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特許7611830芳香族ポリエステル-ポリウレタンマルチブロックコポリマーからなる発泡性粒子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-26
(45)【発行日】2025-01-10
(54)【発明の名称】芳香族ポリエステル-ポリウレタンマルチブロックコポリマーからなる発泡性粒子
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/18 20060101AFI20241227BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20241227BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20241227BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20241227BHJP
   C08G 18/66 20060101ALI20241227BHJP
【FI】
C08J9/18 CFF
C08G18/32 003
C08G18/40 018
C08G18/42 008
C08G18/66 007
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021537995
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2019087075
(87)【国際公開番号】W WO2020136238
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】18248127.5
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】プリソク,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ペゼルト,エルマー
(72)【発明者】
【氏名】プフ,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ケムプフェルト,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】グートマン,ペーター
【審査官】大塚 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-327037(JP,A)
【文献】特表2016-532737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/18
C08G 18/32
C08G 18/40
C08G 18/42
C08G 18/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ブロックコポリマーを含む組成物(C1)を準備する工程、
(ii)加圧下で前記組成物(C1)に発泡剤を含浸させる工程、
(iii)圧力低下を用いて前記組成物(C1)を膨張させる工程、
を含む、ブロックコポリマーを含む発泡ペレットの製造方法であって、
前記ブロックコポリマーが、
(a)芳香族ポリエステル(PE-1)を準備する工程;
(b)前記芳香族ポリエステル(PE-1)を、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させる工程を含む方法により得られ、
前記ポリオール組成物(PC)が、数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)および数平均分子量<500g/モルを有するジオール(D1)を含み、
前記芳香族ポリエステル(PE-1)が、160~350℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の芳香族ポリエステルと、少なくとも1種のジオール(D2)を、200℃より高い温度で反応させることにより得られたものであり、
前記発泡ペレットのビーズの平均直径が0.2~20mmの間である、
前記発泡ペレットの製造方法。
【請求項2】
前記芳香族ポリエステル(PE-1)を生成するための前記反応が連続的に実行される、請求項1に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項3】
前記芳香族ポリエステル(PE-1)を生成するための前記反応が押出し機内で実行される、請求項1または2に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項4】
前記芳香族ポリエステルが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項5】
前記ジオール(D1)が、1,2-エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオールおよびヘキサン-1,6-ジオールからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項6】
前記ポリオール(P1)が、ポリエーテロール、ポリエステロール、ポリカーボネートアルコールおよびハイブリッドポリオールからなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項7】
前記ジイソシアネートが、前記ポリオール組成物(PC)および前記芳香族ポリエステル(PE-1)の成分の総計のアルコール基に対して、少なくとも0.9のモル量で使用される、請求項1から5のいずれか一項に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項8】
前記ジイソシアネートが、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の発泡ペレットの製造方法。
【請求項9】
成形体を生成するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法により得られた発泡ペレットを使用する方法。
【請求項10】
前記ビーズの互いの融合または結合を用いて前記成形体が生成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記成形体が、靴足底、靴足底の一部、自転車サドル、緩衝材、マットレス、下敷き、グリップ、保護フィルム、自動車内装および外装における構成要素である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
ボールおよびスポーツ用具において、または床仕上げ材および壁パネルとして、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法により得られた発泡ペレットを使用する方法。
【請求項13】
スポーツ用表面、陸上競技用表面、スポーツホール、児童公園および通路用に請求項1から8のいずれか一項に記載の方法により得られた発泡ペレットを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックコポリマーを含む発泡ペレットであって、ブロックコポリマーが、芳香族ポリエステル(PE-1)の、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)との、およびポリオール組成物(PC)との反応を含む方法により得られまたは得ることができ、ポリオール組成物(PC)が数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む発泡ペレットに関し、さらにこのような発泡ペレットを生成するための方法に関する。本発明はまた成形体を生成するための、本発明の発泡ペレットを使用する方法も包含する。
【背景技術】
【0002】
発泡性ビーズ(または発泡性粒子)とも呼ばれる発泡ペレット、またこれらから生成される熱可塑性ポリウレタンまたは他のエラストマーベースの成形体は公知であり(例えば、WO94/20568、WO2007/082838A1、WO2017030835、WO2013/153190A1、WO2010010010)、多種多様な実行可能な使用を有する。
【0003】
本発明の意味の中で、「発泡ペレット」、また他には「発泡性ビーズ」または「発泡性粒子」とはビーズ形態の発泡体を指し、ビーズの平均直径は0.2~20mm、好ましくは0.5~15mm、特に1~12mmである。非球状、例えば、細長いまたは円柱状のビーズの場合、直径とは最も長い寸法を意味する。
【0004】
原則として、改善された加工性を有することで、有利な機械的特性を維持しながら、最低の温度で対応する成形体が得られる発泡ペレットまたは発泡性ビーズに対する必要性が存在する。これは現在広い範囲で使用されている融合方法に特に関連しており、この融合方法では、発泡ペレットを融合するためのエネルギーのインプットは補助媒体、例えば水蒸気により導入される。これは、改善された結合がここで達成され、よって材料または泡構造への損傷が同時に減少し、同時に十分な結合または融合が得られるからである。
【0005】
発泡ペレットの十分な結合または融合は、発泡ペレットから生成される成形物の有利な機械的特性を得るために必須である。発泡ビーズの結合または融合が不十分な場合、これらの特性は完全に利用することができず、得られた成形物の全体的な機械的特性に悪影響が結果として生じる。成形体が弱体化した場合、同様の考慮が適用される。このような場合、機械的特性は弱体化したポイントにおいて不利となり、結果は上述されたものと同じになる。したがって、使用されるポリマーの特性は効率的に調整可能でなければならない。
【0006】
熱可塑性エラストマー(TPE)をベースとするポリマーは様々な分野ですでに使用されている。用途に応じて、ポリマーの特性は修正され得る。
【0007】
EP0656397A1は、2個の硬質相ブロック(すなわち、ポリエステル硬質相、およびウレタンハードセグメントからなるTPU硬質相)からなるTPUブロックおよびポリエステルブロック、有機ジイソシアネートと低分子量連鎖延長剤、好ましくはアルカンジオールおよび/またはジアルキレングリコールとのオリゴマー性またはポリマー性反応生成物、ならびに弾力性のあるウレタンソフトセグメント(より高分子量のポリヒドロキシル化合物、好ましくはより高分子量のポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルジオールからなる)を含むトリブロック重付加生成物を開示しており、これらはウレタンおよび/またはアミド結合により化学的にブロック状に相互連結されている。ウレタンまたはアミド結合は、第1にポリエステルの末端ヒドロキシルまたはカルボキシル基から、第2にTPUの末端イソシアネート基から形成される。反応生成物はまた、さらなる結合、例えばウレア結合、アロファネート、イソシアヌレートおよびビウレットを含み得る。
【0008】
EP1693394A1は、ポリエステルブロックを含む熱可塑性ポリウレタンおよびそれを生成するための方法を開示している。この文献では、熱可塑性ポリエステルはジオールと反応し、次いでこうして得られた反応生成物はイソシアネートと反応する。従来技術の公知の方法において、多くの場合ブロック長を調整する、したがって得たポリマーの特性を調整することは困難である。
【0009】
本発明の関連の中で、「有利な機械的特性」は、意図した用途に対して解釈されるものとする。本発明の主題に対する最も突出した用途は、靴産業部門における用途であり、この産業部門では発泡ペレットは、減衰および/または緩衝作用が関連する靴の構成部分、例えば中底および中敷用の成形体に使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】WO94/20568
【文献】WO2007/082838A1
【文献】WO2017030835
【文献】WO2013/153190A1
【文献】WO2010010010
【文献】EP0656397A1
