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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20241219BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L27/04 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021061097
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022157074
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】森 浩也
【審査官】石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-312007(JP,A)
【文献】特開2004-335993(JP,A)
【文献】特開2004-266005(JP,A)
【文献】特開2017-092275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0269273(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体領域を有する支持体と、
前記支持体を被覆するパッシベーション膜と、
前記支持体に搭載されたMIMキャパシタと、
前記支持体に搭載されて前記支持体から前記MIMキャパシタを隔てる第1層間樹脂膜と、
を備え、
前記パッシベーション膜は、前記第1層間樹脂膜と前記支持体との間に設けられ、
前記MIMキャパシタは、第1電極、高誘電体層、及び第2電極を含み、
前記高誘電体層は、前記第1電極の上面及び側面を覆い、
前記高誘電体層は、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられる、
半導体装置。
【請求項2】
前記支持体は、第1パッド電極を有し、
当該半導体装置は、前記第1層間樹脂膜の第1開口を介して前記第1電極を前記第1パッド電極に接続する第1配線導電体を備え、
前記第1層間樹脂膜の前記第1開口は、前記第1パッド電極に位置合わせされている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1層間樹脂膜は、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを備える、
請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1層間樹脂膜に搭載された第2層間樹脂膜を更に備え
記第2層間樹脂膜は、主開口を有し、
前記第2層間樹脂膜の前記主開口は、前記MIMキャパシタから前記第1層間樹脂膜への方向に延在して前記高誘電体層において終端し、
前記MIMキャパシタの前記第2電極は、前記第2層間樹脂膜の前記主開口に設けられる、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記支持体は、第2パッド電極を有し、
当該半導体装置は、前記第1層間樹脂膜の第2開口及び前記第2層間樹脂膜の第1開口を介して前記第2電極を前記第2パッド電極に接続する第2配線導電体を更に備える、
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記高誘電体層は、タンタルオキサイド、アルミナ、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ハフニウム、酸窒化ジルコニウム、ハフニウムシリケート、窒素添加ハフニウムシリケートの少なくともいずれか1つを備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体領域を有する基板の上に第1層間樹脂膜を形成する工程と、
前記第1層間樹脂膜を形成した後に、MIMキャパシタの第1電極を含む第1電極膜を基板上に形成する工程と、
前記第1電極膜を形成した後に、前記MIMキャパシタの高誘電体層のための絶縁膜を成膜する工程と、
前記絶縁膜を加工して、前記第1電極の上に前記高誘電体層を形成する工程と、
前記高誘電体層及び前記第1電極の位置に合わせされた主開口を有する第2層間樹脂膜を形成する工程と、
前記第2層間樹脂膜を形成した後に、前記MIMキャパシタの第2電極のための金属膜を成長する工程と、
を備え、
前記MIMキャパシタの前記第2電極は、前記第2層間樹脂膜の前記主開口に位置する、
半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜は、タンタルオキサイド、アルミナ、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ハフニウム、酸窒化ジルコニウム、ハフニウムシリケート、及び窒素添加ハフニウムシリケートの少なくともいずれか1つを含む、
請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1層間樹脂膜は、前記基板を被覆するパッシベーション膜上に形成され、
前記第1層間樹脂膜は、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを備える、
請求項7又は請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁膜は、ALD法で形成される、
