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特許7618601複数のパターニング放射吸収元素および/または垂直組成勾配を備えたフォトレジスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-10
(45)【発行日】2025-01-21
(54)【発明の名称】複数のパターニング放射吸収元素および/または垂直組成勾配を備えたフォトレジスト
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/312 20060101AFI20250114BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250114BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20250114BHJP
【FI】
H01L21/312 D
H01L21/31 C
H01L21/31 B
C23C16/455
【請求項の数】 40
(21)【出願番号】P 2021577241
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 US2020070172
(87)【国際公開番号】W WO2020264557
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】62/868,710
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイドマン・ティモシー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】グ・ケヴィン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ナルディ・ケイティ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォロスキー・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン・エリック・カルヴィン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-500490(JP,A)
【文献】特開2017-116923(JP,A)
【文献】特開2007-114255(JP,A)
【文献】特開昭63-047364(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0131616(US,A1)
【文献】特表2017-500448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/312
H01L 21/31
C23C 16/455
G03F 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法であって、
反応チャンバ内に前記基板を提供することと、
第1の反応剤および第2の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記基板上に前記フォトレジスト材料を堆積することであって、前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は各々、気相で前記反応チャンバに提供されることと
を含み、
前記第1の反応剤は、M1aR1bL1cの式を有する有機金属前駆体であり、式中、
M1は、高パターニング放射吸収断面積を有する元素であり、
R1は、前記第1の反応剤と前記第2の反応剤の間の前記反応に耐え、パターニング放射に曝露された状態でM1から切断可能な有機基であり、
L1は、前記第2の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、
a≧1、
b≧1、および、
c≧1であり、
記フォトレジスト材料が前記フォトレジスト材料の厚さに沿った組成勾配を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、極紫外線(EUV)フォトレジスト材料であり、M1は、高EUV吸収断面積を有する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、ヒドロキシル部位、または、金属原子の間に酸素ブリッジを形成可能な物質を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、水、過酸化物、ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、硫黄ブリッジおよび/またはテルルブリッジを介して金属原子を架橋することができる材料を含む、方法。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、硫化水素、二硫化水素、ビス(トリメチルシリル)テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、ヨウ化水素、または、ヨウ素アルキルを含む、方法。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、1つまたは複数のL1を置き換え、それによって化学結合を介してM1の2つ以上の原子を架橋する、方法。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか一項に記載の方法であって、
M1の前記EUV吸収断面積は、1×107cm2/モル以上である、方法。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか一項に記載の方法であって、
M1は、Sn、Sb、In、Bi、Te、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される元素を含む、方法。
【請求項11】
請求項2~10のいずれか一項に記載の方法であって、
R1は、アルキル基またはハロゲン置換アルキル基を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記アルキル基は、3つ以上の炭素原子を含む、方法。
【請求項13】
請求項2~12のいずれか一項に記載の方法であって、
