(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】基板エッジの欠陥低減のための研磨システム装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B24B 55/06 20060101AFI20241223BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241223BHJP
B24B 37/34 20120101ALI20241223BHJP
B24B 37/32 20120101ALI20241223BHJP
【FI】
B24B55/06
H01L21/304 622N
H01L21/304 643A
B24B37/34
B24B37/32 A
(21)【出願番号】P 2023535826
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021057087
(87)【国際公開番号】W WO2022132314
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェイン, アシェシュ
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ, サメール
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0376523(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0176349(US,A1)
【文献】特開2015-196211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 - 37/34
B24B 55/06
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨システムであって、
キャリアローディングステーションであって、
被研磨基板を支持するための1又は複数の支持面であって、前記被研磨基板の有効面の半径方向最外部と係合するサイズであり、位置にある1又は複数の支持面と、
ロードカップと、
基板バッキングアセンブリと、前記基板バッキングアセンブリを取り囲む環状保持リングとを含むキャリアヘッドと、
前記ロードカップ
に直接固定された流体供給アセンブリであって、
前記キャリアヘッドが前記キャリアローディングステーションの上に
配置され、かつそれとアライメントされるときに、前記基板バッキングアセンブリと前記環状保持リングとの間に形成される環状間隙に向けられた平坦部を有する扇形スプレーパターンで、励起された流体をスプレーするように構成された1又は複数の第1のノズルを含む流体供給アセンブリと
を含む、キャリアローディングステーションを備え
、
前記被研磨基板が、前記キャリアローディングステーションの上に位置決めされかつそれとアライメントされた前記キャリアヘッドに真空チャックされたときに、前記扇形スプレーパターンの前記平坦部が前記被研磨基板の周縁部に接し、前記励起された流体は音響的に励起された流体、加圧ガスと混合した液体、熱的に励起された流体、又はそれらの組み合わせを含む、研磨システム。
【請求項2】
前記キャリアローディングステーションを上から見たときに、前記1又は複数の第1のノズルが前記1又は複数の支持面に近接して配置されている、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項3】
前記1又は複数の第1のノズルは、アトマイザーノズルである、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項4】
前記1又は複数の第1のノズルは、前記扇形スプレーパターンの
前記平坦部が
前記被研磨基板の前記有効面に対する直交線の20°以内になるように位置決めされる、請求項
1に記載の研磨システム。
【請求項5】
前記1又は複数の第1のノズルは、
前記励起された流体を前記1又は複数の第1のノズルに供給するように構成された第1の流体源に流体的に結合される、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項6】
プロセッサによって実行されたときに基板の処理方法を実行するための命令がその上に記憶された非一過性コンピュータ可読媒体を更に備え、前記方法は、
前記キャリアローディングステーションから前記キャリアヘッドに基板を移送することであって、前記キャリアヘッドは前記キャリアローディングステーションの上に位置決めされ且つそれにアライメントされる、前記キャリアローディングステーションから前記キャリアヘッドに
前記基板を移送することと、
キャリア軸を中心に前記キャリアヘッド及び前記基板を回転させることと、
前記キャリアヘッドが前記キャリア軸を中心に前記基板を回転させる際に、前記基板の
前記周縁部に向かって前記励起された流体を方向づけするために、前記1又は複数の第1のノズルを使用することと、
前記研磨システムの研磨ステーションに前記キャリアヘッドを移動させることと、
研磨パッドに前記基板を押し当てることと
を含む、請求項
1に記載の研磨システム。
【請求項7】
前記キャリアヘッドに前記基板を移送することは、
前記キャリアローディングステーションの上に前記キャリアヘッドを位置決めすることであって、前記基板は、前記キャリアローディングステーションの1又は複数の支持面に配置される、前記キャリアローディングステーションの上に前記キャリアヘッドを位置決めすることと、
