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特許7618158テープ貼り付けシステム、テープ貼り付け方法、テープ剥がしシステム、およびテープ剥がし方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】テープ貼り付けシステム、テープ貼り付け方法、テープ剥がしシステム、およびテープ剥がし方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20250114BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 C
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020135187
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030877
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】301011327
【氏名又は名称】株式会社アイエスエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢也
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓未
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 真人
(72)【発明者】
【氏名】南雲 大輔
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-069782(JP,A)
【文献】特開2009-094355(JP,A)
【文献】特開2013-219069(JP,A)
【文献】特開2019-021847(JP,A)
【文献】特開2018-043340(JP,A)
【文献】特開2015-224300(JP,A)
【文献】特開2016-152317(JP,A)
【文献】特開2011-077150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付け装置を備え、
前記テープ貼り付け装置は、
前記基板を回転可能に保持する貼り付け用基板保持部と、
前記保護テープを前記基板の外周側面に押し付けるサイドローラーと、
前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第1の面に貼り付ける第1のローラーと、
前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第2の面に貼り付ける第2のローラーと、
前記第2のローラーに連結されたローラー駆動モータと、
前記第1のローラーおよび前記第2のローラーに前記基板の周縁部を挟ませる挟み込み機構と、を備え、
前記テープ貼り付け装置は、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーによって、前記貼り付け用基板保持部に保持された前記基板の周縁部を挟み込みながら、前記ローラー駆動モータによって前記第2のローラーを回転させることで、前記基板を回転させるように構成されている、テープ貼り付けシステム。
【請求項2】
前記第2のローラーは、前記第1のローラーの下方に配置されている、請求項1に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項3】
前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、それらの先端に向かうにつれて徐々に断面積が小さくなるテーパー形状を有しており、
前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、前記先端が前記基板の表面に向かうように傾いて配置されている、請求項1または2に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項4】
前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、ゴムから構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項5】
前記テープ貼り付け装置は、前記基板の周縁部に貼り付けられた前記保護テープを加熱するテープ加熱装置をさらに備えている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項6】
前記基板を前記テープ貼り付け装置に搬送する搬送ロボットをさらに備え、
前記搬送ロボットは、ベルヌーイの定理を利用して前記基板を保持するベルヌーイハンドを備えている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項7】
前記テープ貼り付け装置は、複数のテープ貼り付け装置であり、
前記複数のテープ貼り付け装置は、上下方向または水平方向に並んで配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項8】
前記基板の周縁部から前記保護テープを剥がすテープ剥がし装置をさらに備え、
前記テープ剥がし装置は、
前記基板を保持して回転させる剥がし用基板保持部と、
回転している前記基板から保護テープを剥離させるテープ剥離ユニットと、
前記基板の周縁部に貼り付けられた保護テープに紫外線を照射するUV照射モジュールと、を備えている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項9】
前記テープ剥がし装置は、前記テープ貼り付け装置の下方に配置されている、請求項8に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項10】
前記テープ剥がし装置は、複数のテープ剥がし装置であり、
前記複数のテープ剥がし装置は、水平方向に並んで配置されている、請求項9に記載のテープ貼り付けシステム。
【請求項11】
基板の周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付け方法であって、
貼り付け用基板保持部によって前記基板を回転可能に保持し、
前記保護テープを前記基板の外周側面に押し付け、
前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第1の面および第2の面にそれぞれ貼り付ける第1のローラーおよび第2のローラーによって、前記基板の周縁部を挟み込みながら、前記第2のローラーに連結されたローラー駆動モータによって前記第2のローラーを回転させることで、前記基板を回転させ、
前記第1のローラーによって、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第1の面に貼り付け、
前記第2のローラーによって、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第2の面に貼り付ける、テープ貼り付け方法。
【請求項12】
前記基板の周縁部に貼り付けられた前記保護テープを加熱する工程をさらに含む、請求項11に記載のテープ貼り付け方法。
【請求項13】
前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板の周縁部から前記保護テープを剥がす工程をさらに含む、請求項11または12に記載のテープ貼り付け方法。
【請求項14】
基板の周縁部から保護テープを剥がすテープ剥がし装置を備え、
前記テープ剥がし装置は、
前記基板を保持して回転させる剥がし用基板保持部と、
回転している前記基板から保護テープを剥離させるテープ剥離ユニットと、
前記基板の周縁部に貼り付けられた保護テープに紫外線を照射するUV照射モジュールと、を備え
前記テープ剥離ユニットは、
前記保護テープの終端突出部を把持する一対のチャッキング部材と、
前記保護テープを前記基板から剥がしながら、該基板の回転速度と同期した速度で前記保護テープを送り出す一対のテープ送りローラーと、
前記一対のテープ送りローラーから送り出された保護テープを巻き取る巻き取りローラーと、を含む、テープ剥がしシステム。
【請求項15】
前記UV照射モジュールは、
紫外線を照射するUV照射装置と、
前記基板を保持するUV照射用基板保持部と、
前記UV照射装置に連結されたカップ状の遮光カバーと、をさらに備え、
前記遮光カバーは、前記基板の全体を覆うことが可能に形成されている、請求項14に記載のテープ剥がしシステム。
【請求項16】
前記UV照射用基板保持部は、
前記基板を保持して回転させる基板保持装置と、
前記基板保持装置を上下動させる昇降機構と、を備え、
前記遮光カバーは、前記基板保持装置の上方に配置されており、かつ下方に開口している、請求項15に記載のテープ剥がしシステム。
【請求項17】
前記基板を前記テープ剥がし装置に搬送する搬送ロボットをさらに備え、
前記搬送ロボットは、ベルヌーイの定理を利用して前記基板を保持するベルヌーイハンドを備えている、請求項14乃至16のいずれか一項に記載のテープ剥がしシステム。
【請求項18】
前記UV照射モジュールは、
前記基板を保持する基板ステージと、
前記基板ステージ上の前記基板の周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する複数の照射ヘッドを備えており、
前記複数の照射ヘッドは、前記基板ステージ上の前記基板の周縁部に沿って配列されており、かつ前記基板ステージの基板保持面に対して垂直に配置されている、請求項14に記載のテープ剥がしシステム。
【請求項19】
基板の周縁部から保護テープを剥がすテープ剥がし方法であって、
前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板の周縁部から前記保護テープを剥離させる工程と、を備え
前記基板の周縁部から前記保護テープを剥離させる工程は、
前記保護テープの終端突出部を一対のチャッキング部材により把持する工程と、
前記保護テープを前記基板から剥がしながら、一対のテープ送りローラーによって、前記基板の回転速度と同期した速度で前記保護テープを送り出す工程と、
前記一対のテープ送りローラーから送り出された保護テープを、巻き取りローラーによって巻き取る工程と、を含む、テープ剥がし方法。
【請求項20】
前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程は、遮光カバーによって前記基板の全体を覆いながら、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程である、請求項19に記載のテープ剥がし方法。
【請求項21】
前記遮光カバーによって前記基板の全体を覆いながら、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程は、前記基板を回転させながら前記保護テープに紫外線を照射する工程を含む、請求項20に記載のテープ剥がし方法。
【請求項22】
前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程は、基板ステージ上の前記基板の周縁部に沿って配列された複数の照射ヘッドから前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程であり、
前記複数の照射ヘッドは、前記基板ステージの基板保持面に対して垂直に配置されている、請求項19に記載のテープ剥がし方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハなどの基板の周縁部を保護する保護テープを貼るためのテープ貼り付けシステムおよびテープ貼り付け方法に関する。また、本発明は、ウェハなどの基板の周縁部に貼り付けられた保護テープを剥がすためのテープ剥がしシステムおよびテープ剥がし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ウェハの表面に形成されたデバイスを保護するために、ウェハの表面全体に保護膜を貼り付けることが行われている。また、ウェハの裏面を薬液(例えば、めっき液、洗浄液)メタルコンタミから保護するために、ウェハの裏面(デバイスが形成されている面とは反対側の面)の全面に保護膜が貼り付けられることもある。例えば、めっき工程では、ウェハの裏面に保護膜を貼付したウェハがめっき液に浸漬され、この状態でウェハのめっきが行われる。
【0003】
しかしながら、ウェハの処理中に裏面保護膜の外周部からの剥がれによる保護膜の浮き上がりが発生することがある。例えば、めっき液はある処理温度まで加温されているため、保護膜の接着剤の粘着力が弱まり、保護膜の外周部がウェハから剥がれ、浮き上がることがある。保護膜の外周部が剥がれると、めっき液がウェハの裏面と保護膜との隙間に浸入してしまう。その結果、めっき液に含まれる金属イオンがシリコンから成るウェハの裏面に付着して、ウェハ内に拡散し、デバイスの性能不良を引き起こしてしまうという問題があった。そのため、最近では、ウェハの表面および裏面のみならず、保護テープなどにより、ウェハの周縁部を保護する要請がある。
【0004】
