(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】タングステンバフ用途のための表面被覆された研削粒子
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241220BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20241220BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20241220BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20241220BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
C09G1/02
B24B37/00 H
(21)【出願番号】P 2021558848
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 US2020028255
(87)【国際公開番号】W WO2020214662
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-23
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】シーエムシー マテリアルズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(74)【代理人】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】チーエン チー-シェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー ルン-タイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン フン-ツン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ホーリン
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0100677(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0108286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0085205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C09K 3/14
C09G 1/02
B24B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨組成物であって、
(a)負に帯電されたコロイダルシリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、前記アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されており、前記研磨組成物
が2~5のpHを有する、研削剤と、
(b)水と、を
含み、
前記研磨組成物が、酸化剤をさらに含む、化学機械研磨組成物。
【請求項2】
前記シリカ粒子が、コロイダルシリカ粒子、アルミニウムドープシリカ粒子、スルホネート変性コロイダルシリカ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項3】
前記アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項4】
前記アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、請求項3に記載の研磨組成物。
【請求項5】
前記アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマー、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項6】
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、請求項5に記載の研磨組成物。
【請求項7】
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項8】
前記酸化剤が、第二鉄イオンを含む、請求項
1に記載の研磨組成物。
【請求項9】
前記酸化剤が、過酸化水素をさらに含む、請求項
8に記載の研磨組成物。
【請求項10】
前記研磨組成物が、腐食防止剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項11】
前記腐食防止剤が、グリシン、リジン、アルギニン、アラニン、またはそれらの組み合わせである、請求項1
0に記載の研磨組成物。
【請求項12】
前記腐食防止剤が、グリシンである、請求項1
1に記載の研磨組成物。
【請求項13】
前記研磨組成物が、安定剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項14】
前記安定剤が、酢酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタコン酸、ムコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1
3に記載の研磨組成物。
【請求項15】
前記安定剤が、マロン酸である、請求項1
4に記載の研磨組成物。
【請求項16】
前記研磨組成物が、有機ホスホン酸をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項17】
前記有機ホスホン酸が、2-アミノエチルホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、1-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸、α-メチルホスホノコハク酸、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1
6に記載の研磨組成物。
【請求項18】
前記研磨組成物が
、3~3.5のpHを有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項19】
前記研磨組成物が、殺生物剤、緩衝剤、界面活性剤、触媒、安定剤、腐食防止剤、およびそれらの組み合わせから選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項20】
基板を化学機械研磨する方法であって、
(i)基板を提供することと、
(ii)研磨パッドを提供することと、
(iii)
(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、前記アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、
(b)水と、
酸化剤と、を含む、化学機械研磨組成物を提供することと、
(iv)前記基板を前記研磨パッドおよび前記化学機械研磨組成物と接触させることと、
(v)前記研磨パッドおよび前記化学機械研磨組成物を前記基板に対して動かして、前記基板の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、請求項2
0に記載の方法。
【請求項22】
前記アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、請求項2
0に記載の方法。
【請求項23】
前記アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含むか、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、請求項2
0に記載の方法。
【請求項24】
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、請求項2
3に記載の方法。
【請求項25】
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、請求項2
0に記載の方法。
【請求項26】
前記研磨組成物が
、腐食防止剤、安定剤、有機ホスホン酸、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項2
0に記載の方法。
【請求項27】
前記基板が、前記基板の表面上に酸化ケイ素層を含み、前記酸化ケイ素層の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨する、請求項2
0に記載の方法。
【請求項28】
前記基板が、前記基板の表面上に窒化物層を含み、前記窒化物層の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨する、請求項2
0に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
化学機械研磨(CMP)組成物および基板の表面を研磨(または平坦化)する方法は、当該技術分野で周知である。半導体基板上の金属層(タングステンなど)を研磨するための研磨組成物(研磨スラリー、CMPスラリー、およびCMP組成物としても知られている)には、水溶液に懸濁した研削粒子および酸化剤、キレート剤、触媒などの化学促進剤が含まれ得る。
【0002】
従来のCMP操作では、研磨される基板(ウェハ)は、キャリア(研磨ヘッド)上に取り付けられ、次にキャリアはキャリアアセンブリ上に取り付けられ、CMP装置(研磨工具)の研磨パッドと接触して配置される。キャリアアセンブリは、制御可能な圧力を基板に提供し、基板を研磨パッドに押し付ける。基板およびパッドは、外部からの駆動力によって相互に動く。基板およびパッドの相対運動により、材料の一部が研削されて基板の表面から除去され、それにより基板が研磨される。パッドおよび基板の相対運動による基板の研磨は、研磨組成物の化学的活性により(例えば、CMP組成物中に存在する酸化剤およびその他の化合物により)、および/または研磨組成物に懸濁した研削剤の機械的活性によりさらに支援され得る。
【0003】
典型的なタングステンプラグおよび相互接続プロセスでは、タングステンが誘電体上および誘電体内に形成された開口部内に堆積される。誘電体層上の余分なタングステンは、次いで、CMP操作中に除去され、誘電体内にタングステンプラグおよび相互接続が形成される。バルクタングステンの除去に続いて、基板表面をバフ研磨工程に供し、細片を除去することで表面に対してより均一なトポロジーを提供する。タングステンプラグおよび相互接続などの基板フィーチャ内の侵食は、フィーチャ内からの過剰な金属除去であり、非平坦性につながるため、最小限に抑えるか、より好ましくは元に戻す必要さえあるため、バフ研磨への要求は厳しい。バフ研磨工程は、タングステン、誘電体、および窒化ケイ素などのバリア材料などの2つ以上の異なる材料の研磨を伴い、したがって、好適な表面トポグラフィを実現するには、様々な材料の除去速度の適切なバランスが必要である。
【0004】
シリカ系研削剤を含有する従来の研磨組成物は、タングステンを含む基板を研磨する場合、典型的に、高い粗さ、不十分なトポグラフィ、およびエッジオーバー侵食の問題をもたらす。対照的に、処理されたアルミナを含む研磨組成物は、良好なトポグラフィ性能を提供し得るが、典型的には、不適切な除去速度を欠点として持つ。侵食とは、基板フィーチャ内のタングステンの過剰な除去を指し、非平坦な表面トポグラフィをもたらす。侵食を最小限に抑えるか、またはさらに減少させるために、研磨組成物は、基板表面のフィーチャからのタングステンの除去と、酸化ケイ素および/またはSiNの除去とのバランスがとれて、最適化された表面トポグラフィをもたらすように、最適化された材料除去率を示さなければならない。
【0005】
したがって、侵食を最小限に抑えるかまたは元に戻す一方で、良好な表面トポグラフィおよび平坦性を提供するタングステンバルク研磨およびバフ用途のための新規な研磨方法および組成物を開発する継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物を提供する。
【0007】
