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特許7605846画像処理装置、画像処理プログラム、及び、内視鏡システムの作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理プログラム、及び、内視鏡システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20241217BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61B1/045 618
A61B1/045 622
G02B23/24 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022545537
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2021026905
(87)【国際公開番号】W WO2022044617
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2020140944
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 重之
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】臼田 稔宏
【審査官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-226341(JP,A)
【文献】特開2012-245157(JP,A)
【文献】特開2009-233240(JP,A)
【文献】国際公開第2012/035923(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/235179(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/103237(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/116592(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/165204(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/036224(WO,A1)
【文献】特開2009-226072(JP,A)
【文献】特開平05-103747(JP,A)
【文献】特開2014-124218(JP,A)
【文献】特開2012-245161(JP,A)
【文献】特開2014-158577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 ~ 1/32
G02B 23/24 ~ 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から突出させた器具を用いて処置が可能な内視鏡で撮影された画像を処理する画像処理装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記内視鏡で撮影された画像を取得する処理と、
取得した前記画像をディスプレイに表示させる処理と、
取得した前記画像から前記処置の対象となる注目領域を検出する処理と、
前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在するか否かを判定する処理と、
前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在すると判定した場合に、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する処理と、
を行う、
画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記画像に設定された基準点から前記注目領域までの距離が第1閾値以下であるか否かを判定して、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在するか否かを判定する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記基準点が前記画像の中心である、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記内視鏡の先端から突出する前記器具の延長線から前記注目領域までの距離が第2閾値以下であるか否かを判定して、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在するか否かを判定する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、取得した前記画像から前記注目領域と前記器具との間に障害物が存在するか否かを判定する処理を更に行い、
前記プロセッサは、前記障害物が存在しないと判定し、かつ、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在すると判定した場合に、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、取得した前記画像から前記器具を検出する処理を更に行い、
前記プロセッサは、前記画像から前記器具を検出し、かつ、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在すると判定した場合に、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する処理を行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記ディスプレイに表示される表示画像を変更して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記表示画像に設定された前記画像の表示領域の表示を変更して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記表示領域に表示させる前記画像に重ねて前記注目領域を示す図形を表示して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記注目領域が検出された場合に、前記表示画像に設定された前記画像の表示領域に表示させる前記画像に重ねて前記注目領域を示す図形を表示させる処理を更に行い、
前記プロセッサは、前記図形の表示を変更して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記図形の色、形、明るさ及び線種の少なくとも1つを変更して、前記図形の表示を変更する、
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記表示画像に設定された前記画像の表示領域に表示させる前記画像に重ねて前記器具の突出方向を示す情報を表示させる処理を更に行い、
前記プロセッサは、前記器具の突出方向を示す情報の表示を変更して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記器具の突出方向を示す情報として、前記器具の突出方向に沿った直線を表示する、
請求項12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記直線の色、明るさ及び線種の少なくとも1つを変更して、前記直線の表示を変更する、
請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記表示画像に設定された前記画像の表示領域以外の領域の表示を変更して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記画像の表示領域以外の領域に情報を表示して、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記情報としてメッセージ又は図形を表示する、
請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、音声を出力させて、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する、
請求項1から17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記注目領域が、病変部である、
請求項1から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記注目領域が、臓器である、
請求項1から19のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項21】
先端から突出させた器具を用いて処置が可能な内視鏡と、前記内視鏡で撮影された画像を処理する画像処理装置と、を備えた内視鏡システムの作動方法であって、
前記画像処理装置が、前記内視鏡で撮影された画像を取得するステップと、
前記画像処理装置が、前記内視鏡から取得した前記画像をディスプレイに表示させるステップと、
前記画像処理装置が、前記内視鏡から取得した前記画像から前記処置の対象となる注目領域を検出するステップと、
前記画像処理装置が、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在するか否かを判定するステップと、
前記画像処理装置が、前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在すると判定した場合に、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知するステップと、
を含む、
内視鏡システムの作動方法。
【請求項22】
先端から突出させた器具を用いて処置が可能な内視鏡で撮影された画像を取得する機能と、
取得した前記画像をディスプレイに表示させる機能と、
取得した前記画像から前記処置の対象となる注目領域を検出する機能と、
前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在するか否かを判定する機能と、
前記内視鏡の先端から突出させた前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在すると判定した場合に、前記器具で処置可能な位置に前記注目領域が存在することを報知する機能と、
をコンピュータに実現させる、
