(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】エタロンでの測定誤差の決定
(51)【国際特許分類】
G01J 3/02 20060101AFI20250109BHJP
G01J 3/26 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G01J3/02 C
G01J3/26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001718
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2022574183の分割
【原出願日】2021-05-25
【審査請求日】2024-01-29
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バート,ラッセル,アレン
(72)【発明者】
【氏名】メルキオール,ジョン,セオドア
(72)【発明者】
【氏名】テン,クオ-タイ
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-349781(JP,A)
【文献】特開平4-036622(JP,A)
【文献】特開2003-214958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00-G01J 4/04
G01J 7/00-G01J 9/04
H01S 3/00-H01S 3/30
H01S 5/00-H01S 5/50
G02F 1/00-G02F 1/125
G02F 1/21-G02F 7/00
G03F 7/20-G03F 7/24
G03F 9/00-G03F 9/02
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源用の光学測定機器であって、
画像平面に光を集束させるように構成された集束レンズを備えるエタロンであって、前記エタロンの出力において前記集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられ、前記較正パラメータが前記集束レンズの焦点距離を示し、前記較正パラメータが、事前設定されたデフォルト値を有するエタロンと、
前記エタロンによって生成された干渉縞を検出し、前記エタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器であって、前記情報が、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む光検出器と、
前記光検出器に結合された制御システムであって、
前記検出器からの第1の空間情報、前記第2の空間情報、及び前記較正パラメータの初期値に基づいて
第1の波長値と第2の波長値を決定し、
前記第1の波長値と前記第2の波長値との差又は比を表す前記エタロンの測定誤差値を決定し、
前記測定誤差値を分析して、前記較正パラメータを調整するかどうか判定し、
前記測定誤差値の分析に応じて、前記較正パラメータを、前記測定誤差値の大きさが閾値より小さくなるような値に調整するように構成された制御システムと
を備える、光学測定機器。
【請求項2】
前記光源が、深紫外(DUV)光源を備える、請求項1に記載の光学測定機器。
【請求項3】
光生成機器と、
エタロンの出力に配置され画像平面に光を集束させるように構成された集束レンズを備えるエタロンであって、前記集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられ、前記較正パラメータが前記集束レンズの焦点距離を示し、前記較正パラメータが、事前設定されたデフォルト値を有するエタロン、
前記エタロンによって生成された干渉縞を検出し、前記エタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器であって、前記情報が、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む光検出器、並びに
前記光検出器に結合された制御システムであって、
前記第1の空間情報、前記第2の空間情報、及び前記較正パラメータの初期値に基づいて
第1の波長値と第2の波長値を決定し、
前記第1の波長値と前記第2の波長値との差又は比を表す前記エタロンの測定誤差値を決定し、
前記測定誤差値を分析して、前記較正パラメータを調整するかどうか判定し、
前記測定誤差値の分析に応じて、前記較正パラメータを、前記測定誤差値の大きさが閾値より小さくなるような値に調整するように構成された制御システム
を含む光学測定機器と
を備える、光源。
【請求項4】
前記光生成機器が、深紫外(DUV)光源を備える、請求項3に記載の光源。
【請求項5】
前記光生成機器が、主発振器を備える、請求項4に記載の光源。
【請求項6】
前記光生成機器がさらに、電力増幅器を備える、請求項4に記載の光源。
【請求項7】
前記光生成機器が、複数の主発振器を備える、請求項4に記載の光源。
【請求項8】
前記光生成機器から光を受光し、光を前記エタロンに送るように構成された光学素子をさらに備える、請求項3に記載の光源。
【請求項9】
前記光学素子が分散型光学素子である、請求項8に記載の光源。
【請求項10】
エタロンを較正することを含
む方法であって、前記方法は、
エタロンの出力において集束レンズを備えるエタロンに関連する情報にアクセスすることであって、前記エタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、前記較正パラメータが前記集束レンズの焦点距離を示し、前記エタロンが、受光された光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、前記エタロンに関連する前記情報が、前記複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び前記複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、
前記第1の縞に関連する前記空間情報及び前記較正パラメータの初期値に基づいて、前記受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、
前記第2の縞に関連する前記空間情報及び前記較正パラメータの前記初期値に基づいて、前記受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、
前記第1の波長値と前記第2の波長値との差又は比を表す測定誤差値を決定することと、
前記測定誤差値の分析に応じて、前記較正パラメータを、前記測定誤差値の大きさが閾値より小さくなるような値に調整することと
を含む、方法。
【請求項11】
前記測定誤差値に基づいて、前記較正パラメータの前記事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記測定誤差値が、前記第1の波長値と前記第2の波長値との差を含み、事前設定されたデフォルト値は、前記測定誤差値の大きさが閾値よりも小さくなるような値に調整される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記事前設定されたデフォルト値は、前記測定誤差値がゼロになるような値に調整される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記較正パラメータが、前記エタロンの出力での前記レンズの焦点距離を含み、前記測定誤差が、前記第1の波長値と前記第2の波長値との差を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の空間情報が前記第1の縞の直径を含み、前記第2の空間情報が前記第2の縞の直径を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
光ビームを前記エタロンに送ることをさらに含み、前記第1の縞が、前記光ビームの第1の部分によって生成され、前記第2の縞が、前記光ビームの第2の部分によって生成される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記光ビームが複数のパルスを含み、前記光ビームの前記第1の部分が、前記複数のパルスのうち第1のパルスを含み、前記光ビームの前記第2の部分が、前記複数のパルスのうち第2のパルスを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記光ビームが連続波の光ビームを含み、前記光ビームの前記第1の部分が、前記光ビームの第1のサンプルを含み、前記光ビームの前記第2の部分が、前記光ビームの第2のサンプルを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記較正パラメータの前記初期値を、前記較正パラメータの更新値に変更することと、
光学素子を作動させて、それによって、前記受光された光ビーム
の波長を変更することと、
前記第1の縞に関連する前記空間情報及び前記較正パラメータの前記更新値に基づいて、前記受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、
前記第2の縞に関連する前記空間情報及び前記較正パラメータの前記更新値に基づいて、前記受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、
前記第1の波長値と前記第2の波長値とを比較して、前記較正パラメータの前記更新値に基づいて測定誤差値を決定することと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の波長値を決定する前に、前記光学素子を作動させて、前記波長を長くするか又は前記波長を短くする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記光学素子を作動させるたびに、前記第1の波長値及び前記第2の波長値が2回以上決定される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記較正パラメータの前記初期値に基づいて決定される前記測定誤差値と、前記較正パラメータの前記更新値に基づいて決定される前記測定誤差値とを比較することによって、前記較正パラメータの前記事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記較正パラメータの前記初期値が、前記事前
設定されたデフォルト値である、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の縞及び前記第2の縞が、前記干渉縞内に同時に存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
