(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】動的クエスト生成の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20250109BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20250109BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/45
A63F13/79
A63F13/58
A63F13/822
(21)【出願番号】P 2023532733
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021053655
(87)【国際公開番号】W WO2022115161
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-07-31
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ウェイジン、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】コルヴィ、エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】タック、デーヴィッド
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-107462(JP,A)
【文献】特開2018-108171(JP,A)
【文献】特許第5198650(JP,B1)
【文献】特開2013-236844(JP,A)
【文献】特許第5291823(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームを実行する方法であって、
プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを判定することであって、前記ゴールデンパスが、前記ゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含む、前記判定することと、
前記プレーヤが前記ゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクスを識別するために、前記ゲームプレイを処理することと、
前記プレーヤが前記ビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定される前記ゴールデンパス沿いのゲーム領域を識別するために、前記プレーヤゲームメトリクスを検査することと、
前記プレーヤのために動的クエストを生成することであって、前記動的クエストが、前記プレーヤが前記ビデオゲームを前記ゴールデンパスに沿って進めるのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上のサブパートと共に生成される、前記生成することと、
前記ゴールデンパスに沿って前記動的クエストを挿入することであって、前記挿入することにより、前記動的クエストが前記プレーヤに提示され、前記報酬の前記獲得が可能になる、前記挿入することと、
を含み、
前記プレーヤゲームメトリクスのそれぞれは、前記ビデオゲームに関して前記プレーヤのためのゲームプレイモデルを形成するために、前記プレーヤゲームメトリクスから特徴を抽出し、前記抽出した特徴を分類する機械学習プロセスによって処理される、方法。
【請求項2】
前記動的クエストは、前記ビデオゲームのゲームプレイ中に前記ゴールデンパスに沿って生成され挿入される複数の動的クエストのうちの1つであり、挿入される前記動的クエストのそれぞれは、前記プレーヤが、前記ビデオゲームを進めるために支援が必要であると判定されるゲーム領域に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の動的クエストのそれぞれが、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つの前または後に挿入される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プレーヤゲームメトリクスは、前記プレーヤが前記ビデオゲームをプレイしている間に追跡される複数のゲームプレイ条件を含み、前記複数のゲームプレイ条件のそれぞれは、ゲーム条件とプレーヤ対話性条件との組み合わせに関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記動的クエストの生成は、前記ゲームプレイモデル及び複数のトレーニングデータルールの検査に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のトレーニングデータルールは、ゲームプレイの現在のシナリオ、前記プレーヤによって企てられた目標、前記プレーヤが経験する成功または失敗のレベル、前記プレーヤが前進するために必要なゲーム資産、前記プレーヤによるエンゲージメントまたは離脱の検出レベル、前記プレーヤの判定された感情、目標達成の失敗、1つ以上のタスクまたは目標を達成するための前提条件、あるいはそれらの2つ以上の組み合わせのうちの1つ以上に基づいて支援を提供する動的クエストのタイプを判定するためのデータを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記動的クエストに関連付けられた前提条件が前記プレーヤによって満たされているかどうかを判定するために、前記動的クエストの生成が、前記ゲームプレイモデル及び前記複数のトレーニングデータルールの検査に基づく、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記動的クエストのタイプは、フェッチタイプ、購入タイプ、キルタイプ、破壊タイプ、妨害タイプ、戦利品タイプ、構築タイプ、メッセンジャータイプ、防御タイプ、捕捉タイプ、パズルタイプ、脱出タイプ、探索タイプ、盗品タイプ、内密タイプ、対話タイプ、追従タイプ、使用タイプ、またはそれらの2つ以上の組み合わせである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プレーヤのための前記動的クエストを前記生成することは、前記プレーヤゲームメトリクスに基づいて、事前定義された動的クエストのテーブルから前記動的クエストにアクセスすることにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プレーヤゲームメトリクスを前記検査することは、前記プレーヤが前記ビデオゲームをプレイしている間のプレーヤ経験またはプレーヤ感情をさらに識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ゴールデンパスに沿って前記動的クエストを前記挿入することは、前記プレーヤに働きかけて前記ビデオゲーム内で特定の方向に向かって移動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ゴールデンパスに沿って前記動的クエストを前記挿入することは、前記プレーヤが前記報酬を必要とすると判定される前記ゲームプレイ中の時に動的に生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記プレーヤによってエンゲージメントのために選択されなかった前記ゴールデンパスに沿った前記動的クエストがキューに格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ビデオゲームを実行する方法であって、
プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを判定することであって、前記ゴールデンパスが、前記ゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含む、前記判定することと、
前記プレーヤが前記ゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクスを識別するために、前記ゲームプレイを処理することであって、前記プレーヤゲームメトリクスが、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つに関連付けられたゲーム領域に対して受信された複数の入力に対するプロファイルを含む、前記処理することと、
前記複数の入力及び前記ゲーム領域の前記プロファイルに基づいて前記プレーヤのエンゲージメントスコアを生成することと、
前記プレーヤのための動的クエストを生成することであって、前記エンゲージメントスコアが前記ゲーム領域についてのスコア閾値を下回ったという判定に応答して前記動的クエストが生成され、前記動的クエストが、前記プレーヤの前記エンゲージメントスコアが前記スコア閾値を超えて増加するように構成されたクエストタイプを有する、前記生成することと、
を含み、
前記プレーヤゲームメトリクスは、前記ビデオゲームに関して前記プレーヤのためのゲームプレイモデルを形成するために、前記プレーヤゲームメトリクスから特徴を抽出し、前記抽出した特徴を分類する機械学習プロセスによって処理される、方法。
【請求項15】
前記プレーヤが、前記複数のメインストーリークエスト、及び前記動的クエストの1つ以上のゲームプレイを処理している間に、前記プレーヤの前記エンゲージメントスコアが前記ゴールデンパスに沿って生成されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記プレーヤのための前記動的クエストを前記生成することは、前記プレーヤのゲームプレイエンゲージメントを高めることによって前記プレーヤの前記ゲームプレイを強化するために、1つ以上のサブパートを用いて生成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記動的クエストの前記1つ以上のサブパートに関連付けられたコンポーネントの数が、前記エンゲージメントスコアに基づいて動的に調整される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ゴールデンパスに沿って前記動的クエストを前記プレーヤに提供することであって、前記提供することは、前記プレーヤの前記エンゲージメントスコアが前記ゲーム領域についての前記スコア閾値を下回った前記ゲームプレイ中の時に前記動的クエストを提示することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記動的クエストは、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つの前または後に前記プレーヤに提供される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記動的クエストは、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つの中で前記プレーヤに提供される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ゴールデンパスに沿って前記プレーヤに前記動的クエストを前記提供することは、前記ビデオゲームにおける前記プレーヤの前進を支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上の関連する動的クエストを前記プレーヤに提示する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ゴールデンパスに沿って前記プレーヤに前記動的クエストを前記提供することは、前記プレーヤが前記エンゲージメントスコアを増加させるのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上の関連する動的クエストを前記プレーヤに提示する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記スコア閾値は、前記ゲーム領域、及び前記ゲーム領域内で発生するゲームコンテキストに基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の入力の前記プロファイルは、前記プレーヤのアクション、前記プレーヤの動き、前記プレーヤのコントローラ入力、前記プレーヤの応答時間、前記プレーヤの一時停止時間、前記プレーヤの生体情報、またはそれらの2つ以上の組み合わせに関連付けられたデータを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記エンゲージメントスコアは、前記ゲーム領域、及び前記ゲーム領域内で発生するゲームコンテキストに基づいて正規化される、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記プレーヤのための前記動的クエストを前記生成することは、前記プレーヤに関連付けられたゲームプレイ期間を判定するために、前記ゲームプレイモデル及び複数のトレーニングデータルールの検査に基づいて生成される、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
複数のプレーヤのためにビデオゲームを実行する方法であって、
前記複数のプレーヤの各々のゲームプレイに関連付けられた複数のゴールデンパスを判定することであって、前記複数のゴールデンパスが、前記複数のゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含む、前記判定することと、
前記複数のプレーヤが、前記複数のプレーヤの各々に関連付けられた前記複数のゴールデンパスに沿って進行するときに、前記複数のプレーヤのプレーヤゲームメトリクスを識別するために、前記ゲームプレイを処理することと、
前記複数のプレーヤの各々のために動的クエストを生成することであって、前記動的クエストは、前記複数のプレーヤのうちの1人以上のプレーヤに働きかけて、前記複数のプレーヤのうちの第1のプレーヤに関連付けられたゲーム環境に向けて移動させるために、1つ以上のサブパートと共に生成され、前記第1のプレーヤの前記ゲーム環境が、協力ゲームスペースを含む、前記生成することと、
前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤの前記プレーヤゲームメトリクスに基づいて、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに、前記協力ゲームスペースに入るアクセスを許可することであって、前記協力ゲームスペースは、前記第1のプレーヤと前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤとが、一定期間、前記ビデオゲームの目的に従事することを可能にし、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤが、前記協力ゲームスペースに参加すると、各自のゴールデンパスに戻る、前記許可することと、
を含み、
前記複数のプレーヤのための前記プレーヤゲームメトリクスのそれぞれは、前記ビデオゲームに関して前記複数のプレーヤのためのゲームプレイモデルを形成するために、前記プレーヤゲームメトリクスの前記それぞれから特徴を抽出し、前記抽出した特徴を分類する機械学習プロセスによって処理される、方法。
【請求項28】
