(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】電気外科用凝固装置の方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2022523362
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020059026
(87)【国際公開番号】W WO2021096748
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-10-16
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルル、ラジタ
(72)【発明者】
【氏名】ウラナ、ジェフリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】リン、クリス
(72)【発明者】
【氏名】グッド、ジョンソン イー.
(72)【発明者】
【氏名】コックス、デイヴィッド エー.
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-518490(JP,A)
【文献】特表2017-515619(JP,A)
【文献】特開2015-196094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配設された灌注ルーメンを有するハンドルと、
前記ハンドルの近位端に連結されたケーブルであって、前記ケーブルが、第1の電気導体および第2の電気導体を画定する、ケーブルと、
前記ハンドルに連結され、前記ハンドルの反対側
にある遠位端を画定する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端上に配設され、前記第1の電気導体に電気的に連結された第1の電極であって、前記第1の電極が、前記細長いシャフトの前記遠位端の反対側
にある丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および第1の長手方向軸を画定する、第1の電極と、
前記細長いシャフトの前記遠位端上に配設され、前記第2の電気導体に電気的に連結された第2の電極であって、前記第2の電極が、前記細長いシャフトの前記遠位端の反対側
にある丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および前記第1の長手方向軸と同一平面上にある第2の長手方向軸を画定する、第2の電極と、
前記第1の電極によって画定された第1のノズルであって、前記第1のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第1のノズルが、前記第1の長手方向軸および前記第2の長手方向軸の両方と交差する線に対して、0角度(°)以上90°以下の第1の噴霧方向を画定する、第1のノズルと、
前記第2の電極によって画定された第2のノズル
であって、前記第2のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第2のノズルが、前記線に対して、0°以上90°以下の第2の噴霧方向を画定する、第2のノズル
と、
を備え、
前記第1の噴霧方向が前記第1の長手方向軸に対して第1の鋭角を形成し、前記第1の鋭角が、前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いており、
前記第2の噴霧方向が、前記第2の長手方向軸に対して第2の鋭角を形成し、前記第2の鋭角が、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いている、電気外科用装置。
【請求項2】
前記第1の電極によって画定された第3のノズルであって、前記第3のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第3のノズルが、第3の噴霧方向を画定し、前記第1の噴霧方向および前記第3の噴霧方向が、前記線によって二等分された第1の角度を画定し、前記第1の角度が、180°以下である、第3のノズルと、
前記第2の電極によって画定された第4のノズルと、をさらに備え、前記第4のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第4のノズルが、第4の噴霧方向を画定し、前記第2の噴霧方向および前記第4の噴霧方向が、前記線によって二等分された第2の角度を画定し、前記第2の角度が、180°以下である、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項3】
前記第1の角度が、180°であり、前記第1のノズルが、前記第1の長手方向軸の間隙側面上にあり、前記第3のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にあり、
前記第2の角度が、180°であり、前記第2のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にあり、前記第4のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にある、請求項2に記載の電気外科用装置。
【請求項4】
前記第1の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であり、
前記第2の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度である、請求項2に記載の電気外科用装置。
【請求項5】
前記第1のノズルおよび前記
第2のノズルの場所が、前記第3のノズルおよび前記第4のノズルの場所の前記線を中心とした線対称である、請求項4に記載の電気外科用装置。
【請求項6】
前記第3の噴霧方向が、前記第1の長手方向軸に対して
第3の鋭角を形成し、前記
第3の鋭角が、前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いて
おり、
前記第4の噴霧方向が、前記第2の長手方向軸に対して
第4の鋭角を形成し、前記
第4の鋭角が、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いてい
る、請求項2に記載の電気外科用装置。
【請求項7】
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体である、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項8】
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体である、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項9】
前記第1の電極が、前記細長いシャフトに強固に連結され、かつ前記第2の電極に対して不動であり、前記第2の電極が、前記細長いシャフトに強固に連結され、かつ前記第1の電極に対して不動である、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項10】
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面の頂点と前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面の頂点との間の線が、前記第1の電極の前記第1の長手方向軸と直角をなす、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項11】
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、多角形の断面を有する、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項12】
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、正方形の断面を有する、
請求項11に記載の電気外科用装置。
【請求項13】
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、面取りされたコーナーを有する正方形の断面を有する、請求項1に記載の電気外科用装置。
【請求項14】
前記第2の長手方向軸が、前記第1の長手方向軸に平行である、請求項1に記載の電気外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月4日に出願された「Methods and Systems f Electrosurgical Coagulation Devices」と題する、米国仮出願第63/034,603号の転換出願である。本出願はまた、2019年11月15日に出願された「Bipolar Irrigating Electrosurgery」と題する、米国仮出願第62/936,185号の転換出願である。両方の仮出願は、以下で完全に複製されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
凝固装置、および特に関節形成術に使用されるものは、装置のアクティブな先端および標的部位の組織への生理食塩水の送達を含む。生理食塩水は、部位において装置の先端の周りに生理食塩水のプールを作成するように送達される。装置の電極の周りにある生理食塩水の体積および分布、ならびに送達される生理食塩水の量は、凝固の幅、ブレス、および侵襲性に影響を与えるように制御される。
【発明の概要】
【0003】
1つの例示的な実施形態は、電気外科用凝固装置を動作させる方法であって、方法が、第1の電極と第2の電極との間に無線周波数(RF)エネルギーを印加することであって、第1の電極が、第1の長手方向軸を画定し、第2の電極が、第1の長手方向軸と同一平面上にある第2の長手方向軸を画定し、第1の電極および第2の電極が、間隙を画定する、印加することと、第1の電極の第1のノズルおよび第2のノズルを通して導電性流体を流すことであって、第1のノズルが、第1の噴霧方向を画定し、第2のノズルが、第2の噴霧方向を画定し、第1の噴霧方向と第2の噴霧方向との間の第1の角度が、間隙を通して測定した場合に180角度(°)以下である、流すことと、第2の電極の第3のノズルおよび第4のノズルを通して導電性流体を流すことと、を含み、第3のノズルが、第3の噴霧方向を画定し、第4のノズルが、第4の噴霧方向を画定し、第3の噴霧方向と第4の噴霧方向との間の第2の角度が、間隙を通して測定した場合に180°以下である、方法である。
【0004】
例示的な方法において、第1の角度は、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であってもよく、第2の角度は、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であってもよい。
【0005】
例示的な方法において、第1のノズルおよび第2のノズルは、それぞれ第3のノズルおよび第4のノズルの場所の、間隙を横切るミラー画像であってもよい。
【0006】
例示的な方法において、第1の噴霧方向、第2の噴霧方向、第3の噴霧方向、および第4の噴霧方向は、共通の平面内に存在し得る。
【0007】
例示的な方法において、第1のノズルおよび第2のノズルを通して導電性流体を流すことは、第1の噴霧方向および第2の噴霧方向が第1の長手方向軸に対して第1の鋭角を形成する状態で流すことをさらに含み得、第1の鋭角は、標的組織に向かって開いており、第3のノズルおよび第4のノズルを通して導電性流体を流すことは、第3の噴霧方向および第4の噴霧方向が第2の長手方向軸に対して第2の鋭角を形成する状態で流すことをさらに含み得、第2の鋭角は、標的組織に向かって開いている。
【0008】
例示的な方法は、標的組織を第1の電極の丸みを帯びた接触表面と接触させることと、標的組織を第2の電極の丸みを帯びた接触表面と接触させることと、をさらに含み得る。第1の電極の丸みを帯びた接触表面は、楕円体であってもよく、第2の電極の丸みを帯びた接触表面は、楕円体であってもよい。第1の電極の丸みを帯びた接触表面は、回転楕円体であってもよく、第2の電極の丸みを帯びた接触表面は、回転楕円体であってもよい。
【0009】
例示的な方法では、RFエネルギーを印加することは、電気外科用凝固装置のコントローラで、複数のフローレートの設定から、あるフローレートの設定の指示を受け入れることと、コントローラで、印加電圧の設定の指示を受け入れることと、印加電圧の設定によって決定される電圧の範囲で第1の電極および第2の電極にエネルギーを提供することであって、提供されるエネルギーが、第1の電極と第2の電極との間で経験されるインピーダンスの関数として経時的に変化する、提供することと、第1のノズルから第4のノズルまで導電性流体をポンプ輸送することと、をさらに含み得、フローレートは、印加電圧の設定およびフローレートの設定に関するテーブルからコントローラによって選択され、提供されるエネルギーが経時的に変化するときに、フローレートは一定のままである。
【0010】
例示的な方法では、第1の長手方向軸は、第2の長手方向軸に平行であってもよい。
【0011】
