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特許7604510可動ブロッカを有する抽出光学系を含む装置及びシステム
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  • 特許-可動ブロッカを有する抽出光学系を含む装置及びシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】可動ブロッカを有する抽出光学系を含む装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/04 20060101AFI20241216BHJP
   C23C 14/48 20060101ALI20241216BHJP
   H01J 37/08 20060101ALI20241216BHJP
   H01J 37/147 20060101ALI20241216BHJP
   H01J 27/16 20060101ALN20241216BHJP
   H01J 27/20 20060101ALN20241216BHJP
   H01J 27/08 20060101ALN20241216BHJP
【FI】
H01J37/04 A
C23C14/48 A
H01J37/08
H01J37/147 Z
H01J27/16
H01J27/20
H01J27/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022556494
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021017618
(87)【国際公開番号】W WO2021194654
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】16/828,886
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビロイウ, コステル
(72)【発明者】
【氏名】カルキンス, アダム
(72)【発明者】
【氏名】コントス, アレクサンダー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ハワース, ジェームズ ジェー.
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10468226(US,B1)
【文献】特表2017-510932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0237292(US,A1)
【文献】特開平07-050147(JP,A)
【文献】特表2017-533542(JP,A)
【文献】特表2022-500831(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179409(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0071693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
H01J 27/00-27/26
C23C 14/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを発生させるように動作可能なプラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバの側面に沿って配置されたイオン抽出光学系と
を備え、前記イオン抽出光学系は、
第1の開口部を含む抽出プレートと、
前記第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカと
を備え、前記第1のビームブロッカは、
第1のビームブロッカの第1のエッジと前記抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された第1の内側スリットと、
第1のビームブロッカの第2のエッジと前記抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された第1の外側スリットと
を備え、前記第1のビームブロッカは、前記第1の距離及び前記第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させるように移動可能である、イオン抽出システム。
【請求項2】
前記第1のビームブロッカは、第1の軸を中心に回転可能であり、前記第1の軸は、前記抽出プレートの第1の主側面によって画定された平面に平行に延び、前記第1のビームブロッカは、前記抽出プレートに対して第1の方向に移動可能であり、前記第1の方向は前記平面に直角である、請求項1に記載のイオン抽出システム。
【請求項3】
前記抽出プレートを通る第2の開口部の上方に延びる第2のビームブロッカを更に備え、前記第2のビームブロッカは、
第2のビームブロッカの第1のエッジと前記抽出プレートとの間の第3の距離によって画定された第2の内側スリットと、
第2のビームブロッカの第2のエッジと前記抽出プレートとの間の第4の距離によって画定された第2の外側スリットと
を備え、前記第2のビームブロッカは、前記第3の距離及び前記第4の距離のうちの少なくとも1つを変化させるように移動可能である、請求項2に記載のイオン抽出システム。
【請求項4】
前記第2のビームブロッカは、第2の軸を中心に回転可能であり、前記第2の軸は、前記第1の軸に平行に延び、前記第2のビームブロッカは、前記抽出プレートに対して前記第1の方向に移動可能である、請求項3に記載のイオン抽出システム。
