(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-07
(45)【発行日】2025-01-16
(54)【発明の名称】基板処理システムの自律的な制御及び検査のためのハードウェア・ソフトウェア統合型コンピュータビジョンシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20250108BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
(21)【出願番号】P 2022506066
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(86)【国際出願番号】 US2020042954
(87)【国際公開番号】W WO2021021501
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-14
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サデギ・フセイン
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー・ザサード・アンドリュー・ディー.
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-216614(JP,A)
【文献】特開2016-154224(JP,A)
【文献】特開2018-026558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0120775(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0263478(US,A1)
【文献】特表2005-525709(JP,A)
【文献】特開2017-098540(JP,A)
【文献】特開2006-228966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/677
C23C 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板を支持するために用いられること、又は、前記パッドが前記基板に関連付けられたエッジ結合リングを支持するために用いられること、又は、前記パッドが前記基板を移送するロボットのエンドエフェクタに搭載されることに対応して、前記第2のデータが、
前記パッドの状態を示す指標と、
前記パッドに対して提供されるサービスと前記パッドの交換の1つ又は複数に関する推奨事項と、
の1つ又は複数を含み、
前記命令が、前記パッドに対して提供されるサービス及び前記パッドの交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記パッドに対して提供されるサービス及び前記パッドの交換の1つ又は複数のスケジュールの生成を実行させる、基板処理システム。
【請求項2】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標と、
前記基板の状態を示す指標と、
前記基板の交換に関する推奨事項と、
前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つでの前記レシピを選択させる、基板処理システム。
【請求項3】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記基板を処理するための前記レシピを選択させる、
基板処理システム。
【請求項4】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標と、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバの状態を示す指標と、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバをクリーニングするためのレシピの選択のための指標と、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバの状態を示す前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバに対するサービスをスケジューリングさせ、及び
前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバをクリーニングするための前記レシピを選択させる、基板処理システム。
【請求項5】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標と、
前記ロボット又は前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバのサービスに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、
前記ロボットのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットのサービスに関するスケジュールを生成させ、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットへの前記基板の放出に関する前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバの調整を行わせる、基板処理システム。
【請求項6】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングのシリアル番号と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して前記正しいシリアル番号を有する前記第2のエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させる、基板処理システム。
【請求項7】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した前記正しいエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させる、基板処理システム。
【請求項8】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標と、
前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記調整に関する前記指標を含む第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピを調整させる、基板処理システム。
【請求項9】
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、また前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングとは異なる変化を示すことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピの少なくとも1つを調整させる、基板処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した前記正しいエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させる、基板処理システム。
【請求項11】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板を支持するために用いられること、又は、前記パッドが前記基板に関連付けられたエッジ結合リングを支持するために用いられること、又は、前記パッドが前記基板を移送するロボットのエンドエフェクタに搭載されることに対応して、前記モデルの前記出力は前記パッドの状態を示し、前記パッドに対して提供されるサービス及び前記パッドの交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含む、システム。
【請求項12】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標と、
前記基板の状態を示す指標と、
前記基板の交換に関する推奨事項と、
前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項13】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項14】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標と、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバの状態を示す指標と、
前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバをクリーニングするためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項15】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標と、
前記ロボット、又は前記基板を処理した前記1つの前記処理チャンバのサービスに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項16】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングのシリアル番号と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項17】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項18】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標と、
前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項19】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納
し、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受け取った前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングよりも変化が大きいことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含む、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項21】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成する
ための前記命令を格納
し、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別し、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる、システム。
【請求項22】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成する
ための前記命令を格納
し、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別させ、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムのユーザインターフェースを自動的に構成させる、システム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムの電源がオンになったことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
【請求項24】
請求項21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムがサービスを受けたことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
【請求項25】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成する
ための前記命令を格納
し、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、追加されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された追加されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる、システム。
【請求項26】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成する
ための前記命令を格納
し、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、削除されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された削除されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる、システム。
【請求項27】
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの状態を自動的に識別する、
ための前記命令を格納
し、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムのオブジェクトの動きを自動的に追跡させ、前記基板処理システムの前記オブジェクトの前記動きに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させ、
前記オブジェクトが、前記ロボット、前記基板の1つ、前記基板と共に使用されるエッジ結合リング、前記プロセスモジュールの1つのドア、前記基板処理システムのロードロックモジュールのドア、または前記基板処理システムのロードポートモジュールのドアを含む、システム。
【請求項28】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データが動画データを含み、前記命令によって、前記プロセッサに、前記動画データのリアルタイム処理を使用して、1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させるシステム。
【請求項29】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記エラーを自動的に修正させるシステム。
【請求項30】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令は、前記プロセッサに、前記ネットワークを介して、前記遠隔コンピューティング装置から受信したデータに基づいて、前記エラーを自動的に修正させるシステム。
【請求項31】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データを、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置へ通信するように構成されており、また、前記命令によって、前記プロセッサが、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを前記ネットワークを介して制御することを許可するシステム。
【請求項32】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記遠隔コンピューティング装置による前記基板処理システムの制御を許可させる一方で、前記遠隔コンピューティング装置が前記ネットワークを介して前記基板処理システムを制御している間は、前記基板処理システムの手動制御を許可しないようにさせるシステム。
【請求項33】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムが手動で制御されている間、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを制御することを許可しないようにさせるシステム。
【請求項34】
請求項
27に記載のシステムであって、
前記サブシステムの1つに関連して前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記サブシステムの前記1つを自動的に無効にさせるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2019年7月29日に出願された米国仮出願第62/879,741号の利益を主張する。上記出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して基板処理システムに関し、特に、基板処理システムのリアルタイムでの、その場(in-situ)検査及び制御のための統合コンピュータビジョンシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を大まかに提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、典型的には、半導体ウェハなどの基板の堆積、エッチング、及び他の処理を実行するための複数の処理チャンバ(処理モジュールとも呼ばれる)を含む。基板上で実行され得る処理の例としては、プラズマ励起化学気相堆積(PECVD)処理、化学励起プラズマ気相堆積(CEPVD)処理、及びスパッタリング物理気相堆積(PVD)処理が挙げられるが、これらに限定されない。基板上で実行され得る処理のさらなる例として、エッチング(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなど)、及びクリーニング処理も挙げられるが、これらにも限定されない。
【0005】
処理中、基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置される。堆積中、1つ又は複数の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバ内に導入され、プラズマが衝突して化学反応を活性化する。エッチング中、エッチングガスを含むガス混合物が処理チャンバ内に導入され、プラズマが衝突して化学反応を活性化する。コンピュータ制御ロボットは、典型的には、基板を、処理されるべき順序に従って、1つの処理チャンバから別の処理チャンバに搬送する。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムは、プロセッサとメモリを含み、前記メモリは、カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を前記プロセッサによる実行によって処理するための命令を格納する。前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されている。前記命令はまた、前記プロセッサに、前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信させ、前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信させる。前記命令はさらに、前記プロセッサに、前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作させる。
【0007】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板、前記基板に関連付けられたエッジ結合リング、又は前記基板を移送するロボットを支持するために使用されることに対応して、前記第2のデータが、以下の1つ又は複数を含む:前記パッドの状態を示す指標、及び、サービスと前記パッドの交換の1つ又は複数に関する推奨事項。また前記命令が、前記パッドのサービス及び交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記パッドのサービス及び交換の1つ又は複数のスケジュールの生成を実行させる。
【0008】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標、前記基板の状態を示す指標、前記基板の交換に関する推奨事項、及び、前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項。また前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つでの前記レシピを選択させる。
【0009】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板のタイプを示す指標、及び、前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標。また前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記基板を処理するための前記レシピを選択させる。
【0010】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板のタイプを示す指標、前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つの状態を示す指標、及び、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするためのレシピの選択のための指標。また前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つの状態を示す前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記処理チャンバの前記1つに対するサービスをスケジューリングさせ、及び、前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするための前記レシピを選択させる。
【0011】
他の特徴においては、前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標、及び、前記ロボット又は前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する推奨事項。また前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記ロボットのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットのサービスに関するスケジュールを生成させ、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットへの前記基板の放出に関する前記処理チャンバの前記1つの調整を行わせる。
【0012】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記エッジ結合リングのシリアル番号、及び、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項。また前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して前記正しいシリアル番号を有する前記第2のエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させる。
【0013】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標、前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標、及び、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項。また前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した前記正しいエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させる。
【0014】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標、及び、前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標。また前記命令によって、前記調整に関する前記指標を含む第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピを調整させる。
【0015】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適応した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、また前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングとは異なる変化を示すことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含む。また前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピの少なくとも1つを調整させる。
【0016】
さらに他の特徴においては、システムはプロセッサと、前記プロセッサによる実行によって、カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信するための命令を格納する、メモリを含む。前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されている。前記命令はまた、前記プロセッサに、前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するよう学習したモデルに入力させ、前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信させる。
【0017】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板、前記基板に関連付けられたエッジ結合リング、又は前記基板を移送するロボットを支持するために使用されることに対応して、前記モデルの前記出力は、前記パッドの状態を示し、前記パッドのサービス及び交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含む。
【0018】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標、前記基板の状態を示す指標、前記基板の交換に関する推奨事項、及び、前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項。
【0019】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板のタイプを示す指標、及び、前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標。
【0020】
他の特徴においては、前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板のタイプを示す指標、前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つの状態を示す指標、及び、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするためのレシピを選択するための指標。
【0021】
他の特徴においては、前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標、及び、前記ロボット、又は前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する推奨事項。
【0022】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記エッジ結合リングのシリアル番号、及び、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項。
【0023】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標、前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標、及び、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項。
【0024】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、以下のうちの1つ又は複数を含む:前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標、及び、前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標。
【0025】
他の特徴においては、前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受け取った前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングよりも変化が大きいことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含む。
【0026】
