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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】検査装置及び焦点位置調整方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241216BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20241216BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20241216BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G03B13/36
G02B7/28 H
H01L21/66 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021177889
(22)【出願日】2021-10-29
(65)【公開番号】P2023066985
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】武田 雅矢
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-020274(JP,A)
【文献】特開2008-112178(JP,A)
【文献】特開2003-177101(JP,A)
【文献】特開2002-044392(JP,A)
【文献】特開2021-128119(JP,A)
【文献】特開2012-237687(JP,A)
【文献】特開平07-086135(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0297600(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0137869(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-G01N21/958
G01N23/00-G01N23/2276
G01B 9/00-G01B11/30
G01B15/00-G01B15/08
H01L21/64-H01L21/66
G02B 7/28-G02B 7/40
G03B 3/00-G03B 3/12
G03B13/30-G03B13/36
G03B21/53
H01L21/64-H01L21/66
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream3)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が載置されるステージと、
前記試料の検査領域を複数のストライプに仮想的に分割してストライプ毎にスキャンする際に、スキャンに用いられる光を照射する照明光学系と、
前記光の焦点位置検出に用いられる第1センサを含み、前記試料に照射された前記光を前記第1センサ上に結像させる結像光学系と、
前記第1センサが受光した前記光に基づいて前記光の前記焦点位置を検出し、検出した前記焦点位置に基づいてオートフォーカス制御信号を生成する検出回路と、
スキャンした結果に基づいて、前記ストライプ毎に前記試料の座標データに基づく焦点位置データを生成する生成回路と、
スキャン速度とオートフォーカスの追従速度とにより決定されるシフト量を用いて、前記焦点位置データの前記座標データを前記ステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、フォーカスオフセット値を設定する設定回路と、
前記オートフォーカス制御信号と前記フォーカスオフセット値とに基づいて、前記光の合焦位置が前記試料の表面となるように前記ステージ高さ位置を制御する制御回路と
を備え
前記設定回路は、
前記複数のストライプのうちの第1ストライプをスキャンする場合、前記第1ストライプをダミースキャンした結果に基づく前記焦点位置データの前記座標データを、前記第1ストライプに対する前記ステージの前記進行方向にシフトさせた結果に基づいて、前記第1ストライプに対応する前記フォーカスオフセット値を設定し、
前記複数のストライプのうちの第2ストライプをスキャンする場合、前記第2ストライプをダミースキャンした結果に基づく前記焦点位置データの前記座標データを、前記第2ストライプに対する前記ステージの前記進行方向にシフトさせた結果に基づいて、前記第2ストライプに対応する前記フォーカスオフセット値を設定し、
前記複数のストライプのうちの第nストライプ(nは3以上の自然数)をスキャンする場合、第(n-2)ストライプをスキャンした結果に基づく前記焦点位置データの前記座標データを、前記第nストライプに対する前記ステージの前記進行方向にシフトさせた結果に基づいて、前記第nストライプに対応する前記フォーカスオフセット値を設定する、
検査装置。
【請求項2】
前記第2ストライプに対する前記ステージの前記進行方向は、前記第1ストライプに対する前記ステージの前記進行方向と逆方向である、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記生成回路は、前記複数のストライプダミースキャンまたはスキャンした結果に基づいて、前記ストライプ毎に移動平均による前記ステージの前記高さ位置の近似データを生成する、
請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第(n-2)ストライプに対する前記ステージの前記進行方向と、前記第nストライプに対する前記ステージの前記進行方向とは、同じである、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記結像光学系は、光学画像撮像用の第2センサを更に含み、
前記試料をスキャンする場合、光学画像が撮像され、
前記試料をダミースキャンする場合、前記光学画像が撮像されない、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
ステージ上に載置された試料の検査領域を複数のストライプに仮想的に分割してストライプ毎にスキャンする光の焦点位置調整方法であって、前記焦点位置調整方法は、
前記複数のストライプのうちの第1ストライプをダミースキャンする工程と、
前記第1ストライプをダミースキャンした結果に基づいて、第(-1)焦点位置データを生成する工程と、
前記複数のストライプのうちの第2ストライプをダミースキャンする工程と、
前記第2ストライプをダミースキャンした結果に基づいて、第0焦点位置データを生成する工程と、
前記複数のストライプのうちの第nストライプ(nは自然数)をスキャンする場合、スキャン速度とオートフォーカスの追従速度とに基づいて決定されるシフト量を用いて、(n-2)焦点位置データの第(n-2)座標データを前記第nストライプに対する前記ステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて前記第nストライプのフォーカスオフセット値を設定する工程と、
記フォーカスオフセット値と前記光の焦点位置検出結果とに基づいて、前記光の合焦位置が前記試料の表面となるように前記ステージの高さ位置を制御して、前記第nストライプをスキャンする工程と
前記第nストライプをスキャンした結果から、第n焦点位置データを生成する工程と
を備える、焦点位置調整方法。
【請求項7】
前記第2ストライプに対する前記ステージの前記進行方向は、前記第1ストライプに対する前記ステージの前記進行方向と逆方向である、
請求項6に記載の焦点位置調整方法。
【請求項8】
