(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】ポジ型感光性樹脂組成物、パターニングされたレジスト膜の形成方法、及びパターニングされたレジスト膜
(51)【国際特許分類】
G03F 7/023 20060101AFI20241213BHJP
G03F 7/022 20060101ALI20241213BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20241213BHJP
C08G 8/00 20060101ALI20241213BHJP
C08F 12/24 20060101ALI20241213BHJP
C08F 20/30 20060101ALI20241213BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
G03F7/023 511
G03F7/022 601
G03F7/004 501
C08G8/00
C08F12/24
C08F20/30
G03F7/20 501
(21)【出願番号】P 2020109865
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2019144890
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】松本 直純
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-186642(JP,A)
【文献】特開2005-004172(JP,A)
【文献】特開2010-151889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/023
G03F 7/022
G03F 7/004
C08G 8/00
C08F 12/24
C08F 20/30
G03F 7/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、増感剤(C)と、フェノール性水酸基含有樹脂(D)とを含み、
前記キノンジアジド基含有化合物(B)が、下記式(B1):
【化1】
(式(B1)中、R
b1は、それぞれ独立に炭素原子数1以上5以下のアルキル基であり、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、2+m個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、l、及びmは、それぞれ独立に1又は2である。)
で表される化合物と、下記式(B2):
【化2】
(式(B2)中、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、3個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である。)
で表される化合物と、下記式(B3):
【化3】
(式(B3)中、R
b3は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、R
b4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数3以上6以下のシクロアルキル基であり、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、4個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である。)
で表される化合物を含み、
前記増感剤(C)が、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物であり、
前記フェノール性水酸基含有樹脂(D)が、ノボラック樹脂(A)以外の重量平均分子量1000超の樹脂であり、
前記フェノール性水酸基含有樹脂(D)の含有量が、前記ノボラック樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、ポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記フェノール性水酸基含有樹脂(D)が、置換基を有してもよいヒドロキシスチレンに由来する構成単位、及び/又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む、請求項
1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記フェノール性水酸基含有樹脂(D)が、ヒドロキシスチレンの単独重合体である、請求項
2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記フェノール性水酸基含有樹脂(D)の重量平均分子量が、3000以上15000以下である、請求項1~
3のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記増感剤(C)の含有量が、前記ノボラック樹脂(A)100質量部に対して10質量部以上30質量部以下である、請求項1~
4のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜を位置選択的に露光する工程と、
露光された塗布膜を現像液により現像する工程と、
を含む、パターニングされたレジスト膜の形成方法。
【請求項7】
請求項1~
5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物からなる、パターニングされたレジスト膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、パターニングされたレジスト膜の形成方法、及びパターニングされたレジスト膜に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に配線や端子を形成する方法として、レジストパターンをマスクパターンとして用いて金属層のエッチングを行ったり、レジストパターンをめっき用の鋳型パターンとして用いてめっきを行ったりする方法が知られている。
【0003】
基板上に配線や端子を形成する際にレジストパターンを形成する方法としては、ネガ型の感光性組成物からなるドライフィルムを用いて基板上に感光性組成物層を形成し、当該感光性組成物層を露光及び現像する方法が一般的である。しかし、ネガ型の感光性組成物を用いる場合には、解像性が不十分であったり、レジストパターンを基板から剥離させ難い場合があったりする等の問題がある。
【0004】
