(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】セリウム化合物除去用洗浄液、洗浄方法及び半導体ウェハの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241217BHJP
C11D 7/36 20060101ALI20241217BHJP
C11D 7/26 20060101ALI20241217BHJP
C11D 7/22 20060101ALI20241217BHJP
C11D 7/10 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
H01L21/304 622Q
C11D7/36
C11D7/26
C11D7/22
C11D7/10
(21)【出願番号】P 2021562578
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(86)【国際出願番号】 JP2020043512
(87)【国際公開番号】W WO2021111914
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2019218699
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】安 龍杰
(72)【発明者】
【氏名】草野 智博
(72)【発明者】
【氏名】小野 由香子
(72)【発明者】
【氏名】竹下 寛
(72)【発明者】
【氏名】清野 健一
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-163608(JP,A)
【文献】特開2004-022986(JP,A)
【文献】特表2022-513197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 7/36
C11D 7/26
C11D 7/22
C11D 7/10
C11D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)及び以下の成分(B)を含
み、
前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量比が、1~100である、
シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物除去用洗浄液。
成分(A):下記一般式(1)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(2)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(3)で表される化合物及びその誘導体、並びに下記一般式(4)で表される化合物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):還元剤
【化1】
(上記一般式(1)において、R
1及びR
2は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【化2】
(上記一般式(2)において、R
3、R
4、R
5及びR
6は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【化3】
(上記一般式(3)において、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【化4】
(上記一般式(4)において、nは、任意の整数を表す。)
【請求項2】
前記成分(A)が、エチドロン酸、アレンドロン酸、メタリン酸、ピロリン酸及びポリリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の洗浄液。
【請求項3】
前記成分(A)が、エチドロン酸を含む、請求項1に記載の洗浄液。
【請求項4】
前記成分(B)が、アスコルビン酸、没食子酸、ホスフィン酸、グルコース、シュウ酸、ピロガロール、ピロカテコール及びグリオキサールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項5】
前記成分(B)が、ホスフィン酸、グルコース及びピロガロールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項6】
更に、以下の成分(C)を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄液。
成分(C):水溶性有機高分子
【請求項7】
前記成分(C)が、ポリカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6に記載の洗浄液。
【請求項8】
更に、以下の成分(D)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の洗浄液。
成分(D):pH調整剤
【請求項9】
前記成分(D)が、アンモニア及び4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項8に記載の洗浄液。
【請求項10】
pHが、1~7である、請求項1~9のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項11】
化学的機械的研磨後洗浄に用いる、請求項1~
10のいずれか1項に記載の洗浄液。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の洗浄液を用いて、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む、洗浄方法。
