(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/53 20140101AFI20250108BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20250108BHJP
A63F 13/67 20140101ALI20250108BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20250108BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20250108BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/44
A63F13/67
A63F13/798
A63F13/814
(21)【出願番号】P 2021061855
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 祐司
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 武仁
(72)【発明者】
【氏名】耒嶋 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 洋海
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-081755(JP,A)
【文献】特開2019-098117(JP,A)
【文献】特開2019-000457(JP,A)
【文献】特開2018-108422(JP,A)
【文献】特開2016-193053(JP,A)
【文献】[太鼓の達人]公式ブログ,バンダイナムコエンターテインメント公式サイト[online],2020年09月09日,インターネット URL https://taiko-ch.net/blog/?p=4812,[2024年9月12日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
G06F 3/01,048-04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレーヤによって入力された各プレーヤの
操作入力タイミングを評価する所与のゲームを制御するゲームシステムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記各プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、各プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段と、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段と、
前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの
操作入力に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段と、
を備え、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて
移動させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記第1ゲームオブジェクトが、前記各プレーヤの操作入力タイミングを判定するために用いる操作入力タイミング判定用標識オブジェクトであり、
前記第2ゲームオブジェクトが、各プレーヤの操作入力タイミングを指示する操作タイ
ミングオブジェクトであり、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングと、当該操作入力タイミングにおける前記操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び前記操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、
前記操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域に設定された非表示範囲に、既に設定されている前記操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を前記第1の方向に移動させ、当該非表示範囲に設定されている操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を前記表示範囲内に移動させる、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記評価手段が、
前記評価処理として、所与の評価タイミングにおける各プレーヤの前記評価を実行し、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価タイミングにおける評価結果に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量の少なくともいずれか一方の移動制御内容を決定し、
当該決定された移動制御内容に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる、
前記表示範囲制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記評価手段が、
前記評価処理として、所与の評価期間における各プレーヤの前記評価を実行し、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価期間における評価結果に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量の少なくともいずれか一方の移動制御内容を決定し、
当該決定された移動制御内容に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる、
前記表示範囲制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記プレーヤの操作の結果又は当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームが実行された結果が所与の条件を具備したか否かを判定して当該判定の結果を前記評価として特定し、
前記表示範囲制御手段が、
前記判定の結果の評価に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる、ゲームシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記複数のプレーヤから構成されるグループ毎に、同一のグループの各プレーヤの操作入力に基づく評価を組み合わせて特定し、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記特定された組み合わせ評価に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する、ゲームシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理を実行する際に、前記ゲームの実行中のプレーヤの数に基づいて、前記評価に応じて前記操作系オブジェクト形成領域の
少なくとも一部の領域に設定される非表示範囲の割合を変更する、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記操作系オブジェクト形成領域の移動によって発生した空白領域に前記プレーヤの前記ゲームに関する情報を、プレーヤ情報として、表示させる表示制御手段を更に備える、ゲームシステム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記表示範囲制御処理の実行によって生じた前記操作系オブジェクト形成領域の移動量に応じて、当該操作系オブジェクト形成領域に対する所与の演出を制御する演出制御手段を更に備える、ゲームシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価処理の評価結果とともに前記プレーヤのゲーム成績に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、
当該補正した移動量に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させる、ゲームシステム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価処理の評価結果とともに前記ゲームの進行度合いに応じて前記操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、
当該補正した移動量に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させる、ゲームシステム。
【請求項13】
複数のプレーヤによって入力された各プレーヤの操作入力タイミングを評価する所与のゲームを制御するためのプログラムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記各プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、各プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段、及び、
前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの
操作入力に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオ
ブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて
移動させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
プレーヤによって入力された当該プレーヤの操作入力タイミングを評価する所与のゲームを制御するゲームシステムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、前記プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段と、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段と、
前記プレーヤに、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力に基づいて、当該プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段と、
を備え、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて移動させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
プレーヤによって入力された当該プレーヤの操作入力タイミングを評価する所与のゲームを制御するプログラムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、前記プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段、及び、
前記プレーヤに、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力に基づいて、当該プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて移動させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームジャンルの一種として、音出力される音楽のリズムなどに合わせて入力操作を行うタイミング入力ゲームが知られている。
【0003】
特に、最近では、音楽を用いたタイミング入力ゲームは、例えば、課題曲の再生に合わせて操作タイミングを指示するオブジェクトを移動表示させ、当該オブジェクトが所定位置に達するタイミングによって操作入力タイミングを指示する構成を有している。
【0004】
例えば、このようなゲームとして、プレーヤの操作入力タイミングの把握を妨げ、操作入力を妨害する画像を表示制御し、ゲーム性を高めてプレーヤの興趣性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のゲーム又はそれを提供するゲームシステムにあっては、基本的には、単にプレーヤの操作を妨害するだけであって、操作タイミングを指示するオブジェクトの表示やその周辺の表示を制御することによって、該当するプレーヤのゲームに対する評価を画像化してはおらず、複数のプレーヤが競うゲームとしては更なる工夫が求められている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操作入力のタイミングを基調としたゲーム性を維持しつつ、当該ゲームの難易度の調整をすること、及び、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることが可能な演出を提供し、その結果、複数人プレイにおけるゲームの興趣性を向上させることが可能なゲームシステムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
複数のプレーヤによって入力された各プレーヤの操作入力を評価する所与のゲームを制御するゲームシステムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記各プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、各プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段と、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段と、