さらに他の特徴においては、システムはプロセッサと、前記プロセッサによる実行によって、基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信するための命令を格納する、メモリを含む。前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含む。前記命令はまた、前記プロセッサに、前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0027】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別し、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0028】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別させ、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムのユーザインターフェースを自動的に構成させる。
【0029】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムの電源がオンになったことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0030】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムがサービスを受けたことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0031】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、追加されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された追加されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0032】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、削除されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された削除されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させる。
【0033】
さらに他の特徴においては、システムはプロセッサと、前記プロセッサによる実行によって、基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信するための命令を格納する、メモリを含む。前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含む。前記命令はまた、前記プロセッサに、前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの状態を自動的に識別させる。
【0034】
他の特徴においては、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データが動画データを含み、前記命令によって、前記プロセッサに、前記動画データをリアルタイムで処理させて、1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させる。
【0035】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムのオブジェクトの動きを自動的に識別及び追跡させ、前記基板処理システムの前記オブジェクトの前記動きに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させる。前記オブジェクトは、前記ロボット、前記基板の1つ、前記基板と共に使用されるエッジ結合リング、前記プロセスモジュールの1つのドア、前記基板処理システムのロードロックモジュールのドア、または前記基板処理システムのロードポートモジュールのドアを含む。
【0036】
他の特徴においては、前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記エラーを自動的に修正させる。
【0037】
他の特徴においては、前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令は、前記プロセッサに、前記ネットワークを介して、前記遠隔コンピューティング装置から受信したデータに基づいて、前記エラーを自動的に修正させる。
【0038】
他の特徴においては、前記プロセッサは、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データを、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置へ通信するように構成されており、また、前記命令によって、前記プロセッサが、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを前記ネットワークを介して制御することを許可する。
【0039】
他の特徴においては、前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記遠隔コンピューティング装置による前記基板処理システムの制御を許可させる一方で、前記遠隔コンピューティング装置が前記ネットワークを介して前記基板処理システムを制御している間は、前記基板処理システムの手動制御を許可しないようにさせる。
【0040】
他の特徴においては、前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムが手動で制御されている間、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを制御することを許可しないようにさせる。
【0041】
他の特徴においては、前記サブシステムの1つに関連して前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記サブシステムの前記1つを自動的に無効にさせる。
【0042】
さらに他の特徴において、システムはプロセッサと、前記プロセッサによる実行によって、基板処理システムに配置された単一のカメラでエッジ結合リングから撮像したデータを受信し、三角測量を使用して前記データを処理して前記エッジ結合リングの厚みプロファイルを表す3次元点群を生成し、また前記厚みプロファイルに基づいて、前記エッジ結合リングの侵食量を決定するための命令を格納する、メモリを含む。
【0043】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記侵食量が所定の閾値以上であるかどうかを判定させ、前記侵食量の指標を生成させる。
【0044】
他の特徴においては、前記命令によって、前記プロセッサに、前記厚みプロファイルを、前記エッジ結合リングが前記基板処理システムに最初に設置されたときに作成された以前の3次元点群から生成された以前の厚みプロファイルと比較することによって、前記侵食量を決定させる。
【0045】
本開示のさらなる適用範囲は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明、及び具体的な実施例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0046】
本開示は、詳細な説明、及び下記で説明する添付図面によって、さらに明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【0048】
【
図2】
図2は、製造設備における基板処理ツールの配置例を示す。
【0049】
【
図3G】
図3Gは、基板処理ツールの様々な構成例を示す。
【0050】
【0051】
【
図5A】
図5Aは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの様々な構成例の平面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの様々な構成例の平面図を示す。
【
図5C】
図5Cは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの様々な構成例の平面図を示す。
【
図5D】
図5Dは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの様々な構成例の平面図を示す。
【0052】
【
図6A】
図6Aは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの構成例の平面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの構成例の平面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、本開示の特定の特徴に係る基板処理ツールの構成例の平面図を示す。
【0053】
【
図7A】
図7Aは、本開示の特定の特徴に係る様々な処理チャンバを備える基板処理システムの機能ブロック図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の特定の特徴に係る様々な処理チャンバを備える基板処理システムの機能ブロック図を示す。
【
図7C】
図7Cは、本開示の特定の特徴に係る様々な処理チャンバを備える基板処理システムの機能ブロック図を示す。
【0054】
【
図7D】
図7Dは、本開示の特定の特徴に係る処理チャンバ内のエッジ結合リングの一例を示す。
【0055】
【
図8A】
図8Aは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムのハイレベルアーキテクチャを示す。
【0056】
【
図8B】
図8Bは、本開示の特定の特徴に係る、システム及び方法を実装するための、クライアントサーバアーキテクチャを示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の特定の特徴に係る、システム及び方法を実装するための、クライアントサーバアーキテクチャを示す。
【
図8D】
図8Dは、本開示の特定の特徴に係る、システム及び方法を実装するための、クライアントサーバアーキテクチャを示す。
【0057】
【
図9A】
図9Aは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【
図9B】
図9Bは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【
図9C】
図9Cは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【
図9D】
図9Dは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【
図9E】
図9Eは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【
図9F】
図Fは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムにおいて使用するカメラの、ツール内での設置位置の例を示す。
【0058】
【
図10A】
図10Aは、
図9A~9Fに示すカメラのうちの1つによって観察される、ツール内のロードロック内に配置された構成要素の概略例を示す。
【0059】
【
図10B】
図10Bは、本開示の特定の特徴に係る、3次元画像を撮像するための2つのカメラの配置を示す。
【0060】
【
図11】
図11は、
図8B~8Dのクライアントサーバアーキテクチャを使用し、
図9A~9Fに示すカメラ配置を使用して実装されたコンピュータビジョンシステムのブロック図例を示す。
【0061】
【
図12A】
図12Aは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【
図12B】
図12Bは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【
図12C】
図12Cは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【
図12D】
図12Dは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【
図12E】
図12Eは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【
図12F】
図12Fは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させるための方法のフローチャート例を示す。
【0062】
【
図13A】
図13Aは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【
図13B】
図13Bは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【
図13C】
図13Cは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【
図13D】
図13Dは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【
図13E】
図13Eは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【
図13F】
図13Fは、製造中に撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いてツールで実行される方法のフローチャート例を示す。
【0063】
【
図14A】
図14Aは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14B】
図14Bは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14C】
図14Cは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14D】
図14Dは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14E】
図14Eは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14F】
図14Fは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14G】
図14Gは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14H】
図14Hは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【
図14I】
図14Iは、本開示の特定の特徴に係るコンピュータビジョンシステムを用いて、ツール操作改善のために実行する、付加的なモデルベース法のフローチャート例を示す。
【0064】
【
図15A】
図15Aは、モデルを生成し、学習させ、検証するための方法のフローチャート例を示す。
【
図15B】
図15Bは、モデルを生成し、学習させ、検証するための方法のフローチャート例を示す。
【
図15C】
図15Cは、モデルを生成し、学習させ、検証するための方法のフローチャート例を示す。
【0065】
【
図16A】
図16Aは、モデル生成に使用される回帰型ニューラルネットワーク例の図解である。
【
図16B】
図16Bは、モデル生成に使用される回帰型ニューラルネットワーク例の図解である。
【0066】
【
図17A】
図17Aは、
図1~6Cに示す基板処理システムにおいて、自動構成、自動エラー検出、及びエラー回復を実行するように構成されたシステムの一例を示す。
【0067】
【
図17B】
図17Bは、
図17Aの基板処理システムで使用されるツールの一例を示す図であり、カメラがツール内の様々な位置に配置されている様子を示す。
【0068】
【
図17C】
図17Cは、
図17Aのシステムを用いて基板処理システムの自動構成を実行する方法の一例におけるフローチャートを示す。
【0069】
【
図17D】
図17Dは、
図17Aのシステムを用いて基板処理システムの自動エラー回復を実行する方法の一例におけるフローチャートを示す。
【0070】
【
図18A】
図18Aは、本開示の特定の特徴に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステムの一例を示す。
【
図18B】
図18Bは、本開示の特定の特徴に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステムの一例を示す。
【
図18C】
図18Cは、本開示の特定の特徴に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステムの一例を示す。
【
図18D】
図18Dは、本開示の特定の特徴に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステムの一例を示す。
【0071】
【
図18E】
図18Eは、本開示の特定の特徴に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するための方法の一例におけるフローチャートを示す。
【0072】
図面において、参照番号は、類似及び/または同一の要素を表現するために再使用され得る。
【詳細な説明】
【0073】
本開示は、半導体ウェハ(以下、ウェハ)などの基板の画像、及び、プロセスモジュール間及び/又はツール間(例えば、エアロック内)を移送されるウェハが一時的に停まる周囲の装置の一部の画像を撮像するシステム及び方法に関する。これらの画像は、特徴認識及び特徴抽出のために処理される。これらの画像は、機械学習によって様々なモデルを学習させる際に用いられるデータを生成するために、ある期間、撮像及び処理される。学習済モデルは、次いで、プロセスモジュール、ツール、及びその構成要素の健全性を決定し、リアルタイムでプロセスモジュール及びツールを適合させ、スループット、歩留まり、及びオンウェハ処理品質を向上させるために使用される。
【0074】
本システム及び方法は、プロセスモジュール及びツールの健全性を判定し、ツールの制御とスループット、歩留まり、及びオンウェハ処理品質向上のための措置を推奨するために典型的に使用される、種々のセンサ、コンピュータビジョンアルゴリズム、及びフィードバック機構を補完する。本システム及び方法は、継続的に撮像される画像を使用して、継続的に学習する。本システム及び方法は、典型的には人間の介入を必要とする予防及び修正タスクのうちのいくつかの性能を自動化する。本システム及び方法は、半導体製造工場内のフリートにわたってツール動作を監視し、ツールの自律的制御のためのフィードバックを提供する。
【0075】
本開示のコンピュータビジョンシステムは、カメラなどの検出器及び/又はセンサを備え、画像処理アルゴリズム、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、機械学習によって学習したモデル、及び閉ループ制御アルゴリズムをさらに備える。本開示全体を通して、カメラは、検出器/センサの例としてのみ使用され、また、任意の他の検出器/センサが代わりに使用されることもあり得ることが理解される。本開示のコンピュータビジョンシステムは、ウェハ及びツールを検査し、フリート全体のプロセスモジュール及びツールにおける問題を診断するために典型的に使用される高価かつ時間のかかる計測機器及び処理に代わるシステムとして使用可能である。本開示のコンピュータビジョンシステムは、ツール制御の自動化において、閉ループアルゴリズムを使用する。さらに、本コンピュータビジョンシステムは、これらの処理や以下に説明する多くのタスクを、人間及び計測システムよりも効果的に行う。本開示のこれら及び他の特徴を、以下で詳細に説明する。
構成
【0076】
本開示は以下のように構成される。最初に、基板処理ツール、それらの構成、及びそこで使用される処理チャンバの多数の例を、
図1~7Dを参照して図示・説明する。これらの図及び対応する説明は、異なるウェハ上並びに異なるチャンバ及びツール間でウェハが移動する様々な経路で実行され得る様々な処理を描写するために提供されている。さらに、これらの図は、典型的にはチャンバ及びツール内の種々のセンサから収集されるデータの複雑性、多様性、及び拡張性を描写するためのものである。またデータは、問題を診断、修正、及び防止するため、ならびにチャンバ及びツール内の種々の調整、較正、及び予防メンテナンス処理を行うために使用される。
【0077】
本開示のシステム及び方法は、独立して、またはこれらのセンサ及びそこから収集されたデータと合同して動作でき、チャンバ及びツール内で行われる診断、修正、及び予防的処理を有意に改善できる。これらの図は、チャンバ及びツールの操作に対する洞察を提供し、本開示のシステム及び方法によって行われる操作の範囲の把握を容易にする。
【0078】
図8Aは、本開示の特定の特徴に係る、コンピュータビジョンシステムのハイレベルアーキテクチャを示す図である。
図8B~8Dは、本開示のシステム及び方法を実装するために使用され得る、クライアントサーバアーキテクチャ例を示す図である。
図9A~9Fは、本開示のコンピュータビジョンシステムにおける1つ又は複数のカメラなどの検出器が、ツール内で配置可能な際の位置の例を示す図である。
図10Aは、
図9A~9Fに示すカメラのうちの1つによって撮像可能な、ツール内のロードロック内に配置された構成要素の概略を示す図である。
図10Bは、
図10Aに示す構成要素の3次元画像を撮像するための、少なくとも2つのカメラの配置を示す図である。
図11は、
図8A~8Dのクライアントサーバアーキテクチャを使用し、
図9A~9Fに示すカメラ配置を使用して実装されたコンピュータビジョンシステムの一例を示す図である。
【0079】
図12A~12Fは、様々なツールからコンピュータビジョンシステムによって撮像された画像に基づく機械学習を使用して、様々なモデルを学習させる方法の例を示す図である。
図13A~13Fは、リアルタイムで(すなわち、オンザフライで、または製造中においてウェハ処理のためにツールが使用されている際に)撮像された画像に基づいて、学習済モデルを用いて実行される方法の例を示す図である。
図14A~14Iは、コンピュータビジョンシステムを用いてツール操作改善のために実行するモデルベース法の付加的な例を示す。
図15A~16Bは、機械学習を使用してモデルを学習させる方法の例を示す。
【0080】
図17A~17Dは、
図1~6Cに示す基板処理システムにおいて、自動構成、自動エラー検出、及びエラー回復を実行するためのシステムの一例及び方法を示す。
図18A~
図18Eは、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステム及び方法の一例を示す。
ツールの例
【0081】
図1は、基板処理ツール100の一例の上面図である。基板処理ツール100は、複数のプロセスモジュール104を含む。あくまで例であるが、プロセスモジュール104のそれぞれは、基板に対して1つ又は複数の処理を個々に行うように構成されていてもよい。処理される基板は、機器フロントエンドモジュール(Equipment Front End Module:EFEM)108のローディングステーションのポートを介して基板処理ツール100にロードされ、次いで、プロセスモジュール104のうちの1つ又は複数に搬送される。例えば、基板は、プロセスモジュール104の各々に連続してロードされてもよい。
【0082】
図2は、基板処理ツール100などの複数の基板処理ツール208を含む製造室204の構成例200を示す。
図3A~3Iは、基板処理ツール100などの複数の基板処理ツール208を配置可能な構成の様々な例を示す。これらの例では、ウェハは様々な経路を通って移動し、そのため、これらの経路でウェハを移送するために使用されるロボットの構成及び操作も様々である。さらに、これらの例では、ロボット及びウェハの様々な態様を感知するために様々なセンサが使用される。さらに、
図9A-11を参照して詳細に説明されるように、これらの例では、コンピュータビジョンシステムのカメラ等の1つ又は複数の検出器は、任意の場所に設置できる。
【0083】
図3Aは、本開示の特定の実施形態に係る、第1の基板処理ツール304及び第2の基板処理ツール308を含む、第1の例としての構成300を示す。第1の基板処理ツール304及び第2の基板処理ツール308は、連続して配置され、真空下にある搬送ステージ312によって接続されている。図示するように、搬送ステージ312は、第1の基板処理ツール304の真空搬送モジュール(VTM)316と第2の基板処理ツール308のVTM320との間で基板を搬送するように構成された、枢動搬送機構を含む。他の例では、搬送ステージ312は、線形搬送機構などの他の適切な搬送機構を含んでいてもよい。
【0084】
あくまで例であるが、VTM316の第1のロボット(図示せず)は、第1の位置に配置された支持体324上に基板を配置でき、支持体324は第2の位置に枢動され、またVTM 320の第2のロボット(図示せず)は、第2の位置において、支持体324から基板を回収する。いくつかの例においては、第2の基板処理ツール308は、処理ステージ間に1つ又は複数の基板を格納するように構成された格納バッファ328を含んでいてもよい。搬送機構はまた、基板処理ツール308と304との間に2つ以上の搬送システムを提供するため、積み重ねられていてもよい。搬送ステージ324はまた、複数の基板を一度に移送またはバッファリングするための複数のスロットを有していてもよい。構成300では、第1の基板処理ツール304と第2の基板処理ツール308は、単一の機器フロントエンドモジュール(EFEM)332を共有するように構成されている。
【0085】
図3Bは、連続的に配置され、搬送ステージ412によって接続された、第1の基板処理ツール404及び第2の基板処理ツール408を含む、第2の例としての構成400を示す。構成400は、EFEMが除かれている点を除き、
図3Aの構成300と同様である。したがって、基板は、エアロックローディングステーション416を介して、直接、第1の基板処理ツール408に(例えば、真空ウェハキャリア、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)等のような格納または移送キャリア、または他の適切な機構を用いて)ロードできる。この構成におけるセンサ及びカメラの配置は、これに対応して、構成300とは異なり得る。
【0086】
図3Cは、基板処理ツール504を含む第3の例としての構成500を示す。構成500では、EFEMが除かれ、単一のローディングステーション508のみが使用されており、より多数(例えば、7つ)のプロセスモジュール512が可能となっている。ローディングステーション508において、基板は、エアロックローディングステーション416を介して、直接、第2の基板処理ツール408に(例えば、真空ウェハキャリア、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)等のような格納または移送ポッド、または他の適切な機構を用いて)ロードできる。したがって、この構成におけるセンサ及びカメラの配置は、これに対応して、構成300及び400とは異なり得る。
【0087】
図3Dは、単一のEFEM 612を共有する、第1の基板処理ツール604及び第2の基板処理ツール608を含む、第4の例としての構成600を示す。より具体的には、第1の基板処理ツール604及び第2の基板処理ツール608は、それぞれのローディングステーション616及び620を介して、EFEM 612のそれぞれの端部に接続されている。ローディングステーション616及び620は、個々に、好適なセンサ及びカメラを含み得る積層構成を有し得る。
【0088】
図3Eは、単一のEFEM 712を共有する、第1の基板処理ツール704及び第2の基板処理ツール708を含む、第5の例としての構成700を示す。第1の基板処理ツール704及び第2の基板処理ツール708は、それぞれのローディングステーション716及び720を介して、EFEM 712のそれぞれの端部に接続されている。ローディングステーション716及び720は、個々に、好適なセンサ及びカメラを含み得る積層構成を有し得る。
【0089】
図3Fは、連続配置された基板処理ツール804、808など、1つ又は複数の列を含む、第6の例としての構成800を示す。構成800では、各列は、それぞれの搬送ステージ812を介して接続された、3つ以上の基板処理ツールを含み得る。搬送ステージ812は、枢動搬送機構や線形搬送機構などを含んでいてもよい。第1のEFEM 816は、基板処理ツール804、808の列の第1の端部に設けられ、第2のEFEM 820は、基板処理ツール804、808の列の第2の端部に設けられる。例えば、基板は、第1のEFEM 816にロードされ、基板処理ツール804、808の様々なプロセスモジュールを通して順次処理及び搬送され、次いで、第2のEFEM 820からアンロード/回収されてもよい。いくつかの例においては、搬送ステージ812内の搬送機構は、隣接する基板処理ツール間に2つ以上の搬送システムを提供するように、垂直に積み重ねられてもよい。搬送ステージ812はまた、複数の基板を一度に移動またはバッファリングするための複数のスロットを有していてもよい。認識されるように、構成800のセンサとカメラの配置は、他の構成におけるセンサの配置とは異なっていてもよい。
【0090】
図3Gは、基板処理ツール904を含む第7の例としての構成900を示す。構成900においては、基板処理ツール904は、例えば8つのプロセスモジュール908を含み、EFEM及び任意の外部ローディングステーションの両方が除かれている。代わりに、1つ又は複数の移送キャリア(例えば、真空ウェハキャリア)912が、基板処理ツール904の内部916に設けられている。例えば、キャリア912は、自動材料ハンドリングシステム(Automated Material Handling System:AMHS)などの自動移送システムを使用して、基板処理ツール904の上方から移送されてもよい。ロボット920は、キャリア912から基板を取り出し、取り出した基板をプロセスモジュール908に搬送する。認識されるように、構成900のセンサとカメラの配置は、他の構成のそれとは異なっていてもよい。
