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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20250110BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20250110BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20250110BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250110BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20250110BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
G09F9/00 337Z
G02F1/13357
G09F9/00 307Z
H10K59/10
G09F9/30 365
G09F9/33
G09F9/35
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021001245
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106344
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-12-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】木島 直人
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111081891(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0277033(US,A1)
【文献】特開2009-020595(JP,A)
【文献】国際公開第2018/207703(WO,A1)
【文献】特表2018-518046(JP,A)
【文献】特開2019-204856(JP,A)
【文献】特開2010-098194(JP,A)
【文献】特開2008-160115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V8/00
G02F1/13357
G09F9/00
H01L33/00-33/64
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と、
400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記画像表示部に画像を形成する第1光源と、
650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源と、を備え、
前記第1光源から出射される第1出射光と、前記第2光源から出射される第2出射光と、が同一対象に向かって照射され、
前記第1光源は前記画像表示部に設けられ、前記第2光源は前記画像表示部の周縁に設けられ、
前記第1出射光の強度と前記第2出射光の強度の比が、100:10~100:80の範囲である画像表示装置。
【請求項2】
画像表示部と、
400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記画像表示部に画像を形成する第1光源と、
650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源と、を備え、
前記第1光源から出射される第1出射光と、前記第2光源から出射される第2出射光と、が同一対象に向かって照射され、
前記第1光源及び前記第2光源は前記画像表示部の周縁に設けられ、
前記第1出射光の強度と前記第2出射光の強度の比が、100:10~100:80の範囲である画像表示装置。
【請求項3】
画像表示部と、
400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記画像表示部に画像を形成する第1光源と、
650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源と、を備え、
前記第1光源から出射される第1出射光と、前記第2光源から出射される第2出射光と、が同一対象に向かって照射され、
前記第2光源は、780nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、
前記第1出射光の強度と前記第2出射光の強度の比が、100:10~100:80の範囲である画像表示装置。
【請求項4】
画像表示部と、
400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記画像表示部に画像を形成する第1光源と、
650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源と、を備え、
前記第1光源から出射される第1出射光と、前記第2光源から出射される第2出射光と、が同一対象に向かって照射され、
前記第1出射光の強度と前記第2出射光の強度の比が、100:10~100:80の範囲であり、