画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理プログラム、及び、内視鏡システムの作動方法に係り、特に、先端から器具の突出が可能な内視鏡で撮影された画像を処理する画像処理装置、画像処理プログラム、及び、内視鏡システムの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡による検査を支援する技術として、内視鏡で撮影された画像から画像処理により病変等の注目領域を自動で検出し、報知する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、効率よく検査を支援するために、内視鏡で撮影された画像から内視鏡の操作者の動作を判定し、処置等の所定の動作がなされていた画像は、注目領域の検出対象から除外することが提案されている。すなわち、処置等が行われている場合は、既に注目領域が発見されている可能性が高いので、画像処理による検出の必要性は低いものとみなして、検出対象から除外し、効率化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第WO2017/002184号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内視鏡による検査では、組織採取(バイオプシ)が行われる場合がある。組織採取は、内視鏡の先端部に備えられた鉗子口を介して行われる。組織採取の際は、ターゲットである病変を適切なタイミングで報知し、術者を支援することが期待される。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、処置の際、ターゲットである病変の検出が行われなくなるため、術者を適切に支援できないという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、器具を用いた処置を適切に支援できる画像処理装置、画像処理プログラム、及び、内視鏡システムの作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)先端から器具の突出が可能な内視鏡で撮影された画像を処理する画像処理装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、内視鏡で撮影された画像を取得する処理と、取得した画像をディスプレイに表示させる処理と、取得した画像から注目領域を検出する処理と、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する処理と、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定した場合に報知する処理と、を行う、画像処理装置。
【0009】
(2)プロセッサは、画像に設定された基準点から注目領域までの距離が第1閾値以下であるか否かを判定して、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する、(1)の画像処理装置。
【0010】
(3)基準点が画像の中心である、(2)の画像処理装置。
【0011】
(4)プロセッサは、内視鏡の先端から突出する器具の延長線から注目領域までの距離が第2閾値以下であるか否かを判定して、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する、(1)の画像処理装置。
【0012】
(5)プロセッサは、取得した画像から注目領域と器具との間に障害物が存在するか否かを判定する処理を更に行い、プロセッサは、障害物が存在しないと判定し、かつ、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定した場合に報知する、(1)から(4)のいずれか一の画像処理装置。
【0013】
(6)プロセッサは、取得した画像から器具を検出する処理を更に行い、プロセッサは、画像から器具を検出し、かつ、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定した場合に報知する処理を行う、(1)から(4)のいずれか一の画像処理装置。
【0014】
(7)プロセッサは、ディスプレイに表示される表示画像を変更して報知する、(1)から(6)のいずれか一の画像処理装置。
【0015】
(8)プロセッサは、表示画像に設定された画像の表示領域の表示を変更して報知する、(7)の画像処理装置。
【0016】
(9)プロセッサは、表示領域に表示させる画像に重ねて注目領域を示す図形を表示して報知する、(8)の画像処理装置。
【0017】
(10)プロセッサは、注目領域が検出された場合に、表示画像に設定された画像の表示領域に表示させる画像に重ねて注目領域を示す図形を表示させる処理を更に行い、プロセッサは、図形の表示を変更して報知する、(7)の画像処理装置。
【0018】
(11)プロセッサは、図形の色、形、明るさ及び線種の少なくとも1つを変更して、図形の表示を変更する、(10)の画像処理装置。
【0019】
(12)プロセッサは、表示画像に設定された画像の表示領域に表示させる画像に重ねて器具の突出方向を示す情報を表示させる処理を更に行い、プロセッサは、器具の突出方向を示す情報の表示を変更して報知する、(7)の画像処理装置。
【0020】
(13)プロセッサは、器具の突出方向を示す情報として、器具の突出方向に沿った直線を表示する、(12)の画像処理装置。
【0021】
(14)プロセッサは、直線の色、明るさ及び線種の少なくとも1つを変更して、直線の表示を変更する、(13)の画像処理装置。
【0022】
(15)プロセッサは、表示画像に設定された画像の表示領域以外の領域の表示を変更して報知する、(7)の画像処理装置。
【0023】
(16)プロセッサは、画像の表示領域以外の領域に情報を表示して報知する、(15)の画像処理装置。
【0024】
(17)プロセッサは、情報としてメッセージ又は図形を表示する、(16)の画像処理装置。
【0025】
(18)プロセッサは、音声を出力させて報知する、(1)から(17)のいずれか一の画像処理装置。
【0026】
(19)注目領域が、病変部である、(1)から(18)のいずれか一の画像処理装置。
【0027】
(20)注目領域が、臓器である、(1)から(19)のいずれか一の画像処理装置。
【0028】
(21)先端から器具の突出が可能な内視鏡で撮影された画像を取得するステップと、取得した画像をディスプレイに表示させるステップと、取得した画像から注目領域を検出するステップと、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定するステップと、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定した場合に報知するステップと、を含む、画像処理方法。
【0029】
(22)先端から器具の突出が可能な内視鏡で撮影された画像を取得する機能と、取得した画像をディスプレイに表示させる機能と、取得した画像から注目領域を検出する機能と、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する機能と、内視鏡の先端から突出させた器具が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定した場合に報知する機能と、をコンピュータに実現させる、画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、器具を用いた処置を適切に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本開示が適用された内視鏡システムのシステム構成の一例を示すブロック図
図2】内視鏡の一例を示す図
図3】内視鏡の挿入部の先端の構成の一例を示す斜視図
図4】画像処理装置が実現する一機能のブロック図
図5】鉗子口から処置具を突出させた場合の表示画像の一例を示す図
図6】表示画像の一例を示す図
図7】表示画像の一例を示す図
図8】画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャート
図9】表示画像の第1の変形例を示す図
図10】表示画像の第2の変形例を示す図
図11】本開示が適用された超音波内視鏡システムのシステム構成の一例を示すブロック図
図12】超音波内視鏡の一例を示す図
図13】超音波内視鏡の挿入部の先端の構成の一例を示す斜視図
図14】第2の実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図
図15】処置具突出口から処置具を突出させた場合の表示画像の一例を示す図
図16】表示画像の一例を示す図
図17】表示画像の一例を示す図
図18】画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャート
図19】表示画像の第1の変形例を示す図
図20】表示画像の第2の変形例を示す図
図21】第3の実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図
図22】表示画像の一例を示す図
図23】表示画像の一例を示す図
図24】画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャート
図25】第4の実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図
図26】画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
【0033】
[第1の実施の形態]
[システム構成]
図1は、本開示が適用された内視鏡システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
同図に示すように、本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡10、光源装置100、プロセッサ装置200、画像処理装置300及びディスプレイ400を備える。
【0035】
図2は、内視鏡の一例を示す図である。
【0036】
この内視鏡10は、軟性鏡(電子内視鏡)であり、かつ、先端から処置具の突出が可能な内視鏡である。図2に示すように、内視鏡10は、主として、挿入部12、操作部14及び接続部16で構成される。
【0037】
挿入部12は、体腔内に挿入される部位である。挿入部12は、先端側から順に先端部12A、湾曲操作が可能な湾曲部12B及び可撓性を有する軟性部12Cで構成される。
【0038】
図3は、内視鏡の挿入部の先端の構成の一例を示す斜視図である。
【0039】
同図に示すように、先端部12Aには、その端面に観察窓20、照明窓22、ノズル24及び鉗子口26等が備えられる。
【0040】
観察窓20は、観察用の窓である。観察窓20の内側には、撮像部が備えられる。撮像部は、撮像光学系及びイメージセンサを含んで構成される。イメージセンサは、たとえば、所定のカラーフィルタ配列(たとえば、ベイヤ配列等)を有するカラーCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等で構成される。
【0041】
照明窓22は、照明用の窓である。光源装置100から供給された照明光は、この照明窓22から出射される。図3に示すように、本実施の形態の内視鏡10では、2カ所に照明窓22が備えられている。
【0042】
ノズル24は、観察窓20に向けて液体(たとえば、水)及び気体(たとえば、空気)を選択的に噴射する。観察窓20が汚れた場合などは、このノズル24から液体又は気体を噴射させて、汚れを洗い流す。
【0043】
鉗子口26は、鉗子等の処置具500の出口である。操作部14に備えられた鉗子挿入口38から挿入された処置具500は、この鉗子口26から突出する。処置具500は、器具の一例である。
【0044】