前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力と、当該操作入力における前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段と、
を備え、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて移動させ、当該操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域を非表示範囲に設定にする、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、評価処理の結果に応じて、第1ゲームオブジェクト又は第2ゲームオブジェクトの表示期間の期間長を制御することができるので、プレーヤに対する操作反応時間を調整することができるとともに、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させることができる。
【0010】
例えば、本発明は、評価処理によってプレーヤの評価が高くなった場合に操作系オブジェクト形成領域を、第1ゲームオブジェクト又は第2ゲームオブジェクトの移動方向とは反対の方向であって非表示領域に向けて移動させてその表示範囲を狭めれば、第1ゲームオブジェクト又は第2ゲームオブジェクトの表示期間(すなわち、プレーヤに視認させる期間)を短くすることができるので、プレーヤが反応して操作するまでの時間(以下、「操作反応時間」という。)を短くすることができる。
【0011】
したがって、本発明は、操作反応時間を制御することによって当該ゲームの難易度を調整することができるとともに、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることが可能な演出を提供することができるので、ゲームの興趣性(特に、複数人プレイにおけるゲームの興趣性)を向上させることができる。
【0012】
なお、「所与のゲーム」とは、例えば、音楽ゲーム(いわゆる、音ゲー)などの音やリズムに合わせてプレーヤの操作を実行させて当該プレーヤの操作入力タイミングの正確さを評価するゲームであることが好ましい。ただし、これらのゲームに限らず、プレーヤの操作タイミングについて評価するもの他に、操作タイミングに無関係にプレーヤの操作入力の正確性を評価するものであれば適用可能である。
【0013】
また、「第1ゲームオブジェクト」とは、例えば、リズム音楽ゲームの場合には、第2ゲームオブジェクトとともにプレーヤの操作タイミンを判定するためのオブジェクトであって、操作入力タイミングの基準となる操作入力タイミングの判定用の標識的なオブジェクト(以下、リズム音楽ゲームの場合には、「操作入力タイミング判定用標識オブジェクト」ともいう。)を示す。
【0014】
そして、「第2ゲームオブジェクト」とは、例えば、リズム音楽ゲームの場合には、第1ゲームオブジェクトとともに、プレーヤの操作タイミングを判定するために用いるオブジェクトであり、第1ゲームオブジェクトと重なったときに、プレーヤによって入力される操作内容を示すオブジェクト(以下、リズム音楽ゲームの場合には、「操作タイミングオブジェクト」ともいう。)を示す。
【0015】
さらに、「評価処理」とは、プレーヤの操作結果に対する評価であって、例えば、リズム音楽ゲームの場合には、第2ゲームオブジェクトの指示内容を指定されたタイミングで入力できたかどうかの評価を示す。
【0016】
例えば、「評価処理」には、指定された操作入力の成功数、失敗数、タイミングの一致
度、及び、連続して成功した連続成功数(いわゆるコンボ数)などが含まれる。
【0017】
上記に加えて、「所与の関係性」とは、第1ゲームオブジェクトと第2ゲームオブジェクトのタイミング的(時間的)な関係性、又は、第1ゲームオブジェクトと第2ゲームオブジェクトの操作系オブジェクト形成領域内における位置関係などが含まれる。
【0018】
また、「表示範囲制御処理」とは、第1ゲームオブジェクト、第2ゲームオブジェクト又は双方について移動させた状態を維持しつつ、操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を非表示にさせ、当該操作系オブジェクト形成領域の表示範囲の広狭を制御すること示す。
【0019】
特に、「少なくとも一部の領域を非表示にする」には、操作系オブジェクト形成領域の全部の領域(限界値として)を非表示にすることも含む。ただし、全部の操作系オブジェクト形成領域が非表示になると、視覚的判断ができず難易度が飛躍的に上がるため、基本的には、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの表示が確保されることが好ましい。
【0020】
(2)また、本発明は、
前記第1ゲームオブジェクトが、前記各プレーヤの操作入力タイミングを判定するために用いる操作入力タイミング判定用標識オブジェクトであり、
前記第2ゲームオブジェクトが、各プレーヤの操作入力タイミングを指示する操作タイミングオブジェクトであり、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングと、当該操作入力タイミングにおける前記操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び前記操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う、構成を有している。
【0021】
この構成により、本発明は、操作入力のタイミングを基調としたゲーム性を維持しつつ、操作反応時間を制御することによって当該ゲームの難易度を調整することができるとともに、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることが可能な演出を提供することができるので、ゲームの興趣性(特に、複数人プレイにおけるゲームの興趣性)を向上させることができる。
【0022】
特に、本発明は、評価処理の結果に応じて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト又は第2ゲームオブジェクト(例えば、操作タイミングオブジェクト)の表示期間の期間長を制御することができるので、プレーヤに対する操作反応時間を調整することができるとともに、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させることができる。
【0023】
(3)また、本発明は、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記非表示範囲に既に設定されている前記操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を前記第1方向に移動させ、当該非表示範囲に設定されている操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を前記表示範囲内に移動させる構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明は、例えば、評価処理によってプレーヤの評価が低くなった場合に操作系オブジェクト形成領域を、第1ゲームオブジェクト(例えば、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト)又は第2ゲームオブジェクト(例えば、操作タイミングオ
ブジェクト)の移動方向と同じ方向に向けて移動させてその表示範囲を広げれば、第1ゲームオブジェクト又は第2ゲームオブジェクトの表示期間を長くするし、操作反応時間を長く確保することができる。
【0025】
したがって、本発明は、プレーヤに対する操作反応時間を、プレーヤの操作結果に応じて、長くすること、又は、短くするすることができるので、難易度調整をバランス良くできる 。
【0026】
(4)また、本発明は、
前記評価手段が、
前記評価処理として、所与の評価タイミングにおける各プレーヤの前記評価を実行し、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価タイミングにおける評価結果に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量の少なくともいずれか一方の移動制御内容を決定し、
当該決定された移動制御内容に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる、
前記表示範囲制御処理を実行する構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明は、評価タイミングや評価期間にける評価に応じて操作系オブジェクト形成領域の表示領域や非表示領域を変更することができるので、プレーヤに対する操作反応時間を調整することができるとともに、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させることができる。
【0028】
(5)また、本発明は、
前記評価手段が、
前記評価処理として、所与の評価期間における各プレーヤの前記評価を実行し、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価期間における評価結果に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量の少なくともいずれか一方の移動制御内容を決定し、
当該決定された移動制御内容に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる、
前記表示範囲制御処理を実行する構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、例えば、評価期間全体の評価に応じて操作系オブジェクト形成領域の表示領域や非表示領域を変更することができる。
【0030】
なお、「評価期間」には、予め定められたゲーム区間であって、例えば、
(A1)音楽ゲームの場合には、1小節、又は、Aメロ、Bメロ若しくはサビなどのゲーム進行上定まる期間、
(A2)イベントが発生してる期間、
(A3)ゲームの実行中に予め定められた第1のタイミングから第2のタイミングまでの期間、及び、
(A4)プレーヤによって指定された期間
などが含まれる。
【0031】
(6)また、本発明は、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記プレーヤの操作の結果又は当該プレーヤの操作に基づいて前記ゲームが実行された結果が所与の条件を具備したか否かを判定して当該判定結果を前
記評価として特定し、
前記表示範囲制御手段が、
前記判定結果の評価に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域を移動させる構成を有している。
【0032】
この構成により、本発明は、所与の条件の具備又は不具備に応じて操作系オブジェクト形成領域の移動方向を変更することができるので、プレーヤの操作入力における評価状況に応じて、プレーヤに対する操作反応時間を調整することができるとともに、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させることができる。
【0033】
なお、「所与の条件」には、
(B1)第2ゲームオブジェクト(例えば、操作タイミングオブジェクト)によって示された操作内容の入力が成功したこと、
(B2)プレーヤの操作入力のタイミングと、当該操作入力タイミングにおける第1ゲームオブジェクト(例えば、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト)及び第2ゲームオブジェクトのタイミング的な関係性又は操作系オブジェクト形成領域内における位置関係と、が所定の成功条件を具備したこと、及び、
(B3)得点や獲得したアイテム数などの予め設定されたパラメータが所定の条件を具備したこと、
などが含まれる。
【0034】
(7)また、本発明は、
前記評価手段が、
前記評価処理として、前記複数のプレーヤから構成されるグループ毎に、同一のグループの各プレーヤの操作入力に基づく評価を組み合わせて特定し、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記特定された組み合わせ評価に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する構成を有している。
【0035】
この構成により、本発明は、グループ対戦を行う場合についても適用することができるので
、汎用性が高く、幅広く各種のゲームに組み込むことができる。
【0036】
(8)また、本発明は、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理を実行する際に、前記ゲームの実行中のプレーヤの数に基づいて、前記評価に応じて前記操作系オブジェクト形成領域の前記非表示範囲に設定する割合を変更する構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明は、例えば、評価結果が同じであっても、プレーヤの数が多い場合には、プレーヤ数が少ないときよりも、非表示にする領域を多くすること、又は、少なくすることができるので、プレーヤの視認性を向上させること、又は、プレーヤの実力差が生じたとしても接戦しているように見せることができる。
【0038】
(9)また、本発明は、
前記操作系オブジェクト形成領域の移動によって発生した空白領域に前記プレーヤの前記ゲームに関する情報を、プレーヤ情報として、表示させる表示制御手段を更に備える構成を有している。
【0039】
この構成により、本発明は、例えば、プレーヤの現状や他のプレーヤの状況を示す情報
など空白となった領域を有効活用することができるので、プレーヤの利便性を向上させることができる。
【0040】
(10)また、本発明は、
前記表示範囲制御処理の実行によって生じた前記操作系オブジェクト形成領域の移動量に応じて、当該操作系オブジェクト形成領域に対する所与の演出を制御する演出制御手段を更に備える構成を有している。