別の例示的な実施形態は、電気外科用装置であって、内部に配設された灌注ルーメンを有するハンドルと、ハンドルの近位端に連結されたケーブルであって、ケーブルが、第1の電気導体および第2の電気導体を画定する、ケーブルと、ハンドルに連結され、ハンドルの反対側の遠位端を画定する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端上に配設され、第1の電気導体に電気的に連結された第1の電極であって、第1の電極が、細長いシャフトの遠位端の反対側の丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および第1の長手方向軸を画定する、第1の電極と、細長いシャフトの遠位端上に配設され、第2の電気導体に電気的に連結された第2の電極であって、第2の電極が、細長いシャフトの遠位端の反対側の丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および第1の長手方向軸と同一平面上にある第2の長手方向軸を画定する、第2の電極と、第1の電極によって画定された第1のノズルであって、第1のノズルが、灌注ルーメンに流体的に連結され、第1のノズルが、第1の長手方向軸および第2の長手方向軸の両方と交差する線に対して、0角度(°)~90°の間で、かつ0°および90°を含む第1の噴霧方向を画定する、第1のノズルと、第2の電極によって画定された第2のノズルと、を備え、第2のノズルが、灌注ルーメンに流体的に連結され、第2のノズルが、線に対して、0°~90°の間で、かつ0°および90°を含む第2の噴霧方向を画定する、電気外科用装置である。
【0012】
例示的な電気外科用装置は、第1の電極によって画定された第3のノズルであって、第3のノズルが、灌注ルーメンに流体的に連結され、第3のノズルが、第3の噴霧方向を画定し、第1の噴霧方向および第3の噴霧方向が、線によって二等分された第1の角度を画定し、第1の角度が、180°以下である、第3のノズルと、第2の電極によって画定された第4のノズルと、をさらに備えることができ、第4のノズルは、灌注ルーメンに流体的に連結され、第4のノズルは、第4の噴霧方向を画定し、第2の噴霧方向および第4の噴霧方向は、線によって二等分された第2の角度を画定し、第2の角度は、180°以下である。第1の角度は、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であってもよく、第2の角度は、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であってもよい。第1のノズルおよび第3のノズルの向きは、それぞれ第2のノズルおよび第4のノズルの場所の、第1の電極と第2の電極との間の間隙を横切るミラー画像であってもよい。
【0013】
例示的な電気外科用装置では、第1の噴霧方向、第2の噴霧方向、第3の噴霧方向、および第4の噴霧方向は、共通の平面内に存在し得る。
【0014】
例示的な電気外科用装置は、第1の噴霧方向および第3の噴霧方向が、第1の長手方向軸に対して第1の鋭角を形成し得、第1の鋭角が、第1の電極の丸みを帯びた接触表面に向かって開いていること、ならびに第2の噴霧方向および第4の噴霧方向が、第2の長手方向軸に対して第2の鋭角を形成し得、第2の鋭角が、第2の電極の丸みを帯びた接触表面に向かって開いていること、をさらに含み得る。
【0015】
例示的な電気外科用装置では、第1の電極の丸みを帯びた接触表面は、楕円体であってもよく、第2の電極の丸みを帯びた接触表面は、楕円体であってもよい。
【0016】
例示的な電気外科用装置では、第1の電極の丸みを帯びた接触表面は、回転楕円体であってもよく、第2の電極の丸みを帯びた接触表面は、回転楕円体であってもよい。
【0017】
例示的な電気外科用装置では、第1の電極は、細長いシャフトに強固に連結され、かつ第2の電極に対して不動であってもよく、第2の電極は、細長いシャフトに強固に連結され、かつ第1の電極に対して不動であってもよい。
【0018】
本電気外科用装置では、第1の電極の丸みを帯びた接触表面の頂点と第2の電極の丸みを帯びた接触表面の頂点との間の線は、第1の電極の第1の長手方向軸と直角をなし得る。
【0019】
例示的な電気外科用装置では、第1の電極および第2の電極は各々、多角形の断面を有する。第1の電極および第2の電極は各々、正方形の断面を有し得る。
【0020】
例示的な電気外科用装置では、第1の電極および第2の電極は各々、面取りされたコーナーを有する正方形の断面を有し得る。
【0021】
例示的な電気外科用装置では、第2の長手方向軸は、第1の長手方向軸に平行であってもよい。
【0022】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面および以下の説明において記載する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
例示的な実施形態の詳細な説明について、次に、添付図面を参照する。
【
図1】少なくともいくつかの実施形態による電気外科用凝固システムを示す。
【
図2】少なくともいくつかの実施形態によるプローブ102の斜視図を示す。
【
図3A】組織と接触している、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の立面図をブロック図形式で示す。
【
図3B】
図3Aの線3B-3Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図4A】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。
【
図4B】
図4Aの線4B-4Bに実質的に沿って取られた、電極の断面図を示す。
【
図4C】少なくともいくつかの実施形態による電極の側面立面図を示す。
【
図5A】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。
【
図5B】
図5Aの線5B-5Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図6A】少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。
【
図6B】少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。
【
図7A】少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。
【
図7B】少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。
【
図8A】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。
【
図8B】
図8Aの線8B-8Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図9A】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。
【
図9B】
図9Aの線9B-9Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図10A】少なくともいくつかの実施形態による電極の正面立面図を示す。
【
図10C】噴霧方向が電極の長手方向中心軸と鋭角を形成する、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図10D】
図10Cの線10D-10Dに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【
図11A】少なくともいくつかの実施形態による電極の側面立面図を示す。
【
図11B】例示的な実施形態による電極の断面正面立面図を示す。
【
図12】少なくともいくつかの実施形態による装置の部分断面図を示す。
【
図13】少なくともいくつかの実施形態による電極の側面立面図を示す。
【
図14】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の斜視図を示す。
【
図15】少なくともいくつかの実施形態による、導電性管、流体送達管、および電極の簡略化された断面図を示す。
【
図16】少なくともいくつかの実施形態による流体送達管の一部分の簡略化された断面図を示す。
【
図17】少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の斜視図を示す。
【
図19】少なくともいくつかの実施形態による装置の斜視図を示す。
【
図20】少なくともいくつかの実施形態による、ポンプ速度に対する印加電圧のグラフを示す。
【
図21】少なくともいくつかの実施形態による例示的な凝固コントローラをブロック図形式で示す。
【0024】
定義
様々な用語は、特定のシステム構成要素を指すために使用される。異なる会社は、異なる名称で構成要素を参照する場合がある-本文書は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素間で区別することを意図しない。以下の考察および特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、オープンエンド形式で使用され、したがって、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである。また、「連結(couple)」または「連結(couples)」という用語は、間接的または直接的な接続のいずれかを意味することが意図されている。したがって、第1の装置が第2の装置に連結する場合、その接続は、直接接続を介して、または他の装置および接続による間接的な接続を介してもよい。
【0025】
「楕円体」とは、対称中心と交差する3つの主軸を画定する表面を意味するものとする。「回転楕円体」の表面は、3つの主軸が等しい長さのものである楕円体のサブセットである。
【0026】
ノズルの「噴霧方向」とは、流体がノズルを出るときに、生理食塩水のカラムが最初に移動する方向を指すものとする。「噴霧方向」とは、ノズルによって流体が液滴に破壊されるか、または微粒化されることを要求すると読み取られるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の議論は、本発明の様々な実施形態を対象とする。これらの実施形態のうちの1つ以上が好ましい場合があるが、開示された実施形態は、特許請求の範囲を含む、本開示の範囲を限定するものとして、解釈されるべきではなく、または別様に使用されるべきではない。加えて、当業者は、以下の説明が広範な応用を有し、任意の実施形態の議論はその実施形態の例示のみを意図し、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを暗示することを意図するものではないことを理解するであろう。
【0028】
様々な例示的な実施形態は、電気外科用凝固装置の方法およびシステムを対象とする。特に、例示的な実施形態は、電気外科用凝固装置であって、細長いシャフトの遠位端上に配設された、第1の電極および第2の電極を有し、細長いシャフトがハンドルに連結されている、電気外科用凝固装置を対象とする。電極は、電極間の間隙を画定するように配置され、無線周波数(RF)エネルギーは、凝固を実現するために双極様式で電極を横切って印加される。導電性流体は、標的組織の制御された湿潤化および導電性流体の制御された分散を提供するように、電極のノズルから、およびいくつかの事例では、各電極から他の電極に向かって導電性流体の噴霧方向から現れる。本明細書は最初に、読者を導くように電気外科用凝固システムに向かう。
【0029】
図1は、少なくともいくつかの実施形態による電気外科用凝固システムを示す。特に、電気外科用凝固システム100は、遠位端108を画定する細長いシャフト106を含む電気外科用凝固装置104(これ以降、単に「装置104」)を備える。さらに、装置104は、臨床医が外科処置中に装置104を保持する、グリップまたはハンドル110を備える。装置104は、1つ以上の電気導体または電気リード(具体的には図示せず)を収容する可撓性の多導体ケーブル112をさらに備え、可撓性の多導体ケーブル112は、プローブコネクタ114内で終端する。
図1に示されるように、装置104は、エンクロージャ120の外側表面(
図1の例示の事例では、エンクロージャ120の前部表面)上にあるコントローラコネクタ118などによって、凝固コントローラ116に連結される。
【0030】
図1の図では視認できないが、いくつかの実施形態では、装置104は、内部フローチャネルまたは流体灌注ルーメンを有する。装置104の流体灌注ルーメンは、装置104の遠位端108に生理食塩水を提供するために使用される可撓性の管状部材122に連結されている。例示的な実施形態によれば、可撓性の管状部材122は、ペリスタルティックポンプ124に連結され、ペリスタルティックポンプ124は、凝固コントローラ116との一体構成要素(すなわち、凝固コントローラ116のエンクロージャ120内に少なくとも部分的に存在するもの)として、例示として示されている。他の実施形態では、ペリスタルティックポンプ124のエンクロージャは、(図の破線で示されるように)凝固コントローラ116のエンクロージャ120とは別々であってもよい。
【0031】
例示的なペリスタルティックポンプ124は、ロータ部分126(以下、単に「ロータ126」)ならびにステータ部分128(これ以降、単に「ステータ128」)を備える。可撓性の管状部材122は、ロータ126とステータ128との間でペリスタルティックポンプ124内に連結され、可撓性の管状部材122に対するロータ126の移動は、吸引部130からプローブ102の遠位端108に向かう流体の移動を引き起こす。例示のペリスタルティックポンプ124は2頭式のロータ126とともに示されているが、他のタイプのペリスタルティックポンプ124を使用することができる(例えば、5頭式のペリスタルティックポンプ)。様々な実施形態の文脈において、ペリスタルティックポンプ124は、プローブ104の遠位端108で、術野(具体的には示されていない術野)への導電性流体(例えば、生理食塩水、リンゲル液)の体積制御されたフローを作成する。これ以降、「導電性流体」は、任意の好適な導電性流体が使用され得るという理解の下、生理食塩水と称される。生理食塩水のフローのレートは、凝固コントローラ116によって指令されるロータ126の速度に基づく。吸引部130は、吊り下げ袋または他の容器などの、生理食塩水の任意の好適な供給源に連結され得る。他の事例では、起動したときに体積制御されたフローを提供する任意のポンプシステム(例えば、速度制御を有する遠心ポンプ)を使用することができる。
