記化学式Aである。
【化14】
前記化学式Aにおいて、
Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のアリール基であり、
a1およびa2はそれぞれ0または1である。
【0145】
本明細書の一実施態様によれば、前記Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;置換もしくは非置換の炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基である。
【0146】
本明細書の一実施態様によれば、前記Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;置換もしくは非置換の炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数6~20の単環もしくは多環のアリール基である。
【0147】
本明細書の一実施態様によれば、前記Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;炭素数1~30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;または炭素数6~30の単環もしくは多環のアリール基である。
【0148】
本明細書の一実施態様によれば、前記Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、ハロゲン基;炭素数1~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基;または炭素数6~20の単環もしくは多環のアリール基である。
【0149】
本明細書の一実施態様によれば、前記Rb1およびRb2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、-Cl;メチル基;エチル基;n-プロピル基;イソプロピル基;n-ブチル基;またはフェニル基である。
【0150】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式Aは、下記化合物の中から選択されるいずれか一つである。
【化15】
【0151】
ポリエステル樹脂の場合、前駆体
【化16】
の分子量がポリカーボネート樹脂の前駆体
【化17】
よりも高いため、樹脂の重量で占める比重が高い。前記前駆体は、高屈折を実現するジオールモノマー(diol monomer)の濃度を低くするため、ポリカーボネート樹脂の屈折率がポリエステル樹脂よりも相対的に高い。また、ポリカーボネート樹脂に比べて、ポリエステル樹脂の構造的特徴により共役結合の長さが長く、分子内水素結合により一般に黄色度指数(yellow index)が高いという短所がある。
【0152】
前記ポリカーボネート前駆体は、必要に応じて追加の共単量体を連結する役割をするものであり、前記化学式Aで表される化合物の他に適用可能な他の具体例としては、ホスゲン、トリホスゲン、ジホスゲン、ブロモホスゲン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレシルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、またはビスハロホルメートなどが挙げられ、これらのいずれか一つまたは二つ以上の混合物を用いてもよい。
【0153】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂は、前記化学式1aの化合物;前記化学式2aの化合物;および前記化学式Aのポリカーボネート前駆体から重合されることが好ましい。
【0154】
前記化学式1aの化合物と前記化学式Aのポリカーボネート前駆体を重合することで、前述した化学式1の単位に形成されることができる。
【0155】
前記化学式1aの化合物は、前記化学式1の単位を含むポリカーボネート樹脂を構成する全単量体100モル部に対して1モル部~99モル部で用いられてもよい。
【0156】
前記化学式Aのポリカーボネートポリエステル前駆体は、前記樹脂を構成する前記化学式1aの化合物の全単量体100モル部に対して1モル部~150モル部、または50モル部~150モル部で用いられてもよい。
【0157】
前記化学式2aの化合物と前記化学式Aのポリカーボネート前駆体を重合することで、前述した化学式2の単位に形成されることができる。
【0158】
前記化学式2aの化合物は、前記化学式2の単位を含むポリカーボネート樹脂を構成する全単量体100モル部に対して1モル部~99モル部で用いられてもよい。
【0159】
前記化学式Aのポリカーボネートポリエステル前駆体は、前記樹脂を構成する前記化学式2aの化合物の全単量体100モル部に対して1モル部~150モル部、または50モル部~150モル部で用いられてもよい。
【0160】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂は、前記化学式3の単位をさらに含んでもよい。
【0161】
前記化学式3aの化合物と前記化学式Aのポリカーボネート前駆体を重合することで、前述した化学式3の単位に形成されることができる。
【0162】
前記化学式3aの化合物は、前記化学式3の単位を含むポリカーボネート樹脂を構成する全単量体100モル部に対して0モル部~98モル部で用いられてもよい。
