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特許7601950新規の3D NANDメモリデバイスおよびそれを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】新規の3D NANDメモリデバイスおよびそれを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20241210BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241210BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023096371
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2021532054の分割
【原出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2023112004
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤリ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】リホン・シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ワン
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-107938(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093631(US,A1)
【文献】国際公開第2018/161836(WO,A1)
【文献】特開2011-028833(JP,A)
【文献】特開2010-187000(JP,A)
【文献】特表2018-534765(JP,A)
【文献】特開2017-135238(JP,A)
【文献】特開2014-241185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0240527(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108573979(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 29/788
H01L 29/792
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互のゲートライン層と絶縁層のスタックであって、前記スタックがアレイ領域を含み、前記ゲートライン層が底部選択ゲート(BSG)を含み、ダミー底部選択ゲート(DUMBSG)層が前記底部選択ゲート(BSG)と前記他のゲートライン層との間に形成される、スタックと、
前記ゲートライン層の前記底部選択ゲート(BSG)の中に形成され、前記スタックの長さ方向に延びて前記底部選択ゲート(BSG)をサブ底部選択ゲート(BSG)に区分する第1の誘電体溝と、を含み、
前記第1の誘電体溝は、前記ダミー底部選択ゲート(DUMBSG)層をサブダミー底部選択ゲート層に区分けし、
前記第1の誘電体溝は、前記底部選択ゲート(BSGと前記ダミー底部選択ゲート(DUMBSG層との間の絶縁層に延びる、メモリデバイス。
【請求項2】
前記スタックの前記長さ方向に延びる第1の共通ソース領域(CSR)を含み、前記第1の共通ソース領域(CSR)が、前記スタックの高さ方向に前記ゲートライン層および前記絶縁層を通ってさらに延び、
前記第1の共通ソース領域(CSR)が、前記第1の誘電体溝の2つの隣接する第1の誘電体溝の間に配列される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ゲートライン層が、前記底部選択ゲート(BSG)の上に設置された頂部選択ゲート(TSG)をさらに含む、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記ゲートライン層の前記頂部選択ゲート(TSG)の中に形成され、前記スタックの前記長さ方向に延びて前記頂部選択ゲート(TSG)をサブ頂部選択ゲート(TSG)に区分する第2の誘電体溝をさらに含む、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記スタックが、互いに隣接して設置され、前記スタックの長さ方向に配列されたアレイ領域および第1の階段領域をさらに含む、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記スタックが、第2の階段領域をさらに含み、前記アレイ領域が、前記スタックの前記長さ方向に前記第1の階段領域と前記第2の階段領域との間に設置される、請求項5に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記メモリデバイスが、前記スタックの前記長さ方向に延び、前記スタックの前記高さ方向に前記ゲートライン層および前記絶縁層を通ってさらに延びる第2の共通ソース領域(CSR)および第3の共通ソース領域(CSR)をさらに含み、
前記第2の共通ソース領域(CSR)、前記第1の共通ソース領域(CSR)および前記第3の共通ソース領域(CSR)が、前記スタックの幅方向に順次的に配列され、それにより、前記第1の誘電体溝の前記2つの隣接する第1の誘電体溝が、前記第2の共通ソース領域(CSR)と前記第3の共通ソース領域(CSR)との間に配列され、
前記第2の共通ソース領域(CSR)、前記第1の共通ソース領域(CSR)および前記第3の共通ソース領域(CSR)が、前記スタックの前記長さ方向に互いに平行に延び、
前記第2の共通ソース領域(CSR)、前記第1の共通ソース領域(CSR)および前記第3の共通ソース領域(CSR)が、前記スタックの前記長さ方向に順次、前記第1の階段領域、前記アレイ領域、および前記第2の階段領域を通って延びる、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1の共通ソース領域(CSR)が、前記スタックの前記長さ方向に整列された第1の部分および第2の部分を含む不連続プロファイルを有する、請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記スタックの前記高さ方向に前記ゲートライン層および前記絶縁層を通って延び、前記アレイ領域の中に設置され、前記第2の共通ソース領域(CSR)と前記第3の共通ソース領域(CSR)との間に配列されるチャネル構造をさらに含む、請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記スタックの前記高さ方向に前記ゲートライン層および前記絶縁層を通って延び、前記第1の階段領域および前記第2の階段領域の中に設置され、前記第2の共通ソース領域(CSR)と前記第3の共通ソース領域(CSR)との間に配列されるダミーチャネル構造をさらに含む、請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1の共通ソース領域(CSR)が、前記第2の誘電体溝の2つの隣接する第2の誘電体溝の間に配列される、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記頂部選択ゲート(TSG)が、前記ゲートライン層の最上ゲートライン層である、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記底部選択ゲート(BSG)が、前記ゲートライン層の最下ゲートライン層である、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記第1の誘電体溝が、前記スタックの前記長さ方向に、前記第1の階段領域、前記アレイ領域、および前記第2の階段領域を通って延びる、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記第2の誘電体溝が、前記スタックの前記長さ方向に前記アレイ領域を通って延びる、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
メモリデバイスを製造するための方法であって、
第1の絶縁層の上に底部選択ゲート(BSG)層を形成するステップと、
前記底部選択ゲート(BSG層及び前記第1の絶縁層を通過して前記第1の絶縁層の長さ方向に延びる1つまたは複数の第1の誘電体溝を形成するステップであって、前記底部選択ゲート(BSG層が前記1つまたは複数の第1の誘電体溝によってサブBSG層に区分けされる、ステップと、
前記底部選択ゲート(BSG層の上にゲートライン層及び第2の絶縁層を形成するステップであって、前記第2の絶縁層が前記底部選択ゲート(BSG層と前記ゲートライン層との間に配される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記第2の絶縁層の上に、前記第2の絶縁層の長さ方向に延びる1つまたは複数の共通ソース領域を形成するステップであって、前記1つまたは複数の共通ソース領域の各々が、前記底部選択ゲート(BSG層、前記第1の絶縁層、前記ゲートライン層及び前記第2の絶縁層を通って延びる、ステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲートライン層の上に頂部選択ゲート(TSG)を形成するステップであって、前記頂部選択ゲート(TSG層及び前記ゲートライン層が前記第2の絶縁層によって離隔される、ステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の共通ソース領域の各々がさらに、前記底部選択ゲート(BSG層、前記第1の絶縁層、前記ゲートライン層、前記第2の絶縁層、及び前記頂部選択ゲート(TSG層に延びる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の絶縁層の長さ方向に延び、前記頂部選択ゲート(TSG層、及び、互いに最上部のゲートライン層と前記頂部選択ゲート(TSG層とを区分けする前記第2の絶縁層の一部を通過する、1つまたは複数の第2の誘電体溝を形成するステップであって、前記第1の誘電体溝及び前記第2の誘電体溝が、前記第1の絶縁層の幅方向において互いに整列され、前記ゲートライン層によって離隔され、前記頂部選択ゲート(TSG層が、前記1つまたは複数の第2の誘電体溝によってサブTSG層に区分けされる、ステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
集積回路内のデバイスの限界寸法が一般的なメモリセル技術の限界にまで縮小するにつれて、設計者は、より大きい記憶容量を達成するとともに、より低いビット当たりコストを達成するために、メモリセルの複数の平面を積み重ねるための技法に関心を向けてきた。
【背景技術】
【0002】
3D-NANDメモリデバイスは、より大きい記憶容量を達成し、より低いビット当たりコストを達成するために、メモリセルの複数の平面を積み重ねる例示的なデバイスである。3D NAND技術が、高密度および高容量の方に、特に64Lアーキテクチャから128Lアーキテクチャに移行するにつれて、基板に直角の垂直方向におけるワードライン層(または、ゲート制御層)の数は、顕著に増加してきた。ワードライン層の数が増加すると、3D-NANDメモリデバイスのブロックサイズが劇的に増加し、それは、読み出しおよび消去時間の増加、データ転送時間の増加、および記憶効率の低下を引き起こす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の概念は、分割されたブロック構造を有する3D NANDメモリデバイスの形成と、分割されたブロック構造に基づいて部分的ブロック消去を実行する方法とに関する。
【0004】
