(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】半導体処理用プラズマ源
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20241210BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241210BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H01L21/302 101B
C23C16/509
(21)【出願番号】P 2023504261
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2021041917
(87)【国際公開番号】W WO2022020189
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナゴルニー, ウラジミール
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0122867(US,A1)
【文献】特開2013-038148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0258555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
C23C 16/00-16/56
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ源において、
第1の行セットに配置された第1の複数の開孔を画定する第1のプレートであって、前記第1のプレートが第1の電極セットを含み、前記第1の電極セットの各電極が前記第1の行セットの別個の行に沿って延在する、第1のプレート;
第2の行セットに配置された第2の複数の開孔を画定する第2のプレートであって、前記第2のプレートが第2の電極セットを含み、前記第2の電極セットの各電極が前記第2の行セットの別個の行に沿って延在し、前記第2の複数の開孔の各開孔が前記第1の複数の開孔の1つの開孔と軸方向に位置合わせされる、第2のプレート;及び
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートであって、前記第3のプレートが第3の複数の開孔を画定し、前記第3の複数の開孔の各開孔が前記第1の複数の開孔の1つの開孔及び前記第2の複数の開孔の1つの開孔と軸方向に位置合わせされる、第3のプレート
を含み、
前記第2の電極セットの各電極が、前記第2のプレートの第1の表面に沿って延在し、該第2のプレートの第1の表面は、前記第3のプレートに隣接して
おり、
前記第1の電極セットの各電極が、前記第1のプレートの第1の表面に沿って延在し、前記第1の電極セットの各電極がさらに、関連する電極と交差する前記第1の複数の開孔の各開孔の側壁に沿って、前記第1のプレートの前記第1の表面と、前記第1のプレートの前記第1の表面とは反対側の前記第1のプレートの第2の表面との間に完全に延在している、プラズマ源。
【請求項2】
それぞれ軸方向に位置合わせされた、前記第1の複数の開孔の開孔、前記第2の複数の開孔の開孔、及び前記第3の複数の開孔の開孔が、前記プラズマ源を通って延びるプラズマセルを形成する、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項3】
前記第1の電極セットの各電極に電気的に連結された第1の電源であって、前記第1の電極セットの各電極に沿って第1の電圧を供給するように構成された第1の電源
をさらに含む、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項4】
前記第2の電極セットの各電極に電気的に連結された第2の電源であって、前記第2の電極セットの各電極に沿って第2の電圧を供給するように構成された第2の電源
をさらに含む、請求項3に記載のプラズマ源。
【請求項5】
前記第1の電源及び前記第2の電源が、各々が電力を受け取る、前記第1の電極セットのオーバーラップ電極と前記第2の電極セットの1つの電極とに位置づけられたプラズマセル内で放電を生成するように構成される、請求項4に記載のプラズマ源。
【請求項6】
前記第1の複数の開孔の各開孔が第1の直径によって特徴付けられ、前記第3の複数の開孔の各開孔が前記第1の直径とは異なる第2の直径によって特徴付けられる、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項7】
前記第1の電極セットの各電極が、前記第1のプレートの表面に沿って、前記第1の電極セットの各他の電極から電気的に絶縁された状態に維持される、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項8】
前記第1の複数の開孔の各開孔の側壁に沿って延びる電極材料を覆う誘電体材料の層
をさらに含む、請求項1に記載のプラズマ源。
【請求項9】
半導体処理チャンバであって、
処理のために基板を支持するように構成され、下から処理領域を少なくとも部分的に画定する、基板支持体;並びに
前記半導体処理チャンバ内に位置づけられたプラズマ源であって、
第1の開孔を画定する第1のプレート、
前記第1のプレートの
第1の表面を横切って延在し、前記第1の開孔と交差する、第1の電極、
第2の開孔を画定する第2のプレートであって、前記第2の開孔が前記第1の開孔と同軸である、第2のプレート、
前記第2のプレートの表面を横切って延在し、前記第2の開孔と交差する、第2の電極であって、前記第1の電極に対して垂直に延在する、第2の電極、及び
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートであって、前記第1の開孔及び前記第2の開孔と同軸である第3の開孔を画定し、前記プラズマ源を通るチャネルを形成する、第3のプレート
を含む、プラズマ源
を含み、
前記第2のプレートの前記表面が、前記第3のプレートに隣接して
おり、
前記第1の電極が、前記第1の開孔の側壁の周りで、前記第1のプレートの前記第1の表面と、前記第1のプレートの前記第1の表面とは反対側の前記第1のプレートの第2の表面との間に完全に延在している、半導体処理チャンバ。
【請求項10】
前記第2の電極が前記第2の開孔の側壁の周りに延在する、請求項
9に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記第1の電極に沿って第1の電圧を供給するように構成された第1の電源、及び
前記第2の電極に沿って第2の電圧を供給するように構成された第2の電源
をさらに含む、請求項
10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記第1の開孔の前記側壁の周りに延在する前記第1の電極の一部を覆う第1の誘電体材料、及び
前記第2の開孔の前記側壁の周りに延在する前記第2の電極の一部を覆う第2の誘電体材料
をさらに含む、請求項
10に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記第1の開孔が第1の直径によって特徴付けられ、前記第3の開孔が前記第1の直径とは異なる第2の直径によって特徴付けられる、請求項
9に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記プラズマ源が、上から前記処理領域を少なくとも部分的に画定する、請求項
9に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
前記第1の開孔が第1の複数の開孔の1つの開孔であり、前記第1の電極が第1の複数の電極の1つの電極であり、前記第1の複数の開孔の各開孔が前記第1の複数の電極の1つの電極と交差する、請求項
9に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項16】
半導体処理の方法において、
プラズマ源を有する半導体処理チャンバに前駆体を供給することであって、前記プラズマ源が、
第1の開孔を画定する第1のプレート、
前記第1のプレートの
第1の表面を横切って延在し、前記第1の開孔と交差する、第1の電極、
第2の開孔を画定する第2のプレートであって、前記第2の開孔が前記第1の開孔と同軸である、第2のプレート、
前記第2のプレートの表面を横切って延在し、前記第2の開孔と交差する、第2の電極であって、前記第1の電極に対して垂直に延在する、第2の電極、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートであって、該第3のプレートが、前記第1の開孔及び前記第2の開孔と同軸である第3の開孔を画定し、前記プラズマ源を通るチャネルを形成し、前記第2のプレートの前記表面が、該第3のプレートに隣接している、第3のプレート、
前記第1の電極に沿って第1の電圧を供給するように構成された第1の電源、及び
前記第2の電極に沿って第2の電圧を供給するように構成された第2の電源
を含む、前駆体を供給すること;
前記第1の電極に沿って前記第1の電圧を提供すること;並びに
前記プラズマ源を通して前記チャネル内に前記前駆体のプラズマを形成すること
を含
み、
前記第1の電極が、前記第1の開孔の側壁の周りで、前記第1のプレートの前記第1の表面と、前記第1のプレートの前記第1の表面とは反対側の前記第1のプレートの第2の表面との間に完全に延在している、方法。
【請求項17】
前記前駆体を供給する前に、
前記第1の電極に沿って前記第1の電圧を提供すること;及び
前記第2の電極に沿って前記第2の電圧を提供し、前記プラズマ源を通して前記チャネルにメモリ電荷を生成すること
をさらに含む、請求項
16に記載の半導体処理の方法。
【請求項18】
前記第2の電極が前記第2の開孔の側壁の周りに延在し、前記プラズマ源がさらに、
前記第1の開孔の前記側壁の周りに延在する前記第1の電極の一部を覆う第1の誘電体材料、及び
前記第2の開孔の前記側壁の周りに延在する前記第2の電極の一部を覆う第2の誘電体材料
を含む、請求項
16に記載の半導体処理の方法。
【請求項19】
前記プラズマ源を通して形成された前記チャネル内の破壊電圧が約500V以下である、請求項
16に記載の半導体処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照することによってその全体が本願に援用される、2020年7月23日出願の「PLASMA SOURCE FOR SEMICONDUCTOR PROCESSING」と題された米国特許出願第16/937,106号に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本技術は、半導体システム、プロセス、及び機器に関する。より詳細には、本技術は、半導体処理チャンバに組み込まれ、半導体処理に利用されるプラズマ源に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの基板処理システムは、半導体基板処理中にプラズマ発生源を使用する。プラズマ源は、半導体処理における他の動作の中でもとりわけ、堆積、エッチング、及び洗浄を容易にすることができる、ラジカル放出物を発生させる処理に利用される。プラズマ源は、多くの場合、特定の動作レジーム内に限定され、これは、電力、チャンバ圧力、又は半導体処理の他のさまざまな側面によって制限される可能性がある。マイクロ波励起及び容量結合又は誘導結合など、さまざまな原理で動作するさまざまな供給源がさまざまな性能上の利点を提供することができるが、これらのシステムの各々は、1つ以上の方法で制限される可能性がある。半導体処理には、より正確な均一性を必要とするより複雑な動作が含まれるため、多くの従来のプラズマ源は、望ましい結果を生み出すことができない場合がある。
【0004】