請求項7、請求項8、又は請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント回路基板にキャパシタを形成することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-245588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置は、プリント回路基板と異なる大きさ及び構造を有している。半導体装置に集積される半導体集積回路においては、大容量のキャパシタ素子が求められている。しかしながら、半導体集積回路を構成するトランジスタ素子、例えばMOSトランジスタの製造は、多数の工程を経ることに加えて、広い温度範囲のプロセスを使用する。
【0005】
半導体集積回路のためのトランジスタ素子を形成するプロセスにキャパシタ素子を作製する工程を混在させることは、キャパシタ素子のためのプロセス及び構造の複雑さを増加させる。例えば素子の有する層間膜として有機樹脂層を用いるような場合、キャパシタ素子のためのプロセスで高温下での処理を行なうことにより、有機樹脂層に対して望ましくない変質等が生じるおそれがあるため、変質を防止するためには処理温度に課された制約を満たす必要がある。
【0006】
さらに、キャパシタ素子に大容量を提供するためには、キャパシタ素子の誘電体膜を薄くすること、及び/又は誘電体膜に高誘電体を採用することになる。したがって、薄い高誘電体の堆積を適用できるキャパシタ素子構造が求められる。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑み、大容量のキャパシタ素子を含む半導体装置、及び該半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る半導体装置は、半導体領域を有する支持体と、前記支持体を被覆するパッシベーション膜と、前記支持体に搭載されたMIMキャパシタと、前記支持体に搭載されて前記支持体から前記MIMキャパシタを隔てる第1層間樹脂膜と、を備え、前記パッシベーション膜は、前記第1層間樹脂膜と前記支持体との間に設けられ、前記MIMキャパシタは、第1電極、高誘電体層、及び第2電極を含み、前記高誘電体層は、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられる。
【0009】
本発明の第2態様に係る半導体装置の製造方法は、第1層間樹脂膜を、半導体領域を有する基板上に形成する工程と、前記第1層間樹脂膜を形成した後に、MIMキャパシタの第1電極を含む第1電極膜を基板上に形成する工程と、前記第1電極膜を形成した後に、前記MIMキャパシタの高誘電体層のための絶縁膜をALD法で堆積する工程と、前記絶縁膜を加工して、前記第1電極の上に前記高誘電体層を形成する工程と、前記高誘電体層及び前記第1電極の位置に合わせされた主開口を有する第2層間樹脂膜を形成する工程と、前記第2層間樹脂膜を形成した後に、前記MIMキャパシタの第2電極のための金属膜を成長する工程と、を備え、前記MIMキャパシタの前記第2電極は、前記第2層間樹脂膜の前記主開口に位置する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大容量のキャパシタ素子を含む半導体装置、及び該半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図4図4は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す平面図である。
図5図5は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す平面図である。
図6図6は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図7図7は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す平面図である。
図8図8は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図9図9は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す平面図である。
図10図10は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図11図11は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図12図12は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
図13図13は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態を説明する。
【0013】
図1(a)、図1(b)、及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る半導体装置を説明する。図1(a)は、図2のIa-Ia線に沿ってとられた断面を示す。図1(b)は、図2のIb-Ib線に沿ってとられた断面を示す。
【0014】
半導体装置11は、MIMキャパシタ13及び第1層間樹脂膜15、支持体17を備える。MIMキャパシタ13は、支持体17の主面に搭載され、支持体17は半導体領域19を有する。MIMキャパシタ13は、第1電極21、高誘電体層23、及び第2電極25を含む。高誘電体層23は、第1電極21と第2電極25との間に設けられる。第1層間樹脂膜15は、支持体17の主面に沿って延在して、支持体17からMIMキャパシタ13を隔てる。
【0015】
この半導体装置11によれば、MIMキャパシタ13が第1層間樹脂膜15上に設けられる。層間樹脂膜は、製造工程において該層間樹脂膜を形成した後のプロセスにおける処理温度に制約を課す一方で、MIMキャパシタ13に平坦な下地を提供する。平坦な下地の提供によれば、MIMキャパシタ13の高誘電体層23の厚さを薄くすることを可能になる。
【0016】