【請求項5】
前記第1の距離が前記第3の距離に等しく、前記第2の距離が前記第4の距離に等しい、請求項3に記載のイオン抽出システム。
【請求項6】
前記第1の内側スリットを通る第1のビームレット、前記第1の外側スリットを通る第2のビームレット、前記第2の内側スリットを通る第3のビームレット、及び前記第2の外側スリットを通る第4のビームレットを受け取るウエハを更に備える、請求項3に記載のイオン抽出システム。
【請求項7】
前記プラズマチャンバは接地電位にあり、前記ウエハは負の電圧によってバイアスされる、請求項6に記載のイオン抽出システム。
【請求項8】
前記第1のビームブロッカは、前記抽出プレートの開口部内で回転可能な支持体を含む、請求項1に記載のイオン抽出システム。
【請求項9】
第1の開口部及び第2の開口部を含む抽出プレートと、
前記第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカと、前記第2の開口部の上方に延びる第2のビームブロッカとを備え、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカの各々は、
内側エッジと前記抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された内側スリットと、
外側エッジと前記抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された外側スリットと
を備え、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカは、前記第1の距離及び前記第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させるように移動可能である、イオン抽出光学系。
【請求項10】
前記第1のビームブロッカは第1の軸を中心に回転可能であり、前記第2のビームブロッカは第2の軸を中心に回転可能であり、前記第2の軸は前記第1の軸に平行に延び、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカは、前記抽出プレートに対して第1の方向に移動可能であり、前記第1の方向は、前記抽出プレートの第1の主側面によって画定された平面に直角に延びる、請求項9に記載のイオン抽出光学系。
【請求項11】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカの各々は、U字形の輪郭を有する、請求項9に記載のイオン抽出光学系。
【請求項12】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカは、前記抽出プレートの開口部内で回転可能な支持体を含む、請求項9に記載のイオン抽出光学系。
【請求項13】
前記支持体は、
円筒形シャフトと、
前記円筒形シャフトを通る複数の開口部と
を備え、前記複数の開口部のうちの1つの開口部に係合して前記円筒形シャフトの回転を防止するように、ピンが動作可能である、請求項12に記載のイオン抽出光学系。
【請求項14】
プラズマチャンバの側面に沿って配置されるイオン抽出光学系を設けることであって、前記イオン抽出光学系は、
第1の開口部及び第2の開口部を含む抽出プレートと、
前記第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカと、前記第2の開口部の上方に延びる第2のビームブロッカとを備え、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカの各々が、
内側エッジと前記抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された内側スリットと、
外側エッジと前記抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された外側スリットと
を備える、イオン抽出光学系を設けることと、
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカを移動させることによって、前記第1の距離及び前記第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させることと
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカを移動させることは、
前記抽出プレートの第1の主側面によって画定された平面に平行に延びる第1の回転軸を中心に前記第1のビームブロッカを回転させることと、
前記第1の回転軸に平行に延びる第2の回転軸を中心に前記第2のビームブロッカを回転させることと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカを移動させることは、前記抽出プレートの前記第1の主側面によって画定された前記平面に対して直角である第1の軸に沿って、前記第1のビームブロッカを移動させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記内側スリット及び前記外側スリットの各々を通して、イオンビームレットをウエハに供給することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記プラズマチャンバは、接地電位に維持され、前記ウエハは、負の電圧によってバイアスされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プラズマチャンバ内でプラズマを発生させることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、処理装置に関し、より詳細には、プラズマからの改善されたイオン抽出のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板をイオンで処理するために使用される既知の装置は、ビームラインイオン注入装置及びプラズマ浸漬イオン注入ツールを含む。