IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人京都大学の特許一覧

特許7606701管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム
<>
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図1
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図2A
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図2B
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図3A
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図3B
  • 特許-管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241219BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q10/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021085913
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022178832
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】奥津 大
(72)【発明者】
【氏名】古川 愛子
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-329440(JP,A)
【文献】特開2003-240671(JP,A)
【文献】特開2017-150193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E02D 29/00-37/00
G01B 11/00-11/30
G01V 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える管路抽出装置であって、前記制御部は、
管路の埋設位置の座標を示す管路位置情報を取得する管路位置情報取得部と、
前記埋設位置の地表面の地震発生前後の変位を示す地表面変位情報を取得する地表面変位情報取得部と、
前記管路を区切って複数の部分管路を規定する管路分割部と、
前記部分管路のそれぞれについて、前記管路位置情報が示す前記埋設位置の座標を基準点とし、前記基準点に対応する前記地表面変位情報が示す前記変位と同じ大きさ及び方向を有する、前記基準点から伸びる変位ベクトルを算出することで、前記部分管路の変位量を推定し、隣接する前記部分管路の前記変位量の差分を相対変位量として算出する管路変位量算出部と、
前記相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分に分解し、前記部分管路のうち、前記第1成分又は前記第2成分の変位量が最大である部分管路を最大相対変位部として決定する要素分解部と、
前記最大相対変位部の前記第1成分又は前記第2成分の前記変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出する管路抽出部と、
を備える管路抽出装置。
【請求項2】
管路の種類を示す管種情報を取得する管種情報取得部をさらに備え、
前記管路抽出部は、前記変位量が、前記管路の種類に対応する基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出する、請求項1に記載の管路抽出装置。
【請求項3】
前記要素分解部は、前記部分管路が曲がっている場合には、直線で近似して前記相対変位量を前記第1成分又は前記第2成分に分解する、請求項1又は2に記載の管路抽出装置。
【請求項4】
管路抽出装置が実行する管路抽出方法であって、
管路の埋設位置の座標を示す管路位置情報を取得するステップと、
前記埋設位置の地表面の地震発生前後の変位を示す地表面変位情報を取得するステップと、
前記管路を区切って複数の部分管路を規定するステップと、
前記部分管路のそれぞれについて、前記管路位置情報が示す前記埋設位置の座標を基準点とし、前記基準点に対応する前記地表面変位情報が示す前記変位と同じ大きさ及び方向を有する、前記基準点から伸びる変位ベクトルを算出することで、前記部分管路の変位量を推定するステップと、
隣接する前記部分管路の前記変位量の差分を相対変位量として算出するステップと、
前記相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分に分解し、前記部分管路のうち、前記第1成分又は前記第2成分の変位量が最大である部分管路を最大相対変位部として決定するステップと、
前記最大相対変位部の前記第1成分又は前記第2成分の前記変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出するステップと、
を含む、管路抽出方法。
【請求項5】
管路の種類を示す管種情報を取得するステップをさらに含み、
