(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】画像管理システム、画像登録管理装置、画像登録管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20241217BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G09B29/00 A
G09B29/00 F
G06T11/60 300
(21)【出願番号】P 2020199402
(22)【出願日】2020-12-01
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】染谷 洋輔
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156020(JP,A)
【文献】特開2001-042764(JP,A)
【文献】特開2005-106953(JP,A)
【文献】特開2017-167077(JP,A)
【文献】特開平11-327434(JP,A)
【文献】特開2012-194494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00- 29/14
G06T 1/00- 19/20
G01C 21/00- 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像を登録して管理する画像登録管理装置と、前記画像登録
管理装置と通信することで前記俯瞰画像の登録を支援し前記俯瞰画像を電子地図として表示する登録画像表示システムと、を有する画像管理システムであって、
前記俯瞰画像上の任意の2点のそれぞれの位置を示す第1の位置情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記俯瞰画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、
前記受付手段によって受け付けられた前記第1の位置情報、及び当該第1の位置情報に対応する所定の電子地図を表示するための第2の位置情報に基づいて、前記所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように前記俯瞰画像の縦横比が補正された補正後俯瞰画像を、
前記所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報の表示要求に含まれる画像識別情報を検索キーとして、当該補正後俯瞰画像と当該装置位置情報を取得し、電子地図上へ俯瞰画像と管理対象装置の装置位置情報を含んで作成し、
当該補正後俯瞰画像を、前
記装置位置情報とともに前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする画像管理システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記所定の電子地図が表示される座標に合わせて、前記俯瞰画像を所定の角度分回転させた前記補正後俯瞰画像を、前記装置位置情報とともに前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像管理システムであって、更に、
前記第1の位置情報で表される位置のうちいずれか一方の位置を原点とした座標において、前記俯瞰画像の縦横比が前記所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように補正するとともに、前記座標の北方向の座標軸に対して前記所定の角度分回転させた画像を前記補正後俯瞰画像として補正する画像補正手段を有する、
ことを特徴とする画像管理システム。
【請求項4】
前記画像補正手段は、
前記補正後俯瞰画像に対して与えられた任意の2点のうちいずれか一方の位置を示す第3の位置情報を、前記補正後俯瞰画像を登録するための基準となる基準情報として与える、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像管理システムであって、更に、
所定の位置情報を提供する位置情報提供装置が送信した前記任意の2点に対応するそれぞれの緯度情報及び経度情報を、前記第2の位置情報として受信する受信手段を有する、
ことを特徴とする画像管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像管理システムであって、更に、
前記補正後俯瞰画像を登録する登録手段を有する、
ことを特徴とする画像管理システム。
【請求項7】
前記補正後俯瞰画像が前記所定の空間において複数の階数分登録されているとき、
前記表示制御手段は、前記表示手段に対して、
前記複数の階のうち所定の管理対象装置が配置された階の補正後俯瞰画像を、前記所定の管理対象装置の装置位置情報とともに選択的に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像管理システム。
【請求項8】
所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像を登録して管理する画像登録管理装置であって、
当該画像登録管理装置と通信して、前記俯瞰画像の登録を支援する画像登録支援装置が送信した、前記俯瞰画像を受信する受信手段と、
前記俯瞰画像を電子地図として表示手段に表示させる表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記受信手段によって受信された前記俯瞰画像上の任意の2点のそれぞれの位置を示す第1の位置情報、及び当該第1の位置情報に対応する所定の電子地図を表示するための第2の位置情報に基づいて、前記所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように前記俯瞰画像の縦横比が補正された補正後俯瞰画像を、
前記所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報の表示要求に含まれる画像識別情報を検索キーとして、当該補正後俯瞰画像と当該装置位置情報を取得し、電子地図上へ俯瞰画像と管理対象装置の装置位置情報を含んで作成し、
当該補正後俯瞰画像を、前
記装置位置情報とともに前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする画像登録管理装置。
【請求項9】
所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像を登録して管理する画像登録管理装置が実行する画像登録管理方法であって、
当該画像登録管理装置と通信する画像登録支援装置が送信した前記俯瞰画像を受信する受信ステップと、
前記俯瞰画像を電子地図として表示手段に表示させる表示制御ステップと、を有し、
前記表示制御ステップは、
前記受信ステップによって受信された前記俯瞰画像上の任意の2点のそれぞれの位置を示す第1の位置情報、及び当該第1の位置情報に対応する所定の電子地図を表示するための第2の位置情報に基づいて、前記所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように前記俯瞰画像の縦横比が補正された補正後俯瞰画像を、
前記所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報の表示要求に含まれる画像識別情報を検索キーとして、当該補正後俯瞰画像と当該装置位置情報を取得し、電子地図上へ俯瞰画像と管理対象装置の装置位置情報を含んで作成する処理と、
当該補正後俯瞰画像を、前
記装置位置情報とともに前記表示手段に表示させ
る処理
とを含む、
ことを特徴とする画像登録管理方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項8に記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像管理システム、画像登録管理装置、画像登録管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人や物の動的な位置情報を取得し、電子地図上にマークとして表示するシステムが存在する。このようなシステムは、人や物の存在する位置を管理するために用いられるが、より直感的に人や物がどの部屋にあるのかなどを分かりやすくするために、フロアマップ画像を緯度・経度などに基づく実座標と対応付けて登録して、それらの位置を任意のフロアマップ画像上に表示する技術が既に知られている。
【0003】
さらに、地図画像データに基づく地図画像が実際の地理上どこの配置に対応するかの基準を示す登録点位置情報と、当該地図画像がディスプレイ15の表示画面15a上に表示された際の縮尺となる縮尺値と、当該地図画像の基準方位と実際の北の方位との偏差を示す方位角偏差と、で構成される地図付帯情報と地図画像データとを組み合わせることによってナビゲーションに利用可能な地図データMDを得て、自己のリアルタイムな現在位置を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報と、所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像と、を電子地図上に表示する場合、管理対象装置の装置位置情報を正しく把握するためには、電子地図の縦横比に合わせた俯瞰画像を利用者が登録しなくてはならないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像を登録して管理する画像登録管理装置と、前記画像登録管理装置と通信することで前記俯瞰画像の登録を支援し前記俯瞰画像を電子地図として表示する登録画像表示システムと、を有する画像管理システムであって、前記俯瞰画像上の任意の2点のそれぞれの位置を示す第1の位置情報の入力を受け付ける受付手段と、前記俯瞰画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた前記第1の位置情報、及び当該第1の位置情報に対応する所定の電子地図を表示するための第2の位置情報に基づいて、前記所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように前記俯瞰画像の縦横比が補正された補正後俯瞰画像を、前記所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報の表示要求に含まれる画像識別情報を検索キーとして、当該補正後俯瞰画像と当該装置位置情報を取得し、電子地図上へ俯瞰画像と管理対象装置の装置位置情報を含んで作成し、当該補正後俯瞰画像を、前記装置位置情報とともに前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする画像管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、電子地図の縦横比に合わせた俯瞰画像を利用者が登録しなくても、所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報を正しく把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る画像通信システムの一例を示す全体構成図である。
【
図3】二つの座標系の間に所定の角度が存在する場合の一例を示す図である。
【
図4】アスペクト比を補正したフロアマップ画像の一例を示す図である。
【
図5】二つの座標系の間に所定の角度が存在する場合の他の一例を示す図である。
【