本発明はまた、(i)基板を提供することと、(ii)研磨パッドを提供することと、(iii)(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物を提供することと、(iv)基板を研磨パッドおよび化学機械研磨組成物と接触させることと、(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して動かして、基板の少なくとも一部を研削して、基板を研磨することと、を含む、基板を化学機械研磨する方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態では、本発明は、(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる、化学機械研磨組成物を提供する。本発明の化学機械研磨組成物の研削剤は、研削剤が、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子の両方を含むような混合粒子研削剤である。
【0009】
本発明の研磨組成物のシリカ粒子は、任意の好適なシリカ粒子であり得る。一実施形態では、シリカ粒子は、コロイダルシリカ粒子、アルミニウムドープシリカ粒子、またはそれらの組み合わせを含む。例示的なコロイダルシリカ粒子には、例えば、Fuso Chemical Co.(Tokyo,Japan)から市販されているPL-3D、PL-2、およびPL-5コロイダルシリカ(それぞれ、約35nm、25nm、および60nmの一次粒子径)が含まれる。例示的なアルミニウムドープシリカ粒子(例えば、アルミネート処理)としては、Nissan Chemical(Santa Clara,CA)から市販されているSNOWTEX(商標)-Oシリカが挙げられる。
【0010】
本発明の一態様によれば、アルミナ粒子は、正味の負電荷を帯びている。負に帯電したアルミナ粒子は、アルミナ粒子に負の電荷を提供する任意の好適な方法で得ることができる。典型的には、アルミナ粒子は、被覆されている(例えば、アニオン性ポリマーで表面被覆されている)。本発明の研磨組成物のアルミナ粒子は、アニオン性ポリマーで表面被覆された任意の好適なアルミナ粒子であり得る。
【0011】
アルミナ粒子は、好ましくは、アニオン性ポリマーを含む(例えば、アニオン性ポリマーで被覆された)表面を有する。アニオン性ポリマーは、典型的には静電的に、アルミナ粒子と相互作用し、アルミナ粒子は、水性キャリア中に懸濁されるか、または研磨パッド上に固定されて、研削粒子の表面の少なくとも一部を被覆する。特に、アニオン性ポリマーは、CMP組成物のpHで好適なゼータ電位を有するアルミナ粒子と結合する。ゼータ電位とは、固体と液体の界面を横切る電位、具体的には帯電したコロイド粒子(例えば、アルミナ粒子)を取り巻くイオンの拡散層を横切る電位を指す。アルミナ粒子のゼータ電位はpHによって異なる。例えば、正のゼータ電位を持つアルミナ粒子は、アニオン性ポリマーと静電的に相互作用することができる。また、アルミナ粒子表面に十分な正のサイトを有するわずかに負のゼータ電位を有するアルミナ粒子は、1つ以上のアニオン性ポリマーと静電的に相互作用することができる。アルミナ粒子は、好ましくは、CMP組成物のpHで正のゼータ電位を有する。アルミナ粒子のゼータ電位は、アニオン性ポリマーとアルミナ粒子との相互作用により低下する。
【0012】
α-アルミナ粒子は、典型的には未処理/非被覆状態で正に帯電した表面を有するため、アニオン性ポリマーのα-アルミナ粒子との結合により、ポリマーまたはコポリマーの酸性官能基の少なくとも一部が脱プロトン化され、ひいてはポリマーをアルミナ粒子と一緒に負に帯電させる。得られたポリマーで被覆された粒子は、2~9のpH範囲にわたって、-10mV未満のゼータ電位を有する。
【0013】
アルミナ粒子は、ヒュームドアルミナ粒子または非ヒュームドα-アルミナ粒子であり得る。ヒュームドアルミナ粒子は一般に、一次粒子の凝集体の形をしているが、凝集体は、かなりのエネルギー入力なしでは容易に個々の一次粒子には分解されない。一次粒子は概して球形であるが、凝集体は一次粒子の鎖状構造であり、概して球形ではない。非ヒュームドα-アルミナ粒子はアルミナの結晶形であり、典型的には凝集体を形成しない。好ましい実施形態では、アルミナ粒子は非ヒュームドα-アルミナ粒子である。
【0014】
本発明の研磨組成物の研削粒子は、任意の好適な平均粒子径(例えば、平均粒子直径)を有し得る。粒子の粒径は、粒子を包含する最小球の直径である。研削粒子は、約10nm以上、例えば、約15nm以上、約20nm以上、約25nm以上、約35nm以上、約45nm以上、約50nm以上、約55nm以上、約60nm以上、約75nm以上、または約100)nm以上の平均粒子径を有することができる。あるいは、または加えて、研削粒子は、約1,000nm以下、例えば、約950nm以下、約950nm以下、約900nm以下、約850nm以下、約800nm以下、約750nm以下、約700nm以下、約650nm以下、約600nm以下、約650nm以下、約500nm以下、約475nm以下、約450nm以下、約425nm以下、約400nm以下、約375nm以下、約350nm以下、約325nm以下、約300nm以下、約275nm以下、約250nm以下、約225nm以下、約200nm以下、約175nm以下、約160nm以下、約150nm以下、約125nm以下、約115nm以下、約100nm以下、約90)nm以下、または約80nm以下の平均粒子径を有することができる。例えば、研削粒子は、約25nm~約250nm、例えば、約35nm~約200nm、約45nm~約150nm、約50nm~約125nm、約55nm~約120nm、または約60nm~約115nmの平均粒子径を有することができる。したがって、研削粒子は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる平均粒子径を有することができる。例えば、研削粒子は、約10nm~約1000nm、約25nm~約950nm、約30nm~約900nm、約35nm~約850nm、約40nm~約800nm、約45nm~約750nm、約50nm~約700nm、約55nm~約650nm、約60nm~約600nm、約75nm~約550nm、約100nm~約500nm、約25nm~約450nm、約30~約400nm、約35nm~約350nm、約40nm~約300nm、約45nm~約250nm、または約50nm~約200nmの平均粒子径を有することができる。
【0015】
研削粒子の粒子径は、任意の好適な手法、例えば、光散乱技術を使用して測定することができる。好適な粒子径測定機器は、例えば、Malvern Instruments(Malvern,UK)から入手可能である。
【0016】
ヒュームドアルミナ粒子は、約30nm以上、例えば、約40nm以上、約50nm以上、約60nm以上、約70nm以上、約80am以上、約90nm以上、または約100nm以上の平均粒径を有することができる。あるいは、または加えて、ヒュームドアルミナ粒子は、約250nm以下、例えば、約230nm以下、約210nm以下、約190nm以下、約170nm以下、または約150nm以下の平均粒子径を有することができる。したがって、ヒュームドアルミナ粒子は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる範囲内の平均粒径を有することができる。例えば、ヒュームドアルミナ粒子は、約30nm~約250nm、例えば、約80nm~約250nm、約80nm~約210nm、または約100nm~約150nmの平均粒子径を有することができる。
【0017】
研磨組成物は、任意の好適な濃度の研削剤を含むことができる。本発明の研磨組成物が研削剤をほとんど含まない場合、組成物は十分な除去率を示さない場合がある。対照的に、研磨組成物が過剰な研削剤を含む場合、組成物は望ましくない研磨性能を示し、傷などの表面欠陥を招き、費用効果がなく、および/または安定性を欠く場合がある。研磨組成物は、約10重量%以下、例えば、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下または約5重量%以下の研削剤を含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約0.1重量%以上、例えば、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、または約1重量%以上の研削剤を含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量で研磨剤を含むことができる。例えば、研磨組成物は、約0.1重量%~約10重量%の研削剤、例えば、約0.1重量%~約9重量%の研削剤、約0.1重量%~約8重量%の研削剤、約0.1重量%~約7重量%の研削剤、約0.1重量%~約6重量%の研削剤、約0.1重量%~約5重量%の研削剤、約0.1重量%~約5重量%の研削剤、約0.2重量%~約5重量%の研削剤、約0.3重量%~約5重量%研削剤、約0.4重量%~約5重量%の研削剤、約0.5重量%~約5重量%の研削剤、約0.6重量%~約5重量%の研削剤、約0.7重量%~約5重量%の研削剤、約0.8重量%~約5重量%の研削剤、約0.9重量%~約5重量%の研削剤、または約1重量%~約5重量%の研削剤を含むことができる。
【0018】
本発明の一態様に沿って、本発明の研磨組成物のアルミナ粒子は、アニオン性ポリマーで表面被覆されている。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、アルミナ粒子は、カチオン性研削粒子とアニオン性ポリマーとの間の水素結合および/または静電相互作用を介して、アニオン性ポリマーで表面被覆されていると考えられている。アニオン性ポリマーは、任意の好適なアニオン性ポリマーであり得る。
【0019】
一実施形態では、アニオン性ポリマーは、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸の繰り返し単位を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位と、カルボン酸モノマー単位との繰り返し単位の組み合わせを含むか、またはそれらからなる(すなわち、コポリマー)。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位と、ホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むか、またはそれらからなる(すなわち、コポリマー)。いくつかの実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位の繰り返し単位からなる。他の実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位、およびカルボン酸単位またはホスホン酸モノマー単位のコポリマーである。コポリマーは、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位の組み合わせ、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位の組み合わせを含むか、またはそれらからなる、任意の好適なコポリマーであり得る。
【0021】
好適なスルホン酸モノマー単位の非限定的な例には、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スチレンスルホン酸ナトリウム、および2-プロペン-1-スルホン酸、ならびにそれらの塩、それらの組み合わせなどが含まれる。
【0022】
好適なカルボン酸モノマーの非限定的な例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、それらの組み合わせなどが含まれる。
【0023】
好適なホスホン酸モノマーの非限定的な例には、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビニルホスホン酸、アンモニウムビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレート、アクリルアミドホスホネートモノマー、それらの組み合わせなどの1つ以上の不飽和C=C結合を有するジホスホン酸またはポリホスホン酸が含まれる。
【0024】