【文献】EP1693394A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の目的は、ブロック構造、したがってポリマーおよびこれから生成される発泡ペレットの所望の特性を容易に調整することができるポリマーをベースとする発泡ペレットを提供することであった。本発明のさらなる目的は、対応する発泡ペレットを生成するための方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、この目的はブロックコポリマーを含む発泡ペレットであって、ブロックコポリマーが、
(a)芳香族ポリエステル(PE-1)を準備する工程;
(b)芳香族ポリエステル(PE-1)を、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させる工程であって、ポリオール組成物(PC)が数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む工程
を含む方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットにより達成される。
【0013】
驚くことに、芳香族ポリエステル-ポリオールブロックコポリマーで構成される発泡ペレットは、熱可塑性ポリウレタンの利点を、剛性の、高融点芳香族ポリエステルの利点と組み合わせることが判明した。使用されるブロックコポリマーは温度の安定した硬質相の利点を有するため、本発明の発泡ペレットは有利な特性を有し、しかも温度の安定した生成物が生成され得ることが判明した。これらの生成物における硬質相と軟質相との間の改善された相分離は、本発明の発泡ペレットの良好な機械的特性、例えば、高い弾性および良好な反発を結果として生じる。
【0014】
本発明の関連の中で、特に述べられていない限り、反発はDIN53512、2000年4月と同様に決定される。標準からのずれは試験試料の高さであり、この高さは12mmであるべきだが、この試験では試料「を介した浸透」および基材の測定を回避するために20mmが使用されている。
【0015】
本発明は、ブロックコポリマーを含む発泡ペレットであって、ブロックコポリマーが工程(a)および(b)を含む方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットに関する。本発明の状況で、ブロックコポリマーとは、繰返しブロック、例えば2個の繰返しブロックで構成されるポリマーを意味すると考えられる。本発明に従い適切であり、良好な温度耐性を有するブロックコポリマーに対して重要な必要条件は、明確な相分離であるばかりでなく、硬質相および軟質相の十分なブロックサイズでもあり、これによって、用途に対する広範な温度範囲が確実となる。この用途範囲は、DMA(軟質相のガラス転移と硬質相の最初の軟化との間の温度範囲)を用いて検出することができる。
【0016】
驚くことに、この種類のブロックコポリマーは、容易に処理して、発泡ペレットを得ることができ、ひいてはこの発泡ペレットを容易に処理して、特に非常に良好な反発を有する成形体を得ることができることが判明した。
【0017】
ブロックコポリマーを生成するための方法の工程(a)によると、芳香族ポリエステル(PE-1)を最初に準備し、次いでこれを工程(b)の通り、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させ、ここでこのポリオール組成物(PC)は数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む。
【0018】
適切なポリエステル(PE-1)はそれ自体当業者に公知である。例として、適切な芳香族ポリエステルがエステル交換により得られる。本発明の関連の中で、ポリエステル(PE-1)は好ましくはエステル交換により得ることができる。本発明の関連の中で、「エステル交換」という用語は、ポリエステルが、2個のツェレビチノフ活性水素原子を有する化合物、例として、2個のOH基または2個のNH基を有する化合物または1個のOH基および1個のNH基を有する化合物と反応する事例を意味すると考えられている。
【0019】
本発明によると、ポリエステル(PE-1)は、例えば、160~350℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の芳香族ポリエステルから、ジアミンおよびジオールからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を用いて、160℃より高い温度で得ることができ、ジアミンおよびジオールからなる群から選択されるこの化合物は、好ましくはポリエステル中のエステル結合1モル当たり0.02~0.3モルの範囲の量で使用されている。
【0020】
適切なジアミンおよびジオールはそれ自体当業者に公知である。本発明の関連の中で、<500g/モルの領域の分子量を有するジオールまたはジアミンのいずれか、また他には>500g/モルの領域の分子量を有するポリマー性ジオールおよびジアミンがこの場合適切である。本発明の関連の中で、ジオールおよびジアミンがポリマー化合物である場合が好ましい。本発明によると、反応は、例として160℃より高い、特に200℃より高い温度で実行される。この場合、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応中の温度は好ましくは使用されているポリエステルの融点の上である。反応は好ましくは連続的に実行される。
【0021】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた前述の発泡ペレットであって、芳香族ポリエステル(PE-1)が、160~350℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の芳香族ポリエステルを、ジアミンおよびジオールまたはこれらの混合物からなる群から選択される化合物と反応させることにより、得ることができるまたは得られる発泡ペレットに関する。
【0022】
さらなる実施形態では、本発明はまた、前述の発泡ペレットであって、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応が連続的に実行される発泡ペレットに関する。
【0023】
本発明によると、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応は適切な装置で実行することができ、適切な方法はそれ自体当業者に公知である。本発明によると、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応を促進および/または改善するために添加剤または助剤を使用することもまた可能である。特に、触媒を使用することができる。
【0024】
ポリエステル(PE-1)を生成するための反応に対して適切な触媒は、例えば、トリブチルスズオキシド、スズ(II)ジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、テトラブトキシチタニウム(TBOT)またはBi(III)カルボキシレートである。
【0025】
ポリエステル(PE-1)を生成するための反応は特に押出し機内で実行することができる。同様に本発明によると、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応はニーダー内で実行することも可能である。
【0026】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた前述の発泡ペレットであって、ポリエステル(PE-1)を生成するための反応が押出し機内で実行される発泡ペレットに関する。
【0027】
ポリエステル(PE-1)を生成するための反応は、例えば、160~350℃の範囲、好ましくは220~300℃の範囲、特に220~280℃の範囲、さらに好ましくは230~260℃の範囲の温度で、例として1秒~15分間の滞留時間、好ましくは2秒~10分間の滞留時間、さらに好ましくは5秒~5分間の滞留時間または10秒~1分間の滞留時間で、特に、例えば、慣習的な可塑化装置、例えば、ミル、ニーダーまたは押出し機を使用して、好ましくは押出し機内で撹拌、ローリング、混練または好ましくは押出しをすることにより、例えば、自由流動性の、軟質化したまたは好ましくは溶融状態のポリエステルおよびポリマージオールで実行することができる。
【0028】
ポリエステル(PE-1)を生成するために本発明に従い好ましく使用される芳香族ポリエステルは好ましくは160~350℃の範囲の融点、好ましくは180℃より高い融点を有する。さらに好ましくは、本発明に従い適切なポリエステルは、200℃より高い融点、特に好ましくは220℃より高い融点を有する。したがって、本発明に従い適切なポリエステルは特に好ましくは、220~350℃の範囲の融点を有する。
【0029】
ポリエステル(PE-1)を生成するための本発明に従い適切なポリエステルはそれ自体公知であり、少なくとも1個の芳香族環を含み、この芳香族環は重縮合主鎖に結合した、芳香族ジカルボン酸から誘導される。芳香族環はまた、例えば、ハロゲン原子、例えば塩素もしくは臭素により、および/または好ましくは1~4個の炭素原子、特に1~2個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピルまたはn-プロピル基および/またはn-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチル基により任意に置換されていていてもよい。ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸、または芳香族および脂肪族および/もしくは環状脂肪族のジカルボン酸混合物、さらに対応するエステル形成誘導体、例えば、ジカルボキシル無水物、アルコール基に最大4個の炭素原子を有利に有するモノエステルおよび/またはジエステルと、脂肪族ジヒドロキシ化合物とを、高温、例えば160~260℃で、エステル化触媒の存在下でまたは非存在下で重縮合することにより生成することができる。
【0030】
非常に適切であると証明されたポリエステルは特に2~6個の炭素原子を有するアルカンジオールのポリアルキレンテレフタレート、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択される芳香族ポリエステルであり、よって、好ましくはポリエチレンテレフタレートおよび特に好ましくはポリブチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの混合物が使用される。
【0031】
したがってさらなる実施形態では、本発明はまた、前述の発泡ペレットであって、ポリエステル(PE-1)を生成するための芳香族ポリエステルが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択され、ポリエステルおよび混合物のリサイクル製品もまた使用することができる発泡ペレットに関する。
【0032】
例として、リサイクルプロセスから発生するポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを本発明の関連の中で使用することができる。
【0033】
本発明によると、ポリエステル(PE-1)を生成するために使用されるポリエステルの適切な分子量の領域(Mn)は、2000~100000の範囲、特に好ましくは10000~50000の範囲である。
【0034】
特に述べられていない限り、熱可塑性ブロックコポリマーの質量平均分子量Mwは、本発明の関連の中で、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)中に溶融したGPCを用いて決定される。分子量は、直列に配置された2台のGPCカラム(PSS-Gel;100A;5μ;300×8mm、Jordi-Gel DVB;混合床;5μ;250×10mm;カラム温度60℃;流速1ml/分;RI検出器)を使用して決定される。較正はポリメチルメタクリレートを用いて(EasyCal;PSS、Mainz製)ここで実施され、HFIPは溶出液として使用される。
【0035】
本発明によると、芳香族ポリエステル(PE-1)を、工程(b)の通り、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させ、ここでこのポリオール組成物(PC)は数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む。
【0036】