図1(a)及び図1(b)を参照すると、支持体17は、一又は複数のパッド電極27(例えば、第1パッド電極27a、第2パッド電極27b)を有しており、パッド電極27は、半導体領域19上に設けられることができる。半導体装置11は、更に、パッシベーション膜29を備え、パッシベーション膜29は、支持体17の主面を被覆する一方で、パッド電極27の各々に開口29aを有する。パッシベーション膜29は、第1層間樹脂膜15と支持体17との間に設けられ、本実施例では、第1層間樹脂膜15はパッシベーション膜29に接している。
【0017】
半導体装置11は、更に、第1配線導電体31を備え、第1配線導電体31は、第1層間樹脂膜15の第1開口15a及びパッシベーション膜29の開口29aを介して第1電極21を第1パッド電極27aに接続する。第1層間樹脂膜33の第1開口15a、第2開口15b及び第3開口15cは、パッド電極27上に位置する。第1開口15a、第2開口15b及び第3開口15cは、MIMキャパシタ13から第1層間樹脂膜15への方向に延在して、パッド電極27において終端する。
【0018】
この半導体装置11によれば、パッド電極27(例えば、第1パッド電極27a及び第2パッド電極27bの各々)は、第1層間樹脂膜15と支持体17との間に設けられたパッシベーション膜29の開口29aに位置合わせされている。第1配線導電体31は、MIMキャパシタ13の第1電極21が第1層間樹脂膜15の第1開口15aを介して第1パッド電極27aに接続されることを可能にする。第1配線導電体31は、例えば第1電極21と同レベルの導電層を含む。
【0019】
具体的には、第1電極21は、第1配線導電体31に接続される。第1配線導電体31は、第1層間樹脂膜15上を延在して第1層間樹脂膜33の第1開口15aに到達すると共に、第1開口15aを通過して第1パッド電極27aに接触を成す。
【0020】
高誘電体層23は、第1電極21の上面21aを覆い、また側面21bを覆うことができる。第1電極21の裏面21cは、第1層間樹脂膜15によって支持されており、本実施例では、第1層間樹脂膜15に接している。
【0021】
半導体装置11は、第2層間樹脂膜33を更に備え、第2層間樹脂膜33は、第1層間樹脂膜15に搭載される。第2層間樹脂膜33は、主開口33aを有しており、主開口33aは、MIMキャパシタ13から第1層間樹脂膜15への方向に延在して、高誘電体層23の上面において終端する。また、MIMキャパシタ13の第2電極25は、第2層間樹脂膜33の主開口33aにおいて第1電極21及び第2電極25がキャパシタの主要部を構成するように、高誘電体層23上に設けられる。
【0022】
この半導体装置11によれば、高誘電体層23において終端する主開口33aを第2層間樹脂膜33に与えると、主開口33aが第1層間樹脂膜15に到達しない。また、第2層間樹脂膜33は、第1開口33b及び第2開口33cを有する。第1開口33b及び第2開口33cは、MIMキャパシタ13の第1電極21から第1層間樹脂膜15への方向に延在して、例えば第1配線導電体31といった第1電極21と同レベルの導電層の上面において終端する。この半導体装置11によれば、第1電極21と同レベルの導電層において終端する第1開口33b及び第2開口33cを第2層間樹脂膜33に与えると、第1開口33b及び第2開口33cが第1層間樹脂膜15に到達しない。
【0023】
半導体装置11は、第2配線導電体35を更に備え、第2配線導電体35は、第2層間樹脂膜33上を延在して、主開口33a内の第2電極25に接続される。第2層間樹脂膜33は、MIMキャパシタ13外において、高誘電体層23と第2配線導電体35との間に設けられて、高誘電体層23を第2配線導電体35から離す。第2配線導電体35は、第2層間樹脂膜33上を延在して、第2層間樹脂膜33の第1開口33bに到達する。第2配線導電体35は、第2層間樹脂膜33の第1開口33b及び第1層間樹脂膜15の第2開口15bを介して第2電極25を第2パッド電極27bに接続する。第2層間樹脂膜33の第1開口33bは、例えば第1配線導電体31といった第1電極21と同レベルの導電層の上面上に位置する。
【0024】
半導体装置11によれば、第2パッド電極27bは、第1層間樹脂膜15と支持体17との間に設けられたパッシベーション膜29の開口29aに位置合わせされている。第1層間樹脂膜15の第2開口15bは、第2パッド電極27b上に位置する。第2配線導電体35は、MIMキャパシタ13の第2電極25が第2層間樹脂膜33の第1開口33b及び第1層間樹脂膜15の第2開口15bを介して第2パッド電極27bに接続されることを可能にする。
【0025】
本実施例では、第2配線導電体35は、例えば第1電極21と同レベルの導電層及び第2電極25と同レベルの導電層を含む。第1配線導電体31は、例えば第1電極21と同レベルの導電層を含む。
【0026】
第2電極25は、第2配線導電体35に接続される。第2配線導電体35内の第2電極25と同レベルの導電層は、第2層間樹脂膜33の上面に沿って延在して第2層間樹脂膜33の第1開口33bに到達すると共に、第1開口33bを通過して第2配線導電体35内の第1電極21と同レベルの導電層に接触を成す。この導電層は、第1層間樹脂膜15の上面に沿って延在して第1層間樹脂膜15の第2開口15bに到達すると共に、第2開口15bを通過して第2パッド電極27bに接触を成す。
【0027】
高誘電体層23は、MIMキャパシタ13の周囲において、第1電極21の側面21bから第1層間樹脂膜15の上面に沿って外向きに第1電極21から離れるように延在する。また、高誘電体層23は、第2層間樹脂膜33の第1開口33b及び第2開口33cが、第1層間樹脂膜15上の導電層(第1電極21と同レベルの導電層)に到達できるように、第2層間樹脂膜33の第1開口33b及び第2開口33cから離れている。