図6】アスペクト比補正及び画像回転処理の具体例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る管理対象装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る位置情報提供装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る画像通信システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る画像通信システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図12】(A)は本実施形態に係るフロアマップ管理テーブルの一例を示す概念図、(B)は本実施形態に係る対象装置管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図13】本実施形態に係る実座標情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図14】本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図15】本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図16】本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図17】本実施形態に係る位置情報の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図18】本実施形態に係るフロアマップ画像の表示処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図19】(A)はフロアマップ画像のアップロードを行う際の画面表示例、(B)は現在地の登録を行う際の画面表示例である。
【
図20】(A)は現在地の登録を行う際の他の画面表示例、(B)は他の現在地の登録を行う際の画面表示例である。
【
図21】(A)は他の現在地の登録を行う際の他の画面表示例、(B)はフロアマップ名の入力及び登録を行う際の画面表示例である。
【
図22】フロアマップの登録完了を示す画面表示例である。
【
図23】(A)はアスペクト比補正及び回転処理後の画面表示例、(B)は複数のフロアから任意のフロアを選択可能に表示された画面表示例、(C)は任意のフロアに設置された管理対象装置がフロアマップ上に表示された画面表示例である。
【
図24】(A)はアスペクト比補正及び回転処理後の画面表示例、(B)は複数のフロアから任意のフロアを選択可能に表示された画面表示例、(C)は選択された任意のフロアのフロアマップ画面表示例である。
【
図25】本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の変形例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。なお、図面の説明において重複する部分があれば、その説明を省略する。
【0009】
〔実施形態〕
まず、
図1乃至
図24を用いて本実施形態について説明する。
【0010】
〔画像通信システムの全体構成〕
図1は、本実施形態に係る画像通信システムの一例を示す全体構成図である。
図1に示されているように、画像通信システム1は、画像登録管理装置3、画像登録支援装置5、画像表示装置7、管理対象装置8及び位置情報提供装置9を含む各装置を有している。なお、画像通信システム1では、上述した画像登録管理装置3、画像登録支援装置5及び画像表示装置7を含めたシステムとして、画像管理システム2が構築される。さらに、画像通信システム1では、画像登録支援装置5及び画像表示装置7を含めたシステムとして、登録画像表示システム4が構築される。また、画像登録管理装置3、画像登録支援装置5、画像表示装置7、管理対象装置8は、それぞれ通信ネットワーク100を介して互いに接続されている。ここで、通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)又はLTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。さらに、位置情報提供装置9は、無線通信により上述した通信ネットワーク100を介して画像管理システム2と通信可能に接続されている。
【0011】
<画像登録管理装置>
画像登録管理装置3は、所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像(フロアマップ)のアスペクト比を補正した補正後フロアマップの登録、管理対象装置8が送信した位置情報の登録、等を行う。また、画像登録管理装置3は、Googleマップ表示サーバ(Googleは登録商標)としての機能を有し、画像表示装置7に対して、補正後フロアマップの電子地図への表示制御を行う。さらに、画像登録管理装置3は、後述する画像登録支援装置5が行うフロアマップ画像座標と実座標との間の座標変換、すなわちフロアマップ画像のアスペクト比の補正、フロアマップ画像の回転処理、及び補正後フロアマップの作成機能も担う。
【0012】
<画像登録支援装置>
画像登録支援装置5は、電子地図登録アプリなどの専用プログラムを有し、電子地図に表示させたいフロアマップ画像を画面に表示させて、利用者に任意の座標を入力させるユーザインターフェイス(UI:User Interface)を提供する。また、画像登録支援装置5は、GPS(Global Positioning System)等の位置情報提供装置が提供した位置情報を受信し、管理する機能を有する。さらに画像登録支援装置5は、画像登録管理装置3との通信において、フロアマップ画像のアスペクト比の補正、フロアマップ画像の回転処理、及び補正後フロアマップに係る補正後フロアマップ画像データの送信機能を有する。このような機能を備えることで、画像登録支援装置5は、画像登録管理装置3を支援する機能を有する。また、画像登録支援装置5は、上述した画像登録管理装置3により管理されるフロアマップ画像の登録を通知する登録通知装置として機能することも可能である。
【0013】
<画像表示装置>
画像表示装置7は、上述した画像登録管理装置3により制御されフロアマップ画像等を表示させるための表示装置として機能する。また、画像表示装置7は、画像登録支援装置5と登録画像表示システム4を構築する。このように、画像表示装置7は、画像登録支援装置5と別々の構成の場合は、単なる表示装置としての機能が備わっていればよい。一方で、画像表示装置7は、画像登録支援装置5と一体の構成でもよく、その場合は、画像表示装置7の表示手段が画像登録支援装置5の表示手段の機能を担う。
【0014】
<管理対象装置>
管理対象装置8は、画像形成装置(MFP:Multi-Function Peripheral)、及びインクジェット方式を利用した画像形成装置、産業用印刷機、商用印刷機、等の装置が含まれ、これらの装置の位置情報を画像登録管理装置3に提供する。さらに、管理対象装置8は、パーソナルコンピュータ(PC)と接続して通信を行うインタラクティブホワイトボード(IWB:Interactive White Board)、テレビ会議システム(UCS:Unified Communication System)、プロジェクタ等の各種通信機器(装置)等が含まれる。さらに、管理対象装置8は、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品であってもよい。
【0015】
<位置情報提供装置>
位置情報提供装置9は、管理対象装置8の位置を示す位置情報を提供する装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)、Wi-Fi(登録商標)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が中心となって考案した国産の『屋内測位技術』であるIMES(Indoor Messaging System)等を利用して、屋外又は屋内の位置情報を無線通信により画像登録支援装置5に対して提供する。
【0016】
●用語について●
本実施形態におけるフロアマップのフロアマップ画像とは、例えば、所定の空間を俯瞰することにより得られる俯瞰画像をいう。所定の空間には、屋内の所定のフロア、地下、屋上が含まれる。さらに、所定の空間には、屋外の施設、公園、運動場、等も含まれる。本実施形態では、説明の便宜上、フロアマップ画像という文言を使用して説明する。
【0017】
また、アスペクト比(aspect ratio)とは、画面や画像における縦と横の長さの比(縦横比)をいう。一般的には長辺と短辺の長さの比をいい、例えば、4:3、16:9などで表される。本実施形態では、以降、アスペクト比を縦横比という文言を用いて説明する。
【0018】
〔縦横比の補正〕
次に、ある縦横比を有する画像を他の縦横比を有する画像に補正する補正処理について説明する。
図2は、フロアマップ画像の一例を示す図である。
図2に示されているように、縦:pv[pixel]、横:ph[pixel]の矩形でph×pv[pixel/dot]の画像サイズを有し、RoomA, RoomB, RoomCが配置されたフロアマップ(以降、フロアマップ画像Mという)において、任意の2点A(RoomAの中の1点)、B(RoomCの中の1点)がそれぞれ示されている。
【0019】
図3は、二つの座標系の間に所定の角度が存在する場合の一例を示す図である。
図3では、
図2で示されたフロアマップ画像Mを所定の角度分回転させる回転処理について説明する。まず、画像座標系(x-y座標系)があり、フロアマップ画像Mは、この画像座標系に配置される。このx-y画像座標系に対して、GPS(Global Positioning System)等の位置情報提供装置9から得られる位置情報に基づく実座標系(E-N座標系)が、所定の角度θだけ時計回りに回転された状態で存在している。このとき、2点A,Bを結ぶ線分ABの距離d(2点実距離)、及びN軸と線分ABとのなす角、すなわち方位角αは、例えば、「2地点間距離の計算と方位角の計算」による以下の方法で求めることができる。具体的には、点A:東経139.388164、北緯35.457939、点B:東経139.389123、北緯35.458390を与えると、「2地点間距離の計算と方位角の計算」を参考に、
・2点AB間の実距離dAB=100[m]
・方位角α=59.999350°
を算出することができる。
【0020】
さらに、実座標系(E-N座標系)における1点の座標、この1点との実距離、及びこの1点との方位角とに基づいて、例えば、「Vincentyの公式」を用いて任意の点の座標を求めることができる。ここで、実座標系(E-N座標系)は、所定の電子地図が表示される座標系をいう。画像管理システム2は、この実座標系(E-N座標系)に合わせて、フロアマップ画像Mを所定の角度分回転させた補正後フロアマップ画像M’として、表示手段に表示させる。
【0021】
続いて、画像座標系のy軸と線分ABとのなす角β(方位角)は、以下の(式1)で求めることができる。
【0022】
【0023】
例えば、以下の具体的な値を代入すると、例えば、
β=|tan
-1(-268/1000)|+90°
=106.669684°
と求めることができる。なお、角度βは、画像座標系における方位角として表され、
図3の例では、画像座標系から実座標系の方向に時計回りに回転した角度である。また、x=1000の値は、後述する実座標情報管理テーブルで管理される現在地番号1の画像座標のx成分と現在地番号2の画像座標のx成分の差の絶対値であり、例えば、|1120-120|=1000として得られた値である。同様に、y=286の値は、後述する実座標情報管理テーブルで管理される現在地番号1の画像座標のy成分と現在地番号2の画像座標のy成分の差の絶対値であり、例えば、|450-182|=268として得られた値である。これにより、画像座標系のy軸と実座標系のN軸とのなす角θは、
θ=β-α=(106.669684°-59.999350°)
=46.670334°
と求めることができる。なお、角θは、
図3の例では、実座標系から画像座標系の方向に反時計回りに回転した角度(傾き)である。
【0024】
続いて、画像座標系における実距離x’は、
図3の点A,B,C,L、M,N,J及び角θに対して、三角関数を利用した以下の(式2)で求めることができる。
【0025】
【0026】
上述の(式2)に具体的な値を代入して求めると、例えば、
x’=100×cos(59.999350°)×sin(46.670334°)
+100×sin(59.999350°)×cos(46.670334°)
≒ 99.4517
となる。なお、x’についてその長さ(距離)を求める際には、(式2)の右辺の各項について絶対値をとり計算するようにしてもよい。同様に、画像座標系における実距離y’は、