前記
キャリアローディングステーション及び前記キャリアヘッドの一方又は両方を互いに向かって移動させることと、
前記キャリアローディングステーションから上向きに延びる1又は複数のキャリアアライメント特徴部を使用して、前記キャリアヘッド及び前記キャリアローディングステーションをアライメントすることと、
前記基板バッキングアセンブリを使用して、前記キャリアヘッドに前記基板を真空チャックすることと
を含む、請求項
6に記載の研磨システム。
【請求項8】
前記1又は複数の第1のノズルは、前記励起された流体が前記基板の
前記周縁部に向かって方向づけされる際に
、20cm以下の距離だけ前記基板から離間されている、請求項6に記載の研磨システム。
【請求項9】
前記流体供給アセンブリは更に、第2の流体源に流体的に結合された1又は複数の第2のノズルを含み、前記1又は複数の第2のノズルは、前記キャリアヘッドが前記キャリア軸を中心に回転する際に、前記基板の
前記周縁部に向かって前記第2の流体源からのリンス液を方向づけするように位置決めされる、請求項
6に記載の研磨システム。
【請求項10】
前記基板バッキングアセンブリは、
前記環状保持リングによって取り囲まれ、前記1又は複数の第1のノズルからの前記励起された流体が前記基板の
前記周縁部に向かって方向づけされる際に、真空チャックされた
前記基板の表面が前記
環状保持リングから外向きに突出する、請求項
6に記載の研磨システム。
【請求項11】
基板の処理方法であって、
研磨システムのキャリアローディングステーションから前記キャリアローディングステーションの上に位置決めされ且つそれにアライメントされたキャリアヘッドに基板を移送することと、
前記キャリアヘッド及び前記基板をキャリア軸を中心に回転させることと、
前記キャリアヘッドが前記キャリアローディングステーション上に配置され、それとアライメントされるときに、キャリアローディングステーションに直接固定された1又は複数の第1のノズルを使用して、基板バッキングアセンブリと環状保持リングとの間に形成される環状間隙に向けられた平坦部を有する扇形スプレーパターンで、励起された流体をスプレーすることであって、 前記扇形スプレーパターンの平坦部は、前記キャリアヘッドが
前記キャリア軸を中心に前記基板を回転させる際に、前記基板の
周縁部に接し、前記励起された流体が、音響的に励起された流体、加圧ガスと混合された液体、熱的に励起された流体、又はそれらの組み合わせを含む、ことと、
前記研磨システムの研磨ステーションに前記キャリアヘッドを移動させることと、
研磨パッドに前記基板を押し当てることと
を含む方法。
【請求項12】
前記キャリアヘッドに前記基板を移送することは、
前記キャリアローディングステーションの上に前記キャリアヘッドを位置決めすることであって、前記基板は、前記キャリアローディングステーションの表面に配置される、前記キャリアローディングステーションの上に前記キャリアヘッドを位置決めすることと、
前記
キャリアローディングステーション及び前記キャリアヘッドの一方又は両方を互いに向かって移動させることと、
前記キャリアローディングステーションから上向きに延びる1又は複数のキャリアアライメント特徴部を使用して、前記キャリアヘッド及び前記キャリアローディングステーションをアライメントすることと、
基板バッキングアセンブリを使用して、前記キャリアヘッドに前記基板を真空チャックすることと
を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記1又は複数の第1のノズルは、
前記励起された流体が前記基板の
前記周縁部に向かって方向づけされる際に
、20cm以下の距離だけ前記基板から離間されている、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記キャリアヘッドが前記キャリア軸を中心に回転する際に、リンス液を前記基板の
前記周縁部に方向づけするために、前記キャリアローディングステーションの1又は複数の第2のノズルを使用することを更に含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
前記1又は複数の第1のノズルからの
前記励起された流体は、音響的に励起される、空圧的に励起される、熱的に励起される、又はそれらの組み合わせである、請求項
11に記載の方法。
【請求項16】
前記1又は複数の第1のノズルは、アトマイザーノズルである、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記基板バッキングアセンブリは
前記環状保持リングによって取り囲まれ、
前記1又は複数の第1のノズルからの
前記励起された流体が前記基板の
前記周縁部に向かって方向づけされる際に、真空チャックされた前記基板の表面は前記
環状保持リングから外向きに突出する、請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書の実施形態は、概して電子デバイス製造に関し、特に、半導体デバイス製造プロセスで使用される化学機械研磨(CMP)システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高密度集積回路の製造において、基板上に堆積された材料の層を平坦化又は研磨するために、化学機械研磨(CMP)が一般に使用されている。半導体デバイス製造におけるCMPプロセスの1つの一般的な用途は、バルクフィルムの平坦化、例えば、プレメタル誘電体(PMD)又は層間誘電体(ILD)研磨であり、基礎となる2次元又は3次元の特徴が、平坦化すべき材料の表面の凹部及び突出部を形成する。他の一般的な用途としては、シャロートレンチアイソレーション(STI)及び層間金属配線形成があり、CMPプロセスは、STI又は金属配線の特徴が配置された材料の層の露出面(フィールド)からビア、コンタクト、トレンチ充填材(オーバーバーデン)を取り除くために使用される。
