(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241213BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20241213BHJP
F21Y 115/00 20160101ALN20241213BHJP
【FI】
F21S2/00 413
H01L33/58
F21Y115:00
(21)【出願番号】P 2022093374
(22)【出願日】2022-06-09
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】新見 悟
(72)【発明者】
【氏名】丸目 隆真
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-125455(JP,A)
【文献】特開2022-041169(JP,A)
【文献】特開平08-043635(JP,A)
【文献】特開平11-052370(JP,A)
【文献】特表2010-508553(JP,A)
【文献】特表2019-530967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/58
F21Y 115/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
平面視において前記光源部を囲み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を含む導光部材と、
前記導光部材の前記第2面側に配置された反射部材と、
を備え、
前記導光部材は、前記第1面側に開口する第1孔部と、平面視において前記第1孔部の内側に位置する第2孔部及び第3孔部と、を含み、
前記第2孔部及び前記第3孔部は、第1方向に並んで位置し、
前記第1面からの前記第1孔部の深さは、前記第1面からの前記第2孔部及び前記第3孔部の深さよりも浅く、
平面視において、前記第1方向における前記第2孔部の最長の長さは、前記第1方向に直交する第2方向における前記第2孔部の最長の長さよりも長い発光モジュール。
【請求項2】
平面視における前記第2孔部と前記第3孔部と間に前記第1面からの前記第1孔部の深さが最大になる部分が位置する請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記第1方向における前記第2孔部の最長の長さは、前記第1方向における前記第2孔部から前記第3孔部までの最短の長さよりも長い請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記第2方向において、前記第2孔部と重なる位置における前記第1孔部の最長の長さは、前記第2孔部及び前記第3孔部から離れて前記第2孔部及び第3孔部の間の位置における前記第1孔部の最長の長さよりも長い請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記第1面からの前記第2孔部の深さは、前記第1面からの前記第3孔部の深さの0.9倍以上1.1倍以下である請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項6】
前記第1面からの前記第1孔部の深さは、前記第1面からの前記第2孔部の深さの0.01倍以上0.2倍以下である請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項7】
前記導光部材は、前記第1孔部と前記第2孔部とが繋がる部分に上方向に延びる凸部が位置する請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項8】
平面視において、前記光源部の中心と前記導光部材の外縁
の任意の点とを結ぶ仮想線が、前記第1方向と交差する請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項9】
平面視において、前記光源部の中心と前記導光部材の外縁
の任意の点とを結ぶ仮想線が、前記第1方向と直交する請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光部材とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。例えば、特許文献1には、光源部と、光源部が配置される孔部を含む導光部材とを備えた発光モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光モジュールは、光取り出し効率の更なる向上が求められている。本発明に係る実施形態は、光取り出し効率を向上できる発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、光源部と、平面視において前記光源部を囲み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を含む導光部材と、を備え、前記導光部材は、前記第1面側に開口する第1孔部と、平面視において前記第1孔部の内側に位置する第2孔部及び第3孔部と、を含み、前記第2孔部及び前記第3孔部は、第1方向に並んで位置し、前記第1面からの前記第1孔部の深さは、前記第1面からの前記第2孔部及び前記第3孔部の深さよりも浅く、平面視において、前記第1方向における前記第2孔部の最長の長さは、前記第1方向に直交する第2方向における前記第2孔部の最長の長さよりも長い。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の発光モジュールによれば、光取り出し効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る面状光源の模式平面図である。
【
図2】
図1のII-II線における模式断面図である。
【
図3A】本実施形態に係る光源部の模式断面図である。
【
図3B】本実施形態に係る光源部の変形例の模式断面図である。
【
図4A】
図1のIVA部における導光部材の拡大図である。
【
図4B】
図4AのIVB-IVB線における導光部材の模式断面図である。
【
図5】本実施形態に係る光調整部材の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。本明細書では、Z軸の矢印方向を上方とし、Z軸の矢印方向と反対側の方向を下方とする。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
[実施形態]
実施形態の発光モジュール100及び面状光源300を
図1から
図5を参照して説明する。
図1は、面状光源300の発光面側から見た図面である。
図1に示すように、面状光源300の発光面に対して平行であり、且つ互いに直交する2方向をX方向と、Y方向とする。X方向及びY方向と直交する方向を、Z方向とする。本明細書において、X方向、及び、Y方向と平行な平面をXY平面と称することがある。また、XY平面においてX方向から0°以上360°より小さい角度で傾く方向を横方向と称し、Z方向を上下方向と称することがある。
【0011】
面状光源300は、発光モジュール100と、支持部材200と、を備える。発光モジュール100は、支持部材200上に配置される。発光モジュール100は、光源部10と、導光部材20と、を備える。平面視において、導光部材20は、光源部10を囲む。導光部材20は、第1面201と、第1面201の反対側の第2面202と、を含む。導光部材20は、第1面201側に開口する第1孔部21を含む。導光部材20は、平面視において第1孔部21の内側に位置する第2孔部22及び第3孔部23と、を含む。第2孔部22及び第3孔部23は、第1方向に並んで位置する。第1面201からの第1孔部21の深さは、第1面201からの第2孔部22の深さよりも浅い。第1面201からの第1孔部21の深さは、第1面201からの第3孔部23の深さよりも浅い。平面視において、第1方向における第2孔部22の最長の長さが、第1方向に直交する第2方向における第2孔部22の最長の長さよりも長い。本明細書において、第1孔部21、第2孔部22及び/又は第3孔部23を区別せずに孔部20Rと称することがある。
【0012】
導光部材20が第1面201側に開口する孔部20Rを含むことにより、導光部材20の表面積を大きくしやすくなる。このようにすることで、導光部材20に入射した光源部10からの光を導光部材20の外部に取り出しやすくなる。これにより、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。