図3の点A,B,C,L、M,N,J及び角θに対して、三角関数を利用した以下の(式3)で求めることができる。
【0027】
【0028】
上述の(式3)に具体的な値を代入して求めると、例えば、
y’=100×cos(59.999350°)×cos(46.670334°)
-100×sin(59.999350°)×sin(46.670334°)
≒ -28.6854
となる。なお、y’についてその長さ(距離)を求める際には、(式3)の右辺の各項について絶対値をとり計算するようにしてもよい。
【0029】
これらの結果より、画像における縦横比λは、
λ=x/y
=1000/268
=3.731343
となる。また、実座標における縦横比λ′は、それぞれの値の絶対値から、
λ´=x´/y´
=99.4517/28.6854
=3.466980
となる。ここで、λ<λ´の場合はy軸方向にフロアマップ画像Mを圧縮、λ>λ´の場合はx軸方向にフロアマップ画像Mを圧縮、λ=λ´の場合はフロアマップ画像Mの圧縮は不要となる。
図2及び
図3に示した例、並びに上述の計算結果では、λ<λ´となるため、フロアマップ画像Mの画像はx軸方向に圧縮される。つまり、
1350×3.466980/3.731343
=1254
となり、フロアマップ画像Mの画像を
x軸方向のサイズ(ph):1250pから(ph)’で与えられる1254pに減らす処理が行われる。これにより、
図4のフロアマップ画像M’のようになる。
図4は、縦横比を補正したフロアマップ画像の一例を示す図である。なお、画像をx軸方向に圧縮する代わりに、y軸方向に伸長するようにしてもよい。1画素に相当する距離を1.076252に一致させてもよい。その場合は、
830×3.731343/3.466980
=893
となり、画像をy軸方向のサイズを830pから893pに増やすことになる。
【0030】
図5は、二つの座標系の間に所定の角度が存在する場合の他の一例を示す図である。
図5では、まず、点Aを原点とした画像座標系(x-y座標系)における点Pの方位角を算出する。
図5に示されているように、点Aを原点とした画像座標系(x-y座標系)における点Pの方位角は、y軸と線分APとのなす角γで表される。また、アスペクト比変更前の点Aの画像座標は、以下の根拠により(120,380)となる。
根拠:
380
=[画像のyサイズ830]-[実座標情報管理テーブルの現在地番号1に対応する画像座標のy座標:450]
したがって、点Aを原点とした画像座標において、点Pの座標は、(-120,380)となる。
【0031】
アスペクト比の変更でx軸方向で縮小後の点Pの画像座標を算出する。
x軸座標:
xp=-120×3.466980/3.731343
=-111
y軸座標は変更無しで、yp=450となる。
続いて、点Aを原点とした画像座標系における点Pの方位角を算出する。角γは、
γ=tan
-1(-111/380)
=16.283362°
と求めることができる。
続いて、点Aを原点とした実座標系(E-N座標系)における点Pの方位角を算出する。
図5に示されているように、点Aを原点とした実座標系(E-N座標系)における点Pの方位角は、N軸と線分APとのなす角δで表される。
図5に示されているように、角δは、角θと角γの和の角度であるから、
δ=θ+γ
=46.670334°+6.283362°
=62.953696°
と求めることができる。
【0032】
さらに、実座標系(E-N座標系)における点Aと点Pとの距離dAPを算出する。
xpの実距離=[アスペクト比の変更前の点Pのx軸座標]×x´/x
となる。なお、x´とxは、アスペクト比変更前の実距離と画素距離であるため、xpの実距離は、アスペクト比の変更前の点Pのx軸座標=120を用いる。あるいは、アスペクト比の変更後の点Pのx軸座標=111を使うのであれば、さらにλ´/λを掛け算することが必要となるが、結果として同じである。このようにして、距離dAPは、以下の(式4)で求めることができる。
【0033】
【0034】
上述の(式4)にypの実距離=yp * y´/y(y軸方向で縮小していないため、y軸座標:450をそのまま使う)を代入すると、
dAP=sqrt((120×x´/x)2+(380×y´/y)2)
=sqrt((120×99.4517/1000)2+(350×28.6854/268)2)
=42.3880[m]
と求めることができる。
【0035】
上述した点Aの実座標、算出された点Pの方位角γ、δ、及び点Aと点Pとの距離dAPに基づいて、点Pの実座標を算出すると、点Pの実座標は、
東経139.387748
北緯35.458113
と求めることができる。これらの東経、北緯の値は、後述するフロアマップ管理テーブルのフロア識別情報:F001に対応するの実座標1の情報として登録、管理される値となる。同様に、点Qの実座標は、
東経139.388460
北緯35.457563
と求めることができる。
【0036】
上述した東経、北緯の経緯度は、上述した「Vincentyの公式」を用いて任意の点の座標を求めることができる。これらの東経、北緯の値は、後述するフロアマップ管理テーブルの実座標2で登録、管理される値となる。なお、上述したそれぞれの角度、計算結果は一例であり、これらの値に限られない。さらに、点Pと点Qの実座標の値は、上述した点Aの実座標、算出された点Pの方位角γ、δ、及び点Aと点Pとの距離の一例に基づく値となるが、これらの値に限られない。そして、点P及び点Qは、電子地図に係る画像の縦横比に補正された補正後俯瞰画像に対して与えられた任意の2点のうちいずれか一方の位置を示す第3の位置情報の一例として扱われる。つまり、点P及び点Qは、後述する画像補正部によって、補正後俯瞰画像を登録するための基準となる基準情報として与えられる。
【0037】
図6は、アスペクト比補正及び画像回転処理の具体例を示す図である。
図6(A)は、画像座標系で示されるフロアマップ画像の一例であり、上述した任意の2点A,Bが置かれている様子を示している。
図6(B)は、実座標系で示される電子地図上に表示される縦横比の補正がされた後のフロアマップ画像の一例である。そして
図6(C)は、実座標系で示される電子地図上に、アスペクト比の補正及び所定の角度に回転された後のフロアマップ画像と、フロアマップ画像を形成する所定の空間に配置された管理対象装置8の装置位置情報と、をマークとして表示した電子地図の一例である。
【0038】
なお、上述した縦横比の補正方法に代えて、他の方法でも縦横比の補正を行うことが可能である。例えば、フロアマップ画像上に任意の2点A(xa, ya),B(xb, yb)を取ったとき、2点A,Bのそれぞれの座標値(ピクセル値)と実座標値とを用いてフロアマップの縦横比を補正することも可能である。具体的には、
・フロアマップ画像上の座標による縦横比=a
・実座標による縦横比=a’
とするとき、例えば、
・a < a’の場合:画像を横方向(x軸方向)に圧縮
・a > a’の場合:画像を縦方向(y軸方向)に圧縮
して、フロアマップの縦横比を補正するようにしてもよい。
【0039】
〔ハードウエア構成〕
<画像登録管理装置、画像登録支援装置、画像表示装置のハードウエア構成>
図7は、本実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。画像登録管理装置3は、コンピュータによって構築されており、
図7に示されているようにCPU301、ROM302、RAM303、HD(Hard Disk)304、HDDコントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F308、ネットワークI/F309、バスライン310、キーボード311、ポインティングデバイス312、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ314、メディアI/F316、音入出力I/F317、マイク318、スピーカ319及び近距離通信回路320を含むハードウエア資源を備えている。
【0040】
これらのうち、CPU301は、配信端末30全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読出し又は書込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像等の各種情報を表示する。ディスプレイ306は、表示部の一例である。なお、ディスプレイ306は、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。外部機器接続I/F308は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリ又はプリンタ等である。ネットワークI/F309は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン310は、
図12に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
【0041】
また、キーボード311は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス312は、各種指示の選択もしくは実行、処理対象の選択、又はカーソルの移動等を行う入力手段の一種である。なお、入力手段は、キーボード311およびポインティングデバイス312のみならず、タッチパネル又は音声入力装置等であってもよい。DVD-RWドライブ314は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW313に対する各種データの読み出し又は書込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R又はBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F316は、フラッシュメモリ等の記録メディア315に対するデータの読み出し又は書込み(記憶)を制御する。マイク318は、音声(音信号)を入力する内蔵型の集音手段の一種である。スピーカ319は、音声(音信号)を出力する音声出力手段の一種である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク318およびスピーカ319との間で音信号の入出力を処理する回路である。
【0042】
画像登録支援装置5は、コンピュータによって構築されており、
図7に示されているように、CPU501-スピーカ519までの各ハードウエア資源は、画像登録管理装置3のCPU301-スピーカ319までの各ハードウエア資源と同様の構成であるため、詳細の説明を省略する。
【0043】
画像表示装置7は、コンピュータによって構築されており、
図3に示されているように、CPU701-スピーカ719までの各ハードウエア資源は、画像登録管理装置3のCPU301-スピーカ319までの各ハードウエア資源と同様の構成であるため、詳細の説明を省略する。このとき、音入出力I/F717、マイク718及びスピーカ719は、それらの構成を備えていなくてもよい。
【0044】
なお、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録、又はネットワークを介してダウンロードを行い流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray(登録商標) Disc、SDカード、USBメモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。例えば、画像登録管理装置3は、本発明に係るプログラムが実行されることで本発明に係る画像登録管理方法を実現する。
【0045】
<管理対象装置のハードウエア構成>
図8は、本実施形態に係る管理対象装置のハードウエア構成の一例を示す図である。管理対象装置8は、例えば、MFPであり、
図8に示されているようにコントローラ810、近距離通信回路820、エンジン制御部830、操作パネル840、ネットワークI/F850を含むハードウエア資源を備えている。
【0046】
