(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/565 20220101AFI20241217BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20241217BHJP
【FI】
H04L67/565
G06F40/58
(21)【出願番号】P 2023136091
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2021211552の分割
【原出願日】2016-10-05
【審査請求日】2023-09-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼宮 雄一
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-182125(JP,A)
【文献】特開2009-289197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0350451(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/565
G06F 40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の電子機器から送信された音声データを送信先に送信するシステムであって、
前記送信先から送信され
た翻訳先言語と
、当該送信先の送信先情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手段と、
前記第一の電子機器から送信された第一の言語の音声を示す音声データと、送信先情報とを受信する受信手段と、
前記記憶部を参照して、前記送信先情報から翻訳先言語を特定する特定手段と、
受信した前記第一の言語の音声を示す音声データを、前記翻訳先言語として特定され
た第二の言語のテキストを示すテキストデータに翻訳する翻訳手段と、
前記翻訳手段により翻訳された前記第二の言語のテキストを示すテキストデータを、前記
送信先に送信する送信手段と、
を有するシステム。
【請求項2】
前記第一の電子機器を利用する第一のユーザおよび前記
送信先となる第二の電子機器を利用する第二のユーザが同一の会議に参加している場合、
前記受信手段は、前記会議に参加している前記第一のユーザが利用する前記第一の電子機器から送信された前記第一の言語の音声を示す音声データを受信し、
前記送信手段は、前記会議に参加している前記第二のユーザが利用する前記第二の電子機器に翻訳された前記第二の言語のテキストを示すテキストデータを送信する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記翻訳手段は、受信した前記第一の言語の音声を示す音声データを、テキストデータに変換し、変換したテキストデータを前記第二の言語のテキストを示すテキストデータに翻訳する
請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記
送信先から送信される前記
翻訳先言語は、前記
送信先のソフトウェアに設定されている言語である、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一の電子機器と、前記
送信先とのセッションを確立するセッション確立手段と、を更に有し、
前記受信手段は、セッションが確立した後に、前記第一の電子機器から前記第一の言語の音声を示す音声データを受信する
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記
送信先において前記第一の電子機器との間でセッションを確立するための操作を受け付けたことに応じて、当該
送信先から送信される前記
翻訳先言語を受信する第二の受信手段と、
を更に有する請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第一の電子機器および前記
送信先は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器、テレビ会議端末、MFPのいずれかである、
請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
第一の電子機器から送信された音声データを送信先に送信するシステムが、
前記送信先から送信され
た翻訳先言語と
、当該送信先の送信先情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手順と、
前記第一の電子機器から送信された第一の言語の音声を示す音声データと、送信先情報とを受信する受信手順と、
前記記憶部を参照して、前記送信先情報から翻訳先言語を特定する特定手順と、
受信した前記第一の言語の音声を示す音声データを、前記翻訳先言語として特定され
た第二の言語のテキストを示すテキストデータに翻訳する翻訳手順と、
前記翻訳手順により翻訳された前記第二の言語のテキストを示すテキストデータを、前記
送信先に送信する送信手順と、
を実行する方法。
【請求項9】
第一の電子機器から送信された音声データを送信先に送信するシステムに、
前記送信先から送信され
た翻訳先言語と
、当該送信先の送信先情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手順と、
前記第一の電子機器から送信された第一の言語の音声を示す音声データと、送信先情報とを受信する受信手順と、
前記記憶部を参照して、前記送信先情報から翻訳先言語を特定する特定手順と、
受信した前記第一の言語の音声を示す音声データを、前記翻訳先言語として特定され
た第二の言語のテキストを示すテキストデータに翻訳する翻訳手順と、
前記翻訳手順により翻訳された前記第二の言語のテキストを示すテキストデータを、前記
送信先に送信する送信手順と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な機能をクラウド型のサービスとして提供することが行われている。例えば、音声認識技術を用いて音声データをテキストデータに変換した後、このテキストデータの言語を他の言語に翻訳するサービス(翻訳サービス)が提供されている。
【0003】
また、拠点間のビデオ会議の発言内容を音声認識して、字幕として映像に挿入する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、複数の拠点間で電子黒板装置等を用いて会議を行う場合、ある拠点の電子黒板装置に入力された音声等を翻訳サービスで翻訳して、この翻訳結果を示すテキストを他の拠点の電子黒板装置に表示させることができる。この場合、ユーザは、例えば、他の拠点の参加者が使用する言語(すなわち、他の拠点の電子黒板装置を用いて会議に参加している参加者が使用する言語)を翻訳先言語として事前に電子黒板装置に設定する必要がある。
【0005】
しかしながら、例えば、他の拠点の参加者が使用する言語(翻訳先言語)が不明な場合等もあり、翻訳先言語を事前に設定できないことがある。このため、翻訳先言語を事前に設定することなく、会議等において翻訳サービスを利用することができれば便利である。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、翻訳先言語を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態のシステムは、第一の電子機器から送信された音声データを送信先に送信するシステムであって、前記送信先から送信された翻訳先言語と、当該送信先の送信先情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手段と、前記第一の電子機器から送信された第一の言語の音声を示す音声データと、送信先情報とを受信する受信手段と、前記記憶部を参照して、前記送信先情報から翻訳先言語を特定する特定手段と、受信した前記第一の言語の音声を示す音声データを、前記翻訳先言語として特定された第二の言語のテキストを示すテキストデータに翻訳する翻訳手段と、前記翻訳手段により翻訳された前記第二の言語のテキストを示すテキストデータを、前記送信先に送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、翻訳先言語を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第一の実施形態に係る電子黒板システムの一例の全体構成を示す図である。
【
図2】第一の実施形態に係る電子黒板システムの処理の概略の一例を説明する図である。
【
図3】第一の実施形態に係る電子黒板装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】第一の実施形態に係る管理装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】第一の実施形態に係る電子黒板システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図8】第一の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】第一の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。
【
図10】第一の実施形態に係る翻訳先言語の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第二の実施形態に係る電子黒板システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図12】翻訳サーバ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図13】第二の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図14】第二の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。
