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特許7611795測定装置、測定方法、イオン感応半導体デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】測定装置、測定方法、イオン感応半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20241227BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
G01N27/414 301X
G01N27/414 301V
G01N27/416 353Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021160096
(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公開番号】P2023049992
(43)【公開日】2023-04-10
【審査請求日】2024-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖原 将生
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-122775(JP,A)
【文献】特表2001-511245(JP,A)
【文献】特表2017-505443(JP,A)
【文献】国際公開第2019/230917(WO,A1)
【文献】特開2021-105564(JP,A)
【文献】特開2005-300237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0330941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特性値が測定されるべき媒体に接触可能に配置された第1イオン感応半導体素子と、
前記媒体に接触可能に配置された第2イオン感応半導体素子と、
前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子との間で前記媒体が位置し当該媒体に接触可能に配置された参照電極と、
前記第1イオン感応半導体素子からの第1信号及び前記第2イオン感応半導体素子からの第2信号を受けると共にセンサ信号を生成する信号入力部と、
前記信号入力部に結合されており前記センサ信号を処理する信号処理部と、
前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の経時的変動に係る第1データを格納し、前記信号処理部と相互に通信可能に結合されたメモリと、
を含み、
前記信号処理部は、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の積算通電時間及び前記第1データを用いて前記センサ信号を処理して、前記媒体の前記特性値のための出力信号を生成し、
前記第1イオン感応半導体素子の第1感応膜は、第1材料を含み、
前記第2イオン感応半導体素子の第2感応膜は、第2材料を含み、
前記第1材料は、前記第2材料と異なる、
測定装置。
【請求項2】
前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子に通電している通電時間を測定するタイマを更に含み、
前記信号処理部は、前記通電時間に基づき前記積算通電時間を更新し、
前記メモリは、前記信号処理部からの更新された積算通電時間を格納する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の温度をモニタするための温度センサを更に含み、
前記温度センサは、前記温度を示す温度信号を生成し、
前記メモリは、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の前記経時的変動の、温度に対する変化に係る第2データを格納しており、
前記信号処理部は、前記第2データ及び前記温度信号を用いて前記センサ信号を処理して、前記出力信号を生成する、
請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記特性値は、前記媒体の水素イオン濃度を含み、
前記第1イオン感応半導体素子の前記第1感応膜は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含み、
前記第2イオン感応半導体素子の前記第2感応膜は、前記第1感応膜と異なるように、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含む、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
媒体の特性を測定する測定方法であって、
第1材料の第1感応膜を有する第1イオン感応半導体素子、及び前記第1材料と異なる第2材料の第2感応膜を有する第2イオン感応半導体素子を含むイオン感応半導体デバイスを、特性値が測定されるべき媒体に接触させることと、
前記イオン感応半導体デバイスとの間で前記媒体が位置するように当該媒体に接触させた参照電極に通電することと、
前記参照電極に通電すると共に前記イオン感応半導体デバイスを前記媒体に接触させた後に、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子から前記媒体に係るセンサ信号を得ることと、
前記特性値のための出力信号を生成するように、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の経時的変動に係る第1データ、及び前記イオン感応半導体デバイスの積算通電時間に基づき前記センサ信号を処理すること、
を含む、測定方法。
【請求項6】
前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の通電時間を測定すると共に、前記通電時間を用いて前記積算通電時間を更新すること、
前記積算通電時間をメモリに格納することと、
を更に含む、
請求項5に記載の測定方法。
【請求項7】
前記イオン感応半導体デバイスの温度を検知して、温度信号を生成すること、
を更に含み、
センサ信号を得ることは、前記経時的変動における温度変化に係る第2データ、及び前記温度信号を更に用いて前記センサ信号を処理して、前記出力信号を生成することを含む、
請求項5又は請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
第1導電型の半導体領域を有する基板と、
第1センサ窓及び第2センサ窓を有し、前記基板の上に設けられた絶縁膜と、
前記半導体領域の第1部分と前記第1センサ窓との間に設けられ第1材料を含む第1感応膜と、
前記半導体領域に設けられ前記第1導電型と異なる第2導電型の第1ソース領域と、
前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第1ドレイン領域と、
前記半導体領域の第2部分と前記第2センサ窓との間に設けられ第2材料を含む第2感応膜と、
前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第2ソース領域と、
前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第2ドレイン領域と、
を含み、
前記第1センサ窓は、前記第1感応膜に到達し、
前記第2センサ窓は、前記第2感応膜に到達し、
前記半導体領域の前記第1部分は、前記第1ソース領域と前記第1ドレイン領域との間にあり、
前記半導体領域の前記第2部分は、前記第2ソース領域と前記第2ドレイン領域との間にあり、
前記第1感応膜の前記第1材料は、前記第2感応膜の前記第2材料と異なる、