エタロンを較正することを含
む方法であって、前記較正することは、
前記エタロンの出力において集束レンズを備えるエタロンに関連する情報にアクセスすることであって、前記エタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、前記較正パラメータが前記集束レンズの焦点距離を示し、前記エタロンが、受光した光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、前記エタロンに関連する前記情報が、前記複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び前記複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、
前記第1の空間情報、前記第2の空間情報、及び前記較正パラメータの初期値に基づいて
第1の波長値と第2の波長値を決定することと、
前記第1の波長値と前記第2の波長値との差又は比を表す前記エタロンの測定誤差値を決定することと、
前記測定誤差値を分析して、前記較正パラメータを調整するかどうか判定することと、
前記分析に応じて、前記較正パラメータを、前記測定誤差値の大きさが閾値より小さくなるような値に調整することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記較正パラメータが、前記エタロンの出力での前記レンズの焦点距離を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の空間情報に基づいて第1の波長値を決定することと、
前記第2の空間情報に基づいて第2の波長値を決定することと
をさらに含み、
前記測定誤差が、前記第1の波長値と前記第2の波長値との差を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記較正パラメータが複数の初期値を含み、
測定誤差値を決定することが、前記複数の初期値のそれぞれについて複数の測定誤差値をシミュレーションすることを含み、各測定誤差値が、前記第1の空間情報、前記第2の空間情報、及び前記較正パラメータの前記複数の初期値のうちの1つに基づき、
前記測定誤差値を分析することが、前記シミュレーションされた測定誤差値を分析することを含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年6月24日出願の「DETERMINATION OF MEASUREMENT ERROR IN AN ETALON」と題する米国特許出願第63/043,312号の優先権を主張し、参考としてその全体を本明細書に援用する。
【0002】
[0002] 本開示は、エタロンでの測定誤差の決定に関する。エタロンは、深紫外(DUV)光学システムで使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
[0003] エタロンは、部分的に反射する2つの光学表面から作製される光共振器である。エタロンは、干渉縞を生成し、このエタロンに入射する光の波長を測定又は推定するために使用されてもよい。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一態様では、方法は、エタロンに関連する情報にアクセスすることであって、このエタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、エタロンが、受光された光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、エタロンに関する情報が、複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、第1の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの初期値に基づいて、受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、第2の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの初期値に基づいて、受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、第1の波長値と第2の波長値とを比較して測定誤差値を決定することとを含む。
【0005】
[0005] 実装形態は、以下の特徴のうち1つ又は複数を含んでもよい。
【0006】
[0006] この方法はさらに、測定誤差値に基づいて、較正パラメータの事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することを含んでもよい。この測定誤差値は、第1の波長値と第2の波長値との差を含む場合があり、事前設定されたデフォルト値は、測定誤差値の大きさが閾値よりも小さくなるような値に調整されてもよい。この事前設定されたデフォルト値は、測定誤差値がゼロになるような値に調整されてもよい。
【0007】
[0007] 較正パラメータは、エタロンの出力でのレンズの焦点距離を含んでもよく、測定誤差は、第1の波長値と第2の波長値との差を含んでもよい。
【0008】
[0008] 第1の空間情報は、第1の縞の直径を含んでもよく、第2の空間情報は、第2の縞の直径を含んでもよい。
【0009】
[0009] この方法はさらに、エタロンに向けて光ビームを送ることを含んでもよい。第1の縞は、この光ビームの第1の部分によって生成されてもよく、第2の縞は、この光ビームの第2の部分によって生成されてもよい。この光ビームは複数のパルスを含んでもよく、光ビームの第1の部分は、複数のパルスのうち第1のパルスを含んでもよく、光ビームの第2の部分は、複数のパルスのうち第2のパルスを含んでもよい。光ビームは連続波の光ビームを含んでもよく、光ビームの第1の部分は、光ビームの第1のサンプルを含んでもよく、光ビームの第2の部分は、光ビームの第2のサンプルを含んでもよい。この方法はさらに、較正パラメータの初期値を、較正パラメータの更新値に変更することと、光学素子を作動させて、それによって、受光された光ビームの波長を変更することと、第1の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの更新値に基づいて、受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、第2の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの更新値に基づいて、受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、第1の波長値と第2の波長値とを比較して、較正パラメータの更新値に基づいて測定誤差値を決定することとを含む。第2の波長値を決定する前に、光学素子を作動させて、波長を長くしてもよく、又は波長を短くしてもよい。光学素子を作動させるたびに、第1の波長値及び第2の波長値を2回以上決定してもよい。この方法はさらに、較正パラメータの初期値に基づいて決定される誤差測定値と、較正パラメータの更新値に基づいて決定される誤差測定値とを比較することによって、較正パラメータの事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することを含んでもよい。
【0010】
[0010] 較正パラメータの初期値は、事前設定されたデフォルト値でもよい。
【0011】
[0011] 第1の縞及び第2の縞は、干渉縞内に同時に存在してもよい。
【0012】
[0012] 別の態様では、エタロンを較正する方法は、このエタロンに関連する情報にアクセスすることであって、このエタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、エタロンが、受光された光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、エタロンに関する情報が、複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定することと、この測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することとを含む。
【0013】
[0013] 実装形態は、以下の特徴のうち1つ又は複数を含んでもよい。
【0014】
[0014] 較正パラメータは、エタロンの出力におけるレンズの焦点距離を含んでもよい。この方法はさらに、第1の空間情報に基づいて第1の波長値を決定することと、第2の空間情報に基づいて第2の波長値を決定することとを含む。測定誤差は、第1の波長値と第2の波長値との差を含んでもよい。
【0015】
[0015] 較正パラメータは、複数の初期値を含んでもよい。測定誤差値を決定することは、複数の初期値のそれぞれについて、複数の測定誤差値をシミュレーションすることを含んでもよい。各測定誤差値は、第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの複数の初期値のうちの1つに基づいてもよい。測定誤差値を分析することは、シミュレーションされた測定誤差値を分析することを含んでもよい。
【0016】
[0016] 別の態様では、光源用の光学測定機器は、画像平面に光を集束するように構成された集束レンズを含むエタロンと、エタロンが生成する干渉縞を検出し、このエタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器と、この光検出器に結合された制御システムとを備える。エタロンは、集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられており、この較正パラメータは事前設定されたデフォルト値を有する。この情報は、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む。制御システムは、検出器からの第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定し、この測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定するように構成される。
【0017】
[0017] 実装形態は、以下の特徴のうち1つ又は複数を含んでもよい。
【0018】
[0018] 光源は、深紫外(DUV)光源を備えてもよい。
【0019】
