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特許7606973温度を近似させるための静電チャックヒータ抵抗測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-18
(45)【発行日】2024-12-26
(54)【発明の名称】温度を近似させるための静電チャックヒータ抵抗測定
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241219BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H05B3/00 310C
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021554605
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020021836
(87)【国際公開番号】W WO2020185744
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】62/817,752
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン・チャンギョウ
(72)【発明者】
【氏名】ミハネンコ・オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・クリストファー
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153770(JP,A)
【文献】特開2003-131745(JP,A)
【文献】特開平10-116885(JP,A)
【文献】特表2015-515713(JP,A)
【文献】特開2006-339529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラであって、
静電チャックに統合されたヒータトレースに結合された電圧センサであって、前記電圧センサは、前記ヒータトレースにおける電圧差を感知するように構成され、前記ヒータトレースは、ヒータゾーンに関連付けられている、電圧センサと、
前記ヒータトレースに結合され、前記ヒータトレース内の電流を感知するように構成された電流センサと、
前記電圧差および感知された前記電流に基づいて、前記ヒータトレースの抵抗を識別するように構成された抵抗識別子と、
前記抵抗および前記ヒータトレースの相関関数に基づいて、前記ヒータゾーンの温度を近似するように構成された温度相関器と、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた所望温度との比較結果に基づいて前記ヒータトレースへの電力を調節するように構成された電力コントローラと、を備え、
前記相関関数は、前記ヒータトレースの抵抗温度係数を用いており、
前記コントローラは、プラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置され、
前記コントローラは、前記ヒータトレースへの前記電力のin situ調節を提供するように構成されている、コントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラであって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度とを比較するように構成された温度比較器を備える、コントローラ。
【請求項3】
請求項に記載のコントローラであって、
前記電力コントローラは、パルス幅変調を用いて前記電力を調節する、コントローラ。
【請求項4】
請求項に記載のコントローラであって、
前記電力コントローラは、近似された前記温度が前記所望温度と一致するように前記ヒータトレースへの前記電力を調節するために、近似された前記温度の閉ループ分析を実施する、コントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のコントローラであって、
前記温度相関器は、温度センサを用いることなく前記温度を近似する、コントローラ。
【請求項6】
ユーザインタフェースであって、
プラズマ処理チャンバ用の静電チャックの第1のヒータゾーンに関する情報を示すように構成された表示装置を備え、
前記情報は、前記第1のヒータゾーンに関連付けられた第1の温度を含み、
前記第1の温度は、第1の温度コントローラによって決定され、前記第1の温度コントローラは、
前記第1のヒータゾーンに関連付けられた第1のヒータトレースにおける電圧差を感知し、
前記第1のヒータトレース内の電流を感知し、
前記電圧差および感知した前記電流に基づいて、前記第1のヒータトレースの抵抗を識別し、
前記抵抗および前記第1のヒータトレースの相関関数に基づいて、前記第1の温度を近似するように構成されており、
前記第1の温度コントローラは、前記プラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置されている、ユーザインタフェース。
【請求項7】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、さらに、
前記第1の温度に基づいてアラートを発出するように構成されたロジックを備える、ユーザインタフェース。
【請求項8】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記アラートは、前記情報に基づいて取るべき少なくとも1つの動作を提供する推奨を含む、ユーザインタフェース。
【請求項9】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記アラートは、前記第1のヒータゾーンの所望温度と前記第1の温度との差が閾値を超えたときに発出される、ユーザインタフェース。
【請求項10】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記情報は、前記静電チャックの第2のヒータゾーンに関連付けられた第2の温度を含む、ユーザインタフェース。
【請求項11】
請求項10に記載のユーザインタフェースであって、
前記第2の温度は、第2の温度コントローラによって決定され、前記第2の温度コントローラは、
前記第2のヒータゾーンに関連付けられた第2のヒータトレースにおける電圧差を感知し、
前記第2のヒータトレース内の電流を感知し、
前記第2のヒータトレース内の前記電圧差および前記第2のヒータトレース内で感知した前記電流に基づいて、前記第2のヒータトレースの抵抗を識別し、
前記抵抗および前記第2のヒータトレースの相関関数に基づいて、前記第2のヒータゾーンの前記第2の温度を近似するように構成されている、ユーザインタフェース。
【請求項12】
請求項10に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1のヒータゾーンおよび前記第2のヒータゾーンは、異なる水平面にある、ユーザインタフェース。
【請求項13】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、さらに、前記第1の温度を前記第1のヒータゾーンに関連付けられた所望温度と比較するように構成されている、ユーザインタフェース。
【請求項14】
請求項13に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、さらに、前記第1の温度と前記所望温度との比較結果に基づいて、前記第1のヒータトレースへの電力を調節するように構成されている、ユーザインタフェース。
【請求項15】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、前記プラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置され、
前記第1の温度コントローラは、前記第1のヒータトレースへの電力のin situ調節を提供するように構成されている、ユーザインタフェース
【請求項16】
請求項に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、前記第1の温度が前記所望温度と一致するように前記第1のヒータトレースへの電力を調節するために、前記第1の温度の閉ループ分析を実施する、ユーザインタフェース
【請求項17】
プラズマ処理チャンバにおける静電チャック(ESC)の温度を制御するための方法であって、前記ESCは、ヒータトレースが統合されたヒータゾーンを有し、前記ヒータトレースは、入力端および出力端を有し、前記ヒータゾーンに熱を提供するように構成され、
前記ヒータトレースに電力を供給する工程と、
前記ヒータトレースの前記入力端と前記出力端との間の電圧差を感知する工程と、
前記ヒータトレース内の電流を感知する工程と、
前記感知した電圧差および前記感知した電流に基づいて、前記ヒータトレースの抵抗を識別する工程と、
前記ヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなく、前記識別した抵抗および前記ヒータトレースの相関関数に基づいて、前記ヒータゾーンの温度を近似する工程であって、前記相関関数は、前記ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる、工程と、
前記ヒータゾーンの近似された前記温度および前記ヒータゾーンに関連付けられた所望温度の閉ループ分析を実施する工程と、
前記閉ループ分析に基づいて、パルス幅変調を用いて前記ヒータトレースに供給される電力を調節する工程と、
前記プラズマ処理チャンバのRF高温環境内で前記閉ループ分析を実施することにより、前記ヒータトレースに供給される前記電力のin situ制御を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、さらに、
近似された前記ヒータゾーンの前記温度を前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度と比較する工程を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果が閾値を超えたときにアラートを発出する工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果を表示する工程を含む、方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果に基づいて、前記ヒータトレースに供給される前記電力を調節する工程を含む、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
前記ヒータトレースに供給される前記電力は、近似された前記温度が前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度と一致するように調節される、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法であって、
前記相関関数は、温度および抵抗の線形相関を定義し、前記ヒータトレースのおおよその前記抵抗温度係数の傾斜を有する、方法。
【請求項24】
請求項18に記載の方法であって、
前記相関関数は、温度および抵抗の非線形相関を定義する、方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法であって、
前記相関関数は、前記ヒータゾーンに統合された前記ヒータトレースについて定義される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体ウエハなどの基板を処理するのに有用な静電チャック(ESC)に関する。ESCは、エッチングプロセスまたは堆積プロセスが実行されるプラズマ反応チャンバ内で半導体基板を支持するのに用いられうる。特に本実施形態は、ESCのヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなくヒータゾーンの温度を近似するための、ESCのヒータゾーン内のヒータトレースの抵抗の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの現代の半導体製造プロセスは、基板がプラズマに曝露されるときに基板ホルダに保持されるプラズマ処理モジュールにおいて実施される。プラズマ処理動作中の基板の温度制御は、処理動作の結果に影響を及ぼしうる1つの要因である。プラズマ処理動作中の基板温度の制御を提供するために、基板ホルダの温度を正確かつ確実に測定して、その上に保持された基板の温度を推測する必要がある。
