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特許7603800劈開された半導体ウェハカメラシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-12
(45)【発行日】2024-12-20
(54)【発明の名称】劈開された半導体ウェハカメラシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241213BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20241213BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01B11/30 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023517316
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021050383
(87)【国際公開番号】W WO2022060780
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2024-09-12
(31)【優先権主張番号】62/706,894
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/706,895
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/706,897
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518112516
【氏名又は名称】グローバルウェーハズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GlobalWafers Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ベンジャミン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ケイザー,ジャスティン スコット
(72)【発明者】
【氏名】バレー,ジョン エフ
(72)【発明者】
【氏名】イーオフ,ジェイムズ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】タナ,バンダン
(72)【発明者】
【氏名】ルーター,ウィリアム エル
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-051859(JP,A)
【文献】特開2019-138893(JP,A)
【文献】米国特許第06667762(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0012775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0028452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01B 11/30
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハを撮像するための半導体ウェハ撮像システムであって、
暗箱を画定するシュラウドパネルと、
前記暗箱に配置された、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、
前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルと、
前記拡散光を前記カメラに反射する平面ミラーと
を備え、
前記拡散光の一部は、前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する、システム。
【請求項2】
前記カメラにより生成された画像を解析するコントローラを更に備え、
前記コントローラは、前記半導体ウェハの欠陥を検出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記シュラウドパネルは、前記暗箱内での反射を最小化するために黒い陽極酸化アルミニウムパネルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記シュラウドパネルは、上部チャンバおよび下部チャンバを画定し、
支持プレートは、前記上部チャンバを前記下部チャンバから分離し、
底部シュラウドパネルは、前記下部チャンバを少なくとも部分的に画定するとともに、ウェハ開口を画定し、
前記支持プレートは、カメラ開口を画定し、
前記拡散光は、前記ウェハ開口を通じて前記半導体ウェハに伝達され、
反射された前記拡散光は、前記半導体ウェハから前記ウェハ開口および前記カメラ開口を通じて前記カメラへ伝達される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記照明パネルは、前記下部チャンバに配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記半導体ウェハを前記ウェハ開口に配置するためのエンドエフェクタを更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記暗箱に取り付けられ、前記エンドエフェクタの位置を較正するエンドエフェクタポジショナを更に備え、
前記エンドエフェクタポジショナは、前記エンドエフェクタの位置が較正された後に、前記暗箱から取り外し可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記カメラおよび前記平面ミラーは、前記上部チャンバに配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記カメラに取り付けられ、前記上部チャンバに前記カメラを位置決めするためのスライドロックを更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記平面ミラーに取り付けられ、前記上部チャンバに前記平面ミラーを位置決めするためのミラー位置決めシステムを更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記上部チャンバにフィルタが配置され、前記フィルタは、前記カメラ開口を覆う、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記カメラにフィルタが取り付けられており、前記フィルタは、前記カメラのレンズを覆う、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記暗箱に取り付けられ、前記暗箱を位置決めするための位置決めプレートを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
半導体ウェハを撮像するための暗箱であって、
上部チャンバおよび下部チャンバを画定するシュラウドパネルと、ここで、支持プレートが前記上部チャンバを前記下部チャンバから分離しており、底部シュラウドパネルが少なくとも部分的に前記下部チャンバを画定するとともにウェハ開口を画定し、前記支持プレートがカメラ開口を画定し、
前記上部チャンバに配置され、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、
前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルと
を備え、
前記拡散光は、前記ウェハ開口を通じて前記半導体ウェハに伝達され、
前記拡散光の一部は、前記ウェハ開口および前記カメラ開口を通じて前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する、暗箱。
【請求項15】
前記拡散光は、前記ウェハ開口を通じて前記半導体ウェハに伝達され、
反射された前記拡散光は、前記ウェハ開口および前記カメラ開口を通じて前記半導体ウェハに伝達される、請求項14に記載の暗箱。
【請求項16】
前記照明パネルは、前記下部チャンバに配置されている、請求項14に記載の暗箱。
【請求項17】
記カメラおよび平面ミラーは、前記上部チャンバに配置されている、請求項14に記載の暗箱。
【請求項18】