前記第2光源は、発光素子と、前記発光素子の発光面に設けられた波長変換部材と、前記波長変換部材における前記発光素子の発光面と反対側の面に設けられた誘電体多層膜と、を備える画像表示装置。
【請求項5】
前記第1光源は前記画像表示部に設けられ、前記第2光源は前記画像表示部の周縁に設けられる請求項3又は請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記第2光源は、前記画像表示部の周縁に枠状に設けられる請求項1又は請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第1光源及び前記第2光源は前記画像表示部の周縁に設けられる請求項3又は請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記第2光源は、780nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有する、請求項3を引用する場合を除く、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記第2光源の発光ピークの半値全幅が100nm以上である請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第1光源及び前記第2光源がLEDである、請求項4を引用する場合を除く、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記画像表示部が液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ、LEDディスプレイ、プロジェクションディスプレイのいずれかである請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記第1光源から出射される前記第1出射光と、前記第2光源から出射される前記第2出射光と、が前記画像表示部に向けている使用者の眼に向けて照射され、
前記第2出射光の放射照度は、前記使用者の角膜において、1mW/cm以上100mW/cm以下である請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記第1光源から出射される前記第1出射光と、前記第2光源から出射される前記第2出射光と、が前記画像表示部に向けている使用者の眼に向けて照射され、
前記画像表示部から前記使用者の眼までの距離と位置を計測するセンサを更に備え、
前記センサによる計測結果に基づいて、前記第2出射光の出射方向、強度、又は放射照度を調整可能である請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の画像表示装置に関する技術の開発が進められている。例えば特許文献1には、画像表示に使用される表示光を発する第1発光素子と、360nm以上400nm以下の波長範囲内の第1特殊光を使用者に向けて照射する第2発光素子と、前記第2発光素子からの前記第1特殊光の照射を制御する制御装置と、を備える表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/124036号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、色再現範囲を変更することなく、色覚低下を抑制できる画像表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る画像表示装置は、画像表示部と、400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記画像表示部に画像を形成する第1光源と、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、前記発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源と、を備え、前記第1光源から出射される第1出射光と、前記第2光源から出射される第2出射光と、が同一対象に向かって照射される構成とした。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る実施形態によれば、色再現範囲を変更することなく、色覚低下を抑制できる画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る画像表示装置の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図2】実施形態に係る画像表示装置の第1光源から出射される第1出射光と、第2光源から出射される第2出射光の一例を模式的に示す斜視図である。
図3】実施形態に係る画像表示装置から出射される出射光と使用者との位置関係の一例を模式的に示す斜視図である。
図4A】第1変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図4B】第2変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図4C】第3変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図5A】第4変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図5B】第5変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図6A】第6変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図6B】第6変形例に係る画像表示装置における画像表示部の構成と第1光源及び第2光源の位置関係の一例を模式的に示す分解斜視図である。