【請求項13】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の洗浄液を用いて、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む、半導体ウェハの製造方法。
【請求項14】
更に、セリウム化合物を含む研磨剤を用いて化学的機械的研磨を行う工程を含む、請求項
13に記載の半導体ウェハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セリウム化合物除去用洗浄液、洗浄方法及び半導体ウェハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハは、シリコン基板の上に、配線となる金属膜や層間絶縁膜の堆積層を形成した後に、研磨微粒子を含む水系スラリーからなる研磨剤を使用する化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing。以下、「CMP」と略す場合がある。)工程によって表面の平坦化処理を行い、平坦になった面の上に新たな層を積み重ねていくことで製造される。半導体ウェハの微細加工は、各層において精度の高い平坦性が必要であり、CMPによる平坦化処理の重要性は非常に高い。
【0003】
半導体デバイス製造工程では、トランジスタ等の素子を電気的に分離するために、従来のLOCOS(Local Oxidation of Silicon)に代わり、より微細化に適したSTI(Shallow Trench Isolation)による素子分離構造が用いられている。また、配線層の間には、ILD(Inter Layer Dielectric)が用いられている。STI及びILDは、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)等を原料としてシリコン酸化膜を製膜し、CMP工程で平坦化を行うことにより作られる。
【0004】
CMP工程後の半導体ウェハの表面には、CMP工程で用いられた研磨剤の研磨微粒子やスラリー中に含まれる有機化合物由来の有機残渣等が多量に存在することから、これらを除去するため、CMP工程後の半導体ウェハは、洗浄工程に供される。
【0005】
近年、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜のCMP工程では、研磨速度を速くするため、酸化セリウム等のセリウム系の研磨微粒子が用いられているが、セリウム系の研磨微粒子は、CMP工程中にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の表面と結合を形成するため、洗浄工程において除去が困難である。
【0006】
そのため、従来は、希釈フッ化水素酸や硫酸過水等の強力な薬品を用いて洗浄が行われていたが、安全性や廃液処理等の問題から、希釈フッ化水素酸や硫酸過水に代わる洗浄液として、様々な洗浄液が提案されている。例えば、特許文献1には、還元剤を含む洗浄液が開示されている。また、特許文献2には、ジホスホン酸及び過酸化水素を含む洗浄液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本国特開平11-251280号公報
【文献】日本国特開2004-022986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1で開示されている洗浄液は、キレート剤を含まないため、セリウム化合物が洗浄液に溶解しづらく、セリウム化合物の除去性に劣るという課題を有する。また、特許文献1で開示されている洗浄液は、セリウム化合物を洗浄液に溶解させるために、加熱を行う必要があるという課題を有する。
【0009】
また、特許文献2で開示されている洗浄液は、還元剤を含まないため、セリウム化合物とシリコン酸化物との結合を切ることができず、セリウム化合物の除去性に劣るという課題を有する。また、特許文献2で開示されている洗浄液は、洗浄液中で分解しやすい過酸化水素を含むため、洗浄液の長期品質安定性に劣るという課題を有する。
【0010】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、セリウム化合物の除去性に優れる洗浄液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従前、様々な成分を含む洗浄液が検討されていたが、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、後述する成分(A)及び成分(B)を含む洗浄液を見出し、この洗浄液が、セリウム化合物の除去性に優れることを見出した。
【0012】
即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]以下の成分(A)及び以下の成分(B)を含む、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物除去用洗浄液。
成分(A):下記一般式(1)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(2)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(3)で表される化合物及びその誘導体、並びに下記一般式(4)で表される化合物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):還元剤
【0013】
【0014】
(上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0015】
【0016】
(上記一般式(2)において、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0017】
【0018】
