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特許7602532均一な回転ビームのレーザスクライビング処理およびプラズマエッチング処理を用いるハイブリッドウエハダイシング手法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-10
(45)【発行日】2024-12-18
(54)【発明の名称】均一な回転ビームのレーザスクライビング処理およびプラズマエッチング処理を用いるハイブリッドウエハダイシング手法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20241211BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241211BHJP
   B23K 26/364 20140101ALI20241211BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20241211BHJP
   B23K 26/351 20140101ALI20241211BHJP
【FI】
H01L21/78 B
H01L21/78 S
H01L21/302 105A
B23K26/364
B23K26/064 Z
B23K26/351
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022508505
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 US2020044623
(87)【国際公開番号】W WO2021030081
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】16/540,899
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョンネ
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン, カルティク
(72)【発明者】
【氏名】パパヌ, ジェームス エス.
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513304(JP,A)
【文献】特表2001-516648(JP,A)
【文献】特開平02-237012(JP,A)
【文献】特開2013-004877(JP,A)
【文献】特開2013-184191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/3065
B23K 26/364
B23K 26/064
B23K 26/351
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集積回路を備える半導体ウエハをダイシングする方法であって、
前記集積回路を被覆かつ保護する層を備えるマスクを前記半導体ウエハの上方に形成することと、
均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理で前記マスクをパターニングして、パターニングされた前記マスクに、前記集積回路同士の間における前記半導体ウエハの領域を露出させる間隙を設けることであって、前記均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、レーザビームを、対称的なレーザビームを提供するための回転テレスコープに通過させることを含む、間隙を設けることと、
パターニングされた前記マスクにおける前記間隙を通じて前記半導体ウエハをプラズマエッチングして、前記集積回路を個片化することと
を含む方法。
【請求項2】
前記均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ガウシアンビームに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ビームを入力レーザビームの軸の周りで回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ビームを入力レーザビームの軸外の周りで回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理でスクライビングすることは、回転するフェムト秒に基づくレーザビームでスクライビングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザスクライビング処理で前記マスクをパターニングすることは、前記集積回路同士の間における前記半導体ウエハの前記領域にトレンチを形成することを含み、前記半導体ウエハをプラズマエッチングすることは、前記トレンチを延ばして、対応するトレンチ延在部を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の集積回路を備える半導体ウエハをダイシングする方法であって、
均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理で前記半導体ウエハをレーザスクライビングして、前記複数の集積回路を個片化することであって、前記均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、レーザビームを、対称的なレーザビームを提供するための回転テレスコーに通過させることを含む、前記半導体ウエハをレーザスクライビングすることを含む方法。
【請求項8】
前記均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ガウシアンビームに基づく、請求項に記載の方法。
【請求項9】
回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ビームを入力レーザビームの軸の周りで回転させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、ビームを入力レーザビームの軸外の周りで回転させることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
複数の集積回路を備える半導体ウエハをダイシングするためのシステムであって、
ファクトリインターフェースと、
前記ファクトリインターフェースと結合され、均一な回転レーザビームを提供するように構成されるレーザ組立体を備えるレーザスクライビング装置であって、前記レーザ組立体は対称的なレーザビームを提供するための回転可能テレスコーを備える、レーザスクライビング装置と、
前記ファクトリインターフェースと結合されるプラズマエッチチャンバと
を備えるシステム。
【請求項12】
前記レーザ組立体は、レーザビームを入力レーザビームの軸の周りで回転させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記レーザ組立体は、レーザビームを入力レーザビームの軸外の周りで回転させるように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記レーザ組立体は、回転可能なフェムト秒に基づくレーザビームを備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月14日に出願された米国非仮特許出願第16/540,899号への優先権を主張し、その全体の内容が本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本開示の実施形態は、半導体処理の分野に関し、詳細には、複数の集積回路をそれぞれ有する半導体ウエハをダイシングする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウエハを処理するとき、集積回路が、シリコンまたは他の半導体材料から成るウエハ(基板とも称される)に形成される。概して、半導体、導体、または絶縁体のいずれかである様々な材料の層が、集積回路を形成するために利用されている。これらの材料は、集積回路を形成するために、様々な良く知られている処理を用いて、ドーピング、堆積、およびエッチングされる。各々のウエハは、ダイスとして知られている集積回路を含む多数の個々の領域を形成するために処理される。