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない説明の態様に記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
本開示の実施形態は、このような背景の下生じたものである。
【発明の概要】
【0005】
本実施形態は、関連技術において発見された1つ以上の問題を解決することに関し、特に、プラズマ処理チャンバ用の静電チャックを備えることに関する。ESCは、そのヒータゾーンにヒータトレースを備え、ヒータトレースは、その決定された抵抗により温度を感知するように構成されている。本開示のいくつかの発明の実施形態が以下に説明される。
【0006】
本開示の実施形態は、静電チャックに統合されたヒータトレースに結合された電圧センサを備えるコントローラを含み、電圧センサは、ヒータトレースにおける電圧差を感知するように構成され、ヒータトレースは、ヒータゾーンに関連付けられている。コントローラは、ヒータトレースに結合され、ヒータトレース内の電流を感知するように構成された電流センサを備える。コントローラは、電圧差および感知された電流に基づいて、ヒータトレースの抵抗を識別するように構成された抵抗識別子を備える。コントローラは、ヒータトレースの抵抗および相関関数に基づいてヒータゾーンの温度を近似するように構成された温度相関器を備える。相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。
【0007】
本開示の他の実施形態は、ユーザに情報を提供するように構成されたユーザインタフェースを含む。ユーザインタフェースは、プラズマ処理チャンバの外側にある表示装置において提供されてよい。表示装置は、プラズマ処理チャンバ用の静電チャックの第1のヒータゾーンに関する情報を示すように構成されている。この情報は、第1のヒータゾーンに関連付けられた第1の温度を含む。第1の温度は、第1のヒータゾーンに関連付けられた第1のヒータトレースにおける電圧差を感知するように構成されている第1の温度コントローラによって決定される。第1の温度コントローラは、第1のヒータトレースの電流を感知するように構成されている。第1の温度コントローラは、電圧差および感知した電流に基づいて第1のヒータトレースの抵抗を識別するように構成されている。第1の温度コントローラは、第1のヒータトレースの抵抗および相関関数に基づいて第1の温度を近似するように構成されている。
【0008】
ユーザインタフェースは、情報に基づいて取られるべき少なくとも1つの動作を含む推奨を提供するアラートを含んでよい。具体的には、第1の温度は、第1のヒータゾーンに統合された第1のヒータトレースの電圧差を感知し、第1のヒータトレースの電流を感知し、電圧差および感知した電流に基づいて第1のヒータトレースの抵抗を識別し、第1のヒータトレースの抵抗および相関関数に基づいて第1の温度を近似するように構成された第1の温度コントローラによって決定される。
【0009】
本開示の実施形態は、処理中に基板を支持するように構成された、プラズマ処理チャンバ用の静電チャック(ESC)を含む。ESCは、第1のヒータゾーンを備える。ESCは、ヒータゾーンに統合され、第1のヒータゾーンに熱を提供するように構成された第1のヒータトレースを備える。第1のヒータトレースは、第1の入力端および第1の出力端を有する。第1の温度コントローラは、第1のヒータゾーンの温度を近似するように構成されている。温度コントローラは、第1のヒータトレースの第1の電圧差を感知し、第1のヒータトレースの第1の電流を感知するように構成されている。第1の温度コントローラは、感知した第1の電圧差および感知した第1の電流に基づいて第1のヒータトレースの第1の抵抗を識別するように構成されている。第1の温度コントローラは、第1のヒータトレースの識別した第1の抵抗および第1の相関関数に基づいて第1のヒータゾーンの第1の温度を近似するように構成されており、第1の相関関数は、第1のヒータトレースの第1の抵抗温度係数を用いる。
【0010】
本開示の他の実施形態は、統合されたヒータトレースを備えるヒータゾーンを有する、プラズマ処理チャンバの静電チャック(ESC)の温度を制御するための方法を含む。ヒータトレースは、入力端および出力端を有し、ヒータゾーンに熱を提供するように構成されている。この方法は、ヒータトレースに電力を供給する工程を含む。この方法は、ヒータトレース(例えば、ヒータトレースの入力端と出力端との間)の電圧差を感知する工程を含む。この方法は、ヒータトレースの電流を感知する工程を含む。この方法は、感知した電圧差および感知した電流に基づいてヒータトレースの抵抗を識別する工程を含む。この方法は、ヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなく、識別した抵抗およびヒータトレースの相関関数に基づいてヒータゾーンの温度を近似する工程を含み、相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。
【0011】
本開示のさらに他の実施形態は、基板処理のためのプラズマ処理システムを含む。プラズマ処理システムは、基板を支持するための静電チャック(ESC)を備える、処理ガスを受け入れるように構成されたリアクタを備える。ESCは、ヒータゾーンを備える。ESCはさらに、ヒータゾーンに統合されたヒータトレースを備える。ヒータトレースは、ヒータゾーンに熱を提供するように構成され、入力端および出力端を備える。プラズマ処理システムは、ヒータトレースの入力端と出力端との間の電圧差を感知し、ヒータトレースの電流を感知するように結合および構成された温度コントローラを備える。温度コントローラは、感知した電圧差および感知した電流に基づいてヒータトレースの抵抗を識別するように構成されている。温度コントローラは、識別した抵抗およびヒータトレースの相関関数に基づいてヒータゾーンの温度を近似するように構成されており、相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。
【0012】
これらおよび他の利点は、明細書全体および特許請求の範囲を読めば当業者には理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本実施形態は、添付の図面と併せて記載された以下の説明を参照して十分に理解されるだろう。
【0014】
図1】本開示の一実施形態による、ウエハを処理する(例えば、その上に膜を形成する)のに用いられる基板処理システム。
【0015】
図2】本開示の一実施形態による、半導体基板を処理するために用いられるリアクタであって、各々が温度を感知するように構成された1つ以上のヒータトレースによって加熱される1つ以上のヒータゾーンを有する静電チャックを備え、ヒータトレースは、1つ以上のin situ温度コントローラによって制御される、リアクタのシステム図。
【0016】
図3A】本開示の一実施形態による、各々が温度を感知するように構成された1つ以上のヒータトレースによって加熱される1つ以上のヒータゾーンを備える静電チャックとして構成された、例示的な基板ホルダの垂直断面図。
【0017】
図3B】本開示の一実施形態による、図3Aの静電チャックの特定のヒータゾーンに熱を提供するように構成された加熱システムであって、温度コントローラは、同じく熱を提供するように構成された対応するヒータトレースによって測定されたヒータゾーンの温度を制御する、加熱システム。
【0018】
図3C】本開示の一実施形態による、ヒータゾーンの温度を制御するためにヒータトレースに提供される電力を制御するように構成された、図3Bの温度コントローラの電力コントローラ。
【0019】
図4】本開示の一実施形態による、温度を感知し、ヒータゾーンに熱を提供するように構成された対応するヒータトレースを用いて、静電チャックの温度ゾーンの温度を測定するための方法を示すフロー図。
【0020】
図5】本開示の一実施形態による、静電チャックのヒータゾーンに熱を提供するように構成されたヒータトレースの抵抗と温度との間の相関関数であって、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる相関関数の図。
【0021】
図6】本開示の一実施形態による、上記のシステムを制御するための制御モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の発明を実施するための形態は、例示の目的で多くの特定の詳細を含むが、以下の詳細への多くの変更および交替は本開示の範囲内であることを当業者は理解するだろう。従って、以下に記載の本開示の態様は、本説明に続く特許請求の範囲に対して一般性を失うことなく、また限定を課すことなく記載される。
【0023】
一般に、本開示の様々な実施形態は、ヒータゾーンを加熱するために用いられる対応するヒータトレースの抵抗測定値、および、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる相関関数によって、静電チャック(ESC)の対応するヒータゾーンの近似温度を決定するシステムおよび方法を説明する。本開示の実施形態は、専用の温度プローブおよび/またはセンサがESCの層の切欠部に挿入されることを必要としない(そうでなければ、切欠部はセンサの設置用に設けられた)ため、ESC自体は従来のESCよりも薄くできる。
【0024】
また、ESCセラミックには、温度測定向けに構成された従来のESCにおいて必要な直接温度感知のための切欠部、孔などがないため、本開示の実施形態は、ESCの表面における高周波(RF)の均一性向上を提供する。
【0025】
加えて、本開示の実施形態のESC加熱制御システムは、ESCに埋設される直接温度センサ構成部品の要件(すなわち、光ファイバセンサ、バンドギャップセンサなどがないこと)がないため、以前のシステムよりも経済的に、かつ大幅な低コストで実現されうる。
【0026】
さらに、本開示の実施形態のESC加熱システムは、以前の加熱システムのように温度センサの使用を必要としないため、以前のシステムではESCのヒータゾーンを直接感知するために用いられるこれらの温度センサの加熱制限を考慮することなく(例えば、バンドギャップセンサは150℃まで動作できる)、高温で動作(例えば、150℃よりも高温で動作)できる。
【0027】
さらに、正確さの劣る温度測定のためRF高温境界の外側でヒータゾーンの温度の開ループ制御を提供する以前の加熱制御システムと比べて、本開示の実施形態はより正確な温度測定を提供するため、加熱トレースのin situ(例えば、RF高温境界内)閉ループ制御が可能である。
【0028】
また、温度を決定するために電圧および電流を測定するときにESCのヒータゾーンを加熱するのに用いられるヒータトレースの厚さへの要件はないため、ヒータトレースは任意に薄くすることができ、それでもなお電圧および電流を測定して、ヒータトレースの温度を決定し、本開示の実施形態のヒータゾーンの温度を近接するように構成できる。
【0029】
さらに、本開示の実施形態は、ESCの複数のヒータゾーンに熱を与えるときに高度なプロセス制御を提供できる。これは、従来のヒータシステムが、温度センサに必要な空間と、ESCのセラミックの低熱伝導率によるヒータトレースと対応するヒータゾーンとの間の温度関連の低分解能とが原因で、制限された数のヒータゾーンを有することと比べて、ヒータトレースの閉ループ制御によりこれらのヒータトレースを任意に薄くできることで、より多くのヒータゾーン(例えば、ESC全体に分配された、個々に制御される縦型ヒータトレース)がESC内部に構成されうるためである。
【0030】