前記第(-焦点位置データを生成する前記工程において、前記第1ストライプダミースキャンした前記結果に基づいて、移動平均により、前記第1ストライプにおける前記ステージの前記高さ位置の近似データが生成され
前記第0焦点位置データを生成する前記工程において、前記第2ストライプをダミースキャンした前記結果に基づいて、前記移動平均により、前記第2ストライプにおける前記ステージの前記高さ位置の前記近似データが生成され、
前記第n焦点位置データを生成する前記工程において、前記第nストライプをスキャンした前記結果に基づいて、前記移動平均により、前記第nストライプにおける前記ステージの前記高さ位置の前記近似データが生成される、
請求項6または7に記載の焦点位置調整方法。
【請求項9】
第(n-2)ストライプに対する前記ステージの前記進行方向と、前記第nストライプに対する前記ステージの前記進行方向とは、同じである、
請求項6に記載の焦点位置調整方法。
【請求項10】
前記第nストライプをスキャンする前記工程において、光学画像が撮像され、
前記第1ストライプをダミースキャンする前記工程及び前記第2ストライプをダミースキャンする前記工程において、前記光学画像が撮像されない、
請求項6に記載の焦点位置調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、試料上に形成されたパターンを検査するための検査装置及び焦点位置調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程では、露光装置(「ステッパ―」または「スキャナー」とも呼ばれる)を用いた縮小露光により、回路パターンが半導体基板上に転写される。露光装置では、原画パターン(以下、単に「パターン」とも表記する)が形成されたマスク(「レチクル」とも呼ばれる)が用いられる。
【0003】
半導体デバイスの製造において、歩留まりを低下させる要因の1つとして、マスクのパターン欠陥がある。
【0004】
例えば、最先端のデバイスでは、数nmの線幅のパターンの形成が要求される。パターンの微細化に伴い、マスクにおけるパターンの欠陥も微細化している。したがって、マスクの検査装置には、微細な欠陥の検出精度の向上が求められている。
【0005】
マスクの検査装置では、マスクは、ステージ上に載置される。そして、ステージが移動することによって、光学系を介して照射された光がマスク上を走査する。マスクを透過、または反射した光は、レンズを介してセンサに結像される。これにより、光学画像が取得される。
【0006】
微細なパターンの光学画像を撮像するために、検査装置の光学系における高倍率化と高NA(Numerical Aperture)化が進められている。これに伴い、光学系とマスクとの焦点深度が浅くなる。焦点深度が浅くなると、光学系とマスクとの距離が僅かに変化しただけで、光の焦点ずれが生じる。この結果、光学画像のパターン像がぼやけ、光学画像の取得及び欠陥検出処理に支障を来たす。焦点ずれを抑制するため、リアルタイムオートフォーカス機構を備えた検査装置が知られている。
【0007】
例えば、特許文献1には、ある検査領域の焦点位置情報の多項式近似の演算処理を行い、その演算結果に基づいて、隣接する検査領域の焦点位置制御を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2010-217317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
検査速度向上のため、光走査時のステージ移動速度を向上させると、オートフォーカスの追従に遅れが生じ、急峻な段差に対して焦点ずれが発生する場合がある。
【0010】
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、オートフォーカスの追従遅れを低減できる検査装置及び焦点位置調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、検査装置は、試料が載置されるステージと、試料の検査領域を複数のストライプに仮想的に分割してストライプ毎にスキャンする際に、スキャンに用いられる光を照射する照明光学系と、光の焦点位置検出に用いられる第1センサを含み、試料に照射された光を第1センサ上に結像させる結像光学系と、第1センサが受光した光に基づいて光の焦点位置を検出し、検出した焦点位置に基づいてオートフォーカス制御信号を生成する検出回路と、スキャンした結果に基づいて、ストライプ毎に試料の座標データに基づく焦点位置データを生成する生成回路と、スキャン速度とオートフォーカスの追従速度とにより決定されるシフト量を用いて、焦点位置データの座標データをステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、フォーカスオフセット値を設定する設定回路と、オートフォーカス制御信号とフォーカスオフセット値とに基づいて、光の合焦位置が試料の表面となるようにステージ高さ位置を制御する制御回路と、を含む。設定回路は、複数のストライプのうちの第1ストライプをスキャンする場合、第1ストライプをダミースキャンした結果に基づく焦点位置データの座標データを、第1ストライプに対するステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、第1ストライプに対応するフォーカスオフセット値を設定し、複数のストライプのうちの第2ストライプをスキャンする場合、第2ストライプをダミースキャンした結果に基づく焦点位置データの座標データを、第2ストライプに対するステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、第2ストライプに対応するフォーカスオフセット値を設定し、複数のストライプのうちの第nストライプ(nは3以上の自然数)をスキャンする場合、第(n-2)ストライプをスキャンした結果に基づく焦点位置データの座標データを、第nストライプに対するステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、第nストライプに対応するフォーカスオフセット値を設定する。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、第2ストライプに対するステージの進行方向は、第1ストライプに対するステージの進行方向と逆方向であることが好ましい。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、生成回路は、複数のストライプダミースキャンまたはスキャンした結果に基づいて、ストライプ毎に移動平均によるステージ高さ位置の近似データを生成することが好ましい。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、第(n-2)ストライプに対するステージの進行方向と、第nストライプに対するステージの進行方向とは、同じであることが好ましい。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、結像光学系は、光学画像撮像用の第2センサを更に含む。試料をスキャンする場合、光学画像が撮像され、試料をダミースキャンする場合、光学画像が撮像されないことが好ましい。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、ステージ上に載置された試料の検査領域を複数のストライプに仮想的に分割してストライプ毎にスキャンする光の焦点位置調整方法は、複数のストライプのうちの第1ストライプをダミースキャンする工程と、第1ストライプをダミースキャンした結果に基づいて、第(-1)焦点位置データを生成する工程と、複数のストライプのうちの第2ストライプをダミースキャンする工程と、第2ストライプをダミースキャンした結果に基づいて、第0焦点位置データを生成する工程と、複数のストライプのうちの第nストライプ(nは自然数)をスキャンする場合、スキャン速度とオートフォーカスの追従速度とに基づいて決定されるシフト量を用いて、(n-2)焦点位置データの第(n-2)座標データを第nストライプに対するステージの進行方向にシフトさせた結果に基づいて、第nストライプのフォーカスオフセット値を設定する工程と、フォーカスオフセット値と光の焦点位置検出結果とに基づいて、光の合焦位置が試料の表面となるようにステージの高さ位置を制御して、第nストライプをスキャンする工程と、第nストライプをスキャンした結果から、第n焦点位置データを生成する工程とを含む。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、第2ストライプに対するステージの進行方向は、第2ストライプに対するステージの進行方向と逆方向であることが好ましい。