これらの手法は、ある範囲のエネルギーにわたってイオンを注入するのに有用である。ビームラインイオン注入装置では、イオンは、ソースから抽出され、質量分析され、次いで、基板表面に移送される。プラズマ浸漬イオン注入装置では、基板は、プラズマが生成される同じチャンバ内に、プラズマに隣接して配置される。基板は、プラズマに対して負の電位に設定され、基板の前でプラズマシースを横切るイオンは、直角の入射角で基板に衝突しうる。
【0003】
プラズマアシスト処理の用途の多くは、ゼロ又は小さなウエハ上のイオンビーム入射角を必要とする。しかしながら、トレンチ側壁の制御されたエッチング、孔の伸長、フォトレジストの収縮、及び磁気ランダムメモリ構造のエッチングのようなある複雑なプロセスは、イオンビームがウエハ上の平均入射角がゼロでないことを特徴とするイオン角度分布(IAD)を有しており、更なる課題をもたらす。現在のいくつかの手法は、調整可能なイオン角度分布を有するイオンビームを供給して処理スループットを増加させ、抽出スリットの数を増やすことによってイオンビーム電流を増加させる。しかし、異なる抽出スリットに由来するイオンビームレットの角度分布には差がある。この不一致は、rf電力、そして暗に、プラズマ密度が減少するにつれて、より顕著になる。これは、これら及び他の考慮事項に関して、本開示が提供される。
【発明の概要】
【0004】
1つの手法では、イオン抽出システムは、プラズマを発生させるように動作可能なプラズマチャンバと、プラズマチャンバの側面に沿って配置されたイオン抽出光学系とを含みうる。イオン抽出光学系は、第1の開口部を含む抽出プレートと、第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカとを含みうる。第1のビームブロッカは、第1のビームブロッカの第1のエッジと抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された第1の内側スリットと、第1のビームブロッカの第2のエッジと抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された第1の外側スリットとを含み、第1のビームブロッカは、第1の距離及び第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させるように移動可能である。
【0005】
別の手法では、イオン抽出光学系は、第1の開口部及び第2の開口部を含む抽出プレートと、第1の開口部上方に延びる第1のビームブロッカと、第2の開口部上方に延びる第2のビームブロッカとを含みうる。第1のビームブロッカ及び第2のビームブロッカの各々は、内側エッジと抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された内側スリットと、外側エッジと抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された外側スリットとを含みうる。第1のビームブロッカ及び第2のビームブロッカは、第1の距離と第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させるように移動可能である。
【0006】
更に別の手法では、方法は、プラズマチャンバの側面に沿って配置されたイオン抽出光学系を提供することを含みうる。イオン抽出光学系は、第1の開口部及び第2の開口部を含む抽出プレートと、第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカと、第2の開口部の上方に延びる第2のビームブロッカとを含む。第1のビームブロッカ及び第2のビームブロッカの各々は、内側エッジと抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された内側スリットと、外側エッジと抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された外側スリットとを含みうる。本方法は、第1のビームブロッカ及び第2のビームブロッカを移動させることによって、第1の距離及び第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させることを更に含みうる。
【0007】
添付の図面は、その原理の実際の用途のために考案された、これまでに開示された実施形態の例示的な手法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の様々な実施形態による処理装置のブロック図を示す。
図2A】本開示の様々な実施形態による、図1の処理装置の抽出光学系の正面斜視図である。
図2B】本開示の様々な実施形態による、図1の処理装置の抽出光学系の背面斜視図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、切断線4-4に沿った図2Bの抽出光学系の側方断面図である。
図4A】本開示の様々な実施形態による、ビームブロッカを回転させる効果を実証するグラフである。
図4B】本開示の様々な実施形態による、ビームブロッカを回転させる効果を実証するグラフである。
図5】本開示の様々な実施形態による、内側及び外側ビームレットのイオン角度分布を実証するグラフである。