【0003】
[0003]典型的なCMPプロセスでは、研磨パッドが回転可能な研磨プラテンに取り付けられ、研磨液の存在下で回転可能な基板キャリアを使用して、基板の材料表面が研磨パッドに押し当てられる。化学的及び機械的作用の組み合わせにより、研磨パッドと接触している基板の表面全体にわたって材料が除去される。化学的及び機械的作用は、研磨液、基板と研磨パッドの相対運動、及び研磨パッドに対して基板に及ぼされる押下げ力によってもたらされる。
【0004】
[0004]残念なことに、基板の表面と研磨パッドとの間、すなわち研磨界面に取り込まれた望ましくない汚染物質が、基板表面に望ましくないスクラッチを生じさせる場合がある。研磨界面における望ましくない汚染物質の1つの原因は、上流の製造プロセスで取り込まれた誘電体材料の薄片等、被研磨基板の斜角エッジの表面に緩く付着している粒子である。基板の研磨中に、これらの材料の薄片は基板の斜角エッジから研磨界面に移動し、基板表面にナノスクラッチやマイクロスクラッチを発生させる。
【0005】
[0005]CMP後の残留物等の他の種類の欠陥とは異なり、スクラッチは基板表面に永久的な損傷を与え、その後の洗浄プロセスで除去することができない。例えば、金属相互接続の複数のラインにわたって延びる軽いスクラッチでさえ、そこに配置された金属イオンの痕跡を平坦化される材料層全体に行き渡らせ、それによって、得られる半導体デバイスに漏れ電流及び時間依存性の誘電破壊を誘発し、得られるデバイスの信頼性に影響を与える。更に深刻なスクラッチは、隣接する金属に望ましくないねじれ及びブリッジを生じさせる、及び/又は基板表面に分断及び欠落パターンを生じさせる場合があり、望ましくないことに短絡を引き起こし、最終的にデバイスの故障につながるため、基板上に形成される使用可能なデバイスの歩留まりを低下させる。同様に、STI CMP中に生じたスクラッチは、ゲート酸化膜の完全性に影響を与え、その破壊を引き起こし、最終的にデバイスの性能、信頼性を低下させ得る、及び/又は歩留まりを低下させ得る。
【0006】
[0006]したがって、当技術分野では、上述した問題を解決するシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本明細書の実施形態は、基板の研磨前に基板の斜角エッジに付着したナノスケール及び/又はミクロンスケールの粒子を有益に除去するために使用され得るキャリアローディングステーション及び方法を提供する。このような汚染物質、例えば誘電体材料の緩く付着した粒子を斜角エッジから除去することにより、研磨界面の汚染を回避することができ、したがってそれに関連するスクラッチ関連の欠陥が防止される及び/又は大幅に減少する。
【0008】
[0008]一実施形態では、研磨システムは、キャリアローディングステーションを含む。キャリアローディングステーションは、被研磨基板を支持するための1又は複数の支持面と、ロードカップと、ロードカップ内に配置された流体供給アセンブリとを含む。1又は複数の支持面は、被研磨基板の有効面の半径方向最外部と係合するサイズであり、位置にある。流体供給アセンブリは、被研磨基板がキャリアローディングステーションの上に位置決めされたキャリアヘッドに真空チャックされ且つそれにアライメントされたときに、被研磨基板の周縁部に向かって励起された流体を方向づけするように構成された1又は複数の第1のノズルを含む。
【0009】
[0009]一実施形態では、基板の処理方法が提供される。本方法は、研磨システムのキャリアローディングステーションからキャリアローディングステーションの上に位置決めされ且つそれにアライメントされたキャリアヘッドに基板を移送することと、キャリアヘッド及び基板をキャリア軸を中心に回転させることと、キャリアヘッドがキャリア軸を中心に基板を回転させる際に、基板の周縁部に向かって励起された流体を方向づけするために、キャリアローディングステーションの1又は複数の第1のノズルを使用することと、研磨システムの研磨ステーションにキャリアヘッドを移動させることと、研磨パッドに基板を押し当てることとを含む。
【0010】
[0010]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は例示的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本明細書に記載の方法を実行するように構成された例示的な研磨システムの概略側面図である。
【
図1B】
図1Aに示す研磨システムの基板キャリアの概略断面図である。
【
図2A】
図1Aの研磨システムと共に使用され得る、一実施形態に係るローディングステーションの上から見た概略図である。
【
図2B】線2B-2Bに沿って切り取った
図2Aに示すローディングステーションの概略側面図である。
【
図3A】
図1Aの研磨システムと共に使用され得る、別の実施形態に係るローディングステーションの上から見た概略図である。
【
図3B】線3B-3Bに沿って切り取った
図3Aに示すローディングステーションの概略側面図である。
【
図4】一実施形態に係る基板の斜角エッジから汚染物質を除去するために使用され得る方法を例示した図である。
【