このため、上記の課題を解決する方法としては、解像性が良好であり、基板からの剥離が比較的容易であるポジ型の感光性組成物を用いてレジストパターンを形成する方法が挙げられる。
金属からなる配線や端子等を形成するために使用できるポジ型の感光性組成物としては、例えば、クレゾールノボラック樹脂等のアルカリ可溶性ノボラック樹脂と、感光剤と、ベンゾトリアゾール系化合物とを含む感光性組成物が知られている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
微細な配線や端子を形成する場合には、感光性組成物を用いて断面形状が矩形に近い形状であるレジストパターンを形成できることや、感光性組成物が高感度であることが求められる。しかし、特許文献1に記載されるようなポジ型の感光性組成物では、レジストパターンの良好な断面形状と、高感度との両立が難しい。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、断面形状の良好なパターニングされたレジスト膜を形成でき、高感度であるポジ型感光性樹脂組成物と、当該ポジ型感光性樹脂組成物を用いるパターニングされたレジスト膜の形成方法と、前述のポジ型感光性樹脂組成物からなるパターニングされたレジスト膜とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ポジ型感光性樹脂組成物に、ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物である増感剤(C)と、ノボラック樹脂(A)以外の重量平均分子量1000超の樹脂であり、所定の範囲内の量のフェノール性水酸基含有樹脂(D)とを含有させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
本発明の第1の態様は、ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、増感剤(C)と、フェノール性水酸基含有樹脂(D)とを含み、
増感剤(C)が、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物であり、
フェノール性水酸基含有樹脂(D)が、ノボラック樹脂(A)以外の重量平均分子量1000超の樹脂であり、
フェノール性水酸基含有樹脂(D)の含有量が、前記ノボラック樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、ポジ型感光性樹脂組成物である。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様にかかるポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して塗布膜を形成する工程と、
塗布膜を位置選択的に露光する工程と、
露光された塗布膜を現像液により現像する工程と、
を含む、パターニングされたレジスト膜の形成方法である。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1の態様にかかるポジ型感光性樹脂組成物からなる、パターニングされたレジスト膜である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、断面形状の良好なパターニングされたレジスト膜を形成でき、高感度であるポジ型感光性樹脂組成物と、当該ポジ型感光性樹脂組成物を用いるパターニングされたレジスト膜の形成方法と、前述のポジ型感光性樹脂組成物からなるパターニングされたレジスト膜とを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
≪ポジ型感光性樹脂組成物≫
ポジ型感光性樹脂組成物は、ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、増感剤(C)と、フェノール性水酸基含有樹脂(D)とを含む。
増感剤(C)は、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物である。
フェノール性水酸基含有樹脂(D)は、ノボラック樹脂(A)以外の重量平均分子量1000超の樹脂である。
フェノール性水酸基含有樹脂(D)の含有量は、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。
上記の構成のポジ型感光性樹脂組成物は、パターニングされたレジスト膜についての良好な断面形状と、高感度とを両立できる。
以下、ポジ型感光性樹脂組成物に含まれる、必須、又は任意の成分について説明する。
【0014】
<ノボラック樹脂(A)>
ノボラック樹脂(A)としては、従来からポジ型感光性樹脂組成物に配合されている種々のノボラック樹脂を用いることができる。ノボラック樹脂(A)としては、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られるものが好ましい。
【0015】
・フェノール類
フェノール類としては、例えば、フェノール;o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール等のクレゾール類;2,3-キシレノール、2,4-キシレノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール等のキシレノール類;o-エチルフェノール、m-エチルフェノール、p-エチルフェノール等のエチルフェノール類;2-イソプロピルフェノール、3-イソプロピルフェノール、4-イソプロピルフェノール、o-ブチルフェノール、m-ブチルフェノール、p-ブチルフェノール、並びにp-tert-ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5-トリメチルフェノール、及び3,4,5-トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、及びフロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、及びアルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素数1以上4以下である。);α-ナフトール;β-ナフトール;ヒドロキシジフェニル;並びにビスフェノールA等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
