IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテグリス・インコーポレーテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-13
(45)【発行日】2024-12-23
(54)【発明の名称】ヨードシランの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/107 20060101AFI20241216BHJP
【FI】
C01B33/107
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023524893
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2021055707
(87)【国際公開番号】W WO2022087036
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】63/104,910
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レインマン, スコット エー.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥベ, ジョナサン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】スタッブス, ジェームズ エム.
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-063176(JP,A)
【文献】特開昭56-100129(JP,A)
【文献】特表2018-519233(JP,A)
【文献】特表2022-513733(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02639331(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/
C07F 7/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
(H)Si(I) (I)
(式中、xは1又は2であり、yは2又は3であり、x+yの和は4である)
を有する化合物の調製方法であって、式(A):
(H)Si(N(R)(R)) (A)
[式中、(i)各R及び各Rは、独立して、C~Cアルキル基、C~C脂環式基若しくは水素から選択される、又は(ii)R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC~C窒素含有飽和環若しくは芳香族環を形成するが、ただし、R及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする]
の化合物を、
式:
(式中、Rは、C~Cアルキル、C~C置換アルキル、ベンジル、置換ベンジル、ビフェニル、ナフチル、フェニル又は置換フェニルから選択される)
の化合物と接触させて、式(I)の化合物を生成することを含む、方法。
【請求項2】
式(I)の化合物がHSiIである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(I)の化合物がHSiIである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
及びRが、メチル、エチル、プロピル、sec-ブチル及びt-ブチルから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
及びRの少なくとも1つがt-ブチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
及びRの少なくとも1つがシクロヘキシルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロール、ピロリジン又はピペリジン環を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
がC~Cアルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
がフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
が置換フェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
が4-フルオロフェニルである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
が3,5-ジフルオロフェニルである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
及びRの少なくとも1つがエチルであり、Rがメチル又はフェニルである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素化学の分野に属する。特に、本発明は、ジヨードシラン及びトリヨードシランの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハロシランは、マイクロ電子デバイスの製造において前駆体として有用である。特に、HSiI及びHSiIなどのハロシランは、マイクロ電子デバイスの製造に使用される、ケイ素含有膜堆積のための前駆体化合物として有用である。溶液を用いる現在の合成方法論では、(i)アリールシラン(Keinanら、J.Org.Chem.,Vol.52,No.22,1987,pp.4846-4851;Kerriganら、米国特許第10,106,425号)、又は(ii)SiHClなどのハロシラン(米国特許第10,384,944号)から、HSiI及び他の選択されたヨードシランを合成することが説明されている。
【0003】
