(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】研削装置およびウェーハの研削方法
(51)【国際特許分類】
B24B 7/00 20060101AFI20250110BHJP
B24B 7/04 20060101ALI20250110BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20250110BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
B24B7/00 A
B24B7/04 A
B24B41/06 A
B24B41/06 L
H01L21/304 631
(21)【出願番号】P 2021020558
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 真人
(72)【発明者】
【氏名】山端 一郎
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155525(JP,A)
【文献】特開2000-288881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0068933(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112008595(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B5/00-7/30
B24B41/00-51/00
H01L21/304;21/463
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心を軸に回転可能に配設されたターンテーブルと、
該ターンテーブルに少なくとも4つ配置され、保持面によってウェーハを保持するチャックテーブルと、
少なくとも3つ配置され、該保持面に保持されたウェーハの半径エリアに環状の研削砥石の下面を接触させることによって、該ウェーハを研削する研削機構と、
該研削機構を該保持面に垂直な研削送り方向に研削送りする研削送り機構と、を備え、
該ターンテーブルを回転させることによって各々の該研削砥石に1つの該チャックテーブルを位置づけ、該保持面に保持されたウェーハをインフィード研削する研削装置であって、
少なくとも3つの該研削機構は、
環状の第1研削砥石の下面
をウェーハの第1研削領域に接触させてウェーハを研削する第1研削機構と、
環状の第2研削砥石の下面
をウェーハの第2研削領域に接触させてウェーハを研削する第2研削機構と、
環状の第3研削砥石の下面
をウェーハの第3研削領域に接触させてウェーハを研削する第3研削機構と、を含み、
該ターンテーブルの回転によって、該第1研削機構の該第1研削砥石、該第2研削機構の該第2研削砥石および該第3研削機構の該第3研削砥石の各々に対して該チャックテーブルを位置付けたときに、該ターンテーブルの回転中心と、該チャックテーブルの回転中心と、該第1研削砥石、該第2研削砥石および該第3研削砥石の各々の回転中心とが同一直線上に配置され、
該第2研削機構の該第2研削砥石にウェーハを保持している該チャックテーブルが位置付けられたときに、該ウェーハの該第1研削領域と該第2研削領域とが、該ターンテーブルの回転中心と該チャックテーブルの回転中心と該第2研削砥石の回転中心とを結ぶ直線に関して線対称となり、該第1研削砥石による研削によって発生したウェーハの第1研削痕に対し、該第2研削砥石による研削によって発生するウェーハの第2研削痕が交差
し、
さらに、
該第3研削機構の該第3研削砥石にウェーハを保持している該チャックテーブルが位置付けられたときに、該ウェーハの該第2研削領域と該第3研削領域とが、該ターンテーブルの回転中心と該チャックテーブルの回転中心と該第3研削砥石の回転中心とを結ぶ直線に関して線対称となり、該第2研削砥石による研削によって発生したウェーハの第2研削痕に対し、該第3研削砥石による研削によって発生する該ウェーハの第3研削痕が交差する、
研削装置。
【請求項2】
請求項1記載の研削装置によってウェーハを研削するウェーハの研削方法であって、
該チャックテーブルに保持されたウェーハの該第1研削領域に該第1研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削する第1研削工程と、
該第1研削工程の後、該ウェーハの該第2研削領域に該第2研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削することにより、該第1研削工程にて該ウェーハに発生した該第1研削痕に、該第2研削砥石による研削によって発生する該第2研削痕を交差させる第2研削工程と、
該第2研削工程の後、該ウェーハの該第3研削領域に該第3研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削することにより、該第2研削工程にて該ウェーハに発生した該第2研削痕に、該第3研削砥石による研削によって発生する該第3研削痕を交差させる第3研削工程と、