コポリマーは、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位の組み合わせ、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位の組み合わせの共重合により生成する必要はない。また、好適なコポリマーは、前駆体コポリマーの後重合プロセス、およびそれに続くコポリマーの、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位の組み合わせを有するコポリマーへの転換によって調製することができることも企図される。
【0025】
コポリマーは、ランダムコポリマーでもブロックコポリマーでもよい。一実施形態では、コポリマーは、ランダムコポリマーである。
【0026】
別の実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位と、カルボン酸モノマー単位との組み合わせを含む。
【0027】
さらに別の実施形態では、アニオン性ポリマーは、スルホン酸モノマー単位と、ホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む。
【0028】
一実施形態では、アニオン性ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む。
【0029】
好ましい実施形態では、アニオン性ポリマーは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位、およびアクリル酸モノマー単位(AA-AMPS)からなる。この実施形態によれば、コポリマーは、10:1~1:10のモル比範囲で、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位、およびアクリル酸モノマー単位を有し得るが、これに限定されない。
【0030】
別の好ましい実施形態では、アニオン性ポリマーは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる(AMPS)。
【0031】
アニオン性ポリマー(例えば、コポリマー)は、任意の好適な分子量を有することができる。アニオン性ポリマーは、約500g/モル以上、例えば、約1,000g/モル以上、約2,000g/モル以上、約3,000g/モル以上、約4,000g/モル以上、約5,000g/モル以上、約6,000g/モル以上、約7,000g/モル以上、約8,000g/モル以上、約9,000g/モル以上、約10,000g/モル以上、約15,000g/モル以上、約20,000g/モル以上、約40,000g/モル以上、または約50,000g/モル以上の平均分子量を有することができる。あるいは、または加えて、アニオン性ポリマーは、約100,000g/モル以下、例えば、約95,000g/モル以下、約90,000g/モル以下、約85,000g/モル以下、約80,000g/モル以下、約75,000g/モル以下、約70,000g/モル以下、約65,000g/モル以下、約60,000g/モル以下、約55,000g/モル以下、または約50,000g/モル以下の平均分子量を有することができる。したがって、アニオン性ポリマーは、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる平均分子量を有することができる。例えば、アニオン性ポリマーは、約1,000g/モル~約100,000g/モル、約1,000g/モル~約90,000g/モル、約1,000g/モル~約80,000g/モル、約1,000g/モル~約70,000g/モル、約1,000g/モル~約60,000g/モル、約1,000g/モル~約50,000g/モル、約2,000g/モル~約50,000g/モル、約3,000g/モル~約50,000g/モル、約4,000g/モル~約50,000g/モル、または約5,000g/モル~約50,000g/モルの平均分子量を有することができる。
【0032】
アルミナ粒子は、任意の好適な量のアニオン性ポリマーで被覆することができる。アニオン性ポリマーを、研磨組成物に添加して、その場でアルミナ粒子を被覆し得ることも想定されている。
【0033】
アルミナ粒子は、任意の好適な方法で、アニオン性ポリマー(例えば、コポリマー)で表面被覆することができる。一実施形態では、研磨組成物に添加する前に、アルミナ粒子は、任意選択的に溶媒の存在下で、コポリマーで処理される。アルミナ粒子は、別個の工程で、水中で表面被覆されて、表面被覆されたアルミナ粒子の分散液を形成し得、得られた表面被覆されたアルミナ粒子の分散液は、研磨組成物を調製するために使用される。いくつかの実施形態では、アルミナ粒子は、溶媒の非存在下、または研磨組成物の水以外の溶媒、もしくは研磨組成物の水と組み合わせた追加の溶媒の存在下で、表面被覆することができる。追加の溶媒を、例えば、共沸蒸留によって除去して、追加の溶媒を実質的に含まない水中に表面被覆アルミナ粒子の分散液を提供してもよい。他の実施形態では、表面被覆アルミナ粒子は、研磨組成物の調製に使用する前に、ろ過、遠心分離、噴霧乾燥、または任意の好適な技術によって、実質的に乾燥した材料、すなわち、いかなる溶媒も実質的に含まないものとして分離することができる。さらに他の実施形態では、表面被覆されたアルミナ粒子は、研磨組成物中にアルミナ粒子とアニオン性ポリマー(すなわち、コポリマー)とを組み合わせると、その場で形成される。好ましい実施形態では、表面被覆されたアルミナ粒子は、アルミナ粒子の等電点以下のpHを有する水性媒体中で、アルミナ粒子とアニオン性ポリマーとを組み合わせることによって形成されて、アルミナ粒子およびアニオン性ポリマーの水性分散液を形成し、次いで、アルミナ粒子およびアニオン性ポリマーの水性分散液を、水性分散液が十分に混合するような条件に供する。一実施形態では、水性分散液を高せん断混合に供する。
【0034】
アルミナ粒子は、任意の好適な量のアニオン性ポリマー(例えば、コポリマー)を含み得る。アニオン性ポリマーの量は、研磨組成物中に存在するアニオン性ポリマーの総量を指す。アルミナ粒子は、約1ppm以上、例えば、約5ppm以上、約10ppm以上、約20ppm以上、約30ppm以上、約40ppm以上、または約50ppm以上のアニオン性ポリマーを含むことができる。あるいは、または加えて、アルミナ粒子は、約500ppm以下、例えば、約450ppm以下、約400ppm以下、約350ppm以下、約300ppm以下、約250ppm以下、約200ppm以下、約150ppm以下、または約100ppm以下のアニオン性ポリマーを含むことができる。したがって、アルミナ粒子は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量でアニオン性ポリマーを含むことができる。例えば、アルミナ粒子は、約1ppm~約500ppm、例えば、約5ppm~約450ppm、約10ppm~約400ppm、約10ppm~約350ppm、約10ppm~約300ppm、約10ppm~約250ppm、約10ppm~約200ppm、約10ppm~約100ppm、約10ppm~約90ppm、約10ppm~約80ppm、約10ppm~約70ppm、約10ppm~約60ppm、約10ppm~約50ppm、約10ppm~約40ppm、約20ppm~約300ppm、約20ppm~約250ppm、約20ppm~約200ppm、約20ppm~約150ppm、または約20ppm~約100ppmのアニオン性ポリマーを含むことができる。
【0035】
別の実施形態では、研磨組成物は、研磨組成物中の研削剤の重量に基づいた量でアニオン性ポリマーを含む。例えば、研磨組成物は、研磨組成物中の研削剤の重量に基づいて、約0.01重量%以上、例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、例えば、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、約0.6重量%以上、約0.7重量%以上、約0.8重量%以上、約0.9重量%以上、または約1重量%以上のアニオン性ポリマーを含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、研磨組成物中の研削剤の重量に基づいて、約5重量%以下、例えば、約4.5重量%以下、約4重量%以下、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、または約2重量%以下のアニオン性ポリマーを含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる研削剤に対する重量比でアニオン性ポリマーを含むことができる。例えば、研磨組成物は、研磨組成物中の研削剤の重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%、例えば、約0.05重量%~約5重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.3重量%~約5重量%、約0.4重量%~約5重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.5重量%~約4.5重量%、約0.5重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3.5重量%、約0.5重量%~約3重量%、約0.6重量%~約3重量%、約0.7重量%~約3重量%、約0.8重量%~約3重量%、約0.9重量%~約3重量%、または約1重量%~約3重量%のアニオン性ポリマーを含むことができる。
【0036】
シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子を含む研削剤は、望ましくは、本発明の研磨組成物においてコロイド的に安定である。コロイドという用語は、液体キャリア(例えば、水)中の研削粒子の懸濁を指す。コロイド安定性とは、その懸濁の一定期間の維持を指す。本発明の文脈では、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子を含む研削剤を100mLのメスシリンダーに入れ、2時間撹拌せずに静置した際に、メスシリンダーの底部50mLにおける粒子の濃度([B]、単位g/mL)と、メスシリンダーの上部50mLにおける粒子の濃度([T]、単位g/mL)との差を、研削組成物における粒子の初期濃度([C]、単位g/mL)で除した値が0.5以下である(すなわち{[B]-[T]}/[C]≦0.5)場合、研削粒子はコロイド的に安定であるとみなされる。より好ましくは、[B]-[T]/[C]の値は0.3以下であり、最も好ましくは0.1以下である。
【0037】
いくつかの実施形態では、化学機械研磨組成物は、酸化剤をさらに含む。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、酸化剤は、研磨速度を増加させるのに役立つ、すなわち、速度促進剤として機能すると考えられている。酸化剤は、任意の好適な酸化剤であり得る。ある特定の実施形態では、酸化剤は第二鉄イオンを含む。第二鉄イオンは、任意の好適な第二鉄イオン源によって提供され得る。いくつかの実施形態では、酸化剤は金属の塩を含むことができる。例えば、第二鉄イオンは、硝酸イオン(例えば、硝酸第二鉄)、シアン化物イオン(例えば、第二鉄アニオン)などの無機アニオンを含む第二鉄塩によって提供され得る。酸化剤はまた、酢酸塩、アセチルアセトネート、クエン酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸塩、フタレート、およびコハク酸塩、ならびにそれらの混合物などの有機鉄(III)化合物を含むことができるが、これらに限定されない。
【0038】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、オキシ含有酸化剤を含む。好適なオキシ含有酸化剤の非限定的な例には、過硫酸塩、臭素酸過硫酸塩、ヨウ素酸過硫酸塩、過臭素酸塩過硫酸塩、過ヨウ素酸塩過硫酸塩、過酸化水素、有機過酸化化合物、例えば過酢酸、オキソンなどが含まれる。
【0039】