【0013】
以下、発光モジュール100及び面状光源300を構成する各要素について詳説する。
【0014】
(光源部10)
図1に示すように、発光モジュール100は、第1光源10A、第2光源10B、第3光源10C及び第4光源10Dを含む複数の光源部10を備えている。尚、発光モジュール100が備える光源部10の数は、1つでもよい。
【0015】
図3Aに示すように、光源部10は、発光素子11を含む。発光素子11は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層とを含む。また、発光素子11は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。n側電極、及び、p側電極は、発光素子11の下面の一部を構成する。さらに、光源部10は、正負の一対の電極12を含む。正負の一対の電極12は、光源部10の下面の一部を構成する。一対の電極12のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。尚、光源部10は電極12を含んでいなくてもよい。光源部10が正負の一対の電極12を含んでいない場合には、発光素子11のn側電極とp側電極が、光源部10の下面の一部を構成する。また、光源部10はサファイア又は窒化ガリウム等の基板を備えていなくてもよい。このようにすることで、上下方向において光源部10を小型化しやすくなる。
【0016】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0017】
図3Aに示す光源部10は、発光素子11を1つ含んでいる。第1光源10A、第2光源10B、第3光源10C及び第4光源10Dの各光源部10は、複数の発光素子11を含んでいてもよい。各光源部10が含む複数の発光素子の発光ピーク波長は、同じでも異なっていてもよい。例えば各光源部10が2つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。例えば各光源部10が3つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。
【0018】
図3Aに示すように、光源部10は、さらに透光性部材13(以下、光源透光性部材という)を含むことができる。光源透光性部材13は、発光素子11の上面及び側面を覆っている。光源透光性部材13によって発光素子11を保護することができる。光源透光性部材13は、発光素子11の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。このようにすることで、上下方向において光源部10を小型化しやすくなる。
【0019】
例えば、光源透光性部材13は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。光源透光性部材13は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。光源透光性部材13に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0020】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源300上に配置してもよい。波長変換シートは、光源部10からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源とすることができる。例えば、青色の発光が可能な光源部10と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源部10と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源部10と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子11と赤色の発光が可能な蛍光体を含有する光源透光性部材13とを有する光源部10と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせてもよい。
【0021】
波長変換シートに用いられる黄色の発光が可能な蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の発光が可能な蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する量子ドット、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の発光が可能な蛍光体としては、緑色の発光が可能な蛍光体と同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、III-V族量子ドット、又は、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。
【0022】
光源部10は、さらに被覆部材14を含むことができる。被覆部材14は、発光素子11の下面に配置される。被覆部材14は、光源部10の電極12の下面が被覆部材14から露出するように配置される。被覆部材14は、発光素子11の側面を覆う光源透光性部材13の下面にも配置される。
【0023】
被覆部材14は、発光素子11が発する光に対する反射性を有する。被覆部材14には、例えば、窒素や酸素等の気体を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材等を用いることができる。被覆部材14の樹脂部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。被覆部材14の光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。被覆部材14は、気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0024】
図3Aに示すように、光源部10は光調整部材15(以下、光源光調整部材という)を含むことができる。光源光調整部材15は、光源部10の上面の少なくとも一部を構成する。光源光調整部材15は、発光素子11の上側に配置される。平面視において光源光調整部材15と発光素子11とが重なり、その重なる部分において光源光調整部材15が発光素子11の上側に位置する。光源光調整部材15は、光源透光性部材13の上側に配置され、光源透光性部材13の上面から出射する光の量や出射方向を調整する。光源光調整部材15は、発光素子11が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源透光性部材13の上面から出射した光の一部は光源光調整部材15により反射し、他の一部は光源光調整部材15を透過する。発光素子11のピーク波長に対する光源光調整部材15の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光源部10が光源光調整部材15を含むことにより、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。これにより、発光モジュール100の輝度むらが低減される。
【0025】
光源光調整部材15は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。光源光調整部材15の樹脂部材としては、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材15の光散乱粒子としては、被覆部材14の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。また、光源光調整部材15は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0026】
図3Bに示すように、光源部10は、光源光調整部材15を含まなくてもよい。このようにすることで、光源部10が発光素子11の上側に配置される光源光調整部材15を含む場合よりも、上下方向において光源部10を小型化しやすくなる。他の光源部10の形態としては、光源部10は被覆部材14を含まなくてもよい。例えば、発光素子の下面、一対の電極12の下面、及び、光源透光性部材の下面によって光源部の下面が構成されていてもよい。他の光源部10の形態としては、光源部10は発光素子11の単体のみであってもよい。他の光源部10の形態としては、光源部10は、被覆部材14及び光源透光性部材13を含まず、発光素子11の上面に光源光調整部材15が配置されたものであってもよい。他の光源部10の形態としては、光源部10は、光源透光性部材13を含まず、発光素子11の上面に光源光調整部材15が配置され、発光素子11の下面に被覆部材14が配置されたものであってもよい。