図7】第7変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図8A】第1光源の他の形態の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図8B】第2光源の他の形態の構成の一例を模式的に示す断面図である。
図9A】実施例1における第1出射光の発光スペクトルを示すグラフである。
図9B】実施例1における第2出射光の発光スペクトルを示すグラフである。
図10A】実施例2における第1出射光の発光スペクトルを示すグラフである。
図10B】実施例2における第2出射光の発光スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための画像表示装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の構成部品の図示を省略することがある。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張又は簡略化していることがある。
【0009】
《実施形態》
【0010】
図1は、実施形態に係る画像表示装置の構成の一例を模式的に示す平面図である。図2は、実施形態に係る画像表示装置の第1光源から出射される第1出射光と、第2光源から出射される第2出射光の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、実施形態に係る画像表示装置から出射される出射光と使用者との位置関係の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態に係る画像表示装置100を図1から図3に基づいて説明する。
本実施形態に係る画像表示装置100は、パーソナルコンピュータのモニターである。
【0011】
画像表示装置100は、画像表示部10と、400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、画像表示部10に画像を形成する第1光源30と、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源40と、を備える。画像表示装置100は、第1光源30から出射される第1出射光31と、第2光源40から出射される第2出射光41と、が同一対象に向かって照射される。
【0012】
画像表示装置100は、画像表示部10と、ベゼル部20と、第1光源30と、第2光源40と、を有している。
以下、画像表示装置100の各構成について説明する。
【0013】
(画像表示部)
画像表示部10は、画像を表示する表示画面11を有する部位である。画像表示部10としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ、LEDディスプレイ、プロジェクションディスプレイ等が挙げられる。
【0014】
(ベゼル部)
ベゼル部20は、画像表示部10の周囲に枠状に形成される部位である。ベゼル部20は、画像表示部10を支持して周縁を取り囲むように枠状に設けられている。ベゼル部20は、一例として、画像表示部10の下側の下部フレームの上下方向の幅を、画像表示部10の上側の上部フレームの上下方向の幅よりも広く形成している。すなわち、ベゼル部20は、下部フレームの面積が上部フレームの面積よりも大きく形成され、図示しない電源ボタンやメニューボタン等の操作ボタンが設けられている。画像表示部10及びベゼル部20は、一般的なパーソナルコンピュータのモニター等に用いられるものとして公知の構成であればよく、特に限定されるものではない。
【0015】
(第1光源)
第1光源30は、画像表示に使用される光を発する光源である。第1光源30としては発光素子を用いることができる。第1光源30に用いる発光素子は、パーソナルコンピュータのモニター等の表示画面11に画像を表示するための発光素子として公知のものであればよく、特に限定されるものではない。一例として、第1光源30に用いる発光素子は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色の三原色の各色のカラーフィルター、液晶、配向膜、及び、電極等の各構成要素を有し、全体として色の三原色を発光する構造からなる素子が挙げられる。また、第1光源30は、発光色が赤色の発光素子、発光色が緑色の発光素子、発光色が青色の発光素子等を組み合わせて用いたものであってもよい。発光素子としては、例えばLED(Light Emitting Diode)やレーザーダイオード等が挙げられるが、省エネルギーや長寿命等の観点から、LEDを用いることが好ましい。
【0016】