を含む、ウェーハの研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削装置およびウェーハの研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チャックテーブルの保持面に保持されたウェーハを研削砥石で研削する研削装置は、たとえば、特許文献1に開示されている。この文献の研削装置は、第1研削機構と第2研削機構とを備えている。この装置では、第1研削機構に装着された第1研削砥石による研削によって発生した研削痕と、第2研削機構に装着された第2研削砥石による研削によって発生した研削痕とを、互いに交差させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の研削装置において、先にウェーハを研削する研削機構によってウェーハに形成された研削痕と、後にウェーハを研削する研削機構とによってウェーハに形成された研削痕とを、互いに交差させることは困難である。
【0005】
したがって、本発明の目的は、研削装置に備えられた3つ以上の研削機構の研削痕を、互いに交差させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の研削装置(本研削装置)は、中心を軸に回転可能に配設されたターンテーブルと、該ターンテーブルに少なくとも4つ配置され、保持面によってウェーハを保持するチャックテーブルと、少なくとも3つ配置され、該保持面に保持されたウェーハの半径エリアに環状の研削砥石の下面を接触させることによって、該ウェーハを研削する研削機構と、該研削機構を該保持面に垂直な研削送り方向に研削送りする研削送り機構と、を備え、該ターンテーブルを回転させることによって各々の該研削砥石に1つの該チャックテーブルを位置づけ、該保持面に保持されたウェーハをインフィード研削する研削装置であって、少なくとも3つの該研削機構は、環状の第1研削砥石の下面をウェーハの第1研削領域に接触させてウェーハを研削する第1研削機構と、環状の第2研削砥石の下面をウェーハの第2研削領域に接触させてウェーハを研削する第2研削機構と、環状の第3研削砥石の下面をウェーハの第3研削領域に接触させてウェーハを研削する第3研削機構と、を含み、該ターンテーブルの回転によって、該第1研削機構の該第1研削砥石、該第2研削機構の該第2研削砥石および該第3研削機構の該第3研削砥石の各々に対して該チャックテーブルを位置付けたときに、該ターンテーブルの回転中心と、該チャックテーブルの回転中心と、該第1研削砥石、該第2研削砥石および該第3研削砥石の各々の回転中心とが同一直線上に配置され、該第2研削機構の該第2研削砥石にウェーハを保持している該チャックテーブルが位置付けられたときに、該ウェーハの該第1研削領域と該第2研削領域とが、該ターンテーブルの回転中心と該チャックテーブルの回転中心と該第2研削砥石の回転中心とを結ぶ直線に関して線対称となり、該第1研削砥石による研削によって発生したウェーハの第1研削痕に対し、該第2研削砥石による研削によって発生するウェーハの第2研削痕が交差し、さらに、該第3研削機構の該第3研削砥石にウェーハを保持している該チャックテーブルが位置付けられたときに、該ウェーハの該第2研削領域と該第3研削領域とが、該ターンテーブルの回転中心と該チャックテーブルの回転中心と該第3研削砥石の回転中心とを結ぶ直線に関して線対称となり、該第2研削砥石による研削によって発生したウェーハの第2研削痕に対し、該第3研削砥石による研削によって発生する該ウェーハの第3研削痕が交差する。
本発明のウェーハの研削方法は、本研削装置によってウェーハを研削するウェーハの研削方法であって、該チャックテーブルに保持されたウェーハの該第1研削領域に該第1研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削する第1研削工程と、該第1研削工程の後、該ウェーハの該第2研削領域に該第2研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削することにより、該第1研削工程にて該ウェーハに発生した該第1研削痕に、該第2研削砥石による研削によって発生する該第2研削痕を交差させる第2研削工程と、該第2研削工程の後、該ウェーハの該第3研削領域に該第3研削砥石の下面を接触させて該ウェーハを研削することにより、該第2研削工程にて該ウェーハに発生した該第2研削痕に、該第3研削砥石による研削によって発生する該第3研削痕を交差させる第3研削工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本研削装置では、ウェーハの第1研削痕に対してウェーハの第2研削痕が交差するとともに、ウェーハの第2研削痕に対してウェーハの第3研削痕が交差するように、チャックテーブルに対し、第1研削機構、第2研削機構および第3研削機構が配置されている。これにより、第2研削砥石によって、第1研削痕が削り取られるように、ウェーハが研削される。さらに、第3研削砥石によって、第2研削痕が削り取られるように、ウェーハが研削される。したがって、厚さのバラツキが小さいとともに、高い抗折強度を有する高品質なウェーハを得ることができる。