【0018】
本発明の第2の態様によれば、第(-焦点位置データを生成する工程において、第1ストライプダミースキャンした結果に基づいて、移動平均により、ステージの高さ位置の近似データが生成され、第0焦点位置データを生成する工程において、第2ストライプをダミースキャンした結果に基づいて、移動平均により、第2ストライプにおけるステージの高さ位置の近似データが生成され、第n焦点位置データを生成する工程において、第nストライプをスキャンした結果に基づいて、移動平均により、第nストライプにおけるステージの高さ位置の近似データが生成されることが好ましい。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、第(n-2)ストライプに対するステージの進行方向と、第nストライプに対するステージの進行方向とは、同じであることが好ましい。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、第nストライプをスキャンする工程において、光学画像が撮像され、第1ストライプをダミースキャンする工程及び第2ストライプをダミースキャンする工程において、光学画像が撮像されないことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の検査装置及び焦点位置調整方法によれば、オートフォーカスの追従遅れを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一実施形態に係る検査装置の全体構成を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る検査装置の照明光学系140及び結像光学系150のブロック図である。
図3図3は、一実施形態に係る検査装置におけるマスクの検査領域の一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係る検査装置における検査工程のフローチャートである。
図5図5は、一実施形態に係る検査装置における光学画像取得の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、移動平均と多項式近似とによるZ座標の近似データの具体例を示す図である。
図7図7は、一実施形態に係る検査装置において、ストライプをFWD方向にスキャンした場合の焦点位置データの先読みの一例を示す図である。
図8図8は、一実施形態に係る検査装置において、ストライプをBWD方向にスキャンした場合の焦点位置データの先読みの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
【0024】
以下では、試料の検査装置として、マスクの検査装置を例にあげて説明する。なお、本実施形態では、検査装置が光学画像を撮像する場合について説明するが、これに限定されない。検査装置は、検査画像として、例えば走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いた電子線画像を撮像してもよい。
【0025】
更に、本実施形態では、検査対象となる試料がフォトリソグラフィ法などで使用されるマスクである場合について説明するが、これに限定されない。例えば、ナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)に用いられるテンプレート、または、ウェハ(半導体基板)等、表面にパターンが設けられている試料であればよい。
【0026】
更に、本実施形態では、検査装置におけるマスクの欠陥検査方式として、検査画像と、設計データに基づく参照画像とを比較するD-DB(Die to Database)方式について、説明するがこれに限定されない。欠陥検査方式は、検査画像と、マスク上に形成された同一パターンからなる複数の領域の画像とを比較するD-D(Die to Die)方式であってもよい。
【0027】
更に、実施形態で説明した焦点位置調整方法は、検査装置に限定されず、例えば、マスクの作製に用いられる荷電粒子ビーム照射装置等、他の装置に適用されてもよい。
【0028】
1.検査装置の全体構成
まず、図1を参照して、検査装置1の全体構成の一例について説明する。図1は、検査装置1の全体構成を示す図である。なお、図1の例は、マスク2を反射した光(以下、「反射光」とも表記する)を用いて光学画像を取得する構成を示しているが、検査装置1はこれに限定されない。検査装置1は、マスク2を透過した光(以下、「透過光」とも表記する)を用いて光学画像を取得する構成であってもよい。また、検査装置1は、反射光を用いた光学画像と透過光を用いた光学画像とを取得する構成であってもよい。
【0029】
図1に示すように、検査装置1は、画像取得機構10と制御機構20とを含む。本実施形態の検査装置1は、オートフォーカス機構を有する。
【0030】
画像取得機構10は、ステージ110、XY駆動部120、Z駆動部130、照明光学系140、結像光学系150、センサ回路160、焦点位置検出回路170、レーザ測長システム180、並びにオートローダ190を含む。
【0031】
ステージ110は、ステージ110の表面に平行なX方向、ステージ110の表面に平行であり且つX方向と交差するY方向、並びにステージ110の表面に垂直なZ方向に移動可能である。マスク2は、ステージ110の上に載置される。
【0032】
XY駆動部120は、ステージ110を、X方向及びY方向から構成されるXY平面上を移動させるための駆動機構を有する。より具体的には、XY駆動部120は、ステージ110をX方向に駆動させるX軸モータ121及びステージ110をY方向に駆動させるY軸モータ122を含む。X軸モータ121及びY軸モータ122には、例えばステッピングモータを用いることができる。なお、XY駆動部120は、例えば、Z方向を回転軸として、ステージ110をXY平面上で回転軸周りに回転させる回転軸モータを有していてもよい。
【0033】
マスク2の検査領域は、例えば、Y方向に沿って複数のストライプ状に仮想的に分割される。以下、分割された検査領域の各々を「ストライプ」と表記する。XY駆動部120は、分割された各ストライプを連続的に光走査(スキャン)するように、ステージ110の動作を制御する。
【0034】
Z駆動部130は、ステージ110をZ方向に移動させるための駆動機構を有する。より具体的には、例えば、Z駆動部130は、ステージ110をZ方向に駆動させる複数のZ軸アクチュエータ131を含む。Z軸アクチュエータ131には、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いたアクチュエータを用いることができる。