前記第1のプレーヤ、及び前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤの前記ゲームプレイは、異なるレベルであり、かつ異なるゲーム環境である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1のプレーヤ、及び前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤが、異なるゲームスキルを持つ、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに、前記協力ゲームスペースに入るアクセスを前記許可することは、前記協力ゲームスペースに関連付けられた前提条件を満たすことに基づく、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記協力ゲームスペースは、前記第1のプレーヤの前記ゲーム環境に関連付けられた高度なゲームシーンを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のプレーヤのゲーム環境における前記高度なゲームシーンは、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに関連付けられた対応するゲーム環境に含まれない、請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに、前記協力ゲームスペースに入るアクセスを前記許可することは、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤの各自に関連付けられたエンゲージメントスコアに基づいて、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに資格を与えることに基づく、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤに、前記第1のプレーヤに関連付けられた前記ゲーム環境に向けて移動させるために、前記複数のゴールデンパス沿いのゲーム領域で前記複数のプレーヤの各々に前記動的クエストを提示することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記動的クエストは複数の動的クエストのうちの1つであり、前記複数の動的クエストのそれぞれは、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つの前または後に提示される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記動的クエストは複数の動的クエストのうちの1つであり、前記複数の動的クエストのそれぞれは、前記複数のメインストーリークエストのうちの1つの中で提示される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記協力ゲームスペースに関連付けられた前提条件が、前記複数のプレーヤのうちの1人以上のプレーヤによって満たされているかどうかを判定するために、前記協力ゲームスペースに入る前記アクセスが、前記ゲームプレイモデル及び複数のトレーニングデータルールの検査に基づく、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記動的クエストは、前記複数のプレーヤのうちの前記1人以上のプレーヤを、前記ビデオゲームにおいてゲームキャラクタと対話させるために、前記複数のゴールデンパスに沿ってゲーム領域に向けて移動させるように生成される、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
前記動的クエストは、前記複数のプレーヤのそれぞれの前記ゲームプレイ中に、前記複数のプレーヤが前記協力ゲームスペースに入ることを望んでいると判定した時に、前記複数のゴールデンパスに沿って挿入される、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ビデオゲームの実行に関し、より詳細には、カスタマイズされたゲーム経験をプレーヤに提供するためにビデオゲームを実行するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム業界は、長年にわたり多くの変化を遂げてきた。特に、ビデオゲーム業界では、リテンションレベルを高め、ビデオゲームの収益を増やすために、ビデオゲームへのプレーヤのエンゲージメントレベルを高める方法を見つけようとしている。この目的を達成するために、開発者は、ゲームプレイに飽きる、不満を持つ、または興味がなくなる状態になり得るプレーヤのゲーム経験を向上させる高度な操作性を開発する方法を模索している。
【0003】
ビデオゲーム業界では、ビデオゲームをプレイするプレーヤの経験を向上させ、ビデオゲームをより面白くする独自の方法を改善し開発する傾向が高まっている。例えば、初心者レベルのプレーヤが、ロールプレイングゲーム(RPG)ビデオゲームをプレイしているとき、ゲーム環境内で道に迷い、ゲームプレイの進め方に関して戸惑うことがある。その結果、残念なことに、プレーヤがそのゲームプレイに不満を抱くようになり、ビデオゲームのプレイを継続したくなくなることがある。別の例では、ビデオゲームのゲームシーンで先が読めてしまい、プレーヤに独自性や関連性の感覚がもはや提供されなくなった場合、上級レベルのユーザはそのゲームプレイに飽きてしまうことがある。その結果、ビデオゲームへのプレーヤのエンゲージメントが減少する可能性があり、そのためプレーヤがビデオゲームをプレイする頻度が低下する可能性がある。
【0004】
このような状況において、本開示の実施態様が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様には、プレーヤのためにビデオゲームを実行することに関する方法、システム、及びデバイスが含まれる。いくつかの実施形態では、プレーヤにカスタマイズされたゲーム経験を提供する方法が開示され、その方法では動的クエストが生成され、動的クエストがプレーヤのゲームプレイに関連付けられたゲームのメインストーリーアーク(またはゴールデンパス)に沿って挿入される。例えば、プレーヤのゲームプレイ中に、プレーヤは、ゲーム環境にいて、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスに沿って進行することがある。プレーヤをゴールデンパスに関連付けられたメインストーリークエストに制限する代わりに、本明細書で開示される方法は、ゴールデンパスに沿って、動的クエストを生成し、それを挿入する(例えば、表面化させる)ことによって、ゴールデンパスが動的クエストによって補われ、その結果、ユニークなゲーム経験がプレーヤに提供される方法の概要を示す。
【0006】
したがって、プレーヤのゲームプレイ中、プレーヤがゴールデンパスに沿って移動し、ゲーム環境内の様々な態様とインタラクトする際に、プレーヤが、ビデオゲームを進める、報酬を獲得する、またはプレーヤにとってより興味を起こさせるビデオゲームの態様にプレーヤをさらすことができるようにし得るゴールデンパスに沿って1つ以上の動的クエストが提示され得る。いくつかの実施形態では、プレーヤのゲームメトリクスを識別するために、プレーヤのゲームプレイを処理することがある。一実施形態では、プレーヤのゲームメトリクスを使用して、プレーヤがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゲーム領域のゴールデンパスに沿って動的クエストを生成し、それを挿入することがある。
【0007】
一実施形態では、ビデオゲームを実行する方法が提供される。この方法は、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを判定することを含む。ゴールデンパスは、ゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含む。この方法は、プレーヤがゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクスを識別するために、ゲームプレイを処理することを含む。この方法は、プレーヤがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゴールデンパス沿いのゲーム領域を識別するために、プレーヤゲームメトリクスを検査することを含む。この方法は、プレーヤのために動的クエストを生成することを含む。動的クエストは、プレーヤが前記ビデオゲームをゴールデンパスに沿って進めるのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上のサブパートと共に生成される。この方法は、ゴールデンパスに沿って動的クエストを挿入することを含み、挿入することにより、動的クエストがプレーヤに提示され、前記報酬の前記獲得が可能になる。このようにして、ビデオゲームがプレーヤのために実行され、そのビデオゲームは、プレーヤにカスタマイズされたゲーム経験を提供し、ビデオゲームにおけるプレーヤの進行を支援することが可能である。
【0008】
別の実施形態では、複数のプレーヤのためにビデオゲームを実行する方法が提供される。この方法は、複数のプレーヤの各々のゲームプレイに関連付けられた複数のゴールデンパスを判定することを含む。複数のゴールデンパスは、複数のゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含む。この方法は、複数のプレーヤが複数のプレーヤの各々に関連付けられた複数のゴールデンパスに沿って進行するときに、複数のプレーヤのプレーヤゲームメトリクスを識別するために、ゲームプレイを処理することを含む。この方法は、複数のプレーヤがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定される複数のゴールデンパス沿いのゲーム領域を識別するために、複数のプレーヤの各々についてプレーヤゲームメトリクスを検査することを含む。この方法は、複数のプレーヤの各々のために動的クエストを生成することを含む。動的クエストは、複数のプレーヤが前記ビデオゲームを進めるのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上のサブパートと共に生成される。この方法は、複数のプレーヤの各々の複数のゴールデンパスに沿って動的クエストを提示することを含む。この提示することにより、動的クエストを複数のプレーヤに提示され、前記報酬の前記獲得が可能になる。
【0009】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、一層よく理解することができる。
【0011】
【
図1A】本開示の実施態様による、プレーヤがゲーム環境内でA地点からB地点まで移動するために使用することができるゴールデンパスに沿って動的に生成される動的クエストを伴うユニークなゲーム経験の実施形態を例示する。
【0012】
【
図1B】本開示の実施態様による、プレーヤのためのカスタマイズされたゲーム経験を作り出すために、ゴールデンパスに沿って生成され挿入される複数の動的クエストを例示する
図1Aに示されるゴールデンパスの実施形態を例示する。
【0013】
【
図1C】本開示の実施態様による、各プレーヤの各々のゴールデンパスに沿って動的に生成される動的クエスト及びゲーム内ミートアップスペースを含む、複数のプレーヤのために生成されるユニークなゲーム経験の実施形態を例示する。
【0014】
【
図1D】本開示の実施態様による、動的に生成される動的クエストと、異なる経験及び異なるレベルのプレーヤが同じゲームスペースで協力し、互いに関わり合うことができる協力ゲームスペースとを含む、複数のプレーヤのためのユニークなゲーム経験の実施形態を例示する。
【0015】
【
図2A】本開示の実施態様による、ビデオゲームをプレイする複数のプレーヤについて追跡され処理されるプレーヤゲームメトリクスと、各プレーヤのゲームメトリクスに基づいて生成される対応する動的クエストとを例示するプレーヤメトリクステーブルの実施形態を例示する。
【0016】
【
図2B】本開示の実施態様による、動的クエストタイプのリストと、動的クエストタイプの概要とを示す動的クエストテーブルの実施形態を例示する。
【0017】
【
図2C】本開示の実施態様による、様々なメインストーリークエストと、それに対応するメインストーリークエストサブパートとを例示するメインストーリークエストテーブルの実施形態を例示する。
【0018】
【
図2D】本開示の実施態様による、ゴールデンパスに沿って挿入するための動的クエストを選択するためにアクセスできる事前定義された動的クエストを例示する動的クエストテーブルの実施形態を例示する。
【0019】
【
図2E】本開示の実施態様による、動的クエストを成功裏に完了することと引き換えにプレーヤが獲得できる報酬タイプを例示する報酬タイプテーブルの実施形態を例示する。
【0020】
【
図3A】本開示の実施態様による、動的クエストインターフェースに動的クエストを格納し、ゴールデンパスに沿って特定の時点に有用な関連する動的クエストをプレーヤに提示するための方法の概念図を示す。
【0021】
【
図3B】プレーヤがビデオゲームと関わり合い続けるように、動的クエストの多様化を含むユニークなゲーム経験をプレーヤ向けに生成する方法の概念図を示す。
【0022】
【
図4】本開示の実施態様による、プレーヤにとって有用となり得る保存された動的クエスト及び関連動的クエストを含むプレーヤの動的クエストインターフェースの実施形態を例示する。
【0023】
【
図5A】本開示の実施態様による、プレーヤゲームメトリクス及びトレーニングデータルールを入力として使用して、プレーヤのために動的クエストを生成するためにゲームプレイモデルを使用する方法の実施形態を例示する。
【0024】
【
図5B】本開示の実施態様による、プレーヤのゴールデンパスに沿って挿入するための1つ以上の動的クエスト106を生成するために、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたプレーヤ対話型ゲームプレイデータを使用して、プレーヤ向けにユニークなゲーム経験を生成するための方法の概念図を示す。
【0025】
【
図6】本開示の実施態様による、ゴールデンパスに沿って動的に生成される動的クエストを伴うユニークなゲーム経験をプレーヤに提供するように、ビデオゲームをプレーヤのために実行するための方法を例示する。
【0026】
【
図7】本開示の実施態様による、複数のプレーヤを各自のゴールデンパスに沿って移動させて、複数のプレーヤをゲーム内ミートアップスペースで合流させるように、動的に生成される動的クエストが生成されるビデオゲームを複数のプレーヤのために実行するための方法を例示する。
【0027】
【
図8】本開示の実施態様による、動的に生成される動的クエストと、異なる経験及び異なるレベルのプレーヤが協力ゲームスペースで協力し、互いに関わり合うことができる協力ゲームスペースとを含むビデオゲームを複数のプレーヤのために実行するための方法を例示する。
【0028】
【
図9】本開示の実施態様による、事前定義された動的クエストの特定のテーブルにアクセスすることによって動的クエストが動的に生成されるビデオゲームをプレーヤのために実行するための方法を例示する。
【0029】
【
図10】本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイスの構成要素を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の以下の実施態様は、プレーヤのためにビデオゲームを実行するための方法、システム、及びデバイスを提供する。具体的には、プレーヤのゲームプレイ中に、プレーヤがビデオゲームのゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤは、ある決まった一連の課題、例えば、メインストーリークエストに遭遇することがある。例えば、メインストーリークエストは、ビデオゲームに関連する課題及び目的、例えば、ドラゴンを倒す、リア姫を救う、捕虜を救出する、エベレストに登るなどを含むことがある。一実施形態では、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスは、設定された数の事前定義されたメインストーリークエストと対応するメインストーリークエストサブパートとを含んでよい。言い換えれば、プレーヤがビデオゲームの特定のゴールデンパスに沿って移動する場合、そのゴールデンパスに沿って移動する他のプレーヤが、同じまたは類似のメインストーリークエストに遭遇し得る。したがって、ビデオゲームをプレイするプレーヤの経験を向上させ、ビデオゲームをプレーヤにとってより面白くするために、対応する動的クエストサブパートを有する1つ以上の動的クエストを生成し、それをプレーヤに対してプレーヤのゴールデンパスに沿って動的に挿入または提示して、カスタマイズされたゲーム経験を作り出すことができる。
【0031】
