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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】電子パッケージおよび電子システム
(51)【国際特許分類】
   H10D 89/00 20250101AFI20250107BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20250107BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20250107BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250107BHJP
   H01L 23/32 20060101ALI20250107BHJP
   H10D 89/10 20250101ALI20250107BHJP
【FI】
H01L27/04 E
H01L23/12 E
H01L25/04 Z
H01L23/32 D
H01L23/12 N
H01L27/04 U
H01L27/04 A
H01L21/82 P
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020199448
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022003679
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】16/910,023
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジグオ チアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド パスダスト
(72)【発明者】
【氏名】フアン ツェン
(72)【発明者】
【氏名】ペイペイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】アフマド シディッキ
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミプリヤ セシャン
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0264836(US,A1)
【文献】特開2011-139083(JP,A)
【文献】特開2014-204057(JP,A)
【文献】特開2014-186734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 23/12
H01L 23/32
H01L 25/04
H01L 25/18
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、前記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、前記第1のIOバンプマップの第1バンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
前記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、前記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、前記第2のIOバンプマップの第2バンプは、前記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
前記第1のIOバンプマップと前記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と
を備え、
前記第1のIOバンプマップは、前記第1のダイの第1エッジに沿って第1の幅を有し、前記第2のIOバンプマップは、前記第2のダイの第2エッジに沿って第2の幅を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅と一致し、
前記第2のピッチは、前記第1のピッチよりも小さく、
前記第2バンプの個数は、前記第1バンプの個数よりも大きく、
前記第1バンプおよび前記第2バンプは、前記パッケージ基板の上方から見て行列状に配置され、
前記第2のIOバンプマップにおける、前記第2エッジに交差する方向の列の数は、前記第1のIOバンプマップにおける、前記第1エッジに交差する方向の列の数よりも大きく、
前記第2のIOバンプマップにおける、前記第2エッジに沿った方向の行の数は、前記第1のIOバンプマップにおける、前記第1エッジに沿った方向の行の数よりも小さい、
電子パッケージ。
【請求項2】
前記第1バンプは、複数の第1グランドバンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2グランドバンプを含み、
前記複数の第2グランドバンプの個数は、前記複数の第1グランドバンプの個数よりも大きい、
請求項1に記載の電子パッケージ。
【請求項3】
前記第1バンプは、複数の第1シグナリングバンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2シグナリングバンプを含み、
前記複数の第2シグナリングバンプの個数は、前記複数の第1シグナリングバンプの個数に等しい、
請求項1または2に記載の電子パッケージ。
【請求項4】
前記複数の第1シグナリングバンプの個数および前記複数の第2シグナリングバンプの個数は、60である、請求項3に記載の電子パッケージ。
【請求項5】
前記第1バンプは、複数の第1電力バンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2電力バンプを含み、
前記複数の第2電力バンプの個数は、前記複数の第1電力バンプの個数よりも大きい、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項6】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、前記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、前記第1のIOバンプマップの第1バンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
前記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、前記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、前記第2のIOバンプマップの第2バンプは、前記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
前記第1のIOバンプマップと前記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と、
を備え、
前記第1のIOバンプマップは、第1の送信領域を有し、
前記第2のIOバンプマップは、第2の送信領域を有し、
前記第1の送信領域は、前記第1のダイの第1エッジに沿っており、
前記第2の送信領域は、前記第2のダイの第2エッジに沿っている、
電子パッケージ。
【請求項7】
前記第1のIOバンプマップは、第1の受信領域をさらに有し、
前記第2のIOバンプマップは、第2の受信領域をさらに有する、
請求項6に記載の電子パッケージ。
【請求項8】
前記第1の受信領域は、前記第1のダイから前記第2のダイへの第1方向において、前記第1の送信領域の、前記第1エッジとは反対側に配置され、
前記第2の受信領域は、前記第2のダイから前記第1のダイへの第2方向において、前記第2の送信領域の、前記第2エッジとは反対側に配置される、
請求項7に記載の電子パッケージ。
【請求項9】