【0091】
図3Hは、複数のプロセスモジュール1008を有する基板処理ツール1004を含む、第8の例としての構成1000を示す。基板処理ツール1004は、リニアVTM 1012と、EFEM 1020とプロセスモジュール1008との間で基板を搬送するように構成されたロボット1016とを含む。VTM 1012は、プロセスモジュール1008に対するロボット1016の直線位置(すなわち、VTM 1012に対するロボット1016の端から端までの位置)を調整するように構成されている。
【0092】
図3Iは、基板処理ツール1104を含む第9の例としての構成1100を示す。基板処理ツール1104は、プロセスモジュール1108のクラスタ構成と、オプションとしてのエンドプロセスモジュール1112とを含む。プロセスモジュール1108は、単一のEFEM 1116を共有する。この場合も、構成1000及び1100におけるセンサ及びカメラの配置は、他の構成とは異なり得る。
【0093】
いくつかの例においては、本明細書で説明する処理ツールのいずれも、積層構成を有するローディングステーションを実装でき、例えば、
図3C及び
図3Eに示すローディングステーション508、716、720などは、積層構成を実装できる。言い換えれば、積層構成では、1つのローディングステーションは、垂直に積層された2つ以上のローディングステーションを含み得る。いくつかの例においては、積層構成は、1つ又は複数のローディングステーションと垂直に積み重ねられたプロセスモジュールまたはチャンバ(ICS(Integrated Critical Strip)チャンバなど)も含み得る。特定の実施形態によれば、追加のセンサ及びカメラを、これらの積層構成において使用できる。
ツールの追加例
【0094】
図4は、基板処理ツール1150のさらに他の例の上面図である。基板処理ツール1150は、複数のプロセスモジュール1154を含む。例えば、プロセスモジュール1154のそれぞれは、基板に対して1つ又は複数の処理を個々に行うように構成されていてもよい。処理される基板は、機器フロントエンドモジュール(Equipment Front End Module: EFEM) 1158などのATV(Atmosphere-To-Vacuum)搬送モジュールのローディングステーションのポートを介して、基板処理ツール1150にロードされ、次いで、1つ又は複数のプロセスモジュール1154に搬送される。例えば、搬送ロボット1162は、基板をローディングステーション1166から、エアロック又はロードロック1170に搬送するように配置されており、真空搬送モジュール1174の真空搬送ロボット1178は、基板をロードロック1170から様々なプロセスモジュール1154に搬送するように配置されている。
【0095】
例えば、基板処理ツールの機器フロントエンドモジュール(EFEM)は、EFEMと、EFEMと真空搬送モジュール(VTM)の間に配置されたロードロックとの間で基板を搬送するための、1つ又は複数の搬送ロボットを含み得る。EFEMの内容積は、搬送ロボットを収容するのに十分でなければならない。そのため、ロードロックは、EFEMとVTMの間にある機器フロントエンドモジュール(EFEM)の設置面積の外側に配置されるのが一般的である。いくつかの例においては、EFEMは、エアロックがEFEM内に少なくとも部分的に配置されることを可能にする構成を有する搬送ロボットを含んでいてもよい。
図2に示される製造室204は、複数の基板処理ツール1150を含み得る。
【0096】
図5A~6Cは、基板処理ツール1150などの複数の基板処理ツールを配置可能な構成の様々な例を示す。これらの例では、ウェハは様々な経路を通って移動し、そのため、これらの経路でウェハを移送するために使用されるロボットの構成及び操作も様々である。さらに、これらの例では、ロボット及びウェハの様々な態様を感知するために様々なセンサが使用される。さらに、
図9A-11を参照して詳細に説明されるように、これらの構成例では、コンピュータビジョンシステムのカメラ等の1つ又は複数の検出器は任意の場所に設置できる。
【0097】
図5A~
図5Dは、第1の基板処理ツール1200-1、第2の基板処理ツール1200-2、及び第3の基板処理ツール1200-3(これらを基板処理ツール1200と総称する)の構成例の平面図を示す。それぞれの基板処理ツール1200は、基板処理ツール1150と同様に、ロードロック1208の少なくとも一部を収容するように構成された、改良型機器フロントエンドモジュール(EFEM) 1204を含む。換言すると、ロードロック1208は、EFEM 1204と真空搬送モジュール(VTM) 1212の間の隙間のEFEM 1204の外部に配置されるのではなく、EFEM 1204の内部に延在する。
【0098】
したがって、EFEM 1204をVTM 1212のより近くに配置でき、全体的な設置面積を低減し、基板処理ツール1200のピッチを増加できる。例えば、EFEM 1204の搬送ロボット1216は、EFEM 1204の後壁1224(例えば、第2の側面)よりも、前壁(例えば、第1の側面)上のローディングステーション1220のより近くに配置され、ロードロック1208がEFEM 1204の内部に延在するための空間を提供する。いくつかの例においては、ロードロック1208は、
図5Dの基板処理ツール1200-3の代替的な構成に示されるような構成としてもよい。あくまで例であるが、ローディングステーション1220は、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)に対応していてもよい。
【0099】
図示されるように、基板処理ツール1200は、6つのプロセスモジュール1228を含む。しかしながら、基板処理ツール1200の他の構成では、6を超えるプロセスモジュール1228を含み得る。例えば、VTM 1212の長さは、追加のプロセスモジュール1228を収容するために延長されてよい。同様に、VTM 1212は、様々な構成を有する真空搬送ロボット1232を含んでいてもよい。例えば、基板処理ツール1200-1は、3つの真空搬送ロボット1232を含み、基板処理ツール1200-2は2つの真空搬送ロボット1232を含む。基板処理ツール1200-1及び1200-2において、ロボット1232はVTM 1212の長手方向中心軸に位置合わせされている。
【0100】
逆に、基板処理ツール1200-3は、VTM 1212の長手方向中心軸に対して中心から外れて(すなわち、プロセスモジュール1228に向かって右又は左にシフトされて)配置された、単一の真空搬送ロボット1232を含む。換言すると、基板処理ツール1200-3におけるロボット1232の主旋回点は、中心から外れている。ロボット1216及び1232は、それぞれ1つ又は2つのアームを有するものとして図示されているが、ロボット1216及び1232は、1つ、2つ、またはそれ以上のアームを含む構成でもよい。いくつかの例においては、ロボット1232は、
図5C及び5Dに示されるように、個々のアームに、2つのエンドエフェクタ1234を含んでいてもよい。
【0101】
基板処理ツール1200は、処理ステージ間に1つ又は複数の基板を格納するように構成された、1つ又は複数の格納バッファ1236を含んでいてもよい。いくつかの例においては、1つ又は複数の格納バッファ1240は、VTM 1212内に配置されていてもよい。いくつかの例においては、格納バッファ1236のうちの1つ又は複数は、プロセスモジュールまたは他の構成要素と置き換えることができる。
【0102】
いくつかの例においては、EFEM 1204、ロードロック1208、VTM 1212、及びプロセスモジュール1228のうちの1つ又は複数は、積層構成を有していてもよい。例えば、個々のプロセスモジュール1228は、垂直積層構成(すなわち、一方のプロセスモジュール1228が他方の上/下に配置される)としての2つのプロセスモジュール1228に対応していてもよく、VTM 1212は、垂直積層構成としての2つのVTM 1212に対応していてもよく、個々のロードロック1208は、垂直積層構成としての2つのロードロック1208に対応していてもよく、また個々のローディングステーション1220は、垂直積層構成としての2つのローディングステーション1220に対応していてもよい。EFEM 1204の高さを高くすることで、ロボット1216をEFEM 1204内の異なるレベルまで上昇及び下降させ、ローディングステーション1220及びロードロック1208の複数のレベルにアクセス可能にしてもよい。認識されるように、これらの構成におけるセンサ及びカメラの配置は、構成に応じて変化し得る。
【0103】
図6A~
図6Cは、別の基板処理ツール1600の構成例の平面図を示す。基板処理ツール1600は、1つ又は複数のロードロック1608の少なくとも一部を収容するように構成された、改良型機器フロントエンドモジュール(EFEM)1604を含む。換言すると、ロードロック1608は、EFEM 1604と真空搬送モジュール(VTM)1612との間の隙間のEFEM 1604の完全な外部に配置されるのではなく、EFEM 1604の内部に延在する。したがって、EFEM 1604をVTM 1612のより近くに配置でき、全体的な設置面積を低減し、複数の基板処理ツール1600のピッチを増加できる。
【0104】
図示されるように、基板処理ツール1600は、10のプロセスモジュール1616を含む。しかしながら、基板処理ツール1600の他の構成では、10を超えるプロセスモジュール1616を含み得る。例えば、VTM 1612の長さは、追加のプロセスモジュール1616を収容するために延長されてよい。同様に、VTM 1612は、様々な構成を有する1つ又は複数の真空搬送ロボット1620(例えば、搬送ロボット1620-1、1620-2、1620-3、1620-4、及び1620-5)を含んでいてもよい。
図6Aに示すように、搬送ロボット1620は、3つのアームセグメント1628を有する1つのアーム1624と、各構成における1つのエンドエフェクタ1632とを含む。他の構成においては、搬送ロボット1620は、1つ、2つ、又はそれ以上のアーム1624を含んでもよい。いくつかの例においては、ロボット1620は、個々のアーム1624に、2つのエンドエフェクタ1632を含んでいてもよい。
【0105】
図6Aでは、基板処理ツール1600は、VTM 1612の長手方向中心軸に対して中心から外れて(すなわち、プロセスモジュール1616に向かって右又は左にシフトされて)配置された、単一の真空搬送ロボット1620-1を含む。換言すると、ロボット1620-1の主旋回点は、中心から外れている。ロボット1620-1は、10個のプロセスモジュール1616、及びロードロック1608のそれぞれにアクセスするように配置及び構成される。基板処理ツール1600が格納バッファ1636及び/又は格納バッファ1640を含む構成では、ロボット1620-1はまた、格納バッファ1636/1640にアクセスするように構成される。
【0106】
図6B及び6Cでは、基板処理ツール1600は、VTM 1612の長手方向中心軸に対して中心から外れて(すなわち、プロセスモジュール1616に向かって右又は左にシフトされて)配置された、2つの真空搬送ロボット1620-2及び1620-3、あるいは1620-4及び1620-5を、それぞれ含む。ロボット1620-2及び1620-4は、10個のプロセスモジュール1616及びロードロック1608のうちの選択されたものにアクセスするように位置決め及び構成される。逆に、ロボット1620-3及び1620-5は、10個のプロセスモジュール1616のうちの他のものにアクセスするように位置決め及び構成される。基板処理ツール1600が格納バッファ1636及び/または格納バッファ1640を含む構成では、ロボット1620-3及び1620-5も、格納バッファ1636にアクセスするように構成されていてもよく、一方、
図6Bのロボット1620-2及び1620-3の両方ならびに
図6Cのロボット1620-4及び1620-5の両方は、格納バッファ1640にアクセスするように構成される。
【0107】
例えば、
図6Bに示されるように、ロボット1620-2は、プロセスモジュール1616のうちのそれぞれと(例えば、その水平軸上の中心に位置するように)位置合わせされ、一方、ロボット1620-3は、隣接するプロセスモジュール1616の間の中心に配置される。逆に、
図6Cに示されるように、個々のロボット1620-4及び1620-5は、プロセスモジュール1616のうちのそれぞれと位置合わせされる。認識されるように、これらの構成におけるセンサ及びカメラの配置は、構成に応じて変化し得る。
チャンバの例
【0108】
図7A~
図7Cは、
図1~
図6Cに示されるツールにおいて使用可能なプロセスモジュール(PM)の異なる例を示す。これらのプロセスチャンバも、コンピュータビジョンシステムのカメラに加えて、別個の、1つ又は複数のカメラを備えていてもよい。PMの窓の外側に設置されるこれらのカメラは、むしろPM内部において監視のために使用される。これらの図示しないカメラは、PM及びツールの様々な操作を感知するために典型的に使用されるセンサの一部である。コンピュータビジョンシステムは、
図9A~
図11を参照して以下に説明されるように、これらのセンサ及びカメラと連携して動作する。
図7A~
図7Cに記載されるコントローラは、コンピュータビジョンシステムとデータのやり取りが可能であり、
図9A~
図11を参照して以下に説明されるように、コンピュータビジョンシステムから受信されるデータに基づいて、それぞれのPMを操作してもよい。
【0109】
図7Aは、処理チャンバ1702を備える基板処理システム1700の一例を示す。ここでの例は、プラズマ励起化学気相堆積(PECVD)に関連して説明するが、本開示の教示は、原子層堆積(ALD)、プラズマ励起ALD(PEALD)、CVD、又はエッチング処理を含む他の処理など、他のタイプの基板処理にも適用できる。システム1700は、システム1700の他の構成要素を囲み、無線周波数プラズマ(使用される場合)を有する処理チャンバ1702を備える。処理チャンバ1702は、上部電極1704と、静電チャック(ESC)1706又は他の基板支持体とを備える。動作中、基板1708はESC 1706上に配置される。
【0110】
例えば、上部電極1704は、プロセスガスを導入して分配する、シャワーヘッドなどのガス分配装置1710を含み得る。ガス分配装置1710は、その一端が処理チャンバ1702の頂面に接続された、ステム部を含み得る。シャワーヘッドのベース部分は、概ね円筒形であり、処理チャンバ1702の頂面から離間した位置で、ステム部の反対側の端部から外向きの放射状に延びている。シャワーヘッドのベース部分の基板に面する表面、またはフェースプレートは、気化した前駆体、プロセスガス、またはパージガスが通る複数の孔を含む。あるいは、上部電極1704は導電板を含んでいてもよく、プロセスガスは別の方法で導入されてもよい。
【0111】
ESC 1706は、下部電極として作用するベースプレート1712を備えている。ベースプレート1712は、セラミックマルチゾーン加熱プレートに相当し得る加熱プレート1714を支持する。加熱プレート1714とベースプレート1712との間に、熱抵抗層1716が配置されていてもよい。ベースプレート1712は、ベースプレート1712を通して冷却剤を流すための、1つ又は複数のチャネル1718を含んでいてもよい。
【0112】
プラズマが使用される場合、RF生成システム1720は、RF電圧を生成して、上部電極1704及び下部電極(例えば、ESC 1706のベースプレート1712)の一方に出力する。上部電極1704とベースプレート1712の他方は、DC接地、AC接地、又は無接地であってもよい。例えば、RF生成システム1720は、整合及び分配ネットワーク1724によって、上部電極1704又はベースプレート1712に供給されるRF電力を生成する、RF生成器1722を含んでいてもよい。他の例では、プラズマは、誘導的に又は遠隔的に生成されてもよい。
【0113】
ガス供給システム1730は、1つ又は複数のガス源1732-1、1732-2、...1732-N(ガス源1732と総称する:Nは0より大きい整数)を含む。ガス源1732は、バルブ1734-1、1734-2、...1734-N(バルブ1734と総称する)、ならびにマスフローコントローラ1736-1、1736-2、...1736-N(マスフローコントローラ1736と総称する)によって、マニホールド1740に接続される。蒸気供給システム1742は、処理チャンバ1702に接続されたマニホールド1740又は別のマニホールド(図示せず)に気化した前駆体を供給する。マニホールド1740の出力は、処理チャンバ1702に供給される。
【0114】
温度コントローラ1750は、加熱プレート1714内に配置された複数の熱制御素子(TCE)1752に接続できる。温度コントローラ1750は、複数のTCE 1752を制御して、ESC 1706及び基板1708の温度を制御するために使用できる。温度コントローラ1750は、冷却剤アセンブリ1754と連通することで、チャネル1718を通る冷却剤の流れを制御できる。例えば、冷却剤アセンブリ1754は、冷却剤ポンプ、リザーバ、及び1つ又は複数の温度センサ(図示せず)を含み得る。温度コントローラ1750は、冷却剤アセンブリ1754を動作させて、チャネル1718を通して冷却剤を選択的に流し、ESC 1706を冷却する。バルブ1756及びポンプ1758は、処理チャンバ1702から反応物を排出するために使用できる。システムコントローラ1760は、システム1700の構成要素を制御する。
【0115】
図7Bは、基板処理システム1800の別の例を示す。基板処理システム1800は、コイル駆動回路1811を含む。いくつかの例においては、コイル駆動回路1811は、RF源1812と、パルス回路1814と、チューニング回路(すなわち、整合回路)1813を含む。パルス回路1814は、RF源1812によって生成されたRF信号のトランス結合型プラズマ(TCP)エンベロープを制御し、動作中にTCPエンベロープのデューティサイクルを1%~99%の間で変化させる。認識されるように、パルス回路1814及びRF源1812は、組み合わせてもよいし、別個の部材としてもよい。
【0116】
チューニング回路1813は、誘導コイル1816に直接接続されていてもよい。基板処理システム1810は、単一のコイルを使用するが、基板処理システムによっては、複数のコイル(例えば、内側コイルと外側コイル)を使用する場合もある。チューニング回路1813は、RF源1812の出力を、所望の周波数及び/又は所望の位相に同調させ、コイル1816のインピーダンスを整合させる。
【0117】
誘電体ウインドウ1824は、処理チャンバ1828の上面に沿って配置されている。処理チャンバ1828は、基板1834を支持するための基板支持体(又は台座)1832を含む。基板支持体1832は、静電チャック(ESC)、機械的チャック、又は他のタイプのチャックを含んでいてもよい。プロセスガスが処理チャンバ1828に供給され、処理チャンバ1828の内部で、プラズマ1840が生成される。プラズマ1840によって、基板1834の露出面がエッチングされる。動作中、RF源1850、パルス回路1851、及びバイアス整合回路1852を用いて基板支持体1832をバイアスし、イオンエネルギーを制御できる。
【0118】
ガス供給システム1856を使用して、プロセスガス混合物を、処理チャンバ1828に供給できる。ガス供給システム1856は、プロセス用不活性ガス源1857と、バルブやマスフローコントローラなどのガス計量システム1858と、マニホールド1859とを含み得る。ガス注入器1863は、誘電体ウインドウ1824の中心に配置可能であり、ガス混合物を、ガス供給システム1856から処理チャンバ1828内に注入するために使用される。加えてまたは代替的に、ガス混合物は、処理チャンバ1828の側面から注入してもよい。
【0119】
加熱器/冷却器1864を使用して、基板支持体1832を所定の温度まで加熱/冷却できる。排気システム1865は、処理チャンバ内の圧力を制御するため、及び/又はパージ又は減圧脱気によって処理チャンバ1828から反応物を除去するために、バルブ1866及びポンプ1867を備える。
【0120】
コントローラ1854を使用することにより、エッチングプロセスを制御できる。コントローラ1854は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの発生、維持、及び消去、反応物の除去、冷却ガスの供給などを制御する。また、後述するように、コントローラ1854は、コイル駆動回路1810、RF源1850、バイアス整合回路1852などの各種態様を制御してもよい。
【0121】
図7Cに、基板の層をエッチングするための処理チャンバ1900を示す。処理チャンバ1900は、下部チャンバ領域1902及び上部チャンバ領域1904を含む。下部チャンバ領域1902は、チャンバ側壁面1908、チャンバ底面1910、及びガス分配装置1914の下面によって画定される。
【0122】
上部チャンバ領域1904は、ガス分配装置1914の上面及びドーム1918の内面によって画定される。いくつかの例においては、ドーム1918は第1の環状支持体1921上に載置される。いくつかの例においては、第1の環状支持体1921は、プロセスガスを上部チャンバ領域1904に供給するための、1つ又は複数の離間した孔1923を含む。いくつかの例においては、プロセスガスは、ガス分配装置1914を含む平面に対して鋭角となる上方向に、1つ又は複数の離間した孔1923によって供給されるが、他の角度/方向であってもよい。いくつかの例においては、第1の環状支持体1921内のガスフローチャネル1934は、1つ又は複数の離間した孔1923にガスを供給する。
【0123】
第1の環状支持体1921は、ガスフローチャネル1929から下部チャンバ領域1902にプロセスガスを供給するための1つ又は複数の離間した孔1927を画定する、第2の環状支持体1925上に載置されてもよい。いくつかの例においては、ガス分配装置1914の孔1931は、孔1927と位置合わせされる。他の例では、ガス分配装置1914はより小さい直径を有し、孔1931は不要である。いくつかの例においては、プロセスガスは、1つ又は複数の離間した孔1927によって、ガス分配装置1914を含む平面に対して鋭角となる下方向に、基板1926に向けて供給されるが、他の角度/方向であってもよい。他の例では、上部チャンバ領域1904は、平坦な頂面を有する円筒形であり、1つ又は複数の平坦な誘導コイルが使用されてもよい。さらに他の例では、単一のチャンバが、シャワーヘッドと基板支持体との間に配置されたスペーサとともに使用されてもよい。
【0124】
基板支持体1922は、下部チャンバ領域1904内に配置される。いくつかの例においては、基板支持体1922は静電チャック(ESC)を含むが、他のタイプの基板支持体を使用することもでき、エッチング中、基板1926は基板支持体1922の上面に配置される。いくつかの例においては、基板1926の温度は、ヒータプレート1930、流体チャネルを有するオプションとしての冷却板、及び1つ又は複数のセンサ(図示せず)によって制御されてもよいが、任意の他の適切な基板支持体温度制御システムが使用されてもよい。
【0125】
いくつかの例においては、ガス分配装置1914は、シャワーヘッド(例えば、複数の離間した孔1927を有するプレート1928)を含み、複数の離間した孔1927は、プレート1928の上面からプレート1928の下面まで延在する。いくつかの例においては、離間した孔1927は、0.4インチ~0.75インチ(1.016cm~1.905cm)の直径を有し、シャワーヘッドは、アルミニウムなどの導電性材料、又は導電性材料で作製された埋め込み電極を有するセラミックなどの非導電性材料で作製される。
【0126】
1つ又は複数の誘導コイル1940は、ドーム1918の外側部周辺に配置される。1つ又は複数の誘導コイル1940は、通電されると、ドーム1918の内側に電磁場を生成する。いくつかの例においては、上側コイル及び下側コイルが使用される。ガス注入器1942は、ガス供給システム1950-1から、1つ又は複数のガス混合物を注入する。
【0127】
いくつかの例においては、ガス供給システム1950-1は、1つ又は複数のガス源1952と、1つ又は複数のバルブ1954と、1つ又は複数のマスフローコントローラ(MFC)1956と、混合マニホールド158とを含むが、他のタイプのガス供給システムも使用可能である。ガス混合物の流量を変化させるために、ガススプリッター(図示せず)を使用してもよい。別のガス供給システム1950-2を使用して、ガスフローチャネル1929及び/又は1934に、(ガス注入器1942からのエッチングガスに加えて、またはその代わりに)エッチングガスまたはエッチングガス混合物を供給してもよい。
【0128】
いくつかの例においては、ガス注入器1942は、下方向にガスを向ける中央注入位置と、下方向に対してのある角度においてガスを注入する1つ又は複数の側方注入位置とを含む。いくつかの例においては、ガス供給システム1950-1は、ガス混合物の第1の部分を第1の流量でガス注入器1942の中央注入位置に送出し、ガス混合物の第2の部分を第2の流量でガス注入器1942の側方注入位置に供給する。他の例では、異なるガス混合物が、ガス注入器1942によって供給される。いくつかの例においては、ガス供給システム1950-1は、後述するように、ガスフローチャネル1929及び1934、及び/又は処理チャンバ内の他の場所に、調節ガスを供給する。
【0129】
プラズマ発生器1970は、1つ又は複数の誘導コイル1940に出力されるRF電力を生成するために使用できる。プラズマ1990は、上部チャンバ領域1904内で生成される。いくつかの例においては、プラズマ発生器1970は、RF生成器1972及び整合ネットワーク1974を含む。整合ネットワーク1974は、RF生成器1972のインピーダンスを1つ又は複数の誘導コイル1940のインピーダンスに整合させる。いくつかの例において、ガス分配装置1914は、接地などによって基準電位に接続される。バルブ1978及びポンプ1980を使用して、下部チャンバ領域1902及び上部チャンバ領域1904の内部の圧力を制御し、反応物を排出できる。
【0130】
コントローラ1976は、ガス供給システム1950-1及び1950-2、バルブ1978、ポンプ1980、及びプラズマ発生器1970と通信して、プロセスガス、パージガスの流れ、無線周波数プラズマ、及びチャンバ圧を制御する。いくつかの例においては、プラズマは、1つ又は複数の誘導コイル1940によってドーム1918内に維持される。1つ又は複数のガス混合物が、ガス注入器1942(及び/又は孔1923)によってチャンバの上部から導入され、プラズマは、ガス分配装置1914によってドーム1918内に閉じ込められる。
【0131】
ドーム1918内にプラズマを閉じ込めることにより、プラズマ種の体積再結合が可能になり、ガス分配装置1914を通して所望のエッチャント種を流出させることができる。いくつかの例においては、基板1926に印加されるRFバイアスは存在せず、その結果、基板1926上に活性シースは存在せず、イオンは有限エネルギーで基板に衝突しない。ある程度の量のイオンは、ガス分配装置1914を通ってプラズマ領域から拡散するが、拡散するプラズマの量は、ドーム1918の内側に位置するプラズマよりも一桁少ない。プラズマ中のイオンのほとんどは、高圧下での体積再結合によって失われる。ガス分配装置1914の上面における表面再結合損失はまた、ガス分配装置1914の下のイオン密度を低下させる。
【0132】
他の例においては、RFバイアス生成器1984が設けられ、RF生成器1986及び整合ネットワーク1988を含む。RFバイアスは、ガス分配装置1914と基板支持体との間にプラズマを生成するために、又は基板1926上に自己バイアスを生成してイオンを引き付けるために使用できる。コントローラ1976は、RFバイアスを制御するために使用できる。
【0133】
エッジ結合リングは、基板の半径方向外縁部付近のプラズマのエッチングレート及び/又はエッチングプロファイルを調整するために使用できる。エッジ結合リングは、通常、基板の半径方向外縁部周辺の台座上に配置されている。基板の半径方向外縁部におけるプロセス条件は、エッジ結合リングの位置、エッジ結合リングの内側エッジの形状又はプロファイル、基板の上面に対するエッジ結合リングの高さ、エッジ結合リングの材料などを変更することによって修正できる。
【0134】
図7Dは、台座1871を囲むエッジ結合リング1870の一例を示す。エッジ結合リング1870は、単一の部分又は2つ以上の部分を含み得る。図示の例では、エッジ結合リング1870は、基板1873の半径方向外側に配置された第1の環状部1872を含む。第2の環状部1874は、第1の環状部1872から半径方向内側に、基板1873の下方に配置される。第3の環状部1876は、第1の環状部1872の下方に配置される。使用中、プラズマ1875は基板1873に向けられ、基板1873の露出部分をエッチングする。エッジ結合リング1870は、基板1873の均一なエッチングが実現可能となるようにプラズマを形成できるように配置されている。エッジ結合リング1870の使用後、エッジ結合リング1870の半径方向内側部分の上面は、(例えば、1878において)侵食される場合があり、その結果、プラズマ1875は、基板1873の半径方向外縁部を、その半径方向内側部分のエッチングよりも速い速度でエッチングする傾向があり、そのため基板1873の半径方向外縁部付近において、基板1873のエッチングが不均一となる場合がある。
【0135】