[0019] 別の態様では、光源は、光生成機器と光学測定機器とを備えてもよい。光学測定機器は、画像平面に光を集束するように構成された集束レンズを含むエタロンと、エタロンが生成する干渉縞を検出し、このエタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器と、この光検出器に結合された制御システムとを備える。エタロンは、集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられており、この較正パラメータは事前設定されたデフォルト値を有する。この情報は、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む。制御システムは、検出器からの第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定し、この測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定するように構成される。
【0020】
[0020] 実装形態は、以下の特徴のうち1つ又は複数を含んでもよい。
【0021】
[0021] 光生成機器は、深紫外(DUV)光源を備えてもよい。光生成機器は、主発振器を備えてもよい。光生成機器はさらに、電力増幅器を備えてもよい。光生成機器は、複数の主発振器を備えてもよい。
【0022】
[0022] 光源はさらに、光生成機器から光を受光し、光をエタロンに送るように構成された光学素子を備えてもよい。この光学素子は、分散型光学素子でもよい。
【0023】
[0023] 前述のいかなる技法の実装形態も、システム、方法、プロセス、装置、又は機器を含んでもよい。添付図面及び以下の説明において、1つ又は複数の実装形態の詳細を説明する。他の特徴は、説明及び図面から、また特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】[0024]システムの一例のブロック図である。
【
図1C】[0026]
図1Aのシステムの一態様のブロック図である。
【
図2A】[0027]光学測定機器の一例のブロック図である。
【
図3】[0029]エタロンの測定誤差を決定するプロセスの例の流れ図である。
【
図4】[0029]エタロンの測定誤差を決定するプロセスの例の流れ図である。
【
図5】[0030]エタロンの測定誤差の例示的なプロットを示す。
【
図6】[0031]エタロンの測定誤差を決定するプロセスの一例の流れ図である。
【
図7】[0032]エタロンの測定誤差の例示的なプロットを示す。
【
図8A】[0033]光学測定機器を使用することのできる深紫外(DUV)光学システムの一例を示す。
【
図8B】[0034]投影光学システムの一例である。
【
図9A】[0035]スペクトル調整機器の一例のブロック図である。
【
図10】[0037]光学測定機器を使用することのできる深紫外(DUV)光学システムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0038]
図1Aは、システム100のブロック図である。
図1Aにおいて、要素間の破線は、光がそれに沿って進む光路を表し、要素間の実線は、情報及び/又はデータがそれに沿って進む信号経路を表す。システム100は、光ビーム116を生成する光生成モジュール110を備える。光ビーム116は、経路114上を装置180へと伝搬する。装置180は、光ビーム116を使用する何れかの装置である。装置180は、(
図8A及び
図10のスキャナ機器880などの)光リソグラフィ機器、又は(
図10の電力増幅器1012_2)などの電力増幅器でもよい。
【0026】
[0039] システム100はまた、光ビーム116の一部分116’を光学測定機器160に送るビーム分離器117を備える。ビーム分離器117は、たとえば、光ビーム116内に残っている光が装置180にまで伝搬し続けるようにしながら、この部分116’を光学測定機器160に送るビームスプリッタでもよい。光学測定機器160を使用して、光ビーム116の波長を測定する。光学測定機器160は、エタロン130、検出器140、及び制御システム150を備える。エタロン130は、距離136で隔てられた2つの平行な光学素子133A、133B、及び出力レンズ134を備える。さらに
図1Cを参照すると、出力レンズ134は焦点距離163を有し、この出力レンズ134は、画像平面137において入射光の焦点を合わせる。画像平面137は、検出器140の動作領域142と一致する。
図1Cは、動作領域142及び画像平面137のブロック図である。
【0027】
[0040] また
図1Bを参照すると、エタロン130の出力は、画像平面137に焦点を合わせられる干渉縞139である。
図1Bには、画像平面137での干渉縞139が示してある。
図1Bの例では、干渉縞139は、画像平面137において形成される同心円状の複数のリングである。2つの縞139_1及び139_2が、
図1Bに示してある。縞139_1は1次の縞であり、縞139_2は2次の縞である。この1次の縞139_1及び2次の縞139_2は、連続した2つの縞である。部分116’での光の波長は、式1による干渉縞139での縞の直径に関連している。
【数1】
ここで、λは、エタロン130に入射する光(この例では、部分116’)の波長であり、NDは、光学素子133Aと133Bの間の光路長(この例では、距離136)であり、mは、縞のうち特定の1つの次数であり、dは、縞のうち特定の1つの直径であり、FDは、出力レンズ134の焦点距離である。縞の次数mは整数であり、たとえば、10,000以上の整数など比較的大きい数でもよい。
【0028】
[0041] エタロン130を使用して、部分116’での光の波長を測定する。エタロン130は、特定の波長において絶対的なものになる場合があり、波長の関数として可変的なものになる場合がある測定誤差に関連付けられている。波長に依存する測定誤差の1つの原因は、画像平面137での固定検出器(検出器140など)が、これまでの波長決定と比較して、異なる次数の縞を使用して波長の値を決定するときに生じる場合がある。すなわち、同じ光の波長が、同じ干渉縞での様々な次数の縞で測定されると、1次の縞139_1及び/又は2次の縞139_2に基づく波長の測定値が不正確になる場合がある。具体的には、このような測定誤差の結果として、入射光の真の波長が変化していないにもかかわらず、2つの異なる測定間で波長の決定値が人為的に変化することになる。
【0029】
[0042] エタロン130は、少なくとも1つの較正パラメータ131に関連付けられている。FDの値は、較正パラメータ131である。FDの値は、エタロン130が製造されるときに決定される。しかし、FDの値は、エタロン130の寿命を通してドリフト又は変化する場合がある。FDの値は、たとえば、エタロン130の使用中に生じることのある熱サイクル(加熱及び/又は冷却)に起因するアライメントシフトのせいで変化する場合がある。このアライメントシフトは、FDの値の変化として現れる場合がある。エタロン130の使用中、及び/又はその寿命中にFDの値を決定するための技法を以下に説明する。較正パラメータ131の値の決定に関連する技法を考察する前に、光学測定機器160の例示的な実装形態の詳細を考察する。
【0030】
[0043]
図2Aは、光学測定機器260のブロック図である。光学測定機器260は、光学測定機器160(
図1A)の実装形態の一例である。光学測定機器260は、入力レンズ232、エタロン230、出力レンズ234(すなわち、集束レンズ234)、及び検出器240を備える。部分116’は拡散され、光学測定機器260の開口235を通過する。部分116’は、ビーム分離器117と開口235の間にある、平面237に配置された光学ディフューザ(図示せず)によって意図的に拡散されてもよい。開口235は、入力レンズ232の焦点面にある。入力レンズ232は、部分116’がエタロン230に入る前に、この部分116’を平行にする。出力レンズ234は、焦点距離263を有し、画像平面に光を集束させる。検出器240は、この検出器240の動作領域242が画像平面と一致するように配置される。
【0031】
[0044]
図2Aに示す例では、エタロン230は、部分的に反射する1対の光学素子233A及び233Bを備える。光学素子233A及び233Bは、入力レンズ232と出力レンズ234の間にある。光学素子233A及び233Bは、それぞれの反射面238A及び238Bを有し、これら反射面は距離236だけ離れて配置される。この距離236は、(たとえば、ミリメートルからセンチメートルまでの)比較的短い距離だけ離れていてもよい。裏面(表面238A及び238Bの逆の面)が干渉縞を生成するのを防止するように、光学素子233A及び233Bは楔形である。裏面は、反射防止コーティングを有してもよい。エタロン230の他の実装形態も実現可能である。たとえば、他の実装形態では、光学素子233A及び233Bは平行板であり、楔形ではない。さらに別の例では、エタロン230は、部分的に反射する平行な2つの面を有する単一の板のみを備えてもよい。
【0032】
[0045] 同様に
図2Bを参照すると、エタロン230は、部分116’と相互作用し、干渉縞239を出力する。
図2Bには、ある時点でのレンズ234の画像平面における干渉縞239が示してある。干渉縞239は、複数の縞を含む。複数の縞のうち2つ(239_1及び239_2)が
図2Bに示してある。干渉縞239は、部分116’の弱め合う干渉によって生成される光のない領域、及び部分116’の強め合う干渉によって生成される光のある領域を含む。強め合う干渉の領域は、縞239_1及び239_2である。光のない領域は、灰色の陰影で示してあり、光の領域間にある。縞239_1及び239_2は、出力レンズ234の画像平面での光の同心円状のリングである。1組の縞でのそれぞれのリングは、干渉縞の次数(m)であり、ここで、mは1以上の整数である。縞239_1は1次の縞であり、縞239_2は2次の縞である。
【0033】
[0046] 干渉縞239は、検出器240の動作領域242において検知される。検出器240は、干渉縞239での光を検知することのできる、何れかのタイプの検出器である。たとえば、動作領域242は、1つのパッケージ内に等間隔で1次元に沿って配置されたサイズが同じ複数の素子を含む、線形フォトダイオードアレイでもよい。フォトダイオードアレイでの各素子は、部分116’の波長に敏感である。別の例として、検出器240は、2次元の電荷結合デバイス(CCD)又は2次元の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどの2次元センサでもよい。
【0034】
