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特許7604476原子層堆積により堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】原子層堆積により堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティング
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/40 20060101AFI20241216BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20241216BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241216BHJP
   C23C 18/12 20060101ALI20241216BHJP
   C23C 26/00 20060101ALI20241216BHJP
【FI】
C23C16/40
C23C16/455
H01L21/302 101G
C23C18/12
C23C26/00 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022523433
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020056883
(87)【国際公開番号】W WO2021081219
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】62/924,938
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/072,301
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェンウィック, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】サン, ジェニファー ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チョン-シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ホー, シアオ-ミン
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-524983(JP,A)
【文献】特開2011-006755(JP,A)
【文献】特開2004-356612(JP,A)
【文献】特表2005-529492(JP,A)
【文献】特表2011-518256(JP,A)
【文献】特表2003-526218(JP,A)
【文献】LI M.Y., 他,ECS Transactions,2007年,vol. 3, No. 15,p.107 - p.117
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/40
C23C 16/455
H01L 21/3065
C23C 18/12
C23C 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の表面上の耐腐食性コーティングと
を備えるコーティング物品であって、
前記耐腐食性コーティングが、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含むハフニウムアルミニウム酸化物を含み、前記ハフニウムアルミニウム酸化物が約20mol%から約67mol%の酸素を含み、
前記耐腐食性コーティングが、
HfAl
HfAl、又は
約0.8から約2.5の範囲のアルミニウム対ハフニウムのモル比を有するハフニウムとアルミニウムとの均質な混合物
を含む、コーティング物品。
【請求項2】
前記耐腐食性コーティングが、約300nmの厚さにおいて、a)5% HCl溶液中において行われるHClバブル試験により試験して故障まで少なくとも約13時間、又はb)15% HCl溶液中において行われるHClバブル試験により試験して故障まで少なくとも約10時間のうちの少なくとも1つを呈する、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項3】
前記コーティング物品が、処理チャンバに挿入される処理チャンバの部品を含む、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項4】
前記耐腐食性コーティングが、約0.5nmから約1μmの厚さを有する、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項5】
チャンバ壁、シャワーヘッド、ノズル、プラズマ生成ユニット、高周波電極、電極ハウジング、ディフューザー及びガスラインからなる群から選択される処理チャンバの部品である、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項6】
前記コーティング物品が、約10:1から約200:1の範囲の深さ対幅アスペクト比を有する部分を含み、前記部分が前記耐腐食性コーティングでコーティングされている、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項7】
前記本体が、アルミニウム、鋼、ケイ素、銅又はマグネシウムのうちの少なくとも1つである材料を含む、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項8】
前記耐腐食性コーティングが、約100nmの厚さにおいて、約50℃で約12時間行われる6% FeCl浸し試験で100nm厚の酸化アルミニウムコーティングより少ない孔食を呈する、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項9】
前記耐腐食性コーティングが、共形であり、アモルファスであり、約0%の多孔性を有し、且つ厚さ変動が約+/-5%未満である均一な厚さを有する、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項10】
前記耐腐食性コーティングが、約300nmの厚さにおいて、スクラッチ接着試験で10ミクロンのダイヤモンド針を使用して前記本体の前記表面を露出させるために少なくとも約52mNの力を必要とする、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項11】
前記耐腐食性コーティングが約99.95%を上回る純度を有する、請求項1に記載のコーティング物品。
【請求項12】
原子層堆積を実施して物品の表面上に耐腐食性コーティングを堆積させることを含む方法であって、
前記耐腐食性コーティングが、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含み、ハフニウムアルミニウム酸化物は、約20mol%から約67mol%の酸素を含み、
前記耐腐食性コーティングが、
HfAl
HfAl、又は
約0.8から約2.5の範囲のアルミニウム対ハフニウムのモル比を有するハフニウムとアルミニウムとの均質な混合物
を含み、
前記物品が、チャンバ壁、シャワーヘッド、ノズル、プラズマ生成ユニット、高周波電極、電極ハウジング、ディフューザー及びガスラインからなる群から選択される処理チャンバの部品である、
方法。
【請求項13】
前記耐腐食性コーティングを堆積させることが、原子層堆積を使用して物品の表面上にハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを共堆積させることを含み、前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを共堆積させることが、
前記表面を、ハフニウム含有前駆体又はアルミニウム含有前駆体と、第1の継続時間にわたって接触させて、ハフニウム又はアルミニウムを含む部分吸着層を形成することと、
前記部分吸着層を、前記アルミニウム含有前駆体又は前記ハフニウム含有前駆体と、第2の継続時間にわたって接触させて、ハフニウム及びアルミニウムを含む共吸着層を形成することと、
前記共吸着層を反応物質と接触させて、前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを形成することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記耐腐食性コーティングを堆積させることが、原子層堆積を使用して物品の表面上にハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを共堆積させることを含み、前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを共堆積させることが、
少なくとも1つの共添加サイクルを実施することを含み、前記少なくとも1つの共添加サイクルを実施することが、
前記表面を、ハフニウム含有前駆体とアルミニウム含有前駆体との混合物と、第1の継続時間にわたって接触させて、共吸着層を形成することと、
前記共吸着層を、酸素含有反応物質と接触させて、前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを形成することとを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
原子層堆積を使用して物品の表面上にハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることを含む方法であって、前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることが:
前記表面を、ハフニウム含有前駆体と又はアルミニウム含有前駆体と、第1の継続時間にわたって接触させて、第1の吸着層を形成することと、
前記第1の吸着層を、酸素含有反応物質と接触させて、酸化ハフニウム又は酸化アルミニウムを含む第1の層を形成することと、