【0027】
平面視における光源部10の形状は特に限定されない。平面視における光源部10の形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形又は八角形等の形状とすることができる。平面視における光源部10の形状が四角形の場合には、光源部10の一対の外縁がX方向と平行でもよく、X方向に対して傾斜していてもよい。本実施形態では、光源部10の一対の外縁がX方向に対して45°傾斜している。
【0028】
(導光部材20)
導光部材20は、光源部10が発する光に対する透光性を有する部材である。光源部10のピーク波長に対する導光部材20の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
図2に示すように、発光モジュール100の発光面となる第1面201と、第1面201の反対側に位置する第2面202と、を有する。
図1に示すように、導光部材20は、平面視において光源部10を連続して囲む。本実施形態では、導光部材20は、第1面201から第2面202まで貫通する収容部20Hを有する。導光部材20の収容部20Hに光源部10が配置される。本実施形態における収容部20Hは、平面視において円形状である。収容部20Hは、平面視において楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。尚、収容部20Hは、導光部材20の第2面202側のみ開口する凹部であってもよい。収容部20Hが凹部の場合には、収容部20Hは導光部材20により形成された底面を備えている。収容部20Hが凹部の場合には、導光部材20は光源部10の上面を覆う部分と、光源部10の側面を覆う部分と、を含む。
【0029】
発光モジュール100が備える導光部材20の数は、1つでもよく、複数でもよい。本実施形態では、発光モジュール100は、第1導光部20A、第2導光部20B、第3導光部20C及び第4導光部20Dを含む複数の導光部材20を備えている。
図1に示すように、X方向において、第1導光部20Aと第2導光部20Bは隣り合っている。X方向において、第3導光部20Cと第4導光部20Dは隣り合っている。Y方向において、第1導光部20Aと第3導光部20Cは隣り合っている。Y方向において、第2導光部20Bと第4導光部20Dは隣り合っている。第1光源10Aは、第1導光部20Aの収容部20Hに配置される。第2光源10Bは、第2導光部20Bの収容部20Hに配置される。第3光源10Cは、第3導光部20Cの収容部20Hに配置される。第4光源10Dは、第4導光部20Dの収容部20Hに配置される。
【0030】
導光部材20は区画溝20Gによって区画されている。区画溝20Gで区画された1つの領域を発光領域300Aとする。本実施形態では、区画溝20Gによって区画された第1導光部20A、第2導光部20B、第3導光部20C及び第4導光部20Dが、それぞれ異なる発光領域300Aである。1つの発光領域300Aは、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。面状光源300を構成する発光領域300Aの数は特に限定されない。例えば、面状光源300が1つの発光領域300Aを備えていてもよく、面状光源300が複数の発光領域300Aを備えていてもよい。また、複数の面状光源300を並べることで、より面積の大きい面状光源装置としてもよい。区画溝20G内に光源部10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていてもよい。これにより、発光状態の発光領域と非発光状態の発光領域とのコントラスト比を向上させることができる。尚、発光モジュールは、区画溝20G内に光源部10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていなくてもよい。
【0031】
本実施形態では、導光部材20は、Y方向に延びる第1区画溝21Gと、X方向に延びる第2区画溝22Gと、で構成される格子状の区画溝20Gを備える。第1導光部20Aと第2導光部20Bの間にはY方向に延びる第1区画溝21Gがある。第1導光部20Aと第3導光部20Cの間にはX方向に延びる第2区画溝22Gがある。区画溝20Gは、導光部材20の第1面201から第2面202まで貫通することが好ましい。このようにすることで、導光部材20を複数に分離することができるので、例えば導光部材20と支持部材200の熱膨張係数の違いから生じる支持部材200の反りを低減することができる。これにより、後述する導電部材80に亀裂が生じることを低減できる。また、区画溝20Gは、導光部材20の第1面201側のみ開口する凹部であってもよく、導光部材20の第2面202側のみ開口する凹部であってもよい。区画溝20Gが凹部の場合には、区画溝20Gは導光部材20により形成された底面を備えている。
【0032】
導光部材20は、第1面201側に開口する第1孔部21を含む。本実施形態において、第1孔部21は、導光部材20の上面である第1面201側にのみ開口する凹部である。第1面201が導光部材20の下面を構成する場合には、第1孔部21は導光部材20の下面側にのみ開口する凹部であってもよい。導光部材20が第1孔部21を含むことにより、導光部材20の表面積を大きくすることができる。このようにすることで、導光部材20の表面から導光部材20の外部に取り出される光の量を増やすことができる。これにより、発光モジュール100の光取り出し効率を向上することができる。平面視において、第1孔部21は光源部10から離れて位置することが好ましい。このようにすることで、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0033】
導光部材20は、1つの第1孔部21を含んでいてもよく、複数の第1孔部21を含んでいてもよい。
図1に示すように、平面視において、複数の第1孔部21が光源部10を囲んでいることが好ましい。このようにすることで、複数の第1孔部21によって光源部10から横方向に進む光を導光部材20の外側に取り出しやすくなる。また、平面視において、複数の第1孔部21が光源部10を囲むことによって、第1孔部21の近傍において輝度が高い部分と輝度が低い部分とが混在しやすくなる。これにより、平面視において、第1孔部21の外縁の内側に位置する部分の輝度と第1孔部21の外縁の外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。尚、平面視において、1つの第1孔部21が光源部10を切れ目なく囲んでいてもよい。
【0034】
平面視における第1孔部21の形状は、特に限定されない。
図1、
図4Aに示すように、本実施形態の第1孔部21は、線状の部分を含んでいる。第1孔部21が線状の部分を含むとは、平面視において、第1孔部21が延びる方向における第1孔部21の幅が、第1孔部21が延びる方向と直交する方向における第1孔部21の幅よりも長い部分を含むこととする。尚、本明細書において、第1孔部21の幅とは、第1孔部21の内側に位置する第2孔部22及び/又は第3孔部23を含めた長さとする。また、本明細書において、線状とは、直線、曲線、又は、折れ曲がった線等も含む。
【0035】
図4Bに示すように、導光部材20は、第1面201側に開口する第2孔部22を含む。本実施形態において、第2孔部22は、導光部材20の第1面201側にのみ開口する凹部である。尚、第2孔部22は、導光部材20の第1面201から第2面202まで貫通していてもよい。
図4Aに示すように、導光部材20の第2孔部22は、平面視において第1孔部21の内側に位置する。このようにすることで、平面視において第2孔部22の外縁の内側にする部分が明るくなりすぎることを低減できる。導光部材20の第2孔部22は平面視において第1孔部21の内側に位置するので、光源部10から導光部材20の第2孔部22に向かって進む光の一部は、第2孔部22を連続して囲む第1孔部21を画定する導光部材20の表面から取り出されやすくなる。これにより、第2孔部22から取り出される光の量を低減できるので、平面視において第2孔部22の外縁の内側にする部分が明るくなりすぎることを低減できる。尚、導光部材20が複数の第1孔部21を含んでいる場合には、少なくとも1つの第1孔部21の内側に第2孔部22が位置していればよい。導光部材20が複数の第1孔部21を含んでいる場合には、複数の第1孔部21の全ての内側に第2孔部22が位置していることが好ましい。このようにすることで、導光部材20の表面積を大きくしやすくなる。これにより、導光部材20に入射した光源部10からの光を導光部材20の外部に取り出しやすくなる。
