IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧

特許7605324センシングシステム、センシング方法、及び解析装置
<>
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図1
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図2
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図3
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図4
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図5
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図6
  • 特許-センシングシステム、センシング方法、及び解析装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】センシングシステム、センシング方法、及び解析装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/353 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01D5/353 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023542046
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 JP2021029927
(87)【国際公開番号】W WO2023021557
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】岡本 達也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】古敷谷 優介
(72)【発明者】
【氏名】本田 奈月
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-232138(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0231526(US,A1)
【文献】特開平2-198328(JP,A)
【文献】特開2016-53525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/353
G01K 11/32 -11/324
G01B 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置と解析装置を備えるセンシングシステムであって、
前記測定装置は、
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)を用いた測定を繰り返し行い、
前記解析装置は、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算し、
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積算して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとする
ことを特徴とするセンシングシステム。
【請求項2】
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し行うこと、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算すること、及び
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積算して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとすること
を特徴とするセンシング方法。
【請求項3】
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し、前記測定で得られたスペクトルを解析する解析装置であって、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算し、
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積算して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとする
ことを特徴とする解析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)を用いたセンシングシステム、センシング方法、及びその解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、OFDRを用いたセンシング原理を説明する図である。OFDRは、周波数掃引光をプローブ光として採用する。そして、光ファイバのプローブ光に対するレイリー後方散乱光の波形r(τ)(図1(A))をフーリエ変換することでスペクトルS(ν)(図1(B))を解析することができる(例えば、非特許文献1を参照。)。
【0003】
後方散乱光のスペクトルS(ν)は光ファイバの歪みや温度に対して変動する(スペクトルシフト)。このため、参照測定で得られた参照スペクトルSrefが各測定時においてどれだけ移動したか(スペクトルシフトΔν)を検出することで、次式のように光ファイバの歪みや温度の変化量を算出することができる(例えば、非特許文献2を参照。)。
【数1】
ここで、Δνはスペクトルシフト、νはプローブ光の中心周波数、εは歪み、Tは温度である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】M. Froggatt and J. Moore, “High-spatial-resolution distributed strain measurement in optical fiber with Rayleigh scatter,” Appl. Opt., vol. 37, no. 10, pp. 1735-1740, 1998.
【文献】Y. Koyamada, M. Imahara, K. Kubota, and K. Hogari, “Fiber-optic distributed strain and temperature sensing with very high measurand resolution over long range using coherent OTDR,” IEEE J. Lightw. Technol., vol. 27, no. 9, pp. 1142-1146, 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1(B)のスペクトルシフトΔνは相互相関を用いて算出されるため、周波数掃引幅ΔFより小さくなければならない。
[数2]
|Δν|<ΔF
そのため、歪みεと温度Tのセンシングレンジはそれぞれ次式で与えられる。
【数3】
【数4】