前記第1の層を、アルミニウム含有前駆体又はハフニウム含有前駆体と、第2の継続時間にわたって接触させて、第2の吸着層を形成することと、
前記第2の吸着層を、前記酸素含有反応物質と接触させて、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムを含む第2の層を形成することであって、前記第1の層が酸化ハフニウムを含むとき、前記第2の層が酸化アルミニウムを含み、前記第1の層が酸化アルミニウムを含むとき、前記第2の層が酸化ハフニウムを含む、第2の層を形成することと、
前記第1の層及び前記第2の層から前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを形成することと
を含み、
前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングが、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含み、ハフニウムアルミニウム酸化物が、約20mol%から約67mol%の酸素を含み、
前記ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングが、
HfAl
HfAl、又は
約0.8から約2.5の範囲のアルミニウム対ハフニウムのモル比を有するハフニウムとアルミニウムとの均質な混合物
を含む、方法。
【請求項16】
前記ハフニウム含有前駆体が、ビス(シクロペンチアジエニル)ジメチルハフニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メトキシメチルハフニウム、ハフニウム(IV)t-ブトキシド、ハフニウム(IV)エトキシド、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)ハフニウム(IV)、HfCl4、HfCp、又はこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アルミニウム含有前駆体が、トリメチルアルミニウム(TMA)、ジエチルアルミニウムエトキシド、トリス(エチルメチルアミド)アルミニウム、アルミニウムsec-ブトキシド、アルミニウムトリブロミド、アルミニウムトリクロリド、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、若しくはトリス(ジエチルアミド)アルミニウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施態様は、耐腐食性ハフニウムアルミニウム酸化物コーティング、コーティング物品、及び原子層堆積を使用してそのようなコーティングを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業界では、デバイスは、ますます縮小するサイズの構造を生産する多数の製造プロセスにより製造される。プラズマエッチングプロセス及びプラズマ洗浄プロセスといったいくつかの製造プロセスは、基板をエッチング又は洗浄するために高速流のプラズマに対して基板を曝露する。プラズマは、高度に腐食性であり、プラズマに曝露される処理チャンバと他の表面及び部品とを腐食させうる。このような腐食は粒子を生じさせることがあり、このような粒子は処理されている基板を頻繁に汚染し、デバイスの欠陥の原因となる。ハロゲンイオン及びラジカルを含みうるハロゲン含有プラズマは、特に過酷である可能性があり、処理チャンバ内でのプラズマと材料との相互作用から生成される粒子をもたらす。プラズマはまた、ラジカルの再結合によって誘導される部品の界面化学の変化に起因してウエハプロセスのドリフトを生じさせうる。
【0003】
デバイスの形状寸法が縮小するにつれて、欠陥への感受性が上昇し、粒子汚染の仕様(即ち、オンウエハ性能)がよりストリンジェントになる。プラズマエッチングプロセス及び/又はプラズマ洗浄プロセスにより導入される粒子汚染を最小化するために、プラズマに耐性のチャンバ材料が開発された。このような耐プラズマ性材料の例には、Al、AlN、SiC、Y、石英、及びZrOから構成されるセラミックが含まれる。異なるセラミックは、耐プラズマ性、剛性、曲げ強さ、及び耐熱衝撃性などといった異なる材料特性を提供する。また、異なるセラミックは異なる材料費を有する。したがって、いくつかのセラミックは、より優れた耐プラズマ性を有し、他のセラミックはより低い費用を有し、また別のセラミックはより優れた曲げ強さ及び/又は耐熱衝撃性を有する。
【0004】
Al、AlN、SiC、Y、石英、及びZrOで形成されたプラズマスプレーコーティングは、チャンバ部品からの粒子生成を低減することができるが、このようなプラズマスプレーコーティングは、シャワーヘッドのガスライン及び孔といった高アスペクト比のフィーチャを貫通してコーティングすることはできない。いくつかの堆積技術は、高アスペクト比のフィーチャをコーティングすることができ、その結果得られるコーティングは、特定のプラズマ環境、例えば、ハロゲン含有プラズマ中で浸食されて粒子を形成しうるか、又はコーティング中の不十分な相互拡散に起因して材料層の機械的分離という問題を有する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載される実施態様によれば、本体と、本体の表面上の耐腐食性コーティングとを含むコーティング物品である。耐腐食性コーティングは、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含むハフニウムアルミニウム酸化物を含むことができ、このハフニウムアルミニウム酸化物は約20mol%から約98mol%の酸素を含む。
【0006】
本明細書の実施態様においてさらに記載されるのは、原子層堆積を使用して物品の表面上に耐腐食性コーティングを堆積させることを含む方法である。耐腐食性コーティングは、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残るmol%の酸素を含みうる。物品は、チャンバ壁、シャワーヘッド、ノズル、プラズマ生成ユニット、高周波電極、電極ハウジング、ディフューザー及びガスラインからなる群から選択される処理チャンバの部品を含みうる。
【0007】
本明細書においてさらに記載されるのは、原子層堆積を使用して物品の表面にハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることを含む方法である。ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることは、表面を、ハフニウム含有前駆体と又はアルミニウム含有前駆体と、第1の継続時間にわたって接触させて、第1の吸着層を形成することを含みうる。ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることは、第1の吸着層を、酸素含有反応物質と接触させて、酸化ハフニウム又は酸化アルミニウムを含む第1の層を形成することをさらに含みうる。ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることは、第1の層を、アルミニウム含有前駆体又はハフニウム含有前駆体と、第2の継続時間にわたって接触させて、第2の吸着層を形成することをさらに含みうる。ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを堆積させることは、第2の吸着層を、酸素含有反応物質と接触させて、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムを含む第2の層を形成することをさらに含みうる。一実施態様では、第1の層が酸化ハフニウムを含むとき、第2の層は酸化アルミニウムを含み、第1の層が酸化アルミニウムを含むとき、第2の層は酸化ハフニウムを含む。方法は、第1の層及び第2の層からハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを形成することも含みうる。耐腐食性コーティングは、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含むハフニウムアルミニウム酸化物を含むことができ、このハフニウムアルミニウム酸化物は約20mol%から約98mol%の酸素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、同様の要素が類似の参照符号で示される添付図面において、限定としてでなく、例として示されている。本開示における「ある(an)」又は「1つの(one)」実施態様への様々な言及は、必ずしも同じ実施態様に対するものではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【0009】
図1】処理チャンバの断面図である。
図2A】本明細書に記載の原子層堆積技術による共堆積プロセスの一実施態様を示している。
図2B】本明細書に記載の原子層堆積技術による共堆積プロセスの別の実施態様を示している。
図2C】本明細書に記載の原子層堆積技術による連続堆積プロセスの一実施態様を示している。
図3図3Aは、連続して堆積されるHfAlコーティングの透過型電子顕微鏡画像である。図3Bは、連続して堆積されるHfAlコーティングの透過型電子顕微鏡画像である。