(上記一般式(3)において、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0019】
【0020】
(上記一般式(4)において、nは、任意の整数を表す。)
[2]前記成分(A)が、エチドロン酸、アレンドロン酸、メタリン酸、ピロリン酸及びポリリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]に記載の洗浄液。
[3]前記成分(A)が、エチドロン酸を含む、[1]に記載の洗浄液。
[4]前記成分(B)が、アスコルビン酸、没食子酸、ホスフィン酸、グルコース、シュウ酸、ピロガロール、ピロカテコール及びグリオキサールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の洗浄液。
[5]前記成分(B)が、ホスフィン酸、グルコース及びピロガロールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の洗浄液。
[6]更に、以下の成分(C)を含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の洗浄液。
成分(C):水溶性有機高分子
[7]前記成分(C)が、ポリカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含む、[6]に記載の洗浄液。
[8]更に、以下の成分(D)を含む、[1]~[7]のいずれか1つに記載の洗浄液。
成分(D):pH調整剤
[9]前記成分(D)が、アンモニア及び4級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含む、[8]に記載の洗浄液。
[10]pHが、1~7である、[1]~[9]のいずれか1つに記載の洗浄液。
[11]前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量比が、1~100である、[1]~[10]のいずれか1つに記載の洗浄液。
[12]化学的機械的研磨後洗浄に用いる、[1]~[11]のいずれか1つに記載の洗浄液。
[13][1]~[12]のいずれか1つに記載の洗浄液を用いて、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む、洗浄方法。
[14][1]~[12]のいずれか1つに記載の洗浄液を用いて、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む、半導体ウェハの製造方法。
[15]更に、セリウム化合物を含む研磨剤を用いて化学的機械的研磨を行う工程を含む、[14]に記載の半導体ウェハの製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の洗浄液は、セリウム化合物の除去性に優れる。
また、本発明の洗浄方法は、セリウム化合物の除去性に優れる。
更に、本発明の半導体ウェハの製造方法は、セリウム化合物の除去性に優れる洗浄工程を含むため、半導体デバイスの動作不良を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明について詳述するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。尚、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
【0023】
[洗浄液]
本発明の洗浄液は、セリウム化合物除去用であり、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去するために好適に用いられ、シリコン酸化膜上のセリウム化合物を除去するために特に好適に用いられる。
【0024】
なお、「シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物」とは、シリコン酸化膜上のセリウム化合物及びシリコン窒化膜上のセリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つのセリウム化合物を意味する。
以下、各成分について詳述する。
【0025】
(成分(A))
本発明の洗浄液は、以下の成分(A)を含む。
成分(A):下記一般式(1)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(2)で表される化合物及びその誘導体、下記一般式(3)で表される化合物及びその誘導体、並びに下記一般式(4)で表される化合物及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):還元剤
【0026】
【0027】
(上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0028】
【0029】
(上記一般式(2)において、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0030】
【0031】
(上記一般式(3)において、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル結合を含む化学構造、アミノ基、水酸基又はホスホン酸基を表す。)
【0032】
【0033】
(上記一般式(4)において、nは、任意の整数を表す。)
【0034】
本発明の洗浄液は、成分(A)を含むことで、セリウムイオンに選択的に作用し、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜にダメージを与えることなくセリウム化合物とシリコン酸化物との結合を切ることができ、セリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性に優れる。