【0041】
この構成により、本発明は、成績がトップのプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域(例えば、第2の方向への移動量が大きい操作系オブジェクト形成領域)を他のプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域より装飾効果(操作系オブジェクト形成領域の周りを光らせる、又は、色彩を派手な色に変更するなど)を高めることができる。
【0042】
したがって、本発明は、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることができる。
【0043】
(11)また、本発明は、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価処理の評価結果とともに前記プレーヤのゲーム成績に応じて、前記操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、
当該補正した移動量に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させる構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、例えば、ゲーム成績が低いプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域の移動量を大きくし、又は、ゲーム成績が著しく高いプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域の移動量を小さくし、プレーヤの実力差があったとしても接戦しているようにゲームを演出することができる。
【0045】
(12)また、本発明は、
前記表示範囲制御手段が、
前記評価処理の評価結果とともに前記ゲームの進行度合いに応じて前記操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、
当該補正した移動量に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させる構成を有している。
【0046】
この構成により、本発明は、例えば、ゲームが進行するに従って、又は、ゲームの後半の期間において、操作系オブジェクト形成領域の移動量を大きくし、接戦するゲームや大逆転を演出することができる。
【0047】
(13)また、上記課題を解決するため、本発明は、
複数のプレーヤによって入力された各プレーヤの操作入力タイミングを評価する所与のゲームを制御するためのプログラムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記各プレーヤの操作入力の対象になる第1ゲームオブジェクトと、当該第1ゲームオブジェクトとは異なるゲームオブジェクトであって、各プレーヤに操作入力の指示に用いる第2ゲームオブジェクトと、が形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する表示範囲制御手段、
前記操作系オブジェクト形成領域内において前記第2ゲームオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び前記第1ゲームオブジェクトを第1の方向とは反対の方向
である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行するオブジェクト制御手段、及び、
前記プレーヤ毎に、前記プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力と、当該操作入力における前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理を実行する評価手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記表示範囲制御手段が、
前記表示範囲制御処理として、前記評価処理の評価結果に応じて、前記第1ゲームオブジェクト及び前記第2ゲームオブジェクトを含めて該当する前記操作系オブジェクト形成領域を、前記第2の方向に向けて移動させ、当該操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域を非表示範囲に設定にする、構成を有している。
【0048】
この構成により、本発明は、評価処理の結果に応じて、第1ゲームオブジェクト又は第2ゲームオブジェクトの表示期間の期間長を制御することができるので、プレーヤに対する操作反応時間を調整することができるとともに、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させることができる。
【0049】
したがって、本発明は、操作反応時間を制御することによって当該ゲームの難易度を調整することができるとともに、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることが可能な演出を提供することができるので、ゲームの興趣性(特に、複数人プレイにおけるゲームの興趣性)を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態のゲーム装置本体の機能ブロック図を示す図である
【
図3】一実施形態のリズム対戦ゲームにおける操作系オブジェクトの移動制御及び操作系オブジェクト形成領域の表示範囲制御を含むゲーム制御処理を説明するための図である。
【
図4】一実施形態の操作系オブジェクト移動制御処理の基本原理について説明するための図である。
【
図5】一実施形態の評価処理について説明するための図(その1)である。
【
図6】一実施形態の評価処理について説明するための図(その2)である。
【
図7】一実施形態の評価処理について説明するための図(その3)である。
【
図8】一実施形態の評価処理について説明するための図(その4)である。
【
図9】一実施形態の表示範囲制御処理について説明するための図(その1)である。
【
図10】一実施形態の表示範囲制御処理について説明するための図(その2)である。
【
図11】一実施形態の表示範囲制御処理について説明するための図(その3)である。
【
図12】一実施形態の表示範囲制御処理について説明するための図(その4)である。
【
図13】一実施形態における操作系オブジェクト形成領域の移動に伴う表示について説明するための図(その1)である。
【
図14】一実施形態における操作系オブジェクト形成領域の移動に伴う表示について説明するための図(その2)である。
【
図15】一実施形態のゲームシステムを店舗型ゲームシステムに適用した場合の例であって、その外観構成図である。
【
図16】一実施形態のゲームシステムをネットワークを用いたサーバシステムに適用した場合のシステム構成の一例を示す図である。
【
図17】一実施形態のゲームシステムSによって実行されるゲーム制御処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0052】
[1]ゲームシステムの概要構成
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステムSの概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステムSの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0053】
本実施形態のゲームシステムSは、複数のプレーヤによる対戦形式の音楽ゲームであって、プレーヤ毎に、ゲームの指示に合わせて入力されたプレーヤの操作入力タイミングに基づいて、各プレーヤの操作タイミングを評価し、その評価結果に基づいて、各プレーヤを競わせるゲーム(以下、「リズム対戦ゲーム」ともいう。)を制御するゲームシステムとして構成される。
【0054】
具体的には、本実施形態のゲームシステムSは、各プレーヤによって操作される複数のコントローラ30と、ゲーム処理を行うゲーム装置本体10と、ゲーム画像を表示させるディスプレイ40とを含む。
【0055】
そして、ゲームシステムSは、プレーヤにディスプレイ40に表示されたゲーム画面を見ながら、各プレーヤに対して音楽ゲームを興趣させるため、情報記憶媒体であるメモリから読み出したゲームプログラムやゲームデータ、又は、コントローラ30から入力される操作信号等に基づいて、当該音楽ゲームを実行する構成を有している。
【0056】
例えば、ゲームシステムSは、プレーヤによって操作されたコントローラ30に形成されているジョイスティック32、十字キー33や各種のボタンに基づく操作入力を受け付けると、ゲームを開始し、各種のゲーム上の設定を実行し、及び、ゲームの実行中に受け付けた操作入力タイミングに基づいて、各プレーヤの評価を実行し、他のプレーヤ(当該ゲームシステムSに接続された他のコントローラ30Bへの操作入力を行うプレーヤ、ネットワークNを介して接続された他のゲームシステムSを操作するプレーヤ又はCPU)との対戦を実行する構成を有している。
【0057】
なお、本実施形態では、コントローラ30とゲーム装置本体10とは無線通信により情報の送受信を行っているが、例えば、コントローラ30とゲーム装置本体10とを通信ケーブルで接続し、当該通信ケーブルを介して情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0058】
ゲーム装置本体10は、コントローラ30を介してプレーヤ(複数のコントローラ30が接続されている場合には複数のプレーヤ)の操作入力に基づいてゲーム処理を実行し、その処理結果に基づいて、ディスプレイ40に種々のゲーム画像を表示させるとともに、スピーカ(図示省略)にゲーム中のBGMなどの各種の音声を出力させる。
【0059】
コントローラ30は、前面に、ジョイスティック32、十字キー33、及び、全面に形成された複数のボタン34、36、37、38を備えて構成されている。
【0060】
また、コントローラ30は、複数のボタンによってプレーヤの操作が同時入力された場合には、又は、十字キー33の押し下げられた方向(斜め方向及びニュートラルを含む。)とボタンの組み合わせによってプレーヤの操作が入力された場合には、特別な操作入力として認識することも可能な構成を有している。
【0061】
なお、コントローラ30は、上記の他に、側面などに複数のボタン(図示せず)を有し
ている。
【0062】
また、コントローラ30は、上記の他に、ステアリング、打楽器用コントローラ(例えば、
図1の符号30C)、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、及び、加速度センサなどによって構成されていてもよい。
【0063】
[2]ゲーム装置本体
次に、
図2を用いて本実施形態のゲーム装置本体10の構成について説明する。なお、
図2は、本実施形態のゲーム装置本体10の機能ブロック図の一例を示す図である。また、本実施形態のゲーム装置本体10は、
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0064】
カード・リードライト部162は、処理部100の制御によってゲームカードからのデータの読み出し、書き込みを行う。
【0065】
記憶部170は、予め定義されたプログラムやデータを記憶するとともに、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、処理部100が各種プログラムに従って実行した演算結果やコントローラ30から入力される入力データ等を一時的に記憶する。その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
【0066】
特に、記憶部170は、主記憶部172、画像バッファ174及び音楽データ記憶部176を含んで構成される。
【0067】
主記憶部172には、処理部100にゲームシステムSを統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム、リズム対戦ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、及び、キャラクタや譜面などの画像データを含む各種のデータが記憶される。
【0068】
音楽データ記憶部176には、リズム対戦ゲームの課題曲となる楽曲データ、及び、各当該楽曲データに合わせて各プレーヤに操作入力を実行させるためのタイミング及び操作内容が規定された譜面データが対応付けて記憶されている。
【0069】
楽曲データには、音源データの他に、歌唱者・作曲者・作詞者などの書誌的な情報、難易度やレベル、小節やAメロ・Bメロ・サビなどの区切りを示す情報などが含まれる。
【0070】
譜面データには、楽曲データに合わせてプレーヤに操作入力させるタイミング、及び、入力させる種類を示す内容(楽器における操作内容)を示す音符情報(例えば、楽器が太鼓の場合には、面打ち、縁打ち及び面打ち連打など)が含まれる。
【0071】
なお、譜面データとは、対応する楽曲の実際の譜面における音符から、楽曲の中でも特徴的な音に対応する音符の内容を加味して抽出し、抽出した音符の譜面における位置に、音符のオブジェクトを(後述の操作タイミングオブジェクト)として、予め形成されたものである。
【0072】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0073】
情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプ
ログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0074】
なお、情報記憶媒体180は、記憶部170と同様に、記憶部170に代えて、又は、当該記憶部170とともに、処理部100にゲームシステムSを統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム、及び、リズム対戦ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、及び、リズム対戦ゲームの課題曲となる楽曲データなどの各種データ等を記憶してもよい。