前記カメラに取り付けられ、前記上部チャンバに前記カメラを位置決めするためのスライドロックを更に備える、請求項17に記載の暗箱。
【請求項19】
前記平面ミラーに取り付けられ、前記上部チャンバに前記平面ミラーを位置決めするためのミラー位置決めシステムを更に備える、請求項17に記載の暗箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/706894号、2020年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/706895号、および2020年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/706897号に基づく優先権を主張する。なお、優先権の基礎とした出願の全ての開示は、全体として参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示の分野は、半導体基板の撮像、特に、劈開されたウェハの撮像のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハは、通常、回路が印刷される集積回路(IC)チップの製造に使用される。まず、ウェハの表面に回路が小型化された状態で印刷された後、ウェハが分割されて回路チップになる。製造プロセス中、ウェハは、各ウェハの前面および後面が鏡面状の反射面を有するように、処理され、研磨される。製造コストを削減するために、製造プロセス中にウェハは撮像され、ウェハが更に処理される前にウェハの表面の欠陥を検出する。
【0004】
品質制御システムで使用される撮像システムには、製造された物品で光を反射させ、カメラで反射光を検出することで、製造された物品を撮像するものがある。カメラは、典型的には、製造された物品の非鏡面反射面を撮像する。しかしながら、ウェハの表面は鏡面であるため、ウェハに向けられる光は、均一な拡散光である必要がある。そうでなければ、撮像システムに取り込まれる画像は、ウェハの特徴ではなく、光源の反射像になる。
【0005】
また、ウェハの反射面を撮像する撮像システムもあるが、撮像システムは、典型的には、大型の放物面鏡が含まれるため、撮像システムのサイズが大きくなり、製造プロセス内で撮像システムを配置できる場所が限定される。具体的には、放物面鏡により、撮像システムの高さと幅が大幅に大きくなる。撮像システムは、大きい体積のシステムを収容できる十分なスペースがある場所にしか配置できない。システムに適した場所は、製造プロセスに支障をきたす可能性がある。
【0006】
本セクションは、以下に説明および/またはクレームされる本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介することを意図している。本議論は、本開示の様々な態様をより理解するための背景情報を読者に提供する上で有用であると考えられる。したがって、これらの記述は、この観点で読まれるべきであり、先行技術を認めるものではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様は、半導体ウェハを撮像するための半導体ウェハ撮像システムに関する。前記システムは、暗箱を画定するシュラウドパネルと、前記暗箱に配置された、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルとを含む。前記拡散光の一部は、前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する。
【0008】
本開示の他の態様は、半導体ウェハを撮像するための暗箱に関する。前記暗箱は、上部チャンバおよび下部チャンバを画定するシュラウドパネルを含む。支持プレートが前記上部チャンバを前記下部チャンバから分離している。底部シュラウドパネルが少なくとも部分的に前記下部チャンバを画定するとともにウェハ開口を画定している。前記支持プレートがカメラ開口を画定している。暗箱は、前記上部チャンバに配置され、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルとを更に含む。前記拡散光は、前記ウェハ開口を通じて前記半導体ウェハに伝達され、前記拡散光の一部は、前記ウェハ開口および前記前記カメラ開口を通じて前記半導体ウェハで反射される。前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する。
【0009】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハを処理するための半導体ウェハ処理システムに関する。前記システムは、前記半導体ウェハを処理するための半導体ウェハ処理ステーションと、前記半導体ウェハ処理ステーションが前記半導体ウェハを処理した後に、前記半導体ウェハを撮像する半導体ウェハ撮像システムとを含む。前記半導体ウェハ撮像システムは、暗箱を画定するシュラウドパネルと、前記暗箱に配置された、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルとを含む。前記拡散光の一部は、前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する。
【0010】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハを処理するための半導体ウェハ処理システムに関する。前記システムは、第1半導体ウェハを処理するための第1半導体ウェハ処理ステーションを含む、前記第1半導体ウェハを処理するための第1製造ラインを含む。前記システムは、第2半導体ウェハを処理するための第2半導体ウェハ処理ステーションを含む、前記第2半導体ウェハを処理するための第2製造ラインを更に含む。前記第2製造ラインは、共通位置において前記第1製造ラインと交差している。前記システムは、前記第1製造ラインと前記第2製造ラインとが交差する前記共通位置内に配置された、前記第1半導体ウェハおよび前記第2半導体ウェハを撮像するための半導体ウェハ撮像システムを更に含む。前記半導体ウェハ撮像システムは、前記第1半導体ウェハ処理ステーションと前記第2半導体ウェハ処理ステーションとが前記第1半導体ウェハと前記第2半導体ウェハとを処理した後に、前記第1半導体ウェハと前記第2半導体ウェハとを撮像する。前記半導体ウェハ撮像システムは、暗箱を画定するシュラウドパネルと、前記暗箱に配置された、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルとを含む。前記拡散光の一部は、前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する。
【0011】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハを撮像するための半導体ウェハ処理システムの半導体ウェハ撮像ステーションに関する。前記ステーションは、フレームと、前記フレームに取り付けられた位置決めプレートと、前記位置決めプレートに移動可能に取り付けられた暗箱とを含む。前記暗箱は、前記暗箱を画定するシュラウドパネルと、前記暗箱に配置された、前記半導体ウェハを撮像するためのカメラと、前記半導体ウェハに拡散光を向けるための照明パネルとを含む。前記拡散光の一部は、前記半導体ウェハで反射され、前記カメラは、反射された前記拡散光を検出することで前記半導体ウェハを撮像する。前記ステーションは、前記半導体ウェハを前記カメラの視野内に位置決めするためのエンドエフェクタを更に含む。
【0012】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハの欠陥を検出する方法に関する。前記方法は、前記半導体ウェハに拡散光を向け、前記拡散光を前記半導体ウェハで反射させることを含む。前記方法は、前記拡散光をカメラで検出し、前記半導体ウェハの画像を生成し、前記画像を解析して、前記半導体ウェハの欠陥を検出することを更に含む
【0013】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハを処理するための方法に関する。前記方法は、劈開ステーションで前記半導体ウェハを劈開し、前記半導体ウェハをカメラの視野内に位置決めし、拡散光を前記半導体ウェハに向けることを含む。前記方法は、前記拡散光を前記半導体ウェハで反射させ、前記拡散光をカメラで検出し、前記半導体ウェハの画像を生成し、前記画像を解析して、前記半導体ウェハの欠陥を検出することを更に含む。