【0004】
集積回路の形成処理に続いて、ウエハは、パッケージングのために、または、より大きな回路においてパッケージされていない形態での使用のために、個々のダイを互いから分離するために「ダイシング」される。ウエハダイシングのために使用される2つの主な技術は、スクライビングおよびソーイングである。スクライビングの場合、ダイヤモンドチップのスクライブが、あらかじめ形成されたスクライブラインに沿ってウエハ表面にわたって移動させられる。これらのスクライブラインはダイス同士の間の空間に沿って延びる。これらの空間は「ストリート」と一般的に称されている。ダイヤモンドスクライブは、ウエハ表面においてストリートに沿って浅い引っ掻き傷を形成する。ローラなどによる圧力の適用において、ウエハはスクライブラインに沿って分離する。ウエハにおける割れは、ウエハ基板の結晶格子構造に従う。スクライビングは、厚さが約10ミル(1000分の10インチ)以下であるウエハのために使用され得る。より厚いウエハについては、現在はソーイングがダイシングのための好ましい方法である。
【0005】
ソーイングの場合、1分当たりに高い回転数で回転するダイヤモンドチップのソーがウエハ表面に接触し、ストリートに沿ってウエハを鋸切断する。ウエハは、膜フレームにわたって伸ばされた接着膜などの支持部材に備え付けられ、ソーが垂直ストリートと水平ストリートとの両方に繰り返し適用される。スクライビングまたはソーイングのいずれかに伴う1つの問題は、切屑および打痕がダイスの切り落とされた端面に沿って形成する可能性があることである。また、割れが形成し、ダイスの端面から基板へと拡がり、集積回路を動作不能にさせてしまう可能性がある。切屑生成および割れ生成は、具体的には、正方形または長方形のダイの1つの側面だけが結晶構造の<110>方向にスクライビングされ得るため、スクライビングに伴う問題である。結果として、ダイの他の側面の劈開はギザギザの分離ラインをもたらす。切屑生成および割れ生成のため、例えば、切屑および割れが実際の集積回路からある距離に保たれるといった、集積回路への損傷を防止するために、追加の間隔がウエハのダイスの間に必要とされる。間隔の要件の結果として、標準的な大きさのウエハにダイスは数多く形成できず、そうでなければ回路のために使用され得るウエハの物的財産が廃棄される。ソーの使用は、半導体ウエハにおける物的財産の廃棄を増やしてしまう。ソーの刃はおおよそ15ミクロンの厚さである。そのため、ソーによって作られる切断の周りの割れおよび他の損傷が集積回路に損害を与えないことを保障するために、300~500ミクロンでダイスの各々の回路をしばしば分離しなければならない。さらに、切断の後、各々のダイは、ソーイング処理から生じる粒子および他の汚染物を除去するために、実質的な洗浄を必要とする。
【0006】
プラズマダイシングも使用されているが、同様に制約があり得る。例えば、プラズマダイシングの実施を妨げる1つの制約はコストであり得る。レジストをパターニングするための標準的なリソグラフィ作業は、実施コストを法外にさせる可能性がある。プラズマダイシングの実施を妨げる可能性のある別の制約は、ストリートに沿ってのダイシングにおいて一般的に直面する金属(例えば、銅)のプラズマ処理が、生産性の問題またはスループットの限度を引き起こす可能性があることである。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態は、半導体ウエハをダイシングする方法と、半導体ウエハをダイシングするための装置とを含む。
【0008】
実施形態では、複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法が、半導体ウエハの上方にマスクを形成することを伴い、マスクは、集積回路を被覆かつ保護する層から成る。次に、マスクは、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理でパターニングされ、パターニングされたマスクに、集積回路同士の間における半導体ウエハの領域を露出させる間隙が設けられ、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、レーザビームを回転テレスコープに通過させることを伴う。次に、半導体ウエハは、パターニングされたマスクにおける間隙を通じてプラズマエッチングされ、集積回路が個片化される。
【0009】
実施形態では、複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法が、半導体ウエハの上方にマスクを形成することを伴い、マスクは、集積回路を被覆かつ保護する層から成る。次に、マスクは、均一な回転ビームのレーザスクライビング処理でパターニングされ、パターニングされたマスクに、集積回路同士の間における半導体ウエハの領域を露出させる間隙が設けられ、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、レーザビームを回転プリズムに通過させることを伴う。次に、半導体ウエハは、パターニングされたマスクにおける間隙を通じてプラズマエッチングされ、集積回路が個片化される。
【0010】
他の実施形態では、複数の集積回路を含む半導体ウエハをダイシングする方法が、複数の集積回路を個片化するために、均一な回転ビームのレーザスクライビング処理で半導体ウエハをレーザスクライビングすることを伴い、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、レーザビームを回転テレスコープまたは回転プリズムに通過させることを伴う。
【0011】
他の実施形態では、複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングするためのシステムが、ファクトリインターフェースを含む。システムは、ファクトリインターフェースと結合され、均一な回転レーザビームを提供するように構成されるレーザ組立体を有するレーザスクライビング装置も備える。レーザ組立体は、回転可能テレスコープまたは回転プリズムを備える。システムは、ファクトリインターフェースと結合されるプラズマエッチチャンバも備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態による、複数の集積回路を備える半導体ウエハをダイシングする方法における作業を表す流れ図である。
図2A】本開示の実施形態による、図1の流れ図の作業102に対応する半導体ウエハをダイシングする方法の実施の間の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図である。
図2B】本開示の実施形態による、図1の流れ図の作業104に対応する半導体ウエハをダイシングする方法の実施の間の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図である。
図2C】本開示の実施形態による、図1の流れ図の作業108に対応する半導体ウエハをダイシングする方法の実施の間の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図である。
図3】本開示の実施形態による、回転テレスコープによる均一な回転ビームの生成の図である。
図4】本開示の実施形態による、回転プリズムによる均一な回転ビームの生成の図である。
図5A-5B】本開示の実施形態による、制御されていないレーザ処理、および、制御された回転ビームのレーザスクライビング処理をそれぞれ示す比較の図である。
図6】本開示の実施形態による、フェムト秒の範囲、ピコ秒の範囲、およびナノ秒の範囲でレーザパルス幅を用いることの効果を示す図である。
図7】本開示の実施形態による、半導体ウエハまたは基板のストリート領域で使用され得る材料の積み重ねの断面図である。
図8A-8D】本開示の実施形態による、半導体ウエハをダイシングする方法における様々な作業の断面図である。
