(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】改良された選択性およびフローコンダクタンスを有する金属酸化物前洗浄チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20250109BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20250109BHJP
C23C 14/02 20060101ALI20250109BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C14/02 B
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2022542171
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(86)【国際出願番号】 US2021030021
(87)【国際公開番号】W WO2021222668
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2024-04-12
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】グエン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】チャン シュエ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユ
(72)【発明者】
【氏名】タン シャンミン
(72)【発明者】
【氏名】フォースター ジョン シー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュワナス ヨガナンダ サロデ
(72)【発明者】
【氏名】サイナス アビラッシュ
(72)【発明者】
【氏名】グン ツァ-ジン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-342703(JP,A)
【文献】特開2016-136522(JP,A)
【文献】特表2005-521229(JP,A)
【文献】特開2008-135739(JP,A)
【文献】特開2009-052142(JP,A)
【文献】特開平08-335568(JP,A)
【文献】特開2006-303309(JP,A)
【文献】特表2011-517116(JP,A)
【文献】特開2001-077088(JP,A)
【文献】特開2000-208490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
C23C 14/02
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ内で使用するプロセスキットであって、
上部および下部を有する管状本体を有するチャンバライナと、
前記チャンバライナの前記下部に結合された、前記チャンバライナから半径方向内側へ延びる閉じ込めプレートであり、複数のスロットを含む前記閉じ込めプレートと、
前記チャンバライナ内に配されたシールドリングであり、前記チャンバライナの前記上部と前記チャンバライナの前記下部の間で移動可能な前記シールドリングと、
複数のグラウンドストラップであり、前記シールドリングが移動したときに前記シールドリングと前記チャンバライナの間の電気接続を維持するために、前記複数のグラウンドストラップのうちのそれぞれのグラウンドストラップの第1の端部のところで前記シールドリングに結合され、それぞれのグラウンドストラップの第2の端部のところで前記閉じ込めプレートに結合された前記複数のグラウンドストラップと
を備えるプロセスキット。
【請求項2】
前記複数のグラウンドストラップのうちのそれぞれのグラウンドストラップが、上部プレート、下部プレートおよびそれらの間の金属ストラップを含む、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項3】
前記上部プレートが前記シールドリングに結合されており、前記下部プレートが前記閉じ込めプレートに結合されている、請求項2に記載のプロセスキット。
【請求項4】
前記シールドリングが、内壁、前記内壁から半径方向外側へ延びるレッジ、および前記レッジから上方へ延びる外壁を含み、前記シールドリングを通り抜けることなしに、前記シールドリングを迂回して、前記シールドリングの前記外壁と前記チャンバライナの間にガス流経路が延びている、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項5】
前記シールドリングの前記レッジ上に配された、セラミック材料でできたシールドリングカバーをさらに備える、請求項4に記載のプロセスキット。
【請求項6】
前記閉じ込めプレートが、外側プレートに結合された内側プレートを含み、前記複数のスロットが、前記内側プレートに配された複数の内側半径方向スロットおよび前記外側プレートに配された複数の外側半径方向スロットを含む、請求項1~5のいずれかに記載のプロセスキット。
【請求項7】
前記複数の外側半径方向スロットが異なる長さを有し、前記複数の内側半径方向スロットが均一な長さを有する、請求項6に記載のプロセスキット。
【請求項8】
前記複数の内側半径方向スロットのうちのそれぞれの内側半径方向スロットの長さが、前記複数の外側半径方向スロットのうちのそれぞれの外側半径方向スロットの長さよりも大きい、請求項6に記載のプロセスキット。
【請求項9】
前記内側プレートが、前記外側プレートに結合された複数の内側プレートセグメントを含む、請求項6に記載のプロセスキット。
【請求項10】
前記チャンバライナの前記下部が、前記下部の下面から半径方向内側へ延びる下部レッジを含む、請求項1~5のいずれかに記載のプロセスキット。
【請求項11】
前記チャンバライナの前記上部に結合されたプラズマ閉じ込めリングまたは前記チャンバライナの前記上部の上に載ったプラズマ閉じ込めリングをさらに備える、請求項1~5のいずれかに記載のプロセスキット。
【請求項12】
前記プラズマ閉じ込めリングが、管状本体および前記管状本体の上面から半径方向外側へ延びる上部フランジを含み、前記上部フランジが、前記チャンバライナの上部内側ノッチの上に載っている、請求項11に記載のプロセスキット。
【請求項13】