加えて、ヒータゾーンのセラミックの温度を感知する代わりにヒータゾーン内のヒータトレースの抵抗を測定することで、従来の温度感知システムが受けたような、ゾーン間の温度クロストークまたは温度漏れによる測定への影響が低減されるため、本開示の実施形態は、ヒータゾーンのより正確な温度測定を提供するように構成されている。
【0031】
本開示の実施形態は、プラズマ処理モジュール(例えば、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、電気めっき、電解エッチング、電解研磨、電解化学機械研磨、成膜、湿式成膜などのプロセス、およびシリコン貫通ビア(TSV)プロセスを含む、半導体ウエハの製作および/または製造に関しうるまたは用いられうる他の半導体処理システムで用いられるもの)に関する。さらに、本開示の実施形態は、本明細書に記載の例に限定されず、異なる構成、形状、およびプラズマ生成技術(例えば、誘導結合システム、容量結合システム、電子サイクロトロン共鳴システム、マイクロ波システムなど)を用いる異なるプラズマ処理システムにおいて実行されてよい。プラズマ処理システムおよびプラズマ処理モジュールの例は、共同所有の米国特許番号第8,862,855号、第8,847,495号、および第8,485,128号、ならびに、米国特許出願番号第15/369,110号に開示されており、これら全てはその全てにおいて参照により援用される。重要なことには、本開示の実施形態のプラズマ処理モジュールは、基板を支持するように構成された静電チャックを備え、ESCの対応するヒータゾーンの近似温度は、ヒータゾーンを加熱するために用いられる対応するヒータトレースの抵抗測定値と、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いるヒータトレースの相関関数とによって決定されうる。対応するヒータトレースの抵抗測定値および対応する相関関数によるヒータゾーンの温度決定は、基板を支持するように構成された加熱アセンブリ以外の加熱アセンブリに適用されてよい。例えば他の実施形態では、加熱アセンブリは、シャワーヘッド、ESC、支持チャック、台座、チャンバ部品、または、基板を処理するために用いられるリアクタ、チャンバ、プロセスモジュールなどに実装されうる他の構造もしくは構成部品を備えてよい。
【0032】
本明細書を通して、本明細書で用いられる「基板」との用語は、本開示の実施形態における半導体ウエハを意味する。しかし他の実施形態では、基板との用語は、サファイア、GaN、GaAsもしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板を意味し、グラスパネル/基板、金属箔、金属板、ポリマ材などを含みうることを理解されたい。また様々な実施形態では、本明細書に記載の基板は、形態、形状、および/またはサイズにおいて異なってよい。例えばいくつかの実施形態では、本明細書に記載の基板は、200mm(ミリメートル)半導体ウエハ、300mm半導体ウエハ、または450mm半導体ウエハに相当してよい。またいくつかの実施形態では、本明細書に記載の基板は、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板など非円形基板に相当してよく、他の形状を含んでよい。
【0033】
上記の様々な実施形態を一般的に理解した上で、次に本実施形態の例示的詳細が様々な図面を参照して説明される。1つ以上の図における同じ番号の要素および/または構成部品は、一般に同じ構成および/または機能を有することが意図される。さらに、図は正確な比率で描かれていないが、新規概念を表し強調することが意図される。本実施形態がこれらの特定の詳細の一部または全てなしで実行されてよいことは明らかだろう。他の例では、本実施形態を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0034】
図1は、例えば原子層堆積(ALD)プロセスで形成される基板など、基板上に成膜するのに用いられうるリアクタシステム100を示す。これらのリアクタは、1つ以上のヒータを用いてよく、この例のリアクタでは、均一性またはカスタム設定向けに温度を制御するために共通端子構造が用いられてよい。より具体的には、図1は、ウエハ101を処理するのに用いられる基板処理システム100を示す。このシステムは、上方チャンバ部102aおよび下方チャンバ部102bを有するチャンバ102を備える。支柱160は、一実施形態では給電電極である台座140を支持するように構成されている。台座140は、整合ネットワーク106を介してRF電源104に電気結合されている。RF電源104は、制御モジュール110(例えば、コントローラ)によって制御される。制御モジュール110は、プロセス入力制御108を実行することにより基板処理システム100を操作するように構成されている。プロセス入力制御108は、電力レベル、タイミングパラメータ、処理ガス、ウエハ101の機械的動作(例えば、ウエハ101上に膜を堆積または形成すること)などのプロセスレシピを含んでよい。
【0035】
台座140は、プラズマが生成されるプラズマ処理環境に曝される基板101を保持するように構成された静電チャック(ESC)310を備える。本開示の実施形態は、リアクタシステム100におけるプラズマ処理動作の間に、ESC310の1つ以上のヒータゾーンの決定および/または測定を提供する。具体的には、対応するヒータゾーンの近似温度は、ヒータゾーンを加熱するために用いられる対応するヒータトレースの抵抗測定値、および、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いるヒータトレースの相関関数によって決定される。
【0036】
支柱160はリフトピン(図示せず)も備え、各リフトピンは、リフトピン制御部122に制御される対応するリフトピン作動リング120によって作動される。リフトピンは、エンドエフェクタがウエハ101を取り上げられるように台座140からウエハ101を持ち上げ、エンドエフェクタによる設置後にウエハ101を降ろすために用いられる。基板処理システム100はさらに、処理ガス部114(例えば、設備からのガス化学物質供給部)に結合されたガス供給マニホールド112を備える。実施される処理に応じて、制御モジュール110は、ガス供給マニホールド112を介する処理ガス114の供給、チャンバ圧、1つ以上のRF電源からのRF電力の生成、排気ポンプなどを制御する。選択されたガスは、次にシャワーヘッド150に流され、ウエハ101に面するシャワーヘッド150の表面と台座140に載っているウエハ101との間に規定された空間容積に分配される。ALDプロセスでは、ガスは、吸収のため、または吸収した反応剤との反応のために選ばれた反応剤であってよい。
【0037】
さらに、ガスは予混合されてよい、またはされなくてよい。プロセスの堆積段階およびプラズマ処理段階の間に正しいガスが供給されることを確実にするために、適切な弁機構およびマスフロー制御機構が用いられてよい。処理ガスは、出口を通じて排出する。真空ポンプ(例えば、1段式または2段式機械ドライポンプ、および/またはターボ分子ポンプ)は処理ガスを引き出し、閉ループ制御流量制限装置(例えば、スロットル弁または振り子弁)によってリアクタ内を適した低圧に維持する。
【0038】
図には、台座140の外側領域を取り囲むキャリアリング175も示されている。キャリアリング175は、台座140の中央のウエハ支持領域から一段下のキャリアリング支持領域に位置するように構成されている。キャリアリング175は、そのディスク構造の外縁側(例えば、外径)と、ウエハ101が位置するところに最も近い、そのディスク構造のウエハエッジ側(例えば、内径)とを含む。キャリアリング175のウエハエッジ側は、キャリアリング175がスパイダフォーク180によって持ち上げられるときにウエハ101を持ち上げるように構成された複数の接触支持構造を備える。そのため、キャリアリング175はウエハ101と共に持ち上げられ、(例えば、マルチステーションシステムにおいて)別のステーションに循環されうる。他の実施形態では、チャンバは単一ステーションチャンバである。
【0039】
さらに、in situヒータ温度コントローラ200は、台座140のESC310の1つ以上のヒータゾーンの温度を制御するように構成されている。ヒータゾーンは、基板処理中のESC310の表面温度の正確な制御を可能にするのに用いられる。制御可能な複数のヒータゾーンは、変化する環境条件(例えば、異なるプロセス工程間で変化する熱損失条件、伝熱条件など)を補償するために、ESC310の温度プロファイル(例えば、径方向プロファイル)を調整する能力を提供する。一実施形態では、in situヒータ温度コントローラ200は、対応するヒータゾーンのヒータトレースを伴う閉ループ構造において独立して動作してよい。別の実施形態では、in situヒータ温度コントローラ200は、対応するヒータゾーンのヒータトレースを伴う閉ループ構造において、コントローラ110と協働してよい。実施形態では、in situ温度コントローラ200は、チャンバ102の内側に設置される。他の実施形態では、下記のように、チャンバ102の内側および外側の両方に設置された複数の温度コントローラがあってよい。
【0040】
図2は、本開示の一実施形態に従って半導体基板を処理するために用いられるリアクタシステムであって、ESC310を有する台座140を備えるチャンバ102を備えるリアクタシステム100の系統図を示し、ESC310は、各々が温度を感知するように構成された1つ以上のヒータトレースによって加熱される1つ以上のヒータゾーンを含み、ヒータトレースは、1つ以上のin situ温度コントローラによって制御される。半導体基板101は、台座140の上に配置されていることが示されている。シャワーヘッド150は、チャンバ102内でプラズマを形成および生成するのに用いられる処理ガスを供給するために用いられる。ガス供給部114は、実施されているプロセスレシピに応じて1つ以上のガスを供給する。コントローラ110は、ガス供給部114、圧力制御部、温度制御部などの設備を含むリアクタシステム100の様々な構成部品、および他の処理パラメータに命令を提供するのに用いられる。
【0041】
また、台座140のESC310は、一実施形態において1つ以上のin situ温度コントローラ200によって処理の間に制御可能に加熱される、1つ以上のヒータゾーンと共に構成されてよい。例えば、1つ以上のin situ温度コントローラ200は、ESC310の1つ以上のヒータゾーンの温度を制御するように構成されている。In situ温度コントローラ200は、チャンバ102内部に設置されることにより、各in situ温度コントローラ200がプロセス条件(例えば、高温、高圧など)に曝されるように、RF高温境界内に設置される。実施形態では、ESC310の1つ以上のヒータゾーンは、1つ以上のin situ温度コントローラ、および/またはコントローラ110によって制御されてよい。つまり、各ヒータゾーンは、(1)1つ以上のin situ温度コントローラ200によって独立的に、(2)コントローラ110(すなわち、RF高温境界の外側に位置する)によって個々に、または(3)in situ温度コントローラ200および/もしくはコントローラ110の組み合わせによって、制御されてよい。1つ以上のヒータゾーンの温度を制御することができる複数の温度コントローラを有することは、様々な理由で有利であってよい。それらの理由には、コントローラの故障の場合にバックアップを提供することと、1つ以上の位置に温度コントローラを設置することにより正確に制御することと、異なるヒータゾーンに異なるコントローラを割り当てることによりさらに効率的になることとなどを含むが、これらに限定されない。
【0042】