本発明によると、ポリオール組成物は数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む。本発明の関連の中で、ポリオール組成物は、この場合さらなる成分、例えばさらなるポリオールまたは溶媒を含むことができる。さらなる実施形態では、ポリオール組成物(PC)は、数平均分子量<500g/モルを有するジオール(D1)を含む。
【0037】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた前述の発泡ペレットであって、ポリオール組成物が数平均分子量<500g/モルを有するジオール(D1)を含む発泡ペレットに関する。
【0038】
適切な脂肪族ポリオール(P1)、また他のさらなるポリオールは原則として当業者には公知であり、例えば「Kunststoffhandbuch[Plastics Handbook]、7巻、Polyurethane[Polyurethanes]」、Carl Hanser Verlag、3版1993年、第3.1章に記載されている。ポリオール(P1)として、ポリエステロールまたはポリエーテロールをポリオールとして使用することが特に好ましい。ポリカーボネートを使用することも同様に可能である。コポリマーはまた本発明の状況で使用されてもよい。ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールが特に好ましい。本発明に従い使用されるポリオールの数平均分子量は好ましくは500~5000g/モルの範囲、例として550g/モル~2000g/モルの範囲、好ましくは600g/モル~1500g/モルの範囲、特に650g/モル~1000g/モルの間である。
【0039】
ポリエーテロールばかりでなく、ポリエステロール、ブロックコポリマーおよびハイブリッドポリオール、例えば、ポリ(エステル/アミド)が本発明に従い適切である。本発明に従い、好ましいポリエーテロールはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアジペート、ポリカーボネート、ポリカーボネートジオールおよびポリカプロラクトンである。
【0040】
適切なポリオールは、例えば、エーテルおよびエステルブロックを有するもの、例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド末端ブロックを有するポリカプロラクトン、また他にはポリカプロラクトン末端ブロックを有するポリエーテルである。本発明に従い、好ましいポリエーテロールはポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールである。ポリカプロラクトンもまた好ましい。
【0041】
本発明によると異なるポリオールの混合物の使用もまた可能となる。使用されるポリオール/ポリオール組成物は好ましくは1.8~2.3の間、好ましくは1.9~2.2の間、特に2の平均官能基数を有する。本発明に従い使用されるポリオールは、好ましくは単に第1級ヒドロキシル基を有する。
【0042】
本発明の一実施形態では、少なくともポリテトラヒドロフランを含むポリオール組成物(PC)が使用される。本発明に従い、ポリオール組成物はまた、ポリテトラヒドロフランに加えてさらなるポリオールを含み得る。
【0043】
本発明に従い適切なさらなるポリオールは、例えば、ポリエーテル、またポリエステル、ブロックコポリマー、さらにハイブリッドポリオール、例えば、ポリ(エステル/アミド)である。適切なブロックコポリマーは、例えば、エーテルおよびエステルブロックを有するブロックコポリマー、例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド末端ブロックを有するポリカプロラクトン、また他にはポリカプロラクトン末端ブロックを有するポリエーテルである。本発明に従い、好ましいポリエーテロールはポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールである。さらなるポリオールとしてポリカプロラクトンもまた好ましい。
【0044】
特に好ましい実施形態では、ポリテトラヒドロフランは、500g/モル~5000g/モルの範囲、さらに好ましくは550~2500g/モルの範囲、特に好ましくは650~2000g/モルの範囲の数平均分子量Mnを有する。
【0045】
本発明の関連の中で、ポリオール組成物(PC)の組成は幅広い範囲内で変わり得る。例として、第1のポリオール(P1)の含有量は、15%~85%の範囲、好ましくは20%~80%の範囲、さらなる好ましくは25%~75%の範囲であることができる。
【0046】
本発明に従い、ポリオール組成物はまた溶媒を含み得る。適切な溶媒はそれ自体当業者に公知である。
【0047】
ポリテトラヒドロフランが使用される場合、ポリテトラヒドロフランの数平均分子量Mnは好ましくは500~5000g/モルの範囲である。ポリテトラヒドロフランの数平均分子量Mnはさらに好ましくは500~1400g/モルの範囲内である。
【0048】
さらなる実施形態では、本発明はまた、前述の熱可塑性ポリウレタンであって、ポリオール組成物が、500g/モル~5000g/モルの範囲の数平均分子量Mnを有するポリテトラヒドロフランからなる群から選択されるポリオールを含む熱可塑性ポリウレタンに関する。
【0049】
様々なポリテトラヒドロフランの混合物もまた、本発明に従い使用することができ、すなわちポリテトラヒドロフランの混合物は異なる分子量を有する。
【0050】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた前述の発泡ペレットであって、このポリオール(P1)が、ポリエーテロール、ポリエステロール、ポリカーボネートアルコールおよびハイブリッドポリオールからなる群から選択される発泡ペレットに関する。
【0051】
本発明に従い好ましいポリエーテロールはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン、さらにこれらの混合したポリエーテロールである。分子量の異なる様々なポリテトラヒドロフランの混合物は、例として本発明に従い使用することもできる。
【0052】
適切なジオール(D1)もまた原則として当業者に公知である。本発明に従い、ジオール(D1)は<500g/モルの分子量を有する。本発明に従い、50g/モル~220g/モルの分子量を有する脂肪族、芳香脂肪族、芳香族および/または環状脂肪族のジオールを、例えばここでは使用することができる。アルキレン基の中に2~10個の炭素原子を有するアルカンジオール、特にジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-、ノナ-および/またはデカアルキレングリコールが好ましい。本発明に対して、1,2-エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオールが特に好ましい。
【0053】
本発明の関連の中で適切なジオール(D1)はまた、分枝の化合物、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-ブチル-2-エチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ピナコール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオールまたはシクロヘキサン-1,4-ジオールである。
【0054】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた、前述の発泡ペレットであって、ジオール(D1)が、1,2-エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオールおよびヘキサン-1,6-ジオールからなる群から選択される発泡ペレットに関する。
【0055】
イソシアネート組成物(IC)はまた工程(b)の通り使用される。適切なイソシアネートはそれ自体当業者に公知である。ジイソシアネート、特に脂肪族または芳香族ジイソシアネート、より好ましくは、芳香族ジイソシアネートは本発明の関連の中で特に適切である。
【0056】
加えて、本発明の関連の中で、予め反応させた生成物をイソシアネート成分として使用することができ、この場合、先行する反応工程においてOH成分の一部をイソシアネートと反応させる。得られた生成物をその後の工程、実際のポリマー反応で残留するOH成分と反応させ、よって熱可塑性ポリウレタンを形成する。
【0057】
使用される脂肪族ジイソシアネートは、慣習的な脂肪族および/または環状脂肪族のジイソシアネート、例えば、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-および/またはオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルテトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-および/または1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、1-メチル-2,4-および/または1-メチルシクロヘキサン2,6-ジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)である。
【0058】
好ましい脂肪族ポリイソシアネートはヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサンおよびメチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)である。
【0059】
好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサンおよびメチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)であり、特に好ましいのはメチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)および1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサンまたはこれらの混合物である。
【0060】
適切な芳香族ジイソシアネートは特にナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル(TODI)、p-フェニレンジイソシアネート(PDI)、ジフェニルエタン4,4‘-ジイソシアネート(EDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)であり、MDIという用語は、ジフェニルメタン2,2’、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート、ジメチルジフェニル3,3’-ジイソシアネート、ジフェニルエタン1,2-ジイソシアネートおよび/またはフェニレンジイソシアネートまたはH12MDI(メチレンジシクロヘキシル4,4’-ジイソシアネート)を意味すると考えられている。
【0061】
混合物もまた原則として使用することができる。混合物の例は、メチレンジフェニル4,4’-ジイソシアネートに加えて、少なくとも1種のさらなるメチレンジフェニルジイソシアネートを含む混合物である。「メチレンジフェニルジイソシアネート」という用語はここでは、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/もしくは4,4’-ジイソシアネートまたは2もしくは3種の異性体の混合物を意味する。したがって、さらなるイソシアネート、例えば、ジフェニルメタン2,2’-もしくは2,4’-ジイソシアネートまたは2もしくは3種の異性体の混合物を使用することが可能である。本実施形態では、ポリイソシアネート組成物はまた他の上記のポリイソシアネートを含むことができる。
【0062】
他の混合物の例は、以下を含むポリイソシアネート組成物である
4,4‘-MDIおよび2,4‘-MDI、または
4,4‘-MDIおよび3,3‘-ジメチル-4,4‘-ジイソシアナトビフェニル(TODI)または
4,4‘-MDIおよびH12MDI(メチレンジシクロヘキシル4,4’-ジイソシアネート)または