R1は、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
R1は、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項15】
請求項2~14のいずれか一項に記載の方法であって、
L1は、アミン、アルコキシ、カルボキシレート、ハロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される部位を含む、方法。
【請求項16】
請求項2~15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、sec-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-プロピル(トリス)t-ブトキシスズ、n-プロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、t-ブチルトリクロロスズ、i-ブチルトリクロロスズ、n-ブチルトリクロロスズ、sec-ブチルトリクロロスズ、i-プロピルトリクロロスズ、n-プロピルトリクロロスズ、t-ブチルトリブロモスズ、i-ブチルトリブロモスズ、n-ブチルトリブロモスズ、sec-ブチルトリブロモスズ、i-プロピルトリブロモスズ、n-プロピルトリブロモスズ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
【請求項17】
請求項2~16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板をプラズマに曝露し、いくつかのM1-L1結合をM1-H結合で置き換えることをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項2~17のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の前記反応は、化学気相堆積反応、原子層堆積反応、またはそれらの組み合わせである、方法。
【請求項19】
請求項2~18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は、同時に前記反応チャンバに提供される、方法。
【請求項20】
請求項2~18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は、同時に前記反応チャンバに送給されない、方法。
【請求項21】
請求項2~20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板の温度は、前記反応チャンバに送給される際の前記第1および第2の反応剤の温度以下である、方法。
【請求項22】
請求項2~21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1および第2の反応剤の間の前記反応を開始することは、前記基板をプラズマに曝露することを含む、方法。
【請求項23】
請求項2~21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1および第2の反応剤の間の前記反応を開始することは、前記基板を熱エネルギーに曝露することを含む、方法。
【請求項24】
請求項2~23のいずれか一項に記載の方法であって、
第3の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第2の反応剤と前記第3の反応剤との間または前記第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始することをさらに含む、方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、
前記第1および第3の反応剤の各々は、Sn、Sb、In、Bi、およびTeからなる群から選択される元素を含み、前記第1の反応剤中の前記元素は、前記第2の反応剤中の前記元素とは異なる、方法。
【請求項26】
請求項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、M1に加えてM2を含み、M2は、高EUV吸収断面積を有し、M1とは異なる元素であり、前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:M2を提供する、方法。
【請求項27】
請求項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:R1を提供する、方法。
【請求項28】
請求項2に記載の方法であって、
R1に結合した元素の割合は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で変化する、方法。
【請求項29】
請求項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる濃度のIまたはTeを提供する、方法。
【請求項30】
請求項26~29のいずれか一項に記載の方法であって、
前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料の上部と比較して、前記フォトレジスト材料の底部に高密度の高EUV吸収元素を提供し、前記底部は、前記上部の前に堆積される、方法。
【請求項31】
請求項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤を前記反応チャンバに提供する前に、第3の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第2の反応剤と前記第3の反応剤との間、または前記第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記フォトレジスト材料の初期部分を堆積することをさらに含み、
前記第3の反応剤は、式M2aL2cを有し、式中、
M2は、高EUV吸収断面積を有する金属であり、
L2は、前記第2の反応剤または前記第4の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、
a≧1、および
c≧1であり、
それにより前記フォトレジスト材料の前記初期部分がR1を組み込まない、
方法。
【請求項32】