これらのうち、コントローラ810は、コンピュータの主要部であるCPU801、システムメモリ(MEM-P)802、ノースブリッジ(NB)803、サウスブリッジ(SB)804、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)805、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)806、HDDコントローラ807及び記憶部であるHD808を有し、NB803とASIC805との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス821で接続した構成となっている。
【0047】
これらのうち、CPU801は、管理対象装置8の全体制御を行う制御部である。NB803は、CPU801と、MEM-P802、SB804及びAGPバス821とを接続するためのブリッジであり、MEM-P802に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0048】
MEM-P802は、コントローラ810の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM802a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM802bとからなる。なお、RAM802bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録して提供されるようにしてもよい。
【0049】
SB804は、NB803とPCIデバイス及び周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC805は、画像処理用のハードウエア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス821、PCIバス822、HDD808およびMEM-C806をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC805は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC805において所定の優先順位に従って各信号の駆動タイミングの調停を行うアービタ(Arbiter)、MEM-C806を制御するメモリコントローラ、ハードウエアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部831及びプリンタ部832との間でPCIバス822を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC805には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースが接続されるようにしてもよい。
【0050】
MEM-C806は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD808は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD808は、CPU801の制御にしたがってHD808に対するデータの読出し又は書込みを制御する。AGPバス821は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P802に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0051】
また、近距離通信回路820には、近距離通信回路820aが備わっている。近距離通信回路820は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0052】
更に、エンジン制御部830は、スキャナ部831及びプリンタ部832によって構成されている。また、操作パネル840は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部80a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に係る条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を含む操作パネル840bを備えている。コントローラ810は、管理対象装置8全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル840からの入力等を制御する。スキャナ部831又はプリンタ部832には、誤差拡散やガンマ(γ)変換などの画像処理部分が含まれている。
【0053】
なお、管理対象装置8は、操作パネル840のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0054】
また、ネットワークI/F850は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路820及びネットワークI/F850は、PCIバス822を介して、ASIC805に電気的に接続されている。なお、管理対象装置8は、自装置の位置情報を提供可能な構成であれば、上述したMFPに限らない。
【0055】
<位置情報提供装置のハードウエア構成>
図9は、本実施形態に係る位置情報提供装置のハードウエア構成の一例を示す図である。位置情報提供装置9は、コンピュータによって構築されており、
図9に示されているようにCPU901、ROM902、RAM903及び通信I/F904を含むハードウエア資源を備えている。また、CPU901、ROM902、RAM903及び通信I/F904は、バスライン910を介して互いに接続されている。CPU901、ROM902、RAM903及び通信I/F904は、上述した画像登録管理装置、画像登録支援装置及び画像表示装置におけるCPU、ROM、RAM及び各種バスと同様のハードウエア構成を備えるため、詳細の説明を省略する。
【0056】
〔画像通信システムの機能構成〕
次に、
図10乃至
図13を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。
図10及び
図11は、本実施形態に係る画像通信システムの機能構成の一例を示す図である。
【0057】
<画像登録管理装置の機能構成>
図10に示されているように、画像登録管理装置3は、送受信部31、取得部32、表示制御部34、画像補正部36、作成部37、登録部38及び記憶・読出部39を有する。これら各機能部は、
図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM302及びHD304うち少なくとも一方からRAM303に展開された画像登録管理装置3用のプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像登録管理装置3は、
図7に示されているROM302及びHD304のうち少なくとも一方により構築される記憶部3000を有している。
【0058】
●フロアマップ管理テーブル●
図12(A)は、本実施形態に係るフロアマップ管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部3000には、
図12(A)に示されているようなフロアマップ管理テーブルによって構成されたフロアマップ管理DB3001が構築されている。このフロアマップ管理テーブルでは、例えば、フロアマップの一所有者となるテナントを識別するテナント識別情報をタブとして、それぞれのタブで分けられた画像識別情報ごとに、建物識別情報、フロア識別情報、フロア名称、実座標1、実座標2及び画像ファイルパスが関連付けられて記憶、管理されている。なお、タブ付けされるテナント識別情報は、例えば、T001である。本実施形態において、フロアマップ管理DB3001は、フロアマップ管理手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0059】
これらのうち画像識別情報は、複数の英文字、符号、記号、数字等を含む情報で与えられ、画像を識別するための所定の桁数を有する番号、記号又はコードである。この画像識別情報は、建物内のフロアに対応した数分与えられ、例えば、IID001,IID002等で管理される。
【0060】
建物識別情報は、テナントが管理する建物(ビル、社屋、アパート、マンション、工場、等)を識別するための識別情報であり、例えば、B001,B002等で与えられ、管理される。
【0061】
フロア識別情報は、建物の各階を識別するための識別情報であり、例えば、F001,F002等で与えられる。また、フロア名称は、建物の各階に与えられた名称であり、例えば、海老名1階、海老名5階などの名称で与えられ、管理される。
【0062】
実座標1は、位置情報提供装置9が提供した経度、緯度情報等の位置情報である。実座標1は、例えば、東経139.388100、北緯35.457957等で与えられ、管理される。実座標2も実座標1と同様に、位置情報提供装置9が提供した経度、緯度情報等の位置情報であり、例えば、東経139.388177、北緯35.457877等で与えられ、管理される。
【0063】
画像ファイルパスは、俯瞰画像としてのフロアマップ画像のファイル登録先を示すパスであり、例えば、「path」/…file1などのような書式で管理される。その他、画像ファイルパスは、URL等の所定のフォーマットで管理されるようにしてもよい。
【0064】
●対象装置管理テーブル●
図12(B)は、本実施形態に係る対象装置管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部3000には、
図12(B)に示されているような対象装置管理テーブによって構成された対象装置管理DB3002が構築されている。この対象装置管理テーブルでは、管理対象装置の識別情報ごとに、管理対象装置の実座標及び画像識別情報が関連付けられて記憶、管理されている。本実施形態において、対象装置管理DB3002は、対象装置管理手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0065】
これらのうち管理対象装置の識別情報は、上述したMFPなどの管理対象装置8を識別するための識別情報であり、例えば、TID002, TID002等で与えられ、管理される。
【0066】
管理対象装置の実座標(位置情報)は、管理対象装置8が配置された所定の空間における実際の位置情報を示し、本実施形態では、実座標とよぶ。この実座標は、例えば、東経139.388180、北緯35.457950等の経緯情報で与えられ、管理される。
【0067】
<<画像登録管理装置の各機能構成>>
次に、画像登録管理装置3の各機能構成について詳細に説明する。
図10に示されている画像登録管理装置3の送受信部31は、主に、
図7に示されている外部機器接続I/F308及びネットワークI/F309に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、画像登録支援装置5、画像表示装置7及び管理対象装置8との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部31は、送信手段及び受信手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0068】
取得部33は、主に、
図7に示されているCPU301の処理によって実現され、フロアマップ管理テーブル(フロアマップ管理DB3001、
図12(A)参照)から補正後のフロアマップ画像に係る補正後フロアマップ画像データ(補正後俯瞰画像に係る補正後俯瞰画像データ)を取得する。本実施形態において、取得部33は、取得手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0069】
表示制御部34は、主に、
図7に示されているディスプレイ306に対するCPU301の処理によって実現され、補正後フロアマップ画像の表示制御を行う。なお、表示制御部34はWebサーバの機能も担い、その場合、画像登録支援装置5又は画像表示装置7のディスプレイ706に対して補正後フロアマップ画像の表示制御を行う。本実施形態において、表示制御部34は、表示制御手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0070】