[0047] 検出器240は、データ接続部254を介して制御システム250に接続される。制御システム250は、電子処理モジュール251、電子ストレージ252、及びI/Oインターフェース253を含む。電子処理モジュール251は、汎用の又は特殊用途のマイクロプロセッサなどの、コンピュータプログラムの実行に適した1つ又は複数のプロセッサ、及び任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。一般的に、電子プロセッサは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から命令及びデータを受け取る。電子処理モジュール251は、任意の種類の電子プロセッサを含むことがある。電子処理モジュール251の1つ又は複数の電子プロセッサは、命令を実行し、電子ストレージ252に格納されたデータにアクセスする。1つ又は複数の電子プロセッサは、電子ストレージ252にデータを書き込むこともできる。
【0035】
[0048] 電子ストレージ252は、何れかのタイプのコンピュータ読取り可能な媒体又は機械読取り可能な媒体である。たとえば、電子ストレージ252は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリでもよい。実装形態によっては、電子ストレージ252は。不揮発性及び揮発性の部分又は構成要素を含む。電子ストレージ252は、制御システム250の動作において使用されるデータ及び情報を記憶してもよい。電子ストレージ252はまた、制御システム250が光学測定機器260と相互作用できるようにする(たとえば、コンピュータプログラムの形態での)命令を記憶してもよい。たとえば、この命令は、
図3、
図4、及び
図6について考察されるプロセスを、電子処理モジュール251が実装できるようにする命令でもよい。電子ストレージ252はまた、既定の較正パラメータ231の初期値、又は較正パラメータ231の事前設定値など、エタロン230についての情報を記憶する。この既定値又は事前設定値は、工場での較正中に決定される値、又は以下に説明するプロセス300、400、若しくは600などのプロセスを使用して決定される値でもよい。較正パラメータ231は、たとえば、レンズ234の焦点距離でもよい。別の例では、電子ストレージ252はまた、エタロン230での測定誤差の許容可能量に関連する1つ又は複数の値の範囲を示す仕様を記憶してもよい。
【0036】
[0049] I/Oインターフェース253は、制御システム250が、データ及び信号を、オペレータ、その他の装置、及び/又は別の電子デバイス上で実行されている自動化プロセスと交換できるようにする、任意の種類のインターフェースである。たとえば、電子ストレージ252に格納されたデータ又は命令を編集することができる実装形態では、編集は、I/Oインターフェース253を介して行われることがある。I/Oインターフェース253は、表示装置、キーボード、並びに、パラレルポート、USB(Universal Serial Bus)接続、及び/又はたとえばイーサネットなどの任意の種類のネットワークインターフェースなどの通信インターフェース、のうちの1つ又は複数を含むことがある。I/Oインターフェース253は、たとえば、IEEE802.11、Bluetooth、又は近距離無線通信(NFC)接続を介して、物理的な接触なしでの通信を可能にすることもある。
【0037】
[0050] 制御システム250は、データ接続部254を介して、機器260の様々な構成要素に結合される。データ接続部254は、データ、信号、及び/又は情報の伝送を可能にする何れかのタイプの接続部である。たとえば、データ接続部254は、物理的ケーブル若しくは他の物理的なデータ導管(IEEE802.3に基づくデータ伝送をサポートするケーブルなど)、無線データ接続部(IEEE802.11若しくはBluetoothを介してデータを提供するデータ接続部など)、又は有線及び無線のデータ接続部の組合せでもよい。
【0038】
[0051]
図3は、プロセス300の流れ図である。プロセス300を使用して、測定誤差値を決定する。プロセス300は、制御システム250(
図2A)によって実行されてもよい。たとえば、プロセス300は、処理モジュール251内の1つ又は複数の電子プロセッサによって実行されてもよい。測定機器260(
図2A)について、プロセス300を考察する。
【0039】
[0052] エタロン230に関連する情報がアクセスされる(310)。この情報は、電子ストレージ252から、又はI/Oインターフェース253を介してアクセスされてもよい。エタロン230に関連する情報は、第1の縞に関連する第1の空間情報、及び第2の縞に関連する第2の空間情報を含む。第1の縞及び第2の縞は、同時に形成される2つの異なる縞でもよい。たとえば、第1の縞は縞239_1でもよく、第2の縞は縞239_2でもよい。前述の通り、縞239_1及び縞239_2は、光の単一パルス、又は連続波の光ビームの同じサンプルによって形成される、2つの異なる縞である。
図4について考察されるプロセス400は、このような手法の一例である。他の実装形態では、第1の縞は、第1の時点で形成される干渉縞での縞であり、第2の縞は、第2の時点で形成される干渉縞での縞である。たとえば、こうした実装形態では、第1の縞は、エタロン230に入射する光の第1のパルスによって形成される縞でもよく、第2の縞は、光の第1のパルスの後で、エタロン230に入射する光の第2のパルスによって形成される縞でもよい。
図6について考察されるプロセス600は、このような手法の一例である。第1の空間情報は、第1の縞の直径でもよい。第2の空間情報は、第2の縞の直径でもよい。
【0040】
[0053] エタロン230に関連付けられた情報はまた、較正パラメータ231の初期値を含む。較正パラメータ231の初期値は、エタロン230を組み立てたときに決定された、工場での較正値でもよい。実装形態によっては、較正パラメータ231の初期値は、プロセス300のこれまでの実行において決定された値である。較正パラメータ231の事前設定されたデフォルト値は、電子ストレージ252に記憶され、そこからアクセスされてもよい。
【0041】
[0054] 第1の波長値は、第1の縞に関連する空間情報、及び較正パラメータ231の初期値に基づいて決定される(320)。第2の波長値は、第2の縞に関連する空間情報、及び較正パラメータ231の初期値に基づいて決定される(330)。
【0042】
[0055] 第1の波長値と第2の波長値とを比較して、測定誤差値を決定する(340)。測定誤差値は、第1の波長値と第2の波長値との差を表す値である。測定誤差値は、たとえば、第2の波長値から第1の波長値を減算することによって決定されてもよく、又はその逆でもよい。他の実装形態も実現可能である。たとえば、測定誤差値は、第1の波長値と第2の波長値の比でもよい。
【0043】
[0056]
図4は、プロセス400の流れ図である。プロセス400は、測定誤差値、及び較正パラメータ231の値を決定するプロセスの別の例である。ある時点でのエタロン230の出力である、干渉縞239(
図2B及び
図2C)について、プロセス400を考察する。プロセス400は、制御システム250によって実行されてもよい。
【0044】
[0057] 較正パラメータ231の初期値がアクセスされる(410)。較正パラメータ231の値は、電子ストレージ252からアクセスされてもよく、又はI/Oインターフェース253を介して制御システム250に提供されてもよい。較正パラメータ231は、この例ではFDである。較正パラメータ231の初期値は、所定の値でもよく、エタロン230を製造したときに決定されたデフォルト値でもよい。較正パラメータ231の初期値は、プロセス400のこれまでの繰返し処理において決定された較正パラメータの値でもよい。
【0045】
[0058] 第1の縞239_1の直径(縞の直径d1)が決定される。たとえば、
図2B及び
図2Cを参照すると、検出器240によって生成されるデータに基づいて、縞の直径d1が決定されてもよい。この例では、縞の直径d1は、検出器240によって生成される画像データから決定される、第1の縞239_1の両側での2点間の画素の数でもよい。他の実装形態も実現可能であり、縞の直径d1及びd2は、いかなる方式で決定されてもよい。
【0046】
[0059] 決定された縞の直径d1及び較正値の初期値に基づいて、第1の波長値(λ1)が決定される(420)。たとえば、第1の波長(λ1)は、パラメータ231の初期値、第1の縞239_1の次数(m)、NDの既知の値、及び式1での縞の直径d1を使用して決定されてもよい。同様に、第2の縞239_2(縞の直径d2)の直径が決定される。決定された縞の直径d2及び較正値の初期値に基づいて、第2の波長値(λ2)が決定される(430)。第2の波長(λ2)は、パラメータ231の初期値、第2の縞239_2の次数(m)、NDの既知の値、及び式1での縞の直径d2を使用して決定されてもよい。第1の縞239_1及び第2の縞239_2は、連続した次数を有する。たとえば、第1の縞239_1の次数(m)が10.001である場合、第2の縞239_2の次数(m)は10.002である。
【0047】
[0060] 第1の波長値(λ1)と第2の波長値(λ2)とを比較して、測定誤差を決定する(440)。測定誤差は、第1の波長値(λ1)と第2の波長値(λ2)との差を見つけることによって決定されてもよい。測定誤差がない場合、第1の縞239_1及び第2の縞239_2を作製するために使用された光が同じなので、第1の波長値及び第2の波長値は同じである。したがって、第1の波長値(λ1)と第2の波長値(λ2)の差が、測定誤差の特徴である。この差は、第2の波長値(λ2)から第1の波長値(λ1)を減算することによって決定されてもよく、又はその逆でもよい。さらに、測定誤差は、差の絶対値でもよい。したがって、測定誤差は、正数、負数、又はゼロ(測定誤差がない場合)でもよい。
【0048】
[0061] 測定誤差を仕様と比較して、較正パラメータ231(この例では、FD)を調整すべきかどうか判定する。この仕様は、正値及び負値、又は正である単一の閾値を含む、ある範囲の値でもよい。測定誤差をこの仕様と比較して、較正パラメータ231の値を調整するかどうか判定する(450)。較正パラメータ231の値が仕様内であるか、又は閾値よりも小さい場合、較正パラメータ231の値は正確であり、プロセス400は(410)に戻って、測定誤差の監視を継続する。較正パラメータ231の値が仕様から外れる場合、較正パラメータ231の値が調整される(460)。第1の波長値(λ1)及び第2の波長値(λ2)が仕様内に収まるまで、較正パラメータ231の値が調整される。たとえば、仕様がゼロの場合、式1によって、第1の縞239_1及び第2の縞239_2において同じ波長値が得られるまで、較正パラメータ231の値が調整される。
【0049】