湾曲部12Bは、操作部14に備えられたアングルノブ30を操作することで、上下左右に湾曲する。これにより、先端部12Aを所望の方向に向けることができる。
【0045】
図2に示すように、操作部14は、術者(ユーザ)が把持して、内視鏡10を操作する部位である。操作部14には、各種操作部材が備えられる。たとえば、湾曲部12Bの湾曲操作を行うためのアングルノブ30、送気送水操作を行うための送気送水ボタン32、吸引操作を行うための吸引ボタン34、静止画の撮影を行うためのシャッタボタン36等が備えられる。
【0046】
また、図2に示すように、操作部14には、鉗子等の処置具500を挿入するための鉗子挿入口38が備えられる。鉗子挿入口38から挿入された処置具500は、挿入部12内に備えられた鉗子チャンネル40を通って先端の鉗子口26から突出する。
【0047】
接続部16は、内視鏡10を光源装置100及びプロセッサ装置200に接続するための部位である。接続部16は、可撓性を有するコードで構成される。接続部16の先端には、光源装置100に接続するためのコネクタ16A及びプロセッサ装置200に接続するためのコネクタ16Bが備えられる。
【0048】
光源装置100は、光源を備え、その光源の光を照明光として内視鏡10に供給する。内視鏡10に供給された照明光は、ライトガイド(不図示)を介して、先端の照明窓22から出射される。光源の光には、たとえば、白色光が用いられる。
【0049】
プロセッサ装置200は、内視鏡10から出力される撮像信号を取り込み、所定の信号処理を施して、内視鏡10による観察画像(内視鏡画像)を生成する処理を行う。また、プロセッサ装置200は、システム全体を統括制御する。プロセッサ装置200は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータで構成される。プロセッサ装置200は、CPUが所定のプログラムを実行することにより、内視鏡画像を生成する機能及びシステム全体を統括制御する機能等が実現される。ROMには、CPUが実行する各種プログラム、及び、制御及び処理等に必要なデータ等が記憶される。RAMは、CPUに作業用のメモリ空間を提供する。
【0050】
画像処理装置300は、プロセッサ装置200から出力される内視鏡画像を取得し、ディスプレイ400に表示させる処理を行う。また、画像処理装置300は、ディスプレイ400を介して、術者による処置具500を用いた所定の処置を支援する処理を行う。具体的には、組織採取を行う際に、術者がターゲット(病変等)を採取しやすいように、ディスプレイ400に所定の情報を表示する。この点については、後述する。画像処理装置300は、たとえば、CPU、ROM及びRAM等を備えたコンピュータで構成される。画像処理装置300は、CPUが、所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置として機能する。ROMには、CPUが実行する各種プログラム、及び、各種処理及び制御に必要なデータ等が記憶される。RAMは、CPUに作業用のメモリ空間を提供する。
【0051】
図4は、画像処理装置が実現する一機能のブロック図である。
【0052】
同図に示すように、画像処理装置300は、画像取得部300A、注目領域検出部300B、判定部300C、表示画像生成部300D及び表示制御部300Eの機能を有する。これらの機能は、CPUが所定のプログラム(画像処理プログラム)を実行することにより実現される。
【0053】
画像取得部300Aは、プロセッサ装置200から内視鏡画像を取得する。なお、内視鏡画像は、動画像である。画像取得部300Aは、動画像を構成する各フレームの画像を順次取得する。
【0054】
注目領域検出部300Bは、画像取得部300Aで取得された各フレームの画像から注目領域を検出する。ここでの「注目領域」とは、処置の対象となる領域をいう。組織採取の場合は、ターゲットである病変部となる。注目領域検出部300Bは、たとえば、画像認識により、内視鏡画像内から注目領域を検出する。画像認識は、たとえば、機械学習(たとえば、深層学習等)により生成した画像認識モデルを用いて行うことができる。この他、公知の手法を用いて行うことができる。
【0055】
なお、注目領域は、画像内での位置が特定されて検出される。位置は、たとえば、内視鏡画像内に存在する注目領域の中心又は重心の画素位置の情報として取得される。
【0056】
判定部300Cは、注目領域が検出された場合に、処置具500で処置しやすい位置に注目領域が位置しているか否かを内視鏡画像から判定する。処置具500で処置しやすい位置とは、処置具500が到達可能な位置である。したがって、判定部300Cは、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを画像から判定する。判定は、次のように行われる。
【0057】
図5は、鉗子口から処置具を突出させた場合の表示画像(ディスプレイに表示される画像)の一例を示す図である。
【0058】
同図に示すように、表示画像410は、所定のアスペクト比を有する矩形の画像で構成される。内視鏡画像412は、表示画像410内に設定された所定の表示領域414に表示される。同図に示す例では、円の上下が切り欠かれた領域が、内視鏡画像412の表示領域414として設定されている。
【0059】
鉗子口26から処置具500を突出させると、内視鏡画像412に処置具500が映り込む。鉗子口26と観察窓20との位置関係は固定であるため、処置具500が映り込む位置は常に一定である。また、その突出方向(図5中矢印で示す方向)も一定である。したがって、内視鏡画像内で処置具500が到達可能な範囲は事前に求めることができる。この範囲は、たとえば、図5に示すように、所定の基準点Pを中心とする半径rの円416で定めることができる。一般に処置具500は、鉗子口26から突出させると、その先端が内視鏡画像412の中心ないし中心の近傍に位置する。したがって、内視鏡画像412の中心を基準点Pに設定して、処置具500が到達可能な範囲を定めることができる。
【0060】
判定部300Cは、注目領域が、内視鏡画像412の中心(基準点P)を中心とした半径rの円416の範囲内に存在するか否かを判定して、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する。換言すると、内視鏡画像412の中心(基準点P)から注目領域までの距離がr以下(第1閾値以下)であるか否かを判定して、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する。rは第1閾値の一例である。注目領域が、内視鏡画像412の中心(基準点P)を中心とした半径rの円416の範囲内に存在する場合(内視鏡画像412の中心(基準点P)から注目領域までの距離がr以下の場合)、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定する。一方、注目領域が、内視鏡画像412の中心(基準点P)を中心とした半径rの円416の範囲内に存在しない場合(内視鏡画像412の中心(基準点P)から注目領域までの距離がrを超える場合)、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定する。
【0061】
表示画像生成部300Dは、画像取得部300Aで取得した内視鏡画像からディスプレイ400に表示するための表示画像を生成する。表示画像生成部300Dは、判定部300Cの判定結果に基づいて、表示画像を生成する。すなわち、判定部300Cにおいて、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定されると、表示画像を変更し、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在することを術者に報知する。具体的には、内視鏡画像412の表示領域414の表示を変更する。
【0062】
図6及び図7は、表示画像の一例を示す図である。図6は、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在しない場合の例を示している。図7は、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在する場合の例を示している。
【0063】
処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在しない場合、図6に示すように、内視鏡画像412の表示領域414には、内視鏡画像412のみが表示される。なお、図6において、破線で示すクロス(X)のマーク418は、注目領域の位置を示している。図6に示す例では、注目領域の位置(マーク418の位置)が、円416の範囲外にあるため、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定される。なお、図6では、説明の都合上、処置具500が到達可能な範囲を示す円416及び注目領域の位置を示すマーク418を表示しているが、これらは実際の表示画像410には表示されないものである。
【0064】
一方、処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在する場合、図7に示すように、内視鏡画像412の表示領域414には、内視鏡画像412に重ねて注目領域の位置を示すクロス(X)のマーク420が表示される。なお、図7では、説明の都合上、処置具500が到達可能な範囲を示す円416を表示しているが、この円416は実際の表示画像410には表示されないものである。
【0065】
処置具500が到達可能な位置に注目領域が存在する場合にのみ、注目領域の位置を示すマーク420を表示することで、処置のタイミングを適切に術者に報知できる。マーク420は、注目領域を示す図形の一例である。
【0066】
表示制御部300Eは、表示画像生成部300Dで生成された表示画像をディスプレイ400に表示させる。
【0067】
ディスプレイ400は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(有機EL:Organic ElectroLuminescent,OEL)等で構成される。
【0068】
[動作]
ここでは、生検鉗子を用いて組織採取を行う場合を例に説明する。
【0069】
生検鉗子(処置具)500は、図2に示すように、挿入部510及び操作部512を有する。挿入部510は、可撓性を有し、先端に先端爪部514を有する。操作部512は、ハンドル512A及びスライダ512Bを有し、スライダ512Bを前後にスライドさせることにより、先端爪部514が開閉する。組織採取は、先端爪部514でターゲット(病変等)をつかみ採取する。
【0070】
図8は、画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順(画像処理方法)を示すフローチャートである。
【0071】
まず、プロセッサ装置200から内視鏡画像を取得する(ステップS1)。内視鏡画像は、フレーム単位で順次取得される。
【0072】
次いで、取得した内視鏡画像から注目領域を検出する(ステップS2)。ここでの注目領域は、組織採取の対象となる病変部である。
【0073】