請求項2~31のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板をプラズマに繰り返し曝露し、前記フォトレジスト材料からいくらかのR1を除去することをさらに含み、前記プラズマを生成するために使用される条件は、前記フォトレジスト材料内のM1-R1結合の濃度に勾配があるように時間と共に変化する、方法。
【請求項33】
請求項3に記載の方法であって、
前記プラズマを生成するために使用される電力は、前記フォトレジスト材料の底部近くに比較的低い濃度のM1-R1結合があり、前記フォトレジスト材料の上部近くに比較的高い濃度のM1-R1結合があるように、時間と共に低減される、方法。
【請求項34】
請求項2~3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、垂直密度勾配を含む、方法。
【請求項35】
請求項2~3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料をEUV放射に曝露し、前記フォトレジスト材料を現像してパターンを形成することをさらに含んでもよく、前記フォトレジスト材料を現像することは、湿式処理または乾式処理によって行われる、方法。
【請求項36】
請求項2~3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、深さ依存性のEUV感度を提供する、方法。
【請求項37】
基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法であって、
反応チャンバ内に前記基板を提供することと、
第1の反応剤および第2の反応剤を前記反応チャンバに提供して前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記基板上に前記フォトレジスト材料を堆積することであって、前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は各々、気相で前記反応チャンバに提供され、前記フォトレジスト材料は、前記フォトレジスト材料の厚さに沿った組成勾配を含む
を含む、方法。
【請求項38】
請求項1~3に記載の方法のいずれかによって形成される、フォトレジスト材料。
【請求項39】
基板上にフォトレジスト材料を堆積するための装置であって、
反応チャンバと、
気相反応剤を導入するための入口と、
前記反応チャンバから材料を除去するための出口と、
前記反応チャンバ内の基板支持体と、
少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~3に記載の方法のいずれかを引き起こすように構成されるコントローラと
を含む、装置。
【請求項40】
請求項3に記載の方法であって、
前記第3の反応剤は、テトラキス(ジメチルアミノ)スズを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による援用]
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体処理の分野に関する。特定の態様では、本開示は、1つまたは複数の有機金属前駆体と1つまたは複数の対抗反応剤との間の反応を介して作製される新規のフォトレジスト(PR)材料を記載している。
【背景技術】
【0003】
半導体製作が進歩し続けるにつれて、フィーチャサイズは縮小し続け、新しい処理方法が必要となる。進歩が見られる分野の1つは、例えばリソグラフィ放射に敏感なフォトレジスト材料を使用するパターニングの場面である。
【0004】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の様々な実施形態は、基板上にフォトレジスト材料を堆積するための方法、材料、装置、およびシステムに関する。開示された実施形態の一態様では、基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法が提供され、方法は、反応チャンバ内に基板を提供することと、第1の反応剤および第2の反応剤を反応チャンバに提供し、第1の反応剤と第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって基板上にフォトレジスト材料を堆積することであって、第1の反応剤および第2の反応剤は各々、気相で反応チャンバに提供されることとを含み、第1の反応剤は、M1aR1bL1cの式を有する有機金属前駆体であり、式中、M1は、高パターニング放射吸収断面積を有する金属であり、R1は、第1の反応剤と第2の反応剤の間の反応に耐え、パターニング放射に曝露された状態でM1から切断可能な有機基であり、L1は、第2の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、a≧1、b≧1、および、c≧1であり、以下の条件:(a)フォトレジスト材料が高パターニング放射吸収断面積を有する2つ以上の元素を含む、および/または(b)フォトレジスト材料がフォトレジスト材料の厚さに沿った組成勾配を含む、の少なくとも1つが満たされる。
【0006】
様々な実施形態において、フォトレジスト材料は、極紫外線(EUV)フォトレジスト材料であってもよく、M1は、高EUV吸収断面積を有してもよい。場合によっては、第2の反応剤は、ヒドロキシル部位を含んでもよい。場合によっては、第2の反応剤は、水、過酸化物、ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含んでもよい。場合によっては、第2の反応剤は、硫黄ブリッジおよび/またはテルルブリッジを介して金属原子を架橋することができる材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の反応剤は、硫化水素、二硫化水素、ビス(トリメチルシリル)テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の反応剤は、ヨウ化水素を含んでもよい。様々な実施形態において、第2の反応剤は、1つまたは複数のL1を置き換え、それによって化学結合を介してM1の2つ以上の原子を架橋する。
【0007】