前記パッケージ基板は、前記パッケージ基板の上面に交差する方向に、前記上面から順に第4の金属層、第3の金属層、第2の金属層および第1の金属層を有し、
前記第1の送信領域と前記第2の受信領域とが前記第1の金属層により電気的に結合され、
前記第2の送信領域と前記第1の受信領域とが前記第3の金属層により電気的に結合される、
請求項7または8に記載の電子パッケージ。
【請求項10】
前記第1の送信領域の前記第1バンプと、前記第2の受信領域の前記第2バンプとが、前記第1の金属層に配される第1チャネルにより電気的に結合され、
前記第2の送信領域の前記第2バンプと、前記第1の受信領域の前記第1バンプとが、前記第3の金属層に配される第2チャネルにより電気的に結合され、
前記第1チャネルの長さと、前記第2チャネルの長さとが等しい、
請求項9に記載の電子パッケージ。
【請求項11】
パッケージ基板と、
前記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、前記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、前記第1のIOバンプマップの第1バンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
前記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、前記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、前記第2のIOバンプマップの第2バンプは、前記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
前記第1のIOバンプマップと前記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と、
を備え、
前記第1のIOバンプマップは、第1グランドバンプを有し、
前記第2のIOバンプマップは、第2グランドバンプを有し、
前記第1グランドバンプは、前記第1のダイの第1エッジに沿っており、
前記第2グランドバンプは、前記第2のダイの第2エッジに沿っている、
電子パッケージ。
【請求項12】
前記第1のIOバンプマップは、前記第1のダイから前記第2のダイへの第1方向において、前記第1グランドバンプの、前記第1エッジとは反対側に配置される第1シグナリングバンプをさらに有し、
前記第2のIOバンプマップは、前記第2のダイから前記第1のダイへの第2方向において、前記第2グランドバンプの、前記第2エッジとは反対側に配置される第2シグナリングバンプをさらに有する、
請求項11に記載の電子パッケージ。
【請求項13】
前記第1のIOバンプマップは、前記第1方向において、前記第1シグナリングバンプの、前記第1グランドバンプとは反対側に配置される第1電力バンプをさらに有し、
前記第2のIOバンプマップは、前記第2方向において、前記第2シグナリングバンプの、前記第2グランドバンプとは反対側に配置される第2電力バンプをさらに有する、
請求項12に記載の電子パッケージ。
【請求項14】
前記第1のIOバンプマップは前記第1エッジに沿って第1の幅を有し、前記第2のIOバンプマップは前記第2エッジに沿って第2の幅を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅と一致する
請求項6から13のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項15】
前記第2のピッチは、前記第1のピッチよりも小さい、請求項6から14のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項16】
前記第1のIOバンプマップは、前記第1のダイ内に第1の深さを有し、前記第2のIOバンプマップは、前記第2のダイ内に第2の深さを有し、前記第1の深さは、前記第2の深さと異なる
請求項1から15のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項17】
前記相互接続は、前記パッケージ基板内にある
請求項1から16のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項18】
ブリッジをさらに備え、
前記相互接続は、前記ブリッジ上にある
請求項1から17のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項19】
前記第1のピッチは、55μmまたはそれより大き
請求項1から18のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項20】
前記第2のピッチは、45μm、36μm、または25μmである
請求項1から19のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
【請求項21】
ボードと、
前記ボードに結合される電子パッケージと、
パッケージ基板の上方の第1のダイであって、前記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、前記第1のIOバンプマップの第1バンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
前記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、前記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、前記第2のIOバンプマップの第2バンプは、前記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
前記第1のIOバンプマップと前記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と
を備え、
前記第1のIOバンプマップは、前記第1のダイの第1エッジに沿って第1の幅を有し、前記第2のIOバンプマップは、前記第2のダイの第2エッジに沿って第2の幅を有し、前記第1の幅は、前記第2の幅と一致し、
前記第2のピッチは、前記第1のピッチよりも小さく、
前記第2バンプの個数は、前記第1バンプの個数よりも大きく、
前記第1バンプおよび前記第2バンプは、前記パッケージ基板の上方から見て行列状に配置され、
前記第2のIOバンプマップにおける、前記第2エッジに交差する方向の列の数は、前記第1のIOバンプマップにおける、前記第1エッジに交差する方向の列の数よりも大きく、
前記第2のIOバンプマップにおける、前記第2エッジに沿った方向の行の数は、前記第1のIOバンプマップにおける、前記第1エッジに沿った方向の行の数よりも小さい、
電子システム。
【請求項22】
前記第1バンプは、複数の第1グランドバンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2グランドバンプを含み、
前記複数の第2グランドバンプの個数は、前記複数の第1グランドバンプの個数よりも大きい、
請求項21に記載の電子システム。
【請求項23】
前記第1バンプは、複数の第1シグナリングバンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2シグナリングバンプを含み、
前記複数の第2シグナリングバンプの個数は、前記複数の第1シグナリングバンプの個数に等しい、
請求項21または22に記載の電子システム。
【請求項24】
前記第1バンプは、複数の第1電力バンプを含み、
前記第2バンプは、複数の第2電力バンプを含み、
前記複数の第2電力バンプの個数は、前記複数の第1電力バンプの個数よりも大きい、
請求項21から23のいずれか一項に記載の電子システム。
【請求項25】
前記第1のIOバンプマップは、前記第1のダイ内に第1の深さを有し、前記第2のIOバンプマップは、前記第2のダイ内に第2の深さを有し、前記第1の深さは、前記第2の深さと異なる
請求項21から24のいずれか一項に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、半導体デバイスに関し、より詳細には、PHYレスダイ間IO相互接続を有する電子パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
向上した機能性、改善した性能、および進化した処理ノードにおいて改善した成果を提供するために、複数のチップレットへのダイディスアグリゲーションが半導体製造産業において成長傾向にある。ダイディスアグリゲーションは、個々のチップレットが入出力(IO)バンプを通して互いに通信可能であることを必要とする。必要とされる相互接続密度およびバンプピッチに応じて、チャネルは異なるアーキテクチャで実装されることがある。例えば、C4バンプは、標準的なパッケージ基板内のチャネルを利用することがある。より進化した技術のノードでは、マイクロバンプは、埋め込まれたブリッジダイに実装されたチャネルと連携して用いられることがある。
【0003】
現在、IOは物理層(PHY)で設計されている。このプロセスの結果、ハードIP(HIP)が各IO領域に対してカスタム設計されることが必要となっている。このように、異なるチップレットの設計には、甚大な回路設計の努力およびシリコンリスクが伴う。PHYベース設計におけるカスタムHIPの必要は、異なるパッケージング技術をサポートするための容易なスケーリングに必要とされる携帯性も制限する。さらに、異なるバンプピッチを有するPHYベース設計間の相互運用性の欠如が見られる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】PHY層に実装されたIOを有するダイの一部の平面図である。
【0005】
図1B】実施形態に係る、PHYレス層に実装されるIOを有するダイの一部の平面図である。
【0006】
図2A】実施形態に係る、第1のバンプピッチを有する送信領域および受信領域のためのIOバンプマップの平面図である。
【0007】
図2B】実施形態に係る、第2のバンプピッチを有する送信領域および受信領域のためのIOバンプマップの平面図である。
【0008】
図2C】実施形態に係る、第3のバンプピッチを有する送信領域および受信領域のためのIOバンプマップの平面図である。
【0009】
図3A】実施形態に係る、電子パッケージにおけるブリッジを通して通信可能に結合されたダイを有する電子パッケージの断面図である。
【0010】
図3B】実施形態に係る、同じバンプピッチを有するIOバンプマップ間のブリッジを通したチャネルを示す概略平面図である。
【0011】
図3C】実施形態に係る、異なるピッチを有するIOバンプマップ間のブリッジを通したチャネルを示す概略平面図である。
【0012】
図3D】実施形態に係る、パッケージ基板を通して通信可能に結合されたダイを有する電子パッケージの断面図である。
【0013】
図3E】実施形態に係る、異なるピッチを有するIOバンプマップ間のパッケージ基板を通したチャネルを示す概略平面図である。
【0014】
図4A】実施形態に係る、バンプマップの対の平面図およびバンプマップ間チャネルを提供するブリッジの断面図である。
【0015】
図4B】実施形態に係る、バンプマップの対の平面図およびバンプマップ間チャネルを提供するパッケージ基板の断面図である。
【0016】
図4C】実施形態に係る、選択された電力およびグランドパッドが減らされた図4Bにおけるパッケージ基板の層内ルーティングの平面図である。
【0017】
図5A】実施形態に係る、PHYレスアーキテクチャを用いる場合の標準的なパッケージチャネルに存在するクロストークを示すアイダイアグラムである。
【0018】
図5B】実施形態に係る、リードウェイがチャネルと受信回路との間に提供される場合に提供されるクロストークの低減を示すアイダイアグラムである。
【0019】
図5C】実施形態に係る、送信回路が送信バンプの下方に位置し、受信回路がリードウェイによって受信バンプに接続されているバンプマップの平面図である。
【0020】
図6】実施形態に従って構築されたコンピューティングデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書では、様々な実施形態に係る、PHYレスダイ間IO相互接続を有する電子パッケージが説明される。以下の説明では、例示的な実装の様々な態様が、これらの動作の本質を他の当業者に伝えるために、当業者によって一般に用いられる用語を用いて説明される。しかしながら、本発明が説明される態様の一部のみによって実施され得ることは、当業者に明らかであろう。説明を目的として、例示的な実装を十分に理解せしめるために、具体的な数、材料および構成が記載される。しかしながら、本発明が具体的な詳細がなくとも実施され得ることは、当業者に明らかであろう。他の例では、例示的な実装を不明瞭にしないために、周知の機構が省略または簡略化される。
【0022】
様々な動作が、本発明を理解する上で最も有用な態様で、複数の別個の動作として順に説明される。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを示唆するものと解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示された順序で実行される必要はない。
【0023】
上述のように、ダイディスアグリゲーションは、チップレット間にIOチャネルを提供するという課題を形成する。現在、チップレット間のIOは、専用のハードIP(HIP)PHYを用いて実装される。HIP PHYは、従来のレベルのカスタマイズおよび手作業の設計を必要とする。これが、特に、より進化した処理ノードにスケーリングする場合に、新たなチップレットの設計コストを増加させる。さらに、現在のPHY層は、互いに相互運用可能ではない。すなわち、第1のピッチを有するIOバンプマップを有するチップレットは、第2のピッチを有するIOバンプマップを有するチップレットと容易に結合できない。
【0024】
PHYベースのIOバンプ領域の例が、図1Aに示される。図1Aは、ダイ100のIO領域180およびロジック領域185のマクロ図である。図1Aに示される図は、バンプ除去後のものである。図示されるように、IO領域180は、ブロック181/182の規則的な繰り返しパターンを含む。規則的な繰り返しパターンは、手動設計されたバンプ領域を示す。対照的に、ロジック領域185は、自動配置およびルーティングツールを用いて設計されたロジックおよびルーティングを示すモノリシック構造であることがわかる。
【0025】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、PHYレスIOバンプマップおよび回路/フロアプラン配置の利用を含む。実施形態において、ダイのエッジに沿ったIOバンプマップの幅(すなわち、ショアライン幅)を、様々なバンプピッチを有するIOバンプマップ間で均一に維持することによって、相互運用性が提供される。同じショアライン幅を保ちつつ、所与のIOバンプマップのダイ内への深さは可変であってよい。このように、整合した数のシグナリングバンプが、異なるバンプピッチを有するIOバンプマップに提供されてよい。
【0026】
さらに、PHYレス設計は、各デバイスに対するカスタムHIPの必要をなくす。例えば、チップレットのIO回路は、標準ライブラリからのデジタルセルで主に構成される。これらのセルは、回路設計の努力およびシリコンリスクを最小化するために、デジタル設計フローにより容易にテープアウトされてよい。
【0027】
PHYレスIOバンプ領域187の例が、図1Bに示される。図1Bは、ダイ100のIO領域187およびロジック領域185のマクロ図である。図1Bに示される図は、バンプ除去後のものである。図示されるように、IO領域187には、識別可能な繰り返しパターンはない。これは、自動配置およびルーティングツールにより設計されたIO領域187を示す。