次いで、注目領域の検出結果に基づいて、注目領域が検出されたか否かを判定する(ステップS3)。
【0074】
注目領域が検出されなかったと判定すると、通常の表示画像を生成する(ステップS4)。そして、生成した表示画像をディスプレイ400に表示する(ステップS7)。ここで、通常の表示画像とは、内視鏡画像中に注目領域の位置を示すマークが表示されていない画像(マークの表示がオフの画像)である(図6参照)。
【0075】
一方、注目領域が検出されたと判定すると、更に、生検鉗子500が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する(ステップS5)。
【0076】
生検鉗子500が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定すると、注目領域が検出されなかった場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS4)、生成した表示画像をディスプレイ400に表示する(ステップS7)。
【0077】
一方、生検鉗子500が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定すると、注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像を生成する(ステップS6)。そして、生成した表示画像をディスプレイ400に表示する(ステップS7)。注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像は、図7に示すように、内視鏡画像412に注目領域の位置を示すマーク420が重ねて表示された画像(マークの表示がオンの画像)である。
【0078】
この後、内視鏡10による撮影が終了したか否かを判定する(ステップS8)。そして、撮影の終了により、表示の処理を終了する。撮影の終了は、たとえば、次のフレームの画像の入力の有無により判定する。撮影が終了していない場合は、ステップS1に戻り、上記の一連の処理を実施する。
【0079】
このように、本実施の形態の内視鏡システム1によれば、生検鉗子500が到達可能な位置に注目領域が位置すると、表示画像中に注目領域の位置を示すマークが表示される。これにより、組織採取の際に、ターゲットである病変を適切なタイミングで術者に報知でき、術者による処置を適切に支援できる。
【0080】
[変形例]
[報知の変形例]
上記実施の形態では、注目領域の位置を示すマークを内視鏡画像に重ねて表示することで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置したことを報知する構成としているが、報知の手法は、これに限定されるものではない。以下に報知の手法の変形例を説明する。
【0081】
(1)報知の手法の第1の変形例
図9は、表示画像の第1の変形例を示す図である。同図(A)に示す表示画像410Aは、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置していない場合の表示画像である。同図(B)に示す表示画像410Bは、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合の表示画像である。
【0082】
図9(A)及び(B)に示すように、本例の場合、内視鏡画像412A、412Bから注目領域が検出されると、その位置を示すマーク420A、420Bが内視鏡画像412A、412Bに重ねて表示される。
【0083】
しかしながら、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とで、マーク420A、420Bの表示形態が異なる。
【0084】
図9(A)に示すように、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置していない場合、マーク420Aは細線で表示される。一方、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合、図9(B)に示すように、マーク420Bは太線で表示される。すなわち、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とで、強調度合いが変えられてマーク420A、420Bが表示される。処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合はマーク420Bの強調度合いが強められ、逆に処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置していない場合はマーク420Aの強調度合いが弱められる。
【0085】
このように、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とでマークの表示形態を変えることで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知することもできる。
【0086】
なお、本例では、マークの線の太さを変えることで、マークの表示形態を切り替える構成としているが、マークの表示形態の切り替え手法は、これに限定されるものではない。マークの色、形、明るさ及び線種の少なくとも1つを変更して、マークの表示形態を切り替えることができる。この場合、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合により強調度合いが強まるように、マークの表示形態を切り替えることが好ましい。
【0087】
この他、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置した場合にマークを点滅させることで、報知する構成とすることもできる。
【0088】
また、注目領域の位置を示すマークの形状については、クロス(X)に限らず、種々の形状を採用できる。また、注目領域を示す図形として、注目領域を囲う図形(たとえば、矩形の枠等)を表示する構成とすることもできる。
【0089】
(2)報知の手法の第2の変形例
上記実施の形態では、表示画像に設定された内視鏡画像の表示領域の表示を変更して報知する構成としている。内視鏡画像の表示領域以外の表示を変更して報知する構成とすることもできる。
【0090】
図10は、表示画像の第2の変形例を示す図である。同図において、破線で示すクロス(X)のマーク418は、注目領域の位置を示している。このマーク418は、説明の便宜上に表示しているものであり、実際の表示画像には表示されない。
【0091】
図10(A)に示す表示画像410Aは、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置していない場合の表示画像である。図10(B)に示す表示画像410Bは、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合の表示画像である。
【0092】
図10(B)に示すように、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置している場合、内視鏡画像412Bの表示領域外の領域にメッセージ422が表示される。本例では、メッセージ422として、「Push!」の文字を表示している。一方、処置具500が到達可能な位置に注目領域が位置していない場合、図10(A)に示すように、当該メッセージは表示されない。
【0093】
このように、所定のメッセージ422を表示することで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知することもできる。
【0094】
なお、本例では、内視鏡画像の表示領域以外の領域にメッセージを表示する構成としているが、メッセージの表示位置は、これに限定されるものではない。内視鏡画像の表示領域内に表示する構成とすることもできる。
【0095】
また、本例では、文字からなるメッセージを表示することで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知する構成としているが、アイコン等を表示して、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知する構成とすることもできる。メッセージ、アイコンは、情報の一例である。
【0096】
(3)報知の手法の第3の変形例
処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合に音声を出力して報知する構成とすることもできる。この場合、スピーカが別途備えられ、当該スピーカから所定の音声を出力して、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知する。
【0097】
なお、音声による報知は、ディスプレイ400への表示による報知と併用することもできる。
【0098】
[処置具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かの判定の変形例]
基準点Pは、処置具が突出する位置、処置具の種類、及び、処置の内容等を考慮して、処置しやすい位置に設定する。同様に、閾値rも処置具の種類、処置の内容等を考慮して設定する。
【0099】
また、処置具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する方法は、上記実施の形態で説明した手法に限定されるものではない。たとえば、注目領域までの距離を計測し、計測した距離が閾値以下か否かを判定して、処置具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定してもよい。注目領域までの距離は、たとえば、公知の画像計測の手法を用いて、内視鏡画像から計測する。
【0100】
また、内視鏡画像内に設定した基準点に基づいて判定する場合、閾値r(第1閾値)は、処置具の種類及び処置の種類等に変わらず一定とすることもできるが、処置具の種類及び処置の種類等に応じて個別に設定することもできる。たとえば、処置具の種類及び処置の種類等に変わらず一定とする場合は、内視鏡画像の幅の1/10を閾値として設定できる。また、処置具の種類に応じて閾値を変える場合は、たとえば、次のように設定することができる。たとえば、鉗子を用いた処置を行う場合は、内視鏡画像の幅の1/10を閾値として設定する。また、局注針を用いた処置(局注)を行う場合は、内視鏡画像の幅の1/20を閾値として設定する。局注は、病変の根本というピンポイントで行うため、より狭い範囲となるように閾値を設定する。また、スネアを用いた処置を行う場合は、内視鏡画像の幅の1/2を閾値として設定する。スネアは大きく広げて病変を捕捉できるため、より広い範囲となるように閾値を設定する。
【0101】
また、内視鏡及び/又は処置具の操作状況も加味して、報知の要否を判定する構成とすることもできる。たとえば、スネアを用いた処置を行う場合、スネアの開き具体の情報を加味して、報知の要否を判定することができる。すなわち、注目領域を採取可能なサイズでスネアが開かれているか否かを判定して、報知の要否を判定する。この場合、スネアの開き具体は、たとえば、画像から検出する構成とすることができる。この他、たとえば、穿刺針を用いた処置を行う場合であって、穿刺針の突出角度を調整可能な場合、その突出角度の情報を加味して、報知の要否を判定することができる。