化学機械研磨組成物は、任意の好適な量の酸化剤を含むことができる。化学機械研磨組成物は、約1ppm以上、例えば、約5ppm以上、約25ppm以上、約50ppm以上、約75ppm以上、または約100ppm以上の酸化剤を含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約2,000ppm以下、例えば、約1,500ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、または約250ppm以下の酸化剤を含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量で酸化剤を含むことができる。例えば、化学機械研磨組成物は、約1ppm~約2,000ppmの酸化剤、約5ppm~約1,500ppm、約25ppm~約1,000ppm、約50ppm~約500ppm、または約75ppm~約250ppmの酸化剤を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、化学機械研磨組成物の酸化剤は、過酸化水素をさらに含む。過酸化水素は、存在する場合、研磨組成物中に任意の好適な量で存在し得る。例えば、研磨組成物は、約0.1重量%~約10重量%、例えば約0.5重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約5重量%の過酸化水素を含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、化学機械研磨組成物は、腐食防止剤をさらに含む。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、腐食防止剤は、金属(例えば、タングステン)のエッチングを抑制するのに役立ち、したがって、腐食防止剤として機能する。当業者によって理解されるように、腐食防止剤化合物は、可溶性金属化合物への固体金属の変換を阻害すると同時に、CMP操作による固体金属の効果的な除去を可能にする。好適な腐食防止剤の非限定的な例としては、例えば、グリシン、リジン、アルギニン、アラニン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
好ましい実施形態では、化学機械研磨組成物は、グリシンを含む。
【0043】
他の例示的な腐食防止剤としては、本明細書に記載されるように、窒素含有複素環、アルキルアンモニウムイオン、アミノアルキルなどの窒素含有官能基を有する化合物、および腐食防止剤(すなわち、天然および合成的に発生するもの)が挙げられる。好ましい実施形態では、研磨組成物は、ヘキシルアミン、テトラメチル-p-フェニレンジアミン、オクチルアミン、ジエチレントリアミン、ジブチルベンジルアミン、アミノプロピルシラノール、アミノプロピルシロキサン、ドデシルアミン、チロシン、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、リジン、グリシン(アミノ酢酸)、およびそれらの組み合わせから選択される、腐食防止剤を含む。
【0044】
研磨組成物は、任意の好適な量の腐食防止剤を含むことができる。組成物が含む腐食防止剤が少なすぎる場合、組成物は十分な研磨性能を示さない可能性がある。対照的に、研磨組成物が含む腐食防止剤が多すぎる場合、組成物は、望ましくない研磨性能を示す可能性があり、費用効果がない可能性があり、かつ/または安定性に欠ける可能性がある。したがって、研磨組成物は、約10重量%以下、例えば約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、または約2重量%以下の腐食防止剤を含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約0.01重量%以上、例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、または約1.5重量%以上の腐食防止剤を含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量で腐食防止剤を含むことができる。例えば、研磨組成物は、約0.01重量%~10重量%、例えば、約0.05重量%~約9重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.5重量%~約7重量%、約1重量%~約6重量%、約1.5重量%~約5重量%、または約2重量%~約4重量%の量の腐食防止剤を含むことができる。
【0045】
一実施形態では、研磨組成物は、約0.02重量%~約0.2重量%、例えば、約0.05重量%、約0.1重量%、または約0.15%の量で、腐食防止剤を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、化学機械研磨組成物は、安定剤をさらに含む。典型的には、安定剤は、有機カルボン酸を含む。安定剤は、存在する場合、酸化剤の第二鉄イオンを安定化するのに役立つ。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、安定剤(例えば、有機カルボン酸)は、第二鉄イオンが経時的に組成物中の他の成分を分解するのを防止するのに役立つ、すなわち、第二鉄イオンの反応性を弱めると考えられている。さらに、安定剤の添加によって、第二鉄含有促進剤の有効性が低減し、その結果、研磨組成物に添加される安定剤の種類と量の選択が、CMP性能に有意な影響を与え得る。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、安定剤の添加によって、安定剤/酸化剤の複合体の形成がもたらされ、それは、酸化剤の反応性を抑制すると同時に、酸化剤が十分な活性を維持することで、急速なタングステンの研磨速度を促進し得ると考えられている。
【0047】
好ましい安定剤には、例えば、酢酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタコン酸、ムコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、およびそれらの混合物などの、有機カルボン酸が含まれる。一実施形態では、安定剤は、マロン酸である。安定剤は、その共役形態で使用されてもよく、例えば、カルボン酸の代わりにカルボン酸塩が使用されてもよい。「酸」という用語はまた、酸の共役塩基(または複数の塩基)も含む。例えば、「アジピン酸」という用語には、アジピン酸とその共役塩基が含まれる。有機カルボン酸は、単独で、または組み合わせて使用することができ、過酸化水素などの酸化剤が分解する速度を大幅に低下させる。
【0048】
研磨組成物は、任意の好適な量の安定剤を含むことができる。組成物が含む安定剤が少なすぎる場合、組成物は、十分な研磨性能を示さないか、または不安定であり得る。対照的に、研磨組成物が含む有機カルボン酸が多すぎる場合、組成物は、費用効果がない可能性があり、かつ/または安定性に欠ける可能性がある。したがって、研磨組成物は、約10重量%以下、例えば、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、または約2重量%以下の安定剤を含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約0.01重量%以上、例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、または約1.5重量%以上の安定剤を含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量で安定剤を含むことができる。例えば、研磨組成物は、約0.001重量%~約10重量%、例えば約0.005重量%~約9重量%、約0.01重量%~約8重量%、約0.05重量%~約7重量%、約0.1重量%~約6重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、または約1.5重量%~約3重量%の量の安定剤を含むことができる。
【0049】
一実施形態では、研磨組成物は、約0.01重量%~約1重量%(例えば、約0.05重量%)の量の安定剤を含む。別の実施形態では、研磨組成物は、約0.1重量%の量の安定剤を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、化学機械研磨組成物は、有機ホスホン酸をさらに含む。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、有機ホスホン酸は、酸化ケイ素の研磨速度を増加させ、それによって、酸化物除去速度促進剤として機能すると考えられている。有機ホスホン酸を含めることによって、除去速度が改善され、研磨された酸化物表面の欠陥が減少すると考えられている。有機ホスホン酸は、存在する場合、任意の好適な有機ホスホン酸であり得る。好適な有機ホスホン酸の非限定的な例には、2-アミノエチルホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、l-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸、α-メチルホスホノコハク酸、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0051】
研磨組成物は、任意の好適な量の有機ホスホン酸を含むことができる。研磨組成物は、約0.01重量%以上の有機ホスホン酸、例えば、約0.02重量%以上、約0.03重量%以上、約0.04重量%以上、約0.05重量%以上、約0.06重量%以上、約0.07重量%以上、約0.08重量%以上、約0.09重量%以上、または約0.1重量%以上の有機ホスホン酸を含むことができる。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約2重量%以下、例えば、約1.9重量%以下、約1.8重量%以下、約1.7重量%以下、約1.6重量%以下、約1.5重量%以下、約1.4重量%以下、約1.3重量%以下、約1.2重量%以下、約1.1重量%以下、または約1重量%以下の有機ホスホン酸を含むことができる。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられる量で有機ホスホン酸を含むことができる。例えば、研磨組成物は、有機ホスホン酸を約0.01重量%~約2重量%、約0.01重量%~約1重量%、約0.02重量%~約1重量%、約0.03重量%~約1重量%、約0.04重量%~約1重量%、約0.05重量%~約0.5重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%含むことができる。
【0052】
研磨組成物は、約2~約5のpHを有する。したがって、研磨組成物は、約2以上、例えば、約2.1以上、約2.2以上、約2.3以上、約2.4以上、約2.5以上、約2.6以上、約2.7以上、約2.8以上、約2.9以上、約3.0以上、約3.1以上、約3.2以上、約3.3以上、または約3.4以上のpHを有し得る。あるいは、または加えて、研磨組成物は、約5以下、例えば、約4.9以下、約4.8以下、約4.7以下、約4.6以下、約4.5以下、約4.4以下、約4.3以下、約4.2以下、約4.1以下、約4以下、約3.9以下、約3.8以下、約3.7以下、約3.6以下、または約3.5以下のpHを有し得る。したがって、研磨組成物は、前述の端点のいずれか2つによって境界付けられるpHを有することができる。例えば、研磨組成物は、約2~約5、例えば、約2.1~約5、約2.2~約4.9、約2.3~約4.8、約2.4~約4.7、約2.5~約4.6、約2.6~約4.5、約2.7~約4.4、約2.8~約4.3、約2.9~約4.2、約3.0~約4.1、約3.1~約4.0、約3.0~約3.5、または約3.2~約3.9のpHを有することができる。
【0053】
研磨組成物のpHは、必要に応じて、任意の好適な酸または塩基を使用して調整することができる。好適な酸の非限定的な例には、硝酸、硫酸、リン酸、ならびにギ酸および酢酸のような有機酸が含まれる。好適な塩基の非限定的な例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウムが含まれる。
【0054】
研磨組成物は、任意に、1つ以上の添加剤をさらに含む。例示的な添加剤としては、殺生物剤、緩衝液、界面活性剤、触媒、およびそれらの組み合わせが挙げられる。添加剤は、存在する場合、研磨組成物の安定性に悪影響を及ぼさないことが望ましい。
【0055】
殺生物剤は、存在する場合、任意の好適な殺生物剤であり得、研磨組成物中に任意の好適な量で存在することができる。好適な殺生物剤は、イソチアゾリノン殺生物剤である。研磨組成物中の殺生物剤の量は、典型的に、約1ppm~約500ppm、好ましくは約10ppm~約125ppmである。例示的な殺生物剤は、ダウケミカル(Midland,MI)から市販されているKATHON(商標)である。