画像表示装置100は、第1光源30を用いて、各色の発色を任意に制御して様々な色を表示すること、及び、画像や動画を表示することが可能な構成を有している。また、画像表示装置100は、所定の画素制御によって太陽光に近い擬似的な白色光を作り出すことも可能な構成を有している。具体的には、第1光源30の発光スペクトルは、400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光ピークを有する。すなわち、第1光源30は、このような発光スペクトルを有する第1出射光31を出射する。
【0017】
第1光源30は、画像表示部10に設けられることが好ましい。ここで、第1光源30が画像表示部10に設けられるとは、表示画面11の背面、すなわち、表示画面11と対向する、モニターの内部に設けられることを意味する。図1では、便宜上、上下方向に3個、左右方向に6個の合計18個の第1光源30を図示している。ただし、第1光源30の個数やサイズ等は、特に限定されず、一般的なパーソナルコンピュータのモニター等と同様であればよい。
【0018】
(第2光源)
第2光源40は、深赤色から近赤外の光を発する光源である。具体的には、第2光源40の発光スペクトルは、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光ピークを有する。更に、第2光源40は、前記した発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)が50nm以上のものである。すなわち、第2光源40は、このような発光スペクトルを有する第2出射光41を出射する。第2出射光41は、以下に述べるように色覚低下を抑制する作用がある。色覚とは、可視光線中の光の波長の差を色の差として弁別、識別する機能である。
【0019】
650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、その発光ピークの半値全幅が50nm以上である光(以下、適宜、色覚回復光、或いは、第2出射光という)は、眼の網膜の赤色受光体、緑色受光体、青色受光体のうち、青色受光体の感度を上げる作用がある。色覚回復光には、ミトコンドリアを活性化させる効果があり、これにより、青色受光体が活性化するためである。そのため、色覚回復光は、使用者80の眼に作用し、色覚低下を抑制する。また、色覚回復光は、画像表示の際に、例えば色覚回復光による色ずれや色むら等を発生させ難い。そのため、画像における色再現範囲に及ぼす影響が少ない。したがって、画像表示装置100は、第2光源40を用いることで、色再現範囲へ大きな影響を与えず、色覚低下を抑制できる。更に、色覚回復光は、例えば、紫外線やブルーライトに比べて眼への負担が少なく、眼にやさしい。
【0020】
第2光源40は、780nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有することが好ましい。これにより、色再現範囲へ大きな影響を与えることなく、色覚低下をより抑制できる。また、第2光源40は、発光ピークの半値全幅が100nm以上であることが好ましい。これにより、色再現範囲へ大きな影響を与えることなく、色覚低下をより抑制できる。半値全幅の上限値は特に限定されるものではないが、例えば500nm以下が好ましい。
【0021】
第2光源40としては発光素子を用いることができる。また、第2光源40は、発光色が異なる複数の発光素子を組み合わせて用いてもよい。発光素子としては、例えばLEDやレーザーダイオード等が挙げられるが、省エネルギーや長寿命等の観点から、LEDを用いることが好ましい。
【0022】
第2光源40は、画像表示部10の周縁に設けられることが好ましい。一例として、第2光源40は、画像表示部10の周囲となるベゼル部20の上部フレームに所定間隔を開けて複数の発光素子を整列させて配置されている。このような構成によれば、第2出射光41が画像表示に与える影響をより少なくすることができる。そのため、画像表示の際に、例えば第2出射光41による色ずれや色むら等の発生をより抑制できる。第2光源40は、例えば、ベゼル部20の上部フレームに、等間隔に5個設けられているが、個数は任意でよく、5個に限定されない。
【0023】
画像表示装置100で表示される画像や動画を視聴する場合は、表示画面11の中心のおよそ法線方向に眼がある場合が多いので、第2光源40は、その方向に第2出射光41が照射されるように設けられていることが好ましい。画像表示装置100の表示画面11から眼までの距離は、画像表示装置100がパーソナルコンピュータの場合には、例えば300mm以上700mm以下程度である。なお、画像表示装置100の表示画面11から眼までの距離は、画像表示装置がスマートフォンの場合には、例えば100mm以上500mm以下程度であり、テレビの場合には、例えば800mm以上5000mm以下程度である。画像表示装置100は、その距離を考慮して第2出射光41の出射方向、強度、及び放射照度を設計することが好ましい。
【0024】
第2出射光41の放射照度は、例えば、角膜において、1mW/cm以上100mW/cm以下が好ましい。第2出射光41の放射照度が1mW/cm以上であれば、色覚低下をより抑制できる。一方、100mW/cm以下であれば、第2出射光41による色再現範囲に及ぼす影響がより少なくなる。第2出射光41の放射照度は、画像表示装置100の使用環境に応じて適宜調整すればよい。画像表示装置100の使用環境とは、例えば、使用する場所が、屋外、屋内、家、オフィス、学校等であるか、使用する時間が昼であるか夜であるか、使用する天候が、晴天、曇り、雨であるか等である。