単なる例示では、ESC310は、ヒータトレースR-in(例えば、抵抗素子)によって加熱される内側ヒータゾーン、および、ヒータトレースR-out(例えば、抵抗素子)によって加熱される外側ヒータゾーンの2つのヒータゾーンで構成されてよい。ヒータ電源240Aは、ESC310に配置された内側ヒータゾーンに電力を供給するように構成されている。ヒータ電源240Bは、ESC310に配置された外側ヒータゾーンに電力を供給するように構成されている。実施形態では、in situ温度コントローラ200、コントローラ110、またはこれらの組み合わせは、ヒータトレースR-inおよびヒータトレースR-outに供給される電力を制御することにより内側ヒータゾーンおよび外側ヒータゾーン内の温度を制御するように、ヒータ電源240Aおよびヒータ電源240Bに結合されている。例えば一実施形態では、in situ温度コントローラ200は、内側ヒータゾーンおよび外側ヒータゾーン内の温度を制御するために、閉ループ構成においてヒータ電源240Aおよびヒータ電源240Bに結合されてよい。別の実施形態では、内側ヒータゾーンおよび外側ヒータゾーン内の温度を制御するために、コントローラ110が閉ループ構成においてヒータ電源240Aおよびヒータ電源240Bに結合されてよい。さらに別の実施形態では、内側ヒータゾーンおよび外側ヒータゾーン内の温度を制御するために、in situ温度コントローラ200および/またはコントローラ110が閉ループ構成においてヒータ電源240Aおよびヒータ電源240Bに結合される。明確および簡潔にするために、本明細書の様々な実施形態は、in situ温度コントローラ200Aによって制御されるESC310の1つ以上のヒータゾーンを有することが記載されるが、ヒータゾーンは他の実施形態において、in situ温度コントローラ200Aおよび/またはコントローラ110のいずれか、または様々な組み合わせによって制御されてよいことが理解される。
【0043】
具体的には、in situコントローラ200の機能は、対応するヒータゾーンを加熱するために用いられる対応するヒータトレースの抵抗測定値を提供し、抵抗測定値は、1つ以上の電圧測定値および電流測定値によって決定される。次に、対応するヒータゾーンの近似温度は、ヒータトレースの抵抗測定値および相関関数を用いて決定され、相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。閉ループ構成では、ヒータゾーンの決定した近似温度は、対応するヒータゾーンに供給される電力を決定するのに用いられてよい。例えば、対応するヒータゾーンの近似温度が所望の温度よりも低い場合、そのヒータゾーンの温度を上昇させるためにヒータトレースにより多くの電力が与えられてよい。その一方で、対応するヒータゾーンの近似温度が所望の温度よりも高い場合、そのヒータゾーンの温度を低下させるためにヒータトレースにより少ない電力が与えられてよい。具体的には、ヒータ電源240Aは内側ヒータゾーンに結合されてよく、これとは別にヒータ電源240Bは外側ヒータゾーンに結合されてよい。一般に、ヒータ電源240Aは、内側ヒータゾーンの温度の変更に影響を与えるために、ヒータトレースR-inに電圧V-inを供給できる。同様に、ヒータ電源240Bは、外側ヒータゾーンの温度の変更に影響を与えるために、ヒータトレースR-outに電圧V-outを供給できる。
【0044】
図3Aは、本開示の一実施形態による、温度を感知するように各々が構成された1つ以上のヒータトレースによって加熱される1つ以上のヒータゾーンを備える静電チャックとして構成される、例示的な基板ホルダの垂直断面図である。具体的には、基板ホルダは、ESC310または他の種類の基板支持部材であってよい。簡潔および明確にするために、基板ホルダは、本明細書において静電チャックとして説明される。
【0045】
ESC310は、台座140の最上層であってよい。またESC310は、ベースプレート、ベースプレートに配置されたボンド層、ボンド層に配置されたセラミック層を含んでよく、ボンド層は、セラミック層をベースプレートに固定する。簡潔および明確にするために、ベースプレート、ボンド層、およびセラミック層は図示されていない。セラミック層は、1つ以上の層を含んでよい。ESC310の上面は、処理の間に基板101を支持するように構成された領域を含んでよい。
【0046】
ESC310は、支持された基板をESC310にクランプするためのクランプ電圧電源(図示せず)に結合された1つ以上のクランプ電極(図示せず)を備えてよい。いくつかの実施形態では、単一電極は、基板101をセラミック層に保持するための電界を形成するように構成されてよい。他の実施形態では、2つ以上のクランプ電極が電極間で異なる電圧を生成し、次に基板101をセラミック層に保持するための電界を形成するように構成されてよい。
【0047】
図のように、ESC310は1つ以上のヒータゾーンを備える。例えばESC310は、ヒータゾーン1(320-A)、ヒータゾーン2(320-B)からヒータゾーンN(320-N)までの複数のヒータゾーンを備えてよく、各ヒータゾーンは個々に制御されてよい(例えば、1つのヒータゾーンは、別のヒータゾーンから独立して制御されてよい)。一実施形態では、ヒータゾーンは同一水平面に設置される。別の実施形態では、第1のヒータゾーンおよび第2のヒータゾーンが異なる水平面に設置されるように、ヒータゾーンは異なる水平面に設置されてよい。各ヒータゾーンは、ヒータトレース(例えば、抵抗素子)であって、対応するヒータトレースに供給される電力(例えば、対応するヒータ電源(図示せず)によって供給される電力)を制御するためのコントローラに電気結合されたヒータトレースを備えてよい。各ヒータトレースは、対応するヒータゾーンに統合または埋設されてよく、対応するヒータゾーンに熱を提供するように構成されている。例えばヒータトレースは、ESC310のセラミック層の内部に配置されるように、セラミック層の内部に製造および形成されてよい。そのため、ヒータトレースによって生成された熱は、セラミック層に伝達されうる。各ヒータトレースは、入力端および出力端を有する。各ヒータトレースは、対応するin situ温度コントローラ200によって制御されてよい。例えば、対応するin situ温度コントローラ200は、対応するヒータトレースの入力端とそのヒータトレースの出力端との間に結合されてよい。前述のように、コントローラは、in situ温度コントローラ200、コントローラ110、またはこれらの組み合わせであってよい。例えばヒータゾーン1は、(例えば、ヒータトレース1の入力端に結合された)入力ライン305Aおよび(例えば、ヒータトレース1の出力端に結合された)出力ライン307Aを通じてin situ温度コントローラA(200A)に結合されている。つまり、in situ温度コントローラA(200A)は、ヒータゾーン1(320-A)のヒータトレース1の入力端と出力端との間に結合されている。また、in situ温度コントローラB(200B)は、ヒータゾーン2(320-B)のヒータトレース2の(例えば、入力ライン305Bを通じて)入力端と(例えば、出力ライン307Bを通じて)出力端との間に結合されている。他のヒータトレースも同様に、ヒータゾーンN(320-N)のヒータトレースNの(例えば、入力ライン305Nを通じて)入力端と(例えば、出力ライン307Nを通じて)出力端との間に結合されたin situ温度コントローラN(200N)を備えるように制御される。実施形態では、各ヒータゾーンが対応するin situ温度コントローラ200に1対1の関係で制御されうるように、または、ヒータゾーンの数よりも少ないin situ温度コントローラ200が処理に対応できるように、または、1つのin situ温度コントローラ200が処理に対応できるように、1つ以上のヒータゾーンを制御するのに1つ以上のin situ温度コントローラ200が用いられてよい。
【0048】
各in situ温度コントローラ200は、ヒータトレースの測定抵抗値を決定するために、対応するヒータトレースの電圧差および電流を感知するように構成されている。測定抵抗値は、相関関数を用いて、ヒータトレースによって加熱された対応するヒータゾーンの近似温度を決定するのに用いられてよい。相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数に基づいて、温度と抵抗との関係を形成する。そのようにして、ヒータトレースの抵抗および対応する抵抗温度係数が既知になると、対応するヒータゾーンの近似温度が決定できる。例えば、in situ温度コントローラA(200A)は、ヒータゾーン1(320-A)のヒータトレース1の入力端の電圧、および、ヒータトレース1の出力端の電圧を感知することで、ヒータトレース1の電圧差を測定または計算するように構成されている。加えて、in situ温度コントローラA(200A)は、ヒータトレース1を通る電流を感知するように構成されている。電流は、ヒータトレース1にわたって一定でなければならず、ライン307A上などの1つ以上の位置で測定できる。抵抗測定値は、感知された電圧差および感知された電流によって決定できる。次に抵抗測定値は、前述のように、対応する相関関数を用いて、対応するヒータゾーンの近似温度を決定するのに用いられる。
【0049】
このため、ヒータゾーンの近似温度は、ESC310に埋設された温度センサを用いることなく決定できる。具体的には、in situ温度コントローラ200は、ESC310に埋設された温度センサを用いることなく、対応するヒータゾーンの近似温度を決定するように構成されている。In situ温度コントローラは、ヒータトレースの電圧および/または電流を感知するために、対応するヒータトレースを含むESC310のヒータゾーン内で熱を生成するように電流を提供する回路をプローブする、および/または、その回路に接続するように構成されている。プローブおよび/または接続は、(例えば、リードを用いて、回路に接続することにより)セラミック層の外側のRF高温環境内で行われてよい。他の実施形態では、電流感知、電圧感知、抵抗測定および/または決定、ならびに温度測定および/または決定は、in situ温度コントローラ200にアルゴリズム的にプログラミングされてよい。
【0050】
一実施形態では、in situ温度コントローラ(例えば、200A、200B...200N)は、チャンバ102のプロセス条件に曝されるなどチャンバ102のRF高温環境内に設置されるように、RF境界330の内側に設置される。そのようにして本開示の実施形態は、RF高温環境におけるin situ抵抗測定を提供し、さらに、対応するヒータトレースに提供される電力のin situ制御を提供する。In situ温度コントローラ200は、ヒータゾーンを駆動し、RF境界の外側(例えば、RF寒冷環境)に設置されたユーザインタフェースとの(例えば、RFフィードバックを低減するために光ファイバケーブルによる)通信を提供するように構成されたESC制御基板に取り付けられてよい。つまり、in situ温度コントローラ200は、対応するヒータゾーンを加熱するのに用いられる対応するヒータトレースに供給される電力を制御するように構成されてよい。一実施形態では、電力は、パルス幅変調(PWM)を用いて供給される。制御基板は、各in situ温度コントローラ200によって、前述のように、対応するヒータゾーンの各ヒータトレースの電圧および電流を測定し、ESC310の対応するヒータゾーンの近似温度を計算するように構成されている。
【0051】
図3Bは、本開示の一実施形態による、図3Aの静電チャック310の特定のヒータゾーンに熱を提供するように構成された加熱システムを示し、in situ温度コントローラ200は、ヒータゾーン320に熱を提供するように構成された対応するヒータトレース345によって測定されたヒータゾーン320の温度を制御する。具体的には、ヒータトレース345は、電源240に結合された入力端351および出力端352を備える。例えば、電源240は、ライン305を通じて入力端351に電力を供給する。電源240は、ライン307を通じて出力端352に結合されている。また、in situ温度コントローラ200は、一実施形態では、ヒータトレースの入力端351と出力端352との間に結合されている。例えば、in situ温度コントローラ200は、電圧および/または電流感知のためにライン305および307に結合されてよい。また、in situ温度コントローラ200は、制御信号を伝送するために電源240に結合されている。例えば、ヒータゾーン320の算出温度およびヒータゾーン320の所望温度に基づいて、in situ温度コントローラ200がヒータトレース345に供給される電力を制御するよう構成されるように、ヒータトレース345、in situ温度コントローラ200、および電源240は、閉ループに結合されてよい。
