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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】無線通信方法、及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/15 20180101AFI20250108BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20250108BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20250108BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20250108BHJP
   H04W 40/24 20090101ALI20250108BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W16/28 130
H04W88/04
H04W16/26
H04W40/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021123647
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023019146
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】中平 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 元晴
(72)【発明者】
【氏名】守山 貴庸
(72)【発明者】
【氏名】村田 英一
(72)【発明者】
【氏名】笠井 万平
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-508927(JP,A)
【文献】特開2017-228933(JP,A)
【文献】特開2011-244061(JP,A)
【文献】特表2012-521121(JP,A)
【文献】村田 英一 Hidekazu Murata,電子情報通信学会2018年通信ソサイエティ大会講演論文集1 PROCEEDINGS OF THE 2018 IEICE COMMUNICATIONS SOCIETY CONFERENCE,2018年08月28日,S-57,S-58
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と通信可能な複数の無線局が、無線信号を他の無線局へ中継する中継通信を行う中継通信用リンクを確立する確立ステップと、
前記基地局が、データを無線信号でマルチアンテナ送信する送信ステップと、
前記複数の無線局のうち、一の無線局が、前記基地局から受信した無線信号と、前記中継通信で他の無線局から受信した1つ以上の無線信号とを用いて、前記データを受信する受信ステップと、
を含み、
前記確立ステップは、
前記複数の無線局の各々が、
ブロードキャスト信号を送信するステップと、
前記ブロードキャスト信号に対して応答を返した1つ以上の他の無線局と前記中継通信用リンクを確立するステップと、
前記他の無線局からの受信信号の強度に基づいて、無線信号を前記中継通信で自局に中継する際に利用する、中継送信順又は送信待機時間を示す情報を含む中継通信用の制御情報を作成し、前記中継通信用の制御情報を前記他の無線局に通知するステップと、
を実行する、
線通信方法。
【請求項2】
前記基地局が実行する前記送信ステップは、前記一の無線局の宛先情報を含む無線信号をマルチアンテナ送信し、
前記他の無線局が、前記基地局から受信した無線信号に含まれる前記一の無線局の宛先情報と、前記一の無線局から通知された前記中継通信用の制御情報とに基づいて、前記基地局から受信した無線信号を、前記一の無線局に前記中継通信で中継する中継ステップを含む、
請求項に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記基地局が送信する無線信号は、空間ストリーム数の情報を含み、
前記中継ステップは、前記空間ストリーム数に基づいて、前記他の無線局の各々が、前記基地局から受信した無線信号を前記一の無線局に中継するか否かを決定する決定ステップを含む、
請求項に記載の無線通信方法。
【請求項4】
記決定ステップは、前記空間ストリーム数と、前記中継送信順又は送信待機期間とに基づいて、当該無線信号を前記一の無線局に中継するか否かを決定する、
請求項に記載の無線通信方法。
【請求項5】
前記一の無線局から通知された前記中継通信用の制御情報は、前記一の無線局に前記中継通信で無線信号を中継する際に利用する、周波数チャネルの情報、又は送信アンテナパターンの情報を含む、請求項乃至のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の無線通信方法を実行する無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信方法、及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける大容量化技術のために現在広く用いられている技術として複数アンテナを用いて同一の無線チャネルで空間分割多重を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)があり、様々な無線システムにおいて採用されている。
