(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-09
(45)【発行日】2025-01-20
(54)【発明の名称】蓄電池システムの劣化判定装置、蓄電池システムの劣化判定方法、蓄電池システム及び蓄電池監視装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250110BHJP
G01R 31/392 20190101ALI20250110BHJP
G01R 31/396 20190101ALI20250110BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20250110BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250110BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
G01R31/392
G01R31/396
H01M10/42 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2022179230
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2022500462の分割
【原出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2020021240
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005382
【氏名又は名称】古河電池株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀人
(72)【発明者】
【氏名】田中 彰
(72)【発明者】
【氏名】新垣 雅進
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英明
(72)【発明者】
【氏名】手塚 渉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰洋
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/164630(WO,A1)
【文献】特開2007-294322(JP,A)
【文献】特開2013-099167(JP,A)
【文献】特開2011-072084(JP,A)
【文献】特開2012-234697(JP,A)
【文献】特開2013-226008(JP,A)
【文献】特開2018-050401(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
G01R 31/392
G01R 31/396
H01M 10/42
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池が複数個直列に接続された蓄電池列が、複数列に並列接続された蓄電池システムの劣化判定装置であり、
複数列の前記蓄電池列が、相互に、前記蓄電池列の端部に位置する前記蓄電池及び前記蓄電池列の途中に位置する前記蓄電池にて並列接続されることで、前記蓄電池システムが複数の蓄電池列ブロックに分割され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、それぞれの前記蓄電池列ブロックにおける前記蓄電池列間に発生する循環電流を測定する電流センサと、前記電流センサの測定した循環電流の値を収集する計測制御部と、収集された循環電流の値から前記蓄電池列ブロック内の前記蓄電池の劣化発生の有無を判定する蓄電池状態判定部と、を備える、蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項2】
前記蓄電池列ブロックが、他の前記蓄電池列ブロックと、1本の接続部にて直列に接続されている、請求項1に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項3】
前記電流センサが、それぞれの蓄電池列ブロックに複数備えられている、請求項1または2に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項4】
前記蓄電池列ブロックにおける、相互に隣接した前記蓄電池列の間に、それぞれ、前記電流センサが備えられている、請求項3に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項5】
前記電流センサが、それぞれの蓄電池列ブロックに1つずつ備えられている、請求項1または2に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項6】
交直変換装置と前記蓄電池システムの間に、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に前記交直変換装置と前記蓄電池システムの間を切り離し状態とするスイッチ手段が設けられている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項7】
蓄電池を複数個直列に接続された蓄電池列を複数列に並列接続された蓄電池システムの劣化判定方法であり、
複数列の前記蓄電池列が、相互に、前記蓄電池列の端部に位置する前記蓄電池及び前記蓄電池列の途中に位置する前記蓄電池にて並列接続されることで、前記蓄電池システムが複数の蓄電池列ブロックに分割され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、それぞれの前記蓄電池列ブロックにおける前記蓄電池列間に発生する循環電流を測定するステップと、
測定した循環電流の値を収集するステップと、
収集した循環電流の値から前記蓄電池列ブロック内の前記蓄電池の劣化発生の有無を判定するステップと、を含む、蓄電池システムの劣化判定方法。
【請求項8】
蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムの前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定装置であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集する計測制御部と、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池状態判定部と、
を備える蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項9】
前記蓄電池状態判定部は、前記電流センサで測定された循環電流の和が予め定められた第1閾値以下であり、且つ、前記電流センサで測定された循環電流のそれぞれの絶対値が予め定められた第2閾値以上の場合、前記蓄電池に劣化が有ると判定する
請求項8に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
【請求項10】
蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムを監視する蓄電池監視装置であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集する計測制御部と、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池状態判定部と、
を備える蓄電池監視装置。
【請求項11】