エッジ結合リング1870の1つ又は複数の部分は、基板又は台座1871に対して垂直及び/又は水平に移動させることができる。この移動によって、処理チャンバを開放することなく、エッチング又は他の基板処理中に、基板1873に対するプラズマ1875のエッジ結合効果を変化させる。アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の1つ又は複数の部分を基板1873に対して移動させるために様々な位置に配置できる。あくまで例であるが、アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の第1の環状部1872と第3の環状部1876との間に配置されてもよい。いくつかの例においては、アクチュエータ1880は、圧電アクチュエータ、ステッパモータ、空圧駆動、または他の好適なアクチュエータを含んでいてもよい。いくつかの例においては、1つ、2つ、3つ、または4つ以上のアクチュエータが使用される。他の例においては、複数のアクチュエータが、エッジ結合リング1870の周辺に均一に配置されていてもよい。アクチュエータは、処理チャンバの内側又は外側に配置できる。
【0136】
アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の1つ又は複数の部分の位置を変更するために、エッジ結合リング60の1つ又は複数の部分を移動させるために使用される。例えば、アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の第1の環状部1872を移動させるために使用できる。この例においては、アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の第1の環状部1872を上方向または垂直方向に移動させて、エッジ結合リング1870の第1の環状部1872の縁が、基板1873の半径方向外縁部よりも高くなるようにする。その結果、基板1873の半径方向外縁部付近のエッチング均一性が改善される。
【0137】
アクチュエータ1880は、水平、斜め等、他の方向に移動してもよい。エッジ結合リング1870の一部の水平移動は、基板1873に対するエッジ結合効果をセンタリングするために行われてもよい。例えば、アクチュエータ1880は、エッジ結合リング1870の半径方向外側に配置されてもよい。さらに、アクチュエータ1880は、垂直(又は上下)方向及び水平(又は左右)方向に移動できる。基板のエッチングが、基板に対するエッジ結合リング1870の水平オフセットを示す場合は、水平再配置を使用してもよい。水平オフセットは、処理チャンバを開放することなく補正できる。同様に、アクチュエータのうちのいくつかを他のアクチュエータとは異なるように作動させて、左右非対称を補正または生成することによって、エッジ結合リング1870を傾斜させてもよい。
コンピュータビジョンシステム
【0138】
上記の説明から認識されるように、様々なタイプのウェハ上で実行される様々なタイプの処理が存在し、ウェハは、異なる構成を有するツールが配置されたプロセスモジュール内で処理される。実行されている処理及びツールの構成に応じて、ウェハは、チャンバとツールとの間をしばしば移動する(すなわち、移送される)。様々なタイプのデータが、チャンバ及びツール内の様々な位置に配置されたセンサを使用して、これらのチャンバ及びツールから収集される。それに加えて、カメラなどの、1つ又は複数の検出器を処理チャンバの周囲に配置し、処理チャンバ内の様々な構成要素に関する追加のデータを観察及び提供することも可能である。
【0139】
異なる構成(解像度、被写界深度、開口サイズ等)、異なるレンズタイプ(例えば、視野、焦点距離、フィルタ等)、及び異なる通信プロトコル(USB、MIPI等)を用いて、異なる波長(例えば、光学カメラ、IRカメラ、X線イメージング等)で動作できる、広範囲のコンピュータビジョン検出器(センサ)ハードウェアを使用できる。また、異なる波長を有する様々なタイプの光源及び照明の構成を使用できる。レンズ歪み、カメラ取付けのばらつき、照明のばらつき等を考慮し、チェッカーボードまたはパターンを有するウェハを含む様々な技術を、カメラのその場での較正において使用できる。検出器及びセンサから収集されたデータは、処理が正しく実行されているかどうか、チャンバ/ツール内の処理及び/または構成要素を改変する必要があるかどうか、予防メンテナンスを行う必要があるかどうか、または構成要素を交換する必要があるかどうか等の検証のために使用される。
【0140】
本開示の特定の実施形態に係るコンピュータビジョンシステムは、ツール内の1つ又は複数の位置(例えば、ツールのエアロックの上部、ロボットアーム上、アライナ上など)に設置されたカメラなどの、1つ又は複数の検出器を備える。これらのカメラは、プロセスモジュールの内部を観察するためにしばしば使用されるカメラとは別個のものとして追加される。代わりに、これらのカメラは、プラットフォーム内において、ウェハがツールのプロセスモジュール間、またはツール間を移送されている際に、ウェハの画像を撮像する。
【0141】
例えば、これらのカメラは、搬入/搬出されるウェハ、エアロック内に配置されたエッジ結合リング、ATM及びVTMロボットエンドエフェクタ、及びエアロックフィンガパッドの画像を撮像する。これにより、ウェハハンドリングシステムのその場での検査が可能になり、ツールの自己認識能力及びフリート識別が可能になるとともに、ツール適合の特徴を提供できる。これらのカメラによって収集された画像は、特徴抽出のために、組込みプロセッサまたは外部プリント回路基板上で処理される。抽出された特徴は、工場内の様々なツールから送られるビッグデータを保存可能なフリート全体の分散コンピューティング及び通信システムに送信されて収集され、機械学習を使用してモデルを構築及び学習させてデータを相関させ、ツールの健全性、フリート識別、及びフリートにわたるツールのリアルタイム閉ループ制御を決定する。
【0142】
このように、画像処理技術を使用して学習したモデルによって、半導体機器のその場でのツール検査及び健全性の監視が可能となり、さらに、リアルタイム適応能力が実現可能となる。このようなコンピュータビジョンシステムは、様々なメンテナンス、トラブルシューティング、及びツール制御タスクを自動化することによって、フリート全体の、半導体ツールの自律的な動作及び制御を可能にすることが認識できる。
【0143】
本コンピュータビジョンシステムは、多くの利益を提供できる。以下は、いくつかの適用例である。例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、エアロック内のロボットエンドエフェクタ及びエアロックフィンガパッドを監視し、経時的なパッド摩耗(例えば、形状、サイズ、色等の変化)を検出し、パッド交換時期を予測し、ユーザにパッド交換を喚起できる。例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、ウェハエッジを監視し、エアロック内のウェハ配置精度及び潜在的な経時的ドリフトを判定できる。観測された経時的ドリフトは、ATM/VTMロボットの健全性を判断し、予防メンテナンススケジュールを推奨するために使用できる。経時的に観察される異なるウェハ配置ドリフトパターン/プロファイルは、異なるロボットサブシステム誤動作と相関させることで、メンテナンススタッフにガイダンスを提供することが可能となり、トラブルシューティングのコスト及び時間を低減させることができる。例えば、異なるタイプのエッジ検出アルゴリズムを、本システムにおけるロボットエンドエフェクタ位置に使用できる。
【0144】
例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、ウェハ上のダイパターンを決定することによって、搬入されるウェハのタイプ(例えば、論理、メモリ、3D NANDなど)を識別し、ツール健全性と、搬入されるウェハのタイプ及びプロセスモジュールで使用されるレシピのタイプを相関させることができる。例えば、オブジェクト検出アルゴリズムを使用してダイパターンを識別し、異なるRGBチャネルにおける階調値ヒストグラムを分析することによって、異なるウェハタイプカテゴリを識別できる。例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、CWACウェハの色の経時的な変化を監視し、それに基づいてCWACウェハ交換を予測できる。
【0145】
例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、エアロック内のエッジ結合リングの厚さ及びエッジプロファイルを監視し、搬入されるエッジ結合リングが新品であるか又は使用されているかを判定できる。例えば、コンピュータビジョンシステムを使用して、エアロック内のエッジ結合リングの厚さ及びエッジ侵食プロファイルを監視し、搬出されるエッジ結合リングの状態を判定できる。例えば、コンピュータビジョンシステムを使って、搬入又は搬出されるエッジ結合リングのエッジ侵食プロファイル間の変化に基づいて、プロセスモジュールのエッチングレートを決定できる。このデータは、プロセスモジュールのレシピを自動調整、またはリフトピンを介してチャック上方のエッジ結合リングの高さを自動調整して、ツール間のプロセスモジュール整合を行うために使用できる。他にも多くの使用例が想定可能である。
環境
【0146】
以下は、本開示のシステム及び方法を実装可能な、分散コンピューティング環境を単純化した例である。説明全体を通して、サーバ、クライアントデバイス、アプリケーションなどの用語は、参照目的のみで使用される。サーバ及びクライアントデバイスという用語は、機械が読み取り可能な命令を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを備えたコンピューティングデバイスを表すものとして、広く理解されるべきものである。アプリケーション及びコンピュータプログラムという用語は、コンピューティングデバイスによって実行できる、機械が読み取り可能な命令を表すものとして広く理解されるべきものである。
【0147】
図8Aは、本開示によるコンピュータビジョンシステム1770のハイレベルアーキテクチャを示す。コンピュータビジョンシステム1770は、分散コンピューティングシステム1774に通信可能に接続された複数のフリート1772-1、1772-2、...1772-N(フリート1772と総称する)を備える。例えば、ツールのフリートは、
図2に示される製造設備内のツールの配置と同様とすることができる。各フリート1772は、1つ又は複数の検出器(例えば、カメラ)1780、画像プロセッサ1782、知覚アルゴリズム1784、コントローラ1786、ロボット1788、アクチュエータ1790、及びレシピ1792を含む。コンピュータビジョンシステム1770の概要を以下に示す。コンピュータビジョンシステム1770の詳細については、
図9A以降を参照して後述する。
【0148】
簡潔には、検出器1780は、フリート1772内のツールの様々な構成要素の画像を撮像する。画像プロセッサ1784は、画像を処理する。例えば、画像プロセッサ1784は、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0149】
特定の実施形態によれば、分散コンピューティングシステム1774は、複数のサーバを備える(例えば、
図8B~8D及び
図11を参照)。分散コンピューティングシステム1774は、フリート1772内の特定のタスクを自動的に実行するために使用可能な様々なモデルを学習させる。分散コンピューティングシステム1774は、フリート1172からの画像から経時的に収集されたデータに基づいて様々なモデルを学習させる。分散コンピューティングシステム1774は、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して、様々なモデルを学習させる。
【0150】
使用中において、フリート1772の動作中、画像データは、分散コンピューティングシステム1774内の学習済モデルに送信される。これを受けて、フリート1772内のコントローラ1786は、学習済モデルの出力を入力としてリアルタイムで受信し、以下で更に詳細に説明するように、フリート1772内のツールの構成要素の調整、クリーニング、整備などの動作を自動的に実行する。いくつかの実装形態においては、コントローラ1786は、エッジコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。
【0151】
図8Bは、分散コンピューティングシステム2000の簡略化された例を示す。分散コンピューティングシステム2000は、分散通信システム2010、1つ又は複数のクライアントデバイス2020-1、2020-2、...2020-M(クライアントデバイス2020と総称する)、ならびに1つ又は複数のサーバ2030-1、2030-2、...2030-N(サーバ2030と総称する)を含む。ここで、MとNは1以上の整数である。分散通信システム2010は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、または他のタイプのネットワークを含み得る。クライアントデバイス2020及びサーバ2030は、異なる地理的位置に配置され、分散通信システム2010を介して互いに通信できる。クライアントデバイス2020及びサーバ2030は、無線及び/又は有線接続を介して、分散通信システム2010に接続する。
【0152】
クライアントデバイス2020は、1つ又は複数のツール、ツールを制御するシステムコンピュータ、PM、及びPMを制御するコントローラを含み得る。クライアントデバイス2020は、ツールのオペレータによって使用されるスマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)なども含み得る。サーバ2030は、複数のサービスをクライアントデバイス2020に提供できる。例えば、サーバ2030は、ソフトウェア及び1つ又は複数のベンダーによって開発された機械学習アプリケーションを実行してもよい。サーバ2030は、クライアントデバイス2020のユーザにサービスを提供する際に、ソフトウェアアプリケーションに依拠される複数のデータベースをホストしてもよい。サーバ2030及びデータベースは、クラウド内、オンプレミス、または両方にホストされてもよい。
【0153】
いくつかの例においては、クライアントデバイス2020またはサーバ2030のうちの1つ又は複数は、ツール上に設置されたカメラによって撮像された画像を処理する、1つ又は複数のアプリケーションを実行する。アプリケーションはまた、機械学習法を使用して、画像から収集されたデータに基づいて、1つ又は複数のモデルを学習させる。さらに、これらのアプリケーションは、ツールやPMに搭載された様々なセンサからデータを受け取り、分析する。また、アプリケーションは、モデルを用いて、画像やセンサから収集されたデータを分析し、ツール及びPM内の問題の根本原因の診断やトラブルシューティングなどの様々な機能を実行し、PM内で実行される処理を調整する等の動作を行う。アプリケーションは、SaaS(Software-as-a-Service)として実装されていてもよい。
【0154】
図8Cは、クライアントデバイス2120-1の簡略化された例を示す。クライアントデバイス2120-1は、典型的には、1つ又は複数の中央処理装置(CPU)、1つ又は複数のグラフィカル処理装置(GPU)、及び1つ又は複数のテンソル処理装置(TPU)(プロセッサ2150と総称して図示する)、1つ又は複数の入力装置2152(例えば、キーパッド、タッチパッド、マウス、タッチスクリーン、カメラなどの検出器またはセンサなど)、ディスプレイ2156を含むディスプレイサブシステム2154、ネットワークインターフェース2158、メモリ2160、及び大容量ストレージ2162を含み得る。
【0155】
ネットワークインターフェース2158は、分散通信システム2110を介して、クライアントデバイス2120-1を分散コンピューティングシステム2000に接続する。例えば、ネットワークインターフェース2158は、有線インターフェース(例えば、イーサネット(登録商標)、EtherCAT、又はRS-485インターフェース)及び/又は無線インターフェース(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、又は他の無線インターフェース)を含み得る。メモリ2160は、揮発性または不揮発性メモリ、キャッシュ、または他のタイプのメモリを含み得る。大容量ストレージ2162は、フラッシュメモリ、磁気ハードディスクドライブ(HDD)、及び他の大容量ストレージ装置を含み得る。
【0156】
クライアントデバイス2120-1のプロセッサ2150は、オペレーティングシステム(OS)2164及び1つ又は複数のクライアントアプリケーション2166を実行する。クライアントアプリケーション2166は、分散通信システム2110を介してサーバ2130にアクセスするアプリケーションを含む。クライアントアプリケーション2166は、ツールを制御するシステムコンピュータによって実行されるアプリケーションを含み得る。クライアントアプリケーション2166は、ツールに設置されたカメラによって撮像された画像を処理するアプリケーションと、最も単純なタイプの人工ニューラルネットワークであるパーセプトロンアルゴリズムを実行するアプリケーションも含み得る。パーセプトロンアルゴリズムは、2クラス分類問題に使用できる単一ニューロンのモデルであり、大規模機械学習アルゴリズムのためのデータを提供する。
【0157】
図8Dは、サーバ2130-1の簡略化された例を示す。サーバ2130-1は、典型的には、1つ又は複数のCPU/GPUまたはプロセッサ2170、ネットワークインターフェース2178、メモリ2180、大容量ストレージ2182を含む。いくつかの実装形態においては、サーバ2130-1は汎用サーバであってもよく、1つ又は複数の入力装置2172(例えば、キーパッド、タッチパッド、マウスなど)と、ディスプレイ2176を含むディスプレイサブシステム2174を含み得る。
【0158】
ネットワークインターフェース2178は、サーバ2130-1を分散通信システム2110に接続する。例えば、ネットワークインターフェース2178は、有線インターフェース(例えば、イーサネット又はEtherCATインターフェース)及び/又は無線インターフェース(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、又は他の無線インターフェース)を含み得る。メモリ2180は、揮発性または不揮発性メモリ、キャッシュ、または他のタイプのメモリを含み得る。大容量ストレージ2182は、フラッシュメモリ、1つ又は複数の磁気ハードディスクドライブ(HDD)、及び他の大容量ストレージ装置を含み得る。
【0159】
サーバ2130-1のプロセッサ2170は、1つ又は複数のオペレーティングシステム(OS)2184と、共有メモリを有する仮想マシンハイパーバイザーまたはコンテナ化アーキテクチャに収容可能な、1つ又は複数のサーバアプリケーション2186を実行する。大容量ストレージ2182は、それぞれの機能を実行するためにサーバアプリケーション2186によって使用されるデータ構造を記憶する、1つ又は複数のデータベース188を記憶できる。サーバアプリケーション2186は、ツールに設置されたカメラによって撮像された画像を処理するアプリケーション、パーセプトロンアルゴリズムを実行するアプリケーション、画像から収集されたデータに基づいて1つ又は複数のモデルを機械学習法を使用して学習させるアプリケーション、ならびにツール及びPM内の様々なセンサからのデータを受信及び分析するセンサ融合アプリケーションを含み得る。以下で説明されるように、カメラのデータだけではツールの問題点を特定できない場合がある。センサ融合アプリケーションやツール内の他のセンサからのデータをカメラのデータと併用することで、問題の発生源や根本原因の詳細を判断できる。サーバアプリケーション2186は、以下で詳細に説明されるように、モデルを使用して、画像及びセンサから収集されたデータを分析し、ツール及びPM内の問題の根本原因を決定し、ツールの閉ループ自律制御のためのフィードバックとしてこれらのデータを使用し、PM内で実行中の処理を調整するアプリケーション等を含み得る。
ブロック図
【0160】
図9A~
図9Fは、ツール内の様々な位置に設置されたカメラの例を示す。あくまで例であるが、
図9Aでは、カメラ2200がエアロック蓋2204のビューポート2202上に(下向きに)配置されており、カバー2206が、カメラ2200を囲んで外光を遮断している。
図9Bは、カメラ2200の周囲に設置されたカバー2206を示す。さらに、サービス中に1つの蓋を別の蓋の上に積み重ねるため、ファスナーを受ける一連のレセプタクル2208が、エアロック蓋2204に配置されている。
図9Cは、ロードロックの側面上のビューポート2212上に配置可能な別のカメラ2210を示す。カメラ2210の一部を2214として示す。
図9Dは、カメラ2210を搭載するために使用される、マウントアセンブリ2216を示す。カメラ2210は、カメラ2200の代替として、またはカメラ2200と組み合わせて使用できる。
【0161】
図9E及び
図9Fは、ツール内のカメラ配置の別の例として、オンボードアライナを有するロボット2222上に設置された、カメラ2220を概略的に示す。
図9Eは、オンボードアライナを有するロボット2222の側面図を示す。カメラ2220は、
図9Fに示すようにアライナヘッド上に下向きに配置できる。
【0162】
なお、1つ又は複数のカメラは、ツール内のウェハの移動経路の任意の場所に配置できることを理解されたい。また、これらのカメラは、典型的にはPMの内部を監視するためにPMに隣接して配置されるカメラではなく、ツールと一体化された、又はツールの外部にある計測装置にも関連付けられていないことを更に理解されたい。
【0163】
図10Aは、ツールのロードロック内に配置された、カメラ2200によって監視される構成要素の概略図を示す。垂直の点線は、構成要素の右側のみが図示され、構成要素の対称像が点線の左側に存在することを示している。エアロックフィンガ2300、2302は、それぞれフィンガパッド2304、2306を含む。ウェハ2308は、ロボットによってロードロック内に移送され、フィンガパッド2304上に載置される。ロボットのエンドエフェクタ2310はパッド2312を有し、エッジ結合リング2314は、フィンガ2300上に位置するパッド2316上に載置される。
【0164】
エアロック蓋上に配置されたカメラ2200は、ウェハ2308及びエッジ結合リング2314の画像(写真)を撮像し、カメラ2200はまた、ウェハ2308がロードロック内に存在しないときに、パッド2304、2306、2312、2316の画像を撮像する。例えば、ウェハ2308及びエッジ結合リング2314の表面の画像を撮像することに加えて、カメラ2200は、ウェハ2308の外径(OD)、エッジ結合リング2314の内径(ID)、ロボットのエンドエフェクタ2310、及びパッド2304、2306、2312、2316の画像を撮像する。
【0165】
図10Bは、
図10Aに示す構成要素の3次元画像を撮像するためのカメラの構成を示す図である。3次元画像を必要とするステレオアプリケーションでは(例えば、エッジ結合リングの完全な3次元画像を得るためには)、奥行き情報を得るために1つ又は複数のカメラが必要である。図示されているような少なくとも2つのカメラ(例えば、カメラ2200及び2201)を含む配置の例は、上記のようなステレオアプリケーションのための完全な3次元画像を得るために必要な奥行き情報を提供する。別の実装形態においては、
図18を参照して以下で説明するように、1つのカメラのみを用いたステレオ画像処理を使用して、エッジ結合リングの厚みプロファイルの3次元点群を作成してもよい。
【0166】
図11は、特定の実施形態に係る、ツール2404(例えば、
図1~6Cに示される任意のツール)に設置された1つ又は複数のカメラ2402(例えば、
図9A~10Bに示される要素2200、2201、及び2210)によって撮像された画像を処理するコンピュータビジョンシステム2400を示す。1つのツールのみが、単に一例として示されているが、コンピュータビジョンシステム2400は、ツール2404と同様の複数のツールを備える。カメラ2402は、例えば上記の
図10A及び
図10Bを参照して示したもののような、1つ又は複数のツール構成要素2406の画像を撮像する。ツール2402のロードロックなどの暗い領域では、光源2407がツール構成要素2406を照明するように配置されることで、カメラ2402がその画像を撮像できる。1つの光源2407のみが例として示されているが、様々なタイプの光源及び異なる波長を有する照明構成を使用できる。さらに、図示されていないが、ツール2404は、処理中にウェハが移動する経路内に1つ又は複数のセンサを備える。
【0167】
画像プロセッサ2408は、カメラ2402によって撮像された画像を処理する。例えば、画像プロセッサ2408は、画像をクリーニング及び/またはフォーマットできる。例えば、画像プロセッサ2408は、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。画像プロセッサ2408は、カメラ2402上に配置され(例えば、埋め込まれ)てもよく、また、カメラ2402の外部(例えば、PCB上)に位置していてもよい。
【0168】
システムコンピュータ2410は、ツール2404を制御する。一実装形態においては、未加工画像が、処理及び/又は分析のために、遠隔データセンター2412に送信されてもよい。あるいは、別の実装形態では、画像は、カメラ2402内またはカメラ2402の外側のPCB上に位置し得る画像プロセッサ2408によって処理され、分析されたデータの一部のみが、システムコンピュータ2410及び/又は遠隔データセンター2412に送信される。システムコンピュータ2410は、
図8B-8Dに示される分散通信システム2010を介して、リアルタイム又は数回に分けて、遠隔データセンター2412に画像を送信してもよい。さらに、システムコンピュータ2410は、ツール2404内の他のセンサ及びツール2404のPM内のセンサから収集されたデータを、遠隔データセンター2412に送信してもよい。いくつかの実装形態においては、システムコンピュータ2410は、エッジコンピューティングデバイスを含んでいてもよい。
【0169】
例えば、遠隔データセンター2412は、
図8B~8Dに示される複数のサーバ2030を備え得る。遠隔データセンター2412では、機械学習を使用して、ツール2404などの複数のツールから収集されたデータに基づいて、いくつかのモデルを学習させる。モデルの学習及び機能については以下で詳細に説明する。システムコンピュータ2410は、遠隔データセンター2412から受信した学習済モデルを使用して、以下で説明するように、新しい画像から収集されたデータに基づいてツール2404を動作させる。
【0170】
いくつかの実施形態においては、システムコンピュータ2410は、学習済モデルによって推奨される様々な動作をツール2404上で実行する。このような動作としては、例えば、予防メンテナンスを実行すること(例えば、
図10A及び
図10Bを参照して説明されるパッドの1つ又は複数を変更すること、CWACウェハを変更すること、ロボットメンテナンスを実行することなど)が挙げられる。システムコンピュータ2410は、以下で詳細に説明するように、ウェハ上のダイパターンを認識することによって、ツール2404の健全性を、搬入されるウェハのタイプ(論理/メモリ/3D NANDなど)及びツール2404のPMで使用されるレシピのタイプと相関させる。
【0171】
例えば、この情報は、使用されるレシピ及び搬入されるウェハのタイプに基づいて、湿式洗浄、ウェハレス自動洗浄(WAC)、カバーウェハエリア洗浄(CWAC)手順を行うことができる最適な時間長を決定するために使用できる。例えば、この情報を利用して、搬入されるウェハのタイプに応じてリフトピンを調整することで、チャック上のエッジ結合リングの高さを微調整できる。例えば、搬入・搬出ウェハのRGBカメラにおける異なるチャンネルの階調値分布の変化を利用して、オンウェハ処理結果の品質を定量化できる。これらの量を測定し、その経時的なドリフトを監視することで、ツールの健全性を識別し、そのようなドリフトを考慮し、PM整合を達成するための、補正措置を行うことができる。
【0172】
いくつかの実施形態においては、システムコンピュータ2410は、学習済モデルによって推奨される様々な適応を実行する。例えば、システムコンピュータ2410は、エアロック内のウェハ配置の精度を監視し、補正が必要な場合は、ロボットが新しいウェハをエアロック内に配置する際にリアルタイムで補正を行う。システムコンピュータ2410は、搬入・搬出されるエッジ結合リングの厚さの減少に基づいて、PMで使用されるレシピを自動的に調整する。システムコンピュータ2410は、検出された内径の変化(すなわち、エッジ侵食プロファイルの変化)、または搬入・搬出されるエッジ結合リングの厚さに基づいて、PMにおけるエッチングレートを決定する。システムコンピュータ2410は、この情報を使用して、ツール間PM整合のために、PMにおけるレシピを自動的に調整するか、またはリフトピンを調整することによって、チャック上方のエッジ結合リングの高さを調整する。コンピュータビジョンシステム2400によって、カメラ2402によって撮像された画像に基づいて実行されるこれらの機能及び他の機能について、詳細に説明する。
【0173】
本開示全体において、まだ処理されていない状態でEFEMからVTMに向かうウェハは搬入ウェハと呼ばれ、PMで既に処理されており、VTMを離れてEFEMに向かうウェハを搬出ウェハと呼ぶ。
【0174】
使用中、上記の
図10A及び
図10Bを参照して示し、説明した様々なパッドの形状は、経時的に変化する。カメラ2402は、ツール2404内で処理される全てのウェハについて、これらのパッドの画像を撮像する。コンピュータビジョンシステム2400は、(カメラ2402、カメラ2402の近くのPCB上の画像プロセッサ2408、システムコンピュータ2410、またはデータセンター2412において)経時的に撮像されるこれらの画像の分析(例えば、相関)によって、パッドが汚れているかどうか、クリーニングが必要かどうか、または交換が必要かどうかを検出できる。コンピュータビジョンシステム2400は、これらのパッド上の摩耗を監視し、それらの画像から経時的に学習し、モデルを(データセンター2412で)学習させて、パッドのサービス及び/又は交換を予測する。コンピュータビジョンシステム2400は、各画像からこれらのパッドの摩耗についてさらに学習し続け、より良い予測のためにモデルを精緻化する。これらの予測は、これらのパッドに対するサービス及び/又は交換手順を改善でき、コストを低減し、ツールの効率を上げることができる。