【0003】
MIMO伝送では、一般的に伝送したい空間ストリーム数以上のアンテナ数を送受信側で備えることで、複数の空間ストリームが混在した状態で受信される信号に対し、MIMO復調処理を行えることが知られている。そのため、MIMO伝送の容量を拡大するためには、送受信側双方でなるべく多くのアンテナ数を備えることが望ましい。しかしながら、実際には装置上の制約、特に端末局側が備えることができるアンテナ数が、装置の大きさや消費電力の観点から制約されることがあり、これにより伝送可能な空間ストリーム数が低下してしまうという課題がある。
【0004】
そこで、端末局同士が互いに連携し、自局が受信した無線信号を、宛先端末局に対して中継伝送することで、宛先端末局において、MIMO伝送の容量を拡大する「端末連携MIMO伝送方式」が検討されている。(例えば、非特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】笠井、村田、中平、石原、守山、" 端末連携MIMO受信におけるレプリカ信頼度を用いた端末選択の一検討," 信学総大会, Mar. 2020
【文献】Mampei Kasai, Hidekazu Murata, "Study of Terminal Selection Scheme Using Reliability of Replicain Terminal Collaborated MIMO Reception," URSI GASS 2020, Rome, Italy, 29 August - 5 September 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、無線局(端末)連携MIMO通信自体は提案がされているが、具体的にどのような手順によって無線局を連携してMIMO通信を実現するかについては、十分に検討が行われていなかった。
【0007】
本発明の実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の無線局を連携して、MIMO通信の容量を拡大する具体的な無線通信方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の実施形態に係る無線通信方法は、基地局と通信可能な複数の無線局が、無線信号を他の無線局へ中継する中継通信を行う中継通信用リンクを確立する確立ステップと、前記基地局が、データを無線信号でマルチアンテナ送信する送信ステップと、前記複数の無線局のうち、一の無線局が、前記基地局から受信した無線信号と、前記中継通信で他の無線局から受信した1つ以上の無線信号とを用いて、前記データを受信する受信ステップと、を含み、前記確立ステップは、前記複数の無線局の各々が、ブロードキャスト信号を送信するステップと、前記ブロードキャスト信号に対して応答を返した1つ以上の他の無線局と前記中継通信用リンクを確立するステップと、前記他の無線局からの受信信号の強度に基づいて、無線信号を前記中継通信で自局に中継する際に利用する、中継送信順又は送信待機時間を示す情報を含む中継通信用の制御情報を作成し、前記中継通信用の制御情報を前記他の無線局に通知するステップと、を実行する。

【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、複数の無線局を連携して、MIMO通信の容量を拡大する具体的な無線通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る無線通信システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】本実施形態に係る通信処理の概要について説明するための図である。
図3】本実施形態に係る無線通信システムの機能構成の例を示す図である。
図4】実施例1に係る無線通信処理の例を示すフローチャートである。
図5】実施例1に係る中継通信用リンクの確立処理の例を示すフローチャートである。
図6】実施例1に係る中継通信用の制御情報について説明するための図である。
図7】実施例1に係るマルチアンテナ伝送処理の例を示すフローチャートである。
図8】実施例2に係るマルチアンテナ伝送処理の例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る基地局、及び無線局のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施形態)を説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
【0012】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る無線通信システムのシステム構成の例を示す図である。無線通信システム1は、例えば、基地局10と、基地局10と通信可能な複数の無線局20-1~20-5とを含む。なお、以下の説明において、複数の無線局20-1~20-5のうち、任意の無線局を示す場合、「無線局20」を用いる。また、図1に示す無線局20の数は一例であり、無線局20の数は、2つ以上の他の数であって良い。