【0032】
さらに
図1を参照すると、ディスプレイ装置またはインターフェース装置132は、凝固コントローラ116のエンクロージャ120を通して視認でき、いくつかの実施形態では、ユーザは、インターフェース装置132および関連するボタン134によって凝固コントローラ116の動作モードを選択することができる。例えば、ボタン134のうちの1つ以上を使用して、臨床医は、生理食塩水のフローレートを選択することができる。別の実施例として、ボタン134のうちの1つ以上を使用して、臨床医は、凝固の侵襲性を制御するように印加電圧の設定を選択することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、電気外科用凝固システム100はまた、フットペダルアセンブリ136を備える。フットペダルアセンブリ136は、1つ以上のフットペダル装置138および140と、可撓性の多導体ケーブル142と、ペダルコネクタ144と、を備え得る。2つのフットペダル装置138および140のみが示されているが、1つ以上のペダル装置を実装することができる。凝固コントローラ116のエンクロージャ120は、ペダルコネクタ144に連結される対応するコネクタ146を備え得る。臨床医は、フットペダルアセンブリ136を使用して、凝固コントローラ116の様々な態様を制御することができる。例えば、フットペダル装置138は、装置104の遠位端108へのRFエネルギーの印加をオンオフ制御するために使用され得る。さらに、フットペダル装置140は、装置104の遠位端108への生理食塩水のフローを制御および/または設定するために使用され得る。代替的に、凝固コントローラ116の様々な動作または性能の態様(例えば、印加電圧の設定)の制御は、プローブ102のハンドル110上に位置する電気スイッチまたはボタン148を選択的に押下することによって起動され得る。
【0034】
図2は、少なくともいくつかの実施形態による装置104の斜視図を示す。特に、
図2で視認できるのは、ハンドル110、ならびに細長いシャフト106および遠位端108である。
図2で同様に視認できるのは、臨床医が装置104の動作の様々な態様(例えば、オンオフ制御、印加電圧の設定、生理食塩水のフローレート)を制御するために使用し得るボタン148である。特に、ボタン150は、凝固のオンオフ状態を制御し得、ボタン152の最大は、増加した凝固機能を制御する。エネルギーは、可撓性の多導体ケーブル112によって凝固コントローラ116(
図1)から装置104に送達され、生理食塩水は、可撓性の管状部材122によって送達される。
図2でより良好に視認できるのは、電極200および電極202である、細長いシャフト106の遠位端108にある電極である。各電極は、細長いシャフト106に連結された近位端および反対側の遠位端を画定する金属構造であり、遠位端は、動作時、電気外科用凝固処置中に標的部位の組織の近くにあるか、または組織に接触する。以下でさらに考察されるように、各電極200および202は、1つ以上のアパーチャまたはノズルと動作関係にある、内部灌注流体経路またはフロールーメンを画定する。各ノズルは、噴霧方向を画定し、生理食塩水は、ノズル(複数可)を経由し、かつノズルによって制御される方向に各電極から出る。例示的な実施形態では、ノズルは、流体が、他の電極に向かう方向に各電極から出るように、電極上に配置されている。
【0035】
ボタン148を再び考慮すると、例示的な装置104は、術野における予想外の血液の量を扱うために、一時的な増加した凝固出力を提供する。ハンドル110上のボタン148は、起動ボタン150、ならびに「MAXボタン」と称され得るボタン152を含み、ボタン152の作動は、凝固の増加(例えば、エネルギーの増加)をもたらすが、必ずしも、凝固コントローラ116(
図1)が提供し得る最大のエネルギー量を印加する必要があるように読み取られるべきではない。MAXボタン152が押されると、装置104は、例えば、大きな血管からの出血に迅速に対処するために、一時的に高い凝固出力を瞬時に提供する。例示されるように、より遠位にある、より大きなボタン150は、起動ボタンであってもよく、ボタン150から近位方向に隔置された、より小さな、より低いプロファイルのボタンは、MAXボタン152である。
【0036】
他の事例では、2つのボタン150および152を用いるのではなく、単一のボタンを使用して、選択された治療出力および増加した出力の両方を供給することができる。例えば、治療出力用にボタンをハンドル内に押下すること、およびボタンを遠位方向に移動させて、増加した出力を起動することなどによって、単一のボタンを1つの方向に起動して治療出力を提供すること、および異なる方向に起動して増加した出力を提供することができる。代替的に、ロッカーボタンを用いることができる。増加した出力の不注意による起動は、増加した出力を起動するために必要な行為を、より意図的にすることによって減少され得る。例えば、ユーザが、増加した出力を起動するために、より大きな力で押す必要がある場合がある、および/またはボタンの位置が、臨床医の指の自然な場所から隔置されている場合がある、および/またはボタンのサイズが、より小さい場合があり、そのため、ユーザがボタンを能動的に見つける必要がある。
【0037】
図3Aは、標的部位の組織と接触している、少なくともいくつかの実施形態による装置104の遠位端の立面図を簡略化されたブロック図形式で示す。特に、
図3Aで視認できるのは、細長いシャフト106、電極200、電極202の一部分、ならびに標的部位の組織300の一部分である。例示的な実施形態では、電極200および202は、電極200および202の近位端上で細長いシャフト106に強固に連結されている。したがって、いくつかの事例では、電極200および202は、互いおよび細長いシャフト106に対して不動である。例示的な実施形態では、電極200および202は、互いに離れて隔置され、それに伴って、間隙304と称される、電極間の面積または間隙空間を形成する。各電極200および202は、細長いシャフト106の遠位端から各電極の遠位端まで測定した場合の露出した長さLを画定し、例示的な事例では、各電極の長さLは、同じである。以下でより詳細に考察されるように、いくつかの事例では、各電極の遠位端は、丸みを帯びており、長さLは、各電極の最も底部の点まで測定される(電極が重力の力に対して下を向いている場合)。同等に述べると、各電極の遠位端が丸みを帯びている事例では、長さLは、各電極の頂点まで測定される(電極が重力の力に対して上向きに向いている場合)。
【0038】
さらに
図3Aを参照すると、効果的な動作の場合、生理食塩水は、間隙304内を含む、電極200および202を取り囲む簡潔な体積302へと送達される。特に、流体送達は、各ノズルの噴霧方向が生理食塩水を電極間に送達し、かつまた流れて、電極200および202の周りの簡潔な体積302を充填するように配置された、各電極200および20上のノズル(
図3Aには図示せず)によって可能となる。このように生理食塩水を送達すると、標的部位での凝固の性能が増加し、処置中に使用される生理食塩水の全体的な量が減少する。
【0039】
各ノズルの噴霧方向(以下でさらに考察する)に加えて、電極200および202は、簡潔な体積302内の湿潤化、特に、電極200および202の湿潤化を強化するように設計および構築されている。この目的のために、電極200および202は、生理食塩水のフローを方向付けるための、外部表面上にある特徴部を有し得る。1つの例示的な特徴部は、電極200および202上に疎水性または親水性の表面処理および/もしくはコーティングを含む。別の例示的な特徴部は、間隙304を横切って、電極200および202の周りに流体をより効果的に分散させ、かつ簡潔な体積302を充填するように設計され得る、流体出口の幾何学的形状(例えば、各ノズルの噴霧方向)である。
【0040】
電極200および202の湿潤化の改善は、標的部位での組織の炭化を低減し、電極200および202上の炭化組織の蓄積を低減し、標的部位の組織300を横切って装置の操作性を改善する。いくつかの事例では、電極200および202の遠位表面は、組織との接触を減少させて、標的組織を横切って装置104の操作性を強化するように設計されている。いくつかの実施形態の電極の側面上にある平面状の表面は、一方の電極上にあるノズルと、もう一方の電極上にあるノズルとの間の距離を増加させ、生理食塩水を通した電極間での電流のブリッジを減少させる。
【0041】
図3Bは、
図3Aの線3B-3Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。特に、
図3Bで視認できるのは、細長いシャフト200、電極202、および標的部位の組織300である。前述のように、電極200および202は、間隙304を画定する。例示的な電極200および202の場合、間隙304は、電極200および202の内部に面した平行壁および面取りされたコーナーによって画定されている。しかしながら、以下でより明らかになるように、間隙304は、表面が平行でない場合でも、電極間のギャップを横切って互いに面する、各電極200および202の部分によって画定され得る。より正確に述べると、間隙304は、一方の電極を反対側の電極の上に突出させることによって境界付けされた、電極200と202との間の面積または体積であってもよい。
図3Bの例示的な配置では、間隙304は、破線306および308によって示されるように、電極の各側面上にある外向きに面する同一平面の壁によって境界付けされている。例えば、簡潔な体積302上にある例示的な点312は、間隙304内に存在するとは考慮され得ないということになる。
【0042】
図4Aは、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。特に、
図4Aで視認できるのは、細長いシャフト106、例示的な電極200、および例示的な電極202の一部分である。前述のように、例示的な電極200および202は、互いに離れて隔置され、それに伴って、間隙304を形成する。各電極200および202は、細長いシャフト106の遠位端から各電極の遠位端まで測定した場合の露出した長さLを画定し、例示的な事例では、各電極の長さLは、同じである。例示的な電極200および202は各々、(例えば、凝固処置中に標的部位の組織を接触させるための)丸みを帯びた遠位端または接触表面410および412を有する。いくつかの事例では、各丸みを帯びた接触表面は、楕円体であってもよく、特定の事例では、接触表面は、回転楕円体であってもよい。いずれの場合でも、接触表面の形状は、標的部位の組織に対する各電極200および202の接触表面の面積を減少させることと、使用中に標的部位の組織に沿って電極を移動させるために使用される力の量を減少させることとの間のバランスをとる。
【0043】
例示的な電極200および202は各々、長手方向中心軸を画定する。特に、電極200は、長手方向中心軸400を画定する。同様に、電極202は、長手方向中心軸402を画定する。例示的な配置では、長手方向中心軸400および402は、同一平面上にある。示される特定の事例では、長手方向中心軸400および402は、平行である。しかしながら、他の事例では、長手方向中心軸400および402は、同一平面上にあってもよいが、平行ではない。例えば、電極は、細長いシャフト106に対して外向きに広がっていても、外向きに開いていてもよく、これにより、間隙304の体積が増加する。さらにまた他の事例では、電極は、細長いシャフト106に対して内向きに傾いていてもよく、これにより、間隙304の体積が低下する。広がった配置および傾いた配置の各々に動作上の利点があり得るが、動作上の利点は、同じではない場合がある。
【0044】
同様に
図4Aで視認できるのは、電極の各々の上にあるノズルである。特に、
図4Aで視認できるのは、電極200の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル404、および電極202の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル406である。例示的なノズル404は、電極200に対して中心から外れており、特に、ノズル404の外側壁は、ノズル404が間隙304により近くなるように、長手方向中心軸400と整列している。別様に述べると、ノズル404は、長手方向中心軸400の間隙側面上にある。同様に、例示的なノズル406は、電極202に対して中心から外れており、特に、ノズル406の外側壁は、ノズル406が間隙304により近くなるように、長手方向中心軸402と整列している。別様に述べると、ノズル406は、長手方向中心軸402の間隙側面上にある。例示的なノズル404は、電極200内のフロールーメン(視認できない)に流体的に連結され、フロールーメンは、ハンドル110(
図1)内の灌注ルーメンに流体的に連結され、灌注ルーメンは、ペリスタルティックポンプ124(
図1)および生理食塩水の供給源に流体的に連結される。したがって、使用中に、生理食塩水は、ノズル404によって電極200内から出る。同様に、例示的なノズル406は、電極202内のフロールーメン(視認できない)に流体的に連結され、フロールーメンは、ハンドル110(
図1)内の灌注ルーメンに流体的に連結され、灌注ルーメンは、ペリスタルティックポンプ124(
図1)および生理食塩水の供給源に流体的に連結される。したがって、使用中に、生理食塩水は、ノズル404によって電極202内から出る。
【0045】
図4Bは、
図4Aの線4B-4Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。特に、
図4Bの図は、中間断面図であり、
図4Bで視認できるのは、電極200および電極202である。前述のように、電極200および202は、間隙304を画定する。