前記抽出するステップは、前記変位量が、前記管路の種類に対応する基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出するステップをさらに含む、請求項に記載の管路抽出方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の管路抽出装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地震発生後に、地下に埋設された管路について被害が生じたかどうかを点検する手法として、目視で路面変状が確認されたエリアに属する管路、又はケーブル障害が確認されたエリアの収容局に属する管路に対して、テストピース(マンドレル)を用いた通過試験を実施する方法がある(非特許文献1)。また、被害データ、地表面最大速度(PGV)、管種、亘長、微地形区分等を示す情報を利用して被害の受けやすさをクラス分けし、被害をマクロ的に予測するスクリーニング手法が提案されている(非特許文献2)。また、特許文献1には、管路施設点検飛行体を用いて管路内の撮影画像を取得し、当該画像を目視で点検する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6681173号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】山崎泰司、外3名、「東日本大震災における電気通信土木設備の被害状況に関する考察」、日本地震工学会論文集、Vol12、No.5、pp.55-68、2012年
【文献】庄司学、外4名、「通信埋設管路の地震対策に活用するスクリーニング手法の提案及び地震被害関数の構築」、土木学会論文集A1(構造・地震工学)、地震工学論文集2016年、72巻4号、p. I_523-I_541、2016年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、目視で路面変状を確認する手法では、地表面に軽微なひび割れが発生している箇所が地震により変状したのかを判定することは困難であり、かつ、目視上路面変状が発生していない箇所であっても、被害が発生している箇所が存在していた。また、被害を広く把握するために、被害の発生していない多くのマンホールに入坑しマンドレル等による点検を行う必要があった。被害をマクロ的に予測するスクリーニング手法では、精度に限界があり、管路の損傷個所及び損傷個所数は不明であった。このように、地震発生後の管路の点検手法には改善の余地があった。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、管路の点検手法を改善することが可能な管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明に係る管路抽出装置は、制御部を備える管路抽出装置であって、前記制御部は、管路の埋設位置を示す管路位置情報を取得する管路位置情報取得部と、前記埋設位置の地表面の変位を示す地表面変位情報を取得する地表面変位情報取得部と、前記管路位置情報と前記地表面変位情報とに基づいて、前記管路の変位量を算出する管路変位量算出部と、前記変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出する管路抽出部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係る管路抽出方法は、管路抽出装置が実行する管路抽出方法であって、管路の埋設位置を示す管路位置情報を取得するステップと、前記埋設位置の地表面の変位を示す地表面変位情報を取得するステップと、前記管路位置情報と前記地表面変位情報とに基づいて、前記管路の変位量を算出するステップと、前記変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、前記管路を点検対象管路として抽出するステップと、を含む。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、本発明に係る管路抽出装置として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管路の点検手法を改善することが可能な管路抽出装置、管路抽出方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る管路抽出装置の構成を示すブロック図である。
図2A】部分管路の相対変位量を説明するための図である。
図2B】第1成分と第2成分とに分解された相対変位量を説明するための図である。
図3A】管路の管軸直角方向の耐久試験の一例を説明するための図である。
図3B】耐久試験における管路の発生応力と、入力された地盤変位との関係を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る管路抽出装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
【0013】
<管路抽出装置10の構成>
図1を参照して、本実施形態に係る管路抽出装置10の構成を説明する。管路抽出装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、出力部15とを備える。
【0014】
制御部11は、制御演算回路(コントローラ)により実現される。該制御演算回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の専用のハードウェアによって構成されてもよいし、プロセッサによって構成されてもよいし、双方を含んで構成されてもよい。制御部11は、管路抽出装置10の各部を制御しながら、管路抽出装置10の動作に関わる処理を実行する。制御部11は、外部装置との情報の送受信を、通信部13及びネットワークを介して行うことができる。
【0015】
制御部11は、管路位置情報取得部111と、地表面変位情報取得部112と、管路分割部113と、管路変位量算出部114と、要素分解部115と、管種情報取得部116と、管路抽出部117と、を備える。
【0016】
管路位置情報取得部111は、管路20の埋設位置を示す管路位置情報を取得する。ここで、管路20は例えば通信ケーブルを保護する通信用管路であって、地下に埋設され、マンホール間を結ぶ。管路20は水道用管路、ガス用管路、電力用管路等であってもよい。マンホールとマンホールの間の1スパンが管路20の単位である。