4,4‘-MDIおよびTDI;または
4,4‘-MDIおよびナフチレン1,5-ジイソシアネート(NDI)。
【0063】
3個以上のイソシアネートを本発明に従い使用することもできる。ポリイソシアネート組成物は通常、全ポリイソシアネート組成物に対して、2%~50%の量で4,4’-MDIを含み、さらなるイソシアネートを全ポリイソシアネート組成物に対して3%~20%の量で含む。
【0064】
高級官能基イソシアネートの好ましい例は、トリイソシアネート、例えばトリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネートであり、さらに上述のジイソシアネートのシアヌレート、およびジイソシアネートの水との部分的な反応により得ることができるオリゴマー、例えば、上述のジイソシアネートのビウレットであり、さらにセミブロックジイソシアネートの、平均2個より多くの、好ましくは3個以上のヒドロキシル基を有するポリオールとの制御された反応により得ることができるオリゴマーである。
【0065】
使用することができる有機イソシアネート(a)は脂肪族、環状脂肪族の、芳香脂肪族および/または芳香族イソシアネートである。
【0066】
クロスリンカーもさらにまた、例えば前述の高級官能基ポリイソシアネートまたはポリオール、また他には複数のイソシアネート反応性官能基を有する他の高級官能基分子が使用され得る。同様に本発明の関連の中で、ヒドロキシル基に比例して使用される過剰のイソシアネート基を介して生成物の架橋を達成することが可能である。高級官能基イソシアネートの例は、トリイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネートおよびイソシアヌレートであり、さらに上述のジイソシアネートのシアヌレート、およびジイソシアネートの水との部分的な反応により得ることができるオリゴマー、例えば、上述のジイソシアネートのビウレット、さらにセミブロックジイソシアネートの、平均2個より多く、好ましくは3個以上のヒドロキシル基を有するポリオールとの制御された反応により得ることができるオリゴマーである。
【0067】
ここでは本発明の関連の中で、クロスリンカーの量、すなわち高級官能基イソシアネート(a)および高級官能基ポリオールまたは連鎖延長剤の量は、全成分の混合物に対して3質量%以下、好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満である。
【0068】
ポリイソシアネート組成物はまた、1種または複数の溶媒を含み得る。適切な溶媒は当業者に公知である。適切な例は非反応性溶媒、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトンおよび炭化水素である。
【0069】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた、前述の発泡ペレットであって、ジイソシアネートが、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)からなる群から選択される発泡ペレットに関する。
【0070】
使用される成分の量比は、ここでは工程(b)の通り、使用されている芳香族ポリエステルの割合が使用されている成分の質量に対して10%~60%の範囲であるように、好ましくは選択される。
【0071】
したがってさらなる実施形態では、本発明はまた前述の発泡ペレットであって、ジイソシアネートが、ポリオール組成物(PC)および芳香族ポリエステル(PE-1)の成分の総計のアルコール基に対して少なくとも0.9のモル量で使用される発泡ペレットに関する。
【0072】
さらなる態様では、本発明はまた、発泡ペレットを生成するための方法に関する。この場合、本発明は、発泡ペレットを生成するための方法であって、
(i)ブロックコポリマーを含む組成物(C1)を準備する工程であって、ブロックコポリマーが、
(a)芳香族ポリエステル(PE-1)を準備する工程;
(b)芳香族ポリエステル(PE-1)を、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させる工程であって、ポリオール組成物(PC)が数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む工程
を含む方法により得られたまたは得ることができる工程;
(ii)加圧下で組成物(C1)に発泡剤を含浸させる工程;
(iii)圧力低下を用いて前記組成物(C1)を膨張させる工程
を含む、方法に関する。
【0073】
本発明の関連の中で、組成物(C1)はここでは溶融物の形態またはペレットの形態で使用することができる。
【0074】
本方法、適切な供給原料または混合比の好ましい実施形態に関して、相応に適用される上記記述について言及がなされている。
【0075】
本発明の方法は、さらなる工程、例えば温度調整を含み得る。
【0076】
発泡ペレットの生成に必要とされる組成物(C1)の非膨張ポリマー混合物は、個々の成分から、さらに任意のさらなる成分、例えば、例として、加工助剤、安定剤、相溶化剤または顔料から公知の方式で生成される。適切な方法の例は、連続方式もしくはバッチ方式のモードで、ニーダーで補助された、または押出し機、例えば、同方向回転型2軸押出し機で補助された従来の混合方法である。
【0077】
相溶化剤または助剤、例えば、安定剤の場合、これらは成分の生成中に成分にすでに組み込まれていてもよい。個々の成分は普通混合処理前に合わせるか、または計量して、混合を実施する装置に入れる。押出し機の場合、成分はすべて計量して吸入口に入れ、一緒に押出し機に送るか、または個々の成分はサイドフィードを介して加える。
【0078】
処理は成分が可塑化された状態で存在する温度で行う。温度は成分の軟化範囲または溶融範囲に依存するが、各成分の分解温度未満でなければならない。添加剤、例えば、顔料もしくは充填剤または上記の慣習的な助剤のその他もまた溶融されないで、むしろ固体で組み込まれる。
【0079】
既定の方法を使用するさらなる実施形態もまたここでは可能であり、出発材料の生成に使用されている方法を直接生成に統合することができる。
【0080】
上記の慣習的助剤の一部は、この工程で混合物に加えることができる。
【0081】
本発明の発泡性ビーズは、50g/l~200g/l、好ましくは60g/l~180g/l、特に好ましくは80g/l~150g/lのかさ密度を一般的に有する。かさ密度は、標準とは対照的にDIN ISO 697と同様に測定し、特に低い密度および高い質量を有する発泡ビーズに対して、0.5lの容量のみを使用する測定は不正確すぎるので、上記値の判定は、0.5lの容量を有する容器の代わりに10lの容量を有する容器を使用することを含む。
【0082】
上記に述べられているように、発泡ペレットの個々のビーズの直径は0.5~30mm、好ましくは1~15mm、特に3~12mmである。非球状の、例えば細長いまたは円柱状の発泡ペレットに対して、直径は最も長い寸法を意味する。
【0083】
発泡した顆粒は、従来技術の公知の既定の方法で、
(i)本発明の組成物(C)を準備する工程;
(ii)加圧下で組成物に発泡剤を含浸させる工程;
(iii)圧力低下を用いて組成物を膨張させる工程。
を用いて生成することができる。
【0084】
発泡剤の量は、組成物(C)の使用量100質量部に対して、好ましくは0.1~40質量部、特に0.5~35質量部および特に好ましくは1~30質量部である。
【0085】
上記方法の一実施形態は
(i)本発明の組成物(C)をペレットの形態で準備する工程;
(ii)加圧下でペレットに発泡剤を含浸させる工程;
(iii)圧力低下を用いてペレットを膨張させる工程。
を含む。
【0086】
上記方法のさらなる実施形態はさらなる工程:
(i)本発明の組成物(C)をペレットの形態で準備する工程;
(ii)加圧下でペレットに発泡剤を含浸させる工程;
(iii-a)任意に事前の温度の減少を用いて、ペレットを発泡させずに圧力を標準圧力に減少させる工程;
(iii-b)温度の増加を用いてペレットを発泡させる工程
を含む。
【0087】
非膨張ペレットはここでは、平均最小直径0.2~10mmを好ましくは有する(ペレットの3D評価を介して、例えば、Microtrac製のPartAn 3D光学測定装置を使用した動的画像分析を介して決定)。
【0088】
個々のペレットは一般的に、0.1~50mgの範囲、好ましくは4~40mgの範囲、特に好ましくは7~32mgの範囲の平均質量を有する。ペレットのこの平均質量(粒子質量)は、いずれの場合も10個のペレット粒子の3回の秤量作業を用いて算術平均として決定する。
【0089】
上記の方法の一実施形態は、加圧下でペレットに発泡剤を含浸させ、続いて工程(I)および(II):
(I)適切な、密閉した反応容器(例えばオートクレーブ)内で、発泡剤の存在下、加圧下、高温で、ペレットを含浸させる工程、
(II)冷却せずに急激に減圧する工程
でペレットを膨張させることを含む。
【0090】
工程(I)の含浸は、ここでは、水および任意に懸濁助剤の存在下で、または単に発泡剤の存在下で、および水の非存在下で行うことができる。
【0091】
適切な懸濁助剤は、例えば、水不溶性無機安定剤、例えば、リン酸三カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、金属炭酸塩;さらにポリビニルアルコールおよび界面活性剤、例えば、ドデシルアリールスルホン酸ナトリウムである。これらは通常、本発明の組成物に対して0.05~10質量%の量で使用されている。
【0092】
選択された圧力に応じて、含浸温度は、100℃~200℃の範囲であり、反応容器内の圧力は、2~150バールの間、好ましくは5~100バールの間、特に好ましくは20~60バールの間であり、含浸時間は一般的に0.5~10時間である。
【0093】
懸濁液中でこの処理を実行することは当業者には公知であり、例として、WO2007/082838に広範囲にわたり記載されている。
【0094】
発泡剤の非存在下でこの処理を実行する場合、ポリマーペレットの凝集を回避するように注意を払わなければならない。
【0095】
処理を適切な密閉反応容器内で実行するための適切な発泡剤は、例として、処理条件下で気体状態である有機液体および気体、例えば、炭化水素もしくは無機気体、または有機液体もしくは気体と無機気体との混合物であり、これらはまた組み合わせることもできる。
【0096】
適切な炭化水素の例は、ハロゲン化または非ハロゲン化の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素、好ましくは非ハロゲン化、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素である。
【0097】
好ましい有機発泡剤は、飽和脂肪族炭化水素、特に3~8個の炭素原子を有するもの、例えばブタンまたはペンタンである。
【0098】
適切な無機気体は、窒素、空気、アンモニアもしくは二酸化炭素、好ましくは窒素もしくは二酸化炭素、または上記の気体の混合物である。
【0099】
さらなる実施形態では、加圧下での発泡剤のペレットへの含浸は、ペレットの工程(α)および(β):
(α)押出し機内で、加圧下、高温、発泡剤の存在下でペレットに含浸させる工程、
(β)無制御な発泡を阻止する条件下で、押出し機から出現する組成物をペレット化する工程
における処理およびその後の膨張を含む。
【0100】
この処理バージョンにおける適切な発泡剤は、標準圧力、1013mbarで、-25℃~150℃、特に-10℃~125℃の沸点を有する揮発性有機化合物である。良好な適合を有するのは、炭化水素(好ましくはハロゲン不含)、特にC4~10-アルカン、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンの異性体、特に好ましくはイソペンタンである。さらに可能な発泡剤は、さらに立体的要求の厳しい化合物、例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテルおよび有機カーボネートである。
【0101】
この場合、組成物は、工程(ii)において、押出し機内で、溶融しながら、加圧下で、押出し機に供給される発泡剤と混合される。発泡剤を含む混合物は、押し出され、加圧下で、好ましくは中程度レベルに制御された逆圧を使用してペレット化される(例は水中ペレット化)。本処理における溶融ストランド発泡体およびペレット化により発泡性ビーズが得られる。