前記シールドリングが内壁および外壁を含み、前記シールドリングが上位置にあるときには前記プラズマ閉じ込めリングが前記内壁と前記外壁の間に延び、前記シールドリングが下位置にあるときには前記プラズマ閉じ込めリングが前記内壁と前記外壁の間に延びない、請求項11に記載のプロセスキット。
【請求項14】
処理容積内での直接圧力測定を容易にするために、前記プラズマ閉じ込めリングが、前記プラズマ閉じ込めリングを貫いて延びるチャネルを含む、請求項11に記載のプロセスキット。
【請求項15】
内部容積をその中に有するチャンバ本体と、
前記内部容積にプロセスガスを供給するために前記内部容積内に配されたシャワーヘッドと、
基板を支持するために、前記内部容積内に前記シャワーヘッドと向かい合わせに配された基板支持体であり、前記基板支持体が、第1の位置から第2の位置に垂直に移動するように構成されており、前記第2の位置の方が前記第1の位置よりも前記シャワーヘッドに近い、前記基板支持体と、
請求項1~5のいずれかに記載のプロセスキットであり、前記プロセスキットの前記チャンバライナが、前記チャンバ本体に結合されており、前記基板支持体の周囲に配されており、前記シールドリングが、前記基板支持体に結合されており、前記基板支持体とともに移動可能である、前記プロセスキットと
を備えるプロセスチャンバ。
【請求項16】
その中にプラズマを閉じ込めるために、前記チャンバライナ内の前記シャワーヘッドの近くに配されたプラズマ閉じ込めリングをさらに備え、前記第2の位置にあるときに、前記シールドリングの内壁が前記プラズマ閉じ込めリング内に配される、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項17】
前記基板支持体に結合され、前記基板支持体の周囲に配された下部ライナをさらに備え、前記第2の位置では、前記下部ライナが、前記シールドリングと前記閉じ込めプレートの間に配され、前記下部ライナの外径が前記閉じ込めプレートの内径よりも小さい、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項18】
前記第1の位置では、前記基板支持体が前記シャワーヘッドから約3.0インチ~約5.0インチのところにあり、前記第2の位置では、前記基板支持体が前記シャワーヘッドから約0.2インチ~約1.0インチのところにある、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項19】
前記閉じ込めプレートが、前記閉じ込めプレートの内縁から上方へ延びる内側リップを含む、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項20】
前記チャンバ本体内の前記基板支持体の1つの側に配されたポンプポートをさらに備え、前記閉じ込めプレートの前記複数のスロットが、前記閉じ込めプレートの前記ポンプポートに近い側の近くのより短い長さ、および前記閉じ込めプレートの前記ポンプポートから遠い側のより長い長さを有する、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に基板処理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
前洗浄プロセスを実行するように構成されたプロセスチャンバが知られている。例えば、そのようなチャンバは、1つまたは複数の障壁層、例えばチタン(Ti)、銅(Cu)などを基板上に堆積させる物理的気相堆積(PVD)の前に基板の金属コンタクトパッド上の自然酸化物を除去するように、および他の材料を除去するように構成されている。前洗浄チャンバは通常、(RFプラズマによって誘起された)イオン衝撃を使用して、金属コンタクトパッド上の自然酸化物および他の材料を除去する。例えば、前洗浄プロセスは、エッチングによって自然酸化物および材料を基板から除去することができる。この前洗浄プロセスは、基板上の集積回路の性能および電力消費を強化するため、ならびに接着を促進するために、基板上の金属コンタクト間の接触抵抗を低下させるように構成されている。
【0003】
プラズマ洗浄プロセスを実行するためには、プラズマチャンバ内に集積回路を置き、ポンプによってチャンバから空気の大部分を除去する。注入されたアルゴンなどのガスに電磁エネルギー(例えば高周波)を与えて、注入されたガスを励起し、プラズマ状態にする。プラズマはイオンを放出し、それらのイオンは、基板の表面を衝撃して、基板から汚染物質および/または材料を除去する。汚染物質および/または基板材料の原子または分子がエッチングによって基板から除去され、その大部分は、ポンピングによりチャンバから排出される。しかしながら、汚染物質および/またはエッチングされた材料の一部がチャンバの表面に堆積することがある。通常は、チャンバの表面への汚染物質および/またはエッチングされた材料の堆積を低減させ、または防ぐために、プロセスキットが使用される。しかしながら、増加した汚染物質またはエッチングされた材料を有するある種のプラズマ洗浄またはエッチングプロセスに関して、プロセスキットは、追い出された材料を除去するのに十分なフローコンダクタンス(flow conductance)またはフローイコライゼーション(flow equalization)を提供しないことがある。
【0004】
したがって、本発明の発明者は、改良されたプロセスキットがその中に配された改良されたプロセスチャンバの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、プロセスチャンバ内で使用するプロセスキットの実施形態が記載されている。