一実施形態では、ユニークなクエスト及びクエストの組み合わせの動的な表面化により、各プレーヤにユニークなゲーム経験が提供され、それによりプレーヤの興味が維持され及び/または高められる。例えば、プレーヤが「ボスキャラクタ」と戦うゲームシーンに到達するつもりでゴールデンパスに沿って進行している間に、システムは、「ボスキャラクタ」に到達する前にゴールデンパスに沿って動的クエストを生成し、挿入して、「ボスキャラクタ」と戦うために役立つことになる報酬、例えば、剣、盾、特殊なスキルまたは能力などの獲得を可能にすることがある。一般に、本明細書で説明する方法は、プレーヤがゲームプレイを続行し、プレーヤのゲーム経験をさらに向上させることが推奨されるように、動的クエストが生成され、それがプレーヤのゲームプレイのゴールデンパスに沿って挿入/提示される手段を提供する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ゴールデンパス」という用語は、プレーヤを次のレベル、ステージ、エリア、場所、段階、ミッションなどのゲーム環境内の所望の場所へ導き得るビデオゲームのゲーム環境内の経路を指すものとして広く理解されるべきである。一実施形態では、プレーヤのゲームプレイに関連付けられた各ゲームセッションは「ゴールデンパス」を含む。明確にするために、「ゴールデンパス」への言及は、「ゴールデンパス」が、プレーヤの目的を達成するために、プレーヤをゲーム環境内の所望の場所へ導くことができる一般的な広い意味で、または本明細書に記載される他の特定の例に従って、解釈されるべきである。
【0033】
さらに、「メインストーリークエスト」という用語は、プレーヤが完了し得るビデオゲーム内の任意のタスク、イベント、プロセス、アクション、目標、移動、またはミッションを指すものとして広く理解されるべきである。場合によっては、上記のいずれかを完了すると報酬が得られることがある。一実施形態では、「メインストーリークエスト」は、プレーヤのゴールデンパスに関連付けられる。「動的クエスト」という用語は、プレーヤのためのカスタマイズされたゲーム経験を作り出すために、プレーヤ向けに動的にカスタマイズされ、プレーヤのゴールデンパスに沿って進行する間に挿入または提示される、ビデオゲーム内の任意のタスク、イベント、プロセス、アクション、目標、移動、またはミッションを指すものとして広く理解されるべきである。一般に、「動的クエスト」は、プレーヤの旅に関係しているオーダーメイドのクエストであり、ビデオゲームのノンプレーヤキャラクタ(NPC)に関連している。一実施形態では、「動的クエスト」は、プレーヤの現在の状態(レベル、ギア、ストーリーでのポジションなど)に基づいて、利用可能な動的クエストのセットから引き出される。
【0034】
一例として、一実施形態では、プレーヤのためにビデオゲームを実行することを可能にする方法が開示される。この方法は、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを判定することを含む。一例では、ゴールデンパスは、ゴールデンパスに関連付けられた複数のメインストーリークエストを含むことができる。一実施形態では、この方法は、プレーヤがゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクスを識別するために、ゲームプレイを処理することをさらに含むことがある。別の実施形態では、この方法は、プレーヤがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゴールデンパス沿いのゲーム領域を識別するために、プレーヤゲームメトリクスを検査することをさらに含むことがある。
【0035】
いくつかの実施形態では、この方法は、プレーヤのために動的クエストを生成することを含む。一実施形態では、動的クエストは、プレーヤが前記ビデオゲームをゴールデンパスに沿って進めるのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上のサブパートと共に生成される。別の実施形態では、この方法は、ゴールデンパスに沿って動的クエストを挿入することを含む。一例では、この挿入することにより、動的クエストがプレーヤに提示され、報酬の獲得が可能になる。しかしながら、本開示は、現在説明されている具体的詳細の一部または全部なしでも実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、周知のプロセス操作は、本開示を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。
【0036】
一実施形態では、プレーヤのためにビデオゲームを実行し、ゴールデンパスに沿って動的に生成された動的クエストを伴うユニークなゲーム経験をプレーヤに提供するための方法が開示される。いくつかの実施形態では、プレーヤのゲームプレイ中に、プレーヤがゴールデンパスに沿って進行するときに、プレーヤのゲームメトリクスに基づいて複数の動的クエストが生成され、それがプレーヤのゴールデンパスに沿って挿入され得る。
【0037】
別の実施形態によれば、オンラインマルチプレーヤビデオゲームなどのビデオゲームをプレイする複数のプレーヤのためにビデオゲームを実行するとともに、その複数のプレーヤらの各々のゲームプレイ中に、プレーヤに働きかけてゲーム内ミートアップで合流させる動的クエストを生成するためのシステムが開示される。各プレーヤのゲームプレイ中、複数のプレーヤの各々は、自身のゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを有することができる。一実施形態では、カスタマイズされたゲーム経験を作り出すために、各プレーヤ向けに動的パスを生成してカスタマイズし、それを各プレーヤのゴールデンパスに沿って挿入することがある。いくつかの実施形態では、各プレーヤに関連付けられた動的クエストにより、複数のプレーヤが同じゲームスペースエリアで合流してプレイすることがある(例えば、ゲーム内ミートアップ)。一例では、ゲーム内ミートアップにおいて、複数のプレーヤが互いに対話し、特定のタスクまたはゲームの目的(例えば、敵と戦う、キャラクタを捜す、パズルを解くなど)を達成するために協力し合うことがある。
【0038】
別の実施形態によれば、複数のプレーヤのためにビデオゲームを実行するとともに、特定のプレーヤに働きかけて協力ゲームスペースで協力させる動的クエストを生成するためのシステムが開示される。一実施形態では、協力ゲームスペースは、異なるスキルセット、経験、及びレベルのプレーヤが、同じゲームスペースで協力し、互いに関わり合うことを可能にしてもよい。一実施形態では、より多くの経験とスキルとを持つ上級プレーヤは、より高度なレベルでビデオゲームをプレイしていることがあり、経験の少ないプレーヤは、より低いレベルでビデオゲームをプレイしていることがある。いくつかの実施形態では、上級プレーヤのゲーム環境は、上級プレーヤ及び経験の浅いプレーヤのゲームプレイを容易にし得る協力スペースを含むことがある。一実施形態では、経験の浅いプレーヤは、上級プレーヤのゲーム環境内の協力スペースにアクセスして、協力スペース内のゲームシーン及びアクティビティを経験してもよい。協力スペースで上級プレーヤと関わり合った後、経験の少ないプレーヤは、協力スペースを離れ、各自のゴールデンパスを進み続けることができる。
【0039】
上記の概要を念頭に置いて、以下では、例示的実施形態の理解を容易にするために、いくつかの例示的な図を提供する。
【0040】
図1Aは、プレーヤ102aがビデオゲームのゲーム環境においてA地点からB地点まで移動するために使用することができるゴールデンパス104aに沿って動的に生成される動的クエスト106a~106fを伴うユニークなゲーム経験の実施形態を示す。一実施形態では、ゴールデンパス104aは、ビデオゲームの最初の地点(例えば、A地点)からビデオゲームの所望の地点(例えば、B地点)までプレーヤを導くことができる経路である。いくつかの実施形態では、ゴールデンパス104aは、直線経路であってもよく、またはビデオゲームにおいてプレーヤをA地点からB地点まで導くことができる任意の非線形経路であってもよい。図示のように、
図1Aは、プレーヤ102aがゴールデンパス104aに沿って進行するときに、ゴールデンパス104aに沿って生成され挿入される複数の動的クエスト106a~106fを含むゴールデンパス104aを示す。ゴールデンパス104aは、直線として示されているが、B地点への進行を可能にする多くの方向をとることができる。
【0041】
一実施形態では、固有の動的クエスト106が、各プレーヤ102向けに生成され、カスタマイズされ、プレーヤのゲームメトリクス(例えば、プレーヤ経験、インスタントゲーム条件、プレーヤゲーム状態など)に基づいて生成され得る。一実施形態では、各動的クエスト106は、多様であり、ビデオゲームにおける特定の目的またはタスク、例えば、アイテムを見つける、特定のキャラクタをキルする、キャラクタのそばをこっそり通り過ぎる、パズルを解くなどに関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、動的クエスト106は、プレーヤ102がビデオゲームをゴールデンパス104に沿って進むのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にする1つ以上のサブパートと共に生成される。プレーヤ102aのためのカスタマイズされたゲーム経験を例示するために、一例では、
図1Aに例示するように、ゴールデンパス104aは、プレーヤ102aの目的が、ビデオゲームの次のレベルに進むために「ドラゴンキャラクタ」と戦うことである、一連のメインストーリークエスト(図示せず)及び動的クエスト106を介してプレーヤ102aを導くビデオゲーム内の経路であってもよい。
【0042】
一実施形態では、プレーヤ102aは、自身のゲームプレイをゴールデンパス104aに沿ってA地点から開始することがある。プレーヤ102aがゴールデンパス104aに沿ってB地点に向かう方向に移動するとき、プレーヤ102aのゲームメトリクスが継続的に処理され、監視される。いくつかの実施形態では、プレーヤ102aは、ゴールデンパス104aに関連付けられた複数のメインストーリークエスト(図示せず)に遭遇し得る。ゴールデンパス104aに沿って示すように、システムは、「ドラゴンキャラクタ」の場所(例えば、B地点)を案内する地図を入手するために、「ケトル川で漁師のフレッドと話す」ことを含む動的クエストをプレーヤ102aに提示するために、パス104aに沿って動的クエスト106aを生成して挿入することがある。いくつかの実施形態では、プレーヤ102aは、プレーヤ102aに提示される動的クエスト106を引き受けてもよく、またはそれを無視してゴールデンパス104aに沿って移動し続けてもよい。
【0043】
プレーヤ102aがゴールデンパス104aに沿って移動し続けるとき、システムは、ゴールデンパス104aに沿って追加の動的クエスト106b~106fを生成し、挿入してもよい。一例では、プレーヤ102aには、剣を購入するために「金属細工師マイクを見つける」ことを伴う動的クエスト106bが提示され得る。剣を購入した後に、プレーヤ102aは、ゴールデンパス104aに沿って進み続けてもよく、グレードアップした鎧を入手するために「滝でパズルを解く」ことを含む動的クエスト106cに遭遇することがある。剣とグレードアップした鎧とを取得した後に、プレーヤ102aは、剣及び鎧の使い方を学ぶための「村人ヴィホとのトレーニング」を含む動的クエスト106dに遭遇することがある。村人ヴィホとのトレーニングセッションの後に、プレーヤ102aは、ゴールデンパス104aに沿って進み続けてもよく、正しいパスに戻るために「村人ヴィポナについていく」ことを伴う動的クエスト106eに遭遇することがある。さらに、プレーヤ102aは、日の出時にドラゴンキャラクタと戦う前に休息して体力を得るために、「避難所の建設」を伴う動的クエスト106fに遭遇することがある。
【0044】
そのために、システムは、プレーヤ102aがゴールデンパス104aに沿って進行するとき、プレーヤのゲームメトリクスを検査し、プレーヤ102aがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゴールデンパス104a沿いのゲーム領域を識別する。図示した例では、動的クエスト106a~106fが、プレーヤ102aがドラゴンキャラクタとの戦いのために、例えば、地図、剣、鎧の入手、トレーニングなどの準備に助けを必要とするゲーム領域において生成され、挿入された。
図1Aにさらに例示するように、ゲームパス116aは、プレーヤ102aがビデオゲーム内でA地点からB地点まで移動したときにプレーヤ102aがたどった経路の足跡を示す。
【0045】
図1Bは、プレーヤ102bのためのカスタマイズされたゲーム経験を作り出すために、ゴールデンパス104aに沿って生成され挿入される複数の動的クエスト106g~106jを例示する
図1Aに示されるゴールデンパス104aの実施形態を例示する。上記のように、プレーヤ102のゲームプレイ中、プレーヤ102が支援を必要とする可能性があるゴールデンパス104沿いのゲーム領域を判定するために、プレーヤ102のゲームメトリクスは継続的に処理及び監視される。それに応じて、動的クエスト106が、ゴールデンパス104沿いの特定の領域で生成され挿入されて、報酬の獲得が、ビデオゲームでプレーヤ102が前進するのを助けること、またはビデオゲームをプレーヤ102にとってより魅力的なものにすることを可能にし得る。
図1Bに例示するように、プレーヤ102bは、A地点でゲームプレイを開始し、B地点に向かう方向にゴールデンパス104aに沿って移動することが示されている。
【0046】
プレーヤ102bがゴールデンパス104aに沿って進むとき、システムは、ゴールデンパス104aに沿って動的クエスト106g~106iを生成し、挿入してもよい。動的クエスト106は、プレーヤ102ごとにカスタマイズすることが可能であり、プレーヤのゲームメトリクスに基づいていてもよい。例えば、プレーヤ102bは、
図1Aのプレーヤ102aと同じゴールデンパス(例えば、104a)に沿って移動し、同じメインストーリークエストに遭遇するが、プレーヤ102a及び102bに対して生成される動的クエスト106は異なり、各プレーヤの各自のゲームメトリクスによって決まることがある。
【0047】
一例では、動的クエスト106gは、ドラゴンキャラクタとの戦い方を学ぶための「イゴールとのトレーニング」を伴う動的クエストであり得る。動的クエスト106hには、ドラゴンキャラクタとの戦いに備えて精神的に準備するための「精神的な儀式への参加」が含まれ得る。動的クエスト106iには、ドラゴンキャラクタから防御するために使用できる「耐火シールドの構築」が含まれ得る。動的クエスト106jには、ドラゴンキャラクタの洞窟に到達するために「山に登る」ことが含まれ得る。結果的に、図示の例では、プレーヤ102bがビデオゲームを進めるのに支援を必要とするゴールデンパス104aのゲーム領域で、動的クエスト106g~106iが生成され、挿入される。
図1Bにさらに例示するように、ゲームパス116bは、プレーヤ102bがビデオゲーム内でA地点からB地点まで移動したときにプレーヤ102bがたどった経路の足跡を例示する。
【0048】
図1Cは、各プレーヤの各々のゴールデンパス104に沿って動的に生成される動的クエスト106a~106f及びゲーム内ミートアップスペース108を含む、プレーヤ102a及び102bのために生成されるユニークなゲーム経験の実施形態を例示する。一実施形態では、プレーヤ102a~102bは、ほぼ同じレベルであり、オンラインマルチプレーヤビデオゲームなどのビデオゲームをプレイしていることがある。各プレーヤのゴールデンパス104は、ゲーム環境内の異なる場所(例えば、A地点、A'地点)から始まり、各プレーヤを同じ場所(例えば、B地点)に導くことがある。いくつかの実施形態では、各プレーヤ102のゴールデンパス104は、プレーヤらがゲーム内アクティビティにプレーヤ同士で従事することができるゲーム内ミートアップスペース108で合流するように、各プレーヤに働きかけて、各自のゴールデンパスに沿って移動させることができる動的クエスト106を含むことがある。
【0049】
プレーヤ102a及びプレーヤ102bのためのカスタマイズされたゲーム経験を例示するために、一例では、
図1Cに例示するように、ゴールデンパス104a~104bが、それぞれプレーヤ102a及びプレーヤ102bのA地点及びA'地点で開始することがある。ゴールデンパス104a~104bは、その目的が、敵の兵士と戦い、捕虜を救出し、捕虜を安全地帯(例えば、B地点)に導くことである、一連のメインストーリークエスト(図示せず)及び動的クエスト106を介してプレーヤ102a~102bを導くビデオゲーム内の経路であってもよい。一例では、プレーヤ102aは、A地点からゲームプレイを開始することがある。プレーヤ102aが、ゴールデンパス104aに沿ってB地点に向かう方向に移動するとき、プレーヤ102aのゲームメトリクスが継続的に処理される。プレーヤ102aのゲームメトリクスを使用して、システムは、アサルトライフルを入手するために「隠された宝箱を見つける」ことを含む動的クエストをプレーヤ102aに提示するために、ゴールデンパス104aに沿って動的クエスト106aを生成して挿入することがある。動的クエスト106aに関与した後、プレーヤ102aは、ゴールデンパス104aに沿ってB地点に向かって進み続けてもよい。いくつかの実施形態では、プレーヤ102aは、ゴールデンパス104aに沿って進行するときに、複数のメインストーリークエスト(図示せず)に遭遇し、それに関与することがある。