【0056】
研磨組成物は、その多くが当業者には既知である任意の好適な技術によって調製することができる。研磨組成物は、バッチプロセスまたは連続プロセスで調製することができる。一般に、研磨組成物は、その成分を任意の順序で組み合わせることにより調製することができる。本明細書で使用される場合、「成分」という用語は、個々の成分(例えば、シリカ粒子、アニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子、任意の酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、任意のpH調整剤など)、ならびに成分(例えば、シリカ粒子、アニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子、任意の酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、任意のpH調整剤など)の任意の組み合わせを含む。
【0057】
例えば、シリカ粒子およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子は、水中で分散し得る。次いで、任意の酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤は、研磨組成物に成分を組み込むことができる任意の方法によって添加および混合することができる。任意の酸化剤および/または任意の過酸化水素は、研磨組成物の調製中の任意の時点で添加することができる。あるいは、アルミナ粒子は、別途アニオン性ポリマーで表面被覆され得、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナは、水中に設けられるか、または水中に分散され、続いて、任意の酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、任意のpH調整剤を添加し、研磨組成物に成分を取り入れ得る任意の方法で混合される。研磨組成物は、任意の酸化剤および/または任意の過酸化水素などの1つ以上の成分を使用直前に研磨組成物に添加して、使用前に調製することができる(例えば、使用前の約1分以内、または使用前の約1時間以内、または使用前の約7日以内)。研磨組成物はまた、研磨操作中に基板の表面で成分を混合することによっても調製することができる。
【0058】
研磨組成物は、シリカ粒子、およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子、任意の酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水を含む1つのパッケージ系として、供給され得る。別の実施形態では、研磨組成物は、研削剤、アニオン性ポリマー、酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水を含む1つのパッケージ系として、供給され得る。あるいは、シリカ粒子およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子を含む研削剤は、第1の容器中に水中分散液として供給され得、酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水は、第2の容器中に、乾燥した形態で、または水溶液もしくは水中分散液としてのいずれかで供給され得る。代替的な実施形態では、研削剤は、第1の容器中に水中分散液として供給することができ、アニオン性ポリマー、酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水は、第2の容器中に乾燥した形態で、または水溶液もしくは水中分散液としてのいずれかで供給することができる。酸化剤および/または任意の過酸化水素は、望ましくは、研磨組成物の他の成分とは別個に供給され、例えば、エンドユーザーによって、使用直前に研磨組成物の他の成分と組み合わされる(例えば、使用前の1週間以内、使用前の1日以内、使用前の1時間以内、使用前の10分以内、または使用前の1分以内)。第1または第2の容器中の成分は乾燥形態であってもよく、他方の容器中の成分は水性分散液の形態であってもよい。さらに、第1および第2の容器中の成分が、異なるpH値を有する、あるいは実質的に同様の、または等しいpH値を有するのも好適である。研磨組成物の成分の別の2つの容器、または3つ以上の容器の組み合わせは、当業者の知識の範囲内である。
【0059】
本発明の研磨組成物は、使用前に適切な量の水で希釈することを意図した濃縮物として提供することもできる。そのような実施形態では、研磨組成物の濃縮物は、酸化剤および/または任意の過酸化水素の有無にかかわらず、シリカ粒子およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子を含む研削剤、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水を、濃縮物を適切な量の水で希釈した際に、過酸化水素が適切な量で既に存在していない場合、研磨組成物の各成分が、各成分について上で列挙した適切な範囲内の量で研磨組成物中に存在することになるような量で含み得る。別の実施形態では、研磨組成物の濃縮物は、酸化剤および/または任意の過酸化水素の有無にかかわらず、研削剤、アニオン性ポリマー、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、ならびに水を、濃縮物を適切な量の水で希釈した際に、過酸化水素が適切な量で既に存在していない場合、研磨組成物の各成分が、各成分について上で列挙した適切な範囲内の量で研磨組成物中に存在することになるような量で含むことができる。例えば、研削剤、アニオン性ポリマー、酸化剤、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤、またはシリカ粒子およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子を含む研削剤、酸化剤、任意の過酸化水素、任意の有機ホスホン酸、任意の腐食防止剤、任意の緩衝剤、および任意のpH調整剤は、それぞれの成分について上記に列挙された濃度よりも約2倍(例えば、約3倍、約4倍、または約5倍)である量の濃度でそれぞれ存在し得、その結果、濃縮液が、好適な量の任意の過酸化水素とともに、等量の水(例えば、それぞれ2等量の水、3等量の水、または4等量の水)で希釈される場合、各成分は、各成分について上記の範囲内の量で研磨組成物中に存在する。その上、当業者には理解されるように、濃縮物は、他の成分が少なくとも部分的にまたは完全に濃縮物中に溶解することを確実にするために、最終研磨組成物中に存在する水を好適な比率で含有することができる。
【0060】
本発明はまた、(i)基板を提供することと、(ii)研磨パッドを提供することと、(iii)(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物を提供することと、(iv)基板を研磨パッドおよび化学機械研磨組成物と接触させることと、(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して動かして、基板の少なくとも一部を研削して、基板を研磨することと、を含む、基板を化学機械研磨する方法も提供する。化学機械研磨組成物は、任意の好適な基板を研磨するために使用でき、タングステンからなる少なくとも1つの層(典型的に、表面層)と、少なくとも1つの酸化ケイ素および窒化ケイ素層とを含む基板を研磨するのに特に有用である。好ましくは、基板は、基板の表面上に少なくとも1層のタングステン、基板の表面上に少なくとも1層の酸化ケイ素、および基板の表面上に少なくとも1層の窒化ケイ素を含み、基板の表面上のタングステン、酸化ケイ素、および/または窒化ケイ素の少なくとも一部が研削されて、それによって、基板を研磨する。
【0061】
化学機械研磨組成物は、タングステン、酸化ケイ素、および窒化ケイ素を含む基板のバルク研磨工程および研磨後のバフ工程の両方に使用するのに特に好適である。出願人は、驚くべきことに、混合粒子を含む本発明の研磨組成物が、単一の研磨組成物ではこれまで観察されなかった、バルク研磨およびバフ研磨用途の両方における、好適な基板除去速度および基板選択性を有利に提供することを見出した。従来の研磨系では、好適な除去速度、選択性、およびトポグラフィ性能を達成するために、典型的には、2つ以上の研磨組成物が求められる。本発明の研磨組成物は、バルクタングステン研磨工程およびバフ工程の両方で侵食が最小化されるような、タングステンおよび酸化ケイ素および/またはSiNの除去速度を示す。例えば、本発明の研磨組成物を使用する場合、タングステンの除去速度は、酸化ケイ素または窒化ケイ素の除去速度よりも低い。酸化ケイ素に対するタングステンの除去速度は、1:2以上(例えば:W:TEOSが1:2.5以上、1:5以上、1:10以上)である。同様に、窒化ケイ素に対するタングステンの除去速度は、1:2以上(例えば:W:SiNが1:2.5以上、1:5以上、1:10以上)である。
【0062】
一実施形態では、基板は、基板の表面上に酸化ケイ素層、および/または基板の表面上に窒化物層(例えば、窒化ケイ素または窒化チタン)を含み、酸化ケイ素層の少なくとも一部、および/または窒化物層の少なくとも一部を研削して、基板を研磨する。
【0063】
酸化ケイ素は、任意の好適な酸化ケイ素であり得、その多くの形態は当該技術分野で既知である。好適な種類の酸化ケイ素としては、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、ボロホスホシリケートガラス(BPSG)、プラズマ強化TEOS(PETEOS)、熱酸化物、非ドープシリケートガラス、およびHDP酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
一実施形態では、酸化ケイ素は、テトラエチルオルトシリカ(TEOS)である。
【0065】
一実施形態では、窒化物は、窒化ケイ素(SiN)である。
【0066】
ある特定の実施形態では、基板は、例えば、シリコンウェハの表面上に酸化ケイ素層を含む基板上に表面フィーチャを形成することにより調製される。続いて、基板表面は、タングステンなどの回路形成材料の層で被覆され、タングステンの余剰を残して、表面フィーチャを充填する。タングステンの余剰の初期研磨は、表面の酸化ケイ素を露出し、それにより酸化ケイ素の領域によって分離されたタングステンおよび/またはコバルトで充填された配線で構成された基板回路フィーチャを形成し、次いで、バフ研磨工程を実行して、初期研磨工程から生じる表面欠陥を減らし、基板表面の傷や残留物を除去または減らすことができる。
【0067】
一実施形態では、基板は、基板の表面上にタングステン層を含み、タングステン層の少なくとも一部を研削して、基板を研磨する。
【0068】
一実施形態では、基板は、基板の表面上にタングステン層をさらに含み、酸化物および/または窒化物層の少なくとも一部に加えて、タングステン層の少なくとも一部は、基板を研磨するためのものである。
【0069】
本発明の化学機械研磨組成物および方法は、化学機械研磨装置とともに使用するのに特に適している。典型的に、装置は、使用時に運動し、軌道運動、直線運動、または円運動から生じる速度を有するプラテン、プラテンと接触し、運動中にプラテンとともに動く研磨パッド、および基板に接触して研磨パッドの表面に対して基板を動かすことによって研磨する基板を保持するキャリアを含む。基板の研磨は、基板を、研磨パッドおよび本発明の研磨組成物と接触するように配置し、次に、研磨パッドを基板に対して動かして、基板の表面の少なくとも一部を研削して基板を研磨することによって行う。
【0070】