Keinanらは、酢酸エチルなどの触媒の存在下で、アリールシランであるフェニル-SiHをヨウ素で化学量論的に処理することを用いた、SiH形成のための合成方法を記載している。反応副生成物は、ベンゼンとして遊離するアリールシランからの芳香族官能基、及び酢酸エチル分解から生じる複雑副生成混合物である。この反応副生成物を所望のSiHから分離することが煩雑であり、プロセスを複雑にしている。また、アリールシランを基にハロシランを調製する方法は、典型的には、所望のヨードシラン生成物にとって有害なヨードジン及び/又はヨウ化水素で汚染された生成物を生成するため、しばしばアンチモン、銀又は銅を用いてヨードシラン生成物を安定させている。
【0004】
米国特許第10,106,425号明細書は、反応物質としてアリールシラン(CH)SiHの使用を教示している。開示される方法は、副生成物としてトルエンを生成するため、フェニル-SiHからベンゼンを生成するKeinan法に対して、より危険性の低い代替法として特許請求されている。米国特許第10,384,944号明細書は、例えば、LiIとSiHClとのハロゲン化物交換によって、ハロゲン交換反応においてLiCl及びSiHを生成することを記載している。
【発明の概要】
【0005】
要約すると、本発明は、特定のジアルキルアミドシランをヨウ化アシルで処理することによって、HSiI及びHSiIなどの非常に望ましいヨードシランを調製するための方法論を提供する。一実施例では、ジヨードシランは、ビス(ジエチルアミノ)シランとヨウ化ベンゾイルとの反応から調製することができる。この反応は、驚くべきことに、結果としてアミノシランのアルキルアミノ基をヨード基で置き換える。この形質転換は、室温及び大気圧で容易に起こり、無溶媒及び非プロトン性溶媒の存在下で行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」はその内容が明らかに別途指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「又は」は、一般に、その内容が明らかに別途指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で使用される。
【0007】
用語「約」は、一般に、記載された値(例えば、同じ機能又は結果を有する)と等価であると考えられる数の範囲を指す。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入される数を含むことができる。
【0008】
端点を用いて表される数値範囲は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
【0009】
第1の態様では、本開示は、式(I):
(H)Si(I) (I)
式中、xは1又は2であり、yは2又は3であり、x+yの和は4である、
を有する化合物の調製方法を提供し、本方法は、式(A):
(H)Si(N(R)(R)) (A)
式中、(i)各R及び各Rは、独立して、C~Cアルキル基、C~C脂環式基、若しくは水素から選択される、又は(ii)R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC~C窒素含有飽和又は芳香族環を形成する、ただし、R及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする、
の化合物を、
式:
式中、Rは、C~Cアルキル、C~C置換アルキル、ベンジル、置換ベンジル、ビフェニル、ナフチル、フェニル又は置換フェニルから選択される、
の化合物と接触させて、式(I)の化合物を生成することを含む。
【0010】
第2の態様では、本開示は、式(II):
(H)(I)Si-Si(I)(H) (II)
式中、yは2又は3であり、zは0又は1であり、yとzの和は3である、
を有する化合物の調製方法を提供し、本方法は、式(B):
((R)(R)N)Si-Si(N(R)(R)) (B)
式中、(i)各R及び各Rは、独立して、C~Cアルキル基、C~C脂環式基、若しくは水素から選択される、又は(ii)R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC~C窒素含有飽和又は芳香族環を形成する、ただし、R及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする、
の化合物を、
式:
式中、Rは、C~Cアルキル、C~C置換アルキル、ベンジル、置換ベンジル、ビフェニル、ナフチル、フェニル又は置換フェニルから選択される、
の化合物と接触させて、式(II)の化合物を生成することを含む。
【0011】
上記のプロセスでは、式(A)の反応物が利用される場合に式(I)の生成物が生成され、式(B)の反応物が利用される場合に式(II)の生成物が生成されることが理解されよう。一実施形態では、式(I)の化合物はHSiIである。別の実施形態では、式(I)の化合物はHSiIである。
【0012】
一実施形態では、式:
(H)Si(N(R)(R)) (A)は、以下の
Si(N(CH
Si(N(CHCH
Si(N(CHCH)(CH))
Si(N(CHCHCH
Si(N(CHCHCHCH
Si(N(t-ブチル)
Si(N(H)(t-ブチル))
HSi(N(CH
HSi(N(CHCH
HSi(N(CHCHCH
HSi(N(CHCHCHCH
HSi(N(t-ブチル)
などの化合物から選択される。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「置換フェニル」は、C~Cアルキル、C~Cアルキルアミノ、ジ(C~Cアルキル)アミノ、及びハロから選択される基で1~5回置き換えられたフェニル基を意味する。一実施形態では、ハロはフルオロである。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「置換C~Cアルキル」は、C~Cアルキルアミノ、ジ(C~Cアルキル)アミノ、及びハロから選択される基で1~5回置き換えられたC~Cアルキル基を意味する。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「置換ベンジル」は、C-Cアルキルアミノ、ジ(C-Cアルキル)アミノ、及びハロから選択される芳香族環上に1~5個の置換基を有するベンジル基を意味する。