【0075】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
図1のディスプレイ40がこれに相当する。
【0076】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0077】
通信部196は、外部(例えば、ネットワークNを介して他のゲームシステムSやスマホなどの通信端端末装置などの端末装置やサーバ装置1)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0078】
なお、サーバ装置1が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体180や記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0079】
一方、通信部196は、1以上のコントローラ30と間で通信(例えば、近距離無線)を行うための各種の制御を実行する。
【0080】
具体的には、通信部196は、アンテナ、無線モジュールを含み、例えばBluetooth(ブルートゥース:登録商標)の技術を用いて、1以上のコントローラ30とデータを送受信する。
【0081】
例えば、通信部196は、確認音及び効果音等の音データ、及び、振動信号を、コントローラ30に送信し、コントローラ30において、加速度センサや操作入力によって検出された情報(加速度ベクトル値など)を、4msec、6msecの交互の間隔で受信する。
【0082】
処理部100(プロセッサ)は、コントローラ30、カード・リードライト部162からの入力データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、及び、音生成処理などの処理を行う。
【0083】
特に、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として各種処理を行う。また、処理部100は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現し、各種の機能を実行する。
【0084】
そして、処理部100は、記憶部170や情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理、又は、リズム対戦ゲームのための各種機能を実現させる構成を有している。
【0085】
具体的には、処理部100は、通信制御部110、操作入力受付処理部113、ゲーム制御部114、評価処理部115、演出制御部116、楽曲再生部117、表示制御部118、描画部120、及び、音処理部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0086】
なお、例えば、本実施形態の操作入力受付処理部113は、本発明の受付処理手段を構成し、ゲーム制御部114は、本発明のオブジェクト制御手段及び表示範囲制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の評価処理部115は、本発明の評価手段を構成し、表示制御部118は、本発明の表示制御手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の演出制御部116は、本発明の演出制御手段を構成する。
【0087】
通信制御部110は、サーバ装置1や他のゲームシステムなどの端末装置とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。
【0088】
特に、通信制御部110は、サーバ装置1から受信した情報に基づいて対戦ゲームを実行する場合に、又は、ネットワークを介して他のプレーヤと対戦する場合に、サーバ装置1や他のゲームシステムSから送信された各種の情報を受信する処理、及び、サーバ装置1や他のゲームシステムSに送信する処理を実行する。
【0089】
なお、本実施形態のゲームシステムSでは、通信制御で必要となるネットワーク情報をサーバから取得し、管理する処理等を行うようにしてもよい。
【0090】
例えば、ゲームシステムSは、各ゲームシステムSに個別に付与される端末装置用の識別情報(オンラインゲームに参加できる端末を識別するために個別に付与されたID)と、各ゲームシステムSの識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報(IPアドレスなど)とを取得し、管理する処理を行うようにしてもよい。
【0091】
具体的には、通信制御部110は、他の端末装置又はサーバ装置1に送信するパケットを生成する処理、パケット送信先の端末装置やサーバ装置1のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータを記憶部170に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0092】
また、通信制御部110は、複数の他のゲームシステムSと、又は、サーバ装置1と、通信接続が確立されてから当該通信接続が切断されるまで、データを所定周期(例えば、1秒周期で)互いに送受信する処理を行う。
【0093】
さらに、通信制御部110は、複数のゲームシステムSなどの端末装置によって構成されるネットワークシステムの場合は、複数の端末装置間でデータの送受信を行いながらオンラインゲームを実行するピア・ツー・ピア(いわゆるP2P)方式によって通信制御を実行してもよいし、サーバ装置1を介して各端末装置がデータ(情報)の送受信を行いながらオンラインゲームを実行するクライアント・サーバ方式によって通信制御を実行してもよい。
【0094】
なお、本実施形態のネットワークシステムでは、有線通信のみならず無線通信でデータを送受信してもよい。
【0095】
一方、通信制御部110は、コントローラ30からの入力情報を取得する処理を行う。例えば、通信制御部110は、操作入力タイミングに基づくプレーヤの操作入力を受信する。
【0096】
操作入力受付処理部113は、プレーヤによってコントローラ30に入力された入力情報に基づいて、操作内容やそのタイミングを認識する認識処理を行う。
【0097】
具体的には、本実施形態の操作入力受付処理部113は、入力部260によって入力されたボタンの種別、押し下げ回数、レバーの指示方向、ボタンの押し下げタイミングとレバーの指示タイミング、及び、これらの組み合わせに基づいて、プレーヤによって入力された操作指示コマンドを認識する。
【0098】
一方、操作入力受付処理部113は、複数のボタンによってプレーヤの操作が同時入力された場合には、又は、カメラやジョイスティック32の傾斜角度と各ボタンの組み合わせによってプレーヤの操作が入力された場合には、特別な操作入力として認識する。
【0099】
第1ゲーム制御部114は、リズム対戦ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、ゲーム制御部114は、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理(以下、「ゲーム開始処理」ともいう。)、プレーヤの操作入力に応じて、リズム対戦ゲームの進行を制御するゲーム制御処理、及び、楽曲データの再生が終了した場合には、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理(以下、「ゲーム終了処理」ともいう。)などを実行する。
【0100】
特に、ゲーム制御部114は、複数のプレーヤによってリズム対戦ゲームを実行する際に、楽曲再生部117が再生する楽曲データに合わせて、プレーヤ毎に、各プレーヤの操作入力タイミングを判定するために用いる第1ゲームオブジェクト(以下、「操作入力タイミング判定用標識オブジェクト」ともいう。)、当該各プレーヤの操作入力タイミングを指示する第2ゲームオブジェクト(以下、「操作タイミングオブジェクト」という。)、又は、双方のオブジェクトの移動を制御する。
【0101】
具体的には、ゲーム制御部114は、譜面データに基づいて、楽曲データに合わせて、予め定められた基準タイミングで操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの表示位置が一致するように移動させる。
【0102】
また、ゲーム制御部114は、複複数のプレーヤによってリズム対戦ゲームを実行する際に、プレーヤ毎に、と、操作タイミングオブジェクトと、が形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の移動を含めた表示範囲を制御する表示範囲制御処理を実行する。
【0103】
なお、ゲーム制御部114は、係る処理を1フレーム(例えば、1/60秒)毎に行う。なお、フレームは、オブジェクトの移動・動作処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0104】
評価処理部115は、プレーヤ毎に、受け付けられたプレーヤの操作入力タイミングと、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理を実行する。
【0105】
演出制御部116は、表示範囲制御処理の実行結果に基づいて、操作系オブジェクト形成領域に対する所与の演出を制御する。
【0106】
楽曲再生部117は、音楽データ記憶部176に読み込まれた楽曲データの再生を実行し、連続的な楽曲音の波形を音出力部192に出力するものである。
【0107】
また、楽曲再生部117の機能は、楽曲データに基づいて楽曲音の波形を生成する集積回路(音源IC)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現することができる。
【0108】
表示制御部118は、表示部190に表示出力される表示物(オブジェクト)の表示制御を行う。
【0109】
具体的には、表示制御部118は、表示物(ゲームキャラクタ、背景、建物、地面など)を発生させたり、表示物の表示位置を指示したり、表示物を消滅させたりするなどの表示制御を行う。
【0110】
すなわち、表示制御部118は、発生した表示物を表示物リストに登録したり、表示物リストを描画部120に転送したり、消滅した表示物を表示物リストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0111】
特に、表示制御部106は、複数のプレーヤによってリズム対戦ゲームを実行する際に、表示部190の表示領域に基づいて、各プレーヤそれぞれの、当該表示領域内に形成された一部又は全部の操作系オブジェクト形成領域を描画部108に描画させる。
【0112】
また、表示制御部106は、プレーヤ毎に、楽曲再生部117が再生する楽曲データに合わせて移動制御され、かつ、表示されている操作系オブジェクト形成領域内を移動する操作入力タイミング判定用標識オブジェクト、操作タイミングオブジェクト、又は、双方のオブジェクトを、描画部108に描画させる。
【0113】
また、表示制御部118は、各プレーヤの操作系オブジェクト形成領域の移動によって発生した空白領域に、該当するプレーヤのゲームに関する情報を、プレーヤ情報として、表示させる。
【0114】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)に基づいて画像を描画(生成)する処理を実行し、描画した画像を表示部190に出力するものであり、その機能は、描画プロセッサ(GPU)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。そして、描画部108は、いわゆる2次元画像、または、3次元画像を描画させる。
【0115】
具体的には、描画部120は、表示制御部118により転送された表示物リストに応じた表示物を主記憶部172などから読み出し、ピクセル単位で画像情報を記憶できる画像バッファ174(フレームバッファあるいは中間バッファなどのバッファ。VRAM。)に表示物を描画する。
【0116】
そして、描画部120は、1フレーム(例えば1/30秒)ごとに画像情報を更新することにより、表示部190に動画像を表示させる。
【0117】
特に、描画部120は、楽曲再生部117が再生する楽曲データに対応する譜面画像を、楽曲データの再生に合わせて主記憶部172から読み出して画像バッファ174に描画する。
【0118】
音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0119】
[3]本実施形態の手法
[3.1]概要
次に、
図3を用いて本実施形態のリズム対戦ゲームにおける操作系オブジェクトの移動制御及び操作系オブジェクト形成領域の表示範囲制御を含むゲーム制御処理の手法について説明する。
【0120】
なお、
図3は、本実施形態のリズム対戦ゲームにおける操作系オブジェクトの移動制御及び操作系オブジェクト形成領域の表示範囲制御を含むゲーム制御処理を説明するための図である。
【0121】
本実施形態のゲームシステムSは、プレーヤに設定された楽曲などの特定の楽曲データの再生中に、当該再生された音楽に合わせて、複数のプレーヤによって入力された各プレーヤの操作入力タイミングをそれぞれ評価してプレーヤ間において競い合わせる音楽データを用いたリズム対戦ゲームを実行する構成を有している。
【0122】
特に、本実施形態のゲームシステムSは、各プレーヤの評価処理の結果に応じて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト(第1ゲームオブジェクト)又は操作タイミングオブジェクト(第2ゲームオブジェクト)の表示期間の期間長を制御し、プレーヤに対する操作反応時間を調整すること、及び、当該評価処理の結果を自プレーヤ及び他のプレーヤに対して視覚的に認識させる構成を有している。
【0123】
具体的には、ゲームシステムSは、特定の楽曲データの再生中に、
(A1)各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトが形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理、