【
図15】第二の実施形態に係る翻訳先言語及び翻訳サーバの特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第三の実施形態に係る電子黒板システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図17】翻訳サーバ情報テーブルの他の例を示す図である。
【
図18】第三の実施形態に係る翻訳先言語及び翻訳サーバの特定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】第四の実施形態に係る電子黒板システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図21】第四の実施形態に係る電子黒板システムのセッション確立処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図22】第四の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図23】第四の実施形態に係る電子黒板システムの翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
[第一の実施形態]
<全体構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の全体構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、複数台の電子黒板装置10(電子黒板装置10-1、電子黒板装置10-2等)と、管理装置20とを有し、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して、互いに通信可能に接続されている。また、本実施形態に係る電子黒板システム1は、ネットワークN1を介して、翻訳サーバ30と通信可能に接続されている。なお、電子黒板装置10-1、電子黒板装置10-2等について、各々を区別しない場合には、「電子黒板装置10」と表す。
【0013】
電子黒板装置10は、例えば複数の拠点間で会議や授業等を行うことができる機器である。電子黒板装置10は、マイクによる音声の集音(入力)等を行うことができると共に、電子ペン等を用いて入力された手書き文字のOCR(Optical Character Recognition)処理を行うことができる。電子黒板装置10は、インタラクティブ・ホワイトボード(IWB:Interactive Whiteboard)又は電子ホワイトボードとも称される。
【0014】
また、電子黒板装置10は、例えば複数の拠点間で会議等を行う場合に、管理装置20を介して、この電子黒板装置10に入力された音声やテキスト等を翻訳サーバ30により翻訳(例えば、日本語から英語への翻訳)して、他の電子黒板装置10に表示させる。
【0015】
本実施形態では、拠点E1に設置されている電子黒板装置10-1と、拠点E2に設置されている電子黒板装置10-2との間で、これらの電子黒板装置10を用いた会議を行うものとする。拠点E1は、例えば日本にある事業所等である一方、拠点E2は、例えばアメリカにある事業所等であるものとする。
【0016】
このとき、本実施形態に係る電子黒板システム1では、例えば電子黒板装置10-1に日本語で入力された音声やテキスト(手書き文字がOCR処理された結果を示すテキスト)を、翻訳サーバ30により英語に翻訳した上で、電子黒板装置10-2に表示する。同様に、本実施形態に係る電子黒板システム1では、例えば電子黒板装置10-2に英語で入力された音声やテキストを、翻訳サーバ30により日本語に翻訳した上で、電子黒板装置10-1に表示する。
【0017】
管理装置20は、電子黒板装置10に入力された音声やテキストの翻訳先言語を特定するコンピュータ(情報処理装置)である。すなわち、管理装置20は、例えば電子黒板装置10に入力された音声やテキスト(手書き文字がOCR処理された結果を示すテキスト)の翻訳先言語を特定した上で、これらの音声やテキストを翻訳サーバ30により翻訳先言語に翻訳する。そして、管理装置20は、翻訳サーバ30により翻訳された翻訳結果を他の電子黒板装置10に表示させる。
【0018】
翻訳サーバ30は、翻訳先言語に翻訳するサービス(翻訳サービス)をクラウド型のサービスとして提供する外部のコンピュータ又はコンピュータシステムである。翻訳サーバ30は、例えば人工知能(AI:Artificial Intelligence)や知的エージェント(IA:Intelligent Agent)等の技術を用いて翻訳サービスを提供する。
【0019】
すなわち、翻訳サーバ30は、例えば、電子黒板装置10に入力された音声を示す音声データと、翻訳先言語の指定とを受け取ると、この音声データをテキストデータに変換した後、変換したテキストデータの言語を翻訳先言語に翻訳する。また、翻訳サーバ30は、例えば、電子黒板装置10に入力されたテキストを示すテキストデータと、翻訳先言語の指定とを受け取ると、このテキストデータの言語を翻訳先言語に翻訳する。
【0020】
なお、本実施形態に係る翻訳サーバ30は、クラウド型のサービスとして翻訳サービスを提供するものとして説明するが、これに限られない。翻訳サーバ30は、例えば、ASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスやWebサービス等であっても良い。また、翻訳サーバ30は、電子黒板システム1に含まれていても良い(すなわち、翻訳サーバ30は、オンプレミス型のサービスとして翻訳サービスを提供しても良い。)。
【0021】
図1に示す電子黒板システム1は、一例であって、他の構成であっても良い。例えば、管理装置20は、電子黒板装置10に含まれる構成であっても良い。すなわち、電子黒板装置10と管理装置20とが1つの装置であっても良い。
【0022】
また、電子黒板システム1は、電子黒板装置10に代えて、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器、テレビ会議に用いられるテレビ会議端末、MFP(Multifunction Peripheral)等の複合機等であっても良い。すなわち、本実施形態は、電子黒板装置10に限られず、例えば、音声データ等の各種データの入力及び出力の少なくとも一方が可能な電子機器が用いられても良い。したがって、データの入力が可能な電子機器には、例えば、マイクやデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等が含まれても良く、データの出力が可能な電子装置には、例えば、スピーカやディスプレイ、デジタルサイネージ、プロジェクタ等が含まれても良い。
【0023】
<処理の概略>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の概略の一例を説明する図である。
図2に示す例では、拠点E1の電子黒板装置10-1(IP(Internet Protocol)アドレス:xxx.xxx.xxx.xxx)と、拠点E2の電子黒板装置10-2(IPアドレス:yyy.yyy.yyy.yyy)とを用いた会議等を行う場合について説明する。すなわち、拠点E1の電子黒板装置10-1と、拠点E2の電子黒板装置10-2とを用いて、異なる言語により同一の会議等を行っているものとする。
【0024】
S1-1)拠点E1で会議等に参加しているユーザは、電子黒板装置10-1に対して、例えば日本語の音声や手書き文字を入力する。以降では、電子黒板装置10-1に対して、日本語の音声が入力されたものとして説明する。
【0025】
S1-2)電子黒板装置10-1は、音声が入力されると、この音声を示す音声データと、この音声の翻訳結果の送信先である電子黒板装置10-2のIPアドレス(送信先IPアドレス)「yyy.yyy.yyy.yyy」とを管理装置20に送信する。なお、電子黒板装置10は、音声等の翻訳結果の送信先である他の電子黒板装置10(すなわち、同一の会議に用いられている他の電子黒板装置10)のIPアドレスを管理している。
【0026】
S1-3)管理装置20は、送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語を特定する。すなわち、管理装置20は、送信先IPアドレスが割り当てられている国(例えば、アメリカ)を特定した後、特定した国で用いられている言語(例えば、英語)を特定する。このように特定された言語が翻訳先言語である。
【0027】
S1-4)管理装置20は、電子黒板装置10-1から受信した音声データと、上記のS1-3で特定された翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信して、音声データのテキスト変換及び言語の翻訳を要求する。
【0028】
S1-5)翻訳サーバ30は、管理装置20から受信した音声データをテキストデータに変換した上で、このテキストデータを指定された翻訳先言語に翻訳する。そして、翻訳サーバ30は、翻訳後のテキストデータを管理装置20に返信する。
【0029】
S1-6)管理装置20は、翻訳後のテキストデータを電子黒板装置10-2(すなわち、送信先IPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」)に送信する。
【0030】
S1-7)電子黒板装置10-2は、翻訳後のテキストデータを受信すると、このテキストデータが示すテキストを、例えばディスプレイ上に表示する。これにより、拠点E1の電子黒板装置10-1に入力された音声(日本語)が、英語に翻訳された上で、拠点E2の電子黒板装置10-2にテキストとして表示される。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、一の電子黒板装置10から受信した送信先IPアドレスに基づいて、管理装置20が翻訳先言語を特定する。そして、本実施形態に係る電子黒板システム1は、特定された翻訳先言語に翻訳されたテキストを他の電子黒板装置10に送信する。