【0035】
照明光学系140は、光源を含み、光源から射出された照明光をマスク2に照射する。照明光学系の詳細は後述する。
【0036】
結像光学系150は、マスク2の反射光をセンサ上に結像させる。結像光学系150は、光学画像撮像用のセンサ及び焦点位置測定用のセンサを含む。結像光学系150の詳細は後述する。
【0037】
センサ回路160は、結像光学系150内の光学画像撮像用のセンサから受信した電気信号をA/D(アナログ/デジタル)変換する。センサ回路160は、変換したデジタル信号に基づく光学画像データを制御機構20の比較回路211に送信する。光学画像は、マスク2のパターンに基づく。光学画像では、撮像領域をXY平面上に分割した各画素の明るさ(輝度)が、階調値で表現される。例えば、階調値が8ビットデータで表される場合、各画素の画素値は、0~255の階調値で表される。
【0038】
焦点位置検出回路170は、結像光学系150内の焦点位置測定用のセンサから受信した電気信号に基づいて、焦点位置(焦点のずれ量)を検出する。焦点位置検出回路170は、検出した焦点位置に基づいて焦点位置調整信号を生成する。焦点位置調整信号は、照明光の焦点位置をマスク2のパターン表面に合焦させるための信号である。焦点位置調整信号は、ステージ110のZ座標の補正量の情報を含む。焦点位置検出回路170は、焦点位置調整信号をZ駆動部制御回路207に送信する。焦点位置検出回路170は、オートフォーカス機構に含まれる。
【0039】
レーザ測長システム180は、ステージ110のX方向及びY方向における位置(「ステージ位置」とも表記する)を測定する。レーザ測長システム180は、測定したXY平面におけるステージ位置情報を、制御機構20の位置回路212に送信する。
【0040】
オートローダ190には、複数のマスク2がセットされる。オートローダ190は、検査対象のマスク2をステージ110に搬入する。オートローダ190は、光学画像の撮像が終了したマスク2をステージ110から搬出させる。
【0041】
制御機構20は、制御計算機200、記憶部201、表示部202、入力部203、通信部204、オートローダ制御回路205、XY駆動部制御回路206、Z駆動部制御回路207、FD生成回路208、展開回路209、参照回路210、比較回路211、及び位置回路212を含む。これらは、例えばバスラインを介して互いに接続されている。
【0042】
なお、オートローダ制御回路205、XY駆動部制御回路206、Z駆動部制御回路207、展開回路209、参照回路210、比較回路211、及び位置回路212は、制御計算機200が実行するプログラムによって構成されてもよいし、制御計算機200が備えるハードウェアまたはファームウェアによって構成されてもよいし、制御計算機200によって制御される個別の回路によって構成されてもよい。以下では、これらの回路が、制御計算機200によって実行されるプログラムに基づいて、その機能が実現される場合について説明する。
【0043】
制御計算機200は、検査装置1の全体を制御する。より具体的には、制御計算機200は、画像取得機構10、記憶部201、表示部202、入力部203、通信部204、オートローダ制御回路205、XY駆動部制御回路206、Z駆動部制御回路207、展開回路209、参照回路210、比較回路211、及び位置回路212を制御する。そして、制御計算機200は、画像取得機構10を制御して光学画像を取得する。また、制御計算機200は、制御機構20を制御して、参照画像を生成する。制御計算機200は、光学画像と参照画像とを比較し、パターンの欠陥等を検出する。制御計算機200は、例えば、図示せぬCPU(Central Processing Unit)を含む。CPUは、例えば、記憶部201内の検査プログラム223を実行する。なお、制御計算機200は、例えば、マイクロプロセッサなどのCPUデバイスであってもよいし、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であってもよい。また、制御計算機200の少なくとも一部の機能が、特定用途集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Alley)、または、グラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)等の他の集積回路によって担われてもよい。
【0044】
記憶部201は、検査に関する情報を記憶する。より具体的には、記憶部201は、設計データ220、検査条件221、検査データ222、及び検査プログラム223等を記憶する。なお、記憶部201は、外部ストレージとして、磁気ディスク記憶装置(HDD:Hard Disk Drive)またはソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)等の各種記憶装置を含んでいてもよい。
【0045】
設計データ220は、マスク2の設計データである。
【0046】
検査条件221は、撮像条件及び検査条件等のパラメータを含む。
【0047】
検査データ222は、参照画像、光学画像、及び検査結果に関するデータを含む。また、検査データ222は、焦点位置データFDを含む。焦点位置データFDは、マスク2を光走査(スキャン)した際のマスク2(ステージ110)のX座標、Y座標、及びZ座標に基づくデータである。
【0048】
検査プログラム223は、パターン検査を実行するためのプログラムである。記憶部201は、非一時的な記憶媒体として、検査プログラム223を記憶する。例えば、検査プログラム223は、ROM(Read Only Memory)に記憶される。
【0049】
表示部202は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示部202は、音声出力装置を含んでいてもよい。
【0050】
入力部203は、キーボード、マウス、タッチパネル、またはボタンスイッチなどの入力装置である。
【0051】
通信部204は、外部装置との間でデータの送受信を行うために、ネットワークに接続するための装置である。通信には、各種の通信規格が用いられ得る。例えば、通信部204は、外部装置から設計データを受信し、検査の結果を外部装置に送信する。
【0052】
オートローダ制御回路205は、オートローダ190の動作を制御する。オートローダ制御回路205は、オートローダ190を操作して、検査対象のマスク2をステージ110に搬入させる。また、オートローダ制御回路205は、オートローダ190を操作して、ステージ110からマスク2を搬出させる。
【0053】
XY駆動部制御回路206は、XY駆動部120を制御する。例えば、XY駆動部制御回路206は、位置回路212を介してレーザ測長システム180が測定したステージ110のXY平面上の位置測定結果(X座標及びY座標)を取得し、取得した結果に基づいてXY駆動部120を制御する。
【0054】
Z駆動部制御回路207は、Z駆動部130を制御する。本実施形態のZ駆動部制御回路207は、フォーカスオフセット値と焦点位置調整信号(オートフォーカス制御信号)とに基づいて、Z座標を決定する。フォーカスオフセット値は、スキャンに用いられるステージ110の位置の設定値(X座標、Y座標、及びZ座標)である。Z駆動部制御回路207は、オートフォーカス機構に含まれる。
【0055】