(A2)操作タイミングオブジェクトを第1の方向に移動させる移動制御処理及び操作入力タイミング判定用標識オブジェクトを第1の方向とは反対の方向である第2の方向に移動させる移動制御処理の少なくともいずれか一方を実行する操作系オブジェクト移動制御処理、及び、
(A3)プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力(具体的には、操作入力タイミング)と、当該操作入力タイミングにおける操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性(例えば、タイミング的な関係又は操作系オブジェクト形成領域内における位置関係)と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理、
を実行する構成を有している。
【0124】
そして、ゲームシステムSは、(A1)の表示範囲制御処理として、評価処理の評価に応じて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトを含めて該当する操作系オブジェクト形成領域を、第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させ、当該操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域を非表示の範囲(すなわち、非表示範囲)に設定する構成を有している。
【0125】
例えば、ゲームシステムSは、
図3(A)に示すように、ゲームに参加するプレーヤA及びプレーヤBのうち、評価処理によってプレーヤAの評価が高くなった場合には、
図3(B)に示すように、プレーヤAに対応する操作系オブジェクト形成領域OBAR1を、操作タイミングオブジェクトIMの移動方向(すなわち、第1の方向)とは反対の方向(すなわち、第2の方向)であって表示部190によっては表示できない非表示領域に向けて所定の移動量によって移動させる。
【0126】
なお、
図3(A)及び(B)には、
(B1)高評価によってプレーヤAの操作系オブジェクト形成領域OBAR1(すなわち、基準タイミングBLの位置)が第2方向に移動して第1の移動位置ML1まで移動した
こと、及び、高評価でないことによってプレーヤBの操作系オブジェクト形成領域OBAR2の位置に変動がないこと(基準タイミングBLの位置に固定)、
(B2)操作系オブジェクト形成領域OBAR1の移動によって表示範囲DAに表示されていたプレーヤAに対応する操作系オブジェクト形成領域OBAR1の一部の領域が非表示範囲NDAに設定されたこと、及び、
(B3)操作系オブジェクト形成領域OBAR1が移動した場合であっても、操作系オブジェクト形成領域OBAR毎に、操作タイミングオブジェクトIMが該当する操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMCに到達するタイミング(TM1及びTM2)に変更が無く、同一のタイミングで同一の操作タイミングオブジェクトIMについて各プレーヤにおける評価を判定すること、
が示されている。
【0127】
このような構成により、本実施形態においては、操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を狭めれば、操作タイミングオブジェクトの表示期間(すなわち、プレーヤに視認させる期間)を短くすることができるので、プレーヤが反応して操作するまでの時間(以下、「操作反応時間」という。)を短くすることができるようになっている。
【0128】
したがって、本実施形態においては、操作入力のタイミングを基調としたゲーム性を維持しつつ、操作反応時間を制御することによって当該ゲームの難易度を調整することができるとともに、複数のプレーヤによって実行される対戦を盛り上げることが可能な演出を提供することができるので、ゲームの興趣性(特に、複数人プレイにおけるゲームの興趣性)を向上させることができるようになっている。
【0129】
なお、本実施形態においては、例えば、音楽ゲーム(いわゆる、音ゲー)などの音やリズムに合わせてプレーヤの操作を実行させて当該プレーヤの操作入力タイミングの正確さを評価する音楽リズムゲームを用いて説明するが、当該音楽ゲームに限らず、プレーヤの操作タイミングについて評価するもの他に、当該タイミングに無関係にプレーヤの操作入力の正確性を評価するものであれば適用可能である。
【0130】
[3.2]操作系オブジェクト移動制御処理の基本原理
次に、
図4を用いて本実施形態の操作系オブジェクト移動制御処理の基本原理について説明する。なお、
図4は、本実施形態の操作系オブジェクト移動制御処理の基本原理について説明するための図である。
【0131】
ゲーム制御部114は、リズム対戦ゲームに参加するプレーヤ毎に操作系オブジェクト形成領域を形成しつつ、当該操作系オブジェクト形成領域内に形成される操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの移動制御を行う。
【0132】
すなわち、ゲーム制御部114は、ゲームの実行中に表示部190に表示されるゲーム画面において、各プレーヤのそれぞれに対応する各操作系オブジェクト形成領域を設け、楽曲データに合わせつつ、譜面データに基づいて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの移動制御を実行する。
【0133】
特に、ゲーム制御部114は、各操作系オブジェクト形成領域の移動制御(表示範囲制御)と連動しつつ、プレーヤの操作タイミンを判定するためのオブジェクトであって、操作入力タイミングの基準となる操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの固定配置された位置を基準に、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトとともに、プレーヤの操作タイミンを判定するためのオブジェクトであって、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに重なったときに、プレーヤによって入力される操作内容を示す操作タイミングオブジェクトの移動制御を実行する。
【0134】
具体的には、ゲーム制御部114は、ゲーム空間(表示部190に表示される表示範囲及び非表示範囲を含めたゲーム画面を構成するための空間)に、初期設定として、リズム対戦ゲームに参加するプレーヤ数の表示範囲の一端から反対側の他端に向かって伸びた操作系オブジェクト形成領域を形成し、それぞれの操作系オブジェクト形成領域内の一端側(例えば左側)に円形の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトを配置する。
【0135】
そして、ゲーム制御部114は、ゲームが開始されると、操作系オブジェクト形成領域毎に、それぞれの操作系オブジェクト形成領域に沿って、楽曲データに合わせて、かつ、譜面データに基づいて、操作種別が異なる(すなわち、操作入力の内容が異なる)複数の操作入力タイミングオブジェクトを他端側から一端側の第1の方向に(すなわち、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに向けて)一定速度で移動させる。
【0136】
なお、各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクトは、操作系オブジェクト形成領域内において固定設置されており、表示範囲制御処理によって操作系オブジェクト形成領域が移動した場合には、当該移動に応じて移動する。ただし、各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクトは、表示範囲制御処理によって移動したとしても、操作系オブジェクト形成領域内における相対的な位置の変更はなく、視覚的には移動制御される。
【0137】
例えば、ゲーム制御部114は、表示制御部118と連動し、初期設定時(すなわち、楽曲データが再生されていない状態で再生開始前)、
図4(A)に示すように、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト(図中基準タイミングBLの位置)を基準に、譜面データから形成された横長の譜面画像(表示範囲及び非表示範囲を含めて形成された操作系オブジェクト形成領域OBARの画像)SPを形成する。
【0138】
そして、ゲーム制御部114は、表示制御部118と連動し、楽曲再生部117によって楽曲データの再生が開始されると、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの表示範囲DAにおける位置(すなわち、基準タイミングBLの位置)を固定しつつ、
図4(A)、(B)及び(C)に示すように、時間Tが経過するにつれて、譜面画像SPを図中右側から左方向に向けて複数の第1の操作タイミングオブジェクトIM1-1~IM1-n(nは自然数)及び複数の第2の操作タイミングオブジェクトIM2-1~IM2-nについて、操作系オブジェクト形成領域OBAR上を、一定速度で移動させる。
【0139】
特に、ゲーム制御部114は、例えば、第1の操作タイミングオブジェクトIM1-1に対応する基準タイミングKT1が到来したときに、第1の操作タイミングオブジェクトIM1が操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの位置に移動するように各操作タイミングオブジェクトIMを、第1の方向に向けて移動制御する。
【0140】
なお、
図4(A)、(B)及び(C)には、表示部190に表示される範囲が表示範囲DAとして示されており、上記の例においては、表示制御部118は、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトを基準に、表示部190にその一部の範囲を表示範囲DAとして表示させる。
【0141】
また、上記の
図4には、表示範囲DAが時間ととともに図中左から右に移動しているが、実際のゲームにおいては、上述のように、譜面画像SPが図中右側から左側に移動することとなる。
【0142】
さらに、
図4を用いた上記の説明は、シングルプレイ時のものであり、かつ、表示範囲制御処理が実行されていない場合の説明の例である。
【0143】
特に、複数プレイでも同様に操作系オブジェクト移動制御処理においては、上記の例と同様に、それぞれのプレーヤに対して操作系オブジェクト移動制御処理が実行される。ただし、このような複数プレイの場合における操作系オブジェクト移動制御処理は、それぞれ異なる移動制御ではなく、完全にリンクした同一のタイミングで実行される。
【0144】
すなわち、後述するように、表示範囲制御処理によって操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの移動範囲を制約する操作系オブジェクト形成領域も移動するが、ゲーム制御部114は、各プレーヤにおいて、各操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに同一の操作タイミングオブジェクトが到来するタイミングを同一タイミングで制御する。
【0145】
一方、ゲーム制御部114は、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトを一端側から他端側の第1の方向とは反対の第2の方向に(すなわち、操作入力タイミングオブジェクトに向けて)一定速度で移動させてもよい。
【0146】
この場合には、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト形成領域内において各操作タイミングオブジェクトを固定配置する。
【0147】
また、ゲーム制御部114は、操作タイミングオブジェクトを第1方向に一定速度で移動させつつ、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトを一端側から他端側の第1方向とは反対の第2方向に(すなわち、操作入力タイミングオブジェクトに向けて)一定速度で移動させてもよい。
【0148】
[3.3]評価処理
次に、
図5~
図8を用いて本実施形態の評価処理について説明する。なお、
図5~
図8は、本実施形態の評価処理について説明するための図である。
【0149】
(評価処理の基本原理)
評価処理部115は、評価処理として、プレーヤ毎に、操作系オブジェクト移動制御処理によって操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの配置位置を基準に、操作タイミングオブジェクトの移動制御と各プレーヤの操作入力に基づいて、リズム音楽ゲームにおける各プレーヤの評価を決定する評価処理を実行する。
【0150】
特に、評価処理部115は、プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングと、当該操作入力タイミングにおける操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、リズム音楽ゲームにおける各プレーヤの評価を決定する評価処理を実行する。
【0151】
具体的には、評価処理部115は、プレーヤ毎に、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの位置に、移動制御された個々の操作タイミングオブジェクトが到達したタイミング(以下、「個別評価タイミング」という。)に基づいて、当該個々の個別評価タイミングにおける評価処理(以下、「個別操作タイミング評価処理」という。)を実行する。
【0152】
すなわち、評価処理部115は、個別操作タイミング評価処理として、各操作タイミングオブジェクトの指示内容を指定されたタイミングでプレーヤの操作入力できたかどうかの判定を行う。
【0153】
そして、評価処理部115は、プレーヤ毎に、かつ、所与の期間毎(以下、「評価期間」という。)に、個別操作タイミング評価処理の評価結果に応じて、各評価期間における
評価処理(以下、「評価期間に基づく評価処理」という。)を実行する。
【0154】