【0032】
このため、本実施形態に係る電子黒板システム1によれば、電子黒板装置10のユーザ(例えば拠点E1における会議の参加者)は、他の電子黒板装置10を用いて会議等に参加しているユーザ(例えば拠点E2における会議の参加者)の使用言語を知る必要がない。言い換えれば、本実施形態に係る電子黒板システム1によれば、各電子黒板装置10のユーザは、他の電子黒板装置10を用いて同一の会議等に参加しているユーザの使用言語を知ることなく、翻訳サーバ30による翻訳を行うことができる。
【0033】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板装置10のハードウェア構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る電子黒板装置10の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0034】
図3に示すように、本実施形態に係る電子黒板装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、通信I/F14と、ROM15(Read Only Memory)とを有する。また、本実施形態に係る電子黒板装置10は、RAM(Random Access Memory)16と、CPU(Central Processing Unit)17と、HDD(Hard Disk Drive)18と、集音装置19とを有する。これらの各ハードウェアは、それぞれがバスB1で接続されている。
【0035】
入力装置11は、タッチパネル等であり、ユーザによる各種操作(例えば、手書き文字の入力操作等)を入力するのに用いられる。表示装置12は、ディスプレイ等であり、各種情報(例えば、翻訳サーバ30による翻訳結果を示すテキスト等)を表示する。
【0036】
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。これにより、電子黒板装置10は、外部I/F13を介して、記録媒体13a等の読み取りや書き込みを行うことができる。なお、記録媒体13aには、例えば、USBメモリやCD、DVD、SDメモリカード等がある。
【0037】
通信I/F14は、電子黒板装置10をネットワークN1等に接続するためのインタフェースである。これにより、電子黒板装置10は、通信I/F14を介して、他の装置(例えば、管理装置20等)と通信を行うことができる。
【0038】
HDD18は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD18に格納されるプログラムやデータには、電子黒板装置10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム等がある。
【0039】
また、HDD18は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、電子黒板装置10は、HDD18に代えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を有していても良い。
【0040】
ROM15は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM15には、電子黒板装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定等のプログラムやデータが格納されている。RAM16は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0041】
CPU17は、ROM15やHDD18等の記憶装置からプログラムやデータをRAM16上に読み出し、処理を実行することで、電子黒板装置10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0042】
集音装置19は、例えばマイクロフォン(マイク)等であり、電子黒板装置10の周囲の音を集音する。
【0043】
本実施形態に係る電子黒板装置10は、
図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0044】
次に、本実施形態に係る管理装置20のハードウェア構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る管理装置20の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0045】
図4に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、入力装置21と、表示装置22と、外部I/F23と、通信I/F24とを有する。また、本実施形態に係る管理装置20は、ROM25と、RAM26と、CPU27と、HDD28とを有する。これらの各ハードウェアは、それぞれがバスB2で接続されている。
【0046】
入力装置21は、キーボードやマウス、タッチパネル等であり、ユーザによる各種操作を入力するのに用いられる。表示装置22は、ディスプレイ等であり、各種情報を表示する。なお、管理装置20は、入力装置21及び表示装置22の少なくとも一方を必要なときにバスB2に接続して利用する形態であっても良い。
【0047】
外部I/F23は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体23a等がある。これにより、管理装置20は、外部I/F23を介して、記録媒体23a等の読み取りや書き込みを行うことができる。なお、記録媒体23aには、例えば、USBメモリやCD、DVD、SDメモリカード等がある。
【0048】
通信I/F24は、管理装置20をネットワークN1やネットワークN2等に接続するためのインタフェースである。これにより、管理装置20は、通信I/F24を介して、他の装置(例えば、電子黒板装置10や翻訳サーバ30等)と通信を行うことができる。
【0049】
HDD28は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD28に格納されるプログラムやデータには、管理装置20全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム等がある。
【0050】
また、HDD28は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、管理装置20は、HDD28に代えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を有していても良い。
【0051】
ROM25は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM25には、管理装置20の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定等のプログラムやデータが格納されている。RAM26は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0052】
CPU27は、ROM25やHDD28等の記憶装置からプログラムやデータをRAM26上に読み出し、処理を実行することで、管理装置20全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0053】
本実施形態に係る管理装置20は、
図4に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0054】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。
【0055】
図5に示すように、本実施形態に係る電子黒板装置10は、操作受付部101と、音声受付部102と、通信部103と、表示制御部104と、OCR処理部105とを有する。これら各機能部は、電子黒板装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU17に実行させる処理により実現される。
【0056】
操作受付部101は、ユーザによる各種操作の入力を受け付ける。すなわち、操作受付部101は、例えば、手書き文字の入力操作等を受け付ける。
【0057】
音声受付部102は、音声の入力を受け付ける。すなわち、音声受付部102は、集音装置19で集音された音(音声)の入力を受け付ける。
【0058】
通信部103は、他の装置(例えば、管理装置20等)との間で、各種データの通信を行う。すなわち、通信部103は、例えば、音声受付部102により入力を受け付けた音声を示す音声データと、この音声の翻訳結果の送信先である他の電子黒板装置10のIPアドレス(送信先IPアドレス)とを管理装置20に送信する。また、通信部103は、例えば、OCR処理部105により生成されたテキストデータと、このテキストデータが示すテキストの翻訳結果の送信先である他の電子黒板装置10のIPアドレス(送信先IPアドレス)とを管理装置20に送信する。
【0059】
表示制御部104は、各種の情報を表示する。すなわち、表示制御部104は、例えば、管理装置20から受信したテキストデータ(翻訳サーバ30による翻訳後のテキストデータ)が示すテキストを表示装置12上に表示する。
【0060】
OCR処理部105は、操作受付部101により入力操作を受け付けた手書き文字をOCR処理して、この手書き文字に対応するテキストのテキストデータを生成する。
【0061】
図5に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、通信部201と、言語特定処理部202とを有する。これら各機能部は、管理装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU27に実行させる処理により実現される。
【0062】