図6A】本開示の様々な実施形態による、ビームブロッカを回転させるための装置の斜視図である。
図6B】本開示の様々な実施形態による、ビームブロッカを回転させるための装置の斜視図である。
図7】本開示の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面は、単なる表現であり、本開示の特定のパラメータを表すことを意図していない。図面は、本開示の例示的な実施形態を示すことを意図しており、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面では、類似の番号は類似の要素を表している。
【0010】
更に、図のいくつかにおける特定の要素は、説明を明確にするために、省略されるか、又は縮尺通りには図示されないことがある。断面図は、「スライス(slice)」、又は「近視的な(near-sighted)」断面図の形をとっていることがあり、説明を明確にするために、そうでなければ「本当の(true)」断面図では見える特定の背景線が省略される。更に、明確にするために、いくつかの参照番号が、ある特定の図面で省略されていることがある。
【0011】
実施形態が示される添付の図面を参照して、可動ブロッカを有する抽出光学系を含む方法、装置、及びシステムが本明細書に開示される。実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載されるものに限定されると解釈されるべきではない。代わりに、これらの実施形態は、本開示が一貫した完全なものであり、方法、システム、及びデバイスの範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0012】
図1は、本開示の実施形態による、システム又は処理装置100を示す。処理装置100は、その中にプラズマ103を発生させるためのプラズマチャンバ102からなるプラズマ源を含む。プラズマチャンバ102は、プラズマ源(例えば、RF誘導結合プラズマ(ICP)源、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、間接加熱カソード(IHC)源、グロー放電源、又は当業者に知られた他のプラズマ源)の一部として機能しうる。この特定の実施形態では、プラズマ源は、ICP源である。このICP源では、RF発生器105からの電力が、RF整合ネットワーク107を介してプラズマに結合する。RF発生器からガス原子及び/又は分子へのRF電力の伝達は、アンテナ106及び誘電体ウィンドウ(図示せず)を介して行われる。
【0013】
更に示されるように、ガスマニホールド109は、適切なガスライン及びガス注入口を通してプラズマチャンバ102に接続されうる。処理装置100のプラズマチャンバ102又は他の構成要素はまた、真空システム(図示せず)(例えば、回転ポンプ又は膜ポンプによって支えられたターボ分子ポンプ)に接続されてもよい。プラズマチャンバ102は、チャンバ壁によって画定され、絶縁体117によって電気的に絶縁された、処理チャンバ104に隣接して配置されうる。処理チャンバ104は、基板ホルダ114及びウエハ又は基板116を含みうる。
【0014】
いくつかの実施形態では、プラズマチャンバ102は、バイアス電圧供給部112を使用して、基板ホルダ114及び処理チャンバ104に対してバイアスされうる。例えば、基板ホルダ114、基板116、及び処理チャンバ104が接地されている間、プラズマチャンバ102は、高電圧(例えば、+1000V)に保持されうる。代替的に、プラズマチャンバ102が接地されている間、基板ホルダ114が負の電位に保持されてもよい。バイアス電圧供給部112と基板ホルダ114との間の電気的接続は、電気フィードスルー118を通して達成される。これらの場合、プラズマ103から正イオンが抽出され、プラズマチャンバ102と基板ホルダ114との間の電圧差に比例したイオンエネルギーで基板116に方向付けられうる。
【0015】
更に示されるように、イオン抽出光学系(以下、「光学系」)120は、プラズマチャンバ102の側面に沿って配置されうる。限定的ではないが、光学系120は、プラズマチャンバ102の底部に配置され、水平面内に延びうる。いくつかの実施形態では、プラズマチャンバ102は、処理チャンバ104の側面に配置されてもよく、光学系120は、プラズマチャンバ102の垂直側面に沿って配置される。光学系120は、特に、プラズマチャンバ102と処理チャンバ104との間に配置される。光学系120は、プラズマチャンバ102若しくは処理チャンバ104、又はその両方のチャンバ壁の一部を画定しうる。光学系120は、イオンビーム、即ちイオンビームレット130としてイオンが抽出され、基板116に向かって方向付けられうる開孔を含む。限定的ではないが、光学系120は、2つの内部スリット及び2つの外部スリットを含みうる。これにより、ビームレットが基板116に衝突可能となる。
【0016】
様々な実施形態では、基板ホルダ114は、図示されている直交座標系のY軸に平行な方向に沿って基板ホルダ114を移動させるように構成されたドライブ(図示せず)に連結されうる。更なる実施形態では、基板ホルダ114は、X軸、Z軸、又はその両方に平行な方向に沿って移動可能でありうる。この移動は、処理装置100に2つの自由度を提供し、即ち、抽出開孔に対する基板の相対位置を変更可能にし、基板116を開孔に対して走査可能にし、したがって、場合によっては、基板116の表面全体にわたってイオンが提供されうる。様々な実施形態では、基板ホルダ114は、1度の増分といった小さな増分でZ軸を中心に回転可能になり、したがって、プロセスの均一性が更に改善されうる。
