(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法並びに保存安定性メントール粒子及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 29/74 20060101AFI20241223BHJP
C07C 35/12 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
C07C29/74
C07C35/12
(21)【出願番号】P 2021507850
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2019071770
(87)【国際公開番号】W WO2020035515
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】EP18189338.9
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウロッチ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハイドリヒ,グンナー
(72)【発明者】
【氏名】テッベン,ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】ラウルス,マティアス
【審査官】小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-529160(JP,A)
【文献】特表2005-528436(JP,A)
【文献】特表2008-534655(JP,A)
【文献】特表2008-533260(JP,A)
【文献】特開平08-020549(JP,A)
【文献】特表2018-509347(JP,A)
【文献】特表2009-519992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法であって、メントール粒子を、成形後に、0~30℃の温度で少なくとも7日間保存し、その後に前記メントール粒子に、それらが
- 20kgの前記メントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、1.0mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に受けるのと少なくとも同じ機械的エネルギーを与え
、
使用されるメントール粒子が、前記粒子の総重量に対して80重量%を超えるL-メントール含有量を有し、
使用されるメントール粒子が、フレークの形態であり、フレークの形態のメントール粒子は、2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得られ、これは、凝固しているメントール融解物及び前記冷却表面の間の接触を少なくとも凝固が完了するまで維持しながら、前記メントール融解物のメントールへの凝固を伴う、
方法。
【請求項2】
前記方法の終了時の粒子の数が依然として、前記方法の開始時に用いられた粒子の数の少なくとも50%である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%が、用いられたメントール粒子と同一の形状である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%が、用いられたメントール粒子と同一のサイズである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記メントール粒子の
L-メントール含有量が、前記粒子の総重量に対して90重量%を超える、請求項
1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記メントール粒子の
L-メントール含有量が、前記粒子の総重量に対して99.5重量%を超える、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
1~35mmの範囲内のサイズを有するメントール粒子が使用される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
4~35mmの範囲内のサイズを有するメントール粒子が使用される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
10~25mmの範囲内のサイズを有するメントール粒子が使用される、請求項
7又は8に記載の方法。
【請求項10】
0.2~15mmの厚さを有するフレークの形態のメントール粒子が使用される、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
4~10mmの厚さを有するフレークの形態のメントール粒子が使用される、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
0.1重量%~50重量%のメントールのシード結晶が、前記冷却表面と接触する前に、使用される前記メントール融解物中に混合される、請求項
1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
5重量%~35重量%のメントールのシード結晶が、使用される前記メントール融解物中に混合される、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記シード結晶が、かき取り表面冷却器又は押出機における、使用される前記メントール融解物の処理により形成される、請求項
12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記2つの冷却表面が、平面平行配向を有し、0.2~15mmの距離で隔たっている、請求項
1から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記2つの冷却表面が、2~10mmの距離で隔たっている、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記2つの冷却表面が、5~8mmの距離で隔たっている、請求項
15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法であって、メントール粒子が、成形後、0~30℃の温度で少なくとも7日間保存され、その後にメントール粒子が、機械的エネルギーの最小限の投入を与えられる方法に関する。本発明は、保存安定性メントール粒子、並びにすべての種類の日用品及び消費財における前記メントール粒子の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
メントールは、天然に存在する活性物質であり、製薬、化粧品及び食品産業で広く用いられている。メントールは、粘膜、特に口腔粘膜との接触に対して冷却効果を有する。天然供給源、例えばペパーミント油中では、メントールは、4種のジアステレオマーのエナンチオマー対の形態で存在し、そのうち、主成分である(-)-メントール又はL-メントールのみが所望の味覚及びその他の官能特性を有する。
【0003】
J. Am. Chem. Soc.、39巻(8号)、1917年、1515~1525頁に既に記載されているように、L-メントールは、同じ化学組成を有するが異なる物理学的性質を有する、4種の異なる結晶変態で凝固し得ることが、かなり前から公知である。例えば、特に、Archiv der Pharmazie、307巻(7号)、1974年、497~503頁に記載されているように、それらの様々な変態の融点は特に33℃及び43℃の間である。安定なアルファ変態の融点は、したがって42~43℃である。
【0004】
この桁の融点を有するということは、L-メントールは、中間の又は最終使用者に対して、加熱容器中で液体を維持した融解物として、又は結晶若しくは他の凝固成形体の形態のいずれかで提供され得ることを意味する。すべての固体は、Lメントールと同様に、周囲温度をわずかにのみ上回る融点を有し、一般的に、ケーキング及び凝集する高い傾向を有する。しかし、そのようなケーキングした材料の処理は、かなりの望ましくないさらなる支出につながる。純粋なL-メントール、すなわち助剤、例えば分離剤で処理されていないメントールが固体形態で販売される場合、成形の性質により、製品が中間又は最終使用者に自由流動性の形態で到達することを確実としなければならない。
【0005】
メントールは、例えば長さ0.5~3cm及び厚さ1~3mmの大きな針状結晶の形態で市販されている。これらは従来、天然に得られるペパーミント油から、油を冷蔵庫中、桶又はバット中で数日間結晶化させることにより、少量生成される。これらの針状結晶は、短い充填高さの場合にのみ良好な注入性を有するが、使用量を増加させ且つ/又は高温になると、明らかなケーキングを示す。さらに、これらの製造の性質は、これらの針状結晶が常にこれらを得た油の残留物を含有することを意味する。針状結晶の結晶化、分離及び洗浄に伴う技術的支出並びに低い空時収量は、そのような困難な方法を好ましくないものとする。
【0006】
DE 25 30 481は、結晶化条件で粗い針状及び棒状結晶を形成させる、物質、特に光学的に活性なメントールを結晶化させる装置に関する。バッチ式で実行される結晶化方法には、結晶懸濁液中の結晶がケーキングするのを防ぐ特別な撹拌器が使用される。所望の生成物は、最終的に遠心分離を使用して単離され、乾燥機で乾燥される。
【0007】
US3,023,253及びUS3,064,311(Bain)には、フレーク化したL-メントール、及びL-メントールの融解物を冷却した浸漬ローラーに塗布することによりそのようなフレークを製造する方法が記載されている。所望の場合、メントール融解物は、一対の逆回転冷却ローラーの間に導入することができる。浸漬ローラー上で結晶化したメントールのフィルムは、熱の導入による熱処理、及び追加のメントールの塗布による強化からなる後処理に供される。2つの後処理は、塗布ローラーを使用して同時に行われる。そのように得られたフレークは、最初は良好な流動性を有する。しかし、長期にわたり保存すると、ケーキングが発生する。
【0008】
圧縮による一次粒子のさらなる粗大化の原理はまた、WO03/101924(Symrise)にも記載されており、これはメントール圧縮物の形態の圧縮メントール、及びその製造方法に関する。しかしここで注目すべきは、粒径の効果のみではなく、一次粒子が特定の結晶変態で存在する必要があるという事実である。溶液の結晶化又は冷却ローラーを用いたフレーク化により得られた結晶を圧縮することにより、圧縮物を得ることが可能となる。
【0009】
WO2008/152009(BASF)には、2つの離間されている冷却表面にL-メントール融解物を接触させることにより、L-メントールを固体形態で、特にフレークの形態で製造する方法、並びにまた前記方法により得られる固体形態のL-メントール、及びすべての種類の日用品及び消費財への組み込みのためのそれらの使用が記載されている。
【0010】