前記蓄電池状態判定部は、前記電流センサで測定された循環電流の和が予め定められた第1閾値以下であり、且つ、前記電流センサで測定された循環電流のそれぞれの絶対値が予め定められた第2閾値以上の場合、前記蓄電池に劣化が有ると判定する
請求項10に記載の蓄電池監視装置。
【請求項12】
請求項8若しくは請求項9に記載の蓄電池システムの劣化判定装置、又は請求項10若しくは請求項11に記載の蓄電池監視装置と、
蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列と、
を有する蓄電池システムであって、
前記組電池が並列に複数接続され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサが前記組電池毎に設けられて並列に接続される、
蓄電池システム。
【請求項13】
蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムの前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池システムの劣化判定方法であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集するステップと、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定するステップと、
を含む蓄電池システムの劣化判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池システムの劣化判定装置、蓄電池システムの劣化判定方法、蓄電池システム及び蓄電池監視装置に関し、特に、充放電停止時に発生する循環電流を測定することで蓄電池システムの劣化を判定する、蓄電池システムの劣化判定装置、蓄電池システムの劣化判定方法、蓄電池システム及び蓄電池監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄電池の使用にあたって、所望の電圧や容量を得るために、蓄電池を直列に接続して蓄電池列を構成し、各蓄電池列を並列に接続して組電池とした蓄電池システムの状態で使用することがある。蓄電池システムのうち、一部の蓄電池に内部短絡や内部液絡等の異常が生じると、異常が生じた蓄電池を含む蓄電池列は他の蓄電池列よりも内部抵抗が増加または減少して、過放電状態や過充電状態となり、劣化が加速されることがある。特に蓄電池が双極型鉛蓄電池である場合、電極を積層する構造であるため中心部の温度が上昇し易く、蓄電池ごとに温度が異なるため、蓄電池ごとに劣化の進行状況も異なり、温度劣化、劣化進行による内部短絡、内部液絡等が発生し、劣化が加速する虞がある。従って、双極型鉛蓄電池を蓄電池システムとして使用する場合には、蓄電池システムを構成する蓄電池の劣化の有無を判定し、劣化した蓄電池を異常が発生する前に予め交換等することが必要となる。
【0003】
そこで、各蓄電池列の充電電流(Ic)を測定し、測定された各蓄電池列の充電電流(Ic)の相対比較、または使用初期の充電電流(Ic)と使用経過後の充電電流(Ic)との差に基づいて、特定の蓄電池列の内部短絡や内部液絡などの劣化を判定することが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、組電池に温度分布が生じている場合には、それぞれの蓄電池列において温度差が発生することがある。蓄電池は充電時の温度状態によって充電特性が相違し、温度の高い条件下で充電される蓄電池は、温度の低い条件下で充電される蓄電池よりも充電特性が向上する傾向にある。従って、特許文献1では、組電池に温度分布が生じている場合には、相対的に温度の高い条件下で充電される蓄電池列の充電電流値(Icc)は、相対的に温度の低い条件下で充電される蓄電池列の充電電流値(Icc)よりも大きくなるので、蓄電池列の劣化を判定する際に、誤判定してしまう可能性があった。
【0005】
従来の蓄電池システムの劣化判定装置の上記問題の詳細について、図面を用いながら説明する。なお、
図8は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
図9は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置における2つの蓄電池列について同一の蓄電池ラックに設置している状態の概略構成図である。
図10は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置における2つの蓄電池列を同一の蓄電池ラックに設置して蓄電池に充電を行った際の充電電流(Ic)の時間変化を示すグラフである。
【0006】
図8に示すように、従来の蓄電池システムの劣化判定装置110では、蓄電池100を複数(
図8では8個)直列接続して蓄電池列200を構成し、蓄電池列200を複数(
図8では、第1の蓄電池列200-1、第2の蓄電池列200-2、第3の蓄電池列200-3、第4の蓄電池列200-4の4つ)並列接続して組電池600を構成している。組電池600は、交直変換装置(PCS:Power Conditioning System)500に接続されている。それぞれの蓄電池列200には充放電電流を測定する電流センサ400が蓄電池列200と交直変換装置500の間に設置され、電流センサ400の測定情報は蓄電池監視装置(BMU:Battery Management Unit)300に入力される。交直変換装置500が組電池600への充電を開始すると、蓄電池監視装置300は、それぞれの蓄電池列200に設置された電流センサ400から入力される充電電流(Ic)の値から蓄電池列200相互間の充電電流(Ic)のばらつきの度合いや、蓄電池システムを設置した初期におけるそれぞれの蓄電池列200の充電電流(Ic)と使用経過後のそれぞれの蓄電池列200の充電電流(Ic)の比較を行い、その差分からそれぞれの蓄電池列200内の蓄電池100に内部短絡や内部液絡など異常に繋がりうる劣化が生じているか否かを判定する。従って、従来の蓄電池システムの劣化判定装置110では、組電池600の充電時に、蓄電池100に内部短絡や内部液絡など異常に繋がりうる劣化が生じているか否かを判定する。
【0007】
図9に示すように、例えば、第1の蓄電池列200-1と第2の蓄電池列200-2を、第1の蓄電池列200-1が下段に、第2の蓄電池列200-2が上段になるように、同一の蓄電池ラック700に設置している場合、蓄電池ラック700には主に組電池600の充電に由来する温度分布が発生する。すなわち、蓄電池ラック700の上段に設置された第2の蓄電池列200-2の蓄電池100の方が、蓄電池ラック700の下段に設置された第1の蓄電池列200-1の蓄電池100よりも温度が高くなる傾向にある。従って、蓄電池100の充電時、第2の蓄電池列200-2の方が第1の蓄電池列200-1よりも充電電流(Ic)が大きくなる傾向にある。
【0008】
図10は、
図9に示す第1の蓄電池列200-1と第2の蓄電池列200-2の配置、すなわち、第1の蓄電池列200-1が下段に、第2の蓄電池列200-2が上段になるように、同一の蓄電池ラック700に設置して、蓄電池100に充電を行った際の、第1の蓄電池列200-1の充電電流(Ic)と第2の蓄電池列200-2の充電電流(Ic)の時間変化を示したグラフである。なお、蓄電池100への充電実施中における平均気温は、第2の蓄電池列200-2の方が第1の蓄電池列200-1よりも約2℃ほど高い状態にあった。
【0009】