画像補正部36は、主に、
図7に示されているCPU301の処理によって実現され、フロアマップ画像における縦横比の補正処理、画像座標系と実座標系との間のフロアマップ画像の回転処理、等を行う。本実施形態において、画像補正部36は、画像補正手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0071】
作成部37は、主に、
図7に示されているCPU301の処理によって実現され、縦横比の補正を行った後の補正後フロアマップ画像を作成する。本実施形態において、作成部37は、作成手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0072】
登録部38は、主に、
図7に示されているCPU301の処理によって実現され、画像登録支援装置5が送信した補正後フロアマップ画像を、フロアマップ管理テーブル(フロアマップ管理DB3001、
図12(A)参照)に登録する。本実施形態において、登録部38は、登録手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0073】
記憶・読出部39は、主に、
図7に示されているCPU301の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶・読出部39は、記憶・読出手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0074】
<画像登録支援装置の機能構成>
図10に示されているように、画像登録支援装置5は、送受信部51、受付部52、取得部53、表示制御部54、画像補正部56、作成部57、登録部58及び記憶・読出部59を有する。これら各機能部は、
図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM502及びHD504うち少なくとも一方からRAM503に展開された画像登録支援装置3用のプログラムに従ったCPU501からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像登録支援装置5は、
図7に示されているROM502及びHD504のうち少なくとも一方により構築される記憶部5000を有している。また、記憶部5000には、画像登録支援装置5が実行するフロアマップ画像登録アプリを起動するフロアマップ画像登録プログラムが記憶されている。
【0075】
●実座標情報管理テーブル●
図13は、本実施形態に係る実座標情報管理テーブルの一例を示す概念図である。記憶部5000には、
図13に示されているような実座標情報管理テーブルによって構成された実座標情報管理DB5001が構築されている。この実座標情報管理テーブルでは、現在地を識別するための現在地番号(例えば、1,2,等)ごとに、フロアマップ画像の画像座標[pixel]、及び位置情報提供装置9が提供した実座標(位置情報)が関連付けられて記憶、管理されている。画像座標は、上述した点Aと点Bのそれぞれの画像における座標値を示す。具体的には、現在地番号1に対応する画像座標は(120,450)であり、現在地番号2に対応する画像座標は、(1120,164)で与えられる。これら2つの座標値は、フロアマップ画像の左下の角を原点とし、長さがphの辺をx軸、長さがpvの辺をy軸としたとき座標軸における、点A及び点Bのそれぞれの座標になる。さらに、実座標(位置情報)は、例えば、東経139.388164、北緯35.457939等の経緯情報で与えられ、管理される。本実施形態において、実座標情報管理DB5001は、実座標情報管理手段の一例として機能又は機能する手段を有する。また、上述した現在地番号1の画像座標(画像座標1)及び現在地番号2の画像座標(画像座標2)は、第1の位置情報の一例である。さらに、上述した現在地番号1の実座標(位置情報1)及び現在地2の実座標(位置情報2)は、第2の位置情報の一例である。
【0076】
<画像登録支援装置の各機能構成>>
次に、画像登録支援装置5の各機能構成について詳細に説明する。
図10に示されている画像登録支援装置5の送受信部51は、主に、
図7に示されている外部機器接続I/F508及びネットワークI/F509に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、画像登録管理装置3、画像表示装置7、管理対象装置8及び位置情報提供装置9との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部51は、送信手段及び受信手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0077】
受付部52は、主に、
図7に示されているポインティングデバイス512に対するCPU501の処理によって実現され、ディスプレイ506に表示されているフロアマップ上の任意の点を利用者が指定した場合に、その指定した位置を利用者が存在している現在地の位置として受け付ける。本実施形態において、受付部52は、受付手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0078】
取得部53は、主に、
図7に示されているCPU501の処理によって実現され、利用者によってアップロードされた、所定の空間を俯瞰することにより得られたフロアマップ画像を記憶部5000から取得する。また、利用者がカメラ機能を利用してフロアマップ画像をアップロードする場合は、取得部は、画像登録支援装置5に設けられた撮影手段に対する
図7に示されているCPU501の処理によって実現される。なお、取得部53は、位置情報提供装置9からGPSが提供する位置情報データ、WiFi(登録商標)を介したデータ等を直接取得することも可能である。本実施形態において、取得部53は、取得手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0079】
表示制御部54は、主に、
図7に示されているディスプレイ506に対するCPU501の処理によって実現され、取得部53によって取得されたアップロード後のフロアマップ画像の表示制御を行う。本実施形態において、表示制御部54は、表示制御手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0080】
画像補正部56は、主に、
図7に示されているCPU501の処理によって実現され、フロアマップ画像における縦横比の補正処理、画像座標系と実座標系との間のフロアマップ画像の回転処理、等を行う。本実施形態において、画像補正部56は、画像補正手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0081】
作成部57は、主に、
図7に示されているCPU501の処理によって実現され、縦横比の補正を行った後の補正後フロアマップ画像を作成する。本実施形態において、作成部57は、作成手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0082】
登録部58は、主に、
図7に示されているCPU501の処理によって実現され、位置情報提供装置9が提供した現在地の実座標を実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に登録する。本実施形態において、登録部58は、登録手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0083】
記憶・読出部59は、主に、
図7に示されているCPU501の処理によって実現され、記憶部5000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶・読出部59は、記憶・読出手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0084】
<画像表示装置の機能構成>
図10に示されているように、画像表示装置7は、送受信部71、受付部72、表示制御部74及び記憶・読出部79を有する。これら各機能部は、
図7に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM702及びHD704うち少なくとも一方からRAM703に展開された画像表示装置7用のプログラムに従ったCPU701からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、画像表示装置7は、
図7に示されているROM702又はHD704により構築される記憶部7000を有している。
【0085】
<画像表示装置の各機能構成>>
次に、画像表示装置7の各機能構成について詳細に説明する。
図10に示されている画像表示装置7の送受信部71は、主に、
図7に示されている外部機器接続I/F708及びネットワークI/F709に対するCPU701の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して画像登録管理装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部71は、送信手段及び受信手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0086】
受付部72は、主に、
図7に示されているポインティングデバイス712に対するCPU701の処理によって実現され、ディスプレイ706に表示されている電子地図上のフロア情報に対して利用者が選択した任意のフロアを受け付ける。本実施形態において、受付部72は、受付手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0087】
表示制御部74は、主に、
図7に示されているディスプレイ706に対するCPU701の処理によって実現され、画像登録管理装置3が送信した補正後フロアマップ画像及び管理対象装置8が配置された位置情報の表示制御を行う。本実施形態において、表示制御部74は、表示制御手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0088】
記憶・読出部79は、主に、
図2に示されているCPU701の処理によって実現され、記憶部7000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部7000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶・読出部79は、記憶・読出手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0089】
<管理対象装置の機能構成>
図11に示されているように、管理対象装置8は、送受信部81、取得部83及び記憶・読出部89を有する。これら各機能部は、
図8に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM802a及びHD808のうち少なくとも一方からRAM802bに展開された管理対象装置8用のプログラムに従ったCPU801からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、管理対象装置8は、
図8に示されているROM802a及びHD808のうち少なくとも一方により構築される記憶部8000を有している。
【0090】
<<管理対象装置の各機能構成>>
次に、管理対象装置8の各機能構成について詳細に説明する。
図11に示されている管理対象装置8の送受信部81は、主に、
図8に示されている近距離通信回路820又はネットワークI/F850に対するCPU801の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して画像登録管理装置3との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、送受信部81は、送信手段及び受信手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0091】