例えば、評価処理部115は、評価処理として、指定された操作入力の成功数、失敗数、タイミングの一致度、及び、連続して成功した連続成功数(いわゆるコンボ数)に基づいて、得点などのパラメータを変化させることによって評価を行う。
【0155】
(個別操作タイミング評価処理)
評価処理部115は、個別操作タイミング評価処理としては、個別操作タイミングにおいて、プレーヤの操作結果が評価結果として所与の条件(以下、「評価条件」という。)を具備したか否かを判定し、その結果を評価処理の結果として用いる。
【0156】
具体的には、評価処理部115は、プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングと、操作系オブジェクト形成領域内における当該操作入力タイミングにおける操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに操作タイミングオブジェクトが到来するタイミング(すなわち、楽曲データによって定められたタイミング)と、を比較し、当該比較結果に基づいて、評価処理を実行する。
【0157】
また、評価処理部115は、所与の評価条件としては、
(A1)操作タイミングオブジェクトによって示された操作内容の入力が成功したこと、(A2)プレーヤの操作入力のタイミングと、当該操作入力タイミングにおける操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、が所定の成功条件を具備したこと、又は、
(A3)(A1)と(A2)の双方が具備したこと、
を用いる。
【0158】
特に、評価処理部115は、評価条件としては、(A1)~(A3)の何れかを複数用いてもよく、この場合には、評価条件毎に、成立条件の緩急(成立しやすい、成立しにくいなど)を付け、かつ、当該緩急に応じてポイントなどの評価値を段階的に付与することが好ましい。
【0159】
すなわち、この場合には、評価処理部115は、評価条件としては、(A3)を具備する条件であって、段階的な評価値を付与する複数の条件を用いる場合において、成立条件が厳しい第1の条件を具備した場合には、第1のポイント(相対的に高いポイントで、例えば、5点)を付与し、第1の条件が成立しなかった場合に当該第1の条件より緩い第2の条件を具備した場合には、第1のポイントより低い第2のポイント(相対的に低いポイントで、例えば、1点)を付与する。
【0160】
例えば、評価処理部115は、個別操作タイミング評価処理としては、
図5(A)に示すように、第1の操作タイミングオブジェクトIM1-1が操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの位置(例えば、表示範囲制御処理が実行されてない場合には基準タイミングBLの位置)に到来する(包含される)基準タイミングKT(例えば、楽曲再生開始から5秒後)と、該当するプレーヤのコントローラ30における操作入力タイミングと、が一致し、かつ、第1の操作タイミングオブジェクトIM1によって示される操作内容(「ドン」を入力する操作指示)と、該当するプレーヤのコントローラ30における操作内容と、が一致した場合には、相対的に高いポイント(すなわち、5点)を付与する。
【0161】
また、評価処理部115は、
図5(B)に示すように、基準タイミングKTと操作入力タイミングとが厳密に一致しなくても(完全同一で無くても)、第1の操作タイミングオブジェクトIM1が基準タイミングKT以外のタイミングであって操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMC1を通過している期間である基準期間BT(例えば、基準タ
イミングの前後0.5秒間)に到来すると、相対的に低いポイント(すなわち、1点)を付与する。
【0162】
なお、評価処理部115は、
図6に示すように、第1の操作タイミングオブジェクトIM1についての基準期間BTに、プレーヤがコントローラ30によって実行された操作タイミングが含まれない、又は、コントローラ30に入力された操作が操作内容と異なると判定した場合には、ポイントを付与しない。
【0163】
そして、評価処理部115は、個々のタイミンで付与されたポイントを該当するプレーヤのスコアとして算出する評価処理を実行する。
【0164】
一方、本実施形態の評価処理部115は、評価処理においては、操作入力タイミングと操作系オブジェクトとの操作系オブジェクト形成領域内での到来タイミングとの比較結果に基づく評価処理に代えて、プレーヤ毎の操作入力タイミング時における操作入力タイミング判定用標識オブジェクトと、操作タイミングオブジェクトと、操作系オブジェクト形成領域内におけるの2つのオブジェクトの位置関係に応じて実行してもよい。
【0165】
この場合には、評価処理部115は、
図7及び
図8に示すように、プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングにおける、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトと操作タイミングオブジェクトとにおけるヒットチェック(操作系オブジェクト形成領域内での接触)を実行する。
【0166】
そして、評価処理部115は、当該ヒットの有無及びその状況(すなわち、オブジェクト同士が操作系オブジェクト形成領域内で重なりあっているか、及び、重なっている場合には重なっている面積又は画素の数)を特定し、重なり合っている状況を評価結果として特定する。
【0167】
例えば、評価処理部115は、
図7(A)に示すように、操作タイミングCT時の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMC1(厳密にはキャラクタの顔部分)と操作タイミングオブジェクトIM1とがヒットしていると判定し、オブジェクト同士が操作系オブジェクト形成領域内で完全に重なりあっている場合には、相対的に高いポイント(すなわち、5点)を付与する。
【0168】
例えば、評価処理部115は、
図7(B)に示すように、操作タイミングCT時の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMC1(厳密にはキャラクタの顔部分)と操作タイミングオブジェクトIM1とがヒットしていると判定し、オブジェクト同士が操作系オブジェクト形成領域内で一部重なっていない場合には、相対的に低いポイント(すなわち、1点)を付与する。
【0169】
なお、評価処理部115は、
図8に示すように、操作タイミングCT時の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMC1(厳密にはキャラクタの顔部分)と操作タイミングオブジェクトIM1とがヒットしていないと判定した場合には、ポイントを付与しない。
【0170】
そして、評価処理部115は、タイミングを用いた場合と同様に、個々のタイミンで付与されたポイントを該当するプレーヤのスコアとして算出する評価処理を実行する。
【0171】
他方、本実施形態の評価処理部115は、所与の評価条件として、操作タイミングオブジェクトによって示された操作内容の入力が成功しこと(以下、「第1評価条件」ともいう。)、及び、プレーヤの操作入力のタイミングと、当該操作入力タイミングにおける操
作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性とが、所定の成功条件を具備したこと(以下、「第2評価条件」ともいう。)を用いているが、これらに代えて、又は、これらに加えて、プレーヤの得点や獲得したアイテム数などの予め設定されたパラメータが所定の条件(以下、「第3評価条件」ともいう。)を具備したこと(例えば、得点が所定の値になったこと)を含めて評価条件として用いてもよい。
【0172】
例えば、本実施形態の評価処理部115は、第1評価条件、第2評価条件及び第3評価条件を具備した場合に、相対的に高いポイントを付与し、第1評価条件及び第2評価条件のみ具備した場合に、相対的に低いポイントを付与してもよい。
【0173】
また、評価処理部115は、第1評価条件のみ、第2評価条件のみ、及び、第3評価条件のみ具備したか否かによって評価処理を実行してもよい。
【0174】
(評価期間に基づく評価処理)
評価処理部115は、個別操作タイミング毎に上記の評価処理を実行している場合において、所与の評価期間毎、又は、当該評価期間の経過後に、該当する評価期間における各プレーヤの評価を実行する。
【0175】
具体的には、評価処理部115は、評価期間として、
(B1)音楽ゲームの場合には、1小節、又は、Aメロ、Bメロ若しくはサビなどのゲーム進行上定まる期間、
(B2)イベントが発生してる期間、
(B3)ゲームの実行中に予め定められた第1のタイミングから第2のタイミングまでの期間、又は、
(B4)プレーヤによって指定された期間
などを用いる。
【0176】
そして、評価処理部115は、プレーヤ毎に、このような評価期間毎に、又は、当該評価期間の経過後に、当該評価期間における個別操作タイミング評価処理の評価結果を集計し、当該集計結果を各プレーヤの評価として特定する。ただし、評価処理部115は、評価期間毎に、該当する1の評価期間単独だけでなく、それまでの全ての評価期間における評価結果を集計したものを用いてもよい。
【0177】
例えば、リズム対戦ゲームにおいて、評価処理部115は、プレーヤ毎に、かつ、小節毎に、各小節の期間における評価として、各個別操作タイミングにおいて評価されたポイントをスコアとして合算する。
【0178】
なお、評価処理部115は、評価結果を合計した値であってもよいし、平均値や偏差値などの統計的な数値であってよい。
【0179】
[3.4]表示範囲制御処理
次に、
図9~
図12を用いて本実施形態の表示範囲制御処理について説明する。なお、
図9~
図12は、本実施形態の表示範囲制御処理について説明するための図である。
【0180】
ゲーム制御部114は、表示範囲制御処理として、評価処理の評価に応じて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトを含めて該当する操作系オブジェクト形成領域を、操作系オブジェクトの移動方向である第1の方向とは反対の方向(すなわち、第2の方向)に向けて移動させ、当該操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を、表示部190において表示されない範囲(以下、「非表示範囲」とい
う。)に、設定する。
【0181】
特に、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト移動制御処理における操作入力タイミング判定用標識オブジェクト、操作タイミングオブジェクト又は双方について移動させた状態を維持しつつ、操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を非表示範囲に設定し、当該操作系オブジェクト形成領域の表示範囲の広狭を制御する。
【0182】
また、ゲーム制御部114は、表示範囲制御処理として、評価処理の結果を示す評価に応じて、非表示範囲に既に設定されている操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を第1方向に移動させ、当該非表示範囲に設定されている操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部を、表示部190において表示される範囲(以下、「表示範囲」という。)内に移動させる。
【0183】
具体的には、ゲーム制御部114は、プレーヤ毎に、評価処理によって特定された評価期間における評価に応じて、所与の期間(以下、「評価反映期間」という。)における操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量の移動制御内容を決定し、当該決定した移動制御内容に基づいて、操作系オブジェクト形成領域を、その位置(現在の位置)から第1の方向、又は、第2の方向に移動させ、評価反映期間中においてその位置を保持する表示範囲制御処理を実行する。
【0184】
すなわち、ゲーム制御部114は、プレーヤ毎に、評価期間における各個別操作タイミングのポイントが集計されたスコアに基づいて、評価反映期間における操作系オブジェクト形成領域の移動方向及び移動量を含む移動制御内容を決定し、評価反映期間の開始タイミングに、当該決定された移動制御内容に基づいて、当該操作系オブジェクト形成領域そのものを移動させ、かつ、当該評価反映期間が終了するまで、その位置を保持する。
【0185】
また、このとき、ゲーム制御部114は、各プレーヤの評価期間の評価値(例えば、スコア)を絶対的な値として、移動制御内容を決定してもよいし、他のプレーヤのとの相対的な値と移動制御内容を決定してもよい。
【0186】
すなわち、各プレーヤの評価期間の評価値を絶対的な値として用いる場合には、ゲーム制御部114は、予め評価値と移動量及び移動方向を定めたテーブルデータを参照し、当該テーブルデータによって定まる移動量と移動方向によって、各プレーヤの操作系オブジェクト形成領域の移動制御を実行する。
【0187】
また、各プレーヤの評価期間の評価値を他のプレーヤとの相対的な値として用いる場合には、ゲーム制御部114は、各プレーヤの評価値の順位を決定し、上位から順に、プレーヤにとってゲーム上不利になる方向に、又は、下位から順に、プレーヤにとってゲーム上有利になる方向に、移動量に差をつけつつ(順位の高いプレーヤが不利になるように)、各プレーヤの操作系オブジェクト形成領域の移動制御を実行する。
【0188】
一方、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト移動制御処理として、プレーヤ毎に、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトが固定配置され、かつ、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに向けて移動制御されている操作タイミングオブジェクトを含む各操作系オブジェクト形成領域を、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの操作系オブジェクト形成領域内における位置(相対的な位置)を保持しつつ、操作タイミングオブジェクトの移動制御を実行した状態で、各プレーヤにとって不利な方向である第2の方向やその反対の第1の方向に移動させる。
