(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】基板支持装置の組立方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241213BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241213BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241213BHJP
C04B 37/00 20060101ALI20241213BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101L
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
C04B37/00 Z
C23C16/458
(21)【出願番号】P 2023146183
(22)【出願日】2023-09-08
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015781
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、キュ テ
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2254204(KR,B1)
【文献】特表2022-545261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0122817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0337081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0075624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
C04B 37/00
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための基板支持台内に設置された電極に導電性ロッドを結合するステップと、
前記ロッド上に犠牲層を形成するステップと、
前記ロッドと前記電極との間の結合部位に、充填材を溶かして浸透させ、前記ロッドと前記電極を接合しながら、前記ロッドと前記犠牲層との間にも前記充填材を浸透させ、前記ロッドと前記犠牲層との間に前記充填材で保護層を形成するステップと、
前記ロッドが貫通されるシャフトを前記基板支持台に結合するステップと、を含む、
基板支持装置の組立方法。
【請求項2】
前記保護層を形成するステップの後に、前記犠牲層を除去するステップを含む、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項3】
前記犠牲層はセラミック材質を含む、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項4】
前記犠牲層はAl
2O
3層を含む、請求項3に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項5】
前記充填材は、前記保護層が耐酸化性を有するように、酸素と反応しない貴金属(noble metal)を含む、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項6】
前記充填材は、AuまたはAu合金を含む、請求項5に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項7】
前記ロッドは、誘導加熱の発生を抑制するように、常磁性体であるモリブデン(Mo)材質を含む、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項8】
前記保護層を形成するステップで前記充填材を溶かして浸透させる工程は、ブレージング工程を用い、
前記ブレージング工程の温度は、前記充填材の溶融温度よりも高い、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【請求項9】
前記電極は、RF電極または静電電極を含む、請求項1に記載の基板支持装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に関し、より詳細には、基板支持装置の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するためには、真空雰囲気の基板処理装置で各種基板処理工程が行われる。例えば、工程チャンバ内に基板をロードし、基板上に薄膜を蒸着するか、または薄膜をエッチングするなどの工程が行われ得る。ここで、基板は工程チャンバ内に設置された基板支持装置によって支持され、その内部には、基板上にRF電流を誘導するか、または基板に静電気力を提供するための電極が設置され得る。
【0003】
このような電極には、電力の伝達のためのロッドが組み立てられ得る。ロッドが電極に結合される際には、接触抵抗を下げるために、高温で充填材を充填して接合する工程が付加され得る。最近、ロッドの誘導加熱による発熱を抑制するために、ロッドの材質を変更する研究が進められている。
【0004】