【0014】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハ処理システムを用いて半導体ウェハを処理するための方法に関する。前記半導体ウェハ処理システムは、処理ステーションと半導体ウェハ撮像ステーションとを含む。前記方法は、前記処理ステーションで前記半導体ウェハを処理し、前記半導体ウェハを前記半導体ウェハ撮像ステーションのカメラの視野内に位置決めし、前記半導体ウェハに拡散光を向けることを含む。前記方法は、前記拡散光を前記半導体ウェハで反射させ、前記拡散光を前記カメラで検出し、前記半導体ウェハの画像を生成し、前記画像を解析して、前記半導体ウェハの欠陥を検出することを更に含む。
【0015】
本開示の更に他の態様は、半導体ウェハ処理システムを用いて半導体ウェハを処理するための方法に関する。前記半導体ウェハ処理システムは、第1製造ラインと、第2製造ラインと、前記第1製造ラインと前記第2製造ラインとが交差する共通位置内に配置された半導体ウェハ撮像ステーションとを含む。前記第1製造ラインと前記第2製造ラインとは、半導体ウェハを処理するための処理ステーションをそれぞれ含む。本方法は、i)前記第1製造ラインの前記処理ステーションで第1半導体ウェハを処理し、ii)前記第1半導体ウェハを前記半導体ウェハ撮像ステーションのカメラの視野内に位置決めし、iii)前記第1半導体ウェハに拡散光を向けることを含む。前記方法は、iv)前記拡散光を前記第1半導体ウェハで反射させ、v)前記拡散光を前記カメラで検出し、前記第1半導体ウェハの画像を生成し、vi)前記画像を解析して、前記半導体ウェハの欠陥を検出することを更に含む。本方法は、vii)前記第2製造ラインの前記処理ステーションで前記第2半導体ウェハを処理し、viii)ステップiiからviを繰り返して、前記第2半導体ウェハを撮像することを更に含む。
【0016】
上述した態様に関連して記載された特徴には、様々な改良が存在する。同様に、更なる特徴が、上述した態様に組み込まれてもよい。これらの改良および追加の特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。例えば、図示された実施形態のいずれかに関連して後述される様々な特徴は、上述した態様のいずれかに、単独または任意の組み合わせで、組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、半導体ウェハ処理システムの模式図である。
図2図2は、代替的な半導体ウェハ処理システムの模式図である。
図3図3は、図1および図2の半導体ウェハ処理システム内の共通位置に配置された半導体ウェハ撮像システムの斜視図である。
図4図4は、図1および図2の半導体ウェハ処理システム内の共通位置に配置された半導体ウェハ撮像システムの他の斜視図である。
図5図5は、シュラウドを透明にして示す図3および図4に示された半導体ウェハ撮像システムの斜視図である。
図6図6は、図5に示された照明パネルの断面図である。
図7図7は、シュラウドが取り外された図5に図示された半導体ウェハ撮像システムの斜視図である。
図8図8は、シュラウドおよび構造部材が取り外された図5に図示された半導体ウェハ撮像システムの他の斜視図である。
図9図9は、図5に示された半導体ウェハ撮像システムの断面図である。
図10図10は、シュラウドおよび構造部材が取り外され、フィルタが図示された図5に示された半導体ウェハ撮像システムの他の斜視図である。
図11図11は、エンドエフェクタポジショナが取り付けられた図3および図4に示す半導体ウェハ撮像システムの他の斜視図である。
図12図12は、エンドエフェクタポジショナと、分離されたエンドエフェクタとが取り付けられた図3および図4に示された半導体ウェハ撮像システムの他の斜視図である。
図13図13は、図3および図4に示された半導体ウェハ撮像システムにより取り込まれた半導体ウェハの画像の模式図である。
図14図14は、図3および図4に示された半導体ウェハ撮像システムにより取り込まれた半導体ウェハの画像である。
図15図15は、コントローラにより生成された半導体ウェハの生の高速フーリエ変換(FFT)画像である。
図16図16は、コントローラにより生成された半導体ウェハの出力画像の模式図である。
図17図17は、コントローラにより生成された半導体ウェハの出力画像である。
図18図18は、半導体ウェハを撮像および解析するためのコンピュータプログラムの図である。
図19図19は、半導体ウェハを撮像および解析する方法のフロー図である。
図20図20は、半導体ウェハを撮像および解析する方法のフロー図である。
図21図21は、半導体ウェハを撮像および解析する方法のフロー図である。
図22図22は、画像解析プロセスによるウェハの位置較正に用いられるディスプレイである。
【0018】
様々な例の特定の特徴は、ある図面には示され、他の図面には示されていないことがあるが、これは便宜上のものである。任意の図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/またはクレームされてもよい。
【0019】
特に示さない限り、図面は、本開示の例の特徴を説明するためのものである。これらの特徴は、本開示の1または複数の例を有する様々なシステムにおいて適用可能であると考えられる。図面は、開示された例の実施に必要とされる、当業者に知られている全ての従来の特徴を含むことを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
半導体ウェハ(半導体またはシリコン「ウェハ」または「基板」として参照されることがある)は、一般的に、結晶成長プロセスにより形成され、個別のウェハに切り出される単結晶インゴット(例えば、シリコンインゴット)から準備される。好適な結晶成長プロセスには、チョクラルスキープロセス、フロートゾーンプロセス、熱水プロセス、ブリッジマンプロセス、キロポウロスプロセス、および/または他の任意の結晶成長プロセスが含まれる。本明細書では、シリコンから構成される半導体ウェハについて言及するが、ゲルマニウム、炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウムヒ素、および窒素ガリウムまたはリン化インジウムなどのIII族元素およびIV族元素の他の合金、または硫化カドミウムまたは酸化亜鉛などのII族元素およびVI族元素の合金などの他の材料が半導体ウェハを準備するために使用されてもよい。各半導体ウェハは、中心軸と、前面と、前面に平行な後面とを含む。前面および後面は、中心軸に対して概ね垂直である。前面と後面とは、周縁により接合されている。
【0021】
半導体ウェハは、複合層構造の準備に利用されてもよい。複合層構造(例えば、半導体・オン・インシュレータ、より具体的には、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)構造)は、一般的に、ハンドルウェアまたはハンドル層と、デバイス層と、ハンドル層とデバイス層との間の絶縁(例えば、誘電体)フィルム(典型的には酸化層)とを備える。一般的に、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、シリコン・オン・サファイア(SOS)、およびシリコン・オン・クオーツなどの複合層構造は、2つのウェハを密着させて配置し、ファンデルワールス力により結合させ、その後、熱処理により結合を強化することで製造されている。アニールにより、1つの界面間の末端シラノール基をシロキサン結合に変換し、結合を強化する。
【0022】
熱的アニールの後、結合構造は、層転写を達成するため、ドナーウェハのかなりの部分を除去するために更なる処理を受ける。例えば、層転写を達成するための通常の方法は、水素注入後に行われる熱誘発層分離を利用する。粒子(原子またはイオン化した原子、例えば、水素原子または水素原子とヘリウム原子との組み合わせ)は、ドナーウェハの前面の下方の所定の深さに注入される。注入された粒子は、粒子が埋め込まれた所定の深さにおいて、ドナーウェハに劈開面を形成する。ドナーウェハの表面は、有機化合物、または注入プロセスの間にウェハ上に体積したホウ素化合物などの他の汚染物質を除去するために洗浄される。
【0023】