基板は、任意の好適な研磨パッド(例えば、研磨表面)を使用して化学機械研磨組成物によって研磨することができる。好適な研磨パッドには、例えば、織布および不織布の研磨パッドが含まれる。さらに、好適な研磨パッドは、様々な密度、硬度、厚さ、圧縮率、圧縮時に反発する能力、および圧縮弾性率の任意の好適なポリマーを含むことができる。好適なポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、それらの共形成生成物、およびそれらの混合物が挙げられる。軟質ポリウレタン研磨パッドは、本発明の研磨方法との併用において特に有用である。典型的なパッドとしては、SURFIN(商標)000、SURFIN(商標)SSW1、SPM3100(例えば、Eminess Technologiesから市販されている)、POLITEX(商標)、Fujibo POLYPAS(商標)27、およびNexPlanar(登録商標)E6088シリーズパッド(Cabot Microelectronicsから市販されている)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
望ましくは、化学機械研磨装置は、その場で研磨の端点を検出するシステムをさらに備え、その多くは当該技術分野で既知である。研磨する基板の表面から反射する光または他の放射を分析することによる研磨プロセスを検査および監視する技術は、当該技術分野で既知である。そのような方法は、例えば、米国特許第5,196,353号、米国特許第5,433,651号、米国特許第5,609,511号、米国特許第5,643,046号、米国特許第5,658,183号、米国特許第5,730,642号、米国特許第5,838,447号、米国特許第5,872,633号、米国特許第5,893,796号、米国特許第5,949,927号、および米国特許第5,964,643号に開示されている。望ましくは、研磨する基板に関する研磨プロセスの進行の検査または監視によって、研磨の端点の決定、すなわち、特定の基板に関する研磨プロセスをいつ終了するかの決定が可能になる。
【0072】
実施形態
(1)実施形態(1)では、(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物が提示される。
【0073】
(2)実施形態(2)では、シリカ粒子が、コロイダルシリカ粒子、アルミニウムドープシリカ粒子、スルホネート変性コロイダルシリカ、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態(1)に記載の研磨組成物が提示される。
【0074】
(3)実施形態(3)では、アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、実施形態(1)または(2)に記載の研磨組成物が提示される。
【0075】
(4)実施形態(4)では、アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、実施形態(1)~(3)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0076】
(5)実施形態(5)では、アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマー、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、実施形態(1)~(4)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0077】
(6)実施形態(6)では、アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、実施形態(1)~(5)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0078】
(7)実施形態(7)では、アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、実施形態(1)~(4)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0079】
(8)実施形態(8)では、研磨組成物が、酸化剤をさらに含む、実施形態(1)~(7)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0080】
(9)実施形態(9)では、酸化剤が、第二鉄イオンを含む、実施形態(8)に記載の研磨組成物が提示される。
【0081】
(10)実施形態(10)では、酸化剤が、過酸化水素をさらに含む、実施形態(9)に記載の研磨組成物が提示される。
【0082】
(11)実施形態(11)では、研磨組成物が、腐食防止剤をさらに含む、実施形態(1)~(10)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0083】
(12)実施形態(12)では、腐食防止剤が、グリシン、リジン、アルギニン、アラニン、またはそれらの組み合わせである、実施形態(11)に記載の研磨組成物が提示される。
【0084】
(13)実施形態(13)では、腐食防止剤が、グリシンを含む、実施形態(12)に記載の研磨組成物が提示される。
【0085】
(14)実施形態(14)では、研磨組成物が、安定剤をさらに含む、実施形態(1)~(13)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0086】
(15)実施形態(15)では、安定剤が、酢酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタコン酸、ムコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態(14)に記載の研磨組成物が提示される。
【0087】
(16)実施形態(16)では、安定剤が、マロン酸である、実施形態(15)に記載の研磨組成物が提示される。
【0088】
(17)実施形態(17)では、研磨組成物が、有機ホスホン酸をさらに含む、実施形態(1)~(16)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0089】
(18)実施形態(18)では、有機ホスホン酸が、2-アミノエチルホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、1-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸、α-メチルホスホノコハク酸、およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態(17)に記載の研磨組成物が提示される。
【0090】
(19)実施形態(19)では、研磨組成物が、約2~約5のpHを有する、実施形態(1)~(18)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0091】
(20)実施形態(20)では、研磨組成物が、殺生物剤、緩衝剤、界面活性剤、触媒、安定剤、腐食防止剤、およびそれらの組み合わせから選択される添加剤をさらに含む、実施形態(1)~(19)のいずれか1つに記載の研磨組成物が提示される。
【0092】
(21)実施形態(21)では、(i)基板を提供することと、(ii)研磨パッドを提供することと、(iii)(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物を提供することと、(iv)基板を研磨パッドおよび化学機械研磨組成物と接触させることと、(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して動かして、基板の少なくとも一部を研削して、基板を研磨することと、を含む、基板を化学機械研磨する方法が提示される。
【0093】
(22)実施形態(22)では、シリカ粒子が、コロイダルシリカ粒子、アルミニウムドープシリカ粒子、スルホネート変性コロイダルシリカ、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態(21)に記載の方法が提示される。
【0094】
(23)実施形態(23)では、アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、実施形態(21)または(22)に記載の方法が提示される。
【0095】
(24)実施形態(24)では、アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、実施形態(21)~(23)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0096】
(25)実施形態(25)では、アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含むか、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、実施形態(21)~(24)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0097】
(26)実施形態(26)では、アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、実施形態(25)に記載の方法が提示される。
【0098】
(27)実施形態(27)では、アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、実施形態(21)~(24)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0099】
(28)実施形態(28)では、研磨組成物が、酸化剤、腐食防止剤、安定剤、有機ホスホン酸、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、実施形態(21)~(27)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0100】
(29)実施形態(29)では、研磨組成物が、約2~約5のpHを有する、実施形態(21)~(28)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0101】
(30)実施形態(30)では、基板が、基板の表面上に酸化ケイ素層を含み、酸化ケイ素層の少なくとも一部を研削して、基板を研磨する、実施形態(21)~(29)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0102】
(31)実施形態(31)では、基板が、基板の表面上に窒化物層を含み、窒化物層の少なくとも一部を研削して、基板を研磨する、実施形態(21)~(30)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0103】
(32)実施形態(32)では、基板が、基板の表面上にタングステン層を含み、タングステン層の少なくとも一部を研削して、基板を研磨する、実施形態(21)~(31)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0104】
(33)実施形態(33)では、酸化ケイ素が、TEOSである、実施形態(30)~(32)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0105】
(34)実施形態(34)では、窒化物が、窒化ケイ素である、実施形態(31)~(33)のいずれか1つに記載の方法が提示される。
【0106】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、もちろん、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0107】
研磨組成物は、表1に記載されている11個の研削粒子(粒子番号1~11)のうちの1つ以上を含有していた。表面被覆する前の研削粒子を、商業的供給源、例えば、Fuso Chemical Co.(Tokyo,Japan)、Nissan Chemical Corp.(Santa Clara,CA)、およびCabot Microelectronics Corp.(Aurora,IL)から入手した。
【0108】
以下の略語が本明細書で使用され、AMPSは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸を指し、AA-AMPSは、アクリル酸-2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸を指し、Wは、タングステンを指し、TEOSは、テトラエチルオルトシリケートを指し、SiNは、窒化ケイ素を指し、CONは、対照の研磨組成物を指し、RRは、除去速度を指す。