関連する3D-NANDメモリデバイスは、複数のメモリセルブロックまたはメモリセルアレイを含むことができる。ブロックの各々は、複数の垂直NANDメモリセルストリングを含むことができる。垂直NANDメモリセルストリングは、それぞれ、基板の高さ方向(または、Z方向)に沿って基板の上に順次的に直列に配置された、1つまたは複数の底部選択トランジスタ(BST)、1つまたは複数のダミーBST、複数のメモリセル(MC)、1つまたは複数のダミー頂部選択トランジスタ(TST)、および1つまたは複数のTSTを有することができる。垂直NANDメモリセルストリングの各々の中の最下BSTのソース領域は、共通ソースライン(CSL)に接続され、垂直NANDメモリセルストリングの各々の中の最上TSTのドレイン領域は、ビットラインに接続される。関連する3D-NANDメモリデバイスでは、同じブロックの垂直NANDメモリセルストリングは、底部選択ゲート(BSG)を共有することができる。したがって、共有BSGは、関連する3D-NANDメモリデバイスを消去することなど、関連する3D-NANDメモリデバイスを動作させる間、そのブロック内の垂直NANDメモリセルストリングのすべてのBSTを同時に制御する。関連する3D-NANDメモリデバイスは、増加したブロックサイズを有する、より高い容量に移行するので、共有BSGは、より長い消去時間、より長いデータ転送時間、およびより低い記憶効率を誘発することがある。
【0005】
開示する3D-NANDメモリデバイスでは、ブロックの各々は、共有BSGを1つまたは複数の第1の誘電体溝を介して複数のサブBSGに分割することによって、複数のサブブロックに区分され得る。したがって、サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGを有し、サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGを制御することを介して個々に操作され得る。そのような分割されたBSG構造を導入することによって、開示する3D-NANDメモリデバイスは、BSGと、隣接する誘電体層との間の寄生容量および結合効果を効果的に低減し、底部選択トランジスタ(BST)のVt性能を顕著に改善することができる。加えて、消去時間およびデータ転送時間は顕著に低減され得、データ記憶効率も改善され得る。
【0006】
開示する3D-NANDメモリデバイスでは、サブブロックの各々は、共有/共通TSGを1つまたは複数の第2の誘電体溝を介して複数のサブ頂部選択ゲート(サブTSG)に分割することによって、それぞれのサブTSGを有することもできる。サブTSGの各々は、読み出し/プログラミング動作の間にそれぞれのサブブロックを制御することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の誘電体溝は、製造コストが低減され得るように、同じレチクルセットを介して形成され得る。
【0007】
本開示の一態様によれば、メモリデバイスが提供される。メモリデバイスは、基板と、基板の上に配置された底部選択ゲート(BSG)と、階段構成を有する、BSGの上に設置された複数のワードラインと、複数のワードラインの上に設置された頂部選択ゲート(TSG)とを含むことができる。メモリデバイスは、基板、BSG、複数のワードライン、およびTSGの間に配置された複数の絶縁層も含む。開示するメモリデバイスでは、1つまたは複数の第1の誘電体溝は、BSGの中に形成され、基板の長さ方向に延びてBSGを複数のサブBSGに区分する。
【0008】
加えて、1つまたは複数の第2の誘電体溝は、TSGの中に形成され、基板の長さ方向(X方向)に延びて、TSGを複数のサブTSGに区分する。メモリデバイスは、基板の上に形成されて基板の長さ方向に延びる、1つまたは複数の共通ソース領域をさらに含む。1つまたは複数の共通ソース領域の各々は、BSG、複数のワードライン、TSG、および複数の絶縁層を通って延び、それぞれのドープ領域を介して基板と電気結合される。1つまたは複数の共通ソース領域、第1の誘電体溝、および第2の誘電体溝は、基板の長さ方向に沿って互いに平行にさらに延びる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の誘電体溝および第2の誘電体溝は、基板の幅方向(Y方向)に互いに整列され、複数のワードラインによって離隔される。
【0010】
メモリデバイスは、基板に直角である基板の高さ方向(Z方向)に沿って基板の上に形成された複数のチャネル構造も含む。複数のチャネル構造の各々は、BSG、複数のワードライン、TSG、および複数の絶縁層を通過し、基板の中に延びるそれぞれの底部チャネル接点を介して基板と電気結合される。複数のチャネル構造の各々は、チャネル層、トンネル層、電荷トラップ層、および障壁層をさらに含む。
【0011】
メモリデバイスは、基板の高さ方向に沿って形成された複数のダミーチャネル構造も含む。複数のダミーチャネル構造は、BSG、複数のワードライン、および複数の絶縁層を通過して基板の中に延びる。
【0012】
メモリデバイスは、複数のメモリセルストリングも含む。メモリセルストリングの各々は、それぞれのチャネル構造と、それぞれのサブBSGと、複数のワードラインと、それぞれのサブTSGと、それぞれのサブBSG、複数のワードラインおよびそれぞれのサブTSGを互いに区分する複数の絶縁層とを含む。
【0013】
メモリデバイスは、複数のメモリセルサブブロックも含む。メモリセルサブブロックの各々は、同じサブBSGおよび同じサブTSGに接続されたそれぞれの複数のメモリセルストリングを含み、メモリセルサブブロックの各々は個々に操作される。
【0014】
メモリデバイスは、基板の高さ方向に沿って形成された複数のダミーチャネル構造をさらに含むことができる。複数のダミーチャネル構造は、BSG、複数のワードライン、TSG、および複数の絶縁層を通過して基板の中に延びる。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第1の誘電体溝および1つまたは複数の共通ソース領域は、複数のチャネル構造がそれらの間に配置されるように、基板の幅方向に交互に(alternatively)配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、メモリデバイスは、複数のワードラインとBSGとの間に形成され、1つまたは複数の第1の誘電体溝によって複数のダミーサブBSGに区分され、複数の絶縁層によって複数のワードラインおよびBSGから離隔された、1つまたは複数のダミーBSGをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、メモリデバイスは、複数のワードラインとTSGとの間に形成され、1つまたは複数の第2の誘電体溝によって複数のダミーサブTSGに区分され、複数の絶縁層によって複数のワードラインおよびTSGから離隔された、1つまたは複数のダミーTSGをさらに含む。
【0018】
本開示の一態様によれば、メモリデバイスを製造するための方法が提供される。開示する方法では、底部選択ゲート(BSG)層が基板の上に形成され、1つまたは複数のダミーBSG層がBSG層上に形成され、複数の第1の絶縁層が基板、BSG層、および1つまたは複数のダミーBSG層の間に配置される。次に、1つまたは複数の第1の誘電体溝が形成される。1つまたは複数の第1の誘電体溝は、BSG層、1つまたは複数のダミーBSG層、および複数の第1の絶縁層を通過して、基板の長さ方向に沿って基板の中に延びる。BSG層は、1つまたは複数の第1の誘電体溝によって複数のサブBSG層に区分され、1つまたは複数のダミーBSG層は、1つまたは複数の第1の誘電体溝によって複数のダミーサブBSG層に区分される。
【0019】
開示する方法では、複数のワードライン層が、続いてダミーBSG層の上に形成され、1つまたは複数のダミー頂部選択ゲート(TSG)層が複数のワードライン層の上に形成され、TSG層がダミーBSG層の上に形成され、複数の第2の絶縁層がダミーBSG層、複数のワードライン層、1つまたは複数のダミーTSG層、およびTSG層の間に配置される。次に、1つまたは複数の第2の誘電体溝が形成される。第2の誘電体溝は基板の長さ方向に延び、1つまたは複数のダミーTSG層と、TSG層と、最上ワードライン層、1つまたは複数のダミーTSG層、およびTSG層を互いに区分する複数の第2の絶縁層の一部とを通過する。第1の誘電体溝および第2の誘電体溝は、基板の幅方向に互いに整列され、複数のワードライン層によって離隔される。TSG層は、1つまたは複数の第2の誘電体溝によって複数のサブTSG層に区分され、1つまたは複数のダミーTSG層は、1つまたは複数の第2の誘電体溝によって複数のダミーサブTSG層に区分される。
【0020】
本開示のさらに別の態様によれば、3D-NANDメモリデバイスを消去するための方法が提供される。3D-NANDメモリデバイスは基板の上に形成され、複数の垂直NANDストリングを含み、複数の垂直NANDストリングにおいて、複数の垂直NANDストリングの第1のブロックが第1の底部選択ゲート(BSG)に接続され、複数の垂直NANDストリングの第2のブロックが第2のBSGに接続され、第1のBSGおよび第2のBSGが誘電体溝によって区分され、垂直NANDストリングの第1のブロックと第2のブロックの両方が複数の共有ワードラインに接続される。開示する方法では、基板は第1の電圧に設定され、第1のBSGは第1の電圧より低い第2の電圧に設定され、第2のBSGは第2の電圧より高い第3の電圧に設定され、1つまたは複数のワードラインはゼロに等しい第4の電圧に設定される。
【0021】
いくつかの実施形態では、複数の垂直NANDストリングの第1のブロックは、第2の電圧を第1のBSGに加えることを介して消去され、複数の垂直NANDストリングの第2のブロックは、第3の電圧を第2のBSGに加えることを介して消去されない。
【0022】
本開示の態様は、以下の発明を実施するための形態を添付の図面とともに読めばよく理解される。産業界の標準慣行に従って、様々な特徴は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際には、様々な特徴の寸法は、説明をわかりやすくするために任意に増加または減少される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの断面図である。
図1B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの上面図である。
図1C-1】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの中のチャネル構造の第1の断面図である。
図1C-2】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの中のチャネル構造の第2の断面図である。
図1D-1】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの中のチャネル構造の第1の上面図である。
図1D-2】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの中のチャネル構造の第2の上面図である。
図1E】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの等価回路図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による、3次元における3D-NANDメモリデバイスの概略斜視図である。
図3A】本開示の例示的な実施形態による、関連する3D-NANDメモリデバイスの断面図である。
図3B】本開示の例示的な実施形態による、関連する3D-NANDメモリデバイスの等価回路図である。
図4A】本開示の例示的な実施形態による、関連する3D-NANDメモリデバイスを消去するための動作パラメータの概略図である。
図4B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを消去するための別の動作パラメータの概略図である。