次に、ドナーウェハの前面は、ハンドルウェアに結合されて、親水性結合プロセスを介して結合ウェハを形成する。結合の前に、ドナーウェハおよび/またはハンドルウェハは、例えば酸素または窒素を含むプラズマにウェハの表面をさらすことで活性化される。プラズマにさらされることで、表面活性化として参照されることが多いプロセスにおいて表面の構造が変化する。活性化プロセスは、ドナーウェハおよびハンドルウェハの一方または両方の表面を親水性になる。ウェハの表面は、SC1洗浄またはフッ化水素酸などの湿式処理により、さらに化学的に活性化されてもよい。湿式処理とプラズマ活性化とはどちらの順序で行われてもよく、あるいはウェハは1つの処理のみを受けてもよい。次に、ウェハは、互いにプレスされ、ウェハ間に結合が形成される。この結合は、ファンデルワールス力によるものであるため比較的弱く、更なる処理が行われる前に強化される必要がある。
【0024】
あるプロセスでは、ドナーウェハとハンドルウェハとの間(すなわち結合ウェハ)の親水性結合は、結合ウェハのペアを加熱またはアニールすることにより強化される。あるプロセスでは、ウェハ結合は、約300℃から500℃などの低温で行われてもよい。あるプロセスでは、ウェハ結合は、約800℃から1100℃などの高温で行われてもよい。昇温することで、ドナーウェハとハンドルウェハとの隣接する表面間で共有結合が形成され、これによりドナーウェハとハンドルウェハとの間の結合を固くさせる。結合ウェハの加熱またはアニールと同時に、ドナーウェハに先に注入されていた粒子は劈開面を弱める。
【0025】
次に、ドナーウェハの一部は、劈開面に沿って結合ウェハから分離(すなわち劈開)され、SOIウェハを形成する。結合ウェハを固定具に配置し、結合ウェハの両面に対して垂直に機械的な力を加え、結合ウェハからドナーウェハの一部が離れるように引っ張ることで劈開を行ってもよい。いくつかの方法によれば、機械的な力を加えるために、吸盤が利用される。ドナーウェハの一部の分離は、劈開面に沿ったクラックの伝播を起こすために、劈開面において結合ウェハの縁に機械的なくさびを当てることにより始められる。次に、吸盤によって加えられた機械的な力により、ドナーウェハの一部が結合ウェハから引き離され、これにより、SOIウェハが形成される。
【0026】
一例では、半導体ウェハ撮像システムは、ウェハを撮像して、製造プロセスでのウェハの欠陥を検出する。撮像システムは、ウェハが劈開された後に、ウェハを撮像し、劈開プロセスを含む任意の上流製造プロセスで形成されたウェハの欠陥を検出する。半導体ウェハ撮像システムがウェハの欠陥を検出した場合、ウェハが製造プロセスから取り除かれ、これによりウェハ製造コストを削減することができる。ウェハは、鏡面状の反射面を有しており、半導体ウェハ撮像システムは、反射面で反射した光源を撮像することなくウェハを撮像する。具体的には、半導体ウェハ撮像システムは、カメラを取り囲む暗箱と、照明パネルとを含む。暗箱は、半導体ウェハ撮像システムにおける反射を最小化し、照明パネルは、拡散光をウェハに向ける。拡散光は、ウェハでカメラに向けて反射される。照明パネルにより発生された光は散乱しているため、カメラは、反射された拡散光を検出するが、照明パネルは撮像しない。これにより、カメラは、ウェハを撮像するが、光源を撮像せず、これによりコントローラによるウェハの欠陥の分析が可能になり、製造コストを削減する。
【0027】
図1を参照すると、半導体ウェハ処理システム100は、半導体ウェハ104を製造するための製造ライン102を含む。製造ライン102は、ウェハ104を処理するための半導体ウェハ処理ステーション106を含む。半導体ウェハ処理ステーション106は、劈開ステーション108と、ウェハ104を撮像するための半導体ウェハ撮像ステーションまたはシステム110とを含む。図示された実施形態では、撮像システム110は、劈開ステーション108の上方に配置され、ウェハ104が劈開ステーションにより劈開された後に、ウェハ104を撮像する。撮像システム110は、各ウェハ104を撮像し、コントローラ112は、画像を分析し、ウェハの欠陥を検出する。ウェハ104が欠陥を含んでいる場合、ウェハは、更なる処理の前に処分され、これによりウェハ製造コストを削減する。
【0028】
図2を参照すると、代替的な半導体ウェハ処理システム114は、ウェハ104を製造するための2つ以上の製造ライン102を含む。処理システム100と同様に、各製造ライン102は、劈開ステーション108を含む処理ステーション106を含む。製造ライン102は、製造ラインが交差する共通位置116を含む。撮像システム110は、共通位置116内に配置され、共通位置に交差する全ての製造ライン102により製造されたウェハ104を撮像する。図示された実施形態では、処理システム114は、2つの製造ライン102を含む。しかしながら、代替的な実施形態では、処理システム114は、処理システム114が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意の数の製造ライン102を含んでもよい。また、図1および図2に図示される実施形態では、撮像システム110は、劈開ステーション108の上方または直下流に配置されている。代替的な実施形態では、撮像システム110は、処理システムが本明細書に説明されるように動作することを可能にする処理システム100,114内の任意の位置に配置されてもよい。
【0029】
図3および図4を参照すると、撮像システム110は、暗箱118と、エンドエフェクタ120と、位置決めプレート122とを備える。以下に説明するように、暗箱118は、ウェハ104を撮像するためのカメラを含む。位置決めプレート122は、暗箱118を共通位置116に位置決めし、エンドエフェクタ120は、撮像のためにウェハ104を暗箱118の下に位置決めする。位置決めプレート122は、フレーム124に取り付けられており、暗箱118は、位置決めプレートに移動可能に取り付けられている。暗箱118の位置決めプレート122上での位置を調整することで、暗箱118の位置を調整することができる。また、エンドエフェクタ120は、撮像中にウェハ104の位置を調整できるように、暗箱118に対して移動可能である。
【0030】
図5を参照すると、シュラウドパネル126は、暗箱118を画定している。具体的には、シュラウドパネル126は、上部チャンバ128と、下部チャンバ130とを画定している。支持プレート132は、暗箱118内に配置されており、上部チャンバ128を下部チャンバ130から分離している。また、底部シュラウド134は、暗箱118の底部136を画定している。支持プレート132は、支持プレート開口138を画定しており、底部シュラウド134は、底部シュラウド開口140を画定している。図示された実施形態では、支持プレート開口138と底部シュラウド開口140とは共に、ウェハ104の大きさおよび形状に対応する円形である。しかしながら、代替的な実施形態では、支持プレート開口138と底部シュラウド開口140とは、撮像システム110が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意の形状であってもよい。また、支持プレート開口138は、ウェハが底部シュラウド開口140に配置されたとき、ウェハから上部チャンバ128への直接的で遮られない視線142を通して視認できるように、底部シュラウド開口140と位置合わせされている。シュラウドパネル126は、暗箱118での反射を最小化するために、好適には黒い陽極酸化アルミニウムパネルで作られている。代替的な実施形態では、シュラウドパネル126は、暗箱118が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意の材料で作られてもよい。
【0031】
暗箱118は、ウェハ104に拡散光を向けるための照明パネル144を含む。照明パネル144は、下部チャンバ130に配置されており、底部シュラウド開口140を通じて底部シュラウド開口に位置するウェハ104に拡散光を向ける。次に、拡散光は、支持プレート開口138および底部シュラウド開口140を通じて、ウェハ104から上部チャンバ128に反射する。図示された実施形態では、照明パネル144は、矩形状であり、下部チャンバ130の形状は、照明パネルの形状に一致している。代替的な実施形態では、照明パネル144は、半導体ウェハ撮像システム110が本明細書に記載されているように動作することを可能にする、円形状および/または多角形状を含む任意の形状を有してもよい。
【0032】
