(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】多結晶シリコンの搬送装置および多結晶シリコンの搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20250107BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
(21)【出願番号】P 2024566797
(86)(22)【出願日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 JP2024029150
【審査請求日】2024-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2023168032
(32)【優先日】2023-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】植杉 真也
(72)【発明者】
【氏名】神崎 正大
(72)【発明者】
【氏名】毎熊 龍造
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-37743(JP,U)
【文献】特開2005-219925(JP,A)
【文献】実開平7-9834(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有し、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送部と、
前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する第1センサと、
前記第1センサによる前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御部と、を備えることを特徴とする多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項2】
前記第1センサは、前記多結晶シリコンを互いに異なる方向から検知するように設けられた複数のレーザーセンサであり、
前記制御部は、前記複数のレーザーセンサのうち少なくとも1つのレーザーセンサが前記多結晶シリコンを検知したことに基づき、前記搬送部の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項3】
前記搬送部は、振動することにより前記多結晶シリコンを搬送する振動フィーダを含むことを特徴とする請求項2に記載の多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1センサによって前記多結晶シリコンが検知された場合、前記搬送部の駆動を一時停止させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項5】
前記第1センサは、前記搬出端部の近傍において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項6】
前記搬出端部から搬出された前記多結晶シリコンを保持可能な保持部と、
前記搬出端部から前記保持部に落下する前記多結晶シリコンを検知する第2センサと、を備え、
前記制御部は、
前記第2センサによる前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記保持部に前記多結晶シリコンの保持を解除させることにより、前記保持部から下方に落下する前記多結晶シリコンを載置可能な第1位置と、当該第1位置から離れた第2位置と、の間を移動可能な載置台に前記多結晶シリコンを載置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの搬送装置。
【請求項7】
多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有する搬送部により、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送工程と、
前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する検知工程と、
前記検知工程による前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御工程と、を含むことを特徴とする多結晶シリコンの搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンの搬送装置および多結晶シリコンの搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、果実が感知体に接触することで果実を感知する感知センサを備え、感知センサの感知結果により果実の供給量を自動制御する果実送込装置が開示されている。また、特許文献2には、廃プラスチックの通過を検知する通過センサを備える廃プラスチック選別装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開昭59-127685号公報