【表1】
【0109】
別段の記載がない限り、すべての研磨組成物は、実施例に記載されるものに加えて、以下の成分を含有していた:腐食防止剤として0.1重量%のグリシン、酸化剤として0.03重量%の硝酸第二鉄、安定剤として0.0608重量%のマロン酸、15ppmのKATHON(商標)殺生物剤、および酸化ケイ素除去速度促進剤として1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(すなわち、有機ホスホン酸)を含有する0.5重量%のDEQUEST(商標)2010。研磨組成物のpHを、必要に応じて、硝酸または水酸化カリウムを使用して調整した。
【0110】
実施例1~4の実験用の対照の研磨組成物(「CON」)は、pH3を有し、唯一の研削粒子として、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含有していた。
【0111】
実施例1~4に記載される研磨実験では、タングステン、TEOS、およびSiNを含む基板を、以下のパラメータを使用して研磨した:MIRRA(商標)ポリッシャー(Applied Materials、Santa Clara,CA)、富士紡H7000パッド(Tokyo,Japan)、1.5psiのダウンフォース、および150mL/分の流量。
【0112】
実施例1
この実施例は、本発明による研磨組成物のタングステン、TEOS、およびSiN除去速度に対するpHの影響を実証する。
【0113】
基板を、4種の研磨組成物(すなわち、本発明の研磨組成物1A~1CおよびCON)で研磨した。研磨組成物1A~1Cのそれぞれは、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)を0.5重量%、および90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含有していた。
【0114】
研磨組成物のpHおよび研磨結果を、表2に記載する。
【表2】
【0115】
表2に記載された結果から明らかなように、本発明の研磨組成物1A~1Cはそれぞれ、2~4のpH範囲にわたって、好適なW、TEOS、およびSiN除去速度、ならびに好適なTEOS:WおよびSiN:W選択性を示した。加えて、シリカ粒子およびアニオン性ポリマーで表面被覆されたアルミナ粒子を含む本発明の研磨組成物1A~1Cは、研削剤として表面被覆されたアルミナ粒子のみを含む研磨組成物(CON)と比較して、改善されたTEOSおよびSiN選択性を示した。
【0116】
実施例2
この実施例は、本発明による研磨組成物のタングステン、TEOS、およびSiN除去速度に対するコロイダルシリカの粒子径および濃度の影響を実証する。
【0117】
基板を、5種の研磨組成物(すなわち、本発明の研磨組成物2A~2DおよびCON)で研磨した。研磨組成物2A~2DおよびCONのそれぞれは、pH3を有し、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含有していた。
【0118】
研磨組成物2Aは、100nmの一次粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号5)を0.5重量%含有していた。研磨組成物2Bは、100nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号5)を1重量%含有していた。研磨組成物2Cは、50nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号4)を0.5重量%含有していた。研磨組成物2Dは、50nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号4)を1重量%含有していた。
【0119】
【0120】
表3に記載された結果から明らかなように、本発明の研磨組成物2A~2Dは、好適なW、TEOS、およびSiN除去速度、ならびに好適なTEOS:WおよびSiN:W選択性を示した。混合研削剤を含有する本発明の研磨組成物のそれぞれは、対照と比較して改善された性能を示した。加えて、1重量%のシリカを含有する研磨組成物2Bおよび2Dは、0.5重量%のシリカを含有する研磨組成物2Aおよび2Cと比較した場合、より高いTEOSおよびSiN除去速度を示した。したがって、これらの結果は、本発明による研磨組成物に対するシリカ粒子の有益な影響を示している。
【0121】
実施例3
この実施例は、本発明による研磨組成物のタングステン、TEOS、およびSiN除去速度に対するシリカ粒子の電荷の影響を実証する。
【0122】
基板を、11種の研磨組成物(すなわち、本発明の研磨組成物3A~3JおよびCON)で研磨した。研磨組成物3A~3Jのそれぞれは、pH3を有し、それぞれは、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含有していた。各組成物は、以下の表4に記載される粒子も含有していた。
【0123】
より具体的には、研磨組成物3Aおよび3Bは、70nmの平均粒子径を有するスルホネート変性コロイダルシリカ(粒子番号7)を、それぞれ、0.5重量%および1重量%含有していた。研磨組成物3Cおよび3Dは、120nmの平均粒子径を有するスルホネート変性コロイダルシリカ(粒子番号10)を、それぞれ、0.5重量%および1重量%含有していた。研磨組成物3Eおよび3Fは、100nmの平均粒子径を有するアミノ変性コロイダルシリカ(粒子番号8)を、それぞれ、0.5重量%および1重量%含有していた。研磨組成物3Gおよび3Hは、160nmの平均粒子径を有するヒュームドシリカ(粒子番号11)を、それぞれ、0.5重量%および1重量%含有していた。研磨組成物3Iおよび3Jは、20nmの平均粒子径を有するアルミニウムドープコロイダルシリカ(粒子番号9)を、それぞれ、0.5重量%および1重量%含有していた。
【0124】
【0125】
表4に記載された結果から明らかなように、負に帯電したコロイダルシリカ粒子を含有する研磨組成物(すなわち、研磨組成物3A~3D、3I、および3J)は、好適なW、TEOS、およびSiN除去速度、ならびにTEOS:WおよびSiN:W選択性を示した。研磨組成物3A~3D、3I、および3Jは、対照と比較して改善された研磨性能を示した。
【0126】
正に帯電したシリカ粒子を含有する研磨組成物(研磨組成物3Eおよび3F)、特に負に帯電したヒュームドシリカを含む研磨組成物(研磨組成物3Gおよび3H)は、好適な研磨性能を示さなかった。アミノ変性シリカ粒子を含有する研磨組成物3Eおよび3Fは、安定ではなかった。唯一のシリカ粒子としてヒュームドシリカを含有する研磨組成物3Gおよび3Hは、TEOS:W選択性の増加も、SiN:W選択性の増加も示さなかった。
【0127】
実施例4
この実施例は、本発明による研磨組成物のタングステン、TEOS、およびSiN除去速度に対する、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子の様々な量の効果を実証する。
【0128】
基板を、7種の研磨組成物(すなわち、本発明の研磨組成物4A~4FおよびCON)で研磨した。研磨組成物4A~4Fのそれぞれは、pH3を有し、表5に示されるように、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)を様々な量で含有していた。
【0129】
研磨組成物4Aは、130nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号2)を0.5重量%含有していた。研磨組成物4Bは、130nmの平均粒子径を有する(AMPS)ポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号3)を、0.5重量%含有していた。研磨組成物4C~4Fは、表5に示されるように、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を様々な量で含有していた。
【0130】
【0131】
表5に記載された結果から明らかなように、本発明の研磨組成物4A~4Fは、好適なW、TEOS、およびSiN除去速度、ならびに好適なTEOS:WおよびSiN:W選択性を示した。混合研削剤を含有する本発明の研磨組成物のそれぞれは、対照と比較して改善された性能を示した。
【0132】
実施例5
この実施例は、本発明による研磨組成物のトポグラフィ性能に対する、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子の様々な量の効果を実証する。
【0133】
TEOS(100Åフィーチャ)を含む基板を、8種の研磨組成物(すなわち、研磨組成物5A~5J)で、ソフトパッド(Fujibo H600)およびミディアムハードパッド(U5050、Cabot Microelectronics Corp.製)を用いて、MIRRA(商標)ポリッシャーで、1.5psiのダウンフォース、およびCMP後の洗浄に水酸化アンモニウム(ソフトパッド実験)またはフッ化水素酸で希釈された水酸化アンモニウム(ミディアムハードパッド実験)を使用して、別個に研磨した。研磨組成物5A~5Hのそれぞれは、pH3を有し、表6に特定される研削粒子を含んでいた。
【0134】
研磨組成物5A、5G、および5Hは、対照組成物であった。研磨組成物5Aは、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)のみを0.5重量%含有していた。研磨組成物5Gは、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)のみを1重量%含有していた。研磨組成物5Hは、50nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号4)のみを1重量%含有していた。
【0135】
研磨組成物5Gおよび5Hは、腐食防止剤として0.1重量%のグリシン、0.005重量%の硝酸第二鉄、安定剤として0.108重量%のマロン酸、および15ppmのKATHON(商標)殺生物剤を含有していた。
本発明の研磨組成物で研磨された基板上の総欠陥は、任意の好適な技術によって決定され得る。例えば、暗視野法線ビームコンポジット(DCN)、および暗視野斜線ビームコンポジット(DCO)などのレーザー光散乱技術を使用して、研磨された基板上の粒子の欠陥を決定し得る。粒子の欠陥を評価するための好適な測定器としては、110nmの閾値で動作するSURFSCAN(商標)SP2測定器が挙げられる(KLA-Tencorから入手可能)。
【0136】
【0137】
表6に記載されている結果から明らかなように、混合粒子研磨組成物は、表面被覆されたアルミナ粒子のみを含む対照組成物と比較して、より少ない欠陥数を示す。加えて、本発明の研磨組成物5B~5Fは、ミディアムハードおよびソフト研磨パッドの両方で好適な研磨性能を示した。
【0138】
実施例6
この実施例は、本発明による研磨組成物のトポグラフィ性能に対する、シリカ粒子および表面被覆されたアルミナ粒子の相対量の効果を実証する。
【0139】
3×1μmのフィーチャおよび1×1μmのフィーチャを有するタングステンでオーバーコートされたパターン化された酸化ケイ素で被覆されたウェハを含む基板を、それぞれがpH3を有する、5種の研磨組成物(すなわち、研磨組成物6A~6E)で研磨した。最初に、ウェハを、MIRRA(商標)ツールを使用して、M2000パッド(Cabot Microelectronics Corp.製)を用いて、2.5psiのダウンフォースおよび150mL/分のスラリー流量で研磨した。パターン化されたウェハを、タングステンの余剰を除去した後、10%オーバーポリッシュで研磨した。次に、Fujibo H7000パッドを使用して、パターン化されたウェハを、約200Åの同じパターンの酸化物損失でバフ研磨した。
【0140】
研磨組成物6A、6D、および6Eは、対照組成物であった。研磨組成物6Aは、唯一の研削粒子として、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含有していた。研磨組成物6Dは、唯一の研削粒子として、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)を1重量%含有していた。研磨組成物6Eは、唯一の研削粒子として、50nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号4)を1重量%含有していた。