【0050】
いくつかの実施形態では、プレーヤ102aが、動的クエスト106aに関与した後、ゴールデンパス104aに沿って移動し続けるとき、システムは、プレーヤ102aが軌道から外れ、間違った方向に移動していると判定することがある。それに応じて、システムは、プレーヤ102bの気を引いて正しい経路に戻らせるようにするために、動的クエスト106bを生成し、それをゴールデンパス104aの近くに挿入してもよい。一実施形態では、動的クエスト106bは、「敵の兵士と戦う」こと、及び捕虜が位置することができる場所の情報を取得することを含み得る。動的クエスト106bに関与した後に、動的クエスト106bにより、プレーヤ102aは、プレーヤ102bが位置することができるゲーム内ミートアップスペース108に入場することができる。他の実施形態では、システムは、プレーヤが動的クエストに関連付けられた報酬を必要としていると判定された場合に、ゲームプレイ中の特定の時間に動的クエスト106を生成することがある。
【0051】
図1Cにさらに例示するように、プレーヤ102bは、B地点に至るゴールデンパス104b沿いのA'地点でゲームプレイを開始してよい。プレーヤ102bがゴールデンパス104bに沿って移動するとき、プレーヤ102bには、「敵を倒し」暗視ゴーグルを入手するというタスクを含む動的クエスト106dが提示されることがある。動的クエスト106dに関与した後、プレーヤ102bは、ゴールデンパス104bに沿って前進しやすくするために、暗視ゴーグルを使用することができる。ゴールデンパス104bに沿って、プレーヤ102bには、ゴールデンパス104bのより良い視点を得るために、「ゲームキャラクタを木の頂上まで追いかける」というタスクを含む動的クエスト106eが提示される。動的クエスト106eに関与している間、動的クエスト106eは、プレーヤ102bにゲーム内ミートアップスペース108を視覚的に発見させ、それによりプレーヤ102bをゲーム内ミートアップスペース108に向かう方向に向かわせることができる。
【0052】
プレーヤ102a及びプレーヤ102bが各自のゴールデンパスに沿って進行するとき、それらに対応する動的クエスト106は、各プレーヤをゲーム内ミートアップスペース108に導くことができる。いくつかの実施形態では、ゲーム内ミートアップスペース108で、プレーヤらは、タスクを達成するために共に戦う、協力し合う、目的を達成するために戦略を立てるなど、様々な目的及びタスクを実行するために、互いに関わり合うことができる。
図1Cにさらに例示するように、プレーヤ102aとプレーヤ102bとがゲーム内ミートアップスペース108で出会う様子が示されている。一例では、プレーヤ102aとプレーヤ102bとは、各自のゴールデンパスに沿って捕虜を救出し、捕虜を安全地帯(例えばB地点)に導く計画を立てるために、互いに対話を行う様子が示されている。ゲーム内ミートアップスペース108から出発した後、プレーヤ102a及びプレーヤ102bは、各自のゴールデンパスに沿って進み続けることができ、メインストーリークエスト及び動的クエストに遭遇することがある。
図1Cにさらに例示するように、プレーヤ102a及びプレーヤ102bには、それぞれ、「捕虜の救出」及びB地点の安全地帯への捕虜の誘導を伴う動的クエスト106c及び106fが提示される。
【0053】
図1Dは、動的に生成される動的クエスト106a~106eと、異なる経験及び異なるレベルのプレーヤが同じゲームスペースで協力し、互いに関わり合うことができる協力ゲームスペース110とを含む、プレーヤ102a~102bのためのユニークなゲーム経験の実施形態を例示する。いくつかの実施形態では、複数のプレーヤ102がビデオゲームをプレイしていることがあり、各プレーヤのゲーム経験及びスキルは異なる可能性があるため、各プレーヤは異なるレベルでプレイしていることがある。一実施形態では、各プレーヤ102は、各プレーヤに固有のゲーム環境114でプレイしていることがあり、このゲーム環境114は、メインストーリークエスト(図示せず)と、各プレーヤ102のそれぞれのゴールデンパス104に沿って動的に生成される動的クエスト106とを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、動的クエスト106は、プレーヤのゲームメトリクスに基づいて生成される。例えば、ビデオゲームにおいてより多くのゲーム経験とより高度なスキルとを有するプレーヤ102には、ビデオゲームに不慣れな初心者プレーヤと比較して、より挑戦的な動的クエスト106が提示されることがある。他の実施形態では、動的クエスト106は、プレーヤに働きかけて、協力ゲームスペース110などの特定のゲームスペースで合流または交流させるために生成することがある。いくつかの実施形態では、協力ゲームスペース110は、アクセスが許可されれば他のプレーヤがアクセスできる特定のプレーヤのゲーム環境114内に位置してもよい。協力ゲームスペース110は、各自のゲーム環境114内に同じ協力ゲームスペース110を持たないプレーヤと共有されてもよい。例えば、協力ゲームスペース110は、上級プレーヤのゲーム環境114内に位置することがある。上級プレーヤは、初心者プレーヤが高度なゲームシーンを含む協力ゲームスペース110でのゲームプレイを経験できるように、初心者プレーヤに協力ゲームスペース110へのアクセスを許可することがある。
【0055】
図1Dに示すように、プレーヤ102aは、レベル26のゲーム環境114aでプレイしている。プレーヤ102aは、プレーヤ102aをB地点に導くゴールデンパス104aに沿ってA地点からゲームプレイを開始し得る。ゴールデンパス104aは、複数のメインストーリークエスト(図示せず)と、プレーヤ102aのゲームメトリクスに基づいて生成される動的クエスト102a~102cとを含むことがある。プレーヤ102aは、レベル26のゲーム環境114aでプレイしているので、動的クエスト102a~102c及びそのサブパートは、プレーヤ102aのゲームプレイが引き続き挑戦的であり、プレーヤ102aを没頭させ続けるように、同じまたは類似のレベルであってもよい。ゲーム環境114aはまた、プレーヤ102a及び他のプレーヤが関わり合うことができるゲームシーンを含む協力ゲームスペース110を含むこともある。
【0056】
図1Dにさらに例示するように、プレーヤ102bは、レベル2のゲーム環境114bでプレイすることが示されている。プレーヤ102bは、プレーヤ102bをB'地点に導くゴールデンパス104bに沿ってA'地点からゲームプレイを開始し得る。ゴールデンパス104bは、複数のメインストーリークエスト(図示せず)と、プレーヤ102bのゲームメトリクスに基づいて生成される動的クエスト102d~102eとを含むことがある。一例では、動的クエスト106dは、プレーヤ102bが一定期間より高度なレベルでプレイできるように、プレーヤ102bに働きかけて、協力ゲームスペース110でプレーヤ102aと合流させ、交流させるように生成される。例えば、動的クエスト106dには、スナイパーライフルの使い方を学ぶためのトレーニングセッションが含まれることがある。動的クエスト106dに首尾よく関与した後、プレーヤ102aは、キャラクタ112を撃ち殺すことを伴うゲームシーンでプレーヤ102bがプレーヤ102aを支援できるように、プレーヤ102bに協力ゲームスペース110へのアクセスを提供してもよい。プレーヤ102bがプレーヤ102aと対話し、キャラクタ112を倒すのを助けると、プレーヤ102bは、協力ゲームスペース110を出てゲーム環境114bに戻り、ゴールデンパス104bに沿ってB'地点に向かって進み続けてもよい。
【0057】
図2Aは、ビデオゲームをプレイする複数のプレーヤ102について追跡され処理されるプレーヤゲームメトリクス204と、各プレーヤのゲームメトリクス204に基づいて生成される対応する動的クエスト106とを例示するプレーヤメトリクステーブル202の実施形態を例示する。一実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤがビデオゲームをプレイしている間に追跡されるゲームプレイ条件を含み得る。一例では、ゲームプレイ条件は、ゲーム条件(例えば、ゲームプレイで何が起こっているか)と、プレーヤ対話性条件(例えば、プレーヤがゲームプレイで何をしているか)との組み合わせに関連してもよい。
図2Aに示すように、プレーヤメトリクステーブル202は、プレーヤ識別206と、各プレーヤのゲームプレイ中に追跡され処理されるプレーヤゲームメトリクス204とを含む。一例では、各プレーヤのゲームプレイ中、システムは、様々なプレーヤの条件を追跡することがあり、プレーヤゲームメトリクス204は、ゲームレベル、弾薬量、健康レベル、防具レベル、貨幣額などのプレーヤに関連する様々なパラメータを含むことがある。一実施形態では、ゲームレベルは、1~100の範囲であり得るか、または特定のビデオゲームに依存し得る。いくつかの実施形態では、弾薬量、健康レベル、及び防具レベルは、1~100%の範囲であり得る。
【0058】
システムが、各プレーヤに関連付けられたそれぞれのプレーヤゲームメトリクス204を処理した後、システムは、各プレーヤの合計スコア208を決定することができる。いくつかの実施形態では、合計スコア208は、プレーヤゲームメトリクス204、ゲーム条件、及びプレーヤ対話性条件に基づいて計算される。いくつかの実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204及び合計スコア208を使用して、プレーヤ102が特定の動的クエスト106に参加する資格があるかどうかを判定することがある。一実施形態では、動的クエスト106は、特定の動的クエスト106の資格を得るために、プレーヤ102が一連の条件及び前提条件を満たすことを要求し得る。例えば、動的クエスト106は、動的クエスト106の資格を得るために、「50」を超える前提条件の合計スコアと、85%を超える弾薬レベルとを必要とする場合がある。
【0059】
図2Aにさらに例示するように、各動的クエスト106は、対応するクエストタイプ210、内容212、及び動的クエスト106に関連付けられた報酬214を有し得る。一実施形態では、動的クエストタイプ210は、目的ベースの動的クエストまたは近接性ベースの動的クエストであってもよい。目的ベースの動的クエストは、プレーヤ102が報酬を得るために完了するビデオゲーム内のタスクであってもよい。いくつかの実施形態では、近接性ベースの動的クエストは、自己完結型の位置ベースの目的であるクエストである。いくつかの実施形態では、内容212及び報酬214は、動的クエストの簡単な説明、及び動的クエストに関与する際に獲得される報酬のタイプを提供する。
【0060】
図2Aのプレーヤメトリクステーブル202の例示を提供するために、一例では、システムは、プレーヤBに関連付けられたプレーヤゲームメトリクスが、プレーヤBがレベル5でプレイしていること、ならびにプレーヤBが、弾薬レベルが75%、健康レベルが89%、防具レベルが75%であり、ゲームプレイ全体を通じて貨幣として68ドルを蓄えていること、を示していることを追跡し、判定することがある。プレーヤBのゲームメトリクス、ゲーム条件、及びプレーヤ対話性条件に基づいて、システムは、プレーヤBの合計スコアが「75」であると判定することがある。プレーヤBのゲームメトリクス及び合計スコアを使用して、システムは、プレーヤBの弾薬レベルを5%だけ増加させるために「弾薬を買うこと」を伴う動的クエスト106を生成し、挿入することがある。
【0061】
図2Bは、動的クエストタイプ218のリストと、動的クエストタイプの概要220とを示す動的クエストテーブル216の実施形態を例示する。
図2Bに示すように、動的クエストタイプ218は、多岐にわたり、ビデオゲームにおける「アイテムの発見」や「パズルまたは謎を解く」などの多種多様なタイプを含み得る。プレーヤ102がビデオゲームにおいてゴールデンパス104に沿って前進するのを支援するのに役立つ報酬の獲得を可能にするように動的クエスト106を生成することに加えて、動的クエスト106を、プレーヤ102のゲームプレイが高められまたは維持されるように生成してもよい。いくつかの実施形態では、プレーヤのプレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤが自分のゲームプレイに不満を持っていることを示すプレーヤの感情に関連する情報を提供することがある。結果的に、システムは、プレーヤのゲームプレイがより魅力的になるように、プレーヤの興味や好みに合致し得る動的クエスト106を生成することができる。例えば、システムは、プレーヤの過去の経験に基づいて、プレーヤがゲームキャラクタとの言葉による対話を伴うゲームシーンを楽しんでいると判定することがある。その結果、システムは、ゲームキャラクタとの対話を伴う動的クエストタイプ、またはプレーヤがゲームキャラクタと言葉で対話することを伴い得る他の任意のタイプの動的クエストを生成することができる。
【0062】
図2Cは、様々なメインストーリークエスト226と、それに対応するメインストーリークエストサブパート228とを例示するメインストーリークエストテーブル224の実施形態を例示する。上記のように、プレーヤ102のゲームプレイに関連付けられた各ゴールデンパス104は、複数のメインストーリークエストを含むことがある。メインストーリークエスト及び対応するメインストーリークエストサブパートは、多様であり、プレイされている特定のビデオゲームによって異なる場合がある。
図2Cのメインストーリークエストテーブル224は、特定のビデオゲームで利用可能であり得るメインストーリークエスト及びメインストーリークエストサブパートの例を提供する。
図2Cにさらに例示するように、各メインストーリークエストサブパート228は、クエストタイプ230、クエスト前提条件232、及び報酬234を含むことがある。
【0063】
いくつかの実施形態では、クエスト前提条件232は、プレーヤが、特定のメインストーリークエストサブパートに関与できる前に、前提条件または特定の条件を満たすことをその特定のメインストーリークエストサブパートが必要とし得ることを示し得る。例えば、「負傷した兵士を支援する」ことを含むメインストーリークエストサブパートは、敵の攻撃から仲間の兵士を守ることを含むタスクであることがあり、このメインストーリークエストサブパートに関与するには、プレーヤ102が十分な弾薬を持っているという前提条件を必要とし得る。
図2Cにさらに例示するように、各メインストーリークエストサブパートは、プレーヤ102がメインストーリークエストサブパートに首尾よく関与した後に獲得できる対応する報酬234を含むことがある。
【0064】
図2Dは、ゴールデンパス104に沿って挿入するための動的クエスト106を選択するためにアクセスできる事前定義された動的クエスト236を例示する動的クエストテーブルの実施形態を例示する。一実施形態では、事前定義された動的クエスト236のテーブルは、動的クエスト106のリストと、それに対応する動的クエストサブパート238、動的クエストタイプ218、動的クエスト前提条件240、及び動的クエストに成功裏に関与することと引き換えの報酬242とを含むことがある。
図2Dの事前定義された動的クエスト236のテーブルは、特定のビデオゲームに利用可能であり得る動的クエスト106及び対応する動的クエストサブパート238の一例を提供する。他の実施形態では、プレーヤ102のために生成される動的クエストサブパート240の総数は、様々であり、ビデオゲームをプレイする特定のプレーヤ102に応じて変化し得る。例えば、経験の浅いプレーヤ102には、1つのみの動的クエストサブパート240が提供され得るが、より上級のプレーヤには、ゲームプレイがより挑戦的になるように、より多くの動的クエストサブパート240が提供され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、動的クエスト106及びそれに対応する動的クエストサブパート240は、ゴールデンパス104に沿ってメインストーリークエスト226の前または後に挿入される。上記のように、動的クエスト106は、ビデオゲームを進めるためにプレーヤ102が支援を必要とすると判定されるゴールデンパス104沿いの領域に挿入されることがある。例えば、特定のプレーヤ102のプレーヤゲームメトリクス204に基づいて、システムは、プレーヤ102の健康レベルが低いと判定することができる。したがって、システムは、プレーヤの健康レベルを増加させることになる報酬をプレーヤが獲得できるように、プレーヤのゴールデンパスに沿って動的クエスト106を生成し、挿入することができる。