また、本実施形態に係る管理装置20は、国名テーブル記憶部310と、翻訳先言語テーブル記憶部320とを有する。これら各記憶部は、例えばHDD28を用いて実現可能である。なお、これら各記憶部のうちの少なくとも一の記憶部が、管理装置20とネットワークN1を介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0063】
通信部201は、他の装置(例えば、電子黒板装置10や翻訳サーバ30等)との間で、各種データの通信を行う。すなわち、通信部201は、例えば、音声データと、送信先IPアドレスとを電子黒板装置10から受信する。また、通信部201は、例えば、音声データと、言語特定処理部202により特定された翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信する。
【0064】
言語特定処理部202は、通信部201により受信した送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語を特定する処理を行う。ここで、言語特定処理部202は、国名特定部211と、言語特定部212とを有する。
【0065】
国名特定部211は、国名テーブル記憶部310に記憶されている国名テーブル410を参照して、通信部201により受信した送信先IPアドレスが割り当てられている国の国名を特定する。
【0066】
言語特定部212は、翻訳先言語テーブル記憶部320に記憶されている翻訳先言語テーブル420を参照して、国名特定部211により特定された国名から翻訳先言語を特定する。
【0067】
国名テーブル記憶部310は、国名テーブル410を記憶している。ここで、国名テーブル410について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、国名テーブル410の一例を示す図である。
【0068】
図6に示すように、国名テーブル410には、IPアドレスと、このIPアドレスが割り当てられている国の国名とが対応付けて記憶されている。
【0069】
例えば、IPアドレス「aaa.aaa.aaa.0」~「aaa.aaa.aaa.255」には、国名「ドイツ」が対応付けられている。これは、IPアドレス「aaa.aaa.aaa.0」~「aaa.aaa.aaa.255」は、ドイツに割り当てられていることを示している。
【0070】
同様に、例えば、IPアドレス「xxx.xxx.xxx.0」~「xxx.xxx.xxx.255」には、国名「日本」が対応付けられている。これは、IPアドレス「xxx.xxx.xxx.0」~「xxx.xxx.xxx.255」は、日本に割り当てられていることを示している。
【0071】
なお、
図6に示す国名テーブル410では、国毎に、この国に割り当てられているIPアドレスとが対応付けられているが、国に限られない。例えば、州や県、市町村、○○地方等の所定の地域毎に、この地域に割り当てられているIPアドレスが対応付けられていても良い。
【0072】
翻訳先言語テーブル記憶部320は、翻訳先言語テーブル420を記憶している。ここで、翻訳先言語テーブル420について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、翻訳先言語テーブル420の一例を示す図である。
【0073】
図7に示すように、翻訳先言語テーブル420には、国名と、この国名の国で用いられている言語(翻訳先言語)とが対応付けて記憶されている。
【0074】
例えば、国名「ドイツ」には、翻訳先言語「ドイツ語」が対応付けられている。同様に、例えば、国名「日本」には、翻訳先言語「日本語」が対応付けられている。なお、1つの国で用いられている言語が複数ある場合には、例えば、これら複数の言語のうち、最も主要な言語が翻訳先言語として国名に対応付けられていれば良い。また、
図7に示す翻訳先言語テーブル420には、国毎に、この国で用いられている言語が対応付けられているが、これに限られず、例えば、上述した所定の地域毎に、この地域で用いられている言語が対応付けられていても良い。
【0075】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。以降では、電子黒板装置10-1と、電子黒板装置10-2との間で、これらの電子黒板装置10を用いた会議等を行うものとして説明する。なお、各電子黒板装置10は、同一の会議等に用いられている他の電子黒板装置10(すなわち、同一の会議等に参加している他の電子黒板装置10)のIPアドレスを、RAM16やHDD18等における所定の記憶領域で管理しているものとする。
【0076】
まず、電子黒板装置10-1に入力された音声を翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。
【0077】
電子黒板装置10-1の音声受付部102は、音声の入力を受け付ける(ステップS801)。すなわち、音声受付部102は、集音装置19で集音された音(音声)の入力を受け付ける。
【0078】
電子黒板装置10-1の通信部103は、音声受付部102により入力を受け付けた音声を示す音声データと、送信先IPアドレスとを管理装置20に送信する(ステップS802)。送信先IPアドレスは、同一の会議等に参加している他の電子黒板装置10(すなわち、電子黒板装置10-2)のIPアドレスである。
【0079】
なお、同一の会議等に参加している他の電子黒板装置10が複数ある場合には、電子黒板装置10の通信部103は、これら複数の他の電子黒板装置10をそれぞれ示す送信先IPアドレスを送信すれば良い。
【0080】
管理装置20の言語特定処理部202は、通信部201により音声データ及び送信先IPアドレスを受信すると、この送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語の特定する(ステップS803)。本ステップの翻訳先言語の特定の詳細については後述する。
【0081】
なお、管理装置20は、電子黒板装置10から複数の送信先IPアドレスを受信した場合、これら複数の送信先IPアドレスそれぞれに基づいて、それぞれ翻訳先言語を特定する。より具体的には、例えば、管理装置20は、第1の送信先IPアドレスと、第2の送信先IPアドレスとを受信したとする。この場合、管理装置20の言語特定処理部202は、第1の送信先IPアドレスに基づいて第1の翻訳先言語(例えば「英語」)を特定し、第2の送信先IPアドレスに基づいて第2の翻訳先言語(例えば「ドイツ語」)を特定する。
【0082】
次に、管理装置20の通信部201は、音声データと、言語特定処理部202により特定された翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信する(ステップS804)。これにより、管理装置20は、音声データが示す音声のテキスト変換と、当該変換後のテキストの指定した翻訳先言語への翻訳とを翻訳サーバ30に要求することができる。なお、管理装置20は、例えば、翻訳サーバ30が公開しているWebAPI(Application Program Interface)等を用いることで、当該要求を行うことができる。
【0083】
なお、管理装置20は、上記のステップS803で複数の翻訳先言語が特定された場合、翻訳先言語毎に、上記のステップS804の処理を行う。より具体的には、例えば、管理装置20は、上記のステップS803で第1の翻訳先言語と第2の翻訳先言語とが特定されたとする。この場合、管理装置20の通信部201は、音声データと、第1の翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信すると共に、音声データと、第2の翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信する。
【0084】
翻訳サーバ30は、音声データと、翻訳先言語の指定とを受信すると、音声データをテキストデータに変換して上で、このテキストデータを指定された翻訳先言語に翻訳する(ステップS805)。そして、翻訳サーバ30は、翻訳後のテキストデータを管理装置20に返信する。
【0085】
管理装置20の通信部201は、翻訳後のテキストデータが翻訳サーバ30から返信されると、この翻訳後のテキストデータを電子黒板装置10-2に送信する(ステップS806)。すなわち、通信部201は、翻訳後のテキストデータを送信先IPアドレス宛に送信する。
【0086】
なお、管理装置20は、上記のステップS803で複数の送信先IPアドレスを受信した場合、それぞれの送信先IPアドレスに基づいて特定された翻訳先言語に翻訳されたテキストデータを、それぞれの送信先IPアドレス宛に送信する。より具体的には、管理装置は、上記のステップS803で第1の送信先IPアドレスと、第2の送信先IPアドレスとを受信したものとする。この場合、管理装置20の通信部201は、第1のIPアドレスに基づいて特定された翻訳先言語に翻訳されたテキストデータを、当該第1のIPアドレス宛に送信する。また、同様に、管理装置20の通信部201は、第2のIPアドレスに基づいて特定された翻訳先言語に翻訳されたテキストデータを、当該第2のIPアドレス宛に送信する。
【0087】
電子黒板装置10-2の表示制御部104は、翻訳後のテキストデータがテキストを表示装置12上に表示する(ステップS807)。これにより、拠点E1の電子黒板装置10-1に入力された音声(例えば日本語による音声)が、拠点E2の電子黒板装置10-2のユーザが使用する言語(例えば英語)に翻訳された上で、テキストとして表示される。
【0088】
なお、電子黒板装置10は、上記のステップS807では、翻訳後のテキストデータを表示装置12上に表示したが、これに限られない。電子黒板装置10は、翻訳後のテキストデータを、例えば、スピーカ等から音声として出力しても良いし、HDD18の所定の記憶領域に保存しても良い。
【0089】
次に、電子黒板装置10-1に入力された手書き文字をテキストに変換した上で、このテキストを翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。