【0006】
図1(B)で説明するように、従来のスペクトルシフト量検出方法では、事前の参照測定で得られたスペクトルと各回の測定で得られたスペクトルとの相互相関を算出していた。つまり、参照測定で得られたスペクトルのうち、周波数掃引幅ΔFに含まれる部分を参照スペクトルSrefとして基準とし、各回の測定で得たスペクトルに含まれている、参照スペクトルSrefと同じ波形の部分S’refがどれだけ変動したかでシフト量を得ていた。
【0007】
図2は、従来のスペクトルシフト量検出方法の課題を説明する図である。
1回目の測定では、参照スペクトルSrefと同じ波形S’refの一部が測定帯域(周波数掃引幅ΔF)内にある。このため、参照スペクトルと1回目測定で得られたスペクトルとの間の相互相関を計算でき、スペクトルシフトΔνを検出可能である。
一方、2回目の測定では、参照スペクトルSrefと同じ波形S’refが完全に測定帯域(周波数掃引幅ΔF)の外まで変動している。このため、参照スペクトルと2回目測定で得られたスペクトルとの間の相互相関を計算できず、スペクトルシフトΔνを検出できない。
【0008】
このように、参照測定で得られた参照スペクトルSrefと同じ波形S’refの部分が周波数掃引幅ΔFの範囲の外に変動してしまうと、スペクトルシフトΔνを検出できない。つまり、従来のOFDRを用いたセンシングには、ひずみ/温度のセンシングレンジが周波数掃引幅ΔFで制限されるという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、前記課題を解決するために、ひずみ/温度のセンシングレンジが周波数掃引幅で制限されにくいOFDRを用いたセンシングシステム、センシング方法、及び解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るセンシングシステムは、参照測定ではなく、直前の測定で取得したスペクトルのうちの周波数掃引幅ΔFに含まれる部分を参照スペクトルとすることとした。
【0011】
具体的には、本発明に係るセンシングシステムは、測定装置と解析装置を備えるセンシングシステムであって、
前記測定装置は、
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)を用いた測定を繰り返し行い、
前記解析装置は、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算し、
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積分して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとする
ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るセンシング方法は、
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し行うこと、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算すること、及び
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積分して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとすること
を特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る解析装置は、周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバへ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し、前記測定で得られたスペクトルを解析する解析装置であって、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算し、
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積分して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとする
ことを特徴とする。
【0014】
本発明は、OFDRを用いたセンシング方法において、プローブ光の1回の周波数掃引による1回の測定ごとに参照スペクトルを直前に測定されたスペクトルに逐次更新することでn回目の測定と(n-1)回目の測定との間のスペクトルシフトを求め、各回の測定で求めたスペクトルシフトを積分する。
【0015】
スペクトルシフトの変化量がプローブ光の周波数掃引幅より小さければ測定できるため、この条件を満たすようにスペクトル測定を高速に繰り返し行い、参照スペクトルを逐次更新することで、センシングレンジを拡大できる。
【0016】
従って、本発明は、ひずみ/温度のセンシングレンジが周波数掃引幅で制限されにくいOFDRを用いたセンシングシステム、センシング方法、及び解析装置を提供することができる。
【0017】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ひずみ/温度のセンシングレンジが周波数掃引幅で制限されにくいOFDRを用いたセンシングシステム、センシング方法、及び解析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】OFDRを用いたセンシング原理を説明する図である。
図2】本発明の課題を説明する図である。
図3】本発明に係るセンシングシステムを説明する図である。
図4】本発明に係るセンシング方法を説明する図である。
図5】本発明に係るセンシングシステムのセンシング原理を説明する図である。
図6】本発明に係るセンシングシステムの効果を説明する図である。
図7】本発明に係るセンシングシステムの効果を説明する表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0021】
図3は、本実施形態のセンシングシステムを説明する図である。本センシングシステムは、測定装置11と解析装置12を備えるセンシングシステムであって、
測定装置11は、周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバ13へ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し行い、
解析装置12は、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算し、
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積分して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとする。
【0022】
図4は、本センシングシステムが行うセンシング方法を説明するフローチャートである。本センシング方法は、
周波数を1回掃引したプローブ光を光ファイバ13へ入力し、後方散乱光のスペクトルを取得するOFDRを用いた測定を繰り返し行うこと(ステップS11)、
直前の前記測定で得られた前記スペクトルを参照スペクトルとして現在の前記測定で得られた前記スペクトルの変化量である個別スペクトルシフトを計算すること(ステップS12)、及び
