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  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図1
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図2A
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図2B
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図3
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図4
  • 特許-解析装置、解析方法、及びプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】解析装置、解析方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/89 20200101AFI20241218BHJP
   G01N 17/00 20060101ALN20241218BHJP
【FI】
G01S17/89
G01N17/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023525263
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021021085
(87)【国際公開番号】W WO2022254636
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】涌井 一清
(72)【発明者】
【氏名】松本 安弘
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-070334(JP,A)
【文献】特開2015-036487(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112648017(CN,A)
【文献】山本悟外1名,“車載式トンネル3Dスキャニングシステムの開発”,西松建設技報[online],2018年,Volume 41,Number 11,6 Pages,<URL: https://nishimatsu.co.jp/solution/report/pdf/vol41/g041_11.pdf >
【文献】金井仁志 (KANAI, Hitoshi),“トンネル計測点群評価機能の開発”(“Development of Inspection System for Tunnel Point Cloud”),UNISYS TECHNOLOGY REVIEW,2020年03月,Volume 39, Number 4 (Issue 143),Pages 23-34
【文献】“製品情報:C-TUNNEL”,InternetArchive [online],2021年02月25日,<URL:http://web.archive.org/web/20210225213553/https://www.forum8.co.jp/product/shokai/c-tunnel.htm >
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - G01S 7/51
G01S 17/00 - G01S 17/95
G01N 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造評価対象物の点群データを生成する解析装置であって、
レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力する3D点群データ入力部と、
前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去する第1解析部と、
前記第1解析部によって前記構造評価対象物以外の点群データが除去された後の、前記構造評価対象領域の点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出する第2解析部と、
を備え、
前記第1解析部は、前記点群データの断面線形から、前記構造評価対象領域の内部に設置された付属物で隠れている構造評価対象物の断面線形を推定して、前記構造評価対象領域の点群データから、該推定した断面線形を前記構造評価対象物の進行方向に伸長した領域の内部の点群データを除去する、解析装置。
【請求項2】
前記構造評価対象物は、作業者が立ち入り検査を行うトンネル内部構造であり、前記構造評価対象領域は、前記トンネル内部構造の構造評価対象領域である、請求項に記載の解析装置。
【請求項3】
前記第2解析部は、FEM解析の構造評価で必要な箇所を特定し、点群データを抽出する、請求項1又は2に記載の解析装置。
【請求項4】
前記第2解析部は、前記構造評価対象物の2D内部断面を、床版方向に2分割した2D内部断面を前記構造評価対象物の進行方向に伸長することで、3Dの抽出する点群データ領域を特定し、前記点群データ領域に含まれる点群データを抽出する、請求項に記載の解析装置。
【請求項5】
構造評価対象物の点群データを生成する解析装置における解析方法であって、
前記解析装置により、
レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力する入力ステップと、
前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去する除去ステップと、
前記除去ステップによって前記構造評価対象物以外の点群データが除去された後の、前記構造評価対象領域の点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出するステップと、
を含み、
前記除去ステップは、前記点群データの断面線形から、前記構造評価対象領域の内部に設置された付属物で隠れている構造評価対象物の断面線形を推定して、前記構造評価対象領域の点群データから、該推定した断面線形を前記構造評価対象物の進行方向に伸長した領域の内部の点群データを除去するステップを実行する解析方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の解析装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点群データの精度を向上させる解析装置、解析方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、とう道(通信ケーブルなどの専用管路トンネルのうち、特に敷設・撤去・保守作業用に人が立ち入れる管径のものをいう)内部の劣化の予測には、3次元座標値を有する点群データが活用される。点群データとは、X、Y、Zの基本的位置情報、色などの情報を有するコンピュータで扱う点の集合のデータをいう。従来、点群データの位置座標の取得では、下記の3種の手法などが行われている。