[0062] 較正パラメータ231の値が調整された後、プロセス400は(410)に戻って、エタロンの測定誤差の監視を継続するか、又はプロセス400が終了してもよい。較正パラメータ231の調整値は、電子ストレージ252記憶されてもよい(470)。較正パラメータ231の調整値が記憶される実装形態では、較正パラメータ231の調整値は、プロセス400の後続の実行における較正パラメータ231の初期値として使用されてもよい。実装形態によっては、調整された較正パラメータ231は記憶されず、及び/又はプロセス400の後続の実行において使用されない。こうした実装形態では、較正パラメータ231の工場決定値が、較正パラメータ231の初期値として常に使用される。
【0050】
[0063]
図5は、較正パラメータ231(FD)の値の関数としての測定誤差を示す、例示的なデータのプロットである。
図5の例では、この測定誤差は、(420)で決定された第1の波長値(λ1)と、(430)で決定された第2の波長値(λ2)との差である。この較正パラメータ231の工場決定値は、18352画素であった。しかし、
図5に示すように、較正パラメータ231の工場決定値を使用することで、約2.5フェムトメートル(fm)の測定誤差となった。
図5に示す値の範囲を通して較正パラメータ231の値を変化させ、この較正パラメータ231の様々な値において測定誤差を決定した。
図5に示すように、較正パラメータ231の値が18353画素であると、測定誤差はゼロであった。較正パラメータ231の値は、18353画素に等しくなるように調整され、部分116’の波長は、エタロン130によって出力される干渉縞、及び(FDの更新値を用いる)式1を使用して測定される。較正パラメータ231の値を調整することによって、エタロン230の出力から決定される波長値が正確になるように測定誤差を除去する。
【0051】
[0064]
図6は、プロセス600の流れ図である。プロセス600は、エタロン(エタロン130又はエタロン230など)の測定誤差を決定するプロセスの別の例である。エタロン230及び制御システム250について、プロセス600を考察する。
【0052】
[0065] 較正パラメータ231の初期値を、更新値に変更する(610)。較正パラメータ231の初期値は、工場での較正値、エタロン230のこれまでの作業使用中に決定された値、(ランダムなプロセスなどの)自動化プロセスによって生成される値、又は制御システム250のオペレータによって提示される値でもよい。較正パラメータ231の初期値に所定の一定量を加算することによって、この較正パラメータ231の初期値を変更してもよい。実装形態によっては、較正パラメータ231の初期値は、制御システム250のオペレータによって示される特定の量によって、又は事前にプログラムされた処方若しくは数式によって変更される。
【0053】
[0066] 部分116’での光の波長を変化させる(620)。部分116’での光の波長を、既知の量だけ変化させる。たとえば、光源110に関連付けられた(
図9Aのプリズム922、923、924、又は925などの)光学素子を作動させることによって、部分116’での光の波長を既知の量だけ変化させ、その結果、光学素子に入射する光に対して、光学素子から出る光の波長を既知の量だけ変化させる。次に、プロセス600は、エタロン230によって出力される干渉縞239のうち1つ又は複数の具体例を使用して、部分116’での光の波長値を推定し、ここで、2つの具体例のそれぞれが互いに異なる時点で出力される。たとえば、光ビーム116(及び、部分116’)は、光のパルスを含むパルス状の光ビームでもよく、それぞれが、光生成モジュール110が光を放出しない有限の時間だけ、隣接するパルスから分離される。この例では、部分116’での第1のパルスをエタロン230に照射することによって、干渉縞239の第1の具体例が生成され、部分116’での第2のパルスをエタロン230に照射することによって、干渉縞239の第2の具体例が生成される。
【0054】
[0067] 干渉縞239の第1の具体例からの縞を使用して、第1の波長値(λ1)を決定する(630)。第1の波長値(λ1)は式1を使用して決定され、mは縞の次数であり、FDは(610)において決定された較正パラメータ231の更新値であり、dは縞の直径である。第1の波長値(λ1)は、干渉縞239の2つ以上の具体例から決定されてもよい。たとえば、第1の波長値(λ1)は、干渉縞239の50以上の具体例から決定されてもよい。第1の波長値(λ1)の様々な値を、ともに平均化し、又は他の方法でフィルタリングして、雑音を除去又は低減してもよく、その平均化された値又はフィルタリングされた値を、第1の波長値(λ1)として使用してもよい。
【0055】
[0068] 部分116’での光の波長を再び変化させる(640)。(620)と同様に、部分116’での光の波長を、同じ既知の量だけ変化させてもよい。干渉縞239の1つ又は複数の具体例からの縞を使用して、第2の波長値(λ2)を決定する(650)。第2の波長値(λ2)は、(630)で述べたのと同様に式1を使用することによって決定され、mは縞の次数であり、FDは(610)において決定された較正パラメータ231の更新値であり、dは縞の直径である。第2の波長値(λ2)は、干渉縞239の2つ以上の具体例から決定されてもよい。たとえば、第2の波長値(λ2)を、10回、50回、又は100回決定し、次いでこれを平均化して、雑音及び機械的振動の影響を軽減してもよい。
【0056】
[0069] 較正パラメータ231の更新値に関連付けられた測定誤差を決定する(660)。部分116’(この例では、作動した光学素子)の実際の波長を制御するシステムの公称感度(NS)を考慮に入れると、測定誤差は、決定された第1の波長値(λ1)と決定された第2の波長値(λ2)との差である。公称感度は一定値であり、製造者によって決定され、電子ストレージ252に記憶されてもよい。公称感度は、エタロン230に入射する光の波長を決定する光学素子での、単位量変化に対する波長の変化量である。たとえば、光学素子が、PZTアクチュエータに結合されたプリズムである場合、公称感度は、このプリズム位置での各単位量変化における波長変化量である。測定誤差(ME)は、式2から決定されてもよい。
ME=(S-NS)(OA) 式(2)
ここで、MEは測定誤差、Sは電流感度、NSは公称感度、またOAは距離の単位での光学素子の作動の尺度である。OAは、式3によって決定されてもよい。
OA=P2-P1 式(3)
ここで、P2は、第2の波長を有する光が光学素子によってもたらされるときの光学素子の位置であり、P1は、第1の波長を有する光が光学素子によってもたらされるときの光学素子の位置である。電流感度(S)は、測定された波長と、光学素子の位置の変化とに基づいて計算され、式4から決定されてもよい。
【数2】
ここで、λ1は、(630)において決定された第1の波長値であり、λ2は、(650)において決定された第2の波長値であり、P2は、第2の波長値(λ2)を有する光がエタロン230にもたらされるときの光アクチュエータの位置であり、P1は、第1の波長値(λ1)を有する光がエタロン230にもたらさられるときの光アクチュエータの位置である。式2、式3、及び式4に関連する上記の例では光学素子の位置を考察しているが、光学素子の位置に関連する他の距離メトリックを使用してもよい。たとえば、アクチュエータの位置と光学素子の位置との間の関係が知られている実装形態では、アクチュエータの位置を光学素子の位置として使用してもよい。
【0057】
[0070] 測定誤差(ME)は、電子ストレージ252に記憶されるか、又はI/Oインターフェース253を介して出力される。
【0058】
[0071] プロセス600は、(610)に戻って、前述の通り(610)~(660)を使用して較正パラメータ231の互いに異なる更新値について、また部分116’の別の波長について、測定誤差(ME)を決定してもよい。たとえば、(610)~(660)のこれまでの繰返し処理と比較して、(620)で波長を長くしてもよく、又は短くしてもよい。実装形態によっては、プロセス600が(610)に戻るたびにカウンタがインクリメントされて(665)、測定誤差が何回決定されたかを追跡する。
【0059】
[0072] 較正パラメータ231の2つ以上の値について、又は較正パラメータ231の指定された数を超える値について測定誤差が決定された後に、決定されたこの較正値が分析される(670)。たとえば、測定誤差の絶対値を決定し、その絶対値から最小誤差測定値を見つけてもよい。この最小誤差測定に関連付けられた較正パラメータ231の値が決定される。
【0060】
[0073] たとえば、
図7には、較正パラメータ231の更新値の関数として、決定されたフェムトメートル(fm)での測定誤差値の2つのセットが画素値で示してある。第1のセットでの各測定誤差値は、中実の丸い記号で示してある。第2のセットでの各測定誤差値は、中空の丸い記号で示してある。較正パラメータ231の複数の異なる値について(610)~(660)を実行することによって、測定誤差値の第1のセットが決定された。(610)において較正パラメータ231の値が、この較正パラメータ231の異なる値に更新されるたびに、光学素子(プリズムなど)を作動させて、部分116’での光の波長を長くし、(660)において測定誤差が決定される。第2のセットは、プロット754として示してある。較正パラメータ231の複数の異なる値について(610)~(660)を実行することによって、測定誤差値の第2のセットが決定された。(610)において較正パラメータ231の値が、この較正パラメータ231の異なる値に更新されるたびに、光学素子(プリズムなど)を作動させて、部分116’での光の波長を短くした。
【0061】
[0074] 測定値の第1のセットは、線形関係753に適合していて、測定値の第2のセットは、線形関係754に適合していた。線形の関係753と関係754が交差するところに対応するFDの値が、最小の測定誤差である。
図7に示すように、関係753と関係753の傾斜は大きさが逆であるが、同様に絶対値が異なっていてもよい。絶対値の差は、光学素子を動かすアクチュエータでのヒステリシスから生じる場合がある。
図7の例では、アクチュエータは圧電アクチュエータであって、この圧電アクチュエータは、最初にその公称寸法から圧縮されて、プリズムを作動させて波長を長くし(測定誤差値の第1のセットを生成し)、次いで、その公称寸法にまで拡張して戻して、波長を短くした(測定誤差値の第2のセットを生成した)。圧縮と拡張から生じる機械的効果の結果として、関係754の傾斜の絶対値と比較して、関係753の傾斜の絶対値がわずかに異なることになった。
【0062】
[0075]
図7に示す例では、最小の測定誤差に対応する較正パラメータ231の値は、約18369であった。対照的に、較正パラメータ231の事前設定されたデフォルト値は約18362であって、相対的に高い測定誤差に関連付けられている。