【0090】
電子黒板装置10-1の操作受付部101は、手書き文字の入力操作を受け付ける(ステップS901)。
【0091】
電子黒板装置10-1のOCR処理部105は、操作受付部101により入力操作を受け付けた手書き文字をOCR処理して、この手書き文字に対応するテキストのテキストデータを生成する(ステップS902)。
【0092】
次に、電子黒板装置10-1の通信部103は、OCR処理部105により生成されたテキストデータと、送信先IPアドレス(すなわち、電子黒板装置10-2のIPアドレス)とを管理装置20に送信する(ステップS903)。
【0093】
なお、同一の会議等に参加している他の電子黒板装置10が複数ある場合には、電子黒板装置10の通信部103は、
図8のステップS802と同様に、これら複数の他の電子黒板装置10をそれぞれ示す送信先IPアドレスを送信すれば良い。
【0094】
管理装置20の言語特定処理部202は、通信部201によりテキストデータ及び送信先IPアドレスを受信すると、この送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語の特定する(ステップS904)。本ステップの翻訳先言語の特定の詳細については後述する。
【0095】
なお、管理装置20は、電子黒板装置10から複数の送信先IPアドレスを受信した場合、
図8のステップS803と同様に、これら複数の送信先IPアドレスそれぞれに基づいて、それぞれ翻訳先言語を特定する。
【0096】
次に、管理装置20の通信部201は、テキストデータと、言語特定処理部202により特定された翻訳先言語の指定とを翻訳サーバ30に送信する(ステップS905)。これにより、管理装置20は、テキストデータが示すテキストについて、指定した翻訳先言語への翻訳を翻訳サーバ30に要求することができる。なお、管理装置20は、例えば、翻訳サーバ30が公開しているWebAPI等を用いることで、当該要求を行うことができる。
【0097】
なお、管理装置20は、上記のステップS904で複数の翻訳先言語が特定された場合、
図8のステップS804と同様に、翻訳先言語毎に、上記のステップS905の処理を行う。
【0098】
翻訳サーバ30は、テキストデータと、翻訳先言語の指定とを受信すると、このテキストデータを指定された翻訳先言語に翻訳する(ステップS906)。そして、翻訳サーバ30は、翻訳後のテキストデータを管理装置20に返信する。
【0099】
管理装置20の通信部201は、翻訳後のテキストデータが翻訳サーバ30から返信されると、この翻訳後のテキストデータを電子黒板装置10-2に送信する(ステップS907)。すなわち、通信部201は、翻訳後のテキストデータを送信先IPアドレス宛に送信する。
【0100】
なお、管理装置20は、上記のステップS903で複数の送信先IPアドレスを受信した場合、
図8のステップ806と同様に、それぞれの送信先IPアドレスに基づいて特定された翻訳先言語に翻訳されたテキストデータを、それぞれの送信先IPアドレス宛に送信する。
【0101】
電子黒板装置10-2の表示制御部104は、翻訳後のテキストデータがテキストを表示装置12上に表示する(ステップS908)。これにより、拠点E1の電子黒板装置10-1に手書き文字入力により入力されたテキスト(例えば日本語のテキスト)が、拠点E2の電子黒板装置10-2のユーザが使用する言語(例えば英語)に翻訳された上で、テキストとして表示される。
【0102】
なお、電子黒板装置10は、
図8のステップS908と同様に、翻訳後のテキストデータを、例えば、スピーカ等から音声として出力しても良いし、HDD18の所定の記憶領域に保存しても良い。
【0103】
次に、
図8のステップS803の処理及び
図9のステップS904の処理(翻訳先言語の特定処理)の詳細について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態に係る翻訳先言語の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0104】
まず、国名特定部211は、国名テーブル記憶部310に記憶されている国名テーブル410を参照して、通信部201により受信した送信先IPアドレスが割り当てられている国の国名を特定する(ステップS1001)。すなわち、例えば、送信先IPアドレスが「yyy.yyy.yyy.100」である場合、国名特定部211は、
図6に示す国名テーブル410を参照して、当該送信先IPアドレスが割り当てられている国の国名「アメリカ」を特定する。
【0105】
次に、言語特定部212は、翻訳先言語テーブル記憶部320に記憶されている翻訳先言語テーブル420を参照して、国名特定部211により特定された国名から翻訳先言語を特定する(ステップS1002)。すなわち、例えば、国名特定部211により国名「アメリカ」が特定された場合、言語特定部212は、
図7に示す翻訳先言語テーブル420を参照して、翻訳先言語「英語」を特定する。
【0106】
これにより、言語特定処理部202は、電子黒板装置10から受信した送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語を特定することができる。
【0107】
なお、本実施形態では、一例として、言語特定処理部202が送信先IPアドレスに基づいて翻訳先言語を特定する場合について説明したが、これに限られない。言語特定処理部202は、例えば、音声データやテキストデータ等の送信先である電子黒板装置10の電話番号や製造固有番号(シリアル番号)、当該電子黒板装置10にログインしているユーザのユーザID等に基づいて翻訳先言語を特定しても良い。
【0108】
すなわち、言語特定処理部202は、音声データやテキストデータ等の送信先である電子黒板装置10又は当該電子黒板装置10にログインしているユーザを識別する種々の送信先情報に基づいて翻訳先言語を特定しても良い。
【0109】
送信先情報が電話番号である場合には、言語特定処理部202は、例えば、国番号から国名を特定した後、特定した国名から翻訳先言語を特定すれば良い。また、送信先情報が製造固有番号である場合には、言語特定処理部202は、例えば、製造固有番号に含まれる販売国コード等から国名を特定した後、特定した国名から翻訳先言語を特定すれば良い。更に、送信先情報がユーザIDである場合には、言語特定処理部202は、例えば、ユーザIDに対応付けられた国籍等から国名を特定した後、特定した国名から翻訳先言語を特定すれば良い。
【0110】
以上のように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、複数の電子黒板装置10を用いて、異なる言語で会議等を行う場合に、音声データやテキストデータの送信先情報(例えば、IPアドレス)から翻訳先言語を特定する。そして、本実施形態に係る電子黒板システム1は、特定した翻訳先言語を指定した上で、音声データやテキストデータの翻訳を翻訳サーバ30に要求する。
【0111】
これにより、本実施形態に係る電子黒板システム1では、電子黒板装置10のユーザは、会議等に参加している他の電子黒板装置10のユーザが使用する言語を知らなくても、当該他の電子黒板装置10のユーザが使用する言語への翻訳を行うことができるようになる。
【0112】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。翻訳サービスは、様々なサービス提供者により提供されており、翻訳サービスによって翻訳精度や翻訳速度等が異なる場合がある。そこで、第二の実施形態では、電子黒板システム1が複数の翻訳サーバ30を利用可能な場合に、これらの複数の翻訳サーバ30のうち、翻訳先言語に応じた翻訳サーバ30に翻訳を要求するものである。
【0113】
すなわち、翻訳サーバ30には、例えば、日本語への翻訳精度が高い翻訳サーバ30A、ドイツ語への翻訳精度が高い翻訳サーバ30B、英語への翻訳精度が高い翻訳サーバ30C、ロシア語への翻訳精度が高い翻訳サーバ30D等が存在する。このような場合に、第二の実施形態に係る電子黒板システム1では、翻訳先言語に応じた翻訳サーバ30を特定した上で、特定した翻訳サーバ30に翻訳を要求するものである。
【0114】
なお、以降では、便宜上、翻訳サーバ30Aのサーバ名を「サーバA」、翻訳サーバ30Bのサーバ名を「サーバB」、翻訳サーバ30Cのサーバ名を「サーバC」、翻訳サーバ30Dのサーバ名を「サーバD」等と表す。
【0115】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0116】
図11に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、言語特定処理部202Aを有する。また、本実施形態に係る管理装置20は、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330を有する。当該記憶部は、例えばHDD28を用いて実現可能である。なお、当該記憶部は、管理装置20とネットワークN1を介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0117】
言語特定処理部202Aは、通信部201により受信した送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する処理を行う。ここで、言語特定処理部202Aは、翻訳サーバ特定部213を有する。
【0118】
翻訳サーバ特定部213は、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330に記憶されている翻訳サーバ情報テーブル430を参照して、言語特定部212により特定された翻訳先言語から、音声データやテキストデータを翻訳する翻訳サーバ30を特定する。
【0119】
翻訳サーバ情報テーブル記憶部330は、翻訳サーバ情報テーブル430を記憶している。ここで、翻訳サーバ情報テーブル430について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、翻訳サーバ情報テーブル430の一例を示す図である。