【0003】
第1の手法は、レーザースキャナが、取得したデータを、色付き点群データとして出力し、該点群データをSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)により自動的に位置補正する手法である。点群データは,レーザースキャナから照射されたレーザー光が物体にあたり反射された情報を読み取ることにより取得される。例えば、非特許文献1には、効率的な3次元点群データを活用したコンクリート構造物の点検手法が記載されており、非特許文献2には、コンパクト且つ高精度のレーザースキャナのカタログ仕様が記載されている。
【0004】
第2の手法は、ステレオカメラを用いて撮影した画像からSFM(Structure from Motion)技術を利用して位置座標を生成する手法である。高密度な点群データを生成するために、SFM技術の一概念である「MVS(Multi-View Stereo)多眼ステレオ」技術を使用してもよい。
【0005】
第3の手法は、とう道の平面図及び内部構造図を組み合わせることにより、とう道内部の絶対位置座標を取得する手法である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】亀岡 誠、外5名、「点群データを活用したコンクリート構造物の点検」、令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会、VI-270
【文献】FARO Focus Laser Scanner カタログ、[online]、[2021年5月10日検索]、インターネット<URL:https://www.faro.com/ja-JP/Resource-Library/Tech-Sheet/techsheet-faro-focus-laser-scanner>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、とう道の構造評価により劣化予測を行うためには、とう道内部の点群データの位置情報の誤差を軽微にして、FEM(Finite Element Method)解析などを実施する必要がある。例えば、変位そのものの許容量はトンネル直径の1/500などであり、直径が3mであると6mm程度の許容量が必要となる。すでに土圧がかかっており、残された許容変位も数mmなので、mm単位の変位計測が必要であるが、点群スキャナでは最高精度でも直径の変位は±2mm精度にとどまる。
【0008】
更に、とう道の平面図、縦断図、内部構造図の相互の位置情報には不一致な箇所があり、また、とう道の平面図、縦断図、内部構造図には現地構造と一致しない箇所があるため、とう道の平面図及び内部構造図の組み合わせによる図面位置情報を用いて構造評価することが困難となる。
【0009】
一方、高精度なレーザースキャナで取得した点群データの位置情報の精度は高い(最高精度±1.0mm)が、据え置いて測定するものが大半であるため、とう道のような広範囲かつ長区間の測定には時間がかかり、測定費用が高額になる。
【0010】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、構造物の内部画像及び点群データの解析において、構造評価のための点群データの精度を向上させる技術を確立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る解析装置は、構造評価対象物の点群データを生成する解析装置であって、レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力する3D点群データ入力部と、前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去する第1解析部と、前記第1解析部により除去された点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出する第2解析部と、を備える。
【0012】
上記課題を解決するため、一実施形態に係る解析方法は、構造評価対象物の点群データを生成する解析装置における解析方法であって、前記解析装置により、レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力する入力ステップと、前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去する除去ステップと、前記除去ステップにより除去された点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出するステップと、を含む。
【0013】
上記課題を解決するため、一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、上記解析装置として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、構造評価のための点群データの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る解析装置の構成例を示すブロック図である。
図2A】構造評価対象物以外の除去する点群データ領域を特定する概略図である。
図2B】構造評価対象物以外の除去する点群データ面を特定するための基準を示す概略図である。
図3】構造解析に必要な箇所の点群データの抽出方法を説明する概略図である。
図4】一実施形態に係る解析装置が実行する解析方法の一例を示すフローチャートである。
図5】解析装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態に係る解析装置を、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0017】
図1に示すように、一実施形態に係る解析装置1は、構造評価必要性判断部11と、3D点群データ入力部12と、第1解析部13と、第2解析部14と、を備える。解析装置1は、構造評価対象物の点群データを生成する。
【0018】