【0063】
[0076] 較正パラメータ231の事前設定されたデフォルト値は、デフォルト値を使用する結果として、測定誤差が仕様よりも大きい場合に調整される(680)。
図7の例では、較正パラメータ231の事前設定されたデフォルト値によって、仕様を超える測定誤差値となり、また較正パラメータ231の値が調整されて、測定誤差の最小値に対応する較正パラメータ231の値になる(690)。次いで、プロセス600は終了する。
【0064】
[0077]
図8A及び
図10には、光学測定機器160又は260を使用してもよい、深紫外(DUV)光学システムの例が示してある。以下の例では、DUV光学システムで使用される光学測定機器260が示してある。
【0065】
[0078]
図8A及び
図8Bを参照すると、システム800は、露光ビーム(又は、出力光ビーム)816をスキャナ機器880に供給する光生成モジュール810を備える。光生成モジュール810及びスキャナ機器880は、それぞれ光生成モジュール110及び装置180(
図1A)の実装形態である。
【0066】
[0079] システム800はまた、ビーム分離器117、光学測定機器260、及び制御システム250を備える。ビーム分離器117は、露光ビーム816の一部分を光学測定機器260に送り、この光学測定機器260を使用して、露光ビーム816の波長を測定する。制御システム250は、光学測定機器260に結合される。
図8Aの例では、制御システム250はまた、光生成モジュール810、及びこの光生成モジュール810に関連付けられた様々な構成要素に結合される。
【0067】
[0080] 光生成モジュール810は、光発振器812を備える。光発振器812は、出力光ビーム816を生成する。光発振器812は放電チャンバ815を備え、この放電チャンバはカソード813-a及びアノード813-bを備える。放電チャンバ815はまた、気体の利得媒質819を含む。カソード813-aとアノード813-bとの電位差によって、気体の利得媒質819中に電界が形成される。この電位差は、カソード813-a及び/又はアノード813-bに電圧を印加するように電圧源897を制御することによって生成されてもよい。反転分布を引き起こし、誘導放出によって光のパルスの生成を可能にするのに十分なエネルギーを、この電界が利得媒質819に供給する。このような電位差を繰り返し生成することによって、光ビーム816として放出される一連のパルスが形成される。パルス状の光ビーム816の繰返し率は、電極813-a及び813-bに電圧が印加される率によって決定される。
【0068】
[0081] 電極813-a及び813-bに電圧を印加することによって、利得媒質819がポンピングされる。パルス状の光ビーム816でのパルスの持続時間及び繰返し率は、電極813-a及び813-bへの電圧印加の持続時間及びび繰返し率によって決定される。パルスの繰返し率は、たとえば、約500Hz~6,000Hzの間の範囲でもよい。実装形態によっては、この繰返し率は、6,000Hzよりも速くてもよく、たとえば、12,000Hz以上でもよい。光発振器812から放出される各パルスは、たとえば、約1ミリジュール(mJ)のパルスエネルギーを有してもよい。
【0069】
[0082] 気体の利得媒質819は、用途に必要とされる波長、エネルギー、及び帯域幅において光ビームを生成するのに適した何れかのガスでもよい。気体の利得媒質819は、2つ以上のタイプのガスを含んでもよく、この様々なガスはガス成分と呼ばれる。エキシマ放射源では、気体の利得媒質819は、たとえばアルゴン若しくはクリプトンなどの貴ガス(希ガス)、又は、たとえばフッ素若しくは塩素などのハロゲンを含んでもよい。ハロゲンが利得媒質である実装形態においては、利得媒質はまた、ヘリウムなどのバッファガスは別にして、キセノンの痕跡を含む。
【0070】
[0083] 気体の利得媒質819は、深紫外(DUV)の範囲内の光を放出する利得媒質でもよい。DUV光は、たとえば、約100ナノメートル(nm)~約400nmの波長を含んでもよい。気体の利得媒質819の具体例には、約193nmの波長で光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長で光を放出するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長で光を放出する塩化キセノン(XeCl)が含まれる。
【0071】
[0084] 共振器が、放電チャンバ815の一方の側にあるスペクトル調整装置895と、放電チャンバ815の第2の側にある出力カプラ896との間に形成される。スペクトル調整装置895は、たとえば、放電チャンバ815のスペクトル出力を微調整する回折格子及び/又はプリズムなどの回折光学部品を含むことがある。回折光学部品は、反射型又は屈折型であり得る。(
図9Aに示すような)一部の実装形態では、スペクトル調整装置895は、複数の回折型光学素子を含む。たとえば、スペクトル調整装置895は4つのプリズムを含むことがあり、それらのプリズムのうちの幾つかは光ビーム816の中心波長を制御するように構成され、他のものは光ビーム816のスペクトル帯域幅を制御するように構成される。
【0072】
[0085]
図9Aも参照すると、スペクトル調整装置995のブロック図が示されている。スペクトル調整装置995は、スペクトル調整装置895として光生成モジュール810で使用されることがある。
【0073】
[0086] スペクトル調整装置995は、光ビーム816と光学的に相互作用するように配置された1組の光学フィーチャ又はコンポーネント921、922、923、924、925を含む。制御システム250は、それぞれの光学コンポーネント921、922、923、924、925に物理的に結合された1つ又は複数の作動システム921A、922A、923A、924A、925Aに接続されている。作動システム921A、922A、923A、924A、925Aは、シャフト(シャフト926Aなど)を含むことがあり、このシャフトは、そのシャフトに平行な軸の周囲でシャフトに結合されたコンポーネントを回転させる。作動システム921A、922A、923A、924A、925Aは、たとえば、制御システム250と通信するための且つ電力を受け取るための電子インターフェース及びモーターなどの電子機器及び機械装置も含む。
【0074】
[0087] 光学コンポーネント921は、分散型光学素子、たとえば回折格子及び/又はプリズムである。
図9Aの例では、光学コンポーネント921は、回折面902を含む反射型回折格子である。光学コンポーネント922、923、924、及び925は、屈折型光学素子であり、たとえばプリズムであり得る。光学コンポーネント922、923、924、及び925は、光学倍率OM965を有するビーム拡大器901を形成する。ビーム拡大器901を通る光ビーム816のOM965は、ビーム拡大器901に入ってくる光ビーム816の横幅Wiに対する、ビーム拡大器901を出てゆく光ビーム816の横幅Woの比率である。
【0075】
[0088] 回折格子921の表面902は、光ビーム816の波長を反射及び回折する材料でできている。プリズム922、923、924、及び925のそれぞれは、光ビーム816がプリズムの本体を通過する際に光ビーム816を分散させ向け直すように作用するプリズムである。プリズム922、923、924、及び925のそれぞれは、光ビーム816中の波長を透過させる材料でできている。たとえば、光ビーム816がDUV範囲内にある場合、プリズム922、923、924、及び925は、DUV範囲内の光を透過する材料(例えば、フッ化カルシウムなど)でできている。
【0076】
[0089] プリズム925は、回折格子921から最も遠くに配置され、プリズム922は回折格子921の最も近くに配置されている。光ビーム816は、開口部955を通ってスペクトル調整装置に入り、その後プリズム925、プリズム924、プリズム923、及びプリズム922を(この順序で)通って進む。光ビーム816が連続するプリズム925、924、923、922を通過するたびに、光ビーム816は光学的に拡大され、次の光学コンポーネントに向けて向け直される(ある角度で屈折する)。プリズム925、924、923、及び922を通過した後、光ビーム816は表面902で反射する。光ビーム816は、その後プリズム922、プリズム923、プリズム924、及びプリズム925を(この順序で)通過する。連続するプリズム922、923、924、925を通過するたびに、光ビーム816は、開口部955に向けて進むにつれて光学的に圧縮される。プリズム922、923、924、及び925を通過した後、光ビーム816は開口部955を通ってスペクトル調整装置995を出てゆく。スペクトル調整装置995を出た後、光ビーム816はチャンバ815を通過し、出力カプラ896で反射して、チャンバ815及びスペクトル調整装置995に戻る。
【0077】
[0090] 光ビーム816のスペクトル特性は、光学コンポーネント921、922、923、924、及び/又は925の相対的な向きを変更することにより、調整されることがある。
図9Bを参照すると、ページの平面に垂直な軸の周りでのプリズムP(これは、プリズム922、923、924、又は925のいずれかであり得る)の回転により、その回転したプリズムPの入射表面H(P)に光ビーム816が当たる入射角が変わる。さらに、その回転したプリズムPを通る光ビーム816の2つの局所的な光学的特性、即ち光学倍率OM(P)及びビーム屈折角δ(P)は、その回転したプリズムPの入射表面H(P)に当たる光ビーム816の入射角の関数になる。プリズムPを通る光ビーム816の光学倍率OM(P)は、そのプリズムPに入ってくる光ビーム816の横幅Wi(P)に対する、そのプリズムPを出てゆく光ビーム816Aの横幅Wo(P)の比率である。
【0078】
[0091] ビーム拡大器901内部のプリズムPのうちの1つ又は複数における光ビーム816の局所的な光学倍率OM(P)が変化すると、ビーム拡大器901を通る光ビーム816の光学倍率OM965の全体的な変化が引き起こされる。さらに、ビーム拡大器901内部のプリズムPのうちの1つ又は複数を通る局所的なビーム屈折角δ(P)が変化すると、回折格子921の表面902での光ビーム816Aの入射角962(
図9A)の全体的な変化が引き起こされる。光ビーム816の波長は、光ビーム816が回折格子921の表面902に当たる入射角962(
図9A)を変更することにより、調整されることがある。光ビーム816のスペクトル帯域幅は、光ビーム816の光学倍率965を変更することにより、調整されることがある。
【0079】