これらのフェノール類の中でも、m-クレゾール及びp-クレゾールが好ましく、m-クレゾールとp-クレゾールとを併用することがより好ましい。この場合、両者の配合割合を調整することにより、ポジ型感光性樹脂組成物としての感度や、形成されるレジスト膜の耐熱性等の諸特性を調節することができる。m-クレゾールとp-クレゾールの配合割合は特に限定されるものではないが、m-クレゾール/p-クレゾールの質量比で、3/7以上8/2以下が好ましい。m-クレゾールの割合が3/7以上であると、ポジ型感光性樹脂組成物としての感度を向上させることができ、8/2以下であると、感光性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト膜の耐熱性を向上させることができる。
【0017】
・アルデヒド類
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、及びアセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
・酸触媒
酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び亜リン酸等の無機酸類;蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、及びパラトルエンスルホン酸等の有機酸類;並びに酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
・分子量
ノボラック樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw;以下、単に「重量平均分子量」ともいう。)は、ポジ型感光性樹脂組成物の現像性、解像性等の観点から、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましく、また、50000以下が好ましく、40000以下がより好ましく、30000以下がさらに好ましく、20000以下がさらにより好ましい。
【0020】
ノボラック樹脂(A)の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1以上20以下が好ましく、2以上17以下がより好ましく、3以上15以下が特に好ましく、4以上12以下がさらに好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnは、GPC(ゲル透過クロマトグラフィ)測定における、ポリスチレン換算の相対値として定義することができる。
また、ノボラック樹脂(A)を複数種用いる場合、これら複数種のノボラック樹脂(A)を組み合わせた状態で、GPC(ゲル透過クロマトグラフィ)測定を行い、得られたチャートから分散度を決定すればよい。
【0021】
ノボラック樹脂(A)としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量が異なるものを少なくとも2種組み合わせて用いることができる。重量平均分子量が異なるものを大小組み合わせて用いることにより、ポジ型感光性樹脂組成物に現像性、解像性、成膜性等の多面的な優れた特性を付与することができる。
ノボラック樹脂(A)として、重量平均分子量が異なる樹脂の組み合わせとしては、特に限定されないが、重量平均分子量が1000以上10000以下である低重量平均分子量側の樹脂と、重量平均分子量が5000以上50000以下である高重量平均分子量側の樹脂との組み合わせが好ましく、重量平均分子量が2000以上8000以下である低重量平均分子量側の樹脂と、重量平均分子量が8000以上40000以下である高重量平均分子量側の樹脂との組み合わせがより好ましく、重量平均分子量が3000以上7000以下である低重量平均分子量側の樹脂と、重量平均分子量が10000以上20000以下である高重量平均分子量側の樹脂との組み合わせがさらに好ましい。
【0022】
ノボラック樹脂(A)として、重量平均分子量が異なる樹脂を組み合わせて用いる場合、それぞれの含有率は特に限定されないが、ノボラック樹脂(A)の全量における低重量平均分子量側の樹脂の含有率は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、一方で、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
【0023】
ポジ型感光性樹脂組成物の固形分全体に対するノボラック樹脂(A)の質量の比率は、ポジ型感光性樹脂組成物が、所望する量のキノンジアジド基含有化合物(B)と、増感剤(C)と、フェノール性水酸基含有樹脂(D)と含む限り特に限定されない。
ポジ型感光性樹脂組成物の固形分全体に対するノボラック樹脂(A)の質量の比率は、40質量%以上80質量%以下が好ましく、45質量%以上75質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。
【0024】
<キノンジアジド基含有化合物(B)>
ポジ型感光性樹脂組成物は、キノンジアジド基含有化合物(B)を含有する。キノンジアジド基含有化合物(B)としては、従来から種々のポジ型感光性樹脂組成物に配合されているキノンジアジド基を有する化合物から、適宜選択することができる。
【0025】
キノンジアジド基含有化合物(B)の好適な具体例としては、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシ-2’-メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,及び4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)メタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(4’-ヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(2’,4’-ジヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)-2-(2’,3’,4’-トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-{1-[4-〔2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール、及び3,3’-ジメチル-{1-[4-〔2-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等のビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類;トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3、5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン、及びビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン等のトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、及びビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン等のビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;フェノール、p-メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール-1,3-ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p-アミノジフェニルアミン、及び4,4’-ジアミノベンゾフェノン等の水酸基又はアミノ基を有する化合物;並びにピロガロール-アセトン樹脂等と、キノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物、又は部分アミド化物等が挙げられる。これらのキノンジアジド基含有化合物(B)は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
キノンジアジド基含有化合物(B)として使用される上記キノンジアジド基含有スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、ナフトキノン-1,2-ジアジド-5-スルホン酸、ナフトキノン-1,2-ジアジド-4-スルホン酸等のナフトキノンジアジドスルホン酸;オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等が挙げられ、ナフトキノンジアジドスルホン酸が好ましい。キノンジアジド基含有スルホン酸、好ましくはナフトキノンジアジドスルホン酸の上記エステル化合物は、ポジ型組成物を溶液として使用する際に通常用いられる溶剤によく溶解し、且つノボラック樹脂(A)との相溶性が良好である。これらの化合物をキノンジアジド基含有化合物(B)として、ポジ型感光性樹脂組成物に配合すると、高感度のポジ型感光性樹脂組成物を得やすい。
【0027】
キノンジアジド基含有化合物(B)としての上記エステル化合物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、キノンジアジド基含有スルホン酸を、例えば、ナフトキノン-1,2-ジアジド-スルホニルクロリド等のスルホニルクロリドとして添加し、ジオキサンのような溶媒中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化する方法等が挙げられる。
【0028】
また、ポジ型感光性樹脂組成物が、キノンジアジド基含有化合物として、下記式(B1)で表される化合物と、下記式(B2)で表される化合物と、下記式(B3)で表される化合物とを組み合わせて含むのも、ポジ型感光性樹脂組成物の感度及び解像性が良好である点や、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形状の良好なパターン化されたレジスト膜を形成しやすい点で好ましい。
【0029】
【化1】
(式(B1)中、R
b1は、それぞれ独立に炭素原子数1以上5以下のアルキル基であり、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、2+m個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、l、及びmは、それぞれ独立に1又は2である。)
【0030】
【化2】
(式(B2)中、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、3個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である。)
で表される化合物と、下記式(B3):
【0031】
【化3】
(式(B3)中、R
b3は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、R
b4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数3以上6以下のシクロアルキル基であり、Dは、それぞれ独立に、水素原子、又は1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基であり、4個のDのうちの少なくとも1つが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である。)
【0032】
式(B1)中、Rb1は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上5以下のアルキル基である。炭素原子数1以上5以下のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素原子数1以上5以下のアルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。
Rb1としては、メチル基、及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0033】
ポジ型感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解性と、感度とを適度な範囲内としやすい点から、式(B1)で表されるキノンジアジドエステル化物における、Dが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である平均割合(平均エステル化率)は40%以上60%以下が好ましく、50%以上55%以下がより好ましい。
【0034】
ポジ型感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解性と、感度とを適度な範囲内としやすい点から、式(B2)で表されるキノンジアジドエステル化物における、Dが1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニル基である平均割合(平均エステル化率)は65%以上85%以下が好ましく、70%以上75%以下がより好ましい。
【0035】
式(B3)中、Rb3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びn-ヘキシル等が挙げられる。
Rb3としては、水素原子、又はメチル基が好ましく、水素原子基がより好ましい。
【0036】