したがって、半導体処理の結果及び均一性を改善するために使用することができる改善されたシステム、構成要素、及び方法が必要とされている。本技術は、これら及び他の必要性に対処するものである。
【発明の概要】
【0005】
本技術は、第1の行セットに配置された第1の複数の開孔を画定する第1のプレートを含むプラズマ源を包含する。第1のプレートは第1の電極セットを含みうる。第1の電極セットの各電極は、第1の行セットの別個の行に沿って延びうる。プラズマ源は、第2の行セットに配置された第2の複数の開孔を画定する第2のプレートを含みうる。第2のプレートは第2の電極セットを含みうる。第2の電極セットの各電極は、第2の行セットの別個の行に沿って延びうる。第2の複数の開孔の各開孔は、第1の複数の開孔の1つの開孔と軸方向に位置合わせされうる。プラズマ源は、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートを含みうる。第3のプレートは第3の複数の開孔を画定しうる。第3の複数の開孔の各開孔は、第1の複数の開孔の1つの開孔及び第2の複数の開孔の1つの開孔と軸方向に位置合わせされうる。
【0006】
幾つかの実施形態では、それぞれ軸方向に位置合わせされた、第1の複数の開孔の開孔、第2の複数の開孔の開孔、及び第3の複数の開孔の開孔は、プラズマ源を通って延びるプラズマセルを形成しうる。供給源は、第1の電極セットの各電極に電気的に連結された第1の電源を含みうる。第1の電源は、第1の電極セットの各電極に沿って第1の電圧を供給するように構成されうる。供給源は、第2の電極セットの各電極に電気的に連結された第2の電源を含みうる。第2の電源は、第2の電極セットの各電極に沿って第2の電圧を供給するように構成されうる。第1の電源及び第2の電源は、各々が電力を受け取る、第1の電極セットのオーバーラップ電極と第2の電極セットの1つの電極とに位置づけられたプラズマセル内で放電を生成するように構成されうる。第1の複数の開孔の各開孔は第1の直径によって特徴付けることができ、第3の複数の開孔の各開孔は第1の直径とは異なる第2の直径によって特徴付けることができる。第1の電極セットの各電極は、第1のプレートの表面に沿って、第1の電極セットの各他の電極から電気的に絶縁された状態に維持されうる。第1の電極セットの各電極は、第1のプレートの第1の表面に沿って延びうる。第1の電極セットの各電極はさらに、関連する電極と交差する第1の複数の開孔の各開孔の側壁に沿って延びうる。供給源は、第1の複数の開孔の各開孔の側壁に沿って延びる電極材料を覆う誘電体材料の層を含みうる。
【0007】
本技術の幾つかの実施形態は半導体処理チャンバを包含しうる。チャンバは、処理のために基板を支持するように構成され、下から処理領域を少なくとも部分的に画定する基板支持体を含みうる。チャンバは、半導体処理チャンバ内に位置づけられたプラズマ源を含みうる。プラズマ源は、第1の開孔を画定する第1のプレートを含みうる。プラズマ源は、第1のプレートの表面を横切って延在し、第1の開孔と交差する、第1の電極を含みうる。プラズマ源は第2の開孔を画定する第2のプレートを含むことができ、第2の開孔は第1の開孔と同軸でありうる。プラズマ源は、第2のプレートの表面を横切って延在し、第2の開孔と交差する、第2の電極を含みうる。第2の電極は、第1の電極に対して垂直に延在しうる。プラズマ源は、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートを含みうる。第3のプレートは、第1の開孔及び第2の開孔と同軸である第3の開孔を画定して、プラズマ源を通るチャネルを形成しうる。
【0008】
幾つかの実施形態では、第1の電極は第1の開孔の側壁の周りに延在することができ、第2の電極は第2の開孔の側壁の周りに延在することができる。チャンバは、第1の電極に沿って第1の電圧を供給するように構成された第1の電源を含みうる。チャンバは、第2の電極に沿って第2の電圧を供給するように構成された第2の電源を含みうる。チャンバは、第1の開孔の側壁の周りに延在する第1の電極の一部を覆う第1の誘電体材料を含みうる。チャンバは、第2の開孔の側壁の周りに延在する第2の電極の一部を覆う第2の誘電体材料を含みうる。第1の開孔は第1の直径によって特徴付けることができ、第3の開孔は第1の直径とは異なる第2の直径によって特徴付けることができる。プラズマ源は、少なくとも部分的に、上から処理領域を画定しうる。第1の開孔は、第1の複数の開孔の1つの開孔でありうる。第1の電極は、第1の複数の電極の1つの電極でありうる。第1の複数の開孔の各開孔は、第1の複数の電極の1つの電極と交差しうる。
【0009】
本技術の幾つかの実施形態は、半導体処理の方法を包含しうる。該方法は、半導体処理チャンバに前駆体を供給することを含みうる。半導体処理チャンバは、第1の開孔を画定する第1のプレートを含むプラズマ源を有しうる。プラズマ源は、第1のプレートの表面を横切って延在し、第1の開孔と交差する、第1の電極を含みうる。プラズマ源は、第2の開孔を画定する第2のプレートを含みうる。第2の開孔は第1の開孔と同軸でありうる。プラズマ源は、第2のプレートの表面を横切って延在し、第2の開孔と交差する、第2の電極を含みうる。第2の電極は、第1の電極に対して垂直に延在しうる。プラズマ源は、第1のプレートと第2のプレートとの間に位置づけられた第3のプレートを含みうる。第3のプレートは、第1の開孔及び第2の開孔と同軸である第3の開孔を画定して、プラズマ源を通るチャネルを形成しうる。プラズマ源は、第1の電極に沿って第1の電圧を供給するように構成された第1の電源を含みうる。プラズマ源は、第2の電極に沿って第2の電圧を供給するように構成された第2の電源を含みうる。該方法は、第1の電極に沿って第1の電圧を提供することを含みうる。該方法は、プラズマ源を通してチャネル内に前駆体のプラズマを形成することを含みうる。
【0010】
幾つかの実施形態では、該方法は、前駆体を供給する前に第1の電極に沿って第1の電圧を提供することを含みうる。該方法は、第2の電極に沿って第2の電圧を提供して、プラズマ源を通してチャネルにメモリ電荷を生成することを含みうる。第1の電極は第1の開孔の側壁の周りに延在することができる。第2の電極は第2の開孔の側壁の周りに延在することができる。プラズマ源はまた、第1の開孔の側壁の周りに延在する第1の電極の一部を覆う第1の誘電体材料も含みうる。プラズマ源はまた、第2の開孔の側壁の周りに延在する第2の電極の一部を覆う第2の誘電体材料も含みうる。プラズマ源を通して形成されたチャネル内の破壊電圧は、約500V以下でありうる。
【0011】
このような技術は、従来のシステム及び技法と比べて多くの利点を提供することができる。例えば、本技術の実施形態によるプラズマ源は、従来の供給源よりも広い圧力レジームにわたって動作することができる。さらには、供給源は、半導体基板上で実施される動作のインシトゥでの均一性を改善するように動作することができる。これら及び他の実施形態は、それらの多くの利点及び特徴とともに、後述の記載及び添付の図面と併せてより詳細に説明される。
【0012】
明細書の残りの部分及び図面を参照することによって、開示される技術の性質及び利点についてさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理システムの概略的な上面図
【
図2】本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理システムの概略的な断面図
【
図3】本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理チャンバの概略的な部分断面図
【
図4】本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源の概略的な上面図
【
図5】本技術の幾つかの実施形態による
図4の線A-Aを通る例示的なプラズマ源の概略的な部分断面図
【
図6】本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源の概略的な断面図
【
図7】本技術の幾つかの実施形態によるプラズマ源の例示的なセルの概略的な上面図
【
図8】本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源の概略的な断面図
【
図9】本技術の幾つかの実施形態による半導体基板を処理する方法における選択された動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
幾つかの図が概略図として含まれている。図面は例示を目的とするものであり、特に縮尺が明確に述べられていない限り、縮尺が考慮されるべきではないものと理解されたい。さらには、概略図として、図面は理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様又は情報を含まない場合があり、説明目的のために誇張された素材を含む場合がある。
【0015】
添付の図面において、類似の構成要素及び/又は特徴部は、同一の参照符号を有しうる。さらには、同種のさまざまな構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが用いられる場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0016】
半導体処理に用いられるプラズマは、多くの場合、特定の圧力範囲に限定され、これは、通常、数mTorrから数Torr(例えば20Torr未満)に達する。デバイスアーキテクチャがより複雑になるにつれて、より高い圧力プラズマが動作能力を改善する可能性がある。しかしながら、従来の供給源は個別の圧力範囲に限定されており、多くの場合、供給源の生成をより高い圧力へと拡張することはできない。さらには、圧力が増加すると、プロセスの均一性に課題が生じる可能性がある。これは、多くの従来のプラズマ源に1つ又は2つのアンテナが含まれており、これにより、拡散が遅くなる可能性のある高圧では基板上に核種を均一に分布させることができない可能性があるという事実に起因しうる。数Torrなどの比較的低い圧力で動作する一部の従来のプラズマ源は、グリッドを利用してイオンを中性化する場合があるが、プラズマの均一性を改善する試みとしてのこのデバイスは、グリッド上のプラズマ生成物の不均一性を最小限に抑えるように制限される。
【0017】
本技術は、さまざまなチャンバアーキテクチャと互換性があり、かつ、事実上あらゆる基板サイズにスケール調整できる構成で1Torr未満から50Torr以上までのプラズマを維持することができる、プラズマ源を包含する。プラズマ源は、入ってくるプロセス前駆体が個々のセルを通過し、前駆体が各位置でエネルギーを付与されるように、平面にアセンブリされた数百又は数千の個々のプラズマ源を含むことができる。供給源は、容量結合プラズマ放電バージョンの場合は1つ以上のRF発生器から、また誘電体バリア放電バージョンの場合は低周波の方形波AC発生器から駆動することができる。これにより、各セルに印加される平均電力を制御するためのアドレス指定を使用して、個々のセルごとに放電の制御もたらすことができる。
【0018】
本技術は、プラズマ源によって形成された1つ以上のセル内に形成された誘電体バリア放電で動作するプラズマ源を利用することによって、多くの従来の問題を克服する。プラズマ源に沿った電極距離を制御することにより、電圧は、多くの従来のプラズマ源と比較して低下しうるが、これは、例示的な供給源の圧力動作ウィンドウを拡張する可能性がある。さらには、供給源を介して多数の独立して動作するプラズマセルを生成することにより、ウエハ上の特性は、インシトゥで、かつ、プラズマ源自体を調整する必要なく、処理動作の結果を利用して供給源を介したプラズマ生成を変更することができるフィードフォワードプロセスで、調整することができる。例えば、多くの従来のプラズマ源は、特定の半導体プロセスの基板レベルでの影響を増減するために開孔径を調整することができるが、本技術は、任意の数のプラズマセルを通るプラズマパルスを変更して、実施中のさまざまなプロセスを変更することができる。