WO2016/016154(Symrise)には、メントール化合物の事前に擦過された融解物、すなわちシード結晶を有する融解物が事前に冷却された表面上に均一に滴下される、固体冷却剤を製造する方法が記載されている。そのように得られたペレット形態のメントール粒子は、中高面及び平坦面を有し、約1~約20mmの直径を有する。
【0011】
EP3 059 009 A1(Symrise)には、固体冷却剤のケーキングのない保存の方法であって、包装が50体積%以下で充填され、充填される内容物が10kgの重量を超えないことを条件として、これらが25lの最大容量を有する標準の包装中に包装される方法が記載されている。
【0012】
WO2006/097427(Symrise)には、固体メントール成分及び固体二酸化ケイ素成分を含むか又はそれらからなる、メントールを含有する固体組成物が記載されている。
【0013】
WO2007/071512(Symrise)には、球状メントール粒子、及び球状メントール粒子を製造する方法であって、メントール融解物が水中に滴下される方法が記載されている。
【0014】
WO2016/034481(Sandvik)にはL-メントールペレットを製造する方法及び装置であって、メントール融解物の融解した液滴を液滴形成機によって冷却ベルト上に配置し、そこで凝固する方法及び装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
言及された先行技術に照らして、本発明の目的は、保存安定性メントール粒子、及びまた、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法を提供することであった。本方法を、特に工業的規模で、設備に対する最小可能な支出で、且つ高処理量で行うことが可能であるべきであり、得られたケーキングに対して安定化されたメントール粒子は、自由流動性であり、特に比較的長期にわたりケーキングする最低限の傾向を示すべきである。加えて、本方法を特に経済的に、すなわち費用効果的に行うことが可能であるべきである。本方法はさらに、非常に広範な形状のメントール粒子に好適であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法であって、メントール粒子を、成形後に、0~30℃の温度で少なくとも7日間保存し、その後にメントール粒子に、それらが
- 20kgの前記メントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、1.0mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に受けるのと少なくとも同程度の機械的エネルギーを与える方法を提供する。
【0017】
ケーキング又は凝集として公知の現象は、おそらく、組み合わせて凝集体を形成する粒子に本質的に起因する。驚くべきことに、本発明の方法を用いて得られるメントール粒子は、ケーキングに対して安定化されることが見出された。このことは特に、集合体中の粒子の数が、20℃で18週間を超えて保存される場合、本発明の方法に供されなかった比較集合体の粒子の数よりも穏やかに低減することを意味する。そのようにして得られるメントール粒子は、20℃で18週間を超える保存後でさえも自由流動性であり、よって、例えば直接、追加のエネルギー消費を伴わずに、日用品及び消費財、例えば化粧品及び医薬製品又は食料品及び菓子類の製造のために使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の方法は、2つのステップを特徴とする。第1のステップでは、本発明の方法の出発製品として使用されるメントール粒子は、成形後、0~30℃の温度で少なくとも7日間保存される。保存されたメントール粒子に機械的エネルギーを与える第2のステップが、これに続く。このステップでは、メントール粒子は、それらが
- 20kgの前記メントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、1.0mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に受けるのと少なくとも同程度の機械的エネルギーを与えられる。
【0019】
成形後の保存は、0~30℃の温度、好ましくは5~25℃の温度、特に10~23℃、好ましくは12~20℃で行うことができる。保存は、少なくとも7日間である。保存は、例えば20℃で10日間、又は18℃で21日間行うことができる。
【0020】
保存時間は、使用されるメントール粒子の成形の終了時に開始する。これは、使用されるメントール粒子がそれらの所望の形状、サイズ、及び/又はサイズ分布を得た時点である。
【0021】
保存期間は、7日間に達することを条件として、重要ではない。例えば14日、21日又はさらに数ヶ月、例えば1、2、6若しくは12ヶ月、又は1年以上の保存時間が、したがって考えられる。保存は通常、少なくとも7日間から最大3ヶ月、特に最大4ヶ月、特に最大6ヶ月である。
【0022】
温度及び最小保存期間以外の保存条件は、重要ではない。保存は、慣例的な包装ユニット、例えば袋、サック、箱、ドラム又はそれらの組合せ中で行うことができる。メントール粒子を包装ユニット中に包装する場合、包装ユニット中に結露が形成されないように、温度が露点温度を下回らないことを確実にすることが有利である。保存中にも温度が露点温度を下回らない場合が有利である。保存は、好ましくは65%未満の相対湿度で行われる。
【0023】
理想的には、保存及び機械的エネルギーの投入の両方は、1つ且つ同じ包装ユニット、例えば以下に記載するような箱、ドラム、サック、袋又は類似の慣例的な容器中で行われる。
【0024】
本発明の一実施形態では、本発明の方法の両方のステップは、1つの包装ユニット中で行われる。
【0025】
機械的エネルギーの投入は、様々な手段で与えることができる。メントール粒子が、それらが
- 20kgの前記メントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、1.0mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に受けるのと少なくとも同程度のエネルギーを与えられることが重要である。
【0026】
与えられる機械的エネルギーの量は、エネルギーの単回の投入としてか、又はより小さな部分量のエネルギーの反復的な投入として提供することができる。
【0027】
機械的エネルギーの投入の好適な形態の例には、壁に対して平行な衝撃、据え付けられたメントール粒子上への重り又はパンチ(punch)を介するエネルギーの投入、好ましくは突然の衝撃の形態での投入、能動的で加速度的な垂直落下又は自由落下がある。本方法の好ましい一実施形態では、機械的エネルギーの投入は、非弾性の表面上への自由落下により与えられる。この落下高さは、例えば1.0~5mの範囲内、例えば1~3mの範囲内、例えば1.5m又は2mとすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態では、機械的エネルギーは、20kgのメントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、少なくとも1.0mの高さ~最大5mの高さ、好ましくは最大3mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に与えることができる。
【0029】
驚くべきことに、本発明に従った保存と本発明に従った機械的エネルギーの投入との組合せにより、ケーキングに対して安定化された有利なメントール粒子を得ることが可能であることが見出された。
【0030】
本発明の方法を用いると、ケーキングに対して安定化され、その形状、サイズ又は粒子の数が、使用されたメントール粒子のものと概ね一致するメントール粒子を得ることが可能である。
【0031】
本方法の一実施形態では、前記方法は、方法の終了時の粒子の数が依然として、方法の開始時に用いられた粒子の数の少なくとも50%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%となるように実行される。
【0032】
本方法の一実施形態では、前記方法は、本発明のケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%、特に少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%が、用いられたメントール粒子と同一の形状となるように実行される。
【0033】
本方法の一実施形態では、前記方法は、本発明のケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%、特に少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%が、用いられたメントール粒子と同一のサイズとなるように実行される。
【0034】
当業者は、これらの実施形態を、例えば機械的エネルギーの投入を制限することにより、又は選択された機械的エネルギーの投入の性質を通して、実行することができる。
【0035】
本方法の一実施形態では、前記方法は、メントール粒子が、粒子の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%がそれらのサイズを保つのに十分なエネルギーのみを与えられるように実行される。
【0036】
本方法の一実施形態では、前記方法は、メントール粒子が、粒子の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%がそれらの形状を保つのに十分なエネルギーのみを与えられるように実行される。
【0037】
メントール粒子は、本発明の目的のために、固体形態のメントールの個々の粒子を意味するものとして理解される。
【0038】
「メントール粒子」、「使用されるメントール粒子」及び「使用されたメントール粒子」は、本発明の方法のための出発製品として使用される粒子を指す。「ケーキングに対して安定化されたメントール粒子」という用語は、本発明の方法により得られる粒子を指す。
【0039】
メントール粒子のサイズは、任意の形状である粒子の、空間中での最も長い寸法を指す。よって、球状であるメントール粒子の場合、粒子のサイズは球の直径であり、直方体状であるメントール粒子の場合、粒子のサイズは直方体の対角線である。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態では、1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有するメントール粒子が使用される。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態では、4~35mmの範囲内、特に5~30mmの範囲、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mmの範囲内、特に15~20mmのサイズを有し、そのうちのサイズが4mmを下回るメントール粒子の含有量が、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、及び特に1重量%未満、非常に好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満であるメントール粒子が使用される。