現在の測定までの各測定での前記個別スペクトルシフトを積分して前記現在の測定の時刻におけるスペクトルシフトとすること(ステップS13)
を特徴とする。
なお、ステップS01は、図1で説明した参照測定に相当する工程であり、0回目の測定になる。
【0023】
図5は、本センシング方法で取得するスペクトルの例を説明する図である。図5を用いて本センシングシステムのセンシング原理を説明する。
まず、測定装置11は、0回目の測定として、図1で説明したように、OFDRを利用して、光ファイバ13のプローブ光に対するレイリー後方散乱光からスペクトルS(ν)を測定する(ステップS01a)。解析装置12は、当該スペクトルS(ν)のうち、周波数掃引幅ΔFに含まれる波形を参照スペクトルSref0として検出する(ステップS01b)。
【0024】
次に、測定装置11は、1回目の測定として、同様に、OFDRを利用して、光ファイバ13のプローブ光に対するレイリー後方散乱光からスペクトルS(ν)を測定する(ステップS11)。解析装置12は、当該スペクトルS(ν)のうち、周波数掃引幅ΔFに含まれる波形を参照スペクトルSref1として検出し、新たな参照スペクトルとして更新する(ステップS12a)。また、解析装置12は、参照スペクトルSref0が1回目の測定のスペクトルS(ν)において、どれだけ移動したか(スペクトルシフトΔν)を相互関数を用いて算出する(ステップS12b)。
【0025】
本センシングシステムは、ステップS11とステップS12をN回(Nは2以上の整数)繰り返す。つまり、測定装置11は、上記測定をN回繰り返し、解析装置12は、測定ごとに参照スペクトルSrefnを逐次更新することで、n回目とn-1回目の測定間のスペクトルシフトΔνを算出する(nは1以上N以下の整数)。
【0026】
ここで、図1(B)で説明したように、スペクトルシフトΔνは相互相関を用いて算出するため、周波数掃引幅ΔFより小さくなければならない。
[数5]
|Δν|<ΔF
これは、n回目とn-1回目間のスペクトルシフトΔνが測定帯域内であれば、シフト量を相互相関で算出可能である。つまり、本センシングシステムは、従来の測定のように、参照測定のスペクトルS(ν)からシフト量が大きくなりスペクトルシフトΔνを算出できないような場合でも、直前の測定の参照スペクトルSref(nー1)からのシフト量が測定帯域内であればスペクトルシフトΔνを算出可能となる。
【0027】
そして、解析装置12は、次式のように最終的にスペクトルシフトΔνをnについて積算することで時刻NΔtにおけるスペクトルシフトΔνを得る(ステップS13)。
【数6】
ここで、ΔtはOFDRのサンプリングレートであって、プローブ光の繰返し周波数の逆数である。
【0028】
このように、本センシングシステムは、参照測定のスペクトルS(ν)からのシフト量が測定帯域を超えてしまうような場合でも、シフト量が測定帯域内である、直前の測定のスペクトルS(ν)を利用し、参照スペクトルを逐次更新することで実質的にセンシング速度を損なうことなく測定帯域(センシングレンジ)を拡張したように見せることができる。
【0029】
(他の実施形態)
上述した解析装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0030】
(実施例)
図6は、本センシングシステムと従来のセンシングシステムとを比較した結果を説明する図である。システム構成は図3であり、測定条件は次の通りである。
・OFDRの光周波数掃引範囲:2GHz
・測定対象20へ与える振動:正弦波(振動周波数10Hz、振幅13με)
・スペクトルシフトから歪みへの変換係数:-151MHz/μe
【0031】
図6(A)は、従来のセンシングシステムで測定したスペクトルである。横軸は時間(秒)であり、縦軸は掃引された光周波数(GHz)である。図6(B)は、図6(A)のスペクトルを相互相関(相関ピーク探索)でスペクトルシフトを算出し、スペクトルシフトから歪みへ変換した歪波形である。横軸は時間(秒)であり、縦軸は歪(με)である。
【0032】
従来のセンシングシステムは、センシングレンジが振動の振幅換算で6.5με(=2GHz÷151MHz/με÷2)しかないため、測定性能を超えている振幅12μεの振動を測定することができない。
【0033】
図6(C)は、本センシングシステムで測定したスペクトル(前測定スペクトルとの相互相関)である。横軸は時間(秒)であり、縦軸はスペクトルシフト(MHz)である。図6(D)は、図6(C)のスペクトルを相関ピーク探索でスペクトルシフトの時間変化算出したものである。横軸は時間(秒)であり、縦軸はスペクトルシフト(MHz)である。図6(E)は、図6(D)のスペクトルシフトの時間変化を積分し、スペクトルシフトから歪みへ変換した歪波形である。横軸は時間(秒)であり、縦軸は歪(με)である。
【0034】
本センシングシステムは、スペクトルシフトの時間変化が周波数掃引幅2GHzに収まっており,振幅12μεの振動を正しく測定できている。
【0035】
(発明の効果)
従来のセンシングシステムは、数2で説明したように、スペクトルシフトΔνを相互相関を用いて算出するため、スペクトルシフトΔνが周波数掃引幅ΔFより小さくなければ測定できない。
一方、本センシングシステムは、次式のように、スペクトルシフトの変化量d(Δν)/dtを相互相関を用いて算出するため、スペクトルシフトの変化量d(Δν)/dtが周波数掃引幅ΔFより小さければ測定可能である。
つまり、本センシングシステムは、スペクトルシフトの変化量がプローブ光の周波数掃引幅より小さければ測定できるため、この条件を満たすようにスペクトル測定を高速に繰り返し行い、参照スペクトルを更新することでセンシングレンジを拡大できる。
【0036】
図7は、従来のセンシングシステムと本センシングシステムとの性能を比較した表である。OFDRのセンシング性能はプローブ光源の種類で決まる。波長可変光源を利用すれば、プローブ光の繰返し周波数は最大10Hz、プローブ光の周波数掃引幅は最大2THzである。この場合、従来のセンシングシステムでは、最大13mεの歪、最大1500Kの温度変化が測定限界であり、歪み大/温度変化大のような極限環境下では低速なセンシングしか実現できなかった。また、プローブ光の繰返し周波数が100Hz以上、プローブ光の周波数掃引幅が最大2THzの外部変調光源を使用した場合、従来のセンシングシステムの性能は、高速センシングが可能となる一方、最大66μεの歪、最大7.5Kの温度変化が測定限界となる(歪み小/温度変化小)。
【0037】
一方、本センシングシステムにおいて上述の波長可変光源を利用した場合、歪や温度変化の測定限界が無くなり、歪み大/温度変化大のような極限環境下で低速なセンシングが可能となる。また、本センシングシステムにおいて上述の外部変調光源を利用した場合も、歪や温度変化の測定限界が無くなり、歪み大/温度変化大のような極限環境下で高速なセンシングが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
11:測定装置
12:解析装置
13:光ファイバ
20:測定対象
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7