【0019】
電子へのエネルギー伝達率及びプラズマ生成率は、ガス圧に反比例しうる、ガス内の低減した電界に依存しうる。したがって、電圧を含む全体的なバランス条件は、圧力とプラズマ特性サイズとの積に依存しうる。しかしながら、より小さい圧力やより大きい圧力では、プラズマを維持するのが困難になるため、電圧を高くする必要がある。したがって、プラズマを高圧で動作させるために、本技術は、1つではなく多数の小さい相互接続された供給源を利用することによって、供給源のサイズを大幅に縮小することができる。有利には、これらの個々の供給源は個別に制御することができる。1つの大きい供給源を多数の小さい供給源に置き換えることで、チャンバアーキテクチャを簡素化すること、及びプロセスの均一性を高めるために使用することができる制御要素の数を減らすこともできる。
【0020】
本技術の基本要素又はミニ供給源の概念は、以下にさらに説明するように、RF容量結合プラズマ動作及び誘電体バリア放電動作の両方に使用することができる、単純な円筒形の設計に基づくことができる。個々のセルの配置により、電極材料によるプラズマ汚染を回避することが可能となりうる。供給源の電極に電力が印加されると、形成された個々のチャネルの外部でのプラズマ生成を制限又は防止しつつ、放電条件をチャネル内で満たすことができ、プラズマ生成が可能になりうる。
【0021】
個々の供給源は、すべての上部電極が一緒に接続され、すべての下部電極が上部電極と下部電極の間の空間を満たすスペーサと一緒に接続された、格子状の構成で配置することができるため、前駆体は個々のセルのみを通って流れ、放電をセル内で発生するように制御することができる。供給源は、さまざまな方法で作ることができる。例えば、幾つかの実施形態では、上部電極又は下部電極のいずれかの個々の電極は、チャネル用の孔を備えた導電性材料の単一プレートで作ることができ、それらの間のスペーサが、以下に説明するように、供給源の上部及び下部側の保護プレートとともに、間隙サイズを画定する。各孔の表面は、誘電体でコーティングされてよく、これは、チャネルの外側の放電を制限するために、堆積され、チューブとして挿入されうる。冷却もまた、例えば、厚さを調整し、電極プレートをチャンバ本体の冷却された部分と連結することなどによる、任意の数の方法で適用することができる。
【0022】
電極は、多くの方法でプレートとして含めるか、又は膜として堆積させることができ、これにより、多くの接続の利点を提供することができる。例えば、誘電体プレート上に導電膜を堆積させて孔の内側にセル用の電極を生成し、それらを接続することにより、スキャン電極などのセル電極を列をなして接続する機会が提供され、バルク電極などの第2の電極を一斉に接続することができる。これにより、制御盤を介してすべてのバルク電極を電源の一方の端子に接続し、スキャン電極を電源のもう一方の端子に接続することができ、それによって、すべてのスキャンラインを同時に接続して均一なプラズマ生成を実現すること、又は一部のラインのみで放電を生成することを可能にしうる。さらには、上部電極と下部電極の両方が、互いに垂直に延びるラインで形成されてもよく、これにより、個々のラインに沿ってだけでなく、すべてのセルに一緒に電力を印加するときに、供給源全体にわたるセルの選択をアドレス指定して個々のセル内でもプラズマ生成が可能になりうる。1つの非限定的な例では、各セルは、電極を分離する追加の誘電体層に沿って、バルク電極、スキャン電極、及びスキャン電極の隣のアドレス電極を含めた3つの電極を含みうる。バルク電極はすべて一緒に接続されてよく、一方、スキャン電極とアドレス電極は互いに対して垂直に延在しうる。以下に説明するように、アドレス電極はアドレス指定のみに使用することができ、一方、バルク電極とスキャン電極はアドレス指定前の各セルの維持とリセットの両方に使用することができる。
【0023】
セルはすべて、各他のセルとは独立して動作させることができ、セル間の粒子のわずかな浸透は、セル内の放電条件に影響を与えない可能性がある。セル間の通信は、印加電圧に制限されうる。動作中、電極を接続して、容量結合供給源又は誘電体バリア放電を生成することができる。容量結合プラズマ源として、上部電極と下部電極は、単一のRF発生器によって駆動させることができ、すべての上部電極が一緒に接続され、すべての下部電極が一緒に接続されている場合に、一致しうる。さらには、スキャンライン内の電極は、例えば、共通のRF源に接続することができ、又は制御されたスイッチを介して一致させることができる。各セルに投入される電力は同じであり、供給源の一部を駆動するのに必要な電力はその割合に比例しうることから、スイッチコントローラは、一部のラインが切断されたときに電力を自動的に減少させうるRF電力発生器へのフィードバックを有しうる。任意のセルの電力は、RF発生器の出力電圧によって制御することができる。
【0024】
誘電体バリア放電の場合、各セルの間隙に単極性の高電圧を一定期間印加することができ、その間に放電が点火され、発達し、消滅し、セルの誘電体壁に「メモリ」電荷が残り、これにより、電極に印加された電圧から電界が補償される。各セル内の次のパルスは、ピクセルなどのセルへの電圧が反転したときに発生する。メモリ電荷はプラズマの発生を可能にしうる。駆動電圧が反転すると、駆動電圧とメモリ電荷誘起電圧との組合せは、駆動電圧自体の電圧の2倍になりうる。したがって、セルの破壊電圧よりも低い駆動電圧の大きさを使用することにより、メモリ電荷を有するセル全体にわたる正味電圧は破壊電圧よりも大幅に高いため、一部のセルでプラズマを生成して供給源を駆動することが可能になりうるが、メモリ電荷のない他のセルは点火されない。供給源は、単一電圧のDC電源からの方形波と、各電極を接地又は電圧端子に交互に接続することができる制御スイッチとで駆動させることができる。アドレス指定を含まなくてもよい、2つのバルク電極又は1つのバルク電極と1セットのスキャンライン電極とを有する供給源では、比較的単純な駆動スキームを利用することができる。例えば、スイッチのラインは、電源の1つの端子で、すべてのライン又は選択された数のラインで、電源に接続することができる。バルク電極は、電源の他の端子に接続することができる。電源は、数レベルの維持電圧で動作させることができ、初期メモリ電荷を配置することにより、維持動作のためにより高い電圧を印加する前に、最初にすべてのセルに印加することができる(維持電圧のより高いレベルから電圧の単一パルスを印加するか、又は初期電圧を超える別の電圧をセルにアドレス指定するために印加することができる)。さらには、ガス圧又はガスの変化を使用して単一パルスを開始することができ、メモリ電荷は圧力又はガスが変化しても変化しない場合がある。
【0025】
誘電体バリア放電は、容量結合プラズマからの異なる電力制御を可能にする、半サイクルごとに消滅するパルス放電でありうる。各放電パルスにおいて、セルに蓄積されるエネルギーは、電圧の二乗にセル電極の静電容量を掛けた商に比例し、したがって、印加される電圧の振幅が一定のままの場合、すべてのパルスのエネルギーは同じでありうる。次に、各セルにおける電力の制御は、パルス周波数によって制御することができ、プロセス中に任意のセルで生成される総エネルギーは、パルスの総数によって制御することができる。電源は固定電圧で動作しうるため、容量結合プラズマバージョンのように、スイッチと電源との間にフィードバックを必要としない場合がある。
【0026】
残りの開示は、本開示の技術を利用する特定のエッチングプロセスを規定通りに識別するものであるが、本システム及び方法は、記載されたチャンバ内で起こりうる他のさまざまなプロセスに等しく適用可能であることが容易に理解されよう。例えば、本技術に包含されるプラズマ源は、さまざまな条件で動作し、任意の数のプラズマプロセスを実施する、堆積、エッチング、及び洗浄チャンバに適用可能でありうる。したがって、本技術は、記載された処理のみでの使用に限定されるとみなされるべきではない。本開示では、本技術の幾つかの実施形態による例示的なプロセスシーケンスの供給源及び方法又は動作を説明する前に、本技術を組み込むことができる1つの可能なシステム及びチャンバについて論じる。本技術は記載された装置に限定されず、論じられたプロセスは、任意の数の処理チャンバ及びシステム内で実施することができるものと理解されたい。
【0027】
図1は、実施形態による堆積、エッチング、ベーキング、及び/又は硬化チャンバの処理システム10の一実施形態の上面図を示している。
図1に示されるツール又は処理システム10は、複数の処理チャンバ24a-d、移送チャンバ20、サービスチャンバ26、統合計測チャンバ28、及び一対のロードロックチャンバ16a-bを含みうる。処理チャンバは、任意の数の構造又は構成要素、並びに任意の数又は任意の組合せの処理チャンバを含むことができる。例えば、任意の数のエッチング、堆積、又は他のプロセスを実施する任意の1つ以上の処理チャンバは、本開示全体で論じられるプラズマ源の1つ以上の態様を組み込むことができる。
【0028】
チャンバ間で基板を移送するために、移送チャンバ20は、ロボット輸送機構22を含むことができる。輸送機構22は、それぞれ、伸長可能なアーム22bの遠位端に取り付けられた一対の基板輸送ブレード22aを有することができる。ブレード22aは、個々の基板を処理チャンバの内外へと運ぶために使用することができる。動作中、輸送機構22のブレード22aなどの基板輸送ブレードの1つは、チャンバ16a-bなどのロードロックチャンバの1つから基板Wを回収し、該基板Wを、例えば、以下にチャンバ24a-dで説明するような処理プロセスなど、第1の処理ステージへと運ぶことができる。チャンバは、記載された技術の個別又は組み合わせた動作を実施するために含まれうる。例えば、1つ以上のチャンバは、堆積又はエッチング動作を実施するように構成することができるが、他の1つ以上のチャンバは、前処理動作、及び/又は記載された1つ以上の後処理動作を実施するように構成することができる。任意の数の構成が本技術に含まれ、これはまた、半導体処理で通常実施される任意の数の追加の製造動作を実施することもできる。
【0029】
チャンバが占有されている場合、ロボットは、処理が完了するまで待機し、その後、1つのブレード22aを用いてチャンバから処理された基板を取り出し、第2のブレードを用いて新しい基板を挿入することができる。基板が処理されると、該基板は次に処理の第2段階へと移動されうる。各移動で、輸送機構22は、概して、基板を運ぶ1つのブレードと、基板交換を実行するための空の1つのブレードとを有しうる。輸送機構22は、交換が達成されるまで各チャンバで待機することができる。
【0030】
処理が処理チャンバ内で完了すると、輸送機構22は、基板Wを最後の処理チャンバから移動させ、基板Wをロードロックチャンバ16a-b内のカセットへと輸送することができる。ロードロックチャンバ16a-bから、基板は、ファクトリインターフェース12へと移動されうる。ファクトリインターフェース12は、概して、大気圧式清浄環境内のポッドローダ14a-dとロードロックチャンバ16a-bとの間で基板を移送するように動作することができる。ファクトリインターフェース12内の清浄環境は、概して、例えばHEPA濾過などの空気濾過プロセスを通じて提供することができる。ファクトリインターフェース12はまた、処理前に基板を適切に位置合わせするために使用することができる基板オリエンタ/アライナも含みうる。ロボット18a-bなどの少なくとも1つの基板ロボットは、ファクトリインターフェース12内に位置づけられて、ファクトリインターフェース12内のさまざまな位置/場所間及びそれと通信する他の場所へと基板を輸送することができる。ロボット18a-bは、ファクトリインターフェース12内のトラックシステムに沿ってファクトリインターフェース12の第1の端部から第2の端部まで移動するように構成することができる。
【0031】