Z駆動部制御回路207は、オフセット設定回路230を含む。オフセット設定回路230は、記憶部201から読み出した焦点位置データFDに基づいて、フォーカスオフセット値を設定する。本実施形態のオフセット設定回路230は、マスク2の任意のストライプを同一方向にスキャンしたときの焦点位置データFDを用いてフォーカスオフセット値を設定する。このとき、オフセット設定回路230は、例えば、焦点位置データFDのZ座標の情報をステージ110の移動方向に対して先読みをして、フォーカスオフセット値を設定する。フォーカスオフセット値設定の詳細については、後述する。
【0056】
FD生成回路208は、ストライプをスキャンした結果に基づいて、焦点位置データFDを生成する。より具体的には、FD生成回路208は、例えば1つのストライプをスキャンした際の連続するZ座標(ステージ110の高さ位置)のデータを用いて、移動平均による近似データを算出する。そして、FD生成回路208は、例えば、Z座標の近似データと、X座標及びY座標のデータと、を関連付けて、焦点位置データFDを生成する。なお、焦点位置データFDは、ストライプの番号等の情報も含んでいてもよい。X座標、Y座標、及びZ座標のデータは、位置回路212等から取得したステージ110の位置測定の結果であってもよいし、XY駆動部120及びZ駆動部130によるステージ110の位置の制御情報であってもよい。FD生成回路208は、焦点位置データFDを記憶部201に送信する。
【0057】
展開回路209は、例えば、設計データ220を、2値または多値の画像データに展開(変換)する。より具体的には、展開回路209は、例えば、記憶部201に保持されている設計データ220をパターン(図形)毎のデータに展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、展開回路209は、設計データ220を、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして、2値または多値の画像(以下、「展開画像」と表記する)に展開する。そして、展開回路209は、展開画像の画素毎に図形が占める占有率を演算する。このようにして、演算された各画素内の図形占有率が展開画像の画素値である。例えば、展開画像の画素値が8ビットの階調値で表される場合、各画素の画素値は、0~255の階調値で表される。展開回路209は、参照回路210に、生成した展開画像を送信する。
【0058】
参照回路210は、展開画像を用いて参照画像を生成する。参照回路210は、生成した参照画像を比較回路211に送信する。
【0059】
比較回路211は、センサ回路160から受信した光学画像と、参照回路210から受信した参照画像とを、適切なアルゴリズムを用いて比較する。そして、比較回路211は、光学画像と参照画像との階調値差が予め設定された閾値を超えた場合には、対応するマスク2の座標位置(X座標及びY座標)に欠陥があると判定する。比較回路211は、検査データを記憶部201に記憶する。また、比較回路211は、検査データを表示部202に表示してもよいし、通信部204を介して外部に出力してもよい。
【0060】
位置回路212は、レーザ測長システム180から受信したデータに基づいて、ステージ110のXY平面上の位置データを生成する。
【0061】
2.照明光学系及び結像光学系の構成
次に、図2を参照して、照明光学系140及び結像光学系150の構成の一例について説明する。図2は、照明光学系140及び結像光学系150のブロック図である。
【0062】
まず、照明光学系140の構成について説明する。
図2に示すように、照明光学系140は、光源301及び302、ダイクロイックミラー303、レンズ304、スリット305、レンズ306、ハーフミラー307、及び対物レンズ308を含む。
【0063】
光源301及び302は、マスク2に照射する光を射出する。光源301及び302から射出される光の波長は、互いに異なる。光源301及び302は、いずれか一方または両方同時に光を射出できる。例えば、光源301は、光学画像の撮像及び焦点位置検出に用いられる。光源301の光の波長とマスクパターンのレイアウトとの関係により、マスク2を反射した光の回折光の影響によって焦点位置検出の精度が低下する場合にある。このような場合、光源302が焦点位置検出に用いられる。なお、2つの光源を有することについて説明をしたが、光源は1つ(例えば光源301)であってもよく、その場合、ダイクロイックミラー303は不要となる。
【0064】
ダイクロイックミラー303は、光源301及び302の光分離手段として用いられる。本実施形態のダイクロイックミラー303は、光源301からの光を透過し、光源302からの光を反射する。なお、ダイクロイックミラー303は、光源301からの光を反射し、光源302からの光を透過してもよい。
【0065】
ダイクロイックミラー303を透過または反射した光は、光軸L1に沿って伝搬し、レンズ304に入射する。
【0066】
レンズ304を通過した光の一部は、スリット305を通過する。スリット305を通過した光は、焦点位置検出に用いられる。レンズ304を通過した光及びスリット305を通過した光は、レンズ306に入射する。
【0067】
レンズ306により屈折された光は、ハーフミラー307に入射する。ハーフミラー307に入射された光の一部は反射され、対物レンズ308に入射する。
【0068】
対物レンズ308は、光をマスク2のパターン表面に集光させる。このとき、スリット305を通過した光は、マスク2の光学画像の撮像領域外に集光される。なお、対物レンズ308は、鏡筒内に複数のレンズが配置された構造であってもよい。
【0069】
ステージ110は、対物レンズ308を通過した光の合焦位置がマスク2のパターン表面となるように、Z方向に移動する。以下の説明では、Z方向において、対物レンズ308から遠ざかる方向を限定する場合、+Z方向と表記し、対物レンズ308に近づく方向を限定する場合、-Z方向と表記する。
【0070】
次に、結像光学系150の構成について説明する。結像光学系150は、対物レンズ308、ハーフミラー307、314、及び316、レンズ309、311~313、及び315、ミラー310、スリット317及び318、フォトダイオードアレイ320、並びにセンサ321~323を含む。レンズ313及び315、ハーフミラー314及び316、スリット317及び318、並びにセンサ321~323は、オートフォーカス機構に含まれる。
【0071】
マスク2を反射して対物レンズ308を通過した光の一部は、ハーフミラー307を通過し、レンズ309に入射する。レンズ309において屈折された光は、光軸に対し、略平行な状態となる。
【0072】
レンズ309を通過した光の一部は、レンズ311及び312を通過する。レンズ311及び312は、光をフォトダイオードアレイ320上に結像させる。
【0073】
フォトダイオードアレイ320は、光学画像撮像用のセンサである。フォトダイオードアレイ320は、結像された光を光電変換して、電気信号を生成する。フォトダイオードアレイ320は、電気信号をセンサ回路160に送信する。より具体的には、フォトダイオードアレイ320は、図示せぬ画像センサを含む。画像センサとしては、例えば、撮像素子としてのCCDカメラを一列に並べたラインセンサが用いられてもよい。ラインセンサの例としては、TDI(Time Delay Integration)センサがあげられる。例えば、TDIセンサによって、連続的に移動しているステージ110上に載置されたマスク2のパターンが撮像される。
【0074】
また、レンズ309を通過した光の一部は、ミラー310で反射して、レンズ313に入射する。ここで、ミラー310で反射される光には、スリット305を通過してマスク2を反射した光が含まれる。なお、ミラー310は、ハーフミラーであってもよい。
【0075】
レンズ313において屈折された光は、ハーフミラー314に入射される。
【0076】
ハーフミラー314を反射した光は、センサ321に入射する。