【0013】
無線通信システム1は、無線局20同士が互いに連携し、自局が受信した無線信号を、宛先の無線局20に対して中継伝送することで、宛先の無線局20において、MIMO伝送の容量を拡大する無線局(端末)連携MIMO通信を行うシステムである。
【0014】
図1において、基地局10は、複数のアンテナ11を用いて、例えば、無線局20-1に対して、データをMIMO信号(無線信号)12でマルチアンテナ送信する。また、無線局20-2~20-5は、基地局10が無線局20-1に対して送信したMIMO信号12を受信すると、受信したMIMO信号に含まれる宛先情報に基づいて、受信したMIMO信号12を宛先の無線局20-1に中継する中継通信を行う。これにより、宛先の無線局20-1は、基地局10から受信したMIMO信号12と、他の無線局20-2~20-5から受信した複数のMIMO信号21とを用いて、自局が有するアンテナ数以上の
受信信号により、データをMIMO受信することができる。
【0015】
(通信処理の概要)
図2は、本実施形態に係る通信処理の概要について説明するための図である。まず、図2の左図を参照して、複数の無線局20が、中継通信用リンクを確立する処理の概要について説明する。なお、中継通信用リンクは、複数の無線局20が、受信したMIMO信号を他の無線局20へ中継する中継通信を行うための無線リンクである。
【0016】
ステップS1において、無線局20-1は、自律的に所定のブロードキャスト信号を送信する。例えば、無線局20-1は、他の無線局20との中継用リンクを確立していないとき、又は他の無線局20との中継用リンクを確立した後、所定の時間を経過したとき等に、所定のブロードキャスト信号を送信しても良い。ここでは、無線局20-1が送信した所定のブロードキャスト信号を、無線局20-2~20-5が受信し、無線局20-6が受信できないものとして以下の説明を行う。
【0017】
ステップS2において、所定のブロードキャスト信号を受信した無線局20-2~20-5は、無線局20-1に対して中継通信の接続要求を送信する。また、無線局20-1は、例えば、接続要求を送信した無線局20-2~20-5に対して、接続許可を送信することにより、無線局20-2~20-5と中継通信用リンクを確立する。さらに、無線局20-1は、例えば、他の無線局20-2~20-5から受信した受信信号の強度等に基づいて、他の無線局20-2~20-5の各々に対応する中継通信用の制御情報を作成し、他の無線局20-2~20-5に通知する。
【0018】
ステップS3において、無線局20-1は、中継通信用リンクの確立結果に基づいて、無線局20-1のケーパビリティ情報(能力情報)を更新して、基地局10に通知する。このケーパビリティ情報には、例えば、無線局20-1と中継通信が可能な他の無線局20-2~20-5の数等の情報が含まれる。
【0019】
本実施形態に係る無線通信システム1では、複数の無線局20の各々が、上記のステップS1、S2を実行することにより、各無線局20は、他の無線局20に無線信号を中継するための中継通信用の制御情報を取得することができる。
【0020】
続いて、図2の右図を参照して、基地局10から、宛先の無線局20-1に対して、無線局(端末)連携MIMO伝送を行う処理の概要について説明する。
【0021】
ステップS4において、基地局10は、宛先の無線局20-1に対して、データをマルチアンテナ送信する。例えば、基地局10は、空間ストリーム数を決定した上で、宛先情報を含むMIMO信号を、複数のアンテナ11を用いて送信する。図2の例では、一例として、5×5のMIMO伝送を実施する場合の例を示している。
【0022】
好ましくは、基地局10が送信するMIMO信号には、空間ストリーム数を示す情報がさらに含まれる。これにより、他の無線局20-2~20-5は、自局が宛先の無線局20-1に対して、中継通信を行うか否かを判断することができる。
【0023】
好ましくは、基地局10は、無線フレームのプリアンブル部に空間ストリーム数を格納して、MIMO信号を送信する。
【0024】
ステップS5において、基地局10からMIMO信号を受信した他の無線局20-2~20-5は、宛先の無線局20-1から通知された中継通信用の制御情報に基づいて、受信したMIMO信号を、宛先の無線局20-1に中継(送信)する。
【0025】
ステップS6において、宛先の無線局20-1は、基地局10から受信したMIMO信号と、他の無線局20-2~20-5から受信した1つ以上のMIMO信号とを用いて、MIMO受信処理を行うことにより、データを受信する。例えば、無線局20-1は、他の無線局20-2~20-5から受信したMIMO信号を、あたかも自局が備える複数のアンテナで受信したMIMO信号であるかのように処理することにより、MIMO伝送の容量を拡大して、データを受信することができる。
【0026】
上記の各処理により、本実施形態によれば、複数の無線局を連携して、MIMO通信の容量を拡大する具体的な無線通信方法を提供することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、複数の無線局20が中継通信を行うための新たな通信方式が必要になるが、通信相手となる基地局10は、宛先の無線局20が新たな通信方式に対応しているか否かを意識せずにMIMO通信できることが、後方互換性の観点から望ましい。
