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特許7609968低温応用例のための静電チャックアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】低温応用例のための静電チャックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241224BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241224BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20241224BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C23C14/50 A
C23C16/458
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023505365
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2021063908
(87)【国際公開番号】W WO2022177632
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/151,294
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/317,816
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディー.
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-222977(JP,A)
【文献】国際公開第2020/185467(WO,A1)
【文献】特開2020-023088(JP,A)
【文献】特開2018-206806(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0035535(US,A1)
【文献】特開2008-071845(JP,A)
【文献】特開2006-144118(JP,A)
【文献】特開2008-159831(JP,A)
【文献】特開2004-079861(JP,A)
【文献】特開2018-006393(JP,A)
【文献】特表2018-510496(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0276196(US,A1)
【文献】特開2020-045456(JP,A)
【文献】A6061とは?[強度・比重・ヤング率・硬度]機械的性質と耐食性,機械技術ノート,2020年05月12日,https://tec-note.com/847
【文献】A4032とは?[強度・比重・ヤング率・硬度]機械的性質と耐食性,機械技術ノート,2020年05月12日,https://tec-note.com/1035
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
C23C 14/50
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、
頂面を有する冷却プレートであって、22パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の熱膨張係数(CTE)を有するアルミニウム合金を含かつ、第1の層および第2の層を備える交代層のスタックを備え、前記第1の層は前記アルミニウム合金を含み、前記第2の層はモリブデンを含む、冷却プレートと、
前記静電チャックの前記底面および前記冷却プレートの前記頂面を固定する接着層であって、シリコーン材料を含む、接着層と、
を備える、静電チャックアセンブリ。
【請求項2】
前記アルミニウム合金は、80原子百分率(at%)から90at%までのアルミニウム、および、5at%から20at%までのシリコンを含む、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項3】
前記アルミニウム合金は、アルミニウムと、シリコンと、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金からなるグループから選択された少なくとも1つの金属とを含む、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項4】
前記アルミニウム合金は、30at%から60at%までのアルミニウム、30at%から60at%までのモリブデン、および、5at%から30at%までのシリコンを含む、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項5】
前記アルミニウム合金は、20ppm未満の熱膨張係数を有する、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項6】
前記冷却プレートは、少なくとも第1の層および第2の層を備える中間シートまたは層のスタックを備え、前記第1の層および前記第2の層の各々は、互いに異なる金属を独立に含有し、各金属は異なるCTEを有する、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の層は、銅、インジウム、マグネシウム、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせからなるグループから選択された、1つまたは複数の金属を含み、前記第2の層は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせからなるグループから選択された、1つまたは複数の金属を含む、請求項6に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項8】
前記交代層のスタックは、2以上の第1の層および2以上の第2の層を備え、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項9】
前記アルミニウム合金は、5at%から40at%までのシリコンを含む、請求項に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項10】
前記スタックは、5つの第1の層から50個の第1の層まで、および、5つの第2の層から50個の第2の層までを備え、前記第1の層は0.1mmから1mmまでの厚さを有し、前記第2の層は0.5mmから2.5mmまでの厚さを有する、請求項に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項11】
前記接着層の前記シリコーン材料はアルキルフェニルシリコーンを含む、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項12】
前記シリコーン材料は、150ppm未満のCTE、-60℃未満のガラス転移、および1MPa未満のヤング率を有する、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項13】
前記静電チャックは内部に配設された50の加熱器から200までの加熱器を備え、各加熱器は、それぞれのゾーン内の温度を独立に制御可能である、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項14】