式(B3)中、Rb4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又は炭素原子数3以上6以下のシクロアルキル基である。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、Rb3としてのアルキル基と同様である。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、及びn-ヘキシルオキシ等が挙げられる。
炭素原子数3以上6以下のシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。これらの中ではシクロヘキシル基が好ましい。
【0037】
式(B1)で表される化合物と、式(B2)で表される化合物と、式(B3)で表される化合物とを組み合わせて使用する場合、式(B1)で表される化合物の質量M1と、式(B2)で表される化合物の質量M2及び式(B3)で表される化合物の質量M3の合計(M2+M3)との比率M1/(M2+M3)は、30/70以上70/30以下が好ましく、40/60以上60/40以下がより好ましい。
式(B2)で表される化合物の質量M2と、式(B3)で表される化合物の質量M3との比率M2/M3は、30/70以上70/30以下が好ましく、40/60以上60/40以下がより好ましい。
【0038】
キノンジアジド基含有化合物(B)の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の感度の点から、以下の範囲内であるのが好ましい。下限について、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。上限について、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
【0039】
<増感剤(C)>
ポジ型感光性樹脂組成物は、増感剤(C)を含む。増感剤(C)は、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物である。
ポジ型感光性樹脂組成物が、ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、増感剤(C)と、フェノール性水酸基含有樹脂(D)とを組み合わせて含むことにより、パターン化されたレジスト膜の良好な断面形状と、高い感度との両立が容易である。
【0040】
増感剤(C)として使用し得る化合物の好適な例としては、キノンジアジド基含有化合物(B)について説明した、種々のフェノール性水酸基含有化合物が挙げられる。
つまり、増感剤(C)の好適な具体例としては、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシ-2’-メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5-ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,及び4,4’,5’-ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)メタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(4’-ヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(2’,4’-ジヒドロキシフェニル)プロパン、2-(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)-2-(2’,3’,4’-トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-{1-[4-〔2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール、及び3,3’-ジメチル-{1-[4-〔2-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等のビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類;トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-3、5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン、及びビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロキシフェニルメタン等のトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-3-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3-シクロヘキシル-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-2-ヒドロキシフェニルメタン、及びビス(5-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルメタン等のビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;フェノール、p-メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール-1,3-ジメチルエーテル、及び没食子酸等の水酸基を有する化合物が挙げられる。
【0041】
増感剤(C)の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。レジスト膜の断面形状と、感度とに関する所望する効果を得やすいことから、増感剤(C)の含有量は、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以上30質量以下が好ましく、13質量部以上27質量以下がより好ましく、15質量部以上20質量部以上がさらに好ましい。
【0042】
<フェノール性水酸基含有樹脂(D)>
ポジ型感光性樹脂組成物は、フェノール性水酸基含有樹脂(D)を含む。フェノール性水酸基含有樹脂(D)は、ノボラック樹脂(A)以外の重量平均分子量1000超の樹脂である。
ポジ型感光性樹脂組成物が、ノボラック樹脂(A)及び増感剤(C)とともに、下記の所定の量のフェノール性水酸基含有樹脂(D)を含むことにより、ポジ型感光性樹脂組成物が現像液に対する適度な溶解性を示し、レジスト膜の強度等を損なうことなく、パターン化されたレジスト膜の良好な断面形状と、高感度との両立が容易である。