【0120】
図12に示すように、翻訳サーバ情報テーブル430には、翻訳先言語と、この翻訳先言語への翻訳精度が高い(又は/及び翻訳速度が速い)翻訳サーバ30の名称(サーバ名)とが対応付けて記憶されている。
【0121】
例えば、翻訳先言語「ドイツ語」には、サーバ名「サーバB」が対応付けられている。これは、サーバ名が「サーバB」である翻訳サーバ30Bは、翻訳先言語が「ドイツ語」である場合に高い精度で翻訳できることを示している。
【0122】
同様に、例えば、翻訳先言語「日本語」には、サーバ名「サーバA」が対応付けられている。これは、サーバ名が「サーバA」である翻訳サーバ30Aは、翻訳先言語が「日本語」である場合に高い精度で翻訳できることを示している。
【0123】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0124】
まず、電子黒板装置10-1に入力された音声を翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS801~ステップS802の処理、及びステップS805~ステップS807の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0125】
ステップS802に続いて、管理装置20の言語特定処理部202Aは、通信部201により音声データ及び送信先IPアドレスを受信すると、この送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する(ステップS1301)。本ステップの翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定の詳細については後述する。
【0126】
なお、管理装置20は、電子黒板装置10から複数の送信先IPアドレスを受信した場合、これら複数の送信先IPアドレスそれぞれに基づいて、それぞれ翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する。より具体的には、例えば、管理装置20は、第1の送信先IPアドレスと、第2の送信先IPアドレスとを受信したとする。この場合、管理装置20の言語特定処理部202は、第1の送信先IPアドレスに基づいて第1の翻訳先言語(例えば「英語」)及び第1の翻訳サーバ30(例えば「翻訳サーバ30C」)を特定する。同様に、管理装置20の言語特定処理部202は、第2の送信先IPアドレスに基づいて第2の翻訳先言語(例えば「ドイツ語」)及び第2の翻訳サーバ30(例えば「翻訳サーバ30B」)を特定する。
【0127】
次に、管理装置20の通信部201は、音声データと、言語特定処理部202Aにより特定された翻訳先言語の指定とを、言語特定処理部202Aにより特定された翻訳サーバ30に送信する(ステップS1302)。これにより、管理装置20は、音声データが示す音声のテキスト変換と、当該変換後のテキストの指定した翻訳先言語への翻訳とを、言語特定処理部202Aにより特定された翻訳サーバ30に要求することができる。すなわち、管理装置20は、当該翻訳先言語への翻訳を高い精度(又は/及び速い速度)で行うことができる翻訳サーバ30に対して、音声データの翻訳を要求することができる。
【0128】
なお、管理装置20は、上記のステップS1301で複数の翻訳先言語及び翻訳サーバ30が特定された場合、翻訳先言語毎に、上記のステップS1302の処理を行う。より具体的には、例えば、管理装置20は、上記のステップS1301で翻訳先言語「英語」及び翻訳サーバ30Cと、翻訳先言語「ドイツ語」及び翻訳サーバ30Cとが特定されたとする。この場合、管理装置20の通信部201は、音声データと、翻訳先言語「英語」の指定とを翻訳サーバ30Cに送信すると共に、音声データと、翻訳先言語「ドイツ語」の指定とを翻訳サーバ30Bに送信する。
【0129】
次に、電子黒板装置10-1に入力された手書き文字をテキストに変換した上で、このテキストを翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。なお、ステップS901~ステップS903の処理、及びステップS906~ステップS908の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0130】
ステップS903に続いて、管理装置20の言語特定処理部202Aは、通信部201によりテキストデータ及び送信先IPアドレスを受信すると、このIPアドレスに基づいて、翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する(ステップS1401)。本ステップの翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定の詳細については後述する。
【0131】
なお、管理装置20は、電子黒板装置10から複数の送信先IPアドレスを受信した場合、
図13のステップS1301と同様に、これら複数の送信先IPアドレスそれぞれに基づいて、それぞれ翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する。
【0132】
次に、管理装置20の通信部201は、テキストデータと、言語特定処理部202Aにより特定された翻訳先言語の指定とを、言語特定処理部202Aにより特定された翻訳サーバ30に送信する(ステップS1402)。これにより、管理装置20は、テキストが示すテキストについて、指定した翻訳先言語への翻訳を翻訳サーバ30に要求することができる。すなわち、管理装置20は、当該翻訳先言語への翻訳を高い精度(又は/及び速い速度)で行うことができる翻訳サーバ30に対して、テキストデータの翻訳を要求することができる。
【0133】
なお、管理装置20は、上記のステップS1401で複数の翻訳先言語及び翻訳サーバ30が特定された場合、
図13のステップS1302と同様に、翻訳先言語毎に、上記のステップS1402の処理を行う。
【0134】
次に、
図13のステップS1301の処理及び
図14のステップS1401の処理(翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定処理)について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本実施形態に係る翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0135】
ステップS1002に続いて、翻訳サーバ特定部213は、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330に記憶されている翻訳サーバ情報テーブル430を参照して、言語特定部212により特定された翻訳先言語から翻訳サーバ30を特定する(ステップS1501)。すなわち、例えば、言語特定部212により翻訳先言語「英語」が特定された場合、翻訳サーバ特定部213は、
図12に示す翻訳サーバ情報テーブル430を参照して、サーバ名「サーバC」(すなわち、翻訳サーバ30C)を特定する。
【0136】
これにより、言語特定処理部202Aは、電子黒板装置10から受信した送信先IPアドレスに基づいて、翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定することができる。
【0137】
以上のように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、音声データやテキストデータの送信先情報(例えば、IPアドレス)から翻訳先言語と、この翻訳先言語で音声データやテキストデータを翻訳する翻訳サーバ30とを特定する。そして、本実施形態に係る電子黒板システム1は、特定した翻訳先言語を指定した上で、音声データやテキストデータの翻訳を、特定した翻訳サーバ30に要求する。
【0138】
これにより、本実施形態に係る電子黒板システム1では、翻訳先言語に応じて、複数の翻訳サーバ30のうち、高い翻訳精度や速い翻訳速度で翻訳することができる翻訳サーバ30で翻訳を行うことができるようになる。
【0139】
[第三の実施形態]
次に、第三の実施形態について説明する。第二の実施形態では、翻訳先言語に応じた翻訳サーバ30を特定する場合について説明したが、翻訳サーバ30の翻訳精度や翻訳速度が翻訳元言語にも依存する場合があり得る。
【0140】
すなわち、例えば、ある翻訳サーバ30について、翻訳元言語が「ドイツ語」、翻訳先言語が「英語」の場合には、高い精度で翻訳を行うことができる一方で、翻訳元言語が「日本語」、翻訳先言語が「英語」の場合には、翻訳の精度が低くなることがある。このように、ある翻訳サーバ30について、翻訳先言語が同一であっても、翻訳元言語によって精度や速度等が異なる場合がある。
【0141】
そこで、第三の実施形態では、電子黒板システム1が複数の翻訳サーバ30を利用可能な場合に、これらの複数の翻訳サーバ30のうち、翻訳先言語及び翻訳元言語に応じた翻訳サーバ30に翻訳を要求するものである。
【0142】
なお、第二の実施形態と同様に、以降では、便宜上、翻訳サーバ30Aのサーバ名を「サーバA」、翻訳サーバ30Bのサーバ名を「サーバB」、翻訳サーバ30Cのサーバ名を「サーバC」、翻訳サーバ30Dのサーバ名を「サーバD」等と表す。
【0143】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。なお、第一の実施形態と同様の機能構成については、その説明を省略する。
【0144】
図16に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、言語特定処理部202Bを有する。また、本実施形態に係る管理装置20は、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330Aを有する。
【0145】