【0175】
例えば、コンピュータビジョンシステム2400が、ロボットエンドエフェクタのパッドのクリーニングが必要であると識別した場合、自動的に、エンドエフェクタが、ロードロックの上天井にあるロードロックパージポートの下に配置される手順を行うことができる。そして、ガス(例えば、N2)がパージポートからエンドエフェクタに向かって高流量で吹き付けられ、ロボットエンドエフェクタ及びパッドから粒子が除去される。この手順により、ロボットエンドエフェクタのクリーニングが、閉ループ方式で、完全にされることを認識されたい。
【0176】
CWACウェハは、経時的に色を変化させる。いくつかの実施形態においては、コンピュータビジョンシステム2400はまた、これらのウェハの画像を撮像するように構成される。コンピュータビジョンシステム2400は、これらのウェハの色の変化を監視し、経時的にそれらの画像から学習し、(データセンター2412において)モデルを学習させて、これらのウェハの交換時期を予測する。コンピュータビジョンシステム2400は、各画像によってこれらウェハの色の変化についてさらに学習を続け、モデルを精緻化して予測を改善する。これらの予測は、これらのウェハの交換手順を改善でき、そのためコストを低減し、ツールの効率を上げることができる。
【0177】
いくつかの実施形態においては、コンピュータビジョンシステム2400は、搬入・搬出ウェハのそれぞれの外縁部を観察する。経時的なウェハエッジのドリフトは、ATM/VTMロボットに伴う問題を示している場合もあるが、リフトピンやクランプ力などの問題に起因して、ウェハがPMからVTMロボットによって適切にピックアップされないために問題が生じる場合もある。例えば、6つのPMを有するツールにおいて、VTMロボットによって5つのPMから取り出されたウェハは、ウェハエッジの監視により示されるように、ロードロック内に適切に配置することが出来るが、同じVTMによって1つのPMのみから取り出されたウェハは、ロードロック内に配置される際にわずかにずれる場合がある。コンピュータビジョンシステム2400によって撮像された画像の分析から得られるこの情報が、ずれの発生源の識別に役立つ可能性がある。原因は、VTMロボットに関する問題ではなく、1つのPM内のリフトピンである可能性もある。
【0178】
ツール2404内の動的アラインメントセンサも、ウェハ配置を監視する。カメラ2402を介して収集されたウェハエッジに関するデータは、センサ融合アルゴリズムを介して動的アラインメント(DA)センサからのデータと併用され、問題の発生源をより正確に識別できる。また、これらのセンサからのデータは、ツール2404における問題のトラブルシューティングにも役立つ。また、ツール2404のそういった構成要素に対して、いくつかの較正手順が実行されるため、センサデータに基づく正確なトラブルシューティングが可能となり、誤警報を防止できる。画像から取得したデータによって、ツール2404内のこれらのセンサや他のセンサからのデータ、及び較正やトラブルシューティングの手順からのデータを補完でき、問題の根本原因を特定するのに役立つ可能性がある。例えば、PMからツール2404内のロードロックまでウェハが移動する経路内の多くのセンサ及びアクチュエータは、画像によって得られたデータと相関可能なデータを提供できる。この相関に基づいて、問題の原因となっているセンサ又はアクチュエータを正確に識別できる。
【0179】
いくつかの実施形態においては、コンピュータビジョンシステム2400は、ツール2404によって処理される各ウェハのタイプを識別可能なように、モデルを学習させることが可能である。製造設備(例えば、
図2を参照)において、いくつかのツールを使用して、異なるデバイス(例えば、メモリ、プロセッサなど)が異なるウェハ上に製造され得る。ウェハのタイプを知ることは、ツールにおける問題を識別するのに役立つ可能性がある。ウェハのタイプは、ウェハの画像を処理することによって識別可能(例えば、ウェハがメモリウェハであるか、プロセッサウェハであるかなど)である。例えば、ウェハの画像が、異なる形状(正方形、長方形など)、異なるサイズ、異なる色などの特徴を持つダイパターンを示している場合もある。ウェハ上のダイパターンは、オブジェクト検出アルゴリズムを介して発見、監視、学習でき、ある期間にわたって撮像されたウェハの画像を使用して、各ウェハのタイプを識別できるように、モデルは学習可能である。
【0180】
その後、学習済モデルを用いて、PMまたはツールのうちの1つからのウェハのダイパターンの偏差を、それらのウェハの画像から収集されたデータに基づいて検出し、そのデータを学習されたダイパターンと相関させることができる。さらに、学習済みのパターン(すなわち、学習済モデル)を、ウェハの画像及び/又は他の(例えば、センサベースの)診断システムから収集された他のデータと併用して、特定のツールにおける特定のPMの問題、及び/又は、PM又はツールにおける特定の構成要素の問題を特定できる。
【0181】
例えば、多くの場合、レシピは、PMを調整(例えば、クリーニング)するために使用され、レシピを実行している間、非生産ウェハ(例えば、ダミーウェハ又は調整ウェハ)が使用される。ダミーウェハは、ダイパターンを有さず、製造ウェハが通過する同じウェハフロー及びプロセスレシピを介して送られる。既存のシステムでは、これらのダミーウェハを製造ウェハから区別できない。コンピュータビジョンシステム2400は、ウェハのダイパターンに基づいてウェハのタイプを識別できるため、これらのダミーウェハを製造ウェハから区別でき、そのため処理が開始される前にウェハのタイプを知ることができる。ここでも、ウェハのタイプを識別するために使用される同じモデルがさらに学習可能であり、ダミーウェハを識別するためにも使用され得る。
【0182】
いくつかのツールにおいては、ウェハがダイパターンを有するかどうかを判定するためにセンサを使用してもよいが、これらのツールでは、センサは、処理の終点においてダイパターンを検出する。検出されたダイパターンがレシピで設定されているものと異なる場合、レシピの失敗が通達され、それに応じた修正手順が実行される。しかし、そのような失敗は、現存しないダイパターンによって、ダミーウェハが欠陥ウェハと間違って判断された可能性もあり、実行されようとするレシピの修正は必要ない場合もある。コンピュータビジョンシステム2400によって提供されるウェハのタイプ及びウェハのカテゴリ認識によって、このような失敗を自動的に防止できる。
【0183】
例えば、コンピュータビジョンシステム2400によって学習したモデルを使用し、搬入されるウェハの画像からウェハのタイプを識別することで、ツール2404内のPMに、搬入されるウェハのタイプを自動的に通知できる。次いで、PMは、搬入されるウェハを処理するために適切なレシピ及び/又はその調整を自動的に選択できる。ウェハが処理されてツール2404を離れると、搬出されるウェハの画像が再び撮像され、過去に同様の処理を受けたウェハの画像を撮像したデータベースと比較されることで、搬出されるウェハが正しく処理されたかどうかが確認される。例えば、データベースは、データセンター2412、コンピュータシステム2410、または少なくとも部分的には、データセンター2412及びコンピュータシステム2410の両方に保持されてもよい。
【0184】
例えば、処理のタイプ及び段階に応じて、搬入及び搬出されるウェハの色などの単純な指針で、搬入されるウェハのタイプ、搬入されるウェハの処理のためにPMによって選択されるレシピのタイプ、及び処理が成功したかどうかを示すことができる。他の例としては、異なる画素におけるウェハ画像の階調値(光強度)、ウェハ上の特徴、ウェハ上の特定の特徴の寸法及び色なども、ウェハのタイプを識別し、ウェハが正常に処理されたかどうかを判定するための指針として使用できる。
【0185】
経時的に撮像された大量のウェハ画像に基づいて、多くのウェハのカテゴリを観察し、データベースに記憶できる。新しいウェハの画像を、複数のカテゴリのウェハの画像と比較することにより、ウェハタイプの検出、及び処理された(及び処理されるべき)ウェハにおける微小なばらつきを改善できる。ウェハのタイプごとに大量の画像を経時的に撮像することで、ウェハの特定領域の寸法や色などの特徴を経時的に把握できる。ウェハタイプを分類するために使用されるモデルは、搬入または搬出されるウェハから抽出された特徴を受信し、受信された特徴と、多くのウェハを観察することによって経時的に構築された特徴のデータベースとの比較に基づいて、ウェハタイプを出力するようにさらに学習できる。データベースは、データセンター2412、コンピュータシステム2410、または少なくとも部分的には、両方に保持されてもよい。
【0186】
例えば、ウェハの分類は、ウェハ上で観察される特徴のタイプに基づいていてもよい。ウェハがカメラ2402の視野内に到達すると、処理の前か後かにかかわらず、ウェハの画像が撮像され、1つ又は複数の特徴が画像から抽出され、その特徴がデータベースに記憶された特徴と比較及び相関される。これにより、ウェハのタイプ及び/又はウェハ上で実行される処理の成功又は失敗を決定できる。類似の方法論を使用して、識別されたウェハを処理するレシピを選択することもできる。特に、これらの動作はすべて、コンピュータビジョンシステム2400によって学習したモデルを使用して、自動的に(すなわち、人間の介入なしに)実行できる。
【0187】
なお、コンピュータビジョンシステム2400は、エアロック内のカメラを使用してウェハの画像を撮像するだけでなく、ツール2404内に配置された多くの他のシステム(例えば、センサ、PMに関連付けられたカメラなど)によって収集された他のデータと合同して動作することもできる。コンピュータビジョンシステム2400の信頼性を確保するためには、照明、カメラの向き、及びレベリングなどの多くの要素が比較的一定である必要がある。場合によっては避けることのできないこれらの要素のばらつきを許容可能とするため、コンピュータビジョンシステム2400によって収集されるデータを、これらの要素における差異の影響を最小限にするかまたは排除するため、これら他のシステムによって収集されるデータを使用して正規化してもよい。
【0188】
このようにして、コンピュータビジョンシステム2400は、搬入されるウェハのタイプを識別するだけでなく、搬出されるウェハが適切に処理されたかどうかも検証する。さらに、ツール2404内のどこかで故障が発生し、搬出されるウェハが適切に処理されなかった場合、コンピュータビジョンシステム2400は、履歴がラベル付けされたデータを用いて学習したモデルを使用して、故障の根本原因を識別できる。さらに、コンピュータビジョンシステム2400は、(例えば、パッド、ウェハ等の観察に基づいて)問題の発生を、(例えば、部品の交換、予防メンテナンス等を提案することによって)防止でき、また、問題の根本原因を特定することによって、修正動作を提案することもできる。
【0189】
いくつかのツールは、処理の前後にウェハを分析する、統合計測モジュールを含む。これに対し、コンピュータビジョンシステム2400は、処理の前後(すなわち、2つのプロセスの間)にウェハを分析して計測の必要性を排除するだけでなく、計測モジュールが実行できない、ウェハ移送機構(ロボット、パッド、関連するセンサなど)及びPM自体の性能分析を行う。コンピュータビジョンシステム2400は、ウェハ及び様々なパッドなど他の構成要素の撮像された画像に基づいたデータを使用し、また他の機構(例えば、ツール及びPM内のセンサ)からの動作データ及び診断データも使用して、これらの機能を実行し、ツール(例えば、ツール内の移送機構)及びPMの性能を高める。
【0190】
カメラ2402は、ツール2404内の他の場所に配置してもよい。これらのカメラ2402は、PMに近接して配置された任意のカメラ、及び計測装置によって使用されるカメラに対して、別個かつ付加的に設けることができ、ツール2404と一体化されていてもよく、またツール2404の外部に位置していてもよい。さらに、カメラ2402は、ツール内で、ツールのフリート全体にわたって配置できる。これにより、撮像された画像のデータベースを拡大でき、画像データに基づいてデータセンター2412で構築されたモデルの学習を改善できるため、モデルをより頑強にできる。頑強なモデルは、より高い統計的信頼度でコンピュータビジョンシステム2400の機能を実行でき、PM、ツール、及びツールのフリートの全体的な性能を向上させることができる。
【0191】
コンピュータビジョンシステム2400はまた、PM整合を援助できる。PMは、特定の数のウェハが処理された後、定期的にクリーニングされる。しかしながら、搬入されるウェハのタイプが異なれば、PM内に放出される材料も異なり得る。加えて、PM内のウェハに対して実行されるプロセスが異なれば、PM内に残る副生成物も異なり、このような異なる副生成物を洗い落とす必要がある。そのため、すべてのタイプのウェハに同じクリーニングレシピを適用すると、次のウェハを処理するための十分なクリーニングができない場合がある。コンピュータビジョンシステム2400は、搬出されるウェハの撮像された画像に基づいてPM内で実行されるプロセスを把握している。コンピュータビジョンシステム2400は、PM上で実行されたクリーニング処理の過去のデータを活用でき、そのためPMをクリーニングするための適切なレシピを選択する際の補助を行うことで、PMを、次に搬入されるウェハを処理できる状態にできる。
【0192】
全てのウェハがツール2404内で撮影され、モデルがデータセンター2412で継続的に精緻化されるため、ツール2404は、コンピュータビジョンシステム2400によって蓄積されたデータに基づいて最適化される。例えば、ツール2404内のPMのクリーニングサイクル数を最適化できる。例えば、ツール2404内のあるPMのクリーニングは、ツール2404内の別の機構によって推奨されるが、当該PM内で処理された搬出ウェハの画像に基づいて延期または遅延されてもよい。特に、これらの画像は即時に利用可能であり、コンピュータビジョンシステム2400によって、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで分析される。したがって、ツール2404の最適化をオンザフライで行うことができる。このような最適化は、結果を得るのに数時間、または数日かかることもある従来の計測では行うことはできない。コンピュータビジョンシステム2400を使用することで、データセンター2412において、PMで処理された出力ウェハの画像を入力として受信し、PMにおけるクリーニングの実行を制御する出力を提供するように、モデルは学習可能である。この手順は、閉ループ方式で、WAC又はCWACを介して、PMクリーニングを完全に自動化することが認識できる。
【0193】
別の例として、ツール2404内の1つ又は複数のロボットの速度は、ウェハの画像に基づき、性能のわずかな低下が観察されるまで増加させることができる。換言すれば、ツール2404のスループットは、計測を実行することなく、リアルタイム、又はほぼリアルタイムで自動的に増加させることができる。さらに、最近の画像データに基づいて、処理間のウェハの待機時間を最適化できる。したがって、コンピュータビジョンシステム2400は、非計測光学系を使用して(すなわち、ウェハの分光分析を実行する代わりにウェハ又はウェハの一部の画像の光学分析を実行することによって)計測レベルの性能よりもより優れた性能を発揮できる。特に、コンピュータビジョンシステム2400は、計測よりも高速であるだけでなく、計測よりも安価である。
【0194】
コンピュータビジョンシステム2400はまた、エッジ結合リングを分析できる。エッジ結合リングは、典型的には、EFEMからエアロック、PMへと搬送され、そこでESCの周りに配置される。エッジ結合リングは、特定の厚さ、内径、及びプロファイルを有する。エッジ結合リングのこれらの及び他のパラメータは、エッジ結合リングがPMに搬送される前に、エッジ結合リングの画像を撮像することによって観察され、PMでは、エッジ結合リングは、ウェハに対して行われる処理に曝される。その結果、エッジ結合リングの1つ又は複数のパラメータが変化することがある。エッジ結合リングは、特定の無線周波数(RF)時間数にわたって使用されるように設計されている。類似の処理を同様の期間(すなわち、RF時間数)行うPMでは、同様のエッジ結合リングが使用できる。
【0195】
その後、エッジ結合リングが最後まで使用されると、エッジ結合リングは、ロードロックを介してツールから外に搬送される。これらのPMから搬出されるエッジ結合リングの画像が撮像され、コンピュータビジョンシステム2400によって幾何学的パラメータが測定され、相関される。例えば、あるエッジ結合リングは、他のものよりも多くの差異がある(例えば、表面粗度が他のものと比べて異なることを示す画像内での異なる階調値、など)場合がある。1つのエッジ結合リングにおける変化は、変化の根本原因を識別するために、または、最適なオンウェハ処理品質あるいはPM整合を達成するためのPM動作条件を制御するために、随意的に(例えば、ツール2404内の他のセンサからの)他のデータとともに、分析される。
【0196】
例えば、変化の分析に基づいて、PMのうちの1つにおいて、他のPMと同じ処理が、同じRF時間数にわたって、同じように実行されているにもかかわらず、そのPMが異なった動作している(すなわち、エッジ結合リングに対して異なる効果を生成している)と示された場合、当該PMにおいて実行されるプロセスのレシピを、コンピュータビジョンシステム2400によって学習したモデルを使用して調整できる。あるいは、当該PMにおけるエッジ結合リングの位置決め(高さ、傾斜角など)を、コンピュータビジョンシステム2400によって学習したモデルを使用して調整してもよい。さらに、異なるPMでは、異なるパラメータを有するエッジ結合リングを使用し得る。搬入されるエッジ結合リングの分析は、正しいタイプのエッジ結合リングがそのPM内で使用されているかどうかを確認するためにも使用できる。
【0197】
コンピュータビジョンシステム2400を使用することで、これらの異なる機能を実行するように、異なるモデルを学習させることが可能である。十分に学習すると、これらのモデルは、エッジ結合リングの画像を入力として受信でき、レシピに対して行われる調整、エッジ結合リングのリフトピンの高さに対して行われる調整などといった出力を提供できる。継続的な学習によって、これらのモデルの出力は精緻化される(すなわち、その精度が向上する)。このようなシステムは、エッジ結合リングの高さ測定及び制御を介して、PM整合のためのツールの自律的制御を可能にすることが認識できる。
【0198】
エッジ結合リングはまた、その画像から、シリアル番号を取得することによって追跡できる。典型的には、1つの特定のPMタイプにおいて、1つのエッジ結合リングが使用される。すなわち、エッジ結合リングを、複数のPMタイプにわたって移動しなくてもよい。エッジ結合リングのシリアル番号の監視することで、正しいエッジ結合リングがそれぞれのPMで使用されているかどうかを検証できる。この決定はまた、エッジ結合リングの交換に起因して生じ得るいくつかの問題を防止し、また、起こっている問題が、センサの欠陥、不適切なレシピ等に起因していないことを確認するためにも役立つ可能性がある。また、シリアルナンバーを追跡することで、いくつかの問題の原因となり得る、エッジ結合リングがサードパーティから供給されたかどうかについての確認にも役立つ可能性がある。モデルは、エッジ結合リングの画像を入力として受信し、エッジ結合リングのシリアル番号を出力するように学習可能であり、これは、トラブルシューティングにおいて使用できる。
【0199】
さらに、PMでのクリーニングの後、エッジ結合リングに続いてウィットネスウェハをPMに送ることができる。ウェハが処理される前後にウィットネスウェハの画像を撮像することによって、PMで実施されるクリーニングの品質を自動的に検査できる。エッジ結合リングがしばらく使用された後、コンピュータビジョンシステム2400を使用して、エッジ結合リングの画像を分析することによって、PMの同様の検査を実施できる。ここでも、モデルは、モデルへの入力としてのエッジ結合リングの画像に基づいて、エッジ結合リング上の処理の効果を認識し、PM内で実施されるクリーニングの品質を示す出力、またはいつ及びどのタイプのクリーニングがPM内で実施可能かを示唆する出力を提供するように、学習可能である。
【0200】
さらに、以下で詳細に説明するように、PM内のエッジ結合リングは、典型的には、PM内の2つの連続するクリーニング動作の間の期間において、またPM内のウェハ自体の処理中にも調整できる。ウェハが処理された後にエッジ結合リングの画像を検査することで、PM内でのウェハの処理中にエッジ結合リングに対して行われた調整に関するデータと共に、PMの健全性の指標を提供できる。エッジ結合リングの画像を入力として受信し、PMの健全性を示す指標を出力するようにモデルは学習可能である。
【0201】
この手順を、
図8A、10B及び11を参照して詳細に説明する。いくつかのエッジ結合リングは、エッチングPM内のプラズマ場のより良好な制御を可能にし、最適化されたオンウェハ処理結果を達成する。これらのエッジ結合リングは、搬送モジュール(TM)を介してEFEMからPMに自動的に搬送でき、これにより、長時間(例えば、最大1年)PMを開放しないまま、連続生産を実現できる。しかしながら、ツール内の、又は異なるツール間でのPMの状態の差により、オンウェハの結果は常に同様であるとは限らない。
【0202】
PM間整合を達成するために、異なるツール間に亘ってエッチングレートを測定し、それらの経時的なドリフトを監視し、メンテナンス(例えば、湿式洗浄、CWAC)後のそれらの変化を記録し、PMのエッチングプロセスパラメータ(例えば、レシピ、ESC温度、ガス流、期間など)を自動的に調整することで、そういった変化が補正可能な手順を作成するための技術が求められている。そこで、入/出(新しい/使用済みの)エッジ結合リングパラメータの自動測定、及びそれに対応する自動化PM間整合のためのシステム(
図8A、10B、及び11を参照)を実現する新しい技術をここで概説する。このシステムは、PMに搬入される新しいエッジ結合リングと、使用済みとなってPMを離れる同じエッジ結合リングの厚さの変化を測定する。また、PM間整合のために、PMのプロセスパラメータを自動的に調整する。
【0203】
本システムは、TM内に、新しい/使用済みのエッジ結合リングが通過する場所(例えば、エアロック、アライナ、ロボットアームなど)に配置された2つのカメラを備える。これにより、使用済みのエッジ結合リングの厚さの減少を正確に測定できる。エッジ結合リングの使用履歴(例えば、エッジ結合リングが使用されたRF時間数)、及びその厚さの減少を知ることで、PMの侵食速度を決定できる。
図10Aは、エッジ結合リングの上方のエアロック内へ、どのようにカメラを配置できるかを概略的に示す。
図8A及び11は、PM間整合のためのPMプロセスパラメータの自動調整に使用される、全体的なデータフローインフラストラクチャを示す。
【0204】
特定の実施形態によれば、カメラは、エッジ結合リングの厚さの変化を測定して、システムコンピュータに送信する。システムコンピュータは、直近1~3ヶ月間のデータを記憶し、リアルタイムでデータをホスト/クラウド(例えば、データセンター)に送信する。ホストは、インフラストラクチャ(例えば、サーバ、ストレージなど)ビッグデータ解析を含み、搬入されるエッジ結合リングと搬出されるエッジ結合リングの厚さの変化に基づいて、PMのエッチングレートを決定する。ホストは、毎日あるいは毎週同じレシピを実行する全ての類似のPMからのデータを使用して、機械学習(例えば、ニューラルネットワーク、テンソルフローなど)ベースのモデルを学習させる(データサイエンスインフラストラクチャ)。ホストは、学習済モデル及びリアルタイムデータを使用して、PM間整合のためのPMプロセスパラメータの調整を推奨する。システムコンピュータは、PMに対して推奨されたアクションを行い、PM間整合のためにPMプロセスパラメータを自動調整する。
【0205】
一般に、ツールは、コンピュータビジョンシステム2400によって監視(観察)可能な、いくつかの制御パラメータを含む。これらのパラメータについて観察されたデータに基づいて、コンピュータビジョンシステム2400は、モデルを学習させて、ツール2404で採用される自動処理制御ループが適切に動作しているか否かを確認できる。したがって、コンピュータビジョンシステム2400は、学習済モデルを使用して、フリート内のツールの構成要素のホストの管理を自動化できる。例えば、コンピュータビジョンシステム2400は、学習済モデルを使用して、エッジ結合リングの高さ、CWACの期間及び間隔、ロボットエンドエフェクタのクリーニングなどを自動的に調整でき、これにより、ツールの全体的な性能、効率、スループット、及び寿命が向上する。
フローチャート及びモデル
【0206】
図12A~13Fは、
図11に示すサーバ2030及びシステムコンピュータ2410によって実行される様々な方法の例を示す。
図12A~12Fは、様々なツールから撮像された画像に基づいて、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを用いて、様々なモデルを学習させるために、サーバ2030によって実行される方法を示す。
図13A~
図13Fは、リアルタイムで(すなわち、オンザフライで、又はウェハの製造・処理中においてツールが使用されている際に)撮像された画像に基づいて、学習済モデルを使用して、サーバ2030及びシステムコンピュータ2410によって実行される方法を示す。
【0207】
図12Aは、いくつかの実施形態に係る、様々なツールからウェハ、様々なパッド、及びエッジ結合リングの画像を撮像し、撮像された画像に基づいて、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して、様々なモデルを学習させる方法2500を示す。2502において、方法2500では、ロードロックなどの位置において、ウェハ、エッジ結合リング、及び様々なパッドの画像が撮像される。2504において、方法2500では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2500では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。さらに、撮像された画像から、ウェハタイプの決定、エッジ結合リングの状態の決定、また様々なパッドの状態の決定のために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。
【0208】
2506において、方法2500では、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して経時的に処理された画像から収集されたデータに基づいて、特定のタスクを実行するために、様々なモデルを学習させる。例えば、タスクには、ウェハタイプを決定すること、エッジ結合リングの状態を決定すること、様々なパッドの状態を決定すること、予防メンテナンス及びクリーニングスケジュールを決定すること、パッド及び調整ウェハなどの構成要素の交換スケジュールを決定すること、エッチングレートを決定すること、PMレシピを調整することなどを含み得るが、これらに限定されない。2508において、方法2500では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、これらのモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0209】
図12Bは、特定の実施形態に係る、ロードロック内のパッド摩耗を検出し、パッド交換を予測するために、モデルを学習させる方法2520を示す。2522において、方法2520では、ロードロック内のウェハパッド、エッジ結合リングパッド、及びロボットエンドエフェクタパッドの画像を撮像する。2524において、方法2520では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2520では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。さらに、撮像された画像から、様々なパッドの状態の決定のために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。
【0210】
2526において、方法2520では、様々なパッドの状態を決定し、予防メンテナンススケジュールを決定し、様々なパッドの交換または自動クリーニングスケジュールを決定するために、モデルを学習させる。例えば、方法2520において、ロボットエンドエフェクタのパッドのクリーニングが必要であると識別した場合、自動的に、エンドエフェクタが、ロードロックの上天井にあるロードロックパージポートの下に配置される手順が行われる。そして、ガス(例えば、N2)がパージポートからエンドエフェクタに向かって高流量で吹き付けられ、ロボットエンドエフェクタ及びパッドから粒子が除去される。この手順により、ロボットエンドエフェクタのクリーニングが、閉ループ方式で、完全に自動化されることを認識されたい。2528において、方法2520では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、このモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0211】
図12Cは、特定の実施形態に係る、ロードロック内のウェハ配置のドリフトを検出し、ロボットの健全性及び予防メンテナンススケジュールを予測するために、モデルを学習させる方法2540を示す。2542において、方法2540では、ロードロック内のウェハエッジの画像が撮像される。2544において、方法2540では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2540では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0212】