【0028】
図2Aをここで参照すると、実施形態に係るIOバンプマップ250の平面図が示される。例示されている実施形態では、送信領域Tおよび受信領域Rが設けられる。送信領域Tはダイエッジ220に沿って位置し、受信領域Rは送信領域Tの後ろに(すなわち、図2Aの下方に)積層される。実施形態において、IOバンプマップ250は、シグナリングバンプ253、電力バンプ254、およびグランドバンプ255を有してよい。バンプ253、254、255は、六角形パターンで配置されてよい。しかしながら、異なる実施形態では、他のバンプレイアウトパターンが用いられてもよい。
【0029】
実施形態において、バンプ253、254、255は、ピッチPを有してよい。ピッチPは、ダイエッジ220に垂直な方向で測定される。バンプ253、254、255は、ダイエッジ220に平行な方向で測定されるピッチPを有してもよい。ピッチPおよびピッチPは、いくつかの実施形態において、異なってよい。他の実施形態において、ピッチPおよびピッチPは、互いに実質的に同様であってよい。実施形態において、ピッチPは55μmであってよく、ピッチPは98μmであってよい。
【0030】
実施形態において、送信領域Tおよび受信領域Rは、列252および行251を有する。図示されるように、図2Aの実施形態では、各行は10個のシグナリングバンプ253を有し、各列は12個のシグナリングバンプ253を有する。5個の列2521-5および6個の行2511-6があり、合計で60個のシグナリングバンプ253を提供する。しかしながら、60個のシグナリングバンプ253は、本質として例示的なものであり、本明細書で開示されるもののような当該スケーリングの努力は、任意の数のシグナリングバンプ253をバンプマップ250に(かつ、任意の数のシグナリングバンプ253を行251および/または列252の各々に)設定し得ることが認識されよう。
【0031】
実施形態において、バンプマップ250は、ダイエッジ220に沿ってショアライン幅Wを有してよい。実施形態において、送信領域Tは、ダイ内に深さDを有してよい。受信領域Rも、同じ深さDを有してよい。第1のピッチPは412.5μmの深さDを提供し、第2のピッチPは約490μmのショアライン幅Wを提供する。実施形態において、シグナリングバンプ253の電力バンプ254およびグランドバンプ255に対する比率は、4:1である。
【0032】
図2Bに示されるように、異なるピッチを有するバンプマップ250間の相互運用性は、整合した数のシグナリングバンプ253および均一なショアライン幅Wを維持することによって提供される。図2Bをここで参照すると、追加の実施形態に係るバンプマップ250の平面図が示される。実施形態において、図2Bのバンプマップ250は、第3のピッチPおよび第4のピッチPを有してよい。第3のピッチPはダイエッジ220に垂直に測定され、第4のピッチPはダイエッジ220に平行に測定される。実施形態において、第3のピッチPは第1のピッチPより小さくてよく、第4のピッチPは第2のピッチPより小さくてよい。例えば、第1のピッチPが55μmの場合、第3のピッチPは36μmであってよく、第2のピッチPが98μmの場合、第4のピッチPは65.3μmであってよい。
【0033】
しかしながら、図2Bにおけるシグナリングバンプ253の数および図2Bにおけるショアライン幅Wは、図2Aにおけるシグナリングバンプ253の数および図2Aにおけるショアライン幅Wに等しい。整合した数のシグナリングバンプ253および均一なショアライン幅Wは、図2Bのバンプマップ250において、列252の数を増やし、行251の数を減らすことによって実現される。例えば、図2Bにおけるバンプマップ250は、7.5個の列2521-7.5および4個の行2511-4を有してよい。行251の数を減らすことによって、図2Bにおけるバンプマップ250の深さDは、図2Aのバンプマップ250と比較して低減する。
【0034】
図2Aが55μmの最小バンプピッチを示し、図2Bが36μmの最小バンプピッチを示すことから、均一なショアライン幅およびシグナリングバンプ253の数を維持しつつ、異なるバンプピッチにスケーリングすることも可能であることが認識されよう。例えば、45μmおよび25μmの最小バンプピッチも、互いに相互運用可能なバンプマップ250を有してよい。45μmの最小バンプピッチは、6個の列252および5個の行253を有してよく、25μmの最小バンプピッチは、10個の列および3個の行253を有してよい。55μmより大きい最小バンプピッチも、25μmより小さい最小バンプピッチも、均一なショアライン幅およびシグナリングバンプの数を維持しつつ、設けられてよいことが認識されよう。
【0035】
相互運用可能なバンプマップ250は、従来のC4バンプにも設けられてよい。このような実施形態が図2Cに示される。実施形態において、C4シグナリングバンプ253は、ダイエッジ220に垂直な約110μmの第5のピッチPおよびダイエッジ220に平行な196μmの第6のピッチPを有してよい。より大きいバンプピッチPおよびPは、バンプマップ250に含まれ得るシグナリングバンプ253の数を減らす。例えば、12個のシグナリングバンプ253が、T領域およびR領域の各々に設けられる。但し、ショアライン幅Wは、図2Aおよび2Bのショアライン幅Wおよび/またはWと一致してよい。すなわち、いくつかの実施形態において、ショアライン幅Wは490μmであってよい。実施形態において、T領域およびR領域の各々の深さDは、約412.5μmであってよい。
【0036】
図3Aをここで参照すると、実施形態に係る電子パッケージ300の断面図が示される。実施形態において、電子パッケージ300は、相互接続383によってボード380(例えばマザーボード)に取り付けられたパッケージ基板382を有してよい。実施形態において、相互接続383は、半田ボールとして示される。しかしながら、相互接続383は、任意の適した相互接続アーキテクチャ(例えばソケットなど)を有してよいことが認識されよう。
【0037】
実施形態において、パッケージ基板382は、導電性トレース(図示されない)を囲む絶縁材料の層を有する。実施形態において、パッケージ基板382はコアあり基板またはコアレスであってよい。実施形態において、ブリッジ340は、パッケージ基板382に埋め込まれている。ブリッジ340は、第1のダイ330を第2のダイ330に通信可能に結合するために、チャネル341の高密度ルーティングを形成するために適しした基板材料を有してよい。例えば、ブリッジ340は、バックエンド領域に設けられた金属層を有するシリコンを有してよい。
【0038】
実施形態において、第1のダイ330および第2のダイ330は、任意のタイプの半導体デバイスであってよい。例えば、第1のダイ330および第2のダイ330は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)、メモリ、システムオンチップ(SoC)などであってよい。いくつかの実施形態において、第1のダイ330および第2のダイ330は、同じタイプのダイであってよい。他の実施形態において、第1のダイ330は、第2のダイ330と異なるタイプのダイであってよい。いくつかの実施形態において、第1のダイ330のバンプ353の最小ピッチは、第2のダイ330のバンプ353の最小ピッチと異なっていてよい。バンプピッチに差があるにもかかわらず、第1のダイ330のバンプマップは、第2のダイ330のバンプマップと相互運用可能であってよい。
【0039】