【文献】日本国特開2002-018364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不定形な物体を搬送するとともに検知することを想定した場合、特許文献1に開示の果実送込装置では、感知体に接触しないような小さい物体を感知することができないという問題がある。また、特許文献2に開示の廃プラスチック選別装置では、一方向から廃プラスチックを検知する通過センサを用いているため、廃プラスチックを十分に精度良く検知することができないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、多結晶シリコンをセンサで精度良く検知することにより、搬出の対象とする多結晶シリコンを、搬送部の外部に確実に搬出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る多結晶シリコンの搬送装置は、多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有し、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送部と、前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する第1センサと、前記第1センサによる前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る多結晶シリコンの搬送方法は、多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有する搬送部により、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送工程と、前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する検知工程と、前記検知工程による前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、多結晶シリコンをセンサで精度良く検知することにより、搬出の対象とする多結晶シリコンを、搬送部の外部に確実に搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る多結晶シリコンの搬送装置の構成の一例を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す搬送装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1に示す搬送装置が備える搬送部および第1センサを説明するための図である。
【
図4】
図1に示す搬送装置の動作を説明するための模式図である。
【
図5】
図1に示す搬送装置が備える搬送部への多結晶シリコンの供給動作の一例を示すフロー図である。
【
図6】
図1に示す搬送装置が備える搬送部の動作の一例を示すフロー図である。
【
図7】
図1に示す搬送装置が備える第1保持部の動作の一例を示すフロー図である。
【
図8】
図1に示す搬送装置が備える第2保持部の動作の一例を示すフロー図である。
【
図9】
図1に示す搬送装置が備える載置台の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本発明に係る多結晶シリコンSの搬送装置1の一例を説明するものであり、本発明の技術的範囲は、以下の説明および
図1~
図9の内容に限定されるものではない。
【0011】
〔搬送装置の概要〕
シーメンス法等によりロッド状に製造された多結晶シリコンSは、原料として使用しやすいように破砕されることにより、所定の大きさの塊状に形成された状態で、品質に問題がないか検査が行われる。所定の大きさとは、最大辺長が10mm~150mmである大きさを示す。また、最大辺長とは、多結晶シリコンSの外形における最も遠い2点間の距離を示す。
【0012】
多結晶シリコンSの検査は、カメラ等の撮影部によって多結晶シリコンSを撮影し、例えば、多結晶シリコンSの撮影画像を目視することにより行われる。また、多結晶シリコンSの検査は、多結晶シリコンSの撮影画像とAI(Artificial Intelligence:人工知能)との組み合わせにより行われてもよい。搬送装置1は、上記撮影部が多結晶シリコンSを撮影可能な位置まで、多結晶シリコンSを供給するものである。
【0013】
〔多結晶シリコンの搬送装置〕
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置1の構成の一例を示す概略図である。
図1の点線は各センサの検知範囲を示している。
図2は、
図1に示す搬送装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図1および
図2に示すように、搬送装置1は、搬送部30と、第1センサ12と、上段センサ13と、下段センサ14と、第3センサ11と、第4センサ15と、制御部20と、第1保持部40と、第2保持部50と、載置台60と、壁部70と、を備える。
【0014】
搬送装置1は、搬送部30の上において多結晶シリコンSを複数の方向から検知する第1センサ12の検査結果に基づき搬送部30の駆動を制御することで、不定形な多結晶シリコンSを、搬送部30の外部に確実に搬出することができるものである。
【0015】
〔多結晶シリコンの搬送装置〕
搬送装置1において、搬送部30が上部に配置され、搬送部30から下部に向かって第1保持部40、第2保持部50および載置台60の順で配置される。すなわち、載置台60は最下部に配置される。多結晶シリコンSは、搬送部30から1つずつ搬出される。多結晶シリコンSは、搬送装置1の上部から下部に向かって、搬送部30、第1保持部40、第2保持部50および載置台60の順に移動する。
【0016】
(制御部)
制御部20は、第1センサ12、上段センサ13、下段センサ14、第3センサ11および第4センサ15の検知結果に基づき、搬送部30、第1保持部40、第2保持部50および載置台60の駆動を制御する。制御部20の機能は、図示しない記憶部に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されてもよい。制御部20の制御の詳細について、詳しくは後述する。
【0017】
(搬送部)
搬送部30には、所定の大きさの塊状に形成された状態の多結晶シリコンSが、搬送装置1の外部から搬入される。搬送部30に搬入される多結晶シリコンSは、シーメンス法等によりロッド状に製造された多結晶シリコンが原料として使用しやすいように破砕が行われることにより、所定の大きさの塊状に形成されたものである。