図9】本開示の実施形態による、ウエハまたは基板のレーザおよびプラズマでのダイシングのための工具配置のブロック図である。
図10】本開示の実施形態による、例示のコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
複数の集積回路をそれぞれ有する半導体ウエハをダイシングする方法が記載されている。以下の記載において、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、回転ビームのレーザスクライビング手法、ならびに、プラズマエッチング条件および材料など、いくつかの特定の詳細が説明されている。本開示の実施形態がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかとなる。他の例では、集積回路の製作などの良く知られている態様は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にさせないために、詳細に記載されていない。さらに、図に示されている様々な実施形態が例示の描写であって、必ずしも一定の縮尺で描写されていないことは、理解されるものである。
【0014】
初期のレーザスクライブと、後続のプラズマエッチとを伴うハイブリッドのウエハまたは基板のダイシング処理が、ダイ個片化のために実施され得る。レーザスクライブ処理が、マスク層、有機および無機の誘電体層、ならびにデバイス層をきれいに除去するために使用され得る。次に、レーザエッチング処理が、ウエハまたは基板の露出または一部のエッチにおいて終結させられ得る。次に、ダイシング処理のプラズマエッチ部分が、バルク単結晶シリコンを通じてなど、ウエハまたは基板のバルクを通じてエッチングして、ダイまたはチップの個片化またはダイシングを生み出すために採用され得る。より明確には、1つまたは複数の実施形態が、例えばダイシングの適用のために、均一な回転ビームのレーザスクライビング処理を実施することに向けられている。このような処理は、レーザビームを回転させることで、均一なレーザ形状を提供することができる。
【0015】
レーザが、ウエハをプラズマエッチング処理で後でダイシングするために、デバイスでパターニングされたシリコン(Si)ウエハを溝を製作することでスクライビングするための重要な構成要素であることは、理解されるものである。典型的には、レーザビームは、TEM00モードとして根本的にガウシアン形状を有する。このようなビームモードは、最新の短パルス高出力レーザで10%を超える関連する非対称がしばしばあるため、ビームの浪費をもたらす可能性がある。本開示の実施形態によれば、送られるレーザビームを回転させることは、非対称となり得るトレンチ形状を改善し、製品品質を向上させるために実施され得る。
【0016】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、エッチングされた形状は、レーザスクライビングされたトレンチ形状によって決定付けられ得る。一実施形態では、均一性を増加させたレーザスクライブ形状は、個片化の均一性と、後続のプラズマエッチング処理と関連付けられる側壁の滑らかさとを達成することを可能にすることができる。レーザスクライビング処理の間、非対称のトレンチ形状が、非回転ビームの場合に形成され得る。非対称のレーザスクライブ形状は、ハイブリッドダイシング処理について、最終的な製品の品質に悪影響を与える可能性がある。実施形態では、対称的な円錐形が、レーザビームを目的の表面に送りつつレーザビームを回転させることで、レーザスクライビングされたトレンチのために達成される。本明細書に記載されている実施形態は、レーザスクライビング処理の間にプリズムまたは鏡などのレーザビームコリメータユニットまたはビーム伝達ユニットを回転させるための正確に制御された機械的装置に基づかれた手法を提供することで、レーザスクライビングされたトレンチの均一性の問題に対処するように実施され得る。
【0017】
本明細書に記載されている実施形態を実施するための利点には、(1)正確に制御および精緻化されたトレンチ形状の製作(具体的には、ウエハに位置決めするレーザビームの同心の位置合わせによって、レーザ機械加工された形状が、きれいに均一に真っ直ぐとされた線を生成するために使用できる)、(2)柔軟な構成の可能化(例えば、回転工具がビーム経路に容易に設置でき、他の光学体と交換可能とされ得る)、(3)向上したレーザ処理の生産性および順応性を提供することができる光学構成の柔軟性、ならびに/または、(4)スクライビングされたトレンチ形状を向上させることによる高い製品品質の達成があり得る。
【0018】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、スクライビングされたトレンチの対称的な円錐形が、レーザビームを目的の表面に送りつつレーザビームを回転させることで達成される。実施形態は、プリズムまたは鏡などのレーザビームコリメータユニットまたはビーム伝達ユニットを回転させるための機械的装置によって生成される正確に制御されたレーザスクライビングされた形状を含み得る。一実施形態では、正確に制御された装置が、レーザスクライブ処理のための対称的で平坦な(または、緩やかに丸められた)底トレンチを得るために使用される。さらに、回転ビームを、レーザスポットの大きさの制御、連続的なレーザスポットの間の空間的および時間的な制御などの様々な制御因子と組み合わせることで、さらなるレーザスクライブトレンチ形状が達成され得る。また、スクライビング処理に従う表面粗さが、本明細書に記載されているものなど、追加の洗浄作業によって滑らかにされ得る。本明細書に記載されている実施形態は、レーザビームを同心で回転させる機械的装置を用いることで、品質とコスト効果とを有利に提供するように実施され得る。
【0019】
背景を説明すると、表面の覆われたウエハの初期のレーザスクライブおよび後続のプラズマエッチを伴うハイブリッドのウエハまたは基板のダイシング処理では、フェムト秒レーザが、シリコン基板が露出されるまでダイシングストリートにおけるマスクおよびデバイス層を除去するために適用され得る。プラズマエッチが、ダイ同士を分離してダイ個片化を実現するために続く。典型的には、非回転ビームがスクライビング処理のために使用される。しかしながら、非回転ビームは、以下の2つの異なる状況で、すなわち、(1)滑らかな側壁が典型的な狭いカーフ幅に必要とされるとき、または、(2)広いカーフが要求されるとき、その限界を呈し得る。
【0020】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、スクライビングレーザビームは、ハイブリッドレーザダイシングにおけるレーザスクライビング処理を向上させるために、回転させられる。レーザスクライビングトレンチ形状は、レーザビーム回転機構を用いることで向上させることができる。実施形態では、レーザビーム回転速さは、レーザビーム繰り返し速さの50~100%の間の割合でのレーザビーム繰り返し速さで調和させられる。他の実施形態では、例えば、レーザ速さの10%から50%である回転の速さといった、より小さい繰り返し速さで調和させられる。10%の調和についての具体的なこのような実施形態では、例えば、回転ビームは1MHzの繰り返し速さと100kHzの回転速さとを有する。回転ビーム処理を適用することで、対称の(軸上での、もしくは中心付けられた)回転、または、非対称の(軸外での、もしくは中心のずれた)回転が、光学体を変えることなく、スクライビングされたカーフ幅の変化を達成するために適用され得る。非対称の回転の場合、軸外の回転が、特定の用途に適合するように、所望の形を生成するために使用され得る。
【0021】
それによって、本開示の態様では、均一な回転ビームのレーザスクライビング処理の、プラズマエッチング処理との組み合わせが、半導体ウエハを個片化された集積回路へとダイスするために使用できる。図1は、本開示の実施形態による、複数の集積回路を備える半導体ウエハをダイシングする方法における作業を表す流れ図100である。図2A図2Cは、本開示の実施形態による、流れ図100の作業に対応する半導体ウエハをダイシングする方法の実施の間の、複数の集積回路を含む半導体ウエハの断面図を示している。