【0052】
具体的には、in situ温度コントローラ200は、ESC310の対応するヒータゾーン320の近似温度を決定するために、ヒータトレース345をin situ抵抗測定するように構成されている。一実施形態では、近似温度は、対応するヒータゾーンに埋設または設置された温度センサを用いることなく決定される。本開示の実施形態は、既存の温度感知システムよりもずっと低コストで、高い動作温度(例えば、150℃超)で近似温度を決定するために、電圧、電流、および/または抵抗の測定を提供する。また、本開示の実施形態の温度感知システムは、ESCの少なくとも1つの層に温度感知用の切欠部および結合線がないことで、ESC実装面積全体に向上したRF均一性を提供する。
【0053】
In situ温度コントローラ200は、ヒータトレース345の電圧を測定することにより電圧感知360を実施するように構成されている。例えば、in situ温度コントローラ200は、一実施形態では、ヒータトレース345への入力電圧(V-in)を測定するためにヒータトレース345の入力端351に結合されてよい。In situ温度コントローラ200は、ヒータトレースの入力端351をシミュレーションするノード355に結合されてよい。また、in situ温度コントローラ200は、ヒータトレース345の出力電圧(V-out)を測定するためにヒータトレースの出力端352に結合されてよい。In situ温度コントローラ200は、出力端352をシミュレーションするノード357に結合されてよい。In situ温度コントローラ200は、入力電圧と出力電圧との間の電圧差を決定するように構成されてよい。
【0054】
加えて、in situ温度コントローラ200は、ヒータトレース345を通る電流を測定することにより電流感知370を行うように構成されている。例えば、in situ温度コントローラ200は、入力ライン305のノード356または355のいずれかに結合されて、同様にヒータトレース345を流れる電流Iを測定してよい。また、in situ温度コントローラ200は、出力ライン307のノード357または358のいずれかに結合されて、同様にヒータトレース345を流れる同じ電流Iを測定してよい。そのため、in situ温度コントローラ200は、ヒータトレース345の電圧および電流を測定および/または感知して、以下にさらに説明されるように、ESC310のヒータゾーン320の近似温度を算出するように構成されてよい。加えて、電力コントローラ380は、以下にさらに説明されるように、決定したヒータゾーン320の近似温度、可能であればヒータゾーン320の所望温度に基づいて、ヒータトレース345にどの電力が供給されるかを決定するように構成されている。例えば、電力コントローラ380は、ヒータトレース345に供給するために電源240用に特定の電圧レベルを供給してよい、または、正方向または負方向のいずれかに電圧を調節するために電源240に増分電圧を供給してよい。ヒータトレース345によって生成された(供給電力によって生成された)熱は、ESCの対応するヒータゾーンに伝達される。
【0055】
図3Cは、本開示の一実施形態による、ヒータゾーン320の温度を制御するためにヒータトレース345に供給される電力を制御するように構成された、図3Bのin situ温度コントローラ200の電力コントローラ380を示す。前述のように、in situ温度コントローラ200は、ヒータトレース345の電圧差(Vhtr)をリアルタイムで感知し、ヒータトレース345を通る電流(Ihtr)をリアルタイムで感知するように構成されている。
【0056】
また、電力コントローラ380の抵抗識別子365は、感知された電圧差および感知された電流に基づいて、ヒータトレース345の抵抗を(例えば、リアルタイムに)識別するように構成されている。具体的には、ヒータゾーン320のヒータトレース345の抵抗(Rhtr)は、次の方程式(1)を用いて計算できる。
htr=Vhtr/Ihtr (1)
【0057】
ESC310の対応するヒータゾーン320の近似温度395は、ヒータトレースの識別した抵抗(Rhtr)および抵抗温度係数に基づく相関関数によって、温度相関器385により得られてよい。一実施形態では、相関関数は線形である。他の実施形態では、相関関数は非線形である。一実施形態では、対応するヒータゾーン320の近似温度395は、ESC310のヒータゾーン320に埋設または設置された温度センサなしで決定される。前述のように、一実施形態では、対応するヒータゾーンの温度を決定するためにESC310に設けられているセンサはない。具体的には、ESC310(例えば、層の切欠部)には、温度センサ、電圧センサ、および電流センサは設けられていない、または埋設されていない。電流および電圧感知は、in situ温度コントローラ200によって、ESCの外側のRF高温環境内で実施されてよい。例えば、電圧および電流は、プローブ、接続などを用いて感知されてよい。また一実施形態では、電圧感知、電流感知、抵抗測定および/または決定、温度測定および/または決定は、in situ温度コントローラ200においてアルゴリズム的にプログラミングされてよい。
【0058】
具体的には、対応するヒータトレース(例えば、トレース345)の相関関数は、ヒータトレース345の較正温度(T0)におけるヒータトレース345の較正抵抗(Rhtr@T0)、およびヒータトレース345の抵抗TCRhtrの温度係数を含む、いくつかのパラメータに基づく。一実施形態では、較正測定値は、較正(定義済み)温度T0(例えば、おおよその室温である20℃)で決定されてよい。例えば較正は、製造中に工場で実施されてよい。つまり、抵抗(Rhtr@T0)は、既知温度T0において測定および/または較正できる。一般に、抵抗TCRhtrの温度係数は、一度の温度変化当たりの特定材料の抵抗変化を定義する。つまり、特定材料の温度が変化するにつれて、その対応する抵抗温度係数に定義されたように、その材料の関連抵抗も変化するだろう。このヒータトレースおよび/またはESCに埋設されたヒータトレースの抵抗温度係数は、下記のように既知(定義済み)であってよい、および/または較正されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、ヒータトレース345は、電気伝導体としてタングステンを含む。他の実施形態では、ヒータトレース345は、とりわけ電気伝導性のために、モリブデン、タンタル、タングステン、パラジウム、ルテニウム、プラチナ、合金のうちの1つ以上を含んでよい。一実施形態では、ヒータトレース345に用いられる材料は、約4.1×10-3(.0041)の最小抵抗温度係数を有する。別の実施形態では、ヒータトレース345に用いられる材料は、約4.4×10-3(.0044)の最小抵抗温度係数を有する。
【0060】
特定の(例えば、既知の抵抗温度係数TCRhtrを有する)ヒータトレースに用いられる材料の既知特性、または較正特性のため、ESCの対応する(すなわち、ヒータトレースに加熱される)ヒータゾーンの近似温度395(Tempzone)は、次の方程式(2)に基づいて計算できる。
hrr=Rhtr@T0×[1+TCRhtr×(Tempzone-T0)] (2)
【0061】
ヒータトレースの抵抗(Rhtr)が測定され、残りのパラメータ(較正温度における較正抵抗Rhtr@T0、および抵抗温度係数TCRhtr)は、定義済みおよび/または較正済みとして既知であるため、ヒータトレースの温度(Tempzone)は決定されて、対応するヒータゾーンの温度395として近似されうる。ヒータゾーンの近似温度395は、ヒータゾーンの測定温度として定義されてよい。具体的には、方程式(3)は方程式(2)で始まり、ヒータゾーンのリアルタイムの近似温度395について解く。
Tempzone=(Rhrr/Rhtr@T0-1)/TCRhtr+T0 (3)
【0062】
一実施形態では、相関関数は線形であり、相関関数は、ヒータトレースの抵抗、およびヒータトレースの温度、および/または、ヒータトレースによって加熱された対応するヒータゾーンの近似温度を関連付ける。つまり、TCRhtrは近似温度範囲にわたって一定であるため、相関関数は温度範囲にわたって線形(相関関数の傾斜が抵抗温度係数TCRhtrになる)であるだろう。一実施形態では、TCRhtrは、ヒータトレースの材料単体のために較正される。その場合、ヒータゾーンの温度応答は、対応するヒータゾーンを加熱するのに用いられるヒータトレースの温度応答に近似される。ヒータトレースの材料の抵抗温度係数が線形になると見なされたときに、ヒータゾーンの温度応答とヒータトレースの温度応答との間に望ましい近似がされてよい。
【0063】
他の実施形態では、相関関数は非線形である。つまり、TCRhtrは、近似温度範囲にわたって一定でない。それでもなおTCRhtrは、特定の点における相関関数を定義する曲線の傾斜を規定してよい。一実施形態では、TCRhtrは、ESCに埋設されたヒータトレースについて較正される。較正は、相関関数が線形または非線形のときに実施されてよいが、相関関数が非線形のときにより正確な温度計算結果を得るのに特に有効である。その場合、相関関数は、近似温度範囲にわたってESCに埋設されたヒータトレースについて較正されてよい。例えば、ヒータゾーンの温度およびヒータトレースの抵抗の測定は、より正確な相関関数を決定するために実施されてよく、相関関数は、ヒータトレースの較正抵抗とヒータトレースによって加熱されたヒータゾーンの較正温度応答との関係を定義する。
【0064】
ヒータゾーンの近似温度395は、電力コントローラ380の温度比較器387に入力として提供されてよい。ヒータゾーンの(例えば、プロセスレシピによって定義済みの)所望温度390も同様に、入力として温度比較器387に提供されてよい。温度比較器387は、ヒータゾーンの近似温度395と所望温度390との差を決定するように構成されてよい。さらに、電力選別機391は、その差を分析し、ヒータゾーンの近似温度395と所望温度390とを一致させるように構成されてよい。例えば、電力選別機391は、2つの値を一致させるように定義済み応答を適用するように構成されてよい。そのため、電力選別機391は、ヒータゾーン320のヒータトレース345に供給される電力を制御する電源240において適用される応答を出力399として提供する。この応答は、閉ループ分析によって決定されてよい。つまり、in situ温度コントローラ200の電力選別機391は、近似温度395がヒータゾーンの所望温度390と(例えば、既定期間にわたって)一致するように、ヒータゾーン320の近似温度395の閉ループ分析を実施して、電源240によってヒータトレース345に供給される電力を制御する。
【0065】
例えば、電力選別機391は、電源240によって供給される電圧レベル(V-in)を出力399としてヒータトレース345に提供してよい。別の実施形態では、電力選別機391は、ヒータゾーンの近似温度395と所望温度390とを既定期間にわたって一致させるために、ヒータゾーンの近似温度395と所望温度390との測定値差の履歴に応答して、電源240によって供給される電圧レベル(V-in)を変更する反復プロセスを実施してよい。
【0066】
図3Bおよび3Cにおけるin situ温度コントローラ200および電力コントローラ380の論理的構成部品は、それぞれの機能(例えば、電圧感知、電流感知、抵抗識別子、温度相関、温度比較器、電力選別、電力制御など)を実施するための例示的構成を示す。In situ温度コントローラ200および電力コントローラ380において記載の論理的構成部品の機能は、様々な異なる構成で論理的に組織化されてよいことが理解される。例えば、電力コントローラ380のいくつかの機能は、分割されてin situ温度コントローラ200内に設けられてよく、その逆も同様である。
【0067】