【0017】
様々な追加の実施形態では、以下に詳述するように、光学系120は、複数のイオンビームレットを画定する別個の部分を含みうる。様々な実施形態では、光学系120は、X方向に沿って(図1の図の平面内に)伸長された、複数の抽出スリットを画定する。これらの抽出スリットは、X方向に沿って伸長され、且つ設計特性(例えば、イオンエネルギー、イオン電流密度、Z軸に対する設計入射角、及び設計角度広がり)を有する複数のリボンビームを画定する。
【0018】
図1に更に示すように、光学系120は、中央リブプレート126を含む抽出プレート122を含みうる。特定の実施形態では、光学部120は、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bを更に含みうる。これらは、以下により詳しく説明する抽出プレート122によって定義される開孔に近接して配置される。様々な実施形態によれば、図1の構成において、抽出プレート122、中央リブプレート126、第1のビームブロッカ124A、第2のビームブロッカ124Bは、4つの抽出スリットを画定しうる。これら4つの抽出スリットは、4つの異なるリボンビーム又はイオンビームレット130を生成しうる。抽出プレート122、第1のビームブロッカ124A、及び第2のビームブロッカ124Bの選択的配置によって、特に、低電力動作の場合には、異なる抽出スリットから抽出されたイオンビームレット130のイオン角度分布の差の緩和が可能である一方で、2つのスリット抽出光学系構成に関して2倍増加した総抽出イオンビーム電流を維持する。
【0019】
次に、図2A~2Bを参照すると、本開示の実施形態による光学系120の平面図が示される。図2Aの図は、プラズマチャンバ102に向かって見た処理チャンバ104の斜視図を示し、一方、図2Bの図は、プロセスチャンバ104に向かって見たプラズマチャンバの斜視図を示す。抽出プレート122は、第2の主側面127とは反対側の第1の主側面125を含み、第1の主側面125はプラズマチャンバに面し、第2の主側面127は処理チャンバ104に面する。図示されたように、抽出プレート122は、概して矩形の構成要素でありうる。しかしながら、本明細書の実施形態は、この文脈に限定されない。
【0020】
抽出プレート122は、切り欠き領域128を含みうる。ここで、切り欠き領域128は、第1の方向に沿って(この場合、X軸に沿って)伸長される。切り欠き領域128は、100mm、200mm、300mm、又は400mmなど、切り欠き領域128の長さとほぼ同じ長さを有するイオンビームを生成する程度に伸長されうる。本明細書の実施形態は、この文脈に限定されない。切り欠き領域128は、第1の方向に直角な第2の方向に沿った(例えば、図示されるように、Y軸に沿った)幅を有するように更に配置されうる。Y軸に沿った切り欠き領域128の幅は、プラズマチャンバ102内の均一なプラズマの領域と重なり合う大きさの設置面積を生成するように設計されうる。言い換えれば、切り欠き領域128は、プラズマチャンバ102の側部の中央に配置されてもよく、Y軸に沿った切り欠き領域128の幅は、プラズマがY軸に沿って均一である領域の幅以下である。このようにして、切り欠き領域128から、複数のイオンビームが抽出されうる。切り欠き領域128では、種々のイオンビーム間においてイオン電流密度及び角度特性の差がない。
【0021】
更に図示するように、中央リブプレート126は、切り欠き領域128に重なり合うように配置されるが、また、X軸に沿って切り欠き領域128を越えて延びうる。そのように、中央リブプレート126及び切り取り領域128は、第1の開孔132及び第2の開孔134を画定する。いくつかの実施形態では、中央リブプレート126は、互いに等しいサイズを有するよう第1の開孔132及び第2の開孔134を生成するように配置されうる。
【0022】
様々な実施形態では、抽出プレート122及び中央リブプレート126は、金属、グラファイト、又は他の導体などの導電性材料から作製されうる。抽出プレート122が第1の材料から作製される様々な実施形態によれば、中央リブプレート126は、第1の材料、又は第1の材料とは異なる第2の材料から作製されうる。
【0023】
更に示されるように、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、中央リブプレート126の反対側の切り欠き領域128にわたり延びる。制限しないが、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、抽出プレート122の第2の主側面127によって画定される平面を超えて延びうる。
【0024】
ここで図3を参照して、光学系120をより詳細に説明する。第1のビームブロッカ124Aは、第1の開孔132の一部と重なり合うように配置され、この第1のビームブロッカ124Aと、抽出プレート122を通る第1の開孔132は、第1の内部スリット142Aと第1の外部スリット142Bとを画定する。同様に、第2のビームブロッカ124Bは、第2の開孔134の一部に重なり合うように配置され、第2のビームブロッカ124Bと、抽出プレート122を通る第2の開孔134は、第2の内側スリット144Aと第2の外側スリット144Bとを画定する。いくつかの例では、抽出スリット(142A~142B及び144A~144B)の個々の幅が約数ミリメートル、1ミリメートル又は1ミリメートル未満である一方で、抽出スリットの長さは、約数十センチでありうる。したがって、抽出スリット142A~142B及び144A~144Bは、非常に狭いリボンビームがプラズマチャンバ102から抽出されうる伸長された開孔を画定しうる。