【0042】
粒子のサイズ及び粒子径分布は、例えば顕微鏡によって、又はふるい分析により決定することができる。
【0043】
成形体は、その表面により表される三次元図形の幾何学的形状を指す。成形体の表面は、平坦面又は中高面から構成されてもよい。形状という用語は、以降、成形体という用語と同義的に使用される。
【0044】
メントール粒子は、広範な成形体、例えば針状結晶、多面体、立方体、直方体、円錐、角柱、球、半球、球形ディスク(spherical disk)、シリンダ、ビーズ及びそれらの混合形態等としても公知である。成形体は、製造の性質により、ここでもたらされる。
【0045】
針状結晶は、例えばL-メントールを含有する溶液又は融解物からL-メントールを結晶化させることにより得られる。針状結晶は、典型的に、0.5~3cmの長さ及び1~3mmの厚さを有する。針状結晶は、それらの製造方法の結果として、空間中の1つの寸法のみが空間中の他の寸法の倍数である幾何学的形状を有する成形体であることを特徴とする。圧縮体(同義語:圧縮結晶/錠)は、結晶の圧縮により得られ、圧縮型に依存して、例えば球、立方体、直方体、針山又は鎖の形態であることができる。ペレットは、例えばメントール融解物を冷却表面上に滴下することにより得ることができる。球状粒子は、例えばメントール融解物を水中に滴下することにより得ることができる。フレークは、例えば2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得ることができる。
【0046】
本発明の方法は、任意の形状のメントール粒子に好適である。本発明の目的のために好ましいメントール粒子は、フレーク、球又はペレットの形態のメントール粒子である。フレークの形態のメントール粒子が、特に好ましい。
【0047】
フレークは、本発明の目的のために、成形体の少なくとも2つの表面が互いに平行である成形体である。フレークは、本発明の目的のために、成形体の2つの最も大きな表面が互いに平行である成形体を特に意味するものとして理解される。
【0048】
2つの平行な表面の間の距離は、フレークの厚さと称される。2つを超える表面が互いに平行である場合、2つのそのような表面の間の最も小さな距離が、フレークの厚さと称される。
【0049】
フレークは、少なくとも2つの表面が互いに平行であり、成形体の空間中の他の寸法(フレークの平均辺長と称される)が厚さの少なくとも1.25倍である成形体を特に意味するものとして理解される。
【0050】
フレークは、成形体の空間中の1つの寸法のみが厚さの倍数(少なくとも3倍)である成形体を除き、少なくとも2つの表面が互いに平行である成形体を特に意味するものとして理解される。
【0051】
フレークの例には、よって、直方体又は立方体が挙げられる。フレークは、加えて、フィルムの粉砕、特に破断により製造され、平行な表面により形成されていない表面が平行な表面により形成される表面に対して直角で形成されない成形体である。
【0052】
球は、本発明の目的のために、成形体のすべての表面が中高面である成形体である。球の例には、よって、ボール、針山又はビーズが挙げられる。
【0053】
ペレットは、本発明の目的のために、平坦な表面、及び平坦な表面の反対側にある中高面の表面を有することを特徴とする形状である。
【0054】
本発明の方法のための出発製品として好適なメントール粒子の例は、WO2008/152009(BASF)若しくはUS3,023,253及びUS3,064,311に記載されているフレーク、WO2016/034481(Sandvik)に記載されているペレット、WO2016/016154(Symrise)に記載されているペレット、又はWO03/101924(Symrise)に記載されている圧縮体である。
【0055】
メントールがL-メントールの形態で存在するメントール粒子が、特に好ましい。メントール含有量、特にL-メントール含有量が、粒子の総重量に対して80重量%を超える、特に90重量%を超える、特に99.5重量%を超える、好ましくは99.7重量%を超えるメントール粒子が、特に好ましい。
【0056】
式(I)のL-メントールの融解物は、本発明に従って使用されるメントール粒子を製造する出発材料として好適である
【0057】
【化1】
IUPAC名:1R,2S,5R-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール
ここで、融解したメントールは天然又は合成起源のものであってもよく、通常少なくとも95%、96%又は97%ee~100%ee、好ましくは98%、98.5%又は99%~99.9%eeのエナンチオマー過剰率を有する。本発明の方法の文脈において特に好適な出発材料は、(各場合において融解物の総重量に対して)少なくとも95重量%、96重量%又は97重量%以上、好ましくは少なくとも98重量%~100重量%、及び非常に好ましくは98重量%、98.5重量%又は99重量%~99.9重量%のL-メントールの含有量とともに、不純物、例えば残留溶媒、式(I)のL-メントールのジアステレオマー、又は合成若しくは単離の方法に由来する副生成物を有するL-メントールの融解物である。
【0058】
0.1重量%~50重量%、特に1重量%~40%重量、特に5重量%~35重量%、好ましくは10重量%~30重量%のメントールのシード結晶を含むL-メントール融解物を使用することが好ましい。
【0059】
シード結晶の重量パーセントは、各場合において、使用される融解物及びシード結晶の混合物の総重量に基づく。
【0060】
0.1重量%~50重量%、特に1重量%~40%重量、特に5重量%~35重量%、好ましくは10重量%~30重量%のメントールのシード結晶を含み、残りの重量部が融解形態のL-メントールの量で構成されているL-メントール融解物を使用することが好ましい。
【0061】
L-メントール融解物は、したがって、例えば50重量%~99.9重量%、60重量%~99重量%、特に65重量%~95重量%、好ましくは70重量%~90重量%の融解形態のメントールを含むL-メントールを意味するものとして理解される。
【0062】
使用することが好ましいL-メントール融解物は、したがって、シード結晶及び融解したL-メントールの懸濁液である。
【0063】
シード結晶と称されるL-メントールの結晶は、例えばL-メントールを含有する溶液又は融解物からL-メントールを結晶化させ、L-メントール融解物に添加することによる慣例的な様式で得ることができる。これは、例えば保存容器中に撹拌すること又は事前に破砕されたL-メントールの結晶を使用されたL-メントール融解物(液晶フィルム)上に散在させることにより行うことができる。以降に記載するようなかき取り表面冷却器又は押出機を使用してシード結晶を製造すること、及びこれらをL-メントール融解物に添加することも可能である。シード結晶として、以降に記載する細粒分を使用することがさらに可能である。
【0064】
冷却表面と接触させる前に、L-メントール融解物中にシード結晶を製造することも可能である。L-メントール融解物中にシード結晶を製造するための好適な方法の例は、かき取り表面冷却器の使用又は押出機の使用である。
【0065】
本発明の一実施形態は、かき取り表面冷却器における使用されるメントール融解物の処理により形成されるシード結晶を特徴とする。
【0066】
好ましい一実施形態では、シード処理は、融解物を融点未満で操作される熱交換器に通すことにより達成され、熱交換器の壁は研磨要素により結晶化した材料が存在せず、研磨要素は少なくとも1つの平面要素、好ましくはその複数からなる。平面要素の例は、掻器である。そのような構成は、かき取り表面冷却器として公知であり、例えばG. Arkenbout、Melt Crystallization Technology、Technomic Publishing Co.、1995年、230頁に記載されている。好適なかき取り表面冷却器は、例えば回転軸上に配置された掻器により掃かれる円筒型の冷却内部表面を有する。
【0067】
一実施形態では、かき取り表面冷却器における使用されるL-メントール融解物の処理により得られるL-メントールのシード結晶が使用され、シード結晶は、凝固するL-メントール融解物中インサイチュで形成され、それによりさらなる作業ステップを回避する。
【0068】
一実施形態では、かき取り表面冷却器中の温度は、10~32℃の範囲、特に15~20℃に設定される。温度は、冷却液、特に水を用いて設定することができる。メントール融解物は、かき取り表面冷却器を単回通過して運搬することができる。メントール融解物を、所望の割合のシード結晶が製造されるまでかき取り表面冷却器を複数回循環させることも、同様に可能である。
【0069】
一実施形態は、押出機における使用されるメントール融解物の処理により形成されるシード結晶を特徴とする。
【0070】
少なくとも1つのらせん状要素を含む研磨要素を有する熱交換器は、本発明の目的のために、押出機と称される。そのような構成は、例えばC.M. Van't Land、Industrial Crystallization of Melts、Marcel Dekker、2005年、161~167頁に記載されている。
【0071】
研磨要素は、らせん状要素を有する1つ以上の装置、例えば1つのスクリュー又は特に2つのスクリュー(いわゆる2軸スクリュー)を含むことができる。装置は、共回転又は逆回転の構成であってもよい。装置は、連動又は非連動の構成であってもよい。一般的に主に運搬のために働くらせん状要素に加えて、研磨要素の各装置は、通常混合のために働くさらなる要素を含むことができる。そのような要素の例は、ニーディングブロックである。研磨要素の装置は、通常異なる区域のらせん状要素及び混合要素を有する。
【0072】
一実施形態では、逆回転2軸スクリューを有する熱交換器が、押出機として使用される。
【0073】
一実施形態では、共回転2軸スクリューを有する熱交換器が、押出機として使用される。押出機として、共回転2軸スクリューを有し、スクリューが連動の構成である熱交換器を使用することが好ましい。
【0074】
一実施形態では、押出機の温度は、42℃未満、好ましくは5~40℃の温度、特に10~32℃の範囲、特に15~20℃に設定される。さらなる一実施形態では、押出機の入口及び/又は出口の温度は、それらの間の領域中よりも高い温度に設定することができる。温度は、冷却液、特に水を用いて設定することができる。メントール融解物は、押出機を単回通過して運搬することができる。メントール融解物を、所望の割合のシード結晶が製造されるまで押出機を複数回循環させることも、同様に可能である。
【0075】
一実施形態では、押出機における本発明に従って使用されるL-メントール融解物の処理により得られるL-メントールのシード結晶が使用され、シード結晶は、凝固するL-メントール融解物中インサイチュで形成され、それによりさらなる作業ステップを回避する。