【0102】
押出しを介して本処理を実行することは当業者に公知であり、例として、WO2007/082838において、さらにWO2013/153190A1において広範囲にわたり記載されている。
【0103】
使用することができる押出し機は、例として、Saechtling(編)、Kunststoff-Taschenbuch[Plastics Handbook]、第27版、Hanser-Verlag、Munich、1998年、第3.2.1章および第3.2.4章に記載されている通り、従来のスクリューベースの機器、特に1軸スクリューおよび2軸スクリュー押出し機(例えば、Werner & Pfleiderer製のZSK型)、コニーダー、Kombiplast機器、MPC混練ミキサー、FCMミキサー、KEX混練スクリュー押出し機および剪断ロール押出し機のいずれかである。押出し機は普通、組成物(C1)が溶融物として存在する温度、例えば、120℃~250℃、特に150~210℃で、および発泡剤の添加後、40~200バール、好ましくは60~150バール、特に好ましくは80~120バールの圧力で作動することによって、発泡剤が確実に溶融物と均質となる。
【0104】
本処理は、ここでは押出し機において、または1台もしくは複数の押出し機で構成される配置で行うことができる。よって、例として、成分は、第1の押出し機において、溶融およびブレンドされ、発泡剤が注入されてもよい。第2の押出し機において、含浸させた溶融物は均質化され、温度および/または圧力が調整される。例として、3台の押出し機が互いに組み合わせられる場合、成分の混合および発泡剤の注入は、2種の異なる処理セクションの間で分割することもできる。好まれるように1台の押出し機のみが使用される場合、処理工程、すなわち、溶融、混合、発泡剤の注入、均質化ならびに温度および/または圧力の調整のすべては、単一押出し機内で行われる。
【0105】
代替としておよびWO2014/150122またはWO2014/150124A1に記載されている方法に従い、任意にもうすでに着色された対応する発泡ペレットは、対応するペレットを超臨界液体で飽和させ、超臨界液体から除去し、これに続いて
(i’)物品を加熱流体に浸漬する、または
(ii’)物品にエネルギー放射線を照射する(例えば、赤外線またはマイクロ波照射)
ことで、ペレットから直接生成することができる。
【0106】
適切な超臨界液体は、WO2014150122に記載されているもの、または、例えば二酸化炭素、窒素ジオキシド、エタン、エチレン、酸素または窒素、好ましくは二酸化炭素または窒素である。
【0107】
超臨界液体は、ここでは、9MPa-1/2以上のHildebrand溶解度パラメーターを有する極性液体も含むことができる。
【0108】
超臨界流体または加熱流体は、ここでは着色剤も含むことができ、その結果、着色された発泡物品が得られる。
【0109】
本発明は、本発明の発泡ペレットから生成される成形体をさらに提供する。
【0110】
対応する成形体は当業者に公知の方法で生成することができる。
【0111】
発泡成形物の生成のための好ましい方法は、ここでは、以下の工程:
(A)本発明の発泡ペレットを適当な型に導入する工程;
(B)工程(i)からの本発明の発泡ペレットを融合する工程
を含む。
【0112】
工程(B)における融合は、好ましくは密閉型の中で実行され、融合は、水蒸気、熱風(例えば、EP1979401B1に記載されている通り)またはエネルギー放射線(マイクロ波または電波)を用いて実行することができる。
【0113】
発泡ペレットの融合中の温度は、好ましくは発泡ペレットがそれから生成されたポリマーの溶融温度未満またはその近くである。したがって、広く使用されているポリマーに対して、発泡ペレットの融合の温度は、100℃~180℃の間、好ましくは120~150℃の間である。
【0114】
温度プロファイル/滞留時間は、例えば、US20150337102またはEP2872309B1に記載されている方法と同様に、ここでは個々に確定することができる。
【0115】
エネルギー放射線による融合は一般的に、マイクロ波または電波の周波数範囲内で、任意に、水または他の極性液体、例えば、極性基を有するマイクロ波吸収炭化水素(例えば、カルボン酸とジオールもしくはトリオールのエステル、またはグリコールおよび液体ポリエチレングリコール)の存在下で行われ、EP3053732AまたはWO16146537に記載されている方法と同様に実行することができる。
【0116】
上記に述べられている通り、発泡ペレットは着色剤も含むことができる。着色剤はここでは様々な方式で加えることができる。
【0117】
一実施形態では、生成された発泡ペレットは、生成後に着色することができる。この場合、対応する発泡ペレットは、着色剤を含む担体液体と接触させ、担体液体(CL)は、発泡ペレットへの担体液体の吸着が生じるのに適切な極性を有する。これは、出願番号17198591.4を有するEP出願に記載されている方法と同様に行うことができる。
【0118】
適切な着色剤の例は無機顔料または有機顔料である。適切な天然のまたは合成無機の顔料の例は、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト化合物、酸化クロム化合物、酸化銅化合物である。適切な有機顔料の例は、アゾ顔料および多環系顔料である。
【0119】
さらなる実施形態では、色は発泡ペレットの生成中に加えることができる。例として、着色剤は、発泡ペレットの生成中に、押出しを介して押出し機に加えることができる。
【0120】
代替として、すでに着色された材料は、発泡ペレットの生成のための出発材料として使用することができ、これは押し出されるか、または上述された処理により密閉容器内で膨張される。
【0121】
加えて、WO2014150122に記載されている処理では、超臨界液体または加熱液体は着色剤を含むことができる。
【0122】
上記に述べられている通り、本発明の成形物は、靴およびスポーツシューズ産業部門の必要条件において、上記の用途に対して有利な特性を有する。
【0123】
この場合、発泡ペレットから生成された成形体の引張および圧縮特性は、引張り強度が600kPaを超え(DIN EN ISO1798、2008年4月)および破断点伸びが100%を超える(DIN EN ISO1798、2008年4月)という事実により際立っている。
【0124】
発泡ペレットから生じる成形体の反発弾性は、55%を超える(DIN 53512、2000年4月と類似;標準からのずれは試験試料の高さであり、この高さは12mmであるべきだが、この試験では試料「を介した浸透」および基材の測定を回避するために20mmが使用されている)。
【0125】
上記に述べられているように、生成された成形体の密度と圧縮特性との間に関係性が存在する。生成された成形物の密度は、有利には75~375kg/m、好ましくは100~300kg/m、特に好ましくは150~200kg/mである(DIN EN ISO845、2009年10月)。
【0126】
成形物の密度の、本発明の発泡ペレットのかさ密度に対する比は、ここでは一般的に、1.5~2.5の間、好ましくは1.8~2.0の間である。
【0127】
本発明は、靴中底、靴中敷、靴コンビソール、自転車サドル、自転車タイヤ、減衰要素、緩衝材、マットレス、下敷き、グリップ、保護フィルム用の、自動車内装および外装における構成要素において、ボールおよびスポーツ用具において、または床仕上げ材として、特にスポーツ用表面、陸上競技用表面、スポーツホール、児童公園および通路用の成形体を生成するための、本発明の発泡ペレットを使用する方法をさらに提供する。
【0128】
靴中底、靴中敷、靴コンビソールまたは靴用の緩衝材要素のための成形体を生成するために本発明の発泡ペレットを使用することが好ましい。
【0129】
ここでは、靴は好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴であり、特に好ましくはスポーツシューズである。
【0130】
したがって、本発明は、靴用の靴コンビソール、好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴用の、特に好ましくはスポーツシューズ用の靴コンビソールである成形体もさらに提供する。
【0131】
したがって、本発明は、靴用の中底、好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴用、特に好ましくはスポーツシューズ用の中底である成形体もさらに提供する。
【0132】
したがって、本発明は、靴用の中敷、好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴用、特に好ましくはスポーツシューズ用の中敷である成形体もさらに提供する。
【0133】
したがって、本発明は、成形された物体が靴用の緩衝要素、好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴用、特に好ましくはスポーツシューズ用の緩衝要素である成形体もさらに提供する。
【0134】
緩衝要素は、ここでは例として、踵領域または前足領域に使用することができる。
【0135】
したがって、本発明は、本発明の成形体が、例えば、踵領域または前足領域内で、ミッドソール、中底または緩衝材として使用されている靴もさらに提供し、この靴は好ましくはアウトドアシューズ、スポーツシューズ、サンダル、ブーツまたは安全靴、特に好ましくはスポーツシューズである。
【0136】
さらなる態様では、本発明はまた、本発明の方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットにも関する。
【0137】
本発明に従い使用されるブロックコポリマーは通常、芳香族ポリエステルで構成される硬質相、および軟質相を有する。それ自体すでにポリマーである、したがって長鎖である分子からの構築から生じるこれらの既定のブロック構造、例えば、ポリテトラヒドロフラン構成ブロックおよびポリブチレンテレフタレート構成ブロックにより、本発明に従い使用されるブロックコポリマーは、弾力性のある軟質相と剛性の硬質相との間で良好な相分離を有する。この良好な相分離は、高い「スナップバック」と呼ばれる特性として現れているが、物理的方法だけを使用して特徴付けるのは非常に困難であり得、これが本発明の発泡ペレットの特に有利な特性をもたらす。
【0138】
良好な機械的特性および良好な温度挙動により、本発明の発泡ペレットは成形体の生成に対して特に適切である。成形体は、例として、融合または結合により、本発明の発泡ペレットから生成することができる。
【0139】
さらなる態様では、本発明はまた、成形体を生成するための、本発明の発泡ペレットまたは本発明の方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットを使用する方法に関する。したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた、成形体を生成するための、本発明の発泡ペレット、または本発明の方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットを使用する方法であって、ビーズの互いの融合または結合を用いて成形体が生成される方法にも関する。
【0140】
本発明に従い得られる成形体は、例えば、靴足底、靴足底の部分、自転車サドル、緩衝材、マットレス、下敷き、グリップ、保護フィルム、自動車内装および外装における構成要素、ボールおよびスポーツ用具における構成要素、または床仕上げ材としての、ならびに壁パネル、特にスポーツ用表面、陸上競技用表面、スポーツホール、児童公園および通路の生成に対して適切である。
【0141】
したがって、さらなる実施形態では、本発明はまた成形体を生成するための、本発明の発泡ペレット、または本発明の方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレットを使用する方法に関し、成形体は靴足底、靴足底の一部、自転車サドル、緩衝材、マットレス、下敷き、グリップ、保護フィルム、自動車内装および外装における構成要素である。
【0142】