【0141】
研磨組成物6B~6Cは、発明組成物であり、それぞれは、90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナ(粒子番号1)を0.5重量%含んでいた。研磨組成物6Bは、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)をさらに0.5重量%含み、研磨組成物6Cは、120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカ(粒子番号6)をさらに1重量%含む。
【0142】
研磨組成物および研磨結果を、表7aおよび7bに記載する。
【表7】
【表8】
【0143】
表7に記載されている結果から明らかなように、処理されたアルミナ研削剤と混合された特定のシリカ研削剤は、ダイの不均一性範囲(WIDNU)、すなわち、パターン密度が異なる領域での不均一な材料除去を改善し得る。さらに、混合研削剤を含有する研磨組成物は、粗さ性能を悪化させることにはならない。
【0144】
混合研削剤スラリーを含有する本発明の研磨組成物によって研磨されたタングステン膜の粗さは、処理されたアルミナ研削剤スラリーによって研磨されたタングステン膜の粗さに匹敵し、シリカのみに基づくスラリーによって研磨された粗さよりはるかに良好である。
【0145】
90nmの平均粒子径を有する(AA-AMPS)コポリマーで被覆されたα-アルミナを0.5重量%、および120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカを0.5重量%(研磨組成物6B)、または120nmの平均粒子径を有するコロイダルシリカを1重量%(研磨組成物6C)含有する研磨組成物6Bおよび6Cは、劇的に低いWIDNU(すなわち、最も低いデルタ侵食補正)を示した。
【0146】
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参照によって組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで参照によって本明細書に組み込まれる。
【0147】
(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈における「a」および「an」および「the」および「少なくとも1つの(at least one)」という用語および同様の指示語の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、単数および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。1つ以上の項目の列挙に続く「少なくとも1つの」という用語(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(AまたはB)から選択される1つの項目、または列挙された項目(AおよびB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、および「含有する」という用語は、別段の記載がない限り、非限定的な用語として解釈されるべきである(すなわち、「を含むが、これに限定されることはない」を意味する)。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、範囲内にある各別個の値を個々に参照する簡略方法としての役割を果たすことを単に意図しており、各別個の値は本明細書に個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、あらゆる好適な順序で実行することができる。本明細書において提供されるありとあらゆる実施例、または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に必須であるとしていかなる特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0148】
本発明を行うための本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことにより当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切なものとして用いることを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されたとおりではなく別の方法で実行されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての変形および同等物を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、それらのすべての可能な変形における上記のあらゆる任意の組み合わせが本発明に包含される。
本開示は以下も包含する。
<態様1>
化学機械研磨組成物であって、
(a)負に帯電されたコロイダルシリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、前記アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されており、前記研磨組成物が約2~約5のpHを有する、研削剤と、
(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物。
<態様2>
前記シリカ粒子が、コロイダルシリカ粒子、アルミニウムドープシリカ粒子、スルホネート変性コロイダルシリカ、またはそれらの組み合わせを含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様3>
前記アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様4>
前記アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、上記態様3に記載の研磨組成物。
<態様5>
前記アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマー、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様6>
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、上記態様5に記載の研磨組成物。
<態様7>
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様8>
前記研磨組成物が、酸化剤をさらに含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様9>
前記酸化剤が、第二鉄イオンを含む、上記態様8に記載の研磨組成物。
<態様10>
前記酸化剤が、過酸化水素をさらに含む、上記態様9に記載の研磨組成物。
<態様11>
前記研磨組成物が、腐食防止剤をさらに含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様12>
前記腐食防止剤が、グリシン、リジン、アルギニン、アラニン、またはそれらの組み合わせである、上記態様11に記載の研磨組成物。
<態様13>
前記腐食防止剤が、グリシンである、上記態様12に記載の研磨組成物。
<態様14>
前記研磨組成物が、安定剤をさらに含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様15>
前記安定剤が、酢酸、フタル酸、クエン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、グルタコン酸、ムコン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、およびそれらの組み合わせから選択される、上記態様14に記載の研磨組成物。
<態様16>
前記安定剤が、マロン酸である、上記態様15に記載の研磨組成物。
<態様17>
前記研磨組成物が、有機ホスホン酸をさらに含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様18>
前記有機ホスホン酸が、2-アミノエチルホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、1-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸、α-メチルホスホノコハク酸、およびそれらの組み合わせから選択される、上記態様17に記載の研磨組成物。
<態様19>
前記研磨組成物が、約3~約3.5のpHを有する、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様20>
前記研磨組成物が、殺生物剤、緩衝剤、界面活性剤、触媒、安定剤、腐食防止剤、およびそれらの組み合わせから選択される添加剤をさらに含む、上記態様1に記載の研磨組成物。
<態様21>
基板を化学機械研磨する方法であって、
(i)基板を提供することと、
(ii)研磨パッドを提供することと、
(iii)
(a)シリカ粒子およびアルミナ粒子を含む研削剤であって、前記アルミナ粒子がアニオン性ポリマーで表面被覆されている、研削剤と、
(b)水と、を含む、化学機械研磨組成物を提供することと、
(iv)前記基板を前記研磨パッドおよび前記化学機械研磨組成物と接触させることと、
(v)前記研磨パッドおよび前記化学機械研磨組成物を前記基板に対して動かして、前記基板の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨することと、を含む、方法。
<態様22>
前記アニオン性ポリマーが、カルボン酸モノマー単位、スルホン酸モノマー単位、ホスホン酸モノマー単位、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、上記態様21に記載の方法。
<態様23>
前記アニオン性ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、コハク酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、無水マレイン酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-スルホエチルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、ビニリデン-1,1-ジホスホン酸、ジメチル-p-ビニルベンジルホスホネート、ビスジエチルホスホネート(メタ)アクリレートアンモニウム、アクリルアミドホスホネートモノマー、ビニルホスホン酸、2-(メタクロイルオキシ)エチルホスフェート、およびそれらの組み合わせから選択される繰り返しモノマー単位を含む、上記態様22に記載の方法。
<態様24>
前記アニオン性ポリマーが、スルホン酸モノマー単位とカルボン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含むか、またはスルホン酸モノマー単位とホスホン酸モノマー単位との組み合わせを含むコポリマーを含む、上記態様21に記載の方法。
<態様25>
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位およびアクリル酸モノマー単位からなる、上記態様24に記載の方法。
<態様26>
前記アニオン性ポリマーが、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸モノマー単位からなる、上記態様21に記載の方法。
<態様27>
前記研磨組成物が、酸化剤、腐食防止剤、安定剤、有機ホスホン酸、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、上記態様21に記載の方法。
<態様28>
前記基板が、前記基板の表面上に酸化ケイ素層を含み、前記酸化ケイ素層の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨する、上記態様21に記載の方法。
<態様29>
前記基板が、前記基板の表面上に窒化物層を含み、前記窒化物層の少なくとも一部を研削して、前記基板を研磨する、上記態様21に記載の方法。