【0028】
本実施形態によれば、複数の無線局20が、自律的に中継通信に関する処理を実行するので、基地局10は、宛先の無線局20が無線局連携に対応する無線局であるか否かを意識せずに、無線局連携MIMO通信が可能となる。
【0029】
<無線通信システムの機能構成>
図3は、本実施形態に係る無線通信システムの機能構成の例を示す図である。
【0030】
(無線局の機能構成)
無線局20は、例えば、コンピュータの構成を備え、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより、通信部311、中継通信部312、復調部313、及び情報送信部314等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。なお、図3において、他の無線局20-2、20-3、・・・は、無線局20-1と同様の機能構成を有しているものとする。
【0031】
通信部311は、基地局10と所定の無線通信規格に基づいて無線通信を行う通信処理を実行する。例えば、通信部311は、基地局10との制御情報の送受信、及びMIMO信号によるデータの送受信等を行う。
【0032】
中継通信部312は、複数の無線局20が、無線信号を他の無線局20へ中継する中継通信に関する様々な処理を実行する。例えば、中継通信部312は、図2のステップS1、S2で説明した、所定のブロードキャスト信号を送信し、当該信号に対して接続要求を送信した他の無線局20に対して、接続許可を送信することにより、中継通信用リンクを確立する。また、中継通信部312は、他の無線局20から受信した受信信号の強度に基づいて、他の無線局20の各々に対応する中継通信用の制御情報を作成し、作成した中継通信用の制御情報を、自局に接続した他の無線局20に通知する。
【0033】
また、中継通信部312は、他の無線局20が送信する所定のブロードキャスト信号を受信すると、所定のブロードキャスト信号を送信した他の無線局20に対して、接続要求を送信し、他の無線局20から通知される中継通信用の制御情報を記憶する。
【0034】
中継通信部312は、基地局10から、通信部311が受信したMIMO信号が、他の無線局20宛てのMIMO信号である場合、当該無線局20から通知された中継通信用の制御情報に従って、当該無線局20に受信したMIMO信号を中継する。また、中継通信部312は、他の無線局20から自局宛に中継されたMIMO信号を受信する。
【0035】
好ましくは、中継通信部312は、通信部311が、基地局10からのMIMO信号を受信する周波数チャネルとは異なる周波数チャネルを用いて、無線通信により中継通信を行う。なお、中継通信部312が中継通信を行う無線通信方式は、通信部311と同じ無線通信方式であっても良いし、異なる無線通信方式であっても良い。
【0036】
復調部313は、通信部311が、基地局10から受信した自局宛のMIMO信号と、中継通信部312が他の無線局20から受信した1つ以上のMIMO信号とを用いて、MOMO信号を復調、及び復号してデータを受信する。
【0037】
情報送信部314は、無線局20の情報を基地局10に送信する情報送信処理を実行する。例えば、情報送信部314は、中継通信部312による中継通信用リンクの確立結果に基づいて、自局のケーパビリティ情報(能力情報)を作成し、作成したケーパビリティ情報を基地局10に送信する。
【0038】
(基地局の機能構成)
基地局10は、例えば、コンピュータの構成を備え、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより、通信部301、及び無線局情報管理部302等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0039】
通信部301は、複数の無線局20-1、20-2、20-3、・・・と所定の無線通信規格に基づいて無線通信を行う通信処理を実行する。例えば、通信部301は、無線局20との制御情報の送受信、及びMIMO信号によるデータの送受信等を行う。
【0040】
好ましくは、通信部301は、空間ストリーム数を決定し、決定した空間ストリーム数の情報を、プリアンブル部に格納して、MIMO信号を送信する。
【0041】
無線局情報管理部302は、複数の無線局20から送信されるケーパビリティ情報等を、例えば、基地局10が備えるストレージデバイス等に記憶して管理する。
【0042】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る無線通信方法の処理の流れについて説明する。
【0043】
[実施例1]
(無線通信処理)
図4は、実施例1に係る無線通信処理の例を示すフローチャートである。この処理は、無線通信システム1において、基地局10から、宛先の無線局20にMIMO信号を伝送する際に、複数の無線局20が連携して、MIMO伝送の容量を拡大する無線局連携MIMO通信の処理の概要の一例を示している。
【0044】
ステップS401において、複数の無線局20の各々が、例えば、図2のステップS1、S2で説明した中継用通信リンクの確立処理を実行する。なお、中継通信用リンクの確立処理の具体的な処理内容については、図5で後述する。