図4Bは、各例示的な電極が多角形であり、特に、各電極が面取りされたコーナー(例えば、面取り部414)を有する正方形であることをより良好に示す。
図4Bの例示的な事例では、電極200および202は、電極200の内部に面する壁416が電極202の内部に面する壁418と平行になるように、電極200および202のそれぞれの長手方向中心軸を中心として配置されているが、他の配置が可能である。
【0046】
同様に
図4Bで視認できるのは、各電極内の例示的な内部フロー経路またはフロールーメンである。最初に電極200を参照すると、電極200内のフロールーメンは、長手方向中心軸400と同軸のブラインドボア420を備える。ブラインドボア420は、ボアが電極の近位端で開く(例えば、ハンドル110(
図1)内の灌注ルーメンに流体的に連結される)ような方法で作成されるという意味で「ブラインド」と称されるが、ブラインドボアは、電極200を完全には通過しない(すなわち、ボアは、接触表面410を通してアパーチャを作成しない)。さらに、ボアと称されるが、ブラインドボア420は、任意の好適な方法(例えば、ボーリング加工、レーザードリル加工、鋳造、およびミーリング加工)を使用して作成され得る。ノズルの高度において、電極200内の例示的なフロールーメンはまた、スルーボア422を備える。したがって、例示的なスルーボア422は、ノズル404、ならびにスルーボア422の反対側の側面上にあるノズル424を画定する。スルーボア422は、任意の好適な方法(例えば、ボーリング加工、レーザードリル加工、鋳造、およびミーリング加工)で作成され得る。動作時に、生理食塩水は、細長いシャフト106(
図4A)内のフロールーメンに沿って、ハンドル110(
図1)の灌注ルーメンを通って流れ、次いで、ブラインドボア420を通って流れる。次いで、生理食塩水のフローは、ブラインドボア420とスルーボア422との交差部で2つのストリームに分かれ、各ストリームは、それぞれのノズル404または424を通って電極200から出る。
【0047】
例示的なスルーボア422は、中心軸426を画定する。ノズル404の噴霧方向は、中心軸426と同軸である。同様に、ノズル424の噴霧方向は、中心軸426と同軸であるが、
図4Bの例示的な事例では、ノズル424の噴霧方向は、ノズル404の噴霧方向とは反対側の方向にある。別の方法で述べると、ノズル404の噴霧方向とノズル424の噴霧方向との間の角度は、間隙304を通して測定した場合に180角度(°)であり、その角度は、二重頭矢印427によって示される。
【0048】
ここで電極202を参照すると、電極内のフロールーメンは、長手方向中心軸402と同軸のブラインドボア428を備える。ブラインドボア428は、電極200に関して考察されるのと同じ理由で「ブラインド」と称され、任意の好適な方法を使用して作成することができる。ノズルの高度において、電極202内の例示的なフロールーメンはまた、スルーボア430を備える。したがって、例示的なスルーボア430は、ノズル406、ならびにスルーボア430の反対側の側面上にあるノズル432を画定する。スルーボア422は、同様に、任意の好適な方法で作成され得る。動作時に、生理食塩水は、細長いシャフト106(
図4A)内のフロールーメンに沿って、ハンドル110(
図1)の流体灌注ルーメンを通って流れ、次いで、ブラインドボア428を通って流れる。次いで、生理食塩水のフローは、ブラインドボア428とスルーボア430との交差部で2つのストリームに分かれ、各ストリームは、それぞれのノズル406または432を通って電極202から出る。
【0049】
例示的なスルーボア430はまた、中心軸434を画定する。ノズル406の噴霧方向は、中心軸434と同軸である。同様に、ノズル432の噴霧方向は、中心軸434と同軸であるが、
図4Bの例示的な事例では、ノズル432の噴霧方向は、ノズル404の噴霧方向とは反対側の方向にある。別の方法で述べると、ノズル406の噴霧方向とノズル432の噴霧方向との間の角度は、間隙304を通して測定した場合に180°である。
図4Bの例示的な事例では、ノズル406および432の場所は、それぞれノズル404および424の場所の、間隙304を横切るミラー画像であるということになる。
【0050】
図4Bのノズルの関係は、単に一例であり、電極のノズル間の角度は、多くの好適な形態を取り得る。例えば、代表的なものとして電極200を参照すると、スルーボア422は、他の事例では、ある角度で電極に入るが、それでもなおブラインドボア420と交差する、2つの別々のボアを実装することができる。このように実装されると、ノズル404とノズル424との間の角度は、180°未満であってもよく、いくつかの事例では、170°以下であってもよく、他の事例では、120°以下であってもよく、他の事例では、90°以下であってもよく、またさらにさらなる事例では、60°以下であってもよい。より幾何学的に述べると、各ボアは、中心軸を有し得、なおかつ第1のボアの中心軸と第2のボアの中心軸との間の角度は、この段落内で与えられる180°未満の角度のいずれかを含む、180°未満であってもよい。
【0051】
さらに
図4Bを参照すると、ノズルに対する角度は、ノズルの噴霧方向と、電極の長手方向中心軸と交差する想像上の線との間の角度として同等に示され得る。一例として、長手方向中心軸400および長手方向中心軸402の両方を対象とする線436を考慮されたい。このように考慮すると、代表的な例としてのノズル404と線436との間の角度は、90°未満であってもよく、いくつかの事例では、85°以下であってもよく、他の事例では、60°以下であってもよく、他の事例では、45°以下であってもよく、またさらにさらなる事例では、30°以下であってもよい。各電極上に実装される単一のノズルの1つの特別な事例では、角度は、0°であってもよい。ノズル404に関する説明は、ノズル406、424、および432に等しく適用可能である。
【0052】
図4Aおよび4Bを同時に参照すると、示される例示的な電極の場合、ノズル404、424、406、および432の噴霧方向はすべて、共通の平面内に存在する。長手方向中心軸400および402が平行である場合、共通の平面もまた、長手方向中心軸400および402と直角をなす。しかしながら、他の事例では、各ノズルの噴霧方向は、同一平面上である必要はない。
【0053】
図4Cは、少なくともいくつかの実施形態による電極の側面立面図を示す。特に、
図4Cは、電極202の方を向いた電極200の図を示しているが、電極202は視認できない。同様に
図4Cに示されるのは、噴霧方向が同一平面上にある例示的な事例における、中心軸426を伴う電極200の長手方向中心軸400である。しかしながら、またさらにさらなる実施形態では、噴霧方向は、同一平面上にある必要はなく、実際には、電極の遠位端に向かって角度付けられている場合がある。
図4Cは、ノズル404および424(
図4Aおよび
図4B)の代替的な噴霧方向を表す、線438および線440をそれぞれ示す。同等に述べると、線438および440は、内部フロールーメンおよび対応するノズルを画定する、電極のボアの中心軸を表す。例示的な事例では、線438および440によって表される噴霧方向の各々は、二重頭矢印442によって示されるような、長手方向中心軸400に対して鋭角を形成し、鋭角は、電極200の丸みを帯びた接触表面に向かって開いている。いくつかの事例では、および示されるように、角度は同じであるが、他の事例では、角度が異なる場合がある。電極202は
図4Cでは視認できないが、電極202のノズルに関連付けられた噴霧角度は、電極202の長手方向中心軸402に対して同様の鋭角をなし得る。
【0054】
図5Aは、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。特に、
図5Aで視認できるのは、例示的な電極500および例示的な電極502である。前述のように、例示的な電極500および502は、互いに離れて隔置され、それに伴って、間隙504を形成する。電極500および502は各々、楕円体であっても、回転楕円体であってもよい、丸みを帯びた遠位端または接触表面を有する。例示的な電極500および502は各々、長手方向中心軸506および508をそれぞれ画定する。例示的な配置では、長手方向中心軸506および508は、同一平面上にあり、かつ平行である。しかしながら、他の事例では、長手方向中心軸506および508は、同一平面上にあってもよいが、平行ではない。
【0055】
同様に
図5Aに示されるのは、電極の各々の上にあるノズルである。特に、
図5Aで視認できるのは、電極500の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル510、および電極502の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル512である。例示的なノズル510は、電極200内のフロールーメンに流体的に連結され、フロールーメンは、ハンドル110(
図1)内の灌注ルーメンに流体的に連結され、灌注ルーメンは、ペリスタルティックポンプ124(
図1)および生理食塩水の供給源に流体的に連結される。したがって、使用中に、生理食塩水は、ノズル510によって電極500内から出る。同様に、例示的なノズル512は、電極202内のフロールーメンに流体的に連結され、フロールーメンは、ハンドル110(
図1)内の灌注ルーメンに流体的に連結され、灌注ルーメンは、ペリスタルティックポンプ124(
図1)および生理食塩水の供給源に流体的に連結される。したがって、使用中に、生理食塩水は、ノズル512によって電極502内から出る。
【0056】
図5Bは、
図5Aの線5B-5Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。特に、
図5Bで視認できるのは、電極500および電極502である。前述のように、電極500および502は、間隙504を画定する。
図5Bは、各例示的な電極が多角形であり、特に、各電極が面取りされたコーナー(例えば、面取り部514)を有する正方形であることをより良好に示す。
図5Bの例示的な事例では、電極500および502は、電極500の内部に面する面取り部514ならびに電極502の内部に面する面取り部516が、長手方向中心軸506と508との間に延在する線519によって二等分されるように、電極500および502のそれぞれの長手方向中心軸を中心として配置されている。同等に述べると、電極500の平坦な側面壁540は、ある平面内に存在し、平坦な側面壁542は、ある平面内に存在し、これらの平面は、直角をなす。
【0057】
同様に
図5Bで視認できるのは、各電極内の例示的な内部フロー経路またはフロールーメンである。例えば、電極500は、長手方向中心軸506と同軸のブラインドボア518を画定する。ブラインドボア518は、任意の好適な方法(例えば、ボーリング加工、レーザードリル加工、鋳造、およびミーリング加工)を使用して作成され得る。ノズルの高度において、電極500内の例示的なフロールーメンはまた、ボア520および522を備える。例示的なボア520は、ノズル510を画定し、例示的なボア522は、ノズル524を画定する。ボア520および522は、任意の好適な方法(例えば、ボーリング加工、レーザードリル加工、鋳造、およびミーリング加工)で作成され得る。動作時に、生理食塩水は、細長いシャフト106内のフロールーメンに沿って、ハンドル110(
図1)の灌注ルーメンを通って流れ、次いで、ブラインドボア518を通って流れる。次いで、生理食塩水のフローは、ブラインドボア518とボア520および522との交差部で2つのストリームに分かれ、各ストリームは、それぞれのノズル510または524を通って電極500から出る。
【0058】
例示的なボア520は、中心軸526を画定し、ノズル510の噴霧方向は、中心軸526と同軸である。例示的なボア522は、中心軸528を画定し、ノズル524の噴霧方向は、中心軸528と同軸である。ノズル510の噴霧方向とノズル524の噴霧方向との間の角度は、間隙504を通して測定した場合に90°以下であり、いくつかの事例では、60°以下である。例示的な電極502は、ブラインドボア、ブラインドボアと交差するボア、および噴霧方向を有するノズルを含む、構成要素のミラーセットを有する。ミラーセットの様々な構成要素については、本明細書を過度に長くしないように、具体的に番号付けをせず、かつ考察しない。
【0059】
さらに
図5Bを参照すると、ノズルに対する角度は、ノズルの噴霧方向と、電極の長手方向中心軸と交差する線519との間の角度として同等に示され得る。このように考慮すると、ノズル510の噴霧方向と線519との間の角度は、45°未満であってもよく、いくつかの事例では、22.5°以下であってもよい。各電極上に実装された単一のノズルの1つの特別な事例では、角度は、線519に対して0°であってもよい(例えば、噴霧方向は、線519と同軸であってもよい)。ノズル510に関する説明は、ノズル512、524、および530に等しく適用可能である。ノズル510および512の噴霧方向はすべて、共通の平面内に存在し得るか、または他の事例において、長手方向中心軸506に対して鋭角を形成し、丸みを帯びた接触表面に向かって開いていてもよい。ノズル512および530の噴霧方向はすべて、共通の平面内に存在し得るか、または他の事例において、長手方向中心軸508に対して鋭角を形成し、丸みを帯びた接触表面に向かって開いていてもよい。
【0060】
図6は、少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。特に、部分600は、電極の正面立面図であり、部分602は、部分600の電極のノズルを通る断面図を示す。
図6の電極の多くの構成要素および関係は、上記の
図4A~
図4Cならびに
図5Aおよび
図5Bに関して考察されるものと同じであり、本明細書を過度に長くしないように、ここでは再び繰り返されない。しかしながら、