図5A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図5B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図5C】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図6】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7C】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7D】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7E】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図7F】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図8A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図8B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図8C】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図9A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図9B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図10A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図10B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図11A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図11B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図11C】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの上面図である。
図11D】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの断面図である。
図12】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造するためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の開示は、提供する主題の種々の特徴を実装するための、多くの種々の実施形態または例を提供する。構成要素および配列の特定の例は、本開示を簡単にするために以下で説明する。当然ながら、これらは例にすぎず、限定することを意図していない。たとえば、以下の説明において、第2の特徴の上にまたはそれに接して第1の特徴を形成することは、第1および第2の特徴が形成され、それらの特徴が直接接触している実施形態を含んでよく、また同じく、第1および第2の特徴が直接接触しないように追加の特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成される実施形態を含んでもよい。加えて、本開示は、様々な例の中で参照番号および/または参照文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、単純明快にするためであり、本質的に、説明する様々な実施形態間および/または構成間の関係を記述するものではない。
【0025】
さらに、「下に(beneath)」、「下に(below)」、「より下の(lower)」、「上に(above)」、「上の(upper)」などの空間に関連する用語は、本明細書では、図示のように1つの要素または特徴の、別の要素または特徴に対する関係を説明するための記述を容易にするために使用され得る。空間に関連する用語は、図示の配置に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる配置を包含することを意図されている。装置は、(90度回転されるかまたは他の方向に)別様に方向づけられてもよく、本明細書で使用される空間に関連する記述子は、同様に、状況に応じて解釈されてもよい。
【0026】
図1Aは、3D-NANDメモリデバイス100の断面図であり、図1Bは、3D-NANDメモリデバイス100の上面図であり、ここで図1Aの3D-NANDメモリデバイス100の断面図は、図1Bの基板のZ方向(すなわち、高さ方向)に沿った線A-A’から得られる。図1Bの破線は斜視図を示す。
【0027】
図1Aに示すように、メモリデバイス100は、シリコンで作られた基板10と、基板10の頂部に形成された高電圧P型ウェル(HVPW)14と、HVPWの下に配置されたディープN型ウェル12とを有することができる。HVPW14は、基板10の最上面から基板の中に延び、設計要件に従って0.5μmから5μmまでの深さを有する。HVPW14は、頂部および底部を有することができる。HVPW14の頂部(図示せず)は基板10の最上面と同じ高さであり、10e11cm-3から10e14cm-3までのドーパント濃度においてホウ素でドープされる。HVPW14の頂部は、アレイ(すなわち、メモリセル領域)Pウェルを形成する。アレイPウェルは、メモリデバイスを消去またはプログラミングする間に電圧がタブに加えられるので、「アクティブタブ」としても知られている。頂部は、同じく、制御回路が占有する周辺において、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)デバイスを生成するように構成され得る。HVPW14の底部(図示せず)は頂部の下に形成され、10e11cm-3から10e14cm-3までのドーパント濃度においてリンを用いてドープされる。底部は、アレイPウェル(すなわち、頂部)を周辺Pウェルから隔離するのを助けるディープ「Nタブ」を生成する。底部は、同じく、周辺にBJTデバイスを生成するように構成され得る。
【0028】
図1Aに示すディープN型ウェル12は、10e11cm-3から10e14cm-3までのドーパント濃度においてリンを用いて高エネルギー注入を介してドープされ得る。ディープN型ウェル12はHVPW14の下に形成され、基板の中に延び、設計要件に従って0.1μmから1μmまでの深さを有する。いくつかの実施形態では、ディープN型ウェル12は、HVPW14を取り囲んで、HVPW14を隣接する構成要素から隔離することができる。
【0029】
依然として図1Aを参照すると、メモリデバイス100は、HVPW14の中に形成された1つまたは複数のP+領域24aおよび24bも有することができる。P+領域は、基板10の最上面から基板の中に延びて、0.01μmから0.2μmまでの深さを有する。P+領域は、10e14cm-3から10e18cm-3までのドーパント濃度においてホウ素を用いてドープされ得る。後続の製造ステップでは、それぞれのアレイ接点は、P+領域の各々の上に形成され得、P+領域は、アレイ接点とHVPWとの間の抵抗を低減するように構成される。
【0030】
同様に、1つまたは複数のN+領域18および22が、基板10の中に形成され得る。N+領域18および22は、基板の最上面から基板の中に延びて、0.01μmから0.2μmまでの深さを有する。N+領域は、10e14cm-3から10e18cm-3までのドーパント濃度においてリンを用いてドープされ得る。N+領域の上で、1つまたは複数の基板接点(図示せず)が、後続の製造ステップの中で形成され得、N+領域は、基板接点と基板との間の抵抗を低減するように構成される。
【0031】
開示するメモリデバイス100は、1つまたは複数の高電圧N型ウェル(HVNW)を含むこともできる。N+領域の各々は、それぞれの高電圧N型ウェル(HVNW)によって取り囲まれ得る。たとえば、N+領域22はHVNW20によって取り囲まれ、N+領域18はHVNW16によって取り囲まれる。HVNWは、10e11cm-3から10e14cm-3までのドーパント濃度においてリンを用いて基板をドープすることによって形成され得る。HVNWは、基板の最上面から延び、基板10の中に延びて、0.1μmから1μmまでの深さを有する。HVNWは、N+領域を隣接する構成要素から隔離するように構成される。
【0032】
依然として図1Aを参照すると、底部選択ゲート(BSG)62p、1つまたは複数のダミーBSG(または、62n~62oなどの底部ダミーワードライン)、複数のワードライン(たとえば、62d~62m)、1つまたは複数のダミー頂部選択ゲート(TSG)(または、62b~62cなどの頂部ダミーワードライン)、およびTSG62aが、基板の上に順次的に配置される。加えて、17個の絶縁層60a~60qなどの複数の絶縁層が、基板10、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGの間に配置されて、基板10、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGを互いに区分する。
【0033】
いくつかの実施形態では、絶縁層60、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGが、階段構成で基板10の上に交互に積み重ねられ、階段構成において、TSG62aおよび最上絶縁層60aが最小長さを有し、BSG62pおよび最下絶縁層60qが最大長さを有する。
【0034】
図1Aは例示的な3D-NANDメモリデバイス100にすぎず、3D-NANDメモリデバイス100は、任意の数のBSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGを含むことができることを理解されたい。たとえば、3D-NANDメモリデバイス100は、3つのBSG、3つのTSG、および64本のワードラインを有することができる。
【0035】
いくつかの実施形態(すなわち、ゲートラスト形成技術)では、図1Aに示すBSG62p、ダミーBSG62n~62o、ワードライン62d~62m、ダミーTSG62b~62c、およびTSG62aは、犠牲層(すなわち、SiN)を使用して最初に形成される。犠牲層は除去され、高K層、粘着剤層、および1つまたは複数の金属層で置換され得る。高K層は、酸化アルミニウム(Al)および/または酸化ハフニウム(HfO)および/または酸化タンタル(Ta)、および/または高K(誘電率)のもので作られ得る。金属層は、たとえば、タングステン(W)、コバルト(Co)で作られ得る。ワードラインは、製品仕様、デバイス動作、製造能力などの要件に従って、10nmから100nmの範囲内の厚さを有することができる。図1の一実施形態では、絶縁層60は、SiOで作られ、5nmから50nmの厚さを有し得る。
【0036】
依然として図1Aを参照すると、2つの第1の溝26および28などの1つまたは複数の第1の誘電体溝(または、第1の溝)が、1つまたは複数のBSG(たとえば、62p)および1つまたは複数のダミーBSG(たとえば、62n~62o)の中に形成される。第1の溝26および28は、基板10のX方向(すなわち、長さ方向)に延びて、BSG62pおよびダミーBSG62n~62oの層を複数のサブBSGおよびサブダミーBSGに、またはたとえば、複数のセルストリングに区分する。たとえば、3つのサブBSG62p-1、62p-2および62p-3は、図1Aに示す実施形態の中に含まれる。加えて、図1Aに示す2つの第2の溝56および58などの1つまたは複数の第2の誘電体溝(または、第2の溝)が、1つまたは複数のTSG(たとえば、62a)および1つまたは複数のダミーTSG(たとえば、62b~62c)の中に形成される。第2の溝は、同じく、基板10のX方向(長さ方向)に延びて、TSG62aおよびダミーTSG62b~62cを複数のサブTSGおよびサブダミーTSGに区分する。たとえば、サブTSG62a-1、2つのサブダミーTSG62b-1および62c-1が、図1Aに示される。いくつかの実施形態では、第1の溝および第2の溝は、基板10のY方向(すなわち、幅方向、上面図)に互いに光学的に整列され、複数のワードライン62d~62mによって離隔される。いくつかの実施形態では、第1および第2の溝は、CD50nm~150nmを有することができ、SiO、SiON、SiOCN、または他の好適な誘電材料を用いて充填される。いくつかの実施形態では、第1の溝26および28は、HVPW14の中に延びることができ、10nmと100nmとの間の深さを有する。
【0037】
第1および第2の溝をメモリデバイス100の中に導入することによって、BSGおよびTSGは、複数のサブBSGおよびサブTSGに区分される。サブBSGおよびサブTSGは、メモリデバイス100を複数のサブブロック、またはたとえば、複数のセルストリングに分割することができる。サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGおよびそれぞれのサブTSGを有する。サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGおよびそれぞれのサブTSGを制御することを介して個々に操作され得る。それに応じて、開示する3D-NANDメモリデバイス100は、プログラミング時間、読み出し時間、消去時間およびデータ転送時間を効果的に低減するため、およびデータ記憶効率を顕著に改善するために、所望のサブブロック/アレイ領域を正確に制御することができる。