底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、
アルミニウム合金を含む冷却プレートであって、前記アルミニウム合金はアルミニウムおよびシリコンを含み、22パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の熱膨張係数(CTE)を有する、冷却プレートと、
前記静電チャックと前記冷却プレートとの間に配設された接着フィルムであって、シリコーン材料を含む接着層を備え、さらに、前記接着フィルムと前記冷却プレートとの間に配設される二次金属層を備え、前記二次金属層は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、および、それらの任意の組み合わせからなるグループから選択された金属を含む、接着フィルムと、
を備える、静電チャックアセンブリ。
【請求項15】
記二次金属層は、モリブデン、タングステン、クロム、それらの合金、および、それらの任意の組み合わせからなるグループから選択された金属を含む、請求項14に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項16】
前記二次金属層は、金属モリブデン、モリブデン合金、金属タングステン、タングステン合金、金属クロム、またはクロム合金を含む、請求項14に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項17】
前記二次金属層は3mmから12mmまでの厚さ、および12ppm未満のCTEを有する、請求項14に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項18】
前記接着フィルムはさらに、前記二次金属層と前記冷却プレートとの間に配設されたインジウム含有層を備える、請求項14に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項19】
前記インジウム含有層は、金属インジウムまたはインジウム合金を含み、100μmから1,000μmまでの厚さを有する、請求項18に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項20】
底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、
アルミニウム合金を含む冷却プレートであって、前記アルミニウム合金はアルミニウムおよびシリコンを含み、22パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の熱膨張係数(CTE)を有する、冷却プレートと、
前記静電チャックと前記冷却プレートとの間に配設された接着フィルムと、
を備え、前記接着フィルムは、
シリコーン材料を含む接着層、
インジウム含有層、および、
前記接着層と前記インジウム含有層との間に配設された二次金属層であって、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金を含む、二次金属層、
を備える、静電チャックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般にマイクロエレクトロニクス製造のための装置およびプロセスに関し、より具体的には、低温応用例で使用される静電チャックアセンブリを有する基板支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメートルおよびさらに小さいフィーチャを確実に生成することは、半導体デバイスの次世代の超大規模集積回路(VLSI)および極超大規模集積回路(ULSI)についての、主要な技術的挑戦のうちの1つである。しかしながら、回路技術の限界が押し広げられるにつれて、VLSIおよびULSI相互接続技術の寸法の縮小は、処理能力に追加の要求を課している。基板上のゲート構造の確実な形成は、VLSIおよびULSIの成功にとって、ならびに、個々の基板およびダイの回路密度および品質を上げるための継続的な努力にとって、重要である。
【0003】
製造コストを引き下げるために、集積チップ(IC)製造は、処理されるあらゆるシリコン基板に、より高いスループットならびにより良好なデバイス歩留まりおよび性能を要求する。現在開発中の次世代デバイスのために模索されているいくつかの製造技法は、基板上でフィルムを処理する間、300℃を超える温度での処理および高いバイアス電力を必要とする。高いバイアス電力は、基板上のフィルムの粗さおよび形態を向上させる。しかしながら、高いバイアス電力は、電力がオンのときに熱エネルギーも提供する。
【0004】
これらの高温および高電力の製造技術のうちのいくつかは、基板が確実にチャンバ内で処理されるように、静電チャックを利用する処理チャンバ内で実行される。従来の静電チャックは、冷却プレートを含む基板支持アセンブリの一部である。冷却プレートは静電チャックに接着される。冷却プレートと静電チャックとの間の接着に利用される材料は、高温、熱膨張、および高エネルギー場に対して敏感である。従来の静電チャックは、前述の要因の組み合わせに起因して、接着材料に関する問題を経験し得る。たとえば接着材料は、層剥離して完全に機能しなくなり、基板支持内の真空または移動の喪失を生じさせ得る。処理チャンバは、接着材料に関する問題を有する静電チャックを交換するために、オフラインにしなければならず、したがって、処理歩留まりを低下させる一方で、コストは不必要に増加する。
【0005】
低温応用例において、冷却プレートは、基板から熱を除去するために低温流体にさらされる。冷却プレートは、約-10℃から約-100℃以下などのような0℃未満の温度まで冷却可能である。このような低温では、静電チャックおよび冷却プレートは、これら本体インターフェース間の接着の層剥離に起因して、しばしば分離する。層剥離は、本体における様々な材料の熱膨張係数の差によって生じる、これら本体における熱応力によって引き起こされる。標準的な接着剤は、典型的には、氷点下の温度で接着を維持することはできない。
【0006】
したがって、低温応用例において使用するのに好適な、改良された基板支持アセンブリが求められている。
【発明の概要】
【0007】
本開示の実施形態は、一般に、低温応用例において使用するのに好適な静電チャック(ESC)アセンブリに関する。ESCアセンブリの設計は、様々な要因によって作り出される応力の管理を利用する。低温応用例において使用される温度までESCアセンブリを冷却することで、温度に応じて熱膨張係数の変化を生じさせる。本明細書で開示および考察されるESCアセンブリは、ESCアセンブリの構成要素内で使用される同様のCTE値を有する特定の材料に起因して、亀裂または層剥離なしに、低温応用例において使用される温度に対処することができる。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、静電チャックアセンブリが提供され、底面の反対側の基板支持面を有する静電チャックと、頂面を有する冷却プレートであって、22ppm未満のCTEを有するアルミニウム合金を含有する、冷却プレートと、静電チャックの底面および冷却プレートの頂面を固定する接着層であって、シリコーン材料を含有する、接着層とを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、静電チャックアセンブリが提供され、底面の反対側の基板支持面を有する静電チャックと、アルミニウムおよびシリコンを有し、22ppm未満のCTEを有する、アルミニウム合金を含有する冷却プレートと、シリコーン材料を含有し、静電チャックと冷却プレートとの間に配設された、接着層とを含む。