【0189】
すなわち、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト形成領域が所定の方向に所定の
移動量の移動が生じた場合には、固定配置されている操作入力タイミング判定用標識オブジェクトも、移動中の各操作タイミングオブジェクトも、所定の方向に所定の移動量の移動を実行する。
【0190】
なお、各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクトは、操作系オブジェクト形成領域内において固定設置されており、表示範囲制御処理によって操作系オブジェクト形成領域が移動した場合には、当該移動に応じて移動する。ただし、ゲーム制御部114は、各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクトは、表示範囲制御処理によって移動したとしても、操作系オブジェクト形成領域内における相対的な位置を変更せずに、当該操作系オブジェクト形成領域を移動させる。
【0191】
例えば、
図9~
図12に示すように、3人のプレーヤによって実行されるリズム対戦ゲームにおいて、当該ゲームに用いる楽曲データにおける各小節を評価期間とし、かつ、評価期間の小節に連続して継続する小節を評価反映期間とした場合であって、各評価期間における各プレーヤの相対的な評価値に基づいて、操作系オブジェクト形成領域をプレーヤにとって不利な方向(第2の方向)に移動させる表示範囲制御処理が実行される場合を想定する。
【0192】
また、この場合において、
図9に示すように、例えば、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト形成領域を表示範囲の左右に伸びた状態で形成し、各プレーヤの操作系オブジェクト形成領域OBARを上下に配列した場合であって、各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMCが該当する操作系オブジェクト形成領域内の図中左端に固定設定され、各プレーヤの操作タイミングオブジェクトIMが図中の表示部190の右端から操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMCに向けて(すなわち、第1の方向に)移動している場合を想定する。
【0193】
なお、
図9に示すように、ゲーム制御部114は、ゲーム開始時においては、プレーヤA、B及びCの各操作系オブジェクト形成領域OBAR1、OBAR2及びOBAR3を、表示部190の左右方向に伸びた状態(以下、「基準状態」という。)で配置し、当該配置位置に基づいて、操作タイミングオブジェクトIMを操作入力タイミング判定用標識オブジェクトBMCに向けて移動させる操作系オブジェクト移動制御処理を実行する。
【0194】
このような場合において、ゲーム制御部114は、
図10に示すように、第1の評価期間において、評価値としてプレーヤAのスコアが全体の(3人のプレーヤ中)2位、プレーヤBが全体の(3人のプレーヤ中)1位、及び、プレーヤCが全体の(3人のプレーヤ中)3位として評価処理が実行されると、第1の評価期間における第1の評価反映期間において、プレーヤAの操作系オブジェクト形成領域OBAR1を第2の方向に予め定められた単位量において「+2」移動させ、プレーヤBの操作系オブジェクト形成領域OBAR2を第2の方向に予め定められた単位量において「+5」移動させる表示範囲制御処理を実行する。
【0195】
なお、この場合には、ゲーム制御部114は、プレーヤCの操作系オブジェクト形成領域OBAR3の移動を行うことなく、をそのままの位置を維持する。
【0196】
また、各操作系オブジェクト形成領域OBARが移動されることによって、評価処理を実行するための基準タイミングBLが、移動位置ML1及び移動位置ML2に移動するが、各移動位置ML1及びML2に各操作タイミングオブジェクトIMが到来するタイミングは、基準タイミングBLに到来するときのタイミングと同一である。
【0197】
同様に、ゲーム制御部114は、
図11に示すように、第2の評価期間において、評価
値としてプレーヤAのスコアが全体の(3人のプレーヤ中)1位、プレーヤBが全体の(3人のプレーヤ中)3位、及び、プレーヤCが全体の(3人のプレーヤ中)2位として評価処理が実行されると、ゲーム制御部114は、第2の評価期間における第2の評価反映期間において、プレーヤAの操作系オブジェクト形成領域OBAR1を第2の方向に現在の位置から予め定められた単位量において「+5」移動させ(ゲーム開始時からは+7)、プレーヤCの操作系オブジェクト形成領域OBAR3を第2の方向に予め定められた単位量において「+2」移動させる(ゲーム開始時からも+2)表示範囲制御処理を実行する。
【0198】
なお、この場合には、ゲーム制御部114は、プレーヤBの操作系オブジェクト形成領域OBAR2の移移動を行うことなく、そのままの位置(ゲーム開始時からは+5の位置)を維持する。
【0199】
一方、ゲームの実行中に、評価期間における評価値が絶対値として著しく低い場合(例えば、プラス加算「0」の場合)には、操作系オブジェクト形成領域OBARをプレーヤにとって有利な方向(第1の方向)に移動させる表示範囲制御処理が実行されてもよい。
【0200】
例えば、上記の
図10及び
図11と同様な場合であって、第2の評価期間において、上記の状況に加えて、評価値としてプレーヤBのスコア加算が「0」となる評価処理が実行されると、ゲーム制御部114は、
図12に示すように、当該プレーヤBの操作系オブジェクト形成領域OBAR2を第1の方向に予め定められた量(例えば、「-3」移動させる(ゲーム開始時からもプラスマイナス+2))によって表示範囲制御処理を実行する。
【0201】
なお、ゲーム制御部114は、操作系オブジェクト形成領域を移動させることによって、当該操作系オブジェクト形成領域の全部の領域(限界値として)を非表示にしてもよい。ただし、この場合において、全部の操作系オブジェクト形成領域が非表示になると、ゲームとして成立しないこともないが、難易度が飛躍的に上がるため、ゲーム制御部114は、最低限として、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトが表示されるように操作系オブジェクト形成領域の移動を制御する。
。
【0202】
また、ゲーム制御部114は、プレーヤ毎に、評価処理によって所与の評価期間における評価に応じて、操作系オブジェクト形成領域の移動方向又は移動量が予め決定されていれば、当該操作系オブジェクト形成領域の移動量、又は、移動方向のみ移動制御内容を決定してもよい。
【0203】
さらに、ゲーム制御部114は、原則、プレーヤ毎の各プレーヤの期間評価処理の評価結果に基づいて、表示範囲制御処理を実行するが、プレーヤ毎の個別操作タイミング評価処理の結果に基づいて、当該表示範囲制御処理を実行してもよい。
【0204】
特に、プレーヤ毎の個別操作タイミング評価処理の結果に基づいて、当該表示範囲制御処理が実行される場合には、評価処理部115は、プレーヤ毎に、個別操作タイミング評価処理のみ実行してもよい。
【0205】
[3.5]特別な処理
次に、
図13及び
図14を用いて本実施形態における特別な処理について説明する。なお、
図13及び
図14は、本実施形態における操作系オブジェクト形成領域の移動に伴う表示について説明するための図である。
【0206】
(複数のプレーヤの組み合わせに基づく評価処理)
上記の実施形態においては、評価処理部115は、プレーヤ毎に評価処理を実行しているが、複数のプレーヤ毎(すなわち、グループ毎)に1の評価処理を実行してもよい。
【0207】
すなわち、評価処理部115は、評価処理として、複数のプレーヤから構成されるグループ毎(例えば、プレーヤが4人参加する場合には、2人ずつのグループ毎)に、同一のグループの各プレーヤの操作入力に基づく評価を組み合わせて(例えば、それぞれの評価を合算して)組み合わせ評価を特定してもよい。
【0208】
また、この場合には、ゲーム制御部114は、プレーヤ毎に操作系オブジェクト形成領域が形成されている場合には、該当する組み合わせ評価に基づいて個々のプレーヤの操作系オブジェクト形成領域の表示範囲制御処理を実行してもよいし、グループごとに操作系オブジェクト形成領域が形成されている場合には、グループ毎に評価結果に基づいて当該操作系オブジェクト形成領域に対する表示範囲制御処理を実行してもよい。
【0209】
(プレーヤ数に基づく操作系オブジェクト形成領域の非表示範囲の制御)
上記実施形態において、評価結果に応じて各プレーヤにおける操作系オブジェクト形成領域の移動量を決定し、当該操作系オブジェクト形成領域の一部を非表示範囲に設定する際に、リズム対戦ゲームに参加するプレーヤ数(すなわち、ゲームの実行中のプレーヤの数)に基づいて、操作系オブジェクト形成領域の非表示範囲に設定する割合を変更してもよい。
【0210】
すなわち、ゲーム制御部114は、例えば、参加するプレーヤの数が多い場合には、参加するプレーヤ数が少ないときよりも、非表示にする領域を多くし(又は、少なくし)、ゲーム状況におけるプレーヤ対する視認性の向上、又は、プレーヤの実力差が生じたとしても接戦しているように見せること可能な構成を有している。
【0211】
例えば、この場合には、ゲーム制御部114は、参加するプレーヤの数が8人の場合には、参加するプレーヤの数が4人のときよりも、25%多く操作系オブジェクト形成領域の移動量を決定し、当該移動量に基づいて操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域を非表示範囲に設定する。
【0212】
(操作系オブジェクト形成領域の移動に伴う表示1)
上記実施形態において、表示制御部118は、操作系オブジェクト形成領域の移動に伴って空いたスペース(すなわち、空白領域)に当するプレーヤ(すなわち、当該操作系オブジェクトの対応するプレーヤ)のゲームに関する情報をプレーヤ情報として表示してもよい。
【0213】
すなわち、表示制御部118は、空白となった領域を有効活用するために、表示範囲制御処理によって操作系オブジェクト形成領域がプレーヤの不利な方向(具体的には、第2の方向)に移動した場合であって、当該操作系オブジェクト形成領域が移動前に形成されていた領域でかつ当該操作系オブジェクト形成領域の移動後に当該操作系オブジェクト形成領域が形成されなくなった領域(以下、「空白領域」ともいう。)に、該当するプレーヤ(すなわち、当該操作系オブジェクトの対応するプレーヤ)のゲームに関する情報をプレーヤ情報として表示してもよい。
【0214】
この場合には、例えば、表示制御部118は、
図13に示すように、表示範囲制御処理によってプレーヤAに対応する操作系オブジェクト形成領域OBAR1及びプレーヤBに対応する操作系オブジェクト形成領域OBAR2がそれぞれ第2の方向(図中右方向)に移動して当該操作系オブジェクト形成領域OBAR1及びOBAR2の左側に空白領域BLAR1、BLAR2及びBLAR3が形成された場合には、当該各空白領域BLARに
プレーヤの名前(ニックネーム)、得点及び現在のレベルなどのプレーヤ情報を表示させる。
【0215】
(操作系オブジェクト形成領域の移動に伴う表示2)
上記実施形態において、演出制御部116は、表示範囲制御処理の実行によって生じた操作系オブジェクト形成領域の移動量に応じて、当該操作系オブジェクト形成領域に対する所与の演出を制御してもよい。
【0216】
具体的には、演出制御部116は、例えば、
図14に示すように、表示範囲制御処理の実行によって操作系オブジェクト形成領域の移動量が他のプレーヤの操作系オブジェクト形成領域の移動量よりも多かった場合には、他のプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域より装飾効果(操作系オブジェクト形成領域の周りを光らせる、又は、色彩を派手な色に変更するなど)を実行してもよい。
【0217】
(操作系オブジェクト形成領域の移動量の可変制御)
上記実施形態において、ゲーム制御部114は、評価処理の評価結果とともに各プレーヤのゲーム成績に応じて、操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、当該補正した移動量に基づいて、前記操作系オブジェクト形成領域を、移動させる表示範囲制御処理を実行してもよい。
【0218】
すなわち、この場合には、ゲーム成績が低いプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域の移動量を大きくし、又は、ゲーム成績が著しく高いプレーヤに対応する操作系オブジェクト形成領域の移動量を小さくすることができるので、プレーヤの実力差があったとしても接戦しているようにゲームを演出し、盛り上げることができるようになっている。
【0219】
具体的には、この場合には、ゲーム制御部114は、各プレーヤの評価結果に基づいて移動量を決定する一方で、移動量の限界値を設定し、特定のプレーヤの評価結果(例えば、スコア)が他のプレーヤの評価結果(スコア)よりも大幅に高い場合であっても、一定以上の移動量にならないように制御する。
【0220】
(操作系オブジェクト形成領域の進行タイミングにおける移動量の可変制御)
上記実施形態において、ゲーム制御部114は、評価処理の評価結果とともに前記ゲームの進行度合いに応じて、操作系オブジェクト形成領域の移動量を補正し、当該補正した移動量に基づいて、操作系オブジェクト形成領域を、移動させる表示範囲制御処理を実行してもよい。
【0221】
すなわち、この場合には、ゲームが進行するに従って、又は、ゲームの後半の期間において、ゲームの前半の期間と同じ評価結果であっても、操作系オブジェクト形式領域の移動量を変化させることができるので、プレーヤの実力差があったとしても接戦しているようにゲームを演出し、盛り上げることができるようになっている。
【0222】