【0025】
画像表示装置100は、第1光源30から出射される第1出射光31と、第2光源40から出射される第2出射光41と、が同一対象に向かって照射される。これにより、画像表示装置100は、色再現範囲を変更することなく、色覚低下を抑制できる。
第1光源30から出射される第1出射光31と、第2光源40から出射される第2出射光41と、が同一対象に向かって照射されるとは、両者の出射光が表示画面11に向けている使用者80の眼に向けて照射されることを意味する。具体的には、例えば、第1出射光31と第2出射光41とが、使用者80の眼に向けて放射状、或いは錐台状に進行方向に向かって広がる場合、第1出射光31の中心軸31aと第2出射光41の中心軸41aとが平行であることが挙げられる。また、第1出射光31の中心軸31aと第2出射光41の中心軸41aとが平行でなくても、第1出射光31と第2出射光41が使用者80の眼に届く際に、第1出射光31と第2出射光41の少なくとも一部が重複していることが挙げられる。
【0026】
なお、第1出射光31と第2出射光41とが同一対象に向かって照射されるとは、第1出射光31と第2出射光41とが同一方向に照射されることを含む。また、第1出射光31と第2出射光41とが同一方向に照射されるとは、例えば、前記したように、第1出射光31と第2出射光41とが、放射状、或いは錐台状に進行方向に向かって広がる場合、第1出射光31の中心軸31aと第2出射光41の中心軸41aとが平行であることが挙げられる。また、例えば、第1光源30の発光面と第2光源40の発光面とが同一方向に向いていることが挙げられる。なお、出射光の中心軸とは、光源が整列されている領域の重心である。
【0027】
画像表示装置100は、第1出射光31の強度と第2出射光41の強度の比が、100:10~100:80の範囲であることが好ましい。すなわち、第1光源30から出射される第1出射光31の強度を100としたときに、第2光源40から出射される第2出射光41の強度が10以上80以下であることが好ましい。第1出射光31の強度と第2出射光41の強度がこのような関係を満たすことで、CIE 1931色空間の色度図におけるCIE色度において、第1出射光31のCIE色度と、第1出射光31及び第2出射光41の混合光のCIE色度との差が小さくなる。そのため、第2光源40から出射される第2出射光41による色再現範囲に及ぼす影響がより少なくなる。なお、第1出射光31の強度及び第2出射光41の強度とは、例えば、それぞれ第1出射光31の発光スペクトル強度及び第2出射光41の発光スペクトル強度である。第1光源30及び第2光源40の発光スペクトルデータは、例えば、浜松ホトニクス社製のマルチチャンネル分光器「C10027-02」を用いて測定したものを用いる。
【0028】
第1出射光31の強度と第2出射光41の強度の比は、色再現範囲に及ぼす影響を少なくする観点からは、より好ましくは、100:65以下、更に好ましくは、100:45以下である。
【0029】
第1出射光31の強度と第2出射光41の強度の比は、画像表示装置100の使用環境に応じて、適宜調整すればよい。例えば、太陽光等に含まれる所定の波長範囲の光を考慮して第2出射光41の強度を適宜調整するようにしてもよい。
第1出射光31の強度と第2出射光41の強度の比は、最適な比を自動で設定されるようにしてもよいし、手動で設定するようにしてもよい。
【0030】
また、画像表示装置100は、センサ50を備えるものであってもよい。これにより表示画面11から眼までの距離と位置を自動計測し、その計測結果に基づいて、第2出射光41の出射方向、強度、放射照度等を自動調整してもよい。センサ50としては、例えば、CMOSセンサ、CCDセンサ、赤外線センサ等の測定装置を用いることができる。センサ50は、ここではベゼル部20の上部フレームに設けられているが、その機能を発揮できる位置であればどの位置に設けられていてもよい。
【0031】
表示画面11から眼までの距離によって、眼に入る第2出射光41の放射照度やドーズ量(光エネルギー量ともいう)が違ってくるので、その距離を測定することにより、所望の値に設定した放射照度を眼に照射できる。また、眼が表示画面11に向いているか否か、瞬きの回数やそれにかかる時間を自動判断や自動測定することも可能である。これにより、眼に到達している第2出射光41の放射照度やドーズ量を正確に計測できる。この結果に基づいて、第2出射光41の強度や放射照度等を自動調整してもよい。また、画像表示装置100は、使用者80に画像、文字列又は音声により使用者80の周囲又は眼の近傍における第2出射光41の強度や放射照度が低い或いは高い旨を報知するようにしてもよい。そして、使用者80が所定の入力操作を行うことで、第2出射光41の強度や放射照度を調整するようにしてもよい。
【0032】
以上説明したように、画像表示装置100は、第2出射光41を出射する第2光源40を備えることで、色覚低下を抑制できる。また、第2出射光41は、画像表示の際に色ずれや色むら等を発生させ難いため、画像における色再現範囲に及ぼす影響が少ない。したがって、画像表示装置100は、色再現範囲へ大きな影響を与えることなく、色覚低下を抑制できる。すなわち、画像表示装置100は、第1光源30による画像表示の際の色再現範囲を変更することなく、色覚低下を抑制できる。また、画像表示装置100は、第1出射光31の強度と第2出射光41の強度の比を所定の範囲とすることで、色再現範囲に及ぼす影響をより少なくできる。