[0092] したがって、光ビーム816のスペクトル特性は、それぞれのアクチュエータ921A、922A、923A、924A、925Aを介して回折格子921、及び/又はプリズム922、923、924、925のうちの1つ又は複数の向きを制御することにより、変更又は調整されることがある。アクチュエータ921A、922A、923A、924A、925Aは、たとえば、電圧の印加に応答して形状を変化させる圧電アクチュエータでもよい。スペクトル調整装置の他の実装形態も可能である。
【0080】
[0093] 再び
図8Aを参照すると、光ビーム816のスペクトル特性は、他の方法で調整されることがある。たとえば、光ビーム816のスペクトル帯域幅及び中心波長などのスペクトル特性は、チャンバ815の気体の利得媒質の圧力及び/又はガス濃度を制御することにより、調整されることがある。光生成モジュール810がエキシマ放射源である実装形態の場合、光ビーム816のスペクトル特性(例えば、スペクトル帯域幅又は中心波長)は、チャンバ815内の、たとえばフッ素、塩素、アルゴン、クリプトン、キセノン、及び/又はヘリウムの圧力及び/又は濃度を制御することにより、調整されることがある。
【0081】
[0094] 気体の利得媒質819の圧力及び/又は濃度は、ガス供給システム890を用いて制御可能である。ガス供給システム890は、流体導管889を介して放電チャンバ815の内部に流体結合されている。流体導管889は、流体の損失なく又は最小限の損失を伴って、ガス又は他の流体を運ぶことができる任意の導管である。たとえば、流体導管889は、流体導管889内で運ばれている1種又は複数種の流体と反応しない材料でできているか又はコーティングされているパイプであり得る。ガス供給システム890は、利得媒質819で使用される1種又は複数種のガスを含むか及び/又はガスの供給を受け取るように構成されるチャンバ891を含む。ガス供給システム890は、ガス供給システム890が放電チャンバ815からのガスを除去するか又は放電チャンバ815へガスを注入できるようにするデバイス(ポンプ、弁、及び/又は流体スイッチなど)も含む。ガス供給システム890は、制御システム250に結合されている。
【0082】
[0095] 光発振器812はまた、スペクトル解析機器898を備える。スペクトル解析機器898は、光ビーム816の波長を測定又は監視するのに使用されてもよい測定システムである。
図8Aに示す例では、スペクトル解析機器898は、出力カプラ896からの光を受光する。実装形態によっては、スペクトル解析機器898は、光学測定機器260の一部である。
【0083】
[0096] 光生成モジュール810は、他の構成要素及びシステムを備えてもよい。たとえば、光生成モジュール810は、ビーム準備システム899を備えてもよい。このビーム準備システム899は、パルスストレッチャと相互作用する各パルスを時間的に引き伸ばすパルスストレッチャを備えてもよい。ビーム準備システムはまた、たとえば、反射型及び/又は屈折型の光学素子(たとえば、レンズやミラーなど)、及び/又はフィルタなど、光に作用することのできる他の構成要素を備えてもよい。図に示す例では、ビーム準備システム899は、露光ビーム816の経路内に配置される。しかし、ビーム準備システム899は、システム800内の他の場所に配置されてもよい。
【0084】
[0097] システム800はまた、スキャナ機器880を備える。スキャナ機器880は、所要形状に作られた露光ビーム816Aでウェーハ882を露光する。所要形状に作られた露光ビーム816Aは、投影光学システム881を通して、露光ビーム816を通過させることによって形成される。スキャナ機器880は、液浸システム又は乾式システムでもよい。スキャナ機器880は、ウェーハ882に到達する前に露光ビーム816が通過する投影光学システム881、及びセンサシステム又は計測システム870を備える。ウェーハ882は、ウェーハホルダ883上で保持され又は受けられる。スキャナ機器880はまた、たとえば、温度制御装置(空気調和装置及び/又は加熱装置など)、及び/又は様々な電気構成部品用の電源を備えてもよい。
【0085】
[0098] 計測システム870は、センサ871を備える。センサ871は、たとえば、帯域幅、エネルギー、パルス持続時間、及び/又は波長など、所要形状に作られた露光ビーム816Aの特性を測定するように構成されてもよい。センサ871は、たとえば、ウェーハ882における所要形状に作られた露光ビーム816Aの画像を取り込むことのできるカメラ若しくは他の装置でもよく、又は、x-y平面でのウェーハ882における光エネルギーの量を示すデータを取り込むことのできるエネルギー検出器でもよい。
【0086】
[0099] また
図8Bを参照すると、投影光学システム881は、スリット884と、マスク885と、レンズシステム886を含む投影対物レンズとを備える。レンズシステム886は、1つ又は複数の光学素子を備える。露光ビーム816は、スキャナ機器880に入り、スリット884に衝突し、出力光ビーム816の少なくとも一部が、スリット884を通過して、所要形状に作られた露光ビーム816Aを形成する。
図8A及び
図8Bの例では、スリット884は長方形であり、露光ビーム816を、細長い長方形状に作られた光ビームに成形し、これが所要形状に作られた露光ビーム816Aになる。マスク885は、所要形状に作られた光ビームのどの部分がマスク885によって透過され、どの部分がマスク885によって遮断されるかを決定するパターンを含む。ウェーハ882上の輻射線感応性フォトレジスト材料の層を、露光ビーム816Aで露光することによって、ウェーハ882上に超小型電子機能が形成される。マスク上のパターンのデザインは、所望の具体的な超小型電子回路機能によって決定される。
【0087】
[0100]
図8Aに示す構成は、DUVシステムにおける構成の一例である。他の実装形態も実現可能である。たとえば、光生成モジュール810は、光発振器812のN個の具体例を含んでもよく、ここで、Nは2以上の整数である。こうした実装形態では、各光発振器812は、露光ビーム816を形成するビーム結合器に向けてそれぞれの光ビームを放出するように構成される。
【0088】
[0101]
図10には、DUVシステムの例示的な別の構成が示してある。
図10は、スキャナ機器880に供給されるパルス状の光ビーム1016を生成する光生成モジュール1010を備える、フォトリソグラフィシステム1000のブロック図である。フォトリソグラフィシステム1000はまた、ビーム分離器117、光学測定機器260、及び制御システム250を備える。制御システム250は、光学測定機器260、光生成モジュール1010の様々な構成要素、及びスキャナ機器1080に結合されて、システム1000の様々な動作を制御する。
図10の例では、ビーム分離器117は、出力光ビーム1016の一部分を光学測定機器260に送る。他の実装形態も実現可能である。たとえば、ビーム分離器117は、シード光ビーム1018と相互作用するように配置されてもよい。
【0089】
[0102] 光生成モジュール1010は、シード光ビーム1018を電力増幅器(PA)1012_2に提供する主発振器(MO)1012_1を含む、2ステージレーザーシステムである。PA1012_2は、MO1012_1からシード光ビーム1018を受け取り、シード光ビーム1018を増幅して、スキャナ機器880で使用するための光ビーム1016を生成する。たとえば、実装形態によっては、MO1012_1は、1パルスあたり約1ミリジュール(mJ)のシードパルスエネルギーを有するパルスシード光ビームを放射することがあり、これらのシードパルスは、PA1012_2によって約10~15mJまで増幅されることがあるが、他の実施例では他のエネルギーが使用されてよい。
【0090】
[0103] MO1012_1は、2つの細長い電極1013a_1及び1013b_1、ガス混合物である利得媒質1019_1、並びに電極1013a_1と1013b_1との間でガス混合物を循環させるためのファン(図示せず)を有する、放電チャンバ1015_1を含む。共振器が、放電チャンバ1015_1の一方の側にあるライン狭隘化モジュール1095と、放電チャンバ1015_1の第2の側にある出力カプラ1096との間に形成される。
【0091】
[0104] 放電チャンバ1015_1は、第1のチャンバ窓1063_1及び第2のチャンバ窓1064_1を含む。第1のチャンバ窓1063_1及び第2のチャンバ窓1064_1は、放電チャンバ1015_1の両側にある。第1のチャンバ窓1063_1及び第2のチャンバ窓1064_1は、DUV範囲内の光を透過し、DUV光が放電チャンバ1015_1に出入りするのを可能にする。
【0092】
[0105] ライン狭隘化モジュール1095は、放電チャンバ1015_1のスペクトル出力を微調整する回折格子又はプリズム(
図9Aに示すような)などの回折光学部品Sを含むことがある。光生成モジュール1010は、出力カプラ1096から出力光ビームを受け取るライン中心分析モジュール1068、及びビーム結合光学システム1069も含む。ライン中心分析モジュール1068は、シード光ビーム1018の波長を測定又は監視するのに使用されることがある測定システムである。ライン中心分析モジュール1068は、光生成モジュール1010内の他の場所に配置されることがあるか、又は、光生成モジュール1010の出力部に配置されることがある。
【0093】
[0106] 利得媒質1019_1であるガス混合物は、用途に必要とされる波長及び帯域幅で光ビームを生成するのに適した任意のガスであり得る。エキシマ放射源の場合、ガス混合物は、たとえば、アルゴン若しくはクリプトンなどの貴ガス(希ガス)、たとえばフッ素若しくは塩素などのハロゲン、及びヘリウムなどの緩衝ガスとは別の微量のキセノンを含むことがある。ガス混合物の具体的な例としては、約193nmの波長で光を放射するフッ化アルゴン(ArF)、約248nmの波長で光を放射するフッ化クリプトン(KrF)、又は約351nmの波長で光を放射する塩化キセノン(XeCl)が挙げられる。したがって、この実装形態では、光ビーム1016及び1018は、DUV範囲内の波長を含む。エキシマ利得媒質(ガス混合物)は、細長い電極1013a_1、1013b_1に電圧を印加することにより、高電圧放電で、短い(たとえばナノ秒の)電流パルスを伴ってポンピングされる。
【0094】
[0107] PA1012_2は、MO1012_1からシード光ビーム1018を受け取り、シード光ビーム1018を放電チャンバ1015_2を通してビーム回転光学素子1092に向ける、ビーム結合光学システム1069を含み、ビーム回転光学素子1092は、シード光ビーム1018が放電チャンバ1015_2に送り返されるにように、シード光ビーム1018の方向を修正又は変更する。ビーム回転光学素子1092及びビーム結合光学システム1069は、循環する閉ループの光路を形成し、この光路では、リング増幅器への入力が、ビーム結合光学システム1069においてリング増幅器の出力と交差する。