しかし、使用中にロッドの酸化により、抵抗値が変化するか、またはインピーダンスが変更される問題が発生している。ロッドの酸化を防ぐために、表面コーティングなどが適用され得るが、前述した高温の接合過程でコーティングが部分的に溶けたり、割れたりする現象が生じ、酸化を防ぐことができず工程条件が変更される問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題点を含めて種々の問題点を解決するためのものであって、本発明の一つの課題は、ロッドの酸化を防止して工程条件の変更をもたらさない基板支持装置の組立方法を提供しようとする。しかし、このような課題は例示的なものであって、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の一態様に係る基板支持装置の組立方法は、基板を支持するための基板支持台内に設置された電極に導電性ロッドを結合するステップと、前記ロッド上に犠牲層を形成するステップと、前記ロッドと前記電極との間の結合部位に、充填材を溶かして浸透させ、前記ロッドと前記電極を接合しながら、前記ロッドと前記犠牲層との間にも前記充填材を浸透させ、前記ロッドと前記犠牲層との間に前記充填材で保護層を形成するステップと、前記ロッドが貫通されるシャフトを前記基板支持台に結合するステップとを含む。
【0007】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記保護層を形成するステップの後に、前記犠牲層を除去するステップを含むことができる。
【0008】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記犠牲層はセラミック材質を含むことができる。
【0009】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記犠牲層はAl2O3層を含むことができる。
【0010】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記充填材は、前記保護層が耐酸化性を有するように、酸素と反応しない貴金属(noble metal)を含むことができる。
【0011】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記充填材は、AuまたはAu合金を含むことができる。
【0012】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記ロッドは、誘導加熱の発生を抑制するように、常磁性体であるモリブデン(Mo)材質を含むことができる。
【0013】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記保護層を形成するステップで前記充填材を溶かして浸透させる工程は、ブレージング工程を用い、前記ブレージング工程の温度は、前記充填材の溶融温度よりも高くすることができる。
【0014】
前記基板支持装置の組立方法によれば、前記電極は、RF電極または静電電極を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
前記のようになされた本発明の一部の実施例に係る基板支持装置の組立方法によれば、ロッド上に保護層を均一に形成することで、ロッドの酸化を防止して工程条件の変更をもたらさず、工程の信頼性を向上させることができる。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る基板支持装置の組立方法を示す概略的な断面図である。
【
図7】本発明の他の実施例に係る基板処理装置を示す概略的な断面図である。
【
図8】比較例において、ブレージング工程中に保護層が溶け出すことを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい様々な実施例を詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施例は、当該技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに充実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。また、図面において各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張されたものである。
【0019】
図1乃至
図6は、本発明の一実施例に係る基板支持装置130の組立方法を示す概略的な断面図である。
図2乃至
図5は、基板支持装置130における一部分を拡大した部分拡大図であり得る。
【0020】
図1を参照すると、基板Sを支持するための基板支持台132が提供され得る。例えば、基板支持台132の上面には載置溝134が形成され、この載置溝134に基板Sが載置され得る。基板支持台132は、基板Sの形状に応じて様々な形状に形成され得、例えば、基板Sがウエハ状である場合、基板支持台132は円板状に形成されてもよい。
【0021】
基板支持台132内には少なくとも1つの導電性電極133が設置され得る。例えば、電極133は、基板Sに静電気力を印加するための静電電極を含むか、または基板支持台132にRF電流が流れ得るように機能するRF電極を含むことができる。その他に、基板支持台132内には、基板Sを加熱するための熱線ヒータ(図示せず)がさらに形成され得る。
【0022】
一部の実施例において、基板支持台132は、セラミック材質、例えばAlN材質を含むことができる。
【0023】
図2を参照すると、基板支持台132内に設置された電極133にロッド160を結合することができる。例えば、電極133の結合部位にはねじ溝が形成されており、ロッド160の結合部位にはねじ山が形成され、電極133とロッド160は螺合方式で互いに締結されてもよい。他の例として、電極133の結合部位には溝が形成され、ロッド160は、この溝に圧入されて電極133と結合されてもよい。
【0024】
図3を参照すると、ロッド160上に犠牲層162を形成することができる。犠牲層162は、ロッド160を囲むように全体的に形成されるが、ロッド160と犠牲層162との間には微細な隙間があり得る。したがって、犠牲層162は、ロッド160と完全に接着されずに、ある程度の隙間を形成する物質及び/又は方法で形成され得る。
【0025】