いくつかの異なる金属をM1に対して使用することができる。様々な実施形態において、M1のEUV吸収断面積は、1×107cm2/モル以上であってもよい。これらまたは他の場合において、M1は、Sn、Sb、In、Bi、Te、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含んでもよい。同様に、いくつかの異なる有機基をR1に対して使用することができる。場合によっては、R1は、アルキル基またはハロゲン置換アルキル基を含んでもよい。いくつかのそのような場合、アルキル基は、3つ以上の炭素原子を含んでもよい。これらまたは他の場合において、R1は、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、R1は、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。さらに、いくつかの異なる基をL1に対して使用することができる。いくつかの実施形態では、L1は、アミン、アルコキシ、カルボキシレート、ハロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される部位を含んでもよい。
【0008】
様々な例示的な反応剤が本明細書に提供される。
場合によっては、第1の反応剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、sec-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-プロピル(トリス)t-ブトキシスズ、n-プロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、t-ブチルトリクロロスズ、i-ブチルトリクロロスズ、n-ブチルトリクロロスズ、sec-ブチルトリクロロスズ、i-プロピルトリクロロスズ、n-プロピルトリクロロスズ、t-ブチルトリボモスズ、i-ブチルトリボモスズ、n-ブチルトリボモスズ、sec-ブチルトリボモスズ、i-プロピルトリブロモスズ、n-プロピルトリブロモスズ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含んでもよい。
【0009】
場合によっては、方法は、基板をプラズマに曝露し、いくつかのM1-L1結合をM1-H結合で置き換えることをさらに含んでもよい。特定の実施形態では、第1の反応剤と第2の反応剤との間の反応は、化学気相堆積反応、原子層堆積反応、またはそれらの組み合わせであってもよい。場合によっては、第1の反応剤および第2の反応剤は、同時に反応チャンバに提供されてもよい。他の場合には、第1の反応剤および第2の反応剤は、同時に反応チャンバに送給されない。
【0010】
いくつかの実施形態では、基板の温度は、反応チャンバに送給される際の第1および第2の反応剤の温度以下であってもよい。これらまたは他の実施形態では、第1および第2の反応剤の間の反応を開始することは、基板をプラズマに曝露することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の反応剤の間の反応を開始することは、基板を熱エネルギーに曝露することを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、第3の反応剤を反応チャンバに提供し、第2の反応剤と第3の反応剤との間または第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始することをさらに含んでもよい。いくつかのそのような場合、第1および第3の反応剤の各々は、Sn、Sb、In、Bi、およびTeからなる群から選択される金属を含んでもよく、第1の反応剤中の金属は、第2の反応剤中の金属とは異なっていてもよい。
【0012】
多くの場合、基板上に堆積されたフォトレジスト材料は、フォトレジスト材料の厚さに沿った組成勾配を含む。いくつかのそのような場合、フォトレジスト材料は、M1に加えてM2を含み、M2は、高EUV吸収断面積を有し、M1とは異なる金属であり、フォトレジスト材料における組成勾配は、フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:M2を提供する。いくつかの実施形態では、フォトレジスト材料における組成勾配は、フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:R1を提供してもよい。いくつかのそのような場合、R1に結合した金属原子の割合は、フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で変化してもよい。いくつかの実施形態では、フォトレジスト材料における組成勾配は、フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる濃度のIまたはTeを提供してもよい。様々な実施形態において、組成勾配は、フォトレジスト材料の上部と比較して、フォトレジスト材料の底部に高密度の高EUV吸収元素を提供してもよく、底部は、上部の前に堆積される。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の反応剤を反応チャンバに提供する前に、第3の反応剤を反応チャンバに提供し、第2の反応剤と第3の反応剤との間、または第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始し、それによってフォトレジスト材料の初期部分を堆積することをさらに含み、第3の反応剤は、式M2aL2cを有し、式中、M2は、高EUV吸収断面積を有する金属であり、L2は、第2の反応剤または第4の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、a≧1、およびc≧1であり、それによりフォトレジスト材料の初期部分がR1を組み込まない。これらまたは他の実施形態では、方法は、基板をプラズマに繰り返し曝露し、フォトレジスト材料からいくらかのR1を除去することをさらに含んでもよく、プラズマを生成するために使用される条件は、フォトレジスト材料内のM1-R1結合の濃度に勾配があるように時間と共に変化する。いくつかのそのような実施形態では、プラズマを生成するために使用される電力は、フォトレジスト材料の底部近くに比較的低い濃度のM1-R1結合があり、フォトレジスト材料の上部近くに比較的高い濃度のM1-R1結合があるように、時間と共に低減されてもよい。様々な実施態様において、フォトレジスト材料は、垂直密度勾配を含んでもよい。
【0014】