【0033】
以上、画像表示装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれる。
【0034】
《変形例》
以下に説明する変形例の画像表示装置であっても、色再現範囲へ大きな影響を与えることなく、色覚低下を抑制できる。なお、変形例の画像表示装置ではセンサの図示を省略しているが、センサは任意の位置に設けられていてもよく、センサを設けないものであってもよい。
図4Aから図4Cは、それぞれ第1変形例から第3変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図4Aから図4Cは、画像表示装置がパーソナルコンピュータのモニターの場合の一例を示すものである。なお、第1光源の図示は省略している。
【0035】
〈第1変形例〉
画像表示装置100Aは、第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の下部フレームに、等間隔に設けられている。第2光源40の個数は任意でよく、5個に限定されない。パーソナルコンピュータのモニターは、一般的に、ベゼル部20の下部フレームの面積がベゼル部20の上部フレームの面積よりも大きい。そのため、このような構成によれば、画像表示装置100Aは、第2光源40をベゼル部20に設け易くなる。その他の事項については画像表示装置100と同様である。
【0036】
〈第2変形例〉
画像表示装置100Bは、第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の上部フレーム及び下部フレームに、等間隔に設けられている。図4Bでは、5個の第2光源40がベゼル部20の上部フレーム及び下部フレームにそれぞれ設けられているが、個数は任意でよく、5個に限定されない。このような構成によれば、使用者80の顔が表示画面11の上方向を向いた場合でも、下方向を向いた場合でも、画像表示装置100Bは、第2光源40から出射される第2出射光41を、使用者80の眼に向けてより照射し易くなる。その他の事項については画像表示装置100と同様である。
【0037】
〈第3変形例〉
画像表示装置100Cは、第2光源40が、画像表示部10の周縁に枠状に設けられている。画像表示装置100Cは、複数の第2光源40が画像表示部10の周縁に沿って、四角状に連続して設けられている。このような構成によれば、使用者80の顔が表示画面11のどの方向を向いた場合でも、画像表示装置100Cは、第2光源40から出射される第2出射光41を、使用者80の眼に向けてより照射し易くなる。その他の事項については画像表示装置100と同様である。
【0038】
図5A図5Bは、それぞれ第4変形例、第5変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。
図5A図5Bは、画像表示装置がスマートフォンの場合の一例を示すものである。なお、第1光源の図示は省略している。
【0039】
〈第4変形例〉
画像表示装置100Dは、第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の上部フレームの中央に1個設けられている。このように、画像表示装置がスマートフォンの場合であっても、第2光源40を備えることで、色再現範囲を変更することなく、色覚低下を抑制できる。その他の事項については、画像表示装置がスマートフォンであること以外は画像表示装置100と同様である。
【0040】
〈第5変形例〉
画像表示装置100Eは、第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の上部フレームの中央に1個、下部フレームに等間隔に5個、設けられている。第2光源40の個数は任意でよく、5個に限定されない。このような構成によれば、使用者80の顔が表示画面11の上方向を向いた場合でも、下方向を向いた場合でも、画像表示装置100Eは、第2光源40から出射される第2出射光41を、使用者80の眼に向けてより照射し易くなる。その他の事項については、画像表示装置がスマートフォンであること以外は画像表示装置100と同様である。
【0041】
図6Aは、第6変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す平面図である。図6Bは、第6変形例に係る画像表示装置における画像表示部の構成と第1光源及び第2光源の位置関係の一例を模式的に示す分解斜視図である。
図6A図6Bは、画像表示装置がパーソナルコンピュータのモニターであり、モニターが液晶バックライトデバイスの場合の一例を示すものである。
【0042】
〈第6変形例〉
画像表示装置100Fは、第1光源30及び第2光源40が、画像表示部10の内部の導光板13の周縁に設けられている。具体的には、第1光源30及び第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の下部フレームに、左右方向に交互に設けられている。ここでは、画像表示装置100Fは、8個の第1光源30と、9個の第2光源40が設けられているが、個数はこれに限定されない。