言語特定処理部202Bは、通信部201により受信した送信先IPアドレスと、この送信先IPを送信した電子黒板装置10のIPアドレス(送信元IPアドレス)とに基づいて、翻訳先言語及び翻訳サーバ30を特定する処理を行う。ここで、言語特定処理部202Bは、国名特定部211Aと、言語特定部212Aと、翻訳サーバ特定部213Aとを有する。
【0146】
国名特定部211Aは、国名テーブル記憶部310に記憶されている国名テーブル410を参照して、送信先IPアドレスが割り当てられている国の国名(送信先国名)と、送信元IPアドレスが割り当てられている国の国名(送信元国名)とを特定する。
【0147】
言語特定部212Aは、翻訳先言語テーブル記憶部320に記憶されている翻訳先言語テーブル420を参照して、国名特定部211Aにより特定された送信先国名から翻訳先言語を特定する。また、言語特定部212Aは、翻訳先言語テーブル記憶部320に記憶されている翻訳先言語テーブル420を参照して、国名特定部211Aにより特定された送信元国名から翻訳元言語を特定する。
【0148】
翻訳サーバ特定部213Aは、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330に記憶されている翻訳サーバ情報テーブル430Aを参照して、言語特定部212Aにより特定された翻訳先言語及び翻訳元言語から、音声データやテキストデータを翻訳する翻訳サーバ30を特定する。
【0149】
翻訳サーバ情報テーブル記憶部330Aは、翻訳サーバ情報テーブル430Aを記憶している。ここで、翻訳サーバ情報テーブル430Aについて、
図17を参照しながら説明する。
図17は、翻訳サーバ情報テーブル430Aの他の例を示す図である。
【0150】
図17に示すように、翻訳サーバ情報テーブル430Aには、翻訳元言語と、翻訳先言語と、当該翻訳元言語から当該翻訳先言語への翻訳精度が高い(又は/及び翻訳速度が速い)翻訳サーバ30の名称(サーバ名)とが対応付けて記憶されている。
【0151】
例えば、翻訳元言語「日本語」及び翻訳先言語「ドイツ語」には、サーバ名「サーバB」が対応付けられている。これは、サーバ名が「サーバB」である翻訳サーバ30Bは、翻訳元言語が「日本語」、翻訳先言語が「ドイツ語」である場合に高い精度で翻訳できることを示している。
【0152】
同様に、例えば、翻訳元言語「日本語」及び翻訳先言語「英語」には、サーバ名「サーバC」が対応付けられている。これは、サーバ名が「サーバC」である翻訳サーバ30Cは、翻訳元言語が「日本語」、翻訳先言語が「英語」である場合に高い精度で翻訳できることを示している。
【0153】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。以降では、第二の実施形態で説明した
図13のステップS1301の処理及び
図14のステップS1401の処理(翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定処理)について、
図18を参照しながら説明する。
図18は、本実施形態に係る翻訳先言語及び翻訳サーバ30の特定処理の一例を示すフローチャートである。
【0154】
まず、国名特定部211Aは、国名テーブル記憶部310に記憶されている国名テーブル410を参照して、送信先IPアドレスが割り当てられている国の国名(送信先国名)と、送信元IPアドレスが割り当てられている国の国名(送信元国名)とを特定する(ステップS1801)。なお、送信元IPアドレスは、例えば、
図13のステップS802や
図14のステップS903で受信した音声データのヘッダ等から取得することができる。
【0155】
次に、言語特定部212Aは、翻訳先言語テーブル記憶部320に記憶されている翻訳先言語テーブル420を参照して、送信先国名から翻訳先言語を特定すると共に、送信元国名から翻訳元言語を特定する(ステップS1802)。
【0156】
次に、翻訳サーバ特定部213Aは、翻訳サーバ情報テーブル記憶部330に記憶されている翻訳サーバ情報テーブル430Aを参照して、言語特定部212Aにより特定された翻訳先言語及び翻訳元言語から翻訳サーバ30を特定する(ステップS1803)。すなわち、例えば、言語特定部212Aにより翻訳元言語「日本語」及び翻訳先言語「英語」が特定された場合、翻訳サーバ特定部213Aは、
図17に示す翻訳サーバ情報テーブル430Aを参照して、サーバ名「サーバC」(すなわち、翻訳サーバ30C)を特定する。
【0157】
これにより、言語特定処理部202Bは、電子黒板装置10から受信した送信先IPアドレスと、当該電子黒板装置10の送信元IPアドレスとに基づいて、翻訳元言語及び翻訳先言語に応じた翻訳サーバ30を特定することができる。
【0158】
以上のように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、音声データやテキストデータの送信先情報(例えば、送信先のIPアドレス)と、音声データやテキストデータの送信元情報(例えば、送信元のIPアドレス)とから翻訳先言語及び翻訳元言語を特定する。そして、本実施形態に係る電子黒板システム1は、翻訳元言語及び翻訳先言語に応じた翻訳サーバ30を特定した上で、この翻訳元言語を指定して音声データやテキストデータの翻訳を、特定した翻訳サーバ30に要求する。
【0159】
これにより、本実施形態に係る電子黒板システム1では、翻訳元言語及び翻訳先言語に応じて、複数の翻訳サーバ30のうち、高い翻訳精度や速い翻訳速度で翻訳することができる翻訳サーバ30で翻訳を行うことができるようになる。
【0160】
[第四の実施形態]
次に、第四の実施形態について説明する。第四の実施形態では、複数の電子黒板装置10を用いた会議を行う場合に、これら複数の電子黒板装置10で使用される言語(例えば、OS等のソフトウェアに設定されている言語)をセッション確立の際に取得して、管理装置20で管理するものである。
【0161】
これにより、本実施形態に係る電子黒板システム1では、例えば、一の電子黒板装置10は、他の電子黒板装置10に搭載されたOS等のソフトウェアに設定されている言語を翻訳先言語とすることができる。
【0162】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る電子黒板システム1の機能構成について、
図19を参照しながら説明する。
図19は、本実施形態に係る電子黒板システム1の一例の機能構成を示す図である。
【0163】
図19に示すように、本実施形態に係る電子黒板装置10は、言語取得部106を有する。当該機能部は、電子黒板装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU17に実行させる処理により実現される。
【0164】
言語取得部106は、例えば、操作受付部101により接続操作(他の電子黒板装置10との間でセッション確立を開始するための操作)が受け付けられると、電子黒板装置10で使用されている言語(使用言語)を取得する。なお、使用言語とは、例えば、電子黒板装置10に搭載されている所定のソフトウェア(例えば、OSやOS上で動作する各種アプリケーション等)に設定されている言語である。
【0165】
図19に示すように、本実施形態に係る管理装置20は、言語特定処理部202Cと、セッション処理部203とを有する。セッション処理部203は、管理装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU17に実行させる処理により実現される。
【0166】
また、本実施形態に係る管理装置20は、言語管理テーブル記憶部340を有する。当該記憶部は、例えばHDD28を用いて実現可能である。なお、当該記憶部は、管理装置20とネットワークN1を介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0167】
言語特定処理部202Cは、言語管理テーブル記憶部340に記憶されている言語管理テーブル440を参照して、送信先IPアドレスから翻訳先言語を特定する。
【0168】
セッション処理部203は、複数の電子黒板装置10間でセッションを確立するための処理を行う。ここで、セッション処理部203は、セッション確立部221と、言語管理部222とを有する。
【0169】
セッション確立部221は、通信部201によりセッションの確立要求を送受信することにより、複数の電子黒板装置10間でセッションを確立する。
【0170】
言語管理部222は、セッションが確立された電子黒板装置10のIPアドレスと、この電子黒板装置10の使用言語とを言語管理テーブル440により管理する。すなわち、言語管理部222は、セッションが確立された電子黒板装置10のIPアドレスと、この電子黒板装置10の使用言語とを対応付けて言語管理テーブル440に記憶させる。
【0171】
言語管理テーブル記憶部340は、言語管理テーブル440を記憶している。ここで、言語管理テーブル440について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、言語管理テーブル440の一例を示す図である。
【0172】
図20に示すように、言語管理テーブル440には、セッションが確立された電子黒板装置10のIPアドレスと、この電子黒板装置10の使用言語とを対応付けて記憶されている。
【0173】
例えば、IPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」には、使用言語「日本語」が対応付けられている。同様に、例えば、IPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」には、使用言語「英語」が対応付けられている。
【0174】
このことは、IPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」の電子黒板装置10と、IPアドレス「yyy.yyy.yyy.yyy」の電子黒板装置10との間でセッションが確立されていることを示している。