【0008】
また、第2研削砥石および第3研削砥石には、研削時に適度な衝撃力が働き、自生発刃作用が生じて研削力が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】ターンテーブル、チャックテーブル、研削機構および研削送り機構の構成を示す斜視図である。
【
図3】研削砥石によって形成される研削領域を示す説明図である。
【
図4】ターンテーブルに5つのチャックテーブルが配置されるとともに、4つの研削機構が設けられた研削装置の構成を示す斜視図である。
【
図5】ターンテーブルに5つのチャックテーブルが配置されるとともに、4つの研削機構が設けられた研削装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示す研削装置1は、第1の装置ベース201と、第1の装置ベース201の-Y方向側に配置された第2の装置ベース202とを有している。第1の装置ベース201上では、ウェーハ5の搬入出等が行われる。第2の装置ベース202上では、ウェーハ5が加工される。
【0011】
すなわち、研削装置1は、制御ユニット7を備えるとともに、第2の装置ベース202に、第1研削機構10、第2研削機構20、および第3研削機構30を備えている。制御ユニット7による制御によって、チャックテーブル50に保持されたウェーハ5が、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30により研削される。
【0012】
研削装置1では、第1の装置ベース201の正面側(+Y方向側)に、第1カセット150および第2カセット151が配置されている。これらカセット150および151には、加工前あるいは加工後のウェーハ5が収容される。以下では、第1カセット150に加工前のウェーハ5が収容される一方、第2カセット151に加工後のウェーハ5が収容されるとする。
【0013】
カセット150および151の開口(図示せず)は、-Y方向側を向いている。これらの開口の-Y方向側には、ロボット153が配設されている。ロボット153は、加工後のウェーハ5を第2カセット151に搬入する。また、ロボット153は、第1カセット150から加工前のウェーハ5を取り出して、ウェーハ5を仮置きするためのテーブルである仮置きテーブル156に載置する。
【0014】
第2の装置ベース202の-X方向側には、搬入機構154が設置されている。搬入機構154は、ウェーハ5を保持する搬入パッド155を備えている。搬入機構154は、この搬入パッド155によって、仮置きテーブル156に載置されているウェーハ5を保持し、チャックテーブル50に搬送する。
【0015】
チャックテーブル50は、ウェーハ5を保持する保持面52を備えている。保持面52は、中心を頂点とする円錐状の面であり、図示しない吸引源に連通されて、ウェーハ5を吸引保持することが可能である。
チャックテーブル50は、搬入機構154によって搬送されてきたウェーハ5を、保持面52によって保持する。そして、チャックテーブル50は、保持面52の中心を通りZ軸方向に延在する回転軸を中心として回転することにより、ウェーハ5を保持している保持面52を回転させることが可能である。
【0016】
本実施形態では、第2の装置ベース202上に配設されたターンテーブル60の上面に、4つのチャックテーブル50が、周方向に等間隔に配設されている。ターンテーブル60は、第2の装置ベース202に、その中心を軸に回転可能に配設されている。すなわち、ターンテーブル60は、その中心に位置するZ軸方向に延びる軸心を回転軸として、図示しないターンテーブルモータの駆動力により、自転することができる。ターンテーブル60が自転することで、4つのチャックテーブル50が公転される。これにより、チャックテーブル50を、搬入機構154及び搬出機構157の近傍の搬入出エリア400、第1研削機構10の下方である第1研削エリア401、第2研削機構20の下方である第2研削エリア402、および、第3研削機構30の下方である第3研削エリア403に、順次、位置づけることができる。
【0017】
搬入出エリア400は、搬入機構154によるウェーハ5の搬入および搬出機構157によるウェーハ5の搬出を実施することの可能な、チャックテーブル50のエリア(位置)である。搬入機構154は、ウェーハ5を、搬入出エリア400のチャックテーブル50に搬送する。
第1~第3研削エリアは、それぞれ、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30によってウェーハ5を研削することが可能となるような、チャックテーブル50を位置づけるエリアである。
【0018】
第1研削エリア401は、第2の装置ベース202の+Y方向側に設けられている。第1研削エリア401には、第1研削機構10、および、第1研削機構10を研削送り方向に研削送りする第1研削送り機構70が設置されている。研削送り方向は、チャックテーブル50の保持面52に垂直な方向である。
【0019】
第1研削機構10は、環状の第1研削砥石11の下面によって、ウェーハ5を研削する。すなわち、第1研削機構10は、円錐状である保持面52に保持されたウェーハ5の半径エリアに第1研削砥石11の下面を接触させることによって、ウェーハ5を研削する。