例えば、犠牲層162は、セラミック材質を含むことができ、例えばAl2O3層を含むことができる。セラミック材質の犠牲層162は、ロッド160の酸化を防止することができ、ロッド160上にコーティング方法で容易に形成することができる。例えば、犠牲層162は、溶射コーティング、蒸発蒸着などの様々な方式で形成されてもよい。但し、ロッド160がモリブデン(Mo)材質である場合、モリブデン材質のロッド160とセラミック材質162の犠牲層162との熱膨張係数の差が大きいため、犠牲層162がロッド160上に残留し続けるのは難しく、一定時点後に除去される必要がある。
【0026】
図4を参照すると、ロッド160と電極133との間の結合部位に、充填材(filler)50を溶かして浸透させ、ロッド160と電極133を接合させることができる。このような接合工程は、ロッド160と電極133との間の機械的結合力を高めるだけでなく、ロッド160と電極133との間の接合面積を広くして、ロッド160と電極133との間の電気的な接触抵抗を下げる機能をすることができる。
【0027】
溶融された充填材50は、毛細管現象によってロッド160と電極133との接合部位に浸透して凝固し、両者間を接合させることができる。したがって、充填材50は、溶融状態で毛細管現象が現れるほどに流動性を有する必要があり、電気伝導度が高いことが要求され得る。
【0028】
さらに、ロッド160と犠牲層162との間にも充填材50を浸透させ、ロッド160と犠牲層162との間に充填材50で保護層164を形成することができる。したがって、保護層164は、溶融された充填材50がロッド160と犠牲層162との間に毛細管現象によって浸透した後、凝固して形成され得る。
【0029】
保護層164は、ロッド160を保護するためのものであって、例えば、ロッド160の酸化を防止するために耐酸化性が要求され得る。これによって、保護層164の材質となる充填材50は、酸素又は窒素と反応しない耐化学性が要求され得る。例えば、充填材50は、保護層164が耐酸化性を有するように、酸素と反応しない貴金属(noble metal)を含むことができる。
【0030】
一部の実施例において、充填材50は、AuまたはAu合金を含むことができ、保護層164は、AuまたはAu合金層で構成されてもよい。例えば、充填材50として使用されるAu合金は、濡れ性(wettability)の観点で、70%以上のAuにNi成分を含むことができる。電気伝導度、濡れ性、耐酸化性などを全般的に考慮すると、充填材50は、高純度のAuが選択され得、経済性などを考慮すると、Au合金が考慮されてもよい。
【0031】
一部の実施例において、充填材50を溶融させてロッド160と電極133との間に浸透させるか、またはロッド160と犠牲層162との間に浸透させる工程は、ブレージング(brazing)工程を用いることができる。ブレージング工程の温度は、充填材を溶融させるために、充填材の溶融温度よりも高くすることができる。例えば、充填材50の溶融温度は、1000℃以上であり、これによって、ブレージング工程の温度は、1000℃以上、例えば、約1200℃であってもよい。一方、ブレージング工程で充填材50は、フィラー又は溶加材とも呼ぶことができる。
【0032】
一部の実施例において、ロッド160は、誘導加熱の発生を抑制するように、常磁性体であるモリブデン(Mo)材質を含むことができる。例えば、ロッド160が強磁性体であるニッケル(Ni)材質である場合、ロッド160がRF電力使用雰囲気で誘導加熱され得る。但し、モリブデン(Mo)は、300℃以上の温度で酸化し得、特に600℃以上の温度で、比抵抗が非常に高いMoO3酸化物を形成し得る。
【0033】
このようなモリブデン(Mo)の酸化は、ロッド160の抵抗の変化及び/又はインピーダンスの変化をもたらすことがある。保護層164は、このようなモリブデン(Mo)を含むロッド160の耐酸化膜として機能することができる。
【0034】
前記のように、充填材50は、ロッド160と電極133との間の接合材として使用され、同時に、ロッド160と犠牲層162との間の保護層164として使用され得る。充填材50が毛細管現象によってロッド160と犠牲層162との間に均一に浸透することで、保護層164はロッド160上に均一に形成され得る。
【0035】
もし、犠牲層162がロッド160上にない場合、ブレージング工程においてロッド160上に保護層164が均一に形成されにくい。また、
図8に示されたように、比較例において、犠牲層162なしにロッド160上に他の方法で保護層164が先に形成された後、ブレージング工程が行われる場合、ブレージング工程の間に保護層164が溶け出して不均一になり得る。
【0036】
図5を参照すると、犠牲層162が除去され、ロッド160上に保護層164が残ることができる。例えば、犠牲層162は、湿式エッチングなどの様々な方法で除去されてもよい。
【0037】
図6を参照すると、基板支持台132にシャフト135を結合することができる。例えば、シャフト135は、基板支持台132の下面に結合され得、ロッド160は、シャフト135の内部を貫通するように配置され得る。例えば、シャフト135の内部には孔が形成され、ロッド160は、シャフト135のこの孔内に配置され得る。
【0038】
前述にしたがって、基板支持装置130が製造または組み立てられ得る。例えば、基板支持装置130は、基板Sを支持するための基板支持台132と、基板支持台132に結合されるシャフト135とを含むことができる。基板支持台132内には電極133が配置され、電力を供給するためのロッド160がシャフト135を貫通して電極133に結合され得る。ロッド160には電力供給装置などが接続され得る。
【0039】
図7は、本発明の他の実施例に係る基板処理装置100を示す概略的な断面図である。
【0040】
図7を参照すると、基板処理装置100は、工程チャンバ110、ガス噴射部120、及び基板支持装置130を含むことができる。
【0041】