さらなる態様では、本発明はまた、ボールおよびスポーツ用具において、または床仕上げ材および壁パネルとして、特にスポーツ用表面、陸上競技用表面、スポーツホール、児童公園および通路用に本発明の発泡ペレットまたは発泡ビーズを使用する方法に関する。
【0143】
さらなる態様では、本発明はまた、ポリマー(PM)で構成されるマトリックスおよび本発明による発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。発泡ペレットおよびマトリックス材料を含む材料は、本発明の関連の中でハイブリッド材料と呼ばれる。ここでは、マトリックス材料は、圧縮成形体材料または同様に発泡体で構成されていてもよい。
【0144】
マトリックス材料として適切なポリマー(PM)はそれ自体当業者に公知である。例として、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エポキシドベースの結合剤、また他にはポリウレタンが本発明の関連の中で適切である。この場合、ポリウレタン発泡体また他にはポリウレタン圧縮成形体、例えば、熱可塑性ポリウレタンが本発明に従い適切である。
【0145】
本発明に従い、ポリマー(PM)は、ここでは、発泡ペレットとマトリックスとの間に、機械的に安定したハイブリッド材料を得るのに十分な接着性が存在するように選択される。
【0146】
マトリックスはここでは、発泡ペレットを完全にまたは部分的に取り囲んでいてもよい。本発明に従い、ハイブリッド材料は、さらなる成分、例として、さらなる充填剤またはまたペレットを含むことができる。本発明に従い、ハイブリッド材料はまた、異なるポリマー(PM)の混合物を含むことができる。ハイブリッド材料はまた、発泡ペレットの混合物を含むこともできる。
【0147】
本発明による発泡ペレットに加えて使用することができる発泡ペレットはそれ自体当業者に公知である。熱可塑性ポリウレタンで構成される発泡ペレットは本発明の関連の中で特に適切である。
【0148】
したがって、一実施形態では、本発明はまた、ポリマー(PM)で構成されるマトリックス、本発明による発泡ペレットおよび熱可塑性ポリウレタンで構成されるさらなる発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0149】
本発明の関連の中で、マトリックスはポリマー(PM)からなる。本発明の関連の中で適切なマトリックス材料の例はエラストマーまたは発泡体、特にポリウレタンをベースとする発泡体、例えばエラストマー、例えば、エチレン-酢酸ビニルコポリマーまた他には熱可塑性ポリウレタンである。
【0150】
したがって、本発明はまた前述のようなハイブリッド材料であって、ポリマー(PM)がエラストマーであるハイブリッド材料に関する。本発明は、前述のハイブリッド材料であって、ポリマー(PM)がエチレン-酢酸ビニルコポリマーおよび熱可塑性ポリウレタンからなる群から選択されるハイブリッド材料にさらに関する。
【0151】
一実施形態では、本発明はまた、エチレン-酢酸ビニルコポリマーで構成されるマトリックスおよび本発明による発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0152】
さらなる実施形態では、本発明は、エチレン-酢酸ビニルコポリマーで構成されるマトリックス、本発明による発泡ペレット、および例えば、熱可塑性ポリウレタンで構成されるさらなる発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0153】
一実施形態では、本発明は、熱可塑性ポリウレタンで構成されるマトリックスおよび本発明による発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0154】
さらなる実施形態では、本発明は、熱可塑性ポリウレタンで構成されるマトリックス、本発明による発泡ペレット、および例えば、熱可塑性ポリウレタンで構成されるさらなる発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0155】
適切な熱可塑性ポリウレタンはそれ自体当業者に公知である。適切な熱可塑性ポリウレタンは、例えば、「Kunststoffhandbuch[PlasticsHandbook]、7巻、Polyurethane [Polyurethanes]」、Carl Hanser Verlag、3版、1993年、第3章に記載されている。
【0156】
本発明の状況で、ポリマー(PM)は好ましくはポリウレタンである。本発明の意味の範囲内で、「ポリウレタン」はすべての公知の弾力性のあるポリイソシアネート重付加生成物を包含する。これらには、特に、ポリイソシアネート重付加生成物の圧縮成形体、例えば、粘弾性ゲルまたは熱可塑性ポリウレタン、およびポリイソシアネート重付加生成物をベースとする弾力性のある発泡体、例えば、柔軟性のある発泡体、半硬質発泡体または一体型発泡体が含まれる。本発明の意味の範囲内で、「ポリウレタン」はまた、ポリウレタンおよびさらなるポリマー、さらにこれらのポリマーブレンドの発泡体を含む弾力性のあるポリマーブレンドを意味するとも考えられる。マトリックスは好ましくは、硬化した、ポリウレタン結合剤の圧縮成形体、弾力性のあるポリウレタン発泡体または粘弾性ゲルである。
【0157】
本発明の関連の中で、「ポリウレタン結合剤」はここでは、イソシアネート基を有するプレポリマー(本明細書でこれより以下イソシアネートプレポリマーと呼ぶ)の少なくとも50質量%の範囲、好ましくは少なくとも80質量%の範囲、特に少なくとも95質量%の範囲を構成する混合物を意味すると考えられる。本発明によるポリウレタン結合剤の粘度は、好ましくはここでは、DIN 53 018に従い25℃で測定した500~4000mPa.sの範囲、特に好ましくは1000~3000mPa.sの範囲である。
【0158】
本発明との関連で、「ポリウレタン発泡体」は、DIN7726による発泡体を意味すると考えられている。
【0159】
マトリックス材料の密度は好ましくは1.2~0.01g/cmの範囲である。マトリックス材料は特に好ましくは、0.8~0.1g/cmの範囲、特に0.6~0.3g/cmの範囲の密度を有する弾力性のある発泡体もしくは一体型発泡体、または圧縮成形体材料、例えば、硬化したポリウレタン結合剤である。
【0160】
発泡体は特に適切なマトリックス材料である。ポリウレタン発泡体で構成されるマトリックス材料を含むハイブリッド材料は、好ましくはマトリックス材料と発泡ペレットとの間で良好な接着性を示す。
【0161】
一実施形態では、本発明はまた、ポリウレタン発泡体で構成されるマトリックスおよび本発明による発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0162】
さらなる実施形態では、本発明は、ポリウレタン発泡体で構成されるマトリックス、本発明による発泡ペレット、および例えば、熱可塑性ポリウレタンで構成されるさらなる発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0163】
一実施形態では、本発明は、ポリウレタン一体型発泡体で構成されるマトリックスおよび本発明による発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0164】
さらなる実施形態では、本発明は、ポリウレタン一体型発泡体で構成されるマトリックス、本発明による発泡ペレット、および例えば、熱可塑性ポリウレタンで構成されるさらなる発泡ペレットを含むハイブリッド材料に関する。
【0165】
マトリックスとしてのポリマー(PM)および本発明の発泡ペレットを含む本発明のハイブリッド材料は、例として、ポリマー(PM)を生成するため使用される成分および発泡ペレット、任意にさらなる成分を混合し、これらを反応させて、ハイブリッド材料を得ることにより生成することができ、反応は好ましくは、発泡ペレットが本質的に安定している条件下で実行される。
【0166】
ポリマー(PM)、特にエチレン-酢酸ビニルコポリマーまたはポリウレタンを生成するための適切な方法および反応条件はそれ自体当業者に公知である。
【0167】
好ましい実施形態では、本発明のハイブリッド材料は一体型発泡体、特にポリウレタンをベースとする一体型発泡体である。一体型発泡体を生成するための適切な方法はそれ自体当業者に公知である。一体型発泡体は好ましくは、密閉した、有利には温度制御された型内で、低圧または高圧技術を使用して、ワンショットプロセスで生成される。型は好ましくは金属、例えばアルミニウムまたはスチールで作製されている。これらの手順は、例えば、PiechotaおよびRoehrが「Integralschaumstoff」[Integral Foam]、Carl-Hanser-Verlag、Munich、Vienna、1975年において、または「Kunststoff-Handbuch」[Plastics Handbook]、7巻、「Polyurethane」[Polyurethanes]、3版、1993年、第7章において記載している。
【0168】
本発明のハイブリッド材料が一体型発泡体を含む場合、型に導入される反応混合物の量は、得られるおよび一体型発泡体で構成される成形体が0.08~0.70g/cm、特に0.12~0.60g/cmの密度を有するように設定する。圧縮成形された表面ゾーンおよびセル状コアを有する成形体を生成するための圧縮成形の程度は、1.1~8.5、好ましくは2.1~7.0の範囲である。
【0169】
したがって、ポリマー(PM)で構成されるマトリックスおよびその中に含有された本発明の発泡ペレットを有するハイブリッド材料を生成することは可能であり、この発泡ペレットの中には発泡ビーズの均質の分布が存在する。本発明の発泡ペレットは、これらはサイズが小さいため、個々のビーズが自由流動性を有し、処理に対していかなる特別な必要条件も課さないので、ハイブリッド材料を生成するための方法において簡単に使用することができる。発泡ペレットを均質に分配するための技術、例えば、遅い回転の型をここでは使用することができる。
【0170】
本発明のハイブリッド材料を生成するために、さらなる助剤および/または添加剤を反応混合物に任意に加えてもよい。例として界面活性物質、泡安定剤、セル調節剤、剥離剤、充填剤、染料、顔料、加水分解安定剤、臭気吸着物質および静真菌物質および静菌物質を挙げることができる。
【0171】
使用することができる界面活性物質は、出発材料の均質化を支持する役目を果たし、任意にセル構造を調節するのに適切な化合物である。例として、乳化剤、例えば、ヒマシ油硫酸塩または脂肪酸のナトリウム塩、さらに脂肪酸のアミンとの塩、例えばジエチルアミンオレイン酸塩、ジエタノールアミンステアリン酸塩、ジエタノールアミンリシノール酸塩、スルホン酸の塩、例えばアルカリ金属またはドデシルベンゼンジスルホン酸またはジナフチルメタンジスルホン酸およびリシノール酸のアンモニウム塩、泡安定剤、例えば、シロキサン-オキシアルキレンコポリマーおよび他のオルガノポリシロキサン、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化脂肪族アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステルまたはリシノール酸エステル、ロート油およびピーナッツ油、ならびにセル調節剤、例えばパラフィン、脂肪族アルコールおよびジメチルポリシロキサンを挙げることができる。ペンダント基としてポリオキシアルキレンおよびフルオロアルカン基を有するオリゴマーアクリレートもまた、乳化作用、セル構造および/または発泡体の安定化を改善するのに適切である。
【0172】
例えば適切な離型剤として、ポリイソシアネートと脂肪酸エステルとの反応生成物、アミノ基含有ポリシロキサンと脂肪酸との塩、少なくとも8個の炭素原子を有する飽和または不飽和の(シクロ)脂肪族カルボン酸と第3級アミンとの塩が含まれ、そしてさらに特に内部離型剤、例えば、カルボン酸エステルおよび/またはカルボキシルアミド(これらは、モンタン酸および少なくとも10個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族カルボン酸と、分子量60~400を有する少なくとも二官能性のアルカノルアミン、ポリオールおよび/もしくはポリアミンとの混合物、有機アミンと、ステアリン酸および有機モノカルボン酸および/もしくはジカルボン酸の金属塩もしくはその無水物との混合物、またはイミノ化合物の混合物、カルボン酸の金属塩、ならびに任意にカルボン酸をエステル化またはアミド化することにより生成される)が含まれる。