【0018】
搬送部30は、多結晶シリコンSが搬出される搬出端部31を有し、多結晶シリコンSを搬送して搬出端部31から多結晶シリコンSを外部に搬出する。搬送部30は、振動することにより多結晶シリコンSを搬送する振動フィーダ32を含む。制御部20は振動フィーダ32を制御する。
【0019】
搬送部30は、水平面に対して傾斜する搬送面32a,32bを有する。搬送部30を搬出端部31側から見た場合、搬送面32a,32bはV字形状となっており、搬送面32a,32bにより谷部32cが形成される。振動フィーダ32が振動することにより、多結晶シリコンSが谷部32cに沿って搬送方向D1に搬送される。
【0020】
振動フィーダ32は、搬送方向D1に対して斜め上方向に振動する。具体的には、振動フィーダ32の振動方向は、搬送部30が有する搬入端部33から搬出端部31に向かう方向と、水平面に直交する鉛直上方向と、の間の方向である。振動フィーダ32は、例えば、バイブレータを用いて振動する振動フィーダ、または、電磁石を用いて振動する電磁フィーダである。多結晶シリコンSを搬送する搬送部30として振動フィーダ32を用いることにより、搬送部30の外部への多結晶シリコンSの搬出を制御し易い。
【0021】
(第3センサ)
第3センサ11は、搬送部30における搬出端部31とは反対側の搬入端部33の近傍に搬入される多結晶シリコンSの存在を検知する。第3センサ11の検知結果は制御部20に出力される。
図1に示すように第3センサ11は1つ設けられていることが望ましいが、第3センサ11は複数設けられていてもよい。第3センサ11は、後述するレーザーセンサ12aと同じセンサであってもよい。制御部20は、第3センサ11による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、搬送部30に多結晶シリコンSが搬入されたか否かを判定することができる。
【0022】
第1センサ12は、搬送部30の上において多結晶シリコンSを複数の方向から検知する。第1センサ12の検知結果は、制御部20に出力される。第1センサ12は、多結晶シリコンSを互いに異なる方向から検知するように設けられた複数のレーザーセンサ12a,12b,12cである。
【0023】
また、第1センサ12は、多結晶シリコンが搬出される搬出端部31の近傍において多結晶シリコンSを複数の方向から検知する。具体的には、レーザーセンサ12a~12cのうち少なくとも1つのレーザーセンサが、搬出端部31の近傍において多結晶シリコンSの存在を検知する。
【0024】
これにより、制御部20は、搬送部30の外部に搬出される直前の多結晶シリコンSを精度良く認識することができる。よって、第1センサ12によって検知された多結晶シリコンSは、すぐに搬送部30の外部に搬出されることになるため、当該多結晶シリコンSが搬送部30の外部に搬出された後に、第1センサ12は、次に搬送される多結晶シリコンSを検知することができる。したがって、制御部20は、第1センサ12による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、多結晶シリコンSをスムーズに搬送するように搬送部30の駆動を制御することができる。
【0025】
図3は、
図1に示す搬送装置1が備える搬送部30および第1センサ12を説明するための図である。また、
図3は、搬送部30を搬出端部31側から見た図である。
図3の符号3001は、1つのレーザーセンサ12aが設けられる場合を示す図であり、
図3の符号3002は、複数のレーザーセンサ12a~12cが設けられる場合を示す図である。
【0026】
レーザーセンサ12aは、谷部32c(
図1参照)に向けてレーザー光を出射するものであり、当該レーザー光を用いて対象物までの距離を測定する。そして、レーザーセンサ12aは、測定距離が所定範囲の値となることを検知することで、谷部32cに搬送された多結晶シリコンSの存在を検知する。
【0027】
ここで、
図3の符号3001に示すように、搬出端部31近傍の多結晶シリコンSを1つのレーザーセンサ12aのみで検知すると、多結晶シリコンSの存在を検知できない可能性がある。なぜなら、多結晶シリコンSは不定形な形状であるため、レーザーセンサ12aから出射されたレーザー光が多結晶シリコンSに当たる箇所によっては、レーザーセンサ12aが測定した距離が所定範囲の値とならず、多結晶シリコンSの存在を検知できない可能性があるからである。
【0028】
そこで、搬送装置1では、
図3の符号3002に示すように、第1センサ12として、多結晶シリコンSを互いに異なる方向から検知するように設けられた複数のレーザーセンサ12a~12cを採用している。これにより、画像センサ等に比べて安価なレーザーセンサを用いることになり、搬送装置1の製造コストを削減できる。
【0029】
また、搬送部30では振動フィーダ32により不定形な多結晶シリコンSが振動しながら搬送されるため、レーザーセンサから出射されるレーザー光で測定される距離が振動によって変わりやすく、多結晶シリコンSの存在を検知する精度が低下する可能性がある。それに対して、複数のレーザーセンサ12a~12cが設けられることで、多結晶シリコンSの検知を複数のレーザーセンサで行うことができるので、各レーザーセンサの測定距離が振動により変化しても、多結晶シリコンSの存在を精度良く検知することができる。よって、搬送部30の外部への多結晶シリコンSの搬出を制御し易くすることと、不定形な多結晶シリコンSの存在を精度良く検知することと、を両立することができる。
【0030】
第1センサ12が複数のレーザーセンサである場合、第1センサ12は、
図3の符号3002に示すように、3つのレーザーセンサ12a~12cであることが望ましい。レーザーセンサ12aは、レーザーセンサ12aからのレーザー光が、略鉛直方向に延伸し、搬送面32a,32bの間の谷部32cの底部に照射されるように配置されることが望ましい。