【0016】
本発明の方法論は、無溶媒、又は出発物質若しくはヨードシラン生成物と非反応性の非プロトン性溶媒の存在下で実施することができる。そのような溶媒としては、酸素、エステル、カルボキシ基及びケトンなどの部分及び官能基を欠いた、脂肪族、芳香族及びハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラリン、デカリン、メシチレン、ジブロモエタン、テトラクロロエチレン、又はクロロベンゼンなどが挙げられる。
【0017】
反応は、一般に室温及び大気圧で進行する。
【0018】
本発明の前駆体化合物の調製方法は、標準的なバッチ式又は連続式の反応器で実施することができる。当業者は、そのように製造される試薬及び生成物の文脈で利用することができる反応器の規模及び種類を認識するであろう。
【0019】
式(I)及び式(II)の化合物は、原子層堆積(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,580,645号及び第10,424,477号を参照されたい)などの方法によるマイクロ電子デバイス表面上のケイ素含有膜の形成における前駆体として有用である。また、例として、式(I)及び式(II)の化合物は、熱CVD若しくは熱ALDの目的で、又はプラズマ強化ALD若しくはプラズマ強化CVDを行う目的で堆積室に導入することができる。これらの場合には、共反応ガスを導入し、O、O、NO、又はそれらの混合物による酸化環境での酸化を介して、SiO膜を堆積させることができる。同様に、式(I)及び式(II)の化合物は、熱CVD若しくは熱ALDの目的で、又はプラズマ強化ALD若しくはプラズマ強化CVDを行う目的で堆積室に導入することができる。これらの場合には、共反応ガスを導入し、N、NH、ヒドラジン又はアルキルヒドラジン含有混合物による窒化を介して、窒化ケイ素膜を堆積させることができる。堆積した膜は、マイクロ電子デバイス内の誘電体層として機能する。
【実施例
【0020】
実施例1:ジヨードシラン
ビス(ジエチルアミノ)シラン25.0g(143mMol)の試料を、ヨウ化ベンゾイル4当量、133.0g(574mMol)及びヘキサン500mLと化合させた。反応を2時間進行させ、その後、H NMRによって所望のジヨードシラン生成物を検出した。全ての出発物質が消費された。ヨウ化ベンゾイルをビス(ジエチルアミノ)シランに添加した場合、観察された収率は7%(ヘキサン中濃度から決定)であった。ビス(ジエチルアミノ)シランをヨウ化ベンゾイルに添加した場合、観察された収率は3.5%であった(ヘキサン中濃度から決定)。NMR試料を確認のためにジヨードシランでスパイクし、シグナルの同一性を確認した。
H NMR(400MHz,C):δ3.61(Si-H=141.5 Hz,H-SiI2,2H)。
【0021】
実施例2:ジヨードシラン
ビス(ジエチルアミノ)シラン20.0g(115mMol)の試料を、ヨウ化アセチル4当量、78.0g(459mMol)及びヘキサン400mLと化合させた。反応を10分間進行させ、その後、H NMRによって所望のジヨードシラン生成物の痕跡量を検出した。全ての出発物質が消費された。単離を試みると、生成物の分解が起こった。ヨウ化アセチルをビス(ジエチルアミノ)シランに添加した場合、観察された単離収率は0%であった。
H NMR(400MHz,C):δ3.61(Si-H=141.5 Hz,H-SiI2,2H)。
【0022】
実施例3:ジヨードシラン
ビス(ジエチルアミノ)シラン0.68g(3.9mMol)の試料を、ヨウ化2-フルオロベンゾイル4当量、4.69g(15.6mMol)及びヘキサン10mLと化合させた。反応を10分間進行させ、その後、H NMRによって所望のジヨードシラン生成物の43%変換を検出した。全ての出発物質が消費された。更に20時間撹拌後、ヨウ化2-フルオロベンゾイルをビス(ジエチルアミノ)シランに添加した場合の観察された収率は20%であった。
H NMR(400MHz,C):δ3.61(Si-H=141.5 Hz,H-SiI2,2H)。
【0023】
実施例4:ジヨードシラン
ビス(ジエチルアミノ)シラン0.27g(1.6mMol)の試料を、ヨウ化3,5-ジフルオロベンゾイル4当量、2.3g(6.2mMol)及びヘキサン5mLと化合させた。反応を10分間進行させ、その後、H NMRによって所望のジヨードシラン生成物の81%変換を検出した。全ての出発物質が消費された。更に20時間撹拌後、ヨウ化3,5-ジフルオロベンゾイルをビス(ジエチルアミノ)シランに添加した場合の観察された収率は20%であった。
H NMR(400MHz,C):δ3.61(Si-H=141.5 Hz,H-SiI2,2H)。
【0024】
実施例5:ジヨードシラン
ビス(ジエチルアミノ)シラン3.3g(18.9mMol)の試料を、ヨウ化2,2-ジメチルプロパノイル4当量、1.0g(4.7mMol)及びヘキサン3mLと化合させた。反応を10分間進行させ、その後、1H NMRによって所望のジヨードシラン生成物の20%を検出した。出発物質の72%が残留していた。更に20時間の撹拌後、ヨウ化2,2-ジメチルプロパノイルをビス(ジエチルアミノ)シランに添加した場合の観察された収率は0.1%であった。
H NMR(400MHz,C):δ3.61(Si-H=141.5Hz,H-SiI2,2H)。
【0025】
態様
第1の態様では、本開示は、式(I):
(H)Si(I) (I)
式中、xは1又は2であり、yは2又は3であり、x+yの和は4である、