【0077】
センサ321は、照明光学系140の瞳、すなわち、対物レンズ308の瞳、またはこれと共役な位置における瞳の光強度分布の測定に用いられる。センサ321は、受光した光に基づいて、電気信号を生成し、焦点位置検出回路170に送信する。センサ321としては、例えば、2次元センサであるCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサが用いられる。例えば、センサ321において測定された光強度から、回折光の影響が確認できた場合、光源302が焦点位置検出に用いられる。
【0078】
また、ハーフミラー314を透過した光は、レンズ315を通過して、ハーフミラー316に入射する。
【0079】
ハーフミラー316を透過した光は、スリット317を照射する。そして、スリット317を通過した光は、センサ322に入射される。また、ハーフミラー316を反射した光は、スリット318を照射する。そして、スリット318を通過した光は、センサ323に入射される。スリット317及び318は、スリット305を通過し、マスク2を反射した光を通過させるように配置される。このとき、スリット317及び318は、マスク2に対して共役位置の前側と後側に位置するように配置する。なお、スリット317が前側に配置され、スリット318が後側に配置されてもよいし、逆に配置されてもよい。スリット317及び318の幅は、対物レンズ308の開口数NAで拡がる光束の半分、すなわち、対物レンズ308の瞳径の半分に相当する方が好ましい。
【0080】
センサ322及び323は、焦点位置検出用のセンサである。センサ322及び323は、受光した光に基づいて、電気信号を生成し、焦点位置検出回路170に送信する。センサ322及びセンサ323には、例えば、フォトダイオードまたは光電子増幅管が用いられる。焦点位置検出回路170は、共役位置の前側の光量と後側の光量とを比較して、焦点位置(焦点位置からのずれ量)を算出する。共役位置の前側の光量と後側の光量とが等しい場合が、最適な焦点位置となる。
【0081】
なお、結像光学系150において、光源301による光と光源302による光とを分離して、それぞれの光から焦点位置を検出してもよい。この場合、例えば、ハーフミラー314とレンズ315との間にダイクロイックミラーを設ける。ダイクロイックミラーは、例えば、光源301からの光を透過し、光源302からの光を反射する。そして、レンズ315、ハーフミラー316、スリット317及び318、並びにセンサ322及び323により構成される焦点検出系を2組設けて、ダイクロイックミラーの透過光及び反射光から焦点位置をそれぞれ検出してもよい。
【0082】
3.マスクの検査領域
次に、図3を参照して、マスク2の検査領域の一例について説明する。図3は、マスク2の表面を示す図である。以下の説明では、X方向にマスク2がスキャンされ、Y方向に複数のストライプが並んで配置されている場合について説明する。X方向において、図3の紙面左側に向かう方向を限定する場合、-X方向とし、紙面右側に向かう方向を限定する場合、+X方向と表記する。また、Y方向において、図3の紙面下側に向かう方向を限定する場合、-Y方向とし、紙面上側に向かう方向を限定する場合、+Y方向と表記する。
【0083】
図3に示すように、マスク2は、検査領域400を含む。検査領域400には、図示せぬパターンが設けられている。例えば、検査領域400は、マスク2の透過領域であり、検査領域400の外周は、遮光領域である。縮小投影露光装置では、透過領域を透過した光により、パターンが露光される。なお、検査領域400に遮光領域の一部が含まれていてもよい。
【0084】
検査領域400は、Y方向に沿って、複数のストライプSPに仮想的に分割される。ストライプSPは、予め設定された幅の短冊形状を有する。なお、隣り合うストライプSPのY方向の端部は、重複していてもよい。図3の例では、検査領域400は、n個(nは1以上の自然数)のストライプSP1~SPnに分割されている。ストライプSP1~SPnは、+Y方向に向かって順に配置されている。ストライプSP1~SPnが連続的にスキャンされるように、XY駆動部120はステージ110を移動させる。
【0085】
より具体的には、まず、ストライプSP1において、光の照射領域は+X方向に移動する。以下、+X方向に移動する場合を、「FWD方向に移動する」とも表記する。このとき、ステージ110は、-X方向に移動する。以下、-X方向に移動する場合を、「BWD方向に移動する」とも表記する。ストライプSP1のスキャンが終了すると、ストライプSP2のスキャンが実行される。ストライプSP2のスキャンでは、照射領域が-X方向(BWD方向)に移動する。このとき、ステージ110は、+X方向(FWD方向)に移動する。次に、ストライプSP3のスキャンでは、照射領域がFWD方向に移動する。このとき、ステージ110は、-X方向(BWD方向)に移動する。次に、ストライプSP4のスキャンでは、照射領域がBWD方向に移動する。このとき、ステージ110は、+X方向(FWD方向)に移動する。このようにストライプSPnのスキャンが終了するまで、照射領域の移動方向をFWD方向とBWD方向に交互に変えながらスキャンが実行される。すなわち、ストライプSPが奇数の場合、FWD方向にスキャンが実行され、ストライプSPが偶数の場合、BWD方向にスキャンが実行される。
【0086】
4.検査工程の全体の流れ
次に、図4を参照して、検査工程の全体の流れの一例について説明する。図4は、検査工程のフローチャートである。
【0087】
図4に示すように、制御計算機200は、まず、画像取得機構10を制御して、キャリブレーションを実行する(ステップS1)。キャリブレーションにより、センサ回路160において取得される光学画像の画素値(階調値)が調整される。
【0088】
次に、制御計算機200は、スキャンを実行して、マスク2の検査画像(光学画像)を取得する(ステップS2)。取得された光学画像は、比較回路211に送信される。
【0089】
展開回路209は、設計データ220の展開処理を実行する(ステップS3)。より具体的には、展開回路209は、記憶部201に記憶された設計データ220を読み出す。そして、展開回路209は、設計データ220を、例えば8bitの画像データ(展開画像)に展開(変換)する。展開回路209は、生成した展開画像を、参照回路210に送信する。
【0090】
参照回路210は、参照画像を生成する(ステップS4)。参照回路210は、生成した参照画像を比較回路211に送信する。なお、検査画像の取得と参照画像の生成との順序は逆であってもよいし、同時に実行されてもよい。
【0091】
比較回路211は、比較処理を行う(ステップS5)。より具体的には、比較回路211は、まず、光学画像と参照画像とのアライメントを実行し、光学画像内のパターンと、参照画像内のパターンとの位置合わせを行う。次に、比較回路211は、光学画像と参照画像とを比較する。比較回路211は、各画素の画素値(階調値)の差を算出し、階調値差が予め設定された閾値以上である場合、その画素に欠陥があると判定する。
【0092】
制御計算機200は、比較結果(検査データ)を出力する(ステップS6)。制御計算機200は、検査結果を、記憶部201に保存する。なお、制御計算機200は、検査結果を表示部202に表示してもよいし、通信部204を介して外部機器(例えば、レビュー装置等)に出力してもよい。
【0093】
5 焦点位置調整