【0036】
平面視における第2孔部22の形状は、特に限定されない。本実施形態における第2孔部22は、平面視において楕円形状である。第2孔部22は、平面視において円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形状であってもよい。また、平面視における第2孔部22の形状は、第1孔部21と同様に線状の部分を含んでいてもよい。
【0037】
第1面201からの第1孔部21の深さD1(以下、第1深さともいう)は、第1面201からの第2孔部22の深さD2(以下、第2深さともいう)よりも浅いことが好ましい。第1面201からの深さが深い孔部20Rほど光源部10からの光を取り出しやすくなるので、平面視において、第1孔部21の外縁と第2孔部22の外縁の間に位置する部分の輝度は、第2孔部22の外縁の内側に位置する部分の輝度より低くなりやすい。また、平面視において、第1孔部21の外縁と第2孔部22の外縁の間に位置する部分の輝度は、第1孔部21の外縁の外側である孔部20Rが位置していない部分の輝度よりも高くなりやすい。第2孔部22は平面視において第1孔部21の内側に位置しており、第1深さD1が第2深さD2よりも浅いので、平面視において、孔部20Rが位置していない部分から第2孔部22に進むにつれて輝度を高くしていくことができる。これにより、第2孔部22の外縁の内側に位置する部分の輝度と第2孔部22の外縁の外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。本明細書において、特に他の言及がない限り、各孔部の深さとは、上下方向において第1面201から各孔部を画定する導光部材20の表面まで距離が最大になるときの値とする。例えば、第1孔部21の深さD1とは、上下方向における第1面201から第1孔部21を画定する導光部材20の表面までの距離が最大になるときの値とする。
【0038】
図4Bに示すように、導光部材20は、第1面201側に開口する第3孔部23を含む。本実施形態において、第3孔部23は、導光部材20の第1面201側にのみ開口する凹部である。尚、第3孔部23は、導光部材20の第1面201から第2面202まで貫通していてもよい。
図4Aに示すように、導光部材20の第3孔部23は、平面視において第1孔部21の内側に位置する。このようにすることで、平面視において第3孔部23の外縁の内側にする部分が明るくなりすぎることを低減できる。尚、導光部材20が複数の第1孔部21を含んでいる場合には、少なくとも1つの第1孔部21の内側に第3孔部23が位置していればよい。導光部材20が複数の第1孔部21を含んでいる場合には、複数の第1孔部21の全ての内側に第3孔部23が位置していることが好ましい。このようにすることで、導光部材20の表面積を大きくしやすくなる。
【0039】
平面視における第3孔部23の形状は、第2孔部22と同様に特に限定されない。本実施形態における第3孔部23は、平面視において楕円形状である。平面視における第3孔部23の形状は、平面視における第2孔部22の形状と同等であることが好ましい。このようにすることで、第2孔部22及び第3孔部23の形成が容易になる。例えば、第2孔部22及び第3孔部23をレーザ加工によって形成する場合には、同等のレーザ出力によって第2孔部22及び第3孔部23を形成することができる。尚、本明細書において、同等の形状とは±5μm以内の変動は許容される。また、同等のレーザ出力とは、一方のレーザ出力が他方のレーザ出力の±5%以内の出力範囲を含む。
【0040】
第1面からの第2孔部の深さD2(第2深さ)は、第1面からの第3孔部の深さD3(第3深さ)の0.9倍以上1.1倍以下であることが好ましい。このようにすることで、第2孔部22及び第3孔部23の形成が容易になる。例えば、第2孔部22及び第3孔部23をレーザ加工によって形成する場合には、同等のレーザ出力によって第2孔部22及び第3孔部23を形成することができる。
【0041】
図2に示すように、横方向において第3孔部23と光源部10とが重なることが好ましい。このようにすることで、光源部10からの光が第3孔部23を画定する導光部材20の表面から取り出されやすくなる。同様に、横方向において第2孔部22と光源部10とが重なることが好ましい。
【0042】
第1面201からの第1孔部21の深さD1(第1深さ)は、第1面201からの第2孔部22の深さD2(第2深さ)の0.01倍以上0.2倍以下であることが好ましい。第1深さD1が、第2深さD2の0.01倍以上であることにより、導光部材20の表面積を大きくすることができる。このようにすることで、導光部材20に入射した光源部10からの光を導光部材20の外部に取り出しやすくなる。第1深さD1が、第2深さD2の0.2倍以下であることにより、光源部10からの光が横方向に広がりやすくなる。つまり、第1深さD1が、第2深さD2の0.2倍以下であることにより、第1孔部21を画定する導光部材20の表面から取り出される光の量を低減しやすくなる。光源部10からの光が横方向に広がりやすくなることで、発光モジュール100の輝度むらを低減しやすくなる。同様に、第1深さD1は、第3深さD3の0.01倍以上0.2倍以下であることが好ましい。
【0043】
図4Aに示すように、第2孔部22及び第3孔部23は、第1方向に並んで位置する。第1方向における第2孔部22の最長の長さL12(以下、第1第2孔部長さともいう)は、第1方向に直交する第2方向における第2孔部22の最長の長さL22(以下、第2第2孔部長さともいう)よりも長いことが好ましい。このようにすることで、第1方向と交差する方向に出射された光源部10からの光の一部が第2孔部22を画定する導光部材20の表面に当たりやすくなる。これにより、導光部材20の外部に取り出される光の量を増やすことができる。尚、
図4Aにおいて、第1方向とはX方向であり、第2方向とはY方向である。
【0044】
1つの第1孔部21の内側に位置する第2孔部22の数は、1つでもよく、複数でもよい。1つの第1孔部21の内側に位置する第3孔部23の数は、1つでもよく、複数でもよい。本実施形態では、
図4Aに示すように、1つの第1孔部21の内側に複数の第2孔部22と複数の第3孔部23とが位置している。
図4Aに示すように、第1方向において、第2孔部22と第3孔部23が交互に並んでおり、第2孔部22と第3孔部23の間に第1孔部21が位置している。このようにすることで、光源部10からの光を取り出しやすい第2孔部22と第3孔部23を混在させることができる。これにより、第1孔部21の近傍において輝度が高い部分と輝度が低い部分とが混在しやすくなるので、第1孔部21の外縁の内側に位置する部分の輝度と第1孔部21の外縁の外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。
【0045】
図4Aに示すように、第1方向における第3孔部23の最長の長さL13(以下、第1第3孔部長さともいう)は、第2方向における第3孔部23の最長の長さL23(以下、第2第3孔部長さともいう)よりも長いことが好ましい。このようにすることで、第1方向と交差する方向に進む光源部10からの光の一部が、第3孔部23を画定する導光部材20の表面に当たりやすくなる。これにより、第3孔部23を画定する導光部材20の表面から導光部材20の外部に取り出される光の量を増やすことができる。
【0046】
図1に示すように、平面視において、光源部10の中心と導光部材20の外縁とを結ぶ仮想線ILは、第1方向と交差している。つまり、光源部10から横方向の光が進みやすい平面視において光源部10の中心と導光部材20の外縁とを結ぶ仮想線ILが、第2孔部22の長さが長くなる第1方向と交差している。このようにすることで、光源部10から横方向に進む光が第2孔部22を画定する導光部材20の表面に当たりやすくなる。これにより、第2孔部22を画定する導光部材20の表面から取り出される光の量を増やすことができる。本明細書において、光源部の中心とは、平面視における光源部の幾何学的な重心を意味する。仮想線ILは、光源部の中心と、導光部材の外縁の任意の点と、を結ぶ線であり、複数の線を引くことができる。本実施形態においては、光源部の中心から全周方向(0°~360°)に仮想線を引くことができる。また、仮想線ILは、光源部10の中心と、導光部材20の外縁の点と、の2点を両端とする線分である。
【0047】