【0102】
[第2の実施の形態]
ここでは、本開示を超音波内視鏡システムに適用した場合の例について説明する。
【0103】
[システム構成]
図11は、本開示が適用された超音波内視鏡システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0104】
同図に示すように、本実施の形態の超音波内視鏡システム1000は、超音波内視鏡1010、光源装置1100、内視鏡用プロセッサ装置1200、超音波用プロセッサ装置1500、画像処理装置1300及びディスプレイ1400を備える。
【0105】
図12は、超音波内視鏡の一例を示す図である。
【0106】
同図に示す超音波内視鏡1010は、コンベックス型の超音波内視鏡であり、主として、挿入部1012、操作部1014及び接続部1016で構成される。
【0107】
挿入部1012は、先端側から順に先端部1012A、湾曲操作が可能な湾曲部1012B、可撓性を有する軟性部1012Cで構成される。
【0108】
図13は、超音波内視鏡の挿入部の先端の構成の一例を示す斜視図である。
【0109】
同図に示すように、先端部1012Aには、処置具突出部1020、内視鏡観察部1030及び超音波探触子1040が備えられる。
【0110】
処置具突出部1020には、処置具が突出する処置具突出口1022、及び、処置具の突出方向を調整する起立台1024等が備えられる。起立台1024は、操作部1014に備えられた起立レバー1056の操作に応じて搖動し、処置具の突出角度を変更する。
【0111】
内視鏡観察部1030には、観察窓1032、照明窓1034及びノズル1036等が備えらえる。観察窓1032の内側には、撮像部が備えられる。撮像部は、撮像光学系及びイメージセンサを含んで構成される。
【0112】
超音波探触子1040は、その内部に超音波を送受信する複数の圧電素子、及び、音響レンズ等を有する。
【0113】
図12に示すように、操作部1014には、各種操作部材が備えられる。たとえば、湾曲部1012Bを湾曲操作するためのアングルノブ1050、吸引操作を行うための吸引ボタン1052、送気送水操作を行うための送気送水ボタン1054、及び、起立台1024を起立操作するための起立レバー1056等が備えられる。
【0114】
また、図12に示すように、操作部1014には、処置具を挿入するための処置具挿入口1060が備えられる。処置具挿入口1060から挿入された処置具は、挿入部1012内に備えられた処置具チャンネル(不図示)を通って先端の処置具突出口1022から突出する。
【0115】
接続部1016は、超音波内視鏡1010を光源装置1100、内視鏡用プロセッサ装置1200及び超音波用プロセッサ装置1500に接続するための部位である。接続部1016は、可撓性を有するコードで構成される。接続部1016の先端には、光源装置1100に接続するためのコネクタ1016A、内視鏡用プロセッサ装置1200に接続するためのコネクタ1016B及び超音波用プロセッサ装置1500に接続するためのコネクタ1016Cが備えられる。
【0116】
光源装置1100は、光源を備え、その光源の光を照明光として超音波内視鏡1010に供給する。超音波内視鏡1010に供給された照明光は、ライトガイド(不図示)を介して、先端の照明窓1034から出射される。光源の光には、たとえば、白色光が用いられる。
【0117】
内視鏡用プロセッサ装置1200は、超音波内視鏡1010の撮像部から出力される撮像信号を取り込み、所定の信号処理を施して、内視鏡観察部1030による観察画像(内視鏡画像)を生成する。また、内視鏡用プロセッサ装置1200は、システム全体を統括制御する。内視鏡用プロセッサ装置1200は、たとえば、CPU、ROM及びRAM等を備えたコンピュータで構成される。内視鏡用プロセッサ装置1200は、CPUが所定のプログラムを実行することにより、内視鏡画像を生成する機能及びシステム全体を統括制御する機能等が実現される。ROMには、CPUが実行する各種プログラム、及び、制御及び処理等に必要なデータ等が記憶される。RAMは、CPUに作業用のメモリ空間を提供する。
【0118】
超音波用プロセッサ装置1500は、超音波内視鏡1010の超音波探触子1040を介して得られる超音波による撮像信号を取り込み、所定の信号処理を施して、超音波による観察画像(超音波画像)を生成する。超音波用プロセッサ装置1500は、たとえば、CPU、ROM及びRAM等を備えたコンピュータで構成される。超音波用プロセッサ装置1500は、CPUが所定のプログラムを実行することにより、超音波画像を生成する機能等が実現される。ROMには、CPUが実行する各種プログラム、及び、制御及び処理等に必要なデータ等が記憶される。RAMは、CPUに作業用のメモリ空間を提供する。
【0119】
画像処理装置1300は、内視鏡用プロセッサ装置1200から出力される内視鏡画像及び超音波用プロセッサ装置1500から出力される超音波画像を取得し、ディスプレイ1400に表示させる処理を行う。また、画像処理装置1300は、ディスプレイ1400を介して、術者による処置具を用いた所定の処置を支援する処理を行う。画像処理装置1300は、たとえば、CPU、ROM及びRAM等を備えたコンピュータで構成される。画像処理装置1300は、CPUが、所定のプログラムを実行することにより、画像処理装置として機能する。ROMには、CPUが実行する各種プログラム、及び、各種処理及び制御に必要なデータ等が記憶される。RAMは、CPUに作業用のメモリ空間を提供する。
【0120】
画像処理装置1300が行う処置の支援に関して、内視鏡画像に基づく処置の支援は、上記第1の実施の形態と同じである。ここでは、超音波画像に基づく処置の支援について説明する。
【0121】
図14は、本実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図である。
【0122】
同図に示すように、画像処理装置1300は、画像取得部1300A、注目領域検出部1300B、判定部1300C、表示画像生成部1300D及び表示制御部1300Eの機能を有する。これらの機能は、CPUが所定のプログラム(画像処理プログラム)を実行することにより実現される。
【0123】
画像取得部1300Aは、超音波用プロセッサ装置1500から超音波画像を取得する。なお、超音波画像は、動画像である。画像取得部1300Aは、動画像を構成する各フレームの画像を順次取得する。
【0124】
注目領域検出部1300Bは、画像取得部1300Aで取得された各フレームの画像から注目領域を検出する。ここでの「注目領域」とは、処置の対象となる領域をいう。組織採取の場合は、ターゲットである病変部となる。注目領域検出部1300Bは、たとえば、画像認識により、内視鏡画像内から注目領域を検出する。画像認識は、たとえば、機械学習(たとえば、深層学習等)により生成した画像認識モデルを用いて行うことができる。この他、公知の手法を用いて行うことができる。
【0125】
なお、注目領域は、画像内での位置が特定されて検出される。位置は、たとえば、内視鏡画像内に存在する注目領域の中心又は重心の画素位置の情報として取得される。
【0126】
判定部1300Cは、注目領域が検出された場合に、処置具が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する。判定は、次のように行われる。
【0127】
図15は、処置具突出口から処置具を突出させた場合の表示画像(ディスプレイに表示される画像)の一例を示す図である。同図は、超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic Ultrasound-Fine Needle Aspiration,EUS-FNA)によって組織採取を行う場合の例を示している。
【0128】
同図に示すように、ディスプレイ1400への表示画像1410は、所定のアスペクト比を有する矩形の画像で構成される。超音波画像1412は、表示画像1410内に設定された所定の表示領域1414に表示される。同図に示す例では、扇状領域が超音波画像1412の表示領域1414として設定されている。
【0129】
処置具突出口1022から処置具(穿刺針)1600を突出させると、超音波画像1412に処置具1600が映り込む。処置具突出口1022と超音波探触子1040との位置関係は固定であるため、処置具1600が映り込む位置は常に一定である。また、その突出方向も一定である。図15において、破線で示す直線Lは、処置具突出口1022から突出する処置具1600の突出方向に沿って延びる延長線である。処置具突出口1022から処置具1600を突出させた場合、処置具1600は、超音波画像1412内において、直線Lに沿って進退移動する。判定部1300Cは、この直線Lから注目領域までの距離Dが、閾値以下(第2閾値以下)であるか否かを判定して、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する。直線Lから注目領域までの距離Dは、注目領域から直線Lに向けて延ばした垂線の距離として計測される。距離Dが、閾値以下の場合、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定する。一方、距離Dが、閾値を超える場合、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定する。
【0130】
表示画像生成部1300Dは、画像取得部1300Aで取得した超音波画像からディスプレイ1400に表示するための表示画像を生成する。表示画像生成部1300Dは、判定部1300Cの判定結果に基づいて、表示画像を生成する。すなわち、判定部1300Cにおいて、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定されると、表示画像を変更し、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在することを術者に報知する。具体的には、超音波画像1412の表示領域1414の表示を変更する。
【0131】
図16及び図17は、表示画像の一例を示す図である。図16は、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在しない場合の例を示している。図17は、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合の例を示している。
【0132】
処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在しない場合、図16に示すように、超音波画像1412の表示領域1414には、超音波画像1412のみが表示される。なお、図16において、破線で示すクロス(X)のマーク1418は、注目領域の位置を示している。図16では、説明の都合上、処置具1600の突出方向に沿って延びる直線L(処置具の延長線)及び注目領域の位置を示すマーク1418を表示しているが、これらは実際の表示画像1410には表示されないものである。
【0133】