【0010】
他の実施形態において、静電チャックアセンブリが提供され、底面の反対側の基板支持面を有する静電チャックと、アルミニウムおよびシリコンを含み、22ppm未満のCTEを有する、アルミニウム合金を含有する冷却プレートと、静電チャックと冷却プレートとの間に配設された接着層とを含み、接着層は、シリコーン層、インジウム含有層、および、シリコーン材料とインジウム含有層との間に配設された二次金属層を含有し、二次金属層は、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金を含有する。
【0011】
したがって、本開示の上記の特徴が詳細に理解可能なように、上記で簡潔に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって行われ得、その一部が添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は単なる例示の実施形態を示し、したがって、その範囲を限定するものとは見なされず、他の等しく効果的な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、静電チャックアセンブリを有する基板支持アセンブリを含有する処理チャンバの、断面概略側面図である。
図2】本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、静電チャックアセンブリの断面概略側面図である。
図3】本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、別の静電チャックアセンブリの断面概略側面図である。
図4】本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、冷却プレートの断面概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
理解を容易にするために、可能であれば、図面に共通の同一の要素を指定するために同一の参照番号が使用されている。1つまたは複数の実施形態の要素および特徴は、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0014】
本開示の実施形態は、一般に、低温応用例において使用するのに好適な静電チャックアセンブリに関する。1つまたは複数の実施形態では、静電チャックアセンブリは、約-50℃、約-80℃、または約-100℃から約-110℃、約-120℃、約-135℃、または約-150℃などの、0℃未満、および-10℃未満の低温処理温度で使用される。たとえば、静電チャックアセンブリは、約-50℃から約-150℃の低温処理温度で使用される。
【0015】
図1は、基板支持アセンブリ126を有する、エッチチャンバとして構成されるように示された、例示のプラズマ処理チャンバ100の、断面概略図である。基板支持アセンブリ126は、他のタイプの処理プラズマチャンバ、たとえば、とりわけ、プラズマ処理チャンバ、アニーリングチャンバ、物理的気相堆積(PVD)チャンバ、化学気相堆積(CVD)チャンバ、および、イオン注入チャンバ、ならびに、基板などの、表面または基板についての処理均一性を制御するための能力が望ましい他のシステムで、利用され得る。誘電特性タンジェント(δ)、たとえば誘電損失、またはρ、たとえば、基板支持アセンブリ126についての昇温範囲における体積抵抗率の制御は、有利には、基板支持アセンブリ126の上に配設された基板124についての方位角処理制御、たとえば、処理均一性を可能にする。
【0016】
プラズマ処理チャンバ100は、内部処理領域110を囲む、側壁104、底部、およびリッド108を有する、チャンバ本体102を含む。射出装置112が、チャンバ本体102の側壁104および/またはリッド108に結合される。ガスパネル114が、処理ガスを処理領域110内に提供できるように、射出装置112に結合される。射出装置112は、1つまたは複数のノズルまたは吸入口、あるいは代替として、シャワーヘッドであり得る。処理ガス、ならびに任意の処理副産物は、チャンバ本体102の側壁104または底部106内に形成される排気口128を介して、処理領域110から除去される。排気口128は、処理領域110内の真空レベルを制御するために利用されるスロットルバルブおよびポンプを含む、ポンピングシステム132に結合される。
【0017】
処理ガスは、処理領域110内にプラズマを形成するためにエネルギーが与えられ得る。処理ガスは、容量的または誘導的にRF電力を処理ガスに結合することによって、エネルギーが与えられ得る。図1に示される実施形態では、複数のコイル116がプラズマ処理チャンバ100のリッド108の上に配設され、整合回路118を介してRF電源120に結合される。
【0018】
基板支持アセンブリ126は、射出装置112の下の処理領域110内に配設される。基板支持アセンブリ126は、静電チャック(ESC)174および冷却プレート130を含む。冷却プレート130は、ベースプレート176によって支持される。ベースプレート176は、処理チャンバの側壁104または底部106のうちの1つによって支持される。基板支持アセンブリ126は、加えて、加熱器アセンブリ(図示せず)を含み得る。加えて、基板支持アセンブリ126は、基板支持アセンブリ126との電気、冷却、およびガス接続を容易にするために、冷却プレート130とベースプレート176との間に配設された、設備プレート145および/または絶縁体プレート(図示せず)を含み得る。
【0019】
冷却プレート130は、1つまたは複数の金属材料から形成されるか、またはそうでなければこれらを含有する。1つまたは複数の例では、冷却プレート130は、1つまたは複数のアルミニウム合金、1つまたは複数のアルミニウムシリコン合金、1つまたは複数のアルミニウムモリブデン合金、1つまたは複数のアルミニウムモリブデンシリコン合金、ならびに、本明細書でさらに説明および考察するように、他の合金および/または複合材料を含有する。冷却プレート130は、内部に形成された複数の冷却チャネル138を含む。冷却チャネル138は、熱伝達流体源122に接続される。熱伝達流体源122は、冷却プレート130内に配設された1つまたは複数の冷却チャネル138を介して循環する、液体、ガス、またはそれらの組み合わせなどの、熱伝達流体を提供する。近傍の冷却チャネル138を介して流れる流体は、基板124の横方向温度プロファイルを制御するのを支援する、ESC180と冷却プレート130の異なる領域との間の熱伝達の局所制御を可能にするために、隔離され得る。1つまたは複数の実施形態では、冷却プレート130の冷却チャネル138を介して循環する熱伝達流体は、約-40℃から約-100℃などの0℃未満の温度で、冷却プレート130を維持する。
【0020】
ESC180は、誘電本体182内に配設された、1つまたは複数のチャッキング電極186を含む。ESC180の誘電本体182は、基板支持面137と、基板支持面137の反対側の底面133とを有する。ESC180の誘電本体182は、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、または他の好適な材料などの、セラミック材料から製作される。代替として、誘電本体182は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトンなどの、ポリマーから製作され得る。