処理システム10は、制御信号を提供するための統合計測チャンバ28をさらに含むことができ、これは、処理チャンバ内で実施されているプロセスのいずれかに対する適応制御を提供することができる。統合計測チャンバ28は、厚さ、粗さ、組成など、さまざまな膜特性を測定するためのさまざまな計測デバイスのいずれかを含むことができ、該計測デバイスはさらに、臨界寸法、側壁角度、及び真空下での特徴部の高さなどの格子パラメータを自動化された方法で特徴付けることができる。
【0032】
処理チャンバ24a-dの各々は、半導体構造の製造において1つ以上の処理工程を実施するように構成することができ、任意の数の処理チャンバ及び処理チャンバの組合せをマルチチャンバ処理システム10上で使用することができる。例えば、任意の処理チャンバは、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理的気相堆積、並びに、エッチング、予洗浄、前処理、後処理、アニーリング、プラズマ処理、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスを含めた、任意の数の堆積プロセスを含む多くの基板処理動作を実施するように構成することができる。チャンバのいずれか又はチャンバの任意の組合せで実施されうる幾つかの特定のプロセスは、金属堆積、表面の洗浄及び準備、急速熱処理などの熱アニーリング、並びにプラズマ処理でありうる。他の任意のプロセスは、当業者によって容易に認識されるように、以下に説明される任意のプロセスを含む、マルチチャンバ処理システム10内に組み込まれた特定のチャンバにおいても同様に実施することができる。
【0033】
図2は、本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理チャンバ100の概略的な断面図を示している。本技術の実施形態によるプラズマ源は、チャンバ100などのチャンバ、並びにチャンバ100で説明されるような1つ以上の構成要素を含みうる任意の処理チャンバに組み込むことができる。チャンバ100は、上述のシステム10に組み込むことができる多くのチャンバのうちの1つでありうる、半導体処理チャンバと付属品を示しうる。処理チャンバ100は、さまざまなプラズマプロセスに使用することができる。幾つかの実施形態では、処理チャンバ100は、1つ以上のエッチング剤を用いてドライエッチングを実施するために使用することができる。例えば、処理チャンバは、酸素含有前駆体、水素含有前駆体、炭素含有前駆体、窒素含有前駆体、ハロゲン含有前駆体、又は強化し、基板101から材料を除去するために使用することができる多くの他の前駆体を含めた前駆体からのプラズマの点火に使用することができる。
【0034】
処理チャンバ100は、チャンバ本体102、リッドアセンブリ104、及び支持アセンブリ106を含みうる。リッドアセンブリ104は、チャンバ本体102の上端に位置づけることができる。支持アセンブリ106は、チャンバの処理領域内、又はチャンバ本体102によって少なくとも部分的に画定され、チャンバ100の処理領域を構成しうる内部容積108内に収容されるか、又は少なくとも部分的に含まれうる。チャンバ本体102は、その側壁に形成されるか、又は画定されるスリットバルブ開口部110を含みうる。スリットバルブ開口部110は、基板ハンドリングロボットによる処理領域又は内部容積108へのアクセスを可能にするために、選択的に開閉することができる。
【0035】
チャンバ本体102は、支持アセンブリ106を取り囲むことができるライナ112をさらに含むことができる。ライナ112は、保守及び洗浄のために取外し可能でありうる。ライナ112は、アルミニウムなどの金属、セラミック材料、又は他の任意のプロセス適合材料で作ることができる。幾つかの実施形態では、ライナ112は、1つ以上の開孔114と、その中に形成されたポンピングチャネル116(真空ポート118と流体連結していてもよい)とを含むことができる。開孔114は、ポンピングチャネル116へのガスの流路を提供することができる。ポンピングチャネル116は、チャンバ100内のガスの真空ポート118への出口を提供することができる。真空システム120を真空ポート118と連結させることができる。真空システム120は、真空ポンプ122及びスロットルバルブ124を含みうる。スロットルバルブ124は、チャンバ100を通るガスの流れを調節することができる。真空ポンプ122は、内部容積108内に配置された真空ポート118に連結させることができる。
【0036】
リッドアセンブリ104は、間にプラズマ容積又は空洞を形成するように構成された少なくとも2つの積み重ねられた構成要素を含むことができる。幾つかの実施形態では、リッドアセンブリ104は、第2の電極128又は下部電極の垂直上方に配置された第1の電極126又は上部電極を含むことができる。第1の電極126及び第2の電極128は、それらの間にプラズマ空洞130を閉じ込めることができる。第1の電極126は、RF電源などの電源132と連結させることができる。第2の電極128は、接地に接続され、2つの電極間に容量結合領域を形成することができる。第1の電極126は、ガス入口134を画定するか、又はガス入口134と流体連結することができる。1つ以上のガス入口を含めることができ、1つ以上の前駆体をプラズマ空洞130内に供給することができる。
【0037】
リッドアセンブリ104はまた、第1の電極126を第2の電極128から電気的に絶縁することができる絶縁リング136も含むことができる。絶縁リング136は、酸化アルミニウム、又は他の任意の絶縁性で処理に適合した材料から作ることができる。リッドアセンブリはまた、ガス分配プレート138及びブロッカプレート140も含みうる。第2の電極128、ガス分配プレート138、及びブロッカプレート140は、チャンバ本体102と連結させることができるリッド縁部142上に積み重ねて配置することができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、第2の電極128は、プラズマ空洞130からの放出物が処理領域に向かって流れることを可能にするために、プラズマ空洞130からの出口を提供する複数のガス通路又は開孔144を含むか又は画定することができる。ガス分配プレート138は、ガス又はプラズマ放出物の流れを処理領域108内に分配し、そこに収容された基板101と接触するように構成された複数の開孔146を含むか、又は画定することができる。ガス分配プレート138は、以下にさらに説明するようにプラズマ源であってもよく、図示されるようにチャンバに設置された遠隔プラズマ源の代わりに、又はそれに加えて使用することができる。ブロッカプレート140は、任意選択的に、第2の電極128とガス分配プレート138との間に配置されてもよい。ブロッカプレート140は、第2の電極128からガス分配プレート138への複数のガス通路を提供するために、複数の開孔148を含むか、又は画定することができ、放出物又はガスの横方向又は半径方向の分配量を提供することができる。
【0039】
支持アセンブリ106は支持部材180を含みうる。支持部材180は、処理のために基板101を支持するように構成することができる。支持部材180は、チャンバ本体102の底面を通って延在しうるシャフト184を介してリフト機構182と連結させることができる。リフト機構182は、シャフト184の周囲からの真空漏れを防止することができるベローズ186によって、チャンバ本体102に柔軟に封止することができる。リフト機構182は、支持部材180がチャンバ本体102内で下方移送位置と幾つかの上昇処理位置との間で垂直に移動することを可能にすることができる。さらには、1つ以上のリフトピン188を、支持部材180を通して配置することができる。1つ以上のリフトピン188は、支持部材180の表面から基板101を持ち上げることができるように、支持部材180を通って延在するように構成することができる。1つ以上のリフトピン188は、リフトリング190によって作動させることができる。
【0040】
処理チャンバのさまざまな態様を動作させるために、幾つかの実施形態ではコントローラ191を含めることができる。コントローラ191は、中央処理装置192及びメモリ194をさまざまに含むことができ、これらは、任意の種類のものであってよく、記載された任意のシステムに含むことができるように、任意の付属装置196によって、又は任意の付属装置196とともに動作させることができる。メモリ194は、記載された任意の方法若しくは動作の1つ以上の態様を実行するための任意の数の特定の命令を含むことができ、又はチャンバ100若しくは他の任意のシステムで実行させることができる。
【0041】
図3は、本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理チャンバ300の概略的な部分断面図を示している。処理チャンバ300は、エッチング、堆積、洗浄、又は他の半導体処理動作を実行するためのプラズマ源を含む限定された構成を示しうる。図は、上述のガス分配プレート138など、任意の処理チャンバに含めることができる処理チャンバのある特定の特徴部を示しうる。処理チャンバ300は、前述のシステム100の任意の態様を含むことができ、チャンバ内に組み込まれたプラズマ源を含めた、上述のシステムの追加の詳細を示しうる。図は、決して本技術を限定することを意図するものではなく、以下に説明するプラズマ源は、プラズマ生成が有益でありうる任意のタイプの半導体又は他の処理システムに含めることができるものと理解されたい。さらには、本技術の幾つかの実施形態によるプラズマ源の高度に構成可能な性質の理由から、図示されるような基本的なチャンバアーキテクチャを含む実質的にいかなるチャンバ構成にも供給源を組み込むことができるため、チャンバアーキテクチャは従来の設計よりも大幅に簡素化することができる。
【0042】
処理チャンバ300は、該処理チャンバ内に供給される前駆体のプラズマ放出物を生成するために誘電体バリア放電によって動作するように構成されたプラズマ源を組み込む処理チャンバの一般的な態様を含むことができる。任意の数の追加の構成要素を処理チャンバ内に組み込むことができるが、これらには、ブロッカプレート、分配器、加熱又は冷却構成要素、遠隔プラズマ源、ポンピングシステム、コントローラ、又は半導体処理チャンバの他の多くの特徴部が含まれる。例示的な処理チャンバは、基板支持体305及びプラズマ源310を含みうる。基板支持体305は、基板処理領域308内で処理するために基板306を支持するように構成されうる。図示されるように、基板支持体305は、少なくとも部分的に、基板処理領域を下から画定することができる。基板支持体305は、前述の移動及び回転機能を含む任意の追加の特徴部、並びに加熱又は冷却特徴部、及びバイアス電極などの電極を含む多数の組み込まれた構成要素を含みうる。基板支持体305は、上述の支持アセンブリ106の任意の特徴部、並びに基板306のチャッキング及び/又は処理を容易にしうる他の任意の基板支持体の特徴部を含みうる。
【0043】
処理チャンバ300はまた、処理チャンバ内に位置づけることができ、基板306と接触するために1つ以上の前駆体を処理領域308に供給するためのガス分配プレートとしても動作することができるプラズマ源310も含みうる。したがって、幾つかの実施形態では、プラズマ源310は、上から処理領域308を少なくとも部分的に画定することができ、処理チャンバ内の処理領域への流体連結を提供することができる。例えば、1つ以上の前駆体を、1つ以上の入口を通してチャンバ内に供給することができる。上述のように、任意の数の追加の構成要素を含めて、チャンバ全体にわたる均一な分配を容易にすることができ、チョーク又はバッフルとして動作して、前駆体の半径方向及び/又は横方向の分配を容易にすることができる。プラズマ源310は、供給源を通って延在する1つ以上の開孔312を画定することができ、例えば、エッチング若しくは堆積などの基板306上の動作のため、又は他の処理動作のために前駆体を最終的に分配することができる。