【0017】
管路位置情報とは具体的には、緯度及び経度を含む管路20の座標情報である。対象とする管路20は、ユーザが入力部14を介して指定した地図上の範囲に含まれる管路であってよい。対象とする管路20は複数あってもよい。管路位置情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、管路位置情報取得部111はGNSS(Global Navigation Satellite System)測量により得られた管路位置情報を、外部装置から取得してよい。管路位置情報取得部111は記憶部12から管路位置情報を取得してもよい。管路位置情報取得部111は、管路位置情報を常時取得していてもよい。管路位置情報取得部111は、取得した管路位置情報を記憶部12に格納する。
【0018】
地表面変位情報取得部112は、管路20の埋設位置の地表面の変位を示す地表面変位情報を取得する。地表面変位情報は、地震発生前後の当該地表面の位置の差を、大きさ及び方向を含む3次元変位として計測した結果を示す情報である。地表面変位情報取得部112は、地震発生後に自動的に又はユーザの命令に応答して、地表面変位情報を取得できる。
【0019】
地表面の変位を示す情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、地表面変位情報取得部112は、地表面変位情報としての合成開口レーダ(SAR)画像を、外部装置から取得してよい。これに限られず、地表面変位情報はモービルマッピングシステム、光学レーザー測量、又は道路走行面の形状を調査する装置を用いて作成された情報であってもよい。地表面変位情報は、無人飛行体が空撮した画像を三次元データ化して作成された情報であってもよい。道路走行面の形状を調査する装置については、例えば以下の参考文献1において開示されているため説明を省略する。
[参考文献1]
特許第6154001号公報
【0020】
地表面変位情報取得部112は、取得した地表面変位情報を管路変位量算出部114に出力する。
【0021】
管路分割部113は、管路20を区切って複数の部分管路を規定する。管路分割部113は、N個の部分管路を規定してよい。ここでNは任意の自然数である。Nの値はユーザによって自由に設定できてもよい。管路分割部113は、管路20の全体に亘って部分管路を規定できてもよいし、管路20の一部のみについて部分管路を規定できてもよい。図2Aは、管路分割部113が管路20の全体を区切って部分管路を規定した例を示す。図2Aを参照すると、マンホールM1からマンホールM2までの管路20が、部分管路P1から部分管路Piまでの、Pi個の部分管路として規定されている。管路分割部113は、規定した部分管路を示す情報を管路変位量算出部114に出力する。
【0022】
管路変位量算出部114は、記憶部12を参照して管路位置情報を読み出し、当該管路位置情報と地表面変位情報とに基づいて、管路20の変位量を算出する。具体的には、管路変位量算出部114は、管路位置情報が示す管路20の埋設位置の座標と、地表面変位情報が示す地表面の地震発生前の座標とを対応付けて、管路20の3次元座標上の基準点とする。さらに、地表面変位情報が示す地震発生後に地表面に生じた変位を、当該基準値からの変位となるよう重ね合わせ、当該基準点から伸びる変位ベクトルを生成する。このようにして管路変位量算出部114は管路20の変位量を算出する。
【0023】
本実施形態では、管路変位量算出部114は、管路分割部113が規定した部分管路のそれぞれについて変位量を算出し、隣接する部分管路の変位量の差分を相対変位量として算出する。図2Aを参照すると、管路変位量算出部114が、管路20の端部である一方のマンホールM1から数えて、1番目の部分管路P1から、i番目の部分管路Pまでのそれぞれについて算出した相対変位量が実線矢印で示される。管路変位量算出部114は、i番目の部分管路Pの変位量Uと、部分管路Piに隣接するi-1番目の部分管路Pi-1の変位量Ui-1との差分を相対変位量ΔUとして算出する。式にすると、相対変位量ΔUは以下のように求められる。
ΔU=U-Ui-1
ここで、Uは管路20の端部のマンホールM1における変位量である。
【0024】
例えば、i番目の部分管路Pの変位量Uは、3次元変位情報(x方向の変位x,y方向の変位y,z方向向の変位z)を用いてU=(x,yi,z)と表され、i-1番目の部分管路Piー1の変位量Ui-1は、Ui-1=(xi-1,yi-1,zi-1)と表される。よって、上記式から、相対変位量ΔUはΔUi=(xi-i-1,yi-i-1,zi-i-1)として算出される。図2Aにおける他の部分管路のそれぞれについても同様にして、管路変位量算出部114は、隣接する部分管路の変位量の差分を相対変位量として算出する。管路変位量算出部114は、算出した相対変位量のそれぞれを要素分解部115に出力する。
【0025】
要素分解部115は、相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とに分解し、部分管路のうち、第1成分又は第2成分の変位量が最大である部分管路を最大相対変位部として決定する。図2Bに示すように、要素分解部115は、図2Aにおける部分管路Pi-1の相対変位量ΔUi-1を、管軸方向の第1成分Hi-1と管軸直角方向の第2成分Vi-1とに分解する。図2B中の破線矢印は部分管路Pi-1の変位量を示す。図2Aにおける他の部分管路のそれぞれについても同様にして、要素分解部115は、相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とに分解する。
【0026】