【0035】
成分(A)の中でも、セリウム化合物と6員環の錯体を形成し、セリウム化合物の除去性が向上することから、一般式(1)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物が好ましく、加水分解されず安定性が向上することから、一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
【0036】
一般式(1)~(3)において、炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0037】
また、アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基等が挙げられる。
【0038】
一般式(1)~(3)において、エステル結合を含む化学構造としては、例えば、硫酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。
【0039】
一般式(1)中のR1及びR2は、一般式(1)で表される化合物を合成しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基又は水酸基が好ましく、一般式(1)で表される化合物が水に溶解しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~2のアルキル基又は水酸基がより好ましく、メチル基と水酸基との組み合わせが更に好ましい。
【0040】
一般式(2)において、R3、R4、R5及びR6は、一般式(2)で表される化合物を合成しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基又は水酸基が好ましく、一般式(2)で表される化合物が水に溶解しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~2のアルキル基又は水酸基がより好ましく、メチル基と水酸基との組み合わせが更に好ましい。
【0041】
一般式(3)において、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、一般式(3)で表される化合物を合成しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~4のアルキル基又は水酸基が好ましく、一般式(3)で表される化合物が水に溶解しやすくなることから、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~2のアルキル基又は水酸基がより好ましく、メチル基と水酸基との組み合わせが更に好ましい。
【0042】
一般式(4)において、nは、2~10000が好ましく、10~2000がより好ましい。nが2以上であると、キレート作用によりセリウム化合物の除去性が向上し、分散安定性が向上する。nが10000以下であると、一般式(4)で表される化合物の加水分解が抑制される。
【0043】
成分(A)の具体例としては、例えば、エチドロン酸、アレンドロン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。これらの成分(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
これらの成分(A)の中でも、酸性で溶解しやすく、セリウム化合物と6員環の錯体を形成し、セリウム化合物の除去性が向上することから、エチドロン酸、ピロリン酸、ポリリン酸が好ましく、分散安定性が向上することから、エチドロン酸、ポリリン酸がより好ましく、加水分解されず安定性が向上することから、エチドロン酸が更に好ましい。
【0045】
(成分(B))
本発明の洗浄液は、以下の成分(B)を含む。
成分(B):還元剤
【0046】
本発明の洗浄液は、成分(B)を含むことで、セリウムイオンに選択的に作用し、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜にダメージを与えることなくセリウム化合物とシリコン酸化物との結合を切ることができ、セリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。
【0047】
具体的には、4価のセリウムイオンとシリコン酸化物とが結合しており、成分(B)によって4価のセリウムイオンを3価に還元することで、セリウム化合物とシリコン酸化物との結合力が弱まるため、セリウム化合物の除去性が向上する。
【0048】
成分(B)としては、例えば、アスコルビン酸(L-アスコルビン酸、D-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸)、没食子酸(無水没食子酸、没食子酸1水和物)、没食子酸メチル、ホスフィン酸、グルコース、シュウ酸、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイトナトリウム、ピロガロール、ピロカテコール、グリオキサール等が挙げられる。これらの成分(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
これらの成分(B)の中でも、還元力に優れることから、アスコルビン酸、没食子酸、ホスフィン酸、グルコース、シュウ酸、ピロガロール、ピロカテコール、グリオキサールが好ましく、L-アスコルビン酸、没食子酸、ホスフィン酸、グルコース、ピロガロールがより好ましく、L-アスコルビン酸、ホスフィン酸、グルコース、ピロガロールが更に好ましく、ホスフィン酸、グルコース、ピロガロールが特に好ましい。
【0050】
(成分(C))
本発明の洗浄液は、セリウム化合物を分散させ、セリウム化合物の除去性が向上することから、更に、以下の成分(C)を含むことが好ましい。