【0066】
図2Eは、動的クエスト106を成功裏に完了することと引き換えにプレーヤ102が獲得できる報酬タイプ248を例示する報酬タイプテーブル244の実施形態を例示する。図示するように、テーブルは、報酬識別246及び対応する報酬タイプ248を含む。
図2Eにさらに示すように、報酬タイプ248は、様々であり、多様な報酬を含むことができる。一実施形態では、報酬は、プレーヤ102がビデオゲームで前進するのを支援するのに役立つことがある。他の実施形態では、ポイントなどの報酬は、プレーヤがビデオゲームで進歩していることを認識できるように、プレーヤに栄誉を与えることができる。
【0067】
図3Aは、動的クエストインターフェースに動的クエスト106を格納し、ゴールデンパス104に沿って特定の時点に有用な関連する動的クエスト106をプレーヤ102に提示するための方法の概念図を示す。一例では、方法は、プレーヤ102のアクティビティと、プレーヤ102がゴールデンパス104に沿って移動する際に、プレーヤ102のゲーム環境114内で発生する全てのアクションとを監視し検出するように構成された動作302を含む。例えば、プレーヤ102は、ビデオゲーム内のB地点に到達するためにゴールデンパス104に沿って移動することができ、プレーヤ102には、ゴールデンパス104に沿って一連のメインストーリークエスト及び様々な動的クエスト106が提示され得る。一実施形態では、動作302は、プレーヤ102の現在位置304、メインストーリークエスト、プレーヤ102に提供される動的クエスト106、プレーヤ102の対話性、ゲームプレイのコンテキストなどを追跡するように構成することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、プレーヤ102は、プレーヤがゴールデンパス104に沿って進行するときに、任意の時点で関与する動的クエスト106を提供され得る。一実施形態では、プレーヤ102が、提供された動的クエストを選択しない、またはそれに参加しないことを決定した場合、動作302は、プレーヤが任意の所望の時間にアクセスできる動的クエストインターフェースなどのキューに動的クエストを追加するように構成され得る。その結果、動的クエストインターフェースは、動的クエスト106が特定の時間にゴールデンパス104に沿って提供されていない場合でも、プレーヤ102が戻って関与できる複数の動的クエスト106を含むことができる。
【0069】
本方法は、動作306に進み、そこでゲームプレイモデル307を使用して、動的クエストインターフェースにおける動的クエストのクリーンアップを可能にしてもよい。プレーヤ102のゲームセッション中、プレーヤ102には、特定のプレーヤ102に対して動的かつ一意に生成され、プレーヤ102によって動的クエストインターフェースに追加され得る、異なるタイプの動的クエスト106に対する多くのオプションが提供され得る。いくつかの実施形態では、動的クエストインターフェースが圧倒的になり、プレーヤにとって役に立たない可能性のある動的クエストが含まれる場合がある。したがって、一実施形態では、動作306は、ある時点でユーザに関連する動的クエストを識別するように構成されてもよい。プレーヤ102がゴールデンパス104に沿って進み、動的クエストが動的クエストインターフェースに追加されるとき、特定の動的クエストはプレーヤにとって役に立たなくなる可能性がある。例えば、動的クエストインターフェースは、ナイフ及び銃の報酬を提供する動的クエストを含むことがある。動作306は、プレーヤ102が、次のクエストで成功するためにナイフではなく銃を使用する必要があるメインストーリークエスト及び動的クエスト106に遭遇すると判定することがある。それに応じて、動作306は、報酬として銃を提供する動的クエストを、プレーヤにとって有益かつ関連性のあるものとして識別してもよい。
【0070】
本方法は、動作308に進み、そこで動作は、動的クエストインターフェースにアクセスして、現在動的クエストインターフェースに格納されている動的クエストのタイプを判定することがある。ゲームプレイモデル307から得られた情報を使用して、関連する動的クエストが識別され、本方法は、プレーヤ102に提示される関連する動的クエストのリストを含む動作310に進む。
図3Aに示すように、動作310では、プレーヤがゴールデンパス104に沿って動的クエスト106eに遭遇したときに、弾薬、防具、及び機関銃がプレーヤにとって役立ち得るので、それらを含む報酬の獲得を可能にする動的クエストが、プレーヤ102に提供される。
【0071】
図3Bは、プレーヤ102がビデオゲームと関わり合い続けるように、動的クエスト106の多様化を含むユニークなゲーム経験をプレーヤ102向けに生成する方法の概念図を示す。一例では、方法は、プレーヤ102のアクティビティと、プレーヤ102がゴールデンパス104に沿って移動する際に、プレーヤ102のゲーム環境内で発生する全てのアクションとを監視し検出するように構成された動作312を含む。
図3Bに示すように、動作312において、プレーヤのゲーム環境は、複数のメインストーリークエスト(例えば、MSQ-1~MSQ-n)と、複数の動的クエスト106とを含む。MSQ-2を参照すると、MSQ-2は、プレーヤ102が(例えば、ゲーム環境コンテキストで)関与できる複数のゲーム領域(例えば、GR-1~GR-n)を含むことがある。他の実施形態では、1つ以上の動的クエスト106が、メインストーリークエスト内、メインストーリークエストの後、またはメインストーリークエストの前に挿入されることがある。
【0072】
別の実施形態では、この方法は、プレーヤがゴールデンパス104に沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクス204を識別するために、ゲームプレイデータを解析することをさらに含むことがある。一実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤの経験、インスタントゲーム条件、プレーヤのゲーム状態、プレーヤの対話性、及びプレーヤの感情などの様々なデータを捕捉することができる。他の実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204は、複数のメインストーリークエストのうちの1つに関連付けられたゲーム領域に対して受信された複数の入力に対するプロファイルを含むことができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、方法は、プレーヤゲームメトリクス204からの複数の入力に対するプロファイルを抽出し、識別するように構成された動作314を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の入力に対するプロファイルは、特定のゲーム領域のためのプレーヤに関連付けられた様々なデータを含むことができる。一例では、複数の入力に対するプロファイルは、ゲームプレイ中のプレーヤに関連付けられたアクション、動作、コントローラ入力、応答時間、一時停止時間、生体情報などを識別するデータを含むことができる。一実施形態では、複数の入力を正規化し、1~10の範囲とすることができる。
【0074】
別の実施形態では、方法は、複数の入力及びゲーム領域のプロファイルに基づいてプレーヤ102のエンゲージメントスコアを生成するように構成された動作316をさらに含むことがある。一実施形態では、エンゲージメントスコアは、ゲーム領域で発生するアクションのタイプに基づいて正規化することができ、1~10の範囲とすることができる。一実施形態では、エンゲージメントスコア「10」は、プレーヤのエンゲージメントが最適であることを示し得る。逆に、エンゲージメントスコア「1」は、プレーヤがゲームプレイに関与していないことを示し得る。いくつかの実施形態では、エンゲージメントスコアを特定のゲーム領域に関連付けられたスコア閾値と比較して、プレーヤ102が特定のゲーム領域に関与しているかどうかを判定してもよい。例えば、プレーヤのエンゲージメントスコアがゲーム領域のスコア閾値を超えた場合、これは、プレーヤがそのゲーム領域に関与していることを示し得る。別の例では、プレーヤのエンゲージメントスコアがゲーム領域のスコア閾値を超えない場合、これは、プレーヤがそのゲーム領域に関与していることを示し得る。したがって、システムは、プレーヤのエンゲージメントスコアが増加し、その結果、プレーヤがゲームプレイに関わり合うように、動的クエスト106を生成し、それをプレーヤ102に提供してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、方法は、プレーヤ102のために動的クエスト106を生成するように構成された動作318を含んでもよい。いくつかの実施形態では、動的クエスト106は、エンゲージメントスコアがゲーム領域のスコア閾値を下回ったという判定に応答して生成される。例えば、ビデオゲームのゲーム領域では、プレーヤのエンゲージメントが最小限で済むため、スコア閾値が「3」になることがある。このゲーム領域では、ゲーム領域が、ストーリー展開の基礎を築くビデオゲーム内のゲームキャラクタ間の対話を含むので、プレーヤのエンゲージメントは最小限で済む。別の例では、ゲーム領域が、ゲーム領域で成功するためにかなりの量のプレーヤエンゲージメント及びプレーヤインタラクションを必要とする敵兵士との戦闘シーンを含むので、ビデオゲームのゲーム領域は、スコア閾値「8」を必要とすることがある。したがって、エンゲージメントスコアがゲーム領域のスコア閾値を下回る場合、動作318は、プレーヤがゲームプレイにより関わり合うようになることを促進する動的クエストを生成してもよい。別の実施形態では、動作318は、プレーヤ102のエンゲージメントスコアがスコア閾値を超えて増加するようにクエストタイプが構成されるように、動的クエスト106を生成するように構成される。例えば、敵兵士との戦闘シーン中に、プレーヤ102のエンゲージメントスコアがスコア閾値を下回ることがある。それに応じて、動作318は、プレーヤ102のエンゲージメントスコアを増加させる可能性のある攻撃に対してプレーヤ102が防御することが容易になるように、より少ない数の敵兵士を含み得る動的クエストを生成してもよい。
【0076】
図4は、プレーヤ102にとって有用となり得る保存された動的クエスト404及び関連動的クエスト416を含むプレーヤ102の動的クエストインターフェース402の実施形態を例示する。図示するように、保存された各動的クエスト404は、動的クエスト識別406a、動的クエストタイプ408a、動的クエスト内容410a、及び動的クエストに対応する報酬412aを含む。上記のように、プレーヤがゴールデンパス104に沿って進行するときに、プレーヤは、動的クエストがプレーヤに提供される時点で関与を拒否できる動的クエスト106を提供され得る。動的クエストがプレーヤに提供される特定の瞬間に動的クエストに関与する代わりに、動的クエストを動的クエストインターフェース402に追加することができる。
【0077】
プレーヤのゲームプレイが進行するにつれて、保存された動的クエスト404の数は増加し続ける可能性があり、プレーヤの手に負えなくなる可能性がある。いくつかの実施形態では、保存された動的クエスト404は、プレーヤ102にとってもはや関連性、有用性、または魅力を持たない可能性がある様々な動的クエストを含み得る。したがって、システムは、ゲームプレイモデル307を使用して、保存されたどの動的クエストがプレーヤ102にとって関連性、有用性、または魅力を持ち得るものかを判定してもよい。一実施形態では、ゲームプレイモデル307を使用して、プレーヤ102がゴールデンパス104に沿って様々な地点で遭遇する可能性があるメインストーリークエスト及び動的クエストのタイプを判定することができる。したがって、ゲームプレイモデル307は、ゴールデンパス104に沿って特定の時点でプレーヤにとって役立つ関連する動的クエスト416を識別するのに役立つように使用することが可能である。
【0078】
図4にさらに例示するように、動的クエストインターフェース402は、プレーヤにとって有益であり、関連性があると識別される複数の関連動的クエスト416を含むことができる。いくつかの実施形態では、以前にプレーヤに提供され、キューに追加された動的クエストは、ゲームプレイのより進んだ時点ではプレーヤにとって役に立たない可能性があるため、関連する動的クエスト416のリストから除外され得る。例えば、
図4に示すように、マップのロックを解除するために総督と話すことを伴う動的クエスト7は、プレーヤがマップ上に表示されている所望の場所にすでに到着しているので、プレーヤにとってもはや役に立たない可能性がある。
【0079】
図4に示すように、関連する動的クエスト416のそれぞれは、動的クエスト識別406b、動的クエストタイプ408b、動的クエスト内容410b、及び動的クエストに対応する報酬412bを含む。例えば、図示するように、関連する動的クエスト416は、弾薬の購入(例えば、DQ2)、防具の発見(例えば、DQ3)、隠された弾薬の探索(例えば、DQ9)、及びチームリーダーを追ってマシンガンを入手すること(例えば、DQ10)に関連する動的クエストを含む。一例では、関連する動的クエスト416及びそれに対応する報酬は、敵の兵士との銃撃戦を伴う次のシーンにおいてプレーヤ102にとって役立つ可能性がある。
【0080】
いくつかの実施形態では、動的クエストインターフェース402に含めるための関連動的クエスト416の識別は、ゲームプレイモデル307を介したプレーヤゲームメトリクス204及び保存された動的クエスト404の処理に基づく。ゲームプレイモデル307は、プレーヤゲームメトリクス204及び保存された動的クエスト404から特徴を識別して、1つ以上の分類器を使用してその特徴を分類するように構成されている。次いで、分類された特徴は、保存された動的クエスト404のうちのどれがプレーヤ102に関連する可能性があるかを予測及び識別するために、ゲームプレイモデル307によって使用される。いくつかの実施形態では、動的クエストがプレーヤに関連するかどうかを判定する際に、動的クエストによって提供される報酬のタイプ、プレーヤの興味、及びプレーヤがゴールデンパスに沿って遭遇する可能性のあるゲームシーンのタイプが考慮されてもよい。他の実施形態では、動的クエストがプレーヤにとって役に立たないと判定された場合、それらの動的クエストは、関連する動的クエスト416のリストから削除または除外され得る。
【0081】
図5Aは、プレーヤゲームメトリクス204及びトレーニングデータルール504を入力として使用して、プレーヤ106のために動的クエスト106を生成するためにゲームプレイモデル307を使用する方法の実施形態を例示する。上記のように、カスタマイズされたゲーム経験をプレーヤに提供するために、生成された動的クエスト106は、プレーヤごとに独自に生成され、プレーヤのゴールデンパス104に沿って挿入され得る。
【0082】
一例では、この方法は、プレーヤ102によってプレイされているビデオゲームからプレーヤ対話型ゲームプレイデータ502にアクセスすることを含む。一実施形態では、プレーヤ対話型ゲームプレイデータ502は、ゲームプレイ中にプレーヤ102によって行われたアクション、入力、及び移動の全てを識別する状態データなどのゲームプレイメタデータを含むことがある。別の実施形態では、方法は、プレーヤ102のゲームプレイに関連付けられたプレーヤゲームメトリクス204を抽出し、識別するために、プレーヤの対話型ゲームプレイデータ502を解析することをさらに含んでもよい。一実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤの経験514、インスタントゲーム条件516、プレーヤのゲーム状態518、プレーヤの対話性520、及びプレーヤの感情522などの様々なデータを捕捉することがある。
【0083】