【0031】
また、レーザーセンサ12bは、レーザーセンサ12bからのレーザー光が、搬送面32aに沿って谷部32cの底部に向かって照射されるように配置されることが望ましい。レーザーセンサ12cは、レーザーセンサ12cからのレーザー光が、搬送面32bに沿って谷部32cの底部に向かって照射されるように配置されることが望ましい。
【0032】
レーザーセンサ12b,12cは、レーザーセンサ12aと同じセンサであってもよい。このようにレーザーセンサ12a~12cを配置することで、多結晶シリコンSまでの距離を多方向から測定することができるため、搬送部30が振動により多結晶シリコンSを搬送するものであっても搬出端部31にある多結晶シリコンSを精度良く検知することができる。
【0033】
なお、第1センサ12は、3次元で多結晶シリコンSを撮影可能なカメラを含み、当該カメラで多結晶シリコンSを撮影して取得した3D画像を用いて、多結晶シリコンSを複数の方向から検知する画像センサであってもよい。その場合、第1センサ12は1つの画像センサであってもよい。
【0034】
(第1保持部)
第1保持部40は、搬出端部31から搬出された多結晶シリコンSを保持可能である。また、第1保持部40は、多結晶シリコンSの保持を解除することにより、多結晶シリコンSを第2保持部50に落下させる。第1保持部40の駆動は制御部20により制御される。
【0035】
図4は、
図1に示す搬送装置1の動作を説明するための模式図である。
図1および
図4に示すように、第1保持部40は、可動部41および支持部41aを有する。可動部41は、制御部20の制御により略水平方向に移動する。
【0036】
可動部41における壁部70側の端部に支持部41aが設けられている。支持部41aは、搬出端部31から搬出された多結晶シリコンSを支持できるように、水平方向に対して傾斜するように可動部41に設けられている。搬出端部31の下部において鉛直方向に沿って配置されている板状の壁部70に支持部41aの下側の端部が接することで、支持部41aと壁部70との間に保持空間42が形成される。搬出端部31から搬出された多結晶シリコンSは、保持空間42に入ることにより支持部41aおよび壁部70によって保持される。
【0037】
なお、
図1および
図4では、支持部41aは1枚の板状のものとして図示されているが、多結晶シリコンSをより確実に保持できるように、支持部41aは、例えば、壁部70との間で保持空間42を形成するとともに上方が開放された箱状のものであってもよい。
【0038】
また、支持部41aが壁部70から離れるように可動部41が移動することで、支持部41aから多結晶シリコンSが第2保持部50に落下する。つまり、第1保持部40による多結晶シリコンSの保持が解除され、多結晶シリコンSが第1保持部40から第2保持部50に落下する。
【0039】
(上段センサ)
上段センサ13は、第2センサの一例であり、搬出端部31から第1保持部40に落下する多結晶シリコンSを検知する。上段センサ13の検知結果は、制御部20に出力される。上段センサ13は、搬送部30と下段センサ14との間に配置される。上段センサ13の検知範囲は、搬送部30と支持部41aとの間に位置する水平面のうち、鉛直方向において保持空間42を形成している状態の支持部41aと重なる部分であることが望ましい。
【0040】
上段センサ13は、例えば、平面状の光を出射する図示しない発光部と、当該発光部から出射された光が多結晶シリコンSで反射した光を受光する受光部と、を有する光電センサであってもよい。なお、
図1および
図4に示すように上段センサ13は1つ設けられていることが望ましいが、上段センサ13は複数設けられていてもよい。
【0041】
(第2保持部)
第2保持部50は、第1保持部40から下方に落下する多結晶シリコンSを保持可能である、つまり、搬出端部31から搬出された多結晶シリコンSを保持可能である。また、第2保持部50は、多結晶シリコンSの保持を解除することにより、多結晶シリコンSを載置台60に落下させる。第2保持部50の駆動は制御部20により制御される。
図1および
図4に示すように、第2保持部50は、可動部51および支持部51aを有する。可動部51は制御部20の制御により略水平方向に可動する。
【0042】
可動部51における壁部70側の端部に支持部51aが設けられている。支持部51aは、第1保持部40から落下する多結晶シリコンSを支持できるように、水平方向に対して傾斜するように可動部51に設けられている。壁部70に支持部51aの下側の端部が接することで、支持部51aと壁部70との間に保持空間52が形成される。第1保持部40から落下する多結晶シリコンSは、保持空間52に入ることにより支持部51aおよび壁部70によって保持される。
【0043】
なお、
図1および
図4では支持部51aは1枚の板状で図示されているが、多結晶シリコンSを確実に保持できるように、支持部51aは、例えば、壁部70との間で保持空間52を形成するとともに上方が開放された箱状のものであってもよい。
【0044】
また、支持部51aが壁部70から離れるように可動部51が移動することで、支持部51aから多結晶シリコンSが載置台60に落下する。つまり、第2保持部50による多結晶シリコンSの保持が解除され、多結晶シリコンSが第2保持部50から載置台60に落下する。
【0045】
(下段センサ)
下段センサ14は、第2センサの一例であり、下段センサ14は搬出端部31から第1保持部40を経て、第2保持部50に落下する多結晶シリコンSを検知する。下段センサ14の検知結果は、制御部20に出力される。下段センサ14は上段センサ13の下方に配置される。下段センサ14の検知範囲は、支持部41aと支持部51aとの間に位置する水平面のうち、鉛直方向において保持空間52を形成している状態の支持部51aと重なる部分であることが望ましい。
【0046】