さらに、撮像された画像から、ロードロック内のウェハ配置のドリフトを決定するために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。2546において、方法2540では、ロードロック内のウェハ配置のドリフトを検出し、ロボットの健全性及び予防メンテナンススケジュールを予測するために、モデルを学習させる。2548において、方法2540では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、このモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0213】
図12Bは、特定の実施形態に係る、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定するために、モデルを学習させる方法2560を示す。2562において、方法2560では、ロードロック内のウェハの画像が撮像される。2564において、方法2560では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2560では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0214】
さらに、撮像された画像から、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定するために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。2566において、方法2560は、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定するために、モデルを学習させる。2568において、方法2560では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、このモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0215】
図12Eは、特定の実施形態に係る、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測するために、モデルを学習させるための方法2570を示す。2572において、方法2570では、ロードロック内の調整ウェハの画像が撮像される。2574において、方法2570では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2570では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0216】
さらに、撮像された画像から、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測するために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。2576において、方法2570では、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測するために、モデルを学習させる。2578において、方法2570では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、このモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0217】
図12Fは、特定の実施形態に係る、エッジ結合リングの状態を検出し、PMのエッチングレートを決定し、ツール間整合のためPMのレシピを調整するために、モデルを学習させる方法2580を示す。2582において、方法2580では、ロードロック内のエッジ結合リングの画像が撮像される。2584において、方法2580では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2580では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0218】
さらに、撮像された画像から、エッジ結合リングの状態を検出し、PMのエッチングレートを決定し、ツール間整合のためにPMのレシピを調整するために使用可能な特徴を認識及び抽出して、1つ又は複数のデータベースに記憶できる。2586において、方法2580では、エッジ結合リングの状態を検出し、PMのエッチングレートを決定し、ツール間整合のためにPMのレシピを調整するために、モデルを学習させる。2588において、方法2580では、学習済モデルを使用して撮像及び処理された画像に基づいて、このモデルをさらに精緻化し(すなわち、さらに学習させ)続ける。
【0219】
図13Aに、様々なツールから、ウェハ、様々なパッド、及びエッジ結合リングの画像を撮像し、学習済モデルを使用して、ウェハタイプを決定すること、エッジ結合リングの状態を決定すること、様々なパッドの状態を決定すること、予防メンテナンススケジュールを決定すること、パッド及び調整ウェハなどの構成要素の交換スケジュールを決定すること、エッチングレートを決定すること、PMレシピを調整することなどの方法例2600を示す。2602において、方法2600では、ロードロックなどの位置において、ウェハ、エッジ結合リング、及び様々なパッドの画像が撮像される。
【0220】
2604において、方法2600では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2600では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。さらに、撮像された画像から、ウェハタイプの決定、エッジ結合リングの状態の決定、また様々なパッドの状態の決定のために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。
【0221】
2606において、方法2600では、様々な学習済モデルを使用して、画像から収集されたデータに基づいて様々なタスクを実行する。例えば、タスクには、ウェハタイプを決定すること、エッジ結合リングの状態を決定すること、様々なパッドの状態を決定すること、予防メンテナンススケジュールを決定すること、パッド及び調整ウェハなどの構成要素の交換スケジュールを決定すること、エッチングレートを決定すること、PMレシピを調整することなどを含み得るが、これらに限定されない。2608において、方法2600では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、これらの学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
【0222】
図13Bは、(
図12Bを参照して説明するような)学習済モデルを使用してロードロック内のパッド摩耗を検出し、パッド交換を予測するための方法例2620を示す。2622において、方法2620では、ロードロック内のウェハパッド、エッジ結合リングパッド、及びロボットエンドエフェクタパッドの画像を撮像する。2624において、方法2620では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2620では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0223】
さらに、撮像された画像から、様々なパッドの状態の決定のために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。2626において、方法2620では、学習済モデルを使用して様々なパッドの状態を決定し、予防メンテナンススケジュールを決定し、様々なパッドの交換スケジュールを決定する。2628において、方法2620では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、この学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
【0224】
図13Cは、(
図12Cを参照して説明するような)学習済モデルを使用して、ロードロック内のウェハ配置のドリフトを検出し、ロボットの健全性及び予防メンテナンススケジュールを予測するための方法例2640を示す。2642において、方法2640では、ロードロック内のウェハエッジの画像を撮像する。2644において、方法2640では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2640では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0225】
さらに、撮像された画像から、ロードロック内のウェハ配置のドリフトを決定するために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。2646において、方法2640では、学習済モデルを使用して、ロードロック内のウェハ配置におけるドリフトを検出し、ロボットの健全性及び予防メンテナンススケジュールを予測する。2648において、方法2640では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、この学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
【0226】
図13Dは、(
図12Dを参照して説明するような)学習済モデルを使用して、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定するための方法例2660を示す。2662において、方法2660では、ロードロック内のウェハの画像を撮像する。2664において、方法2660では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2660では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0227】
さらに、撮像された画像から、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定するために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。2666において、方法2560では、学習済モデルを使用して、ウェハ上のダイパターンを検出し、それに基づいてウェハのタイプを決定する。2668において、方法2660では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、この学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
【0228】
図13Eは、(
図12Eを参照して説明するような)学習済モデルを使用して、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測するための方法例2670を示す。2672において、方法2670では、ロードロック内の調整ウェハの画像を撮像する。2674において、方法2670では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2670では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0229】
さらに、撮像された画像から、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測するために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。2676において、方法2670では、学習済モデルを使用して、調整ウェハの色の変化を検出し、調整ウェハの交換時期を予測する。2678において、方法2670では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、この学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
【0230】
図13Fは、(
図12Fを参照して説明するような)学習済モデルを使用して、エッジ結合リングの状態を検出し、PM内のエッチングレートを決定し、ツール間整合のためにPM内のレシピを調整するための方法例2680を示す。2682において、方法2680では、ロードロック内のエッジ結合リングの画像を撮像する。2684において、方法2680では、画像が処理される。例えば、画像をクリーニングしてフォーマットしてもよく、さらに画像の輝度、コントラストなどを調整してもよい。例えば、方法2680では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0231】
さらに、撮像された画像から、エッジ結合リングの状態を検出し、PM内のエッチングレートを決定し、ツール間整合のためにPMのレシピを調整するために使用可能な特徴を認識及び抽出できる。2686において、方法2680では、学習済モデルを使用して、エッジ結合リングの状態を検出し、PM内のエッチングレートを決定し、ツール間整合のためにPMのレシピを調整する。2688において、方法2680では、撮像された画像から収集され、学習済モデルを使用して処理されたデータに基づいて、この学習済モデルを更新する(すなわち、さらに学習させる)。
追加モデル
【0232】
図14A~14Iは、リアルタイムで(すなわち、オンザフライで、又はウェハの製造・処理中においてツールが使用されている際に)撮像された画像に基づいて学習したモデルを使用して、サーバ2030及びシステムコンピュータ2410によって実行される方法の、様々な追加の例を示す。これらの方法によって使用されるモデルは、コンピュータビジョンシステム2400を使用して学習でき、様々な動作を実行するために使用できる。これらは非限定的な例である。さらに追加の使用例も想定可能である。
【0233】
これらの例では、説明した機能を実行するために画像から収集されたデータを使用して知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して行うそれぞれのモデルの学習及び学習済モデルのさらなる更新は、
図12A~
図12Fを参照して上述した上記のモデルの学習と同様である。そのため、以下の方法で使用されるモデルの学習が前提であり、簡便のために記載するものではない。使用中、これらのモデルは、
図13A~13Fを参照して説明したモデルと同様に、画像からのデータを入力として受信し、スケジューリングサービス、交換などの結果を出力する。
【0234】
図14Aは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムによって学習したモデルを使用して、ロードロック内の様々なパッドのメンテナンスをスケジューリングするための方法2700を示す。2702において、方法2700では、パッド(例えば、ウェハ、エッジ結合リング、またはウェハをロードロックの内外に運送するロボットのエンドエフェクタに関連付けられたパッド)の画像を撮像及び処理する。例えば、方法2700では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。パッドの健全性を診断するために有用な特徴等のデータが、処理された画像から抽出され、パッドの健全性を診断するために学習したモデルに入力される。
【0235】
2704において、方法2700では、データに基づいて、学習済モデルを使用して、パッドが汚れているかどうかを判定する。2706において、方法2700では、パッドが汚れている場合、学習済モデルを使用して、パッドのクリーニングをスケジューリングする。2708において、方法2700では、パッドが汚れていない場合、学習済モデルを使用して、パッドが摩耗しているかどうか決定する。2710において、方法2700では、パッドが摩耗している場合、学習済モデルを使用して、パッドの交換をスケジューリングする。2712において、方法2700では、パッドが汚れたり摩耗したりしていない場合は、学習済モデルを使用して、パッドの自動クリーニングや交換スケジュールを予測する。
【0236】
例えば、方法2700において、ロボットエンドエフェクタのパッドのクリーニングが必要であると決定した場合、自動的に、エンドエフェクタが、ロードロックの上天井にあるロードロックパージポートの下に配置される手順が行われる。そして、ガス(例えば、N2)がパージポートからエンドエフェクタに向かって高流量で吹き付けられ、ロボットエンドエフェクタ及びパッドから粒子が除去される。この手順により、ロボットエンドエフェクタのクリーニングが、閉ループ方式で、完全に自動化されることを認識されたい。
【0237】
図14Bは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、調整ウェハの健全性を診断し、調整ウェハの交換をスケジューリングするための方法2720を示す。2722において、方法2720では、調整ウェハがロードロックに移送されるときに、調整ウェハの画像を撮像して処理する。例えば、方法2720では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。調整ウェハの健全性を診断するために有用な特徴(例えば色)等のデータが、処理された画像から抽出され、調整ウェハの健全性を診断するために学習したモデルに入力される。
【0238】
2724において、方法2720では、データに基づいて、学習済モデルを使用して、調整ウェハの色が変化したかどうか、及び色の変化の程度を決定する。2726において、方法2720では、色の変化が所定の閾値を超えている場合は、学習済モデルを使用して、調整ウェハの交換をスケジューリングする。2728において、方法2720では、色の変化が所定の閾値を超えていない場合は、学習済モデルを使用して、調整ウェハの交換スケジュールを予測する。
【0239】
図14Cは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、ロードロックの内外にウェハを移送するロボットの健全性を診断し、ロボットまたはPMのためのサービスをスケジューリングするための方法2730を示す。2732において、方法2730では、ウェハがPMからロードロックに移送されるときに、ウェハエッジの画像を撮像して処理する。例えば、方法2730では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。ロードロック内のウェハの位置のドリフトを検出するために有用な特徴等のデータが、処理された画像から抽出され、ドリフトを検出するために学習したモデルに入力される。
【0240】
2734において、方法2730では、データに基づいて、学習済モデルを使用して、ウェハの位置が経時的にドリフトしているかどうかを判定する。2736において、ウェハの位置が経時的にドリフトしている場合、方法2730では、センサ融合アルゴリズムを用いて学習したモデルを用いて、1つより多いPMから移送されたウェハの位置がドリフトしているのか、1つのみのPMからのウェハの位置がドリフトしているのかを判定する。動的アラインメント(DA)センサは、センサ融合アルゴリズムにおいて使用できる。DAセンサは、ウェハがPMから除去されている間に、ウェハがロボットエンドエフェクタ中心からどれだけ離れて位置しているかを示す。
【0241】
2738において、1つのみのPMからのウェハの位置が経時的にドリフトしている場合、方法2730では、そのPMからのウェハの位置が、ロボットの問題によってではなく、そのPM内の問題のせいでドリフトしているとして、学習済モデルを使用して、そのPMのサービスをスケジューリングする。2740において、1つより多いPMからのウェハの位置がドリフトしている場合、方法2730では、1つより多いPMからのウェハの位置が、PM内の問題によってではなく、ロボットの問題によってドリフトしているとして、学習済モデルを使用して、そのロボットのサービスをスケジューリングする。また、方法2730では、閉ループ方式でウェハ配置のリアルタイム補正を実行するようにロボットにコマンドを送信できる。
【0242】
図14Dは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、ウェハタイプを識別し、ウェハタイプに基づいてPMレシピを選択するための方法2750を示す。2752において、方法2750では、PMに移送されるロードロック内のウェハの画像を撮像し、処理する。例えば、方法2750では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。ウェハタイプを識別するのに有用な特徴(たとえば、色、形状など)などのデータが、処理された画像から抽出され、ウェハタイプを検出するために学習したモデルに入力される。
【0243】
2754において、方法2750では、データに基づいて、学習済モデルを使用して、ダイパターンがウェハ上に存在するかどうかを決定することも含め、ウェハ上のダイパターンを識別する。2756において、方法2750では、学習済モデルを使用して、ウェハタイプを決定する。例えば、学習済モデルは、ウェハが製造ウェハ(例えば、メモリまたはプロセッサ製造のためのウェハ)であるか、又はPMクリーニング中に使用される非製造ウェハ(例えば、調整ウェハ又はダミーウェハ)であることを決定してもよい。2758において、方法2750では、検出されたウェハタイプに基づいて、学習済モデルを使用して、PMで使用されるレシピを選択する。例えば、選択されたレシピは、ウェハが製造ウェハである場合に、ウェハをさらに処理するためのものであってもよく、ウェハが調整ウェハである場合には、PMをクリーニングするためのレシピであってもよい。
【0244】
図14Eは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、ウェハがPM内で正常に処理されたかどうか、及びPMのためのサービスをスケジュールすべきかどうかを決定するための方法2760を示す。2762において、方法2760では、PMからロードロックに移送されたウェハの画像を撮像して処理する。例えば、方法2760では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。2764において、方法2760では、処理された画像データから、ウェハがPM内で正常に処理されたかどうか(例えば、ウェハの処理に何らかの偏差又はばらつきがあるかどうか)を判定するために有用な特徴(例えば、ウェハの一部分の色、光強度など)などを識別して抽出する。方法2760では、このデータを、ウェハがPMで正常に処理されたかどうかを決定するために学習したモデルに入力する。2766において、方法2760では、データに基づいて、学習済モデルを使用して、ウェハがPMで正常に処理されたかどうかを決定する。2768において、ウェハがPMで正常に処理されなかった場合、方法2760では、学習済モデルを使用して、PMのサービスを自動的にスケジューリングする。
【0245】
図14Dは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、搬入されるウェハのカテゴリタイプ及びPM内で実行される処理リストから処理のカテゴリを識別し、PMのための適切なクリーニングレシピを選択するための方法2770を示す。2772において、方法2770では、PMからロードロックに移送されたウェハの画像を撮像して処理する。例えば、方法2770では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0246】
2774において、方法2770では、PMにおいて実行される処理のリストから処理のカテゴリを識別するために有用な特徴などのデータを、処理済み画像から抽出する。方法2770では、このデータを、PMにおいて実行される処理のリストから処理のカテゴリを識別するために学習したモデルに入力する。このデータをもとに、学習済モデルは、PMでウェハに行われた処理を特定する。2776において、方法2770では、PMにおいて実行された処理に基づいて、学習済モデルを用いて、PMのクリーニングレシピを自動的に選択する。
【0247】
図14Gは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、エッジ結合リングを観察することによってPMのクリーニングの品質を決定し、PMのためのサービスをスケジューリングするための方法2780を示す。クリーニングの品質を定量化するために、ウィットネス非生産ウェハをPM内に送り、処理を実行し、次いで、ウェハをロードロックに移送して画像を撮像できる。この目的を達成するために、長期間にわたって、フリート全体で大きなデータセットが収集され、ラベル付けされる。
【0248】
2782において、方法2780では、PMからロードロックに移送されたエッジ結合リングの画像を撮像して処理する。例えば、方法2780では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。2784において、方法2780では、処理された画像から、PMのクリーニングの品質を決定するために有用な特徴などのデータを抽出する。方法2780は、PMのクリーニングの品質を決定するために学習したモデルにデータを入力する。そのデータをもとに、学習済モデルが、PMで行われるクリーニングの品質を決定する。2786において、方法2780では、決定された品質に基づいて、学習済モデルを使用して、いつ、どのタイプのクリーニングがPMにおいて実行可能かを自動的にスケジューリングする。そのため、PMの検査が省略される。
【0249】
以下で説明する
図14H及び14Iに示される方法では、PMの問題を推測するために、エッジ結合リングは、完全に使用された後PMから離される時点で検査される。この目的を達成する上で、1つのツールの1つのエッジ結合リングを検査するだけでは、おそらく不十分である。そこで、この目的を達成するために、フリート全体のデータが、長期間にわたって収集される。この期間中、収集されるデータは手動でラベル付けされてもよく、その場合ユーザは、各エッジ結合リングの画像のシグネチャにラベルを割り当てる。例えば、ラベルは、PM内のどのサブシステムの誤動作が、PMからのエッジ結合リングに対してどのようなタイプのシグネチャを引き起こしたか、などを示していてもよい。
【0250】
図14Hは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、エッジ結合リングを観察することによって、エッジ結合リング及びPMにおいて使用されるレシピに関する様々な問題を診断するための方法2790を示す。2792において、方法2790では、同じレシピを使用するツールのPMからそのツールのロードロックに移送されたエッジ結合リングの画像を撮像して処理する。例えば、方法2790では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。2794において、方法2790では、処理された画像から、エッジ結合リング及びPMに伴う様々な問題を診断するために有用なデータを抽出する。方法2790では、様々な問題を診断するために学習したモデルにデータを入力する。
【0251】
2794において、データに基づいて、学習済モデルは、すべてのPMでウェハ処理において同じレシピが用いられているにも関わらず、1つのPMからのエッジ結合リングが、他のPMからのエッジ結合リングよりも多くの変化を示すかどうかを決定する。2796において、1つのエッジ結合リングがより多くの変化を示す場合、方法2790では、学習済モデルを使用して、正しいエッジ結合リングがそのPMで使用されているかどうか(例えば、別のPMからのリング又は異なる供給業者によって作られたリングがそのPMで使用されているかどうか)を決定する。2798において、正しくない又は不適切なエッジ結合リングがPMで使用されている場合、方法2790では、学習済モデルを使用して、正しい又は新しいリングのPMへの設置をスケジューリングする。2800において、正しいまたは適切なエッジ結合リングがPMで使用されている場合、方法2790では、学習済モデルを使用して、PMで使用されているレシピを調整する。
【0252】
図14Iは、特定の実施形態に係る、知覚アルゴリズム、センサ融合アルゴリズム、及び機械学習アルゴリズムを使用して学習したモデルを使用して、エッジ結合リングを観察することによって、PMにおけるウェハ処理に伴う様々な問題を診断するための方法2810を示す。エッジ結合リングのシリアル番号は、誤ったエッジ結合リングがロードされていないことを確認するために、エッジ結合リングがPMに入る前に検証される。これは、機械学習を使用せずに実現可能である。あるいは、方法2810は、以下のように実行されてもよい。2812において、方法2810は、PMからロードロックに移送されたエッジ結合リングの画像を撮像して処理する。例えば、方法2810では、輝度を調整し、コントラストを強調し、画像のノイズフィルタリング、ヒストグラム等化、エッジ検出、オブジェクト認識及び追跡、画像セグメント化、画像ぼけの除去、幾何学変換、特徴検出、深さ推定などの動作を実行してもよい。
【0253】
2814において、方法2810では、処理済み画像から、PMにおけるウェハ処理に伴う様々な問題を診断するために有用なエッジ結合リングのシリアル番号、及び他のデータを抽出する。方法2810では、様々な問題を診断するために学習したモデルにデータを入力する。このデータに基づいて、方法2810では、学習済モデルを用いて、PMにおけるウェハ処理に何らかの問題があるかどうかを決定する。2816において、PMにおけるウェハ処理について何らかの問題が検出された場合、方法2810では、学習済モデルを用いて、エッジ結合リングのシリアル番号が正しいかどうかを判定する。2818において、シリアル番号が正しくない場合、方法2810では、学習済モデルを使用して、正しいまたは新しいリングのPMへの設置をスケジューリングする。2820において、シリアル番号が正しい場合、方法2810では、学習済モデルを使用して、PMのサービスをスケジューリングする。
【0254】