本開示の実施形態は、静電チャックにおいて用いられるマルチゾーン加熱システムを提供する。例えば、各ゾーンは、対応する抵抗素子を用いて加熱されてよい。一実施形態では、デュアルゾーン加熱システムは、加熱用のヒータトレースR-in(例えば、抵抗素子)を有する内側ヒータゾーン、および、加熱用のヒータトレースR-out(例えば、抵抗素子)を有する外側ゾーンなどの円形加熱ゾーンを備える。デュアルゾーン加熱システムは単なる一例であり、様々なレイアウト構成が支持されうることを認識されたい。例えば、内側ゾーン、中間ゾーン、および外側ゾーンを含む3つのヒータゾーンシステムなど、1つ以上のヒータゾーンを有する加熱システムが提供されうる。ヒータゾーンの数はシステム間で異なってよく、例として、1から5のヒータゾーン、5から10のヒータゾーン、5から15のヒータゾーン、5よりも多いヒータゾーン、10よりも多いヒータゾーン、20よりも多いヒータゾーン、50よりも多いヒータゾーン、75よりも多いヒータゾーン、100よりも多いヒータゾーン、または125よりも多いヒータゾーンを含む。さらに他の例では、ヒータゾーンは層ごとにグループ化されてよく、1セットの複数ヒータゾーンが1つの水平層にあり、少なくとも1つの他の層が別のセットの複数ヒータゾーンを含む。他の実施形態では、ヒータゾーンは、扇形、円形指向の加熱円、個々の抵抗素子のグリッド、ジグザグ状の抵抗素子、単一抵抗素子など、様々な構成を対象としうる。実施形態の例として、いくつかのレイアウト構成は、複数ゾーンのための連続する円環状の抵抗素子を提供してよい。前述のように、対応するヒータゾーンを加熱するために用いられる抵抗素子および/またはヒータトレースは、その時に処理のために基板を受け取る台座を規定するセラミックに統合されてよい。
【0068】
一実施形態では、マルチゾーン加熱システムはESCの1つの層に設けられ、ゾーンはESC全体に格子状に配置されている。格子の各素子は、熱を提供するように個々に制御可能である。例えば格子は、対応するヒータトレースおよび/または抵抗素子などの加熱素子の14×14の格子として構成されてよい。一実施形態では、ヒータゾーンの数は、14×14のヒータゾーンになるように1対1の関係で提供されてよい。別の実施形態では、いくつかの加熱素子は、ヒータゾーンが加熱素子の数よりも少なくなるように冗長性が提供される。例えば、14×14のヒータ素子(例えば、ヒータトレース、抵抗素子など)の格子によって支持される12×12のヒータゾーン構成があってよい。他の実施形態では、加熱素子の格子パターンは、ESCの外形に適合する様々な形状の格子パターンにおいて対称であってよい、非対称であってよい、均一に分配されてよい、不均一に分配されてよい。記載のマルチゾーン加熱システムは、ESCの1つの層に設けられてよく、ESC全体の熱の微調整を提供するように構成されてよい。
【0069】
別の実施形態では、加熱システムは、ESCの複数層にわたって分配されてよい。例えば、ESCに提供される熱の微調整のために1つの層が設けられてよい。熱の微調整は、マルチゾーン加熱システムのために上記の格子パターンの加熱素子(例えば、12×12の格子の加熱素子、14×14の格子の加熱素子など)によって提供されてよい。加熱システムは、ESCに与えられる熱の粗調整を提供するように構成された加熱ゾーンの1つ以上の別の層を含んでよい。例えば、デュアルヒータゾーンESC(例えば、2つのヒータゾーン)、3ヒータゾーンESC(例えば、3つのヒータゾーン)、またはクアッドヒータゾーンESC(例えば、4つのヒータゾーン)など、1つ以上の環のヒータゾーンがESC全体に設けられてよい。
【0070】
一実施形態では、本開示の実施形態は、セラミックの低い熱伝導率による、ヒータトレースとヒータゾーンの(例えば、温度センサによる)測定温度との間の温度相関の低分解能によって限定されない。従来の(例えば、直接温度センサを用いる)温度測定加熱システムでは、閾値(例えば、10mm)未満の厚さのヒータトレースは、上記の低分解能の温度相関では正確に測定できないため、閾値未満の厚さであってはならなかった。これはまた、(例えば、直接温度センサを用いる)正確な温度感知を有する従来の加熱システムに設けられうるヒータゾーンの数も限定した。その一方で、本開示の実施形態は、低ノイズによる電圧および電流測定の高分解能のため、ヒータトレースとヒータゾーンの測定温度との間の温度相関の高分解能を有する。そのようにして本開示の実施形態は、以前に適用された10mmの閾値よりも大幅に小さい断面のヒータトレースを提供できる。また、本開示の実施形態は、10mm未満および任意の厚さのヒータトレースの断面幅(例えば、断面の水平幅)を提供できる。これは、ヒータゾーンの厚さに関係なく電圧および電流の正確な測定を可能にし、対応するヒータゾーンの近似温度のより正確な測定を可能にする、低ノイズによる電圧および電流測定の高分解能によるものである。加えて、ヒータトレースの閉ループ制御によりこれらのヒータトレースを適宜に薄くできることで、ESC内により多くのヒータゾーン(例えば、ESC全体に分配された、個々に制御される縦型ヒータトレース)を構成できるため、本開示の実施形態は、ESCの複数のヒータゾーンに熱を与えるときに高度なプロセス制御を提供できる。
【0071】
図4は、本開示の一実施形態により、ESCに統合された対応するヒータトレースであって、温度を感知し、ヒータゾーンに熱を提供するように構成された対応するヒータトレースを用いて、静電チャックのヒータゾーンの温度を制御するための方法を示すフロー図400である。フロー図400の方法は、図1および2のプラズマ処理モジュール100、ならびに、図3A~3Cに記載のシステムのうちの1つ以上によって適用されてよい。
【0072】
この方法は、410において、電源からヒータトレースに電力を供給する工程を含む。ヒータトレースは、プラズマ処理チャンバ用のESCのヒータゾーンに統合されてよい。ヒータトレースは、ヒータゾーンに熱を提供するように構成されている。ヒータトレースは、前述のように、電源に結合された入力端および出力端を有してよい。ヒータトレースに提供される電力は、ヒータトレースの抵抗のin situ(例えば、RF高温環境内)測定を提供し、その抵抗を対応するヒータゾーンの近似温度に関連付けるように構成された温度コントローラなどの温度コントローラによって制御される。
【0073】
この方法は、420において、ヒータトレースの入力端と出力端との間の電圧差をリアルタイムに感知する工程を含む。具体的には、温度コントローラは、前述のようにヒータトレースの入力端で入力電圧を感知し、ヒータトレースの出力端で出力電圧を感知するように構成されている。そのようにして、ヒータゾーン内のヒータトレースにおける電圧降下は、温度コントローラによって決定されうる。一実施形態では、電圧および電流の感知は、プラズマ処理チャンバのRF高温環境において実施される。
【0074】
この方法は、430において、ヒータトレースの電流をリアルタイムに感知する工程を含む。具体的には、温度コントローラは、前述のようにヒータトレースを流れる電流を感知するように構成されている。電流は、ヒータトレースを含む回路全体において等しくなければならないため、回路内の複数ノードのいずれかで感知されうる。例えば電流は、ヒータトレースの入力端もしくは出力端のいずれかにおいて、または、電圧が感知される位置において感知されてよい。電流を送るために他の位置が用いられてよい。一実施形態では、電流の感知は、プラズマ処理チャンバのRF高温環境において実施される。
【0075】
この方法は、440において、感知された電圧差および感知された電流に基づいて、ヒータトレースの抵抗をリアルタムに識別する工程を含む。具体的には、温度コントローラは、前述のように抵抗を識別するように構成されている。一実施形態では、抵抗は、回路の電圧(V)、電流(I)、および抵抗(R)の関係:V=I×Rによって決定される。
【0076】
この方法は、450において、ヒータトレースの識別抵抗および相関関数に基づいてヒータゾーンの温度を近似する工程を含む。具体的には、一実施形態において、ヒータゾーンの近似温度は、前述のようにESCのヒータゾーンにおいて温度センサ(例えば、ESCの層に埋設された温度センサ)を用いることなく決定される。相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。実施形態では、相関関数は、前述のように線形または非線形であってよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、相関関数は線形であってよく、抵抗温度係数は近似範囲(例えば、動作範囲)において一定である。相関関数は、特定のヒータトレースについて定義され、特にESCに埋設されたヒータトレースについて定義される。図5は、相関関数500の図を示し、相関関数は、静電チャックのヒータゾーンに熱を提供するように構成されたヒータトレースの抵抗と温度との線形相関および/または関係を定義する。相関関数500は、ヒータトレースの抵抗温度係数(TCRhtr)を用い、相関関数の傾斜は、当該ヒータトレース、および/または、ESCに埋設されたヒータトレースのおおよその抵抗温度係数(TCRhtr)である。一実施形態では、相関関数500はヒータトレースに対して較正される。例えば較正は、ESCの製作および/または製造中に工場で実施されてよい。具体的には、抵抗温度係数(TCRhtr)は、所定材料について既知であってよい。つまり、相関関数500における線の傾斜は既知である。較正は、所定の較正温度(例えば、20℃)および較正抵抗(Rhtr@t0)について線の適した交点を提供する。そのようにして相関関数は、特定のヒータトレース、および/または、ESCのヒータゾーンに埋設されたヒータトレースについて定義されてよい。
【0078】
他の実施形態では、相関関数は非線形であってよい。相関関数は、適した動作温度範囲にわたってヒータトレース単体について、または、ESCに埋設されたヒータトレースについて較正されてよい。例えば、ヒータゾーンの温度およびヒータトレースの抵抗の測定は、前述のように非線形相関関数を決定するために実施されてよく、相関関数は、ヒータトレースの較正抵抗と、ヒータトレースによって加熱されたヒータゾーンの較正温度応答との間の関係を定義する。
【0079】
一実施形態では、ヒータゾーンの近似温度およびヒータゾーンの所望温度の閉ループ分析は、温度コントローラによって実施される。一実施形態では、閉ループ分析は、RF高温環境に対してin situで実施される。そのようにして、ヒータトレースに供給される電力は、前述のように閉ループ分析を用いて制御されてよい。例えば、温度コントローラは、一定期間にわたってヒータゾーンの近似温度を所望温度と一致させるように、ヒータトレースに供給される電力を繰り返し変更してよい。別の実施形態では、温度コントローラは、ヒータゾーンの測定近似温度に対する定義済み応答によって定義された電圧入力を提供してよい。一実施形態では、ヒータトレースに供給された電力は、パルス幅変調(PWM)によって制御される。一実施形態では、in situ電力制御がヒータトレースに提供され、閉ループ分析は、前述のようにプラズマ処理チャンバのRF高温環境において実施される。
【0080】
別の実施形態では、ユーザインタフェースがユーザに情報を提供するように構成される。ユーザインタフェースは、プラズマ処理チャンバの外側にある表示装置で提供されてよい。情報はユーザインタフェースに提供されてよく、この情報は、基板を支持するように構成されたプラズマ処理チャンバ用の静電チャックの第1のヒータゾーンの第1の温度を含む。ユーザインタフェースは、その情報に基づいて取るべき少なくとも1つの動作を含む推奨を提供するアラートを含んでよい。具体的には、第1の温度は、第1のヒータゾーンに統合された第1のヒータトレースにおける(例えば、第1のヒータトレースの入力端と出力端との間の)電圧差を感知し、第1のヒータトレースの電流を感知し、感知した電圧差および電流に基づいて第1のヒータトレースの抵抗を識別し、第1のヒータトレースの抵抗および相関関数に基づいて第1の温度を近似するように構成された第1の温度コントローラによって決定される。
【0081】
いくつかの実施形態では、アラートは、ヒータゾーンの所望温度と当該温度との差を含み、その差は閾値を超える。
【0082】