下段センサ14は、上段センサ13と同じセンサであってもよい。なお、
図1および
図4に示すように下段センサ14は1つ設けられていることが望ましいが、下段センサ14は複数設けられていてもよい。
【0047】
(載置台)
載置台60は、多結晶シリコンSを1つずつ第1位置P1から第2位置P2に供給する。載置台60は、第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能である。第1位置P1は、第2保持部50から下方に落下する多結晶シリコンSを載置可能な位置である。第2位置P2は、第1位置P1から離れた位置であり、例えば、多結晶シリコンSの供給先の位置である。また、第2位置P2は、例えば、上述した撮影部が多結晶シリコンSを撮影可能な位置である。
【0048】
載置台60は、制御部20の制御により駆動する。載置台60は、第1位置P1において第2保持部50から落下した多結晶シリコンSを載置し、第2位置P2まで多結晶シリコンSを供給する。また、第2位置P2では、上述した撮影部による多結晶シリコンSの撮影が完了し、載置台60から多結晶シリコンSが取り除かれてもよい。多結晶シリコンSが取り除かれると、載置台60は、第2位置P2から第1位置P1に戻る。
【0049】
載置台60が第1位置P1に位置する場合、載置台60の上方に第1保持部40および第2保持部50が配置される。これにより、第1保持部40および第2保持部50により多結晶シリコンSを一時的に保持できる。
【0050】
なお、搬送装置1は、第1保持部40および第2保持部50のうち第1保持部40のみを備えるとともに、上段センサ13および下段センサ14のうち上段センサ13のみを備えていてもよい。この場合、第1保持部40が多結晶シリコンSの保持を解除すると、多結晶シリコンSは第1保持部40から載置台60に落下する。
【0051】
(第4センサ)
第4センサ15は、載置台60が第1位置P1に存在しているか否かを検知する。第4センサ15の検知結果は、制御部20に出力される。第4センサ15は、レーザーセンサ12aと同じセンサであってもよい。
【0052】
(搬送部の動作の流れ)
図5は、
図1に示す搬送装置1が備える搬送部30への多結晶シリコンSの供給動作の一例を示すフロー図である。
図6は、
図1に示す搬送装置1が備える搬送部30の動作の一例を示すフロー図である。
図5および
図6に基づき、搬送部30の動作の流れについて説明する。
【0053】
図5に示すように、まず、制御部20は、図示しない供給部を用いて、搬送部30への多結晶シリコンSの供給を開始する(S1)。そして、制御部20は、第3センサ11によって多結晶シリコンSが検知されたか否かを判定する(S2)。第3センサ11によって多結晶シリコンSが検知された場合(S2でYES)、制御部20は、上記供給部による搬送部30への多結晶シリコンSの供給を停止する(S3)。
【0054】
制御部20は、多結晶シリコンSの供給を停止した後、第3センサ11による多結晶シリコンSの検知が解除されたか否かを判定する(S4)。第3センサ11による多結晶シリコンSの検知が解除された場合(S4でYES)、制御部20は、ステップS1の処理に進み、搬送部30への多結晶シリコンSの供給を再開する。第3センサ11による多結晶シリコンSの検知が解除されていない場合(S4でNO)、制御部20は、第3センサ11による多結晶シリコンSの検知が解除されるまで搬送部30への多結晶シリコンSの供給の停止を継続する。
【0055】
一方、第3センサ11によって多結晶シリコンSが検知されていない場合(S2でNO)、制御部20は、第3センサ11によって多結晶シリコンSが検知されるまで搬送部30への多結晶シリコンSの供給を継続する。
【0056】
ステップS1において、制御部20は、搬送部30への多結晶シリコンSの供給を開始した後、
図6に示すように、搬送部30を駆動させ、搬出端部31に向けて多結晶シリコンSを搬送する(S11)。ステップS11は、搬送工程及び制御工程の一例である。
【0057】
制御部20は、搬送部30を駆動した後、第1センサ12によって多結晶シリコンSが検知されたか否かを判定する(S12)。具体的には、制御部20は、レーザーセンサ12a~12cのうち少なくとも1つのレーザーセンサによって多結晶シリコンSが検知されたか否かを判定する。ステップS12は検知工程の一例である。
【0058】
制御部20は、第1センサ12によって多結晶シリコンSが検知された場合(S12でYES)、搬送部30の駆動を一時停止させる(S13)。よって、搬送部30の外部に搬出された多結晶シリコンSの次に多結晶シリコンSが続いて搬送される場合、第1センサ12によって次に続く多結晶シリコンSが検知されると、当該多結晶シリコンSの搬送が一時停止する。ステップS13は制御工程の一例である。
【0059】
そして、後述するステップS15において多結晶シリコンSの搬送が再開されると、多結晶シリコンSが搬送部30の外部に搬出される。よって、搬送部30は、第1センサ12による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、多結晶シリコンSを1つずつ搬出端部31から外部に搬出することができる。第1センサ12が多結晶シリコンSを検知していない場合(S12でNO)、制御部20は、第1センサ12が多結晶シリコンSを検知するまで搬送部30を駆動させる。
【0060】
制御部20は、ステップS13で搬送部30を一時停止させた後、第1保持部40によって多結晶シリコンSが保持されているか否かを判定する(S14)。制御部20は、上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知された後に、第1保持部40による多結晶シリコンSの保持が解除されていない場合、第1保持部40によって多結晶シリコンSが保持されていると判定する。
【0061】