【0028】
具体的には、高誘電体層23における複数の開口のうちの一群は、第2電極25をパッド電極27に接続するための経路を提供する第2層間樹脂膜33の開口に位置合わせされている。また、別の一群は、第1層間樹脂膜15上の導電層(第1電極21と同レベルの導電層)に接続されるべき第2配線導電体35(第2電極25と同レベルの導電層)のための経路を提供する第2層間樹脂膜33の開口に位置合わせされている。
【0029】
高誘電体層23は、例えば、タンタルオキサイド、アルミナ、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ハフニウム、酸窒化ジルコニウム、ハフニウムシリケート、窒素添加ハフニウムシリケートの少なくともいずれか1つを備えることができる。半導体装置11によれば、これらの無機膜は、製造工程において層間樹脂膜(例えば、第1層間樹脂膜15)を形成した後のプロセスにおける処理温度に課された制約を満たしながら、成膜されることができる。
【0030】
具体的には、高誘電体層23は、原子層堆積(ALD)法で形成されることができる。半導体装置11によれば、ALD法は、該層間樹脂膜に係る信頼性を提供できる。
【0031】
半導体装置11の一例。
MIMキャパシタ13
第1電極21:チタンシード層及びメッキ銅膜(第1電極21と同レベルの導電層)
第2電極25:チタンシード層及びメッキ銅膜(第2電極25と同レベルの導電層)
チタンシード層:例示的な膜厚の範囲100から300nm。
メッキ銅膜:例示的な膜厚の範囲1000から5000nm。
【0032】
第1電極21及び第2電極25の少なくとも一方は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)といった金属を含むことができる。これらの金属は、例えばスパッタ法、無電解めっき法、電解めっき法といった低温の成膜法によって形成されることができる。これらの成膜法は、製造工程において、層間絶縁膜を形成した後のプロセスにおける処理温度に課される制約を満たす。
【0033】
高誘電体層23:酸化タンタル(例えば、Ta)、膜厚は40nmから80nm。
アルミナ(例えば、Al)、膜厚は40nmから80nm。
支持体17:シリコン半導体基板
第1層間樹脂膜15:例えば、感光性ポリイミド、MIMキャパシタ13直下における例示的な膜厚の範囲2000から5000nm。
第2層間樹脂膜33:例えば、感光性ポリイミド、高誘電体層23と第2配線導電体35との間における例示的な膜厚の範囲2000から12000nm。
パッド電極27:アルミニウム
パッシベーション膜29:無機絶縁膜、例えば、SiN膜
【0034】
第1層間樹脂膜15は、例えば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを備える。これらの樹脂は、可能な場合には、感光性を有することができる。この半導体装置11によれば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくともいずれか一つの樹脂が、パッシベーション膜29とMIMキャパシタ13との間に設けられる。
【0035】
第2層間樹脂膜33は、例えば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを備える。これらの樹脂は、可能な場合には、感光性を有することができる。この半導体装置11によれば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及び/又はエポキシの少なくともいずれか一つの樹脂が、MIMキャパシタ13の第2電極25のために開口を形成する。
【0036】
半導体装置11は、素子エリア11a及び電極エリア11bを有する。素子エリア11aには、MIMキャパシタ13が設けられる。電極エリア11bには、パッド電極27が設けられる。
【0037】
必要な場合には、半導体装置11は、厚膜樹脂37、及び一又は複数の電極ポスト41を更に備える。厚膜樹脂37は、第2電極25、第2配線導電体35及び第2層間樹脂膜33上に設けられる。厚膜樹脂37は、各電極ポスト41の側面を埋め込む。電極ポスト41は、第2配線導電体35上に設けられて、第2配線導電体35に電気的に接続される。各電極ポスト41の上端には、半田ボールといった端子電極43が設けられる。
【0038】
図1(a)、図1(b)及び図2に示された半導体装置11は、半導体領域19に設けられた一又は複数の半導体集積回路を含むことができ、この半導体集積回路は、パッド電極27の少なくとも1つに接続されることができる。半導体領域19は、例えばシリコンを含むことができる。半導体集積回路は、パッシベーション膜29下に設けられて、パッシベーション膜29によって覆われて保護されている。一方、MIMキャパシタ13は、パッシベーション膜29上に設けられる。
【0039】
具体的には、半導体集積回路は、例えば、第1パッド電極27a及び第2パッド電極27bの少なくともいずれか一方に接続されることができる。パッシベーション膜29上のMIMキャパシタ13は、パッド電極27を介して、パッシベーション膜29下の半導体集積回路に接続されることができる。
【0040】
図1(c)を参照すると、上述のMIMキャパシタ13が示される。本実施例では、高誘電体層23は、第1電極21の上面21a及び側面21b並びに第1層間樹脂膜15の上面を覆って、第1層間樹脂膜15を第2層間樹脂膜33から隔置する。
【0041】
本実施例では、支持体17、第1層間樹脂膜15、第1電極21、高誘電体層23、及び第2電極25が、支持体17の主面に交差する方向に延在する第1軸Ax1の方向に沿って配列される。
【0042】
(MIMキャパシタの変形例1)