例えば、ウェハ裏面の中心部のみを研磨(研削)して薄くした、いわゆるTAIKO(登録商標)ウェハのめっき工程では、めっき液(洗浄液を含む)がまわり込まないようにウェハの裏面に保護膜を貼り付ける。しかしながら、TAIKOウェハのエッジ形状により外周部からの保護膜の剥がれや、浮き上がりが起きやすく、めっき液のウェハ裏面への侵入による歩留まり低下をおこしていた。このめっき液侵入を防止し安定したプロセスを進めるためウェハの周縁部(ベベル部及びエッジ上下面約3mm)を保護テープ(テープ幅;約6mm)で覆うことが必要となった。
【0005】
保護テープが貼り付けられたウェハのめっき処理やドライエッチングなどの各種処理が終了した後、保護テープは、ウェハから剥がされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6340249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
世界的な電動化シフトが進んでいる自動車業界からの要請もあり、ウェハの大口径化へのシフト要請が顕著になってきている。ウェハの周縁部に保護テープを貼り付けるプロセスや、保護テープを貼り付ける装置についてもウェハの大口径化(例えば、直径300mm)への対応が課題となっており、ウェハが大口径化した場合でも、ウェハに損傷を与えずに保護テープを張り付けることへの要請が高まっている。
【0008】
また、最近では、スループット向上や歩留まり向上の観点から、保護テープを剥がす時間の短縮や、保護テープを剥がした後、保護テープの粘着剤の一部がウェハに残ること(糊残り)を防止することへの要請が高まりつつある。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ウェハなどの基板の損傷を防止しながら、基板の周縁部に基板の周縁部を保護する保護テープを貼ることができるテープ貼り付けシステムおよびテープ貼り付け方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、保護テープを剥がす時間を短縮することや、保護テープの糊残りを防止することができるテープ剥がしシステムおよびテープ剥がし方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、基板の周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付け装置を備え、前記テープ貼り付け装置は、前記基板を回転可能に保持する貼り付け用基板保持部と、前記保護テープを前記基板の外周側面に押し付けるサイドローラーと、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第1の面に貼り付ける第1のローラーと、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第2の面に貼り付ける第2のローラーと、前記第2のローラーに連結されたローラー駆動モータと、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーに前記基板の周縁部を挟ませる挟み込み機構と、を備え、前記テープ貼り付け装置は、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーによって、前記貼り付け用基板保持部に保持された前記基板の周縁部を挟み込みながら、前記ローラー駆動モータによって前記第2のローラーを回転させることで、前記基板を回転させるように構成されている、テープ貼り付けシステムが提供される。
【0011】
一態様では、前記第2のローラーは、前記第1のローラーの下方に配置されている。
一態様では、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、それらの先端に向かうにつれて徐々に断面積が小さくなるテーパー形状を有しており、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、前記先端が前記基板の表面に向かうように傾いて配置されている。
一態様では、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーは、ゴムから構成されている。
一態様では、前記テープ貼り付け装置は、前記基板の周縁部に貼り付けられた前記保護テープを加熱するテープ加熱装置をさらに備えている。
一態様では、前記テープ貼り付けシステムは、前記基板を前記テープ貼り付け装置に搬送する搬送ロボットをさらに備え、前記搬送ロボットは、ベルヌーイの定理を利用して前記基板を保持するベルヌーイハンドを備えている。
一態様では、前記テープ貼り付け装置は、複数のテープ貼り付け装置であり、前記複数のテープ貼り付け装置は、上下方向または水平方向に並んで配置されている。
一態様では、前記テープ貼り付けシステムは、前記基板の周縁部から前記保護テープを剥がすテープ剥がし装置をさらに備え、前記テープ剥がし装置は、前記基板を保持して回転させる剥がし用基板保持部と、回転している前記基板から保護テープを剥離させるテープ剥離ユニットと、前記基板の周縁部に貼り付けられた保護テープに紫外線を照射するUV照射モジュールと、を備えている。
一態様では、前記テープ剥がし装置は、前記テープ貼り付け装置の下方に配置されている。
一態様では、前記テープ剥がし装置は、複数のテープ剥がし装置であり、前記複数のテープ剥がし装置は、水平方向に並んで配置されている。
【0012】
一態様では、基板の周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付け方法であって、貼り付け用基板保持部によって前記基板を回転可能に保持し、前記保護テープを前記基板の外周側面に押し付け、前記第1のローラーおよび前記第2のローラーによって、前記基板の周縁部を挟み込みながら、前記第2のモータに連結されたローラー駆動モータによって前記第2のローラーを回転させることで、前記基板を回転させ、前記第1のローラーによって、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第1の面に貼り付け、前記第2のローラーによって、前記保護テープをその長手方向に沿って折り曲げ、前記保護テープの折り曲げられた部分を前記基板の周縁部の第2の面に貼り付ける、テープ貼り付け方法が提供される。
【0013】
一態様では、前記テープ貼り付け方法は、前記基板の周縁部に貼り付けられた前記保護テープを加熱する工程をさらに含む。
一態様では、前記テープ貼り付け方法は、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程と、前記基板を回転させながら、前記基板の周縁部から前記保護テープを剥がす工程をさらに含む。
【0014】
一態様では、基板の周縁部から保護テープを剥がすテープ剥がし装置を備え、前記テープ剥がし装置は、前記基板を保持して回転させる剥がし用基板保持部と、回転している前記基板から保護テープを剥離させるテープ剥離ユニットと、前記基板の周縁部に貼り付けられた保護テープに紫外線を照射するUV照射モジュールと、を備えている、テープ剥がしシステムが提供される。
【0015】
一態様では、前記UV照射モジュールは、紫外線を照射するUV照射装置と、前記基板を保持するUV照射用基板保持部と、前記UV照射装置に連結されたカップ状の遮光カバーと、をさらに備え、前記遮光カバーは、前記基板の全体を覆うことが可能に形成されている。
一態様では、前記UV照射用基板保持部は、前記基板を保持して回転させる基板保持装置と、前記基板保持装置を上下動させる昇降機構と、を備え、前記遮光カバーは、前記基板保持装置の上方に配置されており、かつ下方に開口している。
一態様では、前記テープ剥がしシステムは、前記基板を前記テープ剥がし装置に搬送する搬送ロボットをさらに備え、前記搬送ロボットは、ベルヌーイの定理を利用して前記基板を保持するベルヌーイハンドを備えている。
【0016】
一態様では、基板の周縁部から保護テープを剥がすテープ剥がし方法であって、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程と、前記基板を回転させながら、前記基板の周縁部から前記保護テープを剥離させる工程と、を備えている、テープ剥がし方法が提供される。
【0017】
一態様では、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程は、遮光カバーによって前記基板の全体を覆いながら、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程である。
【0018】
一態様では、前記遮光カバーによって前記基板の全体を覆いながら、前記周縁部に貼り付けられた前記保護テープに紫外線を照射する工程は、前記基板を回転させながら前記保護テープに紫外線を照射する工程を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基板を回転させる力は基板の周縁部に加えられるので、基板の回転方向の力が加えられる場所と、保護テープが押し付けられる場所との基板の半径方向における距離を近付けることができる。これにより、ウェハWに与える負荷を軽減し、ウェハWの損傷を防止することができる。
また、本発明によれば、UV硬化型粘着層を有する保護テープに紫外線を照射することによって、粘着層が硬化し、保護テープが剥がれやすくなる。結果として、保護テープを剥がす時間を短縮することや、糊残りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1(a)および図1(b)は、ウェハの周縁部を説明するための拡大断面図である。
図2】ウェハの一実施形態を示す拡大断面図である。
図3】テープ貼り付けシステムの一実施形態を模式的に示す平面図である。
図4図3のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。
図5】テープ貼り付けモジュールを示す模式図である。
図6図6(a)は貼り付け用基板保持部の側面図であり、図6(b)は貼り付け用基板保持部の平面図である。
図7】繰り出しローラーの他の実施形態を示す模式図である。
図8図8(a)乃至図8(c)は、テープ保持ヘッドで保護テープの始端をウェハの外周側面に貼り付ける工程を示した斜視図である。
図9】第1のローラー、第2のローラー、および挟み込み機構を示す模式図である。
図10】第1のローラーおよび第2のローラーによってウェハおよび保護テープが挟まれている状態を示す拡大図である。
図11】第1のローラー、第2のローラー、ウェハ、基板ステージ、およびシャフトが回転している様子を示す図である。
図12図12(a)乃至図12(c)は、保護テープがウェハの周縁部に貼り付けられる様子を示した斜視図である。
図13】保護テープがウェハの周縁部に貼り付けられる様子を示した側面図である。
図14】テープカッターにより切断された保護テープの終端突出部を示した図である。
図15】ベルヌーイハンドの模式図である。
図16】テープ剥がしシステムの一実施形態を模式的に示す平面図である。
図17図16のテープ剥がしシステムを模式的に示す側面図である。
図18】テープ剥がしモジュールを示す模式図である。
図19】剥がし用基板保持部の側面図である。
図20】テープ剥離ユニットを示す模式図である。
図21図21(a)および図21(b)は、保護テープがウェハから剥離される様子を示した図である。
図22】UV照射モジュールを示す模式図である。
図23】センタリング機構を示す模式図である。
図24】遮光カバーの斜視図である。
図25】ウェハが遮光カバーの内部空間に位置している状態を示す模式図である。
図26】テープ処理システムの一実施形態を示す模式図である。
図27】テープ剥がしシステムの他の実施形態を示す模式図である。
図28】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す平面図である。
図29図28のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。
図30】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す側面図である。
図31】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す側面図である。
図32】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す平面図である。
図33図32のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。
図34】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す平面図である。
図35図34のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。
図36】テープ貼り付けシステムの他の実施形態を模式的に示す平面図である。
図37図36のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係るテープ貼り付けシステムおよびテープ剥がしシステムについて図面を参照しながら説明する。
テープ貼り付けシステムは、ウェハなどの基板の周縁部に保護テープを貼り付け、保護テープで基板の周縁部を保護するためのシステムである。テープ剥がしシステムは、ウェハなどの基板の周縁部に貼り付けられた保護テープを剥がすためのシステムである。保護テープの一例としてマスキングテープが挙げられる。本明細書では、基板の周縁部を、基板の最外周に位置するベベル部と、このベベル部の半径方向内側に位置するトップエッジ部およびボトムエッジ部とを含む領域として定義する。