工程チャンバ110の内部には、基板Sの処理のための反応空間112が形成され得る。例えば、工程チャンバ110は、気密を維持するように構成され、反応空間112内の工程ガスを排出し、反応空間112内の真空度を調節するように、排気ポート114を介して真空ポンプ(図示せず)に連結され得る。
【0042】
ガス噴射部120は、工程チャンバ110の外部から供給された工程ガスを反応空間112に供給するように工程チャンバ110に設置され得る。ガス噴射部120は、基板支持台132上に載置された基板Sに工程ガスを噴射するように、工程チャンバ110の上部に基板支持台132に対向して設置され得る。ガス噴射部120は、ガス流入ライン126と連結されたガス流入口122を介して、外部から工程ガスの供給を受けることができ、基板S上に工程ガスを噴射するために、基板Sに対向する下方に形成された複数の噴射孔を含むことができる。
【0043】
例えば、ガス噴射部120は、シャワーヘッド(shower head)の形態、ノズル(nozzle)の形態などの様々な形態を有することができる。ガス噴射部120がシャワーヘッドの形態である場合、ガス噴射部120は、工程チャンバ110の上部を部分的に覆う形態で工程チャンバ110に結合され、噴射板124を介して反応空間112に工程ガスを噴射することができる。例えば、ガス噴射部120が工程チャンバ110の蓋の形態で蓋部または側壁部に結合されてもよい。
【0044】
基板支持装置130は、基板Sを支持するために提供され得る。基板支持装置130は、
図6の説明を参照することができる。
【0045】
プラズマ電源部140は、工程チャンバ110の内部にプラズマ雰囲気を形成するための電力を供給するようにガス噴射部120に接続され得る。例えば、プラズマ電源部140は、工程チャンバ110に少なくとも1つのRF(radio frequency)電力を印加するように、少なくとも1つのRF電源を含むことができる。例えば、プラズマ電源部140は、ガス噴射部120にRF電力を印加するように接続され得る。この場合、ガス噴射部120は、電源供給電極または上部電極と呼ばれることもできる。
【0046】
付加的に、インピーダンスマッチング部146は、インピーダンスマッチングのために、プラズマ電源部140とガス噴射部120との間に配置され得る。プラズマ電源部140から供給されたRF電力は、プラズマ電源部140と工程チャンバ110との間でインピーダンスマッチング部146を介して適切にインピーダンスマッチングが行われてこそ、工程チャンバ110から反射されて戻ってくることなく工程チャンバ110に効果的に伝達され得る。
【0047】
基板支持装置130の基板支持台132は、その内部に電極133を含むことができる。電極133は、静電力電源供給部150と接続されて基板Sに静電気力を印加するのに用いられるか、及び/又はプラズマ電流制御回路部170に接続されて基板S上にRF電流が流れるようにすることができる。
【0048】
例えば、静電力電源供給部150は、電極133にDC電力を供給するようにDC電源152を含むことができる。例えば、DC電源152は、その一端が接地部に接続され、他端が電極133に電気的に接続されるように設置されてもよい。
【0049】
付加的に、静電力電源供給部150は、電極133を通じたRF電流がDC電源152に引き込まれることを遮断するために、電極133とDC電源152との間に配置されたDCフィルター155を含むことができる。DCフィルター155は、RF電流は遮断しつつ、DC電流は通過させるように、様々な形態で構成され得る。
【0050】
プラズマ電流制御回路部170は、基板S上に流れるプラズマ電流を制御するために、基板支持台132に接続され得る。例えば、プラズマ電流制御回路部170は、ガス噴射部120と基板支持台132との間のプラズマ雰囲気を制御するために、基板支持台132内の電極133に接続され得る。
【0051】
このようなプラズマ電流制御回路部170は、プラズマ電源部140と工程チャンバ110との間にインピーダンスマッチングが行われた状態を前提として、工程チャンバ110の側壁上へのRF電流と、基板支持台132又は基板S上へのRF電流との比を制御して、基板S上のプラズマ特性を制御するためのものであって、プラズマ電源部140と工程チャンバ110との間のインピーダンスマッチングのためのインピーダンスマッチング部146とは区分され得る。
【0052】
プラズマ電流制御回路部170は、内部に電流の制御のための素子172を含むことができ、例えば、素子172は、RF電流を通過させるための少なくとも1つのRFフィルターと、DC電流を遮断するための少なくとも1つのDC遮断素子とを含むことができる。DC遮断素子は、RFフィルターと別途に提供されてもよく、それだけでなく、RFフィルター内の一部の素子を含むこともできる。
【0053】
図7には、電極133に静電力電源供給部150とプラズマ電流制御回路部170が共有で接続された構造を示しているが、一部の実施例において、電極133は静電力電源供給部150にのみ接続されるか、またはプラズマ電流制御回路部170にのみ接続されてもよい。
【0054】
基板処理装置100は、プラズマ強化化学気相蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD)装置、または原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)装置として用いられ得る。
【0055】
前述した基板処理装置100によれば、基板支持装置130内のロッド160の酸化を保護層164により防止して、基板支持装置130の抵抗の変化及びインピーダンスの変化を防止し、工程の信頼性を高めることができる。
【0056】
本発明は、図面に示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0057】
100 基板処理装置
110 工程チャンバ
120 ガス噴射部
130 基板支持装置
132 基板支持台
133 電極
135 シャフト