【0043】
フェノール性水酸基含有樹脂(D)の含有量は、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であり、1質量部以上9質量部以下がより好ましく、2質量部以上8質量部以下がさらに好ましい。
【0044】
フェノール性水酸基含有樹脂(D)は、重量平均分子量1000超であって、ノボラック樹脂(A)以外の樹脂であれば特に限定されない。フェノール性水酸基含有樹脂(D)として好ましい樹脂としては、置換基を有してもよいヒドロキシスチレンに由来する構成単位、及び/又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む樹脂が挙げられる。
【0045】
フェノール性水酸基含有樹脂(D)が置換基を有してもよいヒドロキシスチレンに由来する構成単位、及び/又は置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含む樹脂である場合、当該樹脂におけるフェノール性水酸基を有する構成単位の量は、全構成単位に対して50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、100モル%が最も好ましい。
【0046】
置換基を有してもよいヒドロキシスチレンに由来する構成単位としては、下記式(D1)で表される構成単位が好ましい。
【化4】
(式(D1)中、R
d1は、水素原子、又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。R
d2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、ハロゲン原子、又はシアノ基である。nは、0以上4以下の整数である。nが2以上4以下の整数である場合、複数のR
d2は、同一であっても異なっていてもよい。)
【0047】
炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば炭素原子数1以上6以下の直鎖状、又は分岐状のアルキル基である。直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、及びネオペンチル基等が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば炭素原子数1以上6以下の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基である。直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、及びネオペンチルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
【0048】
式(D1)で表される構成単位を与える単量体の好適な具体例としては、4-ヒドロキシスチレン、3-ヒドロキシスチレン、2-ヒドロキシスチレン、α-メチル-4-ヒドロキシスチレン、α-メチル-3-ヒドロキシスチレン、α-メチル-2-ヒドロキシスチレン、α-エチル-4-ヒドロキシスチレン、α-エチル-3-ヒドロキシスチレン、及びα-エチル-2-ヒドロキシスチレン等が挙げられる。これらの中では、4-ヒドロキシスチレン、-3-ヒドロキシスチレン、α-メチル-4-ヒドロキシスチレン、及びα-メチル-3-ヒドロキシスチレンが好ましく、4-ヒドロキシスチレン、及びα-メチル4-ヒドロキシスチレンがより好ましい。
【0049】
置換基を有してもよいヒドロキシフェニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位としては、下記式(D2)で表される構成単位が好ましい。
【化5】
(式(D2)中、R
d2及びnは、式(D1)におけるこれらと同様である。R
d3は、水素原子、又はメチル基である。R
d4は、単結合、又は炭素原子数1以上4以下のアルキレン基である。)
【0050】
Rd4としてのアルキレン基としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、プロパン-3,3-ジイル基、及びブタン-1,4-ジイル基が挙げられる。これらの中では、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、及びブタン-1,4-ジイル基が好ましく、メチレン基、及びエチレン基がより好ましい。
【0051】
式(D2)で表される構成単位を与える単量体の好適な具体例としては、4-ヒドロキシフェニルアクリレート、3-ヒドロキシフェニルアクリレート、2-ヒドロキシフェニルアクリレート、4-ヒドロキシベンジルアクリレート、3-ヒドロキシベンジルアクリレート、2-ヒドロキシベンジルアクリレート、4-ヒドロキシフェネチルアクリレート、3-ヒドロキシフェネチルアクリレート、及び2-ヒドロキシフェネチルアクリレート等のフェノール性水酸基含有アクリレート、並びに4-ヒドロキシフェニルメタクリレート、3-ヒドロキシフェニルメタクリレート、2-ヒドロキシフェニルメタクリレート、4-ヒドロキシベンジルメタクリレート、3-ヒドロキシベンジルメタクリレート、2-ヒドロキシベンジルメタクリレート、4-ヒドロキシフェネチルメタクリレート、3-ヒドロキシフェネチルメタクリレート、及び2-ヒドロキシフェネチルメタクリレート等のフェノール性水酸基含有メタクリレートが挙げられる。
これらの中では、4-ヒドロキシフェニルアクリレート、3-ヒドロキシフェニルアクリレート、4-ヒドロキシベンジルアクリレート、3-ヒドロキシベンジルアクリレート、4-ヒドロキシフェニルメタクリレート、3-ヒドロキシフェニルメタクリレート、4-ヒドロキシベンジルメタクリレート、及び3-ヒドロキシベンジルメタクリレートが好ましく、4-ヒドロキシフェニルアクリレート、4-ヒドロキシベンジルアクリレート、4-ヒドロキシフェニルメタクリレート、及び4-ヒドロキシベンジルメタクリレートが挙げられる。
【0052】
フェノール性水酸基含有樹脂(D)が、不飽和結合を有する単量体の重合体である場合、フェノール性水酸基含有樹脂(D)は、フェノール性水酸基を有する単量体と、フェノール性水酸基を有さない他の単量体との共重合体であってもよい。
かかる他の単量体としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。また、このような重合性化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;等を挙げることができる。
【0053】