構造評価必要性判断部11は、構造物の断面線形のデータに基づいて、構造物が構造評価が必要な構造評価対象領域であるか否かを判断する。構造評価対象領域とは、立坑~トンネルの接続部、建物~トンネルの接続部など、経年的な振動により応力がかかる箇所である。例えば、構造評価必要性判断部11は、構造物の平面図・縦断図・内部構造図のいずれかに記載されている断面線形のデータを用いて、形状が他の箇所と比べて変化している箇所を構造評価対象領域とみなして選定する。構造評価必要性判断部11は、判断結果を3D点群データ入力部12へ出力する。構造評価必要性判断部11は、作業者が構造評価をするための位置を見て回ることにより、手動による構造評価の要否の判断を行ってもよいし、また、トンネルの図面上の場所を認識できるデータを読み込ませることにより、自動的に構造評価の要否の判断を行う機能部としてハードウェアで実現してもよい。本実施形態では構造評価対象領域をトンネル内部構造として以下に説明するが、構造評価対象領域はこれに限られるものではない。
【0019】
3D点群データ入力部12は、構造評価必要性判断部11が構造物を、構造評価対象領域と判断した場合には、レーザースキャナ15により計測された構造対象領域の点群データ(3D点群データ)を入力し、該点群データを第1解析部13へ出力する。
【0020】
第1解析部13は、3D点群データから構造評価対象物以外の点群データを除去すると共に、該構造評価対象物以外の点群データを除去した点群データを第2解析部へ出力する。以下に、図2A及び図2Bを参照しながら、劣化予測対象物以外の点群データを除去する方法を詳細に説明する。
【0021】
第1解析部13は、構造評価対象物以外の点群データを除去するにあたり、構造評価対象物以外の付属物を特定し、該付属物の点群データを除去する。構造評価対象領域がトンネル内部構造である場合、付属物とは、トンネル内部に設置された金物、ケーブルなどである。
【0022】
例えば、第1解析部13は、構造物の2D内部断面と点群データ面間の法線の長さが一定の長さ以上である点群データ面を特定し、該特定した点群データ面を構造物の進行方向に伸長した領域を除去する。この処理を図2を参照して説明する。図2では、構造評価対象領域をトンネル内部構造として以下に説明するが、劣化予測対象はこれに限られるものではない。
【0023】
図2Aは、構造評価対象物以外の除去する点群データ領域を特定する概略図である。図2A中、実線はトンネルの2D内部断面21及び内部断面21をトンネル進行方向に伸長した領域21′を、破線はレーザースキャナーから生成された2Dの点群データ面22及び点群データ面22をトンネル進行方向に伸長した領域22′を、一点鎖線は2Dの除去する点群データ面23及び除去する点群データ面23をトンネル進行方向に伸長した除去する点群データ領域23′を、黒丸及び三角形は付属物(黒丸はケーブル、三角形は金物)を示す。
【0024】
図2Bは、構造評価対象物以外の除去する点群データ面を特定するための基準を示す概略図である。具体的には、第1解析部13は、図2Bに示すように、トンネルの2D内部断面において、点群データ面22から直角に、トンネルの2D内部断面21へ伸ばした法線Lの長さが一定の長さ以上であるか否かを判断する。該法線Lの長さが一定の長さ以上である場合、第1解析部13は、該トンネルの2D内部断面21及び該点群データ面22が大きく乖離していると判断し、図2Aに示すように、該トンネルの2D内部断面21において、除去する点群データ面23を特定し、該点群データ面23をトンネル進行方向に伸長し、3Dの除去する点群データ領域23′を特定する。
【0025】
また、第1解析部13は、3D点群データの断面線形から、構造評価対象領域の内部に設置された付属物(図2Bに示すケーブル・金物20など)で隠れている構造評価対象物の断面線形を推定して、該推定した断面線形を構造物の進行方向に伸長した領域を除去してもよい。
【0026】
第2解析部14は、第1解析部13により除去された点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出する機能部である。
【0027】
第2解析部14は、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出するにあたり、FEM解析などの構造評価で必要な箇所を特定する。以下に、具体的な抽出方法を記載する。
【0028】
図3は、トンネルの2D内部断面の形状が四角形である場合の、構造解析に必要な箇所の点群データの抽出方法を説明する概略図である。図中、以下の説明を円滑に行うために、四角形のトンネルの2D内部断面上に、隅角部24、上床版支点25、上床版中央26、側壁上支点29、側壁上中央30、側壁下支点31、下床版支点27及び下床版中央28という位置が特定されている。
【0029】
具体的な3Dの抽出する点群データ面を特定する方法は次のとおりである。最初に、トンネル内部画像上のトンネル2D内部断面の任意3点を結ぶ角度が90度となる3点のうちの中央点を、トンネル2D内部断面の頂点と、特定する。次に、第2解析部14は、上記の4頂点を、レーザースキャナで取得した点群データ上にプロットし、4頂点に囲まれるトンネル2D内部断面を床版方向に2分割し、斜線で表したエリア32(床版方向に2分割した2D内部断面)に含まれる点群データを抽出する。エリア32に含まれる点群データに限定する理由は、FEM解析などをする際の入力するデータ範囲が床方向の半分になるためである。次に、該点群データをトンネル進行方向に伸長することにより、3Dの抽出する点群データ領域を特定し、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出する。すなわち、第2解析部14は、図3に示すように、四角形のトンネル(構造物)の2D内部断面を、上床版中央26及び下床版中央28を結ぶ線で、床版方向に2分割した2D内部断面をトンネル(構造物)の進行方向に伸長することで、3Dの抽出する点群データ領域を特定し、該領域に含まれる点群データを抽出する。
【0030】
図4は、第1の実施形態に係る解析装置1が実行する解析方法の一例を示すフローチャートである。
【0031】
ステップS101では、構造評価必要性判断部11が、トンネル(構造物)が、構造評価が必要な構造評価対象領域に該当するか否かを判定する。
【0032】
構造評価必要性判断部11が、トンネルが構造評価対象領域に該当すると判断した場合には、解析装置1は、S102~S105のステップを実行する。
【0033】
ステップS102では、3D点群データ入力部が、レーザースキャナ15により計測された構造対象領域の点群データ(3D点群データ)を入力する。
【0034】
ステップS103では、第1解析部13が、該3D点群データから構造評価対象物以外の点群データを除去する。
【0035】
ステップS104では、第2解析部14が、構造評価に必要な箇所の点群データの抽出を行う。
【0036】