また、制御部20は、第1保持部40に多結晶シリコンSの保持を解除させた後に、上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知されていない場合、第1保持部40によって多結晶シリコンSが保持されていないと判定する。制御部20は、第1保持部40によって多結晶シリコンSが保持されていないと判定した場合(S14でNO)、搬送部30の駆動を再開させて、多結晶シリコンSを搬出端部31から搬出する(S15)。ステップS15は、搬送工程及び制御工程の一例である。
【0062】
制御部20は、第1保持部40によって多結晶シリコンSが保持されていると判定した場合(S14でYES)、搬送部30の停止状態を維持する。制御部20は、搬送部30の駆動を再開させた後、上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知されたか否かを判定する(S16)。
【0063】
上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知されたと判定した場合(S16でYES)を考える。この場合、制御部20は、搬出端部31から搬出された多結晶シリコンSの次に続いて搬送される多結晶シリコンSが第1センサ12によって検知されたか否かを判定する(S17)。制御部20は、第1センサ12によって次の多結晶シリコンSが検知されたと判定した場合(S17でYES)、ステップS13の処理に進む。
【0064】
制御部20は、上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知されていない場合(S16でNO)、上段センサ13によって多結晶シリコンSが検知されるまで搬送部30を駆動する。制御部20は、第1センサ12によって次の多結晶シリコンSが検知されていないと判定した場合(S17でNO)、第1センサ12によって次の多結晶シリコンSが検知されるまで搬送部30を駆動する。
【0065】
以上により、搬送部30の上において多結晶シリコンSを複数の方向から検知する第1センサ12を用いることで、不定形な多結晶シリコンSを第1センサ12で精度良く検知することができる。よって、制御部20が、第1センサ12による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、搬送部30の駆動を制御することで、搬出の対象とする多結晶シリコンSを、搬送部30の外部に確実に搬出することができる。
【0066】
また、制御部20は、複数のレーザーセンサ12a~12cのうち少なくとも1つのレーザーセンサが多結晶シリコンSを検知したことに基づき、搬送部30の駆動を制御する。これにより、搬送装置1は、搬出の対象とする多結晶シリコンSを搬送部30の外部に確実に搬出することができる。
【0067】
(第1保持部の動作の流れ)
図7は、
図1に示す搬送装置1が備える第1保持部40の動作の一例を示すフロー図である。
図6に示すステップS16でYESの場合、制御部20は、第2保持部50によって多結晶シリコンSが保持されているか否かを判定する(S21)。制御部20は、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知された後に、第2保持部50による多結晶シリコンSの保持が解除されていない場合、第2保持部50によって多結晶シリコンSが保持されていると判定する。
【0068】
また、制御部20は、第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させた後に、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知されていない場合、第2保持部50によって多結晶シリコンSが保持されていないと判定する。
【0069】
制御部20は、第2保持部50によって多結晶シリコンSが保持されていないと判定した場合(S21でNO)、第1保持部40に多結晶シリコンSの保持を解除させる(S22)。これにより、多結晶シリコンSが第1保持部40から第2保持部50に落下する。
【0070】
制御部20は、第1保持部40に多結晶シリコンSの保持を解除させた後、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知されたか否かを判定する(S23)。制御部20は、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知されたと判定した場合(S23でYES)、第1保持部40を閉じる(S24)。第1保持部40が閉じている状態は、支持部41aの下側の端部が壁部70に接している状態である。
【0071】
一方、制御部20は、第2保持部50によって多結晶シリコンSが保持されていると判定した場合(S21でYES)、第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させるまで待機する。
【0072】
制御部20は、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知されていないと判定した場合(S23でNO)、下段センサ14によって多結晶シリコンSが検知されるまで、第1保持部40が開いた状態を維持する。第1保持部40が開いた状態は、支持部41aと壁部70とが離れた状態である。なお、制御部20は、
図7に示す処理を実行している間に、第1センサ12が多結晶シリコンSを検知した場合、
図6に示すステップS13以降の処理を実行する。
【0073】
(第2保持部の動作の流れ)
図8は、
図1に示す搬送装置1が備える第2保持部50の動作の一例を示すフロー図である。制御部20は、