図10に示すように、蓄電池100への充電開始直後の領域Aと充電終了前の領域Bでは、第2の蓄電池列200-2の充電電流(Ic)が第1の蓄電池列200-1の充電電流(Ic)よりも大きくなっている。一方で、蓄電池100への充電終了直前の領域Cでは、第1の蓄電池列200-1の充電電流(Ic)が第2の蓄電池列200-2の充電電流(Ic)よりも大きくなっている。このように、組電池600を構成している蓄電池システムの蓄電池列200間に温度分布が生じた状態で、充電電流(Ic)から蓄電池システムの蓄電池100の劣化発生の有無を判定すると、組電池600を構成している蓄電池システムの蓄電池100に内部短絡や内部液絡など異常に繋がりうる劣化が発生していないにも関わらず、劣化発生と誤った判定をしてしまう場合や、組電池600を構成している蓄電池システムの蓄電池100に内部短絡や内部液絡など異常に繋がりうる劣化が発生しているにも関わらず、劣化が発生していないと誤った判定をしてしまう場合があった。
【0010】
また、蓄電池列200内の蓄電池100の直列数が多いと、そもそも、蓄電池列200の内部抵抗が大きくなるので、蓄電池100に内部短絡や内部液絡などの異常が発生する前に、蓄電池100に上記異常に繋がるような劣化が生じたことを判定することが難しい場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記事情から、本発明は、蓄電池システムの劣化判定精度が向上した蓄電池システムの劣化判定装置、蓄電池システムの劣化判定方法、蓄電池システム及び蓄電池監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、蓄電池を複数個直列に接続された蓄電池列が複数の蓄電池列ブロックに分割されており、蓄電池システムを構成する蓄電池の充電停止時または放電停止時に、それぞれの蓄電池列ブロックについて蓄電池列間に発生する循環電流を測定することで、蓄電池システムの劣化の有無を判定するものである。蓄電池列間に発生する循環電流は、それぞれの蓄電池列が有する充電特性の差に起因した電圧差等によって発生する。
【0014】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]蓄電池が複数個直列に接続された蓄電池列が、複数列に並列接続された蓄電池システムの劣化判定装置であり、
複数列の前記蓄電池列が、相互に、前記蓄電池列の端部に位置する前記蓄電池及び前記蓄電池列の途中に位置する前記蓄電池にて並列接続されることで、前記蓄電池システムが複数の蓄電池列ブロックに分割され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、それぞれの前記蓄電池列ブロックにおける前記蓄電池列間に発生する循環電流を測定する電流センサと、前記電流センサの測定した循環電流の値を収集する計測制御部と、収集された循環電流の値から前記蓄電池列ブロック内の前記蓄電池の劣化発生の有無を判定する蓄電池状態判定部と、を備える、蓄電池システムの劣化判定装置。
[2]前記蓄電池列ブロックが、他の前記蓄電池列ブロックと、1本の接続部にて直列に接続されている、[1]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[3]前記電流センサが、それぞれの蓄電池列ブロックに複数備えられている、[1]または[2]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[4]前記蓄電池列ブロックにおける、相互に隣接した前記蓄電池列の間に、それぞれ、前記電流センサが備えられている、[3]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[5]前記電流センサが、それぞれの蓄電池列ブロックに1つずつ備えられている、[1]または[2]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[6]交直変換装置と前記蓄電池システムの間に、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に前記交直変換装置と前記蓄電池システムの間を切り離し状態とするスイッチ手段が設けられている、[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[7]蓄電池を複数個直列に接続された蓄電池列を複数列に並列接続された蓄電池システムの劣化判定方法であり、
複数列の前記蓄電池列が、相互に、前記蓄電池列の端部に位置する前記蓄電池及び前記蓄電池列の途中に位置する前記蓄電池にて並列接続されることで、前記蓄電池システムが複数の蓄電池列ブロックに分割され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、それぞれの前記蓄電池列ブロックにおける前記蓄電池列間に発生する循環電流を測定するステップと、
測定した循環電流の値を収集するステップと、
収集した循環電流の値から前記蓄電池列ブロック内の前記蓄電池の劣化発生の有無を判定するステップと、を含む、蓄電池システムの劣化判定方法。
【0015】
[8]蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムの前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定装置であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集する計測制御部と、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池状態判定部と、
を備える蓄電池システムの劣化判定装置。
[9]前記蓄電池状態判定部は、前記電流センサで測定された循環電流の和が予め定められた第1閾値以下であり、且つ、前記電流センサで測定された循環電流のそれぞれの絶対値が予め定められた第2閾値以上の場合、前記蓄電池に劣化が有ると判定する[8]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置。
[10]蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムを監視する蓄電池監視装置であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集する計測制御部と、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池状態判定部と、
を備える蓄電池監視装置。
[11]前記蓄電池状態判定部は、前記電流センサで測定された循環電流の和が予め定められた第1閾値以下であり、且つ、前記電流センサで測定された循環電流のそれぞれの絶対値が予め定められた第2閾値以上の場合、前記蓄電池に劣化が有ると判定する[10]に記載の蓄電池監視装置。
[12][8]若しくは[9]に記載の蓄電池システムの劣化判定装置、又は[10]若しくは[11]に記載の蓄電池監視装置と、
蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列と、
を有する蓄電池システムであって、
前記組電池が並列に複数接続され、
前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサが前記組電池毎に設けられて並列に接続される、
蓄電池システム。
[13]蓄電池を複数個直列に接続した蓄電池列が複数列に並列接続された蓄電池ブロックを直列に複数接続した組電池を複数有し、前記組電池が並列に複数接続された蓄電池システムの前記蓄電池の劣化を判定する蓄電池システムの劣化判定方法であって、
前記組電池毎に設けられて並列に接続され、前記蓄電池の充電停止時または放電停止時に、前記組電池間に発生する循環電流を測定する電流センサの測定した前記循環電流の値を収集するステップと、