場合によっては、方法は、フォトレジスト材料をEUVに曝露し、フォトレジスト材料を現像してパターンを形成することをさらに含んでもよく、フォトレジスト材料を現像することは、湿式処理または乾式処理によって行われる。様々な実施形態において、フォトレジスト材料は、深さ依存性のEUV感度を提供してもよい。
【0015】
開示された実施形態の別の態様では、基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法が提供され、方法は、反応チャンバ内に基板を提供することと、第1の反応剤および第2の反応剤を反応チャンバに提供して第1の反応剤と第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって基板上にフォトレジスト材料を堆積することであって、第1の反応剤および第2の反応剤は各々、気相で反応チャンバに提供され、フォトレジスト材料は、複数のパターニング放射吸収種および/またはパターニング放射に対する深さ依存性の感度を提供することとを含む。
【0016】
開示された実施形態の別の態様では、フォトレジスト材料が提供され、フォトレジスト材料は、本明細書で請求されるかまたは他の方法で説明される方法のいずれかによって形成される。
【0017】
開示された実施形態の別の態様では、基板上にフォトレジスト材料を堆積するための装置が提供され、装置は、反応チャンバと、気相反応剤を導入するための入口と、反応チャンバから材料を除去するための出口と、反応チャンバ内の基板支持体と、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラであって、少なくとも1つのプロセッサは、本明細書で請求されるかまたは他の方法で説明される方法のいずれかを引き起こすように構成されるコントローラとを含む。
【0018】
これらおよび他の態様は、図面を参照して以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A図1Aは、異なる深さでの異なる代表的な膜の組成を図示するグラフである。
【0020】
図1B図1Bは、異なる代表的な膜について、異なる膜深さでの光の吸収を図示するグラフである。
【0021】
図1C図1Cは、異なる吸収および透過特性を有する異なるレジスト膜を示す図である。
図1D図1Dは、異なる吸収および透過特性を有する異なるレジスト膜を示す図である。
図1E図1Eは、異なる吸収および透過特性を有する異なるレジスト膜を示す図である。
【0022】
図2A図2Aは、レジスト膜が組成勾配で堆積され、ビスマスおよびスズがレジストの底部近くにあり、スズがレジストの上部近くにある一実施形態を示す図である。
【0023】
図2B図2Bは、レジスト膜が組成勾配で堆積され、スズおよびテルルがレジストの底部近くにあり、スズがレジストの上部近くにある一実施形態を示す図である。
【0024】
図3図3は、様々な実施形態によるレジスト膜を堆積するために使用され得る反応チャンバを示す図である。
【0025】
図4図4は、様々な実施形態によるレジスト膜を堆積するために使用され得るマルチステーション反応チャンバを図示する図である。
【0026】
図5図5は、様々な実施形態による、レジスト膜の乾式現像、および/またはエッチングなどの様々な目的のために使用され得る反応チャンバを示す図である。
【0027】
図6図6は、本明細書の様々な実施形態の実施態様に適した真空統合堆積およびパターニングモジュールを備えた半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書では、本開示の特定の実施形態を詳細に参照する。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示は、これらの特定の実施形態と併せて説明されるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することを意図するものではないことが理解される。それどころか、本開示の精神および範囲に含まれ得る代替案、修正、および同等物を網羅することを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記載されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0029】
半導体処理における薄膜のパターニングは、多くの場合、半導体製作における重要なステップである。パターニングは、リソグラフィを伴う。193nmフォトリソグラフィなどの従来のフォトリソグラフィでは、パターンは、光子源からマスク上に光子を放出し、パターンを感光性フォトレジスト上に印刷することによって印刷され、それによってフォトレジスト内で化学反応を引き起こし、現像後、フォトレジストの特定の部分を除去してパターンを形成する。次に、パターニングおよび現像されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして使用して、パターンを金属、酸化物などで構成される下にある膜に転写することができる。
【0030】
先端技術ノード(国際半導体技術ロードマップによって定義)は、22nm、16nm、それ以降のノードを含む。例えば、16nmノードでは、ダマシン構造におけるビアまたはラインの幅は、典型的には、約30nm以下である。高度な半導体集積回路(IC)および他のデバイス上のフィーチャのスケーリングは、解像度を改善するためのリソグラフィを推進している。
【0031】
極紫外線(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ法で達成可能であるよりも短いイメージング光源波長に移行することによって、リソグラフィ技術を拡張することができる。約10~20nm、または11~14nmの波長、例えば13.5nmの波長のEUV光源は、スキャナとも呼ばれる最先端のリソグラフィツールに使用可能である。EUV放射は、石英や水蒸気を含む幅広い固体および流体材料に強く吸収されるため、真空中で動作する。
【0032】
従来の有機化学増幅レジスト(CAR)は、EUVリソグラフィで使用する際にいくつかの欠点を有し、特に、EUV領域での吸収係数が低く、光活性化化学種が拡散する。低い吸収係数を克服するには厚いCAR膜が必要であるが、パターンが崩壊するというリスクがある。一方、光活性化種の拡散は、線幅の粗さなどのパターンの忠実度に悪影響を及ぼす。加えて、不十分なエッチング選択性はまた、パターン転写のために追加の下層の使用を必要とする。そのため、現在のCARのリソグラフィ性能は、EUVスキャナの空間分解能性能に匹敵することはできない。