以上説明したフェノール性水酸基含有樹脂(D)としては、フェノール性水酸基含有樹脂の使用による所望する効果を得やすいことから、置換基を有してもよいヒドロキシスチレンに由来する構成単位を有する樹脂が好ましく、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位を有する樹脂がより好ましく、ヒドロキシスチレンの単独重合体がさらに好ましく、4-ヒドロキシスチレンの単独重合体が特に好ましい。
【0054】
フェノール性水酸基含有樹脂(D)の重量平均分子量は、前述の通り、1000超であれば特に限定されない。フェノール性水酸基含有樹脂(D)の重量平均分子量は、現像液に対する溶解性が特に適切なポジ型感光性樹脂組成物を得やすいことから、3000以上15000以下が好ましく、4000以上13000以下がより好ましく、5000以上10000以下がさらに好ましい。
【0055】
<その他の成分>
ポジ型組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、着色剤、増感剤、密着性向上剤、界面活性剤、可塑剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。
【0056】
・増感剤
増感剤としては、特に限定されず、ポジ型感光性樹脂組成物において通常用いられる増感剤の中から任意に選択することができる。増感剤としては、例えば、分子量1000以下のフェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
【0057】
・密着性向上剤
密着性向上剤としては、パターン化されたレジスト膜の、当該レジスト膜が形成された面との密着性を向上させることのできる材料の中から適宜選択できる。例えば、2-ヒドロキシエチルピリジン等のヒドロキシアルキル含窒素複素環化合物を、この密着性向上剤として用いることができる。
【0058】
・界面活性剤
ポジ型感光性樹脂組成物は、塗布性、消泡性、及びレベリング性等を向上させるため、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、例えばBM-1000、BM-1100(BMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC-135、フロラードFC-170C、フロラードFC-430、フロラードFC-431(住友スリーエム社製)、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-131、サーフロンS-141、サーフロンS-145(旭硝子社製)、SH-28PA、SH-190、SH-193、SZ-6032、SF-8428(東レシリコーン社製)、BYK-310、BYK-330(ビックケミージャパン社製)等の名称で市販されているシリコン系又はフッ素系界面活性剤を使用することができる。
【0059】
界面活性剤の含有量は、ノボラック樹脂(A)100質量部に対して、0.05質量部以上5質量部以下が好ましい。
【0060】
<溶剤>
ポジ型感光性樹脂組成物は、上記の各成分を適当な溶剤に溶解して、溶液の形で用いることが好ましい。このような溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、及びジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、及びエチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びメチルアミルケトン等のケトン類;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサン等の環式エーテル類;並びに2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、及びアセト酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0061】
ポジ型感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の粘度や塗布性を勘案して適宜調整される。具体的には、溶剤は、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分濃度が、好ましくは5質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下であるように使用される。
【0062】
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製方法>
ポジ型感光性樹脂組成物は、上記の各成分を所定の比率で配合した後、通常の方法で混合、撹拌することにより調製することができる。また、必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルタ等を用いて濾過してもよい。
【0063】
≪パターニングされたレジスト膜の形成方法≫
パターニングされたレジスト膜は、前述のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して塗布膜を形成する工程と、
塗布膜を位置選択的に露光する工程と、
露光された塗布膜を現像液により現像する工程と、
を含む方法により形成され得る。
【0064】
ポジ型感光性樹脂組成物の基板への塗布は、スピンナー、ロールコーター、スプレーコーター、スリットコーター等を用いて行われる。塗布装置はこれらに限定されない。通常、塗布膜は加熱等の方法により乾燥される。乾燥の方法としては、例えば(1)ホットプレートにて80℃以上120℃以下の温度にて60秒以上120秒以下の間塗布膜を乾燥する方法、(2)室温にて数時間~数日塗布膜を放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分~数時間塗布膜を入れて溶剤を除去する方法、のいずれでもよい。また、必要に応じて乾燥された塗布膜の膜厚は、特に限定されないが、1.0μm以上5.0μm以下程度が好ましい。
【0065】
基板の種類は、特に限定されない。前述のポジ型感光性樹脂組成物は、感度に優れるため大面積への基板への適用が容易である。このため、好適な基板としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ用の基板が挙げられる。かかるディスプレイ用の基板としては、例えば、透明導電回路等の配線を備え、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス板が挙げられる。
【0066】