【0076】
メントール融解物中のシード結晶の割合は、例えば密度を測定すること、L-メントール融解物の粘度、かき取り表面冷却器の使用電力を測定すること、又は光学的に、例えば散乱光プローブを用いて決定することができる。
【0077】
好ましい一実施形態では、L-メントール融解物中のシード結晶の割合は、密度を測定することにより決定される。アルファ変態のL-メントール結晶の密度は、15℃で900kg/m3である。様々な温度でのメントール融解物の密度は、例えばIshchenki, E.D.、Roshchina, G.P. Ukr Fiz Zh Ukr.編、1963年、8巻、11号、1241~1249頁に記載されている。
【0078】
シード結晶の割合は、通常、かき取り表面冷却器又は押出機の出口で測定される。所望の割合のシード結晶が達成されない場合、メントール融解物は、どれほど時間がかかってもメントール融解物中に所望の割合のシード結晶が達成されるまで、かき取り表面冷却器又は押出機中へと戻すことができる。代わりに、シード結晶をL-メントール融解物に添加することもできる。
【0079】
メントール粒子を製造するために使用されるL-メントール融解物は、通常、約40~60℃の範囲、好ましくは約43~50℃の温度で使用される。42~43℃未満の範囲、すなわちL-メントール融点未満の温度では、L-メントール融解物は過冷却された融解物である。
【0080】
本発明の方法の好ましい一実施形態では、フレークの形態のメントール粒子が使用される。これらは、例えばL-メントールの融解物を冷却表面、例えば浸漬ローラーに塗布することにより得ることができる。浸漬ローラー上で結晶化したメントールのフィルムは、熱の導入による熱処理、及び追加のメントールの塗布による強化からなる後処理に供することができる。フレークの形態のメントール粒子はまた、例えばメントール融解物を一対の逆回転冷却ローラーの間に塗布することにより得ることができる。
【0081】
本方法の好ましい一実施形態では、0.2~15mm、好ましくは4~10mm、特に6~8mmの厚さを有するフレークの形態のメントール粒子が使用される。
【0082】
本方法の好ましい一実施形態では、5~25mm、好ましくは12~16mmの平均辺長を有するフレークの形態のメントール粒子が使用される。
【0083】
本方法の好ましい一実施形態では、0.2~15mm、好ましくは4~10mm、特に6~8mmの厚さを有し、5~25mm、好ましくは12~16mmの平均辺長を有するフレークの形態のメントール粒子が使用される。
【0084】
本方法の好ましい一実施形態では、1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有するフレークの形態のメントール粒子が使用される。
【0085】
本方法の好ましい一実施形態では、4~35mmの範囲内、特に5~30mmの範囲、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mmの範囲内、特に15~20mmのサイズを有し、そのうちのサイズが4mmを下回るメントール粒子の含有量が、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、及び特に1重量%未満、非常に好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満であるフレークの形態のメントール粒子が使用される。
【0086】
本方法の好ましい一実施形態では、2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得られるフレークの形態のメントール粒子が使用され、これは、凝固しているメントール融解物及び冷却表面の間の接触を少なくとも凝固が完了するまで維持しながら、メントール融解物のメントールへの凝固を伴う。
【0087】
上記のメントール融解物を使用することが有利である。0.1重量%~50重量%、特に1重量%~40重量%、特に5重量%~35重量%、好ましくは10重量%~30重量%のメントールのシード結晶を含むL-メントール融解物を使用することが好ましい。
【0088】
L-メントール融解物は、2つの離間されている冷却表面に、例えば堰を介して、又はサーモスタットで制御された輸送管路を介して、輸送することができる。
【0089】
この実施形態では、使用されたL-メントール融解物は、2つの離間されている冷却表面と接触する。使用されたL-メントール融解物は、好ましくは2つの離間されている冷却表面の間の空間中に存在する。融解物と個々の表面との接触は、同時に、すなわち同じ時間に、又はずらされた間隔で行うことができる。
【0090】
処理要件は、通常、使用されたL-メントール融解物と2つの冷却表面との接触が、ずらされた間隔で、例えば最初に融解物を能動的に冷却されていない2つの表面のうちの1つの領域に塗布し、これを次に短時間冷却し、さらに第2の冷却表面と接触させることにより行うことを意味する。
【0091】
処理要件は、通常、用いられたL-メントール融解物と2つの冷却表面との接触が、融解物が冷却表面のうちの1つと最初に接触し、さらにその後すぐに第2の冷却表面と接触するように、ずらされた間隔で行われることを意味する。使用されたL-メントール融解物と最初に接触される冷却表面との温度の差に依存して、使用されたL-メントール融解物の全面的な又は完全な凝固が、第2の冷却表面との接触が確立される前には起こらないように、L-メントール融解物と冷却表面の各々との接触の間の時間間隔を可能な限り短く保つことが有利であることがここで証明されている。用いられたL-メントール融解物とそれぞれの表面とが接触する間の時間間隔は、通常、30秒以下、好ましくは最大20秒、及びより好ましくは最大10秒である。
【0092】
一実施形態では、使用される冷却表面は、各場合において滑らかな表面、好ましくは鋼、他の金属、プラスチック又は前記材料の組合せから作製された連続的なベルトの平坦部である。滑らかな又は磨かれたステンレス鋼から作製された連続的なベルトが、特に好ましい。
【0093】
使用された融解物又は凝固している融解物の2つの冷却表面との接触の持続時間は、以下で接触時間と称され、個々の表面について同一の又は異なる長さであることができる。上記のように、接触は多くの場合ずらされた間隔で行われ、接触時間の終了も通常ずらされ、すなわち完全に凝固したL-メントール融解物とそれぞれの冷却表面との接触の終了が異なる時間に行われるため、融解物とそれぞれの冷却表面との接触時間は、通常異なる持続時間である。融解物と2つの冷却表面の各々との接触と、完全に凝固したL-メントール融解物の表面からの剥離とがいずれの順番で行われても、個々の冷却表面の接触時間は、用いられたL-メントール融解物/凝固しているL-メントール融解物が両方の冷却表面と同時に選択可能な時間にわたり接触するように、重複する。
【0094】
この実施形態では、凝固しているL-メントール融解物及び冷却表面の間の接触は、少なくとも凝固が完了するまで維持される。使用されたL-メントール融解物の凝固/結晶化は、好ましくは、少なくとも約80重量%又はより良くは85重量%~100重量%、好ましくは90重量%~100重量%、好ましくは95重量%又は97重量%~99.5重量%、及び非常に特に好ましくは98重量%~99重量%の得られる固体形態のL-メントールがアルファ変態で存在するまでは、完了したと考えられない。得られた凝固したL-メントールの特定の変態は、当業者に公知の方法、例えばX線回折又は粉末回折法を使用して決定することができる(例えばJoel Bernstein, Polymorphism in Molecular Crystals、Oxford University Press、2002年、94~150頁を参照)。
【0095】
「冷却表面」という用語は、42~43℃のL-メントールの融点/凝固点未満の温度を有する、又はそのような温度にサーモスタットで制御された表面を意味するものとして理解される。使用された冷却表面は、各々互いに独立して、通常約0~約40℃の範囲内、好ましくは約0~約35℃、特に好ましくは5~30℃、及び非常に特に好ましくは10~25℃の範囲内、特に15~20℃の温度を有する。2つの表面は、ここで両方とも同じ温度又は異なる温度を有することができる。冷却表面の温度を個々にそれぞれの接触時間の経過中に変更すること、すなわち温度を増大させる又は低減させることも可能である。
【0096】
好ましい一実施形態では、2つの冷却表面は、平面平行配向を有し、通常0.2~15mm、好ましくは2~10mm、特に3~9mm、特に5~8mm、特に6~8mmの距離で隔たっている。
【0097】
「平面平行配向」という用語は、2つの冷却表面が、通常の測定精度の限界内で、凝固するL-メントール融解物と接触する全体の領域又は部分領域にわたり同じ距離で隔たっていることを意味するものとして理解される。2つの冷却表面の間に形成される間の空間がL-メントールで完全に充填される場合は、冷却表面及び凝固するL-メントール融解物の間に最も大きな可能な接触領域が保証されるため、有利である。
【0098】
使用されたL-メントール融解物中のシード結晶の割合、使用されたL-メントール融解物の選択された温度、並びに2つの冷却表面の離間距離及び温度に依存して、凝固しているL-メントール融解物と2つの冷却表面との接触時間は、凝固が完了するように選択される。通常の接触時間は、10~300秒の範囲内、好ましくは120~240秒である。凝固は、通常約10~約300秒、好ましくは約20~約250秒、好ましくは最大約200秒及び非常に特に好ましくは30~150秒、好ましくは最大100秒の接触時間の後に完了する。規定された接触時間は、その間に両方の冷却表面でL-メントール融解物/凝固している又は既に凝固したL-メントール融解物の間の同時の接触がある時間間隔を述べるものとして、ここでは理解される。凝固したL-メントール融解物と2つの冷却表面のうちの1つとの接触について、この時間を超えて延長することも可能である。
【0099】
好ましい一実施形態では、短い接触時間及び凝固の完了は、冷却表面と接触する前又は接触している最中に、シード結晶を上記の融解物に添加することにより達成することができる。
【0100】
特に好ましい一実施形態では、本方法は、ダブルベルト冷却器を使用して実行される。ダブルベルト冷却器は当業者に公知であり、例えばIpco Germany GmbH、70736 Fellbach、Germany又はSBS Steel Belt Systems S.r.L.、Italyから得ることができる。
【0101】
言及されたダブルベルト冷却器を使用する場合、使用される冷却表面は、通常鋼で作製され、ローラー上で逆回転に動かされる、2つの連続的なベルト(冷却ベルト)の形態で実現されるものと理解される(C.M. van't Land、Industrial Crystallization of Melts、Marcel Dekker、2005年、63頁を参照)。L-メントール融解物の固体形態のL-メントールへの凝固は、次に、互いに向き合っているダブルベルト冷却器の2つの冷却ベルトの平面平行な部分の間の空間で行われる。