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ内で使用するプロセスキットが、上部および下部を有する管状本体を有するチャンバライナと、チャンバライナの下部に結合された、チャンバライナから半径方向内側へ延びる閉じ込めプレートであり、複数のスロットを含む閉じ込めプレートと、チャンバライナ内に配されたシールドリングであり、チャンバライナの上部とチャンバライナの下部の間で移動可能なシールドリングと、複数のグラウンドストラップであり、シールドリングが移動したときにシールドリングとチャンバライナの間の電気接続を維持するために、複数のグラウンドストラップのうちのそれぞれのグラウンドストラップの第1の端部のところでシールドリングに結合され、それぞれのグラウンドストラップの第2の端部のところで閉じ込めプレートに結合された複数のグラウンドストラップとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ内で使用するプロセスキットが、上部および下部を有する管状本体を有するチャンバライナと、チャンバライナの下部に結合された、チャンバライナから半径方向内側へ延びる閉じ込めプレートであり、閉じ込めプレートが、複数の内側半径方向スロットを有する内側部分および複数の外側半径方向スロットを有する外側部分を含み、複数の外側半径方向スロットが異なる長さを有する、閉じ込めプレートと、チャンバライナ内に配されたシールドリングであり、チャンバライナの上部とチャンバライナの下部の間で移動可能なシールドリングと、シールドリングが移動したときにシールドリングとチャンバライナの間の電気接続を維持するために、第1の端部のところでシールドリングに結合され、第2の端部のところで閉じ込めプレートに結合された複数のグラウンドストラップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバが、内部容積をその中に有するチャンバ本体と、内部容積にプロセスガスを供給するために内部容積内に配されたシャワーヘッドと、基板を支持するために、内部容積内にシャワーヘッドと向かい合わせに配された基板支持体であり、基板支持体が、第1の位置から第2の位置に垂直に移動するように構成されており、第2の位置の方が第1の位置よりもシャワーヘッドに近い、基板支持体と、チャンバ本体に結合され、基板支持体の周囲に配されたチャンバライナと、チャンバライナに結合された閉じ込めプレートと、基板支持体に結合された、基板支持体と一緒に移動可能なシールドリングであり、閉じ込めプレートと基板支持体の間に配されたシールドリングと、基板支持体が第1の位置および第2の位置にある間、基板支持体とチャンバライナの間の電気接続を維持するために、第1の端部のところでシールドリングに結合され、第2の端部のところで閉じ込めプレートに結合された複数のグラウンドストラップとを含む。
【0008】
以下では、本開示の他の実施形態および追加の実施形態を開示する。
【0009】
上に概要を簡潔に示した、後により詳細に論じる本開示の実施形態は、添付図面に示された本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を、範囲を限定するものとみなすべきではない。これは、本開示が、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があるためである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、第1の位置にあるプロセスチャンバの概略側面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、第2の位置にあるプロセスチャンバの概略側面図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、チャンバライナの上面等角図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、閉じ込めプレートの上面等角図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、シールドリングの上面等角図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、グラウンドストラップの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために、同一の参照符号を使用した。図は、一定の倍率では描かれておらず、明瞭にするために簡略化されていることがある。特段の言及がなくとも、1つの実施形態の要素および特徴が、別の実施形態に有益に組み込まれることがある。
【0012】
本明細書には、プロセスチャンバ内で使用するプロセスキットの実施形態が記載されている。このプロセスチャンバは、適当な任意のプロセス、例えばエッチングプロセス、堆積プロセスまたは前洗浄プロセスを基板に対して実行するように構成されたものとすることができる。いくつかの実施形態では、このプロセスチャンバが金属酸化物前洗浄チャンバである。単一のプロセスチャンバを使用して前洗浄プロセスの多数のステップを実行することができるように、このプロセスチャンバは、さまざまな圧力範囲で選択的に動作するように構成されたものとすることができる。例えば、このプロセスチャンバは、100ミリトルよりも低い圧力で、または30トルもの高い圧力で動作することができるものとすることができる。いくつかの実施形態では、第1のステップをこのプロセスチャンバで実行し、第2のステップを第2のプロセスチャンバで実行し、第3のステップを、第1のステップと同じプロセスチャンバで実行することができる。第1のステップは例えば低圧水素前洗浄プロセスとすることができる。第3のステップは例えば高圧水素前洗浄プロセスとすることができる。
【0013】
このプロセスチャンバ内に配されたチャンバ部品は、急速なポンプダウンおよびより高い処理圧への急速な復帰を有利に容易にして、高圧プロセスと低圧プロセスの間のより急速な切換えを可能にする。チャンバ部品は、高圧プロセスを実行するのかまたは低圧プロセスを実行するのかに応じて異なる構成で配置することができる。例えば、低圧プロセス中には、プロセスチャンバ内に配された基板支持体を、高圧プロセス中よりもシャワーヘッドから遠くに配置することができる。本明細書に記載されたプロセスチャンバの実施形態は、基板支持体がシャワーヘッドに対して垂直に移動している間、連続的なRF接地を有利に提供し、機械的摩擦および粒子生成を回避する。このプロセスチャンバは、独立型のチャンバとすることができ、またはマルチチャンバ処理ツールの部分とすることができる。
【0014】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体124が第1の位置にあるプロセスチャンバ100(例えばプラズマ処理チャンバ)の概略側面図である。