【0021】
誘電本体182は、任意選択として、埋め込まれた1つまたは複数の抵抗加熱器を含む。抵抗加熱器188は、基板支持アセンブリ126の温度を、基板支持アセンブリ126の基板支持面137上に配設された基板124の処理に好適な温度まで上昇させるために利用される。抵抗加熱器188は、設備プレート145を介して加熱器電源189に結合される。加熱器電源189は、900ワットまたはそれ以上の電力を抵抗加熱器188に提供し得る。コントローラ(図示せず)が、一般に基板124を事前に定義された温度まで加熱するように設定される、加熱器電源189の動作を、制御するために利用される。1つまたは複数の実施形態では、抵抗加熱器188は、コントローラが抵抗加熱器188の少なくとも1つのゾーンが、他のゾーンのうちの1つまたは複数に位置する抵抗加熱器188に対して、優先的に加熱されることを可能にする、複数の横方向に分離された加熱ゾーンを含む。たとえば抵抗加熱器188は、複数の分離加熱ゾーン内で、同心円状に配置され得る。抵抗加熱器188は、基板124を、約180℃から約500℃の間など、約250℃より上など、約250℃から約300℃の間などの、処理に好適な温度で維持し得る。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、ESC180の誘電本体182は、マイクロゾーン効果を作り出す複数の加熱器を有する。本明細書では、マイクロゾーンは、ESC180の離散的に温度制御可能なエリアを指し、ESC180上には、10、約50、約80、または約100のマイクロゾーンから、約120、約150、約200、またはそれ以上のマイクロゾーンまでが存在し得る。高温とは、約150℃を上回る温度、たとえば、300℃より上の温度を指すものと意図される。本明細書で説明および考察するESCアセンブリの例は、熱インターフェース特性を有する接着層によって分離される、冷却プレートおよび静電チャックを含む。ESC180、接着層、および冷却プレート130の間の熱インターフェースの配置は、ESC180内のマイクロゾーン間の温度損失および熱スミアリングを減少させる。
【0023】
ESC180は、一般に、誘電本体182内に埋め込まれたチャッキング電極186を含む。チャッキング電極186は、一極または二極の電極、あるいは他の好適な配置として構成され得る。チャッキング電極186は、RFフィルタを介して、基板124を静電的にセキュアにするためにESC180の基板支持面137にDC電力を提供する、チャッキング電源187に結合される。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内にプラズマ(図示せず)を形成するために利用されるRF電力が、電気機器を損傷させること、または、チャンバ外部の電気的障害を提示することを防止する。
【0024】
ESC180の基板支持面137は、基板124とESC180の基板支持面137との間に画定された隙間空間に、裏側熱伝達ガスを提供するための、ガス通路(図示せず)を含む。ESC180は、プラズマ処理チャンバ100の内外へのロボット伝達を容易にするために、ESC180の基板支持面137の上の基板124を上昇させるためのリフトピン(図示せず)を収容するための、リフトピンホールも含む。
【0025】
接着層170がESC180の下に配設され、ESC180を冷却プレート130に固定する。他の実施形態では、接着層170は、下記でさらに説明するように、ESC180と、ESC180と冷却プレート130との間に配設された下部プレートとの間に、配設される。接着層170は、約0.1W/mKから約5W/mKの間の熱伝導率を有し得る。接着層170は、ESC180と、基板支持アセンブリ126の下にある部分、たとえば冷却プレート130との間の、異なる熱膨張を補償する、いくつかの層から形成され得る。接着層170を含有する層は、異なる材料から形成され得、別々の実施形態を示す後続の図を参照しながら考察する。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、ESC180は、約5ppmから約10ppmなどの、15パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の熱膨張係数(CTE)を有する材料を含有する。たとえば、本体182などのESC180は、アルミナ、窒化アルミニウム、またはそれらのドーパントを含有することができる。1つまたは複数の例では、ESC180は、内部に配設された約50個から約200個の加熱器を含有する。各加熱器は、それぞれのゾーン内の温度を独立に制御可能であり得る。
【0027】
図2は、本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、静電チャック(ESC)アセンブリ200の断面概略側面図を示す。1つまたは複数の実施形態では、ESCアセンブリ200は、底面の反対側のワークピース支持面を有するESC180と、頂面を有する冷却プレート130と、ESC180の底面および冷却プレート130の頂面を固定する接着層170とを含む。接着層170は1つまたは複数のシリコーン材料を含有するかまたは含む。冷却プレート130は、24ppm未満、32ppm未満、または20ppm未満のCTEを有する、アルミニウム合金を含有する。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金は、アルミニウム、シリコン、および、アルミニウム以外の1つまたは複数の金属を含有する。たとえば、他の金属は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、および/またはそれらの任意の組み合わせであるか、またはそれらを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、約25原子百分率(at%)、約30at%、約40at%、約50at%、または約55at%から、約60at%、約70at%、約80at%、約85at%、約90at%、約95at%、または約99at%までのアルミニウムを含有する。いくつかの例では、アルミニウム合金は、約80at%、約82at%、約85at%、約88at%、または約90at%から、約92at%、約94at%、約95at%、約96at%、約97at%、約98at%、または約99at%までのアルミニウムを含有する。
【0030】
アルミニウム合金は、約0.1at%、約0.2at%、約0.5at%、約1at%、約2at%、約3at%、約5at%、約6at%、または約8at%から、約10at%、約12at%、約15at%、約20at%、約25at%、約30at%、約35at%、または約40at%までの、シリコンを含有することができる。アルミニウム合金は、約25at%、約30at%、約35at%、または約40at%から、約45at%、または約at50%までの、1つまたは複数の他の金属(たとえば、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム)を、含有することができる。
【0031】