【0102】
凝固するL-メントール融解物と2つの冷却ベルトとの接触が可能な限り同時に達成されるために、L-メントール融解物の不完全な凝固が最低限に保たれるように、2つの冷却ベルトの平面平行な部分の間の空間が始まる点の可能な限り近くで融解物を冷却ベルトと接触させることが得策である。
【0103】
フレークの形態のメントール粒子を製造するための好ましい方法は、バッチ式で、例えば冷却パンチを使用して、又は連続的に、例えば上述のようなダブルベルト冷却器を使用して行うことができる。連続的な方法は、特にここで経済的な利点を有する。
【0104】
得られた凝固したL-メントールフィルムは、次に、当業者に公知の方法により冷却表面から除去することができる。方法がどのように実行されるかに依存して、L-メントールフィルムは冷却表面から直接落下するか、又はナイフ付属物を用いて冷却表面のうち1つ若しくは両方から剥離することができる。凝固したL-メントールフィルムを、冷却表面のうち1つ又は両方、好ましくは、好ましく使用されるダブルベルト冷却器の冷却ベルトから剥離する場合、フレークの形態のL-メントール粒子が得られる。
【0105】
これらは、好適な後処理法を用いて所望のサイズのL-メントールフレークに調節することができる。後処理の方法の例には、粉砕、例えばピン破砕機、カム破砕機、一軸式破砕機、円刃せん断機、衝撃破砕機を使用する、又はジョー破砕機を使用する粉砕、及びふるい分けによる粉砕も挙げられる。粉砕は、好ましくは低速度で、例えば0.2m/秒~10m/秒の範囲内、特に0.5m/秒~2.0m/秒の範囲内で操作される研磨機を使用して行われる。
【0106】
加えて、特定のサイズの粒子は、ふるい分けにより除去することができる。言及される後処理法は、互いに任意の組合せで用いられてもよい。
【0107】
そのように得られたフレーク形態のメントール粒子は、さらなる冷却により、例えば冷却スクリューコンベヤ又は冷却コンベヤベルト上で(任意の後処理が実行される前又は後に)さらに処理することができる。
【0108】
フレークの形態のメントール粒子を製造するための好ましい方法を通して、2つの冷却表面と接触して凝固した結果として、少なくとも2つの滑らかな表面を有するフレークの形態のL-メントール粒子を得ることが可能である。
【0109】
2つの冷却表面の間の選択された距離に依存して、フレーク形態のメントール粒子を製造する好ましい方法により得られるメントール粒子は、0.2~15mm、好ましくは2~10mm、特に3~9mm、特に5~8mm、特に6~8mmの厚さを有する。
【0110】
フレークのサイズは、後処理の性質に従って自由に選択することができ、連続的な条片から実質的に粉砕されたフレークの範囲であることができる。一実施形態では、4mmを下回るサイズ(いわゆる細粒分)の粒子を、例えばふるい分けにより除去することができる。一実施形態では、そのようにして分離された細粒分は、次に凝固するL-メントール融解物中にシード結晶として添加することができる。
【0111】
好ましい一実施形態では、1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有するフレークの形態のメントール粒子が得られる。
【0112】
好ましい一実施形態では、4~35mmの範囲内、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有し、そのうちのサイズが4mmを下回るメントール粒子の含有量が、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、及び特に1重量%未満、非常に好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満であるフレークの形態のメントール粒子が得られる。
【0113】
そのようにして得られるフレーク形態のL-メントール粒子は、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造するために使用されるメントール粒子として特に好適である。
【0114】
本発明は、日用品及び消費財、例えば医薬製品又は化粧品、食料品、衛生又は洗浄用物品、菓子類又はタバコ製品の製造における、又はこれらにおける、本発明の方法により得られるケーキングに対して安定化されたメントール粒子の使用をさらに提供する。
【0115】
本発明は、本発明の方法により得られる、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子をさらに提供する。
【0116】
メントール粒子の保存に伴う一般的な問題は、それらの限られた保存寿命である。特にフレーク、球及びペレットの形態のメントール粒子は、いわゆる保存後のケーキング現象を示す。これは、保存された粒子の使用に対して明らかな制限を課す。
【0117】
本発明の1つの目的は、したがって、増大した保存安定性を有するメントール粒子を提供することであった。
【0118】
驚くべきことに、20kgのメントール粒子が、成形後、
a)厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
b)この箱が20℃で10日間、L(箱)及びH(箱)から形成される側面上で保存され、
c)これが、次に1.5mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に得られるメントール粒子が、増大した保存安定性を有することが見出された。
【0119】
本発明は、20kgのメントール粒子が、成形後、
a)厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
b)この箱が20℃で10日間、L(箱)及びH(箱)から形成される側面上で保存され、
c)これが、次に1.5mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に得ることが可能であり、
保存安定性S=[(Z1-Z2)/Z1]が0.25以下、特に0.2以下、好ましくは0.1以下であり、式中、Z1は成形後の粒子の数であり、Z2は成形の20週間後の粒子の数である、
保存安定性メントール粒子をさらに提供する。
【0120】
保存安定性Sの尺度として、粒子の数が、成形直後及び20週間後に決定される。
【0121】
保存安定性は、本発明の目的のために、S=[(Z1-Z2)/Z1](式中、Z1は成形後の粒子の数であり、Z2は成形の20週間後の粒子の数である)として定義される。
【0122】
粒子の数Z1の決定のために、定義された粒子の質量(例えば100g)が量り分けられ、成形後に数えられる。粒子の数Z2の決定のために、等量の粒子(例えば100g)が量り分けられ、成形の20週間後に数えられる。粒子の数は、例えば顕微鏡によって決定することができる。
【0123】
成形から粒子の決定までの20週間、粒子は通常、0~30℃、特に20~25℃、特に20℃の温度で保たれる。
【0124】
本発明の好ましい一実施形態では、保存安定性Sは、0.2以下、特に0.1以下、特に0.05以下、好ましくは0.01以下、特に0.001以下である。
【0125】
例えば安定性手段を実行した結果としての粒子の数の増大も、本発明に包含される。
【0126】
本発明のさらなる一実施形態では、保存安定性は、-0.25~0.25の範囲内、特に-0.2~0.2、好ましくは-0.1~0.1、特に-0.05~0.05、好ましくは-0.001~0.001である。
【0127】
成形の20週間後の粒子の数は、好ましくは成形後の粒子の数と同一であり、この場合、保存安定性はS=0である。
【0128】
本発明の一実施形態では、保存安定性Sは、0~0.25の範囲内、特に0~0.2の範囲内、特に0~0.1、特に0~0.05、特に0~0.01、特に0~0.001である。
【0129】
すべての上述のメントール粒子は、保存安定性メントール粒子として好適である。
【0130】
本発明の好ましい一実施形態は、1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mm内のサイズを有する保存安定性メントール粒子を提供する。
【0131】
本発明の好ましい一実施形態は、4~35mmの範囲内、特に5~30mmの範囲内、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mmの範囲内、特に15~20mmのサイズを有し、そのうちのサイズが4mmを下回るメントール粒子の含有量が、5重量%未満、好ましくは2重量%未満、及び特に1重量%未満、非常に好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満である保存安定性メントール粒子を提供する。
【0132】
メントール含有量、特にL-メントール含有量が、粒子の総重量に対して80重量%を超える、特に90重量%を超える、特に99.5重量%を超える、好ましくは99.7重量%を超える保存安定性メントール粒子が、特に好ましい。
【0133】
メントールがL-メントールの形態で存在する保存安定性メントール粒子が、特に好ましい。
【0134】
フレーク、球又はペレットの形態で、好ましくはフレークの形態で存在する保存安定性メントール粒子が、特に好ましい。
【0135】
0.2~15mm、好ましくは4~10mm、特に6~8mmの厚さを有するフレークの形態で存在する保存安定性メントール粒子が、さらに好ましい。
【0136】
2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得られるフレークの形態の保存安定性メントール粒子が特に好ましく、これは、凝固しているメントール融解物及び冷却表面の間の接触を少なくとも凝固が完了するまで維持しながら、メントール融解物のメントールへの凝固を伴う。
【0137】
そのようにして得られる保存安定性メントール粒子の保存安定性は、これらを特に日用品及び消費財の製造又は使用に好適なものとする。
【0138】
本発明は、したがって、日用品及び消費財、例えば医薬製品又は化粧品、食料品、衛生又は洗浄用物品、菓子類又はタバコ製品の製造における、又はこれらにおける、本発明に従って得られる保存安定性メントール粒子の使用をさらに提供する。
【0139】
本発明のさらなる目的は、可能な限り高い定義された含有量のシード結晶を有するメントール融解物を得ることを可能とする方法を提供することであった。そのような方法は、有利には長い動作時間を可能とするべきである。
【0140】
驚くべきことに、押出機はメントールの結晶を製造するのに好適であることが見出された。そのように得られたそのような結晶は、例えば直接使用することができ、又は圧縮により様々な成形体へと変換することができる。結晶は、例えばシード結晶としてメントール融解物に添加することもでき、シード結晶を伴うこのメントール融解物は、次に、例えば広範な形態、例えばフレークの形態又はペレットの形態のメントール粒子の製造において使用することができる。驚くべきことに、本発明の方法を用いると、メントール融解物を所望の含有量のメントール結晶へと調節すること、及びそのように得られたメントール結晶及び融解したメントールの懸濁液を、広範な形態、例えばフレークの形態又はペレットの形態のメントール粒子の製造のために使用することが可能であることも見出された。定義された含有量のシード結晶を有するメントール融解物の製造の公知の先行技術の方法と比較すると、本発明の方法は、増大した作用時間という際だった特徴を有する。