取得部83は、位置情報提供装置9が提供したそれぞれのフォーマットに基づく位置情報を取得する。例えば、GPSから提供(送信)された位置情報であれば、NMEAフォーマット(センテンスの集まり)の情報を取得する。また、Wi-Fiとの通信において位置情報を取得する場合は、位置情報の基となるプローブリクエスト及び接続要求を含む情報を取得する。さらに、IMESから提供(送信)された屋内位置情報であれば、約1.58GHzの周波数でBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調された信号を取得することになる。このように、取得部83は、位置情報提供装置9が提供する各種位置情報の仕様に対応可能な通信I/F904を備えている。本実施形態において、取得部83は、取得手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0092】
記憶・読出部89は、主に、
図8に示されているCPU801の処理によって実現され、記憶部8000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部8000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶・読出部89は、記憶・読出手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0093】
<位置情報提供装置の機能構成>
図11に示されているように、位置情報提供装置9は、通信部91、位置情報管理部98及び記憶・読出部99を有する。これら各機能部は、
図9に示された各ハードウエア資源のいずれかが、ROM902からRAM903に展開された位置情報提供装置9用のプログラムに従ったCPU901からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。また、位置情報提供装置9は、
図9に示されているROM902により構築される記憶部9000を有している。
【0094】
<<位置情報提供装置の各機能構成>>
次に、位置情報提供装置9の各機能構成について詳細に説明する。
図11に示されている位置情報提供装置9の通信部91は、主に、
図9に示されている通信I/F904に対するCPU901の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して画像登録支援装置5との間で各種データ(又は情報)の送受信を行う。本実施形態において、通信部91は、通信手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0095】
位置情報管理部98は、主に、
図9に示されているCPU901の処理によって実現され、上述したGPS,Wi-Fi、IMES等の各種位置情報を記憶部9000にて管理し、画像登録支援装置5からの要求に応じて、対応する位置情報を記憶部9000から読み出して画像登録支援装置5に提供する。本実施形態において、位置情報管理部98は、位置情報管理手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0096】
記憶・読出部99は、主に、
図9に示されているCPU901の処理によって実現され、記憶部9000に各種データ(又は情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(又は情報)を読み出したりする。本実施形態において、記憶・読出部99は、記憶・読出手段の一例として機能又は機能する手段を有する。
【0097】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図14乃至
図24を用いて、本実施形態に係る画像通信システム1における各処理又は動作を説明する。
図14及び
図15は、本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の一例を示すシーケンス図である。また、
図19(A)は、フロアマップ画像のアップロードを行う際の画面表示例、(B)は、現在地の登録を行う際の画面表示例である。また、
図20(A)は、現在地の登録を行う際の他の画面表示例、(B)は、他の現在地の登録を行う際の画面表示例である。さらに、
図21(A)は、他の現在地の登録を行う際の他の画面表示例、(B)は、フロアマップ名の入力及び登録を行う際の画面表示例である。
【0098】
<実座標の取得>
まず、画像登録支援装置5を利用する利用者は、例えば、画像登録支援装置5で動作するフロアマップ画像登録アプリを起動する。続いて、利用者は、自身の所有する利用者識別情報を画像登録支援装置5に対して入力することにより、フロアマップ画像登録画面要求を行う。これにより、画像登録支援装置5の受付部52は、利用者によるフロアマップ画像登録画面要求を受け付ける(ステップS101)。
【0099】
続いて、表示制御部54は記憶・読出部59と協働して、例えば、記憶部5000に記憶されたフロアマップ画像登録画面データを読み出し、
図19(A)に示されているように、ディスプレイ506上にフロアマップ画像登録画面5102を表示させる(ステップS102)。
【0100】
フロアマップ画像登録画面5102が表示されたら、利用者は、フロアマップ画像データのアップロードを行う。このとき、フォルダからアップロードするメニューボタン5112及び撮影してアップロードするメニューボタン5113の両方がフロアマップ画像登録画面5102に表示されるため、利用者は、任意のボタンを操作(押下、タップ等)してフロアマップ画像データをアップロードすることができる。利用者の操作を受けて、画像登録支援装置5の取得部53は、フロアマップ画像データをアップロードする(ステップS103)。具体的には、取得部53は、起動中のフロアマップ画像登録アプリに対して、記憶・読出部59と協働して、記憶部5000に記憶されているフロア名称に対応するフロアマップの画像ファイル(データ)を読み出し、画像登録支援装置5にアップロードする。
【0101】
続いて、表示制御部54は、画像登録支援装置5のディスプレイ506に現在地1選択画面1を表示する(ステップS104)。具体的には、表示制御部54は、現在地の登録を行う際の画面表示例として、
図19(B)に示された現在地1選択画面5103を表示する。現在地1選択画面5103では、「現在地を選択し、「測位」ボタンを押してください」というメッセージとともに、フロアマップが表示される。このとき、現在地1選択画面5103の下部には測位ボタン5114も表示される。
【0102】
次に、受付部52は、利用者により指定された現在地1登録(画像座標)の受付を行い、受け付けた現在地1の座標を記憶・読出部59と協働して実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する(ステップS105)。具体的には、受付部52は、表示制御部54及び記憶・読出部59と協働して、
図20(A)に示された現在地1選択画面5104に、利用者が指定した現在地1の位置に対応させて所定のマークを表示させ、受け付けた現在地1の座標を記憶・読出部59と協働して実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する。その後、受付部52は、利用者が操作する測位ボタン5114への操作を受け付ける。なお、
図20(A)に示された現在地1選択画面5104は、
図19(B)に示された現在地1選択画面5103に現在地1の位置を示すマークが追加された状態となっている。上述した現在地1の位置を示すマークを追加する方法は、例えば、現在地1選択画面5103に表示されたフロアマップ画像の座標と、利用者により指定された現在地1選択画面5103が表示されるディスプレイ506上の座標との相対関係から求めるようにしてもよい。
【0103】
受付部52による測位ボタンの受付後、送受信部51は、位置情報提供装置9に対して現在地1の実座標の取得要求を送信する(ステップS106)。これにより、位置情報提供装置9の通信部91は、画像登録支援装置5が送信した現在地1の実座標の取得要求を受信する。このとき、現在地1の実座標の取得要求には、画像登録支援装置5の識別情報が含まれる。
【0104】
現在地1の実座標の取得要求を受信した位置情報提供装置9の記憶・読出部99は、位置情報管理部98と協働して、記憶部9000に記憶された現在地1に対応する位置情報1を読み出す(ステップS107)。
【0105】
ステップS107の処理後、通信部91は、現在地1の実座標の取得応答を画像登録支援装置5に対して送信する(ステップS108)。これにより、画像登録支援装置5の送受信部51は、位置情報提供装置9が送信した現在地1の実座標の取得応答を受信する。このとき、現在地1の実座標の取得応答には、画像登録支援装置5の識別情報、及び現在地1の実座標(位置情報1)が含まれる。
【0106】
画像登録支援装置5の記憶・読出部59は、受信した現在地1の実座標である位置情報1を実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する(ステップS109)。このとき、現在地1の実座標(位置情報)には、例えば、東経139.388164、北緯35.457939が登録される。
【0107】
また、本実施形態に係る画像通信システム1では、例えば、上述したステップS106及びS108の処理が実行される場合、画像登録支援装置5と位置情報提供装置9との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、画像登録支援装置5と位置情報提供装置9との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成及び処理方法は、画像登録支援装置5と位置情報提供装置9との間の他の処理ステップにおいても適用可能である。
【0108】
同様に、表示制御部54は、画像登録支援装置5のディスプレイ506に、
図20(B)に示された現在地2選択画面5105を表示する(ステップS114)。
図20(B)の現在地2選択画面5105では、「移動した後、現在地を選択し、「測位」ボタンを押してください」というメッセージとともに、現在地1の位置にマークが追加されたフロアマップが表示される。このとき、現在地1選択画面5103の下部には測位ボタン5114も表示される。
【0109】
次に、受付部52は、利用者により指定された現在地2登録(画像座標)の受付を行い、受け付けた現在地2の座標を記憶・読出部59と協働して実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する(ステップS115)。具体的には、受付部52は、表示制御部54及び記憶・読出部59と協働して、
図21(A)に示された現在地2選択画面5106に、利用者が指定した現在地2の位置に対応させて所定のマークを表示させ、受け付けた現在地2の座標を記憶・読出部59と協働して実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する。その後、受付部52は、利用者が操作する測位ボタン5114への操作を受け付ける。上述した現在地2の位置を示すマークを追加する方法は、例えば、現在地2選択画面5105に表示されたフロアマップ画像の座標と、利用者により指定された現在地2選択画面5105が表示されるディスプレイ506上の座標との相対関係から求めるようにしてもよい。
【0110】
受付部52による測位ボタンの受付後、送受信部51は、位置情報提供装置9に対して現在地2の実座標の取得要求を送信する(ステップS116)。これにより、位置情報提供装置9の通信部91は、画像登録支援装置5が送信した現在地2の実座標の取得要求を受信する。このとき、現在地2の実座標の取得要求には、画像登録支援装置5の識別情報が含まれる。
【0111】
現在地2の実座標の取得要求を受信した位置情報提供装置9の記憶・読出部99は、位置情報管理部98と協働して、記憶部9000に記憶された現在地2に対応する位置情報2を読み出す(ステップS117)。
【0112】
ステップS107の処理後、通信部91は、現在地2の実座標の取得応答を画像登録支援装置5に対して送信する(ステップS118)。これにより、画像登録支援装置5の送受信部51は、位置情報提供装置9が送信した現在地2の実座標の取得応答を受信する。このとき、現在地2の実座標の取得応答には、画像登録支援装置5の識別情報、及び現在地2の実座標(位置情報2)が含まれる。