【0044】
プラズマ源310は、該プラズマ源を通して画定された開孔312内にプラズマを生成するように動作させることができる1つ以上の電極を含みうる。以下でさらに説明するように、1つ以上の電極を利用することにより、各開孔は、他のセルから独立して動作しうるセルとして動作するか、又は供給源全体にわたり連動して動作することができる。
図4は、本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源310の概略的な上面図を示しており、本技術の幾つかの実施形態による誘電体バリア放電プラズマ源の幾つかの構成要素及び構成を示す概略図を示しうる。
【0045】
プラズマ源310は、ソース基板405を含むことができ、これを介して、複数の開孔を含めた1つ以上の開孔410を画定することができる。ソース基板405は、以下にさらに説明するように、1つ以上のプレートを含むことができ、任意の数の形状によって特徴付けることができる。例えば、ソース基板405は、図示されるような直線的形状、並びに任意の楕円形又は弓形の形状、並びに基板処理チャンバ内への組み込みを容易にしうる他の形状によって特徴付けることができる。ソース基板405は、幾つかの実施形態では、誘電体材料を含む任意の数の材料であるか、又はそれらを含むことができる。例えば、ソース基板405は、1つ以上の酸化物、窒化物、又は炭化物、炭酸塩、又は他の塩基材料など、任意の数の誘電体又はセラミック材料であるか、又はそれらを含むことができる。材料には、ケイ素、炭素、アルミニウム、ナトリウム、マグネシウム、タングステン、イットリウム、ジルコニウム、又は半導体処理チャンバ内の処理環境で動作するか又はそれに耐えることができる、遷移金属元素などのこれら又は他の元素の任意の組合せが含まれうる。
【0046】
プラズマ源を貫通して画定される開孔410は、任意のパターンで配置することができ、図示されるような何らかのタイプのグリッドを含むことができる。例えば、例示的なプラズマ源310の開孔は、ソース基板405上に示された円環状凸部の周りに配置されてもよく、これは、上述の基板306など、プラズマ源の下流に位置づけられた基板の位置を示しうる。開孔は、関連する基板に対して直線的であってもよい、任意の数のパターンで、又は処理中の基板との相互作用のために基板処理領域への前駆体の分配を提供することができる任意の他のパターンで、画定されうる。さらには、以下に説明するように、電極位置に基づくXYグリッドパターンで示されているが、プラズマ源の態様の他の配置の中でもとりわけ、r、θ、又は極座標系に沿って形成されうる放射状分布を含む、追加的又は代替的な分布も利用することができる。含まれる開孔は、例示的な供給源内に組み込まれる任意の数の開孔を限定することを意図するものではなく、処理中の基板に対応する領域を超えて、又はその領域内に、又は開孔の他の配置に延在しうる。例示的なプラズマ源は、供給源を通る1つ以上の開孔を含むことができ、数百ミリメートル以下から数メートル以上までを含めた、半導体処理用の基板の任意の寸法範囲の、供給源を通して画定された、数十、数百、又は数千の開孔を含むことができる。開孔410は、任意のサイズ又は直径に形成することができ、プラズマ源全体にわたる一貫した直径又は変化する直径によって特徴付けることができる。幾つかの実施形態では、開孔410は、約10mm以下の直径によって特徴付けることができ、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、又はそれより小さい直径によって特徴付けることができる。
【0047】
プラズマ源310はまた、ソース基板405を横切って延在し、供給源を通して画定される1つ以上の開孔410と交差する、複数の電極を含めた1つ以上の電極も含みうる。実施形態では、電極は、供給源を通る開孔内で放電を生成するように動作させることができ、これにより、1つ以上の前駆体が供給されてプラズマ増強されうる多数のプラズマセルを生成することができる。電極は、1つ以上の第1の電極415を含む第1の電極セットと、1つ以上の第2の電極420を含む第2の電極セットとを含みうる。第2の電極は、幾つかの実施形態では、図示されるように第1の電極に対して垂直に配置されることを含め、第1の電極からオフセットされた角度で配置することができる。第2の電極420は、第2の電極がプラズマ源を介して第1の電極415とは異なる平面で配置されうるため、隠図で示されている。例えば、幾つかの実施形態では、第2の電極420は第1の電極415と重なり合っていてもよいが、第2の電極は、第1の電極415の各々から物理的に分離された状態に維持することもできる。第1の電極415の各々及び第2の電極420の各々は、プラズマ源310の他の電極から物理的及び/又は電気的に絶縁されてもよく、これにより、本技術の幾つかの実施形態による電極の独立した動作が可能になりうる。開孔と同様に、本技術の実施形態による例示的なプラズマ源は、1つ以上を含めた、任意の数の第1の電極及び第2の電極を含むことができ、本技術の実施形態では、数十、数百、又は数千の電極を含むことができる。
【0048】
図示されるように、第1の電極415は第1の電源417と連結させることができ、第2の電極420は第2の電源422と連結させることができる。いずれか又は両方の電源は、コントローラ191、又は以下に説明されるように、他の幾つかのシステムコントローラによって動作させることができる。結合は、幾つかの実施形態では、基板から延びる電極を含むことができ、及び/又は、ソース基板上の電極材料に接触する電源の延長を含むことができる。各電源からソース基板の反対側に、追加の電気接続、又は各個々の電極に沿った電圧供給を容易にする他の電気的結合を含めることができる。幾つかの実施形態では、第1の電源417及び第2の電源422は、多数の異なる出力を提供するだけでなく、異なる結合電極間に異なる電圧を提供する能力も備えている、単一の電源とすることができる。単一の電源であるか複数の電源であるかにかかわらず、電源は電極と電気的に結合され、電極間に電圧を提供することができる。電源は、該電源に結合された任意の個々の電極に電圧を印加することを可能にし、幾つかの実施形態では単一の電圧又は電圧範囲の供給をもたらすことができる、多重化機能を有しうる。幾つかの実施形態では、第1の電源417は、1つ以上の第1の電極415に沿って第1の電圧を供給するように構成することができ、第2の電源422は、1つ以上の第2の電極420に沿って第2の電圧を供給するように構成することができる。
【0049】
いずれかの電源からの電圧は、任意の範囲にあってもよいし、又は任意の電圧を包含してもよいが、幾つかの実施形態では、第1の電源及び第2の電源の各々は、電気的に結合されうる任意の電極に沿って約500V以下の電圧を供給するように構成されうる。供給される電圧は、以下にさらに説明されるように、任意の重なり合う第1の電極と第2の電極との間の破壊電圧に関連しうる。例えば、各電源は、同様の電圧又はある範囲内の任意の電圧を供給することができるが、幾つかの実施形態では、第1の電源は、第1の電極の各々に沿って第1の電圧を供給又は提供するように構成することができ、第2の電源は、第2の電極の各々に沿って、第1の電圧よりも低くなりうる第2の電圧を供給又は提供するように構成することができる。この場合も、幾つかの実施形態では、説明したように別個の電圧を供給するように構成することができる単一の電源を利用することができる。したがって、以下にさらに説明するように、電極は、本技術の実施形態においてアドレス指定機能と維持機能の両方で動作して、プラズマ源を介して各個々のプラズマセル内にプラズマ放電パルスを生成することができる。本技術による電極は、ソース基板全体にわたって印刷又は形成された任意の数の導電性材料であるか、又はそれらを含むことができる。例えば、銅、タングステン、モリブデン、ニッケル、鉄、銀、コバルト、金、又は遷移金属を含めた他の任意の金属を、本技術の幾つかの実施形態において電極として使用することができる。多くの材料の組合せ又は合金を同様に使用することができ、これらには、非限定的な一例として、ニッケル-コバルト鉄合金、並びに1つ以上の表面に堆積された導電性材料の追加層を有するこれらの材料が含まれる。
【0050】
図5に目を向けると、本技術の幾つかの実施形態による
図4の線A-Aを通る例示的なプラズマ源310の部分的な概略断面図が示されている。供給源は特定の縮尺であると見なされるべきではなく、前述のように任意の数の開孔及び電極を含むことができるものと理解されたい。例えば、プラズマ源310は、貫通して画定された1つ以上の開孔410を有するソース基板405を含むことができる。プラズマ源310はまた、図示されるように、第1の電極415のセット及び第2の電極420のセットも含むことができる。上述のように、プラズマ源310には任意の数の開孔及び電極を含めることができるものと理解されたい。
【0051】
図に示されるように、プラズマ源310は、本技術の幾つかの実施形態においてソース基板405を生成するために、1つ以上のプレートを含むことができる。プレートは、プラズマ源310を生成するために、接着、結合、焼結、機械的接合、又は他の方法で互いに連結されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のプレートの各プレートは、供給源内の他のすべてのプレートと同じ材料でありうるが、幾つかの実施形態では、異なる材料が異なるプレートに使用されうる。例えば、幾つかの実施形態では、第1のプレート505及び第2のプレート510は同じ又は異なる材料であってもよく、第1のプレート505及び第2のプレート510の各々は、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置された第3のプレート515と同じ材料であっても異なる材料であってもよい。ソース基板405のいずれのプレートも、前述の材料のいずれかでありうる。
【0052】
図示されるように、プラズマ源310は、幾つかの実施形態においてモノリスを生成するために連結又は形成された多数のプレートを含むことができる。いずれのプレートも、前述のように誘電体材料又はセラミック材料を含むことができる。プラズマ源310は、第1のプレートを貫通して画定された、第1の複数の開孔を含めた1つ以上の開孔506を画定する、第1のプレートを含むことができる。開孔は、上記
図4に示されている追加の列とともに、単一の列が示されている第1の行セットを含めた、前述のように任意の数の配列で含まれうる。第1のプレートはまた、第1のセットを含めた、1つ以上の電極415も含むことができ、示される断面に1つの電極415aが図示されている。第1の電極セット415は第1の行セットに沿って分配することができ、第1の電極セットの各電極は、第1の複数の開孔506の少なくとも1つの開孔と交差しうる。
【0053】
プラズマ源310は、第2のプレートを貫通して画定された、第2の複数の開孔を含めた1つ以上の開孔512を画定する、第2のプレート510を含むことができる。開孔は、幾つかの実施形態では、第1の行セットと同様又は同一でありうる第2の行セットを含めた、任意の数の配列で配置することができる。図示されるように、各第2の開孔512は、第1の開孔506と軸方向に位置合わせされるか、又は同軸であってよく、幾つかの実施形態では、第2のプレート510は、第1のプレート505と同じ数の開孔を画定することができる。プラズマ源310はまた、第1のプレート505と第2のプレート510との間に位置づけられた第3のプレート515も含みうる。第3のプレート515は、第3の複数の開孔を含めた、1つ以上の開孔516を画定しうる。第3のプレート515は、他のプレートと同数の開孔を画定することができ、各第3の開孔516は、対応する第1の開孔506及び/又は対応する第2の開孔512と軸方向に位置合わせされるか、又は同軸でありうる。図示されるように、第1の開孔506、第2の開孔512、及び第3の開孔516の軸方向に位置合わせされたそれぞれの開孔は、プラズマ源310を通って延びるチャネルを形成することができる。これらのチャネルの各々は、電極の動作によってチャネル内に形成されたプラズマを個々に有しうる、個々のプラズマセルでありうる。