図1(d)を参照すると、多層電極のMIMキャパシタ13aが示される。この実施例では、MIMキャパシタ13aは、第1電極21、高誘電体層23、及び第2電極25だけでなく、追加の高誘電体層24、及び第3電極26を備える。この構造のために、第3層間樹脂膜16が追加される。MIMキャパシタ13aの多層構造は、キャパシタンスの増大に寄与する。第1電極21、高誘電体層23、第2電極25、追加の高誘電体層24、及び第3電極26は、第1軸Ax1の方向に沿って順に配列される。具体的には、高誘電体層23が、第1電極21と第2電極25との間に設けられ、追加の高誘電体層24が、第2電極25と第3電極26との間に設けられる。
【0043】
(MIMキャパシタの変形例2)
図1(e)を参照すると、MIMキャパシタ13bが示される。第1電極21は、その上面21aに複数の突起22を有する。高誘電体層23は、第1電極21の上面21a及び突起22を覆うように設けられる。第2電極25は、高誘電体層23を覆う。MIMキャパシタ13aの第1電極21の突起22は、キャパシタンスの増大に寄与する。第1電極21、高誘電体層23、及び第2電極25は、第1軸Ax1の方向に沿って順に配列されており、突起22が第1軸Ax1の方向に突出する。ALD法によれば、高誘電体層23は、下地の第1電極21の上面21a及び突起22の形状に従った形状に成膜される。
【0044】
引き続き、図3(a)から図13(b)を参照しながら、半導体装置の製造方法を主要な工程を説明する。図3(a)は、図4(a)におけるIIIa-IIIa線に沿ってとられた断面を示す。引き続く説明において参照される図面において、製造方法の工程における断面は、図3(a)に示された断面の進捗として表される。
【0045】
図3(a)及び図4(a)に示されるように、MIMキャパシタ13が形成されるべき基板51を準備する。一例では、基板51は、支持体ベース53、一又は複数のパッド電極55、及びパッシベーション膜57を含む。パッシベーション膜57は、例えばシリコン系無機絶縁膜を含むことができる。
【0046】
支持体ベース53は、半導体領域を有する。支持体ベース53は、例えばIV族半導体、III-V族半導体といった半導体を含むことができる。パッド電極55は、支持体ベース53の主面53a上に設けられる。パッシベーション膜57は、支持体ベース53の主面53aを覆うと共にパッド電極55上に開口57aを有する。
【0047】
望まれるならば、支持体ベース53は、一又は複数の半導体集積回路を含むことができ、該半導体集積回路は、パッド電極55の少なくとも1つに接続されることができる。支持体ベース53は、例えばシリコンウエハを含むことができる。半導体集積回路は、例えばMIS型トランジスタを含み、該トランジスタは、基板51を準備する工程内において形成されることができる。半導体集積回路は、パッシベーション膜57によって覆われて保護されたシリコン半導体集積回路であることができる。図1(a)、図1(b)及び図2に示された半導体装置11では、半導体集積回路がパッシベーション膜29によって覆われ、またパッド電極27の少なくともいずれかに接続されることができる。例えば、半導体集積回路は、第1パッド電極27a及び第2パッド電極27bの少なくともいずれか一方に接続されることができる。
【0048】
図3(b)、図3(c)、及び図4(b)を参照しながら、第1層間樹脂膜15のための第1層間樹脂膜61を形成する工程を説明する。
【0049】
本実施例では、図3(b)に示されるように、基板51の全面に層間樹脂層62を形成する。具体的には、層間樹脂層62は塗布により形成されることができる。
【0050】
層間樹脂層62は、感光性又は非感光性の樹脂を含むことができ、例えばポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを含むことができる。
【0051】
この製造方法によれば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及び/又はエポキシの層間樹脂層62が、基板51を被覆するパッシベーション膜57を覆って、平坦な樹脂表面を提供する。本実施例では、感光性を有するポリイミドを基板51上に塗布する。
【0052】
層間樹脂層62を形成した後に、図3(c)及び図4(b)に示されるように、パターン形成のためのフォトマスク(例えば、レチクル)を用いて層間樹脂層62を露光すると共に露光された層間樹脂層62を現像して、一又は複数の開口61aを有する第1層間樹脂膜61に形成する。本実施例では、開口61aは、パッド電極55上に位置すると共にパッド電極55に到達している。
【0053】
具体的には、樹脂の塗布、露光、現像及び焼きしめによって、層間樹脂層62から第1層間樹脂膜61が作製される。
【0054】
図3(d)、図3(e)、図5(a)、及び図6(a)を参照して、第1層間樹脂膜61を形成した後に、第1電極膜63を基板51上に形成する工程を説明する。
【0055】
一実施例では、第1電極21、第1配線導電体31、及び第2配線導電体35の一部のための金属層をメッキ法(無電解メッキ法及び/又は電解メッキ法)を用いて形成する。
【0056】
図3(d)に示されるように、第1層間樹脂膜61を形成した後に、基板51の全面にシード膜64を成膜する。具体的には、シード膜64は、例えばスパッタ法によって堆積される。シード膜64は、例えばチタン(Ti)層を含み、例えば100から300nmの膜厚を有する。スパッタ法による成膜温度は、例えば摂氏25度から摂氏150度の範囲にあることができる。シード膜64は、一体の膜であって、第1層間樹脂膜61の表面、第1層間樹脂膜61の開口61aの側面、及びパッド電極55の露出された上面55aを覆う。
【0057】