図5A】
図4に記載の方法中のノズルと基板エッジとの間の関係を示す概略図である。
【
図5B】
図5Aに示すノズルのスプレーパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実装態様の要素及び特徴は、更なる詳述なしに他の実装態様に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【0013】
[0021]本明細書の実施形態は、概して化学機械研磨(CMP)システムに関し、特に、CMPシステム及びそれに関連する方法と共に使用されるヘッドクリーンロード/アンロード(HCLU)ステーション、本明細書ではキャリアローディングステーションに関する。キャリアローディングステーション及び方法は、基板の研磨前に基板の斜角エッジに付着したナノスケール及び/又はミクロンスケールの粒子を有益に除去するために使用され得る。このような汚染物質、例えば誘電体材料の緩く付着した粒子を斜角エッジから除去することにより、研磨界面の汚染を回避することができ、したがってそれに関連するスクラッチ関連の欠陥が防止される及び/又は大幅に減少する。
【0014】
[0022]
図1Aは、本明細書に記載の方法を実行するために使用され得る例示的な研磨システム100の概略側面図である。ここで、研磨システム100は、ベース101、複数の研磨ステーション102(1つ図示)、ローディングステーション104、キャリア輸送システム106、複数のキャリアアセンブリ108、及びシステムコントローラ110を含む。
【0015】
[0023]ローディングステーション104は、基板ハンドラ112、例えば、エンドエフェクタ114を有するロボットから基板を受け取り、そこに基板を戻すため、及びキャリアアセンブリ108の個々のものへ又はそこから基板をロード及びアンロードするために使用される。ローディングステーション104として使用され得る例示的なローディングステーション200、300を更に、それぞれ
図2A~
図2B及び
図3A~
図3Bにおいて説明する。キャリア輸送システム106は、複数のキャリアアセンブリ108を支持し、キャリアアセンブリ108をローディングステーション104とその上で基板を処理するための複数の研磨ステーション102のうちの1又は複数との間で移動させるための任意の適切なシステムを備え得る。ここでは、キャリア輸送システム106は、軸Aを中心に支持アーム107を枢動させることによって、複数のキャリアアセンブリ108を研磨ステーション102とローディングステーション104との間で移動させるピボットモジュールとして示される。
【0016】
[0024]研磨ステーション102は、その上に取り付けられた研磨パッド118を有するプラテン116と、流体供給アーム120と、パッドコンディショナアセンブリ122とを含む。プラテン116は、それに結合されたアクチュエータ128を使用して、軸Bを中心に回転可能である。流体供給アーム120は、プラテン116の上に位置決めされ、研磨パッド118の表面に、その中に懸濁した研磨剤を有する研磨スラリ等の研磨液を供給するために使用される。典型的には、研磨液は、pH調整剤及び酸化剤等の他の化学的な活性成分を含み、基板の材料表面の化学機械研磨を可能にする。パッドコンディショナアセンブリ122は、研磨パッド118の表面を研磨し、再生し、研磨副生成物を除去するために、基板の研磨の前、後、又は中に、研磨パッド118に固定研磨コンディショニングディスク124を押し当てるために使用される。
【0017】
[0025]キャリアアセンブリ108は、複数の研磨ステーション102の個々の研磨ステーションの内外へ、及びそれらの間で基板を輸送し、研磨液の存在下で回転している研磨パッドに基板を押し当てるために使用される。ここで、各キャリアアセンブリ108は、キャリアヘッド130(
図1A~
図1Bで更に説明)と、キャリアヘッド130に結合されたキャリアシャフト132と、キャリアシャフト132に結合された1又は複数のアクチュエータ136とを含む。1又は複数のアクチュエータ136は、キャリアヘッド130をキャリア軸Cを中心に回転させ、キャリアヘッド130を研磨パッド118の内側半径と外側半径の間で掃引し、同時にキャリアヘッド130がそこに配置された基板138の裏側(非有効)面に対して力を及ぼすために用いられる。
【0018】
[0026]例示的なキャリアヘッド130は、
図1Bの断面図において概略的に図示されている。
図1Bでは、キャリアヘッド130は、基板138がその中に真空チャックされたローディングモードで示されている。ここで、キャリアヘッド130は、ハウジング140と、ハウジング140に可動及び密封結合され、それと共にロードチャンバ144を画定するベースアセンブリ142とを含む。ベースアセンブリ142に及ぼされる下向きの力、及びハウジング140とベースアセンブリ142との相対位置は、ロードチャンバ144を加圧することによって、又はそこからガスを排出することによって、例えば、ロードチャンバ144に真空を適用することによって、制御される。
【0019】
[0027]ベースアセンブリ142は、キャリアベース146と、キャリアベース146に可動及び密封結合され、それと共に合わせてチャンバ158を画定する基板バッキングアセンブリ147と、基板バッキングアセンブリ147を取り囲み、キャリアベース146に可動結合された環状保持リング154とを含む。基板バッキングアセンブリ147は、可撓性膜148と、それを貫通して形成された複数の開孔152を有する膜バッキングプレート150とを含む。膜バッキングプレート150は、その間に配置された第1のアクチュエータ156a、例えば、環状膜又はブラダによってキャリアベース146に密封結合され、可撓性膜148は膜バッキングプレート150に結合される。基板研磨中、チャンバ158は、キャリアヘッド130が回転して研磨パッド118に基板138を押し当てる際に、可撓性膜148が基板138の裏側表面に下向きの力を及ぼすように加圧される。