【0141】
本発明は、したがって、メントール、特にL-メントールの結晶を製造する方法であって、メントール融解物が押出機を通して運搬される方法をさらに提供する。
【0142】
本発明は、したがって、0.1重量%~50重量%のメントール、特にL-メントールのシード結晶を含むメントール融解物、特にL-メントール融解物を製造する方法であって、メントール融解物が押出機を通して運搬される方法をさらに提供する。
【0143】
少なくとも1つのらせん状要素を含む研磨要素を有する熱交換器は、本発明の目的のために、押出機と称される。そのような構成は、例えばC.M. Van't Land、Industrial Crystallization of Melts、Marcel Dekker、2005年、161~167頁に記載されている。
【0144】
研磨要素は、らせん状要素を有する1つ以上の装置、例えば1つのスクリュー又は特に2つのスクリュー(いわゆる2軸スクリュー)を含むことができる。装置は、共回転又は逆回転の構成であってもよい。装置は、連動又は非連動の構成であってもよい。一般的に主に運搬のために働くらせん状要素に加えて、研磨要素の各装置は、通常主に混合のために働くさらなる要素を含むことができる。そのような要素の例は、ニーディングブロックである。研磨要素の装置は、通常異なる区域のらせん状要素及び混合要素を有する。
【0145】
一実施形態では、逆回転2軸スクリューを有する熱交換器が、押出機として使用される。一実施形態では、共回転2軸スクリューを有する熱交換器が、押出機として使用される。押出機として、共回転2軸スクリューを有し、スクリューが連動の構成にある熱交換器を使用することが好ましい。
【0146】
メントール融解物は、研磨要素の回転により押出機を通して運搬することができ、又は例えばポンプのさらなる補助を用いて押出機を通して運搬することができる。
【0147】
本発明の一実施形態では、押出機の温度は、42℃未満、好ましくは5~40℃の温度、特に10~32℃の範囲、特に15~20℃に設定される。さらなる一実施形態では、押出機の入口及び/又は出口の温度は、それらの間の領域中よりも高い温度に設定することができる。温度は、冷却液、特に水を用いて設定することができる。メントール融解物は、押出機を単回通過して運搬することができる。メントール融解物を、所望の割合のシード結晶が製造されるまで押出機を複数回循環させることも、同様に可能である。
【0148】
本発明は、よって、以下の実施形態をさらに提供する:
1. メントール、特にL-メントールの結晶を製造する方法であって、メントール融解物が押出機を通して運搬される、方法。
2. 0.1重量%~50重量%のメントールのシード結晶を含むメントール融解物、特にL-メントール融解物を製造する方法であって、メントール融解物が押出機を通して運搬される、方法。
3. 押出機の研磨要素が、らせん状要素を有する装置を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
4. 押出機の研磨要素が、らせん状要素を有する1つを超える装置、好ましくは2つ又は3つの装置を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
5. 押出機の研磨要素が2軸スクリューである、実施形態4に記載の方法。
6. 装置が、少なくとも1つのらせん状要素及び少なくとも1つの混合要素を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
7. 装置が共回転の構成である、先行する実施形態4~6のいずれかに記載の方法。
8. 装置が逆回転の構成である、先行する実施形態4~6のいずれかに記載の方法。
9. 装置が連動の構成である、先行する実施形態4~8のいずれかに記載の方法。
10. 装置が非連動の構成である、先行する実施形態4~8のいずれかに記載の方法。
11. メントール融解物が、研磨要素の回転を通した熱交換器を通して運搬される、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
12. メントール融解物が、ポンプを用いて熱交換器を通して運搬される、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
13. 押出機の温度が、42℃未満、特に5~40℃の範囲、好ましくは10~32℃に設定される、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
14. メントール粒子を製造する方法であって、
a.メントールのシード結晶を含有するメントール融解物を、メントール融解物を押出機を通して運搬することにより製造し、
b.そのように得られたメントール融解物を少なくとも1つの冷却表面と接触させる、方法。
15. 実施形態2~13の方法に従って得られたメントール融解物を使用する、実施形態14に記載の方法。
16. 得られたメントール融解物を、好ましくはダブルベルト冷却器の形態の、2つの離間されている冷却表面と接触させる、実施形態14又は15に記載の方法。
【実施例】
【0149】
ケーキングを評価するための等級システム:
0=完全に自由流動性であり、ケーキングが存在しない
1=手により容易にほぐすことのできる、わずかなケーキング
2=分離が困難であり得るか、又は全く分離しない、重度のケーキング
【0150】
I.本発明の実施例
[例1A-3、1B-1及び1D-2]
使用されたメントール粒子は、例A-3、B-1及びD-2に従って製造されたメントールフレークであった。成形直後に、20kgのメントール粒子を、厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、660mm[=L(袋)]×690mm[=W(袋)]の寸法を有する袋に移し、袋を密封し、これらの袋を箱の中へと包装した。使用された箱は、二重壁の段ボールから作製され、長さ385mm[=L(箱)]、幅320mm[=W(箱)]、高さ450mm[=H(箱)]の内寸法、及び6mmの段ボール厚さを有した。箱の容器の圧縮抵抗力(DIN 55440)Fは4500Nであり、重量は0.8kgであり、組立縁(prefabricated edge)は40mmである。これは、FEFCO 0201に従う組立式箱である。箱を粘着テープで閉じ、L(箱)及びH(箱)により形成される領域上で、20℃で7日間保存した。次に、箱を1.5mの高さから地面(コンクリート床)上へと落下させた。これは、箱を、落下ロボットの搬送アームを用いて1.5mの高さまで持ち上げ、次にそれらをコンクリート床上へと自由落下させることによって行った。箱の衝撃の領域は、L(箱)及びH(箱)により形成される箱の領域である。
【0151】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後及び機械的エネルギーの投入の18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例1A-3、1B-1及び1D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0152】
[例2A-3、2B-1及び2D-2]
例1A-3、1B-1及び1D-2を、機械的エネルギーの投入前に14日間保存して、繰り返した。
【0153】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後並びに機械的エネルギーの投入の17及び18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例2A-3、2B-1及び2D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後並びに17及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0154】
[例3A-3、3B-1及び3D-2]
例1A-3、1B-1及び1D-2を、機械的エネルギーの投入前に21日間保存して、繰り返した。
【0155】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後並びに機械的エネルギーの投入の16、17及び18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例3A-3、3B-1及び3D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後並びに16、17及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0156】
[例4A-3、4B-1及び4D-2]
例2A-3、2B-1及び2D-2を、箱を1.0mの高さから落下させて、繰り返した。
【0157】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後及び機械的エネルギーの投入の18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例4A-3、4B-1及び4D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0158】
[例5A-3、5B-1及び5D-2]
例2A-3、2B-1及び2D-2を、箱を2.0mの高さから落下させて、繰り返した。
【0159】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後及び機械的エネルギーの投入の18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例5A-3、5B-1及び5D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0160】
[例6A-3、6B-1及び6D-2]
例2A-3、2B-1及び2D-2を、各場合において10kgのメントール粒子を成形直後に袋に移して、繰り返した。
【0161】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後及び機械的エネルギーの投入の18週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの例6A-3、6B-1及び6D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後及び18週間後の両方で「0」と等級付けた。
【0162】
II.比較例
[例C1A-3、C1B-1及びC1D-2]
エネルギーの投入を伴わないメントール粒子