【0022】
図1(a)および図1(b)は、基板の一例であるウェハの周縁部を説明するための拡大断面図である。より詳しくは、図1(a)はいわゆるストレート型のウェハWの断面図であり、図1(b)はいわゆるラウンド型のウェハWの断面図である。図1(a)のウェハWにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、および側部(アペックス)Rから構成される最も外側の部分(符号Bで示す)である。図1(b)のウェハWにおいては、ベベル部は、ウェハWの最も外側に位置する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部は、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E1である。ボトムエッジ部は、トップエッジ部とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E2である。
【0023】
これらベベル部B、トップエッジ部E1、およびボトムエッジ部E2を、総称して周縁部と称する。周縁部は、デバイスが形成された領域を含むこともある。以下の説明において、ウェハWの周縁部の外周側面とはベベル部Bの表面をいい、ウェハWの周縁部の上面はトップエッジ部E1の表面をいい、ウェハWの周縁部の下面はボトムエッジ部E2の表面をいう。
【0024】
図2は、ウェハWの一実施形態を示す拡大断面図である。図2に示すウェハWは、ウェハWの裏面の中心部(ボトムエッジ部E2よりもウェハWの半径方向内側の領域)が周縁部よりも薄くなっている、いわゆるTAIKO(登録商標)ウェハである。一実施形態では、ボトムエッジ部E2の半径方向の長さt1は3mm~5mmであり、中心部の厚さt2は50μmである。本実施形態では、ウェハWとしてTAIKOウェハが使用されるが、ウェハWは、図面を見やすくするため中心部が研削されていないウェハとして図面に描かれることがある。ウェハWはTAIKOウェハに限定されず、TAIKOウェハ以外のウェハ(上述のように中心部が研削されていない一般的なウェハ)であってもよい。
【0025】
図3は、テープ貼り付けシステムの一実施形態を模式的に示す平面図であり、図4は、図3のテープ貼り付けシステムを模式的に示す側面図である。テープ貼り付けシステム1は、基板の一例であるウェハWの周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付け装置10と、ウェハWをテープ貼り付け装置10に搬送する搬送ロボット13と、多数のウェハが収容されたウェハカセット(基板カセット)が載置される複数のロードポート5と、電源制御部3を備えている。
【0026】
電源制御部3は、図示しない電源と、テープ貼り付け装置10および搬送ロボット13の動作を制御する動作制御部4とを備えている。テープ貼り付け装置10および搬送ロボット13は動作制御部4に電気的に接続されている。動作制御部4は、テープ貼り付け装置10の各構成要素および搬送ロボット13に指令を発し、テープ貼り付け装置10の各構成要素および搬送ロボット13の動作を制御する。
【0027】
動作制御部4は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。動作制御部4は、プログラムが格納された記憶装置4aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する処理装置4bを備えている。記憶装置4aは、RAMなどの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。処理装置4bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、動作制御部4の具体的構成はこの例に限定されない。
【0028】
ロードポート5には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIF、FOUPは、内部に基板カセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。搬送ロボット13は、ロードポート5と、テープ貼り付け装置10との間でウェハWを搬送する。また、搬送ロボット13は、後述するテープ貼り付けモジュール20と、テープ加熱装置15との間でウェハWを搬送する。
【0029】
図4に示すように、テープ貼り付けシステム1は、隔壁6と換気機構8をさらに備えている。隔壁6の内部空間は処理室7を構成している。テープ貼り付け装置10および搬送ロボット13は処理室7内に配置されている。隔壁6には図示しない扉が設けられており、この扉を通じてウェハWを処理室7内に搬入し、かつ処理室7から搬出することが可能となっている。
【0030】
隔壁6の上部には、クリーンエア取入口6aが形成されており、テープ貼り付け装置10の下方(隔壁6の下部)には、空間内の塵やパーティクルを吸い込んで排気する局所排気装置9が形成されている。換気機構8は隔壁6の上面に設置されている。この換気機構8は、ファン8Aと、このファン8Aから送られた空気中のパーティクルや粉塵を除去するフィルター8Bとを備えている。換気機構8は、清浄な空気をクリーンエア取入口6aを通じて処理室7に送り込み、処理室7内の気体を局所排気装置9から排出させる。これにより、処理室7内には清浄な空気のダウンフローが形成される。その結果、空間内の塵やパーティクルは局所排気装置9から排出される。結果として、パーティクルの舞い上がりによるウェハWの表面の汚染や、ウェハWの周縁部への塵の付着を防止することができる。
【0031】
テープ貼り付け装置10は、ウェハWを回転させてウェハWの周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付けモジュール20と、テープ貼り付けモジュール20によってウェハWの周縁部に貼り付けられた保護テープを加熱する複数のテープ加熱装置15を備えている。
【0032】
図5は、テープ貼り付けモジュール20を示す模式図である。テープ貼り付けモジュール20は、ウェハWを回転可能に保持する貼り付け用基板保持部21と、ウェハWを回転させながらウェハWの周縁部に保護テープを貼り付けるテープ貼り付けユニット28とを備えている。図5に示されるように、テープ貼り付けユニット28は、基板ステージ22(図6に図示する)に保持されたウェハWを図中の矢印で示す方向に回転させながら、保護テープ27をウェハWの周縁部に貼り付ける。本実施形態では、ウェハWの裏面(下面)には保護膜38(図10に図示する)が貼り付けられており、保護テープ27は、ウェハWの下面に貼り付けられた保護膜38の外周部およびウェハWの周縁部全体を覆うようにウェハWの周縁部に貼り付けられる。保護膜38の外周部は、ウェハWの周縁部の下面の少なくとも一部を構成する。本実施形態では、ウェハWは保護膜38を含む。
【0033】
図6(a)および図6(b)は、貼り付け用基板保持部21を示す図である。より具体的には、図6(a)は貼り付け用基板保持部21の側面図であり、図6(b)は貼り付け用基板保持部21の平面図である。図6(a)に示すように、貼り付け用基板保持部21は、ウェハWを水平に保持する基板ステージ22と、基板ステージ22の下面の中央部に固定されるシャフト23と、シャフト23を回転可能に支持するシャフト支持部25とを備えている。基板ステージ22は、図示しない真空源に接続されており、この真空源によって発生される真空吸引力により、ウェハWが基板ステージ22の上面(すなわち基板保持面)に保持される。これにより、ウェハWのずれや、浮き上がりを防止することができる。
【0034】
シャフト23は、基板ステージ22に周方向の力が加わることで、基板ステージ22と共にその軸心を中心に回転するように構成されている。具体的には、ウェハWが基板ステージ22に保持された状態でウェハWに回転方向(例えば、図5の矢印で示す方向)の力が加わると、シャフト23は、基板ステージ22およびウェハWと共にその軸心を中心に回転する。本実施形態では、シャフト支持部25は、モータであり、シャフト支持部25は、図示しない回転軸を有している。シャフト23は、シャフト支持部25の回転軸に連結されている。シャフト支持部25の回転軸は、シャフト支持部25の運転が停止している状態で、外側から回転方向の力を加えられることで、回転するように構成されている。
【0035】
シャフト支持部25を駆動させると、シャフト23がその軸心を中心に回転し、それに伴って、基板ステージ22および該基板ステージ22上のウェハWが回転するが、貼り付け工程中、シャフト支持部25の運転は停止している。シャフト支持部25は、本実施形態に限定されない。一実施形態では、シャフト支持部25は、モータではなく、シャフト23を回転可能に支持する軸受を備えていてもよい。
【0036】
貼り付け用基板保持部21は、図6(b)に示すように、真空吸引力によりウェハWを基板ステージ22に保持する前に、ウェハWをセンタリングするセンタリング機構26をさらに備えている。センタリング機構26は、ウェハWの周方向に沿って等間隔に配置された複数の(図示した例では3つの)センタリングフィンガー32から構成される。センタリングフィンガー32は、その先端部にウェハWの周縁部に接触可能な2本の突出部(フィンガー部)33を有している。また、センタリングフィンガー32は、図示しない移動機構(例えば、エアシリンダ)により、ウェハWの中心に向かって前進およびウェハWから後退できるように構成されている。センタリングフィンガー32がウェハWの中心に向かって前進すると、突出部33がウェハWの周縁部に接触し、この突出部33によって、ウェハWは、当該ウェハWの中心に向かって押圧される。3つのセンタリングフィンガー32をウェハWの中心に向けて同時に移動させると、ウェハWの周縁部が3方向から同時にウェハWの中心に向けて押圧される。これにより、ウェハWのセンタリングが行われる。ウェハWのセンタリングが完了すると、シャフト23の中心とウェハWの中心とが同軸上に位置することになる。
【0037】
また、貼り付け用基板保持部21は、ウェハWのノッチを検出することができるノッチ検出機構24をさらに備えている。ノッチ検出機構24を用いてウェハWのノッチを検出することにより、ウェハWの回転位置の基準が明確になるので、後述する保護テープをウェハに貼り始める位置や、貼り終わる位置を所望の位置に決定することができる。シャフト支持部25は、ウェハWのノッチを検出するために、シャフト23を回転させる。
【0038】
図5に戻って、テープ貼り付けユニット28に供給される保護テープ27は、繰り出しローラー30に保持されている。繰り出しローラー30から繰り出された保護テープ27は、複数のローラーを有するテンションユニット31を通過し、その間に、テンションユニット31によって保護テープ27に所望のテンションが与えられる。すなわち、保護テープ27は、所望のテンションが与えられた状態でウェハWの周縁部に貼り付けられる。テンションユニット31を通過した保護テープ27は、ガイドローラー34を経由してテープ貼り付けユニット28に供給される。保護テープ27の接着面に貼られているセパレーションフィルム29は、保護テープ27がガイドローラー34を通過すると同時に保護テープ27から剥離され、フィルム巻き取りローラー35に巻き取られる。
【0039】
保護テープ27は、柔軟な基材テープと、基材テープの片面に形成された粘着層とを備えている。基材テープの材料としては、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレン(PET)、あるいはポリイミドなどの合成樹脂が使用できる。上記粘着層は、粘着剤を有している。保護テープ27の厚さは、例えば、60μm~80μmである。一実施形態では、粘着層の粘着剤は、UV硬化型の粘着剤である。以下、UV硬化型の粘着剤を有する粘着層を、UV硬化型粘着層と呼ぶことがある。
【0040】
さらに一実施形態では、保護テープ27は、セパレーションフィルム29が貼られていないタイプのテープであってもよい。セパレーションフィルム29を無くすことで、保護テープ27全体の厚みが少なくなり、繰り出しローラー30の半径を小さくすることができる。また、フィルム巻き取りローラー35が不要になり、テープ貼り付け装置10を簡素化することができ、テープ貼り付けシステム1全体をコストダウンすることができる。セパレーションフィルム29が貼られていないタイプのテープの例として、熱硬化型の粘着層を備えたテープが挙げられる。さらに一実施形態では、セパレーションフィルム29の有無にかかわらずテープ貼り付け装置10を共通化するため、テープ貼り付けモジュール20は、セパレーションフィルム29の有無を検出するセンサを備えていてもよい。
【0041】
図7は、繰り出しローラー30の他の実施形態を示す模式図である。図7に示す繰り出しローラー30は、保護テープ27が巻き付けられる芯部133と、芯部133の両端部に設けられた支持面130,131を備えている。支持面130,131の半径は、芯部133の半径よりも大きい。支持面130,131は、フランジ130a,131aを有している。ウェハの大口径化(例えば直径300mmのウェハ)に伴い、繰り出しローラー30に保持される保護テープ27の長さが長くなる場合がある。このような場合、保護テープ27は、保護テープ27の幅方向にずれて繰り出しローラー30に巻き付けられることがある。本実施形態では、フランジ130a,131aによって、上述のずれを防止することができる。