イオン感応半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置、測定方法、及びイオン半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気化学センサを開示する。電気化学センサは、電界効果トランジスタを備えるセンサ部を含む。電気化学センサは、センサ部で測定された特性値とセンサ部の特性値の目標値を比較する比較回路と、比較の結果から電荷蓄積膜に電荷を注入する電圧条件を算出する回路と、この回路で算出された条件の電圧をセンサ部に印加するよう制御する制御回路を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-180711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イオン感応半導体素子、例えば、特許文献1のイオン感応性電界効果トランジスタでは、その感応膜がpH測定のための水溶液に浸けられていると、イオン感応半導体素子の出力電圧が変動していく。
【0005】
具体的には、イオン感応半導体素子は、例えば土壌又は水溶液といった媒体の常時モニタリングのために長い時間にわたって連続的に使用されることがある。この場合には、イオン感応半導体素子、具体的には、pHセンサの出力にドリフトが現れる。このドリフトによって、pHセンサの測定精度が悪くなる。
【0006】
pHセンサの出力ドリフトは、また、媒体の特性値の測定毎にキャリブレーションのための追加測定を行うことによって除去され又は低減されることができる。しかしながら、この追加測定は、特性値測定に要する時間に加えて更なる測定時間を必要として、また、この追加時間は、特性値の測定回数に従って累積される。
【0007】
本発明は、特性値の測定毎の追加測定を回避できる測定装置、測定方法、イオン感応半導体デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る測定装置は、特性値が測定されるべき媒体に接触可能に配置された第1イオン感応半導体素子と、前記媒体に接触可能に配置された第2イオン感応半導体素子と、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子との間で前記媒体が位置し当該媒体に接触可能に配置された参照電極と、前記第1イオン感応半導体素子からの第1信号及び前記第2イオン感応半導体素子からの第2信号を受けると共にセンサ信号を生成する信号入力部と、前記信号入力部に結合されており前記センサ信号を処理する信号処理部と、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の経時的変動に係る第1データを格納し、前記信号処理部と相互に通信可能に結合されたメモリと、を含み、前記信号処理部は、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の積算通電時間及び前記第1データを用いて前記センサ信号を処理して、前記媒体の前記特性値のための出力信号を生成し、前記第1イオン感応半導体素子の第1感応膜は、第1材料を含み、前記第2イオン感応半導体素子の第2感応膜は、第2材料を含み、前記第1材料は、前記第2材料と異なる。
【0009】
この測定装置によれば、第1感応膜を有する第1イオン感応半導体素子及び第2感応膜を有する第2イオン感応半導体素子は異なる経時的変化を示す。この経時的変化の違いを表す第1データに基づいて、信号処理部は、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子からのセンサ信号を処理する。この処理により、信号処理部は、媒体のイオンに係る特性値(例えば、pH)のための出力信号を生成できる。第1データ、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子を用いると、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子の経時的変化の影響が出力信号において低減されている。また、測定装置は、経時的変化の補償をするために媒体の特性値の測定毎に行う測定を回避可能である。
【0010】
本発明の第1態様に係る測定装置は、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子に通電している通電時間を測定するタイマを更に含み、前記信号処理部は、前記通電時間に基づき前記積算通電時間を更新し、前記メモリは、前記信号処理部からの更新された積算通電時間を格納する。
【0011】
この測定装置によれば、測定装置内のタイマの通電時間は、例えば、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子の通電終了毎に更新される。メモリは、更新された積算通電時間を格納する。
【0012】
本発明の第1態様に係る測定装置は、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の温度をモニタするための温度センサを更に含み、前記温度センサは、前記温度を示す温度信号を生成し、前記メモリは、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の前記経時的変動の、温度に対する変化に係る第2データを格納しており、前記信号処理部は、前記第2データ及び前記温度信号を用いて前記センサ信号を処理して、前記出力信号を生成する。
【0013】
この測定装置によれば、第1感応膜の第1イオン感応半導体素子及び第2感応膜の第2イオン感応半導体素子の経時的変動は、温度依存性を示す。この温度依存性を表す第2データに基づき、信号処理部は、センサ信号を処理する。この処理により、信号処理部は、媒体の特性値のための出力信号を生成でき、この出力信号において、温度に対する経時的変動の影響が低減される。
【0014】
本発明の第1態様に係る測定装置では、前記特性値は、前記媒体の水素イオン濃度(pH)を含み、前記第1イオン感応半導体素子の前記第1感応膜は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含み、前記第2イオン感応半導体素子の前記第2感応膜は、前記第1感応膜と異なるように、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含む。
【0015】
この測定装置によれば、第1イオン感応半導体素子は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含む第1感応膜を有する。また、第2イオン感応半導体素子は、第1感応膜と異なるように、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アルミニウム酸化物、及びタンタル酸化物の少なくとも1つを含む第2感応膜を有する。これらの材料の組み合わせによれば、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子に、明確な経時的変動の差を生じさせる。
【0016】
本発明の第2態様に係る媒体の特性を測定する測定方法は、第1材料の第1感応膜を有する第1イオン感応半導体素子、及び前記第1材料と異なる第2材料の第2感応膜を有する第2イオン感応半導体素子を含むイオン感応半導体デバイスを、特性値が測定されるべき媒体に接触させることと、前記イオン感応半導体デバイスとの間で前記媒体が位置するように当該媒体に接触させた参照電極に通電することと、前記参照電極に通電すると共に前記イオン感応半導体デバイスを前記媒体に接触させた後に、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子から前記媒体に係るセンサ信号を得ることと、前記特性値のための出力信号を生成するように、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の経時的変動に係る第1データ、及び前記イオン感応半導体デバイスの積算通電時間に基づき前記センサ信号を処理すること、を含む。