【0054】
プラズマ源310は、第1の電極415から垂直に、又は第1の電極415からオフセットされた他の何らかの角度で延在しうる、第2の電極セットを含めた、1つ以上の電極420を含みうる。したがって、電極420は、図示された向きでページを通って延在することができ、図示される断面図に電極420a、420b、420c、420d、及び420eが示されている。第2の電極セット420は、第2の行セットに沿って分配することができ、第2の電極セットの各電極は、複数の第2の開孔512の少なくとも1つの開孔と交差しうる。第1の電極415の各々及び第2の電極420の各々は、ソース基板を横断する個々の行に沿って別々に延在することができ、これにより、プラズマ源を横切る任意の2つの電極間の接触を制限又は防止することができる。したがって、幾つかの実施形態では、供給源の各プレートは誘電体材料であり、各電極は、基板上の他の各電極から電気的及び又は物理的に絶縁されうる。当然ながら、本技術に包含される幾つかの構成では、電源において任意の量の電気的結合が発生しうる。
【0055】
幾つかの実施形態では、1つ以上の追加のプレートがプラズマ源に含まれてもよく、これにより、本技術の幾つかの実施形態では、プラズマ源の側面を包囲又は保護することができる。例えば、第4のプレート517を、第3のプレート515と連結された第1のプレート505の表面とは反対側の第1のプレート505の表面と連結させることができる。第4のプレート517は、第4の複数の開孔を含めた、1つ以上の開孔518を画定することができ、これは、第1のプレート505及び第2のプレート510の開孔と軸方向に位置合わせすることができる。第5のプレート519を、第3のプレート515と連結された第2のプレート510の表面とは反対側の第2のプレート510の表面と連結させることができる。第5のプレート519は、第5の複数の開孔を含めた、1つ以上の開孔521を画定することができ、これは、第1のプレート505及び第2のプレート510の開孔と軸方向に位置合わせすることができる。第4のプレート517及び第5のプレート519は、前述の材料のいずれかから作ることができ、他のプレートのいずれかと同じ材料又は異なる材料であってもよい。プレートは、半導体処理中にプラズマ源の他のプレートに物理的及び又は化学的保護を提供することができる。さらには、幾つかの実施形態では、第4のプレート517及び第5のプレート519は、第1のプレート及び第3のプレートに沿って施されたコーティングであってもよく、誘電体又は他の保護コーティングであってもよく、プラズマ源全体にわたってスプレーコーティング又は他の方法で施されてもよい。
【0056】
前述のように、第1の電極415及び第2の電極420は、プラズマ源を介して異なる平面上に形成することができ、これにより、電極間の短絡を防止することができる。例えば、第1の電極415は第1のプレート505の第1の表面に形成することができ、第2の電極420は第2のプレート510の第1の表面に形成することができる。プレートの上に示されているが、本技術による電極は、およそ数マイクロメートル以下であってよく、電極を覆うプレートによって完全に収容することができるものと理解されたい。さらには、幾つかの実施形態では、第1のプレート505及び第2のプレート510の第1の表面の各行又はパターンに対応する位置にトレンチを形成し、該トレンチ内に電極材料を形成又は堆積させることができる。
【0057】
プラズマ処理中の動作では、電極は、各電極が交差する開孔の側壁に沿ってさらに延在してよく、これにより、各開孔を通じて各電極に沿って連続性を維持し、個々のプラズマセルの形成を容易にすることができる。したがって、各電極は、該電極が交差する各開孔の内部の周りに延在する環状の構成要素を含むことができる。図に示されるように、第1の電極415aは、他の第1の電極415の各々とともに、第1のプレート505の第1の表面に沿って延在することができ、また、プレートを貫通して形成され、関連する電極415と交差する各開孔506の側壁に沿ってさらに延在することができる。同様に、図示される各個々の第2の電極を含めた第2の電極420は、第2のプレート510の表面に沿って延在することができ、また、プレートを貫通して形成され、関連する電極4205と交差する各開孔512の側壁に沿ってさらに延在することができる。電極材料は、開孔を完全に又は部分的に通って延在してもよく、幾つかの実施形態では、それに沿って電極が形成されるプレートの第1の表面から、該第1の表面とは反対側の第2の表面まで、開孔を通って均一に形成されてもよい。電極材料はまた、開孔内に、約100μm以下の厚さを含めた任意の厚さで形成することができ、約80μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下、又はそれより薄い厚さで形成されてもよい。各チャネル又はプラズマセル内の第1の電極415と第2の電極420との間の分離は、プレート515の厚さによって制御することができる。この間隙は、2つの電極間の放電のための空間を画定することができる。
【0058】
本技術の実施形態では、供給源310のプレートのいずれも、約1cm以下の厚さによって特徴付けることができ、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下、又はそれより薄い厚さによって特徴付けることができる。例えば、第3のプレート515は、プラズマ源を特定の電圧で動作させることができる圧力レジームに応じた厚さに寸法決めすることができる。例えば、1つの非限定的な例では、約100Vから約300Vの間の電圧、及び約5Torrから約50Torrまでの圧力で動作するプラズマ源は、幾つかの実施形態では、約3mmから約5mmの間の厚さを特徴とする第3のプレートを含むことができる。
【0059】
プラズマ発生電極としての動作を容易にするために、幾つかの実施形態では、電極材料を覆う誘電体材料を形成することができる。誘電体材料は、プラズマ源のプレートを横切って電極材料の上に完全に形成されうるが、幾つかの実施形態では、誘電体材料は、図示されるように、プレートの各開孔の側壁に沿って延びる電極材料を覆って形成することができる。例えば、第1の誘電体材料525は、第1のプレート505を通る各開孔の側壁に沿って形成された電極材料を覆って形成されうる。さらには、第2の誘電体材料530は、第2のプレート510を通る各開孔の側壁に沿って形成された電極材料を覆って形成されうる。第1の誘電体材料525及び第2の誘電体材料530は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、前述の誘電体材料のいずれであってもよい。誘電体材料はまた、電極、開孔、又は言及された他の厚さ若しくは寸法について、他の場所で説明されたいずれかの厚さに形成することができる。図は開孔内に含まれる誘電体材料を示しているが、電極ストライプの連続性を示すために、幾つかの実施形態では、誘電体材料は、供給源のチャネル又はプラズマセルを介して任意の露出した電極材料の周りに延在することができ、したがって、幾つかの実施形態では、供給源を通じて延在する開孔410を通して、電極材料のどの部分も露出されないものと理解されたい。
【0060】
幾つかの実施形態では、誘電体材料は、対応するプレートと同じ材料であってもよいが、幾つかの実施形態では、誘電体材料はプレート材料とは異なりうる。非限定的な一例として、第1のプレート505は酸化アルミニウムなどの第1の誘電体材料から形成することができ、誘電体材料525は酸化マグネシウムなどの別の誘電体材料とすることができるが、前述の材料のいずれも任意のプレートの材料又は誘電体材料のいずれにも利用することができる。ただし、選択された材料と誘電材料を形成する厚さは、プラズマセル内で放電を発生させるための破壊が発生する電圧に影響を与える可能性がある。第1の電極の両端に第1の電圧を提供すること、及び供給源を通して形成された特定のチャネル又はプラズマセルにおいて第1の電極に重なる第2の電極の両端に第2の電圧を提供することにより、放電がプラズマセル内で形成され、開孔を通して供給される前駆体のプラズマ励起を提供することができる。プラズマセルの動作については、以下にさらに説明する。
【0061】
図6は、本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源600の概略的な断面図を示している。上述のプラズマ源310は、本技術の幾つかの実施形態によって包含される二次元電極構成の構成を示したものである。本技術に包含される追加のプラズマ源は、一次元電極構成、三次元電極構成、又は追加の電極を含む任意の数の構成を含むことができる。例えば、プラズマ源600は、間にアドレス電極が形成された複数の維持電極を含みうる、3電極プラズマ源を示しうる。
【0062】
プラズマ源600は、プラズマ源310を含めた前述の任意のプラズマ源の特徴部、特性、又は構成要素のいずれかを含みうる。同様に、プラズマ源600は、前述の任意のシステム又は処理チャンバ、並びにプラズマ処理を実施することができる他の任意の処理チャンバに含まれうる。プラズマ源600は、幾つかの実施形態では、プラズマ源の追加のプレートを有し、供給源に組み込まれた追加の電極を有する、プラズマ源310と同様の配置を含むことができる。例えば、プラズマ源600は、ともに連結された第1のプレート605、第2のプレート610、及び第3のプレート615を含みうる。第1のプレート605と第2のプレート610との間に第4のプレート620が配置されてもよく、第2のプレート610と第3のプレート615との間に第5のプレート625が配置されてもよい。さらなるコーティングであってもよい第6のプレート630及び第7のプレート632を、図示されるように第1のプレート及び第3のプレートとは反対側の端部に結合させるなど、他のプレートを取り囲むように含めることができ、プラズマ源の保護又は筐体を提供することができる。
【0063】
第1の電極606又は第1の電極セットが第1のプレートを横切って第1の方向又は第1の配列で延在し、プレートを通る1つ以上の開孔と交差してもよい。第2の電極612又は第2の電極セットが第2のプレートを横切って第1の方向に対して垂直でありうる第2の方向又は第2の配列で延在し、プレートを通る1つ以上の開孔と交差してもよい。さらには、第3の電極616又は第3の電極セットが第3のプレートを横切って第1のプレートに沿った方向と同様の第1の方向又は第3の配列で延在し、プレートを通る1つ以上の開孔と交差してもよい。この配置において、平行に形成された第1の電極及び第3の電極の各々は維持電極として動作することができ、これにより、プラズマ源の動作中に追加の電気効率を提供することができる。
【0064】
図7は、本技術の幾つかの実施形態によるプラズマ源700の例示的なセルの概略的な上面図を示しており、開孔を通る電極の層状構成要素を示すことができる。プラズマ源700は、プラズマ源310を含めた前述の任意のプラズマ源の特徴部、特性、又は構成要素のいずれかを含みうる。同様に、プラズマ源700は、前述の任意のシステム又は処理チャンバ、並びにプラズマ処理を実施することができる他の任意の処理チャンバに含まれうる。
【0065】