平面視において、光源部の中心と導光部材の外縁とを結ぶ仮想線ILと、第1方向と、がなす角度は30°以上であることが好ましく、60°以上であることが更に好ましい。このようにすることで、光源部10からの横方向に進む光が第2孔部22を画定する導光部材20の表面に当たりやすくなる。尚、本明細書において、仮想線ILと第1方向とがなす角度とは、仮想線ILと第1方向とがなす角度のうち90°以下の角度を意味する。
【0048】
平面視において、光源部の中心と導光部材の外縁とを結ぶ仮想線ILは、第1方向と直交していることが好ましい。このようにすることで、光源部10からの横方向に進む光が第2孔部22を画定する導光部材20の表面に当たりやすくなる。これにより、第2孔部22を画定する導光部材20の表面から導光部材20の外部に取り出される光の量を増やすことができる。
【0049】
本明細書において、第1面201に位置する第1導光部20Aの外縁のうちで第1光源10Aの中心から最も遠い点を第1点P1と称し、第1面201に位置する第1導光部20Aの外縁のうちで第1光源10Aの中心から最も近い点を第2点P2と称する。本実施形態では、第1点P1は第1導光部20Aの角に位置し、第2点P2は第1導光部20Aの各辺の中心に位置する。第1点P1及び第2点P2は、それぞれが、1つでもよいし、複数でもよい。
【0050】
図1に示すように、平面視において、第1孔部21の少なくとも一つが、第1光源10Aの中心と第1点P1とを結ぶ仮想線分上に位置することが好ましい。このようにすることで、発光モジュールの輝度むらが低減される。第1光源10Aから遠い第1点P1は、第1光源10Aに近い第2点P2よりも輝度が低くなりやすいが、仮想線分上に第1孔部21が位置することにより、第1点P1の近傍において導光部材20の外部に取り出される光の量を増やしやすくなる。これにより、第1点P1での輝度と第2点P2での輝度とに差が生じることを低減できるので、発光モジュールの輝度むらが低減される。
【0051】
第1光源10Aの中心と第1点P1とを結ぶ仮想線分上に、複数の第1孔部21が位置することが好ましい。このようにすることで、第1点P1の近傍における輝度の調整が容易になるので、発光モジュールの輝度むらを低減させやすくなる。第1光源10Aの中心と第1点P1とを結ぶ仮想線分上に位置する第1孔部21の数は、第1光源10Aの中心と第2点P2とを結ぶ仮想線分上に位置する第1孔部21の数よりも多いことが好ましい。これにより、第1点P1での輝度と第2点P2での輝度とに差が生じることを低減しやすくなる。尚、第1光源10Aの中心と第2点P2とを結ぶ仮想線分上に位置する第1孔部21がなくてもよい。
【0052】
図4Aに示すように、平面視における第2孔部22と第3孔部23と間に第1面201からの第1孔部21の深さが最大になる部分21Aが位置することが好ましい。換言すると、平面視において第2孔部22と第3孔部23と間に位置する領域内に、第1面201からの第1孔部21の深さが最大になる部分21Aが位置することが好ましい。これにより、発光モジュール100の輝度むらを低減しやすくなる。第2孔部22の深さ及び第3孔部23の深さは、第1孔部21の深さよりも深いので光源部10からの光を取り出しやすい。平面視における第2孔部22と第3孔部23と間に第1面201からの第1孔部21の深さが最大になる部分21Aが位置することにより、平面視における第2孔部22と第3孔部23と間における輝度を向上させることができる。このため、平面視において第2孔部22の外縁の内側および第3孔部23の外縁の内側における輝度と、第2孔部22と第3孔部23と間の領域における輝度との差を低減することができる。これにより、発光モジュール100の輝度むらを低減しやすくなる。
【0053】
図4Aに示すように、第1方向(X方向)における第2孔部22の最長の長さL12(第1第2孔部長さ)は、第1方向(X方向)における第2孔部22から第3孔部23までの最短の長さL14よりも長いことが好ましい。このようにすることで、第1孔部21よりも深さが深い第2孔部22を大きくすることができる。これにより、第2孔部22を画定する導光部材20の表面から導光部材20の外部に取り出される光の量を増やすことができる。
【0054】
図4Aに示すように、第2方向(Y方向)において、第2孔部22と重なる位置における第1孔部21の最長の長さL21(以下、第1第1孔部長さもという)は、第2孔部22及び第3孔部23から離れて第2孔部22及び第3孔部23の間の位置における第1孔部の最長の長さL24よりも長いことが好ましい。第1第1孔部長さL21が長いことにより、第2方向における第2孔部22の外縁から第1孔部21の外縁までの距離を長くしやすくなる。これにより、第2方向における第2孔部22の外縁から第1孔部21の外縁の間に位置して第1孔部21を画定する導光部材20の表面から導光部材20の外部に取り出される光の量を増やしやすくなる。このようにすることで、平面視において、第2孔部22の外縁の内側の輝度と、第2方向において第2孔部22の外縁から第1孔部21の外縁の間に位置する部分との輝度との差を低減することができる。これにより、発光モジュール100の輝度むらを低減しやすくなる。
【0055】
図4Bに示すように、導光部材20は、第1孔部21と第2孔部22とが繋がる部分に上方向に延びる凸部212(以下、第1凸部ともいう)が位置することが好ましい。第1孔部21を画定する導光部材20の表面の一部と、第2孔部22を画定する導光部材20の表面の一部と、によって第1凸部212の表面が画定される。導光部材20が第1凸部212を含むことにより輝度の調整が容易になる。例えば、第1凸部212の大きさや位置を変更することにより、導光部材20から取り出される光源部10からの光を調整できる。本実施形態では、平面視において、第1凸部212は、第2孔部22を連続して囲むように設けられる。また、本実施形態の第1孔部21と第2孔部22の境界は、断面視において第1凸部212の最上部に位置する点である。第1凸部212の最上部に位置する点は、第1面201よりも下側に位置することが好ましい。このようにすることで、上下方向において発光モジュール100を小型化しやすくなる。
図4Bに示すように、導光部材20は、第1孔部21と第3孔部23とが繋がる部分に上方向に延びる凸部213(以下、第2凸部ともいう)が位置することが好ましい。導光部材20が第2凸部213を含むことにより輝度の調整が容易になる。
【0056】
図4Bに示すように、横方向において、第1凸部212と第2凸部213の間に第1面201からの第1孔部21の深さが最大になる部分21Aが位置することが好ましい。このようにすることで、第2孔部22と第3孔部23と間に第1孔部21の深さが最大になる部分21Aが位置する。これにより、平面視において第2孔部22の外縁の内側および第3孔部23の外縁の内側における輝度と、第2孔部22と第3孔部23と間の領域における輝度との差を低減することができる。
【0057】
導光部材20の材料としては、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、導光部材20の材料として、ガラス等を用いてもよい。導光部材20は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0058】
導光部材20の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、特に他の言及がない限り、各部材の厚さとは、上下方向における各部材の上面から各部材の下面までの距離が最大になるときの値とする。導光部材20は、上下方向に単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材20が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。第1深さD1は、例えば、1μm以上30μm以下が好ましい。第2深さD2及び第3深さD3は、例えば、50μm以上700μm以下が好ましい。
【0059】
第1導光部20Aに設けられる孔部20Rの形状及び/又は数と、第2導光部20Bに設けられる孔部20Rの形状及び/又は数とは同じでもよく、異なっていてもよい。例えば、導光部材20に孔部20Rを形成する前に、第1導光部20Aの輝度むらと第2導光部20Bの輝度むらを確認する。第1導光部20Aの輝度むらと第2導光部20Bの輝度むらを確認した後に、第1導光部20A及び第2導光部20Bのそれぞれに適した孔部20Rを導光部材20に形成する。このようにすることで、発光モジュール100の輝度むらを低減させることができる。例えば、導光部材20に孔部20Rを形成する前に輝度むらが所望の範囲に抑えられていれば、導光部材20に孔部20Rを設けなくてもよい。第1導光部20Aの輝度むらと第2導光部20Bの輝度むらを確認する方法としては、例えば、2次元色彩輝度計(コニカミノルタ製CA-2500)で輝度を測定することで確認できる。