【0038】
依然として図1Aを参照すると、1つの共通ソース領域52など、1つまたは複数の共通ソース領域(CSR)が基板の上に形成されて基板のX方向(長さ方向)に延びる。共通ソース領域52は、BSG62p、ダミーBSG62n~62o、複数のワードライン62d~62m、ダミーTSG62b~62c、TSG62a、および複数の絶縁層60を通過して、ドープ領域54を介して基板10と電気結合される。共通ソース領域52、第1の溝26および28、および第2の溝56および58は、基板10のX方向(長さ方向)に互いに平行に延びる。共通ソース領域52は、ドープ領域54と電気結合される側部および底部を有することができる。誘電体スペーサ68は、側部に沿って、ワードライン62d~62mおよび絶縁層60と直接接触して形成される。導電層70は、誘電体スペーサ68に沿ってドープ領域54の上に形成される。共通ソース領域52は、誘電体スペーサ68に沿って導電層70の上に形成される頂部接点64をさらに含む。ドープ領域54は、1つまたは複数のイオン注入プロセスを介してN型ドープされ得る。図1Aの一実施形態では、誘電体スペーサ68はSiOで作られ、導電層70はポリシリコンで作られ、頂部接点64はタングステンで作られる。
【0039】
いくつかの実施形態では、共通ソース領域52は、基板のX方向(長さ方向)に沿って延びるために連続構成を有することができる。いくつかの実施形態では、共通ソース領域52は、2つ以上のサブCSRに区分され得る。サブCSRは、基板のX方向に互いに整列される。
【0040】
3D-NANDメモリデバイス100では、複数のチャネル構造が、基板のZ方向(または、高さ方向)に沿って基板10の上に形成される。図1Aに示すように、5つの接点構造30、32、34、36および38が含まれる。チャネル構造の各々は、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、TSG、および絶縁層を通過し、基板の中に延びるそれぞれの底部チャネル接点を介して基板と電気結合される。たとえば、接点構造30は、図1Cに示す底部接点202を介して基板と電気結合される。加えて、チャネル構造の各々は、チャネル層206、トンネル層208、電荷トラップ層210、および障壁層212をさらに含み、それらは図1Cおよび図1Dに詳細に示されている。
【0041】
メモリデバイス100は、基板のZ方向(高さ方向)に沿って形成された複数のダミーチャネル構造をさらに含むことができる。たとえば、6つのダミーチャネル構造40、42、44、46、48および50が、メモリデバイス100の中に含まれる。いくつかの実施形態では、メモリデバイス100は、3つの領域、すなわち2つの階段領域100Aおよび100Cと1つのコア領域100Bとに分割され得る。図示のように、階段領域100Aおよび100Cは、メモリデバイス100の中心コア領域100Bの片側または両側に配列され得る。階段領域100Aおよび100Cはチャネル構造を含まず、コア領域100Bは複数のチャネル構造を含む。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は階段領域100Aおよび100Cの中にのみ形成され、BSG、ダミーBSG、ワードライン、および絶縁層を通過して基板の中に延びる。他の実施形態では、ダミーチャネル構造は、階段領域100Aと100Cの両方およびコア領域100Bの中に形成され得る。ダミーチャネル構造がコア領域100Bの中に形成されると、ダミーチャネル構造は、TSG、ダミーTSG、ワードライン、ダミーBSG、およびBSGを通過して基板の中に延びる。ダミーチャネル構造は、犠牲ワードラインが除去されたとき、階段領域および/またはコア領域をサポートする支持構成要素としての役割を果たす。図1Aの一実施形態では、ダミーチャネル構造は、SiOで作られる。
【0042】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイス100の上面図である。図1Bに示すように、メモリデバイス100は、基板10のX方向(長さ方向)に沿って延びる3つの共通ソース領域52a~52cを有することができる。共通ソース領域52bおよび52cは、連続構成を有するメモリデバイス100の2つの境界において配置される。共通ソース領域52bおよび52cは、メモリデバイス100に対する共通ソース領域としての役割を果たすことができ、メモリデバイス100を隣接する構成要素からさらに隔離する。いくつかの実施形態では、メモリデバイス100は、3D-NANDチップ(図示せず)のメモリセルブロックのうちの1つである。したがって、共通ソース領域52bおよび52cは、メモリデバイス100(または、メモリセルブロック100)を3D-NANDチップの隣接するメモリセルブロックから隔離する。共通ソース領域52aは、メモリデバイス100の中央位置において配置される。共通ソース領域5aは、1つまたは複数の「Hカット」によって2つ以上のサブCSRに区分される。図1Bに示すように、CRS52aは、Hカット72によって2つのサブCSR52a-1および52a-2に区分される。
【0043】
依然として図1Bを参照すると、第1の溝26および28、および第2の溝56および58は、随意に、基板10のY方向(幅方向)において互いに整列される。第1の溝および第2の溝は、2つの隣接する共通ソース領域の間に配置される。たとえば、第1の溝26および第2の溝56は整列され、共通ソース領域52aと共通ソース領域52bとの間に配置される。加えて、ダミーチャネル構造40、42および44は階段領域100Aにおいて設置され、ダミー構造46、48および50は階段領域100Cにおいて設置される。チャネル構造30、32などの複数のチャネル構造は、コア領域100Bの中に配置される。
【0044】
第1/第2の溝を導入することによって、3D-NANDメモリデバイス100(または、メモリセルブロック100)は、複数のサブブロックに分割され得る。たとえば、3つのサブブロックSUB-BLK1-3が、図1Bの中に形成される。各サブブロックは、それぞれのサブBSGおよびそれぞれのサブTSGを有することができる。サブBSGは、第1の溝によってBSG62pを3つのサブBSG(すなわち、62p-1、62p-2および62p-3)に区分することによって形成され、サブTSGは、第2の溝によってTSG62aを3つのサブTSGに区分することによって形成される。SUB-BLK2は、Hカット72を介して互いに電気接続される2つの部分SUB-BLK2_1およびSUB-BLK2_2を有することができることに言及されるべきである。したがって、SUB-BLK2は、SUB-BLK1およびSUB-BLK3より大きいサイズを有することができる。第1/第2の溝を導入することなく、メモリデバイス100(または、メモリセルブロック100)は、62pなどの共有BSGと62aなどの共有TSGとを有する。
【0045】
図1Bは例示的な3D NANDメモリデバイス100にすぎず、3D NANDメモリデバイス100は、2つの隣接する共通ソース領域の間に任意の数の第1の溝および第2の溝を含むことができることを理解されたい。たとえば、2つ以上の第1の溝または2つ以上の第2の溝が、2つの隣接する共通ソース領域の間に配置され得る。3D NANDメモリデバイス100は、任意の数の共通ソース領域を含むこともできる。
【0046】
図1C-1は3D-NANDメモリデバイス100の中のチャネル構造30の第1の断面図であり、図1D-1はチャネル構造30の第1の上面図であり、ここで図1C-1の断面図は図1D-1の基板のZ方向(高さ方向)に沿った線B-B’から得られる。図1C-2はチャネル構造30の第2の断面図であり、図1D-2は第2の上面図であり、ここで図1C-2の断面図は図1D-2の基板のZ方向(高さ方向)に沿った線C-C’から得られる。
【0047】
図1C-1/図1D-1に示すように、チャネル構造30は、側壁および底部領域を有する円筒形の形状を有することができる。当然ながら、他の形状が可能である。チャネル構造30は、基板10に直角のZ方向に沿って形成され、チャネル構造の底部領域において設置される底部チャネル接点202を介して基板10と電気結合される。チャネル構造30は、チャネル層206、トンネル層208、電荷トラップ層210、および障壁層212をさらに含む。障壁層212は、チャネル構造30の側壁に沿って底部チャネル接点202の上に形成される。障壁層212は、ワードライン62d~62mおよび絶縁層60と直接接触している。電荷トラップ層210は、障壁層212に沿って底部チャネル接点202の上に形成され、トンネル層208は、電荷トラップ層210に沿って底部チャネル接点202の上に形成される。チャネル層206は、トンネル層208に沿って形成される側部を有し、底部チャネル接点202の上に設置されるトンネル層208、電荷トラップ層210、および障壁層212の底部を通って延びるT型底部を有する。チャネル層206のT型底部は、さらに、底部接点206の上に設置され、底部チャネル接点202と直接接触している。加えて、トンネル層208、電荷トラップ層210、および障壁層212は、チャネル構造30の中で「L脚(L-foot)」構成を形成することができる。L脚構成は、チャネル構造の側壁に沿って形成される側部と、底部チャネル接点202の上の底部とを含むことができる。
【0048】
チャネル構造30は、チャネル構造30を満たすためにチャネル層206に沿って形成されたチャネル絶縁層204も有することができる。チャネル絶縁層204は、チャネル層206、トンネル層208、電荷トラップ層210、および障壁層212の底部を通って延びてチャネル層206の上に接する(land on)、T型底部を有することができる。いくつかの実施形態では、チャネル絶縁層204は、チャネル絶縁層204の中央位置の中に設置される空所を含むことができる。チャネル構造30は、チャネル絶縁層204に沿って形成され、チャネル層206と直接接触している頂部チャネル接点214をさらに含むことができる。頂部チャネル接点214は、頂部チャネル接点214とTSG62aとの間の電気的干渉を防止するために、TSG62aの上に設置される。チャネル構造30では、ゲート誘電体層216が、BSG62pと底部チャネル接点202との間にさらに形成される。ゲート誘電体層216は、絶縁層60pと60qとの間に設置され得、底部チャネル接点202を取り囲むための環状の形状を有する。
【0049】
図1C-1/図1D-1の実施形態では、障壁層212はSiOで作られる。別の実施形態では、障壁層212は、SiOおよびAlなどの複数の層を含むことができる。図1C-1/図1D-1の実施形態では、電荷トラップ層210はSiNで作られる。別の実施形態では、電荷トラップ層210は、SiN/SiON/SiN多層構成などの多層構成を含むことができる。いくつかの実施形態では、トンネル層208は、SiO/SiON/SiO多層構成などの多層構成を含むことができる。図1C-1/図1D-1の実施形態では、チャネル層206は、炉低圧(furnace low pressure)化学気相成長(CVD)プロセスを介してポリシリコンで作られる。チャネル絶縁層204はSiOで作ることができ、頂部および底部チャネル接点はポリシリコンで作ることができる。
【0050】
図1C-1/図1D-1に示すように、チャネル構造30は、円筒形の形状を有することができる。しかしながら、本開示はそれに限定されず、チャネル構造30は、四角柱の形状、楕円柱(oval pillar)の形状、または任意の他の好適な形状など、他の形状に形成されてもよい。
【0051】
図1C-2/図1D-2は、チャネル構造30の中に頂部チャネル接点214を配置するための別の構成を提供する。図1C-2/図1D-2に示すように、頂部チャネル接点214は、絶縁層60aに沿って、チャネル層206、トンネル層208、電荷トラップ層210、障壁層212、およびチャネル絶縁層204の上に形成される。頂部チャネル接点214の底面は、チャネル層206の最上面と直接接触している。図1C-1/図1D-1の頂部チャネル接点214と比較すると、図1C-2/図1D-2の頂部チャネル接点214はより大きいサイズを有し、それにより、頂部チャネル接点上に後で形成されるビアを配置するために、より大きい処理窓が設けられる。
【0052】