なお、第1光源30及び第2光源40はベゼル部20の内部に設けられている。このような構成によれば、画像表示装置100Fは、後述するように、第1光源30と第2光源40が導光板13の周縁に並列して固定されることで、第1光源30及び第2光源40から出射される光を導光板13に導光しやすくなる。また、第1光源30及び第2光源40は、ベゼル部20の上部フレームに設けられていてもよいし、上部フレームと下部フレームの両方に設けられていてもよい。
【0043】
画像表示装置100Fの画像表示部10は、例えば、図6Bに示すように、反射シート12と、導光板13と、下部拡散シート14と、プリズムシート15と、上部拡散シート16と、を有している。そして、これらの部材がこの順に背面カバー17に固定されている。そして、第1光源30及び第2光源40は、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20を設けた際に、ベゼル部20の下部フレームに位置するように、導光板13の周縁に並列して固定されている。画像表示装置100Fは、第1光源30から出射される第1出射光31及び第2光源40から出射される第2出射光41を、反射シート12、導光板13、下部拡散シート14、プリズムシート15、上部拡散シート16を用いて面状の第1出射光31及び第2出射光41に換えて、画像表示部10から出射する。また、上部拡散シート16の上に、偏光板、液晶層、カラーフィルター等をさらに備えていてもよい。
【0044】
図7は、第7変形例に係る画像表示装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図7は、画像表示装置がパーソナルコンピュータのモニターの場合の一例を示すものである。なお、第1光源の図示は省略している。
【0045】
〈第7変形例〉
画像表示装置100Gは、第2光源40が、画像表示部10の周縁を取り囲むベゼル部20の外側に設けられている。具体的には、画像表示装置100Gは、第2光源40が付属部品45としてベゼル部20の右部フレームの上側、すなわちモニターの右上部に、脱着可能な形態として取り付けられている。第2光源40を設ける位置は、適宜、任意の位置に調整すればよい。このような構成によれば、画像表示装置100Gは、第2光源40を使用者80の任意の位置に配置できる。また、第2光源40から出射される第2出射光41の出射方向を調整し易くなる。更に、例えば、必要に応じて、第2光源40を取り外すことができる。
【0046】
その他、例えば第1光源及び第2光源は、他の形態であってもよい。
図8Aは、第1光源の他の形態の構成の一例を模式的に示す断面図である。図8Bは、第2光源の他の形態の構成の一例を模式的に示す断面図である。
【0047】
図8Aに示す、第1光源30Aは、発光素子32と、発光素子32の発光面に設けられた波長変換部材33と、を備えている。すなわち、第1光源30Aは、発光素子32と波長変換部材33とを組み合わせて、400nm以上650nm未満の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有するようにしてもよい。波長変換部材33は波長変換物質として蛍光体を含むものが挙げられる。波長変換部材33に用いる蛍光体としては、例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたテルビウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及びクロムのうちのいずれか1つ又は2つで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウム、ユウロピウムで賦活された窒化物蛍光体等が挙げられる。
【0048】
図8Bに示す、第2光源40Aは、発光素子42と、発光素子42の発光面に設けられた波長変換部材43と、波長変換部材43の上面(発光素子42の発光面と反対側面)に設けられた誘電体多層膜44と、を備えている。すなわち、第2光源40Aは、発光素子42と波長変換部材43と誘電体多層膜44とを用いることで、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、その発光ピークの半値全幅が50nm以上であるものとしてもよい。第2光源40Aは、波長変換部材43及び誘電体多層膜44を備えることで、第2出射光41の発光スペクトルを制御し易くなる。
【0049】
波長変換部材43は波長変換物質として蛍光体を含むものが挙げられる。波長変換部材43に用いる蛍光体としては、例えば、Ga:Cr、LaAlGaGeO14:Cr等が挙げられる。このような蛍光体を用いることで、発光ピークの半値全幅を広くし易くなる。
【0050】
誘電体多層膜44は、分布ブラッグ反射膜(DBR(Distributed Bragg Reflector))の1種である。また、誘電体多層膜44は、低屈折率層と高屈折率層とからなる1組の誘電体を、複数組にわたって積層させた膜であり、所定の波長光を選択的に反射するものである。具体的には屈折率の異なる2種以上の膜を、波長/4n(nは屈折率)の厚みで交互に積層した膜であり、所定の波長の光を高効率に反射できる。低屈折率材料としてはSiOが挙げられ、また、高屈折率材料としてはNb、TiO、ZrO、Ta等が挙げられる。誘電体多層膜は、例えば、SiOからなる層とNbからなる層とを交互に積層したものが挙げられる。
【0051】