成分(C):水溶性有機高分子
【0051】
成分(C)としては、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩等が挙げられる。ポリカルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等が挙げられる。ポリカルボン酸の塩としては、例えば、ポリアクリル酸の塩、ポリメタクリル酸の塩等が挙げられる。これらの成分(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
これらの成分(C)の中でも、酸性の水溶液に溶解しやすいことから、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩が好ましく、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩がより好ましい。
【0053】
ポリカルボン酸は、カルボン酸含有単量体の単独重合体でもよく、カルボン酸含有単量体と他の単量体との共重合体でもよい。
【0054】
成分(C)の重量平均分子量は、100~20,000が好ましく、200~10,000がより好ましい。成分(C)の重量平均分子量が100以上であると、セリウム化合物を分散させ、セリウム化合物の除去性が向上する。また、成分(C)の重量平均分子量が20,000以下であると、水に溶解しやすい。
【0055】
(成分(D))
本発明の洗浄液は、洗浄液のpHを調整することができることから、更に、以下の成分(D)を含むことが好ましい。
成分(D):pH調整剤
【0056】
成分(D)としては、例えば、酸、アルカリが挙げられる。これらの成分(D)の中でも、成分(C)の酸解離度を調整し、セリウム化合物を分散させることができることから、アルカリが好ましく、金属成分を含まないことから、アンモニア、4級アンモニウム塩がより好ましく、アンモニアが更に好ましい。
【0057】
(成分(E))
本発明の洗浄液は、微粒子除去性が向上することから、更に、以下の成分(E)を含むことが好ましい。
成分(E):水
【0058】
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられ、これらの中でも、セリウム化合物の除去性をより高める観点から、超純水が好ましい。
【0059】
(他の成分)
本発明の洗浄液は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)~成分(E)以外の他の成分を含んでもよい。
他の成分としては、例えば、成分(A)以外のキレート剤、界面活性剤、エッチング抑制剤等が挙げられる。
【0060】
(洗浄液の物性)
洗浄液のpHは、1~7が好ましく、1.5~6がより好ましく、2~5がさらに好ましい。洗浄液のpHが1以上であると、半導体ウェハ等の洗浄工程で用いるブラシ等の部材のダメージを抑制することができる。また、洗浄液のpHが7以下であると、成分(A)のキレート効果と成分(B)の還元効果との相乗効果で、セリウム化合物の除去性が顕著に向上する。
【0061】
(各成分の質量比)
成分(B)に対する成分(A)の質量比(成分(A)の質量/成分(B)の質量)は、0.1~100が好ましく、1~100がより好ましく、1~10が更に好ましい。成分(B)に対する成分(A)の質量比が0.1以上であると、キレート効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。また、成分(B)に対する成分(A)の質量比が100以下であると、還元効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。
【0062】
本発明の洗浄液が成分(C)を含む場合、成分(A)に対する成分(C)の質量比(成分(C)の質量/成分(A)の質量)は、0.05~20が好ましく、0.1~10がより好ましく、0.2~5が更に好ましい。成分(A)に対する成分(C)の質量比が0.05以上であると、分散効果によりセリウム化合物の除去性が向上する。また、成分(A)に対する成分(C)の質量比が20以下であると、キレート効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。
【0063】
本発明の洗浄液が成分(C)を含む場合、成分(B)に対する成分(C)の質量比(成分(C)の質量/成分(B)の質量)は、0.1~100が好ましく、1~100がより好ましく、1~10が更に好ましい。成分(B)に対する成分(C)の質量比が0.1以上であると、分散効果によりセリウム化合物の除去性が向上する。また、成分(B)に対する成分(C)の質量比が100以下であると、還元効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。
【0064】
(洗浄液中の各成分の含有率)
成分(A)の含有率は、洗浄液100質量%中、0.001質量%~30質量%が好ましく、0.005質量%~20質量%がより好ましく、0.01質量%~1質量%が更に好ましい。成分(A)の含有率が0.001質量%以上であると、キレート効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。また、成分(A)の含有率が30質量%以下であると、洗浄液が成分(E)を含む場合に、成分(A)を成分(E)に十分に溶解させることができ、洗浄液の製造コストを抑制することができる。
【0065】
成分(B)の含有率は、洗浄液100質量%中、0.0001質量%~30質量%が好ましく、0.0005質量%~20質量%がより好ましく、0.001質量%~1質量%が更に好ましい。成分(B)の含有率が0.0001質量%以上であると、還元効果によりセリウム化合物の除去性とシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の低ダメージ性が向上する。また、成分(B)の含有率が30質量%以下であると、洗浄液が成分(E)を含む場合に、成分(B)を成分(E)に十分に溶解させることができ、洗浄液の製造コストを抑制することができる。