【0045】
ステップS402において、基地局10、及び複数の無線局20-1~20-5は、通信終了か否かを判断し、通信終了まで、ステップS403~S406の処理を繰り返し実行する。
【0046】
ステップS403に移行すると、基地局10が、宛先の無線局20(例えば、無線局20-1)宛てのデータをMIMO信号で送信する。なお、MIMO信号の送信処理の具体的な処理内容については、図7で後述する。
【0047】
ステップS404において、宛先の無線局20が、基地局10から受信したMIMO信号と、他の無線局20から中継通信で受信したMIMO信号とを用いて、データをMIMO受信する。なお、MIMO信号の受信処理の具体的な処理内容については、図7で後述する。
【0048】
ステップS405において、複数の無線局20の各々は、前回の中継通信用リンクの確立から所定の時間を経過したか否かを判断する。前回の確立から所定の時間を経過していない場合、無線局20は、処理をステップS402に戻す。一方、前回の確立から所定の時間を経過している場合、無線局20は、処理をステップS406に移行させる。
【0049】
ステップS406に移行すると、無線局20は、例えば、ステップS401と同様の中継用通信リンクの確立処理を実行して、処理をステップS402に戻す。
【0050】
(中継用リンクの確立処理)
図5は、実施例1に係る中継通信用リンクの確立処理の例を示す図である。この処理は、例えば、図4のステップS401、又はステップS406において、複数の無線局20の各々が実行する中継通信用リンクの確立処理の具体的な一例を示している。
【0051】
ステップS501において、無線局20の中継通信部312は、自律的に、所定のブロードキャスト信号を送信(ブロードキャスト送信)する。例えば、無線局20は、他の無線局20との中継用リンクを確立していないとき、又は他の無線局20との中継用リンクを確立した後、所定の時間を経過したとき等に、所定のブロードキャスト信号を送信しても良い。なお、所定のブロードキャスト信号は、例えば、ブロードキャスト信号を受信した他の無線局20に対して、ブロードキャスト信号を送信した無線局20への接続要求の送信を要求する、予め定められた信号であるものとする。
【0052】
ステップS502において、無線局20の中継通信部312は、ブロードキャスト信号を送信した時点から、所定の時間を経過したか否かを判断し、所定の時間を経過していない場合、処理をステップS503に移行させる。一方、所定の時間を経過している場合、中継通信部312は、処理をステップS505に移行させる。なお、所定の時間は、所定のブロードキャスト信号を受信した他の無線局20が送信する接続要求の受け付けに必要な時間が、予め設定されているものとする。
【0053】
ステップS503に移行すると、無線局20の中継通信部312は、他の無線局20から接続要求を受信したか否かを判断し、他の無線局20から接続要求を受信した場合、ステップS504の処理を実行する。一方、他の無線局20から接続要求を受信していない場合、中継通信部312は、ステップS504の処理の実行を中止して、処理をステップS502に戻す。
【0054】
ステップS504に移行すると、無線局201の中継通信部312は、接続要求を送信した要求元の他の無線局20に接続許可を送信して、当該無線局20と中継通信用リンクを確立し、処理をステップS502に戻す。
【0055】
ステップS502~S504の処理により、無線局20の中継通信部312は、周辺にある他の無線局20と、中継通信用リンクを確立することができる。
【0056】
一方、ステップS502からS505に移行すると、無線局20の中継通信部312は、例えば、自局に接続した各無線局20からの受信信号の強度等に基づいて、各無線局20用の制御情報(中継通信用の制御情報)を作成する。また、中継通信部312は、作成した中継通信用の制御情報を、各無線局20に通知する。
【0057】
図6は、本実施形態に係る中継通信用の制御情報の一例のイメージを示す図である。この図は、例えば、図1に示すような無線通信システム1において、無線局20-1の中継通信部312が作成し、他の無線局20-2~20-5に通知する中継通信用の制御情報601~604の一例のイメージを示している。
【0058】
図6の例では、各制御情報601~604には、項目として、「宛先」、「周波数チャネル」、「中継送信順」、「アンテナパターン」等の情報が含まれる。「宛先」は、MIMO信号の宛先の無線局20-1を特定するための情報(例えば、識別情報、無線局名、番号等)である。「周波数チャネル」は、中継通信で用いる周波数チャネルの周波数を指定する情報である。
【0059】
「中継送信順」は、他の無線局20-2~20-5が、受信したMIMO信号を、宛先の無線局20-1に送信(中継)する順番、又はタイミング等を示す情報である。無線局20-1の中継通信部312は、他の無線局20-2~20-5と中継通信用リンクを確立したときに、他の無線局20-2~20-5から受信した受信信号の強度情報等に基づいて決定する。例えば、無線局20-1の中継通信部312は、他の無線局20-2~20-5から受信した受信信号の強度が強い順に、「中継送信順」を決定する。ただし、これに限られず、例えば、無線局20-1の中継通信部312は、他の無線局20-2~20-5から受信した受信信号の受信品質等に基づいて、「中継送信順」を決定しても良い。