1つまたは複数の例では、アルミニウム合金は、アルミニウム、シリコンと、モリブデン、タングステン、クロム、またはそれらの合金から選択された少なくとも1つの金属とを含有する。たとえばアルミニウム合金は、約30at%から約60at%までのアルミニウム、約30at%から約60at%までのモリブデン、および約5at%から約30at%までのシリコンを含有する。他の例では、アルミニウム合金(たとえば、4032Al)は、約80at%から約90at%までのアルミニウム、および約5at%から約20at%までのシリコンを含有する。さらなる例では、アルミニウム合金(たとえば、6061Al)は、少なくとも95at%のアルミニウム、約0.5at%から約2at%までのマグネシウム、および約0.2at%から約1.5at%までのシリコンを含む。
【0032】
アルミニウム合金は、22ppm未満、20ppm未満、および/または18ppm未満などの、24ppm未満のCTEを有する。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、約3ppm、約4ppm、約5ppm、約6ppm、約7ppm、約8ppm、または約9ppmから、約10ppm、約12ppm、約14ppm、約15ppm、約16ppm、約18ppm、約19ppm、約20ppm、約21ppm、約22ppm、約23ppm、または約24ppmまでの、CTEを有する。1つまたは複数の例では、アルミニウム合金は、約4ppmから約16ppmまでのCTEを有する。他の例では、アルミニウム合金は、約5ppmから約15ppmまでのCTEを有する。いくつかの例では、アルミニウム合金は、約7ppmから約12ppmまでのCTEを有する。
【0033】
冷却プレート130は、約0.1インチ、約0.2インチ、約0.25インチ、約0.4インチ、または約0.5インチから、約0.6インチ、約0.8インチ、約1インチ、約1.2インチ、約1.5インチ、約1.8インチ、約2インチ、またはそれ以上の厚さを有することができる。1つまたは複数の例では、冷却プレート130は、約0.5インチから約1.5インチ、または約0.25インチから約1インチまでなどの、約0.1インチから約2インチまでの厚さを有することができる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、接着層170は、1つ、2つ、またはそれ以上のタイプのシリコーン材料であるか、または含有することができる。いくつかの例では、接着層170のシリコーン材料は、1つまたは複数のアルキルフェニルシリコーンであるか、または含むことができる。例示のアルキルフェニルシリコーンは、メチルフェニルシリコーン、エチルフェニルシリコーン、プロピルフェニルシリコーン、ブチルフェニルシリコーン、それらのポリマー、それらのエラストマ、またはそれらの任意の組み合わせであるか、または含むことができる。
【0035】
シリコーン材料は、典型的には、150ppm未満のCTEを有する。たとえば、シリコーン材料は、約30ppm、約50ppm、または約80ppmから、約100ppm、約120ppm、または約145ppmまでのCTEを有することができる。シリコーン材料は、-60℃未満のガラス転移を有することができる。たとえば、シリコーン材料は、約-100℃から約-150℃までのガラス転移を有することができる。シリコーン材料は、約0.5MPaから約5MPaまでのヤング率を有することができる。いくつかの例では、シリコーン材料は、約0.5MPa、約0.6MPa、または約0.7MPaから、約0.8MPa、約0.9MPa、または約0.95MPaまでなどの、1MPa未満のヤング率を有する。
【0036】
接着層170は、約0.3mmから約0.9mmまで、約0.4mmから約0.8mmまで、または約0.5mmから約0.7mmまでなどの、約0.1mmから約1.2mmまでの厚みを有することができる。
【0037】
いくつかの例では、接着層170は、Avantor,Inc.から市販されている商標名NuSil(登録商標)の下で、1つまたは複数のシリコーン材料を含有する。例示のNuSil(登録商標)シリコーンは、シリコーンエラストマを含有し、約0℃から約-140℃までの温度での印加に有用な、NuSil(登録商標)R3-2160二液型接着剤/シーラントと、約0℃から約-115℃までの温度での印加に有用な、NuSil(登録商標)R-2655およびNuSil(登録商標)R2560二液型シリコーンと、約0℃から約-115℃までの温度での印加に有用な、NuSil(登録商標)R-2949熱伝導性二液型接着剤と、約0℃から約-140℃までの温度での印加に有用な、NuSil(登録商標)R-2634導電性シリコーン接着剤とのうちの、1つまたは複数とすることができるか、またはこれらを含むことができる。
【0038】
図3は、本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、別の静電チャック(ESC)アセンブリ300の断面概略側面図を示す。1つまたは複数の実施形態では、ESCアセンブリ300は、ESC180、アルミニウム合金を含有する冷却プレート130、を含み、アルミニウム合金は、アルミニウムおよびシリコンを含有し、22ppm未満のCTEを有する。接着フィルム302が、ESC180と冷却プレート130との間に配設される。接着フィルム302は、1つまたは複数のシリコーン材料を含有する接着層170を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、接着フィルム302はさらに、接着層170と冷却プレート130との間に配設される二次金属層160を含む。二次金属層160は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、および、それらの任意の組み合わせから選択された金属を含有する。1つまたは複数の例では、例示の鉄ニッケルコバルト合金は、KOVAR(登録商標)合金とすることができ、約53.4wt%の鉄、約29wt%のニッケル、約17wt%のコバルト、約0.2%のシリコン、約0.3%のマンガン、約0.01%未満の炭素を有することができる。
【0040】
二次金属層160は、金属モリブデン、モリブデン合金、金属タングステン、タングステン合金、金属クロム、またはクロム合金を含有する。二次金属層160は、約5mmから約10mmまでなどの、約3mmから約12mmまでの厚さを有することができる。二次金属層160は、約3ppmから約8ppmまでなどの、12ppm未満のCTEを有することができる。
【0041】
1つまたは複数の実施形態では、接着フィルム302はさらに、二次金属層160と冷却プレート130との間に配設されたインジウム含有層150を含有する。インジウム含有層150は、金属インジウムまたはインジウム合金を含有する。インジウム含有層は、約200μmから約500μmまで、約250μmから約450μmまで、または、約300μmから約400μmまでなどの、約100μmから約1,000μmまでの厚さを有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、ESCアセンブリ300は、ESC180と、アルミニウム合金を含有する冷却プレート130であって、アルミニウム合金はアルミニウムおよびシリコンを含有し22ppm未満のCTEを有する、冷却プレート130と、ESC180と冷却プレート130との間に配設された接着フィルム302と、を含む。1つまたは複数の例では、接着フィルム302は1つまたは複数のシリコーン材料を含有する接着層170と、インジウム含有層150と、接着層170とインジウム含有層150との間に配設された二次金属層160とを含有する。二次金属層160は、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金とすることができるか、またはそれらを含むことができる。