【0163】
前記化学式Aのポリカーボネートポリエステル前駆体は、前記樹脂を構成する前記化学式3aの化合物の全単量体100モル部に対して1モル部~150モル部、または50モル部~150モル部で用いられてもよい。
【0164】
本明細書による樹脂の重合は、当該技術分野で周知の方法が用いられてもよい。
【0165】
前記重合は、溶融重縮合法で行うことが好ましい。
【0166】
前記溶融重縮合法は、前記ポリカーボネート樹脂製造用組成物を用いて、必要に応じて触媒をさらに適用してもよく、加熱下で、さらに常圧または減圧下で、エステル交換反応により副生成物を除去しつつ溶融重縮合を行ってもよい。前記触媒は、当該技術分野で一般に適用される物質が採用されてもよい。
【0167】
具体的に、前記溶融重縮合法は、前記化学式1aの化合物;前記化学式2aの化合物;および前記ポリカーボネート前駆体を反応容器中で溶融した後、副生する化合物を滞留させた状態で、反応を行うことが好ましい。前記製造方法は、前記化学式3aの化合物をさらに含んでもよい。
【0168】
前記副生する化合物を滞留させるために、反応装置を閉塞するか、または減圧または加圧するなどの圧力を制御してもよい。
【0169】
この工程の反応時間は20分以上600分以下であり、好ましくは40分以上450分以下であり、より好ましくは60分以上300分以下である。
【0170】
この際、副生する化合物を生成後に直ちに蒸留除去すると、最終的に得られる樹脂は、高分子量体の含有量が少ない。しかし、副生する化合物を反応容器中に一定時間滞留させると、最終的に得られる樹脂は、高分子量体の含有量の多いものが得られる。
【0171】
前記溶融重縮合法は、連続式で行ってもよく、バッチ式で行ってもよい。反応を行う際に用いられる反応装置は、錨型撹拌翼、マックスブレンド撹拌翼、ヘリカルリボン型撹拌翼などを装備した縦型であってもよく、パドル翼、格子翼、メガネ翼などを装備した横型であってもよく、スクリューを装備した押出機型であってもよい。また、重合物の粘度を考慮して、これらの反応装置を適宜組み合わせた反応装置を用いることが好ましく実施される。
【0172】
本明細書で用いられるポリカーボネート樹脂の製造方法においては、重合反応の終了後、熱安定性および加水分解安定性を維持するために、触媒を除去または失活させてもよい。当該技術分野で公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法を好ましく実施することができる。
【0173】
前記酸性物質としては、例えば、安息香酸ブチルなどのエステル類;p-トルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸類;p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸ヘキシルなどの芳香族スルホン酸エステル類;亜リン酸、リン酸、ホスホン酸などのリン酸類;亜リン酸トリフェニル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジn-プロピル、亜リン酸ジn-ブチル、亜リン酸ジn-ヘキシル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸モノオクチルなどの亜リン酸エステル類;リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル、リン酸モノフェニル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノオクチルなどのリン酸エステル類;ジフェニルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジブチルホスホン酸などのホスホン酸類;フェニルホスホン酸ジエチルなどのホスホン酸エステル類;トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンなどのホスフィン類;ホウ酸、フェニルホウ酸などのホウ酸類;ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩などの芳香族スルホン酸塩類;ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p-トルエンスルホン酸クロライドなどの有機ハロゲン化物;ジメチル硫酸などのアルキル硫酸;塩化ベンジルなどの有機ハロゲン化物などが好ましく用いられる。
【0174】
前記酸性物質は、前記触媒100モル部に対して0.1モル部~5モル部、好ましくは0.1モル部~1モル部で用いられてもよい。
【0175】
前記酸性物質が0.1モル部未満であれば、失活効果が不十分になるため好ましくない。また、5モル部超過であれば、樹脂の耐熱性が低下し、成形品が着色しやすくなるため好ましくない。
【0176】
触媒の失活後、樹脂中の低沸点化合物を、0.1mmHg~1mmHgの圧力、200℃~350℃の温度で脱揮工程をさらに行ってもよい。この工程には、パドル翼、格子翼、メガネ翼など、表面更新能に優れた撹拌翼を備えた横型装置、もしくは薄膜蒸発器が好ましく用いられる。
【0177】
本明細書の樹脂は、異物の含有量が最大限少ないことが好ましく、溶融原料の濾過、触媒液の濾過などが好ましく実施される。
【0178】