【0020】
[0028]研磨が完了したとき、又は基板ローディング工程中に、チャンバ158に真空を適用して、基板138の裏側に接触する可撓性膜148の表面が上向きに撓むようにすることによって、基板138がキャリアヘッド130にチャックされる。可撓性膜148の上向きの撓みは、可撓性膜148と基板138との間に低圧ポケットを形成し、これにより基板をキャリアヘッド130に真空チャックする。膜バッキングプレート150は、基板138を強固に支持し、真空チャック中の可撓性膜148と基板138の上向きの動きを制限し、可撓性膜148の形状を維持する。
【0021】
[0029]保持リング154は、第2のアクチュエータ156b、例えば、環状可撓性膜又はブラダを用いてキャリアベース146に結合される。基板研磨中、保持リング154は基板138を取り囲み、保持リング154にかかる下向きの力が、研磨パッド118がその下を移動する際に基板138がキャリアヘッド130から滑ることを防止する。保持リング154及び基板138に及ぼされる下向きの力は、基板エッジにおける研磨条件の微調整を可能にするために、独立して制御される。同様に、保持リング154と膜バッキングプレート150との相対位置、例えば、それらの間のZ方向のオフセットは、それに結合されたそれぞれのアクチュエータ156a、bを用いて独立して制御することができる。この制御可能なオフセットは、基板138がキャリアヘッド130に真空吸着されたときに、保持リング154に対する基板138の凹部及び/又は突出量Pを決定する。幾つかの実施形態では、保持リング154に対する基板138の制御可能な凹部又は突出部Pは、以下の方法において説明するように、基板138の斜角面の洗浄を容易にするために有利に使用される。
【0022】
[0030]研磨システム100の動作は、システムコントローラ110(
図1A)により促進される。システムコントローラ110は、プログラム可能な中央処理装置(CPU)160を含み、これは、メモリ162(例えば、不揮発性メモリ)及び支援回路164と共に動作可能である。支援回路164は、従来、CPU160に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等、及び研磨システム100の様々な構成要素に結合されたそれらの組み合わせを含み、それによって基板処理工程の制御を容易にする。
【0023】
[0031]CPU160は、様々なシステムコンポーネント及びサブプロセッサを制御するための、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の産業環境で使用される任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つである。CPU160に結合されたメモリ162は、非一過性であり、CPU160によって実行されると、研磨システム100の動作を促進する命令を含むコンピュータ可読記憶媒体(例えば、不揮発性メモリ)の形態である。メモリ162の命令は、本開示の方法を実行するプログラム等のプログラム製品の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のうちの任意の1つに適合していてよい。一実施例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラム(複数可)は、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義する。したがって、コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を担持する場合、本開示の実施形態となる。
【0024】
[0032]
図2Aは、
図1Aのローディングステーション104の代わりに使用され得る、一実施形態に係るローディングステーション200の上から見た概略図である。
図2Bは、
図2Aの線2B-2Bに沿って切り取ったローディングステーション200の概略断面図である。視覚的な混乱を低減するために、
図2Aに示す特徴の少なくとも幾つかは、
図2Bには示しておらず、その逆もまた然りである。
【0025】
[0033]ローディングステーション200は、カップアセンブリ202と、ペデスタルアセンブリ204と、流体供給アセンブリ206とを含む。カップアセンブリ202は、第1のシャフト214上に配置されたロードカップ212と、第1のシャフト214に結合され、ロードカップ212をZ方向に、すなわち、その上に位置決めされたキャリアヘッド(図示せず)に向かって及びそこから離れるように動かすのに用いられるアクチュエータ216を含む。ロードカップ212は、環状の上部218と下部ハウジング220とを含み、これらは合わせて、本明細書に記載のキャリア及び基板の洗浄方法の間に使用される流体を集めるための集水域222を画定する。流体は、集水域222に流体的に結合されたドレーン224を使用して、そこから排出される。
【0026】
[0034]上部218は、上部218の上向き面から上向きに延び、その周縁部に近接して位置する1又は複数のキャリアアライメント特徴部、ここでは環状リップ226を含む。基板(