【0043】
図4は、本明細書で説明および考察される1つまたは複数の実施形態に従った、冷却プレート400の断面概略斜視図を示す。1つまたは複数の実施形態では、図1図3に示された冷却プレート130は、本明細書で説明および考察される冷却プレート400と置き換えるかまたは置換されるものとして使用可能である。いくつかの実施形態では、冷却プレート400は1本、2本、またはそれ以上の内部チャネル402、1本、2本、またはそれ以上のチャネル404、および1本、2本、またはそれ以上の通路406を含有する、本体410を有する。図4に示される冷却プレート400は1本のチャネル402、2本のチャネル404、および4本の通路406を示すが、冷却プレート400は、それぞれ異なる量の、チャネル402、チャネル404、および通路406を含有し得る。たとえば、図には示されていないが、冷却プレート400は、1~3本のチャネル402、1~4本のチャネル404、および/または、1~100本の通路406を有することができる。1つまたは複数の構成では、内部チャネル402の各々は、冷却流体または熱伝達流体に結合および流体連結され、チャネル404の各々は、処理ガス(たとえば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、二窒素、またはそれらの組み合わせ)に結合および流体連結され、また通路406は、それぞれのチャネル404に結合および流体連結される。
【0044】
冷却プレート400は、少なくとも第1の層412および第2の層414を含む中間シートまたは層のスタックを含有する本体410を有し、第1の層412および第2の層414の各々は、互いに異なる金属を独立に含有し、各金属は異なるCTEを有する。1つまたは複数の実施形態では、第1の層412は、銅、インジウム、マグネシウム、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせから選択された、1つまたは複数の金属とすることができるか、またはそれらを含むことが可能であり、第2の層414は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、1つまたは複数の鉄ニッケルコバルト合金(上記で説明および考察されたKOVAR(登録商標)合金)、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせから選択された、1つまたは複数の金属とすることができるか、またはそれらを含むことが可能である。
【0045】
他の実施形態では、冷却プレート400は、第1の層412および第2の層414を含有する交代層のスタックを含み、第1の層412はアルミニウム合金を含有し、第2の層414はモリブデンを含有する。1つまたは複数の例では、アルミニウム合金は、約5at%から約40at%まで、約8at%から約20at%まで、または約10at%から約18at%までの、シリコンを含有する。
【0046】
図4は、5つの第1の層412および5つの第2の層414を伴う冷却プレート400を示すが、冷却プレート400は、各々が様々な異なる量の第1の層412および第2の層414を有することができる。冷却プレート400は、第1の層412および第2の層414の各々について、1、2、3、4、5、8、10、15、18、19、または20から、22、約25、約30、約50、約80、または約100までの、層を有することができる。たとえば、冷却プレート400は、約5つの第1の層412から約50の第1の層412まで、および、約5つの第2の層414から約50の第2の層414までを含有する、(第1の層412および第2の層414の)スタックを有することができる。他の例では、スタックは、約12個の第1の層412から約30個の第1の層412まで、および、約12個の第2の層414から約30個の第2の層414までを、含有する。
【0047】
第1の層412は、約0.2mmから約0.5mmまでなどの、約0.1mmから約1mmまでの厚さを有することができる。第2の層414は、約0.8mmから約1.2mmまでなどの、約0.5mmから約2.5mmまでの厚さを有することができる。(第1の層412および第2の層414の)スタック、および/または、冷却プレート400は、約15mmから約25mmまでなどの、約8mmから約35mmまでの厚さを有することができる。いくつかの例では、第1の層412および第2の層414は、インターフェースにおいてそれらを密閉的にきっちりと接合または接着するために、炉内の熱を用いて、または、熱および圧力の印加によって、共に接合または他の方法で接着される。
【0048】
本開示の実施形態はさらに、限定ではなく例として、下記の例1~46のうちの任意の1つまたは複数に関する。
【0049】
例1.底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、頂面を有する冷却プレートであって、22パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の熱膨張係数(CTE)を有するアルミニウム合金を含む、冷却プレートと、静電チャックの底面および冷却プレートの頂面を固定する接着層であって、シリコーン材料を含む、接着層と、を備える、静電チャックアセンブリ。
【0050】
例2.底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、アルミニウム合金を含む冷却プレートであって、アルミニウム合金はアルミニウムおよびシリコンを含み、22ppm未満のCTEを有する、冷却プレートと、静電チャックと冷却プレートとの間に配設された接着フィルムであって、シリコーン材料を含む接着層を備える、接着フィルムと、を備える、静電チャックアセンブリ。
【0051】
例3.底面の反対側のワークピース支持面を有する静電チャックと、アルミニウム合金を含む冷却プレートであって、アルミニウム合金はアルミニウムおよびシリコンを備え、22ppm未満のCTEを有する、冷却プレートと、静電チャックと冷却プレートとの間に配設された接着フィルムと、を備え、接着フィルムは、シリコーン材料を含む接着層、インジウム含有層、および、接着層とインジウム含有層との間に配設された二次金属層を備え、二次金属層は、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金を含む、静電チャックアセンブリ。
【0052】
例4.例1~3のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、約80原子百分率(at%)から約90at%までのアルミニウム、および、約5at%から約20at%までのシリコンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0053】
例5.例1~4のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、アルミニウムと、シリコンと、モリブデン、タングステン、クロム、およびそれらの合金からなるグループから選択された少なくとも1つの金属とを含む、静電チャックアセンブリ。
【0054】