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、基板支持体124が第2の位置にあるプロセスチャンバ100の概略側面図である。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ100が前洗浄プロセスチャンバである。しかしながら、異なるプロセス向けに構成された他のタイプのプロセスチャンバが本明細書に記載されたプロセスキットの実施形態を使用することもでき、または異なるプロセス向けに構成された他のタイプのプロセスチャンバを、本明細書に記載されたプロセスキットの実施形態とともに使用するように変更することもできる。いくつかの実施形態では、第1の位置が、低圧プロセスを実行するための構成に対応する。いくつかの実施形態では、第2の位置が、高圧プロセスを実行するための構成に対応する。
【0015】
プロセスチャンバ100は、内部容積120内の大気圧よりも低い圧力を基板処理の間、維持するように適当に適合された真空チャンバである。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ100が、約1ミリトル~約30トルの圧力を維持することができる。プロセスチャンバ100は、内部容積120の上半分に位置する処理容積119を囲うリッド104によってふたがされたチャンバ本体106を含む。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ100が、チャンバ本体106とリッド104の間に配された、チャンバ本体106の側壁の上に載ったアダプタ(図示せず)を含むことができる。プロセスチャンバ100にRF電力を供給するため、プロセスチャンバ100にRF電源170を結合することができる。いくつかの実施形態では、RF電源170によって供給されるRFエネルギーの周波数を、約10MHz以上または35MHz以上とすることができる。さまざまなチャンバ部品とエッチングされた材料および他の汚染物質との間の望まれていない反応を防ぐために、プロセスチャンバ100は、このような部品の境界に位置するプロセスキット110を含む。チャンバ本体106、アダプタ180およびリッド104は、金属(例えばアルミニウム)でできたものとすることができる。グラウンド115への結合によってチャンバ本体106を接地することができる。
【0016】
プロセスチャンバ100は、プロセスガス供給118に結合されており、かつプロセスガス供給118と流体連結しており、プロセスガス供給118は、プロセスチャンバ100の中に配された基板を処理するために1種または数種のプロセスガスをプロセスチャンバ100に供給することができる。いくつかの実施形態では、リッド104が、プロセスガス供給118からのガスをそこを通して内部容積120に導入することができるポートを含む。いくつかの実施形態では、プロセスガス供給118が水素ガスを供給する。いくつかの実施形態では、プロセスガス供給118からのガスを複数の開口117を介して処理容積119に注入するために、リッド104にシャワーヘッド182が結合されており、シャワーヘッド182は内部容積120に配されている。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド182が、ゾーンによって異なる温度で処理容積119にガスを注入するように構成された多ゾーンシャワーヘッドである。例えば、シャワーヘッド182は、第1のゾーン146および第2のゾーン148を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のゾーン146が第2のゾーン148の半径方向内側にある。
【0017】
シャワーヘッド182の1つまたは複数のゾーンの温度制御を容易にするために、いくつかの実施形態ではシャワーヘッド182に冷却プレート162が結合されている。冷却プレート162は、冷却プレート162の中を通る複数の冷却チャネル164を含む。複数の冷却チャネル164は、シャワーヘッド182のゾーンに対応する流体的に独立したセット内に配置することができる。複数の冷却チャネル164には冷却器168が結合されており、冷却器168は、冷却チャネル164を通して冷却材を循環させるように構成されている。いくつかの実施形態では、冷却器168が、複数の冷却チャネル164のうちの対応するそれぞれのセットへの供給管路および戻り管路を提供する。
【0018】
基板支持体124は、例えば半導体ウエハまたは静電的に保持することができる他の基板などの基板122を支持および保持するために、内部容積120内にシャワーヘッド182と向かい合わせに配されている。基板支持体124は一般に、ペデスタル136、およびペデスタル136を支持するための中空支持シャフト112を備えることができる。ペデスタル136は、1つまたは複数の電極155が埋め込まれた静電チャック150を含む。静電チャック150は、摂氏約400度までの温度に加熱することができる。いくつかの実施形態では、静電チャック150が誘電体プレートを備える。中空支持シャフト112は、例えば裏側ガス、プロセスガス、流体、冷却材、電力などを静電チャック150に供給するための導管を提供する。いくつかの実施形態では、基板支持体124が、静電チャック150の周囲に配されたエッジリング187を含む。いくつかの実施形態では、エッジリング187がアルミナ(Al2O3)でできている。内部容積120内および内部容積120外に基板122を移送することを容易にするために、チャンバ本体106にスリットバルブ196を結合することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、中空支持シャフト112が、アクチュエータまたはモータなどのリフト機構113に結合されており、リフト機構113は、1つまたは複数の処理位置、およびプロセスチャンバ100内またはプロセスチャンバ100外に基板122を移送するための移送位置への静電チャック150の垂直移動を提供する。例えば、リフト機構113は、高圧プロセスを実行するのかまたは低圧プロセスを実行するのかに応じて、基板支持体124を(
図1に示された)第1の位置に移動させること、および基板支持体124を(