一方、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合、図17に示すように、超音波画像1412の表示領域1414には、超音波画像1412に重ねて注目領域の位置を示すクロス(X)のマーク1420が表示される。なお、図17では、説明の都合上、処置具1600の突出方向に沿って延びる直線L(処置具の延長線)を表示しているが、この直線Lは実際の表示画像1410には表示されないものである。
【0134】
処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合にのみ、注目領域の位置を示すマーク1420を表示することで、処置のタイミングを適切に術者に報知できる。
【0135】
表示制御部1300Eは、表示画像生成部1300Dで生成された表示画像をディスプレイ400に表示させる。
【0136】
[動作]
ここでは、超音波内視鏡下穿刺吸引法によって組織採取を行う場合を例に説明する。超音波内視鏡下穿刺吸引法による組織採取では、処置具として穿刺針1600が使用される。穿刺針1600は、超音波内視鏡1010の操作部1014に備えられた処置具挿入口1060から挿入される。処置具挿入口1060から挿入された穿刺針1600は、挿入部1012の先端に備えられた処置具突出口1022から突出する。突出させた穿刺針1600でターゲットを刺して組織を採取する。
【0137】
図18は、画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャートである。
【0138】
まず、超音波用プロセッサ装置1500から超音波画像を取得する(ステップS11)。次いで、取得した超音波画像から注目領域を検出する(ステップS12)。ここでの注目領域は、組織採取の対象となる病変部である。次いで、注目領域の検出結果に基づいて、注目領域が検出されたか否かを判定する(ステップS13)。注目領域が検出されなかったと判定すると、通常の表示画像を生成する(ステップS14)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS17)。ここで、通常の表示画像とは、超音波画像中に注目領域の位置を示すマークが表示されていない画像(マークの表示がオフの画像)である(図16参照)。一方、注目領域が検出されたと判定すると、更に、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する(ステップS15)。穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定すると、注目領域が検出されなかった場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS14)、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS17)。一方、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定すると、注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像を生成する(ステップS16)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS17)。注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像は、図17に示すように、超音波画像1412に注目領域の位置を示すマーク1420が重ねて表示された画像(マークの表示がオンの画像)である。この後、超音波内視鏡1010による超音波撮影が終了したか否かを判定する(ステップS18)。そして、撮影の終了により、表示の処理を終了する。撮影の終了は、たとえば、次のフレームの画像の入力の有無により判定する。撮影が終了していない場合は、ステップS11に戻り、上記の一連の処理を実施する。
【0139】
このように、本実施の形態の超音波内視鏡システム1000によれば、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が位置すると、表示画像中に注目領域の位置を示すマークが表示される。これにより、組織採取の際に、ターゲットを適切なタイミングで術者に報知でき、術者を適切に支援できる。
【0140】
[変形例]
[報知の変形例]
上記実施の形態では、注目領域の位置を示すマークを内視鏡画像に重ねて表示することで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置したことを報知する構成としているが、報知の手法は、これに限定されるものではない。以下に報知の手法の変形例を説明する。
【0141】
(1)報知の手法の第1の変形例
図19は、表示画像の第1の変形例を示す図である。同図は、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合の表示画像を示している。
【0142】
同図に示すように、本例では、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が位置すると、注目領域の位置を示すマーク1420、及び、処置具1600の突出方向を示すガイド線GLが、超音波画像1412に重ねて表示される。ガイド線GLは、処置具1600の突出方向を示す情報であり、処置具1600を処置具突出口1022から突出させた場合、このガイド線GLに沿って処置具1600が移動する。ガイド線GLは、処置具突出口1022から突出する処置具1600の延長線と一致する。
【0143】
このように、ガイド線GLを表示することで、処置具1600の突出方向が明確にでき、より良好な支援が実現できる。
【0144】
なお、本例では、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合にマーク1420及びガイド線GLを表示する構成としているが、ガイド線GLのみを表示させる構成とすることもできる。
【0145】
また、注目領域の位置を示すマーク1420は、常に表示しておき、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、ガイド線GLを表示する構成とすることもできる。この場合、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とでマーク1420の表示形態を変更するようにしてもよい。たとえば、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、マーク1420の色、形、明るさ、線種等を切り替えて、強調度合いを変更するようにしてもよい。すなわち、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置した場合に、マーク1420の強調度合いを強めるようにする。
【0146】
また、ガイド線GLは、常に表示しておき、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、マーク1420を表示する構成とすることもできる。この場合も、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とでガイド線GLの表示形態を変更するようにしてもよい。たとえば、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、ガイド線GLの色、明るさ、線種等を切り替えて、強調度合いを変更するようにしてもよい。すなわち、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置した場合に、ガイド線GLの強調度合いを強めるようにする。
【0147】
更に、マーク1420及びガイド線GLを常に表示しておき、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、マーク1420及びガイド線GLの表示形態を変更するようにしてもよい。
【0148】
また、ガイド線GLについては、注目領域の検出の有無に関わらず常に表示させる構成とすることもできる。
【0149】
なお、注目領域の位置を示すマーク1420の形状については、クロス(X)に限らず、種々の形状を採用できる。
【0150】
(2)報知の手法の第2の変形例
上記実施の形態では、超音波画像の表示領域の表示を変更して報知する構成としている。超音波画像の表示領域以外の表示を変更して報知する構成とすることもできる。
【0151】
図20は、表示画像の第2の変形例を示す図である。
【0152】
同図に示すように、本例では、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合、超音波画像1412の表示領域1414外の領域にメッセージ1422が表示される。本例では、メッセージ1422として、「Push!」の文字を表示している。
【0153】
このように、所定のメッセージ1422を表示することで、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知することもできる。
【0154】
なお、本例では、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合、メッセージ1422のみ表示する構成としているが、同時に注目領域の位置を示すマーク及び/又は突出方向を示すガイド線を表示する構成とすることもできる。また、マーク及び/又はガイド線については、常に表示させる構成とすることもできる。また、マーク及び/又はガイド線を常に表示させる場合は、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合と位置していない場合とで、その表示形態を切り替える構成とすることもできる。
【0155】
また、本例では、超音波画像の表示領域以外の領域にメッセージを表示する構成としているが、メッセージの表示位置は、これに限定されるものではない。超音波画像の表示領域内に表示する構成とすることもできる。
【0156】
また、メッセージに代えて、アイコン等を表示する構成とすることもできる。
【0157】
(3)報知の手法の第3の変形例
処置具が到達可能な位置に注目領域が位置している場合に音声を出力して報知する構成とすることもできる。この場合、スピーカが別途備えられ、当該スピーカから所定の音声を出力して、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置していることを報知する。なお、音声による報知は、ディスプレイ400への表示による報知と併用することもできる。
【0158】
[閾値(第2閾値)について]
処置具が到達可能な位置に注目領域が位置しているか否かを判定する際の閾値(第2閾値)については、処置具の種類及び処置の種類等に変わらず一定とすることもできるが、処置具の種類及び処置の種類等に応じて個別に設定することもできる。
【0159】
[第3の実施の形態]
上記第1及び第2の実施の形態では、処置具が到達可能な位置に注目領域が位置すると、注目領域の位置を示すマーク等を表示して、術者に報知する構成としている。本実施の形態では、更に、注目領域と処置具との間に障害物が存在するか否かを判定し、障害物が存在しない場合に報知する構成とする。以下、この処理を超音波内視鏡システムで実施する場合について説明する。