【0066】
本発明の洗浄液が成分(C)を含む場合、成分(C)の含有率は、洗浄液100質量%中、0.001質量%~30質量%が好ましく、0.005質量%~20質量%がより好ましく、0.01質量%~1質量%が更に好ましい。成分(C)の含有率が0.001質量%以上であると、分散効果によりセリウム化合物の除去性が向上する。また、成分(C)の含有率が30質量%以下であると、洗浄液が成分(E)を含む場合に、成分(C)を成分(E)に十分に溶解させることができ、洗浄液の製造コストを抑制することができる。
【0067】
本発明の洗浄液が成分(D)を含む場合、成分(D)の含有率は、洗浄液100質量%中、0.001質量%~30質量%が好ましく、0.005質量%~20質量%がより好ましく、0.01質量%~1質量%が更に好ましい。成分(D)の含有率が0.001質量%以上であると、洗浄液のpHを容易に調整することができる。また、成分(D)の含有率が30質量%以下であると、本発明の効果を損なうことなく、洗浄液のpHを調整することができる。
【0068】
本発明の洗浄液が他の成分を含む場合、他の成分の含有率は、洗浄液100質量%中、20質量%以下が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましく、0.001質量%~1質量%が更に好ましい。他の成分の含有率が20質量%以下であると、本発明の効果を損なうことなく、他の成分の効果を付与することができる。
【0069】
本発明の洗浄液が成分(E)を含む場合、成分(E)の含有率は、成分(E)以外の成分(成分(A)~成分(D)及び他の成分)の残部とすることが好ましい。
【0070】
(洗浄液の製造方法)
本発明の洗浄液の製造方法は、特に限定されず、成分(A)、成分(B)、及び、必要に応じて、成分(C)~成分(E)、他の成分を混合することで製造することができる。
混合の順番は、特に限定されず、一度にすべての成分を混合してもよく、一部の成分を予め混合した後に残りの成分を混合してもよい。
【0071】
本発明の洗浄液の製造方法は、洗浄に適した含有率になるように、各成分を配合してもよいが、輸送や保管等のコストを抑制することができることから、成分(E)以外の各成分を高含有率で含む洗浄液を調製した後、洗浄前に成分(E)で希釈して洗浄液を調製してもよい。
【0072】
希釈する倍率は、洗浄対象に応じて適宜設定できるが、30倍~150倍が好ましく、40倍~120倍がより好ましい。
【0073】
(洗浄対象)
本発明の洗浄液の洗浄対象としては、例えば、半導体ウェハ、ガラス、金属、セラミックス、樹脂、磁性体、超伝導体等が挙げられる。これらの洗浄対象の中でも、本発明の効果が顕著に向上することから、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜が露出している面を有するものが好ましく、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜が露出している面を有する半導体ウェハがより好ましく、シリコン酸化膜が露出している面を有する半導体ウェハが更に好ましい。
【0074】
シリコン酸化膜やシリコン窒化膜が露出している面を有する半導体ウェハの表面では、シリコン酸化物やシリコン窒化物以外に、金属が共存してもよい。
【0075】
(洗浄工程の種類)
本発明の洗浄液は、セリウム化合物の除去性に優れることから、化学的機械的研磨後洗浄に好適に用いることができる。
【0076】
化学的機械的研磨(CMP)工程とは、半導体ウェハの表面を機械的に加工し、平坦化する工程のことをいう。通常、CMP工程では、専用の装置を用い、半導体ウェハの裏面をプラテンと呼ばれる治具に吸着させ、半導体ウェハの表面を研磨パッドに押し付け、研磨パッド上に研磨粒子を含む研磨剤を垂れ流し、半導体ウェハの表面を研磨する。
【0077】
(CMP)
CMPは、研磨剤を用いて、被研磨体を研磨パッドに擦り付けて行われる。
研磨剤は、水に不溶で被研磨体を研磨できるものであれば特に限定されないが、本発明の洗浄液の効果を十分に発揮させることができることから、研磨微粒子が好ましく、セリウム化合物の研磨微粒子がより好ましい。
【0078】
研磨微粒子は、セリウム化合物の研磨微粒子以外に、コロイダルシリカ(SiO2)やフュームドシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)を含有してもよい。
【0079】
セリウム化合物としては、例えば、酸化セリウム、水酸化セリウム等が挙げられる。これらのセリウム化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのセリウム化合物の中でも、研磨速度、低スクラッチ性に優れることから、酸化セリウム、水酸化セリウムが好ましく、酸化セリウムがより好ましい。
【0080】
研磨剤には、研磨微粒子以外にも、酸化剤、分散剤等の添加剤が含まれることがある。特に、金属が露出している面を有する半導体ウェハにおけるCMPでは、金属が腐食しやすいため、防食剤が含まれることが多い。
【0081】
本発明の洗浄液は、このようなセリウム化合物の研磨微粒子を含む研磨剤で研磨した後のシリコン酸化膜やシリコン窒化膜が露出している面を有する半導体ウェハに適用すると、セリウム化合物に由来した半導体ウェハの汚染を極めて効果的に除去することができる。
【0082】
(洗浄条件)
洗浄対象への洗浄方法は、本発明の洗浄液を洗浄対象に直接接触させる方法が好ましい。