【0017】
この測定方法によれば、第1感応膜の第1イオン感応半導体素子及び第2感応膜の第2イオン感応半導体素子が異なる経時的変動を示す。この経時的変動の違いを表す第1データに基づき、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子からのセンサ信号が、媒体の特性値(例えば、pH)に係る出力信号を生成するように処理される。この処理により、媒体の特性値のための信号を生成でき、この信号では経時的変動の影響を低減できる。また、測定方法は、経時的変化の補償をするために媒体の特性値の測定毎に行う測定を回避可能である。
【0018】
本発明の第2態様に係る方法は、前記第1イオン感応半導体素子及び前記第2イオン感応半導体素子の通電時間を測定すると共に、前記通電時間を用いて前記積算通電時間を更新すること、前記積算通電時間をメモリに格納することと、を更に含む。
【0019】
この測定方法によれば、イオン感応半導体デバイスの測定された通電時間の積算値は、例えば、第1イオン感応半導体素子及び第2イオン感応半導体素子の通電終了毎に更新される。
【0020】
本発明の第2態様に係る方法は、前記イオン感応半導体デバイスの温度を検知して、温度信号を生成することを更に含み、センサ信号を得ることは、前記経時的変動における温度変化に係る第2データ、及び前記温度信号を更に用いて前記センサ信号を処理して、前記出力信号を生成することを含む。
【0021】
この測定方法によれば、第1感応膜の第1イオン感応半導体素子及び第2感応膜の第2イオン感応半導体素子の経時的変動は、温度依存性を示す。この温度依存性を示す第2データを追加的に用いて、媒体の特性値のための出力信号を生成するようにセンサ信号を処理する。この処理により、媒体の特性値(例えば、pH)のための信号を生成でき、この信号では経時的変動おける温度依存性の影響を低減できる。
【0022】
本発明の第3態様に係るイオン感応半導体デバイスは、第1導電型の半導体領域を有する基板と、第1センサ窓及び第2センサ窓を有し、前記基板の上に設けられた絶縁膜と、前記半導体領域の第1部分と前記第1センサ窓との間に設けられ第1材料を含む第1感応膜と、前記半導体領域に設けられ前記第1導電型と異なる第2導電型の第1ソース領域と、前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第1ドレイン領域と、前記半導体領域の第2部分と前記第2センサ窓との間に設けられ第2材料を含む第2感応膜と、前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第2ソース領域と、前記半導体領域に設けられた前記第2導電型の第2ドレイン領域と、を含み、前記第1センサ窓は、前記第1感応膜に到達し、前記第2センサ窓は、前記第2感応膜に到達し、前記半導体領域の前記第1部分は、前記第1ソース領域と前記第1ドレイン領域との間にあり、前記半導体領域の前記第2部分は、前記第2ソース領域と前記第2ドレイン領域との間にあり、前記第1感応膜の前記第1材料は、前記第2感応膜の前記第2材料と異なる。
【0023】
このイオン感応半導体デバイスによれば、同一基板上に、少なくとも2個の電界効果型のイオン感応半導体素子を設ける。これらのイオン感応半導体素子は、感応膜の材料の点で互いに異なると共に、ほぼそろった他の特性を有する。これによれば、感応膜の違いに起因する経時的変化の違いを際立たせることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、特性値測定毎の追加測定を回避できる測定装置、測定方法、イオン感応半導体デバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本実施の形態に係る測定装置を概略的に示す図面である。
図2図2は、本実施の形態に係るイオン感応半導体デバイスを模式的に示す図面である。
図3図3は、図2に示されたIII-III線に沿って取られた断面を模式的に示す図面である。
図4図4は、本実施の形態に係る測定方法の例示的なステップを示す図面である。
図5図5は、イオン感応半導体素子の経時的変動を示すグラフである。
図6図6は、イオン感応半導体素子の経時的変動の温度依存性を示すグラフである。
図7図7は、図6の温度特性のアウレニウスプロットを示すグラフである。
図8図8は、図1に示された処理部のハードウェア構成の一例を示す図面である。
図9図9は、本発明の一実施の形態に係るイオン感応半導体デバイスを模式的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して、重複的な説明を省略する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係る測定装置の例示を概略的に示す図面である。
【0028】
測定装置11は、イオン感応半導体デバイス13、参照電極15、信号入力部17、信号処理部19、及びメモリ21を備える。
【0029】
イオン感応半導体デバイス13は、第1イオン感応半導体素子25、及び第2イオン感応半導体素子27を含む。具体的には、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の各々は、電界効果型の構造を有する。イオン感応半導体デバイス13は、具体的には第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27は、特性値が測定されるべき媒体100に接触可能に配置される。特性値は、媒体100の水素イオン濃度(pH)であることができる。第1イオン感応半導体素子25は、第1材料を含む第1感応膜25aを有し、また第2イオン感応半導体素子27は、第2材料を含む第2感応膜27aを有する。第1材料は、第2材料と異なる。
【0030】
参照電極15が第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27のために設けられている。参照電極15も、媒体100に接触可能に配置される。
【0031】
信号入力部17は、第1イオン感応半導体素子25からの第1信号S1及び第2イオン感応半導体素子27からの第2信号S2を受けると共に、センサ信号SSENを生成する。信号処理部19は、信号入力部17に結合されておりセンサ信号SSENを処理する。メモリ21は、信号処理部19と相互に通信可能な結合される。メモリ21は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27それぞれの経時的変動に係る第1データ21aを格納する。
【0032】
信号処理部19は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の第1データ21a及び積算通電時間21bを用いてセンサ信号SSENを処理して、媒体100の特性値のための出力信号SOUTを出力46に生成する。
【0033】
測定装置11によれば、第1感応膜25aを有する第1イオン感応半導体素子25及び第2感応膜27aを有する第2イオン感応半導体素子27は、互いに異なる経時的変化を示す。この経時変化の違いを表す第1データ21aに基づき、信号処理部19は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27からのセンサ信号SSENを処理する。この処理により、信号処理部19は、媒体100のイオンに係る特性値(例えば、pH)のための出力信号SOUTを生成できる。第1データ21a、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を用いると、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の経時的変化の影響が出力信号SOUTにおいて低減される。また、測定装置11は、経時的変化を補償するために媒体100の特性値の測定毎に行うキャリブレーション測定を回避できる。さらに、測定装置11は、長期間キャリブレーション無しで媒体100の特性値を取得できる。