図2Bに点線で示す)をキャリアヘッド(図示せず)に、及びキャリアヘッドから移送する間、ロードカップ212は上昇位置にあり、環状リップ226は、キャリアヘッドとロードカップ212との間のアライメントを容易にするために、キャリアヘッドの外向き面の一部を取り囲む。
【0027】
[0035]ペデスタルアセンブリ204は、第2のシャフト230上に配置されたペデスタル228と、第2のシャフト230に結合され、ペデスタルをZ方向に動かすのに使用されるアクチュエータ232とを含む。ペデスタル228は、上から見たときに概ね円形の形状を有し、ペデスタル228の周囲エッジに近接して配置され、そこから上向きに延びた環状リップ238を有する。環状リップ238は、基板138の有効面の半径方向最外部と係合するサイズであり、位置にあって、これにより、基板138をペデスタル228の凹面240から離して支持し、その上で製造されるデバイスとの接触を最小限に抑え、それに関連するスクラッチを回避する。
【0028】
[0036]ペデスタルは、ロードカップ212に対してZ方向に移動可能であり、基板ハンドラ112のエンドエフェクタ114(
図1A)へのアクセスを提供し、その上に位置決めされたキャリアヘッドからの基板のロード及びアンロードを容易にするために、ロードカップ212から上向きに延び、その中に引き込まれることが可能である。ここで、ペデスタル228は、それを貫通して配置された複数の開口部242と、その周縁部の周りに配置された複数の切欠部244aを有する。ロードカップ212の上部218は、ペデスタルのエッジに形成された複数の切欠部244aにアライメントされ、その半径方向内向きの面に形成された対応する複数の切欠部244bを備える。複数の開口部242及び切欠部244a、bは、その下に配置された流体供給アセンブリ206が、ロードステーション200の上に位置決めされ且つそれにアライメントされたキャリアヘッド(及び/又は真空チャックされた基板)の所望の面に向かって流体を方向づけすることを可能にする。
【0029】
[0037]流体供給アセンブリ206は、ロードカップ212に固定結合され、1又は複数の第1のノズル250a(3つ図示)、1又は複数の第2のノズル250b(3つ図示)、及び複数の第3のノズル250cを含む。1又は複数の第1のノズル250a及び1又は複数の第2のノズル250bは、(上から見たときに)切欠部244a、bによって形成された開口部にアライメントされている。幾つかの実施形態では、1又は複数の第1のノズル250a及び1又は複数の第2のノズル250bは、回転するキャリアヘッドの可撓性膜と保持リングとの間に配置された環状間隙に向かって洗浄液を方向づけし、そこから研磨副生成物を除去するために用いられる。
【0030】
[0038]1又は複数の第1のノズル250aは、第1の流体源252aに流体的に結合され、基板がローディングステーション200の上に位置決めされた回転キャリアヘッドに配置されたときに、基板の周縁部に向かって第1の流体を方向づけするように位置決めされる。第1の流体は、誘電体材料のナノ粒子又はマイクロ粒子等の望ましくない汚染物質を、研磨の前に基板の斜角面から取り除くために使用される。1又は複数の第1のノズル250aと共に第1の流体として使用され得る適切な流体の例は、脱イオン水(DIW)、加圧ガス、例えば、窒素(N2)又は清浄乾燥空気(CDA)、DIW又は二酸化炭素(CO2)の流動化氷粒子及び/又はかかる氷粒子を含む溶液、ならびにこれらの組み合わせを含む。
【0031】
[0039]ここで、1又は複数の第1のノズル250aは、回転する基板キャリアに配置された基板の斜角エッジに向かって第1の流体を方向づけするように位置決めされる。第1の流体は、連続的な又はパルス状の加圧ジェット又はストリームで1又は複数の第1のノズル250aから放出され得る、及び/又は音響的に励起され得る(例えば、音響キャビテーションを介して)、空圧的に励起され得る(例えば、加圧ガスと混合した液体を用いて)、熱的に励起され得る(例えば、スチーム)、又はそれらの組み合わせ(複数可)であってよい。幾つかの実施形態では、1又は複数の第1のノズル250aは、第1の流体をそれらの間に分配するマニホールド254aを通して第1の流体源252aに流体的に結合される。
【0032】
[0040]第1の流体を音響的に励起することは、第1の流体の超音波励起又はメガソニック励起を含む。例えば、第1のノズル250a及び第1の流体源252aの一方又は両方は、低い超音波範囲(例えば、約20KHz)から高いメガソニック範囲(例えば、約2MHz)までの周波数範囲で動作可能な音響ジェネレータ256、例えば、圧電トランスデューサを備えるように構成され得る。他の周波数範囲も使用可能である。
【0033】
[0041]第1の流体を空圧的に励起することは、1又は複数の第1のノズル250aから、液体及び/又は固体相材料、例えば、DIW、流動化氷粒子、及び/又は浮遊氷粒子を含む溶液、ならびにN2又はCDA等の加圧ガスのうちの1又は複数等の異なる位相成分を放出させることを含む。異なる相成分は、第1の流体源252aで組み合わせることができる、又は1又は複数の第1のノズル250aに別々に供給し、それを用いて組み合せることができる。例えば、幾つかの実施形態では、1又は複数の第1のノズル250aは、噴霧器ノズルであってよく、そこに別々に供給される加圧ガスは、噴霧用ガスを含む。
【0034】