また、第1研削機構10の近傍には、研削されているウェーハ5の厚みを計測する厚みセンサ240が設けられている。
【0020】
また、第2の装置ベース202の-Y方向側には、第2研削エリア402および第3研削エリア403が設けられている。第2研削エリア402には、第2研削機構20、および、第2研削機構20を研削送り方向に研削送りする第2研削送り機構80が設置されている。また、第3研削エリア403には、第3研削機構30、および、第3研削機構30を研削送り方向に研削送りする第3研削送り機構90が設置されている。
【0021】
第2研削機構20は、環状の第2研削砥石21の下面によってウェーハ5を研削する。また、第3研削機構30は、環状の第3研削砥石31の下面によってウェーハ5を研削する。
すなわち、第2研削機構20(第3研削機構30)は、保持面52に保持されたウェーハ5の半径エリアに第2研削砥石21(第3研削砥石31)の下面を接触させることによって、ウェーハ5を研削する。
【0022】
また、第2研削機構20および第3研削機構30の近傍には、研削されているウェーハ5の厚みを計測する厚みセンサ240がそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、搬入出エリア400に、水とエアとの混合水である二流体洗浄水によって保持面52洗浄するための二流体洗浄装置、および、保持面52を砥石によって洗浄するための保持面砥石洗浄装置が設けられている(ともに図示せず)。
【0023】
本実施形態では、ターンテーブル60を回転させることによって、第1研削砥石11、第2研削砥石21および第3研削砥石31に、1つのチャックテーブル50を順次に位置づけ、その保持面52に保持されたウェーハ5を、これらの研削砥石によってインフィード研削する。
【0024】
なお、本実施形態では、たとえば、第1研削砥石11は、比較的に大きな砥粒を含む粗研削用の砥石であり、第2研削砥石21は、中程度の大きさの砥粒を含む砥石であり、第3研削砥石31は、比較的に小さな砥粒を含む仕上げ研削用の砥石である。
【0025】
研削後のウェーハ5は、搬出機構157によって、搬入出エリア400のチャックテーブル50から搬出され、ターンテーブル60に隣接配置されたスピン洗浄ユニット265に搬送される。
【0026】
スピン洗浄ユニット265では、ウェーハ5に純水を供給し、ウェーハ5を、その中心を軸に回転させる。これにより、ウェーハ5が洗浄される。その後、ウェーハ5を洗浄時よりも高速で回転させることによって、ウェーハ5を乾燥させる。
なお、純水で洗浄する前に、薬液を供給してウェーハ5を洗浄し、その後、純水で薬液を除去してもよい。
【0027】
スピン洗浄ユニット265よってスピン洗浄されたウェーハ5は、ロボット153により、第2カセット151に搬入される。
【0028】
ここで、ターンテーブル60、チャックテーブル50、研削機構および研削送り機構の近傍の構成について、より詳細に説明する。
【0029】
ターンテーブル60は、支持パッド310(
図3参照)を介して、テーブル基台300上に設置されている。
図1に示すように、テーブル基台300は、ターンテーブル60の基台であり、研削装置1の第2の装置ベース202の略中央に設置されている。そして、テーブル基台300には、テーブル基台300から立設する円柱状の支持柱320が固定されている。
【0030】
ターンテーブル60は、中央に開口を有する環状板形状を有しており、この開口を、テーブル基台300に固定された支持柱320が貫通している。このような構成により、ターンテーブル60は、支持柱320の外周方向に回転することが可能となっている。
【0031】
チャックテーブル50は、詳細には、ターンテーブル60上に設けられている。また、ターンテーブル60は、ウォータケース61の中央に、回転可能に配置されている。ウォータケース61は、矩形の底面65、および、底面65の側部に立設された外壁63を備えている。また、底面65は、中央に、ターンテーブル60を回転可能とする開口(図示せず)を有している。また、ウォータケース61は、ターンテーブル60の上に、開口を覆うような面積の円盤状のカバー62を備えている。また、ウォータケース61は、カバー62の上面に、カバー62の上面を4つに区切る内壁64を備えている。内壁64によって区切られた各領域に、4つのチャックテーブル50がそれぞれ配置されている。また、ウォータケース61の中央には、ターンテーブル60およびカバー62を貫通する支持柱320がテーブル基台300に配置されている。なお、
図1以外の図面では、他の構成を明示するために、ウォータケース61を省略し、チャックテーブル50を、ターンテーブル60上に直接に配置されているように描画している。
【0032】
ここで、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30、ならびに、第1研削送り機構70、第2研削送り機構80および第3研削送り機構90の構成について説明する。
【0033】
第2の装置ベース202上の構成を示す斜視図である