前記濾過に用いられるフィルタのメッシュは5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。また、生成される樹脂のポリマーフィルタによる濾過が好ましく実施される。前記ポリマーフィルタのメッシュは100μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下である。また、樹脂ペレットを採取する工程は、低ダスト環境でなければならず、クラス6以下であることが好ましく、より好ましくはクラス5以下である。
【0179】
また、前記ポリカーボネート樹脂を含む成形品の成形方法としては、射出成形の他に、圧縮成形、注型、ロール加工、押出成形、延伸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0180】
本明細書のまた一つの実施態様は、前述した実施態様による樹脂を含むポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【0181】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂組成物100重量部を基準として1重量部~80重量部で含まれてもよい。
【0182】
本明細書の一実施態様において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は、溶媒をさらに含んでもよい。前記溶媒は、例えば、ジメチルアセトアミドまたは1,2-ジクロロベンゼンであってもよい。
【0183】
前記溶媒は、前記ポリカーボネート樹脂組成物100重量部を基準として20重量部~99重量部で含まれてもよい。
【0184】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は、前記化学式1aの化合物および化学式2aの化合物の他に、追加の単量体をさらに含んでもよい。前記追加の単量体は、特に制限されず、前記ポリカーボネート樹脂組成物の主な物性を変化させない範囲で、ポリカーボネート関連の当該技術分野で一般に適用される単量体が適宜採用されてもよい。前記追加の単量体は、前記化学式1の単位を含む樹脂を構成する全単量体100モル部に対して1モル部~50モル部で用いられてもよい。
【0185】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は、前記化学式1の単位および前記化学式2の単位を含む樹脂の他に、必要に応じて、添加剤、例えば、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、核剤、難燃剤、滑剤、衝撃補強剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、顔料、および染料からなる群より選択された1種以上をさらに含んでもよい。
【0186】
前記添加剤は、前記ポリカーボネート樹脂組成物100重量部を基準として1重量部~99重量部で含まれてもよい。
【0187】
前記酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、核剤、難燃剤、滑剤、衝撃補強剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、顔料、または染料の種類は、特に限定されず、当該技術分野に適用されるものが適宜採用されてもよい。
【0188】
本明細書のまた一つの実施態様は、前述した実施態様によるポリカーボネート樹脂組成物を含む成形品を提供する。
【0189】
本明細書の一実施態様において、前記成形品は、前記ポリカーボネート樹脂組成物またはその硬化物から製造されてもよい。
【0190】
前記成形品の製造方法の一例として、前記化学式1の単位を含む樹脂と前記添加剤をミキサーでよく混合した後、押出機で押出成形してペレットに製造し、前記ペレットの乾燥後に射出成形機で射出するステップを含んでもよい。
【0191】
本明細書の一実施態様において、前記成形品は光学レンズである。
【0192】
本明細書の一実施態様において、前記光学レンズの厚さは0.1μm~30mmである。
【0193】
前記光学レンズは、屈折率差に応じて同一厚さのレンズにおいて光が結ばれる焦点の位置が異なる。それを
図1に示した。これは、カメラレンズとイメージセンサ、メガネレンズと人の瞳孔との間に結ばれる焦点の位置を変更させ、同一位置の焦点を合わせるために屈折率が高くなることで、レンズ、フィルムの厚さが薄くなる。本明細書の一実施態様による光学レンズは、屈折率が高いため、薄い厚さの光学レンズを実現することができる。
【0194】
前記光学レンズは、前記ポリカーボネート樹脂を用いて製造されるものであり、厚さが薄く、高屈折率および高透明性を有し、好ましくは、カメラに適用することができる。
【0195】
本明細書の一実施態様において、前記成形品は、光学フィルムまたは光学薄膜である。前記光学フィルムまたは光学薄膜は、前記ポリカーボネート樹脂を用いて製造されるものであり、厚さが薄く、集光効果および光拡散効果に優れ、好ましくは、液晶ディスプレイのバックライトモジュール、平面レンズ、メタレンズなどに適用することができる。
【0196】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルムまたは光学薄膜の厚さは0.1nm~10mmである。
【0197】