【0033】
直接光パターニング可能なEUVレジストは、有機成分内に混合された金属および/または金属酸化物を含み得る。これらの有機金属レジストは、EUV光子吸収を強化し、二次電子を生成し、かつ/または下にある膜スタックやデバイス層に対してエッチング選択性を高めることができるという点で非常に有望である。
【0034】
オレゴン州コーバリスのInpria Corpから入手可能なものなどの有機金属レジストは、実質的に高い吸収係数を享受し、優れた耐エッチング性を提供しながら大幅に薄くすることができる。これらの膜は、例えば、米国特許公開第US2017/0102612号およびUS2016/0116839号に記載されており、これらの各々は、少なくとも光パターニング可能な金属酸化物含有膜の開示のために参照により本明細書に組み込まれる。しかし、空間的に均質な膜をもたらすスピンオン配合物として、Inpria膜は前述の深さ依存性の線量の懸念に悩まされており、材料が入射EUV光子の約30%以上を吸収し始めると、選択的な現像を可能にするのに必要な化学的効果を誘発するための膜の底部への到達が不可避的に少なくなる。さらに、溶液中での安定性もまた、Inpria配合物の欠点として挙げられる。
【0035】
現在、高解像度パターニング用途用に市販されているすべてのEUVフォトレジストは、溶液系(湿式)スピンオン配合物である。有機金属系レジストの乾式堆積もまた、例えば、2019年5月9日に出願された「METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKS」と題する以前の国際出願第PCT/US19/31618号に記載されており、EUVレジストマスクを形成するための直接光パターニング可能な有機金属系金属酸化物膜の組成、堆積、およびパターニングに関するその開示は、参照により本明細書に組み込まれる。金属中心(主にSn)を除くこれらの有機金属系レジストのほとんどまたはすべてでは、すべての他の元素が低いEUV吸収断面積を有する。金属中心として、または対抗反応剤の一部として、または嵩高い有機基の置換として、他の高EUV吸収元素をレジストに導入すると、PRでのEUV吸収がさらに増加し、したがってパターニングに必要なEUV線量がさらに減少し得る。
【0036】
さらに、Inpriaスピンオン膜は、膜の厚さ全体にわたって均質であり、膜全体で一定の割合のアルキル結合Sn原子を有すると考えられている。我々の乾式堆積膜では、堆積中に組成を調節し、垂直組成勾配のある膜を作成することが可能である。我々の知る限り、これはスピンオンEUV PR配合物では達成されていない。
【0037】
本開示によるEUVフォトレジスト(PR)材料は、In、Sn、Sb、Bi、およびTeなどの高EUV吸収断面積を有する元素の中から選択される金属中心を有する有機金属前駆体を使用して形成することができる。前駆体の少なくとも1つは、化学反応に耐えることができるがEUV下で切断可能な1つまたは複数の嵩高い有機基も有する必要がある。本開示は、いかなる特定の理論または動作機構によっても限定されないが、嵩高い有機基の立体障害は、密集した網目構造の形成を防止し、低密度の多孔質膜をもたらすと考えられている。対抗反応剤は、反応中に金属中心の元のリガンドを置き換え、架橋材料を形成することができる必要がある。さらに、対抗反応剤および/または嵩高い有機基はまた、IおよびTeなどの追加の高EUV吸収元素を含むことができる。
【0038】
このようなPR膜は、CVDおよびALDなどの気相堆積法を使用して堆積することができる。前駆体と対抗反応剤のいくつかの組み合わせでは、反応は溶液相で実現することもでき、活性EUV PR材料の小さなクラスタを発生し、スピンコーティングプロセスを介して基板上にコーティングすることができる。EUV曝露時、PR内の高EUV吸収元素がEUV光を吸収し、多数の二次電子を生成する。それらの平均自由行程(典型的には数nm)内で、これらの電子は化学反応を誘発し、金属中心と嵩高い有機基の間の化学結合を切断することができる。水素化物/ヒドロキシル形成、架橋、表面極性の変化、膜の収縮、および溶解度の低下など、このような結合の切断に続く変化は、湿式現像と乾式現像の両方を含む現像、ならびに潜在的な表面イメージング/選択的堆積戦略に利用することができる化学的コントラストを作成する。
【0039】
PR膜におけるEUV感度をさらに改善することができる別の戦略は、膜組成が垂直方向に傾斜し、深さ依存性のEUV感度が得られる膜を作成することである。吸収係数の高い均質なPRでは、膜の深さ全体で光強度が減少するため、底部が十分に曝露されるようにより高いEUV線量が必要になる。膜の上部と比較して膜の底部で高いEUV吸収率を有する原子の密度を増加させることによって(すなわち、EUV吸収が増加する勾配を作成することによって)、吸収(および二次電子の効果)をより吸収性の高い膜の底部に向かってより均一に分散させながら、利用可能なEUV光子をより効率的に利用することが可能になる。
【0040】
PR膜において垂直組成勾配を設計する戦略は、CVDおよびALDなどの乾式堆積法に特に適用可能であり、堆積中の異なる反応剤間の流量比を調節することによって実現することができる。設計することができる組成勾配のタイプには、異なる高吸収金属間の比率、EUV切断可能な嵩高い基を有する金属原子の割合(または関連して、金属原子とEUV切断可能な嵩高い基との間の比率)、 高吸収元素(Te、およびIなど)を含む嵩高い基または対抗反応剤の割合(または関連して、金属原子と、TeおよびIなどの追加の高吸収元素との間の比率)、および上記の組み合わせが挙げられる。
【0041】
EUV PR膜における組成勾配もまた、追加の利点をもたらす可能性がある。例えば、膜の底部にある高密度の高EUV吸収元素は、より多くの二次電子を効果的に生成し、膜の上部をより良好に曝露することができる。加えて、そのような組成勾配は、嵩高い末端置換基に結合していないEUV吸収種の割合が高いことと直接相関することもあり得る。例えば、Sn系レジストの場合、4つの脱離基を有するスズ前駆体の組み込みが可能であり、それによって界面でのSn-O-基板結合の形成が促進され、接着性が改善される。
【0042】
本開示に従って金属有機レジストを作成する方法のいくつかの例、および利用可能であり得るいくつかの可能な技術的利点を以下に説明する。
【0043】
前駆体の説明