【0173】
充填剤、特に補強充填剤は、慣用の有機および無機充填剤、補強材、増量剤、ペイントの摩耗挙動を改善するための薬剤、コーティング組成物などを意味すると考えられ、これらはそれ自体公知である。言及することができる具体例は、無機充填剤、例えば、ケイ質の鉱物、例えば、層状ケイ酸塩、例えば、アンチゴライト、ベントナイト、蛇紋石、ホルンブレンド、角閃石、クリソタイル、タルク;金属酸化物、例えば、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化鉄、金属塩、例えば、チョーク、バライト、ならびに無機顔料、例えば、硫化カドミウム、硫化亜鉛、さらにガラスなどである。カオリン(陶土)、ケイ酸アルミニウムおよび硫酸バリウムとケイ酸アルミニウムの共沈物、さらに天然および合成繊維状鉱物、例えば、珪灰石、金属繊維、特に任意にサイズ指定し得る様々な長さのガラス繊維を使用することが好ましい。使用することができる有機充填剤の例は、カーボンブラック、メラミン、コロフォニー、シクロペンタジエニル樹脂およびグラフトポリマー、さらにセルロース繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、芳香族および/または脂肪族ジカルボキシルエステルをベースとするポリエステル繊維、および特に炭素繊維である。
【0174】
無機および有機充填剤は個々にまたは混合物として使用することができる。
【0175】
本発明のハイブリッド材料において、発泡ペレットの容量の割合は好ましくは20容量パーセント以上、特に好ましくは50容量パーセント、より好ましくは80容量パーセント以上、特に90容量パーセント以上であり、いずれの場合も本発明のハイブリッドシステムの容量に対するものである。
【0176】
本発明のハイブリッド材料、特にセル状ポリウレタンで構成されるマトリックスを有するハイブリッド材料は、マトリックス材料の、本発明の発泡ペレットに対する非常に良好な接着性を特徴とする。その結果、好ましくは、マトリックス材料と発泡ペレットとの間の境界面で本発明のハイブリッド材料が裂けることはない。これにより、ハイブリッド材料は、従来のポリマー材料と比較して、特に従来のポリウレタン材料と比較して、所与の密度に対して、改善された機械的特性、例えば、引き裂き伝播抵抗および弾性などを有することが可能となる。
【0177】
DIN53512に従い、一体型発泡体の形態の本発明のハイブリッド材料の弾性は、好ましくは40%より高い、特に好ましくは50%より高い。
【0178】
本発明のハイブリッド材料、特に一体型発泡体をベースとするものは、低密度で高い反発弾性をさらに示す。したがって、本発明のハイブリッド材料をベースとする一体型発泡体は、特に靴足底用材料として極めて適切である。良好な耐久性特性を有する軽い、心地良い足底がその結果得られる。このような材料はスポーツシューズ用中底として特に適切である。
【0179】
セル状マトリックスを有する本発明のハイブリッド材料は、例えば、家具、およびマットレスの緩衝材に対して適切である。
【0180】
粘弾性ゲルで構成されるマトリックスを有するハイブリッド材料は特に、増加した粘弾性および改善された弾力性という特性を特徴とする。よって、これらの材料は例としてシート用、特にサドル、例えば、自転車サドルまたはオートバイサドル用の緩衝材の材料として同様に適切である。
【0181】
圧縮成形体マトリックスを有するハイブリッド材料は、例として、床仕上げ材として、特にプレイグラウンド、陸上競技用表面、スポーツ場およびスポーツホール用の被覆材として適切である。
【0182】
本発明のハイブリッド材料の特性は、使用されているポリマー(PM)に応じて幅広い範囲内で変わり得、特に膨張したペレットのサイズ、形状および性質の変化形により、また他にはさらなる添加剤、例えばまた追加の非発泡ペレット、例えば、プラスチックペレット、例えばゴムペレットの添加により幅広い境界内で変化する可能性がある。
【0183】
本発明のハイブリッド材料は、高い耐久性および強靱性を有し、これは、特に高い引張り強度および破断点伸びにより明らかにされる。加えて、本発明のハイブリッド材料は低密度を有する。
【0184】
本発明のさらなる実施形態は、特許請求の範囲および実施例に見出すことができる。上述されたおよび以下に明らかにされた本発明による主題/方法/使用の方法の特徴は、各事例において特定された組合せで使用可能なばかりでなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せでも使用可能であることを認識されたい。よって、例えば、好ましい特徴と特に好ましい特徴との組合せ、または好ましい特徴と特に好ましい特徴であるとさらに特徴付けられてはいない特徴などとの組合せも、たとえこの組合せが明示的に記述されていなくても、暗示的に包含される。
【0185】
本発明の例示的実施形態が以下に列挙されるが、これらは本発明を限定するものではない。特に、本発明はまた、従属項での引用から生じるような実施形態、したがって本明細書の以下に特定された組合せも包含する。
【発明を実施するための形態】
【0186】
1. ブロックコポリマーを含む発泡ペレットであって、ブロックコポリマーが、
(a)芳香族ポリエステル(PE-1)を準備する工程;
(b)芳香族ポリエステル(PE-1)を、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、および任意にポリオール組成物(PC)と反応させる工程であって、ポリオール組成物(PC)が数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む工程
を含む方法により得られたまたは得ることができる、発泡ペレット。
【0187】
2. ポリオール組成物が数平均分子量<500g/モルを有するジオール(D1)を含む、実施形態1に記載の発泡ペレット。
【0188】
3. 芳香族ポリエステル(PE-1)が、160~350℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の芳香族ポリエステルと、少なくとも1種のジオール(D2)を、200℃より高い温度で反応させることにより得ることができるまたは得られた、実施形態1または2に記載の発泡ペレット。
【0189】
4. 反応が連続的に実行される、実施形態3に記載の発泡ペレット。
【0190】
5. 反応が押出し機内で実行される、実施形態3または4に記載の発泡ペレット。
【0191】
6. 芳香族ポリエステルが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択される、実施形態3から5のいずれかに記載の発泡ペレット。
【0192】
7. ジオール(D1)が、1,2-エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオールおよびヘキサン-1,6-ジオールからなる群から選択される、実施形態2から6のいずれかに記載の発泡ペレット。
【0193】
8. ポリオール(P1)が、ポリエーテロール、ポリエステロール、ポリカーボネートアルコールおよびハイブリッドポリオールからなる群から選択される、実施形態1から7のいずれかに記載の発泡ペレット。
【0194】
9. ジイソシアネートが、ポリオール組成物(PC)および芳香族ポリエステル(PE-1)の成分の総計のアルコール基に対して、少なくとも0.9のモル量で使用される、実施形態1から7のいずれかに記載の発泡ペレット。
【0195】
10. ジイソシアネートが、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)からなる群から選択される、実施形態1から9のいずれかに記載の発泡ペレット。
【0196】
11. 発泡ペレットを生成するための方法であって、
(i)ブロックコポリマーを含む組成物(C1)を準備する工程であって、ブロックコポリマーが、
(a)芳香族ポリエステル(PE-1)を準備する工程;
(b)芳香族ポリエステル(PE-1)を、少なくとも1種のジイソシアネートを含むイソシアネート組成物(IC)と、およびポリオール組成物(PC)と反応させる工程であって、ポリオール組成物(PC)が数平均分子量≧500g/モルを有する少なくとも1種の脂肪族ポリオール(P1)を含む工程;
を含む方法により得られたまたは得ることができる工程、
(ii)加圧下で組成物(C1)に発泡剤を含浸させる工程;
(iii)圧力低下を用いて組成物(C1)を膨張させる工程。
を含む、方法。
【0197】
12. ポリオール組成物が数平均分子量<500g/モルを有するジオール(D1)を含む、実施形態11に記載の方法。
【0198】
13. 芳香族ポリエステル(PE-1)が、160~350℃の範囲の融点を有する少なくとも1種の芳香族ポリエステルと、少なくとも1種のジオール(D2)を、200℃より高い温度で反応させることにより得ることができるまたは得られた、実施形態11および12のいずれかに記載の方法。
【0199】
14. 反応が連続的に実行される、実施形態13に記載の方法。
【0200】
15. 反応が押出し機内で実行される、実施形態13または14に記載の方法。
【0201】
16. 芳香族ポリエステルが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群から選択される、実施形態13から15のいずれかに記載の方法。
【0202】
17. ジオール(D1)が、1,2-エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオールおよびヘキサン-1,6-ジオールからなる群から選択される、実施形態12から16のいずれかに記載の方法。
【0203】
18. ポリオール(P1)が、ポリエーテロール、ポリエステロール、ポリカーボネートアルコールおよびハイブリッドポリオールからなる群から選択される、実施形態11から17のいずれかに記載の方法。
【0204】
19. ジイソシアネートが、ポリオール組成物(PC)および芳香族ポリエステル(PE-1)の成分の総計のアルコール基に対して、少なくとも0.9のモル量で使用される、実施形態11から18のいずれかに記載の方法。
【0205】
20. ジイソシアネートが、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および/または4,4’-ジイソシアネート(MDI)、トリレン2,4-および/または2,6-ジイソシアネート(TDI)、メチレンジシクロヘキシル4,4’-、2,4’-および/または2,2’-ジイソシアネート(H12MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)および1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)からなる群から選択される、実施形態11から19のいずれかに記載の方法。
【0206】
21. 実施形態11から20のいずれかに記載の方法により得られたまたは得ることができる発泡ペレット。
【0207】
22. 成形体を生成するための、実施形態1から10または21のいずれかに記載の発泡ペレットを使用する方法。
【0208】
23. ビーズの互いの融合または結合を用いて成形体が生成される、実施形態22に記載の方法。
【0209】
24. 成形体が、靴足底、靴足底の一部、自転車サドル、緩衝材、マットレス、下敷き、グリップ、保護フィルム、自動車内装および外装における構成要素である、実施形態22または23に記載の方法。
【0210】
25. ボールおよびスポーツ用具において、または床仕上げ材および壁パネルとして、特にスポーツ用表面、陸上競技用表面、スポーツホール、児童公園および通路用に、実施形態1から10または21のいずれかに記載の発泡ビーズを使用する方法。
【0211】
26. ポリマー(PM)で構成されるマトリックス、および実施形態1から10または21いずれかに記載の発泡ペレットまたは実施形態11から20のいずれかに記載の方法により得ることができるもしくは得られた発泡ペレットを含むハイブリッド材料。
【0212】
27. ポリマー(PM)がEVAである、実施形態26に記載のハイブリッド材料。
【0213】