【0060】
一例として、中継送信順が「1」の無線局202-2は、基地局10から、無線局20-1宛てのMIMO信号を受信すると、例えば、所定の送信待機期間(NAV: Network Allocation Vector)を待たずに、受信したMIMO信号を無線局20-1に中継する。また、中継送信順が「2」の無線局202-3は、基地局10から、無線局20-1宛てのMIMO信号を受信すると、例えば、所定の送信待機期間だけ待機した後に、受信したMIMO信号を無線局20-1に中継する。
【0061】
中継送信順が「3」の無線局202-4は、基地局10から、無線局20-1宛てのMIMO信号を受信すると、例えば、「所定の送信待機期間×2」だけ待機した後に、受信したMIMO信号を無線局20-1に中継する。同様にして、中継送信順が「4」の無線局202-5は、基地局10から、無線局20-1宛てのMIMO信号を受信すると、例えば、「所定の送信待機期間×3」だけ待機した後に、受信したMIMO信号を無線局20-1に中継する。このように、他の無線局20-2~20-5は、「中継送信順」の情報に従って、互いに異なるタイミングで、宛先の無線局20-1にMIMO信号を中継することにより、同一の周波数チャネルで効率良く、中継処理を実行することができる。
【0062】
なお、中継通信部312は、中継通信により遅延時間(RTT: Round Trip Time1)が長くなることを考慮して、送信待機期間を長めに設定することが望ましい。また、「中継送信順」の情報は、送信順序を示す番号に限られず、例えば、MIMO信号を受信してから、宛先の無線局20に送信するまでの送信待機期間を示す値等であっても良い。要するに、「中継送信順」の情報は、他の無線局20-2~20-5ごとに、異なる送信待機期間を設定するものであれば良く、その形式は任意の形式であって良い。
【0063】
なお、「中継送信順」の情報はオプションであり、必須ではない。例えば、中継通信の無線通信方式によって、他の無線局20-2~20-5に異なる周波数チャネルを割り当て可能な場合等には、「中継送信順」の情報を省略しても良い。
【0064】
「アンテナパターン」は、他の無線局20-2~20-5が、中継通信時に複数のアンテナパターンを選択できる場合に、アンテナパターンを指定する情報である。この情報により、無線局20が、中継通信時に複数のアンテナパターンを選択できる場合、「宛先」ごとに、アンテナパターンを選択することができる。なお、「アンテナパターン」の情報はオプションであり、必須ではない。
【0065】
ここで、図5に戻り、中継通信用リンクの確立処理のフローチャートの説明を続ける。ステップS506において、無線局20の情報送信部314は、中継通信用リンクの確立結果に基づいて、自局のケーパビリティ情報(能力情報)を更新して、更新したケーパビリティ情報を基地局10に送信する。
【0066】
(マルチアンテナ伝送処理)
図7は、実施例1に係るマルチアンテナ伝送処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図4のステップS403、S404において、無線通信システム1が実行するマルチアンテナ伝送処理(MIMO伝送処理)の具体的な一例を示している。
【0067】
ステップS801において、基地局10の通信部301は、伝送の対象となるデータを、宛先の無線局20の情報を含むMIMO信号で送信する。例えば、通信部301は、空間ストリーム数を決定し、宛先の無線局20(例えば、無線局20-1)の宛先情報を含むMIMO信号を、決定した空間ストリーム数でマルチアンテナ送信する。
【0068】
ステップS702において、基地局10からMIMO信号を受信した他の無線局20は、MIMO信号に含まれる宛先の無線局20の情報と、宛先の無線局20から受信した中継用の制御情報とに基づいて、受信したMIMO信号を宛先の無線局20に中継する。例えば、図6において、宛先の無線局20-1が、他の無線局20-2~20-5に対して、それぞれ、中継通信用の制御情報601~604を通知済であるものとする。
【0069】
この場合、例えば、他の無線局20-2は、基地局10から、無線局20-1宛のMIMO信号を受信すると、中継用の制御情報601で指定された「周波数チャネル」、「中継送信順」、及び「アンテナパターン」で、受信したMIMO信号を宛先の無線局20-1に中継する。なお、ステップS702は、中継ステップの一例である。
【0070】
ステップS703において、宛先の無線局20(例えば、無線局20-1)の復調部313は、通信部311が基地局10から受信した自局宛の信号と、中継通信部312が他の無線局20から受信した1つ以上の信号とを用いて、MIMO信号を復調し、データを受信する。
【0071】
上記の各処理により、無線通信システム1は、無線局20側の自律制御により、基地局10が、宛先の無線局20が無線局連携に対応しているか否かを意識せずに、無線局連携マルチアンテナ伝送(MIMO通信)を実施することができる。
【0072】
以上、本実施形態によれば、複数の無線局を連携して、MIMO通信の容量を拡大する具体的な無線通信方法を提供することができる。
【0073】
[第2実施例]