図2に示された)第2の位置に移動させることができる。いくつかの実施形態では、第1の位置で、基板支持体124が、シャワーヘッド182から第1の距離192のところに配される。いくつかの実施形態では、第1の距離192が約3.0インチ~約5.0インチである。第1の位置は例えば低圧プロセス中に使用することができる。いくつかの実施形態では、第2の位置で、基板支持体124が、シャワーヘッド182から第2の距離194のところに配される。いくつかの実施形態では、第2の距離194が約0.2インチ~約1.0インチである。第2の位置で基板支持体124とシャワーヘッド182の間の距離が小さいことは、処理容積119が小さいことに対応し、処理容積119が小さいことは、プロセスチャンバ100内で高圧力プロセスを実施するのを容易にする。例えば、第2の位置で基板支持体124とシャワーヘッド182の間の距離が小さいことは、より高い処理圧への急速な復帰を有利に容易にして、高圧プロセスと低圧プロセスの間のより急速な切換えを可能にする。
【0020】
中空支持体シャフト112の周囲にはベローズアセンブリ145が配されており、ベローズアセンブリ145は、フレキシブルシールを提供するために、静電チャック150とプロセスチャンバ100の底面126との間に結合されており、このフレキシブルシールは、静電チャック150の垂直運動を可能にし、同時に、プロセスチャンバ100内の真空度の低下を低減させまたは防ぐ。ベローズアセンブリ145はさらに下部ベローズフランジ165を含み、下部ベローズフランジ165は、底面126と接触してチャンバ真空度の低下を防ぐことを助けるためにOリングまたは他の適当なシーリング要素と接触している。
【0021】
中空支持シャフト112は、裏側ガス供給、チャック電源140、ヒータ電源およびバイアスRF電源190を静電チャック150に結合するための導管を提供する。いくつかの実施形態では、基板122を保持するために、チャック電源140が、静電チャック150にDC電力を供給する。いくつかの実施形態では、バイアスRF電源190によって供給されるRFエネルギーが、約10MHz以上の周波数を有することができる。いくつかの実施形態では、バイアスRF電源190が約13.56MHzの周波数を有することができる。
【0022】
プロセスチャンバ100は真空システム114に結合されており、真空システム114と流体連結している。真空システム114は、プロセスチャンバ100から排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)およびポンプ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、真空システム114が、チャンバ本体106の底面126に配されたポンプポート141に結合されている。いくつかの実施形態では、ポンプポート141が、基板支持体124の1つの側に位置する。スロットルバルブおよび/または真空ポンプを調整することによって、プロセスチャンバ100の内側の圧力を調節することができる。いくつかの実施形態では、ポンプが、約1900リットル毎秒~約3000リットル毎秒の流量を有する。
【0023】
1つまたは複数のプロセスを実行するため、動作中に、例えば、処理容積119内でプラズマを発生させることができる。このプラズマは、プラズマ電源(例えばRF電源170またはバイアスRF電源190)からの電力をプロセスガスに結合してプロセスガスに点火し、プラズマを発生させることにより、発生させることができる。プロセスに応じて、プラズマからのイオンを基板122の方へ引きつけるためにバイアスRF電源190を使用すること、または使用しないことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、望まれていない堆積からチャンバ本体106の内面を保護するために、プロセスキット110が、チャンバ本体106に結合されたチャンバライナ116を含む(チャンバライナ116については後により詳細に説明する)。チャンバライナ116は、基板支持体124の周囲に配されている。いくつかの実施形態では、チャンバライナ116が、基板支持体124が第1の位置および第2の位置にあるときにペデスタル136を取り囲むようなサイズに作られている。内部容積120内および内部容積120外へ基板122を移動させることを容易にするため、チャンバライナ116は、チャンバ本体106の開口と位置合わせされた開口144、およびチャンバ本体106に結合されたスリットバルブ196を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、プロセスキット110が、リッド104に結合され、シャワーヘッド182の近くに配された、プラズマをその中に閉じ込めるためのプラズマ閉じ込めリング134を含む。プラズマ閉じ込めリング134は一般に、管状本体、および管状本体の上面から半径方向外側へ延びる上部フランジを含む。いくつかの実施形態では、プラズマ閉じ込めリング134がチャンバライナ116内に配されている。いくつかの実施形態では、プラズマ閉じ込めリング134が、チャンバライナ116に結合されているか、またはチャンバライナ116の上に載っている。いくつかの実施形態では、プラズマ閉じ込めリング134の上部フランジが、チャンバライナ116の上部内側ノッチの上に載っている。プラズマ閉じ込めリング134は、金属、例えばアルミニウムでできたものとすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、処理容積119内の直接圧力測定を容易にするため、プラズマ閉じ込めリング134が、プラズマ閉じ込めリング134を貫いて延びる、圧力プローブ132に結合されたチャネル188を含む。いくつかの実施形態では、チャネル188が、プラズマ閉じ込めリング134の頂面からプラズマ閉じ込めリング134の内面まで延びている。いくつかの実施形態では、チャネル188が、リッド104のチャネル189を介して圧力プローブ132に結合されている。圧力プローブ132は、マノメータなどの適当な任意の圧力測定装置とすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセスキット110が、プラズマ閉じ込めリング134とシャワーヘッド182の間でのプラズマの漏れを低減させまたは防ぐためにそれらの間に配された頂部ライナリング152を含む。いくつかの実施形態では、プラズマ閉じ込めリング134の内径が頂部ライナリング152の外径よりも小さく、かつ頂部ライナリング152の内径よりも大きいような態様で、頂部ライナリング152が、プラズマ閉じ込めリング134の上部内側ノッチの中に載置されている。いくつかの実施形態では、頂部ライナリング152が、セラミック材料、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)でできている。