図3Bをここで参照すると、実施形態に係る第2のダイ330と通信可能に結合される第1のダイ330の概略平面図が示される。第1のダイ330は第1のバンプマップ350を有し、第2のダイ330は第2のバンプマップ350を有する。第1のバンプマップ350は、T領域355およびR領域356の対を有する。T領域355は、第1のダイ330のエッジに近接して位置する。第2のバンプマップ350は、T領域355の対およびR領域356を有する。T領域355の1つは、第2のダイ330のエッジに近接して位置する。ダイエッジに対してTおよびRの位置を交換した異なる設計を形成する必要がなくなるので、ダイエッジに近接するT領域355に、ダイ330内のより深い位置にR領域356を設けることは、設計努力を簡略化する。図示されるように、T領域355およびT領域355のショアライン幅Wは、互いに等しい。
【0040】
例示されている実施形態において、3個のモジュールが各ダイ(すなわち、第1のダイ330におけるT領域355およびR領域356の対、第2のダイ330におけるT領域355の対およびR領域356)のエッジに沿って積層されている。しかしながら、任意の数の(すなわち、1または複数の)モジュールがダイエッジに沿って設けられてよいことが認識されよう。追加の帯域幅を提供するために、追加のモジュールが、図3Bに示されるモジュールに横方向に隣接していてよい。
【0041】
実施形態において、T領域355は、ブリッジ340内のチャネル341によって、反対側のダイ330上のR領域356と通信可能に結合される。例えば、T領域355は、チャネル341によってR領域356と通信可能に結合され、各T領域355は、チャネル341によって異なるR領域356と結合される。
【0042】
図3Cをここで参照すると、追加の実施形態に係る電子パッケージ300の概略平面図が示される。図3Cにおいて、第1のダイ330は、第1のバンプピッチを有するT領域355およびR領域356を有する第1のバンプマップ350を含み、第2のダイ330は、第2のバンプピッチを有するT領域355およびR領域356を有する第2のバンプマップ350を含む。バンプピッチの差があるにもかかわらず、第1のバンプマップ350および第2のバンプマップ350は均一なショアライン幅Wを含み、従って、ブリッジ340を通して互いに通信することが可能となる。図3Cにおいて、第1のT領域355は、ブリッジ340内のチャネル341によって第2のR領域356と通信可能に結合されてよく、第2のT領域355は、ブリッジ340内のチャネル341によって第1のR領域356と通信可能に結合されてよい。
【0043】
実施形態において、第1のバンプマップ350は、図2Aにおけるバンプマップ250と同様であってよく、第2のバンプマップ350は、図2Bにおけるバンプマップ250と同様であってよい。すなわち、第1のバンプマップ350における最小バンプピッチは55μmであってよく、第2のバンプマップ350における最小バンプピッチは36μmであってよい。しかしながら、第1のバンプマップ350および第2のバンプマップ350の最小バンプピッチは、ショアライン幅Wが同じまま維持される限り、任意の値であってよいことが認識されよう。
【0044】
図3Dをここで参照すると、追加の実施形態に係る電子パッケージ300の断面図が示される。図3Dにおける電子パッケージ300は、ブリッジ340が省略されていることを除き、図3Aにおける電子パッケージ300と同様である。代わりに、チャネル341がパッケージ基板上にある(または埋め込まれている)。このような電子パッケージ300は、標準C4バンプピッチを有するダイ330に適している。すなわち、バンプ353の最小ピッチは110μmであってよい。
【0045】
図3Eをここで参照すると、実施形態に係る図3Dにおける電子パッケージ300の概略平面図が示される。図示されるように、TおよびR領域のモジュール設計は、異なるパッケージ技術を通して、回路の再利用を可能とする。例えば、第1のダイ330は、T領域355およびR領域356を有する第1のバンプマップ350を有してよく、第2のダイ330は、T領域355およびR領域356を有する第2のバンプマップ350を有してよい。第2のバンプマップ350は、C4バンプと共に用いるのに適した110μmの最小バンプピッチを有してよい。
【0046】
均一なショアライン幅Wにより、第1のバンプマップ350は、第2のバンプマップ350と相互運用可能である。バンプマップ350および350は互いに互換性を有するので、第1のバンプマップ350は、その最小バンプピッチを(例えば55μmから110μmに)増やすだけでよい。モジュールのバンプマップ設計は、各モジュールに対して、合計60個の信号のうち12個の信号が(例えば、図2Cに示される実施形態と同様の)第2のバンプマップ350と接続し続けるようサポートする。このように、第1のバンプマップ350への変更のみが、ファーバックエンド層およびバンプにおける簡易な変更である。すなわち、55μmバンプピッチまたは110μmバンプピッチのいずれが用いられるかによらず、下部の回路は同じままであってよい。
【0047】
図4Aをここで参照すると、実施形態に係る電子パッケージ400の平面図および断面図の複合図が示される。図4Aでは、第1のバンプマップ450および第2のバンプマップ450が平面図として提供され、下部のブリッジ440が断面図として示される。第1のバンプマップ450および第2のバンプマップ450の各々は、T領域およびR領域を有してよい。T領域(すなわち、T1およびT2)はダイエッジに沿って位置し、R領域(すなわち、R1およびR2)はダイ内で積層されている。
【0048】
図4Aの断面部分において、複数の金属層M1-M4を有するブリッジ440が示される。チャネル441の対が、ブリッジ440内に示される。T1およびR2におけるバンプ453間の第1のチャネル4411-2は第1の金属層M1に配され、T2およびR1におけるバンプ453間の第2のチャネル4412-1は、第3の金属層M3に配される。実施形態において、モジュール内のチャネル441は、全てのデータレーンとクロックとの間のスキューを最小化するように、長さを一致させている。モジュール間チャネルも、一致させている。図示された一致設計において、チャネル4412-1は、M3層におけるT1信号ビアランディングを通してルーティングする必要がある。しかしながら、ブリッジアーキテクチャの高密度ルーティング設計規則は、このようなルーティングを容易に実現可能である。
【0049】
図4Bをここで参照すると、追加の実施形態に係る電子パッケージ400の平面図および断面図の複合図が示される。図4Bでは、第1のバンプマップ450および第2のバンプマップ450が平面図として提供され、下部のパッケージ基板482が断面図として示される。第1のバンプマップ450および第2のバンプマップ450は、C4バンプ(例えば、110μmの最小バンプピッチを有する)に適したものとして示される。このように、チャネル441は、ブリッジを必要とすることなく、標準パッケージ基板482におけるチャネル441を用いて実装可能である。
【0050】
パッケージ基板482は、複数の金属層を有してよい。例えば、5個の金属層L1-L5が示される。チャネル4411-2は第2の金属層L2に設けられ、チャネル4412-1は第4の金属層L4に設けられる。チャネル4411-2および4412-1は、図4Aにおいて上述された実施形態と同様に、モジュール間およびモジュール内で一致している。しかしながら、従来のパッケージ基板482の設計規則は、簡易なルーティングを可能としない。1つの解決手段は、T2およびR2の位置を交換し、これにより、チャネル4412-1がチャネル4411-2より長くなり、交差を一切含まないようにすることであろう。しかしながら、このような解決手段は、2つの異なるモジュール配置およびシリコン設計を必要とし、本明細書で開示される実施形態によって提供される相互運用性を制限することになろう。