図6を参照すると、照明パネル144は、フレーム186と、ライト188と、透明プレート190とを備える。フレーム186は、矩形状であり、下部チャンバ130の形状に一致している。図示された実施形態では、ライト188は、発光ダイオード(LED)ライトである。代替的な実施形態では、ライト188は、半導体ウェハ撮像システム110が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意のタイプのライトであってもよい。ライト188は、ライトが透明プレート190を通って水平方向152に可視光を向けるように、フレーム186に取り付けられている。透明プレート190は、第1縁192と、第2縁194と、頂面196と、底面198と、リフレクタ200とを含む。
【0033】
ライト188は、透明プレート190の第1縁192に光を向け、光は、第2縁194を抜けるか、リフレクタ200により底面198を通るように向けられる。ライト188は、ライトにより放射された可視光が透明プレートの全体で散乱し、頂面196および底面198に平行な全ての方向に移動および反射するように、透明プレート190を実質的に取り囲んでいる。可視光は、リフレクタ200により下方に向けられるまで、透明プレート190内に留まる。頂面196は、ライト188により放射された可視光の一部を、底面198を通して下方に向けるように、リフレクタ200の規則的な幾何学的配列でテクスチャ化されている。図示された実施形態では、リフレクタ200は、透明プレート190に形成され、可視光を下方に反射、拡散、および/または散乱させる穴および/または突起を含む、隆起したおよび/または窪んだ特徴を含む。例えば、透明プレート190に形成された隆起した特徴は、透明プレートから延びたピラミッド形またはコーン形の突起を含んでもよく、透明プレート190に形成された窪んだ特徴は、反射された光の一部を通過させる穴を含んでもよい。隆起した特徴および窪んだ特徴は、特徴からの反射が互いに干渉しないように、整列されていない。可視光がリフレクタ200の1つに当たると、可視光は下方に散乱または反射され、内部反射しないように実質的に垂直入射で底面198と交差し、透明プレート190を出る。リフレクタ200は、可視光が拡散光としてウェハ104に向けて下方に向けられるように、可視光を散乱させる。
【0034】
拡散光は、ウェハ104で反射され、透明プレート190を通過して上方に戻る。反射された拡散光の一部は、リフレクタ200に当たることなく透明プレート190を透過し、後述されるようにカメラで撮像される。しかしながら、リフレクタ200に当たった反射拡散光は、カメラが散乱された拡散光を撮像できないように散乱または屈折されて、ウェハ104の画像上にダークスポットの配列を生成する。
【0035】
暗箱118は、ウェハ104を撮像するためのカメラ146を含む。カメラ146は、ウェハ104の白黒デジタル写真を撮るためのモノクロデジタルカメラを含む。カメラ146は、上部チャンバ128に配置されており、支持プレート開口138および底部シュラウド開口140を通じてウェハ104を撮像する。図示された実施形態では、後述するように、カメラ146は、カメラ146は、ウェハ104で反射された光をカメラに向けて反射するミラー148に近接して配置されている。代替的な実施形態では、暗箱118は、ミラー148を含んでいなくてもよく、カメラ146は、ウェハ104を直接撮像できるように上部チャンバ128に配置されてもよい。
【0036】
暗箱118は、カメラ146に取り付けられ、上部チャンバ128でカメラを位置決めするためのスライドロック150を含む。カメラ146は、カメラを上部チャンバ128で位置決めおよび再位置決めするように、スライドロック150に移動可能に取り付けられている。具体的には、図5および図7-10に示すように、スライドロック150は、水平方向152に方向付けられており、カメラ146を水平方向にスライドさせて、カメラの焦点をウェハ104に合わせる。代替的な実施形態では、暗箱118は、ミラー148およびスライドロック150を含んでいなくてもよく、カメラ146は、垂直方向154に方向付けられてもよい。スライドロック150は、カメラ146を垂直方向154にスライドさせ、カメラの焦点をウェハ104に合わせる。代替的な実施形態では、カメラ146は、調整可能な焦点を有してもよく、暗箱118は、スライドロック150を含んでいなくてもよい。
【0037】
ミラー148は、ミラー位置決めシステム158に取り付けられた平面ミラー156を含む。平面ミラー156は、ウェハ104で反射された拡散光をカメラ146に向けて反射させ、ミラー位置決めシステム158は、平面ミラー156を上部チャンバ128で位置決めする。ミラー148は、ウェハ104で反射された拡散光を垂直方向154から水平方向152に向け直し、これにより、カメラ146が水平方向に方向付けられることを可能にし、暗箱118の高さ160を低減する。したがって、ミラー148は、半導体ウェハ撮像システム110を小型化して半導体ウェハ処理システム100内に配置することを可能にする。
【0038】
ミラー位置決めシステム158は、ベース162と、ミラーホルダ164と、複数のミラースクリュ166とを含む。ミラーホルダ164は、ベース162に回転可能に取り付けられており、スクリュ166は、平面ミラー156をミラーホルダに取り付けている。スクリュ166が回転されることで、カメラ146に対する平面ミラー156の角度αが調整される。スクリュ166を回転させることで、角度αの微調整が可能になる。代替的な実施形態では、ミラー位置決めシステム158は、スライドロック150と類似のスライドを含んでもよい。
【0039】
暗箱118は、上部チャンバ128に配置されたフィルタ168を任意に含んでもよい。フィルタ168は、偏光フィルタ、カラーフィルタ、ハイパスフィルタ、および/または撮像システム110を本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の他のタイプのフィルタであってもよい。フィルタ168は、カメラ146上の第1位置170、または支持プレート開口138の上の第2位置172のいずれかに配置されている。フィルタ168は、ウェハ104と周辺環境との間でコントラストを生じさせ、カメラ146がウェハを撮像することを可能にする。具体的には、フィルタ168は、反射を低減または除去し、カメラ146がウェハによって反射された光または物体ではなく、ウェハ104を撮像することを可能にする。
【0040】
例えば、フィルタ168が偏光フィルタであるとき、フィルタは、ウェハ104と周辺環境との間に偏光を用いてコントラストを生じさせる。上述したように、照明パネル144から放射された光は、ウェハ104の鏡面状の表面で反射され、照明パネルから放射された光を通過して戻ってきた拡散光である。他の面で反射された光は、反射され散乱される。散乱拡散光は偏光されておらず、反射された光は偏光されているため、フィルタ168は、ウェハ104で反射された拡散光の透過のみを許容する。周辺の表面からの反射は、低減されるか、カメラ146に伝達されない。反射を低減または排除することで、カメラ146が、ウェハで反射された光または物体ではなく、ウェハ104を撮像することを可能にする。
【0041】
同様に、フィルタ168がカラーフィルタであるとき、フィルタは、ウェハ104の鏡面状の表面で反射された光の波長に基づいて、ウェハ104と周辺環境との間でコントラストを生じさせる。フィルタ168は、異なる波長の光を選択的に透過させる。例えば、フィルタ168は、長波長(ロングパス)のみ、短波長のみ(ショートパス)、またはより長い波長およびより短い波長の両方を遮断する波長帯域(バンドパス)を透過させてもよい。周辺の表面からの反射は、所定の波長を有していることがあり、フィルタ168は、所定の波長内の光を吸収することで反射を低減または排除する。反射を低減または排除することで、カメラ146が、ウェハで反射された光または物体ではなく、ウェハ104を撮像することを可能にする。
【0042】
また、フィルタ168がハイパスフィルタであるとき、フィルタ168は、ウェハ104の鏡面状の表面で反射された光の波長に基づいて、ウェハ104と周辺環境との間でコントラストを生じさせる。具体的には、フィルタ168は、600ナノメートル(nm)以上の波長を有する光を透過させる一方で、600nm未満の波長を有する光を吸収する。周辺の表面からの反射は、600nm未満の波長を有していることがあり、フィルタ168は、600nm未満の波長を有する光を吸収することで、反射を低減または排除する。反射を低減または排除することで、カメラ146が、ウェハで反射された光または物体ではなく、ウェハ104を撮像することを可能にする。