【0022】
流れ図100の作業102と、対応する図2Aとを参照すると、マスク202が半導体ウエハまたは基板204の上方に形成される。マスク202は、半導体ウエハ204の表面に形成された集積回路206を被覆かつ保護する層から成る。マスク202は、集積回路206の各々の間に形成された介在ストリート207も被覆する。
【0023】
本開示の実施形態によれば、マスク202を形成することは、限定されることはないが、フォトレジスト層またはIラインパターニング層などの層を形成することを含む。例えば、フォトレジスト層などのポリマ層が、リソグラフィ処理での使用に適する材料から成り得る。一実施形態では、フォトレジスト層は、限定されることはないが、248ナノメートル(nm)のレジスト、193nmのレジスト、157nmのレジスト、極紫外線(EUV)レジスト、または、ジアゾナフトキノン増感剤を伴うフェノール樹脂系マトリクスなどの正のフォトレジスト材料から成る。他の実施形態では、フォトレジスト層は、限定されることはないが、ポリシスイソプレンおよびポリ桂皮酸ビニルなどの負のフォトレジスト材料から成る。
【0024】
他の実施形態では、マスク202を形成することは、プラズマ堆積処理で堆積させられる層を形成することを伴う。例えば、あるこのような実施形態では、マスク202は、テフロンまたはテフロンのような(高分子CF)層から成る。特定の実施形態では、高分子CF層は、気体のCを伴うプラズマ堆積処理で堆積させられる。
【0025】
他の実施形態では、マスク202を形成することは、水溶性マスク層を形成することを伴う。実施形態では、水溶性マスク層は水溶性の媒体で容易に溶解可能である。例えば、一実施形態では、水溶性マスク層は、アルカリ性溶液、酸性溶液、または脱イオン水のうちの1つまたは複数において溶解可能である材料から成る。実施形態では、水溶性マスク層は、おおよそ50~160℃の範囲での加熱など、加熱処理に曝されるとその水溶性を維持する。例えば、一実施形態では、水溶性マスク層は、レーザまたはプラズマエッチングの個片化処理において使用されるチャンバ条件への露出に続いて、水溶液において溶解できる。一実施形態では、水溶性マスク層は、限定されることはないが、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、デキストラン、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、またはポリエチレンオキシドなどの材料から成る。特定の実施形態では、水溶性マスク層は、1分間あたりおおよそ1~15ミクロンの範囲で、より具体的には、1分間あたりおおよそ1.3ミクロンで、水溶液においてエッチング速度を有する。
【0026】
他の実施形態では、マスク202を形成することは、紫外線硬化性マスク層を形成することを伴う。実施形態では、マスク層は、紫外線硬化性層の接着性を少なくともおおよそ80%減らす紫外線光への感受性を有する。あるこのような実施形態では、紫外線層は、ポリ塩化ビニル、またはアクリルに基づく材料から成る。実施形態では、紫外線硬化性層は、紫外線光への露出で弱まる接着特性を伴う材料から、またはそのような材料の積み重ねから成る。実施形態では、紫外線硬化性接着膜は、おおよそ365nmの紫外線光に対して感受性がある。あるこのような実施形態では、この感受性は、硬化を実施するためにLED光の使用を可能にする。
【0027】
実施形態では、半導体ウエハまたは基板204は、製作処理に耐えるのに適し、半導体処理層が適切に配置され得る材料から成る。例えば、一実施形態では、半導体ウエハまたは基板204は、限定されることはないが、結晶シリコン、ゲルマニウム、またはシリコン/ゲルマニウムなど、IV族に基づく材料から成る。特定の実施形態では、半導体ウエハ204を提供することは、単結晶シリコン基板を提供することを含む。具体的な実施形態では、単結晶シリコン基板は不純物原子でドーピングされる。他の実施形態では、半導体ウエハまたは基板204は、例えば、発光ダイオード(LED)の製作で使用されるIII-V族材料基板など、III-V族材料から成る。
【0028】
実施形態では、半導体ウエハまたは基板204には、集積回路206の一部分として、半導体デバイスの配列が配置されている。半導体デバイスの例には、限定されることはないが、シリコン基板に製作され、誘電体層において包まれる記憶デバイスまたは相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)トランジスタがある。複数の金属相互連結が、デバイスまたはトランジスタの上方に、および、周囲の誘電体層に形成でき、デバイスまたはトランジスタを電気的に結合して集積回路206を形成するために使用され得る。ストリート207を作り上げる材料は、集積回路206を形成するために使用される材料と同様または同じであり得る。例えば、ストリート207は、誘電体材料、半導体材料、およびメタライゼーションの層から成り得る。一実施形態では、ストリート207のうちの1つまたは複数が、集積回路206の実際のデバイスと同様の試験デバイスを備える。
【0029】
流れ図100の作業104と、対応する図2Bとを参照すると、マスク202は、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理でパターニングされ、パターニングされたマスク208に間隙210が設けられ、集積回路206同士の間における半導体ウエハまたは基板204の領域が露出される。それによって、レーザスクライビング処理は、集積回路206同士の間に元々形成されているストリート207の材料を除去するために使用される。本開示の実施形態によれば、マスク202を、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理でパターニングすることは、図2Bに描写されているように、集積回路206同士の間における半導体ウエハ204の領域へとトレンチ212を一部形成することを含む。
【0030】
第1の例では、光学体を穿孔することが、均一とされたトレンチ形状を提供するために実施され得る。例示の配置として、図3は、本開示の実施形態による、回転テレスコープによる均一な回転ビームの生成を示している。
【0031】
図3を参照すると、入力ビーム302がテレスコープ304へと入力される。テレスコープ304は第1の光学要素306と第2の光学要素308とを備える。テレスコープ304は、回転ビーム302’を提供するように回転310させられる。回転ビーム302’は、レンズ312を通るように方向付けられ得る。
【0032】
第2の例では、プリズムの回転が、プリズム出口において、プリズムの回転軸の周りに回転させられるビームを提供するために生成され得る。例示の配置として、図4は、本開示の実施形態による、回転プリズムによる均一な回転ビームの生成を示している。
【0033】
図4を参照すると、入力ビーム402がプリズム404へと入力される。プリズム404は、回転ビーム402’を提供するように回転406させられる。回転ビーム402’は、レンズ408を通るように方向付けられ得る。
【0034】
穿孔すること(ビーム回転)が、典型的には非回転ビームと関連付けられるパルスからパルス角への不安定性を克服するのを助けるために実施され得る。結果として、レーザスクライビングトレンチ形状を向上させることができる。比較例として、図5Aおよび図5Bは、本開示の実施形態による、制御されていないレーザ処理と、制御された回転ビームのレーザスクライビング処理との比較を示している。
【0035】
図5Aを参照すると、回転ビームのない制御されていないレーザ処理が、個別のパルス502から成るスクライブライン500の形成を伴っている。対照的に、図5Bを参照すると、制御されたレーザ処理が、個別のパルス552から成るスクライブライン550を形成するために、レーザビームを回転させることを伴う。
【0036】