【0034】
信号入力部17は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の各々の一端子Sに接続される。具体的には、信号入力部17は、電流源45a、45bを含むことができ、電流源45a、45bは、それぞれ、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の一端子Sと接地線との間に接続される。電流源45a、45bは、イオン感応半導体素子(25、27)に対してバイアス電流を提供する。また、信号入力部17は、変換部47を含むことができ、変換部47は、第1信号S1及び第2信号S2のそれぞれを処理して、センサ信号SSENを生成する。変換部47は、一又は複数のA/D変換器を含むことができる。制限ではなく例示として、変換部47は、A/D変換器47a、47bを含む。第1信号S1及び第2信号S2は、それぞれのA/D変換器47a、47bによって処理されることができる。本実施例では、信号処理部19、及びメモリ21は、処理部33に含まれる。また、メモリ21は、第1データ21a及び積算通電時間21bの値(データ)を格納するそれぞれのエリアを有する。
【0035】
測定装置11は、タイマ31を更に含むことができる。タイマ31は、例えば第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27に通電している通電時間を測定することができる。信号処理部19は、通電時間に基づき積算通電時間21bを更新することができ、メモリ21は、信号処理部19からの更新された積算通電時間21bを格納することができる。
【0036】
この測定装置11によれば、処理部33内のタイマ31によって測定される通電時間は、例えば、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の通電終了の毎に更新される。メモリ21は、更新された積算通電時間21bを格納する。
【0037】
具体的には、測定装置11は、第1電源43及び第2電源44を含むことができる。第1電源43は、第1スイッチ50aを介して第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の各々の他端子Dに接続されることができる。第1スイッチ50aは、制御部41からの信号に応答して、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の他端子Dを接地線又は第1電源44に切り替える。第2電源44は、参照電圧Vrを提供しており、第2スイッチ50bを介して参照電極15に接続されることができる。第2スイッチ50bは、第1スイッチ50aと同様の構造を有することができる。
【0038】
タイマ31は、例えば第1スイッチ50aの開閉を制御する信号(制御部41が第1スイッチ50aに与える信号)に応答して、第1スイッチ50aの閉から開までの期間を特定することができる。本実施例では、第2スイッチ50bの開閉は、第1スイッチ50aの開閉と同期している。
【0039】
第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の特性は、環境温度の変化に応答して変動する。温度補償のために、測定装置11は、サーミスタ、熱電対や半導体のPNダイオードといった温度センサ29を更に含むことができる。温度センサ29は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の温度をモニタするために設けられる。このために、温度センサ29は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の近傍に配置されることができる。温度センサ29は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27のための温度モニタに基づき温度を示す温度信号STEMPを生成する。温度信号STEMPは、処理部33に提供される。
【0040】
メモリ21は、第2データ21cを格納しており、第2データ21cは、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の経時的変動が温度に対して変化することに係る補正(温度補正)に係る値を含む。
【0041】
信号処理部19は、第2データ21c及び温度信号STEMPを用いてセンサ信号SSENを処理して、温度補償された出力信号SOUTを出力46に生成する。
【0042】
測定装置11によれば、第1感応膜25aの第1イオン感応半導体素子25及び第2感応膜27aの第2イオン感応半導体素子27の経時的変動は、温度依存性を示す。この温度依存性を表す第2データ21cに基づき、信号処理部19は、センサ信号SSENを処理する。この処理により、信号処理部19は、媒体100の特性値のための出力信号SOUTを生成でき、この出力信号SOUTにおいて、経時的変動における環境温度による影響が低減されている。
【0043】
図2は、本実施の形態に係るイオン感応半導体デバイスを模式的に示す図面である。図3は、図2に示されたIII-III線に沿って取られた断面を模式的に示す図面である。
【0044】
図2を参照すると、イオン感応半導体デバイス13は、半導体チップの形態として提供され、この半導体チップが、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を含む。限定ではなく例示として、半導体チップには、温度センサ29、例えば抵抗体が、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27と一緒に集積されることができる。限定では無く例示として、イオン感応半導体デバイス13では、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27が同じ向きに並列的に配列されている。
【0045】
第1イオン感応半導体素子25の第1感応膜25aの第1材料は、シリコン酸化物(例えば、SiO)、シリコン窒化物(例えば、Si)、アルミニウム酸化物(例えば、Al)、及びタンタル酸化物(例えば、Ta)の少なくとも1種を含むことができる。第2イオン感応半導体素子27の第2感応膜27aの第2材料は、第1感応膜25aと異なるように、シリコン酸化物(例えば、SiO)、シリコン窒化物(例えば、Si)、アルミニウム酸化物(例えば、Al)、及びタンタル酸化物(例えば、Ta)の少なくとも1種を含むことができる。限定ではなく例示として、第1感応膜25aは、シリコン窒化物(例えば、Si)であることができ、第2感応膜27aは、タンタル酸化物(例えば、Ta)であることができる。
【0046】
この測定装置11によれば、これらの材料の組み合わせによれば、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27に、明確な経時的変動の差が現れる。
【0047】
図3を参照すると、図2に示された第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27のための半導体デバイス構造が示される。第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27は、同一の構造を有するので、引き続く記述では、第1イオン感応半導体素子25を説明すると共に、丸括弧内に、第2イオン感応半導体素子27のための参照符号を記す。