一実施形態では、プレーヤ経験514には、ゲーム経験、ゲームプレイ履歴、視聴履歴、ゲームスキルレベル、好み、興味、無関心など、プレーヤ102の様々な属性及び特性が含まれ得る。いくつかの実施形態では、インスタントゲーム条件516には、ゲームプレイのコンテキスト、ゲームプレイ内のキャラクタ、ゲームプレイの現在の状態などに関連付けられたデータが含まれ得る。プレーヤゲーム状態518には、ゲームのレベル、合計スコア、及びプレーヤのステータスに関連する様々なパラメータ、例えば、弾薬レベル、健康レベル、防具レベル、貨幣額などを識別するデータが含まれ得る。いくつかの実施形態では、プレーヤ対話性520には、メインストーリークエスト、動的クエスト、及びゴールデンパスに沿って移動する際のその他のインタラクションに関与するときのプレーヤインタラクションに関連付けられた情報が含まれ得る。例えば、プレーヤの対話性520には、メインストーリークエスト及び動的クエストに対するプレーヤの関与、インタラクションのコンテキスト、プレーヤによって実行されるアクションなどに関連する情報が含まれ得る。いくつかの実施形態では、プレーヤの感情522には、ゲームプレイ中のプレーヤの心の動きや気分に関連する情報が含まれ得る。
【0084】
別の実施形態では、方法は、プレーヤゲームメトリクス204を受信して、プレーヤゲームメトリクス204内の様々な特徴を抽出し識別するように構成された特徴抽出506動作をさらに含むことがある。特徴抽出506動作がプレーヤゲームメトリクスに関連付けられた特徴を識別した後に、分類器508が、ビデオゲームに関するプレーヤのためのゲームプレイモデル307を形成するために、1つ以上の分類器を使用して抽出された特徴を分類するように構成され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、方法は、分類器508及びトレーニングデータルール504から分類された特徴を入力として受け取るように構成されたゲームプレイモデル307に進む。一実施形態では、ゲームプレイモデル307は、トレーニングデータルール504を使用して時間をかけて構築され得る。ゲームプレイモデル307は、トレーニングデータルール504を使用してトレーニングできる1つ以上の機械学習モデルを使用することができる。トレーニングデータルール504は、ゲームプレイモデル307を構築し、ゲームプレイモデル307のノード間の接続を強化するために使用できる複数のトレーニングデータルールを含み得る。別の実施形態では、直接入力ではない、または入力/フィードバックの欠如である他の入力もまた、ゲームプレイモデル307への入力として取得されてもよい。例えば、プレーヤ106に提供される特定のタイプの動的クエスト106は、動的クエストに対するプレーヤの興味または無関心を判定するのに役立ち得る。プレーヤが関与するために動的クエストを選択したならば、このことは、プレーヤがその動的クエストに興味を持っていることを示してもよい。逆に、プレーヤが関与するために動的クエストを選択しないならば、このことは、プレーヤがその動的クエストに興味がないことを示してもよい。
【0086】
他の実施形態では、各プレーヤは、各プレーヤの動的クエストの生成をカスタム調整するために使用できる、対応するプレーヤゲームモデルを有することがある。一例では、プレーヤゲームモデルは、プレーヤの過去のプレイアクティビティ、好き嫌い、実績、スキルレベルなどによって定義してもよい。
【0087】
一例では、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤがナイフを使用して敵キャラクタと戦う戦闘シーンを含むメインストーリークエストに関与していることを示し得る。プレーヤのゲーム状態518及びプレーヤの感情522は、戦闘シーン中、プレーヤ102が敵キャラクタによって重傷を負ったこと、及びプレーヤ102がナイフの使用を好まなかったことを示す。プレーヤゲームメトリクス204によって提供されるデータを使用して、ゲームプレイモデル307は、プレーヤがナイフ以外の使用に興味を持ち得る様々なタイプの戦闘武器、例えば銃、爆弾、弓矢、剣などを提供する動的クエストを予測してもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510は、プレーヤ102のために生成する動的クエスト106及び動的サブパートのタイプを判定するために、ゲームプレイモデル307を使用することがある。一実施形態では、動的クエスト生成器510は、ゲームプレイモデル307及びトレーニングデータルール504の検査に基づいて動的クエストを生成してもよい。他の実施形態では、動的クエスト生成器510は、特定の条件及び前提条件のセットを満たすことに基づいて動的クエスト106及び動的サブパートを生成するように構成されてもよい。例えば、プレーヤ102がビデオゲームで特定の合計スコアを超えた場合、動的クエスト生成器510は、プレーヤが、特別なスキル及び能力の獲得を可能にするゲームシーンに関与できるようにする動的クエスト106を生成することがある。他の実施形態では、動的クエスト生成器510は、ゲームプレイモデル307を使用して、ゲームプレイの現在のシナリオ、プレーヤによって企てられた目標、プレーヤが経験する成功または失敗のレベル、プレーヤが前進するために必要なゲーム資産、プレーヤによるエンゲージメントまたは離脱の検出レベル、プレーヤの判定された感情、目標達成の失敗、1つ以上のタスクまたは目標を達成するための前提条件、あるいはそれらの2つ以上の組み合わせに基づいてプレーヤに支援を提供する動的クエスト106及び動的サブパートを生成してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510が動的クエスト106及び動的サブパートを生成した後、ゴールデンパス104に沿って動的クエスト106及び動的クエストサブパートを挿入する動的クエスト挿入512動作が構成されて、プレーヤにクエストを提供するとともに、対応する報酬を獲得できるようにする。一実施形態では、動的クエストは、メインストーリークエスト226の前または後に挿入され得る。一例では、システムは、メインストーリークエストを成功させるために特定の武器及びスキル、例えば狙撃銃や長距離射撃の使用を必要とするメインストーリークエストにプレーヤが近づいていることを判定することができる。したがって、システムは、プレーヤがメインストーリークエストに到達する前に、プレーヤが狙撃銃と長距離射撃のスキルとを獲得できるようにする動的クエストを生成してもよい。
【0090】
別の実施形態によれば、動的クエスト生成器510は、動的クエスト選択プロセスを多様化するように、かつビデオゲームをプレイしたいというプレーヤの欲求を弱め、その結果プレーヤがビデオゲームから離脱してしまうような動的クエストの生成を防止するように、構成することができる。一実施形態では、動的クエスト生成器510は、ゲームセッション中に、あるタイプの動的クエスト106に対するプレーヤの嫌悪感、または特定のタイプの動的クエストをプレイする熱意の履歴分析に基づいて、動的クエスト106を生成することがある。例えば、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤのゲームプレイ履歴及び視聴履歴を識別することができ、それによって、プレーヤが関与することに興味を持つまたは関心を持たない可能性のある動的クエストのタイプを示すことができる。その結果、動的クエスト生成器510は、プレーヤがゲームセッションに関与し続けるように、プレーヤの興味に合わせた動的クエストを生成することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510は、動的クエストに関連する報酬を達成するために要求される必要なコンポーネントの数が制限されるように、動的クエスト106の複雑さを制限するように構成されることがある。例えば、報酬を獲得するためにプレーヤが5つの目標を実行することを一般に必要とする動的クエスト106が、2つの目標に制限されてもよい。一実施形態では、動的クエスト生成器510は、プレーヤのゲームプレイ期間を満たす動的クエスト106を生成するように構成することがある。例えば、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤの平均ゲームプレイ継続時間が約45分であることを示すことがある。それに応じて、動的クエスト生成器510は、プレーヤのゲームプレイ時間を約45分に制限するようになる動的クエストを生成してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510は、特定のゲームの場所(例えば、ゲーム内ミートアップスペース108、協力ゲームスペース110)で対話的にプレイするように1人以上のプレーヤを誘導する動的クエスト106を生成することがある。プレーヤらがそのゲームの場所で互いに関わり合う際に、動的クエスト106は、プレーヤが他のプレーヤと持つ交流の数の増加または減少をもたらすことにしてもよい。例えば、異なる経験及び異なるレベルのプレーヤが協力ゲームスペース110で合流し、互いに関わり合う場合、協力ゲームスペース110へのアクセスを許可されたプレーヤは、各自のゲーム環境に戻る前に、指定された期間だけ協力ゲームスペース110で交流するように制限されてもよい。
【0093】
他の実施形態では、動的クエスト生成器510は、プレーヤが達成したい報酬タイプ、及びプレーヤがビデオゲームに関わり合い続けるために、プレーヤがビデオゲームで前進するのを助けるであろう報酬タイプに基づいて、動的クエストを選択してもよい。いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510は、プレーヤに提供される動的クエストの数を抑制するか、または難易度の増減を伴う動的クエストを提供してもよい。例えば、システムは、プレーヤのゲームメトリクス204に基づいて、動的クエストが多すぎてそれらを達成するのが難しいために、プレーヤが自分のゲームプレイに不満を感じていることを判定することができる。したがって、システムは、動的クエストの数を動的に抑制し、動的クエストの難易度を下げることができる。その結果、プレーヤの要望に基づいて動的クエストを動的に調整しかつ生成することにより、プレーヤは、ゲームプレイに関わり続け、プレイし続ける可能性がある。
【0094】
図5Bは、プレーヤ102のゴールデンパス104に沿って挿入するための1つ以上の動的クエスト106を生成するために、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたプレーヤインタラクティブゲームプレイデータ502を使用して、ビデオゲームをプレイするプレーヤ向けにユニークなゲーム経験を生成するための方法の概念図を示す。一例では、この方法は、プレーヤのアクション、及びゲーム環境で発生するアクティビティを監視し追跡するように構成された動作524を含む。例えば、図示するように、プレーヤ102のゲーム環境は、複数のメインストーリークエスト(MSQ)226a~226hと、ゴールデンパス104に沿って動的に生成される動的クエスト106とを含むゴールデンパス104に沿って移動するプレーヤ102を例示する。
【0095】
別の実施形態では、方法は、プレーヤ102のゲームプレイからプレーヤ対話型ゲームプレイデータ502を抽出するように構成された動作に進む。別の実施形態では、この方法は、プレーヤがゴールデンパス104に沿って進行するときに、プレーヤゲームメトリクス204を識別するために、プレーヤ対話型ゲームプレイデータ502を処理することをさらに含む。上記のように、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤ経験514、インスタントゲーム条件516、プレーヤゲーム状態518、プレーヤ対話性520、及びプレーヤ感情522など、プレーヤのゲームプレイに関連する様々なパラメータを含むことがある。例えば、プレーヤのゲームプレイ中の任意の時点で、プレーヤのスコア、ゲームレベル、感情、及びゴールデンパス沿いの場所を判定することができ、これらを使用してプレーヤ102のために動的クエスト106を生成してもよい。
【0096】
別の実施形態では、方法は、プレーヤ102のために動的クエスト106及び動的クエストサブパートを生成するように構成された動的クエスト生成器510に進む。一実施形態では、動的クエスト生成器510は、ゲームプレイモデル307を使用して、プレーヤのために動的クエスト106及び1つ以上の動的クエストサブパートを生成することができる。例えば、プレーヤゲームメトリクス204に基づいて、ゲームプレイモデル307は、プレーヤがゲーム内で敵キャラクタを上回ることに失敗したこと、及びプレーヤがゲームプレイから離脱し始めていることを判定するために、使用されてもよい。結果として、ゲームプレイモデル307は、プレーヤが敵キャラクタを倒すのに役立つようになるゲーム資産をプレーヤに提供する動的クエストを生成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、動的クエスト生成器510は、1つ以上の動的クエストサブパートを含む動的クエスト106を生成することができる。上記のように、動的クエスト106は、目的ベースの動的クエストまたは近接性ベースの動的クエストであってもよい。目的ベースの動的クエストは、プレーヤ102が報酬を得るために完了するビデオゲーム内のタスクであってもよい。いくつかの実施形態では、近接性ベースの動的クエストは、自己完結型の位置ベースの目的であるクエストである。他の実施形態では、動的クエストを生成する代わりに、動的クエスト生成器510は、事前定義された動的クエストの特定のテーブルにアクセスするように構成されてもよい。例えば、動的クエスト生成器510は、
図2Dの事前定義された動的クエスト236にアクセスし、プレーヤ102のゴールデンパス104に沿って挿入するための動的クエスト及び動的クエストサブパートを選択してもよい。
【0097】
別の実施形態では、動的クエスト106を生成するか、または事前定義された動的クエストの特定のテーブルにアクセスした後、方法は、動的クエスト106及び動的クエストサブパートをゴールデンパス104に沿って挿入するように構成された動的クエスト挿入512動作に進む。図示するように、動的クエスト106は、メインストーリークエスト226の前または後に挿入され得る。別の実施形態では、動的クエスト106は、プレーヤが動的クエストに関連付けられ得る前提条件を満たした場合に、ゴールデンパスに沿って挿入され、プレーヤに提示され得る。例えば、動的クエストには、動的クエストに関与するためにプレーヤが合計スコア200ポイントを超える必要があるという前提条件がある場合がある。したがって、動的クエストは、プレーヤが予測された時点で、または200ポイント以上のスコアを達成した時点で、ゴールデンパスに沿って挿入されることがある。
【0098】
図6は、ゴールデンパス104に沿って動的に生成される動的クエスト106を伴うユニークなゲーム経験をプレーヤ102に提供するように、ビデオゲームをプレーヤ102のために実行するための方法を例示する。一実施形態では、この方法は、プレーヤのゲームプレイに関連付けられたゴールデンパスを判定するように構成された動作602を含む。例えば、プレーヤは、プレーヤをビデオゲーム内の所望の地点(例えば、B地点)に導くゲーム環境内のゴールデンパス104沿いの初期地点(例えば、A地点)でゲームプレイを開始する。プレーヤのゲームプレイは、ゲーム環境内のA地点からB地点までプレーヤを誘導するゴールデンパス104が含まれ得る。上記のように、各ゴールデンパス104は、ゴールデンパス104に関与する全てのプレーヤに提示される、ゴールデンパス104に関連付けられた複数のメインストーリークエスト226を含み得る。
【0099】
次に、
図6に示す方法は、プレーヤがゴールデンパス104に沿って進むときに、ゲームプレイにおけるプレーヤ102のアクティビティを検査するように動作が構成される動作604に進む。一実施形態では、プレーヤ102のゲームプレイ中に、動作604は、プレーヤの様々なアクションを判定し、ゲーム内で何が起こっているかを判定するように構成され得る。ゲームプレイデータを使用して、動作604では、任意の時点でのプレーヤゲームメトリクス204を識別するために、ゲームプレイデータを処理することができる。一実施形態では、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤ経験514、インスタントゲーム条件516、プレーヤゲーム状態518、プレーヤ対話性520、及びプレーヤ感情522など、プレーヤのゲームプレイに関連する様々なパラメータを含むことがある。他の実施形態では、動作604は、プレーヤ102がビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゴールデンパス104沿いのゲーム領域を判定するように構成することがある。例えば、プレーヤゲームメトリクス204は、プレーヤの健康レベルが低く、複数の敵兵士との激しい戦闘シーンを伴うメインストーリークエストに近づいていることを示す情報を提供することがある。したがって、プレーヤがゴールデンパス104沿いの特定の領域で低い健康レベルに達するとき、動作604では、この領域を、プレーヤがビデオゲームを進めるのに支援を必要とするゲーム領域として識別してもよい。