実施形態では、フェムト秒に基づくレーザが、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理のための供給源として使用される。例えば、実施形態では、紫外線(UV)および赤外線(IR)の範囲に加えて、可視スペクトルにおける波長を伴うレーザ(併せて、広帯域な光スペクトルになる)が、フェムト秒の規模でのパルス幅(10-15秒間)を有するフェムト秒に基づくレーザパルスを提供するために使用される。一実施形態では、アブレーションは、波長依存性ではない、または、基本的に波長依存性ではなく、したがって、マスク202、ストリート207、および、可及的には半導体ウエハまたは基板204の一部分の膜など、複雑な膜に適する。
【0037】
図6は、本開示の実施形態による、フェムト秒の範囲、ピコ秒の範囲、およびナノ秒の範囲でレーザパルス幅を用いることの効果を示している。図6を参照すると、フェムト秒の範囲でのレーザビームを用いることで、より長いパルス幅に対して(例えば、ビア600Aのナノ秒の処理による相当の損傷602A)、熱損傷の問題が軽減または排除される(例えば、ビア600Cのフェムト秒の処理による最小から皆無の損傷602C)。ビア600Cの形成の間の損傷の排除または軽減は、図6に描写されているように、(600B/602Bのピコ秒に基づくレーザアブレーションについて見られるような)少ないエネルギー再結合のないこと、または、(ナノ秒に基づくレーザアブレーションについて見られるような)熱平衡のないことによるためであり得る。
【0038】
ビーム形状などのレーザパラメータの選択は、きれいなレーザスクライブ切断を達成するためにチッピング、微小亀裂、および剥離を最小限にする成功裏のレーザスクライビングおよびダイシング処理を開発することにとって重要であり得る。レーザスクライブがよりきれいに切断すれば、最終的なダイ個片化のために実施され得るエッチング処理がより滑らかになる。半導体デバイスウエハでは、異なる材料の種類(例えば、導体、絶縁体、半導体)および厚さの多くの機能層が典型的には配置される。このような材料は、限定されることはないが、ポリマなどの有機材料、金属、または、二酸化ケイ素および窒化ケイ素などの無機誘電体を含み得る。
【0039】
ウエハまたは基板に配置された個々の集積回路の間のストリートが、集積回路自体と同様または同じ層を備えてもよい。例えば、図7は、本開示の実施形態による、半導体ウエハまたは基板のストリート領域で使用され得る材料の積み重ねの断面図を示している。
【0040】
図7を参照すると、ストリート領域700が、シリコン基板の上部分702と、第1の二酸化ケイ素層704と、第1のエッチング停止層706と、第1の低誘電率(low k)誘電体層708(例えば、二酸化ケイ素についての4.0の誘電率より低い誘電率を有する)と、第2のエッチング停止層710と、第2の低誘電率(low k)誘電体層712と、第3のエッチング停止層714と、未ドープシリカガラス(USG)層716と、第2の二酸化ケイ素層718と、フォトレジストの層720とを、描写されている相対的な厚さで備える。銅メタライゼーション722が、第1のエッチング停止層706と第3のエッチング停止層714との間に、第2のエッチング停止層710を貫いて配置される。特定の実施形態では、第1のエッチング停止層706、第2のエッチング停止層710、および第3のエッチング停止層714は窒化ケイ素から成り、低誘電率(low k)誘電体層708および712は、炭素でドーピングされた酸化ケイ素材料から成る。
【0041】
従来のレーザ照射(ナノ秒に基づく照射など)の下では、ストリート700の材料は、光吸収およびアブレーションのメカニズムの観点において、まったく異なるように振る舞う。例えば、二酸化ケイ素などの誘電体層は、通常の条件において、すべての商業的に利用可能なレーザ波長に対して基本的に透明である。対照的に、金属、有機物(例えば、低誘電率(low k)材料)およびシリコンは、特にはナノ秒に基づく照射に応じて、光子同士を非常に容易に結合することができる。実施形態では、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、低誘電率材料の層および銅の層をアブレーションする前に二酸化ケイ素の層をアブレーションすることで、二酸化ケイ素の層、低誘電率材料の層、および銅の層をパターニングするために使用される。
【0042】
均一な回転レーザビームがフェムト秒に基づくレーザビームである場合、実施形態では、適切なフェムト秒に基づくレーザ処理は、様々な材料における非線形の相互作用を通常はもたらす高いピーク強度(放射照度)によって特徴付けられる。あるこのような実施形態では、フェムト秒レーザ供給源は、おおよそ10フェムト秒から500フェムト秒の範囲で、好ましくは100フェムト秒から400フェムト秒の範囲でのパルス幅を有する。一実施形態では、フェムト秒レーザ供給源は、おおよそ1570ナノメートルから200ナノメートルの範囲で、好ましくは540ナノメートルから250ナノメートルの範囲での波長を有する。一実施形態では、レーザおよび対応する光学システムは、おおよそ3ミクロンから15ミクロンの範囲で、好ましくは5ミクロンから10ミクロンの範囲、または10~15ミクロンの間で、工作物表面に焦点を提供する。
【0043】
実施形態では、レーザ供給源は、おおよそ200kHz~10MHzの範囲で、好ましくはおおよそ500kHz~5MHzの範囲でのパルス繰り返し速さを有する。実施形態では、レーザ供給源は、おおよそ0.5uJ~100uJの範囲で、好ましくはおおよそ1uJ~5uJの範囲でのパルスエネルギーを工作物表面に送る。実施形態では、レーザスクライビング処理は、おおよそ500m/秒から5m/秒の範囲で、好ましくはおおよそ600m/秒から2m/秒の範囲での速度で、工作物に沿って進む。
【0044】
スクライビング処理は、単一のパスだけで、または、複数のパスで進み得るが、実施形態では、好ましくは1~2回のパスで進み得る。一実施形態では、工作物におけるスクライビング深さは、おおよそ5ミクロンから50ミクロンの深さの範囲にあり、好ましくはおおよそ10ミクロンから20ミクロンの深さの範囲にある。実施形態では、生成されるレーザビームのカーフ幅は、デバイス/シリコン境界面において測定されるとき、おおよそ2ミクロンから15ミクロンの範囲にあるが、シリコンウエハのスクライビング/ダイシングでは、好ましくは、おおよそ6ミクロンから10ミクロンの範囲である。
【0045】
レーザパラメータが、無機誘導体(例えば、二酸化ケイ素)のイオン化を達成するのに、ならびに、無機誘導体の直接的なアブレーションの前に、下にある層の損傷によって引き起こされる層は剥離およびチッピングを最小限にするのに十分に高いレーザ強度を達成することなど、便益および利点によって選択され得る。また、パラメータは、正確に制御されたアブレーション幅(例えば、カーフ幅)および深さで、工業用途のための有意な処理スループットを提供するように選択されてもよい。実施形態では、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理は、このような利点を提供するのに適する。
【0046】
レーザスクライビングが、マスクをパターニングするために、および、ダイを個片化するためにウエハまたは基板を通じて十分にスクライブするために使用される場合、ダイシングまたは個片化の処理が上記のレーザスクライビングの後に停止され得ることは、理解されるものである。したがって、さらなる個片化処理はこのような場合には必要とされない。しかしながら、以下の実施形態が、レーザスクライビングのみが全体の個片化のために実施されない場合に検討され得る。
【0047】
ここで流れ図100の任意選択の作業106を参照すると、中間のマスク開口の後の洗浄作業が実施される。実施形態では、マスク開口の後の洗浄作業は、プラズマに基づく洗浄処理である。第1の例では、後で記載されているように、プラズマに基づく洗浄処理は、間隙210によって露出させられた基板204の領域に対して反応性である。反応性のプラズマに基づく洗浄処理の場合、洗浄処理自体は、反応性のプラズマに基づく洗浄処理が少なくともいくらかは基板204のためのエッチング液のものであるため、基板204においてトレンチ212を形成するかまたは延ばすことができる。第2の異なる例では、同じく後で記載されているように、プラズマに基づく洗浄処理は、間隙210によって露出させられた基板204の領域に対して非反応性である。