図4図4A1は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、コーティングされていないステンレス鋼の試料片のデジタルカメラ画像である。図4A2は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、コーティングされていないステンレス鋼の試料片の第1の孔食断面の光学顕微鏡画像である。図4A3は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、コーティングされていないステンレス鋼の試料片の第2の孔食断面の光学顕微鏡画像である。図4B1は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片のデジタルカメラ画像である。図4B2は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の孔食断面の光学顕微鏡画像である。図4B3は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の孔食のない断面の光学顕微鏡画像である。図4C1は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片のデジタルカメラ画像である。図4C2は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の孔食断面の光学顕微鏡画像である。図4C3は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのHfAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の孔食のない断面の光学顕微鏡画像である。図4D1は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片のデジタルカメラ画像である。図4D2は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の第1の孔食断面の光学顕微鏡画像である。図4D3は、約50℃で約12時間の6% FeCl浸し試験を受けた後の、約100μmのAlコーティングでコーティングされたステンレス鋼の試料片の第2の孔食断面の光学顕微鏡画像である。
図5】一実施態様による、耐腐食性コーティングでコーティングされた、大きなアスペクト比を有するガスラインの分解図である。
図6図6Aは、20nmのスケールでのCl浸漬試験の前のアルミニウム試料片上のHfAlコーティングの透過型電子顕微鏡画像である。図6Bは、20nmのスケールでのCl浸漬試験の後の図6AのHfAlコーティングの透過型電子顕微鏡画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される実施態様は、プラズマ環境又は腐食性の非プラズマ環境においてチャンバ部品の耐腐食性/耐浸食性を向上させる目的のハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングに関する。実施態様はまた、コーティング物品(例えばチャンバ部品)、及び原子層堆積(ALD)を使用してそのような耐腐食性コーティングを形成する方法に関する。
【0011】
半導体業界では、プラズマエッチングプロセス及びプラズマ洗浄プロセスといったいくつかの製造プロセスは、基板をエッチング又は洗浄するために高速流のプラズマに対して基板を曝露する。プラズマは、高度に腐食性であり、プラズマに曝露される処理チャンバと他の表面及び部品とを腐食させうる。このような腐食は粒子を生じさせることがあり、このような粒子は処理されている基板を頻繁に汚染し、デバイスの欠陥の原因となる。ハロゲンイオン及びラジカルを含みうるハロゲン含有プラズマは、特に過酷である可能性があり、処理チャンバ内でのプラズマと材料との相互作用から生成される粒子をもたらす。プラズマはまた、ラジカルの再結合によって誘導される部品の界面化学の変化に起因してウエハプロセスのドリフトを生じさせうる。
【0012】
ALDによって堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティングでコーティングされたチャンバ部品(例えばステンレス鋼及びアルミニウム部品)は、コーティングされていない部品及びアルミナコーティング部品と比較して、Cl系溶液中においてより大きな耐腐食性を有することが判明した。腐食性の化学物質を用いるプロセスにHfAlコーティングチャンバ部品を使用することにより、ウエハ(即ち、基板)上の金属/粒子汚染を、アルミナコーティング部品で現在達成できるものと比較してより大きく低減することができる。優れた耐腐食性は、薄いハフニウムアルミニウム酸化物を用いて達成することができ、これは、より費用効率の高い耐腐食性コーティングを可能にする。さらに、ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングは、伝統的なコーティングとは反対に、亀裂又は故障なしで比較的高い温度に耐えることができる。
【0013】
一部の実施態様では、耐腐食性コーティングは、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含むことができ、コーティング中の酸素の量は、約20mol%から約98mol%でありうる。他の実施態様では、耐腐食性コーティングは、約10mol%から約20mol%のハフニウム、約15mol%から約30mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含みうる。一部の実施態様では、耐腐食性コーティングは、約0.8から約2.5の範囲のアルミニウム対ハフニウムのモル比を有する、ハフニウムとアルミニウムとの均質な混合物でありうる。一実施態様では、耐腐食性コーティングは、HfAl又はHfAlのうちの少なくとも1つを含みうる。
【0014】
本明細書に記載される耐腐食性コーティングでコーティングされうる物品は、チャンバ壁、シャワーヘッド、ノズル、プラズマ生成ユニット、高周波電極、電極ハウジング、ディフューザー及びガスラインからなる群から選択される処理チャンバの部品を含みうる。一部の実施態様では、本明細書に記載される耐腐食性コーティングでコーティングされる物品は、約10:1から約200:1の範囲の深さ対幅アスペクト比を有する一部分を含むことができ、前記アスペクト比を有する物品のこの部分は、耐腐食性コーティングでコーティングすることができる。例えば、ガスラインの表面は、一実施態様により耐腐食性コーティングでコーティングされうる。
【0015】
耐腐食性コーティングは、共形でありうる、アモルファスでありうる、低い多孔性(例えば、約0%)を有しうる、及び/又は均一な厚さ(例えば、厚さの変動が約+/-5%未満)を有しうる。一部の実施態様では、耐腐食性コーティングは、約0.5nmから約1μmの範囲の厚さ又はそれに含まれる別の厚さを有しうる。
【0016】
一部の実施態様では、耐腐食性コーティングは、HClバブル試験により、及び/又はFeCl浸し試験により、及び/又はHCl浸し試験により、及び/又はジクロロシラン(DSC)曝露試験により、及び/又はCl浸漬試験により、その耐腐食性を呈し、これは以下でさらに詳述される。
【0017】
例えば、一実施態様において、約300nmの厚さを有する耐腐食性コーティングは、5% HCl溶液又は15% HCl溶液中において行われるHClバブル試験において、より厚いアルミナコーティングと比較して、又はより厚いイットリウム酸化ケイ素コーティングと比較して、より長い故障寿命を呈しうる。例えば、耐腐食性コーティングは、約300nmの厚さにおいて、a)5% HCl溶液中において行われるHClバブル試験により試験して故障まで少なくとも約13時間、又はb)15% HCl溶液中において行われるHClバブル試験により試験して故障まで少なくとも約10時間のうちの少なくとも1つを呈しうる。
【0018】
別の実施態様では、約100nmの厚さを有するハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングは、約50℃で約12時間行われる6% FeCl浸し試験において、同じ厚さを有する酸化アルミニウムコーティングより少ない孔食を呈する。また別の実施態様では、ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングは、HCl浸し試験において測定した場合に、同じ厚さのアルミナコーティングと比較して、ステンレス鋼の耐腐食性を高める。
【0019】
一実施態様において、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングは、コーティングをジクロロシランに曝露する処理環境における約150℃から約180℃の範囲の温度で約900回のウエハ処理サイクル(約45分)の後に、ウエハの金属汚染を生じさせない。
【0020】
一実施態様において、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングは、減圧チャンバ内で380℃で約25時間Clにコーティングを浸漬したとき、腐食を生じさせない(例えば、厚さの変化により明らか)。
【0021】
いくつかの実施態様では、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングは、約300nmの厚さにおいて、スクラッチ接着試験で10ミクロンのダイヤモンド針を使用して本体の表面を曝露するために、少なくとも約52mN、少なくとも約75mN、少なくとも約80mN、又は少なくとも約100mNの力を必要とする。
【0022】
以下でさらに詳細に説明するように、耐腐食性コーティングは、原子層堆積(ALD)等の見通し外技術を使用して、物品の上に、共堆積、共添加、又は連続堆積されうる。
【0023】
本明細書に記載されるコーティングはまた、半導体処理及びチャンバ洗浄に使用されるプラズマ化学、例えば、ハロゲンイオン及びハロゲンラジカルを有するハロゲン含有プラズマへの曝露時の浸食に耐性でありうる。したがって、コーティングは、このような処理手順及び洗浄手順の間に、良好な粒子性能及びプロセス安定性能を提供する。本明細書において使用される用語「耐浸食性コーティング」又は「耐プラズマコーティング」は、特定のプラズマ、化学及びラジカル(例えば、フッ素系プラズマ、化学及び/又はラジカル、臭素系プラズマ、化学及び/又はラジカル、塩素系プラズマ、化学及び/又はラジカル等)に曝露されたときに特に低い浸食速度を有するコーティングを指す。
【0024】