【0043】
撮像システム110は、暗箱118に取り付けられ、エンドエフェクタ120の位置176を較正(調整)するエンドエフェクタポジショナ174を含む。エンドエフェクタポジショナ174は、エンドエフェクタ120の位置176が較正された後、暗箱118から取り外される。エンドエフェクタポジショナ174は、暗箱ブレース178と、アーム180と、パック182とを含む。エンドエフェクタポジショナ174は、撮像システム110がウェハ104を撮像する前に、暗箱118に取り付けられる。パック182は、アーム180に取り付けられており、アームとパックとは、暗箱ブレース178に取り付けられており、アームとパックと暗箱ブレースとは、暗箱118に取り付けられている。暗箱ブレース178とアーム180とは、パック182をカメラ146の視野184内の底部シュラウド開口140の下に配置するための大きさおよび形状を有している。エンドエフェクタ120は、エンドエフェクタがパック182に取り付けられるように位置決めされており、コントローラ112は、エンドエフェクタが撮像毎にウェハ104を位置176に位置決めするように位置176を記録し較正する。エンドエフェクタポジショナ174は、位置176が較正された後、暗箱118から取り外される。
【0044】
ウェハ104を製造する前に、撮像システム110は、処理システム100内に配置され、較正される。具体的には、位置決めプレート122がフレーム124に取り付けられ、撮像システム110が位置決めプレート122に取り付けられる。より詳細には、暗箱118が位置決めプレート122に取り付けられる。
【0045】
カメラ146とミラー148とは、撮像システム110が処理システム100内に配置され較正されたとき、暗箱118に配置され較正される。具体的には、オペレータがミラー148を暗箱118の上部チャンバ128にミラー位置決めシステム158を用いて位置決めする。より具体的には、オペレータは、平面ミラー148をミラーホルダ164に取り付け、ミラーホルダと平面ミラーとをベース162に取り付ける。また、オペレータは、カメラ146をスライドロック150に取り付け、カメラとスライドロックを暗箱118の上部チャンバ128に位置決めする。オペレータは、カメラの視野184が底部シュラウド開口140の中心に位置することを保証するために、スライドロック150と、カメラ146と、平面ミラー156を同時に調整する。より具体的には、オペレータは、カメラの視野184が底部シュラウド開口140の中心に位置することを保証するために、スクリュ166の調整と、ミラーホルダ164の回転と、スライドロック150上でのカメラ146のスライドを同時に行う。
【0046】
オペレータは、パック182をアーム180に取り付け、パックとアームを暗箱ブレース178に取り付け、パックとアームと暗箱ブレースを暗箱に取り付けることで、エンドエフェクタポジショナ174を暗箱118に取り付ける。エンドエフェクタポジショナ174は、パック182が底部シュラウド開口140の中心に位置するように、暗箱118に取り付けられている。オペレータは、エンドエフェクタがパック182に直接または間接的に取り付けられるように、エンドエフェクタ120を位置決めする。コントローラ112は、エンドエフェクタがウェハを撮像毎に位置176に位置決めするように、エンドエフェクタ120の位置176を記録し較正する。オペレータは、暗箱118からエンドエフェクタポジショナ174を取り外す。
【0047】
操作中、ウェハ処理システム100は、少なくとも部分的にウェハ104を製造する。具体的には、図示された実施形態では、劈開ステーション108がウェハ104を劈開し、撮像のためにウェハを撮像システム110に送る。より具体的には、劈開ステーション108がウェハ104を劈開した後、エンドエフェクタ120は、ウェハ104を底部シュラウド開口140の下に位置決めし、カメラ146は、ウェハの画像202(図14に示す、画像202の模式的表現203を図13に示す)を生成する。ウェハ104の画像202は、後述するように解析のためにコントローラ112に送られる。
【0048】
図13および図14を参照すると、画像202および画像202の模式的表示203に示されるように、ウェハ104は、ベース204と、ベース上に堆積された転写層206とを含む。ベース204は、ウェハ境界208を有しており、転写層206は、転写層境界210を有している。ウェハ境界208と転写層境界210とは、ウェハ境界208と転写層境界210との間のテラス幅212を画定している。また、ウェハ104は、ノッチ222を含む。コントローラ112は、画像202において、ベース204と、ウェハ境界208と、転写層206と、転写層境界210と、テラス幅212とを検出し、検出された領域をウェハ104の欠陥について解析する。また、上述したように、透明プレート190の頂面196上でのリフレクタ200の配置は、画像202に周期的なアーチファクトの規則的な幾何学配列(画像202の折り目パターンで示されるように)を生じさせる。具体的には、リフレクタ200は、画像202に周期的なアーチファクト214のグリッドパターンを生じさせる。周期的なアーチファクト214のグリッドパターンは、焦点外ポイント、わずかに焦点内ポイント、および/またはダークスポットの規則的に間隔を開けた周期的配列を含んでもよい。
【0049】
コントローラ112は、ウェハ104を撮像し解析するためのコンピュータプログラム300を含む。図18は、ウェハ104を撮像し解析するためのコンピュータプログラム300の図である。コンピュータプログラム300は、画像取り込みモジュール302と、データ管理モジュール304と、データ解析モジュール306とを含む。画像取り込みモジュール302は、半導体ウェハ撮像システム110を制御して、ウェハ104を底部シュラウド開口140内に位置決めし、ウェハの画像202を取り込み、更なる処理のためにウェハを半導体ウェハ処理システム100に返す。データ管理モジュール304は、各ウェハ104用の識別情報を記録し、解析のための画像202を保存し、データ解析モジュール306に画像202が解析の準備ができたことを通知する。データ解析モジュール306は、画像202を解析し、ウェハが更なる処理に許容されるかを判断し、必要であれば、半導体ウェハ処理システム100を制御することでウェハを製造プロセスから取り除く。
【0050】
コンピュータプログラム300は、3つのモジュール全てを含む単一のプログラムであってもよく、互いに相互作用する複数のプログラムであってもよい。例えば、第1の実施形態では、コンピュータプログラム300は、3つのモジュール全てを含む単一のプログラムである。この実施形態では、コンピュータプログラム300は、他のウェハが撮像され解析される前にウェハ104を撮像し解析する。モジュール302-306は、他のウェハ104が撮像され解析される前に、順次実行される。
【0051】
第2の実施形態では、コンピュータプログラム300は、モジュール302-306を不連続で実行する単一のプログラムを含む。例えば、この実施形態では、コンピュータプログラム300は、画像取り込みモジュール302とデータ管理モジュール304とを順次実行してもよいが、複数のウェハ104が撮像されるまでデータ解析モジュール306を実行せず、コントローラ112がウェハを一括して解析できるようにしてもよい。データ解析モジュール306でエラーがあるとき、画像202は、後の解析のためにデータ管理モジュール304によって保存される。
【0052】
第3の実施形態では、コンピュータプログラム300は、それぞれ1以上のモジュール302-306を含む複数のプログラムを含む。この実施形態では、モジュール302-306は、モジュール302-306が不連続で実行され得るように、別個のプログラムに分離されている。例えば、第1コンピュータプログラムは、画像取り込みモジュール302とデータ管理モジュール304とを含んでもよく、第2コンピュータプログラムは、データ解析モジュール306を含んでもよい。また、第1コンピュータプログラムおよび第2コンピュータプログラムは、異なるコントローラ112またはコンピューティングデバイス上で実行されてもよく、コントローラが、画像202を同時に解析することなく、画像取り込みモジュール302およびデータ管理モジュール304を実行することを可能にする。第3の実施形態によれば、データ解析モジュール306および/またはデータ解析モジュールを実行するコントローラまたはコンピューティングデバイスが一時的に解析を実行することができなくなった場合であっても、製造プロセスを続けることができる。