具体的には、この場合には、ゲーム制御部114は、各プレーヤの評価結果に基づいて移動量を決定する一方で、ゲームの前半期間とゲームの後半期間と同じ評価結果であっても移動量を変化させ(例えば、後半期間の移動量を前半期間の移動量の25%増し)、たとえ、評価結果の差が大きくても、ゲームの後半期間に特定のプレーヤと他のプレーヤの操作系オブジェクト形成領域の配置位置(例えば、表示部190に表示される際の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの横方向の位置)が離れすぎないように制御する。
【0223】
(特別アイテムの出現制御)
上記実施形態において、ゲーム制御部114は、リズム対戦ゲームの実行中に、各プレーヤのゲーム状況に応じて、評価結果の得点が2倍になる、他のプレーヤの操作タイミングオブジェクトの表示を妨害する、又は、操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を変更するなどアイテムを取得したプレーヤがゲーム上有利になる特別アイテムを出現させ、かつ、獲得制御をしてもよい。
【0224】
具体的には、ゲーム制御部114は、ゲーム状況として、個別操作タイミング評価処理に基づいて、アイテムゲージのパラメータを変動させ、当該アイテムゲージにおけるパラメータの値が所定の条件(例えば、一定値以上)具備した場合に、特定のアイテムを該当するプレーヤに獲得せる。
【0225】
特に、ゲーム制御部114は、獲得させたアイテムを即時ゲームに発動してもよいし、プレーヤの特定の操作に基づいて、発動してもよい。
【0226】
なお、ゲーム制御部114は、個別操作タイミング評価処理に基づいて、アイテムゲージのパラメータを変動させる際に、操作系オブジェクト形成領域の表示範囲(例えば、操作系オブジェクト形成領域の移動量及び移動方向)に応じて変化させてもよいし、ゲームの前半、中盤、後半などの楽曲データに基づいて定められた期間に応じて変化させてもよい。
【0227】
[3.6]変形例
次に、
図15及び
図14を用いて本実施形態による変形例について説明する。
【0228】
なお、
図15は、本実施形態のゲームシステムを店舗型ゲームシステムに適用した場合の例であって、その外観構成図であり、
図16は、本実施形態のゲームシステムをネットワークを用いたサーバシステムに適用した場合のシステム構成の一例を示す図である。
【0229】
(店舗型ゲームシステム)
本実施形態のゲームシステムSは、家庭用ゲームシステムに適用可能な他に、例えば、
図13に示すように、店舗(アミューズメントパーク)に設定された店舗型ゲームシステムによっても実現可能である。
【0230】
例えば、このようなゲームシステムSは、
図15に示すように、ゲーム処理等を行う処理部(コンピュータ)100を格納する筐体12と、筐体12の前面に、2個の太鼓(楽器の一例)型の操作入力部14と、画像を表示する表示部190と、音を出力する音出力部192と、ゲーム料金を受け入れる料金受入口20とが設けられており、音楽ゲームを実行する。
【0231】
特に、操作入力部14は、太鼓の形状を有しており、プレーヤがスティックや手で叩くことにより操作入力を行うものである。
【0232】
また、図示しないが、この操作入力部14の円形の皮面22の内部には、プレーヤが円形の皮面22を叩いたことを検出するセンサが設けられており、皮面22の周縁24の内部には、プレーヤが皮面22の周縁24を叩いたことを検出するセンサが設けられている。したがって、ゲームシステムSは、プレーヤが皮面22を叩いたか、皮面22の周縁24を叩いたかを判別することができるようになっている。
【0233】
そして、ゲームシステムSは、CPU、画像生成IC、音生成IC等が実装されたシステム基板1000が内蔵しており、システム基板1000上の情報記憶媒体であるメモリから読み出したゲームプログラムやゲームデータ、或いは操作入力部14から入力される
操作信号等に基づいて、リズム対戦ゲームを実行する構成を有している。
【0234】
なお、本実施形態のゲームシステムSは、2個の操作入力部14を有しており、同時に二人のプレーヤが音楽ゲームをプレイすることができるようになっている。
【0235】
(ネットワーク対戦)
上記の本実施形態のゲームシステムSは、複数のコントローラ30を有し、各プレーヤによって各コントローラ30を操作させることによってリズム対戦ゲームを成立させているが、複数のゲームシステムSをネットワークによって通信接続することによって、ゲームシステムS毎のプレーヤキャラクタを制御するとともに、各ゲームシステムSに基づくゲーム制御処理を含む各処理を連動させて上記の各構成及び各制御を実行してもよい。
【0236】
(サーバシステム)
上記の実施形態においては、
図16に示すように、一のサーバ装置310によってサーバシステム300を構築してネットワークNを介して上記のゲームを1又は複数の端末装置320に提供してもよいし、複数のサーバ装置310を連動させてサーバシステム300を構築し、当該サーバシステム300からゲームを1又は複数の端末装置320に提供してもよい。
【0237】
特に、有線又は無線によって複数の端末装置320をサーバシステム300にネットワークNを介して接続させつつ、サーバシステム300を上記のゲームシステムとして機能させる。
【0238】
また、サーバシステム300は、プレーヤの操作入力を受け付けつつ、操作系オブジェクト移動制御処理、評価処理及び表示範囲制御処理を含むゲーム制御処理を実行するためのゲームデータ(画像データのみも含む。)を該当する端末装置320に提供することによってゲームシステムを実現することも可能である。
【0239】
すなわち、この場合には、サーバシステム300は、
(A1)各プレーヤの操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトが形成される領域であって、当該各プレーヤに対応付けられた操作系オブジェクト形成領域の表示範囲を制御する表示範囲制御処理、
(A2)操作系オブジェクト形成領域内において操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの少なくともいずれか一方を第1の方向に移動させる操作系オブジェクト移動制御処理、及び、
(A3)プレーヤ毎に、プレーヤの操作入力を受け付けたときの操作入力タイミングと、当該操作入力タイミングにおける操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトの所与の関係性と、に基づいて、各プレーヤの評価を行う評価処理、
を実行する構成を有している。
【0240】
そして、サーバシステム300は、(A1)の表示範囲制御処理として、評価処理の評価に応じて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクト及び操作タイミングオブジェクトを含めて該当する操作系オブジェクト形成領域を、第1の方向とは反対の方向である第2の方向に向けて移動させ、当該操作系オブジェクト形成領域の少なくとも一部の領域を非表示の範囲(すなわち、非表示範囲)に設定する構成を有している。
【0241】
なお、本実施形態においては、ネットワークを通じて端末装置320と連動して実行するサーバシステム300に本発明のゲームシステムを適用しているが、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータにも本発明のゲームシステムを適用してもよい。
【0242】
[4]本実施形態の動作
次に、
図17を用いて本実施形態のゲームシステムSによって実行されるゲーム制御処理の動作について説明する。
【0243】
なお、
図17は、本実施形態のゲームシステムSによって実行されるゲーム制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0244】
本動作は、複数のプレーヤによって実行されるゲーム制御処理であって、主に操作系オブジェクト移動制御処理及び操作系オブジェクト形成領域の表示範囲制御処理に特化した動作である。
【0245】
また、本動作においては、既に所定の楽曲データがプレーヤによって選択されて、譜面データとともに読み込まれて再生が準備されているものとする。
【0246】
まず、ゲーム制御部114は、プレーヤの指示などに基づいて複数のプレーヤによるリズム対戦ゲームを開始すると(ステップS101)、楽曲再生部117に楽曲データの再生を開始させるとともに、譜面データに基づいて、再生中の楽曲データに合わせて、順次、操作タイミングオブジェクトを出現させて、かつ、第1の方向の操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに向けて移動させる操作系オブジェクト移動制御処理を開始する(ステップS102)。
【0247】
次いで、評価処理部115は、プレーヤ毎に、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの位置に、移動制御された個々の操作タイミングオブジェクトが到達した個別評価タイミングに基づいて、個別操作タイミング評価処理の実行を開始する(ステップS103)。
【0248】
特に、評価処理部115は、プレーヤ毎、及び、個別操作タイミング毎に、評価条件具備したか否かを判定し、その結果に基づいて、各プレーヤの評価値を特定する。
【0249】
次いで、楽曲再生部117は、楽曲データの再生が終了したか否かを判定する(ステップS104)。
【0250】
このとき、楽曲再生部117は、ゲーム制御部114に、楽曲データの再生が終了したと判定した場合には、操作系オブジェクト移動制御処理を終了させ、楽曲データの再生が終了していない判定した場合には、ステップS105の処理に移行する。
【0251】
次いで、評価処理部115は、最初の又は次の評価期間に基づく評価処理を実行するタイミングであるか否かを判定する(ステップS105)。
【0252】
具体的には、評価処理部115は、楽曲データの場合には、最初の小節、又は、次の小節が終わったタイミングなど、評価期間の終了タイミングであるか否かを判定する。
【0253】
そして、このとき、評価処理部115は、評価期間に基づく評価処理を実行するタイミングでないと判定した場合には、ステップS104の処理に移行し、評価期間に基づく評価処理を実行するタイミングであると判定した場合には、ステップS106の処理に移行する。
【0254】
次いで、評価処理部115は、評価期間に基づく評価処理を実行するタイミングであると判定した場合には、各プレーヤの評価期間に基づく評価処理を実行する(ステップS1
06)。
【0255】
具体的には、評価処理部115は、各プレーヤの評価期間における評価値(例えば、スコア)を取得する。
【0256】
次いで、ゲーム制御部114は、各プレーヤの評価処理の結果に基づいて、各プレーヤのそれぞれについて各操作系オブジェクト形成領域に対する表示範囲制御処理(操作系オブジェクト形成領域の位置を変更せずに維持する場合も含む。)を実行し(ステップS107)、ステップS104の処理に移行する。
【0257】
例えば、ゲーム制御部114は、ステップS107の処理においては、
(A1)評価値が第1の基準値より高いプレーヤについては、操作系オブジェクト形成領域を、現在の位置より、操作タイミングオブジェクトの移動方向(すなわち、第1の方向)とは反対の移動方向(すなわち、第2の方向)に、予め定めた移動量によって示される位置に移動させ、
(A2)評価値が第2の基準値以下のプレーヤについては、操作系オブジェクト形成領域を、現在の位置より、操作タイミングオブジェクトの移動方向と同じ方向(すなわち、第1の方向)に、予め定めた移動量によって示される位置に移動させ、又は、
(A3)評価値が第1の基準値以下であって、第2の基準値より高いプレーヤについて操作系オブジェクト形成領域の位置を維持する。
【0258】
なお、表示制御部118は、表示範囲制御処理によって操作系オブジェクト形成領域が移動した場合であっても、当該操作系オブジェクト形成領域が移動しなかった場合であっても、楽曲データに合わせつつ、操作系オブジェクト形成領域内において、譜面データに基づいて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトに対する操作タイミングオブジェクトの移動紫衣魚を実行する。
【0259】
次いで、表示制御部118は、移動後の操作系オブジェクト形成領域内において、譜面データに基づいて、操作入力タイミング判定用標識オブジェクトの表示、及び、操作タイミングオブジェクトの移動表示を実行し(ステップS206)、本動作を終了させる。
【0260】
[5]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0261】
本実施形態のゲームとしては、音楽ゲーム(音ゲー)などの音やリズムに合わせてプレーヤの操作を実行させて当該プレーヤの操作入力タイミングの正確さを評価するゲームを用いて説明したが、プレーヤの操作タイミングについて評価することができるゲームであれば適用可能である。
【0262】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0263】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるで
あろう。したがって、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0264】
S :ゲームシステム
1 :サーバ装置
10 :ゲーム装置本体
30 :コントローラ
100 :処理部
104 :楽曲再生部
106 :表示制御部
108 :描画部
110 :通信制御部
112 :楽曲再生部
113 :操作入力受付処理部
114 :ゲーム制御部
115 :評価処理部
116 :演出制御部
117 :楽曲再生部
118 :表示制御部
120 :描画部
130 :音処理部
162 :リードライト部
170 :記憶部
172 :主記憶部
174 :画像バッファ
176 :音楽データ記憶部
180 :情報記憶媒体
190 :表示部
192 :音出力部
196 :通信部
260 :入力部
300 :サーバシステム
310 :サーバ装置
320 :端末装置