【0051】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、第2の層L2において減らされた電力およびグランドパッドを含むルーティングアーキテクチャを提供し、4411-2チャネルのルーティングの余地を作り出す。このような実施形態の例が図4Cに示される。図4Cでは、チャネル4411-2のセットを有する第2の金属層L2の平面図が示される。電力パッド454およびグランドパッド455のいくつかは、Xが記された円によって示されるように減らされてよい。例えば、電力パッド454およびグランドパッド455の全てが、T2領域において減らされる。全てではないが一部の電力パッド454およびグランドパッド455が、R2領域およびT1領域においても減らされる。実施形態において、第1のバンプマップ450のエッジは、ルーティングを簡略化するために、第2のバンプマップ450のエッジから間隔Oだけオフセットされてよい。第2の金属層L2においてT1信号の全てが終了するので、第4の金属層L4におけるチャネル4412-1のルーティングは、最低限の低減で行われてよい。
【0052】
図5A~5Cをここで参照すると、実施形態に係る等化ルーティング(すなわちリードウェイ)を示すアイダイアグラムおよび平面図の対が提供される。PHYレス設計の利点を十分に活かすために、送信および受信回路は、簡易である必要がある。しかしながら、進化したパッケージチャネル(例えば、ブリッジ上方のチャネル)およびパッケージ基板内の標準的なチャネルの両方にとって、このような回路には課題がある。図5Aのアイダイアグラムに示されるように、ブリッジチャネルは強いRC挙動を示すが、標準的なパッケージチャネルは、強い反射および増幅されたクロストークを示す。すなわち、特に、PHYレス設計の簡易なドライバ回路により、同じ回路を両方のタイプのチャネルに用いることは難しい。
【0053】
したがって、本明細書で開示される実施形態は、標準パッケージトレースと等しくなるように、Rモジュール上にオンダイリードウェイルーティングを追加することを含む。さらに、オンダイリードウェイルーティングは、Tモジュールには存在しない。図5Bに示されるように、リードウェイルーティングをRモジュールに追加した結果、標準的なパッケージチャネルのアイダイアグラムが大幅に平滑になっている。
【0054】
図5Cをここで参照すると、実施形態に係るバンプマップ550の平面図が示される。バンプマップ550は、T領域およびR領域を含む。図示されるように、Tバンプ553は、T回路571の真上に位置する。T回路571は、破線の輪郭で示され、これらがTバンプ553の下方においてダイ表面上にあることを示している。対照的に、R回路572は、Rバンプ553と同じ位置ではない。実施形態において、R回路572は、R領域のエッジに沿ったアレイに配置される。リードウェイ575は、Rバンプ553とR回路572との間に電気的結合を提供する。例えば、Rバンプ553R1はリードウェイ575によってR回路572に結合され、Rバンプ553R2はリードウェイ575によってR回路572に結合され、Rバンプ553R3はリードウェイ575によってR回路572に結合され、Rバンプ553R4はリードウェイ575によってR回路572に結合される。
【0055】
実施形態において、リードウェイ575は、ダイのバックエンド金属層に実装されてよい。具体的な実施形態において、リードウェイ575は、バンプ層下方にあるダイのM14またはM15層に実装される。実施形態は、必要とされる等化を提供するために、任意の長さを有するリードウェイ575を含んでよい。いくつかの実施形態において、リードウェイ575は、200μmから600μmの間の長さを有してよい。例えば、M15層における長さ約400μmのリードウェイ575は、約65オームをチャネルに付与してよい。
【0056】
さらに、リードウェイ575を含むことが、ブリッジ基板の上方に実装されるチャネルに与える影響は軽微である。このように、標準的なパッケージ基板チャネルおよびブリッジ基板を利用する進化したパッケージングアーキテクチャの両方に、同じ回路が利用されてよい。
【0057】
図6は、本発明の一実装に係るコンピューティングデバイス600を示す。コンピューティングデバイス600は、ボード602を収容する。ボード602は、限定されないが、プロセッサ604および少なくとも1つの通信チップ606を含む多数のコンポーネントを含んでよい。プロセッサ604は、ボード602と物理的かつ電気的に結合される。いくつかの実装では、少なくとも1つの通信チップ606も、ボード602と物理的かつ電気的に結合される。さらなる実装において、通信チップ606はプロセッサ604の一部であえる。
【0058】
これら他の複数のコンポーネントは、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、グラフィクスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラー、バッテリ、音声コーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、グローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラおよび(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等のような)大容量記憶装置を含むが、これらに限定されない。
【0059】
通信チップ606は、コンピューティングデバイス600との間でデータ送信のための無線通信を可能にする。用語「無線」およびその派生語は、非固体媒体を介した変調電磁放射の利用を通してデータ通信をし得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために用いられてよい。この用語は、関連するデバイスが有線をまったく含まないことを示唆するものではないが、いくつかの実施形態においてはそうではないこともあり得る。通信チップ606は、Wi-Fi(登録商標)(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(登録商標)(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、ロングタームエボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、これらの派生物、並びに、3G、4G、5Gおよびそれ以降のものとして指定される任意の他の無線プロトコルを含むがこれらに限定されない、複数の無線規格またはプロトコルのいずれかを実装してよい。コンピューティングデバイス600は、複数の通信チップ606を含んでよい。例えば、第1の通信チップ606は、Wi-FiおよびBluetooth(登録商標)のような短距離無線通信専用であってよく、第2の通信チップ606は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO等のような長距離無線通信専用であってよい。
【0060】
コンピューティングデバイス600のプロセッサ604は、プロセッサ604内でパッケージ化された集積回路ダイを含む。本発明のいくつかの実装において、プロセッサの集積回路ダイは、本明細書で説明された実施形態に係るPHYレスIOバンプマップを有する電子パッケージの一部であってよい。「プロセッサ」という用語は、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理して、その電子データをレジスタおよび/またはメモリに格納され得る他の電子データへと変換する任意のデバイスまたはデバイスの一部を指してよい。
【0061】
通信チップ606は、通信チップ606内でパッケージ化された集積回路ダイも含む。本発明の他の実装によれば、通信チップの集積回路ダイは、本明細書で説明された実施形態に係るPHYレスIOバンプマップを有する電子パッケージの一部であってよい。
【0062】
本発明の例示された実装の上述の説明は、要約書に説明されるものを含め、包括的であること、または本発明を開示された厳密な形式に限定することを意図するものではない。本発明の具体的な実装および例が例示目的で本明細書で説明されるが、当業者が認識するように、様々な均等の変形が本発明の範囲内で可能である。