次いで、パターン形状に応じた所定のパターンを有するマスクを介して、塗布膜に対する露光を行う。露光は、紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射することにより行う。活性エネルギー線の光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、エキシマレーザー発生装置等が挙げられる。照射するエネルギー線量は、ポジ型感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30~2000mJ/cm2程度であればよい。
【0067】
次いで、露光された塗布膜を、現像液で現像し、パターン化されたレジスト膜を形成する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液のような有機アルカリの水溶液、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機アルカリの水溶液が挙げられる。
現像後、パターン化されたレジスト膜の表面を、水や、レジスト膜を過度に溶解させない有機溶媒等によってリンスしてもよい。また、必要に応じて、パターン化されたレジスト膜をベークしてもよい。
【0068】
このようにして、前述のポジ型感光性樹脂組成物からなるパターニングされたレジスト膜が形成される。かかるレジスト膜は、保護膜や絶縁膜として使用されてもよい、エッチング用のマスクパターンや、めっき用の鋳型として用いられてもよい。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0070】
〔実施例1~10、及び比較例1~6〕
実施例及び比較例において、ノボラック樹脂(A)((A)成分)として、m-クレゾール/p-クレゾールの質量が36/64であるクレゾールノボラック樹脂(重量平均分子量6000)を用いた。
【0071】
実施例及び比較例において、キノンジアジド基含有化合物(B)((B)成分)として、下記のB-I、B-II、及びB-IIIを用いた。B-Iは、前述の式(B1)で表される化合物に該当する。B-IIは、前述の式(B2)で表される化合物に該当する。B-IIIは、前述の式(B3)で表される化合物に該当する。なお、各化合物のキノンジアジド基の平均導入率(平均で何モル個の置換基ODがキノンジアジド基で置換されているかという意味)は、B-Iが2.1モル、B-IIが1.7モル、B-IIIが2.5モルである。
【化6】
【0072】
実施例及び比較例において、増感剤(C)((C)成分)として以下のC-I及びC-IIを用いた。
C-I:下記式で表される化合物
C-II:前述のB-IIIにおいてDが全て水素原子である化合物
【化7】
【0073】
実施例及び比較例において、フェノール性水酸基含有樹脂(D)((D)成分)として。以下のD-I及びD-IIを用いた。
D-I:4-ヒドロキシスチレンの単独重合体(重量平均分子量8000)
D-II:4-ヒドロキシスチレン75質量%と、スチレン25質量%との共重合体(重量平均分子量2500)
【0074】
ノボラック樹脂(A)100質量部と、表1に記載の種類及び量のキノンジアジド基含有化合物(B)と、表1に記載の量の増感剤(C)と、表1に記載の種類及び量のフェノール性水酸基含有樹脂(D)と、表1に記載の量の密着増強剤としての2-ピリジンエタノールと、表1に記載の量の界面活性剤BYK-310(ビックケミー社製)とを、固形分濃度が24質量となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて、各実施例及び比較例のポジ型感光性樹脂組成物を得た。得られたポジ型感光性樹脂組成物を用いて、以下の方法に従い、感度、断面形状、及び解像性の評価を行った。これらの評価結果を表1に記す。
【0075】
<感度>
ポジ型感光性樹脂組成物の試料をスピンナーを用いて8インチのSiウェーハ上に塗布して塗布膜を形成した。塗布膜を、ダイレクトホットプレート(DHP)で110℃で90秒間乾燥させて、膜厚1.5μmのレジスト被膜を形成した。
次いで、1.3μmのラインアンドスペースパターンを実現するためのマスクパターンが描かれたテストチャートマスク(レチクル)を介してFPA-5510iv(商品名、キヤノン社製、NA=0.12)を用い、露光を行った。
露光されたレジスト被膜を、23℃、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に65秒間接触させて現像を行った。得られたレジストパターンを、30秒間水洗いし、スピン乾燥した。
得られたレジストパターンの形状を、SEM(走査型電子顕微鏡)写真にて観察し、パターン寸法が1.3μmとなる露光量を確認した。パターン寸法が1.30μmとなる露光量に基づいて、以下の基準に従って感度を評価した。
◎:パターン寸法が1.3μmとなる露光量が45mJ/cm2未満である。
〇:パターン寸法が1.3μmとなる露光量が45mJ/cm2以上55mJ/cm2未満である。
×:パターン寸法が1.3μmとなる露光量が55mJ/cm2以上である。
【0076】
<断面形状>
上記感度評価にて得られた1.3μmラインアンドスペースパターンの断面形状をSEM写真にて観察し、以下の基準に従って断面形状を評価した。
◎:矩形形状
〇:レジストパターンの基板と反対側の表面近傍の幅が、レジストパターンの高さ方向中心部付近の幅よりも太い、Tトップ形状
×:頭付き無し(断面形状が三角形に近いパターン形状)
【0077】
<解像性>
上記感度評価と同様の方法により、1.3μmのラインアンドスペースパターンを実現するためのマスク、1.2μmのラインアンドスペースパターンを実現するためのマスク、及び1.1μmのラインアンドスペースパターンを実現するためのマスクを用いて、1.3μmラインアンドスペースパターンが寸法通りに再現することのできる露光量にて露光を行い、ラインアンドスペースパターンを形成した。得られたラインアンドスペースパターンをSEM写真にて観察し、以下の基準に従い、解像性の評価を行った。なお、断面形状の評価が×である場合については、評価困難であるため、解像性の評価を行わなかった。
1.3:1.3μmのラインアンドスペースパターンを解像可能であるが、1.2μmのラインアンドスペースパターンを解像できない。
1.2:1.2μmのラインアンドスペースパターンを解像可能であるが、1.1μmのラインアンドスペースパターンを解像できない。
【0078】
【0079】
表1によれば、ノボラック樹脂(A)と、キノンジアジド基含有化合物(B)と、所定の要件をみたす増感剤(C)と、所定の要件を満たし、且つ所定の範囲内の量のフェノール性水酸基含有樹脂(D)とを含むポジ型感光性樹脂組成物は、感度に優れ、また断面形状が良好なパターニングされたレジスト膜を与えることが分かる。