【0060】
導光部材20に孔部を形成する方法は特に限定されない。例えば、レーザ加工によって導光部材20に孔部20Rを形成することができる。レーザ照射による熱によって導光部材20に第1面201側に開口する孔部20Rを形成することができる。レーザ加工によって導光部材20に孔部を形成する場合には、パルスレーザ光であることが好ましい。パルスレーザ光を第1方向に走査することにより第1方向に並んで位置して深さが深い第2孔部22及び第3孔部23を容易に形成することができる。尚、金型等を用いた射出成形、トランスファ成形、圧縮成形などの方法で孔部20Rを含む導光部材を形成してもよい。
【0061】
(透光性部材30)
図2に示すように、発光モジュール100は透光性部材30を備えている。透光性部材30は、光源部10が発する光に対する透光性を有する部材である。透光性部材30は、第1透光部31と、第2透光部32と、を有する。本実施形態では、第1透光部31と第2透光部32は、別体である。第1透光部31と第2透光部32は、同じ材料で一体に形成されていてもよい。光源部10のピーク波長に対する第1透光部31及び第2透光部32のそれぞれの透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。尚、発光モジュール100は、透光性部材30を備えていなくてもよい。
【0062】
図2に示すように、第1透光部31は、光源部10の側面と接していることが好ましい。このようにすることで、光源部10からの光が第1透光部31に入射しやすくなる。第1透光部31は導光部材20と接していることが好ましい。このようにすることで、光源部10からの光が導光部材20に入射しやすくなる。発光モジュール100が透光性部材30を備えていない場合には、導光部材20が光源部10の側面と接していてもよい。このようにすることで、光源部10からの光が導光部材20に入射しやすくなる。
【0063】
第1透光部31は、光源部10の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていることが好ましい。このようにすることで、第1透光部31が光源部10の上面の全てを覆う場合よりも上下方向において発光モジュール100を小型化しやすくなる。第1透光部31は、光源部10の上面の全てを露出させるように配置されていてもよい。また、第1透光部31は、光源部10の上面の全てを覆っていてもよい。第1透光部31が光源部10の上面の全てを覆うことによって、光源部10の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光源部10の上面を覆う部分の第1透光部31の厚さを変更することにより光源部10の直上領域における輝度を調整できる。これにより、輝度の調整が容易になるので、発光モジュール100の輝度むらを低減させやすくなる。第1透光部31が光源部10の上面を覆う場合には、第2透光部32は、第1透光部31を介して光源部10の上面を覆う。
【0064】
第1透光部31は、上下方向において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光部31は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光部31が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第1透光部31が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。第1透光部31の材料として、例えば、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。
【0065】
第2透光部32は、光源部10の上側に位置する。第2透光部32は、第1透光部31の上側に位置する。第2透光部32は、光源部10の上面及び/又は第1透光部31の上面と接していることが好ましい。このようにすることで、上下方向において発光モジュール100を小型化しやすくなる。
【0066】
第2透光部32の材料としては、例えば、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、第2透光部32としては、シート状の光学用透明粘着剤(OCA)を用いてもよい。第2透光部32は蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0067】
(光調整部材40)
光調整部材40は、光源部10が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源部10から出射した光の一部は光調整部材40により反射し、他の一部は光調整部材40を透過する。光源部10のピーク波長に対する光調整部材40の透過率は、光源部10のピーク波長に対する導光部材20の透過率よりも低い。例えば、光源部10のピーク波長に対する光調整部材15の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。光調整部材40は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0068】
光調整部材40は、光源部10の上側に配置される。平面視において光調整部材40と光源部10とが重なり、その重なる部分において光調整部材40が光源部10の上側に位置する。光調整部材40が、光源部10の上側に位置することにより、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0069】
光調整部材40は、第1透光部31の上側に配置される。平面視において、光調整部材40と第1透光部31が重なり、その重なる部分において光調整部材40が第1透光部31の上側に位置する。光調整部材40が、第1透光部31の上側に位置することにより、第1透光部31の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0070】
光調整部材40は、第2透光部32の上側に配置される。平面視において、光調整部材40と第2透光部32が重なり、その重なる部分において光調整部材40が第2透光部32の上側に位置する。光調整部材40が、第2透光部32の上側に位置することにより、第2透光部32の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0071】
図1に示すように、平面視において、光調整部材40の外縁の少なくとも一部は、収容部20Hの外縁よりも外側に位置することが好ましい。これにより、収容部20Hの外縁の近傍が明るくなりすぎることを低減することができる。平面視において、光調整部材40の外縁の全てが、収容部20Hの外縁よりも外側に位置していてもよい。これにより、更に収容部20Hの外縁の近傍が明るくなりすぎることを低減することができる。また、平面視において、光調整部材40の外縁の全てが、収容部20Hの外縁よりも内側に位置していてもよい。このようにすることで、平面視において光調整部材40から露出する透光性部材30の面積が増加しやすくなる。これにより、透光性部材30から透光性部材30の外部に取り出される光の量を増やすことができる。
【0072】
光調整部材40は、光調整貫通孔40Aを有する。光調整部材40が、光調整貫通孔40Aを有することにより、光調整部材40の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、光調整貫通孔40Aの大きさや位置を変更することにより、光調整部材40によって遮られる光源部10からの光を調整できる。これにより、光調整部材40の直上領域における輝度の調整が容易になるので、発光モジュール100の輝度むらを低減させやすくなる。平面視において、光調整貫通孔40Aは光調整部材40の外縁から離れて位置する。
【0073】
光調整部材40の光調整貫通孔40Aは、平面視において光源部10から離れて位置することが好ましい。このようにすることで、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。光調整部材40が複数の光調整貫通孔40Aを有する場合には、平面視において複数の光調整貫通孔40Aの全てが光源部10から離れて位置することが好ましい。このようにすることで、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。尚、光調整部材40が複数の光調整貫通孔40Aを有する場合には、少なくとも1つの光調整部材40の光調整貫通孔40Aが平面視において光源部10と重なっていてもよい。