いくつかの実施形態では、頂部ライナリング152が約0.1~約0.3インチの厚さを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、プロセスキット110が、チャンバライナ116に結合された閉じ込めプレート154を含む(閉じ込めプレート154については後により詳細に説明する)。いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154が、チャンバライナ116の下部に結合されており、チャンバライナ116から半径方向内側へ延びている。処理容積119からポンプポート141に至るガス流経路を提供するため、閉じ込めプレート154は複数のスロット156を含む。いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154が、外側プレート210に結合された内側プレート208を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセスキット110が、基板支持体124に結合された、基板支持体124と一緒に移動可能なシールドリング128を含む。例えば、ペデスタル136のグラウンドブラケット166にシールドリング128を結合することができる。いくつかの実施形態では、シールドリング128が、チャンバライナ116の上部とチャンバライナ116の下部の間で移動可能である。シールドリング128は、閉じ込めプレート154と基板支持体124の間に配されている。いくつかの実施形態では、シールドリング128が、静電チャック150から下方へ延びる内壁172、内壁172から半径方向外側へ延びるレッジ(ledge)174、およびレッジ174から上方へ延びる外壁176を含む。
【0030】
シールドリング128には複数のグラウンドストラップ184が結合されている。いくつかの実施形態では、シールドリング128を複数のグラウンドストラップ184に結合するために使用されている露出したファスナを覆い隠すため、シールドリング128のレッジ174上に、セラミック材料でできたシールドリングカバー178が配されている。複数のグラウンドストラップ184は、閉じ込めプレート154を介したシールドリング128とチャンバライナ116の間の電気接続を維持するために閉じ込めプレート154に結合されている。シールドリング128が移動したとき、例えばシールドリング128が第1の位置から第2の位置に移動したときに間の電気接続を維持するため、複数のグラウンドストラップ184は、1つの端部として閉じ込めプレート154に有利に結合されており、別の端部がシールドリング128に有利に結合されている。グラウンドストラップ184はさらに、基板支持体124がシャワーヘッド182に対して垂直に移動している間、他のチャンバ部品との機械的摩擦のない連続的なRF接地を提供し、このことは、望まれていない粒子生成を有利に低減させる。
【0031】
処理容積119から、シールドリング128を迂回して、シールドリング128の外壁176とチャンバライナ116の内面の間にガス流経路が延びている。いくつかの実施形態では、このガス流経路が、シールドリング128を通り抜けることなくシールドリング128を迂回して延びている。いくつかの実施形態では、シールドリング128が上位置、例えば基板支持体124の第2の位置にあるときに、プラズマ閉じ込めリング134が内壁172と外壁176の間に延びて、内壁172と外壁176の間の蛇行したガス流経路を画定する。いくつかの実施形態では、シールドリング128が下位置、例えば基板支持体124の第1の位置にあるときに、プラズマ閉じ込めリング134が内壁172と外壁176の間に延びない。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセスキット110が、ペデスタル136に結合された、中空支持体シャフト112を取り囲む下部ライナ186を含む。いくつかの実施形態では、下部ライナ186が、貫通穴を持たない管状本体、および管状本体から半径方向内側へ延びる上部フランジを含む。いくつかの実施形態では、下部ライナ186の上部フランジが、複数のファスナによってペデスタル136の底面に固定されている。下部ライナ186は、閉じ込めプレート154を通してガス流を導き、閉じ込めプレート154とベローズアセンブリ145の間のガス流を減らすように構成されている。下部ライナ186は、処理容積119からポンプポート141へ流れるガス流からベローズアセンブリ145を有利に保護する。
【0033】
いくつかの実施形態では、下部ライナ186の外径が、閉じ込めプレート154の内径よりも約0.1~約0.5インチ小さい。いくつかの実施形態では、基板支持体124が第1の位置にあるときに、下部ライナ186が、チャンバ本体106の底面126から約0.1~約1.0インチのところにある。いくつかの実施形態では、基板支持体124が第2の位置にあるときに、下部ライナ186が、閉じ込めプレート154の上面から約0.3~約1.0インチのところにある。
【0034】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、チャンバライナ116の上面等角図である。チャンバライナ116は、上部304および下部306を有する管状本体302を含む。管状本体302は、基板122を移送するための開口144以外の穴を持たない。いくつかの実施形態では、下部306が、下部306の下面312から半径方向内側へ延びる下部レッジ310を含む。下面312は、チャンバライナ116を閉じ込めプレート154に結合するファスナ314を受け取るための複数の開口を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、上部304が、管状本体302から半径方向外側へ延びる上部フランジ320を含む。いくつかの実施形態では、上部フランジ320の外面が、複数の弧セグメント322および複数の直線セグメント324を含む。上部フランジ320は、チャンバライナ116をチャンバ本体106に装着するための複数の開口330を含むことができる。いくつかの実施形態では、上部フランジ320が、上面に、チャンバライナ116とリッド104を位置合わせするための1つまたは複数のガイドピン332を含む(