【0048】
イオン感応半導体デバイス13は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27のための共通の基板51を含む。基板51は、第1導電型(例えば、p型)の半導体領域を有し、例えばp型シリコン基板であることができる。基板51は、第1イオン感応半導体素子25のチャネルCHのための第1部分51a(第2イオン感応半導体素子27のチャネルCHのための第2部分51b)を含む。イオン感応半導体デバイス13は、更に、絶縁膜53、第1感応膜25a(第2感応膜27a)、第1ソース領域55a(第2ソース領域57a)、第1ドレイン領域55b(第2ドレイン領域57b)を含む。第1ソース領域55a(第2ソース領域57a)は、図1において「S」で示されており、第1ドレイン領域55b(第2ドレイン領域57b)は、図1において「D」で示されている。
【0049】
絶縁膜53は、基板51を覆っており、第1イオン感応半導体素子25のための第1センサ窓53a(第2イオン感応半導体素子27のための第2センサ窓53b)を有する。第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)が、基板51の第1部分51a(第2部分51b)上に設けられる。第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)は、絶縁膜53に設けられ第1感応膜25a(第2感応膜27a)に到達する。第1感応膜25a(第2感応膜27a)は、基板51の半導体領域の第1部分51a(第2部分51b)と第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)との間に設けられる。絶縁膜53は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物を含む。
【0050】
第1ソース領域55a(第2ソース領域57a)は、基板51に設けられた第2導電型半導体(例えば、n型半導体)を含み、第1ドレイン領域55b(第2ドレイン領域57b)は、基板51に設けられた第2導電型半導体を含む。半導体領域の第1部分51a(第2部分51b)は、第1ソース領域55a(第2ソース領域57a)と第1ドレイン領域55b(第2ドレイン領域57b)との間に位置する。
【0051】
イオン感応半導体デバイス13によれば、同一の基板51上に、少なくとも2個の電界効果型のイオン感応半導体素子25、27を設ける。一方、イオン感応半導体デバイス13内のこれらのイオン感応半導体素子25、27は、感応膜(25a、27a)の材料の点で互いに異なると共に、ほぼそろった他の特性を有する。これによれば、感応膜(25a、27a)の違いに起因する経時的変化の違いを際立たせることができる。
【0052】
限定ではなく例示として、第1センサ窓53a及び第2センサ窓53bは、基板51上の絶縁膜53内において、同じ方向に延在する。
【0053】
第1センサ窓53a及び第2センサ窓53bは、各々、絶縁膜53を貫通する貫通孔を含んでおり、基板51の半導体領域の第1部分51aにおけるチャネルCHを制御するために利用される。具体的には、図1に示される媒体100が、この貫通孔に進入して第1感応膜25a(第2感応膜27a)に接触を成す。
【0054】
参照電極15の電位及び媒体100の電気的特性に応じて、第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)の直下には、チャネルCHが形成される。第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)の直下のチャネルCHは、第1ソース領域55a(第2ソース領域57a)と第1ドレイン領域55b(第2ドレイン領域57b)とを互いに接続することができる。
【0055】
限定ではなく例示として、第1センサ窓53a(第2センサ窓53b)は、基板51の半導体領域からゲート絶縁膜によって隔てられる。本実施例では、良好なチャネルCHを得るために、第1イオン感応半導体素子25(27)のゲート絶縁膜は、第1感応膜25a(27a)とシリコン酸化膜59(例えば、熱酸化膜)とを含み、該シリコン酸化膜59が基板51の半導体領域と界面を形成する。
【0056】
イオン感応半導体デバイス13は、例えば、以下のように製造されることができる。p型シリコンウエハを準備する。複数のイオン感応半導体素子を分離するための素子分離シリコン酸化領域をp型シリコンウエハ上に形成する。素子分離シリコン酸化領域は、イオン感応半導体素子(25、27)の各々の素子エリアを規定する。熱酸化により、p型シリコンウエハの素子エリアにゲート酸化膜を形成する。一の素子エリアにおいてゲート酸化膜上に、堆積、フォトリソグラフ、及びエッチングを用いて第1感応膜(例えば、シリコン窒化膜)を形成する。別の素子エリアにおいてゲート酸化膜上に、堆積、フォトリソグラフ、及びエッチングを用いて第2感応膜(例えば、タンタル酸化膜)を形成する。これらの形成の後に、フォトリソグラフィ及びイオン注入により、n型ソース領域及びn型ドレイン領域のためのドーパントを両素子エリアに導入する。この導入の後に、シリコンウエハの全面に絶縁膜を堆積する。この絶縁膜にフォトリソグラフ、及びエッチングを用いてセンサ窓を形成する。センサ窓を形成した後に、電極形成のためのメタライズを行う。
【0057】
限定ではなく例示として、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27は、異なる半導体基板に設けられることができる。
【0058】
図4は、本実施の形態に係る測定方法の例示的なステップを示す図面である。測定方法の一例として、媒体100の特性を測定する方法が説明される。引き続く説明において、理解を容易にするために、可能な場合には、図1から図3において使用された参照符号が用いられる。
【0059】
ステップS11では、第1感応膜25aを有する第1イオン感応半導体素子25、及び第2感応膜27aを有する第2イオン感応半導体素子27が準備される。これらのイオン感応半導体素子25、27の準備は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の作製、又は作製以外の他の方法によって第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を入手することを含む。限定ではなく例示として、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27は、イオン感応半導体デバイス13内に設けられる。
【0060】
ステップS12では、特性が測定されるべき媒体100に、参照電極15、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を接触させる。例えば、容器内において参照電極15から間隔を置いて第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を配置した状態で、該容器に媒体100、例えば液体を入れる。或いは、容器内において参照電極15から間隔を置いて第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27を配置した状態で、該容器を媒体100、例えば土壌に差し込む。
【0061】
ステップS13では、イオン感応半導体デバイス13、及び参照電極15に通電する。例えば、図1に示された測定装置11においてスイッチ50a及びスイッチ50bを導通させる。
【0062】
ステップS14では、通電に応答して、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の通電時間の測定を開始する。この測定には、例えば測定装置11のタイマ31を用いることができる。