【0053】
図19から図21は、ウェハ104の撮像および解析の方法のフロー図である。各モジュール302-306は、方法400の特定のステップを実行し、モジュールは、不連続で実行されてもよい。方法400は、上述したように半導体ウェハ撮像システム110を用いてウェハ104を撮像すること402を含む。具体的には、半導体ウェハ撮像システム110を用いてウェハ104を撮像すること402は、エンドエフェクタ120を用いて底部シュラウド開口140内にウェハ104を位置決めすること404と、照明パネル144を用いてウェハ104へ拡散光を向けること406と、ウェハで拡散光を反射させること408と、ウェハの画像202を生成するためにカメラ146で拡散光を検出すること410とを含む。
【0054】
方法400は、画像を保存および送信すること412を含む。画像202は、コントローラ112に送信され、コントローラは、他のウェハ104が撮像される前に画像を解析する。コントローラ112は、カメラ146から画像を受け取るとすぐに、画像を解析する。しかしながら、コントローラ112および/または解析は、製造プロセスにおいてボトルネックを生じさせることがある。製造時間を短縮するために、カメラ146は、ウェハ識別番号とともに画像をコントローラ112に送信してもよく、コントローラは、ウェハ104が製造プロセスを進んでいるときに画像を解析してもよい。
【0055】
方法400は、ウェハの欠陥を検出するためにコントローラ112を用いてウェハ104を解析すること414を更に含む。欠陥は、ボイド(転写層境界210と交差しない転写層206内の欠損部分)、縁ボイド(転写層境界210と交差する転写層206の欠損部分)、非対称なテラス幅212、大きすぎるまたは小さすぎるノッチテラス幅、ウェハ104内での転写層206のアライメント、テラス幅の面積および対称性の様々なメトリクス、汚れ(暗い領域および/または明るい領域)、および/またはベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212のうちの少なくとも1つに含まれる他の任意の欠陥を含む。上述したように、透明プレート190の頂面196上のリフレクタ200の配置は、画像202に周期的なアーチファクト214の規則的な幾何学配列を生じさせることがある。周期的なアーチファクト214を除去または低減するために、ウェハの欠陥を検出するためにコントローラ112を用いてウェハ104を解析すること414は、周期的なアーチファクト214を除去または低減するために画像202にソフトウェアフィルタを適用すること416を含んでもよい。
【0056】
ソフトウェアフィルタは、画像202から周期的なアーチファクト214を識別し、除去する高速フーリエ変換(FFT)を含んでもよい。具体的には、周期的なアーチファクト214のグリッドパターンが規則的に間隔を開けた周期的配列であるため、FFTは、画像202を正弦成分および余弦成分に分解し、画像202が空間領域相当である一方で、フーリエまたは周波数領域で出力画像216(図17に示す)を生成する。周期的なアーチファクト214のグリッドパターンの規則的な間隔は、FFTが画像202から周期的なアーチファクト214を識別することを可能にする。出力画像216において、各点は、空間領域画像または画像202に含まれる特定の周波数を表している。具体的には、コントローラ112は、生のFFT画像218(図15に示す)を生成し418、画像202の周期的なアーチファクト214を検出し420、画像から周期的なアーチファクト214を除去または低減し422、画像を出力画像216(図17に示し、画像216の模式的表示217を図16に示す)に変換する424。ソフトウェアフィルタは、ウェハ、拡散プレート、および/またはカメラの並進位置変動に対して鈍感であり、ウェハ、拡散プレート、またはカメラの回転位置変動に対して基本的に自己補正式であるので、ソフトウェアフィルタは、ウェハ104の欠陥を検出するための画像202の解析に先立って、画像202を改善する。
【0057】
高倍率では、透明プレート190の頂面196上のリフレクタ200の配置により生じた周期的なアーチファクト214を視認することができる。周期的なアーチファクト214のグリッドパターンは、解析414の結果の精度を低下させる可能性がある。画像202を周波数領域に変換すると、周期的なアーチファクト214は、生のFFT画像218上の高輝度スポット228として表現される。生のFFT画像218で高輝度スポット228を除去し、生のFFT画像218を空間領域画像に戻して変換することで、周期的なアーチファクト214のグリッドパターンを画像202から除去することができる。
【0058】
生のFFT画像218は、FFT解析の可視化を可能にするために生成され、生のFFT画像218の態様は、FFT解析の特定の態様の可視化を可能にする。例えば、生のFFT画像218は、従来のFFT法を用いて生成され、中心スポット224と一対の垂直軸226とを含む。中心スポット224の大きさは、画像202における周期的なアーチファクト214間の周期または距離を視覚的に表している。また、生のFFT画像218は、高輝度スポット228を含み、垂直軸226は、高輝度スポット228と整列している。図14に示すように、周期的なアーチファクト214のグリッドパターンは、斜めに配向している。高輝度スポット228は、周期的なアーチファクト214のグリッドパターンの配向角度と同じ角度で配向しており、一対の垂直軸226は、高強度スポット228および周期的なアーチファクト214のグリッドパターンと同じ角度で配向している。したがって、生のFFT画像218は、FFT解析の可視化を可能にする。
【0059】
出力画像216が生成されると、コントローラ112は、出力画像を解析して、ウェハ104の欠陥を検出する。具体的には、コントローラ112は、出力画像216において、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、テラス幅212、およびノッチ222を検出する426。より具体的には、コントローラ112は、出力画像216においてウェハ境界を分割および分離することでウェハ境界208を検出し428、出力画像216において転写層境界を分割および分離することで転写層境界210を検出する430。転写層206、ノッチ222、および転写層中のボイドの境界は、画像ぼかし、勾配計算、高勾配縁検出、および縁検出からの輪郭計算を含む画像処理の様々な手法を用いて分割される。境界が曖昧であるかぼんやりしているとき、縁位置を強調するために更なる処理が行われ、出力画像216が不完全な縁または欠損した縁を有しているいくつかの実施形態では、可能であれば境界閉鎖の推定が行われる。例えば、小さな縁セグメントが欠損しているとき、縁境界外挿法が使用されてもよく、検出された縁は、縁検出手法によって導入れたノイズを低減するために平滑化されてもよい。コントローラ112が閉鎖を推定できない場合、出力画像216は、手動検査のためのフラグが立てられる。
【0060】
出力画像216において、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212が検出された後、コントローラ112は、検出された領域を欠陥について解析する432。より具体的には、コントローラ112は、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212のうちの少なくとも1つを欠陥について解析する432。例えば、コントローラ112は、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212のうちの少なくとも1つの特徴を検出し434、検出された特徴を定量化したメトリクスに定量化する。次に、コントローラ112は、定量化したメトリクスを所定のメトリクスと比較し438、比較に基づいて、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212のうちの少なくとも1つの欠陥を検出する440。
【0061】