収集された前記循環電流の値から前記蓄電池の劣化を判定するステップと、
を含む蓄電池システムの劣化判定方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明の態様によれば、蓄電池列間の電圧差等によって発生する循環電流を、蓄電池の充電停止時または放電停止時に測定することから、蓄電池システムが温度分布の影響を受けることを防止できるので、蓄電池システムの劣化判定精度が向上する。また、本発明の態様によれば、蓄電池を複数個直列に接続された蓄電池列が複数の蓄電池列ブロックに分割されていることから、蓄電池列の内部抵抗の増大を防止できるので、循環電流が流れやすくなり、循環電流の測定精度が向上し、蓄電池に内部短絡や内部液絡などの異常が発生する前に蓄電池に劣化が生じたことを判定する精度が向上する。
【0017】
本発明の態様によれば、蓄電池列ブロックが他の蓄電池列ブロックと1本の接続部にて直列に接続されていることにより、蓄電池列ブロックごとに生じる循環電流を精度よく測定できるので、蓄電池システムの劣化判定精度がさらに向上する。
【0018】
本発明の態様によれば、蓄電池列ブロックにおける、相互に隣接した蓄電池列の間に、それぞれ電流センサが備えられていることにより、蓄電池列ブロックの蓄電池列ごとに劣化判定を精度よく行うことができる。
【0019】
本発明の態様によれば、それぞれの蓄電池列ブロックに電流センサが1つずつ備えられていることにより、蓄電池列ブロックごとに蓄電池システムの劣化判定ができるので、蓄電池列ブロックごとに蓄電池の交換等を行う場合、簡易な構造にて蓄電池システムの劣化判定精度が向上する。
【0020】
本発明の態様によれば、交直変換装置と蓄電池システムの間に、蓄電池の充放電停止時に交直変換装置と蓄電池システムの間を切り離し状態とするスイッチ手段が設けられていることにより、交直変換装置の影響を防止した状態で循環電流を測定することができるので、蓄電池システムの劣化判定精度がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置に備えられる蓄電池監視装置の機能ブロックの構成図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置における劣化判定のフローチャートである。
【
図4】
図4は、蓄電池列間に発生する循環電流と蓄電池列ブロックの劣化度合いとの関係を示すグラフである。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図6】
図6は、本発明の第3実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図7】
図7は、本発明の第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図8】
図8は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図9】
図9は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置における2つの蓄電池列を1つの蓄電池ラックに設置している状態の概略構成図である。
【
図10】
図10は、従来の蓄電池システムの劣化判定装置における2つの蓄電池列を1つの蓄電池ラックに設置して蓄電池に充電を行った際の充電電流の時間変化を示すグラフである。
【
図11】
図11は、本発明の第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図12】
図12は、本発明の第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置における劣化判定のフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【
図14】
図14は、本発明の第5実施例の変形例の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施例>
本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置1について説明する。なお、
図1は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
図2は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置に備えられる蓄電池監視装置の機能ブロックの構成図である。
図3は、本発明の第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置における劣化判定のフローチャートである。
図4は、蓄電池列間に発生する循環電流と蓄電池列ブロックの劣化度合いとの関係を示すグラフである。
【0023】
図1に示すように、第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置1は、複数個の蓄電池10、10、10・・・が直列に接続された蓄電池列20が複数列に並列接続された、組電池である蓄電池システム11の劣化を判定する装置である。
図1では、説明の便宜上、8個の蓄電池10が直列に接続されて1列の蓄電池列20が形成されている。また、蓄電池システムの劣化判定装置1では、説明の便宜上、蓄電池システム11には、順に、第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3、第4の蓄電池列20-4と、4列の蓄電池列20が並列に接続されている。
【0024】
また、蓄電池システム11は、交直変換装置(PCS)50と接続されている。蓄電池システム11は、交直変換装置(PCS)50を介して外部の電力系統(図示せず)と接続されている。
【0025】
蓄電池システムの劣化判定装置1は、複数列の蓄電池列20が、蓄電池列20の端部に位置する蓄電池10(10A)及び蓄電池列20の途中に位置する蓄電池10(10B)にて、相互に、並列に接続されることで、蓄電池システム11が複数の蓄電池列ブロック12に分割されている。
図1では、説明の便宜上、複数列の蓄電池列20が、交直変換装置(PCS)50側から4つ目の蓄電池10(10B)と5つ目の蓄電池10(10B)との間で、相互に、並列に接続されている態様としている。また、蓄電池列20の途中に位置する蓄電池10(10B)は、接続ケーブルである導通バー70にて、相互に、並列に接続されている。蓄電池システムの劣化判定装置1では、それぞれの蓄電池列20について、蓄電池列20の途中に位置する複数の蓄電池10(10B)のうち、所定の1つの蓄電池10(10B)にて、複数列の蓄電池列20、20、20・・・が相互に並列に接続されている。従って、蓄電池システム11は、1本の導通バー70にて、蓄電池列ブロック12Aと蓄電池列ブロック12Bの2つに分割されている。
【0026】
また、蓄電池列ブロック12Aに位置する複数列の蓄電池列20、20、20・・・、すなわち、第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3、第4の蓄電池列20-4は、蓄電池列ブロック12Bに位置する複数列の蓄電池列20、20、20・・・、すなわち、第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3、第4の蓄電池列20-4と、上記した1本の導通バー70で接続されている。すなわち、蓄電池列ブロック12Aと蓄電池列ブロック12Bは、1本の導通バー70を共用している。