一般に、記載された方法は、気相堆積反応に耐えることができる各金属原子上に少なくとも1つのアルキル基を含む有機金属前駆体を流すことを伴い、一方、金属に配位する他のリガンドまたはイオンは、対抗反応剤によって置き換えることができる。
適切な有機金属前駆体は、以下の式のものを含む:
M1aR1bL1c (式1)
式中、M1は、Sn、Sb、In、Bi、Te、およびそれらの組み合わせなど、高パターニング放射吸収断面積(例えば、1×107cm2/mol以上)を有する金属であり、R1は、Cn2n+1などのアルキル(またはハロゲン置換アルキル)基であり、好ましくは、n≧3であり、L1は、対抗反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、a≧1、b≧1、およびc≧1である。
【0044】
様々な実施形態において、パターニング放射は、EUV放射であり、M1は、高EUV放射吸収断面積を有する金属である。他の種類のパターニング放射が使用される場合、M1は、フォトレジスト材料を現像するために使用されるパターニング放射のタイプに関して、高い吸収断面積を有し得る。
【0045】
加えて、アルキル基を有さず、代わりに、対抗反応剤によって置き換えることができる金属原子に配位するリガンドまたはイオンのみを有する適切な有機金属前駆体は、以下を含む:
M2aL2c (式2)
式中、M2は、M1と同じであっても異なっていてもよい、高EUV吸収断面積を有する金属であり、L2は、対抗反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、a≧1およびc≧1である。対抗反応剤は、好ましくは、化学結合を介して少なくとも2つの金属原子を連結するように、反応性部位のリガンドまたはイオン(例えば、上記の式1のL1、および/または式2のL2)を置換する能力を有する。
【0046】
様々な実施形態において、パターニング放射は、EUV放射であり、M2は、高EUV放射吸収断面積を有する金属である。他の種類のパターニング放射が使用される場合、M2は、フォトレジスト材料を現像するために使用されるパターニング放射のタイプに関して、高い吸収断面積を有し得る。
【0047】
対抗反応剤には、水、過酸化物(例えば、過酸化水素)、ギ酸、アルコール(例えば、ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール)、酸素、オゾン、他のヒドロキシル部位の供給源、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。様々な実施形態において、対抗反応剤は、近接する金属原子の間に酸素ブリッジを形成することによって有機金属前駆体と反応する。他の潜在的な対抗反応剤には、硫黄ブリッジを介して金属原子を架橋することができる硫化水素および二硫化水素、ならびにテルルブリッジを介して金属原子を架橋することができるビス(トリメチルシリル)テルルが挙げられる。加えて、ヨウ化水素を利用して、ヨウ素を膜に組み込むことができる。
【0048】
様々な実施形態において、R1は、フッ素化されてもよく、例えば、式Cnx(2n+1)を有してもよい。様々な実施形態において、R1は、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を有する。例えば、R1は、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよく、
これらのいずれもフッ素化されてもよい。
【0049】
L1またはL2は、アミン(ジアルキルアミノ、モノアルキルアミノなど)、アルコキシ、カルボキシレート、ハロゲン、およびそれらの混合物からなる群から選択される部位など、対応するM-OH部位を生成するために対抗反応剤によって容易に置換される任意の部位であり得る。
【0050】
有機金属前駆体は、多種多様な候補金属有機前駆体のいずれかであり得る。例えば、M1および/またはM2がスズである場合、そのような前駆体は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ、および類似のアルキル(トリス)(t-ブトキシ)スズ化合物(例えば、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、sec-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-プロピル(トリス)t-ブトキシスズ、n-プロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、ならびにこれらの材料のハロゲン置換形態を含む。いくつかの例では、有機金属前駆体は、t-ブチルトリクロロスズ、i-ブチルトリクロロスズ、n-ブチルトリクロロスズ、sec-ブチルトリクロロスズ、i-プロピルトリクロロスズ、n-プロピルトリクロロスズ、t-ブチルトリボモスズ、i-ブチルトリボモスズ、n-ブチルトリボモスズ、sec-ブチルトリボモスズ、i-プロピルトリブロモスズ、n-プロピルトリブロモスズなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、有機金属前駆体は、部分的にフッ素化される。いくつかの実施形態では、t-ブトキシなどのより反応性の低い/より制御可能な脱離基が有利に使用される。
【0051】
本開示に適用可能なEUVフォトレジスト膜としての前駆体およびそれらの堆積のための方法のさらなる説明は、国際出願第PCT/US19/31618号に見出すことができる。薄膜は、有機金属前駆体および対抗反応剤に加えて、EUVに対する膜の感度を修正するか、またはエッチング抵抗を強化するなど、膜の化学的または物理的性質を修正するための任意選択の材料を含み得る。そのような任意選択の材料は、例えば、基板上への堆積前の気相形成中、膜の堆積後、またはその両方においてドーピングすることによって導入することができる。いくつかの実施形態では、穏やかな遠隔H2プラズマを導入し、いくつかのM1-Lおよび/またはM2-L結合(例えば、Sn-L結合)をM1-Hおよび/またはM2-H結合(例えば、Sn-H結合)で置き換えることができ、例えば、EUV下でのレジストの反応性を高めることができる。
【0052】