【0063】
これらの変形が、上述された詳細な説明に照らして、本発明に加えられることがある。以下の特許請求の範囲で用いられる用語は、明細書および特許請求の範囲に開示される具体的な実装に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべき、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきである。
【0064】
例1:パッケージ基板と、パッケージ基板の上方の第1のダイであって、第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、第1のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、パッケージ基板の上方の第2のダイであって、第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、第2のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、第1のIOバンプマップと第2のIOバンプマップとの間の相互接続とを備える電子パッケージ。
【0065】
例2:第1のバンプマップは、第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、第2のバンプマップは、第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、第1の幅は、第2の幅と一致する例1に記載の電子パッケージ。
【0066】
例3:第1のバンプマップは、第1のダイ内に第1の深さを有し、第2のバンプマップは、第2のダイ内に第2の深さを有し、第1の深さは、第2の深さと異なる例1または例2に記載の電子パッケージ。
【0067】
例4:相互接続は、パッケージ基板内にある例1-3に記載の電子パッケージ。
【0068】
例5:ブリッジをさらに備え、相互接続は、ブリッジ上にある例1-3に記載の電子パッケージ。
【0069】
例6:第1のピッチは、約55μmまたはそれより大きく、第2のピッチは、約55μmまたはそれより小さい例1-5に記載の電子パッケージ。
【0070】
例7:第2のピッチは、約45μm、約36μm、または約25μmである例1-6に記載の電子パッケージ。
【0071】
例8:第1のバンプマップは、第1の個数の信号バンプを有し、第2のバンプマップは、第2の個数の信号バンプを有し、信号バンプの第1の個数は、信号バンプの第2の個数に等しい例1-7に記載の電子パッケージ。
【0072】
例9:信号バンプの第1の個数は60である例8に記載の電子パッケージ。
【0073】
例10:第1のバンプマップは、第1の送信領域と、第1の受信領域とを有し、第1の送信領域は、第1のダイのエッジに沿っており、第2のバンプマップは、第2の送信領域と、第2の受信領域とを有し、第2の送信領域は、第2のダイのエッジに沿っている例1-9に記載の電子パッケージ。
【0074】
例11:複数の金属層が埋め込まれたパッケージ基板であって、第1の金属層、第3の金属層、および第5の金属層が電力および/またはグランド層であり、第2の金属層および第4の金属層がシグナリング層である、パッケージ基板と、パッケージ基板の上方の第1のダイであって、第1の送信領域および第1の受信領域を有する第1のバンプマップを有する第1のダイと、パッケージ基板の上方の第2のダイであって、第2の送信領域および第2の受信領域を有する第2のバンプマップを有する第2のダイと、を備え、第1の送信領域は、第2の金属層内のチャネルによって第2の受信領域と電気的に結合され、第2の送信領域は、第4の金属層内のチャネルによって第1の受信領域と電気的に結合される電子パッケージ。
【0075】
例12:電力パッドのセットおよびグランドパッドのセットが第2の金属層から減らされる例11に記載の電子パッケージ。
【0076】
例13:減らされた電力パッドのセットおよび減らされたグランドパッドは、電力パッドの全ておよびグランドパッドの全てを第2の送信領域の下方に有する例12に記載の電子パッケージ。
【0077】
例14:電力パッドのいずれも第4の金属層から減らされず、グランドパッドのいずれも第4の金属層から減らされない例12に記載の電子パッケージ。
【0078】
例15:第1のバンプマップのエッジは第2のバンプマップのエッジからオフセットしている例11-15に記載の電子パッケージ。
【0079】
例16:第1のバンプマップは、第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、第2のバンプマップは、第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、第1の幅は、第2の幅と等しい例15に記載の電子パッケージ。
【0080】
例17:第2の金属層内のチャネルおよび第4の金属層内のチャネルは、同じ長さを有する例11-16に記載の電子パッケージ。
【0081】
例18:半導体基板であって、複数の送信回路を有するIO送信領域と、複数の受信回路を有するIO受信領域とを有する半導体基板と、半導体基板の上方の複数の金属層と、IO送信領域の上方の複数の第1のバンプであって、個々の送信回路は個々の第1のバンプと整合する、複数の第1のバンプと、IO受信領域の上方の複数の第2のバンプであって、個々の受信回路は、個々の第2のバンプと整合しない、複数の第2のバンプとを備える半導体ダイ。
【0082】
例19:個々の第1のバンプは、複数の金属層を通して鉛直相互接続によって個々の送信回路と電気的に結合され、個々の第2のバンプは、鉛直相互接続および複数の金属層内の水平リードウェイセグメントによって個々の受信回路と電気的に結合される例18に記載の半導体ダイ。
【0083】
例20:水平リードウェイセグメントは、約200μmまたはそれより大きい長さを有する例19に記載の半導体ダイ。
【0084】
例21:水平リードウェイは、約65オームを第2のバンプと受信回路との間の電気的チャネルに付加する例18-20に記載の半導体ダイ。
【0085】
例22:複数の受信回路は、IO受信領域内のアレイに配置される例18-21に記載の半導体ダイ。
【0086】
例23:ボードと、ボードに結合される電子パッケージと、パッケージ基板の上方の第1のダイであって、第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、第1のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、パッケージ基板の上方の第2のダイであって、第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、第2のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、第1のIOバンプマップと第2のIOバンプマップとの間の相互接続とを備える電子システム。
【0087】
例24:第1のバンプマップは、第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、第2のバンプマップは、第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、第1の幅は、第2の幅と一致する例23に記載の電子システム。
【0088】
例25:第1のバンプマップは、第1のダイ内に第1の深さを有し、第2のバンプマップは、第2のダイ内に第2の深さを有し、第1の深さは、第2の深さと異なる例23または例24に記載の電子パッケージ。
[他の可能な態様]
[態様1]
パッケージ基板と、