【0042】
さらに一実施形態では、図7に示すように、支持面130,131の表面に、それぞれの支持面を表すマーキングをしてもよい。具体的には、支持面130には、支持面130を表すマーク135を記載し、支持面131には、マーク135とは異なる形状のマークを記載する。図7に示す例では、支持面130にはAという文字を記載し、支持面131にはBという文字(図示せず)を記載する。これにより、繰り出しローラー30の表面と裏面が明確になり、誤った向きに繰り出しローラー30を設置することを防止することができる。
【0043】
さらに一実施形態では、繰り出しローラー30に、ロット番号、製造年月日、使用期限、メーカー名等の識別情報を有するICチップなどの識別装置を埋め込んでもよく、テープ貼り付けモジュール20は、ICチップの識別情報を読み取る読み取り装置を備えていてもよい。繰り出しローラー30の設置時に読み取り装置で識別情報を読み取ることで、使用予定外の繰り出しローラー30(例えば、使用予定外の保護テープ27が保持された繰り出しローラーや、使用済みの繰り出しローラー)が設置されることを防止することができる。
【0044】
さらに一実施形態では、繰り出しローラー30の近傍に複数の繰り出しローラー30が収容されるストッカーを設けてもよい。これにより、繰り出しローラー30をスムーズに入れ替えることが可能となる。
【0045】
図5に戻って、テープ貼り付けユニット28は、保護テープ27の始端を保持して、該始端をウェハWの外周側面(図1(a)および図1(b)の符号B参照)に貼り付けるテープ保持ヘッド40と、ウェハWの表面と垂直な方向における保護テープ27の位置決めを行う位置決め部材としての位置決めローラー42と、保護テープ27をウェハWの外周側面に押し付けるサイドローラー43とを備えている。
【0046】
さらに、テープ貼り付けユニット28は、ウェハWの外周側面に押し付けられた保護テープ27をその長手方向に沿って折り曲げ、さらに保護テープ27の折り曲げられた部分をウェハWの周縁部の第1の面に貼り付ける第1のローラー46と、ウェハWの外周側面に押し付けられた保護テープ27をその長手方向に沿って折り曲げ、さらに保護テープ27の折り曲げられた部分をウェハWの周縁部の第2の面に貼り付ける第2のローラー47(図9に図示する)とを有している。第1のローラー46および第2のローラー47は、サイドローラー43に隣接して配置されている。本実施形態では、ウェハWの周縁部の第1の面は、ウェハWの周縁部の上面であり、ウェハWの周縁部の第2の面は、ウェハWの周縁部の下面である。
【0047】
第1のローラー46および第2のローラー47は、ウェハWの周縁部を上下から挟み込むように配置されている。本実施形態では、第2のローラー47は第1のローラー46の下方に配置されており、ウェハWの周縁部は、これら第1のローラー46と第2のローラー47の間に位置している。第1のローラー46の下方に第2のローラー47が位置しているため、図5では、第1のローラー46のみが示されている。
【0048】
テープ保持ヘッド40は、ヘッドアクチュエータとしての電動シリンダ41に連結されており、この電動シリンダ41によって、ウェハWの周縁部に近接および離間する方向に移動可能に構成される。テープ保持ヘッド40は、保護テープ27の始端を着脱自在に保持できるように構成されている。より具体的には、テープ保持ヘッド40は真空ライン39に接続されており、この真空ライン39によって発生される真空吸引力で保護テープ27の始端を保持することができるようになっている。
【0049】
図8(a)乃至図8(c)は、テープ保持ヘッド40で保護テープ27の始端をウェハWの外周側面に貼り付ける工程を示した斜視図である。テープ保持ヘッド40の前面には、ウェハWの表面と平行に延びるテープ保持溝40aが形成されている。このテープ保持溝40aの底面には、テープ保持ヘッド40が保護テープ27の始端を着脱可能に保持することを可能とする真空吸引口40bが形成されている。この真空吸引口40bは、上述した真空ライン39に連通している。
【0050】
テープ保持ヘッド40は次のように動作する。図8(a)に示すように、保護テープ27の始端がテープ保持ヘッド40に真空吸引によって保持される。次に、図8(b)に示されるように、電動シリンダ41(図5参照)を動作させて、保護テープ27の始端がウェハWの外周側面に接触するまで、テープ保持ヘッド40をウェハWの外周側面に向かって移動させる。次に、真空ライン39の真空吸引を遮断すると共に、テープ保持ヘッド40をウェハWの周縁部から離間させる。このようにテープ保持ヘッド40を動作させることで、図8(c)に示されるように、保護テープ27の始端がウェハWの外周側面に貼り付けられる。
【0051】
図5に示すように、位置決めローラー42およびサイドローラー43は、共通の支持台44に回転自在に固定されている。位置決めローラー42およびサイドローラー43の軸心は、ウェハWの表面と垂直な方向(すなわち鉛直方向)に延びている。支持台44は、ローラーアクチュエータとしてのエアシリンダ45に連結されている。
【0052】
エアシリンダ45を動作させると、位置決めローラー42およびサイドローラー43がウェハWの外周側面に向かって同時に移動する。位置決めローラー42とサイドローラー43の移動方向は、ウェハWの表面と平行な方向である。位置決めローラー42とサイドローラー43は、その移動方向に対して異なる位置に配置されている。したがって、図5に示すように、サイドローラー43は保護テープ27をウェハWの外周側面に押し付ける一方で、位置決めローラー42は保護テープ27の裏面(すなわち、粘着面とは反対の面)に接触するのみであり、保護テープ27をウェハWの外周側面に押し付けない。位置決めローラー42およびサイドローラー43は、それぞれ別々のエアシリンダに連結されていてもよい。
【0053】
テープ貼り付けユニット28は、第1のローラー46および第2のローラー47にウェハWの周縁部を挟ませる挟み込み機構60をさらに備えている。図9は、第1のローラー46、第2のローラー47、および挟み込み機構60を示す模式図である。第1のローラー46および第2のローラー47は、回転軸36および回転軸37にそれぞれ固定されている。回転軸36および回転軸37は、軸受57および軸受58によって回転可能に支持されている。第1のローラー46の軸心と回転軸36の軸心は一致しており、第1のローラー46は回転軸36の軸心を中心に回転可能に構成されている。第2のローラー47の軸心と回転軸37の軸心は一致しており、第2のローラー47は回転軸37の軸心を中心に回転可能に構成されている。
【0054】
テープ貼り付けユニット28は、第2のローラー47を回転させるローラー駆動モータ49をさらに備えている。回転軸37はローラー駆動モータ49に連結されている。第2のローラー47は、回転軸37を介してローラー駆動モータ49に連結されている。ローラー駆動モータ49を駆動させると、回転軸37が回転し、それに伴って、第2のローラー47が回転する。第1のローラー46は回転自在に構成されているが、モータのような回転駆動機は接続されていない。
【0055】
挟み込み機構60は、第1のローラー46および第2のローラー47を、ウェハWの周縁部に近接および離間する方向にそれぞれ移動させる移動機構61,62と、移動機構61,62にそれぞれ連結されたブリッジ63,64と、移動機構61とブリッジ63とを連結するばね66とを備えている。第1のローラー46および第2のローラー47は、挟み込み機構60に連結されている。具体的には、第1のローラー46は、回転軸36および軸受57を介してブリッジ63に接続されており、第2のローラー47は、回転軸37およびローラー駆動モータ49を介してブリッジ64に接続されている。移動機構61,62の位置は固定されている。
【0056】
移動機構61,62は、エアシリンダなどから構成されている。この移動機構61を動作させると、第1のローラー46は、回転軸36、軸受57、ブリッジ63、およびばね66と一体に第2のローラー47に近接および離間する方向(すなわち、ウェハWの周縁部に近接および離間する方向)に移動する。移動機構62を動作させると、第2のローラー47は、回転軸37、軸受58、ローラー駆動モータ49、およびブリッジ64と一体に第1のローラー46に近接および離間する方向(すなわち、ウェハWの周縁部に近接および離間する方向)に移動する。第1のローラー46および第2のローラー47の移動方向は、ウェハWの表面と垂直な方向である。一実施形態では、移動機構61,62は、サーボモータと、ボールねじ機構と、モータドライバとの組み合わせから構成されてもよい。移動機構61,62は、ローラー46,47を、ウェハWに接触するまでウェハWの周縁部に近接する方向に移動させる。これにより、第1のローラー46および第2のローラー47は、ウェハWの周縁部を挟み込む。
【0057】
第1のローラー46がウェハWに接触すると第1のローラー46、回転軸36、軸受57、ばね66、およびブリッジ63はそれ以上下降しなくなるが、この状態でさらに移動機構61を動作させる(ばね66に下向きの力を加える)と、ばね66に反発力が発生し、ばね66は上記反発力に相当する下向き(ウェハW方向)の力をブリッジ63に与える。このばね66が発生させる下向きの力は、回転軸36、軸受57を介して第1のローラー46に伝えられる。したがって、第1のローラー46は、上記下向きの力を含む押圧力でウェハWの周縁部を押す(または保護テープ27をウェハWの周縁部に押し付ける)。
【0058】
このような構成により、第1のローラー46および第2のローラー47は適切な力で上下からウェハWを挟むことができ、かつ保護テープ27をその長手方向に沿って折り曲げて、その折り曲げられた部分をウェハWの周縁部の上面および下面に押し付けることができる。ウェハWの周縁部を押す(または保護テープ27をウェハWの周縁部に押し付ける)押圧力は、例えば、エアシリンダなどから構成される移動機構61,62の空気圧を調整することで調整することができる。
【0059】
図10は、第1のローラー46および第2のローラー47によってウェハWおよび保護テープ27が挟まれている状態を示す拡大図である。ウェハWが貼り付け用基板保持部21に保持された状態で、第1のローラー46および第2のローラー47によって、ウェハWの周縁部を挟み込みながら(すなわち、第1のローラー46および第2のローラー47によってウェハWの周縁部の上面および下面を押しながら)、ローラー駆動モータ49を駆動して第2のローラー47を回転させると、第2のローラー47の回転に伴ってウェハW、第1のローラー46、基板ステージ22、およびシャフト23が回転する。第1のローラー46および第2のローラー47は、挟み込み機構60によって、適切な力で上下からウェハWを挟むことができるので、第2のローラー47によるウェハWの周縁部への送り動力(ウェハWを回転させる力)が的確に伝えられる。第1のローラー46、第2のローラー47、ウェハW、基板ステージ22、およびシャフト23が回転している様子を図11に示す。
【0060】
上述のように、保護テープ27は、テンションユニット31によって所望のテンションが与えられた状態でウェハWの周縁部に貼り付けられる。言い換えれば、保護テープ27は、サイドローラー43によってウェハWの周縁部に押し付けられながら、テンションユニット31によって、ウェハWの回転方向とは、逆方向に引っ張られる。これにより、保護テープ27が押し付けられる位置に、ウェハWの回転方向と逆方向の力が加わる。
【0061】
例えば、モータ等の駆動源に連結されていない第2のローラーに相当するローラーを有するテープ張り付け装置では、基板ステージに連結されたモータを駆動して、基板ステージを回転させることで基板ステージに保持されたウェハを回転させるが、この場合、ウェハを回転させる力は、保護テープが押し付けられる位置よりもウェハの半径方向内側に加えられる。その結果、ウェハの回転方向の力が加えられる場所と、保護テープが押し付けられる場所とのウェハの半径方向における距離が遠くなるので、ウェハには大きな負荷が加わる。
【0062】
このような装置では、ウェハが大口径化するほど、ウェハに回転方向の力が加わる場所と、保護テープが押し付けられる場所とのウェハの半径方向における距離が遠くなる。したがって、大口径ウェハの保護テープ貼り付けプロセスに、上述したテープ貼り付け装置(モータ等の駆動源に連結されていない第2のローラーに相当するローラーを有するテープ張り付け装置)を適用した場合、ウェハに損傷を与える可能性がある。例えば、直径200mmのTAIKOウェハと同じ厚さ(50μm以下)で大口径化したTAIKOウェハ(例えば、直径300mmのウェハ)に、上述したテープ貼り付け装置(モータ等の駆動源に連結されていない第2のローラーに相当するローラーを有するテープ張り付け装置)を適用した場合、TAIKOウェハの中心部分とエッジの境界部に応力集中が起こりウェハの機械的強度が損なわれ、ウェハが破損するリスクが高くなる。
【0063】
本実施形態によれば、ウェハWを回転させる力は、ウェハWの周縁部に加えられるので、ウェハWの回転方向の力が加えられる場所と、保護テープが押し付けられる場所とのウェハWの半径方向における距離を近付けることができる。これにより、ウェハWに与える負荷が軽減され、ウェハWの損傷を防止することができる。また、本実施形態では、ローラー46、47は、サイドローラー43に隣接して配置されているので、ウェハWの回転方向の力が加えられる場所と、保護テープが押し付けられる場所を近付けることができる。これにより、ウェハWに与える負荷をさらに軽減することができる。