【0063】
ステップS15では、媒体100への接触及び上記の通電後に、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27から、媒体100に係るセンサ信号SSENを得る。
【0064】
具体的には、媒体100の特性に応じて、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27のそれぞれにチャネルCHが生成される。第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27は、それぞれの生成されたチャネルCHに応じた第1信号S1及び第2信号S2を提供する。第1信号S1及び第2信号S2は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27とそれぞれの電流源45a、45bとの直列接続の回路によって生成される。第1信号S1及び第2信号S2は、A/D変換部47では、例えば単一のA/D変換器によってデジタル値にシリアルに変換されることができ、或いは、A/D変換器47a、47bによってデジタル値にパラレルに変換されることができる。このように生成されたデジタル値が、センサ信号SSENとして提供される。
【0065】
ステップS16では、必要な場合には、センサ信号SSENの取得に先立って、又は取得の後に、イオン感応半導体デバイス13の温度を検知して、温度信号STEMPを生成することができる。
【0066】
ステップS17では、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の経時的変動に係る第1データ21a、及びイオン感応半導体デバイス13の積算通電時間21bをメモリ21から読み出す。読み出された第1データ21a及び積算通電時間21bに基づきセンサ信号SSENを処理して、媒体100の特性値のための出力信号SOUTを生成する。
【0067】
既に説明したように、イオン感応半導体デバイス13の検知特性は、不可避的に、使用時間に応じて変化する(つまり、経時的に変化する)。第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27からの第1信号S1及び第2信号S2の違いから第1データ21aを用いて経時的変動の量を特定できる。
【0068】
必要な場合には、センサ信号SSENの処理に際して、経時的変動における温度変化に係る第2データ21c、及び温度信号STEMPを温度補償のために用いることができる。第1データ21aに追加して、第2データ21c及び温度信号STEMPをセンサ信号SSENの処理に用いて、温度補償された出力信号SOUTを生成してもよい。
【0069】
この測定方法によれば、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の経時的変動は、温度依存性を示す。この温度依存性を示す第2データ21cを基づき、媒体100の特性値のための温度補償された出力信号SOUTを提供するようにセンサ信号SSENを処理する。この処理により、イオン感応半導体素子25、27の経時的変動及び該変動における温度依存性が、例えば媒体100のpHの測定値に影響することを低減できる。
【0070】
ステップS18では、必要な場合には、測定を繰り返すことができる。
【0071】
ステップS19では、測定が完了した場合に、イオン感応半導体デバイス13及び参照電極15への通電を切断する。例えば、図1に示された測定装置11においてスイッチ50a及びスイッチ50bを開放する。
【0072】
ステップS20では、通電の終了に応答して、ステップS14において動作を開始させたタイマ31による経時値を読み取る。測定された通電時間を用いて積算通電時間21bを更新する。この更新された積算通電時間21bをメモリ21に格納する。この測定方法によれば、イオン感応半導体デバイス13の測定された通電時間の積算値は、例えば、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の通電終了の毎に更新される。
【0073】
具体的には、この測定方法によれば、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27が異なる経時的変動を示す。この経時的変動の違いを表す第1データ21aに基づき、センサ信号SSENが、媒体100の特性値に係る出力信号SOUTを生成するように処理される。この処理により、特性値(例えば、pH)を示す出力信号を生成でき、この信号では経時的変動の影響が低減されている。また、測定方法は、経時的変動を補償するために媒体100の特性値の測定毎に行う繰り返しを回避可能である。さらに、長期間キャリブレーション無しで媒体100の特性値を取得できる。
【0074】
測定装置11は、キャリブレーション測定モード、及びキャリブレーション測定モードと異なるフィールド測定モードを含むことができる。これらのモードの切り替えは、例えば、外部からの入力に応答して制御部41によって実現される。
【0075】
フィールド測定モードは、測定装置11に、媒体100の測定を可能にする。キャリブレーション測定モードは、測定装置11に、第1データ21a及び第2データ21cのための測定を可能にすると共に、測定装置11は、標準媒体の特性値に係る測定値の信号、例えば信号SSENを外部に出力することを可能にする。
【0076】
出力された測定値から、第1データ21a及び第2データ21cのためのデータを作成することができる。このように作成され第1データ21a及び第2データ21cは、メモリ21に格納される。測定装置11は、キャリブレーション測定モードにおいて、第1データ21aの保存のためにメモリ21内の第1エリア(21a)を選択的に書き込み可能にする。この測定装置11によれば、キャリブレーション測定モード以外のモードにおいて、メモリ21内の第1エリア(21a)を意図しない書き込みから保護できる。
【0077】
測定装置11は、キャリブレーション測定モードにおいて、第2データ21cの保存のためにメモリ21内の第2エリア(21c)を選択的に書き込み可能にする。この測定装置11によれば、キャリブレーション測定モード以外のモードにおいて、メモリ21内の第2エリア(21c)を意図しない書き込みから保護できる。
【0078】
測定装置11は、フィールド測定モードにおいて、積算通電時間のデータの保存のためにメモリ21内の第3エリアを書き込み可能にする。この測定装置11によれば、フィールド測定モード以外のモードにおいて、積算通電時間のデータを保護することができる。
【0079】
図5は、イオン感応半導体素子の経時的変動を示すグラフである。第1イオン感応半導体素子25として、シリコン窒化物(Si)感応膜を有するイオン感応半導体素子が準備される。また、第2イオン感応半導体素子27として、タンタル酸化物(Ta)感応膜を有するイオン感応半導体素子が準備される。
【0080】
図5において、縦軸は、イオン感応半導体素子の出力の変動率(初期値からの変化分)を電圧値として示し、また横軸は、通電時間を示す。測定において、種類の感応膜を有するそれぞれイオン感応半導体素子は、標準媒体(例えば、摂氏40度、pH6.86)に浸漬されている。ドレイン電圧は、例えば1.0から2.5ボルトであり、参照電極の電圧は、例えば0から3ボルト程度である。
【0081】
図6は、イオン感応半導体素子の出力値の経時的変動率の温度依存性を示すグラフである。横軸は、標準媒体の温度を示し、縦軸は、イオン感応半導体素子の出力値の変動率を示す。図7は、図6の温度特性のアウレニウスプロットを示すグラフである。図6において、縦軸は、変動率を対数スケールで示し、また横軸は、標準媒体の温度の逆数を示す。
【0082】