【0027】
また、蓄電池システムの劣化判定装置1では、電流センサ40、80が備えられている。電流センサ40、80は、電流値と電流の流れの向きを測定するセンサである。電流センサ40は、蓄電池列20と交直変換装置(PCS)50の間に接続されている。電流センサ40は、それぞれの蓄電池列20について、蓄電池列20の交直変換装置(PCS)50側の端部に位置する蓄電池10(10A)に接続されている。従って、電流センサ40は、第1の蓄電池列20-1と第2の蓄電池列20-2の間、第2の蓄電池列20-2と第3の蓄電池列20-3の間、第3の蓄電池列20-3と第4の蓄電池列20-4の間に、それぞれ、備えられている。上記から、蓄電池システムの劣化判定装置1では、電流センサ40は、蓄電池列ブロック12Aに複数(
図1では4つ)備えられている。
【0028】
図1に示すように、例えば、蓄電池列ブロック12Aに位置する第1の蓄電池列20-1の蓄電池10において劣化が進行した場合、蓄電池10の充放電停止時の第1の蓄電池列20-1の電圧は、蓄電池列ブロック12Aに位置する第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4の電圧と比較して低くなる。これにより、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4から第1の蓄電池列20-1への充電電流Icである循環電流(以下、循環電流もIcと示す場合がある。)が発生する。すなわち、蓄電池10の充放電停止時には、劣化が進行した蓄電池10を有さない蓄電池列20から劣化が進行した蓄電池10を有する蓄電池列20へ、循環電流Icが発生する。電流センサ40は、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に、蓄電池列ブロック12Aに位置する第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4の間に発生する循環電流Icとその向きを測定する。
【0029】
電流センサ80は、導通バー70に設けられている。具体的には、電流センサ80は、蓄電池列ブロック12Bに位置する第1の蓄電池列20-1と第2の蓄電池列20-2の間、第2の蓄電池列20-2と第3の蓄電池列20-3の間、第3の蓄電池列20-3と第4の蓄電池列20-4の間に、それぞれ、1つずつ備えられている。上記から、電流センサ80は、蓄電池列ブロック12Bに複数(
図1では、3つ)備えられている。
【0030】
例えば、蓄電池列ブロック12Bに位置する第1の蓄電池列20-1の蓄電池10において劣化が進行した場合、蓄電池10の充放電停止時の第1の蓄電池列20-1の電圧は、蓄電池列ブロック12Bに位置する第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4の電圧と比較して低くなる。これにより、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4から第1の蓄電池列20-1への循環電流(図示せず)が発生する。電流センサ80は、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に、蓄電池列ブロック12Bに位置する第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4の間に発生する循環電流とその向きを測定する。
【0031】
また、
図1に示すように、それぞれの電流センサ40、80には、蓄電池監視装置(BMU:Battery Management Unit)30が接続されている。それぞれの電流センサ40、80が測定した循環電流の測定情報は、蓄電池監視装置30に入力される。
【0032】
また、蓄電池監視装置30は、交直変換装置50に接続されている。蓄電池監視装置30は、交直変換装置50から蓄電池システム11への充電を停止しているタイミングまたは蓄電池システム11から外部の電力系統への放電を停止しているタイミングで、電流センサ40、80からの充電電流値(Icc)と充電電流(Ic)の向きの情報から、第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3及び第4の蓄電池列20-4相互間の充電電流Icのばらつきの度合いや充電電流値(Icc)の比較の分析を行う。上記分析の結果に基づき、第1の蓄電池列20-1の蓄電池10、第2の蓄電池列20-2の蓄電池10、第3の蓄電池列20-3の蓄電池10、第4の蓄電池列20-4の蓄電池10に内部短絡や内部液絡など異常に繋がりうる劣化が生じているか否かを判定する。
【0033】
図2に示すように、蓄電池監視装置30は、蓄電池10の劣化判定条件などを設定する設定部31と、電流センサ40、80からの循環電流の測定情報を収集する計測制御部32と、計測制御部32で収集された計測情報に基づいて蓄電池10の状態を判定する蓄電池状態判定部33と、上記した計測情報、設定の情報及び判定の情報を記憶する記憶部34と、判定の情報を上位システムや画面表示する通信部35と、で構成されている。
【0034】
蓄電池状態判定部33は、電流センサ40から収集された循環電流(Ic)の測定情報に基づいて、蓄電池列ブロック12Aに位置する第1の蓄電池列20-1の蓄電池10、第2の蓄電池列20-2の蓄電池10、第3の蓄電池列20-3の蓄電池10、第4の蓄電池列20-4の蓄電池10の劣化発生の有無を判定する。また、蓄電池状態判定部33は、電流センサ80から収集された循環電流の測定情報に基づいて、蓄電池列ブロック12Bに位置する第1の蓄電池列20-1の蓄電池10、第2の蓄電池列20-2の蓄電池10、第3の蓄電池列20-3の蓄電池10、第4の蓄電池列20-4の蓄電池10の劣化発生の有無を判定する。
【0035】
次に、本発明に係る蓄電池システムの劣化判定方法の実施例である、蓄電池システムの劣化判定装置1の動作について、
図3のフローチャート60を参照しながら説明する。所定期間にわたって外部の電力系統から蓄電池システム11への充電と蓄電池システム11から負荷への放電を繰り返して蓄電池システム11を稼働させたことにより、蓄電池監視装置(BMU)30の設定部31で設定された蓄電池システム11の劣化の有無を判定するタイミングで、蓄電池システム11の劣化判定プロセスを開始する(ステップ61)。次に、蓄電池監視装置30は、電流センサ40または交直変換装置(PCS)50からの情報により、蓄電池システム11の充放電が停止されたか否かを判定する(ステップ62)。蓄電池監視装置30が蓄電池システム11の充放電が停止したと判定した場合には、蓄電池監視装置30の計測制御部32は、電流センサ40、80からの循環電流値(Icc)と循環電流(Ic)の向きを測定し、測定情報を収集する(ステップ63)。
【0036】
次に、蓄電池状態判定部33は、循環電流値(Icc)が閾値a以上か否か判定する(ステップ64)。循環電流値(Icc)の閾値aは、予め、設定部31で設定されている。
【0037】
次に、蓄電池状態判定部33が、循環電流値(Icc)が閾値a以上と判定した場合には、蓄電池状態判定部33は、蓄電池システム11のいずれかの蓄電池10に劣化が発生したと判定する(ステップ65)。また、蓄電池監視装置30は、必要に応じて、上位システムや蓄電池監視装置(BMU)30の通信部35である制御画面に劣化の発生を表示する。次に、蓄電池状態判定部33は、電流センサ40、80からの循環電流(Ic)の測定情報に基づいて、劣化が発生した蓄電池10を有する蓄電池列ブロック12と蓄電池列20を判定する(ステップ66)。次に、蓄電池状態判定部33は、循環電流値Iccの値から、劣化が発生した蓄電池10を有する蓄電池列20の劣化度合い(SOH:State Of Health)を判定する(ステップ67)。