図示されるように、プラズマ源700は、ソース基板705を含むことができ、それを通して開孔710又はプラズマセルを画定することができる。第1の電極715は、プラズマ源700の第1のプレートに沿ってなど、第1の表面に沿って延在することができ、また、プレート間に形成されるか、又は誘電材料によって取り囲まれるなど、上述のように供給源内に含まれうる。第1の電極715は、供給源に沿ってストライプ状に延在することができ、供給源にわたって含まれる多数の電極のうちの1つでありうる。第2の電極720は、上述のように供給源内を含めた、供給源の第2の表面に沿って延在するか、又は誘電体材料によって取り囲まれうる。電極は、供給源を通して形成された開孔710の異なる部分に沿ったものを含めた、異なる平面に形成されうる。図示されるように、電極715、及び同様に電極720は、供給源の表面に沿って、並びに基板を通して形成された開孔710の側壁に沿って延在することができる。次に、電極は、該電極が交差する各開孔に沿って連続性を提供するために、開孔に沿って延在する環状の構成要素を含むことができる。
【0066】
前述のように、誘電体材料725は、開孔710の側壁に沿って形成された電極の部分の上に形成することができる。誘電体材料は、供給源を通る開孔内の第1の電極715と第2の電極720との間の誘電体バリア放電を容易にすることができる。電極材料がソース基板705と誘電体材料725との間に配置される場合、電極材料を覆う内部側壁のみに沿って示されているが、幾つかの実施形態では、誘電体材料は、開孔の外側に延在し、電極の環状部分全体を覆い、開孔又はプラズマセル内の電極材料の露出を制限又は防止することができるものと理解されたい。
【0067】
図8は、本技術の幾つかの実施形態による例示的なプラズマ源800の概略的な断面図を示しており、供給源を通る開孔プロファイルの変化を示すことができる。プラズマ源800は、プラズマ源310を含めた前述の任意のプラズマ源の特徴部、特性、又は構成要素のいずれかを含みうる。同様に、プラズマ源800は、前述の任意のシステム又は処理チャンバ、並びにプラズマ処理を実施することができる他の任意の処理チャンバに含まれうる。
【0068】
プラズマ源800は、上記
図5に示されるプラズマ源310と同様の特徴部を含むことができ、第1の開孔806を画定することができる第1のプレート805、第2の開孔812を画定することができる第2のプレート810、及び第3の開孔816を画定することができる第3のプレート815を含めた構成要素の一部又はすべてを含むことができる。第1の電極のセット807は第1のプレート805の表面にわたって延在することができ、第2の電極のセット813は第2のプレート810の表面にわたって延在することができる。前述のように、各第1の開孔は、関連する第2の開孔及び第3の開孔と同軸であり、供給源800を通るチャネル又はプラズマセルを画定することができる。プレートのいずれかの開孔のいずれも、上述の開孔直径のいずれかによって特徴付けることができ、幾つかの実施形態では、プレートの少なくとも1つは、供給源の他のプレートの1つ又はすべての異なる直径の開孔を画定することができる。
【0069】
例えば、供給源800は、2つの追加の開孔プロファイルを示しており、これらは、本技術の実施形態に包含される供給源を通る任意の他の開孔プロファイルとは別に、又はそれと組み合わせて含めることができ、また、本開示を通じて説明される任意のプラズマ源の開孔プロファイルの実施形態を示すことができる。例えば、両方の開孔プロファイルは、第1の開孔806が第1の直径を特徴とし、第3の開孔816が第1の直径とは異なる第2の直径を特徴とする、プラズマセルを含む。図に包含される第1の例に示されるように、第3の開孔816aは、第1の開孔806の直径よりも小さい直径を特徴とする。第1の電極807と第2の電極813との間に形成される材料の量を効果的に増加させることによって、供給源は、幾つかの実施形態では約5Torr以下に達しうる、より低い圧力レジームで動作するように構成されうる。さらには、間隙距離を大きくすると、プラズマセル内で放電する電圧が増加しうる。
【0070】
図に包含される第2の例では、第3の開孔816bは、第1の開孔806の直径よりも大きい直径を特徴とする。さらには、電極材料807は、図示されるように、第1のプレート805の第1の表面を横切って、前述のストライプに延在することができる。電極材料807はまた、第3のプレートによって占有される第1のプレートと第2のプレートとの間の間隙内など、第1の表面とは反対側の第1のプレート805の第2の表面にわたって延在することができる。同様に、電極材料813は、第2のプレート810の第1の表面に沿って形成することができ、図示されるように、開孔812の周りの増加した環状のリップ又は延長部に形成することができる。第1の電極材料807及び第2の電極材料813の両方の延長部は、対向面上で同程度に生じうる。さらには、第1の開孔806を通して形成される誘電体材料820及び第2の開孔812を通して形成される誘電体材料822が、図示されるように、追加の電極材料の周りにさらに延在することができる。
【0071】
例えば、誘電体材料は、いずれかの電極の露出を制限又は防止するために、追加の電極材料を覆う間隙内に延在することができ、これは、プラズマセル内の電極材料の露出を制限又は防止するために、第1のプレートの第1の表面にも発生しうる。材料の量と、第1の電極807と第2の電極813との間に形成された間隙とを効果的に減らすことにより、供給源は、より高い圧力レジームで動作するように構成されてよく、これは、幾つかの実施形態では約5Torr以上に達する可能性があり、約10Torr以上、約15Tor以上r、約20Torr以上、約25Torr以上、約30Torr以上、約35Torr以上、約40Torr以上、約45Torr以上、約50Torr以上、又はそれより高い圧力に達しうる。さらには、間隙距離を大きくすると、幾つかの実施形態では、プラズマセル内で放電する電圧が低下しうる。
【0072】
前述の供給源は、半導体処理で使用するためのプラズマ増強前駆体を生成するように動作させることができる。供給源を通じて形成されたプラズマセルは、生成されるプロセスの基板レベルの性能に影響を与えうる、独立して発達したプラズマプロファイルを可能にしうる。各プラズマセルでプラズマ機能のアドレス指定及び維持を利用すること、並びに維持機能中に各セルで発生するプラズマパルスの数を調整することにより、供給源を介して各プラズマセル内で生成される堆積材料、エッチング剤、又は処理材料の量を、基板レベルでのプロセス均一性を改善するように具体的に調整することができる。
【0073】
図9は、本技術の幾つかの実施形態による半導体基板を処理する方法900における選択された動作を示している。該方法は、前述の任意のプラズマ源の任意の構成要素、構成、又は特性など、本技術の実施形態によるプラズマ源を含みうる、前述の処理システム300を含むさまざまな処理チャンバで実施することができる。方法900は、本技術による方法の幾つかの実施形態に具体的に関連付けられても関連付けられていなくてもよい、幾つかの任意選択的な動作を含みうる。理解を容易にするために、例示的なエッチングプロセスが方法900の動作と併せて説明されうるが、このプロセスは、限定することを意図するものではなく、任意の数のエッチング、堆積、処理、又は洗浄動作が、方法900及び本技術によって同様に包含される変形に従って、同様に実施されうるものと理解されたい。
【0074】
方法900は、前述のようにプラズマ源を含む処理チャンバ内で実施することができる。プラズマ源は、供給源を通る1つ以上の開孔、並びに第1の電極セット、及び第2の電極セットを含むことができる。1つ以上の電源が含まれ、第1の電極セットの各電極に沿って第1の電圧を供給し、第2の電極セットの各電極に沿って第2の電圧を供給するように構成されうる。例示的な実施形態では、供給源は、各プラズマセル内において250Vでの放電を生成するための電極及び誘電体材料並びに厚さで形成することができる。これらの材料及び構成は、前述のように任意の電圧範囲内で放電を生成するように調整することができるものと理解されたい。さらには、電源は、前述の電圧範囲内の任意の電圧を供給するように構成されうるが、各電源は、指定された動作条件で各セル内で放電が発生しうる電圧よりも低い電圧を供給するように具体的に構成することができる。電源はまた、放電が発生しうる電圧よりも高くなりうる電圧を供給するように組み合わせて構成することもできる。
【0075】
非限定的な例を続けると、第1の電源は、約250V以下でありうる第1の電圧、及び200Vでありうる第1の電圧を供給するように構成することができるが、この範囲内の他の多くの電圧を選択することができる。第1の電極は、例えば維持電極でありうる。さらには、第2の電源は、約250V以下でありうる第2の電圧、及び80Vでありうる第2の電圧を供給するように構成することができるが、この範囲内の他の多くの電圧を選択することができる。第2の電極は、例えばアドレス電極でありうる。したがって、いずれかの電源が特定の電極に沿って電圧を供給する場合、個々のプラズマセル内には放電効果が存在しない可能性がある。しかしながら、オーバーラップ電極が同様に電圧を受ける場合、電極が重なり合うプラズマセル又はチャネルは、2つの電極間で放電が発生しうる電圧よりも高い電圧を受けることができ、したがって、放電は、例えば、いずれかの電極に沿った他のセルで発生することなく、そのセル内で発生しうる。第1の電極の各々に沿った電力の供給を調整することによって、プラズマを、供給源の各チャネル又はプラズマセル内で独立して生成することができる。
【0076】
プラズマを生成するための制御スキームは、供給源の各プラズマセルに対処するために前述のシステムコントローラなどの制御を使用し、その後、基板上に所望の処理プロファイルを生成することができるパルス化スキームの下でセルを維持することによって行うことができる。セルをアドレス指定することは、対応する電極に沿って、セル破壊電圧を上回る正味電圧を提供する電圧を提供することを包含しうる。例えば、任意選択的な動作905では、マルチプレクサのスキャン機能と同様に、この例では200Vなどの第1の電圧を第1の電極の各々に沿って供給することができる。さらには、任意選択的な動作910では、同じ例において、80Vなどの第2の電圧を、電圧を受ける電極が重なり合う各セルで破壊電圧を超えるように、すべての電極を含めた、選択された第2の電極に沿って供給することができる。これは、後続の処理動作のための前駆体、不活性前駆体、又はキャリア前駆体を用いて実施することができ、あるいは処理チャンバの環境内で実施することができる。したがって、第1の電極に沿って供給される電圧と第2の電極に沿って供給される電圧との間に少なくとも幾らかの重なりが生じて、供給源の、すべてのプラズマセルを含めた、1つ以上のプラズマセルにおいて放電を生成することができる。
【0077】
アドレス指定動作中に特定のプラズマセル内で放電が発生すると、2つの電極の誘電体層に表面電荷が残る。この表面電荷は、セル破壊電圧よりも小さいかもしれないが、セル破壊電圧と維持電極に沿って提供される電圧との間の差よりも大きくなりうる。半導体処理のための前駆体は、動作915で供給することができ、本開示を通して説明される任意のプラズマ源などのプラズマ源を導入した半導体処理チャンバ内に供給することができる。前駆体は、基板と相互作用するために処理領域に供給される前に、チャンバを通って流すことができ、ガス分配プレートでもありうるプラズマ源のチャネル又はプラズマセルを通して分配することができる。前駆体が供給源のプラズマセルを介して供給されているとき、第1の電源は、動作920において、第1の電極又は維持電極に沿って、例を続けて、200Vなどの第1の電圧を供給することができる。その後、以前にアドレス指定された供給源のプラズマセル内の誘電体表面のメモリ電荷に起因する電圧が、維持電極の印加電圧に追加される可能性があり(これは再びセル破壊電圧を超える可能性がある)、以前にアドレス指定されたセル内にのみプラズマの追加の放電パルスを発生させる。これにより、動作925において、プラズマ源を介して個々のチャネル又はプラズマセル内にプラズマを形成することができ、これが供給源を通って流れるときにプラズマ増強前駆体を生成することができる。1つ以上の前駆体を含みうる前駆体は、次に、基板と相互作用して、基板処理を実施することができる。
【0078】