他の実施形態では、ユーザインタフェースは、静電チャックの第2のヒータゾーンの第2の温度を含む。第2の温度は、第2のヒータゾーンに統合された第2のヒータトレースにおける(例えば、第2のヒータトレースの入力端と出力端との間の)電圧差を感知し、第2のヒータトレースの電流を感知し、第2のヒータトレース内で感知した電圧差および電流に基づいて第2のヒータトレースの抵抗を識別し、第2のヒータトレースの抵抗および相関関数に基づいて第2の温度を近似するように構成された第2の温度コントローラによって決定される。さらに別の実施形態では、第1のヒータゾーンおよび第2のヒータゾーンは、異なる水平面上にある。
【0083】
一実施形態では、第1の温度コントローラがプラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置されるように、第1の温度コントローラは、第1のヒータトレースに供給された電力のin situ制御を提供するように構成される。具体的には、近似した第1の温度が所望温度と一致するように、第1の温度コントローラは近似した温度の閉ループ分析を実施して第1のヒータトレースに供給される電力を制御する。
【0084】
A1)一実施形態では、基板を処理するためのプラズマ処理システムが開示される。プラズマ処理システムは、基板を支持するための静電チャック(ESC)を備えるリアクタであって、処理ガスを受け入れるように構成されているリアクタを備える。プラズマ処理システムは、ESCのヒータゾーンを備える。プラズマ処理システムは、ヒータゾーンに統合されたヒータトレースを備える。ヒータトレースは、ヒータゾーンに熱を提供するように構成されている。ヒータトレースは、入力端および出力端を有する。プラズマ処理システムは、ヒータトレースの電圧差を感知してヒータトレースの電流を感知し、感知した電圧差および感知した電流に基づいてヒータトレースの抵抗を識別し、ヒータトレースの識別抵抗および相関関数に基づいてヒータゾーンの温度を近似するように構成された温度コントローラを備える。相関関数は、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる。
【0085】
A2)A1のプラズマ処理システムであって、相関関数は線形または非線形である。
【0086】
A3)A1)のプラズマ処理システムであって、近似温度がヒータゾーンの所望温度と一致するようにヒータトレースに供給される電力を制御するために、温度コントローラは、ヒータゾーンの近似温度の閉ループ分析を実施する。
【0087】
A4)A1)のプラズマ処理システムであって、温度コントローラがプラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置されるように、温度コントローラは、ヒータトレースに供給される電力のin situ制御を提供するように構成されている。
【0088】
A5)A1)のプラズマ処理システムであって、温度コントローラは、ヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなくヒータゾーンの温度を近似する。
【0089】
B1)基板を処理するためのプラズマ処理システム。プラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ用の静電チャック(ESC)の第1のヒータゾーンを備え、ESCは処理の間、基板を支持するように構成されている。ESCは、ヒータゾーンに統合された第1のヒータトレースを備え、第1のヒータゾーンに熱を提供するように構成されており、第1のヒータトレースは、第1の入力端および第1の出力端を有する。プラズマ処理システムは、第1のヒータトレースの第1の電圧差を感知し、第1のヒータトレースの第1の電流を感知するように構成された第1の温度コントローラを備える。温度コントローラは、感知した第1の電圧差および感知した第1の電流に基づいて、第1のヒータトレースの第1の抵抗を識別するように構成されている。温度コントローラは、第1のヒータトレースの識別した第1の抵抗および第1の相関関数に基づいて、第1のヒータゾーンの第1の温度を近似するように構成されており、第1の相関関数は、第1のヒータトレースの第1の抵抗温度係数を用いる。
【0090】
B2)B1)のプラズマ処理システムであって、第1の相関関数は、温度および抵抗の線形相関を定義し、第1のヒータトレースのおおよその抵抗温度係数である傾斜を有する。
【0091】
B3)B1)のプラズマ処理システムであって、第1の相関関数は、温度および抵抗の非線形相関を定義する。
【0092】
B4)B1)のプラズマ処理システムであって、第1の相関関数は、ESCの第1のヒータゾーンに統合された第1のヒータトレースについて定義される。
【0093】
B5)B1)のプラズマ処理システムであって、第1の温度コントローラは、第1のヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなく第1のヒータゾーンの第1の温度を近似する。
【0094】
B6)B1)のプラズマ処理システムであって、近似した第1の温度が第1のヒータゾーンの所望温度と一致するように第1のヒータトレースに供給される電力を制御するために、第1の温度コントローラは、第1のヒータゾーンの近似した第1の温度の閉ループ分析を実施する。
【0095】
B7)B6)のプラズマ処理システムであって、第1の温度コントローラは、パルス幅変調を用いて電力を制御する。
【0096】
B8)B6)のプラズマ処理システムであって、第1の温度コントローラがプラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置されるように、第1の温度コントローラは、第1のヒータトレースに供給される電力のin situ制御を提供するように構成されている。
【0097】
B9)B1)のプラズマ処理システムであって、ESCの第2のヒータゾーンおよび第2のヒータゾーンに統合された第2のヒータトレースを備える。第2のヒータトレースは、第2のヒータゾーンに熱を提供するように構成され、第2の入力端および第2の出力端を有する。プラズマ処理システムは、第2のヒータトレースの第2の電圧差を感知して第2のヒータトレースの第2の電流を感知し、感知した第2の電圧差および感知した第2の電流に基づいて第2のヒータトレースの第2の抵抗を識別し、第2のヒータトレースの識別した第2の抵抗および第2の相関関数に基づいて第2のヒータゾーンの第2の温度を近似するように構成された第2の温度コントローラを備え、第2の相関関数は、第2のヒータトレースの第2の抵抗温度係数を用いる。
【0098】
B10)B9)のプラズマ処理システムであって、第1のヒータゾーンおよび第2のヒータゾーンは、異なる水平面上にある。
【0099】
B11)B1)のプラズマ処理システムであって、第1のヒータトレースの断面の水平幅は、10mm未満である。
【0100】
図6は、上述のシステムを制御するための制御モジュール600を示す。一実施形態では、図1の制御モジュール110および/または図2の200は、制御モジュール600のいくつかの例示的構成部品を含んでよい。例えば、制御モジュール600は、プロセッサ、メモリ、および1つ以上のインタフェースを含んでよい。制御モジュール600は、検出値に部分的に基づいてシステムの装置を制御するのに用いられてよい。例えのみで、制御モジュール600は、検出値および他の制御パラメータに基づいて、弁602、フィルタヒータ604、ポンプ606、ゾーンヒータ320、および他の装置のうちの1つ以上を制御してよい。制御モジュール600は、例えのみで、圧力計610、流量計612、および/または他のセンサ616から検出値を受信する。制御モジュール600は、前駆体供給および成膜中のプロセス条件を制御するのにも用いられてよい。制御モジュール600は通常、1つ以上のメモリデバイスおよび1つ以上のプロセッサを備えるだろう。
【0101】
制御モジュール600は、前駆体供給システムおよび堆積装置の動作を制御してよい。制御モジュール600は、プロセスのタイミング、供給システムの温度、フィルタの圧力差、弁位置、ガスの混合、チャンバ圧、チャンバ温度、基板温度、RF電力レベル、基板チャックまたは台座の位置、および特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行する。制御モジュール600は、圧力差を監視し、1つ以上の経路からの蒸気前駆体の供給を1つ以上の他の経路に自動的に切り替えてもよい。いくつかの実施形態では、制御モジュール600に関連付けられたメモリデバイスに格納された他のコンピュータプログラムが用いられてよい。
【0102】
制御モジュール600は、電圧を感知し、電流を感知し、抵抗を決定し、ヒータゾーンの温度を決定し、感知した電圧および電流に基づいてヒータゾーン320に供給される電力を制御するように構成されてよい。具体的には、制御モジュール600は、ESCの対応するヒータゾーンの近似温度を決定するように構成されてよく、近似温度は、ヒータゾーンを加熱するために用いられる対応するヒータトレースの(例えば、電圧および電流の感知によって決定された)抵抗測定値と、ヒータトレースの抵抗温度係数を用いるヒータトレースの相関関数とによって決定されうる。制御モジュール600は、所望温度に対する近似温度を分析し、それに応答してヒータトレースに印加される電圧を定めるように構成されてよい。
【0103】
通常、制御モジュール600に関連付けられたユーザインタフェースがあるだろう。ユーザインタフェースは、表示装置618(例えば、装置および/またはプロセス条件の表示画面および/またはグラフィックソフトウェア画面)ならびにユーザ入力装置620(ポインティング装置、キーボード、タッチ画面、マイクなど)を含んでよい。
【0104】
前駆体の供給、堆積、およびプロセスシーケンスにおける他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムは、任意の従来のコンピュータ可読プログラミング言語(例えば、アセンブリ言語、C、C++、パルカル、フォートラン、またはその他)で書き込まれうる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトは、プログラムにおいて識別されたタスクを実行するためにプロセッサによって実行される。
【0105】
制御モジュールパラメータは、例えば、フィルタ圧力差、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RF電力レベル、低周波RF周波数など)、冷却ガス圧、ならびにチャンバ壁温度などのプロセス条件に関する。
【0106】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成されてよい。例えば、様々なチャンバ構成部品のサブルーチンまたは制御オブジェクトは、進歩的な堆積プロセスを実行するのに必要なチャンバ構成部品の動作を制御するように書き込まれてよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、基板位置決めコード、処理ガス制御コード、圧力制御コード、ヒータ制御コード、およびプラズマ制御コードを含む。
【0107】
基板位置決めプログラムは、台座またはチャックに基板を搭載し、基板とチャンバの他の部品(ガス入口および/または目標物など)との間の空間を制御するのに用いられるチャンバ構成部品を制御するためのプログラムコードを含んでよい。処理ガス制御プログラムは、チャンバ内の圧力を安定させるために、ガスの組成および流量を制御し、必要に応じて堆積前にチャンバにガスを流すためのコードを含んでよい。フィルタ監視プログラムは、測定差を既定値と比較するコード、および/または、経路を切り替えるためのコードを含む。圧力制御プログラムは、例えばチャンバの排気システムのスロットル弁を調整することによって、チャンバ内の圧力を制御するためのコードを含んでよい。ヒータ制御プログラムは、前駆体供給システムの構成部品、基板、および/またはシステムの他の部分を加熱するための加熱装置への電流を制御するためのコードを含んでよい。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板チャックへのヘリウムなどの伝熱ガスの供給を制御してよい。
【0108】