本明細書に記載される耐浸食性及び耐腐食性コーティングはまた、ハロゲン非プラズマ腐食環境、例えば、ハロゲン(例えば、塩素、フッ素、臭素等)及び任意のハロゲン含有化合物(例えば、塩素含有化合物、フッ素含有化合物、臭素含有化合物等)に耐性でありうる。
【0025】
プラズマに対するコーティングの耐性は、コーティングされた部品の動作及びプラズマへの曝露の継続時間を通した、オングストローム/分(Å/分)の単位を有しうる「エッチング速度」(ER)により測定することができる。また、耐プラズマ性は、ナノメートル/無線周波数時間(nm/RFHr)の単位を有する浸食速度により測定することができ、ここで1RFHrはプラズマ処理条件における1時間の処理を表す。測定値は、異なる処理時間の後で取得することができる。例えば、測定値は、処理の前、50処理時間後、150処理時間後、200処理時間後等に取得することができる。ハロゲンプラズマにおいて約100nm/RFHrより低い浸食速度は、耐腐食性のコーティングにとって一般的である。チャンバ部品上に堆積されるコーティングの組成の変動により、複数の異なる耐プラズマ性又は浸食速度の値が得られる。加えて、様々なプラズマに曝露される1つの組成を有する耐腐食性のコーティングが、複数の異なる耐プラズマ性又は浸食速度の値を有することがあるであろう。例えば、特定のコーティングは、第1の種類のプラズマに関連付けられる第1の耐プラズマ性若しくは浸食速度、又は第2の種類のプラズマに関連付けられる第2の耐プラズマ性若しくは浸食速度を有しうる。
【0026】
図1は、本明細書に記載される実施態様による、耐腐食性コーティングでコーティングされた1つ又は複数のチャンバ部品を有する半導体処理チャンバ100の断面図である。チャンバの少なくともいくつかの部品の基材は、Al(例えば、Al、AlN、Al 6061、又はAl 6063)、Si(例えば、Si、SiO、又はSiC)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、及びステンレス鋼(SST)のうちの1つ又は複数を含みうる。処理チャンバ100は、腐食性のプラズマ環境(例えば、塩素含有プラズマ、フッ素含有プラズマ、臭素含有プラズマ等といったハロゲンプラズマ)が提供されるプロセスに使用することができる。例えば、処理チャンバ100は、プラズマエッチャ又はプラズマエッチングリアクタ、プラズマクリーナー、プラズマCVD又はALDリアクタ等のためのチャンバであってよい。耐腐食性コーティングを含むチャンバ部品の例には、複雑な形状及び高アスペクト比を有するフィーチャを有するチャンバ部品が含まれる。いくつかの例示的なチャンバ部品は、基板支持アセンブリ、静電チャック、リング(例えば、プロセスキットリング又は単独のリング)、チャンバ壁、基部、ガス分配プレート、シャワーヘッド、ガスライン、ノズル、リッド、ライナ、ライナキット、シールド、プラズマスクリーン、プラズマ生成ユニット、高周波電極、電極ハウジング、ディフューザー、フローイコライザ、冷却ベース、チャンバビューポート、チャンバリッド等を含む。
【0027】
一部の実施態様では、本明細書に記載される耐腐食性コーティングでコーティングされたチャンバ部品は、約3:1から約300:1(例えば、約5:1から約250:1、約10:1から約200:1、約20:1、約50:1、約100:1、約150:1等)の範囲の高い深さ対幅アスペクト比を有する一部分を含むことができ、前記アスペクト比を有する物品の部分は、耐腐食性コーティングでコーティングすることができる。例えば、一実施態様によれば、ガスラインの内面又はシャワーヘッドのガス導管の内面は、耐腐食性コーティングでコーティングすることができる。
【0028】
図5は、一実施態様による、耐腐食性コーティングでコーティングされた、大きなアスペクト比を有するガスラインの分解図である。ガスライン510は、深さDと幅Wとを有しうる。ガスライン510は、D:Wと定義される大きなアスペクト比を有することができ、ここでアスペクト比は、約3:1から約300:1(例えば、約5:1から約250:1、約10:1から約200:1、約50:1から約100:1、約20:1、約50:1、約100:1、約150:1等)の範囲でありうる。いくつかの実施態様では、アスペクト比は、3:1より小さくても、又は300:1より大きくてもよい。
【0029】
ガスライン510は、内面555を有しうる。内面555は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は本明細書に記載される構造の他の材料のいずれかで作製することができる。内面555は、図2A、2B、又は2Cを参照して記載されるように、ALDを使用して、耐腐食性コーティングでコーティングすることができる。ALDプロセスは、その大きなアスペクト比にもかかわらずガスライン510の内面全体にわたって均一な厚さの共形コーティング層560及び565を成長させるとともに、ガスラインを詰まらせないために最終的な耐腐食性コーティングも十分に薄くなることを保証することができる。
【0030】
再び図1を参照すると、一実施態様において、処理チャンバ100は、内部空間106を取り囲む、チャンバ本体102とシャワーヘッド130とを含んでいる。シャワーヘッド130は、シャワーヘッド基部とシャワーヘッドガス分配プレートとを含みうる。代替的に、シャワーヘッド130は、いくつかの実施態様ではリッド及びノズルにより、又は他の実施態様では複数のパイ形シャワーヘッド区画及びプラズマ生成ユニットにより、置き換えることができる。チャンバ本体102は、アルミニウム、ステンレス鋼又は他の適切な材料から製造することができる。チャンバ本体102は通常、側壁108及び底部110を含む。外側ライナ116は、チャンバ本体102を保護するために、側壁108に隣接して配置することができる。シャワーヘッド130(又はリッド及び/若しくはノズル)、側壁108及び/又は底部110のいずれもが、本明細書に記載される耐腐食性コーティングのいずれかを含むことができる。
【0031】
チャンバ本体102に排気ポート126が画定され、排気ポート126は、内部空間106をポンプシステム128に連結することができる。ポンプシステム128は、処理チャンバ100の内部空間106を排気するため及び内部空間106の圧力を調節するために利用される、1つ又は複数のポンプ及びスロットルバルブを含むことができる。
【0032】
シャワーヘッド130は、チャンバ本体102の側壁108上に支持されうる。シャワーヘッド130(又はリッド)は、処理チャンバ100の内部空間106へのアクセスを可能にするために開くことができ、また閉じている間は処理チャンバ100のシールを提供することができる。ガスパネル158は、シャワーヘッド130又はリッド及びノズルを通して内部空間106にプロセスガス及び/又は洗浄ガスを提供するために、処理チャンバ100に連結されうる。シャワーヘッド130は、誘電体エッチング(誘電材料のエッチング)に使用される処理チャンバのために使用されうる。シャワーヘッド130はガス分配プレート(GDP)を含み、GDPには複数のガス送達孔132が貫通している。シャワーヘッド130は、アルミニウム製基部又は陽極酸化されたアルミニウム製基部に結合されたGDPを含みうる。GDPは、Si又はSiCから作製することができるか、又はY、Al、YAl12(YAG)等といったセラミックとすることができる。
【0033】
導体エッチング(導電性材料のエッチング)に使用される処理チャンバには、シャワーヘッドよりはむしろリッドを使用することができる。リッドは、リッドの中心孔に篏合する中心ノズルを含みうる。リッドは、Al、Y、YAGといったセラミックか、又はYAl及びY-ZrOの固溶体を含むセラミック化合物とすることができる。ノズルも、Y、YAGといったセラミックか、又はYAl及びY-ZrOの固溶体を含むセラミック化合物とすることができる。
【0034】
処理チャンバ100内で基板を処理するために使用することのできる処理ガスの例には、ハロゲン含有ガス、例えば特にC、SF、SiCl、HBr、NF、CF、CHF、CH、F、NF、Cl、CCl、BCl及びSiF、並びにO、又はNOといった他のガスが含まれる。キャリアガス及びパージガスの例には、N、He、Ar、及びプロセスガスに対して不活性の他のガス(例えば、非反応性ガス)が含まれる。
【0035】
基板支持アセンブリ148は、シャワーヘッド130又はリッドの下の、処理チャンバ100の内部空間106に配置される。基板支持アセンブリ148は、処理の間に基板144を支持する支持体136を含む。支持体136は、フランジ164を介してチャンバ本体102に連結されているシャフト(図示しない)の末端に取り付けられる。基板支持アセンブリ148は、例えば、ヒータ、静電チャック、サセプタ、減圧チャック、又は他の基板支持アセンブリ部品を含みうる。
【0036】
処理チャンバ100の前述の部品のいずれもが、耐腐食性コーティングを含んでいてよく、これは以下でさらに詳細に説明される。耐腐食性コーティングは、約1mol%から約40mol%のハフニウム、約1mol%から約40mol%のアルミニウム、及び残部の酸素を含むことができ、コーティング中の酸素の量は、約20mol%から約98mol%でありうる。
【0037】
図2Aは、物品上に(例えば、図1を参照して説明したチャンバ部品のいずれかの上に)、ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを成長又は堆積させるALD技術による共堆積プロセス200の一実施態様を示している。図2Bは、物品上にハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを成長又は堆積させる、本明細書に記載のALD技術による共堆積プロセス204の別の実施態様を示している。図2Cは、本明細書に記載のハフニウムアルミニウム酸化物コーティングを成長又は堆積させるALD技術による連続堆積プロセス208の別の実施態様を示している。
【0038】
ALD共堆積プロセス200及び204に関して、表面上への少なくとも2つの前駆体の吸着、又は反応物質と吸着した前駆体との反応を、「半反応」と呼ぶことができる。
【0039】