図2に示すように、第2の装置ベース202の前方(+Y方向側)には、第1研削機構10、および、第1研削機構10を研削送りする第1研削送り機構70が設けられている。
【0034】
また、
図2に示すように、第2の装置ベース202上の後方には、第2研削機構20、および、第2研削機構20を研削送りする第2研削送り機構80、ならびに、第3研削機構30、および、第3研削機構30を研削送りする第3研削送り機構90が設けられている。
なお、
図2では、ターンテーブル60、チャックテーブル50、研削機構10,20および30ならびに研削送り機構70,80および90の構成を明示するために、他の構成を省略している。
【0035】
第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30は、スピンドルユニット41を含んでいる。また、上述した第1研削送り機構70、第2研削送り機構80および第3研削送り機構90は、それぞれ、スピンドルユニット41を含む第1研削機構10、第2研削機構20、および第3研削機構30を、研削送り方向に研削送りするように構成されている。
【0036】
ここで、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30は、それぞれ第1研削砥石11、第2研削砥石21および第3研削砥石31を備えていることを除いて、互いに同様の構成を有している。そこで、以下では、これらの構成の説明に関し、第1研削機構10の構成について説明する。
また、第1研削送り機構70、第2研削送り機構80および第3研削送り機構90も、互いに同様の構成を有している。そこで、以下では、これらの構成の説明に関し、第1研削機構10を研削送りする第1研削送り機構70の構成について説明する。
【0037】
第1研削送り機構70は、角柱形状のコラム101を有している。コラム101は、第2の装置ベース202におけるターンテーブル60の外側に設置されている。
そして、第1研削送り機構70は、コラム101の一方の面に、研削送り方向であるZ軸方向に延びる一対のガイドレール104、このガイドレール104上をスライドする昇降テーブル116、ガイドレール104と平行なボールネジ115、ボールネジ115を回転駆動するZ軸モータ114、および、昇降テーブル116の前面(表面)に取り付けられたホルダ110を備えている。ホルダ110は、第1研削機構10を保持している。
【0038】
ガイドレール104は、第1研削機構10の研削送り方向の移動をガイドする。昇降テーブル116は、ガイドレール104にスライド可能に設置されている。図示しないナット部が、昇降テーブル116の後面側(裏面側)に固定されている。このナット部には、ボールネジ115が螺合されている。Z軸モータ114は、ボールネジ115の一端部に連結されている。
【0039】
第1研削送り機構70では、Z軸モータ114がボールネジ115を回転させることにより、昇降テーブル116が、ガイドレール104に沿って、Z軸方向に移動する。これにより、昇降テーブル116に取り付けられたホルダ110、および、ホルダ110に保持された第1研削機構10も、昇降テーブル116とともにZ軸方向に移動する。このようにして、第1研削送り機構70は、第1研削機構10をZ軸方向に沿って研削送りする。そして、ボールネジ115が、第1研削機構10を研削送り方向に移動させる進退軸として機能する。
【0040】
第1研削機構10は、ホルダ110に固定されたスピンドルハウジング40、スピンドルハウジング40に回転可能に保持されたスピンドル42、スピンドル42を回転駆動するスピンドルモータ44、スピンドル42の下端に取り付けられたホイールマウント45、および、ホイールマウント45の下面に着脱可能に接続された研削ホイール43を備えている。
スピンドルハウジング40、スピンドル42およびスピンドルモータ44は、第1研削機構10のスピンドルユニット41を構成している。
【0041】
スピンドルハウジング40は、Z軸方向に延びるようにホルダ110に保持されている。スピンドル42は、チャックテーブル50の保持面52と略直交するようにZ軸方向に延び、スピンドルハウジング40に回転可能に支持されている。
【0042】
スピンドルモータ44は、スピンドル42の上端側に連結されている。このスピンドルモータ44により、スピンドル42は、第1研削砥石11の中心を通りZ軸方向に沿って延びる回転軸を中心として回転可能となっている。
【0043】
スピンドル42は、ホルダ110の底板に設けられた開口を貫通しており、開口の下方に、ホイールマウント45が配置されている。ホイールマウント45は、円板状に形成されており、スピンドル42の下端(先端)に固定されて、スピンドル42の回転に応じて回転する。ホイールマウント45は、研削ホイール43を支持している。
【0044】
研削ホイール43は、外径がホイールマウント45の外径と略同径を有するように形成されている。研削ホイール43は、アルミニウム合金等の金属材料から形成された円環状のホイール基台(環状基台)46を含む。ホイール基台46の下面には、全周にわたって、略直方体形状の複数の第1研削砥石11が、環状に配置および固定されている。