【0175】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る電子黒板システム1の処理の詳細について説明する。
【0176】
まず、複数の電子黒板装置10間で会議等を行うために、これら複数の電子黒板装置10間でセッションを確立する処理について、
図21を参照しながら説明する。
図21は、本実施形態に係る電子黒板システム1のセッション確立処理の一例を示すシーケンス図である。以降では、電子黒板装置10-1と、電子黒板装置10-2との間でセッションを確立する場合について説明する。
【0177】
まず、電子黒板装置10-1の操作受付部101は、電子黒板装置10-2との間でセッション確立を開始するための操作(接続操作)を受け付ける(ステップS2101)。ここで、電子黒板装置10-1のユーザは、例えば、当該電子黒板装置10-1の表示装置12上に表示された、接続可能な電子黒板装置10の一覧画面の中から、電子黒板装置10-2を選択等することで、接続操作を行うことができる。
【0178】
次に、電子黒板装置10-1の言語取得部106は、操作受付部101により接続操作が受け付けられると、当該電子黒板装置10-1の使用言語を取得する(ステップS2102)。なお、言語取得部106は、例えば、OSに設定されている言語を取得しても良いし、OS上で動作する所定のアプリケーションに設定されている言語を取得しても良い。
【0179】
次に、電子黒板装置10-1の通信部103は、接続先の電子黒板装置10(すなわち、電子黒板装置10-2)のIPアドレスが指定されたセッション確立要求と、言語取得部106により取得された使用言語とを管理装置20に送信する(ステップS2103)。
【0180】
管理装置20のセッション確立部221は、通信部201によりセッション確立要求を受信すると、セッション確立要求を電子黒板装置10-2に送信する(ステップS2104)。
【0181】
電子黒板装置10-2の操作受付部101は、電子黒板装置10-1との間でセッション確立を確立するための操作(接続応答操作)を受け付ける(ステップS2105)。ここで、電子黒板装置10-2の表示制御部104は、例えば、通信部103によりセッション確立要求を受信すると、電子黒板装置10-1との間の接続を許可するか否かをユーザが選択するための画面を表示する。そして、電子黒板装置10-2のユーザは、当該画面において、電子黒板装置10-1との間の接続を許可することを選択することで、接続応答操作を行うことができる。
【0182】
次に、電子黒板装置10-2の言語取得部106は、操作受付部101により接続応答操作が受け付けられると、当該電子黒板装置10-2の使用言語を取得する(ステップS2106)。なお、言語取得部106は、上記のステップS2102と同様に、例えば、OSに設定されている言語を取得しても良いし、OS上で動作する所定のアプリケーションに設定されている言語を取得しても良い。
【0183】
次に、電子黒板装置10-2の通信部103は、セッション確立応答と、言語取得部106により取得された使用言語とを管理装置20に送信する(ステップS2107)。
【0184】
管理装置20の通信部201は、電子黒板装置10-2からセッション確立応答を受信すると、セッション確立応答を電子黒板装置10-1に送信する(ステップS2108)。
【0185】
次に、管理装置20の言語管理部222は、電子黒板装置10-1のIPアドレスと、電子黒板装置10-1の使用言語とを対応付けて言語管理テーブル440に記憶させる。また、管理装置20の言語管理部222は、電子黒板装置10-2のIPアドレスと、電子黒板装置10-2の使用言語とを対応付けて言語管理テーブル440に記憶させる(ステップS2109)。
【0186】
すなわち、言語管理部222は、電子黒板装置10-1のIPアドレスと、電子黒板装置10-1の使用言語とを対応付けて言語管理テーブル440に記憶させる。また、言語管理部222は、電子黒板装置10-2のIPアドレスと、電子黒板装置10-2の使用言語とを対応付けて言語管理テーブル440に記憶させる。
【0187】
次に、管理装置20のセッション確立部221は、電子黒板装置10-1と、電子黒板装置10-2との間でセッションを確立する(ステップS2110)。これにより、電子黒板装置10-1及び電子黒板装置10-2は、管理装置20を介して、互いに音声データやテキストデータ等の送受信を行うことができるようになる。
【0188】
このように、本実施形態に係る電子黒板システム1では、複数の電子黒板装置10の間でセッションを確立する際に、これら複数の電子黒板装置10のIPアドレス及び使用言語を管理装置20で管理する。
【0189】
次に、電子黒板装置10-1に入力された音声を翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図22を参照しながら説明する。
図22は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS801~ステップS802の処理、及びステップS804~ステップS807の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0190】
ステップS802に続いて、管理装置20の言語特定処理部202Cは、言語管理テーブル記憶部340に記憶されている言語管理テーブル440を参照して、送信先IPアドレスから翻訳先言語を特定する(ステップS2201)。すなわち、言語特定処理部202Cは、言語管理テーブル440を参照して、通信部201により受信された送信先IPアドレスに対応付けられている使用言語を特定する。このように特定された使用言語が翻訳先言語である。
【0191】
なお、管理装置20は、電子黒板装置10から複数の送信先IPアドレスを受信した場合、これら複数の送信先IPアドレスからそれぞれ翻訳先言語を特定する。
【0192】
次に、電子黒板装置10-1に入力された手書き文字をテキストに変換した上で、このテキストを翻訳サーバ30で翻訳した後、この翻訳結果を電子黒板装置10-2で表示する場合の処理について、
図23を参照しながら説明する。
図23は、本実施形態に係る電子黒板システム1の翻訳処理の他の例を示すシーケンス図である。なお、ステップS901~ステップS903の処理、及びステップS905~ステップS908の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0193】
ステップS903に続いて、管理装置20の言語特定処理部202Cは、言語管理テーブル記憶部340に記憶されている言語管理テーブル440を参照して、送信先IPアドレスから翻訳先言語を特定する(ステップS2301)。すなわち、言語特定処理部202Cは、
図22のステップS2201と同様に、言語管理テーブル440を参照して、通信部201により受信された送信先IPアドレスに対応付けられている使用言語を特定する。このように特定された使用言語が翻訳先言語である。
【0194】
以上のように、本実施形態に係る電子黒板システム1は、複数の電子黒板装置10の間でセッションを確立する際に、これら複数の電子黒板装置10のIPアドレス及び使用言語を管理装置20で管理する。そして、本実施形態に係る電子黒板システム1は、管理装置20で管理されているIPアドレス及び使用言語から翻訳先言語を特定した上で、音声データやテキストデータの翻訳を翻訳サーバ30に要求する。
【0195】
これにより、本実施形態に係る電子黒板システム1では、複数の電子黒板装置10を用いて会議等を行っている場合に、一の電子黒板装置10は、他の電子黒板装置10を用いて会議等を行っているユーザの使用言語を翻訳先言語とすることができる。このため、電子黒板装置10が設置されている国と使用言語とが対応しない場合(例えば、電子黒板装置10が「ドイツ」に設置されており、使用言語が「英語」であるような場合)にも、適切な翻訳先言語で翻訳を行うことができるようになる。
【0196】
なお、音声データ及びテキストデータは、特許請求の範囲のコンテンツデータの一例である。音声及びテキストは、特許請求の範囲のコンテンツの一例である。電子黒板システム1は、特許請求の範囲の情報処理システムの一例である。電子黒板装置10又は管理装置20は、特許請求の範囲の情報処理装置の一例である。電子黒板装置10は、特許請求の範囲の電子機器の一例である。通信部201又は通信部103は、特許請求の範囲の受信手段及び送信手段の一例である。言語特定処理部202は、特許請求の範囲の特定手段の一例である。IPアドレスは、特許請求の範囲の送信先情報の一例である。サーバ名は、特許請求の範囲の識別情報の一例である。国は、特許請求の範囲の地域の一例である。操作受付部101又は音声受付部102は、特許請求の範囲の入力受付手段の一例である。表示制御部104は、特許請求の範囲の表示手段の一例である。国名テーブル記憶部310は、特許請求の範囲の第1の記憶手段の一例である。翻訳先言語テーブル記憶部320は、特許請求の範囲の第2の記憶手段の一例である。翻訳サーバ情報テーブル記憶部330は、特許請求の範囲の第3の記憶手段の一例である。翻訳サーバ情報テーブル記憶部330Aは、特許請求の範囲の第4の記憶手段の一例である。言語管理テーブル記憶部340は、特許請求の範囲の第5の記憶手段の一例である。
【0197】
本発明は、具体的に開示された上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更、組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0198】
1 電子黒板システム
10 電子黒板装置
20 管理装置
30 翻訳サーバ
101 操作受付部
102 音声受付部
103 通信部
104 表示制御部
105 OCR処理部
201 通信部
202 言語特定処理部
211 国名特定部
212 言語特定部
310 国名テーブル記憶部
320 翻訳先言語テーブル記憶部
410 国名テーブル
420 翻訳先言語テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0199】