すべてのプラズマセルが同様の寸法を特徴とし、各電極に印加される電圧が同じである場合、各セル内で生成されるプラズマ電力は、動作サイクル中に各セル内で発生する放電パルスの数に比例しうる。各サイクルで、個々のプラズマセルをリセットし、次にアドレスを再指定することができ、これによりメモリ電荷を受け取るセルを調整することができる。アドレス指定サイクルでセルがメモリ電荷を受信しない場合、セルは後続の維持サイクル中に放電しない。サイクルはミリ秒又はマイクロ秒で発生しうることから、数秒又は数分の処理動作中に各セルで発生しうるパルスの数は、数百、数千、数万、又は数十万のプラズマパルスでありうる。したがって、特定のセルが受信するパルスの数を調整することによって、基板上で実施されているプロセをフィードフォワードループで調整することができる。
【0079】
例えば、エッチングプロセスなどのプロセスは、前述のようにプラズマ源を組み込んだチャンバ内に収容された基板上で実施することができる。例示的な堆積、処理、洗浄、又は他の動作も同様に実施できるものと理解されたい。エッチングプロセスは、ある期間にわたって行うことができ、その間、プラズマセルは、各プラズマセルがその期間中にある特定の回数放電するように動作させることができる。非限定的な一例として、各プラズマセルは、期間中に10,000回放電するように動作させることができるが、少なくとも部分的には電源の周波数に基づいて、任意の数のパルスを構成することができる。理論的には、実施されるエッチングプロセスは基板全体にわたって均一に発生するはずであるが、これは、必ずしも発生するとは限らない。例えば、処理チャンバ内の前駆体の流れの不均一性、基板全体にわたる温度分布の不均一性、又は他の多くの要因に起因して、エッチングプロセスは基板全体にわたるプロファイルを生成しうる。
【0080】
エッジが高いプロファイル、中央が高いプロファイル、半径方向若しくは平面の不均一性、又はこれらの問題の組合せなど、プロセスの不均一性を特定するために、エッチングプロセス、計測学、又は他の分析の後続の実施が行われうる。例えば、分析は、エッチングがエッジよりも基板の中央でより容易に実施され、エッジの高いプロファイルを生成したことを決定することができる。それに応じて、処理を調整して、中央のエッチングを減らすか、エッジのエッチングを増やすか、又はその両方を行うことができる。プラズマ源のプラズマセルあたりの放電パルスの数を調整することにより、増加又は減少したエッチング剤前駆体がプラズマ源の異なる領域を通して生成され、これにより、求められる変化を提供することができる。
【0081】
供給源においてこれらの効果を生み出すために、プラズマセルのアドレス指定スキームを修正することができる。例えば、給源内のすべてのプラズマセルは、処理時間全体にわたって引き続き動作しうるが、各セルで生成される放電パルスの数は、アドレス指定スキームを通じて調整することができる。アドレス指定スキームを生成するために、例えば、処理時間全体にわたってフレームのセットとして多数のサブフィールドを生成することができる。デジタルコントローラ又はシステムコントローラの態様は、処理期間全体にわたるサブフィールド及びフレームごとにアドレス指定スキーム及び維持スキームを生成することができる。各サブフィールド期間の開始時に、メモリ電荷を維持又は喪失するように、各プラズマセルを前述のようにアドレス指定することができる。後続の維持パルス中、各サブフィールド期間で、メモリ電荷を維持するセルのみがさらに放電され、これにより、処理時間の各フレーム中に各プラズマセル内のプラズマ強度を調整することができる。
【0082】
上記エッチングの例を続けると、プラズマ源の外周の周りのプラズマセルでの放電パルスの数を増加させることによって、及び/又はプラズマ源の中央領域の周りのプラズマセルでの放電パルスの数を減少させることによって、処理領域の半径方向エッジにおいてプラズマ強度を相対的に増加させることができ、処理領域の中央領域においてプラズマ強度を相対的に減少させることができる。これにより、エッジ領域でのエッチングが増加し、中央領域でのエッチングが減少しうる。パルスに関しては、供給源全体にわたる各セルは、動作期間中に生成可能なパルスの総数の約50%以上を受信し続けることができ、実施されているプロセスで求められる変動に応じて、パルスの総数の約60%以上、パルスの総数の約70%以上、パルスの総数の約80%以上、パルスの総数の約90%以上、パルスの総数の約95%以上、パルスの総数の約99%以上、又はそれより多く受信し続けることができる。
【0083】
例えば、供給源の中間領域にあるプラズマセルは、処理時間全体にわたり9,000の放電パルスを受け取ることができるが、供給源の中央領域にあるプラズマセルは、処理時間にわたり8,000の放電パルスを受け取ることができ、供給源の半径方向エッジ領域にあるプラズマセルは、処理時間にわたり10,000の放電パルスを受け取ることができる。当然ながら、任意の数の供給源からのプロセスの不均一性に対応しうる複雑なプラズマプロファイルを提供するために、個々のセルの各々を供給源全体で独立して調整することができるため、供給源及び個々のプラズマセルにわたる任意の数のバリエーションが同様に包含される。
【0084】
例えば、画像データの処理と、プロセスの不均一性を克服又は調整するアドレス指定スキームに対するその後の調整とを使用して、将来のプロセスを促進しうる結果又は成果のライブラリを生成又は開始することができる。この生成されたライブラリは、機械学習用のプロセッサによってアクセスすることができ、この場合、処理シナリオからパターンを特定するアルゴリズムが実装され、処理条件又はチャンバ条件の予測調整を容易にする機械学習モデルを提供することができる。アルゴリズムには、処理中に収集し、機械学習モデルをトレーニングするために分析することができる多くの他の考慮事項の中でもとりわけ、チャンバ条件、プロセス条件、システムの構成要素の材料又は特性、アドレス指定スキーム、放電パルスの調整ごとの処理に対する影響の考慮事項が含まれうる。特定の供給源内のプラズマセルの数に基づいて、パルススキーム又はアドレス指定動作のために、深層機械学習アルゴリズムを開発することができる。
【0085】
機械学習は、データライブラリにさらに追加し、任意の数のチャンバ又は処理シナリオの予測を反復的に改善することができる。その結果、時間の経過とともに、モデルは、以前に受け取った又はモデル化された処理の画像データに基づいて効果を予測し、個々のプラズマセルの放電パルスの総数を調整することによって、処理を制御することができ、また、インシトゥで任意の数の処理パラメータを調整して、プラズマ源全体にわたる各プラズマセルの放電パルスを増加又は減少させ、プロセスの結果及び動作の均一性を改善することができる。本技術の幾つかの実施形態によるプラズマ源において個別にアドレス指定可能なプラズマセルを利用することにより、改善されたプラズマ処理を、多くの従来の処理チャンバよりも高い圧力及び低い電圧で実施することができる。
【0086】
1つ以上のコンピューティング・デバイス又は構成要素は、コンピュータ可読形式でレンダリングされたソフトウェア命令にアクセスすることによって、全体にわたって記載されている所望の機能の一部を提供するように適合することができる。コンピューティング・デバイスは、例えば、処理時間の各フレームの各サブフィールド中にプラズマ源全体にわたり個々のセルをアドレス指定するなど、本技術の1つ以上の構成要素の動作のために信号を処理する又は信号にアクセスすることができる。ソフトウェアが用いられる場合、記述されたプロセスを実行するために、任意の適切なプログラミング、スクリプト作成、又は他のタイプの言語若しくは言語の組合せを使用することができる。しかしながら、ソフトウェアは、排他的に使用する必要がないか、又はまったく使用する必要がない。例えば、上述の本技術の幾つかの実施形態は、特定用途向け回路を含むがこれに限定されないハードワイヤードロジック回路又は他の回路に実装することもできる。コンピュータで実行されるソフトウェアとハードワイヤードロジック回路又は他の回路との組合せも同様に適しうる。
【0087】
本技術の幾つかの実施形態は、前述の1つ以上の動作を実行するように適合された1つ以上の適切なコンピューティング・デバイスによって実行されうる。上記のように、このようなデバイスは、該デバイスに組み込まれうる少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、該少なくとも1つのプロセッサに本技術の1つ以上の態様を実装させるコンピュータ可読命令を具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体にアクセスすることができる。追加的又は代替的に、コンピューティング・デバイスは、記載される方法又は動作の1つ以上を実装するようにデバイスを動作させる回路を含むことができる。
【0088】
本技術の1つ以上の態様を実装又は実施するために、ディスケット、ドライブ、及び他の磁気ベースのストレージ媒体、CD-ROM、DVD-ROM、又はその変形などのディスクを含む光ストレージ媒体、フラッシュ、RAM、ROM、及び他のメモリデバイスなどを含むがそれらに限定されない、一又は複数の任意の適切なコンピュータ可読媒体を使用することができる。
【0089】
前述の記載では、説明を目的として、本技術のさまざまな実施形態の理解をもたらすために、多くの詳細が述べられてきた。しかしながら、これらの詳細の幾つかを含まずに、又はさらなる詳細と共に、ある特定の実施形態を実施しすることができることは、当業者とって明白であろう。
【0090】
幾つかの実施形態を開示してきたが、実施形態の趣旨から逸脱することなく、さまざまな修正、代替構成、及び等価物を使用することができることは、当業者に認識されよう。さらには、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、幾つかのよく知られているプロセス及び要素については説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0091】
値の範囲が提示される場合、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の下限値の単位の最小部分までの各介入値も具体的に開示されることが理解される。任意の記載値又は記載された範囲内の記載されていない介在値と、その記載範囲内の他の任意の記載値又は介在値との間の任意の狭い範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含まれるか、又ははその範囲から除外される場合があり、より小さい範囲に限界値のいずれかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もこの技術範囲に包含され、指定範囲内の具体的に除外された任意の限界値の対象となる。指定された範囲内に一方又は両方の限界値が含まれる場合、それらの含まれた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0092】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示対象を含む。従って、例えば「1つの電極」への言及はこのような電極を複数含み、「プラズマセル」への言及は1つ以上のプラズマセル及び当業者に知られているそれらの等価物などへの言及を含む。
【0093】
また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という語句は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられた場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を特定することが意図されているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素、工程、作用、又は群の存在又は追加を除外するものではない。