【0048】
第1の実施形態によれば、プラズマに基づく洗浄処理は、露出された領域が洗浄処理の間に部分的にエッチングされる点において、基板204の露出された領域に対して反応性である。あるこのような実施形態では、Arまたは他の非反応性ガス(または混合物)が、スクライビングされた開口の洗浄のための高度にバイアスされたプラズマ処理のために、SFと組み合わされる。高いバイアス電力の下で混合ガスAr+SFを使用するプラズマ処理は、マスク開口領域の洗浄を達成するようにマスク開口領域に粒子を衝突させるために実施される。反応性ブレークスルー処理では、ArおよびSFからの物理的な粒子衝突と、SFイオンおよびFイオンによる化学的エッチングとの両方が、マスク開口領域の洗浄に寄与する。この手法は、フォトレジストまたはプラズマ堆積させられたテフロンマスク202に適することができ、ブレークスルー処置は、適正に均一なマスク厚さの縮小と、穏やかなSiエッチングとをもたらす。しかしながら、このようなブレークスルーエッチング処理は、水溶性マスク材料にとっては最適ではない可能性がある。
【0049】
第2の実施形態によれば、プラズマに基づく洗浄処理は、露出された領域が洗浄処理の間にエッチングされない、または無視できるほどのエッチングしかされない点において、基板204の露出された領域に対して非反応性である。あるこのような実施形態では、非反応性ガスプラズマ洗浄だけが使用される。例えば、Arまたは他の非反応性ガス(または混合物)が、マスク凝縮と、スクライビングされた開口の洗浄との両方のために、高度にバイアスされたプラズマ処置を実施するために使用される。この手法は、水溶性マスク、または、より薄いプラズマ堆積したテフロン202に適し得る。他のこのような実施形態では、別のマスク凝縮と、スクライビングされたトレンチを洗浄する作業とが使用され、例えば、マスク凝縮のためのArまたは非反応性のガス(または混合物)の高度にバイアスされたプラズマ処置が最初に実施され、次に、レーザスクライビングされたトレンチのAr+SFプラズマ洗浄が実施される。この実施形態は、厚すぎるマスク材料のため、Ar洗浄がトレンチ洗浄にとって十分でない場合に適し得る。洗浄効率がより薄いマスクについては向上させられるが、マスクエッチング速度ははるかにより小さく、後続のディープシリコンエッチング処理ではほとんど消費されない。なおも他のこのような実施形態では、3つの作業の洗浄、すなわち、(a)マスク凝縮のためのArまたは非反応性ガス(または混合物)の高度にバイアスされたプラズマ処置、(b)レーザでスクライビングされたトレンチのAr+SFの高度にバイアスされたプラズマ洗浄、および(c)マスク凝縮のためのArまたは非反応性ガス(または混合物)の高度にバイアスされたプラズマ処置が実施される。本開示の他の実施形態によれば、プラズマ洗浄作業は、作業106の第1の態様で先に記載されているものなど、反応性プラズマ洗浄処理の第1の使用を伴う。そのため、反応性プラズマ洗浄処理の後には、作業106の第2の態様との関連で記載されているものなどの非反応性プラズマ洗浄処理が続く。
【0050】
流れ図100の作業108と、対応する図2Cとを参照すると、半導体ウエハ204は、集積回路206を個片化するために、パターニングされたマスク208における間隙210を通じてエッチングされる。本開示の実施形態によれば、半導体ウエハ204をエッチングすることは、図2Cに描写されているように、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理で初期に形成されたトレンチ212をエッチングすることで、半導体ウエハ204を通じて最終的に全体でエッチングすることを含む。
【0051】
実施形態では、レーザスクライビング処理でマスクをパターニングすることは、集積回路同士の間における半導体ウエハの領域にトレンチを形成することを伴い、半導体ウエハをプラズマエッチングすることは、トレンチを延ばして、対応するトレンチ延在部を形成することを伴う。あるこのような実施形態では、トレンチの各々は幅を有し、対応するトレンチ延在の各々は幅を有する。
【0052】
本開示の実施形態によれば、レーザスクライビングから開口するマスクの結果生じる粗さは、プラズマエッチングされたトレンチの後での形成から生じるダイ側壁の品質に影響を与え得る。リソグラフィで開口されたマスクはしばしば滑らかな形状を有し、プラズマエッチングされたトレンチの対応する滑らかな側壁をもたらす。対照的に、従来のレーザで開口させられたマスクは、不適切なレーザ処理パラメータが選択された場合、スクライビング方向に沿って非常に粗い形状(水平方向でプラズマエッチングされたトレンチの粗い側壁をもたらすスポットの重なりなど)を有する可能性がある。表面粗さは追加のプラズマ処理によって滑らかにされ得るが、このような問題を是正することへのコストおよびスループットの痛手がある。したがって、本明細書に記載されている実施形態は、個片化処理のレーザスクライビング部分から、より滑らかなスクライビング処理を提供する点において、有利であり得る。
【0053】
実施形態では、半導体ウエハ204をエッチングすることは、プラズマエッチング処理を使用することを含む。一実施形態では、シリコン貫通ビアの種類のエッチング処理が使用される。例えば、特定の実施形態では、半導体ウエハ204の材料のエッチング速度は、1分間あたり25ミクロンより大きい。超高密度プラズマ供給源が、ダイ個片化処理のプラズマエッチング部分のために使用されてもよい。このようなプラズマエッチング処理を実施するのに適する処理チャンバの例は、Applied Materials of Sunnyvale、CA、USAから入手可能なApplied Centura(登録商標) Silvia(商標) Etchシステムである。Applied Centura(登録商標) Silvia(商標) Etchシステムは、容量性カップリングだけで可能であるものよりはるかに独立しているイオン密度およびイオンエネルギーの制御を提供する容量性で誘導性のRFカップリングを、磁気強化によって提供される向上とも組み合わせる。この組み合わせは、イオンエネルギーからのイオン密度の効果的な分離を可能とし、それによって、非常に低い圧力であっても、大きな潜在的に損傷を与えるDCバイアスレベルなしで、比較的高密度のプラズマを達成する。これは、並外れて広いプロセスウィンドウをもたらす。しかしながら、シリコンをエッチングすることができる任意のプラズマエッチチャンバが使用できる。例示の実施形態では、ディープシリコンエッチングが、従来のシリコンエッチング速度のおおよそ40%より大きいエッチング速度で単結晶シリコン基板またはウエハ204をエッチングするために使用されるが、基本的に正確な形状制御と、事実上はスカロップのない側壁とを維持する。特定の実施形態では、シリコン貫通ビアの種類のエッチング処理が使用される。エッチング処理は反応性ガスから生成されるプラズマに基づかれ、その反応性ガスは、SF、C、CHF、XeFなどの概してフッ素に基づくガス、または、比較的速いエッチング速度でシリコンをエッチングすることができる任意の他の反応ガスである。実施形態では、マスク層208は、図2Cに描写されているように、個片化処理の後に除去される。他の実施形態では、図2Cと関連して記載されているプラズマエッチング作業は、基板204を貫いてエッチングするために、従来のボッシュ式の堆積/エッチング/堆積の処理を採用する。概して、ボッシュ式処理は、3つの下位の作業、すなわち、堆積と、指向性の粒子衝突エッチングと、シリコンが貫かれてエッチングされるまで多くの繰り返し(周期)を通じて行われる等方性化学エッチングとから成る。
【0054】