図6は、面取りされたコーナーが間隙を横切って互いに面している事例では、ノズルの噴霧方向は、内部にノズルが画定される電極の面と直角をなす必要はないことを示している。
図6の例示的な事例では、電極のノズルの(間隙を通して測定した場合の)噴霧方向間の角度は、120°以下であってもよい。ここでもまた、示されるように、噴霧方向はすべて、同一平面上にある。
【0061】
図7は、少なくともいくつかの実施形態による、電極の正面立面図ならびに電極の断面図の両方を示す。特に、部分700は、電極の正面立面図であり、部分702は、部分700の電極のノズルを通る断面図を示す。
図7の電極の多くの構成要素および関係は、上記の
図4A~
図4Cならびに
図5Aおよび
図5Bに関して考察されるものと同じであり、本明細書を過度に長くしないように、ここでは再び繰り返されない。しかしながら、
図7は、ノズルの噴霧方向が、丸みを帯びた接触表面に向かって下向きに角度付けされている例示的な状況を明確に示している。別様に述べると、
図7は、噴霧方向がそれぞれの長手方向中心軸(具体的に示さず)と鋭角を形成する例示的な状況を示しており、いくつかの事例では、鋭角は60°以下であり、他の事例では、鋭角は30°以下である。別様に述べると、例示的なノズルは、例えば、水平から30°以上の角度、および他の場合では、水平から60°以上の角度を形成し得る。
【0062】
図8Aは、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。特に、
図8Aで視認できるのは、例示的な電極800および例示的な電極802である。
図8A(および
図8B)の電極の多くの構成要素および関係は、上記の
図4A~
図4Cならびに
図5Aおよび
図5Bに関して考察されるものと同じであり、本明細書を過度に長くしないように、ここでは再び繰り返されない。前述のように、例示的な電極800および802は、互いに離れて隔置され、それに伴って、間隙804を形成する。例示的な電極800および802は各々、丸みを帯びた遠位端または接触表面を有し、これらの各々は、楕円体であってもよいし、いくつかの事例では、回転楕円体であってもよい。
【0063】
例示的な電極800および802は各々、長手方向中心軸を画定する。特に、電極800は、長手方向中心軸806を画定し、電極802は、長手方向中心軸808を画定する。例示的な配置では、長手方向中心軸806および808は、同一平面上にあり、かつ平行である。しかしながら、他の事例では、長手方向中心軸400および402は、同一平面上にあってもよいが、平行ではない。同様に
図8Aで視認できるのは、電極の各々の上にあるノズルである。特に、
図8Aで視認できるのは、電極800の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル810、および電極802の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル812である。例示的なノズル810は、電極800内のフロールーメンに流体的に連結されている。同様に、例示的なノズル812は、電極802内のフロールーメンに流体的に連結されている。
【0064】
図8Bは、
図8Aの線8B-8Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。特に、
図8Bは、例示的な電極の断面形状が多角形である必要はなく、実際には、少なくとも1つの対称軸を有する閉じた曲線の形態であってもよいことを示している。示されるように、断面形状は、卵形、特に、楕円のものであるが、他の閉じた曲線の形状が実装されてもよい。各例示的な楕円は、長い壁を有し、実施例では、間隙804に面する長い壁は、平行である。
図8Bは、約90°になるようにノズルの噴霧方向間の角度を例示しているが、ノズルの噴霧方向は、任意の好適な角度、例えば、180°以下を取り得る。
【0065】
図9Aは、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の正面立面図を示す。特に、
図9Aで視認できるのは、例示的な電極900および例示的な電極902である。
図9A(および
図9B)の電極の多くの構成要素および関係は、上記の
図4A~
図4Cならびに
図5Aおよび
図5Bに関して考察されるものと同じであり、本明細書を過度に長くしないように、ここでは再び繰り返されない。前述のように、例示的な電極900および902は、互いに離れて隔置され、それに伴って、間隙904を形成する。例示的な電極900および902は各々、丸みを帯びた遠位端または接触表面を有し、これらの各々は、楕円体であってもよいし、いくつかの事例では、回転楕円体であってもよい。
【0066】
例示的な電極900および902は各々、長手方向中心軸を画定する。特に、電極900は、長手方向中心軸906を画定し、電極902は、長手方向中心軸908を画定する。例示的な配置では、長手方向中心軸906および908は、同一平面上にあり、かつ平行である。しかしながら、他の事例では、長手方向中心軸906および908は、同一平面上にあってもよいが、平行ではない。同様に
図9Aで視認できるのは、電極の各々の上にあるノズルである。特に、
図9Aで視認できるのは、電極900の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル910、および電極902の外側表面上に露出したアパーチャまたはノズル912である。例示的なノズル910は、電極900内のフロールーメンに流体的に連結されている。同様に、例示的なノズル912は、電極902内のフロールーメンに流体的に連結されている。
【0067】
図9Bは、
図9Aの線9B-9Bに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。特に、
図9Bは、例示的な電極の断面形状が2つの対称軸を有する必要はないことを示す。例示的な事例では、断面形状は、面取りされたコーナーを有する多角形、特に、より小さい部分が間隙904から離れる方向に向いている凸状の多角形である。示されるように、より小さい部分は、ノズルの場所で、平行接線と約15°の角度を形成する。別様に述べると、各電極は、1つの対称軸を有する凸状の多角形の断面形状を有し、対称軸は、長手方向中心軸と接続する線914と平行または同軸である。
図9Bの例示的な断面形状は、生理食塩水のフローを電極の外側外周に方向付けるのを助けて、湿潤化プロセスを助ける場合がある。
【0068】
図10Aは、少なくともいくつかの実施形態による電極の正面立面図を示す。
図10Bは、少なくともいくつかの実施形態による、
図10Aの電極の断面図を示す。
図10Cは、噴霧方向が電極の長手方向中心軸と鋭角を形成する、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
図10Dは、
図10Cの線10D-10Dに実質的に沿って取られた、少なくともいくつかの実施形態による電極の断面図を示す。
【0069】
図10A~
図10Dを同時に参照すると、他の例示的な実施形態では、電極1000を両電極の代表として参照すると、電極1000は、標的部位で組織に向かって下になる噴霧方向を有する単一のアパーチャまたはノズル1004を画定する。特に、電極1000は、角度付けされた表面1006を形成し、ノズル1004は、角度付けされた表面1006と整列し、そのため、流体フローは、フローの方向を制御するのを助け、遠位表面の効果的な湿潤化を確実にするように、角度付けされた表面1006に沿って、遠位表面1008で電極1000の中心に向かって方向付けられる。水平表面1010(例えば、水平表面1010は、電極1000の長手方向中心軸と直角をなす平面を形成する)に関して、角度付けされた表面1006は、90~120°の間で、かつ90°および120°を含む範囲の角度α、いくつかの事例では、約113°、他の事例では、約113°の角度で作成される。組織に接触する遠位表面1008は、抗力を減少させ、組織を横切る移動を改善するように、減少した表面面積を有し、例えば、113°の角度αは、90°の角度αよりも小さい接触表面面積を提供する。
図10Bの例示的な電極1000は、中心に位置するボア1012、およびノズル1004を作成するオフセットされたボア1014を画定する。したがって、中心に位置するボア1012およびオフセットされたボア1014は、互いに、かつ電極1000の長手方向中心軸に平行である。
【0070】
図10Cの例示的な電極1000は、中心に位置するボア1012、およびノズル1004を作成する角度付けされたボア1016を画定する。したがって、中心に位置するボア1012および角度付けされたボア1016は、間に角度を形成する。
図10Cの実施形態に示されるように、ボア1014によって画定される噴霧方向は、角度付けされた表面1006から離れる方向、および例示的な電極1000の長手方向中心軸から離れる方向に角度付けされている。
【0071】
図10A~
図10Dの実施形態のノズルによって画定される噴霧方向は、装置の側面からではなく、先端に生理食塩水を有することによって、装置の性能を強化し、電極間での電気的ブリッジのリスクを減少させ得る。これにより、エネルギーのより効率的な使用がもたらされる場合があり、ひいては、装置によって作成される組織病変が改善される。生理食塩水もまた、電極の遠位端へのより直接的な経路を取り、これは、生理食塩水を標的組織部位に効率的に送達し、組織の炭化を減少させ、組織上の移動を改善し、処置中に使用される生理食塩水の量を減少させ得る。さらに、標的組織部位でのより少ない流体は、装置の視認性を増加させ、これにより、臨床医が装置の使用に確信を持ち、最終的により正確な治療を提供することを可能にし得る。
【0072】
装置の先端からの、生理食塩水の出口の近位端の距離Dは、例えば、1.5~2.5mmの間で、かつ1.5mmおよび2.5mmを含む範囲、いくつかの事例では、約1.75mm、さらにまた他の事例では、約1.75mmである。この寸法は、組織に近すぎることなく、標的組織での焦点を絞った流体送達を確実にするように選択され、そのため、出口は、ブロックされる傾向があることになる。
【0073】
例示的な角度付けされた表面1006は、電極1000の先端に向かう流体の受動的なフローを助長する。水平表面1010は、装置の移動の方向、つまり、
図10Aの図におけるページの中および外に平行に向き付けされ得る。角度付けされた表面1006および水平表面1010を形成する切断は、組織と接触する表面面積の減少をもたらす(前の実施形態の完全に丸みを帯びた表面と比較して)。減少した表面面積および隆起の平行な位置付けは、組織を横切る装置の移動を強化し得る。結果として、装置は、装置が動的に使用されると、より均一な病変を作成し得る。角度付けされた表面1006および水平面1010はまた、移動の制御を増加させ、臨床医が作成された病変のサイズおよび深さを効果的に制御することができることを確実にし得る。
【0074】
図11Aは、少なくともいくつかの実施形態による電極の側面立面図を示す。特に、
図11Aは、2つの電極間の間隙内から見たときの電極1100を示す。
図9A(および
図9B)の電極の多くの構成要素および関係は、
図8Aおよび
図8Bに関して考察されるものと同じであり、本明細書を過度に長くしないように、ここでは再び繰り返されない。例示的な電極1100は、2つのアパーチャまたはノズル1102および1104を画定する。各ノズル1102および1104は、電極の遠位端に向かって流体のフローを方向付けるのを助ける、トラフまたはチャネル1106および1108にそれぞれ関連付けられ、標的部位での組織の湿潤化および組織への流体送達を改善する。チャネル1106を代表的なものとして考察すると、チャネル1106は、ノズル1102と交差し、チャネル1106は、ノズル1102から電極1100の遠位端へと進行する。チャネル1106は、閉じた底部と、開いた頂部と、を有し、開いた頂部は、電極1100の外側表面と交差する。チャネル1106は、電極1100の長手方向中心軸(具体的に図示せず)に平行なチャネル方向を画定するが、他の事例では、チャネル方向は、長手方向中心軸に平行である必要はない。
【0075】
図11Bは、例示的な実施形態による電極の断面正面立面図を示す。特に、
図11Bの断面図は、
図11Aのページの平面と平行に取られ、チャネル1106または1108のうちの1つを通って取られている。したがって、
図11Bで視認できるのは、電極1100ならびに対になる電極1110である。前述のように、電極1100および1110は、間に間隙1112を画定する。上で考察されるように、ノズル1102ならびに対応するノズル1114は、間隙1112への噴霧方向を画定し、同じ電極のノズルの噴霧方向間の角度は、任意の好適な角度を取る。使用時に、生理食塩水は、ノズルから間隙1112内に噴霧されるだけでなく、生理食塩水の一部分もまた、ノズル1102に関連付けられたチャネル1106、およびノズル1114に関連付けられたチャネル1116などの、それぞれのチャネルに沿って迂回し、進む。チャネルに沿った生理食塩水のフローは、電極の遠位表面の湿潤化を助ける。
【0076】
図12は、少なくともいくつかの実施形態による装置104の部分断面図を示す。特に、
図12は、装置104のハンドル110および細長いシャフト106(
図1)の一部分の断面図を示す。例示的な実施形態では、各電極(
図12では視認できない)は、電気的絶縁材料、例えば、ナイロンから形成された専用の流体送達管1200および1202を有する。各電極には、細長いシャフト106の長さに沿って延在する、それぞれの流体送達管1200または1202によって生理食塩水が供給される。流体送達管1200および1202の両方は、ハンドル110内の単一の灌注ルーメン1204に流体的に連結する。流体送達管1200および1202により、細長いシャフト106の長さがハンドル110まで延在することにより、生理食塩水が送達されているが、電流ブリッジの可能性が減少する。しかしながら、生理食塩水および他の要因(例えば、印加電圧)の伝導率に応じて、灌注ルーメン1204を二股に分けることは、ハンドル(例えば、細長いシャフト106内)よりも電極に近いなどの任意の好適な場所または電極の近位縁で行われ得る。単一の流体送達管が細長いシャフト106に沿って延在する事例では、単一の流体送達管は、細長いシャフト106の外部表面に沿って、またはシャフト(もしくはスパイン様の要素)とシースとの間に延在し得る。