【0074】
平面視における光調整貫通孔40Aの形状は、特に限定されない。
図1に示すように平面視における光調整貫通孔40Aの形状は円形状である。平面視における光調整貫通孔40Aの形状は、楕円形、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形であってもよい。平面視における光調整貫通孔40Aの形状は、線状の部分を含んでいてもよい。また、本明細書において、線状とは、直線、曲線、又は、折れ曲がった線等も含む。例えば、平面視における光調整貫通孔40Aの形状は、2方向に延びるV字形又はL字形の部分を含んでいてもよい。
【0075】
平面視において、光調整貫通孔40Aは光源部10を囲んでいることが好ましい。このようにすることで、X方向及び/又はY方向の発光モジュール100の輝度を調整しやすくなる。平面視において、複数の光調整貫通孔40Aによって光源部10を囲んでいることが好ましい。このようにすることで、光調整貫通孔40Aの近傍において輝度が高い部分と輝度が低い部分とが混在しやすくなる。これにより、光調整貫通孔40Aの外縁の内側に位置する部分の輝度と光調整貫通孔40Aの外縁の外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。尚、平面視において、光調整貫通孔40Aは光源部10を切れ目なく囲んでいてもよい。
【0076】
図1に示すように、平面視において、光調整部材40は、横方向に凹む複数の凹部40C(以下、光調整凹部という)を有することが好ましい。光調整凹部40Cは、光調整部材40の外縁に設けられる。光調整部材40が光調整凹部40Cを有することにより、光調整部材40の周囲における輝度の調整が容易になる。例えば、光調整凹部40Cの大きさや位置を変更することにより、光調整部材40によって遮られる光源部10からの光を調整できる。これにより、光調整部材40の周囲における輝度の調整が容易になるので、発光モジュール100の輝度むらを低減させやすくなる。また、光調整部材40が複数の光調整凹部40Cを有することにより、光調整部材40の外縁近傍において輝度が高い部分と輝度が低い部分とが混在しやすくなる。これにより、光調整部材40外縁近傍において、光調整部材40の外縁よりも内側に位置する部分の輝度と光調整部材40の外縁よりも外側に位置する部分の輝度との境界を目立ちにくくすることができる。光調整凹部40Cの大きさは特に限定されない。X方向における光調整凹部40Cの最大の長さは、X方向における光調整貫通孔40Aの最大の長さよりも短くてもよい。Y方向における光調整凹部40Cの最大の長さは、Y方向における光調整貫通孔40Aの最大の長さよりも短くてもよい。
【0077】
光調整部材40は、樹脂部材41A(以下、光調整樹脂部材という)と、光調整樹脂部材41Aに含まれる反射体41B(以下、光調整反射体という)によって構成することができる。光調整樹脂部材41Aの材料としては、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光調整反射体41Bの材料としては、被覆部材14の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光調整反射体41Bとして窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、光調整部材40は、光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0078】
光調整反射体41Bの屈折率は、光調整樹脂部材41Aの屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、光調整樹脂部材41Aに入射した光源部10からの光の一部が、光調整樹脂部材41Aと光調整反射体41Bとの界面において全反射しやすくなる。これにより、光源部10の上方へ光が抜ける低減できるので、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減できる。本明細書において、屈折率とは光源部10のピーク波長における屈折率とする。
【0079】
光調整反射体41Bの屈折率が光調整樹脂部材41Aの屈折率よりも低い場合には、光調整樹脂部材41Aの屈折率は、導光部材20の母材の屈折率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、光調整樹脂部材41Aと光調整反射体41Bの屈折率差を大きくしやすくなる。これにより、光調整樹脂部材41Aから光調整反射体41Bに進む光の一部が、光調整樹脂部材41Aと光調整反射体41Bとの界面において全反射しやすくなる。これにより、光源部10の上方へ光が抜ける低減できるので、光源部10の直上領域が明るくなりすぎることを低減できる。
【0080】
図5に示すように、光調整反射体41Bは、断面視において、横方向における最大長さL1が、上下方向における最大長さL2よりも長いことが好ましい。このようにすることで、光調整反射体41Bが球状の場合よりも光源部10と対向する光調整反射体41Bの面を平らな面に近づけやすくなる。これにより、光源部10から出射された光が、平面視において光源部10の周囲に位置する光調整部材40の一部によって反射された場合に、光源部10から離れる方向に反射されやすくなる。つまり、光源部10から出射された光が、光調整部材40の一部によって反射されて光源部10に戻ってくることを低減することができる。これにより、光源部10から出射された光が光源部10に吸収されることを低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。例えば、光源部10の光源透光性部材13が蛍光体を含んでいる場合には、光源部10から出射された光が光調整部材40によって反射して光源部10に戻ってくることを低減することができることにより、光源部10からの光の波長が光源透光性部材13に含まれる蛍光体によって変換されすぎることを低減することができる。横方向における光調整反射体41Bの最大長さL1は、特に限定されない。例えば、横方向における光調整反射体41Bの最大長さL1は、上下方向における光調整反射体41Bの最大長さL2の2倍以上である。
【0081】
(支持部材200)
支持部材200は、発光モジュール100が配置される部材である。支持部材200は、光源部10及び導光部材20を支持する。導光部材20は、第2面202を支持部材200の上面に対向させて、支持部材200上に配置される。
【0082】
支持部材200は、配線基板50を有する。配線基板50は、絶縁基材51と、絶縁基材51の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層52とを有する。絶縁基材51は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源の薄型化のため、絶縁基材51はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材51は、上下方向において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材51は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材51の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層52は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0083】
支持部材200は、配線基板50上に配置された第1接着層61と、第1接着層61上に配置された反射部材70と、反射部材70上に配置された第2接着層62と、をさらに有する。
【0084】
第1接着層61は、配線基板50と反射部材70との間に配置され、配線基板50と反射部材70を接着している。第1接着層61は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層61の樹脂部材として、例えば、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第1接着層61の光散乱粒子として、例えば、被覆部材14の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第1接着層61として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0085】