図5(a)に示されるように、フォトリソグラフィを用いて、メッキ膜のパターンを規定するマスク67を形成する。マスク67の開口67a、67b、67cに、シード膜64が現れている。マスク67の開口67aは、第1電極21が形成されるべきエリアを規定する。マスク67の開口67bは、第1配線導電体31が形成されるべきエリアを規定する。マスク67の開口67cは、第2配線導電体35の一部が形成されるべきエリア、及び他の働きの金属体が形成されるべきエリアを規定する。
【0058】
図3(e)に示されるように、メッキ工程において、マスク67の開口67a、67b、67cにメッキ膜69が成長される。本実施例は、メッキ法により銅(Cu)を成長する。メッキ膜69は、銅(Cu)に限定されることなく、無電解メッキ法又は電解メッキ法により生成できる導電膜である。メッキ膜69は、例えば1000から5000nmの膜厚を有する。メッキ法による成膜温度は、例えば摂氏25度から摂氏50度の範囲にあることができる。本実施例では、メッキ膜69の厚さは、マスク67の厚さより薄い。メッキ膜69を成長した後にマスク67を剥離すると、メッキ膜69により覆われていないエリアにシード膜64が現れる。
【0059】
図6(a)に示されるように、メッキ膜69が成長された後に、メッキ膜69をマスクとして用いてシード膜64をエッチングによりパターン形成して、パターン形成されたシード層65を形成する。第1電極膜63は、シード層65及びメッキ膜69を含み、また基板51上に形成されている。一例では、このエッチングは、ウェットエッチングにより行われる。チタン層のエッチングのために、例えば過酸化水素水+水酸化カリウムといったエッチャントが使用される。ウェットエッチング法の際の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏50度の範囲にあることができる。パターン形成が完了すると、第1層間樹脂膜61の表面が現れる。
【0060】
第1電極膜63の堆積には、メッキ法に替えてスパッタ法を用いることができる。スパッタ法の利用によれば、シード膜64の形成無しに、第1層間樹脂膜61を形成した後に基板全面に第1電極膜63のための金属層をスパッタ法で成膜することができる。スパッタ法による成膜の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏250度の範囲にあることができる。成膜された金属膜をフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングにより加工して、第1電極膜63を形成してもよい。ドライエッチング法の際の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏200度の範囲にあることができる。
【0061】
第1電極膜63は、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)の少なくともいずれか1つの金属を含むことができる。
【0062】
第1層間樹脂膜61の厚さDは、第1電極21のための第1電極膜63の直下において、例えば2000から12000nmである。
【0063】
図6(b)を参照しながら、絶縁膜66を成膜する工程を説明する。
【0064】
図6(b)に示されるように、第1電極膜63を形成した後に、MIMキャパシタ13の高誘電体層23のための絶縁膜66を原子層堆積(ALD)法で基板51の全面に堆積する。絶縁膜66は、高誘電体を含む。本実施例では、絶縁膜は高誘電体であり、該高誘電体が、例えば、タンタルオキサイド、アルミナ、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸窒化ハフニウム、酸窒化ジルコニウム、ハフニウムシリケート、窒素添加ハフニウムシリケートの少なくともいずれか1つを備えることができる。ALD法における成膜温度は、例えば摂氏150度から摂氏300度であることができる。ALD法による絶縁膜66の成膜は、製造工程において第1層間樹脂膜61を形成した後のプロセスにおける処理温度に課された制約を満たしながら、キャパシタのための高誘電体の成膜を可能にする。
【0065】
絶縁膜66の厚さは、MIMキャパシタ13の第1電極21のための第1電極膜63上において、例えば2000から12000nmである。
【0066】
次いで、図5(b)、図6(c)及び図7(a)を参照しながら、絶縁膜66を加工して絶縁膜66から高誘電体層68を形成する工程を説明する。絶縁膜66から高誘電体層68を作製するために、フォトリソグラフィ及びエッチングが用いられる。
【0067】
図5(b)及び図6(c)に示されるように、フォトリソグラフィ法によりマスク71が絶縁膜66上に形成される。マスク71は、例えばレジストであって、高誘電体層68として残されるべき絶縁膜66のエリアを覆う。
【0068】
パッド電極55への接続経路を設けるエリア上の絶縁膜66は除去されることがよく、このエリア上に、マスク71は開口71aを有する。この工程の後の工程で作成される第2層間樹脂膜が第1層間樹脂膜61に接することを避けるために、マスク71の開口71aの位置を、上層の金属層(第2電極25と同じレベルの金属層)を下層の金属層(第1電極21と同じレベルの金属層)に接続する接続エリアに限ることがよい。
【0069】
マスク71を用いて絶縁膜66を加工して、高誘電体層68を形成する。加工には、例えばドライエッチングが用いられる。高誘電体層68の酸化タンタル(例えばTa)をエッチングするために、エッチャントとしてCDCl3+Cl2(例示)が用いられる。また、アルミナ(例えば、Al)をエッチングするために、エッチャントとしてCDCl3+Cl2(例示)が用いられる。エッチング法の際の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏150度の範囲にあることができる。
【0070】