【0064】
本実施形態では、第2のローラー47は第1のローラー46の下方に配置されているので、ローラー駆動モータ49からの発塵がウェハWの表面に落下してウェハWの表面を汚染させることを防ぐことができる。一実施形態では、第2のローラー47が、第1のローラー46の上方に配置され、これら第1のローラー46と第2のローラー47の間にウェハWの周縁部が位置していてもよい。この場合、ウェハWの周縁部の第1の面は、ウェハWの周縁部の下面となり、ウェハWの周縁部の第2の面は、ウェハWの周縁部の上面となる。
【0065】
第1のローラー46、回転軸36、軸受57、第2のローラー47、回転軸37、軸受58、およびローラー駆動モータ49は、ウェハWを回転させる回転装置48を構成している。
【0066】
上述のように、保護テープ27は、テンションユニット31によって所望のテンションが与えられた状態でウェハWの周縁部に貼り付けられる。言い換えれば、保護テープ27がウェハWの周縁部に押し付けられているとき、テンションユニット31は、保護テープ27をウェハWの接線方向に引っ張っている。本実施形態では、第1のローラー46および第2のローラーはゴムから構成されている。第1のローラー46および第2のローラー47の材質をゴムとすることにより、保護テープ27が引っ張られてずれることを防止することができる。このようなゴムの例として、ウレタンゴムやシリコンゴムが挙げられる。
【0067】
ウェハWの表面と垂直な方向(基板ステージ22の基板保持面と垂直な方向)から見たとき、ローラー46,47の軸心および回転軸36,37の軸心は、ウェハWの半径方向に延びているが(図5参照)、ローラー46,47の軸心および回転軸36,37の軸心は、ウェハWの表面と垂直な方向に傾いて配置されている。具体的には、ローラー46,47、回転軸36,37、およびローラー駆動モータ49は、ローラー46,47の先端がウェハWの表面に向かうように傾いて配置されている。第1のローラー46および第2のローラー47は、先端に向かうにつれて徐々に断面積が小さくなるテーパー形状を有している。このような構成によれば、ウェハWの半径方向内側に向かうほど、ローラー46、47の断面の円周は短くなる。結果として、保護テープ27が捻れて貼り付けられることを抑制することができる。
【0068】
位置決めローラー42およびサイドローラー43は回転自在に構成されているが、モータのような回転駆動機は接続されていない。したがって、これらローラー42,43は、ウェハWの回転によって移動する保護テープ27との接触によって回転される。
【0069】
次に、テープ貼り付けユニット28の動作について説明する。まず、図8(a)乃至図8(c)に示すように、保護テープ27の始端がテープ保持ヘッド40によりウェハWの外周側面に貼り付けられる。次に、サイドローラー43がウェハWの外周側面に接触するまで、位置決めローラー42およびサイドローラー43をウェハWに向かって移動させる。そして、外周側面に保護テープ27の始端が貼り付けられた状態で、挟み込み機構60によって第1のローラー46および第2のローラー47を互い近接する方向に移動させ、ローラー46,47によってウェハWを所望の力で挟み込む。そして、ローラー46,47によってウェハWを挟み込みながらローラー駆動モータ49を駆動する。その結果、ウェハWはその軸心を中心として回転する。図12(a)に示すように、位置決めローラー42は、保護テープ27の進行方向においてサイドローラー43の上流側に配置されている。したがって、保護テープ27は、位置決めローラー42およびサイドローラー43の順にガイドされる。
【0070】
保護テープ27はその上下方向の位置が位置決めローラー42によって固定される。すなわち、位置決めローラー42は、その中央部がくびれたドラム形状を有しており、このくびれた部分で保護テープ27がガイドされることで保護テープ27の上下方向の位置決めがなされる。位置決めローラー42を通過した保護テープ27は、サイドローラー43によって所定の力でウェハWの外周側面に押し付けられ、これにより保護テープ27はウェハWの外周側面に貼り付けられる。
【0071】
サイドローラー43は、弾性を有する材料、例えばウレタンゴムから構成されており、サイドローラー43が所定の力で保護テープ27をウェハWの外周側面に押し付けると、サイドローラー43の外周面がウェハWの周縁部の形状に沿って窪む。その結果、図12(b)に示すように、サイドローラー43の窪んだ外周面に倣って、保護テープ27の全体がウェハWの半径方向内側に撓められる。
【0072】
ウェハWの回転に伴って保護テープ27は、第1のローラー46および第2のローラー47に到達する。サイドローラー43によって撓められた保護テープ27は、第1のローラー46および第2のローラー47によって所定の力で挟み込まれる。図12(b)および図13に示すように、第1のローラー46により、保護テープ27の上半分はその長手方向に沿って折り曲げられ、ウェハWの周縁部の上面(第1の面)に押し付けられる。同時に、第2のローラー47により、保護テープ27の下半分はその長手方向に沿って折り曲げられ、ウェハWの周縁部の下面(第2の面)に押し付けられる。このようにして、保護テープ27がウェハWの周縁部に貼り付けられる。この状態で、ウェハWを一回転させることにより、図12(c)に示すように、ウェハWの周縁部全体に保護テープ27が貼り付けられる。
【0073】
テープ貼り付けユニット28は、図5に示されるように、第3のローラー54および第4のローラー55を有していてもよい。第3のローラー54は第4のローラー55の上方に配置されており、ウェハWの周縁部は、これら第3のローラー54と第4のローラー55の間に位置している。第3のローラー54の下方に第4のローラー55が位置しているため、図5では、第3のローラー54のみが示されている。
【0074】
第3のローラー54および第4のローラー55は、その軸心まわりに回転自在に構成されている。第3のローラー54および第4のローラー55のそれぞれの軸心は、ウェハWの表面と平行に延び、かつウェハWの半径方向に延びている。第3のローラー54と第4のローラー55とは、エアシリンダなどから構成される移動機構56に連結されている。この移動機構56を動作させると、第3のローラー54と第4のローラー55は、互い近接および離間する方向(すなわち、ウェハWの周縁部に近接および離間する方向)に移動する。第3のローラー54と第4のローラー55の移動方向は、ウェハWの表面と垂直な方向である。
【0075】
このような構成により、第3のローラー54と第4のローラー55とは、第1のローラー46と第2のローラー47とでウェハWの周縁部に貼り付けられた保護テープ27を、再度ウェハWの周縁部に押し付ける。したがって、第3のローラー54と第4のローラー55とにより、保護テープ27がウェハWの周縁部に確実に貼り付けられる。第3のローラー54と第4のローラー55とが保護テープ27をウェハWの周縁部に押し付ける押圧力は、例えば、エアシリンダなどから構成される移動機構56の空気圧を調整することで調整することができる。
【0076】
一実施形態では、第3のローラー54および第4のローラー55は、先端に向かうにつれて徐々に断面積が小さくなるテーパー形状を有していてもよく、ローラー54,55の先端がウェハWの表面に向かうように傾いて配置されていてもよい。
【0077】
保護テープ27の折り曲げられた部分の幅は、2mm~3mmである。ウェハWの周縁部の上面に貼り付けられる保護テープ27の折り曲げられた部分の幅(以下、上側のテープ幅という)は、ウェハWの周縁部の下面に貼り付けられる保護テープ27の折り曲げられた部分の幅(以下、下側のテープ幅という)と同じでもよく、または異なってもよい。通常、ウェハWは、その上に形成されたデバイスが上を向いた状態で貼り付け用基板保持部21の基板ステージ22上に保持される。この場合、上側のテープ幅は下側のテープ幅よりも大きくてもよい。上側のテープ幅と下側のテープ幅との割合は、位置決めローラー42の上下方向の位置によって調整することができる。
【0078】
テープ貼り付け工程が終了した後、保護テープ27は、図12(c)に示すように、テープカッター50により切断される。保護テープ27が切断された後で、第1のローラー46と第2のローラー47とで該保護テープ27を挟み込んでウェハWを回転させると、図14に示されるように、ウェハWの周縁部から突出した保護テープ27の終端である終端突出部52が形成される。
【0079】
図3に戻って、テープ加熱装置15は、ウェハWが載置される加熱ステージ15aと、加熱ステージ15aを加熱するヒーター(図示せず)を備えている。周縁部に保護テープ27が貼り付けられたウェハWを加熱ステージ15aに載置することによって、保護テープ27が加熱される。これにより、貼り付け後の保護テープ27の粘着強度が高くなる。
【0080】
本実施形態では、テープ貼り付けシステム1は、複数の(図示した例では3つの)テープ加熱装置15を備えているが、テープ加熱装置15の数は本実施形態に限定されない。テープ貼り付けシステム1は、1つのテープ加熱装置15を備えていてもよく、4つ以上のテープ加熱装置15を備えていてもよい。複数のテープ加熱装置15を設けることにより、複数のウェハを同時に加熱することができる。
【0081】
一実施形態では、テープ加熱装置15は、ウェハWの周縁部に貼り付けられた保護テープ27のみに熱が当たるように配置されたスポットヒーターであってもよい。テープ加熱装置15を、基板ステージ22の近傍など、保護テープ27のみに熱を当てることが可能な位置に配置し、回転装置48によってウェハWを回転させることにより、保護テープ27の全体に熱を当てることができる。スポットヒーターの例として、赤外線を放射する赤外スポットヒーターや、赤外ランプ式ヒーターが挙げられる。
【0082】
図3に戻って、搬送ロボット13は、ウェハWを保持するベルヌーイハンド16と、ベルヌーイハンド16を旋回および/または昇降させる旋回昇降機構(図示せず)を備えている。図15は、ベルヌーイハンド16の模式図である。図15に示すように、ベルヌーイハンド16は、基部17と、基部17に接続された複数のチャック18を備えている。ベルヌーイハンド16は、ウェハWの下面を流体を介して非接触に吸引するように構成されている。ベルヌーイハンド16は、ベルヌーイの定理を利用してウェハWを保持する機構である。
【0083】
具体的には、チャック18の吸引面18aの外周部から外側に向けて流体(例えば、クリーンエア、不活性ガス等の気体、または純水等の液体)が吐出されることによって、吸引面18aの中心部とウェハWの下面との間の空間に負圧が形成される。これにより、チャック18は、吸引面18aの中心部に吸引力を発生させウェハWを吸引する。吸引面18aの外周部とウェハWとの間の空間に流体の流れが形成されるため、チャック18はウェハWを非接触に吸引することができる。これにより、ウェハWの下面を清浄に保ったままウェハWを吸引することができる。結果として、ウェハWの周縁部を汚すことなく、保護テープ27の粘着強度を維持することが可能となる。また、TAIKOウェハを使用した場合のウェハWの中心部が薄くなったことによる中心部のたわみによる影響を受けず、ハンドリングスピードを上げることが可能となる。
【0084】
図16は、テープ剥がしシステムの一実施形態を模式的に示す平面図であり、図17は、図16のテープ剥がしシステムを模式的に示す側面図である。テープ剥がしシステム70は、ウェハWの周縁部から保護テープ27を剥がすテープ剥がし装置80と、ウェハWをテープ剥がし装置80に搬送する搬送ロボット73と、多数のウェハが収容されたウェハカセット(基板カセット)が載置される複数のロードポート75と、電源制御部71を備えている。
【0085】
電源制御部71は、図示しない電源と、テープ剥がし装置80および搬送ロボット73の動作を制御する動作制御部74とを備えている。テープ剥がし装置80および搬送ロボット73は動作制御部74に電気的に接続されている。動作制御部74は、テープ剥がし装置80の各構成要素および搬送ロボット73に指令を発し、テープ剥がし装置80の各構成要素および搬送ロボット73の動作を制御する。
【0086】
動作制御部74は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。動作制御部74は、プログラムが格納された記憶装置74aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する処理装置74bを備えている。記憶装置74aは、RAMなどの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。処理装置74bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、動作制御部74の具体的構成はこの例に限定されない。
【0087】
ロードポート75には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。搬送ロボット73は、ロードポート75と、テープ剥がし装置80との間でウェハWを搬送する。また、搬送ロボット73は、後述するテープ剥がしモジュール81と、UV照射モジュール85との間でウェハWを搬送する。
【0088】