第1接着層61の樹脂部材の屈折率は、反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70から第1接着層61に進む光の一部が、反射部材70と第1接着層61との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。
【0086】
反射部材70は、導光部材20の下方、光源部10の下方、透光性部材30の下方、及び区画溝20Gの下方に配置されている。反射部材70は、光源部10が発する光に対する反射性を有する。反射部材70は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材70の樹脂部材として、例えば、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。反射部材70の反射体の材料としては、被覆部材14の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材70の反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材70は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0087】
反射部材70の反射体の屈折率は、反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70に入射した光源部10からの光の一部が、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体との界面において全反射しやすくなる。これにより、反射部材70から下方へ光が抜ける低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。
【0088】
反射部材70の反射体の屈折率が反射部材70の樹脂部材の屈折率よりも低い場合には、反射部材70の樹脂部材の屈折率は導光部材20の母材の屈折率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体の屈折率差を大きくしやすくなる。これにより、反射部材70に入射した光源部10からの光の一部が、反射部材70の樹脂部材と反射部材70の反射体との界面において全反射しやすくなる。
【0089】
第2接着層62は、反射部材70と導光部材20の第2面202との間に配置され、反射部材70と導光部材20を接着している。光源部10は、導光部材20の収容部20H内において第2接着層62上に配置される。第2接着層62は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層62の樹脂部材として、例えば、被覆部材14の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第2接着層62の光散乱粒子として、例えば、被覆部材14の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層62として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0090】
第2接着層62の樹脂部材の屈折率は、導光部材20の母材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、導光部材20から第2接着層62に進む光の一部が、導光部材20と第2接着層62との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。第2接着層62の樹脂部材の屈折率は、第1透光部31の母材の屈折率よりも低いことが好ましい。このようにすることで、第1透光部31から第2接着層62に進む光の一部が、第1透光部31と第2接着層62との界面において全反射しやすくなる。これにより、発光モジュール100の下方へ抜ける光を低減できるので、発光モジュール100の光取り出し効率が向上する。
【0091】
支持部材200は、導電部材80をさらに有する。導電部材80は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材80の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。
【0092】
導電部材80は、接続部81と配線部82とを有する。接続部81は、第2接着層62、反射部材70、第1接着層61、及び絶縁基材51を上下方向において貫通している。配線部82は、配線基板50における配線層52が配置された面に配置され、接続部81と接続している。接続部81と配線部82は、同じ材料で一体に形成することができる。配線部82の一部は、配線層52と接続している。
【0093】
光源部10の正負の一対の電極12に対応して、一対の導電部材80が互いに離れて配置されている。一方の導電部材80の接続部81は、光源部10の下方において正側の電極12と接続され、他方の導電部材80の接続部81は、光源部10の下方において負側の電極12と接続されている。光源部10の電極12は、導電部材80及び配線層52と電気的に接続されている。
【0094】
支持部材200は、絶縁層90をさらに有する。絶縁層90は、配線基板50の下面に配置され、配線層52を覆っている。絶縁層90の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂を用いることができる。
【0095】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
項1. 光源部と、
平面視において前記光源部を囲み、第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を含む導光部材と、を備え、
前記導光部材は、前記第1面側に開口する第1孔部と、平面視において前記第1孔部の内側に位置する第2孔部及び第3孔部と、を含み、
前記第2孔部及び前記第3孔部は、第1方向に並んで位置し、
前記第1面からの前記第1孔部の深さは、前記第1面からの前記第2孔部及び前記第3孔部の深さよりも浅く、
平面視において、前記第1方向における前記第2孔部の最長の長さは、前記第1方向に直交する第2方向における前記第2孔部の最長の長さよりも長い発光モジュール。
項2. 平面視における前記第2孔部と前記第3孔部と間に前記第1面からの前記第1孔部の深さが最大になる部分が位置する項1に記載の発光モジュール。
項3. 前記第1方向における前記第2孔部の最長の長さは、前記第1方向における前記第2孔部から前記第3孔部までの最短の長さよりも長い項1又は項2に記載の発光モジュール。
項4. 前記第2方向において、前記第2孔部と重なる位置における前記第1孔部の最長の長さは、前記第2孔部及び前記第3孔部から離れて前記第2孔部及び第3孔部の間の位置における前記第1孔部の最長の長さよりも長い項1から項3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
項5. 前記第1面からの前記第2孔部の深さは、前記第1面からの前記第3孔部の深さの0.9倍以上1.1倍以下である項1から項4のいずれか1つに記載の発光モジュール。
項6. 前記第1面からの前記第1孔部の深さは、前記第1面からの前記第2孔部の深さの0.01倍以上0.2倍以下である項1から項5のいずれか1つに記載の発光モジュール。
項7. 前記導光部材は、前記第1孔部と前記第2孔部とが繋がる部分に上方向に延びる凸部が位置する項1から項6のいずれか1つに記載の発光モジュール。
項8. 平面視において、前記光源部の中心と前記導光部材の外縁とを結ぶ仮想線が、前記第1方向と交差する項1から項7のいずれか1つに記載の発光モジュール。
項9. 平面視において、前記光源部の中心と前記導光部材の外縁とを結ぶ仮想線が、前記第1方向と直交する項1から項8のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【0096】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0097】
10 光源部
20 導光部材
30 透光性部材
40 光調整部材
50 配線基板
61 第1接着層
62 第2接着層
70 反射部材
80 導電部材
90 絶縁層
100 発光モジュール
200 支持部材
300 面状光源