堆積中に監視されうるセンサの例は、マスフローコントローラモジュール、圧力計610などの圧力センサ、供給システムに設置された熱電対、台座またはチャックを含むがこれらに限定されない。所望のプロセス条件を維持するために、これらのセンサからのデータと共に適切にプログラミングされたフィードバック制御アルゴリズムが用いられてよい。前述は、単一チャンバまたはマルチチャンバの半導体処理ツールにおける本開示の実施形態の実施を説明している。
【0109】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理構成部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。これらの電子機器は「コントローラ」を意味してよく、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに結合もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0110】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク結合された、またはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更し、現行の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。
【0112】
リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが結合するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク結合される1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0113】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0114】
上述のようにコントローラは、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【0115】
本実施形態の上述の記載は、例示および説明のために提供されており、排他的な、または本開示を限定する意図はない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、明確に図示または説明されていなくても、適用可能な場合は入れ替えが可能であり、選択された実施形態において用いられうる。同様のことは多くの方法で異なってもよい。かかる変化は、本開示からの逸脱とは見なされず、全てのかかる変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0116】
明確な理解のために前述の実施形態がある程度詳細に説明されたが、特定の変更および修正は、添付の特許請求の範囲内で実施されてよいことが明らかだろう。従って、本実施形態は、制限的ではなく例示的とみなされ、本明細書に記載の詳細に限定されないが、特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で修正されてよい。また本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
コントローラであって、
静電チャックに統合されたヒータトレースに結合された電圧センサであって、前記電圧センサは、前記ヒータトレースにおける電圧差を感知するように構成され、前記ヒータトレースは、ヒータゾーンに関連付けられている、電圧センサと、
前記ヒータトレースに結合され、前記ヒータトレース内の電流を感知するように構成された電流センサと、
前記電圧差および感知された前記電流に基づいて、前記ヒータトレースの抵抗を識別するように構成された抵抗識別子と、
前記抵抗および前記ヒータトレースの相関関数に基づいて、前記ヒータゾーンの温度を近似するように構成された温度相関器と、を備え、
前記相関関数は、前記ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる、コントローラ。
[形態2]
形態1に記載のコントローラであって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた所望温度とを比較するように構成された温度比較器を備える、コントローラ。
[形態3]
形態2に記載のコントローラであって、さらに、
近似された前記温度と前記所望温度との比較結果に基づいて、前記ヒータトレースへの電力を調節するように構成された電力コントローラを備える、コントローラ。
[形態4]
形態3に記載のコントローラであって、
前記電力コントローラは、パルス幅変調を用いて前記電力を調節する、コントローラ。
[形態5]
形態3に記載のコントローラであって、
前記コントローラは、プラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置され、
前記コントローラは、前記ヒータトレースへの前記電力のin situ調節を提供するように構成されている、コントローラ。
[形態6]
形態3に記載のコントローラであって、
前記電力コントローラは、近似された前記温度が前記所望温度と一致するように前記ヒータトレースへの前記電力を調節するために、近似された前記温度の閉ループ分析を実施する、コントローラ。
[形態7]
形態1に記載のコントローラであって、
前記温度相関器は、温度センサを用いることなく前記温度を近似する、コントローラ。
[形態8]
ユーザインタフェースであって、
プラズマ処理チャンバ用の静電チャックの第1のヒータゾーンに関する情報を示すように構成された表示装置を備え、
前記情報は、前記第1のヒータゾーンに関連付けられた第1の温度を含み、
前記第1の温度は、第1の温度コントローラによって決定され、前記第1の温度コントローラは、
前記第1のヒータゾーンに関連付けられた第1のヒータトレースにおける電圧差を感知し、
前記第1のヒータトレース内の電流を感知し、
前記電圧差および感知した前記電流に基づいて、前記第1のヒータトレースの抵抗を識別し、
前記抵抗および前記第1のヒータトレースの相関関数に基づいて、前記第1の温度を近似するように構成されている、ユーザインタフェース。
[形態9]
形態8に記載のユーザインタフェースであって、さらに、
前記第1の温度に基づいてアラートを発出するように構成されたロジックを備える、ユーザインタフェース。
[形態10]
形態9に記載のユーザインタフェースであって、
前記アラートは、前記情報に基づいて取るべき少なくとも1つの動作を提供する推奨を含む、ユーザインタフェース。
[形態11]
形態9に記載のユーザインタフェースであって、
前記アラートは、前記第1のヒータゾーンの所望温度と前記第1の温度との差が閾値を超えたときに発出される、ユーザインタフェース。
[形態12]
形態8に記載のユーザインタフェースであって、
前記情報は、前記静電チャックの第2のヒータゾーンに関連付けられた第2の温度を含む、ユーザインタフェース。
[形態13]
形態12に記載のユーザインタフェースであって、
前記第2の温度は、第2の温度コントローラによって決定され、前記第2の温度コントローラは、
前記第2のヒータゾーンに関連付けられた第2のヒータトレースにおける電圧差を感知し、
前記第2のヒータトレース内の電流を感知し、
前記第2のヒータトレース内の前記電圧差および前記第2のヒータトレース内で感知した前記電流に基づいて、前記第2のヒータトレースの抵抗を識別し、
前記抵抗および前記第2のヒータトレースの相関関数に基づいて、前記第2のヒータゾーンの前記第2の温度を近似するように構成されている、ユーザインタフェース。
[形態14]
形態12に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1のヒータゾーンおよび前記第2のヒータゾーンは、異なる水平面にある、ユーザインタフェース。
[形態15]
形態8に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、さらに、前記第1の温度を前記第1のヒータゾーンに関連付けられた所望温度と比較するように構成されている、ユーザインタフェース。
[形態16]
形態15に記載のユーザインタフェースであって、
前記第1の温度コントローラは、さらに、前記第1の温度と前記所望温度との比較結果に基づいて、前記第1のヒータトレースへの電力を調節するように構成されている、ユーザインタフェース。
[形態17]
形態8に記載のコントローラであって、
前記第1の温度コントローラは、前記プラズマ処理チャンバのRF高温環境内に設置され、
前記第1の温度コントローラは、前記第1のヒータトレースへの前記電力のin situ調節を提供するように構成されている、コントローラ。
[形態18]
形態11に記載のコントローラであって、
前記第1の温度コントローラは、前記第1の温度が前記所望温度と一致するように前記第1のヒータトレースへの電力を調節するために、前記第1の温度の閉ループ分析を実施する、コントローラ。
[形態19]
プラズマ処理チャンバにおける静電チャック(ESC)の温度を制御するための方法であって、前記ESCは、ヒータトレースが統合されたヒータゾーンを有し、前記ヒータトレースは、入力端および出力端を有し、前記ヒータゾーンに熱を提供するように構成され、
前記ヒータトレースに電力を供給する工程と、
前記ヒータトレースの前記入力端と前記出力端との間の電圧差を感知する工程と、
前記ヒータトレース内の電流を感知する工程と、
前記感知した電圧差および前記感知した電流に基づいて、前記ヒータトレースの抵抗を識別する工程と、
前記ヒータゾーンにおいて温度センサを用いることなく、前記識別した抵抗および前記ヒータトレースの相関関数に基づいて、前記ヒータゾーンの温度を近似する工程であって、前記相関関数は、前記ヒータトレースの抵抗温度係数を用いる、工程と、
を含む、方法。
[形態20]
形態19に記載の方法であって、さらに、
近似された前記ヒータゾーンの前記温度を前記ヒータゾーンに関連付けられた所望温度と比較する工程を含む、方法。
[形態21]
形態20に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果が閾値を超えたときにアラートを発出する工程を含む、方法。
[形態22]
形態20に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果を表示する工程を含む、方法。
[形態23]
形態20に記載の方法であって、さらに、
近似された前記温度と前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度との比較結果に基づいて、前記ヒータトレースに供給される前記電力を調節する工程を含む、方法。
[形態24]
形態20に記載の方法であって、さらに、
前記ヒータトレースに供給される前記電力は、近似された前記温度が前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度と一致するように調節される、方法。
[形態25]
形態20に記載の方法であって、さらに、
前記ヒータゾーンの近似された前記温度および前記ヒータゾーンに関連付けられた前記所望温度の閉ループ分析を実施する工程と、
前記閉ループ分析に基づいて、パルス幅変調を用いて前記ヒータトレースに供給される電力を調節する工程と、
を含む、方法。
[形態26]
形態25に記載の方法であって、さらに、
前記プラズマ処理チャンバのRF高温環境内で前記閉ループ分析を実施することにより、前記ヒータトレースに供給される前記電力のin situ制御を提供する工程を含む、方法。
[形態27]
形態20に記載の方法であって、
前記相関関数は、温度および抵抗の線形相関を定義し、前記ヒータトレースのおおよその前記抵抗温度係数の傾斜を有する、方法。
[形態28]
形態20に記載の方法であって、
前記相関関数は、温度および抵抗の非線形相関を定義する、方法。
[形態29]
形態20に記載の方法であって、
前記相関関数は、前記ヒータゾーンに統合された前記ヒータトレースについて定義される、方法。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6