図1Eは、本開示の例示的な実施形態による、3D NANDメモリデバイスの等価回路図である。図1Eに示すように、回路図は、メモリセルブロック200またはメモリセルアレイ200を含む。メモリセルブロック200は、複数の垂直NANDメモリセルストリングST0~ST17を含むことができる。メモリセルストリングの各々は、1つまたは複数の底部選択トランジスタ(BST)、1つまたは複数のダミーBST(DUMBST)、複数のメモリセル(MC)、1つまたは複数のダミー頂部選択トランジスタ(DUMTST)、および1つまたは複数のTSTを有することができる。たとえば、メモリセルストリングST0は、BST、2つのダミーBST(DUMBST0およびDUMBSTn)、64個のメモリセルMC0~MC63、2つのダミーTST(DUMTST0およびDUMTSTn)、および2つのTST(TST0およびTSTn)を有することができる。メモリセルストリングの各々の最上端は、ビットライン(BL)に接続されたドレイン領域であり得、メモリセルストリングの各々の最下端は、共通ソースライン(CSL)に接続されたソース領域であり得る。たとえば、メモリセルストリングST0は、TSTnのドレイン領域を介してビットラインBL1に接続され、BSTのソース領域を介してCSLに接続される。
【0053】
メモリセルブロック200は、図1Aに示す第1および第2の溝によってSUB-BLK0からSUB-BLK5までの6つのサブブロックに分割され得る。サブブロックの各々は、メモリセルストリングのそれぞれのセットを有することができる。たとえば、SUB-BLK0は、メモリセルストリングST0、ST6およびST12のセットを含むことができ、SUB-BLK1は、メモリセルストリングST1、ST7およびST13の別のセットを含むことができる。
【0054】
図3Bに示すメモリセルブロック400など、関連するメモリセルブロックでは、メモリセルストリングの各々の底部選択ゲート(BSG)は、互いに接続されて共有される。同様に、メモリセルストリングの各々のダミーBSGも、互いに接続されて共有される。メモリセルブロック200では、底部選択ゲートBSGおよびダミーBSG(たとえば、DUMBSG0およびDUMBSGn)は、図1Aに示す26および28など、第1の溝によって複数のサブBSGおよびサブダミーBSGに区分され得る。たとえば、BSGは、第1の溝によってBSG0からBSG5までの複数のサブBSGに区分され得る。加えて、頂部選択ゲートTSG(たとえば、TSG0およびTSGn)およびダミーTSG(たとえば、DUMTSG0およびDUMTSGn)は、図1Aに示す56および58など、第2の溝によって複数のサブTSGおよびサブダミーTSGに区分され得る。たとえば、TSG0は、第2の溝によってTSG0-0からTSG0-5までの複数のサブTSGに区分され得る。
【0055】
したがって、サブブロックの各々の中のBST、ダミーBST、ダミーTST、およびTSTは、それぞれ、サブBSG、サブダミーBSG、サブダミーTSG、およびサブTSGであるそれぞれの制御ゲートを有することができる。たとえば、SUB-BLK0では、ストリングST0、ST6およびST12のBSTは、制御ゲートBSGを区分するために第1の溝によって形成されるBSG0の個々の制御ゲートを有し、ストリングST0、ST6、ST12のTST0は、制御ゲートTSGを区分するために第2の溝によって形成されるTSG0-0の個々の制御ゲートを有する。同様に、SUB-BLK1では、ST1、ST7およびST13のBSTはBSG1の制御ゲートを有し、ST1、ST7およびST13のTST0はTSG0-1の制御ゲートを有する。第1/第2の溝を導入することなく、メモリセルブロック200は、共有BSG、ダミーBSG、ダミーTSG、およびTSGを有する。例示的な共有BSGが図3Aおよび図3Bに示され、そこでは、メモリセルストリングの各々のBSGは互いに接続されて共有される。
【0056】
そのような分割されたBSG構造を導入することによって、開示する3D-NANDメモリデバイスは、BSGと、隣接する誘電体層との間の寄生容量および結合効果を効果的に低減し、底部選択トランジスタ(BST)のVt性能を顕著に改善することができる。加えて、分割されたBSG構造は、ブロック200全体ではなく特定のサブブロックを消去することを可能にする。したがって、消去時間およびデータ転送時間は顕著に低減され得、データ記憶効率も改善され得る。さらに、分割されたTSG構造は、ブロック200全体ではなく特定のサブブロックを読み出すこと/プログラミングすることを可能にし、それにより、読み出し/プログラミング時間が低減されてデータ転送/記憶効率が改善される。
【0057】
メモリセルブロック200では、サブブロックは、1つまたは複数のワードラインを共有することができる。たとえば、図1Eに示すように、6つのサブブロックの中の18個のMCnが互いに接続されて共通/共有ワードラインWLnを有する。同様に、6つすべてのサブブロックの中の他のMCも、共通/共有ワードラインを有することができる。
【0058】
サブブロックの各々は、1つまたは複数のビットライン接続を有することができる。たとえば、サブブロックSUB-BLK0では、メモリセルストリングST0はBL1に接続され、メモリセルストリングST6はBL2に接続され、メモリセルストリングST12はBLnに接続される。開示するメモリセルブロック200では、18個すべてのメモリセルストリングが、同じCSL(または、共通ソース領域)に接続される。
【0059】
依然として図1Eを参照すると、メモリセルストリングの各々は、1つまたは複数のサブBSGと、1つまたは複数のサブダミーBSGと、複数のワードラインと、1つまたは複数のサブダミーTSGと、1つまたは複数のサブTSGと、サブTSG、サブダミーTSG、ワードライン、サブダミーBSGおよびサブBSGを通過するチャネル構造とによって構成され得、基板/同じ共通ソース領域(すなわち、CSL)に電気結合される。たとえば、メモリセルストリングST0は、チャネル構造30、サブBSG62p-1(すなわち、図1EのBSG0)、2つのサブダミーBSG62n-1および62o-1、ワードライン62d~62m、2つのサブダミーTSG62b-1および62c-1、ならびにサブTSG62a-1(すなわち、図1EのTSG0-1)によって構成され得、これらは図1Aに示される。TSGnは図1Aに示されていないことに留意されたい。したがって、ストリングST0の底部選択トランジスタ(BST)は、チャネル構造30およびサブBSG62p-1によって構成され得る。MC63などのメモリセルは、チャネル構造30およびワールドライン62dによって構成され得る。頂部選択トランジスタTST0は、チャネル構造30およびサブTSG62a-1によって形成され得る。DUMTST0は、チャネル構造30およびサブダミーTSG62c-1によって形成され得る。図1Eに示す共通ソースライン(CSL)は、図1Aに示す共通ソース領域52であり得る。
【0060】
図2は、本開示の例示的な実施形態による、3D NANDメモリデバイスの概略斜視図である。図2に示すように、40、42、44、46、48および50など、複数のダミーチャネル構造は、階段領域の中に配置される。30、38など、複数のチャネル構造は、コア領域の中に設置される。2つの第1の溝(26および28)および2つの第2の溝(56および58)は、X方向に沿って形成され、Y方向において整列され、複数のワードライン62d~62mによって互いに離隔される。第1の溝は、BSG62pを複数のサブBSGに、およびダミーBSG(62nおよび62o)を複数のサブダミーBSGに区分する。たとえば、3つのサブBSG62p-1、62p-2および62p-3は、図2に示す実施形態の中に含まれる。同様に、第2の溝は、TSG62aを複数のサブTSGに、およびダミーTSG(62bおよび62c)を複数のサブダミーTSGに区分する。複数の絶縁層60a~60qは、基板、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGの間に形成される。共通ソース領域52は、X方向に沿って形成され、第1および第2の溝と平行に配置される。共通ソース領域52は、TSG、ダミーTSG、ワードライン、ダミーBSG、およびBSGを通過して基板10の中に延びる。共通ソース領域52は、Hカット72によって2つのサブ共通ソース領域に区分される。
【0061】
図3Aは、基板のZ方向(高さ方向)に沿って得られる、関連する3D NANDメモリデバイス300の断面図である。メモリデバイス100と比較すると、関連するメモリデバイス300は、図1Aに示す26および28などの第1の溝を含まない。
【0062】
図3Bは、関連する3D NANDメモリデバイス300の等価回路図を示す。図3Bに示すように、回路図は、メモリセルブロックまたはメモリセルアレイ400を含む。メモリセルブロック400は、図3Aの56および58などの第2の溝によって、SUB-BLK0からSUB-BLK5までの6つのサブブロックを含むことができる。メモリデバイス100と同様に、頂部選択ゲートTSG(たとえば、TSG0およびTSGn)、およびダミーTSG(たとえば、DUMTSG0およびDUMTSGn)は、第2の溝によって複数のサブTSGおよびサブダミーTSGに区分され得る。たとえば、TSG0は、第2の溝によってTSG0-0からTSG0-5までの複数のサブTSGに区分され得る。したがって、サブブロックの各々は、それぞれのサブTSGおよびそれぞれのサブダミーTSGを有することができる。たとえば、サブブロックSUB-BLK0はサブTSG TSG0-0を有することができ、サブブロックSUB-BLK1はサブTSG TSG0-1を有することができる。関連するメモリデバイス300と開示するメモリデバイス100との間の差は、関連するメモリデバイス300では、サブブロックの各々の中のBSGまたはダミーBSG(たとえば、DUMBSG0およびDUMBSGn)は、互いに接続されて共有されることである。
【0063】
図4Aは、本開示の例示的な実施形態による、関連する3D NANDメモリデバイス300を消去するための動作パラメータの概略図である。図4Bは、本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイス100を消去するための別の動作パラメータの概略図である。
【0064】
図4Aに示すように、関連する3D-NANDメモリデバイス300を消去する間、メモリセル(MC)を制御するワードラインは、ゼロボルト(V)に等しい動作電圧に設定される。図3AのHVPW14などのHVPWに加えられる入力電圧は、第1の動作電圧V1に設定され得る。第1の動作電圧V1は正であり、18Vと22Vとの間の値を有することができる。図3BのSUB-BLK0など、特定のサブブロックの選択されたBSGへの入力電圧は、第1の動作電圧より低いが依然として正であり得る第2の動作電圧V2に設定され得る。たとえば、第2の動作電圧V2は、ゼロボルトから13Vまでの範囲内であり得る。加えて、特定のサブブロックの中のダミーBSGは、第2の動作電圧V2より0.5V~2V低いスイッチ電圧(図4Aに示さず)に設定され得る。いくつかの実施形態では、特定のサブブロックの中の選択されたBSGおよび選択されたダミーBSGは、フロートに設定され得る。
【0065】
詳細な消去プロセスは、図1Cおよび図1Dに示すチャネル構造30と、図1Eおよび図3Bに示すメモリセルストリングST0/サブブロックSUB-BLK0とに基づいて説明され得る。メモリセルストリングST0は、図1Cおよび図1Dに示す、チャネル構造30と、取り囲むBSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGとによって構成され得ることに再び言及されるべきである。
【0066】
図1Cおよび図1Dに示すように、第1の動作電圧がHVPW14に加えられるとき、第1の動作電圧V1は、底部チャネル接点202を介してチャネル層206に電気結合される。ワードライン62d~62mはすべてゼロボルトに等しい動作電圧に設定されるので、チャネル層206は、ワードラインに対して比較的高い電位を形成する。形成された高電位は、トラップ層210の中に捕捉された電子を引き付けて、チャネル層206に戻す。加えて、ホールが、第1の動作電圧V1によって、HVPW14/共通ソース領域52からチャネル層の中に注入され得る。注入されたホールは、チャネル層の中の正電位を維持し、チャネル層206の中に引き付けられた電子とさらに再結合することができる。電子-ホール再結合が完了すると、メモリセルストリングST0は消去される。したがって、入力電圧V1、V2はゼロボルトに設定される。