一方、図4に示すように、ステップS101において、構造評価必要性判断部11が、トンネルが構造評価対象領域に該当しないと判断した場合には、解析装置1は、S105~S107のステップを実行する。
【0037】
ステップS105では、内部画像入力部16が、カメラにより撮影したトンネル内部の画像を入力する。
【0038】
ステップS106では、3D点群データ生成部17が、撮影ルート上の各内部画像により、内部構造の3D点群データを生成する。
【0039】
ステップS107では、不良データ抽出部18が、生成された3D点群データから、不良位置のデータを抽出する。不良データとは、トンネルの形状が大きく曲がっているなど、他の箇所と比べて変化している箇所の位置データを指す。
【0040】
解析装置1によれば、構造評価のための点群データの精度を向上させることができる。
【0041】
上記の解析装置1における構造評価必要性判断部11、3D点群データ入力部12、第1解析部13及び第2解析部14は、制御部(コントローラ)の一部を構成する。該制御演算回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。
【0042】
また、上記の解析装置1を機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。図5は、解析装置1として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。ここで、コンピュータ100は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0043】
図5に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ110と、記憶部としてROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、及びストレージ140と、入力部150と、出力部160と、通信インターフェース(I/F)170と、を備える。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。
【0044】
ROM120は、各種プログラム及び各種データを保存する。RAM130は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ140は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを保存する。本開示では、ROM120又はストレージ140に、本開示に係るプログラムが保存されている。
【0045】
プロセッサ110は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)などであり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサ110は、ROM120又はストレージ140からプログラムを読み出し、RAM130を作業領域としてプログラムを実行することで、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。
【0046】
プログラムは、コンピュータ100が読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータ100にインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0047】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0048】
(付記項1)
構造評価対象物の点群データを生成する解析装置であって、レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力し、前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去し、前記第1解析部により除去された点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出する制御部
を備える解析装置。
(付記項2)
前記制御部は、
構造物の2D内部断面と点群データ面間の法線の長さが一定の長さ以上である点群データ面を特定し、該特定した点群データ面を構造物の進行方向に伸長した領域を除去する、付記項1に記載の解析装置。
(付記項3)
前記制御部は、
前記点群データの断面線形から、前記構造評価対象領域の内部に設置された付属物で隠れている構造評価対象物の断面線形を推定して、該推定した断面線形を構造物の進行方向に伸長した領域を除去する、付記項1に記載の解析装置
(付記項4)
前記制御部は、
FEM解析などの構造評価で必要な箇所を特定し、点群データを抽出する、付記項1から3のいずれか一項に記載の解析装置。
(付記項5)
前記制御部は、
構造物の2D内部断面を、床版方向に2分割した2D内部断面を構造物の進行方向に伸長することで、3Dの抽出する点群データ領域を特定し、前記領域に含まれる点群データを抽出する、付記項4に記載の解析装置。
(付記項6)
構造評価対象物の点群データを生成する解析装置における解析方法であって、
前記解析装置により、
レーザースキャナにより計測された構造評価対象領域の点群データを入力する入力ステップと、
前記点群データから、構造評価対象物以外の点群データを除去する除去ステップと、
前記除去ステップにより除去された点群データから、構造評価に必要な箇所の点群データを抽出するステップと、
を含む解析方法。
(付記項7)
コンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、前記コンピュータを付記項1から5のいずれか一項に記載の解析装置として機能させるプログラムを記憶した非一時的記憶媒体。
【0049】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。たとえば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 解析装置
11 構造評価必要性判断部
12 3D点群データ入力部
13 第1解析部
14 第2解析部
15 レーザースキャナ
16 内部画像入力部
17 3D点群データ生成部
18 不良データ抽出部
19 カメラ
100 コンピュータ
110 プロセッサ
120 ROM
130 RAM
140 ストレージ
150 入力部
160 出力部
170 通信インターフェース(I/F)
180 バス
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5