したがって、流れ図100および図2A図2Cを再び参照すると、ウエハダイシングは、マスク層を貫き、ウエハストリート(メタライゼーションを含む)を貫き、部分的にシリコン基板へとアブレーションするために、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理を用いる初期のアブレーションによって実施され得る。ダイ個片化は、後続のシリコン貫通ディーププラズマエッチングによって完了させられ得る。ダイシングのための材料積み重ねの特例の例が、本開示の実施形態によれば、図8A図8Dとの関連で以下に記載されている。
【0055】
図8Aを参照すると、ハイブリッドレーザアブレーションおよびプラズマエッチダイシングのための材料積み重ねが、マスク層802と、デバイス層804と、基板806とを備える。マスク層と、デバイス層と、基板とは、バッキングテープ810に固定されるダイ付着膜808の上方に配置される。実施形態では、マスク層802は、マスク202との関連で前述した水溶性の層などの水溶性の層である。デバイス層804は、1つまたは複数の金属層(銅層など)の上方に配置される無機の誘電体層(二酸化ケイ素など)と、1つまたは複数の低誘電率(low k)誘電体層(炭素でドーピングされた酸化物層)とを備える。デバイス層804は、集積回路同士の間に配置されるストリートも備え、ストリートは、集積回路と同じまたは同様の層を備える。基板806は、バルクの単結晶シリコン基板である。
【0056】
実施形態では、バルクの単結晶シリコン基板806は、ダイ付着膜808に固定される前に、裏側から薄くされる。薄くすることは、裏側研磨処理によって実施され得る。一実施形態では、バルクの単結晶シリコン基板806は、おおよそ50~100ミクロンの範囲での厚さへと薄くされる。実施形態では、薄くすることは、レーザアブレーションおよびプラズマエッチダイシング処理の前に実施されることに留意することが重要である。実施形態では、フォトレジスト層802はおおよそ5ミクロンの厚さを有し、デバイス層804はおおよそ2~3ミクロンの範囲の厚さを有する。実施形態では、ダイ付着膜808(または、薄くされたかまたは薄いウエハまたは基板をバッキングテープ810に接合することができる任意の適切な代用品)は、おおよそ20ミクロンの厚さを有する。
【0057】
図8Bを参照すると、マスク802と、デバイス層804と、基板806の一部分とは、トレンチ814を基板806に形成するために、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理812でパターニングされる。図8Cを参照すると、シリコン貫通ディーププラズマエッチング処理816が、トレンチ814をダイ付着膜808まで下へ延ばし、ダイ付着膜808の上部分を露出させ、シリコン基板806を個片化するために使用される。デバイス層804は、シリコン貫通ディーププラズマエッチング処理816の間、マスク層802によって保護される。
【0058】
図8Dを参照すると、個片化処理は、ダイ付着膜808をパターニングすることと、バッキングテープ810の上部分を露出させることと、ダイ付着膜808を個片化させることとをさらに含み得る。実施形態では、ダイ付着膜は、レーザ処理またはエッチング処理によって個片化される。さらなる実施形態は、(例えば、個々の集積回路としての)基板806の個片化された部分をバッキングテープ810から続けて除去することを含み得る。一実施形態では、個片化されたダイ付着膜808は、基板806の個片化された部分の裏側で保持される。他の実施形態は、マスク層802をデバイス層804から除去することを含み得る。代替の実施形態では、基板806がおおよそ50ミクロンより薄い場合、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理812が、追加的なプラズマ処理を用いることなく、基板806を完全に個片化するために使用される。
【0059】
単一の処理工具が、ハイブリッドの均一な回転レーザビームアブレーションおよびプラズマエッチング個片化処理における作業の多くかまたはすべてを実施するように構成され得る。例えば、図9は、本開示の実施形態による、ウエハまたは基板のレーザおよびプラズマでのダイシングのための工具配置のブロック図を示している。
【0060】
図9を参照すると、処理工具900が、複数の荷重係止部904が結合されているファクトリインターフェース902(FI)を備える。クラスタツール906がファクトリインターフェース902と結合されている。クラスタツール906は、プラズマエッチチャンバ908などの1つまたは複数のプラズマエッチチャンバを備える。レーザスクライビング装置910もファクトリインターフェース902に結合されている。処理工具900の全体の設置面積は、一実施形態では、図9に描写されているように、おおよそ3500ミリメートル(3.5メートル)×おおよそ3800ミリメートル(3.8メートル)であり得る。
【0061】
実施形態では、レーザスクライビング装置910は、均一な回転レーザビームを提供するように構成されたレーザ組立体を収容する。あるこのような実施形態では、レーザ組立体は、図3との関連で記載されているものなどの回転可能テレスコープを備える。他のこのような実施形態では、レーザ組立体は、図4との関連で記載されているものなどの回転可能プリズムを備える。実施形態では、レーザ組立体は、レーザビームを入力レーザビームの軸の周りで回転させるように構成される。他の実施形態では、レーザ組立体は、レーザビームを入力レーザビームの軸外の周りで回転させるように構成される。いずれの場合でも、具体的な実施形態では、レーザビームはフェムト秒に基づくレーザビームである。
【0062】
実施形態では、レーザは、前述したレーザアブレーション処理など、ハイブリッドのレーザおよびエッチング個片化処理のレーザアブレーション部分を実施するのに適している。一実施形態では、移動可能な台もレーザスクライビング装置910に備えられており、移動可能な台は、ウエハまたは基板(または、そのキャリア)をレーザに対して移動させるように構成される。特定の実施形態では、レーザも移動可能である。レーザスクライビング装置910の全体の設置面積は、一実施形態では、図9に描写されているように、おおよそ2240ミリメートル×おおよそ1270ミリメートルであり得る。
【0063】
実施形態では、1つまたは複数のプラズマエッチチャンバ908は、複数の集積回路を個片化するために、パターニングされたマスクにおける間隙を通じてウエハまたは基板をエッチングするように構成されている。あるこのような実施形態では、1つまたは複数のプラズマエッチチャンバ908は、ディープシリコンエッチング処理を実施するように構成されている。特別な実施形態において、1つまたは複数のプラズマエッチチャンバ808は、Applied Materials of Sunnyvale、CA、USAから入手可能なApplied Centura(登録商標) Silvia(商標) Etchシステムである。エッチチャンバは、明確には、単結晶シリコン基板またはウエハに収容された個片化の集積回路を作り出すために使用されるディープシリコンエッチングのために設計され得る。実施形態では、高密度プラズマ供給源が、高いシリコンエッチング速度を容易にするために、プラズマエッチチャンバ908に含まれている。実施形態では、2つ以上のエッチチャンバが、個片化またはダイシング処理の高い製造スループットを可能にするために、処理工具900のクラスタツール906の部分に含まれる。
【0064】
ファクトリインターフェース902は、レーザスクライビング装置910を伴う製造施設の外部とクラスタツール906との間をつなぐための適切な雰囲気ポートであり得る。ファクトリインターフェース902は、ウエハ(または、そのキャリア)を、ストレージユニット(前方開口型統一ポッド)から、クラスタツール906、レーザスクライビング装置910、またはそれら両方へと運ぶためのアームまたはブレードを伴うロボットを備え得る。
【0065】