プロセス200における第1の半反応の間に、第1の前駆体210(又は前駆体の第1の混合物)を、前駆体が物品の表面(物品内の孔及びフィーチャの表面を含む)上に部分的に(又は完全に)接触及び吸着することを可能にするために十分な期間にわたって、物品205の表面上にパルス状に当てることができる。一部の実施態様では、第1の前駆体を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の第1の継続時間にわたって、ALDチャンバ中にパルス状に入れることができる。第1の前駆体210(又は前駆体の第1の混合物)は、ハフニウム含有前駆体及び/又はアルミニウム含有前駆体でありうる。
【0040】
吸着は、前駆体が表面の多数の利用可能な部位上に吸着する際に自己制御的であり、表面上に第1の金属215(例えば、ハフニウム及び/又はアルミニウム)の部分的吸着層を形成する。既に前駆体の第1の金属が吸着した任意の部位は、後続の前駆体とのさらなる吸着のために利用できなくなるであろう。代替的に、第1の前駆体の第1の金属が吸着したいくつかの部位は、その部位に吸着している第2の前駆体の第2の金属で置き換えられてもよい。
【0041】
第1の半反応を完了するために、第2の前駆体220(又は任意選択的に前駆体の第2の混合物)を、第2の前駆体の第2の金属が表面の利用可能な部位の上に(部分的に又は完全に)吸着することを可能にするために(及び場合によっては第1の前駆体の第1の金属の一部を置き換えるために)十分な第2の継続時間にわたって物品205の表面上にパルス状に当て、表面上に共堆積吸着層(例えば、図2Aの層225)を形成することができる。一部の実施態様では、第2の前駆体を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の第2の継続時間にわたって、ALDチャンバ中にパルス状に入れることができる。第2の前駆体(又は前駆体の第2の混合物)は、ハフニウム含有前駆体及び/又はアルミニウム含有前駆体でありうる。例えば、第1の前駆体がハフニウム含有前駆体を含むとき、第2の前駆体はアルミニウム含有前駆体を含むことができ、第1の前駆体がアルミニウム含有前駆体を含むとき、第2の前駆体はハフニウム含有前駆体を含むことができる。
【0042】
次いで過剰な前駆体を、反応物質230がALDチャンバに導入される前に、ALDチャンバから流し出すか又はパージする(即ち、不活性ガスを用いて)ことができる。一部の実施態様では、反応物質を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の継続時間にわたって、ALDチャンバに導入することができる。酸化物コーティングの場合、反応物質は酸素含有反応物質とすることができる。酸素含有反応物質230が共吸着層(図2Aの225)と反応してコーティング層235(例えば、HfAl)を形成した後、過剰な酸素含有反応物質があればそれをALDチャンバから流し出すことができる。代替的に、又は追加的に、ALDチャンバは、第1の前駆体と第2の前駆体の堆積の間の第1の半反応の間にパージされてもよい。
【0043】
図2Bに示すように、物品205は、ALDチャンバに挿入されうる。この実施態様では、共堆積プロセスは、物品の表面上に少なくとも2つの前駆体を同時に共添加することを含む。物品205は、物品の表面又は物品の本体が前駆体210、220の混合物と完全に接触及び吸着して共吸着層227を形成するまで、一定の継続時間にわたって前駆体210、220(例えば、1つ又は複数のハフニウム含有前駆体及び1つ又は複数のアルミニウム含有前駆体)の混合物に導入することができる。一部の実施態様では、第1及び第2の前駆体の混合物を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の第1の継続時間にわたって、ALDチャンバ中にパルス状に入れることができる。前駆体210、220の混合物(本明細書では前駆体A及びBとも呼ばれる)は、任意の比率で、例えば、A90+B10、A70+B30、A50+B50、A30+B70、A10+A90等で、チャンバ内に共注入(A)され、物品の表面に吸着しうる。これら実施例では、x及びyは、Ax+Byの原子比率(mol%)で表される。例えばA90+B10は、90mol%のAと10mol%のBである。
【0044】
いくつかの実施態様では、混合物が第1の重量パーセントの第1の金属含有前駆体と第2の重量パーセントの第2の金属含有前駆体とを含む場合、2つの前駆体の混合物はまとめて導入(即ち、共添加)される。例えば、前駆体の混合物は、約1wt%から約90wt%、又は約5wt%から約80wt%、又は約20wt%から約60wt%の第1の金属含有前駆体と、約1wt%から約90wt%、又は約5wt%から約80wt%、又は約20wt%から約60wt%の第2の金属含有前駆体とを含みうる。混合物は、ターゲットタイプのハフニウムアルミニウム酸化物材料を形成するために適した比率の、第1の金属(例えば、ハフニウム)含有前駆体と第2の金属(例えば、アルミニウム)含有前駆体とを含むことができる。第1の金属(例えば、ハフニウム)含有前駆体対第2の金属(例えば、アルミニウム)含有前駆体との原子比率は、約10:1から約1:10、又は約8:1から約1:8、又は約5:1から約1:5、又は約4:1から約1:4、又は約3:1から約1:3、又は約2:1から約1:2、又は約1:1でありうる。
【0045】
その後、共吸着層227を有する物品205は、酸素反応物質230に導入されて、共吸着層227と反応し、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティング240を成長させうる。一部の実施態様では、反応物質を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の第2の継続時間にわたって、ALDチャンバに導入することができる。
【0046】
図2A及び2Bに示すように、耐腐食性コーティング235及び240を堆積させるための共堆積サイクルは、特定のコーティング厚さを達成するためにm回(mは整数又は1より大きい少数でありうる)繰り返すことができる。各反応サイクルは1つの原子層又は原子層の一部でありうる特定の厚さの層を成長させるであろうから、ALDの場合、材料の最終的な厚さは、実行される反応サイクルの数(m)に依存する。
【0047】
図2Cに示すように、いくつかの実施態様では、連続堆積ALDプロセス208を使用して物品205上に多層スタックを堆積させることができる。連続ALDでは、第1の金属含有前駆体210(例えば、1つ又は複数のハフニウム含有前駆体或いは1つ又は複数のアルミニウム含有前駆体)がALDチャンバに導入されて、物品205の表面上に吸着し、第1の吸着層229を形成しうる。一部の実施態様では、第1の前駆体を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の継続時間にわたって、ALDチャンバ中にパルス状に入れることができる。その後、不活性ガスがALDチャンバ内にパルス状に入り、未反応の第1の金属含有前駆体210があればそれを流し出すことができる。
【0048】
次いで反応物質230(例えば酸素含有反応物質)がALDチャンバに導入されて、第1の吸着層229と反応して第1の金属酸化物層239(例えば、酸化ハフニウム層又は酸化アルミニウム層)を形成しうる。一部の実施態様では、反応物質を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の継続時間にわたって、ALDチャンバにパルス状に入れることができる。過剰な反応物質があれば、ALDチャンバに不活性ガスを導入することによりすべて流し出される。連続ALDプロセスのこの第1の部分は、第1の金属酸化物層239の第1のターゲット厚さが達成されるまでx回(xは、整数又は少数でありうる)繰り返すことができる。いくつかの実施態様では、xは1より大きい。
【0049】
第1のターゲット厚さは、約5オングストロームから約100オングストローム、約10オングストロームから約80オングストローム、又は約20オングストロームから約50オングストロームの範囲でありうる。いくつかの実施態様では、第1のターゲット厚さは、約1nmから約1000nm、約20nmから約500nm、約20nmから約400nm、約20nmから約300nm、約20nmから約200nm、約20nmから約100nm、約50nmから約100nm、又は約20nmから約50nmの範囲でありうる。
【0050】
連続ALDプロセスの第1の部分をxサイクル行った後、第2の金属含有前駆体220(例えば、1つ又は複数のハフニウム含有前駆体或いは1つ又は複数のアルミニウム含有前駆体のうち、第1の半反応に導入されなかった一方)をALDチャンバに導入し、第1の金属酸化物層239上に吸着させて第2の吸着層223を形成することができる。一部の実施態様では、第2の前駆体を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の継続時間にわたって、ALDチャンバ中にパルス状に入れることができる。その後、不活性ガスがALDチャンバ内にパルス状に入り、未反応の第2の金属含有前駆体220があればそれを流し出すことができる。
【0051】
次いで反応物質(例えば酸素含有反応物質)がALDチャンバに導入されて、第2の吸着層223と反応し、第2の金属酸化物層233を形成しうる。一部の実施態様では、反応物質を、約50ミリ秒から約60秒、又は約1秒から約60秒、又は約5秒から約60秒、又は約10秒から約60秒の継続時間にわたって、ALDチャンバにパルス状に入れることができる。連続ALDプロセスのこの第2の部分における反応物質は、連続ALDプロセスの第1の部分の反応物質230と同じでもよく、又は異なっていてもよい。過剰な反応物質があれば、ALDチャンバに不活性ガスを導入することによりすべて流し出される。連続ALDプロセスのこの第2の部分は、第2の金属酸化物233の第2のターゲット厚さが達成されるまでy回(yは、整数又は少数でありうる)繰り返すことができる。一部の実施態様では、yは1より大きい。