図17に示すように、テープ剥がしシステム70は、隔壁76と換気機構78をさらに備えている。隔壁76の内部空間は処理室77を構成している。テープ剥がし装置80および搬送ロボット73は処理室77内に配置されている。隔壁76には図示しない扉が設けられており、この扉を通じてウェハWを処理室77内に搬入し、かつ処理室77から搬出することが可能となっている。
【0089】
隔壁76の上部には、クリーンエア取入口76aが形成されており、テープ剥がし装置80の下方(隔壁76の下部)には、空間内の塵やパーティクルを吸い込んで排気する局所排気装置79が形成されている。換気機構78は隔壁76の上面に設置されている。この換気機構78は、ファン78Aと、このファン78Aから送られた空気中のパーティクルや粉塵を除去するフィルター78Bとを備えている。換気機構78は、清浄な空気をクリーンエア取入口76aを通じて処理室77に送り込み、処理室77内の気体を局所排気装置79から排出させる。これにより、処理室77内には清浄な空気のダウンフローが形成される。その結果、空間内の塵やパーティクルは局所排気装置79から排出される。結果として、パーティクルの舞い上がりによるウェハWの表面の汚染や、ウェハWの周縁部への塵の付着を防止することができる。
【0090】
テープ剥がし装置80は、ウェハWを回転させてウェハWの周縁部から保護テープを剥がすテープ剥がしモジュール81と、ウェハWの周縁部に貼り付けられた保護テープ27に紫外線を照射するUV照射モジュール85を備えている。搬送ロボット73は、ウェハWを保持するベルヌーイハンド82と、ベルヌーイハンド82を旋回および/または昇降させる旋回昇降機構(図示せず)を備えている。ベルヌーイハンド82は、ウェハWの下面を流体を介して非接触に吸引するように構成されている。ベルヌーイハンド82は、ベルヌーイの定理を利用してウェハWを保持する機構である。ベルヌーイハンド82の構成は、ベルヌーイハンド16と同様である。ベルヌーイハンド82により、ウェハWの下面を清浄に保ったままウェーハWを吸引することができる。
【0091】
図18は、テープ剥がしモジュール81を示す模式図である。テープ剥がしモジュール81は、ウェハWを保持して回転させる剥がし用基板保持部83と、回転しているウェハWから保護テープ27を剥離させるテープ剥離ユニット90を備えている。
【0092】
図19は、剥がし用基板保持部83の側面図である。図19に示すように、剥がし用基板保持部83は、ウェハWを水平に保持する基板ステージ86と、基板ステージ86の下面の中央部に固定されるシャフト87と、シャフト87および基板ステージ86を回転させるためのステージモータ88とを備えている。基板ステージ86は、図示しない真空源に接続されており、この真空源によって発生される真空吸引力により、ウェハWが基板ステージ86の上面(すなわち基板保持面)に保持される。ステージモータ88を駆動させると、シャフト87が図中の矢印で示す方向に回転し、それに伴って、基板ステージ86および基板ステージ86上のウェハWが回転する。
【0093】
図18に示すように、剥がし用基板保持部83は、真空吸引力によりウェハWを基板ステージ86に保持する前に、ウェハWをセンタリングするセンタリング機構84をさらに備えている。センタリング機構84は、ウェハWの周方向に沿って等間隔に配置された複数の(図示した例では3つの)センタリングフィンガー92から構成される。センタリングフィンガー92は、その先端部にウェハWの周縁部に接触可能な2本の突出部(フィンガー部)94を有している。センタリングフィンガー92の構成および動作は、センタリングフィンガー32と同様である。また、剥がし用基板保持部83は、ウェハWのノッチを検出することができるノッチ検出機構89をさらに備えている。
【0094】
図20は、テープ剥離ユニット90を示す模式図である。図20に示すように、テープ剥離ユニット90は、保護テープ27の終端を把持してウェハWから保護テープ27を引き出すチャッキング機構93を備えている。このチャッキング機構93は、保護テープ27の終端突出部52を把持する一対のチャッキング部材(例えばチャッキング爪)91,91を有している。チャッキング機構93は、ウェハWに向かって前進およびウェハWから後退が出来るように構成されている。
【0095】
テープ剥離ユニット90は、保護テープ27をウェハWから剥がしながら、ウェハWの回転速度と同期した速度で保護テープ27を送り出す一対のテープ送りローラー95,95と、これらテープ送りローラー95,95から送り出された保護テープ27を巻き取る巻き取りローラー96と、をさらに有する。一対のテープ送りローラー95,95の一方は、モータ97に連結され、巻き取りローラー96は、モータ99に連結され、これらモータ97,99によってローラー95,96はそれぞれ所定の速度で回転される。
【0096】
テープ剥離ユニット90の動作は、次のように行われる。まず、図20に示されるように、終端突出部52がチャッキング機構93の正面に位置するまでウェハWが剥がし用基板保持部83によって回転させられる。チャッキング機構93はウェハWに向かって移動し、そのチャッキング部材91,91で終端突出部52を把持する。そして、図21(a)に示されるように、チャッキング部材91,91で終端突出部52を把持した状態で、チャッキング機構93を後退させながら、ウェハWを回転させる。この際、ウェハWから剥離された保護テープ27とウェハWの接線方向とがなす角度が90°となるように、チャッキング機構93の後退速度とウェハWの回転速度とが同期させられる。
【0097】
チャッキング機構93が後退を完了すると、図21(b)に示されるように、テープ送りローラー95,95が互いに近づき、剥離した保護テープ27をその間に挟み込む。巻き取りローラー96は、保護テープ27の剥離された部分に当接するまで移動される。この状態で、テープ送りローラー95,95が回転し、剥離した保護テープ27を巻き取りローラー96に所定の速度で送り出す。同時に、保護テープ27に当接した巻き取りローラー96を回転させることにより、剥離した保護テープ27が巻き取りローラー96に巻き取られる。
【0098】
保護テープ27の巻き取りが開始されると同時に、チャッキング機構93が巻き取りローラー96に向かって移動する。ある程度保護テープ27が巻き取りローラー96に巻き取られると、チャッキング部材91,91は終端突出部52を解放し、これによって巻き取りローラー96が保護テープ27の巻き取りを継続することが許容される。テープ送りローラー95,95は、ウェハWから剥離された保護テープ27とウェハWの接線方向とがなす角度が90°となるように、ウェハWの回転速度と同期した回転速度で回転する。
【0099】
保護テープ27の全体がウェハWの周縁部から剥離され、剥離された保護テープ27が全て巻き取りローラー96に巻き取られるまで、巻き取りローラー96、およびテープ送りローラー95,95は回転し続ける。図21(b)には図示していないが、テープ送りローラー95,95および巻き取りローラー96は、モータ97,99によってそれぞれ回転される。保護テープ27の巻き取りが完了すると、巻き取りローラー96は後退し、テープ送りローラー95,95は互いに離間する方向に移動する。
【0100】
図22は、UV照射モジュール85を示す模式図である。UV照射モジュール85は、ウェハWを保持するUV照射用基板保持部101と、ウェハWの周縁部に貼り付けられた保護テープ27に紫外線を照射するUV照射装置110と、UV照射装置110に連結されたカップ状の遮光カバー111を備えている。
【0101】
UV照射用基板保持部101は、基板を保持して回転させる基板保持装置104と、基板保持装置104を上下動させる昇降機構107と、を備えている。基板保持装置104は、ウェハWを水平に保持する基板ステージ102と、基板ステージ102の下面の中央部に固定されるシャフト103と、シャフト103および基板ステージ102を回転させるためのステージモータ105とを備えている。基板ステージ102は、図示しない真空源に接続されており、この真空源によって発生される真空吸引力により、ウェハWが基板ステージ102の上面(すなわち基板保持面)に保持される。ステージモータ105を駆動させると、シャフト103が図中の矢印で示す方向に回転し、それに伴って、基板ステージ102および基板ステージ102上のウェハWが回転する。
【0102】
UV照射用基板保持部101は、図23に示すように、真空吸引力によりウェハWを基板ステージ102に保持する前に、ウェハWをセンタリングするセンタリング機構116をさらに備えている。センタリング機構116は、ウェハWの周方向に沿って等間隔に配置された複数の(図示した例では3つの)センタリングフィンガー117から構成される。センタリングフィンガー117は、その先端部にウェハWの周縁部に接触可能な2本の突出部(フィンガー部)118を有している。センタリングフィンガー117の構成は、センタリングフィンガー32と同様である。
【0103】
図22に示すように、昇降機構107は、基板保持装置104に接続されている。昇降機構107は、エアシリンダなどから構成される移動機構109と、複数のガイドロッド108aと、複数のリニアガイド108bと、基台106と、を備えている。基板保持装置104のステージモータ105は、基台106に固定されており、基台106には、各ガイドロッド108aが接続されている。各ガイドロッド108aは、各リニアガイド108bにより低摩擦で上下動自在に支持されている。
【0104】
移動機構109は、エアシリンダなどから構成されている。この移動機構109を動作させると、基台106および基台106に固定された基板保持装置104が上下方向に移動する。本実施形態では、エアシリンダなどから構成される移動機構109の空気圧を調整することで基板保持装置104を上下動させることができる。一実施形態では、移動機構109は、サーボモータと、ボールねじ機構と、モータドライバとの組み合わせから構成されてもよい。
【0105】
UV照射装置110は、紫外線を発する光源などを備えたUV発生装置115と、UV発生装置115で発生した紫外線を放射(照射)する複数の照射ヘッド113と、UV発生装置で発生した紫外線を照射ヘッド113に伝達する複数のファイバーケーブル114を備えている。各ファイバーケーブル114の一端は各照射ヘッド113に接続され、他端はUV発生装置115に接続されている。照射ヘッド113は、遮光カバー111に接続されている。UV発生装置115を運転させることにより、UV発生装置115が紫外線を発し、ファイバーケーブル114を通じて紫外線が照射ヘッド113に伝達され、照射ヘッド113は紫外線を放射する。
【0106】
遮光カバー111は、基板保持装置104の上方に配置されており、下方に開口している。図24は、遮光カバー111の斜視図である。遮光カバー111の内径は、ウェハWの直径以上であり、遮光カバー111は、ウェハWの全体を覆うことが可能に形成されている。複数の照射ヘッド113は、遮光カバー111の上壁120に形成された複数の通孔111aを通って、遮光カバー111の内部空間112に延びている。このような構成により、UV照射装置110は、内部空間112で紫外線を照射することができる。具体的には、複数の通孔111aおよび複数の照射ヘッド113は、上壁120の周方向に沿って配列されている。
【0107】
図25に示すように、ウェハWが基板ステージ102に保持された状態で、基板保持装置104を上昇させることによって、ウェハWの全体が遮光カバー111の内部空間112に位置する。その結果、ウェハWは、遮光カバー111に覆われる。複数の照射ヘッド113は、ウェハWが内部空間112に位置しているとき、ウェハWに貼り付けられた保護テープ27に紫外線が照射される位置に配置されている。
【0108】
ウェハWが内部空間112に位置している状態で、照射ヘッド113から紫外線が保護テープ27に照射される。すなわち、UV照射モジュール85は、ウェハWの全体を遮光カバー111で覆いながら照射ヘッド113から紫外線を保護テープ27に照射する。
【0109】
UV硬化型粘着層を有する保護テープ27に紫外線を照射することによって、粘着層が硬化し、保護テープ27が剥がれやすくなる。結果として、保護テープを剥がす時間を短縮することや、保護テープを剥がした後、保護テープの粘着剤の一部がウェハに残ること(糊残り)を防止することができる。本実施形態では、ウェハWの全体を遮光カバー111で覆いながら照射ヘッド113から紫外線を保護テープ27に照射するので、効率よく紫外線を照射することができ、より短時間で粘着層を硬化させることができる。
【0110】
本実施形態では、ウェハWが内部空間112に位置している状態で、ウェハWは、その軸心を中心として基板保持装置104のステージモータ105により、回転させられる。UV照射装置110は、回転しているウェハWに貼り付けられている保護テープ27に紫外線を照射する。これにより、より効率的に紫外線を保護テープ27に照射することができ、より短時間でUV硬化型粘着層を硬化させることができる。
【0111】
本実施形態では、UV照射装置110は、複数の照射ヘッド113を備えているが、照射ヘッド113の数は1つでもよい。さらに一実施形態では、照射ヘッド113は、通孔111aを通じて内部空間112に紫外線を照射可能に構成されていれば、照射ヘッド113の先端は内部空間112に配置されていなくてもよい。例えば、照射ヘッド113は、照射ヘッド113の先端が通孔111a内に位置するように配置されていてもよい。
【0112】