次に、焦点位置調整について説明する。本実施形態では、スキャンを実行する場合、フォーカスオフセット値とオートフォーカス制御信号とに基づく焦点位置調整(ステージ110の高さ位置調整)が行われる。フォーカスオフセット値は、任意のストライプSPを同一方向にスキャンした焦点位置データFDに基づいて設定される。より具体的には、例えば、ストライプSPnのスキャンを実行する場合、同じ方向にスキャンした2つ前のストライプSP(n-2)の焦点位置データFD(n-2)に基づいて、フォーカスオフセット値が設定される。このため、本実施形態では、ストライプSP1及びSP2のスキャンを実行する前に、それぞれのスキャンの進行方向に対応したダミースキャンが実行される。ダミースキャンでは、焦点位置データFDが取得され、光学画像は取得されない。例えば、変数nがストライプSP1に対応するn=1未満の数値である場合、すなわち、n=-1またn=0が設定されている場合は、ダミースキャンを実行する。
【0094】
5.1 光学画像取得の流れ
まず、図5を参照して、スキャンに着目した光学画像取得の流れの一例について説明する。図5は、光学画像取得の流れを示すフローチャートである。
【0095】
図5に示すように、まず、制御計算機200は、変数n=-1を設定する(ステップS101)。次に、制御計算機200は、FWD方向へのダミースキャンを実行する(ステップS102)。FWD方向へのダミースキャンは、ストライプSP1に対応する。例えば、FWD方向へのダミースキャンには、ストライプSP1が用いられる。なお、このとき、ストライプSP1の光学画像は取得されない。
【0096】
次に、FD生成回路208は、スキャン結果から移動平均によるZ座標(ステージ110の高さ位置)の近似データを生成する。FD生成回路208は、Z座標の近似データに基づいて、焦点位置データFD(-1)を生成する(ステップS103)。焦点位置データFD(-1)は、記憶部201に記憶される。
【0097】
次に、制御計算機200は、変数nのカウントアップを行い、n=0とする(ステップS104)。次に、制御計算機200は、BWD方向へのダミースキャンを実行する(ステップS105)。BWD方向へのダミースキャンは、ストライプSP2に対応する。このため、例えば、FWD方向へのダミースキャンには、ストライプSP2が用いられる。
【0098】
次に、FD生成回路208は、スキャン結果から移動平均によるZ座標の近似データを生成する。FD生成回路208は、Z座標の近似データに基づいて、焦点位置データFD0を生成する(ステップS106)。焦点位置データFD0は、記憶部201に記憶される。
【0099】
次に、制御計算機200は、変数nのカウントアップを行い、n=n+1とする(ステップS107)。
【0100】
次に、オフセット設定回路230は、記憶部201から焦点位置データFD(n-2)を読み出す。オフセット設定回路230は、焦点位置データFD(n-2)に基づいて、ストライプSPnのスキャンにおけるフォーカスオフセット値を設定する(ステップS108)。このとき、オフセット設定回路230は、焦点位置データFDの先読みを実行する。換言すると、オフセット設定回路230は、焦点位置データFDのX座標のデータをステージ110の進行方向にシフトさせる。より具体的には、例えば、ストライプSP1では、FWD方向にスキャンが実行される。すなわち、ステージ110は、-X方向に移動する。このような場合、オフセット設定回路230は、焦点位置データFD(-1)の座標データ、より具体的には、X座標の値を、-X方向にシフトさせた結果に基づいて、フォーカスオフセット値を設定する。また、例えば、ストライプSP2では、BWD方向にスキャンが実行される。すなわち、ステージ110は、+X方向に移動する。このような場合、オフセット設定回路230は、焦点位置データFD0のX座標の値を+X方向にシフトさせた結果に基づいて、フォーカスオフセット値を設定する。シフト量は、スキャン速度とオートフォーカスの追従速度とに基づいて決定される。同様に、例えば、ストライプSP3以降(n=3以上)では、オフセット設定回路230は、2つ前にスキャンしたストライプSPの焦点位置データFDをシフトさせた結果に基づいて、フォーカスオフセット値を設定する。
【0101】
なお、フォーカスオフセット値を設定する場合、先読みを適用する焦点位置データFDと先読みを適用しない焦点位置データFDとが混在していてもよい。例えば、オフセット設定回路230は、ダミースキャンにより取得された焦点位置データFD(-1)及びFD0については先読みを実行し、それ以外のスキャンにより取得された焦点位置データFDn(n>1)については、先読みを実行しなくてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、オフセット設定回路230は、記憶部201から焦点位置データFD(n-2)を読み出す場合について説明したが、スキャンの進行方向が同じであれば、これに限定されない。例えば、設計データ220を参照して、ストライプSP(n-2)よりもストライプSP(n-4)の方が、ストライプSPnのパターンに類似している場合、オフセット設定回路230は、記憶部201から焦点位置データFD(n-4)を読み出し得る。
【0103】
次に、制御計算機200は、ストライプSPnのスキャンを実行する(ステップS109)。このとき、Z駆動部制御回路207は、フォーカスオフセット値と、焦点位置検出回路170の焦点位置調整信号とに基づいて、ステージ110の高さ位置(Z座標)を制御する。スキャンによって取得した光学画像データは、比較回路211に送信される。
【0104】
次に、FD生成回路208は、スキャン結果から移動平均によるZ座標の近似データを生成する。FD生成回路208は、Z座標の近似データに基づいて、焦点位置データFDnを生成する(ステップS110)。焦点位置データFDnは、記憶部201に記憶される。
【0105】
制御計算機200は、スキャンを実行したストライプSPnが最終か確認する(ステップS111)。最終ストライプSPではない場合(ステップS111_No)、制御計算機200は、ステップS107に進み、変数nをカウントアップする。他方で、最終ストライプSPである場合(ステップS111_Yes)、制御計算機200は、光学画像の取得を終了する。
【0106】
5.2 Z座標の近似データの具体例
次に、図6を参照して、Z座標の近似データの具体例について説明する。図6は、Z座標の近似データの具体例を示す図である。図6の例は、1つのストライプSPにおけるステージ110のX座標及びZ座標を示している。
【0107】
図6の上段のグラフは、スキャンを実行した際のステージ110の座標を示している。全体的に+X方向に向かってZ座標が上昇しているのは、マスク2の歪みの影響を示している。本例では、座標X1及びX2に急峻な段差が存在している。
【0108】
下段のグラフは、上段のグラフで示した座標に対して、2種類の演算による2つの近似データを示している。実線で示した近似データは、本実施形態のFD生成回路208が、移動平均により近似データを算出した場合を示している。破線は、比較例として、多項式近似により近似データを算出した場合を示している。比較例の多項式近似を用いた場合、多項式の次数が低いとX1とX2の間の段差が反映されなくなることがある。これに対し、移動平均であれば、近似データに段差を反映させることができる。なお、移動平均において、各X座標におけるZ座標の平均値の算出に用いられるデータ数は、任意に設定可能である。Z座標のノイズ等に応じて、適宜設定され得る。
【0109】
5.3 焦点位置データの先読みの具体例
次に、図7及び図8を参照して、焦点位置データFDの先読みの具体例について説明する。図7は、ストライプSP1をFWD方向にスキャンした場合の焦点位置データFD(-1)の先読みの一例を示す図である。図8は、ストライプSP2をBWD方向にスキャンした場合の焦点位置データFD0の先読みの一例を示す図である。