【0077】
灌注フロールーメン1204がハンドル110内で二股に分けられる実施形態を再び考慮すると、各流体送達管1200および1202は、それぞれの電極内のそれぞれのフロールーメンに流体的に連結する。例示的な事例では、流体送達管1200および1202内の生理食塩水に沿った2つの電極間の電気伝導率は、組織と接触する2つの電極間の電気伝導率よりも低い。つまり、電気エネルギーが流体送達管に沿って進むことを回避するために、管1200および1202を通した電極間のシャント経路の長さは、電極間の生理食塩水を通した、および/または標的部位の組織を通した伝導率よりも低い伝導率(生理食塩水で充填されたとき)を有するのに十分に長く作製される。2つの流体送達管を通る流体経路が長ければ長いほど、シャント経路がより長くなり、シャント経路に沿った電極間の電気伝導率がより低くなる。
【0078】
さらに
図12を参照すると、例示的な事例では、電極へのエネルギー送達は、導電性管を介する。
図12は、断面で示される導電性管1204、および導電性管1206(近位端において部分的にのみ視認できる)を含む、2つの導電性管を示す。導電性管1206および1208は、互いに平行に走り、細長いシャフト106の一部を形成する。各導電性管は、可撓性の多導体ケーブル142(
図1)内のそれぞれの導体に連結されている。導電性管1206および1208は、細長いシャフト106に沿って、ハンドル110から電極まで延在する。各導電性管1206および1208内に配設されているのは、それぞれ流体送達管1200および1202である。いくつかの事例では、各流体送達管は、その導電性管と同軸であるが、そのようなものは必要とされない。
【0079】
例示的な導電性管は、ハンドル110から電極まで延在する非導電性スパイン1210によって互いに物理的に分離され、平行であり、電気的に絶縁されている。導電性管の外側表面は、管およびスパイン1210を覆う、コーティングまたはシース1212で電気的に絶縁され得る。シース1212は、細長いシャフト106の単一の滑らかな外側表面を形成し得る。代替的な実施形態では、各導電性管は、コーティングまたはシースを使用して個別に絶縁されている。
【0080】
図13は、少なくともいくつかの実施形態に従い、電極と、電極導電性管と、スパインとの間の例示的な連結を考察するために、電極の側面立面図を示す。特に、電極1300は、先に考察した電極のいずれかの代表的なものである。図の左から右に徐々に進んで、例示的な電極1300は、近位ボス1302、環状リング1304、環状トラフ1306、および例示的な露出した部分1308を含む。ボス1302は、導電性管(例えば、
図12の管1206)の内側の直径内で自在に伸縮し、かつ管に電気的に連結されるように設計および構築された外側の直径を有する。したがって、ボス1302は、導電性管内に受容され、管は、ボス1302と環状リング1304との間に作成されたショルダ1308に当接する。以下でより詳細に示されるように、スパイン1210(例えば、
図12)は、ラグ内で終端し、各ラグは、それぞれの導電性管との関係において電極1300を保持するように、それぞれの環状トラフ1306に連結されている。
【0081】
図14は、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の斜視図を示す。特に、
図14で視認できるのは、対になる電極1400を伴った例示的な電極1300である。さらに視認できるのは、例示的な導電性管1206、ならびに電極1400に関連付けられた導電性管1208である。導電性管1206と1208との間には、例示的なスパイン1210が存在する。
図14の配置では、電極1300のボス(視認できない)は、導電性管1206内で自在に伸縮され、導電性管1206は、環状リング1304によって作成されたショルダに当接する。同様に、電極1400のボス(視認できない)は、導電性管1208内で自在に伸縮され、導電性管1208は、環状リング1404によって作成されたショルダに当接する。例示的なスパイン1210は、ラグ1406および1408内で終端する。ラグ1406は、電極1300の環状トラフ1306内に配設される。同様に、ラグ1408は、電極1400の環状トラフ1410内に配設される。ラグ1406および1408は、導電性管1206および1208と整列してスパイン1210を維持するのに役立つだけでなく、それぞれ導電性管1206および1208との動作関係において電極1300および1400を保持するのを助ける。
【0082】
図1に関して考察されるように、いくつかの事例では、生理食塩水は、ペリスタルティックポンプ124(
図1)によって電極に提供される。ペリスタルティックポンプは、体積制御されたフローを提供する変位ポンプである。しかしながら、ペリスタルティックポンプは、据え付けの構成要素に対する回転ヘッドの相互作用によって引き起こされるパルスでフローを送達し、パルスは、流体フロー拍動性と称される。凝固は、ペリスタルティックポンプからの流体フロー拍動性を低下させることによって、より均一に行われる。ここで、本明細書は、流体フロー拍動性を減少させるための例示的なシステムに移る。
【0083】
図15は、少なくともいくつかの実施形態による、導電性管、流体送達管、および電極の簡略化された断面図を示す。特に、
図15の配置は、フロー制限器およびコンプライアンスな管類の使用によって、流体フロー拍動性を減少させるように設計および構築されている。
図15は、例示的な導電性管1500を示しており、導電性管1500は、先に考察した導電性管のいずれかを代表するものである。導電性管1500内に配設されているのは、流体送達管1502であり、流体送達管1502は、先に考察した流体送達管のいずれかを代表するものである。これらの実施形態によれば、流体送達管1502は、導電性管1500の内側の直径よりも小さい外側の直径を有し、それに伴って、流体送達管1502の外側の直径と導電性管1500の内側の直径との間に環状体積1504を形成する。
図15では、流体送達管1502は、導電性管1500の長手方向中心軸と同軸であるように示されているが、いくつかの事例では、流体送達管は、重力の力の下、特に、流体送達管1502の内側の直径内に流れる生理食塩水の重量の下で、内側の直径に立て掛けられていてもよい。
【0084】
導電性管1500の遠位端上に配設されているのは、電極1506であり、電極1506は、先に考察した電極のいずれかを代表するものである。流体送達管1502と電極1506内のフロールーメンとの間に流体的に配設されているのは、フロー制限器1508である。フロー制限器1508は、オリフィスまたは不法な経路装置などの任意の好適な形態を取り得る。いくつかの事例では、フロー制限器1508は、流体送達管1502と電極1506のフロールーメンとの間に物理的に配設される別々の要素である。さらにまた他の事例では、フロー制限器1508は、電極のボス(例えば、
図13のボス1302)などの別の構成要素に実装され得る。生理食塩水の経路内にフロー制限器1508を置くことは、フローに対する抵抗を増加させ、背圧を増加させる。フロー制限器1508の上流にある流体送達管1502は、コンプライアンスな管類から作製されている。流体送達管1502のコンプライアンスは、上流にあるペリスタルティックポンプによって発生したパルスを減衰させるように作用する。つまり、流体送達管1502の外側の直径は、環状体積1504内で拡張および収縮して、圧力減衰態様を提供する。
【0085】
さらにまた他の事例では、フロー制限器1508は、流体送達管1502自体の一部分によって実装され得る。例えば、流体送達管1502の一部分を、減少した内側の直径を有する剛直または非コンプライアンスな管の形態で実装することができる。剛直または非コンプライアンスな部分は、電極1506の前または上流に流体的に配設され得る。これらの事例では、流体送達管1502の上流部分のコンプライアンス、および/または可撓性の管状部材122(
図1)のコンプライアンスは、流体圧力減衰態様を提供し得る。
【0086】
図16は、少なくともいくつかの実施形態による流体送達管の一部分の簡略化された断面図を示す。特に、
図16は、流体送達管1600を示しており、流体送達管1600は、先に考察した流体送達管のいずれかを代表するものである。流体送達管1600は、第2の管部分1604に流体的に連結された第1の管部分1602を備える。例示的なシステムでは、第1の管部分1602は、内側の直径を有し、第2の管部分1604は、第1の管部分1600の内側の直径よりも小さい内側の直径を有し、それに伴って、フロー制限器を形成する。示されるように、第2の管部分1604は、第1の管部分1602の内側の直径よりも小さい外側の直径を有する。第1の管部分1602は、第2の管部分1604の上で自在に伸縮され、環状ストッパ1606によって定位置に保持される。環状ストッパ1606は、第1の管部分1602と同軸になるように第2の管部分1604を押し込み、それに伴って、第1の管部分1602の内側の直径と第2の管部分1604の外側の直径との間に環状体積1608を形成する。
【0087】
生理食塩水が流体送達管1600内にポンプ輸送されると、生理食塩水は、環状体積1608内の空気を閉じ込める。閉じ込められた空気は、環状体積1608内に空気枕を作成する。空気枕は、パルスで圧縮され、ひいては、圧力減衰態様を提供するように作用する。
【0088】
様々な実施形態もまた、流体送達に加えて、治療部位から流体を吸引するオプションを含み得る。吸引される流体には、生理食塩水、血液、および/または凝固中に発生する煙が含まれ得る。血液を除去することは、出血源の発見に役立つ場合がある。煙を除去することは、標的部位の可視化に役立つ場合がある。生理食塩水を除去することは、潜在的にエネルギーを浪費し、組織を凝固させために組織内に入るエネルギーを減少させ得る、電極の周りの過剰な生理食塩水のプールを減少させるのを助ける場合がある。
【0089】
図17は、少なくともいくつかの実施形態による装置の遠位端の斜視図を示す。特に、
図17は、例示的な電極1300および1400、導電性管1206および1208、スパイン1210、ならびにそれぞれの環状溝内に配設されたラグ1406および1408を示す。
図17はまた、2つの電極1300と1400との間に配設された吸引アパーチャ1700を画定し得る例示的な装置を示す。吸引アパーチャ1700は、標的部位の組織に面する装置の遠位端の側面上にあっても、側面に向かって付勢されていてもよく、そのため、吸引アパーチャ1700は、血液および生理食塩水をより良好に吸引するように、組織のより近くにある。代替的に、吸引アパーチャ1700または追加の吸引アパーチャを、標的部位の組織から離れて反対側の側面上に置くことは、主に煙を除去することになる。
【0090】
吸引アパーチャ1700は、単一の入口ポートまたは一緒に流体的に連結された複数の入口ポートを有し得る。複数の入口を用いることは、入口ポートのうちの1つが詰まった場合に、吸引フローを維持するのに有益な場合がある。凝固はデブリを形成しない傾向があるため、潜在的な詰まりが組織デブリによって引き起こされる可能性は低いが、凝固した血液が入口を詰まらせる可能性がある。
【0091】
例示的な吸引アパーチャ1700は、細長いシャフト106に沿って延在し、真空供給源に流体的に連結され得る管または導管を含む流体輸送装置に流体的に連結され得る。1つの例示的な実施形態では、吸引導管は、スパイン1210内に画定され得る。真空圧力の制御またはサイフォン式吐出を実装して、真空の力を限定することができる。吸引により標的部位および電極面積から一部の生理食塩水を除去することができるが、乾燥した電極表面が凝固性能を減少させ、エネルギーを印加する前に電極を再び湿潤化する必要性をトリガすることになるため、電極面積から生理食塩水のすべてが除去されるわけではない。さらに、吸引および送達を付随的に動作させる場合、吸引を制御して、ノズルから吸引アパーチャ内に直接送達される生理食塩水の引き出しを減少させることができる。これにより、電極間の電気的ブリッジの可能性が増加し、再び、生理食塩水による電極のコーティングが不十分となり、凝固に影響を与える可能性がある。好ましくは、吸引アパーチャは、電極先端から5~8mm近位方向に隔置され、送達アパーチャから3~5mm離れて隔置されている必要がある。
【0092】
別の事例では、吸引アパーチャは、各電極の外側横方向部分に隣接して、またはその部分を通して配設され得る。電極の外側部分から流体を除去することは、電極間で直接、組織効果を維持し、2つの電極間の間隙から横方向または半径方向に離れて熱拡散を減少させるのを助ける場合がある。
【0093】
例示的な事例では、吸引を選択的に制御することができる。つまり、生理食塩水の送達は、生理食塩水がエネルギー送達に付随して送達されるように、凝固コントローラ116(
図1)と動作可能に通信し得る一方で、吸引は、臨床医の選んだものとしてより選択的に制御され得る。有利なことに、吸引の選択的な制御は、手術中に使用される別々の吸引ツールの必要性を置き換え、処置のコストを減少させ得る。選択的な吸引制御は、移動可能な弁、またはポンプ、例えば、追加のペリスタルティックポンプの速度によるものであってもよい。制御は、ハンドル(図示せず)またはフットスイッチ上のボタンと通信し得る。
【0094】
図19は、少なくともいくつかの実施形態による装置の斜視図を示す。特に、
図19は、電極1300および1400、細長いシャフト106、ハンドル110、ボタン148、可撓性の多導体ケーブル112、および可撓性の管状部材122を備える、装置104を示す。同様に