【0067】
消去動作の間、選択されたBSGは、フロートに設定されるか、または選択されたBSGが、HVPW14に加えられる第1の電圧V1より比較的低い正電圧にとどまることを可能にする第2の動作電圧V2に設定される。そのような比較的低い電圧は、ゲート誘電体(たとえば、図1Cに示すゲート誘電体層216)にわたる電場を低減することができ、低減された電場は、次にゲート誘電体層が崩壊するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、選択されたBSGに加えられた第2の電圧V2は、ゲート誘導ドレインリーク(GIDL)効果を介してホールを生成すること、およびホールが基板からチャネル層206の頂部(たとえば、TSGに近い位置)まで流れるのを改善することをさらに助けることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ダミーBSGは、フロートに設定されるか、またはスイッチ電圧(図示せず)に設定される。加えられたスイッチ電圧は、BSG62pからワードライン62mに向かう方向において徐々に低減され得る。BSGからワードラインに向かう方向においてダミーBSG上の電圧が徐々に低減することで、(高電圧に設定された)BSGと(ゼロなどの低電圧に設定された)ワードラインとの間の電場が低減され、それにより、BSGとワードラインとの間のキャリア生成が低減されて、消去ディスターブが除外される。
【0069】
関連するメモリデバイス300は共通または共有BSGを有するので、第2の電圧V2が消去動作の間にストリングST0/SUB-BLK0のBSGに加えられると、残りの17個のメモリセルストリングST1~ST17の中の底部選択トランジスタ(BST)も、第2の動作電圧V2によって影響を及ぼされてオンにされ得る。それに応じて、消去動作は、6つすべてのサブブロックの中で発生し得る。3D-NANDメモリデバイスは、増加したブロックサイズを有する、より高い容量に移行するので、共通/共有BSGは、より長い消去時間、より長いデータ転送時間、およびより低い記憶効率を誘発し得る。
【0070】
図4Bは、3D NANDメモリデバイス100を消去するための別の動作パラメータの概略図である。図1Eに示すように、図1Eに示すサブブロックの各々は、BSGを区分するために第1の溝を導入することによって形成されたそれぞれのサブBSGを有することができる。消去動作が開始すると、第2の電圧V2が選択されたサブブロックのそれぞれのサブBSGに加えられ得る。たとえば、SUB-BLK0が選択された場合、第2の電圧V2は、対応するサブBSG BSG0に加えられ得る。加えて、第3の電圧V3が、選択されないサブブロックのそれぞれのサブBSGに加えられ得る。たとえば、SUB-BLK1が選択されない場合、第3の電圧V3は、対応するサブBSG BSG1に加えられ得る。第3の電圧V3は、第1の電圧V1に近く、第2の電圧V2より高くあり得る。たとえば、V3は、18Vから25Vまでの範囲であり得る。第2の電圧V2に対して比較的高い第3の電圧V3は、HVPW/基板から生成されたホールを破棄して、選択されないサブブロックのチャネル層にホールが流入するのを阻止することができる。したがって、消去プロセスは、選択されたサブブロックの中でのみ発生することができ、消去時間およびデータ転送時間が顕著に低減され得、データ記憶効率も改善され得る。
【0071】
図5A図11Dは、本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイス100を製造する様々な中間ステップの断面図および上面図である。
【0072】
図5Aは、基板のZ方向(すなわち、高さ方向)に沿って得られる断面図である。図5Aに示すように、複数のドープ領域12、14、16、18、20、22および24は、フォトリソグラフィプロセスと、ドーピングおよび/またはイオン注入プロセスとに基づいて基板10の中に形成される。図5Aのドープ領域は、図1Aを参照して上記で説明したドープ領域と実質的に同様であり得る。ドープ領域を形成するために、パターンマスクが、フォトリソグラフィプロセスによって基板の上に形成され得る。パターンマスクは、ドーパントを必要とする基板の所望の領域を曝露する。イオン注入プロセスなどのドーピングプロセス、その場ドープエピタキシャル成長、プラズマドーピングプロセス(PLAD)、または当技術分野で知られている他の方法などのドーピングプロセスが、好適なドーパントを基板10の曝露領域内に転送するために適用され得る。ドーパント濃度、ドーピングプロファイル、およびドーピング深さは、ドーピングプロセスのエネルギー、角度およびドーパントタイプを調整することによって制御され得る。
【0073】
基板10の上に、底部選択ゲート(BSG)62p、2つのダミーBSG62n~62o、および複数の第1の絶縁層60n~60qが、続いて形成され得る。基板10、BSG62p、およびダミーBSG62n~62oは、第1の絶縁層60n~60qによって互いに離隔される。
【0074】
BSG62pおよび2つのダミーBSG62n~62oは、SiNで作られる犠牲層であり得る。犠牲層は除去され、今後の製造ステップにおいて、高K層および金属層で置換され得る。BSG62pおよび2つのダミーBSG62n~62oは、10nmから100nmの範囲内の厚さを有することができる。第1の絶縁層は、SiO、SiCN、SiOCN、または他の好適な材料を含むことができる。第1の絶縁層60n~60qは、5nmから50nmまでの厚さを有することができる。化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、原子層成長(ALD)、拡散、または任意のそれらの組合せなど、任意の好適な堆積プロセスが、BSG、ダミーBSG、および第1の絶縁層を形成するために適用され得る。
【0075】
依然として図5Aを参照すると、2つの第1の溝26および28が、BSG、ダミーBSGおよび第1の絶縁層が基板10の上に積み重ねられるときに、BSG62pおよびダミーBSG62n~62oの中に形成され得る。第1の溝26および28は、基板10のX方向(すなわち、長さ方向)に延びて、BSG62pおよびダミーBSG62n~62oを複数のサブBSGおよびサブダミーBSGに区分する。たとえば、3つのサブBSG62p-1~62p-3および3つのサブダミーBSG62n-1~62n-3が、図5Aに含まれる。
【0076】
第1の溝26および28は、50nmから150nmまでのCDを有することができる。第1の溝は、SiO、SiON、SiOCN、または他の好適な誘電材料で充填され得る。いくつかの実施形態では、第1の溝26および28は、HVPW14の中に延びて10nmと100nmとの間の深さを有することができる。第1の溝は、フォトリソグラフィプロセス、後続のエッチングプロセス、誘電材料による充填、次いで必要なときにCMP(化学的機械的研磨)によって形成され得る。たとえば、パターンマスクスタックは、フォトリソグラフィプロセスによって絶縁層60nの上に形成され得る。後続のエッチング処理は、絶縁層、BSG、ダミーBSGを通してエッチングし、さらにHVPW14の中に延びて2つの溝開口を形成するために導入され得る。次いで、溝開口は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、原子層成長(ALD)、拡散、または任意のそれらの組合せを適用することによって、SiO、SiON、SiOCN、または他の好適な材料などの誘電材料で充填され得る。表面平坦化が、絶縁層60nの上の過剰な誘電材料を除去するために実行され得る。
【0077】
図5Bは、基板のX方向(長さ方向)に沿って得られる断面図であり、図5Cは、第1の溝26および28が形成されたときの最終の構造を示す上面図である。図5Bに示すように、第1の溝26および28は、断面図が基板10のX方向(長さ方向)に沿って作られるときには見ることができない。図5Cでは、絶縁層60nは最上面として示され、2つの第1の溝26および28は、基板の長さ方向に沿って延び、基板10を3つの等しい領域にさらに区分する。
【0078】
図6では、複数のワードライン62d~62m、2つのダミー頂部選択ゲート(TSG)62b~62c、およびTSG62aが、第1の絶縁層60nの上に順次的に形成される。複数の第2の絶縁層60a~60mも、第1の絶縁層60nの上に堆積される。ワールドライン62d~62m、ダミーTSG62b~62c、およびTSG62aは、第2の絶縁層60a~60mによって互いに離隔される。ワールドライン62d~62m、ダミーTSG62b~62c、およびTSG62aは、SiNで作られる犠牲層であり、10nmから100nmの範囲内の厚さを有することができる。犠牲層は除去され、今後の製造ステップにおいて、高K層および金属層で置換され得る。第2の絶縁層60a~60mは、5nmと50nmとの間の厚さを有し、SiO、SiCN、SiOCN、または他の好適な材料を含むことができる。化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、原子層成長(ALD)、拡散、または任意のそれらの組合せなど、任意の好適な堆積プロセスが、TSG、ダミーTSG、および第2の絶縁層を形成するために適用され得る。
【0079】
図7Aでは、2つの階段領域100Aおよび100Cが形成される。2つの階段領域100Aおよび100Cの形成は、図7B図7Fに示す例示的な製造ステップにおいて示され得る。図7Bに示すように、複数のワード犠牲ライン62a~62c、および複数の絶縁層60a~60cが形成され、交互に配置され得る。パターンマスクスタック702が、絶縁層60aの上に形成され得る。パターンマスクスタック702は、絶縁層60aの2つの終端部を曝露する。マスクスタック702は、アモルファス炭素ハードマスク層、誘電体反射防止膜(DARC)、底反射防止膜(BARC)層、およびフォトレジスト層を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、マスクスタック702は、階段形成のためのフォトレジストのみであり得る。マスクスタック702は、リソグラフィプロセス(たとえば、フォトリソグラフィまたは電子ビームリソグラフィ)などの任意の好適な技法に従ってパターン化され得、リソグラフィプロセスは、フォトレジストコーティング(たとえば、スピンオンコーティング)、ソフトベーキング、マスク位置合わせ、曝露、曝露後ベーキング、フォトレジスト現像、リンシング、乾燥(たとえば、スピン乾燥および/またはハードベーキング)などをさらに含み得る。
【0080】
図7Cでは、第1のプラズマエッチングプロセスが、絶縁層60aの曝露された終端部を除去するために実行され得る。第1のプラズマエッチングプロセスは、マスクスタック702によって保護されない下のワードライン62aの部分をさらに除去して、精密プロセス制御によって絶縁層60bの上で停止する。図7Dでは、トリムプロセスが、マスクスタック702の部分を2つの端部から除去して絶縁層60aをさらに曝露するように適用され得る。絶縁層60aの曝露された部分は、2つの終端部60a-Aおよび60a-Bであり得る。加えて、絶縁層60bは、曝露された終端部60b-Aおよび60b-Bを有することができる。
【0081】
図7Eでは、第2のエッチングプロセスが実行され得る。第2のエッチングプロセスは、曝露された終端部60a-Aおよび60a-Bを絶縁層60aから除去することができる。エッチング時間または終点トレース(end point trace)のいずれかを介して第2のエッチングプロセスを正確に制御することによって、第2のエッチングプロセスは、60b-Aおよび60b-Bの下のワードライン62aの部分をさらに除去して、絶縁層60bの上で停止する。その間に、絶縁層60bからの曝露された終端部60b-Aおよび60b-Bならびに60b-Aおよび60b-Bの下のワードライン62bの部分が、同時に除去され得る。第2のエッチングプロセスが完了すると、2つの階段領域が、両側に形成され得る。図7Fでは、後続のプラズマ灰化が、残りのマスクスタック702を除去するために適用され得る。簡潔に説明すると、(図7B図7Fに示すように)複数のマスク上のマルチサイクルトリム-エッチプロセスが、図7Aの階段100Aおよび100Cを形成するために適用され得る。
【0082】