【0100】
方法は、ゴールデンパス104に沿ってプレーヤ102の位置を識別し、追跡するように動作が構成される動作606に進む。プレーヤのゲームプレイ中に、プレーヤは、ゲーム環境内の所望の目的地に向かう方向にゴールデンパス104に沿って進むことができる。プレーヤは、誤ってゴールデンパス104から逸脱し、所望の目的地から離れる方向に進むことがある。結果的に、動作606では、プレーヤが道に迷う可能性があるゲーム環境内のゲーム領域を識別し、ゴールデンパス104に沿った軌道に戻るようにプレーヤを誘いまたは促す動的クエストを挿入するゲーム領域を識別することがある。
【0101】
次に、
図6に示す方法は、動作が、プレーヤのアクティビティ及びゴールデンパス沿いのプレーヤの位置に基づいて、1つ以上の動的クエスト106及び動的クエストサブパートを生成するように構成される動作608に進む。一実施形態では、プレーヤがビデオゲームを進めるために支援を必要としているゲーム領域で、動作608は、プレーヤがビデオゲームを進めるのを助ける動的クエスト106を生成するように構成される。例えば、プレーヤのゲームメトリクス204は、プレーヤが支援を必要とし得る、例えば、ゴールを試みる、ゴールに失敗する、前進するために資産を必要とする、ゲームプレイから離脱するなどの場合に、ゴールデンパス沿いのゲーム領域を識別するのに役立つように使用することができる。結果として、動作608は、プレーヤがビデオゲームで前進するのを助けるために報酬の獲得を可能にする動的クエストを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、動作608では、動的クエスト生成器510を使用して、プレーヤ102のための動的クエスト106を生成することがある。上記のように、動的クエスト生成器510は、ゲームプレイモデル307を使用して、プレーヤのために動的クエスト106及び1つ以上の動的クエストサブパートを生成することができる。
【0102】
方法は、動作が、1つ以上の動的クエスト106をゴールデンパス104に挿入することによって、1つ以上の動的クエスト106をプレーヤに提示するように構成される動作610に進む。いくつかの実施形態では、ゴールデンパス104に沿って1つ以上の動的クエスト106を挿入することにより、プレーヤは動的クエストに関連付けられた報酬を獲得できるようになる。別の実施形態では、動作610は、ビデオゲームのゲームプレイ中に、プレーヤがビデオゲームを進めるのに支援が必要であると判定されるゲーム領域で、ゴールデンパス104に沿って動的クエスト106を挿入するように構成される。例えば、ゴールデンパス沿いのゲーム領域で、プレーヤの健康レベルが低いと判定される。敵の兵士との戦闘を伴うゲームシーンに到達するに先立って、プレーヤが戦闘に参加する前に、プレーヤが自分の健康レベルを増加させることを可能にする1つ以上の動的クエスト106をゴールデンパスに沿って挿入することができる。
【0103】
図7は、複数のプレーヤを各自のゴールデンパス104に沿って移動させて、複数のプレーヤをゲーム内ミートアップスペース108で合流させるように、動的に生成される動的クエスト106が生成されるビデオゲームを複数のプレーヤのために実行するための方法を例示する。一実施形態では、この方法は、ビデオゲームをプレイする複数のプレーヤのゲームプレイに関連付けられたそれぞれのゴールデンパスを判定するように構成された動作702を含む。一実施形態では、複数のプレーヤが、各プレーヤをゲーム環境内の所望の目的地に導く各自のゴールデンパス104を有し得るオンラインマルチプレーヤビデオゲームなどのビデオゲームを、各プレーヤはプレイすることができる。
【0104】
次に、
図7に示す方法は、複数のプレーヤが各自のゴールデンパスに沿って進むときに、複数のプレーヤのアクティビティを検査するように動作が構成される動作704に進む。一実施形態では、動作704は、各プレーヤの様々なアクションを判定し、ゲーム内で何が起こっているかを判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、動作704は、各プレーヤのゲームプレイデータを処理して、任意の時点でプレーヤゲームメトリクス204を識別することがある。例えば、
図2Aのプレーヤメトリクステーブル202を参照すると、動作704は、各プレーヤ(例えば、プレーヤA~N)のゲームプレイデータを処理し、各プレーヤのためのプレーヤゲームメトリクス204を識別するように構成されてもよい。方法は、各プレーヤが各自のゴールデンパスに沿って進行する際に、各プレーヤの位置を識別し、追跡するように動作が構成される動作706に進む。
【0105】
次に、
図7に示す方法は、複数のプレーヤの各々のためのそれぞれの動的クエストを、各自の位置、アクティビティ、及びプレーヤゲームメトリクス204に基づいて、プレーヤの各々のゴールデンパスに沿って生成するように動作が構成される動作708に進む。いくつかの実施形態では、動作708は、ビデオゲームでプレーヤが前進するのを助けるために報酬の獲得を可能にする動的クエスト106を生成するように構成することがある。いくつかの実施形態では、動作708では、動的クエスト生成器510を使用して、プレーヤ102の各々のための動的クエスト106を生成してもよい。
【0106】
図7に示す方法は、複数のプレーヤにゲーム内ミートアップスペース108などの同じゲームスペースで合流させてプレイさせるように動作が構成される動作710に進む。いくつかの実施形態では、複数のプレーヤのそれぞれに関連付けられた少なくとも1つの動的クエストは、複数のプレーヤのそれぞれに働きかけてゲーム内ミートアップスペース108に入らせることができる。いくつかの実施形態では、ゲーム内ミートアップスペース108において、プレーヤは、様々なタスクまたは目的、例えば、共に戦う、目標を達成するために協力する、ミッションを達成するために戦略を立てるなどを実行するために、互いに関わり合うことができる。
【0107】
図8は、動的に生成される動的クエスト106と、異なる経験及び異なるレベルのプレーヤが協力ゲームスペース110で協力し、互いに関わり合うことができる協力ゲームスペース110とを含むビデオゲームを複数のプレーヤ102のために実行するための方法を例示する。一実施形態では、この方法は、第1のプレーヤのゲーム環境内で第1のプレーヤのゲームプレイに関連付けられた第1のゴールデンパスを判定するように構成された動作802を含む。一実施形態では、複数のプレーヤが、プレーヤが異なるレベルでプレイし、異なるレベルのゲーム経験を有することができるオンラインマルチプレーヤビデオゲームなどのビデオゲームをプレイすることがある。したがって、ビデオゲームをプレイする各プレーヤは、メインストーリークエスト及び動的に生成された動的クエスト106を伴うゴールデンパス104を含む異なるゲーム環境114でプレイすることができる。
【0108】
次に、
図8に示す方法は、動作が、第1のプレーヤのアクティビティ、位置、及びプレーヤゲームメトリクス204に基づいて、第1のゴールデンパスに沿って1つ以上の動的クエストを生成するように構成される動作804に進む。一実施形態では、動作804は、動的クエスト生成器510を使用して、ゴールデンパス104に沿って挿入するための動的クエスト106を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、動的クエスト106では、プレーヤを、プレーヤのゲーム環境内で特定の方向に移動させるように、促し誘うことができる。一例では、プレーヤがゲームプレイ中に道に迷い、または方向感覚を失った場合、動的クエスト106がプレーヤをゴールデンパスに向かう方向に導くのに役立ち得る。
【0109】
図8に示す方法は、動作が、第2のプレーヤのゲーム環境内で第2のプレーヤのゲームプレイに関連付けられた第2のゴールデンパスを判定するように構成される、動作806に進む。上記のように、複数のプレーヤがビデオゲームをプレイすることがあり、プレーヤは異なるレベルでプレイし、異なるレベルのゲーム経験を有することができる。そのために、一実施形態では、動作806は、第2のプレーヤに関連付けられたゴールデンパス104を判定し、第2のプレーヤのゴールデンパス104に沿ってメインストーリークエスト及び動的に動的クエスト106を識別するように構成される。
【0110】
方法は、動作が、第2のプレーヤのアクティビティ、位置、及びプレーヤゲームメトリクス204に基づいて、第2のゴールデンパスに沿って1つ以上の動的クエストを生成するように構成される、動作808に進む。いくつかの実施形態では、第2のゴールデンパスに関連付けられたもう1つの動的クエストは、第2のプレーヤを第1のプレーヤのゲーム環境に向かう方向に導く。プレーヤは異なるレベルでプレイしており、第1のプレーヤのゲーム環境と第2のプレーヤのゲーム環境とは異なるので、動作808は、第2のプレーヤが、第1のプレーヤの環境の協力ゲームスペース110に入ることができるように、第2のプレーヤを第1のプレーヤのゲーム環境に向かう方向に向かわせる動的クエストを生成するように構成されている。
【0111】
図8の方法は、動作が、第2のプレーヤのアクティビティ及びゲームメトリクス204に基づいて、第1のプレーヤのゲーム環境内の協力ゲームスペース110に入るアクセスを第2のプレーヤに許可するように構成される、動作810に進む。いくつかの実施形態では、協力ゲームスペース110は、異なる経験のプレーヤ及び異なるレベルでプレイしているプレーヤが、同じゲームスペースで合流し、互いに関わり合うことを可能にしてもよい。一例では、第1のプレーヤは第2のプレーヤよりも高度なレベルでプレイしているため、協力ゲームスペース110は、第1のプレーヤに関連付けられた高度なゲームシーンを含むことができる。一実施形態では、第1のプレーヤは、第2のプレーヤに、一定期間、協力ゲームスペース110でゲームプレイに協力させることへのアクセスを許可することがある。いくつかの実施形態では、第2のプレーヤは、そのプレーヤゲームメトリクス204に基づいてアクセスを許可されてもよい。例えば、協力ゲームスペース110へのアクセスには、特定の合計スコア、健康レベル、貨幣額、特定の武器などのような前提条件があらかじめ必要であり得る。第2のプレーヤが、協力ゲームスペース110で第1のプレーヤと関わりを持つと、第2のプレーヤは、自分のゲーム環境に戻り、所望の目的地に向かって自身のゴールデンパスに沿って進み続けることができる。
【0112】
図9は、事前定義された動的クエストの特定のテーブルにアクセスすることによって動的クエスト106が動的に生成されるビデオゲームをプレーヤのために実行するための方法を例示する。一実施形態では、この方法は、プレーヤ102のゲームプレイに関連付けられたゴールデンパス104を判定するように構成された動作902を含む。一実施形態では、上記のように、各ゴールデンパス106は、ゴールデンパス106に関連付けられた複数のメインストーリークエスト226を含むことができる。次に、
図9の方法は、プレーヤがゴールデンパスに沿って進むときに、プレーヤに関連付けられた現在の状態、ゲームレベル、及び獲得資産を含むことができるプレーヤゲームメトリクス204を検査するように動作が構成される、動作904に進む。一実施形態では、動作904は、プレーヤゲームメトリクス204に基づいてプレーヤスコアを判定するように構成される。
【0113】
図9に示す方法は、プレーヤが1つ以上の動的クエストにアクセスする資格を得るために、プレーヤスコアを処理するように、動作が構成される、動作906に進む。例えば、一実施形態では、プレーヤスコアは、メインストーリークエスト及び動的クエストに関連するタスクまたは目的の達成、合計キル数、貨幣額、特定の武器の入手、特定のスキルの有無、被ダメージなどのいくつかの要素に基づくことができる。動作908において、動作は、プレーヤスコアが動的クエストの前提条件を満たすかどうかを判定するように構成される。プレーヤスコアが動的クエストに関連付けられた前提条件を満たしている場合、方法は、事前定義された動的クエストのテーブルにアクセスするように動作が構成される、動作910に進む。プレーヤスコアが動的クエストに関連付けられた前提条件を満たさない場合、方法は、プレーヤスコアがゲームプレイに基づいて処理され続ける動作906に進む。
【0114】
動作910では、動作が、事前定義された動的クエストのテーブルにアクセスするように構成される。例えば、
図2Dの事前定義された動的クエスト236テーブルを参照すると、動作910は、テーブルにアクセスし、プレーヤが受ける資格を得ることができる動的クエスト及び対応する動的クエストサブパートを選択するように構成される。一例では、プレーヤ102は、プレーヤスコアに基づいて動的クエストを受ける資格を得ることができる。他の実施形態では、プレーヤ102は、動的クエストに関連付けられた他の前提条件及び条件に基づいて、動的クエストを受ける資格を得ることがある。
図9に示す方法は、動作が、プレーヤによる選択のために動的クエストをプレーヤに提示するように構成される、動作912に進む。一実施形態では、動作912は、プレーヤ102がゲームプレイを進める上で支援を必要とする可能性があるゲーム領域でゴールデンパスに沿って動的クエストを挿入するように構成される。他の実施形態では、動作912は、メインストーリークエストの前または後に動的クエストを挿入するように構成される。
【0115】
図10は、本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用できる例示的なデバイス1000のコンポーネントを示す。このブロック図は、本開示の実施形態を実施するのに好適なパーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、または他のデジタルデバイスを組み込むことができる、またはこれらであり得る、デバイス1000を示す。デバイス1000は、ソフトウェアアプリケーション及び任意選択でオペレーティングシステムを実行するための中央処理装置(CPU)1002を含む。CPU1002は、1つ以上の同種または異種の処理コアで構成されてもよい。例えば、CPU1002は、1つ以上の処理コアを有する1つ以上の汎用マイクロプロセッサである。さらなる実施形態は、クエリの解釈、文脈的に関連するリソースの識別、及び文脈的に関連するリソースのビデオゲーム内での即時実施及びレンダリングなど、高並列及び計算集約的なアプリケーションに特に適合したマイクロプロセッサアーキテクチャを有する1つ以上のCPUを使用して、実施することができる。デバイス1000は、ゲームセグメント(例えば、ゲームコンソール)をプレイするプレーヤにローカライズされたもの、またはプレーヤからリモートであるもの(例えば、バックエンドサーバプロセッサ)、またはクライアントへのゲームプレイのリモートストリーミングのためにゲームクラウドシステムで仮想化を使用する多くのサーバの1つであってもよい。
【0116】
メモリ1004は、CPU1002が使用するアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ1006は、アプリケーション及びデータのための不揮発性ストレージ及びその他のコンピュータ可読媒体を提供し、固定ディスクドライブ、リムーバブルディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD-ROM、DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)、HD-DVD、またはその他の光学ストレージデバイス、ならびに信号伝送及びストレージメディアを含んでもよい。ユーザ入力デバイス1008は、1人以上のユーザからのユーザ入力をデバイス1000へ通信し、ユーザ入力デバイス1008の例には、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スチルレコーダ/カメラもしくはビデオレコーダ/カメラ、ジェスチャを認識する追跡デバイス、及び/またはマイクロフォンが挙げられ得る。ネットワークインタフェース1014は、デバイス1000が電子通信ネットワークを介して他のコンピュータシステムと通信することを可能にし、ローカルエリアネットワーク、及びインターネットなどのワイドエリアネットワークにわたる有線または無線通信を含んでもよい。オーディオプロセッサ1012は、CPU1002、メモリ1004、及び/またはストレージ1006によって提供される命令及び/またはデータから、アナログまたはデジタルのオーディオ出力を生成するように適合されている。CPU1002、メモリ1004、データストレージ1006、ユーザ入力デバイス1008、ネットワークインタフェース1010、及びオーディオプロセッサ1012を含むデバイス1000の構成要素は、1つ以上のデータバス1022を介して接続されている。