エッチングが完了すると、マスク71の開口71aに、第1電極膜63の上面が現れる。エッチングの後にマスク71を剥離すると、図7(a)に示されるように、大面積の高誘電体層68が現れる。この大面積の高誘電体層68は、第1電極21のための第1電極膜63上に設けられる。高誘電体層68は、開口68aを有し、開口68aは、第1電極膜63上に位置する。高誘電体層68の望まれない分極による影響を避けるために、半導体集積回路上の高誘電体層68は、除去されることが好ましい。
【0071】
図6(d)、図7(b)及び図8(a)を参照しながら、高誘電体層68を形成した後に、第2層間樹脂膜33のための第2層間樹脂膜73を形成する工程を説明する。
【0072】
図6(d)に示されるように、基板51の全面に層間樹脂層74を形成する。具体的には、層間樹脂層74は塗布により形成されることができる。層間樹脂層74の厚さは、MIMキャパシタのための第1電極膜63及び高誘電体層68上において、5000nmから12000nmであることができる。層間樹脂層74は、感光性又は非感光性の樹脂を含むことができ、例えばポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及びエポキシの少なくとも1つを含むことができる。
【0073】
この製造方法によれば、ポリイミド、ポリべンゾオキサゾール、ノボラックレジン、ベンゾシクロブテン、フェノール、及び/又はエポキシの層間樹脂層74が、第1電極膜63に起因する段差を有する高誘電体層68を覆って、平坦な樹脂表面を提供する。本実施例では、感光性を有するポリイミドを基板51の全面に塗布する。
【0074】
パターン形成のためのフォトマスク(例えば、レチクル)を用いて,図8(a)及び図7(b)に示されるように、層間樹脂層74を露光すると共に露光された層間樹脂層74を現像して、層間樹脂層74から第2層間樹脂膜73に形成する。具体的には、樹脂の塗布、露光、現像及び焼きしめによって、第2層間樹脂膜73が作製される。第2層間樹脂膜73は、平坦な上面を提供する。
【0075】
本実施例は、第2層間樹脂膜73は、MIMキャパシタ13を設けるエリアに開口73aを有すると共に、第2配線導電体35からパッド電極55への接続経路を設けるエリアに開口73bを有する。開口73aには、高誘電体層68の上面68bが露出される。開口73bには、第1電極膜63の上面63aが露出される。
【0076】
図8(b)、図8(c)及び図9(a)を参照しながら、第2層間樹脂膜73を形成した後に、MIMキャパシタ13の第2電極25のための金属膜(例えば、第2電極膜75のための金属膜)を基板51上に成長する工程を説明する。
【0077】
一実施例では、第2電極25、及び第2配線導電体35の一部のための金属層をメッキ法(無電解メッキ法及び電解メッキ法の少なくとも一方)を用いて形成する。
【0078】
図8(b)に示されるように、第2層間樹脂膜73を形成した後に、基板51の全面にシード膜76を形成する。具体的には、シード膜76は、例えばスパッタ法によって堆積される。スパッタ法による成膜温度は、例えば摂氏25度から摂氏150度の範囲にあることができる。シード膜76は、例えばチタン(Ti)層を含み、例えば100から300nmの膜厚を有する。シード膜76は、一体の膜であって、高誘電体層68の露出された上面68b、第2層間樹脂膜73の露出された表面、第2層間樹脂膜73の開口73a及び開口73bの側面、及び第1電極膜63の露出された上面63aを覆う。
【0079】
図8(c)及び図9(a)に示されるように、フォトリソグラフィを用いて、メッキ膜のパターンを規定するマスク79を形成する。図9(a)に示されるように、マスク79の開口79a、79b、79cに、シード膜76が現れている。開口79aは、第2電極25が形成されるべきエリア、及び第2配線導電体35の一部が形成されるべきエリアを規定する。開口79bは、第1電極21からの第1配線導電体31に接続される第2配線導電体35が形成されるべきエリアを規定する。開口79cは、他の働きの金属体が形成されるべきエリアを規定する。
【0080】
図8(c)に示されるように、メッキ工程においては、マスク79の開口79a、79b、79cにメッキ膜81が成長される。本実施例は、メッキ法により銅(Cu)を成長する。メッキ膜81の材料は、銅(Cu)に限定されることなく、無電解メッキ法又は電解メッキ法により生成できる導電膜であればよい。メッキ法による成膜温度は、例えば摂氏25度から摂氏50度の範囲にあることができる。メッキ膜81は、MIMキャパシタの第1電極膜63及び高誘電体層68上において、例えば1000から5000nmの膜厚を有する。メッキ膜81の厚さは、マスク79の厚さより薄い。メッキ膜81が成長された後にマスク79を剥離すると、メッキ膜81により覆われていないシード膜76が現れる。
【0081】
第2電極膜75の金属膜の堆積には、メッキ法に替えてスパッタ法を用いることができる。スパッタ法の利用によれば、シード膜76の形成無しに、第2層間樹脂膜73を形成した後に、全面に、第2電極膜75のための金属層をスパッタ法で成膜することができる。スパッタ法による成膜の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏250度の範囲にあることができる。成膜された金属膜をフォトリソグラフィによるマスクを用いてエッチングにより加工して、第2電極膜75を形成してもよい。ドライエッチング法の際の基板温度は、例えば摂氏25度から摂氏200度の範囲にあることができる。
【0082】
第2電極膜75は、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、チタン(Ti)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)の少なくともいずれか1つの金属を含むことができる。
【0083】