図3には2つのガイドピン332が示されている)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のガイドピン332が、チャンバライナ116の1つの側に配されている。上部フランジ320は、下面に、チャンバライナ116とチャンバ本体106を位置合わせするための1つまたは複数のガイドピン(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、上部フランジ320が、リッド104をチャンバライナ116に装着するための複数の開口334を含む。
【0036】
リッド104とチャンバライナ116の間および/もしくはチャンバ本体106とチャンバライナ116の間を密封する目的またはリッド104とチャンバライナ116の間および/もしくはチャンバ本体106とチャンバライナ116の間の電気接続を強化する目的のうちの少なくとも一方の目的でガスケットを収容するため、上部フランジ320は、複数の開口330のうちの隣り合う開口間に配された複数の溝336を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の弧セグメント322に配された複数の溝336が弧の形状を有し、複数の直線セグメント324に配された複数の溝336が直線の形状を有する。
【0037】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、閉じ込めプレート154の上面等角図である。いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154が、環の形状を有する外側プレート210に結合された環の形状を有する内側プレート208を含む。いくつかの実施形態では、内側プレート208が、外側プレート210の内側レッジの上に載っている。いくつかの実施形態では、内側プレート208が、複数のファスナ404を介して外側プレート210に結合されている。いくつかの実施形態では、複数のファスナ404が、内側プレート208を貫いて延びており、内側プレート208を外側プレート210の内側レッジに結合している。いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154を通り抜ける流れを止めるのを助けるために、内側プレート208が、内側プレート208の内縁から上方へ延びる内側リップ406を含む。いくつかの実施形態では、内側リップ406が約0.3~約0.9インチ延びている。内側プレート208および外側プレート210は一般に金属、例えばアルミニウムでできている。
【0038】
いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154の複数のスロット156が、内側プレート208に配された複数の外側半径方向スロット420を含む。複数の外側半径方向スロット420は、外側半径方向スロット420を通したプラズマの漏れを低減させまたは防ぐようなサイズに作られている。いくつかの実施形態では、複数の外側半径方向スロット420が異なる長さを有する。例えば、閉じ込めプレート154を通り抜けるより均一な流れを有利に提供するため、複数の外側半径方向スロット420は、閉じ込めプレート154のポンプポート141に近い第1の側408のより短い長さ、および閉じ込めプレート154のポンプポート141から遠い第2の側402のより長い長さを有する。いくつかの実施形態では、複数の外側半径方向スロット420が均一な幅を有する。いくつかの実施形態では、複数の外側半径方向スロット420のうちのそれぞれの外側半径方向スロット420の幅が約0.1~約0.4インチである。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数のスロット156が、内側プレート208に配された複数の内側半径方向スロット410を含む。複数の内側半径方向スロット410は、内側半径方向スロット410を通したプラズマの漏れを低減させまたは防ぐようなサイズに作られている。いくつかの実施形態では、複数の内側半径方向スロット410が均一な長さを有する。いくつかの実施形態では、複数の内側半径方向スロット410が均一な幅を有する。いくつかの実施形態では、複数の内側半径方向スロット410のうちのそれぞれの内側半径方向スロット410の幅が約0.1~約0.4インチである。いくつかの実施形態では、複数の内側半径方向スロット410のうちのそれぞれの内側半径方向スロット410の幅が、複数の外側半径方向スロット420のうちのそれぞれの外側半径方向スロット420の幅と同様である。いくつかの実施形態では、複数の内側半径方向スロット410のうちのそれぞれの内側半径方向スロット410の長さが、複数の外側半径方向スロット420のうちのそれぞれの外側半径方向スロット420の長さに等しいか、またはそれよりも大きい。
【0040】
いくつかの実施形態では、内側プレート208が単一の材料片でできている。いくつかの実施形態では、保守点検および設置を容易にするために、内側プレート208が、複数の内側プレートセグメント424を有利に含む。いくつかの実施形態では、
図4に示されているように、内側プレート208が、4つの内側プレートセグメント424を含み、それらの間に間隙412がある。いくつかの実施形態では、間隙412が、複数の内側半径方向スロット410のうちのそれぞれの内側半径方向スロット410の幅よりも狭い。複数の内側プレートセグメント424は外側プレート210に結合されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、外側プレート210が、外側プレート210とチャンバライナ116を位置合わせするための位置合わせピン414を含む。いくつかの実施形態では、外側プレート210が、外側プレート210とチャンバライナ116の間の境界面に配された複数の溝436を含む。複数の溝436は、閉じ込めプレート154とチャンバライナ116の間の電気接続を維持および強化するためにRFガスケットなどのばね部材を収容するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のそれぞれの溝436が、複数のファスナ314のための複数の開口のうちの隣り合う開口間に配されている。いくつかの実施形態では、位置合わせピン414、複数の溝436、およびファスナ314のための開口が、外側プレート210の中心軸から共通の直径のところに配されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、内側プレート208と外側プレート210のうちの少なくとも一方が、複数のグラウンドストラップ184と閉じ込めプレート154の位置合わせおよび結合を容易にするための複数のストラップ凹み426を含む。いくつかの実施形態では、