使用されたメントール粒子は、例A-3、B-1及びD-2に従って製造されたメントールフレークであった。成形直後に、20kgのメントール粒子を、厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、660mm[=L(袋)]×690mm[=W(袋)]の寸法を有する袋に移し、袋を密封し、これらの袋を箱の中へと包装した。使用された箱は、二重壁の段ボールから作製され、長さ385mm[=L(箱)]、幅320mm[=W(箱)]、高さ450mm[=H(箱)]の内寸法、及び6mmの段ボール厚さを有した。箱の容器の圧縮抵抗力(DIN 55440)Fは4500Nであり、重量は0.8kgであり、組立縁は40mmである。これは、FEFCO 0201に従う組立式箱である。箱を粘着テープで閉じ、L(箱)及びH(箱)により形成される領域上で、20℃で保存した。
【0163】
箱を充填の18及び19週間後に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの比較例C1A-3、C1B-1及びC1D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、18及び19週間後の両方で「2」と等級付けた。
【0164】
[例C2A-3、C2B-1及びC2D-2]
成形直後に投入されたエネルギーの投入を伴うメントール粒子
使用されたメントール粒子は、例A-3、B-1及びD-2に従って製造されたメントールフレークであった。成形直後に、20kgのメントール粒子を、厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、660mm[=L(袋)]×690mm[=W(袋)]の寸法を有する袋に移し、袋を密封し、これらの袋を箱の中へと包装した。使用された箱は、二重壁の段ボールから作製され、長さ385mm[=L(箱)]、幅320mm[=W(箱)]、高さ450mm[=H(箱)]の内寸法、及び6mmの段ボール厚さを有した。箱の容器の圧縮抵抗力(DIN 55440)Fは4500Nであり、重量は0.8kgであり、組立縁は40mmである。これは、FEFCO 0201に従う組立式箱である。箱を粘着テープで閉じ、L(箱)及びH(箱)により形成される領域上で、20℃で2時間保存した。次に、箱を1.5mの高さから地面(コンクリート床)上へと落下させた。これは、箱を、落下ロボットの搬送アームを用いて1.5mの高さまで持ち上げ、次にそれらをコンクリート床上へと自由落下させることによって行った。箱の衝撃の領域は、L(箱)及びH(箱)により形成される箱の領域である。
【0165】
そのように処理された箱を、機械的エネルギーの投入の直後並びに機械的エネルギーの投入の18及び19週間後(20℃で保存)に開き、ケーキングの程度を等級スケール(上記を参照)に基づいて評価した。すべての3つの比較例C2A-3、C2B-1及びC2D-2について、メントール粒子のケーキングの程度を、機械的エネルギーの投入の直後で「0」、並びに18及び19週間後の両方で「2」と等級付けた。
【0166】
換言すると、本発明に従った機械的エネルギーの投入はケーキングの低減をもたらすが、これは本発明に従った保存が機械的エネルギーの投入の前に行われた場合にのみ持続する。
【0167】
III.本発明の方法において使用することのできるメントール粒子の例
[例A-1]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで10℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用し、シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、20重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び20重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を4mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、4mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得、これを破砕機により5~25mmの辺長を有するフレークへと粉砕した。光沢がある外見を有し平均4mmの厚さを有するフレークを両面で得た。そのように得たフレークは、5~25mmの範囲内の辺長を有し、フレークの大部分は10~16mmの範囲内の辺長を有した。
【0168】
[例A-2]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで10℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用し、シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、20重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び20重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を6mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、6mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得、これを破砕機により5~25mmの辺長を有するフレークへと粉砕した。光沢がある外見を有し平均6mmの厚さを有するフレークを両面で得た。そのように得たフレークは、5~25mmの範囲内の辺長を有し、フレークの大部分は10~16mmの範囲内の辺長を有した。
【0169】
[例A-3]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで10℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用し、シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、20重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び20重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を8mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、8mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得、これを破砕機により5~25mmの辺長を有するフレークへと粉砕した。光沢がある外見を有し平均8mmの厚さを有するフレークを両面で得た。そのように得たフレークは、5~25mmの範囲内の辺長を有し、フレークの大部分は10~16mmの範囲内の辺長を有した。
【0170】
[例B-1]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで20℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、10重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び10重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を6mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240~300秒の運転時間後、6mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、所望のサイズのメントールフレークを得た。4mmのふるいを使用したその後の微粉の分離の後、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た:
【0171】
【0172】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、<0.1重量%であった。
【0173】
[例B-2]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで20℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、10重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び10重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を8mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240~300秒の運転時間後、8mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、以下のサイズ分布のメントールフレークを得た。
【0174】
【0175】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、12重量%であった。
【0176】
[例B-3]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、サーモスタットで20℃に制御したかき取り表面冷却器中に導入した。かき取り表面冷却器を、メントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、10重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び10重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を9mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240~300秒の運転時間後、9mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、所望のサイズのメントールフレークを得た。4mmのふるいを使用したその後の微粉の分離の後、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た:
【0177】
【0178】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、<0.1重量%であった。
【0179】