図5を参照すると、2つの特性線GT1、GT2が描かれている。特性線GT1は、シリコン窒化物感応膜のイオン感応半導体素子の特性を示し、特性線GT2は、タンタル酸化物感応膜のイオン感応半導体素子の特性を示す。
【0083】
実施例に係るイオン感応半導体素子の特性は、限定ではなく例示として時間tの多項式として近似されることができる。
【0084】
例えば、一次の近似式は、以下のものである。
特性1:Vsa(t)=Vsa0+[pH]×Sa+t×Dsa・・・(1)
特性2:Vsb(t)=Vsb0+[pH]×Sb+t×Dsb・・・(2)
Vsa及びVsb:測定において得られる値。
t:積算通電時間。
[pH]:水素イオン濃度。
Ss及びSb:水素イオン濃度に係る係数。
Dsa及びDsb:時間当たりの経時的変動の係数。
Vsa0及びVsb0:時間及び水素イオン濃度に依存しない項(定数項)。
【0085】
特性1の初期値:Vsa(t=0)=Vsa0+[pH]×Sa
特性2の初期値:Vsb(t=0)=Vsb0+[pH]×Sb
【0086】
図5のグラフは、特性線GT1、GT2は、以下の式の時間に係る係数により表される。
特性線GT1:△Vsa(t)=Vsa(t)-Vsa(t=0)=t×Dsa
特性線GT2:△Vsb(t)=Vsb(t)-Vsb(t=0)=t×Dsb
【0087】
キャリブレーションの際には[pH]が既知であるので、測定値Vsa及びVsbの時間依存性に基づき、水素イオン濃度に対する係数Ss及びSb、経時的変動の係数Dsa及びDsb、並びに定数項Vsa0及びVsb0を特定できる。また、温度依存性の主要部分は、経時的変動の係数Dsa及びDsbにある。
【0088】
経時的変動の電圧差△V(t)、つまり時間に対する変動率は、特性線GT1と特性線GT2との差分を示す。ここで、一般性を失うことなく、△Vsa(t)>△Vsb(t)を仮定できる。
【0089】
△V(t)=△Vsa(t)-△Vsb(t)
=t×(Dsa-Dsb)
図1を参照すると、測定装置11では、信号入力部17は、経時的変動を表す式(1)及び(2)によって近似可能な信号S1、S2を受ける。具体的には、当該時間tにおいて測定値S1及びS2は、以下のように表される。
測定値1:S1(t)=Vsa0+[pH]×Sa+t×Dsa
測定値2:S2(t)=Vsb0+[pH]×Sb+t×Dsb
(S1(t)-S2(t))=(Vsa0-Vsb0)
+[pH]×(Sa-Sb)
+t×(Dsa-Dsb)
【0090】
水素イオン濃度[pH]は、以下の式によって表される。
[pH]=((S1-S2)-(Vsa0-Vsb0)-t×(Dsa-Dsb))/(Sa-Sb)・・・(3)
【0091】
(第1データ21aの例示1)
限定ではなく例示として、メモリ21は、水素イオン濃度に対する係数(Ss及びSb)、経時的変動の係数(Dsa及びDsb)、及び定数項(Vsa0及びVsb0)を含む第1データ21aを格納することができる。
【0092】
信号処理部19は、第1データ21a及び積算通電時間21bを用いて、近似式(3)に従って特性値(例えば、pH)を計算できる。
【0093】
(第1データ21aの例示2)
限定ではなく例示として、メモリ21は、水素イオン濃度に対する係数(Sa-Sb)、経時的変動の係数(Dsa-Dsb)、及び定数項(Vsa0-Vsb0)を含む第1データ21aを格納することができる。
【0094】
信号処理部19は、第1データ21a及び積算通電時間21bを用いて、近似式(3)に従って特性値(例えば、pH)を計算する。
【0095】
(第1データ21aの例示3)
限定ではなく例示として、メモリ21は、複数の時間(t1、t2、・・・tn)と、これらの時間に関連付けられた値(△V(t1)、△V(t2)、・・・△V(tn))を含むテーブル、及び定数項(Vsa0-Vsb0)を格納することができる。
【0096】
信号処理部19は、当該測定における積算通電時間21bに最も近い時間をテーブルの時間(t1、t2、・・・tn)から特定すると共に、最も近い時間における測定値(Vsa及びVsb)並びに定数項(Vsa0-Vsb0)を用いて、近似式(3)に従って特性値(例えば、pH)を計算する。
【0097】
第1データ21aは、上記の例示に限定されるものではなく、特性線GT1及びGT2(又は特性1及び特性2)が示す傾向を表す任意の数値を含むことができる。例えば、第1データ21aは、特性1及び特性2の近似式を特定するために用いられた生の測定値のテーブルを排除しない。
【0098】
イオン感応半導体素子の特性の近似式は、時間の多項式に限定されることなく、例えば時間tの超越関数を含むことができ、或いは、時間tの多項式及び時間tの超越関数の両方を含むことができる。
【0099】
第2データ21cは、アウレニウスプロットに従う特性1及び特性2の活性化エネルギーのための値を含むことができる。信号処理部19は、第2データ21c及び温度信号STEMPを用いてセンサ信号SSENを処理して、センサ信号SSENの温度補償を行う。
【0100】
第2データ21cは、上記の例示に限定されるものではなく、特性線GT1及びGT2(又は特性1及び特性2)が示す温度に係る傾向を表す任意の数値を含むことができる。更には、第2データ21cは、特性線GT1及びGT2(又は特性1及び特性2)が示す温度依存性の生の測定値のテーブルを排除しない。
【0101】
図8は、図1に示された処理部のハードウェア構成の一例を示す図面である。処理部33は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、プロセッサ(Central Processing Unit:CPU)401、一時記憶領域としての主記憶装置402、不揮発性の補助記憶装置403、外部からの信号を受け付けるインターフェース部(I/F部)404、制御信号を出力する出力部405を含む。CPU401、主記憶装置402、補助記憶装置403、インターフェース部404及び出力部405は、それぞれ、バス406に接続されている。補助記憶装置403には、測定装置11における測定処理の手順を記述した測定プログラム407が格納されている。処理部33は、例えば、CPU401が第1プログラム407aを実行することによってキャリブレーション測定モードを提供すると共にCPU401が第2プログラム407bを実行することによってフィールド測定モードを提供することを可能にする。プロセッサ401の主要な動作を以下に示す。
【0102】
プロセッサ401は、イオン感応半導体デバイス13、及び参照電極15の通電のためにスイッチ50a及びスイッチ50bの開閉を制御するように構成されることができる。
【0103】
プロセッサ401は、通電の制御に応答して、タイマ31を用いて第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の通電時間の測定を開始するように構成されることができる。
【0104】
プロセッサ401は、媒体100への接触及び通電後に、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27から、媒体100に係るセンサ信号SSENを受けるように構成されることができる。
【0105】
プロセッサ401は、センサ信号SSENの取得に先立って、取得の後に、又は同時に、イオン感応半導体デバイス13の温度を検知するために、温度センサを用いて温度信号STEMPを受けるように構成されることができる。
【0106】
プロセッサ401は、第1イオン感応半導体素子25及び第2イオン感応半導体素子27の経時的変動に係る第1データ21a、及びイオン感応半導体デバイス13の積算通電時間21bをメモリ21から読み出すように構成されることができる。プロセッサ401は、読み出された第1データ21a及び積算通電時間21bも用いてセンサ信号SSENを処理して、媒体100の特性値のための出力信号SOUTを生成するように構成されることができる。