第2実施例では、基地局10が、宛先の無線局20に送信するMIMO信号に含まれる中継通信用の制御情報に、宛先の無線局20を示す情報に加えて、空間ストリーム数の情報が含まれる場合の処理の例について説明する。
【0074】
図8は、第2実施例に係るマルチアンテナ伝送処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図4のステップS403、S404において、無線通信システム1が実行するマルチアンテナ伝送処理(MIMO伝送処理)の別の一例を示している。
【0075】
ステップS801において、基地局10の通信部301は、宛先の無線局20の情報と、空間ストリーム数の情報とを含むMIMO信号でデータを送信する。例えば、通信部301は、空間ストリーム数を決定し、宛先の無線局20(例えば、無線局20-1)の情報と、決定した空間ストリーム数を示す情報とを含むMIMO信号を、決定した空間ストリーム数でマルチアンテナ送信する。
【0076】
ステップS802において、基地局10が送信したMIMO信号を受信した他の無線局20(例えば、無線局20-2~20-5)は、受信したMIMO信号の空間ストリーム数に基づいて、自局が中継通信を行うか否か(中継通信の要否)を決定する。
【0077】
一例として、宛先の無線局20が無線局20-1であり、無線局20-1が、他の無線局20-2~20-5に対して、図6に示すような中継通信用の制御情報601~604を通知済であるものとする。また、基地局10が、宛先の無線局20-1に送信したMIMO信号の空間ストリーム数が「4」であるものとする。この場合、他の無線局20-5は、空間ストリーム数「4」と、中継通信用の制御情報604の中継送信順「4」とから、自局が中継通信を行わなくても空間ストリーム数「4」を満たすことができると判断し、自局が中継通信を行わないと決定しても良い。
【0078】
一方、他の無線局20-5は、空間ストリーム数が「5」である場合、自局が中継通信を行わないと空間ストリーム数「5」を満たすことができないと判断し、中継通信を行うと決定する。なお、ステップS802は、決定ステップの一例である。
【0079】
ステップS803において、中継通信を行うと決定した他の無線局20は、受信したMIMO信号に含まれる宛先の無線局20の情報と、宛先の無線局20から受信した中継用の制御情報とに基づいて、受信したMIMO信号を宛先の無線局20に中継する。なお、この処理は、図7のステップS702の処理と同様なので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0080】
ステップS804において、宛先の無線局20の復調部313は、通信部311が基地局10から受信した自局宛の信号と、中継通信部312が他の無線局20から受信した1つ以上の信号とを用いて、MIMO信号を復調し、データを受信する。
【0081】
上記の処理により、第2の実施例に係る無線局20は、基地局10から受信したMIMO信号に含まれる空間ストリーム数の情報に基づいて、自局が中継通信を行うか否かを自律的に判断することができるようになる。
【0082】
従って、無線通信システム1は、無線局20側の自律制御により、基地局10は、宛先の無線局20が無線局連携に対応しているか否かを意識せずに、無線局連携マルチアンテナ伝送(MIMO通信)を実施することができる。
【0083】
<ハードウェア構成例>
図9は、本実施形態に係る基地局、及び無線局のハードウェア構成の例を示す図である。基地局10、及び無線局20は、例えば、図9に示すようなコンピュータ900の構成を備えている。図9の例では、コンピュータ900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージデバイス903、通信装置904、入力装置905、出力装置906、及びバスB等を有する。
【0084】
プロセッサ901は、例えば、所定のプログラムを実行することにより、様々な機能を実現するCPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。メモリ902は、コンピュータ900が読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶デバイスを含む。ストレージデバイス903は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、各種の光ディスク、及び光磁気ディスク等を含む。
【0085】
通信装置904は、無線、又は有線のネットワークを介して他の装置と通信を行うための1つ以上のハードウェア(送受信デバイス)を含む。本実施形態では、通信装置904には、例えば、複数のアンテナ11、無線回路、及びベースバンド処理と通信制御処理とを実行する通信用のプロセッサ等が含まれ得る。
【0086】
入力装置905は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置906は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプ等)である。なお、入力装置905と出力装置906とは、一体となった構成(例えば、タッチパネルディスプレイ等の入出力装置)であっても良い。
【0087】