【0113】
画像登録支援装置5の記憶・読出部59は、受信した現在地2の実座標である位置情報2を実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に記憶する(ステップS119)。このとき、現在地2の実座標(位置情報)には、例えば、東経139.389123、北緯35.458390が登録される。
【0114】
<フロアマップ画像の登録>
次に、
図16を用いてフロアマップ画像の登録について説明する。
図16は、本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の一例を示すシーケンス図である。画像登録支援装置5の表示制御部54は、ディスプレイ506に、
図21(B)に示されたフロアマップ情報入力画面5107を表示する(ステップS121)。このフロアマップ情報入力画面5107では、「フロアマップの名前を入力し、「登録」ボタンを押してください」というメッセージとともに、フロアマップの名前入力欄5115と「登録」ボタン5116が表示される。このフロアマップ情報入力画面5107が表示されることにより、利用者は、フロアマップの名前を入力して登録処理を行うことが可能になる。
【0115】
<実座標への補正処理>
続いて、受付部52は、利用者によるフロアマップ情報(名前)の入力を受け付ける(ステップS122)。
【0116】
続いて、画像補正部56は、フロアマップ画像座標と実座標との間の座標変換を行う(ステップS123)。このステップS123の処理の詳細は、上述した
図2乃至
図5で説明した内容を一部繰り返す。ここで、フロアマップ画像座標とは、画像座標系(x-y座標系)で示される座標を表し、実座標とは、位置情報提供装置9から得られる位置情報に基づく実座標系(E-N座標系)で示される座標を表す。この前提において、画像補正部56は、
図2乃至
図5で説明したような座標変換を行う。つまり、第2の位置情報の一例としての現在地1の実座標(位置情報)及び現在地2の実座標(位置情報)で表される位置のうちいずれか一方の位置(本実施形態では、点A)を原点とした座標において、フロアマップ画像の縦横比が所定の電子地図に係る画像の縦横比に一致するように補正するとともに、実座標系(E-N座標系)における北方向の座標軸に対して所定の角度分回転させた画像を補正後俯瞰画像として補正する。
【0117】
さらに、画像補正部56は、補正後俯瞰画像に対して与えられた任意の2点のうちいずれか一方の位置を示す第3の位置情報を、補正後俯瞰画像を登録するための基準となる基準情報として与える。
【0118】
ステップS123における各処理の後、作成部57は、利用者によってアップロードされたフロアマップ画像を、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図上に付加されるフロアマップ画像、すなわち補正後俯瞰画像として作成する(ステップS124)。このとき、補正後俯瞰画像は、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図の縦横比に一致するように元のフロアマップ画像の縦横比が変換されるとともに、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図の傾きに合わせて角度も補正される。上述したように、本実施形態では、受付部52によって受け付けられた現在地1及び現在地2の二つの画像座標(第1の位置情報)、及び第1の位置情報に対応する所定の電子地図を表示するための二つの実座標(第2の位置情報)に基づいて、画像補正部56は、電子地図の画像の縦横比に一致するようにフロアマップ画像の縦横比を補正する。その後、作成部57は、縦横比が補正された補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)を作成する。そして、後述するように、画像表示装置7の表示制御部74は、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)を、フロアマップ画像として与えられる所定の空間に配置された管理対象装置8の装置位置情報とともに、電子地図としてディスプレイ706に表示させる。
【0119】
続いて送受信部51は、画像登録管理装置3に対して、ステップS124で作成された補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求を送信する(ステップS125)。これにより、画像登録管理装置3の送受信部31は、画像登録支援装置5が送信した補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求に係る情報を受信する。このとき、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求に係る情報には、利用者識別情報、二つ以上の実座標情報、補正後フロアマップ画像データ、及び補正後フロアマップ画像を表す補正後フロアマップ画像情報が含まれる。ここで、二つ以上の実座標情報は、画像登録管理装置3が予め仕様として決定した所定の2点の位置情報でもよいし、フロアマップ画像における所定の位置と所定のキーバリューとをセットにした情報でもよい。
【0120】
補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求を受信した後、画像登録管理装置3の登録部38は、フロアマップ管理テーブル(フロアマップ管理DB3001、
図12(A)参照)の画像ファイルパスに、補正後フロアマップ画像データ及び補正後フロアマップ画像情報を関連づけて、登録する(ステップS126)。
【0121】
補正後フロアマップ画像の登録後、送受信部31は、画像登録支援装置5に対して補正後フロアマップ画像の登録応答を送信する(ステップS127)。これにより、画像登録支援装置5の送受信部51は、画像登録管理装置3が送信した補正後フロアマップ画像の登録応答を受信する。このとき、補正後フロアマップ画像の登録応答には、補正後フロアマップ画像の画像識別情報が含まれる。
【0122】
補正後フロアマップ画像の登録応答を受信後、表示制御部54は、フロアマップ画像の登録完了画面をディスプレイ506に表示する(ステップS128)。
【0123】
なお、上述したステップS123及びS124の処理は、画像登録管理装置3で実行するようにしてもよい。これについては、後述する本実施形態の変形例で詳細に説明する。
【0124】
また、本実施形態に係る画像通信システム1では、例えば、上述したステップS125及びS127の処理が実行される場合、画像登録支援装置5と画像登録管理装置3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、画像登録支援装置5と画像登録管理装置3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成及び処理方法は、画像登録支援装置5と画像登録管理装置3との間の他の処理ステップにおいても適用可能である。
【0125】
<位置情報の登録>
図17は、本実施形態に係る位置情報の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図17に示されているように、管理対象装置8の取得部83は、例えば、位置情報提供装置9がGPSの場合、管理対象装置8に設けられたGPSセンサ等を利用して、管理対象装置8の現在位置(位置情報)を取得する。また、位置情報提供装置9がWiFiである場合は、例えば、取得部82は、近距離通信回路820を制御して、管理対象装置8の現在位置を取得する(ステップS141)。
【0126】
次に、送受信部81は、取得した位置情報を画像登録管理装置3に送信する(ステップS142)。これにより、画像登録管理装置3の送受信部31は、管理対象装置8が送信した管理対象装置8自身の位置情報を受信する。このとき、位置情報には、管理対象装置8の識別情報、取得した位置情報を示す管理対象装置の実座標及びフロア数に対応する画像IDが含まれる。この画像IDは、フロアマップを取得する建物が複数のフロアを有する場合、どのフロアのフロアマップであるかを識別するための識別情報である。さらに、位置情報提供装置9がWi-Fiの場合は、Wi-FiルータIDが含まれる。
【0127】
画像登録管理装置3の記憶・読出部39は、管理対象装置8の識別情報に対応する管理対象装置の実座標(位置情報)を対象装置管理テーブル(対象装置管理DB3002、
図12(B)参照)に登録する(ステップS143)。そして、管理対象装置8と画像登録支援装置5は、上述したステップS141-S143を管理対象装置8の台数分繰り返すループ処理を実行する。
【0128】
図22は、フロアマップの登録完了を示すの画面表示例である。
図22に示されているように、表示制御部54は、ディスプレイ506にフロアマップ画像登録完了画面5108を表示する。このとき、フロアマップ画像登録完了画面5108には、「登録しました」というメッセージとともにフロアマップ画像が表示される。さらに、フロアマップ画像登録完了画面5108の下部には「トップ画面へ」ボタン5117も表示される。このフロアマップ画像登録完了画面5108が表示されることで、利用者は、「トップ画面へ」ボタン5117を操作して、次のフロアマップ画像(例えば、別のフロアのフロアマップ画像)の登録を行うことができる。
【0129】
また、本実施形態に係る画像通信システム1では、例えば、上述したステップS142の処理が実行される場合、管理対象装置8と画像登録管理装置3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、管理対象装置8と画像登録管理装置3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成及び処理方法は、管理対象装置8と画像登録管理装置3との間の他の処理ステップにおいても適用可能である。
【0130】
<電子地図の表示処理>
図18は、本実施形態に係るフロアマップ画像の表示処理の一例を示すシーケンス図である。画像表示装置7の送受信部71は、補正後フロアマップ画像にあわせて電子地図上に表示させる管理対象装置8の装置位置情報の表示要求を送信する(ステップS151)。これにより、画像登録管理装置3の送受信部31は、画像表示装置7が送信した管理対象装置8の装置位置情報の表示要求を受信する。このとき、管理対象装置8の装置位置情報の表示要求には、ステップS127で画像登録支援装置5が受信し、その後、画像表示装置7に転送された補正後フロアマップ画像の画像識別情報が含まれる。
【0131】
続いて取得部33は、記憶・読出部39と協働して、受信した画像識別情報を検索キーとしてフロアマップ管理テーブル(フロアマップ管理DB3001、
図12(A)参照)を検索することにより、対応する画像ファイルパスで示されるフロアマップ画像に係る画像ファイルを取得する(ステップS152)。
【0132】
ステップS152の処理にあわせて、取得部33は、フロアマップ画像一覧の抽出を行い(ステップS153)、電子地図上へ補正後フロアマップ画像を配置する(ステップS154)。
【0133】
続いて、取得部33は、記憶・読出部39と協働して、ステップS151で受信した補正後フロアマップ画像の画像識別情報を検索キーとして対象装置管理テーブル(対象装置管理DB3002、
図12(B)参照)を検索することにより、対応する管理対象装置の実座標(位置情報)を取得する(ステップS155)。
【0134】
管理対象装置の実座標(位置情報)を取得後、作成部37は、フロアマップ画像と管理対象装置の装置位置情報を含んだ補正後のフロアマップを作成する(ステップS156)。
【0135】
補正後のフロアマップを作成後、送受信部31は、ステップS151に対する応答として、画像表示装置7に対して位置情報の表示応答を送信する(ステップS157)。これにより、表示装置7の送受信部71は、画像登録管理装置3が送信した位置情報の表示応答を受信する。このとき、位置情報の表示応答には、補正後のフロアマップ画像に係る補正後フロアマップ画像データが含まれる。
【0136】