【0052】
第2のターゲット厚さは、約5オングストロームから約100オングストローム、約10オングストロームから約80オングストローム、又は約20オングストロームから約50オングストロームの範囲でありうる。いくつかの実施態様では、第2のターゲット厚さは、約1nmから約1000nm、約20nmから約500nm、約20nmから約400nm、約20nmから約300nm、約20nmから約200nm、約20nmから約100nm、約50nmから約100nm、又は約20nmから約50nmの範囲でありうる。
【0053】
いくつかの実施態様では、酸化ハフニウム層と酸化アルミニウム層が交互に並んだスタックにおける各酸化ハフニウム層の厚さと各酸化アルミニウム層の厚さとの比率は、約10:1から約1:10の範囲である。例えば、厚さの比率は、約8:1から約1:8、約5:1から約1:5、約10:1から約1:1、約1:1から約1:10、約5:1から約1:1、又は約1:1から約1:5でありうる。厚さの比率は、特定のチャンバ用途に従って選択することができる。
【0054】
連続ALDプロセスの第1の部分及び第2の部分は一緒にスーパーサイクルを形成する。このスーパーサイクルは、耐腐食性コーティング245のターゲット厚さが達成されるまで、及び第1の金属酸化物と第2の金属酸化物との交互層のターゲット数が達成されるまで、m回繰り返すことができる。スーパーサイクルの数、mは、整数又は少数でありうる。一部の実施態様では、mは1より大きい。
【0055】
コーティング中の第1の金属(例えば、ハフニウム)と第2の金属(例えば、アルミニウム)との相対濃度は、使用される前駆体の種類、前駆体が物品の表面上に吸着する間のALDチャンバの温度、特定の前駆体がALDチャンバに残る時間の量、及び前駆体の分圧等によって制御することができる。一部の実施態様では、コーティングは、約1mol%から約40mol%、約5mol%から約30mol%、約10mol%から約20mol%のハフニウム、及び約1mol%から約40mol%、約5mol%から約35mol%、又は約15mol%から約30mol%のアルミニウムを含有しうる。一部の実施態様では、ハフニウム、アルミニウム及び酸素の総mol%が合計で約100mol%となるように、コーティングの残部を酸素とすることができる。例えば、コーティングは、約2mol%から約98mol%の酸素、約35mol%から約90mol%の酸素、又は約50mol%から約75mol%の酸素を含みうる。
【0056】
一部の実施態様では、耐腐食性コーティングはHfAl(変数x、y、zは、正の整数又はデシマル値でありうる)を含みうる。一部の実施態様では、アルミニウム対ハフニウムのモル比(y:x)は、約0.5から約4、約0.6から約3、約0.7から約2.8、又は約0.8から約2.5の範囲でありうる。一実施態様において、アルミニウム対ハフニウムのモル比は約2.2でありうる。別の実施態様では、アルミニウム対ハフニウムのモル比は約1.0でありうる。一実施態様では、耐腐食性コーティングは、HfAl、HfAl、又はそれらの混合物を含みうる。
【0057】
本明細書に記載されるALDプロセスのいずれかに従って耐腐食性コーティング235、240、又は245を堆積させる前に、任意選択的な緩衝層を物品205上に堆積させることができる。緩衝層は、ALDプロセス200、204、又は208に例示されるALDプロセスによっても堆積させることができる。緩衝層には、限定されないが、酸化アルミニウム(例えば、Al)、酸化ケイ素(例えば、SiO)、窒化アルミニウム、これらの組み合わせ、又は別の適切な材料が含まれうる。緩衝層がアルミナ(Al)である実施例では、前駆体は、アルミニウム含有前駆体(例えば、トリメチルアルミニウム(TMA))とすることができ、反応物質は、酸素含有反応物質(例えば、HO)とすることができる。本明細書に記載される耐腐食性コーティングは物品の表面ではなく緩衝層の上に堆積させることもできることを理解されたい。本明細書に記載されるALDプロセスのいずれもが、緩衝層上に耐腐食性コーティングを堆積するために使用することができる。実施態様において、緩衝層は、約10nmから約1.5μm、約10nmから約15nm、又は約0.8μmから約1.2μmの厚さを有しうる。
【0058】
緩衝層は、頑強な機械特性を提供することができ、絶縁耐力を高めることができ、耐腐食性コーティングの部品に対するよりよい接着を提供し、且つ約350℃まで、約300℃まで、約250℃まで、若しくは約200℃まで、又は約200℃から約350℃、若しくは約250℃から約300℃の温度で耐腐食性コーティングの亀裂を防止する。例えば、コーティング対象であるチャンバ部品の構造の材料は、耐腐食性コーティングの熱膨張係数より有意に高い熱膨張係数を有しうる。まず緩衝層を適用することにより、チャンバ部品と耐腐食性コーティングとの間の熱膨張係数の不一致の有害効果を管理することができる。いくつかの実施態様では、緩衝層は、チャンバ部品の熱膨張係数の値と耐腐食性コーティングの熱膨張係数の値との間の熱膨張係数を有する材料を含みうる。加えて、緩衝層は、部品から耐腐食性コーティング中への金属汚染物質(例えば、Mg、Cu等の微量金属)の移動を防ぐバリアとして働くことができる。耐腐食性コーティングの下に緩衝層を追加することは、耐腐食性コーティング/チャンバ部品境界面のいくつかのエリアに集中しうる上昇した応力を軽減することにより、全体として耐腐食性コーティングの耐熱性を上昇させることができる。
【0059】
一実施態様において、緩衝層は、アモルファスAlといったAlとすることができる。耐腐食性コーティングの下に緩衝層としてアモルファスAl層を追加することは、耐腐食性コーティング/チャンバ部品境界面のいくつかのエリアに集中しうる上昇した圧力を軽減することにより、全体として耐腐食性コーティングの耐熱性を上昇させることができる。さらに、Alは、共通の元素(即ち、アルミニウム)により、アルミニウムベースの部品に対して良好な接着を有する。同様に、Alは、やはり共通の要素(即ち、酸化物)により、金属酸化物を含む耐腐食性コーティングに対して良好な接着を有する。このような改善された境界面は、亀裂を引き起こす傾向のある界面欠陥を低減する。加えて、アモルファスAl層は、部品から耐腐食性コーティング中への金属汚染物質(例えば、Mg、Cu等の微量金属)の移動を防ぐバリアとして働くことができる。
【0060】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載される耐腐食性コーティングの厚さは、約0.5nmから約1000nmの範囲でありうる。実施態様において、コーティングは、約750nmの最大厚さ、約500nmの最大厚さ、約400nmの最大厚さ、約300nmの最大厚さ、約250nmの最大厚さ、約200nmの最大厚さ、約150nmの最大厚さ、約100nmの最大厚さ、約50nmの最大厚さ、約30nmの最大厚さ、約20nmの最大厚さ、又は別の最大厚さを有しうる。実施態様において、コーティングは、約1nmの最小厚さ、約5nmの最小厚さ、約10nmの最小厚さ、約20nmの最小厚さ、約25nmの最小厚さ、約35nmの最小厚さ、約50nmの最小厚さ、約100nmの最小厚さ、約150nmの最小厚さ、又は別の最小厚さを有しうる。
【0061】
耐腐食性コーティング層の厚さ対緩衝層の厚さの比率は、存在する場合、約200:1から約1:200、約100:1から約1:100、又は約50:1から約1:50でありうる。耐腐食性層の厚さ対緩衝層の厚さの比率が高いほど(例えば、200:1、100:1、50:1、20:1、10:1、5:1、2:1等)よりよい耐腐食性及び耐浸食性を提供することができ、耐腐食性層の厚さ対緩衝層の厚さの比率が低いほど(例えば、1:2、1:5、1:10、1:20、1:50、1:100、1:200)よりよい耐熱性(例えば、熱循環により生じる亀裂及び/又は層剥離に対する向上した耐性)を提供することができる。厚さの比率は、特定のチャンバ用途に従って選択することができる。
【0062】
共形プロセスであることに加えて、ALDは均一なプロセスでもあり、極めて薄い膜を形成することができる。物品のすべての露出表面は、同じ又は概ね同じ量の堆積材料を有するであろう。ALD技術は、部品のいかなる材料にも損傷又は変形を生じさせないように、比較的低い温度(例えば、約20℃から約650℃、約25℃から約350℃、約20℃から約200℃、約20℃から約150℃、約20℃から約100℃等)で材料の薄層を堆積させることができる。
【0063】
加えて、ALD技術は、物品上の、複雑な幾何学形状、フィーチャ(例えば、孔及び開孔といった高アスペクト比のフィーチャ)及び三次元構造内に、共形で均一な、連続した低多孔性且つ高密度の材料の層を堆積させることもできる。さらに、ALD技術は通常、多孔性を有さない(即ち、ピン孔を有さない)コーティングを生成し、これは堆積の間の亀裂形成を排除しうる。したがって、ALDによって堆積されたすべての層は、均一で連続した、共形の、高密度を有し、多孔性を有さない(例えば、0%の多孔性を有する)ものとなりうる。
【0064】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載される耐腐食性コーティングは、1つの位置の耐腐食性コーティングの厚さを別の位置の耐腐食性コーティングの厚さと比較することにより測定した場合に(又は複数の位置の耐腐食性コーティングの厚さを得て、得られた厚さの値の標準偏差を計算することにより測定した場合に)約+/-20%未満の厚さ変動、約+/-10%未満の厚さ変動、約+/-5%未満の厚さ変動、又はより小さい厚さ変動を有する均一な厚さを有する、下に位置するコーティング対象表面(コーティングされた表面特徴を含む)の、共形で完全な被覆を有する。
【0065】
いくつかの実施態様では、耐腐食性コーティングは、下に位置するコーティング対象表面の粗さと一致する粗さを有しうる。一部の実施態様では、耐腐食性コーティングは、コーティングされている下に位置する表面の表面粗さと比較して、約+/-20%以下以内、約+/-10%以下以内、又は約+/-5%以下以内の表面粗さを有しうる。一部の実施態様では、コーティングされている表面は、約120μinから約180μin、約130μinから約170μin、又は約140μinから約160μinの表面粗さを有しうる。