【0110】
まず、ストライプSP1をFWD方向にスキャンする場合について説明する。
図7の上段は、スキャンするマスク2の断面の一部を示している。中段のグラフは、ストライプSP1のダミースキャンに基づくステージ110のZ座標とX座標との関係をしている。下段のグラフは、ストライプSP1のスキャンに基づくステージ110のZ座標とX座標との関係をしている。
【0111】
例えば、マスク2のX座標P1~P2の間に高さT1の突出物500(例えばパターン)が存在している。このような箇所に対して、FWD方向のダミースキャンを実行する。すなわち、ステージ110を-X方向に移動させる。なお、このときのフォーカスオフセット値は、X座標によらずZ0で一定である。すると、焦点位置データFD(-1)では、実際の突出物500のX座標に対して、+X方向へのオートフォーカスの追従遅れが発生する。より具体的には、X座標P1において、マスク2の表面のZ座標は、+T1変動(上昇)している。これに対し、焦点位置データFD(-1)では、X座標がP1からP1+dに遷移する間に、Z座標がZ0からZ0+T1に遷移している。すなわち、+X方向に大きさ|d|のオートフォーカス追従遅れが発生している。同様に、X座標P2において、マスク2の表面のZ座標は、-T1変動(下降)している。これに対し、焦点位置データFD(-1)では、X座標がP2からP2+dに遷移する間に、Z座標は、Z0+T1からZ0に遷移している。すなわち、+X方向に大きさ|d|のオートフォーカス追従遅れが発生している。この結果に基づいて、焦点位置データFD(-1)が生成される。このため、焦点位置データFD(-1)には、オートフォーカスの追従遅れが生じた座標データが含まれる。
【0112】
オフセット設定回路230は、SP1のスキャンを実行するにあたり、記憶部201から読み出した焦点位置データFD(-1)を用いて、ストライプSP1のスキャンに用いられるフォーカスオフセット値を設定する。このとき、オフセット設定回路230は、焦点位置データFD(-1)の先読みを実行する。より具体的には、オフセット設定回路230は、FWD方向へのスキャンの場合、X座標データを-X方向にシフトさせる。例えば、シフト量の大きさを|s|とすると、オフセット設定回路230は、焦点位置データFD(-1)のX座標を|s|減算したデータをフォーカスオフセット値として設定する。シフト量|s|は、追従遅れ量|d|以下の値である。
【0113】
これにより、ストライプSP1のスキャンでは、オートフォーカス制御信号によりZ座標を変動させる前に、フォーカスオフセット値に基づいて、Z座標の変動を開始できる。例えば、ダミースキャンでは、座標P1から開始していたZ座標の変動が、スキャンでは、座標P1-sから開始される。このため、オートフォーカスの追従遅れがシフト量|s|だけ低減される。
【0114】
次に、ストライプSP2をBWD方向にスキャンする場合について説明する。
【0115】
図8の上段は、スキャンするマスク2の断面の一部を示している。中段のグラフは、ストライプSP2のダミースキャンに基づくステージ110のZ座標とX座標との関係をしている。下段のグラフは、ストライプSP2のスキャンに基づくステージ110のZ座標とX座標との関係をしている。
【0116】
図8の例では、BWD方向のダミースキャンを実行する。すなわち、ステージ110を+X方向に移動させる。なお、このときのフォーカスオフセット値は、X座標によらずZ0で一定である。すると、焦点位置データFD0では、実際の突出物500のX座標に対して、-X方向へのオートフォーカスの追従遅れが発生する。より具体的には、X座標P2において、マスク2の表面のZ座標は、+T1変動(上昇)している。これに対し、焦点位置データFD0では、X座標がP2からP2-dに遷移する間に、Z座標がZ0からZ0+T1に遷移している。すなわち、-X方向に大きさ|d|のオートフォーカス追従遅れが発生している。同様に、X座標P1において、マスク2の表面のZ座標は、-T1変動(下降)している。これに対し、焦点位置データFD0では、X座標がP1からP2-dに遷移する間に、Z座標は、Z0+T1からZ0に遷移している。すなわち、-X方向に大きさ|d|のオートフォーカス追従遅れが発生している。この結果に基づいて、焦点位置データFD0が生成される。このため、焦点位置データFD0には、オートフォーカスの追従遅れが生じた座標データが含まれる。
【0117】
オフセット設定回路230は、SP2のスキャンを実行するにあたり、記憶部201から読み出した焦点位置データFD0を用いて、ストライプSP2のスキャンに用いられるフォーカスオフセット値を設定する。このとき、オフセット設定回路230は、焦点位置データFD0の先読みを実行する。より具体的には、オフセット設定回路230は、BWD方向へのスキャンの場合、X座標データを+X方向にシフトさせる。オフセット設定回路230は、焦点位置データFD0のX座標値を|s|加算したデータをフォーカスオフセット値として設定する。
【0118】
この結果、ダミースキャンでは、座標P2から開始していたZ座標の変動が、スキャンでは、座標P2+sから開始される。このため、追従遅れがシフト量|s|だけ低減される。
【0119】
6.本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、検査装置は、ストライプSPのスキャン結果から移動平均によるZ座標の近似データを算出し、近似データを用いて焦点位置データFDを生成するFD生成回路と、焦点位置データをステージ110の進行方向に先読み(シフト)させてフォーカスオフセット値を設定するオフセット設定回路とを含む。検査装置は、移動平均により近似データを算出することにより、ノイズの影響が低減され且つ急峻な段差の情報が反映された近似データを算出できる。また、検査装置は、焦点位置データの先読みをしてフォーカスオフセット値を設定することにより、オートフォーカス制御信号によりステージ110の高さ位置を移動させる前に、フォーカスオフセット値に基づくステージ110の高さ位置の移動を開始できる。これにより、オートフォーカス制御信号の追従遅れを低減できる。従って、光学画像における焦点ずれを低減できるため、微細なパターンの撮像が容易となり、パターン欠陥の検出精度が向上できる。
【0120】
7.その他
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1…検査装置、2…マスク、10…画像取得機構、20…制御機構、110…ステージ、120…XY駆動部、121…X軸モータ、122…Y軸モータ、130…Z駆動部、131…Z軸アクチュエータ、140…照明光学系、150…結像光学系、160…センサ回路、170…焦点位置検出回路、180…レーザ測長システム、190…オートローダ、200…制御計算機、201…記憶部、202…表示部、203…入力部、204…通信部、205…オートローダ制御回路、206…XY駆動部制御回路、207…Z駆動部制御回路、208…FD生成回路、209…展開回路、210…参照回路、211…比較回路、212…位置回路、220…設計データ、221…検査条件、222…検査データ、223…検査プログラム、230…オフセット設定回路、301、302…光源、303…ダイクロイックミラー、304、306、309、311~313、315…レンズ、305、317、318…スリット、307、314、316…ハーフミラー、308…対物レンズ、310…ミラー、320…フォトダイオードアレイ、321~323…センサ、400…検査領域、500…突出物、L1…光軸、SP1~SPn…ストライプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8