図7に示すステップS24の後、載置台60が第1位置P1に存在していることが第4センサ15によって検知されているか否かを判定する(S31)。制御部20は、第4センサ15によって載置台60が検知されていると判定した場合(S31でYES)、第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させる(S32)。これにより、多結晶シリコンSは、第2保持部50から載置台60に落下する。また、ステップS32において、第2保持部50は開いた状態となる。この状態は、支持部51aと壁部70とが離れた状態である。
【0074】
よって、制御部20は、上段センサ13および下段センサ14による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、第1保持部40および第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させることにより、載置台60に多結晶シリコンSを載置する。
【0075】
制御部20は、第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させた後、載置台60が退避したことが第4センサ15によって検知されているか否かを判定する(S33)。ステップS33において、載置台60が第1位置P1に存在していない場合、第4センサ15は、載置台60が退避したことを検知する。このとき、制御部20は、載置台60が第1位置P1から第2位置P2に移動したと判定する。また、制御部20は、多結晶シリコンSの在庫が無いと判定する。当該在庫は、搬送部30に供給するための多結晶シリコンSの在庫である。
【0076】
さらに、載置台60が第1位置P1に存在している場合、第4センサ15は、載置台60が退避していないことを検知する。このとき、制御部20は、載置台60が第1位置P1で待機していると判定する。
【0077】
載置台60が退避したことが第4センサ15によって検知された場合(S33でYES)、制御部20は、第2保持部50を閉じる(S34)。第2保持部50が閉じている状態は、支持部51aの下側の端部が壁部70に接している状態である。一方、載置台60が退避していないことが第4センサ15によって検知された場合(S33でNO)、制御部20は、第2保持部50が開いた状態を維持する。
【0078】
一方、制御部20は、第4センサ15によって載置台60が検知されていないと判定した場合(S31でNO)、第4センサ15によって載置台60が検知されるまで待機する。
【0079】
(載置台の動作の流れ)
図9は、
図1に示す搬送装置1が備える載置台60の動作の一例を示すフロー図である。制御部20は、
図8に示すステップS32の後、多結晶シリコンSを載置する載置台60を第1位置P1から第2位置P2に移動させる(S41)。
【0080】
制御部20が載置台60を第1位置P1から第2位置P2に移動させた後、上述した撮影部によって多結晶シリコンSが撮影され、載置台60から多結晶シリコンSが取り除かれる。そして、制御部20は、載置台60を第2位置P2から第1位置P1に移動させる(S42)。制御部20は、ステップS41またはS42の処理を実行している間、
図5から
図7に示すステップの処理と、
図8に示すステップS31の処理と、を継続する。
【0081】
以上により、搬送装置1は、多結晶シリコンSを保持可能な第1保持部40および第2保持部50を備えることにより、多結晶シリコンSを一時的に保持することができる。また、制御部20は、上段センサ13および下段センサ14による多結晶シリコンSの検知結果に基づき、第1保持部40および第2保持部50に多結晶シリコンSの保持を解除させる。
【0082】
これにより、制御部20は上段センサ13および下段センサ14の検知結果から、多結晶シリコンSが第1保持部40および第2保持部50の少なくとも一方に保持されている状態であることを認識した上で、第2保持部50から多結晶シリコンSを落下させる。そして、制御部20は、多結晶シリコンSを載置台60に載置することができる。
【0083】
また、載置台60が第2位置P2から第1位置P1に戻った場合、第1保持部40および第2保持部50による多結晶シリコンSの保持が解除されることで、第1保持部40および第2保持部50から載置台60へ多結晶シリコンSをすぐに載置することができる。よって、多結晶シリコンSを第1位置P1から第2位置P2までスムーズに供給することができる。
【0084】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る多結晶シリコンの搬送装置は、多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有し、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送部と、前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する第1センサと、前記第1センサによる前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御部と、を備える。
【0085】
搬送部の上において多結晶シリコンを複数の方向から検知する第1センサを用いることで、不定形な多結晶シリコンを第1センサで精度良く検知することができる。よって、制御部が、第1センサによる多結晶シリコンの検知結果に基づき、搬送部の駆動を制御することで、搬出の対象とする多結晶シリコンを、搬送部の外部に確実に搬出することができる。
【0086】
本発明の態様2に係る多結晶シリコンの搬送装置では、前記態様1において、前記第1センサは、前記多結晶シリコンを互いに異なる方向から検知するように設けられた複数のレーザーセンサであり、前記制御部は、前記複数のレーザーセンサのうち少なくとも1つのレーザーセンサが前記多結晶シリコンを検知したことに基づき、前記搬送部の駆動を制御してもよい。
【0087】