図8Aでは、2つの第2の溝56および58が、TSG62aおよびダミーTSG62b~62cの中に形成され得る。第2の溝56および58は、基板10のX方向(すなわち、長さ方向)に延びて、TSG62aおよびダミーTSG62b~62cをそれぞれ複数のサブBSGおよび複数のサブダミーBSGに区分する。たとえば、3つのサブBSG62a-1、62a-2および62a-3は、図8Aの中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、第2の溝56および58は、基板のY方向(幅方向)に第1の溝26および28と整列され得る。
【0083】
第2の溝56および58は、CD50nm~150nmを有し、SiO、SiON、SiOCN、または他の好適な誘電材料を含むことができる。第2の溝は、フォトリソグラフィプロセスおよび後続のエッチングプロセスによって形成され得る。たとえば、パターンマスクスタックは、フォトリソグラフィプロセスに基づいて絶縁層60aの上に形成され得る。後続のエッチング処理は、絶縁層60a~60d、TSG62a、ダミーBSG62b~62cを通してエッチし、ワードライン62dの上で停止して2つの溝開口を形成するために導入される。次いで、溝開口は、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、原子層成長(ALD)、拡散、または任意のそれらの組合せを適用することによって、SiO、SiON、SiOCN、または他の好適な材料などの誘電材料で充填され得る。CMPプロセスなどの表面平坦化が、絶縁層60aの上の過剰な誘電材料を除去するために実行され得る。表面平坦化の後、溝開口の中に残留する誘電材料が、第2の溝を形成する。
【0084】
図8Bは、基板のX方向(長さ方向)に沿って得られる断面図であり、図8Cは、第2の溝56および58が形成されたときの最終の構造を示す上面図である。図8Bに示すように、第1と第2の溝の両方は、断面図が基板10のX方向(長さ方向)に沿って作られるときには見ることができない。図8Cでは、絶縁層60aは最上層である。第2の溝56および58は、基板の長さ方向に沿って形成され、さらに基板10のY方向(幅方向)に第1の溝26および28と整列される。第1の溝および第2の溝はともに、基板10を3つの領域(または、サブブロック)に区分する。加えて、2つの階段領域100Aおよび100Cは両側に設置され、コア領域100Cは基板の中央に設置される。
【0085】
図9Aは、複数のチャネル構造の形成を示すために、基板のZ方向(高さ方向)において得られる断面図である。チャネル構造を形成するために、複数のチャネル開口が、最初に形成され得る。チャネル開口は、パターンマスクを形成するためのフォトリソグラフィプロセスと、マスクのパターンを転写するための後続のエッチングプロセスとを介して形成され得る。形成されたチャネル開口は、TSG、ダミーTSG、ワードライン、ダミーBSG、およびBSGを通過して、さらにHVPW14の中に延びることができる。チャネル開口の各々は、HVPW14を曝露するための側部および底部を有することができる。チャネル開口が形成されると、図1Cに示す底部チャネル接点202など、複数の底部チャネル接点が、チャネル開口の底部において形成され得る。チャネル開口の各々は、底部においてそれぞれの底部接点を有することができる。底部チャネル接点は、BSG62pから突出することができ、底部チャネル接点の各々の最上面は、BSG62pとダミーBSG62oとの間に設置され得る。
【0086】
依然として図9Aを参照すると、底部チャネル接点が形成されると、障壁層、電荷トラップ層、およびトンネル層が、チャネル開口の側部に沿って底部チャネル接点の上に順次的に形成され得る。後続の異方性プラズマエッチンが、複数の相互接続開口を形成するために、底部チャネル接点の上に配置される障壁層、電荷トラップ層およびトンネル層の部分を除去するために適用され得る。各相互接続開口は、それぞれの底部チャネル接点を曝露する。チャネル層は、チャネル開口の側部に沿って後で形成され、相互接続開口を通ってさらに延びて、底部チャネル接点を接続することができる。
【0087】
チャネル層が形成されると、チャネル層は、トンネル層に沿って形成される側部と、底部チャネル接点の上に設置されるトンネル層、電荷トラップ層、および障壁層の底部を通って延びるT型底部とを有することができる。チャネル層のT型底部は、底部チャネル接点と直接接触しており、それは図1Cおよび図1Dに見ることができる。加えて、トンネル層、電荷トラップ層、および障壁層は、チャネル開口の中でL脚構成を形成することができる。L脚構成は、チャネル開口の側壁に沿って形成される側部と、底部チャネル接点の上の底部とを含むことができる
【0088】
いくつかの実施形態では、チャネル層が形成されると、後続のアニーリングプロセスが適用され得、ひとつはウェハの応力を開放するためであり、もうひとつは欠陥(ダングリングボンド)を低減するためであり、場合によっては、それはチャネル層を多結晶に変換するためでもある。いくつかの実施形態では、チャネル構造の形成は、チャネル開口を充填するためにチャネル層の上にチャネル絶縁層を形成することと、チャネル絶縁層の上に頂部チャネル接点を形成することとをさらに含み、頂部チャネル接点はチャネル層と直接接触している。詳細なチャネル構造は、図1Cおよび図1Dに示され得る。
【0089】
図9Bは、複数のチャネル構造の形成を示す上面図である。図9Bに示すように、複数のチャネル構造が、コア領域100Bの中に形成され、第2の溝56および58によって3つのサブブロックに区分され得る。
【0090】
図10Aは、複数のダミーチャネル構造40、42、44、46、48および50の形成を示すために、基板のZ方向(高さ方向)において得られる断面図である。ダミーチャネル構造は、犠牲ワードラインが除去されて金属で置換されたとき、階段領域100Aおよび100Cおよび/またはコア領域100Bを支持する支持構成要素としての役割を果たす。ダミーチャネル構造を形成するために、複数のダミーチャネル開口が、最初に形成され得る。ダミーチャネル開口は、パターンマスクを形成するためのフォトリソグラフィプロセスと、マスクのパターンを転写するための後続のエッチングプロセスとを介して形成され得る。ダミーチャネル開口は、階段領域の中に形成され得る。形成されたダミーチャネル開口は、ワードライン、ダミーBSG、およびBSGを通過して、さらにHVPW14の中に延びることができる。ダミーチャネル開口の各々は、HVPW14を曝露するための側部および底部を有することができる。ダミーチャネル開口が形成されると、誘電体層は、ダミーチャネル開口を充填するために形成され得る。誘電体層は、SiO、SiCN、SiOCN、または他の好適な材料を含むことができる。CMPプロセスなど、後続の表面平坦化が、絶縁層60aの上の任意の過剰な誘電層を除去するために必要とされ得る。表面平坦化が完了すると、ダミーチャネル開口の中に残留する誘電体層は、ダミーチャネル構造を形成する。
【0091】
いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、50nmと200nmとの間の限界寸法(CD)を有することができる。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、HVPW14の中に延びて10nmと200nmとの間の深さを有することができる。ダミーチャネル構造は、円形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、カプセルの形状、長方形の形状、円弧の形状、骨状の形状など、非円形の形状を有することができる。非円形の形状は、幅、長さ、円弧の半径、円弧の角度など、2つ以上のパラメータによって調整され得る。さらに、いくつかの実施形態では、非円形の形状は、階段領域内の他の接点に対して対称パターンにまたは非対称パターンに配列され得る。
いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、階段領域が形成される前に形成され得る。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、コア領域の中に形成され得る。したがって、ダミーチャネル構造は、BSG、ダミーBSG、複数のワードライン、ダミーTSG、TSG、および複数の絶縁層を通過して基板の中に延びることができる。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と一緒に形成されて、チャネル構造と同様の構造を有することができる。たとえば、ダミーチャネル構造は、障壁層、トラップ層、トンネル層、およびチャネル層を含むこともできる。
【0092】
図10Bは、複数のダミーチャネル構造の形成を示す上面図である。図10Bに示すように、複数のダミーチャネル構造は、2つの階段領域100Aおよび100Cの中に、および同じく、コアアレイ領域100Bの中に(特に、コア領域から階段領域への遷移ゾーンにおいて)形成され得る。
【0093】
図11Aは、1つまたは複数の共通ソース領域の形成を示すために、基板のZ方向(高さ方向)において得られる断面図である。チャネル構造を形成するために、1つまたは複数の共通ソース開口が、最初に形成され得る。共通ソース開口は、パターンマスクを形成するためのフォトリソグラフィプロセスと、マスクのパターンを転写するための後続のエッチングプロセスとを介して形成され得る。形成された共通ソース開口は、TSG、ダミーTSG、ワードライン、ダミーBSG、およびBSGを通過して、さらにHVPW14の中に延びる。共通ソース開口の各々は、HVPWの中に延びる側部および底部を有することができる。共通ソース開口は、さらに、基板のX方向(長さ方向)に沿って延びて、第1および第2の溝と平行に配置され得る。
【0094】
図11Bは、共通ソース開口の形成の例示的な実施形態を示す。図11Bに示すように、2つの共通ソース開口52b’および52c’は、連続する構成を有する基板の2つの境界において形成される。共通ソース領域52aおよび52cはそれぞれ、引き続き、共通ソース開口52b’および52c’の中に形成され得る。共通ソース開口52a’は、基板の中央位置において形成される。共通ソース開口52a’は、形成されたマスクのパターンに基づいて2つ以上のサブ開口を含むことができる。たとえば、2つのサブ開口52a-1’および52a-2’は、図11Bの中に含まれる。2つのサブ開口52a-1’と52a-2’との間の空間は、図11BのHカット72などのHカットを形成する。共通ソース領域52a-1および52a-2は、それぞれ、2つのサブ開口52a-1’および52a-2’の中に形成され得る。
【0095】
共通ソース開口が形成された後、共通ソース領域の形成を完了するための後続の製造ステップは、ゲートファースト製造フローとゲートラスト製造フローとの間で異なり得る。ゲートファースト製造フローでは、イオン注入が引き続き適用されて、共通ソース開口の各々の底部においてドープ領域54などのドープ領域を形成することができる。誘電体スペーサ68などの誘電体スペーサが、共通ソース開口の側部に沿ってドープ領域の上に形成され得る。異方性プラズマエッチングが、ドープ領域を曝露するために、ドープ領域の上に形成された誘電体スペーサの底部を除去するために実施され得る。導電層70などの導電層が、誘電体スペーサに沿って堆積されて、共通ソース開口を充填することができる。導電層は、エッチングプロセスによって後方に陥凹され得、頂部接点64などの頂部接点が、誘電体スペーサに沿って導電層の上に形成され得る。頂部接点が形成されると、共通ソース領域の形成が完了し、完了した共通ソース領域52は図11Aに示され得る。
【0096】
しかしながら、ゲートラスト製造フローでは、共通ソース開口が形成されると、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGが引き続き除去され、共通ソース開口を介して導入される湿式エッチング化学物質(wet etching chemical)によって複数の空孔を形成する。イオン注入がその後適用されて、共通ソース開口の各々の底部においてドープ領域(たとえば、54)を形成することができる。注入ステップに続いて、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGが、共通ソース開口を介して高K層プラス金属層で空孔を充填することによって再形成される。次に、誘電体スペーサ68などの誘電体スペーサが、共通ソース開口の側部に沿ってドープ領域の上に形成され得る。後続の(followed)異方性プラズマエッチングが、ドープ領域を曝露するために、ドープ領域の上に形成された誘電体スペーサの底部を除去するために実施され得る。導電層70などの導電層が、誘電体スペーサに沿って堆積されて、共通ソース開口を充填することができる。導電層は、エッチングプロセスによって後方に陥凹され得、頂部接点64などの頂部接点が、誘電体スペーサに沿って導電層の上に形成され得る。頂部接点が形成されると、共通ソース領域の形成が完了し、完了した共通ソース領域は図11Aに示され得る。