バスBは、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。なお、プロセッサ901は、CPUに限られず、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Device)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等であっても良い。
【0088】
(補足)
なお、本実施形態における基地局10、及び無線局20は専用装置による実現に限らず、汎用コンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して、この記憶媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0089】
また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(記録媒体)」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の様々な記憶装置を含む。さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。
【0090】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良く、PLD、又はFPGA等のハードウェアを用いて実現されるものであっても良い。
【0091】
<実施形態の効果>
本実施形態に係る無線通信システム1によれば、複数の無線局を連携して、MIMO通信の容量を拡大する具体的な無線通信方法を提供することができる。
【0092】
また、無線通信システム1は、無線局20側の自律制御により、基地局10は、宛先の無線局20が、無線局連携に対応しているか否かを意識せずに、無線局連携MIMO通信を実現することができる。
【0093】
好ましくは、基地局10は、送信するMIMO信号に、空間ストリーム数の情報を格納して送信する。これにより、無線局20は、基地局10から受信したMIMO信号を、宛先の無線局20に中継通信するか否かを自律的に決定することができるようになる。
【0094】
<実施形態のまとめ>
本明細書には、少なくとも下記各項の無線通信方法、及び無線通信システムが開示されている。
(第1項)
基地局と通信可能な複数の無線局が、無線信号を他の無線局へ中継する中継通信を行う中継通信用リンクを確立する確立ステップと、
前記基地局が、データを無線信号でマルチアンテナ送信する送信ステップと、
前記複数の無線局のうち、一の無線局が、前記基地局から受信した無線信号と、前記中継通信で他の無線局から受信した1つ以上の無線信号とを用いて、前記データを受信する受信ステップと、
を含む、無線通信方法。
(第2項)
前記確立ステップは、
前記複数の無線局の各々が、
ブロードキャスト信号を送信するステップと、
前記ブロードキャスト信号に対して応答を返した1つ以上の他の無線局と前記中継通信用リンクを確立するステップと、
前記他の無線局からの受信信号の強度に基づいて、無線信号を自局に中継する際の中継通信用の制御情報を作成し、前記中継通信用の制御情報を前記他の無線局に通知するステップと、
を実行する、第1項に記載の無線通信方法。
(第3項)
前記送信ステップは、前記一の無線局の宛先情報を含む無線信号をマルチアンテナ送信し、
前記他の無線局が、前記基地局から受信した無線信号に含まれる前記一の無線局の宛先情報と、前記一の無線局から通知された前記中継通信用の制御情報とに基づいて、前記基地局から受信した無線信号を、前記一の無線局に前記中継通信で中継する中継ステップを含む、
第2項に記載の無線通信方法。
(第4項)
前記基地局が送信する無線信号は、空間ストリーム数の情報を含み、
前記中継ステップは、前記空間ストリーム数に基づいて、前記他の無線局の各々が、前記基地局から受信した無線信号を前記一の無線局に中継するか否かを決定する決定ステップを含む、
第3項に記載の無線通信方法。
(第5項)
前記一の無線局から通知された前記中継通信用の制御情報は、前記一の無線局に前記中継通信で無線信号を中継する際に利用する、中継送信順又は送信待機期間を示す情報を含み、
前記決定ステップは、前記空間ストリーム数と、前記中継送信順又は送信待機期間とに基づいて、当該無線信号を前記一の無線局に中継するか否かを決定する、
第4項に記載の無線通信方法。
(第6項)
前記一の無線局から通知された前記中継通信用の制御情報は、前記一の無線局に前記中継通信で無線信号を中継する際に利用する、周波数チャネルの情報、又は送信アンテナパターンの情報を含む、第3項乃至第5項のいずれか一項に記載の無線通信方法。
(第7項)
第1項乃至第6項のいずれか一項に記載の無線通信方法を実行する無線通信システム。
【0095】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 無線通信システム
20、20-1~20-6 無線局
301 通信部
302 無線局情報管理部
311 通信部
312 中継通信部
313 復調部
314 情報送信部
601~604 中継通信用の制御情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9