【0095】
[0108] 放電チャンバ1015_2は、一対の細長い電極1013a_2、1013b_2、利得媒質1019_2、及び電極1013a_2と1013b_2との間で利得媒質1019_2を循環させるためのファン(図示せず)を含む。利得媒質1019_2を形成するガス混合物は、利得媒質1019_1を形成するガス混合物と同じであり得る。
【0096】
[0109] 放電チャンバ1015_2は、第1のチャンバ窓1063_2及び第2のチャンバ窓1064_2を含む。第1のチャンバ窓1063_2及び第2のチャンバ窓1064_2は、放電チャンバ1015_2の両側にある。第1のチャンバ窓1063_2及び第2のチャンバ窓1064_2は、DUV範囲内の光を透過し、DUV光が放電チャンバ1015_2に出入りするのを可能にする。
【0097】
[0110] 利得媒質1019_1又は1019_2が、それぞれ電極1013a_1、1013b_1、又は1013a_2、1013b_2に電圧を印加することによりポンピングされると、利得媒質1019_1及び/又は1019_2が光を放射する。電圧が一定の時間間隔で電極に印加されると、光ビーム1016はパルス化される。したがって、パルス光ビーム1016の繰返し率は、電極に電圧が印加される率によって決まる。パルスの繰返し率は、様々な用途について、約500~6,000Hzの範囲であり得る。実装形態によっては、繰返し率は6,000Hzよりも大きいことがあり、たとえば、12,000Hz以上であることがあるが、他の実装形態では他の繰返し率が用いられることがある。
【0098】
[0111] 出力光ビーム1016は、スキャナ機器880に到達する前に、ビーム準備システム1099を通って向けられることがある。ビーム準備システム1099は、ビーム1016の様々なパラメータ(帯域幅又は波長など)を測定する帯域幅分析モジュールを含むことがある。ビーム準備システム1099は、時間的に出力光ビーム1016の各パルスを引き伸ばすパルスストレッチャも含むことがある。ビーム準備システム1099は、たとえば、反射型及び/又は屈折型の光学素子(例えば、レンズ及びミラーなど)、フィルタ、及び光学開口部(自動シャッターを含む)などの、ビーム1016に作用することができる他の構成要素を含むこともある。
【0099】
[0112] DUV光生成モジュール1010は、DUV光生成モジュール1010の内部1078と流体連通しているガス管理システム1090も含む。
【0100】
[0113] 本発明の他の態様が、番号付けされた以下の条項に記載される。
1.光源用の光学測定機器であって、
画像平面に光を集束させるように構成された集束レンズを備えるエタロンであって、集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられ、較正パラメータが、事前設定されたデフォルト値を有するエタロンと、
エタロンによって生成された干渉縞を検出し、エタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器であって、情報が、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む光検出器と、
光検出器に結合された制御システムであって、
検出器からの第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定し、
測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定するように構成された制御システムと
を備える、光学測定機器。
2.光源が、深紫外(DUV)光源を備える、条項1に記載の光学測定機器。
3.光生成機器と、
画像平面に光を集束させるように構成された集束レンズを備えるエタロンであって、集束レンズに関連する較正パラメータに関連付けられ、較正パラメータが、事前設定されたデフォルト値を有するエタロン、
エタロンによって生成された干渉縞を検出し、エタロンに関連する情報を生成するように構成された光検出器であって、情報が、第1の縞についての第1の空間情報及び第2の縞についての第2の空間情報を含む光検出器、並びに
光検出器に結合された制御システムであって、
第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定し、
測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定するように構成された制御システム
を含む光学測定機器と
を備える、光源。
4.光生成機器が、深紫外(DUV)光源を備える、条項3に記載の光源。
5.光生成機器が、主発振器を備える、条項4に記載の光源。
6.光生成機器がさらに、電力増幅器を備える、条項4に記載の光源。
7.光生成機器が、複数の主発振器を備える、条項4に記載の光源。
8.光生成機器から光を受光し、光をエタロンに送るように構成された光学素子をさらに備える、条項3に記載の光源。
9.光学素子が分散型光学素子である、条項8に記載の光源。
10.エタロンに関連する情報にアクセスすることであって、エタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、エタロンが、受光された光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、エタロンに関連する情報が、複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、
第1の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの初期値に基づいて、受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、
第2の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの初期値に基づいて、受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、
第1の波長値と第2の波長値とを比較して測定誤差値を決定することと
を含む、方法。
11.測定誤差値に基づいて、較正パラメータの事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することをさらに含む、条項10に記載の方法。
12.測定誤差値が、第1の波長値と第2の波長値との差を含み、事前設定されたデフォルト値は、測定誤差値の大きさが閾値よりも小さくなるような値に調整される、条項11に記載の方法。
13.事前設定されたデフォルト値は、測定誤差値がゼロになるような値に調整される、条項12に記載の方法。
14.較正パラメータが、エタロンの出力でのレンズの焦点距離を含み、測定誤差が、第1の波長値と第2の波長値との差を含む、条項10に記載の方法。
15.第1の空間情報が第1の縞の直径を含み、第2の空間情報が第2の縞の直径を含む、条項10に記載の方法。
16.光ビームをエタロンに送ることをさらに含み、第1の縞が、光ビームの第1の部分によって生成され、第2の縞が、光ビームの第2の部分によって生成される、条項10に記載の方法。
17.光ビームが複数のパルスを含み、光ビームの第1の部分が、複数のパルスのうち第1のパルスを含み、光ビームの第2の部分が、複数のパルスのうち第2のパルスを含む、条項16に記載の方法。
18.光ビームが連続波の光ビームを含み、光ビームの第1の部分が、光ビームの第1のサンプルを含み、光ビームの第2の部分が、光ビームの第2のサンプルを含む、条項16に記載の方法。
19.較正パラメータの初期値を、較正パラメータの更新値に変更することと、
光学素子を作動させて、それによって、受光された光ビームの波長を変更することと、
第1の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの更新値に基づいて、受光された光ビームの第1の波長値を決定することと、
第2の縞に関連する空間情報及び較正パラメータの更新値に基づいて、受光された光ビームの第2の波長値を決定することと、
第1の波長値と第2の波長値とを比較して、較正パラメータの更新値に基づいて測定誤差値を決定することと
をさらに含む、条項16に記載の方法。
20.第2の波長値を決定する前に、光学素子を作動させて、波長を長くするか又は波長を短くする、条項19に記載の方法。
21.光学素子を作動させるたびに、第1の波長値及び第2の波長値が2回以上決定される、条項19に記載の方法。
22.較正パラメータの初期値に基づいて決定される誤差測定値と、較正パラメータの更新値に基づいて決定される誤差測定値とを比較することによって、較正パラメータの事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することをさらに含む、条項20に記載の方法。
23.較正パラメータの初期値が、事前選択されたデフォルト値である、条項10に記載の方法。
24.第1の縞及び第2の縞が、干渉縞内に同時に存在する、条項10に記載の方法。
25.エタロンを較正する方法であって、
エタロンに関連する情報にアクセスすることであって、エタロンが、事前設定されたデフォルト値を有する較正パラメータに関連付けられ、エタロンが、受光した光ビームから複数の縞を含む干渉縞を生成するように構成され、エタロンに関連する情報が、複数の縞の第1の縞に関連する第1の空間情報、及び複数の縞の第2の縞に関連する第2の空間情報を含む、アクセスすることと、
第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの初期値に基づいてエタロンの測定誤差値を決定することと、
測定誤差値を分析して、事前設定されたデフォルト値を調整するかどうか判定することと
を含む、方法。
26.較正パラメータが、エタロンの出力でのレンズの焦点距離を含む、条項25に記載の方法。
27.第1の空間情報に基づいて第1の波長値を決定することと、
第2の空間情報に基づいて第2の波長値を決定することと
をさらに含み、
測定誤差が、第1の波長値と第2の波長値との差を含む、条項26に記載の方法。
28.較正パラメータが複数の初期値を含み、
測定誤差値を決定することが、複数の初期値のそれぞれについて複数の測定誤差値をシミュレーションすることを含み、各測定誤差値が、第1の空間情報、第2の空間情報、及び較正パラメータの複数の初期値のうちの1つに基づき、
測定誤差値を分析することが、シミュレーションされた測定誤差値を分析することを含む、条項25に記載の方法。
【0101】
[0114] 他の実装形態は、特許請求の範囲に記載の範囲内にある。