具体的には、ベース204、ウェハ境界208、転写層206、転写層境界210、およびテラス幅212のうちの少なくとも1つの特徴を検出すること434と、検出された特徴を定量化したメトリクスに定量化すること436は、テラス幅212を検出することと、テラス幅212の検出された特徴を、様々なグローバルおよびローカルテラス幅統計値に定量化することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、テラス幅212は、ウェハ104の縁周りに、12個の30°セグメントに分割されており、テラス幅212の検出された特徴は、各セグメントに基づいてローカルテラス幅統計値に定量化される。
【0062】
図22は、画像解析プロセスによってカメラ146(図9に示す)に対してエンドエフェクタ120(図12に示す)および/またはウェハ104の位置を較正するときに使用するグラフィカルユーザインターフェースディスプレイ500を示している。ユーザインターフェースディスプレイ500は、ウェハ104の取り込み画像502と、センタリングメータ504-508を表示している。画像解析によりエンドエフェクタ120および/またはウェハ104の位置を較正するために、エンドエフェクタ120は、底部シュラウド開口140(図5に示す)の下方かつ少なくとも部分的にカメラ146の視野184(図9に示す)内に位置決めされる。カメラ146は、ウェハ104の画像502を取り込み、画像502は、コントローラ112に送信される。次に、コントローラ112は、ウェハ104の取り込み画像502を解析して、ウェハ104が予め決められた位置決め範囲内あり、視野184内で適切に中心に位置しているかどうかを判断する。コントローラ112が、ウェハ104が視野184内で適切に中心に位置していないと判断したとき、ウェハ104および/またはエンドエフェクタ120は、その判断に基づいて調整される。調整後、新しい画像が取り込まれ、コントローラ112は、ウェハ104の検出された位置が予め決められた位置決め範囲内にあるかどうかを再度判断する。画像解析プロセスは、図12に関して上述したエンドエフェクタポジショナ174と共に、あるいはその代替として使用されてもよい。
【0063】
動作中、ウェハ104が視野184内で適切に中心に位置しているかどうかを判断するために、コントローラ112は、図14図21に関して上述したように、ウェハ104の画像502を取り込み、ウェハ104の境界208を検出する。次に、コントローラ112は、取り込み画像502上で、画像502の縁510-516とウェハ境界208との間の距離を測定する。
【0064】
例えば、X軸に沿った位置決めに関して、コントローラ112は、取り込み画像502の第1側縁510からウェハ境界208までの第1水平距離X1と、画像502の第2側縁512からウェハ境界208までの第2水平距離X2とを測定する。次に、コントローラ112は、第1水平距離X1と第2水平距離X2との差に相当するデルタX値を決定する。Y軸に沿った位置決めに関して、コントローラ112は、画像502の底壁514からウェハ境界208までの第1垂直距離Y1と、画像502の頂縁516からウェハ境界208までの第2垂直距離Y2とを測定する。次に、コントローラ112は、第1垂直距離Y1と第2垂直距離Y2との差に相当するデルタY値を決定する。Z軸に沿った位置決めに関して、コントローラは、画像502の縁510-516からのウェハ104の最小ギャップを決定するために、X1,X2,Y1,Y2のうち最小距離を決定する。次に、コントローラ112は、決定されたデルタX値、デルタY値、および最小ギャップ値を、(例えば、センタリングメータ504-508で示されているような)予め決められた許容範囲と比較し、X方向、Y方向、またはZ方向におけるウェハ104および/またはエンドエフェクタ120の更なる調整が必要かどうかを判断する。色分けされたインジケータ520は、ユーザインターフェース500上の画像502上またはその近くに設けられ、ウェハ104がX軸、Y軸、およびZ軸に沿ったそれぞれの範囲内で中心に位置しているかどうかを技術者に示す。例えば、インジケータ520は、デルタX値、デルタY値、または最小ギャップ値のそれぞれが、対応する、理想範囲、許容範囲、または範囲外の範囲内にあるかどうかに基づいて色を変化させる。
【0065】
図22の実施形態では、センタリングメータ504-508は、X軸センタリングメータ504と、Y軸センタリングメータ506と、Z軸またはズームセンタリングメータ508とを備える。センタリングメータ504-508のそれぞれは、理想範囲、許容範囲、および範囲外を示す。コントローラ112は、決定されたデルタX値、デルタY値、および最小ギャップ値をX軸センタリングメータ504、Y軸センタリングメータ506、およびZ軸センタリングメータ508にそれぞれ投影する。図22に示すように、画像502のデルタY値は、-20に等しく、Y軸センタリングメータ506上の-20から20の理想範囲内にある。最小ギャップ値は、25に等しく、Z軸センタリングメータ508上の20から40の理想範囲内にある。デルタX値は、130に等しく、X軸センタリングメータ504上の理想範囲および許容範囲の外側にある。次に、ウェハ104および/またはエンドエフェクタ120の位置決めが調整される(例えば、技術者によって、またはコントローラ112と通信している自動位置決めシステムによって)。特に、ウェハの位置決めは、センタリングメータ504-508に表示された決定値に基づいて調整される。一例として、図22に示されるように、センタリングメータ504-508からの表示結果に基づいて、技術者は、ウェハ104を図22に示すようにページの左側に移動させて、表示されたデルタX値を低減させてもよい。調整後、再度画像が取り込まれ、デルタX値、デルタY値、および最小ギャップ値のそれぞれが全て許容範囲および/または理想範囲内に収まるまで、プロセスが繰り返される。
【0066】
本明細書に記載された半導体ウェハ撮像システムは、ウェハを撮像して、製造プロセス中のウェハの欠陥を検出する。撮像システムは、ウェハが分割された後にウェハを撮像して、劈開プロセス中に形成されたウェハの欠陥を検出する。半導体ウェハ撮像システムがウェハの欠陥を検出した場合、ウェハは製造プロセスから取り除かれ、これによりウェハ製造コストを削減する。ウェハは鏡面状の反射面を有しており、半導体ウェハ撮像システムは、反射面で反射された光源を撮像することなく、ウェハを撮像する。具体的には、半導体ウェハ撮像システムは、カメラおよび照明パネルを取り囲む暗箱を含む。暗箱は、半導体ウェハ撮像システムでの反射を最小化し、照明パネルは、拡散光をウェハに向けて向ける。拡散光は、カメラに向けてウェハで反射される。照明パネルで生成された光は拡散しているため、カメラは、反射された拡散光を検出し、照明パネルを撮像しない。したがって、カメラは、光源ではなく、ウェハを撮像し、これによりコントローラが欠陥のためにウェハを解析することを可能にし、ウェハ製造コストを削減する。
【0067】
本明細書で使用されるように、用語「約(about)」、「実質的に(substantially)」、「本質的に(essentially)」、「約(approximately)」は、寸法、密度、温度、または他の物理的もしくは化学的な性質もしくは特徴の範囲と関連して使用されるとき、性質または特徴の上限および/または下限に存在し得る変動を包含することを意味する。当該変動は、例えば、丸め、測定方法、または他の統計的変動から生じる変動を含む。
【0068】
本開示または本開示の実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素が1以上存在することを意味することを意図している。用語「comprising」、「including」、「containing」、および「having」は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味している。特定の向きを示す用語(例えば「top」、「bottom」、「side」)の使用は、説明の便宜上のものであり、説明された物品の特定の向きを必要とするものではない。
【0069】
本開示の範囲から逸脱することなく、上述の構造および方法において、様々な変更が可能であるため、上述の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図される。
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