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bが、動作中に第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの熱膨張を収容する装着構造123を用いて、抽出プレート122に取り付けられうる。第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの凹状のU字形状は、静電ポテンシャル力線(electrostatic potential field lines)を形成し、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bが抽出プレート122に対して独立してバイアス可能である実施形態において、光学系120を通して抽出されるイオンビームの入射角及び角度広がりの制御を容易にする。第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは導電体でありうるが、いくつかの実施形態では、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは電気絶縁体であってもよい。更に、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの形状も同様に、例えば、凹面半径の異なる凹面から長方形(例:平行なプレート)などに、変化しうる。
【0026】
例示的な実施形態において、第1のビームブロッカ124Aは、第1の軸148を中心に回転可能であり、第1の軸148は、抽出プレート122の第1の主側面125によって画定される平面に平行に延びる。加えて、第1のビームブロッカ124は、第1の方向150に(例えば、Z軸に沿って)抽出プレート122に対して移動可能でありうる。第1の方向150は、抽出プレート122の第1の主側面125に対して直角である。同様に、第2のビームブロッカ124Bは、第2の軸152を中心に回転可能でありうる。第2の軸152は、第1の軸150に平行に延びる。図示されたように、第2のビームブロッカ124Bはまた、抽出プレート122に対して、抽出プレート122の第1の主側面125に直角な第1の方向156に移動可能である。
【0027】
更に図示されるように、第1の内部スリット142Aは、第1のブロッカの第1のエッジ161と抽出プレート122との間の第1の距離「D1」によって画定されうる。より具体的には、第1の距離D1は、第1のブロッカの第1のエッジ161と第1の開孔132の第1の周辺点162との間で測定されうる。第1の周辺点162は、中央リブプレート126の第1の側面によって画定される。第1の外側スリット142Bは、第1のブロッカの第2のエッジ163と第1の開孔132の第2の周辺点164との間の距離「D2」によって画定されうる。
【0028】
第2の内側スリット144Aは、第2のブロッカ第1のエッジ165と抽出プレート122との間の第3の距離「D3」によって画定されうる。より具体的には、第3の距離D3は、第2のブロッカの第1のエッジ165と第2の開孔134の第1の周辺点166との間で測定されうる。第1の周辺点166は、中央リブプレート126の第2の側面によって画定される。第2の外側スリット144Bは、第2のブロッカの第2のエッジ167と第2の開孔134の第2の周辺点168との間の距離「D4」によって画定されうる。いくつかの実施形態では、D1は、D3に等しいか、又はほぼ等しく、D2は、D4に等しいか、又はほぼ等しい。
【0029】
動作中、プラズマ密度は、アンテナ106(図1)に近接するプラズマチャンバ102で最も高くなり、ここで、電力堆積が生じる。固有の拡散プロセスのために、プラズマ密度は、プラズマチャンバ102の壁に向かって減少する。結果として、垂直方向の(例えば、y軸に沿った)のプラズマ密度プロファイルは、放物線のような形状を有する。従って、第1の内部スリット142A及び第2の内部スリット144Aは、第1の外部スリット142B及び第2の外部スリット144Bよりもプラズマ密度が高くなるだろう。この不一致を緩和するために、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、任意の距離D1~D4を調整するために、第1の軸148及び第2の軸152を中心にそれぞれ回転可能である。加えて、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、任意の距離D1~D4を更に調整するために、抽出プレート122に対して移動可能である。いくつかの実施形態では、第1のビームブロッカ124Aは、中央リブプレート126に向かって、時計回り方向に回転され、第2のビームブロッカ124Bは、反時計回り方向に回転されうる。これにより、第1の内側スリット142Aに対して第1の外側スリット142Bのサイズが大きくなり、第2の内側スリット144Aに対して第2の外側スリット144Bのサイズが大きくなる。なお、図示した非制限実施形態では、第1のビームブロッカ124Aが、第1のアングル「-α」により回転され、第2のビームブロッカ124Bが、第2アングル「+α」により回転される。第1の角度と第2の角度の絶対値は、同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
図4A~4Bは、本開示の原理をより詳細に示す。第1のビームブロッカ124Aのみが示されているが、記述された手法は第2のビームブロッカ124Bにも同様に適用されると理解されるだろう。図4Aは、第1の軸148を中心に約2.5度の角度「α」回転する第1のビームブロッカ124Aを示す一方、図4Bは、第1の軸148を中心に約5度の角度「β」回転する第1のビームブロッカ124Aを示す。