【0160】
図21は、本実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図である。
【0161】
同図に示すように、本実施の形態の画像処理装置1300は、上記第2の実施の形態の画像処理装置に対し、更に障害物検出部1300Fの機能を有する。
【0162】
障害物検出部1300Fは、画像取得部1300Aで取得された超音波画像から障害物を検出する。ここでの「障害物」とは、処置具突出口1022が処置具1600を突出させた際に障害となる物である。たとえば、大きな血管等が該当する。障害物検出部1300Fは、たとえば、画像認識により、超音波画像内から障害物を検出する。画像認識は、たとえば、機械学習(たとえば、深層学習等)により生成した画像認識モデルを用いて行うことができる。この他、公知の手法を用いて行うことができる。
【0163】
なお、障害物は、画像内での位置が特定されて検出される。位置は、たとえば、超音波画像内に存在する障害物の中心又は重心の画素位置の情報として取得される。
【0164】
判定部1300Cは、注目領域検出部1300B及び障害物検出部1300Fの検出結果に基づいて、報知の要否を判定する。具体的には、注目領域と処置具の先端との間に障害物が存在せず、かつ、処置具が到達可能な位置に注目領域が存在する場合に報知すると判定し、それ以外は報知しないと判定する。したがって、処置具が到達可能な位置に注目領域が存在する場合であっても、処置具の先端と注目領域との間に障害物が存在する場合は、報知しないと判定される。
【0165】
図22及び図23は、表示画像の一例を示す図である。図22において、破線で示すクロス(X)のマーク1418は、注目領域の位置を示している。また、図22及び図23において、符号1424は、障害物(ここでは、動脈)を示している。図22は、注目領域と処置具1600との間に障害物が存在する場合の一例を示している。また、図23は、注目領域と処置具1600との間に障害物が存在せず、かつ、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合の一例を示している。
【0166】
図22に示すように、注目領域と処置具1600との間に障害物1424が存在する場合、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合であっても、超音波画像1412の表示領域1414には、超音波画像1412のみが表示される。なお、図22では、説明の都合上、処置具1600の突出方向に沿って延びる直線、および、注目領域を示すマーク1418を表示しているが、この直線およびマーク1418は実際の表示画像には表示されないものである。
【0167】
一方、図23に示すように、注目領域と処置具1600との間に障害物1424が存在せず、かつ、処置具1600が到達可能な位置に注目領域が存在する場合は、ガイド線GL及び注目領域の位置を示すマーク1420が、超音波画像1412に重ねて表示される。
【0168】
図24は、画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャートである。
【0169】
まず、超音波用プロセッサ装置1500から超音波画像を取得する(ステップS21)。次いで、取得した超音波画像から注目領域を検出する(ステップS22)。また、取得した超音波画像から障害物を検出する(ステップS23)。障害物は、たとえば、動脈である。次いで、注目領域の検出結果に基づいて、注目領域が検出されたか否かを判定する(ステップS24)。注目領域が検出されなかったと判定すると、通常の表示画像を生成する(ステップS25)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS29)。一方、注目領域が検出されたと判定すると、更に、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する(ステップS26)。穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定すると、注目領域が検出されなかった場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS25)、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS29)。一方、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定すると、障害物の有無を判定する(ステップS27)。すなわち、穿刺針1600の先端と注目領域との間に障害物が存在するか否かを判定する。障害物が存在すると判定すると、注目領域が検出されなかった場合および穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定された場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS25)、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS29)。一方、障害物が存在しないと判定すると、注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像を生成する(ステップS28)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS29)。この後、超音波内視鏡1010による超音波撮影が終了したか否かを判定する(ステップS30)。そして、撮影の終了により、表示の処理を終了する。
【0170】
このように、本実施の形態の超音波内視鏡システム1000によれば、真に処置可能な場合にのみ報知される。これにより、より適切に術者を支援できる。
【0171】
なお、本実施の形態では、報知する際、ガイド線GL及びマーク1420を表示する構成としているが、報知の形態は、これに限定されるものではない。たとえば、ガイド線GL及びマーク1420の一方を表示する構成とすることもできる。また、ガイド線GLは常に表示させておき、マーク1420を表示して報知する構成とすることもできる。逆に、注目領域の位置を示すマーク1420を常に表示させておき、ガイド線GLを表示して報知する構成とすることもできる。この他、音声による報知、表示領域以外の領域での情報表示等を組み合わせて報知することができる。
【0172】
また、本実施の形態では、超音波内視鏡での処理について説明したが、通常の内視鏡においても同様に障害物の有無を判定し、障害物が存在しない場合についてのみ報知の処理を行う構成とすることができる。
【0173】
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、画像(内視鏡画像及び超音波画像)から処置具がスタンバイ状態であるか否かを判定し、スタンバイ状態である場合にのみ報知の処理を行う。スタンバイ状態とは、処置動作が可能な状態をいう。以下、超音波内視鏡システムで本処理を実現する場合を例に説明する。
【0174】
図25は、本実施の形態の画像処理装置が実現する一機能のブロック図である。
【0175】
同図に示すように、本実施の形態の画像処理装置1300は、上記第3の実施の形態の画像処理装置に対し、更に処置具検出部1300Gの機能を有する。
【0176】
処置具検出部1300Gは、画像取得部1300Aで取得された超音波画像から処置具(たとえば、穿刺針)を検出する。処置具検出部1300Gは、たとえば、画像認識により、超音波画像内から処置具を検出する。画像認識は、たとえば、機械学習(たとえば、深層学習等)により生成した画像認識モデルを用いて行うことができる。この他、公知の手法を用いて行うことができる。
【0177】
判定部1300Cは、処置具検出部1300Gの検出結果に基づいて、報知の処理の要否を判定する。具体的には、処置具1600が検出されている場合に報知の処理が必要と判定する。
【0178】
図26は、画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順を示すフローチャートである。
【0179】
まず、超音波用プロセッサ装置1500から超音波画像を取得する(ステップS41)。次いで、取得した超音波画像から処置具を検出する(ステップS42)。次いで、処置具の検出結果に基づいて、処置具が検出されたか否かを判定する(ステップS42)。すなわち、画像内に処置具が映り込んでいるか否かを判定する。処置具が検出されなかったと判定すると、通常の表示画像を生成する(ステップS44)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS51)。一方、処置具が検出されたと判定すると、取得した超音波画像から注目領域を検出する(ステップS45)。また、取得した超音波画像から障害物(たとえば、動脈)を検出する(ステップS46)。次いで、注目領域の検出結果に基づいて、注目領域が検出されたか否かを判定する(ステップS47)。注目領域が検出されなかったと判定すると、通常の表示画像を生成する(ステップS44)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS51)。一方、注目領域が検出されたと判定すると、更に、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在するか否かを判定する(ステップS48)。穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定すると、注目領域が検出されなかった場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS44)、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS51)。一方、穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在すると判定すると、障害物の有無を判定する(ステップS49)。障害物が存在すると判定すると、注目領域が検出されなかった場合および穿刺針1600が到達可能な位置に注目領域が存在しないと判定された場合と同様に、通常の表示画像を生成し(ステップS44)、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS51)。一方、障害物が存在しないと判定すると、注目領域の位置を示すマークを表示した表示画像を生成する(ステップS50)。そして、生成した表示画像をディスプレイ1400に表示する(ステップS51)。この後、超音波内視鏡1010による超音波撮影が終了したか否かを判定する(ステップS52)。そして、撮影の終了により、表示の処理を終了する。
【0180】
このように、本実施の形態の超音波内視鏡システム1000によれば、スタンバイ状態の場合にのみ報知の処理が行われる。これにより、より適切に術者を支援できる。
【0181】
なお、本実施の形態では、超音波内視鏡システムで実施する場合を例に説明したが、通常の内視鏡システムにおいても同様に処置具のスタンバイ状態を検出し、スタンバイ状態である場合にのみ報知の処理を行う構成とすることができる。