28. ポリマー(PM)が熱可塑性ポリウレタンである、実施形態26に記載のハイブリッド材料。
【0214】
29. ポリマー(PM)がポリウレタン発泡体である、実施形態26に記載のハイブリッド材料。
【0215】
30. ポリマー(PM)がポリウレタン一体型発泡体である、実施形態26に記載のハイブリッド材料。
【0216】
以下の実施例は、本発明を例示する役目を果たすものであり、決して本発明の主題に関して限定するものではない。
【実施例
【0217】
1.以下の供給原料を使用した:
ポリエステル1:質量平均分子量60000g/モルを有するポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリオール2:OH数174.7および独占的に第1級OH基(テトラメチレンオキシドをベースとする、官能度:2)を有するポリエーテルポリオール
ポリオール3:OH数112.2および独占的に第1級OH基(テトラメチレンオキシドをベースとする、官能度:2)を有するポリエーテルポリオール
ポリオール4:53.33%のポリオール3と46.67%のポリオール5の混合物
ポリオール5:OH数55.8および独占的に第1級OH基(テトラメチレンオキシドをベースとする、官能度:2)を有するポリエーテルポリオール
ポリオール6:OH数56および独占的に第1級OH基(ヘキサンジオール、ブタンジオールおよびアジピン酸をベースとする、官能度:2)を有するポリエステルポリオール
ポリオール7:OH数38および独占的に第1級OH基(メチル-プロパンジオール-ブタンジオールアジペートをベースとする、官能度:2)を有するポリエステルポリオール
連鎖延長剤1:ブタン-1,4-ジオール
イソシアネート1:芳香族イソシアネート(メチレンジフェニル4,4’-ジイソシアネート)
イソシアネート2:脂肪族イソシアネート(ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート)
触媒1:スズ(II)ジオクトエート(純粋)
抗酸化剤1:立体的ヒンダードフェノール
加水分解安定剤1:ポリマー性カルボジイミド
加水分解安定剤2:エポキシ化ダイズ油
加水分解安定剤3:ポリマー性カルボジイミド
ワックス1:アミドワックス
TPUクロスリンカー1:オリゴマー性MDIの添加により、NCO含有量8.5%および官能度2.05を有する熱可塑性ポリウレタン
【0218】
2. ポリマー合成の実施例
2.1 ウレタンを含むポリマーの生成についての記載-一般的記載
これより以下に特定される、以下の実施例ポリマー1~4は、処理長さ48D(12バレル)を有するZSK58 MC 2軸スクリュー押出し機(Coperion製)で生成した。ギアポンプを用いて、溶融物を押出し機から放出した。溶融物の濾過後、水中ペレット化を用いてポリマー溶融物をペレットへと処理し、これを加熱した流動床内で40~90℃で連続的に乾燥させた。
【0219】
2.2 ウレタンを含むポリマー1~4の実施例
Ultradur B4500ポリブチレンテレフタレート(BASF SE製)を計量して第1のゾーンに入れた。PBTを溶融した後、モノマー性ジオール(例示的ポリマー1~4の-ブタン-1,4-ジオール)また他には低分子量ポリオール、さらに任意に触媒を、PBTのエステル交換のために第3のゾーンに供給した。エステル交換を行った後、さらなる反応成分、例えば、ジイソシアネートおよび長鎖ポリオールを第5のゾーンに加えた。上に記載されているようなさらなる添加剤の供給をゾーン8で実行する。
【0220】
吸入口、ゾーン1に対するバレル温度は150℃である。ゾーン2~5におけるPBTの溶融およびエステル交換は温度250~300℃で実行する。ゾーン6~12のポリマーの合成はバレル温度240~210℃で行う。溶融物の放出および水中ペレット化は溶融温度210~230℃で実行する。送り速度は180~240分-1の間である。スループットは150~220kg/時間の範囲である。
【0221】
合成後、得たポリマーを水中ペレット化またはストランドペレット化の対象下におき、続いて乾燥させる。
【0222】
2.3 ウレタンを含むポリマー5~7の例
ポリエステル(PBT)は、処理長さ48Dを有するCoperionからZSK582軸スクリュー押出し機の第1のバレルに供給する。ポリエステルの溶融後、ポリオール、およびその中に存在するいずれかの触媒をバレル3に加える。エステル交換をバレル温度250~300℃で実行してから、ジイソシアネートを第5バレル内の反応混合物に加える。モル質量の増加をダウンストリームで、バレル温度190~230℃で実行する。合成後、得たポリマーを水中ペレット化またはストランドペレット化の対象下におき、続いて乾燥させる。
【0223】
使用量を表1に要約する。
【0224】
【表1】
【0225】
連続的合成により生成された熱可塑性ポリウレタンの特性を表2に要約する。
【0226】
【表2】
【0227】
3. 発泡ビーズの生成に対する実施例
連結された溶融ポンプ、スクリーンチェンジャー付き起動弁、ダイプレートおよび水中ペレット化装置を備えた、スクリュー直径44mmおよび直径に対する長さの比42を有する2軸スクリュー押出し機を使用して、生成物(表1)で作製された膨張ビーズを生成した。熱可塑性ポリウレタンを乾燥してから、80℃で3時間処理して、0.02質量%未満の残留する含水量を得た。熱可塑性ポリウレタンに加えて、クロスリンカー1を一部の実験に加えた。
【0228】
このクロスリンカーは、平均官能基数2.05を有するジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネートと、別個の押出し処理で混和しておいた熱可塑性ポリウレタンである。残留NCO含有量は>5%である。
【0229】
それぞれ使用されたポリマー、さらにクロスリンカー1をそれぞれ計量して、2軸スクリュー押出し機の吸入口に質量測定の計量デバイスを介して別々に入れた。
【0230】
材料を計量して、2軸スクリュー押出し機の吸入口に入れた後、材料を溶融し、混合した。発泡剤CO2およびN2をそれぞれ1種のインジェクターを介して続いて加えた。発泡剤のポリマー溶融物への均一な組込みのために、残りの押出し機の長さを使用した。押出し機の後、ポリマー/発泡剤混合物は、ギアポンプ(GP)を使用して、スクリーンチェンジャー(SV)を有する起動弁を介して、ダイプレート(DP)へと強制的に移し、ダイプレート内で、ストランドに分割し、温度制御された液体が流動する、水中ペレット化装置(UWP)の加圧切断チャンバー内でこれをペレットに切断し、水から運び出し、この処理において膨張させた。
【0231】
遠心乾燥器を使用して、膨張ビーズが、処理用の水から確実に分離するようにした。
【0232】
押出し機、ポリマーおよび発泡剤の全スループットは、40kg/時間であった。表3は、ポリマーおよび発泡剤の使用量の一覧である。ここでは、ポリマーは常に100部を構成し、得られる組成物の合計が100部より上となるように発泡剤をさらにカウントする。
【0233】
【表3】
【0234】
押出し機およびダウンストリームデバイスに対して使用された温度、さらにUWPの切断チャンバー内の圧力を表4に列挙する。
【0235】
【表4】
【0236】
遠心乾燥器を用いて、膨張したペレットから水を分離した後、膨張したペレットを60℃で3時間乾燥させて、残りの表面水およびビーズ中に存在し得るあらゆる水分を除去し、ビーズのさらなる分析に支障をきたさないようにする。
【0237】
表5に乾燥後の個々の膨張した生成物に対して結果として生じたかさ密度を列挙する。
【0238】
【表5】
【0239】
押出し機内での処理に加えて、膨張したビーズを含浸タンク内でも生成した。この目的のために、タンクを固体/液相で、充填レベル80%まで充填し、相比は0.31であった。
【0240】
固相は、ここではポリマー3であると見ることができ、液相は、水の炭酸カルシウムおよび界面活性物質との混合物であると見ることができる。発泡剤(ブタン)を、タイトガスタンク内(タイトガスタンクは事前に窒素でパージしておく)、この混合物に、表6に示された固相(ポリマー3)に対する量を注入した。固体/液相を撹拌しながらタンクを加熱し、窒素を確定した方式で8バールまでの圧力、50℃の温度で注入した。所望の含浸温度(IMT)になるまで、加熱を続いて継続した。含浸温度および含浸圧力に到達した時点で、所与の時間保持した後、弁を介してタンクを降圧した。実験の正確な生成パラメーター、さらに達成したかさ密度を表6に列挙する。
【0241】
【表6】
【0242】
4. 融合および機械的特性
4.1 水蒸気融合による成形体の生成
膨張したペレットを続いて融合して、Kurtz ersa GmbH(Energy Foamer)製の成形機内で、水蒸気と接触させることによって、辺長200mmおよび厚さ10mmまたは20mmを有する正方形の厚板を得た。厚板の厚さに対して、融合パラメーターは冷却に関してのみ異なる。異なる材料に対する融合パラメーターは、型の可動側(MII)に面した最終成形物の厚板側が最小数の崩壊したビーズを有するように選択した。ギャップスチーミングもまた型の可動側を介して任意に実行した。実験に関わらず、型の固定側(MI)および可動側からの厚板厚さ20mmに対して冷却時間120秒および厚さ10mmの厚板に対して100秒を最後に常に確立した。表7は蒸気圧におけるそれぞれのスチーミング条件の一覧である。厚板は70℃で4時間オーブン内に保存する。
【0243】
【表7】
【0244】
4.2 高周波融合による成形体の生成
続いて、膨張したペレットは、高周波を用いて融合して、辺長200mmおよび厚さ10mmを有する正方形の厚板をKurtz ersa GmbH(RF Foamer)製成形機の中で得た。この目的を達成するために、およそ100gのビーズを秤量し、テフロン型内に配置し、できるだけ平坦に広げた。テフロンプレートで型を10mmに密閉し、膨張したペレットを圧縮成形した。24MHzでの高周波融合を開始し、設定電圧(設定ポイント値:5.9~6.5kV)に2秒で到達した。ビーズをこの電圧で30~50秒融合した。ビーズの照射の結果、型をおよそ100℃まで加熱した。続いて、外側を冷却せずに、型を室温で40~50℃に冷却してから、融合した厚板を除去した。機器パラメーターは表7に要約されている。厚板は、厚板を機械的に試験する前に、オーブン内で、70℃で4時間保存する。
【0245】
【表8】
【0246】
4.3 機械的特性
【0247】
【表9】
【0248】
【表10】
【0249】
5. 測定方法:
材料の特性評価に対して使用することができる測定方法は以下を含む:DSC、DMA、TMA、NMR、FT-IR、GPC
機械的特性(TPU)
ショアD硬度 DIN 7619-1:2012-02
弾性率 DIN 53504:2017-03
引張り強度 DIN53504:2017-03
破断点伸び DIN53504:2017-03
引き裂き伝播抵抗 DINISO34-1、B:2016-09
摩耗 DIN4649:2014-03
機械的特性(膨張したポリマー)
発泡密度 DIN EN ISO845:2009-10
引き裂き伝播抵抗 DIN EN ISO8067:2009-06
寸法安定性試験 ISO 2796:1986-08
引張試験 ASTM D5035:2011
反発弾性 DIN 53512:2000-4
【0250】
引用文献
WO94/20568A1
WO2007/082838A1
WO2017/030835A1
WO2013/153190A1
WO2010/010010A1
EP0656397A1
EP1693394A1
「Kunststoffhandbuch[Plastics Handbook]、7巻、Polyurethane[Polyurethanes]」、Carl Hanser Verlag、3版1993年、第3.1章
WO2014/150122A1
WO2014/150124A1
EP1979401B1
US2015/0337102A1
EP2872309B1
EP3053732A11
WO2016/146537
PiechotaおよびRoehr、「Integralschaumstoff」[Integral Foam]、Carl-Hanser-Verlag、Munich、Vienna、1975年、又は「Kunststoff-Handbuch」[Plastics Handbook]、7巻、「Polyurethane」[Polyurethanes]、3版、1993年、第7章