【0031】
上述のように、内側ビームレット180と外側ビームレット182のイオン角度分布の差に対処することは、第1のビームブロッカ124Aを回転させて、等電位線分布184を第1の内側スリット142Aに向かって、かつ第1の外側スリット142Bから遠くにシフトさせることによって克服されうる。第1のビームブロッカ124Aの回転は、第1の内部スリット142Aの狭まり及び第1の外部スリット142Bの拡大につながる。第1の内部スリット142A及び第1の外側スリット142Bをそれぞれ狭め、拡大することは、抽出したイオンビーム電流の差を補償することになる。内側スリットの断面積が小さくなるのに対し、外側スリットは断面積が大きくなるだろう。いくつかの実施形態では、プラズマ密度と抽出スリット面積との積は、一定、即ち、
outer*slit outer=ninnerslit inner
となろう。引き出されたイオンビーム電流を内側及び外側スリットを通して平衡させることは、イオン角度分布に対して同一の空間電荷効果を提供しうる。図示されていないが、第3のビームレットは、第2のビームブロッカ124Bの第2の内側スリット144Aを通ってウエハ116で同様に受け取られ、第4のビームレットは、第2のビームブロッカ124Bの第2の外側スリット144Bを通ってウエハ116で受け取られることが理解されよう。
【0032】
ブロッカの回転及び/又は抽出プレート122から離れる移動の全体的な効果は、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの双方の内側及び外側ビームレットの準類似の(quasi-similar)イオン角度分布である。例えば、図5Aに見られるように、2.5度回転させた第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bに対応するIADは、内側ビームレット180に対して平均角度25度及び角度広がり4度を示す一方で、外側ビームレット182は、角度広がり26.5度及び角度広がり0.5度を有している。図5Bに示されるように、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bを5度回転させると、内側ビームレット180のIAD特性は、26度の平均角度及び3度の角度広がりを示す一方で、外側ビームレット182の平均角度は26度であり、角度広がりは0.5度である。実証されたように、内側ビームレット180及び外側ビームレット182のIADは、平均角度に関して類似しており、角度広がりにおいて準類似(quasi similar)している。
【0033】
ここで図6A~6Bに注目すると、本開示の実施形態による第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bを回転させるための装置が説明される。図示されたように、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、第1の主側面125から延びる、装着構造123内で回転可能及び/又は移動可能な一組の支持体184A~184Bを使用して、抽出プレート122に連結されうる。図示されるように、支持体184A~184Bは、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bそれぞれの第1の端部188から延長されうる。図示されていないが、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの反対側の端部に類似の支持体が存在しうると理解されよう。
【0034】
いくつかの実施形態では、各支持体184A~184Bは、複数の開口部191が内部に形成された円筒形シャフト190を含みうる。ピン192は、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの所望の角度位置がいったん達成されると、円筒形シャフト190の回転を防止するために、開口部191のうちの1つと係合するように動作可能である。図示されるように、ピン192は、装着構造123の上面195に形成された凹部194の側壁と係合するように構成される。第1及び/又は第2のビームブロッカ124A~124Bの角度回転を調整するために、ピン192が取り外されうる。図6Bに最もよく示されるように、開口部191は、円筒形シャフト190の周りの異なる角度位置に配置されうる。これらの開口部191の軸は、円筒形シャフト190の中心軸に直角であり、所定の角度増分で回転する。第1のブロッカ124A及び第2のブロッカ124Bは、望ましい角度に対応する開口部191が凹部194と整列されるまで回転する。
【0035】
図7は、本開示の実施形態による方法200を示すフローチャートである。ブロック201において、方法200は、プラズマチャンバの側面に沿って配置されたイオン抽出光学系を提供することを含みうる。イオン抽出光学系は、第1の開口部及び第2の開口部を含む抽出プレートと、第1の開口部の上方に延びる第1のビームブロッカと、第2の開口部の上方に延びる第2のビームブロッカとを含む。第1のブロッカ及び第2のブロッカの各々は、内側エッジと抽出プレートとの間の第1の距離によって画定された内側スリットと、外側エッジと抽出プレートとの間の第2の距離によって画定された外側スリットとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、本方法は、抽出プレートの第1の主側面によって画定された平面に平行に延びる第1の回転軸を中心に第1のブロッカを回転させることと、第1の回転軸に平行に延びる第2の回転軸を中心に第2のブロッカを回転させることとを含みうる。いくつかの実施形態では、第1のブロッカ及び第2のブロッカを移動させることは、第1のブロッカを、抽出プレートの第1の主側面によって画定される平面に直角な第1の軸に沿って移動させることを更に含みうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法は、チャンバを接地電位に維持することを含みうる。ウエハは、負電圧によってバイアスされる。いくつかの実施形態では、本方法は、プラズマチャンバ内でプラズマを発生させることを含みうる。