【0066】
いくつかの実施態様では、耐腐食性コーティングは、他の堆積技術(例えば電子ビームIAD又はプラズマスプレー)と比較して、非常に緻密で、且つ極めて低い多孔性を有しうる。例えば、耐腐食性コーティングは、約1.5%未満、約1%未満、約0.5%未満の多孔性、又は約0%未満(即ち、多孔性なし)の多孔性を有しうる。本明細書で使用される「多孔性を有さない/多孔性なし」という表現は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した場合に、コーティングの深さ全体に沿っていかなるポア、ピン孔、ボイド、又は亀裂も存在しないことを意味する。対照的に、従来の電子ビームIAD又はプラズマスプレー技術、ドーピング又はスラリベースのコーティングを用いる場合、多孔性は、1-5%となる場合があり、場合によってはそれよりも高くなりうる。
【0067】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載される耐腐食性コーティングは、レーザアブレーションICP-MSによって測定した場合、約90%から約100%、約95%から約100%、約97%から約100%、若しくは約99%から約100%、又は約99.95%を上回る、若しくは約99.98%の組成物純度を有しうる。
【0068】
一部の実施態様では、本明細書に記載されるALDプロセスのいずれかを実施して耐腐食性コーティングを堆積させた後で、コーティングをアニーリングに供することができる。アニーリングは、約200℃から約2000℃、約400℃から約1800℃、約600℃から約1500℃、約800℃から約1200℃の範囲、及びそれらに含まれる任意の範囲の温度で実施することができる。一部の実施態様では、約500℃までのアニーリング温度が、本明細書に記載される耐腐食性コーティングに使用されうる。アニーリングは、均質な相互拡散した混合(又は複合)金属酸化物の耐腐食性層(例えば、均質な相互拡散したハフニウムアルミニウム酸化物層)を形成するための、種々の金属酸化物間の相互拡散(例えば、酸化ハフニウム部分と酸化アルミニウム部分との間の相互拡散)に寄与しうる。
【0069】
いくつかの実施態様では、上述のALD堆積技術のうちの2つ以上を組み合わせて均質な金属酸化物の耐腐食性コーティングを生成することができる。例えば、共堆積と共添加とを組み合わせることができる、共堆積と連続堆積とを組み合わせることができる、及び/又は共添加と連続堆積とを組み合わせることができる。
【0070】
本明細書に記載されるALDプロセスの前に、任意選択的に、コーティング対象物品を洗浄すること、コーティング対象物品をALD堆積チャンバ内に配置/ローディングすること、及び耐腐食性コーティングを形成するためのALD条件(例えば、前駆体の種類及び濃度、反応物質の種類及び濃度、ALD温度、圧力等)を選択することを行ってもよい。物品を洗浄すること及び/又はALD条件を選択すること及び/又はコーティングを堆積させることはすべて、同じエンティティ又は複数のエンティティによって実施されうる。
【0071】
一部の実施態様では、物品は、酸溶液で洗浄してもよい。一実施態様において、物品は、酸溶液の槽に浸される。実施態様において、酸溶液は、フッ化水素酸(HF)溶液、塩酸(HCl)溶液、硝酸(HNO)溶液、又はこれらの組み合わせとすることができる。酸溶液は、物品から表面汚染物質を除去することができる及び/又は物品の表面から酸化物を除去することができる。物品を酸溶液で洗浄することは、ALDを使用して堆積されたコーティングの品質を向上させることができる。一実施態様においては、石英で作製されたチャンバ部品を洗浄するために、概ね0.1-5.0vol%のHFを含む酸溶液が使用される。一実施態様においては、Alで作製された物品を洗浄するために、概ね0.1-20vol%のHClを含む酸溶液が使用される。一実施態様においては、アルミニウム及び追加の金属で作製された物品を洗浄するために、概ね5-15vol%のHNOを含む酸溶液が使用される。
【0072】
実施態様において、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティングを堆積させるためにALDプロセスにおいて使用されうるハフニウム含有前駆体には、限定されないが、ビス(シクロペンチアジエニル)ジメチルハフニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジメチルハフニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メトキシメチルハフニウム、ハフニウム(IV)t-ブトキシド、ハフニウム(IV)エトキシド、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(TDMAHf)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAHf)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)ハフニウム(IV)、HfCl、HfCp、又はこれらの任意の組み合わせが含まれうる。
【0073】
実施態様において、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティング(又は酸化アルミニウム緩衝層)を堆積させるためにALDプロセスにおいて使用されうるアルミニウム含有前駆体には、限定されないが、トリメチルアルミニウム(TMA)、ジエチルアルミニウムエトキシド、トリス(エチルメチルアミド)アルミニウム、アルミニウム sec-ブトキシド、アルミニウムトリブロミド、アルミニウムトリクロリド、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリス(ジエチルアミド)アルミニウム、又はこれらの任意の組み合わせが含まれうる。
【0074】
実施態様において、ハフニウムアルミニウム酸化物の耐腐食性コーティング(又は酸化アルミニウム緩衝層)を堆積させるためにALDプロセスにおいて使用されうる酸素含有反応物質には、限定されないが、酸素ガス(O)、水蒸気(HO)、オゾン(O)、酸素ラジカル(O)、アルコール反応物、又は他の酸素含有材料を含みうる。
【実施例
【0075】
以下の実施例は、本明細書に記載される実施態様の理解を助けるために示されているのであって、本明細書に記載されて特許請求される実施態様を具体的に限定するものではない。当業者が想起するであろう、現在知られているか又は今後開発されるすべての等価物の置換を含む変形例、及び実験的設計における処方の変更又はマイナーチェンジは、本明細書に包含される実施態様の範囲に含まれるものと考慮される。これら実施例は、本明細書に記載される方法を実施することにより達成されうる。
【0076】
実施例1-ALD堆積ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングの特性
ラザフォード後方散乱/X線蛍光(RBS/XRF)膜ストイキオメトリを使用して、ALDによって堆積された2つのハフニウムアルミニウム酸化物コーティング中のHf、Al及びOの原子濃度は、膜の深さを通して一定(即ち、膜の深さを通して均質)であることが決定された。表1は、2つのハフニウムアルミニウム酸化物コーティングのハフニウム、アルミニウム、及び酸素の原子濃度を示している。
【0077】
表1-RBS/XRFデータ
【0078】
図3A及び3Bは、表1のハフニウムアルミニウム酸化物コーティングの微細構造を示している。図3Aは、ALDによって堆積されたHfAlコーティングの、20nmスケールのTEM画像である。図3Bは、ALDによって堆積されたHfAlコーティングの、20nmスケールのTEM画像である。図3A及び3BのTEM画像は、ハフニウムアルミニウム酸化物コーティングが、アモルファスで高密度の、多孔性を有さない、均一で連続した共形であることを示している。
【0079】
実施例2-FeCl孔食(浸し)試験
ALDによって堆積された2つのハフニウムアルミニウム酸化物コーティングの耐腐食性を、孔食試験に基づき、ALDによって堆積された酸化アルミニウムコーティングの耐腐食性と比較した。以下の4つの試料を比較した:2a)コーティングされていないステンレス鋼の電解研磨された316Lの試料片、2b)ALDによって堆積された約100nmのHfAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の電解研磨された316Lの試料片、2c)ALDによって堆積された約100nmのHfAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の電解研磨された316Lの試料片、及び2d)ALDによって堆積された約100nmのAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の電解研磨された316L試料片。
【0080】
これら4つの試料を、6% FeCl溶液に約50℃で約12時間浸した。その後、試料を溶液から除去し、表面の品質を、孔食の証拠について調査した。図4A1、4B1、4C1、及び4D1はそれぞれ、前記孔食試験の後の、試料2a)、2b)、2c)、及び2d)の表面のデジタルカメラ画像を示している。図4A2、4B2、4C2、及び4D2はそれぞれ、より大規模な孔食を呈した、試料2a)、2b)、2c)、及び2d)の表面上のエリアの光学顕微鏡画像を示している。図4A3、4B3、4C3、及び4D3はそれぞれ、より小規模な孔食を呈した、試料2a)、2b)、2c)、及び2d)の表面上のエリアの光学顕微鏡画像を示している。
【0081】