本発明の洗浄液を洗浄対象に直接接触させる方法としては、例えば、洗浄槽に本発明の洗浄液を満たして洗浄対象を浸漬させるディップ式;ノズルから洗浄対象の上に本発明の洗浄液を流しながら洗浄対象を高速回転させるスピン式;洗浄対象に本発明の洗浄液を噴霧して洗浄するスプレー式等が挙げられる。これらの方法の中でも、短時間でより効率的な汚染除去ができることから、スピン式、スプレー式が好ましい。
【0083】
このような洗浄を行うための装置としては、例えば、カセットに収容された複数枚の洗浄対象を同時に洗浄するバッチ式洗浄装置、1個の洗浄対象をホルダーに装着して洗浄する枚葉式洗浄装置等が挙げられる。これらの装置の中でも、洗浄時間の短縮、本発明の洗浄液の使用の削減ができることから、枚葉式洗浄装置が好ましい。
【0084】
洗浄対象への洗浄方法は、洗浄対象に付着した微粒子による汚染の除去性が更に向上し、洗浄時間の短縮ができることから、物理力による洗浄方法が好ましく、洗浄ブラシを用いるスクラブ洗浄、周波数0.5メガヘルツ以上の超音波洗浄がより好ましく、CMP後の洗浄により好適であることから、樹脂製ブラシを用いるスクラブ洗浄が更に好ましい。
【0085】
樹脂製ブラシの材質は、特に限定されないが、樹脂製ブラシ自体の製造が容易であることから、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマールが好ましい
【0086】
洗浄温度は、室温でもよく、半導体ウェハの性能を損なわない範囲で30~70℃に加温してもよい。
【0087】
[洗浄方法]
本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄液を用いてシリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む方法であり、前述した通りである。
【0088】
[半導体ウェハの製造方法]
本発明の半導体ウェハの製造方法は、本発明の洗浄液を用いてシリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物を除去する工程を含む方法であり、セリウム化合物を含む研磨剤を用いて化学的機械的研磨を行う工程を含むことが好ましい。
【実施例】
【0089】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0090】
(原料)
成分(A-1):エチドロン酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
成分(A-2):ポリリン酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
成分(A’-1):クエン酸(昭和加工株式会社製)
成分(B-1):アスコルビン酸(富士フイルム和光純薬株式会社製)
成分(B-2):没食子酸1水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)
成分(B-3):ホスフィン酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)
成分(B-4):グルコース(東京化成工業株式会社製)
【0091】
成分(C-1):ポリアクリル酸(シグマアルドリッチ社製、重量平均分子量約2,000)
成分(C-2):ポリアクリル酸(富士フイルム和光純薬株式会社製、重量平均分子量約5,000)
成分(E-1):水
【0092】
(pH測定)
実施例及び比較例で得られた洗浄液を、マグネティックスターラーを用いて撹拌しながら、pH計(機種名「D-74」、株式会社堀場製作所製)により、pHを測定した。
【0093】
(酸化セリウム残留量測定)
テトラエトキシシラン(TEOS)を用いてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン酸化膜を成膜したシリコン基板を30mm×30mmに切断した。次いで、酸化セリウムを含む研磨剤(粒子径が200nm以下の酸化セリウム微粒子の水分散液)と研磨パッド(商品名「IC1000」、ニッタ・ハース株式会社製)とを用いて、シリコン基板を30秒間化学的機械的研磨(CMP)した。
【0094】
次いで、シリコン基板を実施例及び比較例で得られた洗浄液中に入れ、5分間浸漬した。次いで、シリコン基板を水で濯ぎ、乾燥させ、蛍光X線分析装置(機種名「ZSX100e」、株式会社リガク製)を用いて、シリコン基板の表面に残留した酸化セリウムの量(μg/cm2)を測定した。
【0095】
[実施例1]
洗浄液100質量%中、成分(A-1)が0.10質量%、成分(B-1)が0.09質量%、成分(E-1)が残部となるよう、各成分を混合し、洗浄液を得た。
得られた洗浄液の評価結果を、表1に示す。
【0096】
[実施例2~10、比較例1~8]
表1に示す原料の種類、含有率とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、洗浄液を得た。
得られた洗浄液の評価結果を、表1に示す。
【0097】
【0098】
表1から分かるように、成分(A)と成分(B)とを同時に含む実施例1~10で得られた洗浄液は、酸化セリウムの除去性に優れた。
【0099】
一方、成分(A)と成分(B)のいずれか一方を含まない比較例1~8で得られた洗浄液は、酸化セリウムの除去性に劣った。
【0100】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2019年12月3日出願の日本特許出願(特願2019-218699)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の洗浄液は、シリコン酸化膜及び/又はシリコン窒化膜上のセリウム化合物の除去性に優れることから、化学的機械的研磨後洗浄に好適に用いることができる。