例6.例1~5のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、約30at%から約60at%までのアルミニウム、約30at%から約60at%までのモリブデン、および、約5at%から約30at%までのシリコンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0055】
例7.例1~6のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、20ppm未満の熱膨張係数を有する、静電チャックアセンブリ。
【0056】
例8.例1~7のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、18ppm未満のCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0057】
例9.例1~8のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、約4ppmから約16ppmまでのCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0058】
例10.例1~9のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、冷却プレートは、約0.1インチから約2インチまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0059】
例11.例1~10のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、冷却プレートは、約0.25インチから約1インチまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0060】
例12.例1~11のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、冷却プレートは、少なくとも第1の層および第2の層を備える中間シートまたは層のスタックを備え、第1の層および第2の層の各々は、互いに異なる金属を独立に含有し、各金属は異なるCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0061】
例13.例1~12のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、第1の層は、銅、インジウム、マグネシウム、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせからなるグループから選択された、1つまたは複数の金属を備え、第2の層は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、およびそれらの任意の組み合わせからなるグループから選択された、1つまたは複数の金属を含む、静電チャックアセンブリ。
【0062】
例14.例1~13のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、冷却プレートは、第1の層および第2の層を備える交代層のスタックを備え、第1の層はアルミニウム合金を備え、第2の層はモリブデンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0063】
例15.例1~14のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、約5at%から約40at%までのシリコンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0064】
例16.例1~15のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、アルミニウム合金は、約8at%から約20at%までのシリコンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0065】
例17.例1~16のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、スタックは、約5つの第1の層から約50の第1の層まで、および、約5つの第2の層から約50の第2の層までを備える、静電チャックアセンブリ。
【0066】
例18.例1~17のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、スタックは、約12の第1の層から約30の第1の層まで、および、約12の第2の層から約30の第2の層までを備える、静電チャックアセンブリ。
【0067】
例19.例1~18のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、第1の層は約0.1mmから約1mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0068】
例20.例1~19のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、第1の層は約0.2mmから約0.5mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0069】
例21.例1~20のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、第2の層は約0.5mmから約2.5mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0070】
例22.例1~21のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、第2の層は約0.8mmから約1.2mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0071】
例23.例1~22のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、スタックは約8mmから約35mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0072】
例24.例1~23のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、冷却プレートは内部に形成された複数のチャネルを備える、静電チャックアセンブリ。
【0073】
例25.例1~24のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、接着層は約0.1mmから約1.2mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0074】
例26.例1~25のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、接着層は約0.3mmから約0.9mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0075】
例27.例1~26のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、接着層のシリコーン材料はアルキルフェニルシリコーンを含む、静電チャックアセンブリ。
【0076】
例28.例1~27のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、シリコーン材料は150ppm未満のCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0077】