その他、第2光源は、誘電体多層膜を用いずに、発光素子の発光面に波長変換部材を備えるものであってもよい。第2光源は、このような構成により、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、その発光ピークの半値全幅が50nm以上であるものとしてもよい。第2光源は、このような構成であっても、第2出射光の発光スペクトルを制御し易くなる。
また、第2光源の個数やサイズ、配置位置等は、画像表示装置の種類や用途、大きさ等に応じて、適宜、調整すればよい。
【実施例
【0052】
以下、実施例について説明する。
図9Aは、実施例1における第1出射光の発光スペクトルを示すグラフである。図9Bは、実施例1における第2出射光の発光スペクトルを示すグラフである。図10Aは、実施例2における第1出射光の発光スペクトルを示すグラフである。図10Bは、実施例2における第2出射光の発光スペクトルを示すグラフである。
【0053】
本実施例では、第1光源から出射される第1出射光の発光スペクトル及び第2光源から出射される第2出射光の発光スペクトルを測定すると共に、シミュレーションにより、CIE 1931色空間の色度図におけるCIE色度を測定した。
【0054】
[実施例1]
図9Aは、表1に示すLED及び蛍光体を使用した場合の第1光源からの第1出射光の発光スペクトルを、図9Bは、表1に示すLED及び蛍光体を使用した場合の第2光源からの第2出射光の発光スペクトルを示す。
なお、第2光源のLEDは、出射面に、SiOからなる層とNbからなる層を多数重ねることにより390nm以上560nm以下の波長範囲内での反射率が100%となるDBR膜を備えることを想定している。
また、表1に示すLED及び蛍光体を使用した場合について、第1出射光及び第2出射光のCIE色度を測定した。この結果を表2に示す。
表2において、第2出射光を出射していないNo.11に対してCIE色度x及びCIE色度yの値のずれが0.01未満のものを、第2出射光による色再現範囲の影響がより少ないものとした。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
表2に示すように、No.3からNo.10は、No.11と比較して、CIE色度x及びCIE色度yの値のずれが0.01未満であった。一方、No.1、No.2は、No.11と比較して、CIE色度xの値のずれが0.01以上であった。
【0058】
[実施例2]
図10Aは、表3に示すLED及び蛍光体を使用した場合の第1光源からの第1出射光の発光スペクトルを、図10Bは、表3に示すLED及び蛍光体を使用した場合の第2光源からの第2出射光の発光スペクトルを示す。
また、表3に示すLED及び蛍光体を使用した場合について、第1出射光及び第2出射光のCIE色度を測定した。この結果を表4に示す。なお、表4において「-」はCIE色度の測定を行っていないことを示す。
表4において、第2出射光を出射していないNo.22に対してCIE色度x及びCIE色度yの値のずれが0.01未満のものを、第2出射光による色再現範囲の影響がより少ないものとした。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
表4に示すように、No.12、No.20は、No.11と比較して、CIE色度x及びCIE色度yの値のずれが0.01以上であった。また、No.21は、No.22と比較して、CIE色度yの値のずれが0.01以上であった。なお、第1出射光の強度を100としたときに第2出射光の強度が20又は100であるときにCIE色度xの値のずれが0.01以上であったため、第1出射光の強度を100としたときに第2出射光の強度が30~90のサンプルについてもCIE色度xの値のずれが0.01以上になるものと判断した。そのため、No.13からNo.19については、CIE色度の測定を行わなかった。
【0062】
以上の結果より、650nm以上1000nm以下の波長範囲に少なくとも一つの発光スペクトルの発光ピークを有し、その発光ピークの半値全幅が50nm以上である第2光源において、第1出射光の強度を100としたときに、第2出射光の強度が10以上80以下である場合に、第2出射光による色再現範囲の影響がより少なく、好ましいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示の実施形態に係る画像表示装置は、パーソナルコンピュータのモニター、スマートフォン、テレビ、ゲーム機、その他の画像表示装置(例えば各種用途に使用されるディスプレイやモニター等)に利用できる。
【符号の説明】
【0064】
10 画像表示部
11 表示画面
12 反射シート
13 導光板
14 下部拡散シート
15 プリズムシート
16 上部拡散シート
17 背面カバー
20 ベゼル部
30、30A 第1光源
31 第1出射光
31a 第1出射光の中心軸
32 発光素子
33 波長変換部材
40、40A 第2光源
41 第2出射光
41a 第2出射光の中心軸
42 発光素子
43 波長変換部材
44 誘電体多層膜
45 付属部品
50 センサ
80 使用者
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G 画像表示装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B