[0042]第1の流体を熱的に励起することは、第1の流体を蒸気又は気相、例えば、飽和又は過飽和のスチームに加熱することを含む。例えば、幾つかの実施形態では、1又は複数の第1のノズル250aに供給される第1の流体は、約30psigから約140psig、例えば約40psigから約50psigの範囲の圧力で、約80℃から約150℃、例えば約100℃から約120℃の範囲の温度を有する水蒸気又はスチームを含む。
【0035】
[0043]1又は複数の第2のノズル250bは、1又は複数の第2のノズルの間に第2の流体を分配するために使用される第2のマニホールド254bを通して第2の流体源252bに流体的に結合される。1又は複数の第2のノズルは、ペデスタル228の周縁部の周りに1又は複数の第1のノズル250aと交互に配置されるように、(上から見たときに)切欠部244a、bの対応する方にアライメントされて配置される。1又は複数の第2のノズル250bは、ローディングステーション200にアライメントされ、その上に配置された回転するキャリアヘッドに配置された基板の周囲エッジに第2の流体を方向づけするように、位置決めされる。典型的には、第2の流体250bは、周囲温度又はそれ以下、例えば約40℃以下、又は約20℃から約40℃の範囲近辺に維持されるDIW等のリンス液を含む。1又は複数の第2のノズル250bによって放出される第2の流体は、励起された第1の流体によって取り除かれた汚染物質を洗い流すため、及び/又は励起された第1の流体によって加熱された基板エッジ及びキャリアヘッドの表面を冷却するために使用され得る。
【0036】
[0044]複数の第3のノズル250cは、1又は複数の第1のノズル250a及び1又は複数の第2のノズル250bの(ロードカップ212に対して)半径方向内向きに配置され、(上から見たときに)開口部242にアライメントされる。複数の第3のノズル250cは、回転するキャリアヘッドに配置された基板の有効面に向かって、又は基板間の回転するキャリアヘッドの可撓性膜に向かって第3の流体を方向づけするために使用される。複数の第3のノズル250cは、第3のマニホールド254cを通して第3の流体源252cと流体連結している。第3の流体は、研磨プロセスの前及び/又は後に、回転するキャリアヘッド及び/又は回転するキャリアヘッドの可撓性膜に配置された基板の有効面をリンスするために使用される。第3の流体は、組み合わせて又は順次供給される洗浄液及び/又はDIW等のリンス剤を含み得る。
【0037】
[0045]本明細書に記載のノズル250a~cは、平面扇形、中空コーン、フルコーン、固体ストリーム、又はそれらの組み合わせ等の流体スプレーパターンの任意の1つ又は組み合わせを提供するように構成される。幾つかの実施形態では、第1のノズル250a及び第2のノズル250bの一方又は両方は、平面扇形スプレーパターンを供給するように構成される。
【0038】
[0046]
図3Aは、
図1Aのローディングステーション104の代わりに使用され得る、別の実施形態に係るローディングステーション300の上から見た概略図である。
図3Bは、
図3Aの線3B-3Bに沿って切り取ったローディングステーション300の概略断面図である。視覚的な混乱を低減するために、
図3Aに示す特徴の少なくとも幾つかは、
図3Bには示しておらず、その逆もまた然りである。
【0039】
[0047]ローディングステーション300は、カップアセンブリ302と、その中に配置された流体供給アセンブリ306とを含む。カップアセンブリ302は、シャフト314上に配置されたロードカップ312と、シャフト314に結合され、ロードカップ312をZ方向に、すなわち、その上に位置決めされたキャリアヘッド(図示せず)に向かって及びそこから離れるように動かすのに用いられるアクチュエータ316とを含む。ロードカップ312は、環状上部318及び下部ハウジング320を含み、これらは合わせて、本明細書に記載のキャリア及び基板洗浄方法の間に使用される流体を集めるための集水域322を画定する。流体は、集水域322に流体的に結合されたドレーン324を使用して、そこから排出される。
【0040】
[0048]上部318は、複数のキャリアアライメント特徴部326と、上部の半径方向内向きのエッジに近接して配置された環状リップ338と、複数の基板アライメント特徴部340とを含む。複数のキャリアアライメント特徴部326は、上部318の上向き面から上向きに延び、その周縁部に近接した位置で互いに離間される。キャリアヘッド(図示せず)への及びそこからの基板(
図3Bに点線で示す)の移送中、ロードカップ312は上昇位置にあり、複数のアライメント特徴部326は、キャリアヘッドとロードカップ312との間のアライメントを容易にするために、キャリアヘッドの半径方向外向きの面と接触する。
【0041】
[0049]環状リップ338は、基板138(
図3Bに点線で示す)の有効面の半径方向最外部と係合するようなサイズであり、またそのように位置決めされ、その上に製造されるデバイスとの接触を最小限に抑え、関連するスクラッチを回避する。環状リップ338は、ローディングステーション300の上に位置決めされたキャリアヘッド(図示せず)へ及びそこからの基板の移送を容易にするために、基板138をその表面から離間させるように上部318から上向きに延びている。複数の基板アライメント特徴部340は、環状リップ338に近接し、そこから半径方向外向きに配置され、基板138を基板ハンドラ112から受け取ったときに、基板138を環状リップ338上でセンタリングするのに用いられる。典型的には、複数の基板アライメント特徴部340は、キャリアのロード及びアンロードの間、それと干渉しないようにロードカップ312内に引き込まれる。
【0042】