図4に示されているように、複数のストラップ凹み426が、外側プレート210の上面の複数の外側半径方向スロット420のセット間に配されている。いくつかの実施形態では、複数のそれぞれのストラップ凹み426が、閉じ込めプレート154の周囲に等間隔に配されている。いくつかの実施形態では、複数のそれぞれのストラップ凹み426が1つまたは複数の開口428を含む。
【0043】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、シールドリング128の上面等角図である。いくつかの実施形態では、シールドリング128が、外壁176、外壁176から半径方向内側へ延びるレッジ174、レッジ174から上方へ延びる内壁172、および内壁172から半径方向内側へ延びる上部フランジ502を含む。いくつかの実施形態では、上部フランジ502の上にエッジリング187が載っている。いくつかの実施形態では、上部フランジ502が、シールドリング128をペデスタル136に結合するための開口506を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、シールドリング128を複数のグラウンドストラップ184に結合することを容易にするため、レッジ174が複数の凹部510を含む。いくつかの実施形態では、複数の凹部510が、シールドリング128の周囲に等間隔に配置されている。いくつかの実施形態では複数の凹部510が長方形だが、他の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、複数のグラウンドストラップ184のうちの1つのグラウンドストラップの一端が通り抜けることを可能にするため、およびグラウンドストラップを閉じ込めプレート154に結合することを容易にするために、複数のそれぞれの凹部510が開口512を含む。いくつかの実施形態では、複数のそれぞれの凹部510が、開口512、および開口512の両側にあってレッジ174の上面から凹んだ、段差がつけられた一対の表面516を含む。いくつかの実施形態では、それぞれのグラウンドストラップをシールドリング128に結合することを容易にするため、段差がつけられた一対のそれぞれの表面516が1つまたは複数の開口518を含む。いくつかの実施形態では、レッジ174の上面が、シールドリングカバー178を収容するための環状溝508を含む。シールドリングカバー178は、複数のグラウンドストラップ184をシールドリング128に結合するために使用されているファスナまたは他のハードウェアを覆い隠すように構成されている。それらのファスナまたは他のハードウェアは、プラズマにさらされたときに汚染物質を生じる。いくつかの実施形態では、シールドリングカバー178の設置または取り外しを容易にするため、レッジ174が、環状溝508から延びる1つまたは複数のスロットを含む。
【0045】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、複数のグラウンドストラップ184のうちの1つのグラウンドストラップの等角図である。いくつかの実施形態では、複数のグラウンドストラップ184は、複数のグラウンドストラップ184のうちのそれぞれのグラウンドストラップの第1の端部604でシールドリング128に結合されており、それぞれのグラウンドストラップの第2の端部608で閉じ込めプレート154に結合されている。複数のグラウンドストラップ184は、閉じ込めプレート154、チャンバライナ116およびチャンバ本体106を介したシールドリング128とグラウンド115の間の電気接続を維持するように構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数のグラウンドストラップ184のうちのそれぞれのグラウンドストラップ184が、上部プレート610、下部プレート620、および上部プレート610と下部プレート620の両方に結合された金属ストラップ615を含む。いくつかの実施形態では、上部プレート601、下部プレート620および金属ストラップ615がステンレス鋼でできている。いくつかの実施形態では、第1の位置と第2の位置の両方で閉じ込めプレート154とシールドリング128の間の電気接続を維持するため、金属ストラップ615が約5.0インチ~約9.0インチの長さを有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、下部プレート620が上部プレート610よりも小さい。いくつかの実施形態では、下部プレート620を閉じ込めプレート154に結合することができるように、下部プレート620が通り抜けることを可能にするため、下部プレート620が、シールドリング128の開口512よりも小さい。いくつかの実施形態では、下部プレート620が、金属ストラップ615の幅よりも狭い幅を有する。いくつかの実施形態では、閉じ込めプレート154を下部プレート620に結合するために、ファスナ616が、下部プレート620および金属ストラップ615を貫いて閉じ込めプレート154の1つの開口428の中に延びる。
【0048】
いくつかの実施形態では、上部プレート610が、シールドリング128の複数の凹部510のうちの1つの凹部510の中に延びるようなサイズに作られている。いくつかの実施形態では、上部プレート610が、複数の凹部510のうちのそれぞれの凹部510の開口512の中に延びるように構成された中心部分606を含む。いくつかの実施形態では、上部プレート610が、中心部分606の両側に、シールドリング128の複数の凹部510のうちのそれぞれの凹部510の段差がつけられた一対の表面516の上に載るように構成された、段差がつけられた部分612を含む。いくつかの実施形態では、上部プレート610をシールドリング128に結合するために、ファスナ618が、上部プレート610の段差がつけられた部分612を貫いてシールドリング128の開口518の中へ延びる。
【0049】
以上の説明は、本開示の実施形態を対象としているが、その基本的範囲を逸脱しない範囲で、本開示の他の実施形態および追加の実施形態が考案される可能性がある。