【0038】
ブロック203において、本方法は、第1のブロッカ及び第2のブロッカを移動させることによって、第1の距離及び第2の距離のうちの少なくとも1つを変化させることを含みうる。ブロック205において、方法200は、オプションで、内側スリット及び外側スリットのそれぞれを通して、イオンビームレットをウエハに送達することを含みうる。
【0039】
本明細書で使用する際に、「入射角」という用語は、基板表面上の法線に対するイオンビームのイオンのグループの平均入射角を指しうる。「角度広がり(angular spread)」という用語は、略して、平均角度を中心とした分布の幅又は入射角の範囲を指しうる。本明細書に開示される実施形態では、新規な抽出システムは、他のパラメータ(イオンビームの入射角又は角度広がり)に影響を及ぼさずに、リボンビーム構成のプラズマから抽出されたイオン電流を増加させることができる。
【0040】
前述の実施形態は4スリット構成に焦点を当てているが、追加の実施形態では、6スリット構成及び8スリット構成が可能である。例えば、3つの抽出開孔を画定するために、2つの中央リブプレートが共通の切り欠き領域の上方に配置される、6スリット構成が実現されうる。したがって、3つのそれぞれのビームブロッカは、3つのそれぞれの抽出開孔に重なり合うように配置され、所与のビームブロッカは、抽出開孔を有する一対の抽出スリットを画定しうる。同様に、8スリット構成は、4つのビームブロッカと対になる4つの抽出開孔を画定するために、共通の切り欠き領域上方に3つの中央リブプレートを位置決めすることによって実現されうる。概して、本実施形態によるマルチスリットイオン抽出光学系は、1つの切り欠き領域、N個の中央リブプレート、及びN+1個のビームブロッカを使用して構成されうる。抽出スリットの数は、2(N+1)に等しい。
【0041】
便宜上及び明確性のために、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「垂直方向(vertical)」、「水平方向(horizontal)」、「横方向(lateral)」、及び「縦方向(longitudinal)」といった用語は、本明細書では、図に見られるように、構成要素及びそれらを構成する部分の相対的な配置及び配向を説明するために使用される。専門用語には、具体的に言及される文言、その派生語、及び、同様の重要度の文言が含まれる。
【0042】
本明細書では、単数形で列挙され、「a」又は「an」という単語が付く要素又は動作は、そのような単数形の除外が明示的に記載されない限り、複数の要素又は動作を含むものと理解すべきである。更に、本開示の「1つの実施形態(one embodiment)」への言及は、限定を意図するものではない。追加の実施形態も列挙された特徴を包含しうる。
【0043】
更に、「実質的な(substantial)」又は「実質的に(substantially)」という用語、及び「約、ほぼ(approximate)」又は「約、ほぼ(approximately)」という用語は、いくつかの実施形態において互換的に使用することができ、当業者によって許容されうる任意の相対的尺度を用いて説明することができる。例えば、これらの用語は、基準パラメータとの比較として役割を果たし、(意図されている機能を提供しうる)許容差を示しうる。非限定的ではあるが、基準パラメータからの許容差は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満等でありうる。
【0044】
更に、層、領域、又は基板といったある要素が、他の要素上の「上に(on、over、又はatop)」形成され、堆積され、又は配置されると言及された場合に、当業者は、1つの要素が他の要素の上に直接的に存在しうる、又は介在要素も存在しうると理解するだろう。対照的に、ある要素が他の要素の「上に直接的に存在する(directly on、directly over、又はdirectly atop)」と言及される場合には、介在要素は存在しない。
【0045】
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態による範囲には限定されない。実際、本明細書に記載された実施形態に加えて、本開示の他の様々な実施形態及び本開示の変形例が、上述の説明及び添付図面から当業者には明らかであろう。したがって、このような他の実施形態及び変形例は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。更に、本開示は、本明細書において、特定の目的のための特定の環境における特定の実施態様の文脈で説明されてきた。当業者は、有用性がそれに限定されず、本開示が、任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実施されうることを認識するだろう。したがって、以下に記載される特許請求項の範囲は、本明細書に記載した本開示の完全な範囲及び主旨を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7