多結晶シリコンを互いに異なる方向から検知するように、複数のレーザーセンサが設けられる。これにより、画像センサ等に比べて安価なレーザーセンサを用いることになり、多結晶シリコンの搬送装置の製造コストを削減できる。また、制御部は、複数のレーザーセンサのうち少なくとも1つのレーザーセンサが多結晶シリコンを検知したことに基づき、搬送部の駆動を制御する。このため、多結晶シリコンの搬送装置は、搬出の対象とする多結晶シリコンを搬送部の外部に確実に搬出することができる。
【0088】
本発明の態様3に係る多結晶シリコンの搬送装置では、前記態様1または2において、前記搬送部は、振動することにより前記多結晶シリコンを搬送する振動フィーダを含んでもよい。
【0089】
多結晶シリコンを搬送する搬送部として振動フィーダを用いることにより、搬送部の外部への多結晶シリコンの搬出を制御し易い。また、振動フィーダにより振動する不定形な多結晶シリコンに対して、複数のレーザーセンサにより精度良く検知することができる。よって、搬送部の外部への多結晶シリコンの搬出を制御し易くすることと、不定形な多結晶シリコンを精度良く検知することと、を両立することができる。
【0090】
本発明の態様4に係る多結晶シリコンの搬送装置では、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記制御部は、前記第1センサによって前記多結晶シリコンが検知された場合、前記搬送部の駆動を一時停止させてもよい。
【0091】
搬送部の外部に搬出された多結晶シリコンの次に多結晶シリコンが続いて搬送される場合、第1センサによって次に続く多結晶シリコンが検知されると、当該多結晶シリコンの搬送が一時停止する。そして、多結晶シリコンの搬送が再開されると、多結晶シリコンが搬送部の外部に搬出される。よって、搬送部は、第1センサによる多結晶シリコンの検知結果に基づき、多結晶シリコンを1つずつ搬出端部から外部に搬出することができる。
【0092】
本発明の態様5に係る多結晶シリコンの搬送装置では、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記第1センサは、前記搬出端部の近傍において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知してもよい。
【0093】
第1センサが、多結晶シリコンが搬出される搬出端部の近傍において多結晶シリコンを検知することにより、制御部は、搬送部の外部に搬出される直前の多結晶シリコンを精度良く認識することができる。よって、第1センサによって検知された多結晶シリコンは、すぐに搬送部の外部に搬出されることになるため、当該多結晶シリコンが搬送部の外部に搬出された後に、第1センサは、次に搬送される多結晶シリコンを検知することができる。したがって、制御部は、第1センサによる多結晶シリコンの検知結果に基づき、多結晶シリコンをスムーズに搬送するように搬送部の駆動を制御することができる。
【0094】
本発明の態様6に係る多結晶シリコンの搬送装置は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記搬出端部から搬出された前記多結晶シリコンを保持可能な保持部と、前記搬出端部から前記保持部に落下する前記多結晶シリコンを検知する第2センサと、を備え、前記制御部は、前記第2センサによる前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記保持部に前記多結晶シリコンの保持を解除させることにより、前記保持部から下方に落下する前記多結晶シリコンを載置可能な第1位置と、当該第1位置から離れた第2位置と、の間を移動可能な載置台に前記多結晶シリコンを載置してもよい。
【0095】
多結晶シリコンの搬送装置は、多結晶シリコンを保持可能な保持部を備えることにより、多結晶シリコンを一時的に保持することができる。また、制御部は、第2センサによる多結晶シリコンの検知結果に基づき、保持部に多結晶シリコンの保持を解除させる。これにより、制御部は第2センサの検知結果から、多結晶シリコンが保持部に保持されている状態であることを認識した上で、保持部から多結晶シリコンを落下させ、多結晶シリコンを載置台に載置することができる。
【0096】
また、載置台が第2位置から第1位置に戻った場合、保持部による多結晶シリコンの保持が解除されることで、保持部から載置台へ多結晶シリコンをすぐに載置することができる。よって、多結晶シリコンを第1位置から第2位置までスムーズに供給することができる。
【0097】
本発明の態様7に係る多結晶シリコンの搬送方法は、多結晶シリコンが搬出される搬出端部を有する搬送部により、前記多結晶シリコンを搬送して前記搬出端部から前記多結晶シリコンを外部に搬出する搬送工程と、前記搬送部の上において前記多結晶シリコンを複数の方向から検知する検知工程と、前記検知工程による前記多結晶シリコンの検知結果に基づき、前記搬送部の駆動を制御する制御工程と、を含む。
【0098】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 搬送装置
12 第1センサ
13 上段センサ(第2センサ)
14 下段センサ(第2センサ)
20 制御部
30 搬送部
31 搬出端部
40 第1保持部(保持部)
50 第2保持部(保持部)
60 載置台
P1 第1位置
P2 第2位置
S 多結晶シリコン
【要約】
多結晶シリコンをセンサで精度良く検知することにより、搬出の対象とする多結晶シリコンを、搬送部の外部に確実に搬出する。多結晶シリコンの搬送装置(1)は、多結晶シリコン(S)が搬出される搬出端部(31)を有し、多結晶シリコン(S)を搬送して搬出端部(31)から多結晶シリコン(S)を外部に搬出する搬送部(30)と、搬送部(30)の上において多結晶シリコン(S)を複数の方向から検知する第1センサ(12)と、第1センサ(12)による多結晶シリコン(S)の検知結果に基づき、搬送部(30)の駆動を制御する制御部(20)と、を備える。