いくつかの実装形態においては、コンピュータビジョンシステム2400は、未加工画像をツールからクラウド内のデータセンターに送信でき、画像の処理及びモデルの学習のすべてをクラウド内で実行できる。さらに、ツール使用中の学習済モデルによる画像処理及び推奨をクラウド内で実行できる。そのような実装形態では、コンピュータビジョンシステム2400は、SaaS(Software-as-a-Service)としてクラウド内で展開できる。
モデルの学習及び検証
【0255】
図15A~15Cは、上記で
図12A~
図14Iを参照しながら説明したモデル等を生成、学習、及び検証するための方法の例を示す。これらの方法は、サーバ2030によって実行される1つ又は複数のアプリケーションによって実行される。これらは以下の方法の説明においてはコントロールと称する。
【0256】
図15Aは、いくつかの実施形態に係る、モデルを生成するための方法2900を示す。2902において、コントロールは、機械学習モデル(例えば、教師あり又は教師なし分類モデル、深層ニューラルネットワーク、テンソルフローなど)ネットワークトポロジーを選択して、モデルを定義及び構築する。機械学習モデルは、ニューラルネットワークである必要はない。分類方法については問わない。使用可能な機械学習アルゴリズムとしては、K近傍法、サポートベクトルマシン、K平均法、深層ニューラルネットワークなどを挙げられる。例えば、コントロールは、回帰型ニューラルネットワークのネットワークトポロジーを選択することでモデルを定義できる。
【0257】
図16Aに、回帰型ニューラルネットワークの一例を示す。例えば、ネットワークトポロジーを選択することは、回帰型ニューラルネットワークの入力の数と、ニューロンの数と、層数とを選択することを含む。
図16A及び16B、ならびに以下のこれらの図に関する説明では、モデル生成についてさらに詳細に説明する。2904において、コントロールは、モデルを学習させる。
図15B、ならびに以下の図に関する説明では、モデルの学習についてさらに詳細に説明する。2906では、コントロールがモデルを検証する。2908において、コントロールは、閉ループ方式でモデルパラメータを反復的に微調整する。
図15C、ならびに以下の図に関する説明では、モデルの検証についてさらに詳細に説明する。
【0258】
図15Bは、いくつかの実施形態に係る、モデルを学習させるための方法2950を示す。2952において、コントロールは、モデルを学習データ(例えば、数ヶ月にわたって収集された画像からのデータ)上で実行する。2954において、コントロールは、モデルによって予測された出力のチェックを、ラベル付けされた学習データに対して行う。2956において、コントロールは、モデルの予測と実際のデータとの間のより良好な整合を生成するように(例えば、モデル予測と学習データとの間の誤差を最小限にするように)、モデルのパラメータ及び/又はネットワークトポロジーを調整する。1958において、コントロールは、モデルがいくつかの所定の学習基準を満たすかどうかを判定する。モデルが所定の学習基準を満たさない場合、コントロールは2952に戻る。モデルが所定の学習基準を満たす場合、コントロールは終了する。
【0259】
図15Cは、いくつかの実施形態に係る、モデルを検証するための方法2970を示す。方法2970は、K分割検証法と呼ばれるが、単に一例として示すものである。これ以外にも、他のモデル検証法を用いて、
図12A~14Iを参照して上述した様々なモデルを検証できる。
【0260】
2972において、コントロールは、検証に使用されるデータ(たとえば、学習に使用されない一部のデータ)をK(Kは1よりも大きい整数)個の区分に分割する。2974において、コントロールは、複数の同一のモデルからインスタンスを生成する。2976において、コントロールは、インスタンス化されたモデルのそれぞれに対して、1つの区分上でモデルを学習させ、残りの区分上でモデルを評価する。コントロールは、各評価に対して検証スコアを割り当てる。2978において、コントロールはモデルのK個の検証スコアの平均を求め、そのモデルの検証スコアを決定する。2980において、コントロールは、最も高い検証スコアを持つモデルの1つを選択して使用する。
【0261】
また、他の検証方法を使用してモデルを検証することも可能であり、例えば、N分割交差検証法を使用できる。この方法では、データセットは、1つの最終テストセットとN(Nは1より大きい整数)個の他のサブセットとに分割される。各モデルは、検証エラー率のN個の異なる推定値を得るために、1つを除く全てのサブセットで学習する。検証エラー率が最も低いモデルを選択して、使用する。
【0262】
図16A及び16Bは、機械学習法を使用して、
図12A~14Iを参照して上述したモデル等を生成するために使用される、回帰型ニューラルネットワークの一例を示す。機械学習は、予測(たとえば、上述したサービス及び構成要素の交換をスケジューリングするための予測)に適した複雑なモデル及びアルゴリズムを考案するために使われる方法である。
図12A~14Iを参照して上述したような、機械学習を使用して生成されたモデルは、信頼性の高い反復可能な決定及び結果を生成し、データ内の履歴関係及び傾向からの学習を通して、隠れた洞察を明らかにできる。
【0263】
図12A~15Bを参照して上述したような、回帰型ニューラルネットワーク型のモデルを使用し、機械学習を用いてモデルの学習を行う目的は、変数間の関係を数学的形式とせずに行う従属変数の直接予測である。ニューラルネットワークモデルは、並列に動作し、層状に配置された多数の仮想ニューロンを含む。第1の層は入力層であり、未処理の入力データを受信する。各連続層は、前の層からの出力を修正し、次の層へ送信する。最後の層は出力層であり、システムの出力を生成する。
【0264】
図16Aは、完全に接続されたニューラルネットワークを示す。所与の層の各ニューロンは、次の層の各ニューロンに接続されている。入力層では、各入力ノードは、任意の実数であってよい数値に関連付けられている。各層において、入力ノードから開始される各接続は、関連付けられた重みを有するが、この重みも任意の実数であってよい(
図16B参照)。入力層において、ニューロンの数は、データセット内の特徴(列)の数に等しい。出力層は、複数の連続出力を有し得る。
【0265】
入力層と出力層との間の層は隠れ層であり、隠れ層は1つでも複数でもよい(ほとんどのアプリケーションにおいて、1つの隠れ層で十分である)。隠れ層がないニューラルネットワークは、線形分離可能な関数又は決定を表すことができ、1つの隠れ層を有するニューラルネットワークは、1つの有限空間から別の有限空間への連続的なマッピングを行うことができ、2つの隠れ層を有するニューラルネットワークは、任意の滑らかなマッピングを任意の精度に近似し得る。
【0266】
ニューロンの数は最適化できる。学習の開始時には、ネットワーク構成は余分なノードを有する可能性が高い。ノードのうちのいくつかは、学習中にネットワークから除去してもよく、これによってネットワーク性能が大きく左右されることはない。例えば、学習後に0に近い重みを有するノードは除去してもよい(このプロセスはプルーニング(枝刈り)と呼ばれる)。ニューロンの数により、過少適合(データセット内の信号を適切に取り込むことができない)、又は過剰適合(全てのニューロンを学習させるには情報が不十分であり、ネットワークは、学習データセットに対しては良好に機能するが、テストデータセットに対しては良好に機能しない)を引き起こす場合がある。
【0267】
モデルの性能は、様々な方法及び基準を用いて測定できる。例えば、平均二乗誤差(RMSE)は、観測値とモデル予測との間の平均距離を測定する。決定係数(R2)は、観測結果と予測結果との間の相関(精度ではなく)を測定する。この方法は、データに大きな分散がある場合、信頼性が低くなる可能性がある。その他のパフォーマンス指標としては、削除不可能なノイズ、モデルバイアス、モデル分散などが挙げられる。あるモデルのモデルバイアスが高い場合、そのモデルは、予測子と結果との間の真の関係を取り込むことができないことを示す。モデル分散は、モデルが不安定であるかどうかを示す(データのわずかな摂動でも、モデル適合は顕著に変化する)。
【0268】
以下で説明する本開示のシステム及び方法は、特徴認識及び特徴抽出のためにツール内の基板及び周辺装置の一部の画像を撮像及び処理することに加えて、ツールを自動的に構成し、動作中にツール内で発生し得るいくつかのエラー(例えば、回復可能なエラー)の自動検出及びエラー回復を実行できる。特に、本開示によるシステムは、ツール(例えば、
図1~6Cに示されるツール)において実装されてもよく、また、ツールのセットアップ時(すなわち、ツールが設置及びセットアップされる際)にツールの様々なサブシステムの画像を撮像するために、ツール内の様々な位置に設置された複数のカメラを含んでいてもよい。システムは、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して、サブシステムを自動的に識別し、撮像されたサブシステムの画像に基づいてツールの構成を決定し、次いで識別されたサブシステムに基づいてツールを自動的に構成できる。例えば、システムは、ツールに設置されているバッファ、ロードロック(LL)/ロードポートモジュール(LPM)、ロボット、エンドエフェクタ(EE)、機器フロントエンドモジュール(EFEM)、バッファステーションなどの数やタイプを含む(ただし、これらに限定されない)ツール構成の詳細を、自動的に識別できる。次いで、このデータは、初期設置またはセットアップ時に、あるいは、1つ又は複数のサブシステムが追加、除去、交換、またはアップグレードされるツールに実行されるアップグレードまたはサービス後に、ツールを自動構成するために使用できる。
【0269】
特定の実施形態によれば、リアルタイムビデオ処理(領域ベース畳み込みニューラルネットワーク(R-CNN)、シングルショット検出(SSD)、You Only Look Once(YOLO)などのアルゴリズムを使用して実行されるオブジェクト追跡及び位置特定)を使用して、システムは、ツール内の移動オブジェクトの位置及び状態(例えば、ロボットの位置、ロボットエンドエフェクタの伸長/収縮、LL/LPMドアの開閉、EE上に存在する基板/エッジ結合リングなど)を追跡できる。オブジェクト(例えば、ロボット)の動作にエラーがあり、ツールが動作(例えば、基板の搬送)を停止した場合、システムは、ツールの状態を識別し、可能であれば、動作を再開するための修正措置を自動的に行える。修正措置は遠隔的に開始できる。さらに、修正措置がツールにおいて手動で行われる場合、システムは、手動介入を識別し、ツールが遠隔制御されることを防止したり、あるいはツールの手動介入及び遠隔制御を連携できる。システムのこれらの特徴、及び他の付加的特徴を、以下で詳細に説明する。
【0270】
以下の説明を通して、1つ又は複数の光源は、以下で説明されるように、カメラがオブジェクトの画像及び/または動画を撮像できるように、ツールの暗いエリアに配置される。例えば、
図11を参照して示し、上述したように、ロードロックなどのツール内の暗い領域では、ツールの構成要素を照明するように光源が配置され、カメラがそれらの画像/動画を撮像可能にしている。また、異なる波長を有する様々なタイプの光源及び照明の構成を使用できる。例えば、ツールは、EFEM内の1つの光源と、各LL内の1つの光源と、VTM用の2つの光源とを備えることができる。LLやVTMでは、カメラの近くに光源を配置している。感光性材料を有する基板の場合は、適切な波長を有する光源が使用され、光源からの光が基板の外側フィルム層に影響を及ぼすことを回避する。そのため、適切なスペクトル応答(可視光、近IR、IR)を備えたカメラが、高品質画像及び動画を撮像するために使用される。
【0271】
図17Aに、ツール3000上で自動構成、自動エラー検出及びエラー回復を実行できる、本開示の特定の実施形態に係るシステムを示す。例えば、システムは、
図1~6Cに示す任意のツールに実装できる(すなわち、ツール3000は、
図1~6Cに示す任意のツールを含み得る)。ツール3000は、複数のサブシステム3002、複数のカメラ3004、サブシステム3002のオブジェクトの照明としての光源3005、オブジェクト検出モジュール3006、構成モジュール3008、エラー検出モジュール3010、及びエラー回復モジュール3012を備える。ツール3000は、分散通信システム3016(例えば、
図8A-8Cに示す要素2010)を介して、遠隔コンピューティング装置3014(例えば、
図8A-8Cに示す要素2130)と通信する。
【0272】
サブシステム3002の例としては、ツール3000内に設置されたバッファ、ロードロック(LL)/ロードポートモジュール(LPM)、ロボット、エンドエフェクタ(EE)、機器フロントエンドモジュール(EFEM)などが挙げられるが、これに限定されない。カメラ3004は、ツール3000内の様々な位置に配置できる。カメラ3004の数及び位置は、ツール3000の構成によって決めることができる。例えば、様々なツール構成を示す
図1~6Cにおいて、ツールはそれぞれ異なる数のカメラが必要であり、またそれらのカメラはツール構成に応じて異なる位置に配置される。
【0273】
図17Bは、
図17Aのシステムで使用されるツール3000の一例を示す図であり、カメラがツール内の様々な位置に配置されている様子を示す。ここでは2つのタイプのカメラが示されており、第1のカメラは画像処理カメラであり、第2のカメラは動画ストリーミング及び動画処理用のカメラ(ビデオカメラと呼ばれる)である。例えば、ビデオカメラ3030は、ツールのロードポートモジュール(LPM)に配置される。3つのビデオカメラ3032、3034、及び3036は、ツールの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に配置される。2つのビデオカメラ3038及び3040は、ツールのエアロック(AL)に配置される。さらに、ツールのエアロック(AL)には、2つの画像処理カメラ3042、3044が配置されている。3つのビデオカメラ3046、3048、及び3049は、ツールの真空搬送モジュール(VTM)に配置される。ツール構成に応じて、それぞれのタイプのカメラを異なる数で、また異なる場所に配置した、他の様々な配置も想定できる。
【0274】
図17Aでは、オブジェクト検出モジュール3006は、様々な(以下で説明される)リアルタイム動画処理アルゴリズムを使用して、オブジェクト(例えば、サブシステム3002及びそれらの構成要素)の動き、及びツール3000内での位置をリアルタイムで検出する。オブジェクト検出モジュール3006によって実行されるオブジェクト検出の品質は、多くの要因に依存する。その要因には、例えば、使用するアルゴリズムのタイプが含まれる。要因には、カメラ3004の性能(例えば、解像度)を含んでいてもよく、また、カメラ3004の数及び位置を含んでいてもよい。
【0275】
例えば、オブジェクト検出モジュール3006によって実行されるオブジェクト検出の品質は、カメラ3004の数に比例し得る。いくつかのツール構成では、カメラがツール内の戦略的位置に配置され得る場合(例えば、1つ又は複数のカメラがツールの比較的大きな部分を写すことができる場合)、比較的高い品質のオブジェクト検出を、少数のカメラで実行できる。いくつかのツール構成においては、カメラの一部がツール内の戦略的位置に配置できないと、比較的多数のカメラが必要となる場合がある。
【0276】
いくつかの実施形態においては、オブジェクト検出モジュール3006は、サブシステム3002の画像を処理し、サブシステム3002を識別する。例えば、オブジェクト検出モジュール3006は、ツール3000に設置されているバッファ、ロードロック(LL)/ロードポートモジュール(LPM)、ロボット、エンドエフェクタ(EE)、機器フロントエンドモジュール(EFE)などの数量を識別できる。また、オブジェクト検出モジュール3006は、これらのサブシステム3002のタイプを識別できる。
【0277】
いくつかの実施形態によれば、これらの識別に基づいて、構成モジュール3008は、ツール3000を自動的に構成できる。例えば、構成モジュール3008は、識別されたサブシステム3002を操作及び制御するためのソフトウェアモジュールをロードできる。例えば、構成モジュール3008は、ツール3000のユーザインターフェース(UI)3018を自動的に構成できる。例えば、構成モジュール3008は、識別されたサブシステム3002を操作及び制御するためのUI 3018内のドロップダウンメニューとしていくつかの機能を自動的に利用可能にする一方で、識別されたサブシステム3002に適用できない又は互換性がない他の機能については利用不可とすることができる。例えば、識別されたサブシステム3002に応じて、構成モジュール3008は、いくつかの処理/操作(例えば、識別されたサブシステム3002上で、又は識別されたサブシステム3002を用いて実行可能な処理/操作)のみの実行を自動的に許可する一方で、他の処理(例えば、識別されたサブシステム3002上で、又は識別されたサブシステム3002を用いて実行できない処理/操作)の実行を禁止してもよい。
【0278】
いくつかの実施形態によれば、エラー検出モジュール3010は、ツール3000内のオブジェクト(例えば、ロボット、基板、エッジ結合リング、PM/LLS/LPMのドアなど)の移動及び位置を監視することによって、オブジェクト検出モジュール3006によって実行されるオブジェクト検出に基づいて、ツール3000内のエラーを検出する(以下の例を参照)。エラー回復モジュール3012は、エラー検出モジュール3010によって検出されたエラーの一部を自動的に修正する。例えば、エラー回復モジュール3012は、エラー検出モジュール3010によって検出された、回復可能なエラーのみを自動的に修正する。
【0279】
いくつかの実装形態では、エラー回復モジュール3012は、分散通信システム3016を介して、遠隔コンピューティング装置3014と通信できる。遠隔コンピューティング装置3014は、エラー回復モジュール3012を介してツール3000と通信することによって、エラーの一部を遠隔で修正できる。遠隔コンピューティング装置3014によるツール3000の遠隔制御中、ツール3000への手動介入を、構成モジュール3008によって無効にできる。逆に、エラーが手動介入を必要とする場合、ツール3000のサービスを提供するサービスパーソンの安全のため、遠隔コンピューティング装置3014によるツール3000の遠隔制御を無効にできる。カメラ3004は、ツール3000への手動介入(例えば、サービスパーソンの身体の部位)の有無を検出でき、構成モジュール3008は、サービスパーソンの安全を確保するために、遠隔コンピューティング装置3014によるツール3000の遠隔制御を無効にできる。いくつかの実装形態においては、サービスパーソンは、UI 3018を使用して、手動介入ならびに遠隔コンピューティング装置3014によるエラー修正を連携できる。
【0280】
以下に、エラー検出モジュール3010及びエラー回復モジュール3012によって実行される、エラー検出及びエラー回復の例を示す。なおこれらに限定されない。例えば、ツール3000のプロセスモジュール(PM)における基板のチャック解除の失敗により、あるいはPMにおけるリフトピンの誤動作により、基板が、PMの基板支持体(ESC)上において、中心からずれる場合がある。VTMロボットがPMに進入して基板を除去すると、PM内の動的アラインメント(DA)センサが規定範囲外のオフセットを検出する場合がある。これに従って、ツール3000は、エラーを生成または表示でき、VTMロボットは、基板の移動を停止して、基板がPMの壁/ドアに衝突するのを回避する。
【0281】
上記の例では、オブジェクト検出モジュール3006は、VTMロボットを監視するカメラ3004から受信したデータに基づいて、ロボットの位置、ロボットエンドエフェクタ(EE)の位置、及びPMのドアの状態(開閉)を含むツール状態を識別する。カメラ3004が、PMのドアが開いており、基板が依然としてEE上にあることを識別すると、エラー検出モジュール3010はエラーを識別し、エラー回復モジュール312は、ロボットをPM内に再進入させて、リフトピン上に基板を配置させ、DAセンサによって計算された新たな正しいオフセットで再び基板をピックアップさせる。この回復手順は、現在手動で行われており、そのためサービスパーソンはツール3000に居る必要がある。さらに、この手順では、場合によってはVTMまたはPMを開く必要があり、ツール動作のための工数費及び中断時間が増加する。これに対して、
図17Aに示されるシステムは、誤差を自動的に補正することによって、PMを開く必要性を回避し、工数費及び中断時間を低減できる。
【0282】
別の例では、VTMロボットが、処理された基板をツール3000のエアロック内に配置する際に、基板の温度が高すぎたり、及び/又はEEパッドが粘着性である場合、基板はエアロックフィンガ上に適切に配置されない可能性があり、その結果、基板はエアロックフィンガからスライドしてぶら下がる場合がある。ここでエアロックドアが閉じると、基板がエアロックドアの間に入り込んで損傷する可能性がある。あるいは、ATMロボットがエアロックに入って基板をピックアップする際に、基板が十字スロット状になっていると、EEがウェハを損傷する可能性がある。
【0283】
上記の例では、オブジェクト検出モジュール3006は、カメラ3004から受信したデータに基づいて、不適切な基板配置を検出でき、基板の中心及び面を識別できる。エラー検出モジュール3010は、不適切な基板配置によるエラーを検出する。エラー回復モジュール3012は、基板中心及び面をロボットに伝達する。ロボットは、可能であれば、ライブ閉ループ方式で、基板をピックアップするためのX/Y/Z座標における経路を見つける。あるいは、この動作は、遠隔コンピューティング装置3014を使用して、エラー回復モジュール3012から受信されたライブ動画ストリームを見ながら、ロボットを右方向にゆっくりと押すことによって、遠隔で実行できる。これにより、サービスパーソンがツール3000に居る必要がなくなり、またLLを開く必要もなくなり、ツールの中断時間及び人件費が削減できる。
【0284】
いくつかの実施形態において、エラー検出モジュール3010、エラー回復モジュール3012、及び構成モジュール3008は、エラーのタイプに応じて、他の方法でエラーに対応できる。例えば、サブシステム3002のエラーが回復不可である場合(例えば、交換部品が必要であり、その部品がない場合)、構成モジュール3008は、サブシステム3002を一時的に無効にできる。例えば、構成モジュール3008は、UI 3018におけるサブシステム3002のメニュー選択を無効にできる。例えば、構成モジュール3008は、サブシステム3002を回避するように、基板の処理シークエンスを変更してもよい。例えば、構成モジュール3008は、サブシステム3002をシャットダウンして、サービスが実施されるまでは誤って使用されないようにしてもよい。
【0285】
図17Cは、本開示の特定の実施形態に係る、ツールを自動的に構成するための方法3050を示す。例えば、
図17Aに示されるシステムは、以下のように方法3050を実行できる。3052において、方法3050では、ツール3000の電源がオンになっているかどうかを判定する。ツール3000の電源がオンになっている場合、3054において、方法3050では、ツール3000内の様々な場所に設置されたカメラ3004を使用して、ツール3000のサブシステム3002の画像を撮像する。3056において、方法3050では、
図17Aを参照して上記で詳述したように、カメラ3004によって検出されたサブシステム3002に基づいて、ツール3000を自動的に構成する。
【0286】
図17Dは、本開示の特定の実施形態に係る、ツールにおいて検出されたエラーを自動的に修正するための方法3070を示す。例えば、
図17Aに示されるシステムは、以下のように方法3070を実行できる。3072において、方法3070では、ツール3000内の様々な場所に設置されたカメラ3004を使用して、ツール3000のサブシステム3002をリアルタイムで監視する。3074において、方法3070では、(例えば、
図17Aを参照して上記で詳述したように、カメラ3004、オブジェクト検出モジュール3006、及びエラー検出モジュール3010を使用して)ツール300内でエラーが検出されたかどうかを判定する。方法3070では、エラーが検出されない場合、カメラ3004を使用して、ツール3000のサブシステム3002をリアルタイムで監視し続ける。
【0287】
3076においてエラーが検出された場合、方法3070では、エラーが手動介入なしに自動的に修正可能であるかどうかを判定する。エラーが手動介入なしに自動的に修正可能である場合、3078において、方法3070では、
図17Aを参照して上記で詳述したように、エラーを自動的に修正する。エラーが手動介入なしに自動的に修正できない場合、3080において、方法3070では、サービスをスケジューリング/要求する(例えば、UI 3018を介してツールオペレータに通知する)。
【0288】
図10Bに、少なくとも2つのカメラ2200及び2201を使用するステレオ画像処理システムを示す。
図18A~18Eを参照して以下で説明するように、いくつかの実装形態においては、単一のカメラ(たとえば、2200または2201)を使用したステレオ画像処理によって、エッジ結合リングの厚みプロファイルの3次元点群を作成できる。例えば、単一のカメラ(2200または2201)を使用して、エッジ結合リング2314(
図10Bに示す)の1つ又は複数の画像を撮像できる。そして、ステレオ画像処理技術を用いて、カメラで撮像した画像からエッジ結合リングの厚みプロファイルの3次元点群を作成できる。
【0289】
3次元点群は、空間内のオブジェクト(例えば、
図10Bのエッジ結合リング2314)、又はその一部のデータ点のセットである。いくつかの実施形態によれば、3次元点群は、エッジ結合リング2314の外面上の多くの点を測定することによって生成される。3次元点群は、直接分析されてもよく、メッシュ、表面モデル、または3Dモデルに変換されてもよい。次いで、エッジ結合リング2314がまだ新しい(すなわち、侵食がない)段階で生成されたエッジ結合リング2314のモデルに、3次元点群を位置合わせし、比較して差を決定できる。そして、その差に基づいて、エッジ結合リング2314の侵食量を判断できる。例えば、侵食によるエッジ結合リング2314の厚さの減少などの寸法の変化を、上記の差によって知ることができる。
【0290】
3次元点群は、エッジ結合リング2314の体積データを表すために使用することもでき、次いで、これを、侵食によるエッジ結合リング2314の厚みの減少を判定するために使用することもできる。
図11を参照して説明したコンピュータビジョンシステム2400の画像プロセッサ2408は、3次元点群の生成、点群データに基づく厚みプロファイルの生成、及びエッジ結合リングの厚みプロファイルの分析を含むステレオ画像処理を行って、エッジ結合リング2314の侵食量を評価できる。
【0291】
図18Aは、特定の実施形態に係る、単一のカメラを用いてステレオ画像処理を実行するためのシステム3100の一例を示す。システム3100は、1つのカメラのみを使用してエッジ結合リングの3次元点群を生成する。いくつかの実施形態においては、ロボットがロードロック内のエッジ結合リングを移動させ、ロードロック内の単一のカメラがエッジ結合リングの1つの画像を撮影し、次いで、ロボットがエッジ結合リングを所定の距離だけ移動させ、カメラがエッジ結合リングの別の画像を撮影し、次いで、画像プロセッサが、これらの2つの画像を使用して三角測量を実行し、3次元点群を計算する。ロボットは、エッジ結合を所定の距離だけさらに移動させることができ、各移動の後に、カメラは、点群計算のために追加の画像を撮影してもよい。これにより、測定の精度を高められる。
【0292】
図示の例では、システム3100は、ロボット3104を制御するシステムコンピュータ3102を備える。ロボット3104は、ロードロック3108内のエッジ結合リング3106を移動させる。光源3110は、エッジ結合リング3106に光を照射する。
図18Bに示すように、ロボット3104がエッジ結合リング3106を所定の距離だけ移動させるたびに、単一のカメラ3112がエッジ結合リング3106の画像を撮像する。カメラ3112に連結された画像プロセッサ3114は、
図18Cに示すように、三角測量を用いて画像を処理し、3次元点群を計算する。画像プロセッサ3114は、
図18Dに示すように、3次元点群に基づいて、エッジ結合リング3106の表面プロファイル(すなわち、厚みプロファイル)を生成する。画像プロセッサ3114は、三角測量を用いた3次元点群の生成、3次元点群データに基づく厚みプロファイルの生成、及びエッジ結合リングの厚みプロファイルの分析を含むステレオ画像処理を行って、エッジ結合リング3106の侵食量を評価できる。いくつかの実施形態では、画像プロセッサ3114及びカメラ3112は、
図11に示すコンピュータビジョンシステム2400の画像プロセッサ2408及びカメラ2402と同様とすることができる。いくつかの実装形態においては、システムコンピュータ3102は、エッジコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0293】
図18Dは、エッジ結合リング3106の表面プロファイルzが、式z=f(r)を使用して、エッジ結合リング3106の半径rの関数として記述できることを示している。
図18Bは、エッジ結合リング3106が、x軸に沿ってx1からx2まで所定の距離d1だけ移動した状態を示しており、P1=(x1,z1)及びP2=(x2,z2)は、それぞれ、カメラ3112によって撮像されたエッジ結合リング3106上の2つの点を表している。x1’とx2’は、それらの点をカメラ3112内のイメージセンサ上にx軸に沿って投影したものである。一般に、画像センサは、x1’及びx2’の線によって示される。
図18Cは、データP1及びP2を使用して画像プロセッサ3114によって行われる三角測量を示している。
【0294】
図18Eは、いくつかの実施形態に係る、単一のカメラ(例えば、
図18Aに示されるカメラ3112)を使用してステレオ画像処理を実行する方法3200を示す。方法3200は、エッジ結合リングの厚みプロファイルの3次元点群を作成するために使用できる。例えば、方法3200は、