例29.例1~28のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、シリコーン材料は-60℃未満のガラス転移を有する、静電チャックアセンブリ。
【0078】
例30.例1~29のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、シリコーン材料は約-100℃から約-150℃までのガラス転移を有する、静電チャックアセンブリ。
【0079】
例31.例1~30のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、シリコーン材料は約0.5MPaから約5MPaまでのヤング率を有する、静電チャックアセンブリ。
【0080】
例32.例1~31のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、シリコーン材料は1MPa未満のヤング率を有する、静電チャックアセンブリ。
【0081】
例33.例1~32のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、静電チャックはアルミナ、窒化アルミニウム、またはそれらのドーパントを含む、静電チャックアセンブリ。
【0082】
例34.例1~33のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、静電チャックは15ppm未満のCTEを有する材料を含む、静電チャックアセンブリ。
【0083】
例35.例1~34のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、静電チャックは約5ppmから約10ppmまでのCTEを有する材料を含む、静電チャックアセンブリ。
【0084】
例36.例1~35のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、静電チャックは内部に配設された約50の加熱器から約200までの加熱器を備え、各加熱器は、それぞれのゾーン内の温度を独立に制御可能であり得る、静電チャックアセンブリ。
【0085】
例37.例1~36のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、接着フィルムはさらに、接着フィルムと冷却プレートとの間に配設される二次金属層を備え、二次金属層は、モリブデン、タングステン、クロム、鉄、ニッケル、チタン、ジルコニウム、鉄ニッケルコバルト合金、それらの合金、および、それらの任意の組み合わせからなるグループから選択された金属を含む、静電チャックアセンブリ。
【0086】
例38.例1~37のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、二次金属層は、金属モリブデン、モリブデン合金、金属タングステン、タングステン合金、金属クロム、またはクロム合金を含む、静電チャックアセンブリ。
【0087】
例39.例1~38のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、二次金属層は約3mmから約12mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0088】
例40.例1~39のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、二次金属層は約5mmから約10mmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0089】
例41.例1~40のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、二次金属層は12ppm未満のCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0090】
例42.例1~41のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、二次金属層は約3ppmから約8ppmまでのCTEを有する、静電チャックアセンブリ。
【0091】
例43.例1~42のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、接着フィルムはさらに、二次金属層と冷却プレートとの間に配設されたインジウム含有層を備える、静電チャックアセンブリ。
【0092】
例44.例1~43のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、インジウム含有層は、金属インジウムまたはインジウム合金を含む、静電チャックアセンブリ。
【0093】
例45.例1~44のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、インジウム含有層は、約100μmから約1,000μmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0094】
例46.例1~45のいずれか一例に記載の静電チャックアセンブリであって、インジウム含有層は、約200μmから約500μmまでの厚さを有する、静電チャックアセンブリ。
【0095】
前述の内容は、本開示の実施形態を対象にしているが、それらの基本範囲を逸脱することなく、その他およびさらなる実施形態が考案され得、それらの範囲は下記の特許請求の範囲によって決定される。本書に矛盾しない範囲の任意の優先文献および/または試験手順を含む、本明細書に記載のすべての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。前述の概要および特定の実施形態から明らかなように、これまで本開示の形式を図示および説明してきたが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な改変が実行可能である。したがって、本開示はそれらの形式によって限定されることは意図されない。同様に「備える/含む(comprising)」という用語は、合衆国法の目的上、「含む(including)」という用語と同義であると見なされる。同様に、組成、要素、または要素のグループが移行句「備える/含む(comprising)」に先行する場合は必ず、組成、要素、または複数の要素の記述に先行する、またはその逆の、移行句「本来~からなる」、「からなる」、「からなるグループから選択される」、または「である」を伴う、同じ組成、または要素のグループが企図されることが理解されよう。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、公称値から+/-10%の変動を指す。こうした変動は、本明細書で提供されるいずれの値にも含まれる可能性があることが理解されよう。
【0096】
特定の実施形態および特徴を、数値の上限のセットおよび数値の下限のセットを使用して説明してきた。特に記載のない限り、任意の2つの値の組み合わせ、たとえば、任意の下限値と任意の上限値との組み合わせ、任意の2つの下限値の組み合わせ、および/または、任意の2つの上限値の組み合わせを含む範囲が企図されることを理解されたい。特定の下限、上限、および範囲は、下記の1つまたは複数の特許請求の範囲内に示される。
図1
図2
図3
図4