を有する化合物の調製方法を提供し、本方法は、式(A):
(H)Si(N(R)(R)) (A)
式中、(i)各R及び各Rは、独立して、C~Cアルキル基、C~C脂環式基、若しくは水素から選択される、又は(ii)R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC~C窒素含有飽和又は芳香族環を形成する、ただし、R及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする、
の化合物を、
式:
式中、Rは、C~Cアルキル、C~C置換アルキル、ベンジル、置換ベンジル、ビフェニル、ナフチル、フェニル又は置換フェニルから選択される、
の化合物と接触させて、式(I)の化合物を生成することを含む。
【0026】
第2の態様では、本開示は、式(I)の化合物がHSiIである、第1の態様の方法を提供する。
【0027】
第3の態様では、本開示は、式(I)の化合物がHSiIである、第1の態様の方法を提供する。
【0028】
第4の態様では、本開示は、R及びRがメチル、エチル、プロピル、sec-ブチル、及びt-ブチルから選択される、第1又は第2の態様の方法を提供する。
【0029】
第5の態様では、本開示は、R及びRの少なくとも1つがt-ブチルである、第1~第4の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0030】
第6の態様では、本開示は、R及びRの少なくとも1つがシクロヘキシルである、第1、第2又は第3の態様の方法を提供する。
【0031】
第7の態様では、本開示は、R及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロール、ピロリジン又はピペリジン環を形成する、第1、第2又は第3の態様の方法を提供する。
【0032】
第8の態様では、本開示は、RがC~Cアルキルである、第1~第7の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0033】
第9の態様では、本開示は、Rがフェニルである、第1~第7の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0034】
第10の態様では、本開示は、Rが置換フェニルである、第1~第7の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0035】
第11の態様では、本開示は、Rが4-フルオロフェニルである、第1~第7又は第10の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0036】
第12の態様では、本開示は、Rが3,5-ジフルオロフェニルである、第1~第7又は第10の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0037】
第13の態様では、本開示は、R及びRの少なくとも1つがエチルであり、Rがメチル又はフェニルである、第1、第2又は第3の態様の方法を提供する。
【0038】
第14の態様では、本開示は、式(II):
(H)(I)Si-Si(I)(H) (II)
式中、yは2又は3であり、zは0又は1であり、yとzの和は3である、
を有する化合物の調製方法を提供し、本方法は、式(B):
((R)(R)N)Si-Si(N(R)(R)) (B)
式中、(i)各R及び各Rは、独立して、C~Cアルキル基、C~C脂環式基、若しくは水素から選択される、又は(ii)R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になってC~C窒素含有飽和又は芳香族環を形成する、ただし、R及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする、
の化合物を、
式:
式中、Rは、C~Cアルキル、C~C置換アルキル、ベンジル、置換ベンジル、ビフェニル、ナフチル、フェニル又は置換フェニルから選択される、
の化合物と接触させて、式(II)の化合物を生成することを含む。
【0039】
第15の態様では、本開示は、R及びRがメチル、エチル、プロピル、sec-ブチル、及びt-ブチルから選択される、第14の態様の方法を提供する。
【0040】
第16の態様では、本開示は、R又はRの少なくとも1つがt-ブチルである、第14の態様の方法を提供する。
【0041】
第17の態様では、本開示は、R又はRの少なくとも1つがシクロヘキシルである、第14の態様の方法を提供する。
【0042】
第18の態様では、本開示は、R及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロール、ピロリジン又はピペリジン環を形成する、第14の態様の方法を提供する。
【0043】
第19の態様では、本開示は、RがC~Cアルキルである、第14~第18の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0044】
第20の態様では、本開示は、Rがフェニルである、第14~第18の態様のいずれか1つの方法を提供する。
【0045】
第21の態様では、本開示は、R及びRの少なくとも1つがエチルであり、Rがメチル又はフェニルである、第14の態様の方法を提供する。
【0046】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内で更に他の実施形態を作成及び使用することができることを容易に理解するであろう。本書類によって包含される本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲を超えることなく、詳細に変更を加えることができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語において定義される。