図19に示されるのは、例示的な吸引部分1900である。例示的な吸引ポート1900は、吸引ルーメン1902に流体的に連結されている。吸引ポート1900および吸引ルーメン1902の両方は、細長いシャフト106の長さに沿って、かつハンドル110内に走る、吸引輸送導管(視認できない)に流体的に連結されている。吸引ルーメン1902は、病室内に提供されたペリスタルティックポンプまたは壁吸引などの、真空供給源に流体的に連結され得る。臨床医は、指を移動させて吸引ポート1900を覆うこと、および覆いを取ることによって、吸引を選択的に制御する。動作中、吸引ポート1900が覆われていない場合、装置104の遠位端108での吸引入口を通した吸引は存在しないか、または減少している。一定の吸引とは対照的に、選択的な制御は、臨床医によって選ばれる時間に吸引を限定することによって、吸引ルーメンを詰まらせる可能性を減少させる。吸引ポート1900を、エネルギー送達中に選択的に覆って、所望の組織効果を制御および調整することができる。ここで、本明細書は、凝固の速度または侵襲性の制御に関する考慮事項に移る。
【0095】
凝固の速度または侵襲性は、電極に送達されるエネルギーに少なくとも部分的に基づいて制御され得る。いくつかの事例では、臨床医は、凝固エネルギーの設定として印加電圧の設定を選ぶ。110ボルト(V)~200Vの間で、かつ110Vおよび200Vを含む印加電圧の設定の例示的な範囲では、110Vの設定は、より低い凝固エネルギーの設定であり得、200Vの設定は、より高い凝固エネルギーの設定であり得る。印加電圧の設定を変更すると、電極に印加されるRF電圧が約120V RMS~約165V RMSで変化する。印加電圧の設定が高ければ高いほど、印加電圧が高くなり、例えば、治療される組織のより迅速な乾燥およびより多くの体積によって、より深く、かつより広く影響を受ける、電極の周りの組織が多くなる。
【0096】
関連して、ボタン150(
図1)の起動を再び考慮する。ボタン150の起動により、臨床医が選択した印加電圧の設定に従って組織にエネルギーを供給することができる。MAXボタン152は、起動されると、印加電圧の設定よりも高いレベルでエネルギー出力を提供して、凝固を増加させる。MAXボタン152は、コントローラと自動的に通信して、印加電圧範囲(例えば、165V)の上限など、より高い電圧レベルでRF出力電圧を電極に供給し得る。代替的に、MAXボタン152の起動時に、印加電圧を、印加電圧の設定のパーセンテージ、固定された値、または選択された値よりも高い固定された数の設定によって増加させることができる。例えば、印加電圧の設定が120Vである場合、ボタン152の起動により、コントローラと通信して、30V高いまたは30%高い電圧を供給することができる。
【0097】
臨床医に、印加電圧の設定の範囲(ひいては、印加エネルギーの範囲)から選択する能力を与えることに加えて、例示的な実施形態に従って、臨床医は、生理食塩水に対する複数のフローレートの設定から選ぶこともできる。例示的な実施形態では、臨床医は、3つ以上のフローレートの設定、およびいくつかの事例では、5つのフローレートの設定から選択することができる。各フローレートの設定は、各印加電圧の設定で使用する間の生理食塩水のフローを決定する。より高い印加電圧は、送達されている流体の一部を気化させることができ、ひいては、より高い印加電圧の設定で、フローレートの増加を実現して、気化のバランスを取り、電極の周りにより一貫した流体コーティングを維持することができる。好適なフローの範囲が提供されることを確実にするために、凝固コントローラ116は、印加電圧の設定の関数としてフローレートを自動的に調整し得る。
【0098】
図20は、少なくともいくつかの実施形態による、ポンプ速度に対する印加電圧のグラフを示す。特に、垂直軸は、印加電圧を、5V刻みで、ローエンドの120Vからハイエンドの165Vまで電圧RMSで示す。5V刻みでの120V~165Vまでの印加電圧の範囲は、10V刻みでの110V~200Vの印加電圧の設定の範囲と相関させることができる。しかしながら、他の事例では、印加電圧の設定の数値は、印加電圧と直接相関させることができる。水平軸は、ペリスタルティックポンプのポンプ速度を回毎秒(RPS)で示す。ペリスタルティックポンプのポンプ速度がフローレートに直接関係している限り、水平軸は、フローレートを表すと同等に考慮することができる。例示的なグラフでは、5つの個別のフローレートが示されており、5つの別個のフローレートの設定を表す。したがって、グラフは、臨床医が、10個の印加電圧の設定のうちの1つ、および5つのフローレートの設定のうちの1つから選んで、これらの設定を用いて凝固を行うことができるシステムを例示する。
【0099】
図20によって例示される実施例では、選択されたフローレートの設定は、ある範囲の印加電圧に対して単一のフローレートをもたらすが、すべての印加電圧よりも小さい。例として、フローレート2を考慮されたい。例示的なフローレート2は、120Vから150Vまでを含むすべての印加電圧に対して、0.35RPSをわずかに超えるペリスタルティックポンプ速度を提供する。しかしながら、閾値の印加電圧(実施例では155V)では、電極の適切な湿潤化を確実にするように、ポンプ速度、ひいては、フローレートが増加する。
図20のグラフが含意し得ることとは対照的に、例示的なシステムは、任意の2つの印加電圧間で数学的に線形のフロー制御を実現しない。むしろ、臨床医は、(10V刻みで印加電圧の設定を選ぶことによって)5V刻みで印加電圧を選択することができ、これに続いて、閾値の電圧で生理食塩水のフローレートの段階的な変化がある。例示的なフローレート2を考慮すると、150Vの印加電圧では、ポンプ速度は、0.35RPSをわずかに超え、印加電圧155Vでは、ポンプ速度は、0.45RPSをわずかに超える。例示的なシステムでは、臨床医は、150V~155Vの印加電圧をもたらす印加電圧の設定を選択することができず、したがって、150V~155Vの中間ポンプ速度の設定は存在しない。しかしながら、他の事例では、印加電圧の数(および印加電圧の設定)が増加すると、ポンプ速度に対する線形補間が可能である。
【0100】
例示的な実施形態によれば、印加電圧は、開ループの観念で制御される。つまり、臨床医は、印加電圧の設定を選び、この印加電圧の設定は、電極間の予想されるインピーダンスで印加電圧をもたらす。しかしながら、電極間の実際のインピーダンスの変化は、印加電圧に影響を与える。例えば、電極が空気中(例えば、より高いインピーダンス)に保持されているときに電極にエネルギーを印加することは、電極により高い印加電圧をもたらし得る。反対に、生理食塩水が電気的にブリッジしているときの電極へのエネルギーの印加、ひいては、電極の分路または短絡(例えば、より低いインピーダンス)は、より低い印加電圧をもたらし得る。いくつかの実施形態では、凝固コントローラ116は、インピーダンスの変化を補償することを試みるのではなく、印加電圧の設定に基づいて、凝固コントローラは、予想されるインピーダンスで印加電圧を生成する方法で動作するが、実際のインピーダンスが、予想されるインピーダンスの周りで変化するため、動作は変化しない。
【0101】
同様に、例示的な実施形態では、ペリスタルティックポンプ速度は、開ループの観念で制御される。つまり、臨床医は、ポンプ速度の設定を選び、そのポンプ速度の設定は、ポンプ速度(ひいては、フローレート)をもたらす。(例えば、インピーダンスの変動によって引き起こされる)印加電圧の変化は、ポンプ速度を変化させない。つまり、いくつかの実施形態では、凝固コントローラ116は、インピーダンスの変動によって引き起こされる実際の印加電圧の変化に対してポンプ速度を補償することを試みない。しかしながら、MAXボタン152の起動などによって印加電圧を意図的に増加させると、それに応じて、ポンプ速度が増加する場合がある。例示的な実施形態では、凝固コントローラ116は、ルックアップテーブルの使用によって、
図20に示される印加電圧の関数としてフロー制御を実現する。凝固コントローラ116は、印加電圧または印加電圧の設定を受信し、フローレートの設定を受信し、それに応じて、ポンプ速度を選択するように、ルックアップテーブル内のルックアップを行う。
【0102】
図21は、少なくともいくつかの実施形態による例示的な凝固コントローラ116をブロック図形式で示す。特に、例示的な凝固コントローラ116は、様々な内部および外部の構成要素に連結された制御システム2100を有する。
図21の例示的なシステムでは、制御システム2100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)2104、リードオンリーメモリ(ROM)2106、デジタル-アナログ(D/A)出力2108、アナログ-デジタル(A/D)入力2110、デジタル入力(D/I)2112、ならびに通信ロジック(COM)2114のセクションに電気的に連結されたプロセッサ2102を有するマイクロコントローラの形態を取る。制御システム2100はマイクロコントローラの形態で示されているが、他の事例では、個々の構成要素(すなわち、個々のプロセッサ、RAM、ROMなど)を組み合わせて、機能性、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FGPA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)などの他のデバイスを実装することができ、別個の構成要素を定位置で使用するか、または記述される構成要素に加えて使用することができる。例示的なRAM2104は、プロセッサ2102の作業メモリであってもよい。ROM2106は、不揮発性の様式でプログラムおよびデータを記憶することができ、プロセッサ2102は、プログラムの実行中にROM2106からRAM2104にプログラムおよびデータをコピーすることができる。いくつかの事例では、ROM2106は、印加電圧をフローレートの設定に関連付けて、ペリスタルティックポンプ速度を制御するルックアップテーブルのための長期記憶場所であり、したがって、ルックアップテーブルを動作中にRAM2104にコピーすることもできる。デジタル-アナログ出力2108は、ポンプモータ速度コントローラ2116(以下でさらに考察される)およびRF電圧発生器2118などの、凝固コントローラ116内の他の装置にアナログ信号を提供するために使用され得る。アナログ-デジタル入力2110は、制御システム2100にアナログ信号を読み取る能力を提供し得る。デジタル入力2112は、フットペダル装置138/140、凝固コントローラ116のボタン134、または装置104上のボタン148からの情報などの、制御システム2100への情報を受信するために使用され得る。最後に、通信ロジック2114は、内部または外部の装置(例えば、インターフェース装置132、もしくはポンプモータ速度コントローラ2116と通信するための代替手段としての装置)とのパケットベースの通信のために使用され得る。
【0103】
RF電圧発生器2118は、コントローラコネクタ118の第1の端子2122(例えば、電気ピン)に連結する、第1の接続部または第1のリード2120を画定する。使用時に、プローブコネクタ114の電気ピン2124は、第1の端子2122を装置104(
図1)の遠位端上の第1の電極に連結する。同様に、RF電圧発生器2118は、コントローラコネクタ118の第2の端子2128(例えば、電気ピン)に連結する、第2の接続部または第2のリード2126を画定する。使用時に、プローブコネクタ114の電気ピン2131は、装置104の遠位端上の他の電極に連結する。
【0104】
RF電圧発生器2118は、凝固周波数で凝固エネルギーを生成するように構成されている。例示的な実施形態によれば、RF電圧発生器2118によって生成される凝固周波数は、約5kHz~20MHzであってもよく、いくつかの事例では、約30kHz~2.5MHzであってもよく、他の事例では、約50kHz~500kHzであってもよく、特定の事例では、約100kHzであってもよい。上で考察されるように、凝固電圧は、120V~165V RMSの間で、かつ120Vおよび165V RMSを含み得る。示される例示的なシステムでは、生成されたRF電圧2118は、デジタル-アナログ出力2108によって指令を受信するが、RF電圧発生器2118は、デジタル処理で(例えば、デジタル出力によって、具体的には示さず)、またはパケットベースのメッセージによって(例えば、通信ロジック2114によって)など、任意の好適な形態で指令が提供され得る。
【0105】
凝固コントローラ116、および具体的には制御システム2100は、印加電圧およびペリスタルティックポンプ速度の制御を含む、凝固の制御を実装し得る。ポンプ速度に関して、例示的な凝固コントローラ116は、モータ2132に連結されたモータ速度コントローラ2130を実装し、ペリスタルティックポンプ124は、モータ2132によって回される。モータ2132は、任意の好適な形態を取り得る。例えば、モータ2132は、DC電気モータであってもよく、ひいては、モータ速度コントローラ2130は、出力シャフトの速度を制御する電気モータにDC電圧を提供する。他の事例では、モータ2132は、AC電気モータであってもよく、ひいては、モータ速度コントローラ2130は、出力シャフトの速度を制御する、様々な電圧および周波数でAC電圧を提供する。さらにまた他の事例では、モータ2132は、空気圧モータであってもよく、ひいては、モータ速度コントローラ2130は、様々な圧力で空気を提供し、圧力は、出力シャフトの速度を制御する。したがって、実装されるモータ2132のタイプに関係なく、モータ速度コントローラ2130は、制御システム2100から提供される指令に応答して、モータの速度を制御する。例示的なシステムでは、モータ速度コントローラ2130への指令はアナログ信号であるように示されているが、他の事例では、モータ速度コントローラ2130は、デジタル処理で(例えば、デジタル出力によって、具体的には示さず)、またはパケットベースのメッセージで(例えば、通信ロジック2114を介して)など、任意の好適な形態で指令を受信し得る。最後に、モータ2132は、ペリスタルティックポンプ124に直接連結するように示されているが、他の事例では、様々なギアおよび/またはベルトを使用して、モータ2132のシャフトの回転運動をペリスタルティックポンプ124に伝達することができる。