【0117】
グラフィックスサブシステム1020が、データバス1022及びデバイス1000の構成要素とさらに接続されている。グラフィックスサブシステム1020は、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)1016とグラフィックスメモリ1018とを含む。グラフィックスメモリ1018は、出力画像の各画素の画素データを格納するために使用される表示メモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックスメモリ1018は、GPU1008と同じデバイスに統合されてもよく、GPU1016と別個のデバイスとして接続されてもよく、及び/またはメモリ1004内に組み込まれてもよい。画素データは、CPU1002から直接グラフィックスメモリ1018に提供することができる。あるいは、CPU1002は、所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令をGPU1016に提供し、そこからGPU1016が1つ以上の出力画像の画素データを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ1004及び/またはグラフィックスメモリ1018に格納することができる。実施形態では、GPU1016は、シーンのジオメトリ、ライティング、シェーディング、テクスチャリング、モーション、及び/またはカメラパラメータを定義する命令及びデータから、出力画像用の画素データを生成するための3Dレンダリング機能を含む。GPU1016は、シェーダプログラムを実行することができる1つ以上のプログラマブル実行ユニットをさらに含むことができる。
【0118】
グラフィックスサブシステム1014は、グラフィックスメモリ1018から画像の画素データを定期的に出力して、ディスプレイデバイス1010に表示させる。ディスプレイデバイス1010は、CRT、LCD、プラズマ、及びOLEDディスプレイを含む、デバイス1000からの信号に応答して視覚情報を表示することができる任意のデバイスであり得る。デバイス1000は、例えば、アナログ信号またはデジタル信号をディスプレイデバイス1010に提供することができる。
【0119】
現在の実施形態のゲームへのアクセス提供など、広範囲な地域にわたり配信されるアクセスサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用することに留意されたい。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで多くの場合仮想化されたリソースがインターネットを介したサービスとして提供されるコンピューティング様式である。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」の技術的インフラストラクチャのエキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)などの異なるサービスに分類することができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ビデオゲームなどの共通のアプリケーションを、ウェブブラウザからアクセスするオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータは、クラウド内のサーバに記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるインターネットの描かれ方に基づいたインターネットの隠喩として使用され、複雑なインフラストラクチャを隠し持つことの抽象的概念である。
【0120】
ゲームサーバは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームプレーヤのための持続的情報プラットフォームの動作を実行するために使用され得る。インターネット上でプレイされる大抵のビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、プレーヤからデータを収集し、収集したデータを他のプレーヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。他の実施形態では、ビデオゲームは、分散型ゲームエンジンによって実行されてよい。これらの実施形態では、分散型ゲームエンジンは、複数の処理エンティティ(PE)上で実行されてよく、その結果、各PEは、ビデオゲームが実行される所与のゲームエンジンの機能セグメントを実行する。各処理エンティティは、ゲームエンジンからは単なる計算ノードと見なされる。ゲームエンジンは通常、機能的に多様な一連の操作を行って、ユーザが体験する追加のサービスと共にビデオゲームアプリケーションを実行する。例えば、ゲームエンジンは、ゲームロジックを実装し、ゲーム計算、物理的過程、ジオメトリ変換、レンダリング、照明、シェーディング、オーディオ、及び追加のゲーム内またはゲーム関連サービスを実行する。追加のサービスには、例えば、メッセージング、ソーシャルユーティリティ、オーディオ通信、ゲームプレイ再生機能、ヘルプ機能などが含まれてよい。ゲームエンジンは、特定のサーバのハイパーバイザによって仮想化されたオペレーティングシステム上で実行されてよいが、他の実施形態では、ゲームエンジン自体が複数の処理エンティティに分散され、各エンティティはデータセンタの異なるサーバユニットに常駐してよい。
【0121】
この実施形態によると、実行のために各処理エンティティは、各ゲームエンジンセグメントのニーズに応じて、サーバユニット、仮想マシン、またはコンテナであってよい。例えば、ゲームエンジンセグメントがカメラの変換を担当する場合、比較的単純な数学演算(例えば、行列変換)を多数行うことになるので、その特定のゲームエンジンセグメントは、グラフィックプロセシングユニット(GPU)に関連付けられた仮想マシンと共にプロビジョニングされてよい。より少ないがより複雑な操作を必要とする他のゲームエンジンセグメントは、1つまたは複数のより高出力の中央処理装置(CPU)に関連付けられた処理エンティティと共にプロビジョニングされてよい。
【0122】
ゲームエンジンを分散することにより、ゲームエンジンは、物理サーバユニットの能力に拘束されない弾力性のある計算特性を備える。代わりに、ゲームエンジンは、必要に応じて、ビデオゲームの要求を満たすためにより多いまたは少ない計算ノードと共にプロビジョニングされる。ビデオゲーム及びビデオゲームプレーヤの観点からは、複数の計算ノードに分散されているゲームエンジンは、ゲームエンジンマネージャまたはスーパーバイザがワークロードを分散し、結果をシームレスに統合して、エンドユーザにビデオゲーム出力構成要素を提供するので、単一の処理エンティティで実行される非分散ゲームエンジンと区別できない。
【0123】
ユーザは、少なくともCPU、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイスにより、遠隔サービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、PDAなどであってよい。一実施形態では、ゲームサーバ上で実行されるネットワークは、クライアントが使用するデバイスの種類を認識し、採用される通信方法を調整する。別の事例では、クライアントデバイスは、HTMLなどの標準的な通信方法を使用して、インターネットを介してゲームサーバ上のアプリケーションにアクセスする。
【0124】
所与のビデオゲームまたはゲームアプリケーションは、特定のプラットフォーム及び特定の関連コントローラデバイス用に開発され得ることを、理解されたい。しかしながら、本明細書に提示されるようなゲームクラウドシステムを介してこのようなゲームを利用可能にするときに、ユーザは、異なるコントローラデバイスによってビデオゲームにアクセスすることができる。例えば、ゲームは、ゲームコンソール及びその関連したコントローラのために開発されている可能性があるが、ユーザは、キーボード及びマウスを利用するパーソナルコンピュータからゲームのクラウドベースのバージョンにアクセスすることができる。このようなシナリオにおいて、入力パラメータ構成は、ユーザの利用可能なコントローラデバイス(この事例において、キーボード及びマウス)により生成されることが可能である入力から、ビデオゲームの実行のために許容可能である入力へのマッピングを定義することが可能である。
【0125】
別の実施例では、ユーザは、タブレットコンピューティングデバイス、タッチスクリーンスマートフォン、または他のタッチスクリーン駆動デバイスを介して、クラウドゲームシステムにアクセスし得る。この場合、クライアントデバイス及びコントローラデバイスは、同じデバイス内に一緒に統合され、検出されたタッチスクリーン入力/ジェスチャにより入力が提供される。このようなデバイスについて、入力パラメータ構成は、ビデオゲームについてのゲーム入力に対応する特定のタッチスクリーン入力を定義することができる。例えば、ボタン、指向性パッド、または他のタイプの入力素子は、ビデオゲームの実行中に表示され、またはオーバレイされ、ユーザがゲーム入力を生成するためにタッチすることが可能であるタッチスクリーン上の位置を示すことができる。特定の向きにおけるスワイプなどのジェスチャ、または特定のタッチモーションもゲーム入力として検出されることができる。一実施形態では、タッチスクリーン上での制御操作にユーザを慣れさせるために、例えばビデオゲームのゲームプレイを始める前に、タッチスクリーンを介してゲームプレイに入力する方法を示すチュートリアルが、ユーザに提供され得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイスは、コントローラデバイスについての接続ポイントとして機能する。すなわち、コントローラデバイスは、無線接続または有線接続を介してクライアントデバイスと通信し、コントローラデバイスからクライアントデバイスへ入力を送信する。次に、クライアントデバイスは、これらの入力を処理して、その後入力データを、ネットワーク(例えばルータなどのローカルネットワークデバイスを介してアクセスされるネットワーク)を介して、クラウドゲームサーバへ送信し得る。しかしながら、他の実施形態において、コントローラ自体は、ネットワークを介してクラウドゲームサーバへ直接に入力を通信する能力を有し、これらのような入力を最初にクライアントデバイスを通して通信する必要がなく、ネットワーク化されたデバイスであることが可能である。例えば、コントローラは、ローカルネットワークデバイス(前述のルータなど)に接続して、クラウドゲームサーバとデータを送受信し得る。したがって、クライアントデバイスは、クラウドベースのビデオゲームからビデオ出力を受信し、それをローカルディスプレイにレンダリングすることを必要とされたままであることができながら、入力レイテンシは、コントローラがクラウドゲームサーバへネットワーク経由で直接に入力を送信することを可能にし、クライアントデバイスをバイパスすることにより減少することが可能である。
【0127】
1つの実施形態において、ネットワーク化されたコントローラ及びクライアントデバイスは、特定のタイプの入力をコントローラからクラウドゲームサーバへ直接に、また他のタイプの入力をクライアントデバイスを介して送信するように構成されることが可能である。例えば、コントローラ自体は別として、任意の追加のハードウェアまたは処理に依存しない検出による入力は、クライアントデバイスを迂回して、ネットワークを介して直接コントローラからクラウドゲームサーバへ送信することができる。これらのような入力は、ボタン入力、ジョイスティック入力、埋め込み型動き検出入力(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)などを含むことができる。しかしながら、追加のハードウェアを利用する、またはクライアントデバイスによる処理を必要とする入力は、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ送信されることが可能である。これらは、クラウドゲームサーバへ送信する前に、クライアントデバイスにより処理されることができるゲーム環境から捕捉されたビデオまたは音声を含むことができる。加えて、コントローラの動き検出ハードウェアからの入力は、捕捉されたビデオと併せてクライアントデバイスにより処理され、コントローラの位置及び動きを検出することができ、その後、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ通信される。様々な実施形態によるコントローラデバイスはまた、クライアントデバイスから、または直接クラウドゲームサーバから、データ(例えばフィードバックデータ)を受信し得ることを理解されたい。
【0128】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施態様に組み合わされてもよい、または組み立てられ得ることを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせることでより多くの実施態様を規定することが可能な様々な実施態様に制限を加えるものではない。ある例では、ある実施態様は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0129】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル民生用エレクトロニクス、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む種々のコンピュータシステム構成によって実施してもよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0130】
方法の操作は特定の順序で記載したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、操作間に他のハウスキーピング操作が実行されてもよく、または操作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に操作を分散することで、処理に関連する様々な間隔で処理操作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0131】
1つ以上の実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータ記憶装置とすることができる。データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データ記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散方式で格納され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体が含まれ得る。
【0132】
一実施形態では、ビデオゲームは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、またはサーバ上でローカルに実行される。場合によっては、ビデオゲームはデータセンタの1つ以上のサーバによって実行される。ビデオゲームが実行されるとき、ビデオゲームのいくつかのインスタンスは、ビデオゲームのシミュレーションであり得る。例えば、ビデオゲームは、ビデオゲームのシミュレーションを生成する環境またはサーバによって実行され得る。シミュレーションは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームのインスタンスである。他の実施形態では、シミュレーションはエミュレータによって生成されてもよい。いずれの場合でも、ビデオゲームがシミュレーションとして表現されている場合、そのシミュレーションは、ユーザ入力によってインタラクティブにストリーミング、実行、及び/または制御できるインタラクティブコンテンツをレンダリングするために実行することができる。
【0133】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の中で変更されてもよい。