図18Aに示される画像プロセッサ3114及びカメラ3112によって、または
図11に示されるコンピュータビジョンシステム2400の画像プロセッサ2408及びカメラ2402によって実行できる。
【0295】
3202において、方法3200では、
図18Bに示すように、また上記で説明したように、ロボット3104が所定の距離だけエッジ結合リング3106を移動させ、カメラ3112を使用してエッジ結合リング3106の画像を撮像する。少なくとも2つの画像が、異なる場所で撮像される。3204において、方法3200では、
図18Cに示すように、また上記で説明したように、カメラ3112で撮像した画像からのデータを三角測量することにより3次元点群を生成する。3206において、方法3200では、
図18Dに示すように、また上記で説明したように、エッジ結合リング3106の厚みプロファイルを生成する。
【0296】
3208において、方法3200では、生成した厚みプロファイルを、同じ技術を使用して生成された、エッジ結合リング3106が新しい段階での以前の厚みプロファイルと比較する。3210において、方法3200では、比較に基づいてエッジ結合リング3106の侵食量を決定する。
【0297】
3212において、方法3200では、エッジ結合リング3106の侵食量が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。エッジ結合リング3106の侵食量が所定の閾値以上でない場合、3214において、方法3200では、エッジ結合リング3106の使用が継続され、3102に戻る。エッジ結合リング3106の侵食量が所定の閾値以上である場合、3216において、方法3200では、エッジ結合リング3106を新しいエッジ結合リングと交換すべきであると判断し、交換後、3202に戻る。
【0298】
前述の説明は、本質的には単なる例示であり、本開示、その適用、または使用を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、種々の形態で実装され得る。従って、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を参照すれば、本開示の他の変更形態は明白であり、本開示には特定の例を含んでいるものの、本開示の真の範囲はそのような特定の例には限定されない。ある方法において、1つ又は複数のステップは、本開示の原理を変更しない限り、異なる順序で(または同時に)実行できることを理解されたい。
【0299】
また、各実施形態はそれぞれ特定の特徴を有するものとして上に記載されているが、本開示の各実施形態に関して説明される任意の1つ又は複数のそれらの特徴は、その組み合わせが明示的に説明されていない場合であっても、任意の他の実施形態の特徴を用いて実装でき、及び/又は任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。言い換えれば、上記の実施形態は相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態を互いに組み合わせる順列のそれぞれは、本開示の範囲に含まれる。
【0300】
それぞれの要素(例えば、モジュール、回路素子、半導体層など)の空間的及び機能的な関係は、「接続(connected)」、「係合(engaged)」、「結合(coupled)」、「近接(adjacent)」、「隣接(next to)」、「直上(on top of)」、「上(above)」、「下(below)」、「配置(disposed)」など、さまざまな用語を用いて記載される。また、第1及び第2の要素の間の関係が上記の開示で説明されている場合、「直接」と明示的に説明されていない限り、その関係は、第1及び第2の要素の間に他の介在要素が存在しない、直接的な関係でもあり得るが、第1及び第2の要素の間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する、間接的な関係でもあり得る。
【0301】
本明細書で用いられる場合、A、B、Cのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的な論理ORを用いた論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、Cのうちの少なくとも1つ」とは解釈されるべきではない。
【0302】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上記で説明した例の一部となり得るシステムの一部である。該システムは、1つ又は複数の処理ツール、1つ又は複数のチャンバ、1つ又は複数の処理用プラットフォーム、及び/又は特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、及び処理後に、その動作を制御するための電子機器と統合されていてもよい。
【0303】
電子機器は、1つ又は複数のシステムの種々の構成要素、またはサブパーツの制御を可能とする「コントローラ」と称することもできる。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置及び動作設定、特定のシステムに接続またはインターフェース接続されたツール及び他の搬送ツール及び/又はロードロックの内外へのウェハ搬送を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0304】
概して、コントローラは、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義でき、命令を受信・発令し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、終了点測定を可能にする、等を行う。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでいてもよい。
【0305】
プログラム命令は、様々な個々の設定(又はプログラム・ファイル)の形態でコントローラに通信される命令であってもよく、半導体ウェハに対して、半導体ウェハに関連して、又はシステムに対して、特定の処理を実行する操作パラメータを定義する。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、ウェハの1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、シリコン二酸化物、表面、回路、及び/又はダイの製造中において、1つ又は複数の処理ステップを達成するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0306】
いくつかの実装形態においては、コントローラは、システムと統合または結合されるか、そうでなければ、システムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であるか、あるいは結合されていてもよく、またこれらを組み合わせた形態であってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、またはfabホストコンピュータシステムの全体もしくは一部として遠隔アクセスによってウェハ処理を行ってもよい。コンピュータは、システムへの遠隔アクセスを可能にし、製造動作に関する現在の経過を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向若しくは性能メトリックを調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に追従する処理ステップを設定するか、又は新たな処理を開始してよい。
【0307】
いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワーク上で処理レシピをシステムに提供でき、ネットワークには、ローカル・ネットワーク又はインターネットを含んでよい。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてもよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、データの形態で命令を受信し、命令は、1つ又は複数の動作の間に実施すべき処理ステップのそれぞれに対するパラメータを指定する。パラメータは、実施する処理のタイプ、及びコントローラがインターフェース接続又は制御するように構成したツールのタイプに特定であってもよいことを理解されたい。
【0308】
従って、上記のように、コントローラは、例えば、1つ又は複数の離散型コントローラなどを用いて分散してもよく、1つ又は複数の離散型コントローラは、まとめてネットワーク接続され、本明細書で説明する処理及び制御等、共通の目的を持って動作する。このような目的のための分散型コントローラの一例は、(プラットフォーム・レベルで、又は遠隔コンピュータの一部として等)遠隔設置された1つ又は複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つ又は複数の集積回路であり、チャンバ上での処理を制御するように組み合わせられる。
【0309】
限定はしないが、システムの例として、プラズマ・エッチングチャンバ若しくはモジュール、堆積チャンバ若しくはモジュール、スピンリンスチャンバ若しくはモジュール、金属めっきチャンバ若しくはモジュール、クリーンチャンバ若しくはモジュール、斜縁エッチングチャンバ若しくはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバ若しくはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバ若しくはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはモジュール、イオン注入チャンバ若しくはモジュール、トラックチャンバ若しくはモジュール、並びに半導体半導体ウェハの作製及び/又は製造に関連するか若しくは使用できるあらゆる他の半導体処理システムを含み得る。
【0310】
上記のように、ツールによって実施する1つ又は複数の処理ステップに応じて、コントローラは、1つ又は複数の他のツール回路若しくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタ・ツール、他のツール・インターフェース、近接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツール位置及び/又はロードポートへ、またはそこからウェハの容器を運ぶ材料移送において使用されるツールと通信できる。また本開示は、以下の形態として実現できる。
[形態1]
基板処理システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び前記基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像を処理し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記画像からの第1のデータを、ネットワークを介してリモートサーバに送信し、
前記第1のデータの前記リモートサーバへの送信に対応して、前記ネットワークを介して前記リモートサーバから第2のデータを受信し、
前記第2のデータに基づいて、前記基板処理システムを操作する、
ための前記命令を格納する、基板処理システム。
[形態2]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板、前記基板に関連付けられたエッジ結合リング、又は前記基板を移送するロボットを支持するために使用されることに対応して、前記第2のデータが、
前記パッドの状態を示す指標と、
サービスと前記パッドの交換の1つ又は複数に関する推奨事項と、
の1つ又は複数を含み、
前記命令が、前記パッドのサービス及び交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記パッドのサービス及び交換の1つ又は複数のスケジュールの生成を実行させるシステム。
[形態3]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標と、
前記基板の状態を示す指標と、
前記基板の交換に関する推奨事項と、
前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つでの前記レシピを選択させるシステム。
[形態4]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記基板を処理するための前記レシピを選択させるシステム。
[形態5]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標と、
前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つの状態を示す指標と、
前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするためのレシピの選択のための指標と、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、
前記処理チャンバの前記1つの状態を示す前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記処理チャンバの前記1つに対するサービスをスケジューリングさせ、及び
前記レシピの選択に関する前記指標を含む前記第2のデータに対応して、前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするための前記レシピを選択させるシステム。
[形態6]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記第2のデータは、
前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標と、
前記ロボット又は前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、
前記ロボットのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットのサービスに関するスケジュールを生成させ、
前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記ロボットへの前記基板の放出に関する前記処理チャンバの前記1つの調整を行わせるシステム。
[形態7]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングのシリアル番号と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して前記正しいシリアル番号を有する前記第2のエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させるシステム。
[形態8]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記推奨事項を含む前記第2のデータに対応して、前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した前記正しいエッジ結合リングに交換するためのスケジュールを生成させるシステム。
[形態9]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標と、
前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標、
のうちの1つ又は複数を含み、
前記命令によって、前記調整に関する前記指標を含む第2のデータに対応して、前記プロセッサに、さらに、前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピを調整させるシステム。
[形態10]
形態1に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記第2のデータは、
前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、また前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングとは異なる変化を示すことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含み、
前記命令によって、前記プロセッサに、さらに、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用される前記レシピの少なくとも1つを調整させるシステム。
[形態11]
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、前記プロセッサによって実行される、
カメラによって撮像された、基板及び基板処理システムの構成要素のうちの少なくとも1つの画像のデータをネットワークを介して受信し、前記構成要素は、前記基板処理システムの処理チャンバ間、又は前記基板処理システムと第2の基板処理システムとの間で前記基板を移送することに関連しており、前記カメラは、前記基板処理システムの前記基板の移動経路に沿って前記処理チャンバ間に配置されており、
前記データの一部を、前記基板処理システムの操作に役立つ出力を提供するように学習したモデルに入力し、
前記モデルからの前記出力を前記ネットワーク経由で前記基板処理システムに送信する
ための前記命令を格納するシステム。
[形態12]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記基板処理システムのロードロックに配置されたパッドを含み、前記パッドが前記基板、前記基板に関連付けられたエッジ結合リング、又は前記基板を移送するロボットを支持するために使用されることに対応して、前記モデルの前記出力は前記パッドの状態を示し、前記パッドのサービス及び交換のうちの1つ又は複数に関する推奨事項を含むシステム。
[形態13]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであり、及び前記基板が前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの1つのクリーニング中に使用されることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板が、前記基板処理システムの前記処理チャンバのうちの前記1つのクリーニング中に使用されるタイプのものであることを示す指標と、
前記基板の状態を示す指標と、
前記基板の交換に関する推奨事項と、
前記処理チャンバの前記1つでのレシピの選択に関する推奨事項
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態14]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記基板を処理するためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態15]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記基板のものであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板のタイプを示す指標と、
前記処理チャンバの1つで前記基板に対して行われた処理を示す指標と、
前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つの状態を示す指標と、
前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つをクリーニングするためのレシピを選択するための指標、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態16]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が、前記基板処理システムのロードロックに配置された前記カメラによって撮像された前記基板の前記画像であることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記基板を処理した前記処理チャンバの1つから前記基板を移送するロボットによって前記ロードロックに前記基板を配置する際のドリフトを示す指標と、
前記ロボット、又は前記基板を処理した前記処理チャンバの前記1つのサービスに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態17]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングのシリアル番号と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに対して正しいシリアル番号を有する第2のエッジ結合リングに交換することに関する推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態18]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングが正しくないことを示す指標と、
前記基板の処理に関連する問題が、前記エッジ結合リングが正しくないことに起因することを示す指標と、
前記エッジ結合リングを、前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングに交換するという推奨事項、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態19]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受けた前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記処理チャンバの前記1つにおけるエッチングレートの指標と、
前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの調整の指標、
のうちの1つ又は複数を含むシステム。
[形態20]
形態11に記載のシステムであって、
前記画像が前記構成要素のものであり、前記構成要素が前記処理チャンバの1つから受け取った前記基板に関連付けられたエッジ結合リングであることに対応して、前記モデルの前記出力は、
前記エッジ結合リングが前記処理チャンバの前記1つに適した正しいエッジ結合リングであり、前記処理チャンバが同じレシピを使用し、前記エッジ結合リングが前記基板処理システムの他の処理チャンバのエッジ結合リングよりも変化が大きいことに対応して、前記エッジ結合リングと前記処理チャンバの前記1つで使用されるレシピの少なくとも1つを調整するための指標を含むシステム。
[形態21]
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成する
ための前記命令を格納するシステム。
[形態22]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別し、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
[形態23]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムに設置された1つ又は複数のサブシステムを自動的に識別させ、前記識別されたサブシステムに基づいて、前記基板処理システムのユーザインターフェースを自動的に構成させるシステム。
[形態24]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムの電源がオンになったことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
[形態25]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムがサービスを受けたことに対応して、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
[形態26]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、追加されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された追加されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
[形態27]
形態21に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、削除されたサブシステムまたは前記サブシステムの構成要素を自動的に識別させ、前記識別された削除されたサブシステム又は前記サブシステムの前記構成要素に基づいて、前記基板処理システムを自動的に構成させるシステム。
[形態28]
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された1つ又は複数のカメラからデータを受信し、前記基板処理システムは、複数のプロセスモジュールと、前記プロセスモジュール間及び前記基板処理システムと第2の基板処理システムの間の基板を移送するように構成されたロボットとを含み、
前記基板処理システムに配置された前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの状態を自動的に識別する、
ための前記命令を格納するシステム。
[形態29]
形態28に記載のシステムであって、
前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データが動画データを含み、前記命令によって、前記プロセッサに、前記動画データのリアルタイム処理を使用して、1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させるシステム。
[形態30]
形態28に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記基板処理システムのオブジェクトの動きを自動的に追跡させ、前記基板処理システムの前記オブジェクトの前記動きに基づいて、前記基板処理システムの1つ又は複数のサブシステムの前記状態を自動的に識別させるシステム。
[形態31]
形態28に記載のシステムであって、
前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記エラーを自動的に修正させるシステム。
[形態32]
形態28に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令は、前記プロセッサに、前記ネットワークを介して、前記遠隔コンピューティング装置から受信したデータに基づいて、前記エラーを自動的に修正させるシステム。
[形態33]
形態28に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データを、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置へ通信するように構成されており、また、前記命令によって、前記プロセッサが、前記1つ又は複数のカメラから受信した前記データに基づいて、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを前記ネットワークを介して制御することを許可するシステム。
[形態34]
形態28に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記遠隔コンピューティング装置による前記基板処理システムの制御を許可させる一方で、前記遠隔コンピューティング装置が前記ネットワークを介して前記基板処理システムを制御している間は、前記基板処理システムの手動制御を許可しないようにさせるシステム。
[形態35]
形態28に記載のシステムであって、
前記プロセッサは、ネットワークを介して遠隔コンピューティング装置と通信するように構成されており、前記命令によって、前記プロセッサに、前記基板処理システムが手動で制御されている間、前記遠隔コンピューティング装置が前記基板処理システムを制御することを許可しないようにさせるシステム。
[形態36]
形態28に記載のシステムであって、
前記サブシステムの1つに関連して前記状態がエラーとなっていることに対応して、前記命令によって、前記プロセッサに、前記サブシステムの前記1つを自動的に無効にさせるシステム。
[形態37]
形態30に記載のシステムであって、
前記オブジェクトが、前記ロボット、前記基板の1つ、前記基板と共に使用されるエッジ結合リング、前記プロセスモジュールの1つのドア、前記基板処理システムのロードロックモジュールのドア、または前記基板処理システムのロードポートモジュールのドアを含むシステム。
[形態38]
システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を格納するメモリと、を備え、
前記メモリは、
基板処理システムに配置された単一のカメラでエッジ結合リングから撮像したデータを受信し、
三角測量を使用して前記データを処理し、前記エッジ結合リングの厚みプロファイルを表す3次元点群を生成し、
前記厚みプロファイルに基づいて、前記エッジ結合リングの侵食量を決定する、
ための前記命令を格納するシステム。
[形態39]
形態38に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記侵食量が所定の閾値以上であるかどうかを判定させ、前記侵食量の指標を生成させるシステム。
[形態40]
形態38に記載のシステムであって、
前記命令によって、前記プロセッサに、前記厚みプロファイルを、前記エッジ結合リングが前記基板処理システムに最初に設置されたときに作成された、以前の3次元点群から生成された以前の厚みプロファイルと比較することによって、前記侵食量を決定させるシステム。