さらに一実施形態では、UV照射装置110は、紫外線を発する光源を備えたUVランプから構成されていてもよい。この場合、UV照射装置110は、内部空間112内に配置され、かつ保護テープ27が貼り付けられたウェハWが内部空間112内に位置しているとき、保護テープ27に紫外線が照射される位置に配置される。さらに一実施形態では、UV照射モジュール85は、紫外線を発する光源を備えたUVランプから構成された複数のUV照射装置110を備えていてもよく、複数のUV照射装置110は、内部空間112内で、上壁120の周方向に沿って配列されていてもよい。
【0113】
さらに一実施形態では、UV照射モジュール85は、紫外線を発する光源を備えたUVランプから構成されていてもよい。UVランプを、基板ステージ22の近傍など、保護テープ27に紫外線を照射することが可能な位置に配置し、保護テープ27に紫外線を照射しながら保護テープ27を剥がすことにより、保護テープ27を剥がす速度が上がり、糊残りを防止することができる。
【0114】
さらに一実施形態では、テープ剥がしモジュール81は、保護テープ27を温めるためのドライヤーを備えていてもよい。保護テープ27の粘着層が、温度が高くなるにつれて粘着強度が低くなる性質を有する粘着を有している場合、保護テープ27を温めることで粘着層の粘着強度が低くなり、保護テープ27が剥がれやすくなる。ドライヤーで保護テープ27を温めながら、保護テープ27を剥がすことにより、保護テープ27を剥がす速度が上がり、糊残りを防止することができる。
【0115】
図26は、本実施形態のテープ貼り付けシステム1およびテープ剥がしシステム70を備えたテープ処理システムの一実施形態を示す模式図である。テープ貼り付けシステム1およびテープ剥がしシステム70は、図26に示すようなテープ処理システム100内に設置されている。テープ貼り付けシステム1とテープ剥がしシステム70は、水平方向に並んで配置されている。
【0116】
次に、テープ貼り付け方法の一実施形態について説明する。本明細書では、テープ貼り付け方法は、後述するテープ貼り付け工程と、加熱工程と、テープ剥がし工程と、を含んだものとして定義され、テープ剥がし工程は、後述する回転剥離工程と、UV照射工程を含んだものとして定義される。まず、テープ貼り付け工程について説明する。まず、搬送ロボット13によってウェハWをロードポート5からテープ貼り付けモジュール20に搬送し、貼り付け用基板保持部21の基板ステージ22に載置する。貼り付け用基板保持部21は、ウェハWを回転可能に保持する。次に、図8(a)乃至図8(c)に示すように、テープ保持ヘッド40により保護テープ27の始端をウェハWの外周側面に貼り付ける。次に、サイドローラー43がウェハWの外周側面に接触するまで、位置決めローラー42およびサイドローラー43をウェハWに向かって移動させて、サイドローラー43によって保護テープ27を所定の力でウェハWの外周側面に押し付ける。そして、外周側面に保護テープ27の始端が貼り付けられた状態で、挟み込み機構60によって第1のローラー46および第2のローラー47を互い近接する方向に移動させ、ローラー46,47によってウェハWを所望の力で挟み込む。そして、ローラー46,47によってウェハWを挟み込みながらローラー駆動モータ49を駆動する。その結果、ウェハWはその軸心を中心として回転する。
【0117】
ウェハWの回転に伴って保護テープ27は、第1のローラー46および第2のローラー47に到達する。そして、第1のローラー46および第2のローラー47によってサイドローラー43によって撓められた保護テープ27を、所定の力で挟み込む。第1のローラー46は、保護テープ27の上半分をその長手方向に沿って折り曲げ、ウェハWの周縁部の上面(第1の面)に押し付ける。同時に、第2のローラー47は、保護テープ27の下半分をその長手方向に沿って折り曲げ、ウェハWの周縁部の下面(第2の面)に押し付ける。このようにして、保護テープ27がウェハWの周縁部に貼り付けられる。この状態で、ウェハWを一回転させることにより、ウェハWの周縁部全体に保護テープ27を貼り付ける。その後、テープカッター50によって保護テープ27を切断し、ウェハWを回転させて、終端突出部52を形成させる。
【0118】
次に、保護テープ27が貼り付けられたウェハWを、搬送ロボット13によって貼り付け用基板保持部21から取り出して、加熱工程を実施する。搬送ロボット13は、保護テープ27が貼り付けられたウェハWをテープ加熱装置15に搬送し、加熱ステージ15aに載置する。その結果、ウェハWがテープ加熱装置15に加熱される。
【0119】
加熱工程が終了した後、ウェハWは、テープ加熱装置15から取り出され、ロードポート5に搬送される。その後、めっき処理などのウエット処理および/またはドライエッチングなどのドライ処理などの各種処理がウェハWに対して行われる。ウェハWの処理が終了した後、ウェハWはテープ剥がしシステム70に搬送され、テープ剥がし工程が実施される。
【0120】
次にテープ剥がし工程の一実施形態について説明する。本実施形態では、UV硬化型粘着層を有する保護テープ27の剥離工程について説明する。まず、UV照射工程を実施する。UV照射工程では、まず、搬送ロボット73によってウェハWをロードポート75からUV照射モジュール85に搬送し、UV照射用基板保持部101の基板ステージ102に載置する。そして、移動機構109を動作させ、基板保持装置104を上昇させる。ウェハWが遮光カバー111の内部空間112に位置するまで基板保持装置104が上昇したら移動機構109を停止する。
【0121】
ウェハWが遮光カバー111の内部空間112に位置している状態で、UV照射装置110は、照射ヘッド113からウェハWに紫外線を照射する。UV照射装置110は、遮光カバー111によって、ウェハWの全体を覆いながら、ウェハWに貼り付けられた保護テープ27に紫外線を照射する。このとき、基板保持装置104のステージモータ105によって、ウェハWを回転させる。UV照射モジュール85は、ウェハWを回転させながら、かつウェハWの全体を遮光カバー111で覆いながら保護テープ27に紫外線を照射する。
【0122】
所定時間紫外線を照射した後、UV照射装置110およびステージモータ105を停止する。そして、移動機構109を動作させ、基板保持装置104を下降させる。その後、搬送ロボット73によってウェハWをUV照射用基板保持部101から取り出して、回転剥離工程を実施する。回転剥離工程は、ウェハWを回転させながらウェハWの周縁部から保護テープを剥がす工程である。回転剥離工程では、まず、搬送ロボット73によってウェハWをテープ剥がしモジュール81に搬送し、剥がし用基板保持部83の基板ステージ86に載置する。そして、図20および図21を参照して説明したように、テープ剥離ユニット90および剥がし用基板保持部83を動作させ、保護テープをウェハWから剥がす。保護テープ27を剥がし終えたらテープ剥離ユニット90および剥がし用基板保持部83を停止する。その後、搬送ロボット73は、剥がし用基板保持部83から基板を取り出し、ウェハWをロードポート75に搬送する。
【0123】
図27は、テープ剥がしシステム70の他の実施形態を示す模式図である。図27に示すように、剥離された保護テープ27を廃棄するための廃棄ボックス121をテープ剥がし装置80の下方に設けてもよい。このような排気ボックス121を設けることにより、剥離された保護テープ27を効率よく廃棄することができる。
【0124】
本実施形態では、テープ処理システム100が、テープ貼り付けシステム1およびテープ剥がしシステム70を備えているが、一実施形態では、テープ貼り付けシステム1がテープ剥がし装置80を備えていてもよい。この場合、テープ貼り付け装置10とテープ剥がし装置80は、水平方向に並んで配置されていてもよく、テープ貼り付け装置10の下方にテープ剥がし装置80が配置されていてもよい。テープ貼り付けシステム1がテープ剥がし装置80を備えている場合、搬送ロボット13は、テープ貼り付け装置10と、テープ剥がし装置80との間でウェハWを搬送する。また、搬送ロボット13は、さらに、テープ剥がしモジュール81と、UV照射モジュール85との間でウェハWを搬送する。テープ貼り付け装置10をテープ剥がし装置80の上方に配置することによって、ウェハWの表面を汚さずに保護テープ27を貼り付けることが可能となる。テープ剥がし装置80をテープ貼り付け装置10の下方に配置することによって、剥離された保護テープ27の廃棄が容易となる。
【0125】
図28は、テープ貼り付けシステム1の他の実施形態を模式的に示す平面図であり、図29は、図28のテープ貼り付けシステム1を模式的に示す側面図である。特に説明しない本実施形態の詳細は図3乃至図27を参照して説明した実施形態と同じであるのでその重複する説明を省略する。図28および図29に示すように、本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、複数のテープ剥がし装置80と、搬送ロボット13を移動可能に保持するリニアガイド14と、一時的にウェハWを置くための複数の仮置きステージ123A,123Bと、ロードポート5と仮置きステージ123A,123Bとの間でウェハWを搬送する基板搬送システム135をさらに備えている。本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、複数のテープ貼り付け装置10を備えている。本実施形態では、搬送ロボット13およびリニアガイド14によって搬送装置19が構成されている。より具体的には、本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、2つのテープ貼り付け装置10および2つのテープ剥がし装置80を備えている。
【0126】
基板搬送システム135は、ロードポート5と仮置きステージ123A,123Bとの間でウェハWを搬送する搬送ロボット136と、搬送ロボット136を移動可能に保持するリニアガイド137とを備えている。基板搬送システム135の例として、EFEM(Equipment Front End Module)が挙げられる。一実施形態では、搬送ロボット136は、図15を参照して説明したベルヌーイハンド16と同様の構成を有するベルヌーイハンドを備えていてもよい。テープ貼り付け装置10、テープ剥がし装置80、搬送ロボット13、リニアガイド14、仮置きステージ123A,123B、および基板搬送システム135は、隔壁6の内部に配置されている。
【0127】
以下、本明細書では、複数のロードポート5が配列されている方向を第1方向と定義し、上から見たときに、第1方向に垂直な方向を第2方向と定義する。以下、本明細書では、第1方向と第2方向の両方に垂直な方向を垂直方向と定義する。また、本明細書では、第1方向と第2方向を総称して水平方向と呼ぶことがある。また、本明細書では、テープ貼り付け装置10およびテープ剥がし装置80を総称してテープ処理装置10,80と呼ぶことがある。
【0128】
リニアガイド137は、第1方向に延びており、搬送ロボット136は、第1方向に移動可能に構成されている。リニアガイド14は、第2方向に延びており、搬送ロボット13は、第2方向に移動可能に構成されている。
【0129】
本実施形態では、隔壁6の内部は、プロセスエリア129と、EMEFエリア140とに分けられる。テープ貼り付け装置10、テープ剥がし装置80、搬送ロボット13、リニアガイド14、および仮置きステージ123A,123Bは、プロセスエリア129に配置されており、基板搬送システム135は、EMEFエリア140に配置されている。搬送ロボット136は、ロードポート5および仮置きステージ123A,123Bにアクセス可能に構成されている。
【0130】
搬送ロボット13は、プロセスエリア129の中心部に配置されており、テープ貼り付け装置10、テープ剥がし装置80、および仮置きステージ123A,123Bにアクセス可能に構成されている。搬送ロボット13は、テープ貼り付け装置10、テープ剥がし装置80、および仮置きステージ123A,123Bの間でウェハを搬送する。
【0131】
テープ貼り付けシステム1は、隔壁6の内部をプロセスエリア129と、EMEFエリア140に区画する仕切り壁125Aを備えている。仕切り壁125Aは、テープ処理装置10,80と基板搬送システム135との間、および仮置きステージ123A,123Bと基板搬送システム135との間に配置されている。仕切り壁125Aは、第1方向および垂直方向に延びている。
【0132】
すなわち、プロセスエリア129は、隔壁6と、仕切り壁125Aによって囲まれた領域であり、EMEFエリア140は、隔壁6と、仕切り壁125Aによって囲まれた領域である。仕切り壁125Aには図示しない扉が設けられており、この扉を通じてウェハを仮置きステージ123A,123Bに搬入し、かつ仮置きステージ123A,123Bから搬出することが可能となっている。
【0133】
本実施形態では、複数のテープ貼り付け装置10は、水平方向(第2方向)に並んで配置されている。同様に、複数のテープ剥がし装置80は、水平方向(第2方向)に並んで配置されている。複数のテープ剥がし装置80は、複数のテープ貼り付け装置10の下方に配置されている。より具体的には、各テープ剥がし装置80は、各テープ貼り付け装置10の下方に配置されている。このような配置により、ウェハWの表面を汚さずに保護テープ27を貼り付けることが可能となり、かつ剥離された保護テープ27の廃棄が容易となる。一実施形態では、図30に示すように、剥離された保護テープ27を廃棄するための複数の廃棄ボックス128を複数のテープ剥がし装置80の下方に設けてもよい。
【0134】