図21は、ロータリーペリスタルティックポンプを有することに基づくが、当業者は、本開示の利益により、フロー測定装置と組み合わせた線形ペリスタルティックポンプまたは遠心ポンプなどの他のタイプの流出ポンプとともに使用されるようにシステムを修正することができる(遠心ポンプを通るフローレートは、肯定的な変位ポンプ(ペリスタルティックポンプなど)のように速度に直接関係しないため)。
【0106】
図21の実施形態は、(例えば、同じエンクロージャ内に)凝固コントローラ116を有する内部または一体型の装置としてペリスタルティックポンプ124を示しているが、他の事例では、ペリスタルティックポンプ124は、凝固コントローラ116の外部の構成要素であってもよいことが留意される。さらに、
図21には、接続されたポンプモータ速度コントローラ、モータ、およびペリスタルティックポンプの1つのセットのみが示されているが、凝固コントローラは、2つ以上(例えば、吸引を制御するための第2のポンプ)を実装し得る。
【0107】
したがって、例示的な実施形態では、制御システム2100は、上で考察される凝固制御の戦略を実現する命令を記憶する、RAM2104およびROM2106(ならびに場合によっては、他の非一時的記憶媒体)を備える。例示的な命令は、プロセッサによって実行されたときに、凝固コントローラに、第1の電極と第2の電極の間にRFエネルギーを印加すること、および同時に、装置104の電極を通して生理食塩水を流すことを行わせることができる。他の例示的な命令は、プロセッサ2102によって実行されたときに、凝固コントローラに、複数のフローレートの設定から、あるフローレートの設定の指示を受け入れることと、印加電圧の設定の指示を受け入れることと、印加電圧の設定によって決定される電圧の範囲で電極にエネルギーを提供することであって、提供されるエネルギーが、第1の電極と第2の電極との間で経験されるインピーダンスの関数として経時的に変化する、提供することと、同時に、導電性をポンプ輸送することと、を行わせることができ、フローレートは、印加電圧の設定およびフローレートの設定に関するテーブルから凝固コントローラによって選択され、提供されるエネルギーが経時的に変化するときに、フローレートは一定のままである。
【0108】
上記の考察は、本発明の原理および様々な実施形態の例示であることを意味する。上述の開示が完全に理解されると、数多くの変形および改変が当業者に明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、そのような変形および改変のすべてを受け入れるように解釈されることが意図される。
[付記項1]
電気外科用凝固装置を動作させる方法であって、前記方法が、
第1の電極と第2の電極との間に無線周波数(RF)エネルギーを印加することであって、前記第1の電極が、第1の長手方向軸を画定し、前記第2の電極が、前記第1の長手方向軸と同一平面上にある第2の長手方向軸を画定し、前記第1の電極および前記第2の電極が、間隙を画定する、印加することと、同時に、
前記第1の電極の第1のノズルおよび第2のノズルを通して導電性流体を流すことであって、前記第1のノズルが、第1の噴霧方向を画定し、前記第2のノズルが、第2の噴霧方向を画定し、前記第1の噴霧方向と前記第2の噴霧方向との間の第1の角度が、前記間隙を通して測定した場合に180角度(°)以下である、流すことと、同時に、
前記第2の電極の第3のノズルおよび第4のノズルを通して導電性流体を流すことと、を含み、前記第3のノズルが、第3の噴霧方向を画定し、前記第4のノズルが、第4の噴霧方向を画定し、前記第3の噴霧方向と前記第4の噴霧方向との間の第2の角度が、前記間隙を通して測定した場合に180°以下である、方法。
[付記項2]
前記第1の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であり、
前記第2の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度である、付記項1に記載の方法。
[付記項3]
前記第1のノズルおよび前記第2のノズルの向きをさらに含み、前記第1のノズルおよび前記第2のノズルが、それぞれ前記第3のノズルおよび前記第4のノズルの場所の、前記間隙を横切るミラー画像である、付記項1に記載の方法。
[付記項4]
前記第1の噴霧方向、前記第2の噴霧方向、前記第3の噴霧方向、および前記第4の噴霧方向が、共通の平面内に存在する、付記項1に記載の方法。
[付記項5]
前記第1のノズルおよび前記第2のノズルを通して前記導電性流体を流すことは、前記第1の噴霧方向および前記第2の噴霧方向が前記第1の長手方向軸に対して第1の鋭角を形成する状態で流すことをさらに含み、前記第1の鋭角が、標的組織に向かって開いており、
前記第3のノズルおよび前記第4のノズルを通して前記導電性流体を流すことは、前記第3の噴霧方向および前記第4の噴霧方向が前記第2の長手方向軸に対して第2の鋭角を形成する状態で流すことをさらに含み、前記第2の鋭角が、標的組織に向かって開いている、付記項1の方法。
[付記項6]
標的組織を前記第1の電極の丸みを帯びた接触表面と接触させることと、
前記標的組織を前記第2の電極の丸みを帯びた接触表面と接触させることと、をさらに含む、付記項1に記載の方法。
[付記項7]
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体である、付記項6に記載の方法。
[付記項8]
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体である、付記項6に記載の方法。
[付記項9]
RFエネルギーを印加することが、
前記電気外科用凝固装置のコントローラで、複数のフローレートの設定から、あるフローレートの設定の指示を受け入れることと、
前記コントローラで、印加電圧の設定の指示を受け入れることと、
前記印加電圧の設定によって決定される電圧の範囲で前記第1の電極および前記第2の電極にエネルギーを提供することであって、前記提供されるエネルギーが、前記第1の電極と前記第2の電極との間で経験されるインピーダンスの関数として経時的に変化する、提供することと、同時に、
前記第1のノズルから前記第4のノズルまで前記導電性流体をポンプ輸送することと、をさらに含み、前記フローレートが、前記印加電圧の設定および前記フローレートの設定に関するテーブルから前記コントローラによって選択され、前記提供されるエネルギーが経時的に変化するときに、前記フローレートが一定のままである、付記項1に記載の方法。
[付記項10]
前記第1の長手方向軸が、前記第2の長手方向軸に平行である、付記項1に記載の方法。
[付記項11]
電気外科用装置であって、
内部に配設された灌注ルーメンを有するハンドルと、
前記ハンドルの近位端に連結されたケーブルであって、前記ケーブルが、第1の電気導体および第2の電気導体を画定する、ケーブルと、
前記ハンドルに連結され、前記ハンドルの反対側の遠位端を画定する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端上に配設され、前記第1の電気導体に電気的に連結された第1の電極であって、前記第1の電極が、前記細長いシャフトの前記遠位端の反対側の丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および第1の長手方向軸を画定する、第1の電極と、
前記細長いシャフトの前記遠位端上に配設され、前記第2の電気導体に電気的に連結された第2の電極であって、前記第2の電極が、前記細長いシャフトの前記遠位端の反対側の丸みを帯びた接触表面、非円形の中間断面、および前記第1の長手方向軸と同一平面上にある第2の長手方向軸を画定する、第2の電極と、
前記第1の電極によって画定された第1のノズルであって、前記第1のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第1のノズルが、前記第1の長手方向軸および前記第2の長手方向軸の両方と交差する線に対して、0角度(°)~90°の間で、かつ0°および90°を含む第1の噴霧方向を画定する、第1のノズルと、
前記第2の電極によって画定された第2のノズルと、を備え、前記第2のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第2のノズルが、前記線に対して、0°~90°の間で、かつ0°および90°を含む第2の噴霧方向を画定する、電気外科用装置。
[付記項12]
前記第1の電極によって画定された第3のノズルであって、前記第3のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第3のノズルが、第3の噴霧方向を画定し、前記第1の噴霧方向および前記第3の噴霧方向が、前記線によって二等分された第1の角度を画定し、前記第1の角度が、180°以下である、第3のノズルと、
前記第2の電極によって画定された第4のノズルと、をさらに備え、前記第4のノズルが、前記灌注ルーメンに流体的に連結され、前記第4のノズルが、第4の噴霧方向を画定し、前記第2の噴霧方向および前記第4の噴霧方向が、前記線によって二等分された第2の角度を画定し、前記第2の角度が、180°以下である、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項13]
前記第1の角度が、180°であり、前記第1のノズルが、前記第1の長手方向軸の間隙側面上にあり、前記第3のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にあり、
前記第2の角度が、180°であり、前記第2のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にあり、前記第4のノズルが、前記第1の長手方向軸の前記間隙側面上にある、付記項12に記載の電気外科用装置。
[付記項14]
前記第1の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度であり、
前記第2の角度が、170°以下、120°以下、90°以下、および60°以下を含む群から選択される少なくとも1つの角度である、付記項12に記載の電気外科用装置。
[付記項15]
前記第1のノズルおよび前記第3のノズルの向きをさらに含み、前記第1のノズルおよび前記第3のノズルが、それぞれ前記第2のノズルおよび前記第4のノズルの場所の、前記第1の電極と前記第2の電極との間の間隙を横切るミラー画像である、付記項14に記載の電気外科用装置。
[付記項16]
前記第1の噴霧方向、前記第2の噴霧方向、前記第3の噴霧方向、および前記第4の噴霧方向が、共通の平面内に存在する、付記項12に記載の電気外科用装置。
[付記項17]
前記第1の噴霧方向および前記第3の噴霧方向が、前記第1の長手方向軸に対して第1の鋭角を形成し、前記第1の鋭角が、前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いていること、ならびに
前記第2の噴霧方向および前記第4の噴霧方向が、前記第2の長手方向軸に対して第2の鋭角を形成し、前記第2の鋭角が、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面に向かって開いていること、をさらに含む、付記項12に記載の電気外科用装置。
[付記項18]
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、楕円体である、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項19]
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体であり、前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面が、回転楕円体である、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項20]
前記第1の電極が、前記細長いシャフトに強固に連結され、かつ前記第2の電極に対して不動であり、前記第2の電極が、前記細長いシャフトに強固に連結され、かつ前記第1の電極に対して不動である、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項21]
前記第1の電極の前記丸みを帯びた接触表面の頂点と前記第2の電極の前記丸みを帯びた接触表面の頂点との間の線が、前記第1の電極の前記第1の長手方向軸と直角をなす、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項22]
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、多角形の断面を有する、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項23]
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、正方形の断面を有する、付記項22に記載の電気外科用装置。
[付記項24]
前記第1の電極および前記第2の電極が各々、面取りされたコーナーを有する正方形の断面を有する、付記項11に記載の電気外科用装置。
[付記項25]
前記第2の長手方向軸が、前記第1の長手方向軸に平行である、付記項11に記載の電気外科用装置。