要素分解部115は、部分管路P1から部分管路Pのそれぞれの管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とのうち、成分の大きさ、すなわち変位量が最大である第1成分をHmaxと、第2成分をVmaxとして決定する。そして、当該第1成分Hmax又は第2成分Vmaxを含む相対変位量を有する部分管路を、最大相対変位部として決定する。例えば、図2Aにおける部分管路のうち、部分管路Pi-1の相対変位量ΔUi-1の管軸方向の第1成分Hi-1と管軸直角方向の第2成分Vi-1とが、いずれも最大であるとする。このとき、要素分解部115は、相対変位量ΔUi-1の管軸方向の第1成分Hi-1と第2成分Vi-1とをそれぞれHmax及びVmaxとして決定し、部分管路Pi-1を最大相対変位部として決定する。図2Aにおいて、二重丸で示す部分管路が、最大相対変位部として決定された部分管路である。
【0027】
第1成分Hmaxを含む相対変位量を有する部分管路と、第2成分Vmaxを含む相対変位量を有する部分管路とが異なる場合、要素分解部115は、両方の部分管路を最大相対変位部として決定してもよいし、いずれか一方のみを最大相対変位部として決定してもよい。
【0028】
要素分解部115は、決定した第1成分Hmax及び第2成分Vmaxの変位量を管路抽出部117に出力する。
【0029】
要素分解部115は、管軸方向に関して管路20の分割部分が曲がっている場合に直線で近似して相対変位量を第1成分又は第2成分に分解できてもよい。直線近似は任意の処理方法によって行われてよい。
【0030】
管種情報取得部116は、管路20の種類を示す管種情報を取得する。管路20の種類とは例えば硬質塩化ビニル管等を含む。管種情報はさらに、継手の有無、管路20の周囲の防護コンクリートの有無、管路20の建設年度等を示す情報等を含んでもよい。管種情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、管種情報取得部116は管種情報を記憶部12から取得してもよいし、外部装置から取得してよい。管種情報取得部116は、取得した管種情報を管路抽出部117に出力する。
【0031】
管路抽出部117は、変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。本実施形態では、管路抽出部117は、最大相対変位部の第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が、管路20の種類に対応する基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。
【0032】
基準値は、管路20の耐久可能変位を調査する耐久試験を予め行って得られたデータに基づいて設定されてよい。耐久試験では、管種ごとに、管軸方向及び管軸直角方向のそれぞれに地盤変位を入力した際の応答が解析される。耐久試験は、引張試験、圧縮試験、曲げ試験を含んでよい。耐久試験は、継手部22を有する管路20と有しない管路20とについて別個の解析が行われてよい。また、管路20の管体部21と継手部22とについて別個の解析が行われてもよい。図3Aは、継手部22を有する管路20に対する、管軸直角方向の耐久試験の様子を簡略的に示す。図3Aの黒矢印で示す位置に地盤変位の入力が行われると、白抜き矢印で示す、管体部21の継手部22側の端部に応力が集中して発生する。
【0033】
図3Bは、図3Aの耐久試験における管路20の発生応力(縦軸)と、入力された地盤変位(横軸)との関係を示すグラフである。図3Bの耐久可能応力とは、耐久試験で管路20が破断した時点での発生応力を示し、耐久可能変位とは、管路20が破断した時点での地盤変位を示す。本実施形態では、耐久可能応力、又は耐久可能変位の少なくとも一方を基準値とする。記憶部12は、当該基準値を示す情報を、テーブル形式の基準値情報として格納してよい。基準値情報の一例を以下の表1で示す。表1で示すように、基準値情報は管軸方向と管軸直角方向の二種類を含む。例えば管路Pi-1の管種がAであって、管路Pi-1の第1成分Hmaxの変位量がXmm以上である場合、又は第2成分Vmaxの変位量がYmm以上である場合に、管路抽出部117は、管路Pi-1を点検対象管路として抽出する。
【0034】
【表1】
【0035】
以下の参考文献に示すように、管軸方向と管軸直角方向の両方に地盤変位が入力される場合、耐久可能変位が変化する可能性がある。したがって基準値は上記の表1に限られず、管軸方向と管軸直角方向とを組み合わせて設定されてもよい。
[参考文献2]
若竹雅人、外2名、「通信用鋼管ねじ継手に対する種々の実験による破壊条件に関する検討」、土木学会地震工学論文集第36号、2017年
【0036】
基準値は、管種、継手部22の有無の他、管路20の周囲の防護コンクリートの有無、建設年度等の情報に対応して設定されていてもよい。これにより、管路抽出部117は、管路20に関する情報に応じて、最大相対変位部の変位量を対応する基準値と比較することができる。
【0037】
対象とする管路20が複数ある場合、管路抽出部117は全ての管路20について最大相対変位部の変位量が基準値以上であるかどうかを判断する。
【0038】
管路抽出部117は、抽出した管路20を記憶部12に格納する。
【0039】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含み、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリなどを含んでもよい。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、管路抽出装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部12は、必ずしも管路抽出装置10が内部に備える必要はなく、管路抽出装置10の外部に備える構成としてもよい。