【0038】
図4に示すように、蓄電池列20の劣化度合い(SOH)の特定方法は、例えば、循環電流値(Icc)と劣化度合い(SOH)の1次関数から算出する方法が用いられる。なお、
図4においては、SOHが小さいほど劣化の度合いが大きく、SOHが大きいほど劣化の度合いが小さいことを意味する。また、必要に応じて、循環電流Ic測定時に各蓄電池列ブロック12の温度測定を実施し、温度分布に応じて、劣化度合い(SOH)を補正してもよい。
【0039】
一方で、蓄電池監視装置30は、ステップ62にて、蓄電池システム11の充放電が停止されていないと判定した場合には、再度、蓄電池システム11の充放電が停止されたか否かを判定する(ステップ62)。また、蓄電池状態判定部33は、ステップ64にて、循環電流値(Icc)が閾値a未満と判定した場合には、ステップ62に戻り、蓄電池監視装置30が、蓄電池システム11の充放電が停止されたか否かを判定する。
【0040】
蓄電池10としては、例えば、双極型鉛蓄電池が挙げられる。双極型鉛蓄電池は、正極と負極との間に、電解層を介在させたセル部材と、樹脂製の基板とが交互に複数積層されると共に、対向する基板の間にセルを包囲する樹脂製の額縁形のフレームが配設され、セル部材同士が電気的に直列接続されたものとなっている。正極は、鉛又は鉛合金製の正極用鉛層と、正極用鉛層上に設けられた活性物質を含有する正極用活物質層を有する。負極は、鉛又は鉛合金製の負極用鉛層と、負極用鉛層上に設けられた活性物質を含有する負極用活物質層を有する。正極と負極との間に介在する電界層は、例えば、硫酸等の電解液が含浸されたガラス繊維マット等である。樹脂製の基板は、耐硫酸性を有する熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート(アクリル樹脂)、アクリルニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート等)製であり、四角状の平板形に形成されたフレームプレートである。電流センサ40、80は、それぞれの蓄電池列20に流れる充放電電流を測定し、蓄電池10の充電状態(SOC:State Of Charge)を判定するため、温度特性に優れ、測定誤差の少ない、精度の高い電流センサが好ましい。
【0041】
このように、蓄電池システムの劣化判定装置1では、蓄電池列20間の電圧差等によって発生する循環電流Icを、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に測定することから、蓄電池システム11が温度分布の影響を受けることを防止できるので、蓄電池システム11の劣化判定の精度が向上する。また、蓄電池システムの劣化判定装置1では、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に循環電流Icを測定することから、循環電流Icの電流値自体の測定が容易化、高精度化されるので、蓄電池システム11の劣化判定の精度が向上する。また、蓄電池システムの劣化判定装置1では、蓄電池10を複数個直列に接続された蓄電池列20が複数の蓄電池列ブロック12に分割されていることから、蓄電池列20の内部抵抗の増大を防止できるので、循環電流Icが流れやすくなり、循環電流Icの測定精度が向上し、蓄電池10に内部短絡や内部液絡などの異常が発生する前に蓄電池10に劣化が生じたことを判定する精度が向上する。
【0042】
また、蓄電池システムの劣化判定装置1では、蓄電池列ブロック12における、相互に隣接した蓄電池列20の間に、それぞれ電流センサ40、80が備えられていることにより、蓄電池列ブロック12の蓄電池列20ごとに劣化判定を精度よく行うことができる。
【0043】
<第2実施例>
次に、本発明の第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置について説明する。なお、第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置は、第1実施例である蓄電池システムの劣化判定装置と主要な構成要素は共通しているので、第1実施例と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
図5は、本発明の第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置2の概略構成図である。
【0044】
蓄電池システムの劣化判定装置1では、蓄電池システム11は、1本の導通バー70にて、蓄電池列ブロック12Aと蓄電池列ブロック12Bの2つに分割されていた。これに代えて、
図5に示すように、蓄電池システムの劣化判定装置2では、蓄電池列ブロック12Aに位置する第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3、第4の蓄電池列20-4は、第1の導通バー70-1で並列に接続され、蓄電池列ブロック12Bに位置する第1の蓄電池列20-1、第2の蓄電池列20-2、第3の蓄電池列20-3、第4の蓄電池列20-4は、第1の導通バー70-1とは異なる第2の導通バー70-2で並列に接続されている。蓄電池システムの劣化判定装置2では、蓄電池システム11は、異なる導通バー70にて、蓄電池列ブロック12Aと蓄電池列ブロック12Bの2つに分割されている。
【0045】
第1の導通バー70-1と第2の導通バー70-2は、1本の蓄電池列ブロック接続バー90にて接続されている。従って、蓄電池列ブロック12Aと蓄電池列ブロック12Bは、1本の接続部(蓄電池列ブロック接続バー90)にて直列に接続されている。
【0046】
蓄電池システムの劣化判定装置2では、蓄電池列ブロック12Aに位置する蓄電池列20間に発生する循環電流Icを測定する電流センサ40は、それぞれの蓄電池列20について、蓄電池列20の交直変換装置(PCS)50側の端部に位置する蓄電池10(10A)に接続されている。蓄電池列ブロック12Bに位置する蓄電池列20間に発生する循環電流Icを測定する電流センサ80は、第1の蓄電池列20-1と第2の蓄電池列20-2の間、第2の蓄電池列20-2と第3の蓄電池列20-3の間、第3の蓄電池列20-3と第4の蓄電池列20-4の間に、それぞれ、1つずつ備えられている。電流センサ80は、第2の導通バー70-2に設けられている。
【0047】
蓄電池システムの劣化判定装置2では、蓄電池列ブロック12Aが蓄電池列ブロック12Bと1本の接続部にて直列に接続されていることにより、蓄電池列ブロック12ごとに生じる循環電流Icを蓄電池列ブロック12ごとに精度よく測定できるので、蓄電池システム11の劣化判定精度がさらに向上する。すなわち、蓄電池システムの劣化判定装置2では、例えば、蓄電池列ブロック12Aに位置する蓄電池10に劣化が生じており、蓄電池列ブロック12Bに位置する蓄電池10には劣化が生じていない場合、蓄電池列ブロック12Aにのみ循環電流Icがより流れやすくなり、蓄電池列ブロック12Bには蓄電池列ブロック12A由来の循環電流Icがより流れにくくなる。
【0048】
<第3実施例>
次に、本発明の第3実施例である蓄電池システムの劣化判定装置について説明する。なお、第3実施例である蓄電池システムの劣化判定装置は、第1実施例及び第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置と主要な構成要素は共通しているので、第1実施例及び第2実施例と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