【0182】
[その他の実施の形態]
[適用可能な処置]
上記実施の形態では、組織採取を行う場合を例に説明したが、本開示の適用は、これに限定されるものではない。内視鏡(超音波内視鏡を含む)の先端から各種器具を突出させて行う処置に適用できる。たとえば、上記実施の形態の組織採取の他、超音波内視鏡下の胆道ドレナージにおけるガイドワイヤの挿入等の処置にも適用できる。
【0183】
[注目領域]
注目領域は、病変部に限定されず、特定の臓器であってもよい。たとえば、注目領域となる病変部は、通常の内視鏡の場合、大腸ポリープ、胃がん、食道がん、バレット食道、潰瘍性大腸炎などが例示される。また、超音波内視鏡の場合、膵臓がんなどが例示される。注目領域となる臓器は、超音波内視鏡の場合、超音波内視鏡下胆道ドレナージにおける総胆管などが例示される。
【0184】
[画像処理装置のハードウェア構成について]
画像処理装置の諸機能は、各種のプロセッサ(processor)で実現できる。各種のプロセッサには、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU、FPGA(Field Programable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programable Logic Device,PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0185】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。たとえば、1つの処理部は、複数のFPGA、又は、CPU及びFPGAの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip,SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0186】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0187】
また、画像処理装置の機能は、内視鏡システムを構成するプロセッサ装置、超音波内視鏡システムを構成する超音波用プロセッサ装置に搭載することもできる。
【0188】
[照明光について]
照明光は、白色光、あるいは、1又は複数の特定の波長帯域の光、あるいは、これらの組み合わせなど観察目的に応じた各種波長帯域の光が選択される。「特定の波長帯域」は、白色の波長帯域よりも狭い帯域である。特定の波長帯域に関する具体例を以下に示す。
【0189】
特定の波長帯域の第1例は、たとえば、可視域の青色帯域又は緑色帯域である。この第1例の波長帯域は、390nm以上450nm以下の波長帯域又は530nm以上550nm以下の波長帯域を含み、かつ、第1例の光は、390nm以上450nm以下の波長帯域内又は530nm以上550nm以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0190】
特定の波長帯域の第2例は、たとえば、可視域の赤色帯域である。この第2例の波長帯域は、585nm以上615nm以下の波長帯域又は610nm以上730nm以下の波長帯域を含み、かつ、第2例の光は、585nm以上615nmの波長帯域内以下又は610nm以上730nm以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0191】
特定の波長帯域の第3例は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域を含み、かつ、第3例の光は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域にピーク波長を有する。この第3例の波長帯域は、400±10nmの波長帯域、440±10nmの波長帯域、470±10nmの波長帯域、又は600nm以上750nm以下の波長帯域を含み、かつ、第3例の光は、上記400±10nm、440±10nm、470±10nm、又は600nm以上750nm以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0192】
特定の波長帯域の第4例は、生体内の蛍光物質が発する蛍光の観察(蛍光観察)に用いられ、かつ、この蛍光物質を励起させる励起光の波長帯域、たとえば、390nmから470nmである。
【0193】
特定の波長帯域の第5例は、赤外光の波長帯域である。この第5例の波長帯域は、790nm以上820nm以下の波長帯域又は905nm以上970nm以下の波長帯域を含み、かつ、第5例の光は、790nm以上820nm以下の波長帯域内又は905nm以上970nm以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0194】
[照明光の切り替えについて]
光源の種類は、レーザ光源、キセノン光源、若しくは、LED(Light-Emitting Diode)光源、又は、これらの適宜の組み合わせを採用できる。光源の種類、波長、フィルタの有無等は被写体の種類、観察の目的等に応じて構成することが好ましく、また、観察の際は、被写体の種類、観察の目的等に応じて照明光の波長を組み合わせ、及び/又は、切り替えることが好ましい。波長を切り替える場合、たとえば、光源の前方に配置され、特定波長の光を透過又は遮光するフィルタが設けられた円板状のフィルタ(ロータリカラーフィルタ)を回転させることにより、照射する光の波長を切り替えてもよい。
【0195】
[撮像部について]
内視鏡の撮像部に備えられるイメージセンサは、各画素に対しカラーフィルタが配設されたカラーイメージセンサに限定されるものではなく、モノクロイメージセンサでもよい。モノクロイメージセンサを用いる場合、照明光の波長を順次切り替えて面順次(色順次)で撮像することができる。たとえば、出射する照明光の波長を、紫色、青色、緑色、及び赤色の間で順次切り替えてもよいし、白色光を照射してロータリカラーフィルタ(赤色、緑色、青色等)により出射する照明光の波長を切り替えてもよい。また、1又は複数の狭帯域光を照射してロータリカラーフィルタにより出射する照明光の波長を切り替えてもよい。狭帯域光は、波長の異なる2波長以上の赤外光でもよい。
【0196】
[特殊光画像の生成例]
プロセッサ装置は、白色光を用いて撮像して得られた画像(いわゆる通常光画像)に基づいて、特定の波長帯域の情報を有する画像(いわゆる特殊光画像)を生成してもよい。プロセッサ装置は、たとえば、通常光画像に含まれる赤(Red,R)、緑(Green,G)及び青(Blue,B)、又は、シアン(Cyan,C)、マゼンタ(Magenta,M)及びイエロー(Yellow,Y)の色情報に基づく演算を行うことで、特定の波長帯域の信号を取得できる。
【0197】
[コンピュータに画像処理装置の機能を実現させるプログラムについて]
上記の実施形態で説明した画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるプログラムを光ディスク、磁気ディスク、若しくは、半導体メモリその他の有体物たる非一時的な情報記憶媒体であるコンピュータ可読媒体に記録し、この情報記憶媒体を通じてプログラムを提供することが可能である。またこのような有体物たる非一時的な情報記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの電気通信回線を利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
【0198】
また、上記の実施形態で説明した画像処理装置の機能の一部又は全部をアプリケーションサーバとして提供し、電気通信回線を通じて処理機能を提供するサービスを行うことも可能である。
【0199】
[実施形態及び変形例等の組み合わせについて]
上記実施形態で説明した構成要素、及び変形例で説明した構成要素は、適宜組み合わせて用いることができ、また、一部の構成要素を置き換えることもできる。
【符号の説明】
【0200】
1 内視鏡システム
10 内視鏡
12 内視鏡の挿入部
12A 挿入部の先端部
12B 挿入部の湾曲部
12C 挿入部の軟性部
14 内視鏡の操作部
16 内視鏡の接続部
16A 接続部のコネクタ
16B 接続部のコネクタ
20 観察窓
22 照明窓
24 ノズル
26 鉗子
0 アングルノブ
32 送気送水ボタン
34 吸引ボタン
36 シャッタボタン
38 鉗子挿入口
40 鉗子チャンネル
100 光源装置
200 プロセッサ装置
300 画像処理装置
300A 画像取得部
300B 注目領域検出部
300C 判定部
300D 表示画像生成部
300E 表示制御部
400 ディスプレイ
410 表示画像
410A 表示画像
410B 表示画像
412 内視鏡画像
412A 内視鏡画像
412B 内視鏡画像
414 内視鏡画像の表示領域
416 処置具が到達可能な範囲を示す円
418 注目領域の位置を示すマーク
420 注目領域の位置を示すマーク
420A 注目領域の位置を示すマーク
420B 注目領域の位置を示すマーク
422 メッセージ
500 処置具(生検鉗子等)
510 処置具の挿入部
512 処置具の操作部
514 処置具の先端爪部
512A 操作部のハンドル
512B 操作部のスライダ
1000 超音波内視鏡システム
1010 超音波内視鏡
1012 超音波内視鏡の挿入部
1012A 挿入部の先端部
1012B 挿入部の湾曲部
1012C 挿入部の軟性部
1014 超音波内視鏡の操作部
1016 超音波内視鏡の接続部
1016A 接続部のコネクタ
1016B 接続部のコネクタ
1016C 接続部のコネクタ
1020 処置具突出部
1022 処置具突出口
1024 起立台
1030 内視鏡観察部
1032 観察窓
1034 照明窓
1036 ノズル
1040 超音波探触子
1050 アングルノブ
1052 吸引ボタン
1054 送気送水ボタン
1056 起立レバー
1060 処置具挿入口
1100 光源装置
1200 内視鏡用プロセッサ装置
1300 画像処理装置
1300A 画像取得部
1300B 注目領域検出部
1300C 判定部
1300D 表示画像生成部
1300E 表示制御部
1300F 障害物検出部
1300G 処置具検出部
1400 ディスプレイ
1410 表示画像
1412 超音波画像
1412B 超音波画像
1414 超音波画像の表示領域
1418 注目領域の位置を示すマーク
1420 注目領域の位置を示すマーク
1422 メッセージ
1424 障害物(動脈等)
1500 超音波用プロセッサ装置
1600 処置具(穿刺針等)
GL ガイド線
P 基準点
S1~S8 画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順
S11~S18 画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順
S21~S30 画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順
S41~S52 画像処理装置によるディスプレイへの内視鏡画像の表示の処理の手順
図1
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