位置情報の表示応答を受信後、画像表示装置7の表示制御部74は、ディスプレイ706に補正後フロアマップと管理対象装置8の装置位置情報を示す所定のマークを、
図23に示すような電子地図上に表示させる(ステップS158)。なお、ステップS158の画面表示を行う際、画像登録管理装置3の表示制御部34は、例えば、Googleマップ表示サーバとしての機能を使ってもよい。具体的には、表示制御部34は、画像表示装置7のディスプレイ706に対して、補正後フロアマップと管理対象装置8の装置位置情報を示す所定のマークを電子地図上に表示させるようにしてもよい。
【0137】
また、本実施形態に係る画像通信システム1では、例えば、上述したステップS151及びS157の処理が実行される場合、画像表示装置7と画像登録管理装置3との間に他の装置等が存在してもよい。つまり、画像表示装置7と画像登録管理装置3との間で送受信される各情報(データ)は、一度他の装置を介して送受信されるような構成であってもよい。上述した構成及び処理方法は、画像表示装置7と画像登録管理装置3との間の他の処理ステップにおいても適用可能である。
【0138】
●画面表示例●
<補正後フロアマップ及び管理対象装置のマークの表示>
図23(A)は、アスペクト比補正及び回転処理後の画面表示例、(B)は、複数のフロアから任意のフロアを選択可能に表示された画面表示例、(C)は、任意のフロアに設置された管理対象装置がフロアマップ上に表示された画面表示例である。
【0139】
図23(A)に示したように、画像表示装置7の表示装置7は、ディスプレイ706上に電子地
図7101を表示する。このとき、電子地
図7101上には、補正後フロアマップと管理対象装置8の位置を示すマークが表示されている。さらに、電子地
図7101上には、複数のフロアマップが存在することを利用者に知らせるメッセージとともに、階数を選択する選択スクロール7102が表示されている。
【0140】
図23(B)では、電子地
図7103上に階数を選択する選択スクロール7104が表示されている。この選択スクロール7104に対して、利用者が任意の階数をスクロールして(例えば、2階にスクロールを合わせて)所定時間経過させると、表示制御部74は、
図23(C)のような電池地
図7105をディスプレイ706に表示する。
図23(C)では、電子地
図7105上に2階のフロアマップと2階に配置された管理対象装置8の配置位置を示すマークが表示されている。さらに、フロアマップの下部に選択スクロール7106が表示されている。このように、画像表示装置7の表示制御部74は、複数の階のうち所定の管理対象装置8が配置された階の補正後俯瞰画像を、所定の管理対象装置の装置位置情報とともに利用者に対して選択的に表示させる。
【0141】
また、
図24(A)は、アスペクト比補正及び回転処理後の画面表示例、(B)は、複数のフロアから任意のフロアを選択可能に表示された画面表示例、(C)は、選択された任意のフロアのフロアマップ画面表示例である。
【0142】
図24(A)は、上述す多
図23(A)の内容と同様であるので説明を省略する。
図24(B)では、電子地
図7109の下部に表示されている選択スクロール7110が3階を選択している状態が示されている。利用者によって3階が選択されると、表示制御部74は、
図24(C)に示した電子写真7111をディスプレイ706に表示し、3階のフロアマップを表示する。但し、3階には管理対象装置8が存在しないため、管理対象装置8の位置を示すマークも表示されない状態が示されている。
【0143】
〔実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、画像管理システム2の画像補正部56及び作成部57は、受付部52によって受け付けられた二つの画像座標、並びに二つの画像座標に対応する二つの実座標に基づいて、電子地図の画像の縦横比に一致するようにフロアマップ画像の縦横比を補正して補正後フロアマップ画像を作成する(ステップS123、S124)。そして、表示制御部74は、補正後フロアマップ画像を、所定の空間に配置された管理対象装置8の装置位置情報とともに、ディスプレイ706に表示させる(ステップS158)。これにより、画像補正部56及び作成部57が、電子地図が表示される座標情報に合わせてフロアマップ画像の縦横比及び角度を補正するので、電子地図の縦横比に合わせた俯瞰画像を利用者が登録しなくても、所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報を正しく把握することができるという効果を奏する。
【0144】
〔実施形態の変形例〕
これまでの実施形態では、電子地図の縦横比に一致するように、画像登録支援装置5の補正部56が補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の補正及び座標変換を行い、その後、作成部57が補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)を作成した。これに対して、実施形態の変形例では、画像登録管理装置3において、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の補正及び座標変換を行い、その後、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)を作成する構成について説明する。
【0145】
図25は、本実施形態に係るフロアマップ画像の登録処理の変形例を示すシーケンス図である。ステップS121、S122の処理は、
図16に示したステップS121,S122の処理と同じであるので説明を省略する。ステップS122の処理後、送受信部51は、画像登録管理装置3に対して、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求を送信する(ステップS161)。これにより、画像登録管理装置3の送受信部31は、画像登録支援装置5が送信した補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求に係る情報を受信する。このとき、補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求に係る情報には、利用者識別情報、補正前フロアマップ画像データ、点Aと点Bの画像座標を表す二つ以上の画像座標情報、フロアマップ画像上の二つ以上の実座標情報、及び補正前フロアマップ画像を表す補正前フロアマップ画像情報が含まれる。ここで、二つ以上の実座標情報は、画像登録管理装置3が予め仕様として決定した所定の2点の位置情報でもよいし、フロアマップ画像における所定の位置と所定のキーバリューとをセットにした情報でもよい。
【0146】
補正後フロアマップ画像(補正後俯瞰画像)の登録要求を受信した後、画像補正部36は、フロアマップ画像座標と実座標との間の座標変換を行う(ステップS162)。なお、ステップS162の処理の詳細は、上述したステップS123で説明した内容と同様のため省略する。このとき、画像登録管理装置3は、ステップS123で示したように、画像登録支援装置5が備える実座標情報管理テーブル(実座標情報管理DB5001、
図13参照)に相当するテーブルを記憶部3000に備え、ステップS123と同様の処理を実行するようにしてもよい。
【0147】
これにより、作成部37は、利用者によってアップロードされたフロアマップ画像を、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図上に付加されるフロアマップ画像、すなわち補正後俯瞰画像として作成する(ステップS163)。このとき、補正後俯瞰画像は、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図の縦横比に一致するように元のフロアマップ画像の縦横比が変換されるとともに、実座標系(E-N座標系)で表示される電子地図の傾きに合わせて角度も補正される。
【0148】
作成部37によって補正後俯瞰画像が生成された後、登録部38は、フロアマップ管理テーブル(フロアマップ管理DB3001、
図12(A)参照)の画像ファイルパスに、補正後フロアマップ画像データ及び補正後フロアマップ画像情報を関連づけて、登録する(ステップS164)。
【0149】
補正後フロアマップ画像の登録後、送受信部31は、画像登録支援装置5に対して補正後フロアマップ画像の登録応答を送信する(ステップS165)。これにより、画像登録支援装置5の送受信部51は、画像登録管理装置3が送信した補正後フロアマップ画像の登録応答を受信する。このとき、補正後フロアマップ画像の登録応答には、補正後フロアマップ画像の画像識別情報が含まれる。
【0150】
補正後フロアマップ画像の登録応答を受信後、表示制御部54は、フロアマップ画像の登録完了画面をディスプレイ506に表示する(ステップS166)。
【0151】
〔実施形態の変形例の主な効果〕
以上説明したように本実施形態の変形例によれば、画像管理システム2の画像補正部36及び作成部37は、受付部52によって受け付けられた二つ以上の実座標、並びに二つ以上の実座標に対応する実座標に基づいて、電子地図の画像の縦横比に一致するようにフロアマップ画像の縦横比を補正して補正後フロアマップ画像を作成する(ステップS162、S163)。そして、表示制御部74は、補正後フロアマップ画像を、所定の空間に配置された管理対象装置8の装置位置情報とともに、ディスプレイ706に表示させる(ステップS158)。これにより、画像補正部56及び作成部57が、電子地図が表示される座標情報に合わせてフロアマップ画像の縦横比及び角度を補正するので、電子地図の縦横比に合わせた俯瞰画像を利用者が登録しなくても、所定の空間に配置された管理対象装置の装置位置情報を正しく把握することができるという効果を奏する。
【0152】
さらに、実施形態の変形例では、画像管理システム2の画像登録管理装置3がフロアマップ画像座標と実座標との間の座標変換及び補正後フロアマップ画像の作成を行うので、画像登録支援装置5側のハードウエア構成及びソフトウエア構成を簡単化することができる。つまり、画像登録支援装置5と画像表示装置7を一体化させ、通信機能と画像表示機能を備えた通信端末として利用することが可能になるという効果も期待できる。
【0153】
〔実施形態の補足〕
上述した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたデバイスを含むものとする。このデバイスとは、例えば、プロセッサ、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)、及び従来の回路モジュール等をいう。
【0154】
また、上記で説明した実施形態の各種テーブルは、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよく、関連づけられている各項目のデータを機械学習にて分類付けすることで、テーブルを使用しなくてもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを事前に取り込まれる学習データから自律的に生成、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよい、さらに、機械学習のための学習方法は、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0155】
これまで本発明の一実施形態に係る画像管理システム、画像登録管理装置、画像登録管理方法及びプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更又は削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0156】
1 画像通信システム
2 画像管理システム
3 画像登録管理装置
4 登録画像表示システム
5 画像登録支援装置
7 画像表示装置
8 管理対象装置
9 位置情報提供装置
34 表示制御部(表示制御手段の一例)
38 登録部(登録手段の一例)
51 送受信部(受信手段の一例、送信手段の一例)
52 受付部(受付手段の一例)
56 画像補正部(画像補正手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】