上記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、上記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、上記第1のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
上記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、上記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、上記第2のIOバンプマップのバンプは、上記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
上記第1のIOバンプマップと上記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と
を備える電子パッケージ。
[態様2]
上記第1のバンプマップは、上記第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、上記第2のバンプマップは、上記第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、上記第1の幅は、上記第2の幅と一致する
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様3]
上記第1のバンプマップは、上記第1のダイ内に第1の深さを有し、上記第2のバンプマップは、上記第2のダイ内に第2の深さを有し、上記第1の深さは、上記第2の深さと異なる
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様4]
上記相互接続は、上記パッケージ基板内にある
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様5]
ブリッジをさらに備え、
上記相互接続は、上記ブリッジ上にある
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様6]
上記第1のピッチは、約55μmまたはそれより大きく、上記第2のピッチは、約55μmまたはそれより小さい
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様7]
上記第2のピッチは、約45μm、約36μm、または約25μmである
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様8]
上記第1のバンプマップは、第1の個数の信号バンプを有し、上記第2のバンプマップは、第2の個数の信号バンプを有し、信号バンプの上記第1の個数は、信号バンプの上記第2の個数に等しい
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様9]
信号バンプの上記第1の個数は60である
態様8に記載の電子パッケージ。
[態様10]
上記第1のバンプマップは、
第1の送信領域と、
第1の受信領域と
を有し、
上記第1の送信領域は、上記第1のダイのエッジに沿っており、
上記第2のバンプマップは、
第2の送信領域と、
第2の受信領域と
を有し、
上記第2の送信領域は、上記第2のダイのエッジに沿っている
態様1に記載の電子パッケージ。
[態様11]
複数の金属層が埋め込まれたパッケージ基板であって、第1の金属層、第3の金属層、および第5の金属層が電力および/またはグランド層であり、第2の金属層および第4の金属層がシグナリング層である、パッケージ基板と、
上記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、第1の送信領域および第1の受信領域を有する第1のバンプマップを有する第1のダイと、
上記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、第2の送信領域および第2の受信領域を有する第2のバンプマップを有する第2のダイと、
を備え、
上記第1の送信領域は、上記第2の金属層内のチャネルによって上記第2の受信領域と電気的に結合され、上記第2の送信領域は、上記第4の金属層内のチャネルによって上記第1の受信領域と電気的に結合される
電子パッケージ。
[態様12]
電力パッドのセットおよびグランドパッドのセットが上記第2の金属層から減らされる
態様11に記載の電子パッケージ。
[態様13]
上記減らされた電力パッドのセットおよび上記減らされたグランドパッドは、上記電力パッドの全ておよび上記グランドパッドの全てを上記第2の送信領域の下方に有する
態様12に記載の電子パッケージ。
[態様14]
上記電力パッドのいずれも上記第4の金属層から減らされず、上記グランドパッドのいずれも上記第4の金属層から減らされない
態様12に記載の電子パッケージ。
[態様15]
上記第1のバンプマップのエッジは上記第2のバンプマップのエッジからオフセットしている
態様11に記載の電子パッケージ。
[態様16]
上記第1のバンプマップは、上記第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、上記第2のバンプマップは、上記第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、上記第1の幅は、上記第2の幅と等しい
態様15に記載の電子パッケージ。
[態様17]
上記第2の金属層内の上記チャネルおよび上記第4の金属層内の上記チャネルは、同じ長さを有する
態様11に記載の電子パッケージ。
[態様18]
半導体基板であって、
複数の送信回路を有するIO送信領域と、
複数の受信回路を有するIO受信領域と
を有する半導体基板と、
上記半導体基板の上方の複数の金属層と、
上記IO送信領域の上方の複数の第1のバンプであって、個々の送信回路は個々の第1のバンプと整合する、複数の第1のバンプと、
上記IO受信領域の上方の複数の第2のバンプであって、個々の受信回路は、個々の第2のバンプと整合しない、複数の第2のバンプと
を備える半導体ダイ。
[態様19]
個々の第1のバンプは、上記複数の金属層を通して鉛直相互接続によって個々の送信回路と電気的に結合され、個々の第2のバンプは、鉛直相互接続および上記複数の金属層内の水平リードウェイセグメントによって上記個々の受信回路と電気的に結合される
態様18に記載の半導体ダイ。
[態様20]
上記水平リードウェイセグメントは、約200μmまたはそれより大きい長さを有する
態様19に記載の半導体ダイ。
[態様21]
上記水平リードウェイは、約65オームを上記第2のバンプと上記受信回路との間の上記電気的チャネルに付加する態様19に記載の半導体ダイ。
[態様22]
上記複数の受信回路は、上記IO受信領域内のアレイに配置される
態様18に記載の半導体ダイ。
[態様23]
ボードと、
上記ボードに結合される電子パッケージと、
上記パッケージ基板の上方の第1のダイであって、上記第1のダイは、第1のIOバンプマップを有し、上記第1のIOバンプマップのバンプは、第1のピッチを有する、第1のダイと、
上記パッケージ基板の上方の第2のダイであって、上記第2のダイは、第2のIOバンプマップを有し、上記第2のIOバンプマップのバンプは、上記第1のピッチと異なる第2のピッチを有する、第2のダイと、
上記第1のIOバンプマップと上記第2のIOバンプマップとの間の相互接続と
を備える電子システム。
[態様24]
上記第1のバンプマップは、上記第1のダイのエッジに沿って第1の幅を有し、上記第2のバンプマップは、上記第2のダイのエッジに沿って第2の幅を有し、上記第1の幅は、上記第2の幅と一致する
態様23に記載の電子システム。
[態様25]
上記第1のバンプマップは、上記第1のダイ内に第1の深さを有し、上記第2のバンプマップは、上記第2のダイ内に第2の深さを有し、上記第1の深さは、上記第2の深さと異なる
態様23に記載の電子パッケージ。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6