このように、第1研削機構10では、スピンドル42の先端に配置されている第1研削砥石11が、スピンドル42の回転により回転され、チャックテーブル50に保持されたウェーハ5を研削する。
【0045】
また、第1研削送り機構70は、図示しないカウンタバランスを備えていてもよい。カウンタバランスは、コラム101とホルダ110とに、上方から橋架されるように設けられる。カウンタバランスは、第1研削機構10を含むホルダ110の重量に応じた力で、ホルダ110を持ち上げるように構成される。カウンタバランスにより、第1研削送り機構70にかかる第1研削機構10を含むホルダ110の重量による負荷をなくしている。なお、カウンタバランスが発する力は、上記の重量よりわずかに大きい。
【0046】
次に、ターンテーブル60のテーブル基台300、および、支持パッド310について説明する。
図3に示すように、テーブル基台300は、円筒形状の側壁303を有しており、この側壁303は、ターンテーブル60の外径と略同径の円形の外側面301、および、外側面301よりも小さい径の円形の内側面302を備えている。そして、テーブル基台300の上面(側壁303の上面)には、複数の支持パッド310が配されている。また、支持柱320は、テーブル基台300の底面(図示せず)に固定され立設されている。
【0047】
支持パッド310は、
図3に示すように、上矢視でほぼ正三角形となる位置で、テーブル基台300上に、ターンテーブル60の下面に接するように設置されている。
【0048】
支持パッド310は、図示しないエア源に接続されている。そして、ターンテーブル60が自転する際には、支持パッド310は、エア源からのエアをターンテーブル60の下面に噴射して、テーブル基台300からターンテーブル60を浮上させることができる。このようにして、支持パッド310は、ターンテーブル60を、回転可能に非接触で支持している。
【0049】
すなわち、本実施形態では、制御ユニット7は、ターンテーブル60を自転させる際には、支持パッド310から噴射されたエアによって、テーブル基台300からターンテーブル60を浮上させるとともに、ターンテーブルモータによって、ターンテーブル60を回転させる。なお、ターンテーブルの側面とターンテーブルモータの先端に配置したプーリとは無端ベルトで連結されている。そして、制御ユニット7は、第1研削エリア401における第1研削機構10の第1研削砥石11、第2研削エリア402における第2研削機構20の第2研削砥石21、あるいは、第3研削エリア403における第3研削機構30の第3研削砥石31に対応した位置に、ウェーハ5を保持しているチャックテーブル50を位置づける。
【0050】
その後、制御ユニット7は、支持パッド310からのエアの噴出を停止することによって、支持パッド310に、ターンテーブル60の下面を接触させて支持させる。
【0051】
また、
図3には、チャックテーブル50に保持されているウェーハ5の上面における、第1研削砥石11、第2研削砥石21および第3研削砥石31の下面が接触する領域である、第1研削領域431、第2研削領域432および第3研削領域433を示している。
これら研削領域431~433は、矢印505の方向にチャックテーブル50が回転するとともに、矢印501の方向に第1研削砥石11、第2研削砥石21および第3研削砥石31が回転することによって、外周から中心に向かって、ウェーハ5の上面に形成される。研削領域431~433は、比較的に細い環状扇形の形状を有している。
【0052】
以下に、制御ユニット7の制御による研削装置1における研削動作について説明する。
【0053】
[保持工程]
まず、制御ユニット7は、
図1に示したロボット153および搬入機構154を用いて、加工前のウェーハ5を、第1カセット150から取り出し、仮置きテーブル156を経由して、搬入出エリア400に位置しているチャックテーブル50の保持面52に保持させる。
【0054】
[第1研削工程]
次に、制御ユニット7は、第1研削機構10に対してウェーハ5を保持しているチャックテーブル50の配置を制御する。
すなわち、まず、制御ユニット7は、ターンテーブル60を回転させることにより、ウェーハ5を保持しているチャックテーブル50を、第1研削エリア401における第1研削機構10の下方に配置する。
【0055】
この第1研削エリア401では、第1研削送り機構70のホルダ110が、第1研削機構10のスピンドルユニット41を保持している(
図2参照)。
【0056】
また、スピンドルユニット41の先端の第1研削砥石11の下面が、チャックテーブル50の円錐状の保持面52の半径部分と平行になっている。これにより、保持面52に保持されているウェーハ5に、第1研削砥石11によって、
図3に示すような、外周から中心に向かう円弧状の第1研削領域431が形成される状態となる。
【0057】
この状態で、制御ユニット7は、第1研削機構10および第1研削送り機構70を制御して、ウェーハ5を研削加工する。これにより、ウェーハ5には、第1研削領域431の形状に応じた形状を有する第1研削痕451が形成される。なお、第1研削痕451は、実際には、ウェーハ5の研削面の全体に形成されるが、