【0107】
プロセッサ401は、経時的変動における温度変化に係る第2データ21c及び温度信号STEMPを更に用いてセンサ信号SSENを処理して、温度補償された出力信号SOUTを生成するように構成されることができる。
【0108】
プロセッサ401は、測定(センサ信号SSENを受信すること、及びセンサ信号SSENを処理して出力信号SOUTを生成するように構成されること)を繰り返すように構成されることができる。
【0109】
プロセッサ401は、イオン感応半導体デバイス13及び参照電極15への通電の切断のためにスイッチ50a及びスイッチ50bを開放するように構成されること)を繰り返すように構成されることができる。
【0110】
プロセッサ401は、通電の終了に応答して、タイマ31を読み取ると共に、測定された通電時間を用いて積算通電時間21bを更新するように構成されることができる。また、プロセッサ401は、更新された積算通電時間21bをメモリ21に格納するように構成されることができる。
【0111】
図9は、本発明の別の実施の形態に係るイオン感応半導体デバイス集積回路を模式的に示す図面である。
【0112】
イオン感応半導体デバイス集積回路14は、複数のイオン感応半導体デバイス13を備えることができる。本実施例では、複数のイオン感応半導体デバイス13は、第1イオン感応半導体デバイス61、第2イオン感応半導体デバイス62、第3イオン感応半導体デバイス63、及び第4イオン感応半導体デバイス64として参照される。イオン感応半導体デバイス集積回路14は、基板51及び絶縁膜53を含む。第1イオン感応半導体デバイス61、第2イオン感応半導体デバイス62、第3イオン感応半導体デバイス63、及び第4イオン感応半導体デバイス64は、第1導電型の半導体領域を有する共通の基板51に集積される。図3に示されるように、絶縁膜53が、基板51上に設けられる。
【0113】
第1イオン感応半導体デバイス61は、近接して並列に配置された第1イオン感応半導体素子61a及び第2イオン感応半導体素子61bを含む。第2イオン感応半導体デバイス62は、近接して並列に配置された第3イオン感応半導体素子62a及び第4イオン感応半導体素子62bを含む。第3イオン感応半導体デバイス63は、近接して並列に配置された第5イオン感応半導体素子63a及び第6イオン感応半導体素子63bを含む。第4イオン感応半導体デバイス64は、近接して並列に配置された第7イオン感応半導体素子64a及び第8イオン感応半導体素子64bを含む。
【0114】
第1イオン感応半導体素子61a、第3イオン感応半導体素子62a、第5イオン感応半導体素子63a及び第7イオン感応半導体素子64aの各々のための第1感応膜25aが、図3に示されるように、基板51の半導体領域の第1部分51a上に設けられる。また、これらのイオン感応半導体素子61a~64aは、第1感応膜25aと、第1感応膜25aに到達するように絶縁膜53に設けられた第1センサ窓53aとを含む。さらに、イオン感応半導体素子61a~64aの各々は、基板51に設けられた第2導電型半導体の第1ソース領域55a及び第1ドレイン領域55bを含む。第1部分51aは、第1ソース領域55aと第1ドレイン領域55bとの間に設けられる。
【0115】
第2イオン感応半導体素子61b、第4イオン感応半導体素子62b、第6イオン感応半導体素子63b及び第8イオン感応半導体素子64bの各々のための第2感応膜27aが、図3に示されるように、基板51の半導体領域の第2部分51b上に設けられる。また、これらのイオン感応半導体素子61b~64bは、第2感応膜27aに到達するように絶縁膜53に設けられた第2センサ窓53bを含む。さらに、イオン感応半導体素子61b~64bの各々は、基板51に設けられた第2導電型半導体の第2ソース領域57a及び第2ドレイン領域57bを含む。第2部分51bは、第2ソース領域57aと第2ドレイン領域57bとの間に設けられる。第1感応膜25aの第1材料は、第2感応膜27aの第2材料と異なる。
【0116】
イオン感応半導体デバイス集積回路14は、第1イオン感応半導体デバイス61、第2イオン感応半導体デバイス62、第3イオン感応半導体デバイス63、及び第4イオン感応半導体デバイス64のいずれか1つを選択するスイッチ65を備える。
【0117】
例えば、スイッチ65は、第1イオン感応半導体デバイス61、第2イオン感応半導体デバイス62、第3イオン感応半導体デバイス63、及び第4イオン感応半導体デバイス64のいずれか1つを信号入力部17に接続することができる。
【0118】
信号入力部17は、第1イオン感応半導体デバイス61、第2イオン感応半導体デバイス62、第3イオン感応半導体デバイス63、及び第4イオン感応半導体デバイス64からのそれぞれの信号を受けると共にセンサ信号SSENを生成する。信号処理部19は、信号入力部17に結合されておりセンサ信号SSENを処理する。
【0119】
限定ではなく例示として、イオン感応半導体デバイス集積回路14によれば、イオン感応半導体デバイス61、62、63、64から選択された少なくとも2つのデバイスを用いて媒体100を測定して、複数の特性値(例えば、複数のpH値)を得ることができる。信号処理部19は、これらの特性値を処理して、例えば相加平均により、出力信号SOUTを生成できる。
【0120】
或いは、イオン感応半導体デバイス集積回路14によれば、イオン感応半導体デバイス61、62、63、64から順に選択された単一のデバイスを用いて媒体を測定して単一の特性値を得ることができる。このような測定は、個々のデバイスの積算通電時間を減らすことができる。
【0121】
或いは、メモリ21は、イオン感応半導体デバイス61、62、63、64のそれぞれに対して、互いに異なる近似式に基づく第1データ21a及び第2データ21cを格納することができる。
【0122】
或いは、測定されるべき媒体100の種類に応じて、イオン感応半導体デバイス61、62、63、64から一のデバイスを選択することができる。
【0123】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0124】
11・・・測定装置、13・・・イオン感応半導体デバイス、14・・・イオン感応半導体デバイス集積回路、15・・・参照電極、17・・・信号入力部、19・・・信号処理部、21・・・メモリ、21a・・・第1データ、21b・・・積算通電時間、21c・・・第2データ、25・・・第1イオン感応半導体素子、25a・・・第1感応膜、27・・・第2イオン感応半導体素子、27a・・・第2感応膜、29・・・温度センサ、31・・・タイマ、33・・・処理部、41・・・制御部、43・・・電源、44・・・電源、45a、45b・・・電流源、46・・・出力、47・・・A/D変換部、47a、47b・・・変換器、50a、50b・・・スイッチ、51・・・基板、51a・・・第1部分、51b・・・第2部分、53・・・絶縁膜、53a、53b・・・センサ窓、55a、57a・・・ソース領域、55b、57b・・・ドレイン領域、59・・・シリコン酸化膜、61・・・イオン感応半導体デバイス、61a、61b・・・イオン感応半導体素子、62・・・イオン感応半導体デバイス、62a、62b・・・イオン感応半導体素子、63・・・イオン感応半導体デバイス、63a、63b・・・イオン感応半導体素子、64・・・イオン感応半導体デバイス、64a、64b・・・イオン感応半導体素子、65・・・スイッチ、100・・・媒体、401・・・プロセッサ、402・・・主記憶装置、403・・・補助記憶装置、404・・・インターフェース部、405・・・出力部、406・・・バス、407・・・測定プログラム、407a、407b・・・プログラム、S・・・一端子、D・・・他端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9