本明細書の一実施態様において、前記成形品は光学樹脂である。前記光学樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂を用いて製造されるものであり、厚さが薄く、高屈折率および低複屈折率を有し、光損失が低い。
【0198】
本明細書の一実施態様による光学樹脂は、高屈折率および低複屈折率を有し、光損失が低い。本明細書の一実施態様による光学樹脂は、従来の一般的な光学材料に比べて、耐熱特性が非常に高いか低くない80℃~200℃のガラス転移温度を有するため加工しやすく、優れた耐熱特性を示す。ガラス転移温度が200℃を超過する場合には、メルトフローインデックスが上昇して加工が難しく、ガラス転移温度が80℃未満である場合には、低い耐熱特性により、外部環境により耐候性が低下する結果を招く。このため、適切な熱特性を有し、高い屈折率を実現する本明細書の一実施態様による光学樹脂が少ない。
【実施例】
【0199】
以下、実施例により、本明細書をより詳細に例示する。
【0200】
製造例1.樹脂1の製造
モノマー1-1(31.537g(0.070mol))、モノマー2-1(14.358g(0.030mol))、およびジフェニルカーボネート(diphenylcarbonate)21.422g(0.100mol)を溶融して250℃で5時間反応した。反応が進行するにつれ、フェノール(Phenol)が副生成物として発生し、それを除去するために減圧度を最大1Torrまで調節した。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込んで常圧雰囲気を作り、重合した高分子溶融樹脂として樹脂1を得た。
【化18】
【0201】
製造例2~16.樹脂2~16の製造
前記製造例1において、モノマー1-1および2-1の代わりに下記表1のモノマーを下記重量部で用いたことを除いては、前記製造例1と同様に製造して樹脂2~16を得た。
【化19】
【0202】
【0203】
実験例
重合した樹脂試料の分子量および分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により確認し、熱的特性を調査するために示差走査熱量計(DSC)を用いてサーモグラム(thermogram)を得た。屈折率およびアッベ数を測定するために、製膜後、エリプソメータ(ellipsometer)を用いて光の波長に応じた結果値を得た。
【0204】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分子量は、テトラヒドロフラン(BHT(ブチルヒドロキシトルエン)で安定化されたTHF)を溶媒として用い、樹脂試料をテトラヒドロフランに1.0mg/1mlの濃度で溶解させてシリンジフィルタ(syringe filter)で濾過して作った溶液を注入して40℃で測定して結果を得、それを下記表2に記載した。Waters RI検出器を使用し、カラム(column)としてAgilent PLgel MIXED-Bを2個使用した。
【0205】
樹脂のガラス転移温度(Tg)を調査するために示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。5.5mg~8.5mgの樹脂試料をN2フロー(flow)下で270℃まで加熱後に冷却した後、2回目の加熱時に10℃/minの昇温速度で加熱しつつスキャンして得られたグラフ上でガラス転移温度(Tg)を求め、それを下記表2に記載した。
【0206】
樹脂の屈折率およびアッベ数を測定するために、重合して得られた樹脂パウダー試料を溶媒ジメチルアセトアミドに高分子溶液の総重量を基準として10重量%で溶解して製造された高分子溶液をシリコンウェハーにスピンコーティング(spin-coating)で220rpmの回転速度で塗布して厚さ20μmに製膜した後、20℃でエリプソメータ(ellipsometer)を用いて光の波長に応じた結果値を得、それを下記表2に記載した。具体的に、屈折率は、波長589nmで測定されたものであり、アッベ数は、D(587nm)、F(486nm)、C(656nm)波長における屈折率(nD、nF、nC)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりアッベ数を得た。
アッベ数=(nD-1)/(nF-nC)
【0207】
【0208】
前記表2において、Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量、PDIは多分散性指数、RIは屈折率、Tgはガラス転移温度、屈折率は波長587nmで測定された値である。
【0209】
前記表2によれば、本発明の実施態様による樹脂は、化学式1の単位および化学式2の単位を含み、特に前記化学式1のコア構造がフェニレン基であることで、分子の体積が小さく、パッキング(packing)される能力に優れ、樹脂の屈折率が向上することを確認することができた。
【0210】
また、Ar1およびAr2が電子に富む置換基を有するため電子密度が高く、また、前記化学式2のフルオレンコア構造のベンゼン環に電子に富むR2の置換基で置換され、フルオレンコア構造の電子密度が高いため、それを含むポリカーボネート樹脂は屈折率が向上する。
【0211】
また、前記化学式1の単位および化学式2の単位に前記化学式3の単位をさらに含むことで、ガラス転移温度(Tg)および屈折率を調節することができ、前記ポリカーボネート樹脂の鎖挙動を柔軟にすることができるため、成形品の射出加工に有利な技術的効果を有する。