図3では、第1研削領域431と重複するもののみを示している。これは、後述の第2研削痕452および第3研削痕453についても同様である。
【0058】
[第2研削工程]
第1研削工程の完了後、制御ユニット7は、第2研削機構20に対してウェーハ5を保持しているチャックテーブル50の配置を制御する。
すなわち、まず、制御ユニット7は、ターンテーブル60を回転させることにより、ウェーハ5を保持しているチャックテーブル50を、第2研削エリア402における第2研削機構20の下方に配置する。
【0059】
この第2研削エリア402では、第2研削送り機構80のホルダ110が、第2研削機構20のスピンドルユニット41を保持している(
図2参照)。
【0060】
また、スピンドルユニット41の先端の第2研削砥石21の下面が、チャックテーブル50の円錐状の保持面52の半径部分と平行となっている。これにより、保持面52に保持されているウェーハ5に、第2研削砥石21によって、
図3に示すような、外周から中心に向かう円弧状の第2研削領域432が形成される状態となる。この第2研削領域432は、第1研削領域431と交差するように、第2研削機構20に対してチャックテーブル50が配置される。
【0061】
この状態で、制御ユニット7は、第2研削機構20および第2研削送り機構80を制御して、ウェーハ5を研削加工する。これにより、ウェーハ5には、第2研削領域432の形状に応じた形状を有する第2研削痕452が形成される。
【0062】
このように、第1研削工程および第2研削工程では、第1研削砥石11による研削によって発生したウェーハ5の第1研削痕451に対し、第2研削砥石21による研削によって発生するウェーハ5の第2研削痕452が交差するよう、チャックテーブル50を、第1研削機構10および第2研削機構20に対して配置される。
【0063】
[第3研削工程]
第2研削工程の完了後、制御ユニット7は、第3研削機構30に対してウェーハ5を保持しているチャックテーブル50の配置を制御する。
すなわち、制御ユニット7は、ターンテーブル60を回転させることにより、ウェーハ5を保持しているチャックテーブル50を、第3研削エリア403における第3研削機構30の下方に配置する。
【0064】
この第3研削エリア403では、第3研削送り機構90のホルダ110が、第3研削機構30のスピンドルユニット41を保持している(
図2参照)。
【0065】
また、スピンドルユニット41の先端の第3研削砥石31の下面が、チャックテーブル50の円錐状の保持面52の半径部分と平行となっている。これにより、保持面52に保持されているウェーハ5に、第3研削砥石31によって、
図3に示すような、外周から中心に向かう円弧状の第3研削領域433が形成される状態となる。この第3研削領域433は、第2研削領域432と交差するように、第3研削機構30に対してチャックテーブル50が配置される。
【0066】
この状態で、制御ユニット7は、第3研削機構30および第3研削送り機構90を制御して、ウェーハ5を研削加工する。これにより、ウェーハ5には、第3研削領域433の形状に応じた形状を有する第3研削痕453が形成される。
【0067】
このように、第3研削工程では、第2研削砥石21による研削によって発生したウェーハ5の第2研削痕452に対し、第3研削砥石31による研削によって発生するウェーハ5の第3研削痕453が交差するよう、第3研削機構30に対してチャックテーブル50が配置される。
【0068】
[洗浄・回収工程]
第3研削工程の完了後、制御ユニット7は、ターンテーブル60を回転させることにより、ウェーハ5を保持しているチャックテーブル50を、搬入出エリア400に配置する。制御ユニット7は、
図1に示す搬出機構157を制御して、ウェーハ5を、スピン洗浄ユニット265に搬送して、スピン洗浄する。その後、制御ユニット7は、ロボット153を制御して、スピン洗浄されたウェーハ5を、第2カセット151に搬入する。
【0069】
以上のように、本実施形態では、第2研削工程において、ウェーハ5の第1研削痕451に対し、第2研削砥石21による研削によって発生するウェーハ5の第2研削痕452が交差するよう、チャックテーブル50に対して、第2研削機構20が配置される。さらに、第3研削工程では、ウェーハ5の第2研削痕452に対し、第3研削砥石31による研削によって発生するウェーハ5の第3研削痕453が交差するよう、チャックテーブル50に対して、第3研削機構30が配置される。
【0070】
これにより、第2研削工程において、第1研削痕451が削り取られるように、ウェーハ5が研削されるとともに、第3研削工程において、第2研削痕452が削り取られるように、ウェーハ5が研削される。したがって、厚さのバラツキが小さいとともに、高い抗折強度を有する高品質なウェーハ5を得ることができる。
【0071】
また、第1研削痕451に交差する第2研削痕452を形成する第2研削砥石21および第2研削痕452に交差する第3研削痕453を形成する第3研削砥石31には、研削痕が交差して研削している時に適度な衝撃力が働き、自生発刃作用が生じて研削力が維持される。したがって、第2研削砥石21および第3研削砥石31の研削力を向上させることができる。