【0040】
通信部13には、少なくとも1つの通信インタフェースが含まれる。通信インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部13は、管路抽出装置10の動作に用いられる情報を受信し、また管路抽出装置10の動作によって得られる情報を送信する。
【0041】
通信部13は、管路抽出装置10がネットワークを介して他の装置と情報の送受信を行うことを可能にする。ネットワークとは、インターネット、少なくとも1つのWAN(Wide Area Network)、少なくとも1つのMAN(Metropolitan Area Network)、又はこれらの組み合わせを含む。ネットワークは、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(Local Area Network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0042】
入力部14には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部14は、管路抽出装置10の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部14は、管路抽出装置10に備えられる代わりに、外部の入力機器として管路抽出装置10に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0043】
出力部15には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。出力部15は、管路抽出装置10の動作によって得られる情報を出力する。出力部15は、管路抽出装置10に備えられる代わりに、外部の出力機器として管路抽出装置10に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。出力部15は、管路抽出部117が抽出した管路20を示す情報を音声又は映像で出力することができる。例えば出力部15は、抽出された管路20を地図上で表示してもよい。
【0044】
<プログラム>
上述した管路抽出装置10として機能させるために、プログラム命令を実行可能なコンピュータを用いることも可能である。ここで、コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)、電子ノートパッドなどであってもよい。プログラム命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコード、コードセグメントなどであってもよい。
【0045】
コンピュータは、プロセッサと、記憶部と、入力部と、出力部と、通信インタフェースとを備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System on a Chip)等であり、同種又は異種の複数のプロセッサにより構成されてもよい。プロセッサは、記憶部からプログラムを読み出して実行することで、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。なお、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェアで実現することとしてもよい。入力部は、ユーザの入力操作を受け付けてユーザの操作に基づく情報を取得する入力インタフェースであり、ポインティングデバイス、キーボード、マウスなどである。出力部は、情報を出力する出力インタフェースであり、ディスプレイ、スピーカなどである。通信インタフェースは、外部の装置と通信するためのインタフェースである。
【0046】
プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。このような記録媒体を用いれば、プログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録された記録媒体は、非一過性(non-transitory)の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどであってもよい。また、このプログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0047】
次に、図2A図2B図3A図3B、及び図4を参照して、本実施形態に係る管路抽出装置10の動作について説明する。管路抽出装置10の動作は、本実施形態に係る管路抽出方法に相当する。図4は、管路抽出装置10の動作の一例を示す。
【0048】
図4のステップS101において、管路抽出装置10の管路位置情報取得部111は、管路20の埋設位置を示す管路位置情報を取得する。管路位置情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、管路位置情報取得部111はGNSS測量により測位された管路位置情報を、外部装置から取得してよい。管路位置情報取得部111は、取得した管路位置情報を記憶部12に格納する。
【0049】
ステップS102において、地表面変位情報取得部112は、管路20の埋設位置の地表面の変位を示す地表面変位情報を取得する。地表面変位情報取得部112は、地震発生後に自動的に又はユーザの命令に応答して、地表面変位情報を取得できる。地表面の変位を示す情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、地表面変位情報取得部112は、地表面変位情報としての合成開口レーダ画像を、外部装置から取得してよい。地表面変位情報取得部112は、取得した地表面変位情報を管路変位量算出部114に出力する。
【0050】