図6は、本発明の第3実施例である蓄電池システムの劣化判定装置2の概略構成図である。
【0049】
第2実施例である蓄電池システムの劣化判定装置2では、蓄電池列ブロック12Aに位置する蓄電池列20間に発生する循環電流Icを測定する電流センサ40は、それぞれの蓄電池列20に接続され、蓄電池列ブロック12Bに位置する蓄電池列20間に発生する循環電流Icを測定する電流センサ80は、第1の蓄電池列20-1と第2の蓄電池列20-2の間、第2の蓄電池列20-2と第3の蓄電池列20-3の間、第3の蓄電池列20-3と第4の蓄電池列20-4の間に、それぞれ、1つずつ備えられていた。これに代えて、
図6に示すように、蓄電池システムの劣化判定装置3では、電流センサは、それぞれの蓄電池列ブロック12に1つずつ備えられている。
【0050】
図6に示すように、電流センサ40は、蓄電池列ブロック12Aの位置にて並列に接続されている複数列の蓄電池列20、20、20・・・間に1つ備えられ、電流センサ80は、蓄電池列ブロック12Bの位置にて並列に接続されている複数列の蓄電池列20、20、20・・・間に1つ備えられている。上記から、蓄電池システムの劣化判定装置3では、1つの電流センサ40、80が、複数列の蓄電池列20の循環電流を測定する態様となっている。なお、蓄電池システムの劣化判定装置3では、電流センサ40と電流センサ80は、いずれも、第3の蓄電池列20-3と第4の蓄電池列20-4の間に1つ備えられている。また、蓄電池システムの劣化判定装置3では、蓄電池列ブロック12Aと交直変換装置(PCS)50の間に、蓄電池システム11と交直変換装置(PCS)50の間の充放電電流を測定する電流センサ41が備えられている。
【0051】
蓄電池システムの劣化判定装置3では、それぞれの蓄電池列ブロック12に電流センサが1つずつ備えられていることにより、蓄電池列ブロック12ごとに蓄電池システム11の劣化判定ができるので、蓄電池列ブロック12ごとに蓄電池10の交換等を行う場合、簡易な構造にて蓄電池システム11の劣化判定精度が向上する。
【0052】
<第4実施例>
次に、本発明の第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置について説明する。なお、第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置は、第1実施例~第3実施例である蓄電池システムの劣化判定装置と主要な構成要素は共通しているので、第1実施例~第3実施例と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
図7は、本発明の第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
【0053】
図7に示すように、第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置4では、蓄電池システムの劣化判定装置3の交直変換装置(PCS)50と電流センサ41との間に、さらに、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11の間を切り離し状態とするスイッチ手段42が設けられている。スイッチ手段42のオン・オフによって、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間を、電気的に接続・切断状態とすることができる。
図7では、スイッチ手段42によって、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間が、電気的に切り離された状態となっている。
【0054】
交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間にスイッチ手段42が設けられていることにより、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に蓄電池システム11の劣化を判定する際に、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11の間を切り離し状態とすることができる。従って、交直変換装置(PCS)50の影響を防止した状態で循環電流を測定することができるので、蓄電池システム11の劣化判定精度がさらに向上する。
【0055】
次に、本発明の蓄電池システムの劣化判定装置について、他の実施態様を説明する。上記各実施例では、蓄電池列は8個の蓄電池が直列に接続されていたが、蓄電池システムの使用条件等に応じて、蓄電池列は9個以上の蓄電池が直列に接続されている態様でもよく、蓄電池列は7個以下の蓄電池が直列に接続されている態様でもよい。また、上記各実施例では、蓄電池システムは2つの蓄電池列ブロックに分割されていたが、これに代えて、3つまたは4つ以上の蓄電池列ブロックに分割されていてもよい。
【0056】
<第5実施例>
次に、本発明の第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置について説明する。なお、第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置は、第1実施例~第4実施例である蓄電池システムの劣化判定装置と主要な構成要素は共通しているので、第1実施例~第4実施例と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
【0057】
図11は、本発明の第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置の概略構成図である。
図11に示すように、第5実施例である蓄電池システムの劣化判定装置5の蓄電池システム11は、複数の蓄電池10を有する。蓄電池10は、直列に複数個接続されて蓄電池列L11~L14、L21~L24を形成している。
図11においては、蓄電池列L11~L14、L21~L24の例として4個の蓄電池10を直列に接続した例を示しているが、1つの蓄電池列を形成する蓄電池10の数は、4個に限定されるものではなく、2個以上の数であればよい。
【0058】
蓄電池列L11~L14、L21~L24は、並列接続されて蓄電池ブロックB11、B12、B21、B22を形成している。具体的には、隣り合う蓄電池列L11と蓄電池列L12が並列接続されて蓄電池ブロックB11が形成され、隣り合う蓄電池列L13と蓄電池列L14が並列接続されて蓄電池ブロックB12が形成されている。また、隣り合う蓄電池列L21と蓄電池列L22が並列接続されて蓄電池ブロックB21が形成され、隣り合う蓄電池列L23と蓄電池列L24が並列接続されて蓄電池ブロックB22が形成されている。
図11においては、蓄電池ブロックB11、B12、B21、B22の例として、2つの蓄電池列を並列にした例を示しているが、1つの蓄電池ブロックを形成する蓄電池列の数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
【0059】
蓄電池ブロックB11、B12、B21、B22は、直列に接続されて組電池BP1、BP2を形成している。具体的には、蓄電池ブロックB11と蓄電池ブロックB21が直列に接続されて組電池BP1を形成され、蓄電池ブロックB12と蓄電池ブロックB22が直列に接続されて組電池BP2が形成されている。