[例C-1]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、15℃に冷却した押出機(L-メントール融解物を運搬するための共回転2軸スクリュー及び一体型ポンプを有する、流出温度42℃)中へと供給し、押出機をメントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、30重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び30重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を6mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。160秒の運転時間後、6mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、所望のサイズのメントールフレークを得た。4mmのふるいを使用したその後の微粉の分離の後、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た:
【0180】
【0181】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、<0.1重量%であった。
【0182】
[例C-2]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、15℃に冷却した押出機(L-メントール融解物を運搬するための共回転2軸スクリュー及び一体型ポンプを有する、流出温度42℃)中へと供給し、押出機をメントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、30重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び30重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し8mmに設定したベルトの間隔を有する両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、8mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、所望のサイズのメントールフレークを得た。4mmのふるいを使用したその後の微粉の分離の後、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た:
【0183】
【0184】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、<0.1重量%であった。
【0185】
[例D-1]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、20℃に冷却した押出機(L-メントール融解物を運搬するための共回転2軸スクリュー及び一体型ポンプを有する、流出温度42℃)中へと供給し、押出機をメントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、20重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び20重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を7mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、7mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、所望のサイズのメントールフレークを得た。4mmのふるいを使用したその後の微粉の分離の後、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た:
【0186】
【0187】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、<0.1重量%であった。
【0188】
[例D-2]
50℃に加熱したL-メントール融解物を、20℃に冷却した押出機(L-メントール融解物を運搬するための共回転2軸スクリュー及び一体型ポンプを有する、流出温度42℃)中へと供給し、押出機をメントールのシード結晶を製造するために使用した。シード結晶の含有量を、密度を測定することにより決定し、20重量%に調節した。そのように得られた融解したメントール及び20重量%のメントールのシード結晶の懸濁液を排出し、サーモスタットで制御したパイプラインを介して、サーモスタットで両面を15℃に制御し、ベルトの間隔を9mmに設定した両面方式の冷却ベルトに塗布した。240秒の運転時間後、9mmの厚さのL-メントールの結晶化したフィルムをベルトの端部で得た。ピン破砕機を用いる事前の粉砕に続けてふるい分け研磨機(モデル250 Dローター造粒機、製造者Alexanderwerk、12×24mmのふるい挿入体を使用する)を使用する粉砕により、以下のサイズ分布を有するメントールフレークを得た。
【0189】
【0190】
4mmを下回るサイズのメントール粒子の割合は、13重量%であった。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)ケーキングに対して安定化されたメントール粒子を製造する方法であって、メントール粒子を、成形後に、0~30℃の温度で少なくとも7日間保存し、その後に前記メントール粒子に、それらが
- 20kgの前記メントール粒子が、
- 厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、
- この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
- この箱が、1.0mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に受けるのと少なくとも同程度の機械的エネルギーを与える、方法。
(2)前記方法の終了時の粒子の数が依然として、前記方法の開始時に用いられた粒子の数の少なくとも50%である、(1)に記載の方法。
(3)前記ケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%が、用いられたメントール粒子と同一の形状である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記ケーキングに対して安定化されたメントール粒子の少なくとも50重量%が、用いられたメントール粒子と同一のサイズである、(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記メントール粒子中のメントールがL-メントールの形態で存在する、(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記メントール粒子のメントール含有量、特にL-メントール含有量が、前記粒子の総重量に対して80重量%を超える、特に90重量%を超える、特に99.5重量%を超える、好ましくは99.7重量%を超える、(1)から(5)のいずれかに記載の方法。
(7)1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有するメントール粒子が使用される、(1)から(6)のいずれかに記載の方法。
(8)フレーク、球又はペレットの形態、好ましくはフレークの形態のメントール粒子が使用される、(1)から(7)のいずれかに記載の方法。
(9)0.2~15mm、好ましくは4~10mm、特に6~8mmの厚さを有するフレークの形態のメントール粒子が使用される、(1)から(8)のいずれかに記載の方法。
(10)2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得られるメントール粒子としてフレークの形態のメントールが使用され、これは、凝固しているメントール融解物及び前記冷却表面の間の接触を少なくとも凝固が完了するまで維持しながら、前記メントール融解物のメントールへの凝固を伴う、(1)から(9)のいずれかに記載の方法。
(11)0.1重量%~50重量%、特に1重量%~40重量%、特に5重量%~35重量%、好ましくは10重量%~30重量%のメントールのシード結晶が、前記冷却表面と接触する前に、使用される前記メントール融解物中に混合される、(10)に記載の方法。
(12)前記シード結晶が、かき取り表面冷却器又は押出機における、使用される前記メントール融解物の処理により形成される、(11)に記載の方法。
(13)前記2つの冷却表面が、平面平行配向を有し、0.2~15mm、好ましくは2~10mm、特に3~9mm、特に5~8mm、特に6~8mmの距離で隔たっている、(10)から(12)のいずれかに記載の方法。
(14)(1)から(13)のいずれかに記載の方法に従って得られる、ケーキングに対して安定化されたメントール粒子。
(15)日用品及び消費財の製造における、又は日用品及び消費財における、(14)に記載のケーキングに対して安定化されたメントール粒子の使用。
(16)20kgのメントール粒子が、成形後、
a)厚さ0.12mmのポリエチレンフィルムから作製された、長さL(袋)660mm及び幅W(袋)690mmの寸法を有する袋に包装され、袋を密封し、この袋が、二重壁の段ボールから作製された、長さL(箱)385mm、幅W(箱)320mm及び高さH(箱)450mmの内寸法、並びに6mmの段ボール厚さを有する直方体の箱に包装され、
b)この箱が20℃で10日間、L(箱)及びH(箱)から形成される側面上で保存され、
c)これが、次に1.5mの高さから非弾性の表面上に、L(箱)及びH(箱)により形成される側面と平行平面で1回落下される
場合に得られる保存安定性メントール粒子であって、
保存安定性S=[(Z
1
-Z
2
)/Z
1
]が0.25以下、特に0.2以下、好ましくは0.1以下であり、式中、Z
1
は成形後の粒子の数であり、Z
2
は成形の20週間後の粒子の数である、
メントール粒子。
(17)メントールがL-メントールの形態で存在する、(16)に記載のメントール粒子。
(18)前記メントール粒子のメントール含有量、特にL-メントール含有量が、前記粒子の総重量に対して80重量%を超える、特に90重量%を超える、特に99.5重量%を超える、好ましくは99.7重量%を超える、(16)又は(17)に記載のメントール粒子。
(19)前記メントール粒子が、1~35mmの範囲内、特に4~35mm、特に5~30mm、好ましくは10~25mm、好ましくは12~24mm、特に15~20mmのサイズを有する、(16)から(18)のいずれかに記載のメントール粒子。
(20)前記メントール粒子が、フレーク、球又はペレットの形態、好ましくはフレークの形態である、(16)から(19)のいずれかに記載のメントール粒子。
(21)前記メントール粒子が、0.2~15mm、好ましくは4~10mm、特に6~8mmの厚さを有するフレークの形態である、(16)から(20)のいずれかに記載のメントール粒子。
(22)メントールが、2つの離間されている冷却表面にメントール融解物を接触させることにより得られるメントール粒子としてフレークの形態で使用され、これは、凝固しているメントール融解物及び前記冷却表面の間の接触を少なくとも凝固が完了するまで維持しながら、前記メントール融解物のメントールへの凝固を伴う、(16)から(21)のいずれかに記載のメントール粒子。
(23)日用品及び消費財の製造における、又は日用品及び消費財における、(16)から(22)のいずれかに記載の保存安定性メントール粒子の使用。