クラスタツール906は、個片化の方法で機能を実施するのに適する他のチャンバを備えてもよい。例えば、一実施形態では追加のエッチチャンバの代わりに、堆積チャンバ912が含まれる。堆積チャンバ912は、ウエハまたは基板のレーザスクライビングの前にウエハまたは基板のデバイス層の上または上方におけるマスク堆積のために構成され得る。あるこのような実施形態では、堆積チャンバ912は、フォトレジスト層を堆積させるのに適する。他の実施形態では、追加のエッチチャンバの代わりに、湿式/乾式ステーション914が含まれる。湿式/乾式ステーションは、基板またはウエハのレーザスクライブおよびプラズマエッチング個片化処理に続いて、残留物および断片を洗浄するために、または、マスクを除去するために、適し得る。なおも他の実施形態では、追加のディープシリコンエッチチャンバの代わりに、プラズマエッチチャンバが含まれ、プラズマに基づく洗浄処理を実施するために構成される。実施形態では、計測ステーションも処理工具900の構成要素として含まれる。
【0066】
本開示の実施形態は、機械読取り可能媒体を備え得るコンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして提供されてもよく、その機械読取り可能媒体は、本開示の実施形態による処理を実施するようにコンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る命令を保存している。一実施形態では、コンピュータシステムは、図9との関連で記載されている処理工具900と結合されている。機械読取り可能媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読取り可能な形態で情報を保存または伝達するための任意の機構を備える。例えば、機械読取り可能(例えば、コンピュータ読取り可能)媒体は、機械(例えば、コンピュータ)読取り可能保存媒体(例えば、読出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク保存媒体、光学保存媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、機械(例えば、コンピュータ)読取り可能伝達媒体(伝搬される信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号など)の電気的、光学的、音響的、または他の形態)などを含む。
【0067】
図10は、本明細書に記載されている方法のうちの任意の1つまたは複数を機械に実施させるための命令のセットが実行され得るコンピュータシステム1000の例示の形態での機械の図表の描写を示している。代替の実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクトラネット、またはインターネットで他の機械に連結(例えば、ネットワーク化)され得る。機械は、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバもしくはクライアントマシンの能力、または、ピアツーピア(または、分散された)ネットワーク環境におけるピア機械の能力で動作することができる。機械は、パーソナルコンピューター(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、または、実行されるアクションを指定する(連続的またはその他の)命令のセットを実行することができる任意の機械であり得る。さらに、単一の機械だけが示されているが、「機械」という用語は、本明細書に記載されている方法のうちの1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数のセット)を個別または一体に実行する機械(例えば、コンピュータ)の任意の集まりを含むように理解されるものである。
【0068】
例示のコンピュータシステム1000は、バス1030を介して互いに通信するプロセッサ1002、メインメモリ1004(例えば、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)またはランバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ1006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、MRAMなど)、および二次メモリ1018(例えば、データ保存装置)を備える。
【0069】
プロセッサ1002は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどの1つまたは複数の汎用処理デバイスを表している。より具体的には、プロセッサ1002は、複雑な命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、非常に長い命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。プロセッサ1002は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つまたは複数の専用処理デバイスであってもよい。プロセッサ1002は、本明細書に記載されている作業を実施するための処理論理1026を実行するように構成される。
【0070】
コンピュータシステム1000はネットワークインターフェースデバイス1008をさらに備え得る。コンピュータシステム1000は、ビデオディスプレイユニット1010(例えば、液晶ディスプレイ(LDC)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1012(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1014(例えば、マウス)、および信号生成デバイス1016(例えば、スピーカ)も備え得る。
【0071】
二次メモリ1018は、本明細書に記載されている方法または機能のうちの任意の1つまたは複数を具現化する命令の1つまたは複数のセット(例えば、ソフトウェア1022)が保存されている機械アクセス可能保存媒体(または、より具体的にはコンピュータ読取り可能保存媒体)1032を備え得る。ソフトウェア1022は、コンピュータシステム1000によるその実行の間、メインメモリ1004および/またはプロセッサ1002の中に全部または少なくとも一部存在してもよく、メインメモリ1004とプロセッサ1002とは機械読取り可能保存媒体も構成する。ソフトウェア1022は、さらにネットワークインターフェースデバイス1008を介してネットワーク1020によって送信または受信され得る。
【0072】
機械アクセス可能保存媒体1032は単一の媒体となるように例示の実施形態で示されているが、「機械読取り可能保存媒体」という用語は、命令の1つまたは複数のセットを保存する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中もしくは分散されたデータベース、ならびに/または、関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含むように理解されるべきである。「機械読取り可能保存媒体」という用語は、機械による実行のための命令のセットを保存または符号化することができ、機械に本開示の方法のうちの任意の1つまたは複数を実施させる任意の媒体を備えるように理解されるものでもある。したがって、「機械読取り可能保存媒体」という用語は、限定されることはないが、固体記憶装置、ならびに光学および磁気の媒体を含むように理解されるものである。
【0073】
本開示の実施形態によれば、機械アクセス可能保存媒体は、複数の集積回路を有する半導体ウエハをダイシングする方法をデータ処理システムに実施させる命令を保存している。方法は、集積回路を被覆かつ保護する層を備えるマスクを半導体ウエハの上方に形成することを含む。次に、マスクは、均一な回転レーザビームのレーザスクライビング処理でパターニングされ、パターニングされたマスクに間隙が設けられ、集積回路同士の間における半導体ウエハの領域が露出され、次に、半導体ウエハは、パターニングされたマスクにおける間隙を通じてプラズマエッチングされ、集積回路が個片化される。
【0074】
したがって、均一な回転レーザビームおよびプラズマエッチング処理を用いるハイブリッドウエハダイシング手法が開示されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10