図11においては、組電池の例として、2つの蓄電池ブロックを直列にした例を示しているが、1つの組電池を形成する蓄電池ブロックの数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上の蓄電池ブロックを直列に接続して1つの組電池を形成してもよい。また、蓄電池システム11においては、組電池の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
【0060】
組電池BP1、BP2のそれぞれには、電流センサ40が直列に接続されている。組電池BP1に直列に接続されている電流センサ40と、組電池BP2に直列に接続されている電流センサ40は、並列に接続され、2つの電流センサ40の接続点は、交直変換装置50に接続されている。また、組電池BP1に直列に接続されている電流センサ40と、組電池BP2に直列に接続されている電流センサ40は、それぞれ蓄電池監視装置30に接続されている。
【0061】
図11に示す蓄電池システム11において、蓄電池10の劣化が進行した場合、蓄電池システム11において充放電停止時に循環電流が発生する。蓄電池システムの劣化判定装置5は、この循環電流を測定し、測定結果に基づいて蓄電池10の劣化を判定する。
【0062】
図12は、実施例5において蓄電池10の劣化を判定する処理の流れを示すフローチャートである。また、
図13は、組電池BP1において劣化が進行した蓄電池10がある場合の循環電流の流れの一例を示す図であり、劣化が進行した蓄電池10をハッチングで示している。実施例5における蓄電池10の劣化の判定の動作を、
図12、13を用いて説明する。
【0063】
蓄電池監視装置30は、所定期間にわたって外部の電力系統から蓄電池システム11への充電と蓄電池システム11から負荷への放電を繰り返して蓄電池システム11を稼働させたことにより、設定部31で設定された蓄電池システム11の劣化の有無を判定するタイミングとなった場合、
図12に示す蓄電池システム11の劣化判定処理を開始する。
【0064】
まず、蓄電池監視装置30は、電流センサ40または交直変換装置50からの情報により、蓄電池システム11の充放電が停止されたか否かを判定する(ステップS101)。蓄電池監視装置30は、充放電が停止されていないと判定した場合には(ステップS101でNO)、ステップS101の処理を繰り返す。蓄電池監視装置30は、蓄電池システム11の充放電が停止したと判定した場合には(ステップS101でYES)、電流センサ40で測定された循環電流値と循環電流の向きを計測制御部32で取得する(ステップS102)。
【0065】
例えば、
図13に示すように、組電池BP1においてハッチングで示した蓄電池10の劣化が進行した場合、充放電時に蓄電池システム11において電流分布が発生し、その結果、充放電を停止したときには、劣化した蓄電池10を含む組電池BP1の蓄電池ブロックB11においては、蓄電池列L11と蓄電池列L12とで電圧差が生じる。この電圧差を解消するため、蓄電池ブロックB11においては、
図12に示す蓄電池列L12から蓄電池列L11に至る矢印の方向で循環電流i11が発生する。
【0066】
また、蓄電池ブロックB11において循環電流が発生した場合、組電池BP1と組電池BP2とでは電圧差が生じる。この組電池BP1と組電池BP2との電圧差を解消するため、蓄電池システム11においては、組電池BP1から組電池BP2へ流れる循環電流が発生する。組電池BP1に接続されている電流センサ40は、組電池BP2から組電池BP1に流れ込む循環電流i1を測定し、組電池BP2に接続されている電流センサ40は、組電池BP2から組電池BP1に流れ出る循環電流i2、即ち、蓄電池列L13から流れ出る循環電流i21と蓄電池列L14から流れ出る循環電流i22との和を測定する。
【0067】
蓄電池監視装置30は、組電池BP1に接続されている電流センサ40で測定された循環電流i1の電流値と向き、及び組電池BP2に接続されている電流センサ40で測定された循環電流i2の電流値と向きを計測制御部32で取得する(ステップS102)。
【0068】
次に蓄電池監視装置30は、取得した循環電流i1の電流値及び向きと、取得した循環電流i2の電流値及び向きに基づいて、蓄電池10の劣化を蓄電池状態判定部33で判定する。具体的には、蓄電池監視装置30は、まず、循環電流i1の電流値と、循環電流i2の電流値の和が予め定められた第1閾値以下であるか判定する(ステップS103)。第1閾値は、予め設定部31で設定されている。
【0069】
蓄電池10が劣化して組電池BP1と組電池BP2との間で循環電流が発生している場合、循環電流i1と循環電流i2は、値が等しく極性が逆となるため、循環電流i1と循環電流i2の和は0となり、蓄電池監視装置30は、第1閾値以下であると判定する(ステップS103でYES)。なお、蓄電池監視装置30は、ステップS103でNOと判定した場合、処理の流れをステップS101へ戻す。
【0070】
蓄電池監視装置30は、循環電流i1の電流値と、循環電流i2の電流値の和が予め定められた第1閾値以下である場合、循環電流i1の電流値の絶対値と、循環電流i2の電流値の絶対値に基づいて、蓄電池10の劣化を判定する(ステップS104)。具体的には、蓄電池監視装置30は、循環電流i1の電流値の絶対値と、循環電流i2の電流値の絶対値がいずれも予め定められた第2閾値以上であるか判定する。第2閾値は、予め設定部31で設定されている。蓄電池監視装置30は、循環電流i1の電流値の絶対値と、循環電流i2の電流値の絶対値がいずれも予め定められた第2閾値以上である場合(ステップS104でYES)、蓄電池10が劣化していると判定する(ステップS105)。なお、蓄電池監視装置30は、ステップS104でNOと判定した場合、処理の流れをステップS101へ戻す。
【0071】
本実施例によれば、直列の蓄電池列L11~L14、L21~L24のそれぞれに電流センサ40を設けなくても、蓄電池10の劣化の発生を検知することができる。
【0072】
なお、実施例5においては、
図14に示すように、交直変換装置(PCS)50と電流センサ40との間に、さらに、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11の間を切り離し状態とするスイッチ手段42を設けてもよい。スイッチ手段42のオン・オフによって、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間を、電気的に接続・切断状態とすることができる。
図14では、スイッチ手段42によって、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間が、電気的に切り離された状態となっている。
【0073】
交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11との間にスイッチ手段42が設けられていることにより、蓄電池10の充電停止時または放電停止時に蓄電池システム11の劣化を判定する際に、交直変換装置(PCS)50と蓄電池システム11の間を切り離し状態とすることができる。従って、交直変換装置(PCS)50の影響を防止した状態で循環電流を測定することができるので、蓄電池システム11の劣化判定精度がさらに向上する。なお、スイッチ手段42は、機械的なスイッチでもよく、また、半導体スイッチであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、蓄電池の劣化判定に使用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1、2、3、4 蓄電池システムの劣化判定装置
10 蓄電池
11 蓄電池システム
12 蓄電池列ブロック
20 蓄電池列
30 蓄電池監視装置
32 計測制御部
33 蓄電池状態判定部
40 電流センサ
80 電流センサ