ステップS103において、管路分割部113は、管路20を区切って複数の部分管路を規定する。管路分割部113は、N個の部分管路を規定してよい。管路分割部113は、管路20の全体に亘って部分管路を規定できてもよいし、管路20の一部のみについて部分管路を規定できてもよい。図2Aは、管路分割部113が管路20の全体を区切って部分管路を規定した例を示す。管路分割部113は、規定した部分管路を示す情報を管路変位量算出部114に出力する。
【0051】
ステップS104において、管路変位量算出部114は、記憶部12を参照して管路位置情報を読み出し、管路位置情報と地表面変位情報とに基づいて、管路20の変位量を算出する。本実施形態では、管路変位量算出部114は、部分管路のそれぞれについて変位量を算出し、隣接する部分管路の変位量の差分を相対変位量として算出する。図2Aを参照すると、管路変位量算出部114が、管路20の端部である一方のマンホールM1から数えて、1番目の部分管路P1から、i番目の部分管路Pまでのそれぞれについて算出した相対変位量が実線矢印で示される。管路変位量算出部114は、i番目の部分管路Pの変位量Uと、部分管路Piに隣接するi-1番目の部分管路Pi-1の変位量Ui-1との差分を相対変位量ΔUとして算出する。管路変位量算出部114は、算出した相対変位量のそれぞれを要素分解部115に出力する。
【0052】
ステップS105において、要素分解部115は、相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とに分解し、部分管路のうち、第1成分又は第2成分の変位量が最大である部分管路を最大相対変位部として決定する。図2Bに示すように、要素分解部115は、図2Aにおける部分管路Pi-1の相対変位量ΔUi-1を、管軸方向の第1成分Hi-1と管軸直角方向の第2成分Vi-1とに分解する。図2B中の破線矢印は部分管路Pi-1の変位量を示す。図2Aにおける他の部分管路のそれぞれについても同様にして、要素分解部115は、相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とに分解する。
【0053】
要素分解部115は、部分管路P1から部分管路Piのそれぞれの管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分とのうち、成分の大きさ、すなわち変位量が最大である第1成分をHmaxと、第2成分をVmaxとして決定する。そして、当該第1成分Hmax又は第2成分Vmaxを含む相対変位量を有する部分管路を、最大相対変位部として決定する。要素分解部115は、決定した第1成分Hmax及び第2成分Vmaxの変位量を管路抽出部117に出力する。
【0054】
要素分解部115は、管軸方向に関して管路20の分割部分が曲がっている場合に直線で近似して相対変位量を第1成分又は第2成分に分解できてもよい。直線近似は任意の処理方法によって行われてよい。
【0055】
ステップS106において、管種情報取得部116は、管路20の種類を示す管種情報を取得する。管種情報の取得は任意の手法が採用可能である。例えば、管種情報取得部116は管種情報を記憶部12から取得してもよいし、外部装置から取得してよい。管種情報取得部116は、取得した管種情報を管路抽出部117に出力する。
【0056】
ステップS107において、管路抽出部117は、変位量が基準値以上であるかどうかを判断する。本実施形態では、管路抽出部117は、最大相対変位部の第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が、管路20の種類に対応する基準値以上であるかどうかを判断する。最大相対変位部の第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が、管路20の種類に対応する基準値未満である場合、管路抽出装置10の動作は終了する。第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が、管路20の種類に対応する基準値以上である場合、管路抽出装置10の動作はステップ108に進む。対象とする管路20が複数ある場合、管路抽出部117は、全ての管路20について最大相対変位部の第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が基準値以上であるかどうかを判断する。
【0057】
基準値は、管路20の耐久可能変位を調査する耐久試験を予め行って得られたデータに基づいて設定されてよい。基準値は、管軸方向と管軸直角方向との二種類について、管路20の耐久可能応力、又は耐久可能変位を解析した値である。基準値は管軸方向と管軸直角方向とを組み合わせて設定されてもよい。基準値は、管種、継手部22の有無の他、管路20の周囲の防護コンクリートの有無、建設年度等の情報に対応して設定されていてもよい。
【0058】
ステップS108において、管路抽出部117は、管路20を点検対象管路として抽出する。管路抽出部117は、抽出した管路20を記憶部12に格納する。
【0059】
ステップS107とステップS108とに示すように、管路抽出部117は、変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。本実施形態では、管路抽出部117は、最大相対変位部の第1成分Hmax又は第2成分Vmaxの変位量が、管路20の種類に対応する基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。
【0060】
ステップS109において、出力部15は、記憶部12を参照し、管路抽出部117が抽出した管路20を読み出す。出力部15は、読み出した管路20を示す情報を音声又は映像で出力する。例えば出力部15は、抽出された管路20を地図上で表示してもよい。その後、管路抽出装置10の動作は終了する。