仮置きステージ123A,123Bは、搬送装置19と基板搬送システム135との間に配置されており、仮置きステージ123Bは、仮置きステージ123Aの下方に配置されている。一実施形態では、仮置きステージ123Aを、保護テープ27を貼り付けるためのウェハ専用とし、仮置きステージ123Bを保護テープ27を剥がすためのウェハ専用としてもよい。一実施形態では、仮置きステージ123A,123Bは縦方向並んで配置されていてもよい。
【0135】
本実施形態では、4つのロードポート5を備えている。これにより、ウェハの種類による使い分けが可能となる。例えば、第1方向において、テープ貼り付け装置10側の2つのロードポート5を保護テープ27を貼り付けるためのウェハ専用とし、他の2つを保護テープ27を剥がすためのウェハ専用としてもよい。このような構成により、カセット(フープ)内でのウェハのエッジ部分のコンタミを防止することが可能となる。特に、保護テープ27の貼付け前またはめっき前のウェハと、めっき後または保護テープ27を剥がした後のウェハとを分けることでウェハエッジ部及びウェハ裏面のメタル汚染を防止することができる。
【0136】
本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、仮置きステージ123A,123Bと搬送装置19との間に配置された仕切り壁125Bと、水平方向に並んで配置されたテープ処理装置10,80の間(水平方向に並んで配置された複数のテープ貼り付け装置10の間、および水平方向に並んで配置された複数のテープ剥がし装置80の間)に配置された仕切り壁125Cと、テープ処理装置10,80と搬送装置19との間、およびテープ処理装置10,80と仮置きステージ123A,123Bとの間に配置された仕切り壁125Dと、テープ貼り付け装置10とテープ剥がし装置80との間に配置された仕切り壁126と、仮置きステージ123Aと仮置きステージ123Bとの間に配置された仕切り壁127をさらに備えている。
【0137】
仕切り壁125B,125Cは、第1方向および垂直方向に延びており、仕切り壁125Dは、第2方向および垂直方向に延びている。仕切り壁126,127は水平方向に延びている。仕切り壁125Cは、仕切り壁126を貫通して延びている。
【0138】
このような仕切り壁125A,125B,125C,125D,126によって、各テープ処理装置10,80が配置されるエリアが区画される。仕切り壁125B,125Dには図示しない扉が設けられており、この扉を通じてウェハを各各テープ処理装置10,80に搬入し、かつ各テープ処理装置10,80から搬出することが可能となっている。
【0139】
このように、各テープ処理装置10,80(各テープ貼り付け装置10または各テープ剥がし装置80)が配置されるエリアを区画し、作業者のアクセス面を装置側面(隔壁6)とすることで、各テープ処理装置10,80において消耗品(保護テープ、UVランプ等)を交換することができ、故障発生時には個別にシャットダウンすることができる。これにより、通常可動できるテープ処理装置10,80を生かすことでき、テープ処理装置10,80のダウンタイムを短縮することができる。結果として、処理能力を落とすことなく、継続してテープ貼り付け工程およびテープ剥がし工程を行うことが可能となる。さらに仮置きステージ123Aと、仮置きステージ123Bとの間に仕切り壁127を設けることにより、仮置きステージ123Aと、仮置きステージ123Bとの間のコンタミの移動を防止することができる。
【0140】
図31に示すように、テープ貼り付けシステム1は、複数の局所排気装置142をさらに備えていてもよい。仕切り壁125A,125B,125C,125D,126には図示しない吸気口が形成されている。本実施形態では、各局所排気装置142は、各テープ処理装置10,80(各テープ貼り付け装置10または各テープ剥がし装置80)の下方に設置されている。これにより、各テープ処理装置10,80において、パーティクルの舞い上がりによるウェハWの表面の汚染や、ウェハWの周縁部への塵の付着を防止することができる。
【0141】
さらに一実施形態では、仕切り壁125Aによって、プロセスエリア129と、EMEFエリア140とを完全に仕切ってもよい。プロセスエリア129と、EMEFエリア140とを完全に仕切って、局所排気装置142でプロセスエリア129を陰圧にすることにより、テープ貼り付け工程またはテープ剥がし工程で発生するパーティクルのEMEFエリア140またはロードポート5への移動を防ぐことができる。結果として、長期にわたり安定的にウェハへのゴミ付着を防止することが可能となる。
【0142】
図32は、テープ貼り付けシステム1の他の実施形態を模式的に示す平面図であり、図33は、図32のテープ貼り付けシステム1を模式的に示す側面図である。特に説明しない本実施形態の詳細は図28乃至図31を参照して説明した実施形態と同じであるのでその重複する説明を省略する。図32および図33に示すように、本実施形態では、複数のテープ貼り付け装置10は、第1方向に並んで配置されている。同様に、複数のテープ剥がし装置80は、第1方向に並んで配置されている。図33には、1つのテープ剥がし装置80のみが図示されているが、本実施形態では、テープ貼り付けシステム1は、2つのテープ剥がし装置80を備えており、各テープ剥がし装置80は、各テープ貼り付け装置10の下方に配置されている。リニアガイド14は、第1方向に延びており、搬送ロボット13は、第1方向に移動可能に構成されている。搬送装置19は、仮置きステージ123A,123Bとテープ処理装置10,80との間に配置されている。
【0143】
本実施形態では、仕切り壁125Aは、仮置きステージ123A,123Bと基板搬送システム135との間に配置されている。仕切り壁125Cは、第2方向および垂直方向に延びている。仕切り壁125Dは、テープ処理装置10,80と搬送装置19との間に配置されており、第1方向および垂直方向に延びている。図30および図31を参照して説明した実施形態は、本実施形態にも適用することができる。
【0144】
図34は、テープ貼り付けシステム1の他の実施形態を模式的に示す平面図であり、図35は、図34のテープ貼り付けシステム1を模式的に示す側面図である。特に説明しない本実施形態の詳細は図28乃至図31を参照して説明した実施形態と同じであるのでその重複する説明を省略する。図34および図35に示すように、本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、上下左右(上下方向および水平方向)に並んで配置された複数のテープ貼り付け装置10を備えている。本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、テープ剥がし装置80を備えていない。以下、本明細書では、各テープ貼り付け装置10を、テープ貼り付け装置10A、テープ貼り付け装置10B、テープ貼り付け装置10C、またはテープ貼り付け装置10Dと呼ぶことがある。テープ貼り付け装置10A,10B,10C,10Dの構成は、テープ貼り付け装置10と同じである。
【0145】
テープ貼り付け装置10C,10Dは、テープ貼り付け装置10A,10Bの下方に配置されている。テープ貼り付け装置10Aとテープ貼り付け装置10Bは水平方向に並んで配置されており、テープ貼り付け装置10Cとテープ貼り付け装置10Dは水平方向に並んで配置されている。
【0146】
仕切り壁125Cは、テープ貼り付け装置10Aとテープ貼り付け装置10Bとの間、およびテープ貼り付け装置10Cとテープ貼り付け装置10Dとの間に配置されている。仕切り壁126は、テープ貼り付け装置10Aとテープ貼り付け装置10Cとの間、およびテープ貼り付け装置10Bとテープ貼り付け装置10Dとの間に配置されている。一実施形態では、テープ貼り付けシステム1は、テープ貼り付け装置10C,10Dの下方に配置された1つまたは複数のテープ剥がし装置80を備えていてもよく、テープ貼り付け装置10C,10Dと、テープ剥がし装置80との間に、水平方向に延びる仕切り壁が配置されていてもよい。さらに一実施形態では、テープ貼り付け装置10C,10Dの下方に配置された複数のテープ剥がし装置80がテープ貼り付け装置10C,10Dと同じ方向(第2方向)に並んで配置されていてもよい。図30および図31を参照して説明した実施形態は、本実施形態にも適用することができる。
【0147】
図36は、テープ貼り付けシステム1の他の実施形態を模式的に示す平面図であり、図37は、図36のテープ貼り付けシステム1を模式的に示す側面図である。特に説明しない本実施形態の詳細は図28乃至図31を参照して説明した実施形態と同じであるのでその重複する説明を省略する。図36および図37に示すように、本実施形態のテープ貼り付けシステム1は、3つのテープ貼り付け装置10A,10B,10Cと、1つのテープ剥がし装置80を備えている。
【0148】
テープ貼り付け装置10Aと、テープ貼り付け装置10Bは、水平方向に並んで配置されており、テープ剥がし装置80と、テープ貼り付け装置10Cは、水平方向に並んで配置されている。テープ貼り付け装置10Cは、テープ貼り付け装置10Bの下方に配置されており、テープ剥がし装置80は、テープ貼り付け装置10Aの下方に配置されている。
【0149】
仕切り壁125Cは、テープ貼り付け装置10Aとテープ貼り付け装置10Bとの間、およびテープ貼り付け装置10Cとテープ剥がし装置80との間に配置されている。仕切り壁126は、テープ貼り付け装置10Bとテープ貼り付け装置10Cとの間、およびテープ貼り付け装置10Aとテープ剥がし装置80との間に配置されている。図30および図31を参照して説明した実施形態は、本実施形態にも適用することができる。
【0150】
図28乃至図37を参照して説明したテープ貼り付けシステム1は、上下方向および水平方向に並んで配置された処理装置10,80を備えているため、複数のウェハで同時にテープ貼り付け工程や、テープ剥がし工程を行うことができる。その結果、テープ貼り付けシステム1のスループットを上げることができる。また、搬送ロボット13は、プロセスエリア129の中心部に配置されており、各処理装置にアクセス可能に構成されている。このような配置により、搬送ロボット13は、各テープ貼り付け装置10および各テープ剥がし装置80へのウェハの供給、回収を効率よく行うことができる。
【0151】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0152】
1 テープ貼り付けシステム
3 電源制御部
4 動作制御部
5 ロードポート
6 隔壁
7 処理室
8 換気機構
9 局所排気装置
10 テープ貼り付け装置
13 搬送ロボット
14 リニアガイド
15 テープ加熱装置
15a 加熱ステージ
16 ベルヌーイハンド
17 基部
18 チャック
18a 吸引面
19 搬送装置
20 テープ貼り付けモジュール
21 貼り付け用基板保持部
22 基板ステージ
23 シャフト
24 ノッチ検出機構
25 シャフト支持部
26 センタリング機構
27 保護テープ
28 テープ貼り付けユニット
29 セパレーションフィルム
30 繰り出しローラー
31 テンションユニット
32 センタリングフィンガー
33 突出部(フィンガー部)
34 ガイドローラー
35 フィルム巻き取りローラー
36,37 回転軸
38 保護膜
39 真空ライン
40 テープ保持ヘッド
41 電動シリンダ
42 位置決めローラー
43 サイドローラー
44 支持台
45 エアシリンダ
46 第1のローラー
47 第2のローラー
48 回転装置
49 ローラー駆動モータ
50 テープカッター
52 終端突出部
54 第3のローラー
55 第4のローラー
56 移動機構
57,58 軸受
60 挟み込み機構
61,62 移動機構
63,64 ブリッジ
66 ばね
70 テープ剥がしシステム
71 電源制御部
73 搬送ロボット
74 動作制御部
75 ロードポート
76 隔壁
77 処理室
78 換気機構
79 局所排気装置
80 テープ剥がし装置
81 テープ剥がしモジュール
82 ベルヌーイハンド
83 剥がし用基板保持部
84 センタリング機構
85 UV照射モジュール
86 基板ステージ
87 シャフト
88 ステージモータ
89 ノッチ検出機構
90 テープ剥離ユニット
91 チャッキング部材
92 センタリングフィンガー
93 チャッキング機構
94 突出部(フィンガー部)
95 テープ送りローラー
96 巻き取りローラー
97,99 モータ
100 テープ処理システム
101 UV照射用基板保持部
102 基板ステージ
103 シャフト
104 基板保持装置
105 ステージモータ
106 基台
107 昇降機構
108a ガイドロッド
108b リニアガイド
109 移動機構
110 UV照射装置
111 遮光カバー
111a 通孔
112 内部空間
113 照射ヘッド
114 ファイバーケーブル
115 UV発生装置
116 センタリング機構
117 センタリングフィンガー
118 突出部(フィンガー部)
120 上壁
121 廃棄ボックス
123A,123B 仮置きステージ
125A,125B,125C,125D,126,127 仕切り壁
128 廃棄ボックス
129 プロセスエリア
130,131 支持面
133 芯部
135 基板搬送システム
136 搬送ロボット
137 リニアガイド
140 EFEMエリア
142 局所排気装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37