【0072】
また、本実施形態における第1研削送り機構70、第2研削送り機構80および第3研削送り機構90には、それぞれ、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30のスピンドルユニット41が配置されている。
【0073】
なお、本実施形態では、研削装置1は、ウェーハ5を収容するためのカセットとして、2つのカセット150および151を有している。これに関し、研削装置1の有するカセットの数は、2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0074】
また、保持面52によってウェーハ5を保持するチャックテーブル50は、ターンテーブル60に、少なくとも4つ、配置されていればよい。また、研削機構は、少なくとも3つ、配置されていればよい。
【0075】
たとえば、ターンテーブル60に5つのチャックテーブル50が配置されるとともに、4つの研削機構が設けられてもよい。すなわち、
図4に示すように、第1研削機構10、第2研削機構20および第3研削機構30が、第1研削送り機構70、第2研削送り機構80および第3研削送り機構90とともに設けられるとともに、新たに、第4研削機構35が、これを研削送りする第4研削送り機構95とともに設けられていてもよい。
【0076】
5つのチャックテーブル50は、ターンテーブル60上に、周方向において等間隔に配置されている。そして、第1研削機構10、第2研削機構20、第3研削機構30および第4研削機構35は、4つのチャックテーブル50の上方に配されるように設けられている。
【0077】
第4研削機構35は、第3研削機構30等と同様の構成を有しており、第4研削砥石36を備えている。第4研削砥石36は、たとえば、第3研削砥石31よりも小さな砥粒を含む最終仕上げ研削用の砥石である。
【0078】
第4研削砥石36が回転することによって、チャックテーブル50に保持されているウェーハ5の上面に、第4研削領域434が形成される。第4研削領域434は、研削領域431~433と同様に、比較的に細い環状扇形の形状を有している。
なお、
図4では、研削砥石11、21、31および36の回転方向を矢印501によって示す一方、チャックテーブル50の回転方向を矢印505によって示している。
【0079】
また、
図4に示す例においても、第1研削送り機構70、第2研削送り機構80、第3研削送り機構90および第4研削送り機構95は、コラム101およびホルダ110などで構成されている。なお、コラム101は、ホルダ110を挟む柱を備えた門型コラムであってもよい。なお、門型コラムでは、チャックテーブル50を挟むように柱が配置されている。
【0080】
さらに、第4研削機構35を用いたウェーハ5の研削では、第3研削砥石31による研削によって発生するウェーハ5の第3研削痕453に対し、第4研削砥石36による研削によって発生するウェーハ5の第4研削痕454が交差するよう、ターンテーブル60を回転させ、第4研削機構に対してチャックテーブル50が配置される。したがって、第3研削痕453が削り取られるように、ウェーハ5が研削される。これにより、厚さのバラツキが小さいとともに、高い抗折強度を有する高品質なウェーハ5を得ることができる。さらに、第2研削砥石21、第3研削砥石31および第4研削砥石36の研削力を向上させることができる。
【0081】
なお、
図4に示した4つの研削機構を備える構成では、
図5に示すように、第2研削送り機構80および第4研削送り機構95におけるコラム101およびホルダ110の向きを変えてもよい。この構成においても、
図4に示した構成と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0082】
1:研削装置、5:ウェーハ、7:制御ユニット、400:搬入出エリア、
10:第1研削機構、11:第1研削砥石、
401:第1研削エリア、431:第1研削領域、451:第1研削痕、
20:第2研削機構、21:第2研削砥石、
402:第2研削エリア、432:第2研削領域、452:第2研削痕、
30:第3研削機構、31:第3研削砥石、
403:第3研削エリア、433:第3研削領域、453:第3研削痕、
35:第4研削機構、36:第4研削砥石、
434:第4研削領域、454:第4研削痕、
40:スピンドルハウジング、41:スピンドルユニット、42:スピンドル、
43:研削ホイール、44:スピンドルモータ、
50:チャックテーブル、52:保持面、60:ターンテーブル、
61:ウォータケース、
300:テーブル基台、301:外側面、302:内側面、303:側壁、
320:支持柱、
310:支持パッド、
70:第1研削送り機構、80:第2研削送り機構、
90:第3研削送り機構、95:第4研削送り機構、
101:コラム、104:ガイドレール、110:ホルダ、114:Z軸モータ
115:ボールネジ、116:昇降テーブル、150:第1カセット、151:第2カセット、153:ロボット、
156:仮置きテーブル、154:搬入機構、157:搬出機構、
201:第1の装置ベース、202:第2の装置ベース、
240:厚みセンサ
265:スピン洗浄ユニット