図4A1~4D3に証明されるように、ハフニウムアルミニウム酸化物コーティング(即ち、図4B1、4B2、4B3、4C1、4C2、及び4C3の試料2b)及び2c))は、孔食(浸し)試験においてよりよい結果を示し、このことは、ALDによって堆積された酸化アルミニウムコーティング(図4D1、4D2、及び4D3の)と比較して、又はコーティングされていないステンレス鋼表面(図4A1、4A2、及び4A3の)と比較して、よりよい耐腐食性と相関している可能性がある。
【0082】
実施例3-HClバブル試験
ALDによって堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティングの耐腐食性を、HClバブル試験に基づき、ALDによって堆積された酸化アルミニウムコーティングの耐腐食性、及びALDによって堆積されたイットリウム酸化ケイ素コーティングの耐腐食性と比較した。試験された3つの試料は:3a)ALDによって堆積された約500nmのAlコーティングでコーティングされたAl 6061の試料片、3b)ALDによって堆積された約300nmのHfAlコーティングでコーティングされたAl 6061の試料片、及び3c)ALDによって堆積された約500nmのYSiコーティングでコーティングされたAl 6061の試料片である。
【0083】
HClバブル試験は、HClと、下に位置する基板(Al 6061)との間の反応が眼に見えるようになるまでの期間にわたって各コーティング試料(試料3a)、3b)、及び3c))の一部を2つのHCl酸溶液(5% HCl溶液及び15% HCl溶液)に曝露することにより行われた。この試験は、腐食性条件(例えば、腐食性処理条件)下における、下に位置する基板のコーティングの保護を示すことができる。バブルの出現は、HClがコーティングに浸透したことを示し、コーティングの下のAl 6061基板との反応を開始させた。バブル(即ち、HClのコーティングへの浸透)が見えるまでの時間が長いほど、良好な耐腐食性及び/又はチャンバ性能と相関している可能性がある。
【0084】
試料3a)、3b)、及び3c)の故障寿命(即ち、バブルの出現により証明される、HClがコーティングに浸透し、下に位置する基板との反応を開始するまでの時間)を、以下の表2にまとめる:
【0085】
表2-Al 6061基板上のコーティングの故障寿命
【0086】
表2に証明されるように、いずれかの所与のHCl溶液中における試料3b(ALDによって堆積された300nmのHfAlでコーティングされたAl 6061試料片)の故障寿命は、より小さな厚さを有しているにも関わらず、試料3a(ALDによって堆積された500nmのAlでコーティングされたAl 6061試料片)及び試料3c(ALDによって堆積された500nmのYSiでコーティングされたAl 6061試料片)より長かった。
【0087】
実施例4-HCl浸し試験
ALDによって堆積された2つのハフニウムアルミニウム酸化物コーティングの耐腐食性を、HCl浸し試験に基づき、ALDによって堆積された酸化アルミニウムコーティングの耐腐食性と比較した。以下の4つの試料を比較した:4a)コーティングされていないステンレス鋼の試料片、4b)ALDによって堆積された約100nmのHfAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の試料片、4c)ALDによって堆積された約100nmのHfAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の試料片、及び4d)ALDによって堆積された約100nmのAlコーティングでコーティングされた、ステンレス鋼の試料片。
【0088】
これら4つの試料を、5% HCl溶液に室温で約12時間浸した。その後試料を、溶液から除去し、誘導結合プラズマ光学発光分光法(ICP-OES)を使用して分析し、試料中の化学元素を検出した。以下の表3は、試料4a)、4b)、4c)、及び4d)のICP-OES分析のまとめを示している。
【0089】
表3-12時間の浸漬後の5wt% HCl溶液のICP-OES(ppm)
【0090】
表3に証明されるように、ALDによって堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティング(試料4b及び4c)は、ALDによって堆積された酸化アルミニウムコーティング(試料4d)と比較して、又はコーティングされていないステンレス鋼表面(試料4a)と比較して、HCl溶液中におけるコーティングされたステンレス鋼の試料片の耐腐食性を高めた。
【0091】
実施例5-スクラッチ接着
ALDによって堆積された300nmのHfAlコーティングのアルミニウムに対するスクラッチ接着を、10ミクロンのダイヤモンド針を使用して、アルミニウム基板を露出させるために必要な力(mN)を評価することにより測定した。力は、3回測定した。結果を以下の表4にまとめる。
【0092】
表4-Alに対する300nmのHfAlコーティングのスクラッチ接着試験の結果
【0093】
実施例6-純度
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)を、コーティングが何らかの微量元素(例えば、基板からコーティング中に拡散した汚染物質)を含むかどうかを評価するために、ALDによって堆積されたハフニウムアルミニウム酸化物コーティング(HfAl)に対して実施した。ICP-MSの測定値は、HfAlコーティング中において以下の微量元素がいずれも検出不能であった(即ち、0.05ppm未満しか存在していなかった)ことを示した:Sb、As、Ba、Be、Bi、Br、Cd、Ca、Ce、Cs、Cr、Co、Cu、Dy、Er、Eu、Gd、Ga、Ge、Au、Ho、In、I、Ir、Fe、La、Pb、Li、Lu、Mg、Mn、Hg、Mo、Nd、Ni、Nb、Os、Pd、P、Pt、K、Pr、Re、Rh、Rb、Ru、Sm、Sc、Se、Ag、Na、Sr、Ta、Te、Tb、Tl、Th、Tm、Sn、Ti、W、U、V、Yb、Y、及びZn。
【0094】
ICP-MSデータは、HfAlコーティングが大部分のアルミニウム及びハフニウム(並びに微量のホウ素(23ppm)及びジルコニウム(160ppm))を含有していることを示す。ICP-MSデータにより、HfAlコーティングが、極めて低度の表面汚染(即ち、約99.98%の純度)を有しており、下に位置する基板からALD堆積コーティング中への微量元素の拡散を成功裏に防止したことが確認された。
【0095】
実施例7-DCS(ジクロロシラン)への曝露
DCSといったハロゲンガスに曝露されたベアアルミニウム合金Al6061部品の腐食と残留湿気とは、ALD処理チャンバ用のウエハに金属汚染を生じさせた。三次元の共形で高密度の、多孔性を有さないHfAlコーティングは、有効且つ頑強な腐食阻害物質として働いた。これは、金属汚染試験の結果に基づいて証明されており、以下の表5にまとめられている。金属汚染試験の結果は、コーティングされていない部分とコーティングされた部分(HfAlコーティングでコーティングされた)とを、DSCと残留湿気とに約150℃から約180℃で45分間曝露した後(約900回のウエハ処理サイクルに相当)に得られた。
【0096】
表5-AlのHfAlコーティングに関するDSC及び残留湿気への曝露時の金属汚染試験の結果
【0097】
表5に示すように、HfAlコーティングでコーティングされた部分をDCSに曝露したとき、金属汚染は一切観察されなかった。対照的に、同じ条件下でDCSに曝露されたコーティングされていない部分には、金属汚染物質が実際に生じる。
【0098】
実施例8-HfAlコーティングの耐腐食性
アルミニウム試料片を、HfAlコーティングでコーティングし、減圧チャンバ内でClに約380℃で約25時間浸漬した。浸漬試験の前(図6A)と浸漬試験の後(図6B)でHfAlコーティングの厚さが変化していないことから分かるように、HfAlコーティングにCl腐食は観察されなかった。
【0099】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施態様の良好な理解を提供するために、特定のシステム、部品、方法等の例といった多数の特定の詳細を記載している。しかしながら、当業者には、本開示の少なくともいくつかの実施態様がこれら特定の詳細なしに実施されうることが明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の部品又は方法は、詳細に説明されていないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。したがって、記載された特定の詳細は、単に例示的なものである。特定の実装態様は、これら例示的な詳細とは異なっていてよく、それでも本開示の範囲内にあると考慮されうる。
【0100】
本明細書全体を通して、「一実施態様」又は「実施態様」への言及は、その実施態様に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における「一実施態様において」又は「実施態様において」という表現は、必ずしもすべてが同じ実施態様に言及しているわけではない。加えて、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「概ね」という用語が本明細書で使用される場合、提示される公称値が±10%以内で正確であることを意味することが意図されている。
【0101】
本明細書の方法の工程は、特定の順序で図示及び説明されているが、一部の工程が逆の順序で実施されるか、又は一部の工程が他の工程と少なくとも部分的に同時に実施されるように、各方法の工程の順序が変更されてもよい。別の実施態様では、別個の工程の命令又はサブ工程は、断続的及び/又は交互でありうる。
【0102】
上記の記載は、限定ではなく例示を意図していると理解すべきである。上記の記載を読んで理解すれば、当業者には多くの他の実施態様が明らかになるであろう。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の範囲全体とを一緒に参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6