[0050]ロードカップ312の上部318は、その半径方向内向きの面に形成された1又は複数の切欠部344(3つ図示)を備え、これは(上から見たときに)、その下に配置された流体供給アセンブリ306の1又は複数のエッジ洗浄ノズル350aにアライメントされる。1又は複数のエッジ洗浄ノズル350aは、第1の流体源352aに流体的に結合され、基板がローディングステーション300の上に位置決めされた回転するキャリアヘッドに配置されたときに、基板の周囲エッジに向かって第1の流体を方向づけするように位置決めされる。ここで、エッジ洗浄ノズル350a、第1の流体源352a、及び第1の流体は、
図2A~
図2Bで説明した第1のノズル250a、第1の流体源252a、及び第1の流体と実質的に同様であり、その特徴の任意の1つ又は組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、流体供給アセンブリ306は更に、第2の流体源(図示せず)に流体的に結合された1又は複数の第2のノズル(図示せず)を含み、これは、
図2A~
図2Bに示し説明した、第2の流体源252bに流体的に結合された1又は複数の第2のノズル250bと実質的に同様であってよい。
【0043】
[0051]ここで、流体供給アセンブリ306は更に、1又は複数のエッジ洗浄ノズル350aの(ロードカップ312に対して)半径方向内向きに配置された複数の第3のノズル350cを含む。複数の第3のノズル350cは、回転するキャリアヘッドに配置された基板の有効面に向かって、又はその上に位置決めされた回転するキャリアヘッドの可撓性膜に向かって、第3の流体を方向づけするために用いられる。複数の第3のノズル350cは、マニホールド354を通して第3の流体源352cと流体連結している。第3のノズル350c、第3の流体源352c、及び第3の流体は、
図2A~
図2Bで説明した第3のノズル250c、第3の流体源252c、及び第3の流体と実質的に同様であり、その特徴及び/又は特性のいずれか1つ又は組み合わせを含み得る。
【0044】
[0052]
図4は、本明細書に記載のローディングステーション200、300を使用して基板の斜角エッジを洗浄する方法400を示す図である。
【0045】
[0053]工程402において、方法400は、研磨システム100のキャリアローディングステーション104からその上に位置決めされたキャリアヘッド130に基板138を移送することを含む。幾つかの実施形態では、基板138を移送することは、工程404において、キャリアローディングステーション104の上にキャリアヘッド130を位置決めすることと、工程406において、ローディングステーション104及びキャリアヘッド130の一方又は両方を互いに向かって移動させることと、工程408においてキャリアヘッド130及びキャリアローディングステーション104をアライメントすることと、工程410においてキャリアヘッドに基板138を真空チャックすることとを含む。
【0046】
[0054]工程412において、方法400は、キャリアヘッド130、したがってそれに真空チャックされた基板138を、キャリア軸Bを中心に回転させることを含む。工程412と同時に、方法400の工程414は、基板138の周縁部に向かって励起された流体を方向づけするために、キャリアローディングステーション104の1又は複数の第1のノズル250a、350aを使用することを含む。
【0047】
[0055]工程416において、方法400は、研磨ステーション102にキャリアヘッド130を移動させることを含む。工程418において、方法400は、研磨パッド118に基板を押し当てることを含む。
【0048】
[0056]
図5Aに概略的に示すように、1又は複数の第1のノズル250a及び/又は1又は複数の第2のノズル250b(図示せず)は、基板138の周縁部、例えば斜角エッジに向かって励起された流体501又はリンス液を方向づけするように位置決めされる。幾つかの実施形態では、ノズル250a、bの1又は複数は、約20cm以下、例えば約15cm以下の距離Xだけ基板138から(Z方向に)離間される。
【0049】
[0057]
図5A~
図5Bに概略的に示したような幾つかの実施形態では、第1のノズル250aの1又は複数、及び/又は第2のノズル250bの1又は複数(図示せず)は、基板138の周縁部に向かって実質的に平坦な扇形スプレーパターンを供給するように構成される。典型的には、それらの実施形態では、ノズル250a及び又は250bは、スプレーパターンの平坦部501a(
図5A)が基板132eの周囲エッジに対して概ね接線方向にあり、基板表面に対して約60°から約120°、すなわち直交線の30°以内、例えば直交線の20°以内、直交線の10°以内等の角度503を形成するように位置決めされる。ここで、スプレーパターンの扇形部501b(
図1B)は、約60°から約120°の角度505を形成している。
【0050】
[0058]有益なことに、上述のキャリアローディングステーション及び方法は、基板の研磨前に基板の斜角エッジに付着したナノスケール及び/又はミクロンスケールの粒子を除去するために使用することができる。斜角エッジから誘電体材料の緩く付着した粒子等のそのような汚染物質を除去することによって、研磨界面の汚染を回避することができ、したがって、それに関連するスクラッチ関連の欠陥が防止される、及び/又は大幅に減少する。
【0051】
[0059]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の更なる実施形態を考案することが可能である。