半導体装置の製造方法によれば、MIMキャパシタ13のための構造が第1層間樹脂膜61上に製造される。層間樹脂膜は、製造工程において層間樹脂膜を形成した後のプロセスにおける処理温度に制約を課す一方で、MIMキャパシタ13に平坦な下地を提供する。ALD法は、製造工程において層間樹脂膜を形成した後のプロセスにおける処理温度に課された制約を満たす成膜を可能にする。平坦な下地の提供によれば、ALD法が、MIMキャパシタ13のための薄い高誘電体層68を堆積することを可能にする。
【0084】
引き続く工程では金属ポストを形成しないプロセスを説明する。このプロセスでは、図9(b)に示されるように、メッキ膜81をマスクとして用いてシード膜76をエッチングすることによってシード膜76にパターン形成して、パターン形成されたシード層77を作製する。このパターン形成により、第2電極膜75が形成される。一例では、このエッチングは、ウェットエッチングにより行われる。パターン形成が完了すると、第2層間樹脂膜73の上面が現れる。第2電極膜75は、パターン形成されたシード層77、及びメッキ膜81を含み、また基板51上に形成される。第2電極膜75は、第2電極25、及び第2配線導電体35の一部のための金属膜を含む。
【0085】
図10(a)に示されるように、基板の全面に樹脂82(例えば、感光性ポリイミド樹脂)を塗布する。この樹脂82にパターン形成(例えば、露光)を施して、開口84aを有する樹脂膜84を形成する。この開口84aは、図10(b)に示されるように、第2電極膜75として形成された金属膜上に位置する。開口84aには、図10(c)に示されるように、端子電極85、例えば半田ボールが形成される。端子電極85は、開口84aを介して第2電極膜75(第2配線導電体35)に接続されると共に、外向きに突出している。
【0086】
引き続く工程では金属ポストを形成するプロセスを説明する。このプロセスでは、図8(d)に示されるように、ドライフィルムといった厚膜樹脂体83を、第2電極膜75のためのシード膜76及びメッキ膜81、並びに第2層間樹脂膜73に貼り付ける。
【0087】
図11(a)に示されるように、フォトリソグラフィにより厚膜樹脂体83を露光して、第2電極膜75上に位置する開口83aを形成する。
【0088】
図11(b)に示されるように、開口83a内に金属ポスト87を形成する。一実施例では、金属ポスト87の形成は、メッキ法(例えば、電解メッキ法又は無電解メッキ法)により行われる。金属ポスト87は、開口83aに露出されたメッキ膜81上に成長されて、メッキ膜81に接続される。
【0089】
図11(c)に示されるように、金属ポスト87を形成した後に、露光された厚膜樹脂体83を除去すると共に、除去の後に、メッキ膜81をマスクとして用いてシード膜76をエッチングすることによってシード膜76にパターン形成して、パターン形成されたシード層77を作製する。パターン形成により、第2電極膜75が形成される。一例では、このエッチングは、ウェットエッチングにより行われる。パターン形成が完了すると、第2層間樹脂膜73の上面が現れる。第2電極膜75は、パターン形成されたシード層77、及びメッキ膜81を含み、また基板51上に形成される。第2電極膜75は、第2電極25及び第2配線導電体35の一部のための金属膜を含む。
【0090】
図12(a)に示されるように、樹脂厚膜89を形成する。樹脂厚膜89は、金属ポスト87の上面及び側面を被覆できる厚さを有する。樹脂厚膜89は、例えば塗布により形成される。樹脂厚膜89は、例えばエポキシ樹脂であることができる。
【0091】
図12(b)及び図13(a)に示されるように、金属ポスト87に到達するまで樹脂厚膜89を研磨する。この研磨により、樹脂厚膜89から、開口を有する被覆樹脂膜91が形成される。金属ポスト87の先端が露出される。研磨法は、例えばグラインダーを用いた機械的研磨であることができる。
【0092】
図12(c)及び図13(b)に示されるように、被覆樹脂膜91の開口に露出された金属ポスト87上に端子電極85、例えば半田ボールが形成される。端子電極85は、金属ポスト87を介して第2電極膜75(第2配線導電体35)に接続されると共に、外向きに突出している。
【0093】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
11 半導体装置
11a 素子エリア
11b 電極エリア
13、13a、13b キャパシタ
15、16 層間樹脂膜
15a 第1開口
15b 第2開口
15c 第3開口
17 支持体
19 半導体領域
21 第1電極
21a 上面
21b 側面
21c 裏面
22 突起
23、24 高誘電体層
25 第2電極
26 第3電極
27、27a、27b パッド電極
29 パッシベーション膜
29a 開口
31 第1配線導電体
33 第1層間樹脂膜
33a 主開口
33b 第1開口
33c 第2開口
35 第2配線導電体
37 厚膜樹脂
41 電極ポスト
43 端子電極
51 基板
53 支持体ベース
55 パッド電極
57 パッシベーション膜
57a 開口
61 層間樹脂膜
61a 開口
62 層間樹脂層
63 第1電極膜
64 シード膜
65 シード層
66 絶縁膜
67 マスク
67a、67b、67c 開口
68 高誘電体層
68a 開口
69 メッキ膜
71 マスク
71a 開口
73 層間樹脂膜
73a、73b 開口
74 層間樹脂層
75 第2電極膜
76 シード膜
77 シード層
79 マスク
79a、79b、79c 開口
81 メッキ膜
82 樹脂
83 厚膜樹脂体
83a 開口
84 樹脂膜
84a 開口
85 端子電極
87 金属ポスト
89 樹脂厚膜
91 被覆樹脂膜
Ax1 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13