【0061】
上述の通り、本実施形態に係る管路抽出装置10は、制御部11を備える管路抽出装置であって、制御部11は、管路20の埋設位置を示す管路位置情報を取得する管路位置情報取得部111と、埋設位置の地表面の変位を示す地表面変位情報を取得する地表面変位情報取得部112と、管路位置情報と前記地表面変位情報とに基づいて、管路20の変位量を算出する管路変位量算出部114と、変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する管路抽出部117と、を備える。
【0062】
本実施形態によれば、地上もしくは衛星からの測量により取得した正確な管路位置情報と地表面変位情報とに基づいて、点検対象の管路20を絞りこむことができる。すなわち、管路20の全体について、素早く精度よく被害予測を把握することが容易となる。点検対象の管路20を、入坑せずともスクリーニングすることができるため、点検コストを削減することができる。よって、管路の点検手法を改善することができる。
【0063】
上述の通り、本実施形態に係る管路抽出装置10において、管路抽出部117は、変位量が、管路20の種類に対応する基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。
【0064】
本実施形態によれば、管路の種類、継手部22の有無等、管路20に関する情報に応じて管路20の変位量を対応する基準値と比較できるため、より精度よく管路20を点検対象管路として抽出することができる。よって、管路の点検手法を改善することができる。
【0065】
上述の通り、本実施形態に係る管路抽出装置10において、制御部11は、管路分割部113と、要素分解部115とをさらに備え、管路分割部113は、管路20を区切って複数の部分管路を規定し、管路変位量算出部114は、部分管路のそれぞれについて変位量を算出し、隣接する部分管路の変位量の差分を相対変位量として算出し、要素分解部115は、相対変位量を管軸方向の第1成分と管軸直角方向の第2成分に分解し、部分管路のうち、第1成分又は第2成分の変位量が最大である部分管路を最大相対変位部として決定し、管路抽出部117は、最大相対変位部の第1成分又は前第2成分の変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。
【0066】
本実施形態によれば、部分管路ごとの相対変位量を算出し、相対変位量が基準値以上である場合に被害が発生している可能性が高いとして管路20を抽出できる。また、管路20全体が均一に変位している場合には、被害が生じている可能性が低いとして管路20を抽出しないことを決定できる。このように、より精度よく点検対象管路を抽出することができるため、管路の点検手法を改善することができる。
【0067】
上述の通り、本実施形態に係る管路抽出装置10において、要素分解部115は、部分管路が曲がっている場合には、直線で近似して第1成分又は第2成分に分解する。
【0068】
本実施形態によれば、管路20が建物等の付近で迂回して曲がって埋設されている場合に、直線で近似することで、曲がった部分管路ついても正確な第1成分又は第2成分を得ることができる。曲がった部分管路を含む、全ての部分管路について第1成分又は第2成分を得ることができるため、より精度よく最大相対変位部を決定し、点検対象管路を抽出することができる。よって、管路の点検手法を改善することができる。
【0069】
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本発明に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0070】
(変形例1)
本開示の変形例として、制御部11が管路分割部113と要素分解部115とを備えず、管路20全体の変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出してもよい。
【0071】
本変形例では、管路位置情報取得部111は、取得した管路位置情報を管路変位量算出部114に出力する。管路変位量算出部114は、管路位置情報と地表面変位情報とに基づいて、管路20の変位量を算出し、管路抽出部117に出力する。
【0072】
管路抽出部117は、管路20の変位量が基準値以上であるかどうかに基づいて、管路20を点検対象管路として抽出する。
【0073】
本変形例によれば、調査したい管路20の亘長が所定の長さより短い場合に、管路20の部分管路を規定せずに簡易に変位量を算出することができる。よって、管路抽出装置10の計算の負荷を軽減することができ、管路の点検手法を改善することができる。
【0074】
(変形例2)
本開示の変形例として、出力部15は、部分管路のそれぞれの相対変位量を示す情報、及び最大相対変位部として決定された部分管路の位置を示す位置情報を出力できてもよい。
【0075】
これにより、ユーザが部分管路のそれぞれの相対変位量を認識でき、管路20の効率良い点検計画を作成することができる。例えばユーザは、相対変位量の大きい順に部分管路をソートして、点検する計画を作成することができる。よって、管路の点検手法を改善することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 管路抽出装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
20 管路
21 管体部
22 継手部
111 管路位置情報取得部
112 地表面変位情報取得部
113 管路分割部
114 管路変位量算出部
115 要素分解部
116 管種情報取得部
117 管路抽出部
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4