【0097】
共通ソース領域の形成の後、図1Aに示すメモリデバイス100と同一の、最終のメモリデバイス100が形成される。
【0098】
図11Cは、1つまたは複数の共通ソース領域の形成を示す上面図である。図11Cに示すように、メモリデバイス100は、3つの共通ソース領域52a~52cを有することができる。共通ソース領域52a~52cは、基板10のX方向(長さ方向)に沿って形成され、メモリデバイス100の2つの境界および中央位置において配置される。共通ソース領域52bおよび52cは、連続する構成を有するメモリデバイス100の2つの境界において配置される。共通ソース領域52aは、メモリデバイス100の中央位置において配置される。共通ソース領域(CSR)52aは、Hカット72によって2つのサブCSR52a-1および52a-2に区分される。第1の溝26および28ならびに第2の溝56および58は、基板10のY方向(幅方向)において互いに整列される。第1の溝および第2の溝は、2つの隣接する共通ソース領域の間に配置される。
【0099】
図11Dは、メモリデバイス100の最終の構造を示すために、基板のX方向(長さ方向)において得られる断面図である。図11Dに示すように、第1の溝、第2の溝、および共通ソース領域は、基板のX方向(長さ方向)において得られる断面図から見ることができない。
【0100】
図12は、いくつかの実施形態による、3D NANDメモリデバイス100を製造するためのプロセス1200のフローチャートである。プロセス1200は、1つまたは複数のBSGおよび1つまたは複数のダミーBSGが、基板の上に順次的に形成されるステップ1204において開始する。加えて、複数の第1の絶縁層が、基板、BSG、およびダミーBSGの間に形成される。基板は、基板と、後で形成されるチャネル構造との間の抵抗を低減するために複数のドープ領域を含むことができる。基板、BSG、およびダミーBSGは、第1の絶縁層によって互いに離隔される。
【0101】
プロセス1200のステップ1206では、1つまたは複数の第1の溝が、BSGおよびダミーBSGの中に形成される。第1の溝は、BSG、ダミーBSG、および第1の絶縁層を通過して基板の中に延びる。第1の溝は、基板のX方向(長さ方向)に沿ってさらに延びる。第1の溝は、BSG、ダミーBSGを複数のサブBSGおよびサブダミーBSGに区分する。いくつかの実施形態では、ステップ1204および1206は、図5A図5Cを参照して示すように実行され得る。
【0102】
次いで、プロセス1200は、複数のワードライン、1つまたは複数のダミーTSG、および1つまたは複数のTSGがダミーBSGの上に順次積み重ねられるステップ1208に進む。加えて、複数の第2の絶縁層が、ダミーBSGの上に形成され、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGの間に配置される。いくつかの実施形態では、ステップ1208は、図6を参照して示すように実行され得る。
【0103】
ステップ1210では、1つまたは複数の階段領域が形成され得る。階段領域は、ダミーチャネル構造ならびにワードライン接点(図示せず)を形成するための空間を設けるように構成される。階段領域の形成は、マスクパターニングプロセスおよびプラズマエッチングプロセスを交互に繰り返すことによって実施され得る。形成された階段領域は基板の両側において設置され、コア領域は中央に設置される。いくつかの実施形態では、ステップ1208は、図7A図7Fを参照して示すように実行され得る。
【0104】
プロセス1200は、1つまたは複数の第2の溝がダミーTSGおよびTSGの中に形成されるステップ1212に進む。第2の溝は、基板の長さ方向に沿って延びる。第2の溝は、さらに、ダミーTSG、TSG、およびそれらの間の第2の絶縁層の一部を通過する。第1の溝および第2の溝は、基板の幅方向に互いに整列され、複数のワードライン層によって離隔される。TSGは、第2の溝によってサブTSGのグループに区分され、TSGは第2の溝によってサブダミーTSGのグループに区分される。いくつかの実施形態では、ステップ1212は、図8A図8Cを参照して示すように実行され得る。
【0105】
プロセス1200のステップ1214では、複数のチャネル構造が、コア領域の中に形成され得る。チャネル構造の形成は、図9A図9Bを参照して示すように実行され得る。次に、複数のダミーチャネル構造が、階段領域の中に形成され得る。ダミーチャネル構造の形成は、図10A図10Bを参照して示すように実行され得る。
【0106】
チャネル構造は、階段領域が形成される前にも形成され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、コア領域の中に形成され得る。いくつかの実施形態では、ダミーチャネル構造は、チャネル構造と一緒に形成されて、チャネル構造と同様の構造を有することができる。たとえば、ダミーチャネル構造は、障壁層、トラップ層、トンネル層、およびチャネル層を含むこともできる。
【0107】
依然としてステップ1214では、1つまたは複数の共通ソース領域が、ダミーチャネル構造の形成の後に形成され得る。共通ソース領域は、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、TSG、および第1および第2の絶縁層を通って延びる。共通ソース領域の各々は、それぞれのドープ領域を介して基板と電気結合される。共通ソース領域、第1の溝、および第2の溝は、さらに、基板の長さ方向に沿って互いに平行に延びる。いくつかの実施形態では、共通ソース領域の形成は、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGを除去することと、BSG、ダミーBSG、ワードライン、ダミーTSG、およびTSGを高K層および金属層で再形成することとをさらに含む。いくつかの実施形態では、共通ソース領域の形成は、図11A図11Dを参照して示すように実行され得る。
【0108】
追加のステップが、プロセス1200の前、間および後に設けられてもよく、説明したステップのうちのいくつかが、プロセス1200の追加の実施形態のために置換されても、除外されても、または異なる順序で実行されてもよいことに留意されたい。後続のプロセスステップでは、様々な追加の相互接続構造(たとえば、導電線および/またはビアを有する金属化層)が、半導体デバイス1200の上に形成され得る。そのような相互接続構造は、半導体デバイス1200を他のチャネル構造および/またはアクティブデバイスと電気接続して機能回路を形成する。パッシベーション層、入力/出力構造などの追加のデバイス特徴も形成され得る。
【0109】
本明細書で説明する様々な実施形態は、関連するメモリデバイスを凌ぐいくつかの利点を提供する。たとえば、関連するメモリデバイスでは、複数のメモリセルブロックまたはメモリセルアレイが含まれ得る。ブロックの各々は、複数の垂直NANDメモリセルストリングを含むことができる。関連するメモリデバイスでは、同じブロック内の垂直NANDメモリセルストリングは、共通/共有底部選択ゲート(BSG)を有することができる。したがって、共有BSGは、関連する3D-NANDメモリデバイスを消去することなど、関連する3D-NANDメモリデバイスを動作させる間、そのブロック内の垂直NANDメモリセルストリングのすべての底部選択トランジスタ(BST)を同時に制御する。関連する3D-NANDメモリデバイスは、増加するブロックサイズを有する、より高い容量に移行するので、共有BSGは、より長い消去時間、より長いデータ転送時間、およびより低い記憶効率を誘発することがある。
【0110】
開示するメモリデバイスでは、ブロックの各々は、共有BSGを1つまたは複数の第1の溝を介して複数のサブBSGに分割することによって、複数のサブブロックに区分される。サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGを有し、サブブロックの各々は、それぞれのサブBSGを制御することを介して個々に操作され得る。そのような分割されたBSG構造を導入することによって、開示する3D-NANDメモリデバイスは、BSGと、隣接する誘電体層との間の寄生容量および結合効果を効果的に低減し、底部選択トランジスタ(BST)のV性能を顕著に改善することができる。加えて、消去時間およびデータ転送時間は顕著に低減され得、データ記憶効率も改善され得る。
【0111】
開示するメモリデバイスでは、サブブロックの各々は、共有TSGを1つまたは複数の第2の溝を介して複数のサブTSGに分割することによって、それぞれのサブ頂部選択ゲート(サブTSG)をさらに有することができる。サブTSGの各々は、読み出し/プログラミング動作の間にそれぞれのサブブロックを制御することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の溝は、製造コストが低減され得るように、同じレチクルセットを介して形成され得る。
【0112】
上記は、当業者が本開示の態様をより良好に理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説した。当業者が、同じ目的を遂行するために他のプロセスおよび構造を設計または修正するため、および/または本明細書で導入した実施形態の利点と同じものを達成するための土台として本開示を容易に使用し得ることを、当業者には諒解されたい。そのような等価構造は、本開示の趣旨および範囲を逸脱しないこと、および当業者が、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書において様々な変更形態、置換形態および代替形態を作成し得ることも、当業者には理解されたい。
【符号の説明】
【0113】
10 基板
12 ディープN型ウェル、ドープ領域
14 高電圧P型ウェル(HVPW)、ドープ領域
16 高電圧N型ウェル(HVNW)、ドープ領域
18 N+領域、ドープ領域
20 HVNW、ドープ領域
22 N+領域、ドープ領域
24 ドープ領域
24a P+領域
24b P+領域
26 第1の誘電体溝
28 第1の誘電体溝
30 チャネル構造
32 チャネル構造
34 チャネル構造
36 チャネル構造
38 チャネル構造
40 ダミーチャネル構造
42 ダミーチャネル構造
44 ダミーチャネル構造
46 ダミーチャネル構造
48 ダミーチャネル構造
50 ダミーチャネル構造
52 共通ソース領域(CSR)
52a CSR
52a’ CSR
52b CSR
52b’ CSR
52c CSR
52c’ CSR
52a-1 サブCSR
52a-1’ サブCSR
52a-2 サブCSR
52a-2’ サブCSR
54 ドープ領域
56 第2の誘電体溝
58 第2の誘電体溝
60 絶縁層
60a~60q 絶縁層
60a-A 終端部
60a-B 終端部
60b-A 終端部
60b-B 終端部
62a 頂部選択ゲート(TSG)
62b 頂部ダミーワードライン
62c 頂部ダミーワードライン
62d~62m ワードライン
62n 底部ダミーワードライン
62o 底部ダミーワードライン
62p 底部選択ゲート(BSG)
62a-1 サブTSG
62a-2 サブTSG
62a-3 サブTSG
62b-1 サブダミーTSG
62c-1 サブダミーTSG
62n-1 サブダミーBSG
62o-1 サブダミーBSG
62o-2 サブダミーBSG
62o-3 サブダミーBSG
62p-1 サブBSG
62p-2 サブBSG
62p-3 サブBSG
64 頂部接点
68 誘電体スペーサ
70 導電層
72 Hカット
100 3D-NANDメモリデバイス
100A 階段領域
100B コア領域
100C 階段領域
202 底部チャネル接点
204 チャネル絶縁層
206 チャネル層
208 トンネル層
210 電荷トラップ層
212 障壁層
214 頂部チャネル接点
216 ゲート誘電体層
702 パターンマスクスタック
図1A
図1B
図1C-1】
図1C-2】
図1D-1】
図1D-2】
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12