様々な実施形態において、EUVパターニング可能膜は、当技術分野で知られているものの中で気相堆積装置およびプロセスを使用して作製され、基板上に堆積される。そのようなプロセスでは、重合した有機金属材料は、気相で、または基板の表面上にin situで形成される。適切なプロセスには、例えば、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、および金属前駆体と対抗反応剤が時間または空間のいずれかで分離される不連続なALD様プロセスなど、CVD成分を伴うALDが挙げられる。反応は、熱エネルギーまたはプラズマエネルギーによって推進され得る。
【0053】
一般に、方法は、有機金属前駆体の蒸気流を対抗反応剤の蒸気流と混合し、重合した有機金属材料を形成することと、有機金属材料を半導体基板の表面上に堆積することとを含む。当業者によって理解されるように、プロセスの混合および堆積の側面は、実質的に連続的なプロセスにおいて同時であり得る。
【0054】
例示的な連続CVDプロセスでは、有機金属前駆体および対抗反応剤の供給源の別々の入口経路にある2つ以上のガス流がCVD装置の堆積チャンバに導入され、ここでそれらは気相で混合して反応し、凝集した高分子材料を形成する(例えば、金属-酸素-金属結合の形成を介して)。流れは、例えば、別々の注入口またはデュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入することができる。装置は、有機金属前駆体および対抗反応剤の流れがチャンバ内で混合されるように構成され、有機金属前駆体および対抗反応剤が反応し、重合した有機金属材料を形成することを可能にする。本技術の機構、機能、または有用性を限定することなく、このような気相反応からの生成物は、金属原子が対抗反応剤によって架橋され、次に凝縮されるか、あるいは基板上に堆積されるので、分子量がより重くなると考えられている。様々な実施形態において、嵩高いアルキル基の立体障害は、密集した網目構造の形成を防止し、低密度の多孔質膜をもたらす。様々な場合において、低密度膜は、約2~2.5g/cm3の密度を有する。
【0055】
CAVプロセスは、一般に、10ミリTorr~10Torrなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは、0.5~2トルで実施される。基板の温度は、好ましくは、反応剤流の温度以下である。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であり得る。様々なプロセスにおいて、基板上への重合した有機金属材料の堆積は、表面温度に反比例する速度で行われる。
【0056】
この説明の残りの部分では、有機スズ部位は、他のSnならびに非Sn前駆体を添加してEUV吸収特性を変更することができるEUV反応性部位の主要な例として使用される。この開示と一致させて、他の有機金属種を使用することができる。
【0057】
乾式堆積法を使用することの潜在的な利点は、膜が成長するときに膜の組成の調節が容易なことである。CVDプロセスでは、これは、堆積中に2つ以上の金属含有前駆体の相対的な流れを変更することによって達成することができる。堆積は、0.01~100Torr、より一般的には約0.1Torr~10Torrの圧力において30~200℃で行われ得る。
【0058】
ALDプロセスでは、これは、ある前駆体と別の前駆体のサイクルの相対比を変更することによって達成することができる。例えば、最初にプロセスは5×[ドーズ前駆体A-パージ-ドーズ対抗反応剤-パージ]+1×[ドーズ前駆体B-パージ-ドーズ対抗反応剤-パージ]であり、A重質膜をもたらし得るが、膜成長の後期において、サイクルは、1×[ドーズ前駆体A-パージ-ドーズ対抗反応剤-パージ]+5×[ドーズ前駆体B-パージ-ドーズ対抗反応剤-パージ]に変化し、B重質膜をもたらし得る。堆積は、0.01~10Torrの圧力において30~300℃で行われ得る。ALDプロセスは、前駆体パルスと対抗反応剤パルスとの間に不完全なパージを有する場合があり、したがってCVD成分が成長に加えられる。
【0059】
ALD/CVD法による勾配膜の乾式堆積(非プラズマ)
様々なアルキル基を有する傾斜Sn系レジストを製造するための1つの例示的なシステムは、対抗反応剤としてテトラキス(ジメチルアミノ)スズおよびイソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ前駆体ならびに水を使用することを伴う。テトラキス(ジメチルアミノ)スズは、最初は少量から重要な成分として導入され、アルキル基に結合していないSnの比較的高密度の成分(本質的にはSnO2およびSn-OH誘導体)を発生する。テトラキス(ジメチルアミノ)スズ:イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ前駆体の比率は、膜が成長するにつれて減少する。これにより、膜の上面に向かって膜中のSn-R結合の量が増加した膜が得られる。(このプロセスによって得られた膜の吸収の増加の一例を、以下に説明する)。このプロセスは、ALDまたはCVD法のいずれかによって実施することができる。
【0060】
別の例は、吸収を強化するために異なる金属をシステムに追加することである。例えば、図2Aに示すように、ビスマスおよびスズの金属中心を有する勾配膜は、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズおよびトリス(ジメチルアミノ)ビスマスを使用して合成することができる。前駆体流中のトリス(ジメチルアミノ)ビスマス:イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズの比率は、膜が堆積するにつれて減少する。これにより、膜の上部よりも多くのビスマス金属中心を含む膜の底部が得られる。Snと同様に、Bi原子は非常に高いEUV断面積を示すが、Snとは異なり、嵩高いEUV不安定置換基がなくても、難治性の二元金属酸化物への縮合の傾向は低いようである。したがって、トリス(ジメチルアミノ)ビスマスを用いるプロセスは、湿式(水性および非水性)および乾式(例えば、適用可能な乾式現像技法を説明する目的で参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月26日に出願された米国出願第62/866,942号に記載されているようなHClまたはHBrベース)現像戦略の両方に対する実質的に低い悪影響が予想されるため、いくつかの状況または用途において、テトラキス(ジメチルアミノ)スズに基づくプロセスよりも実質的に優れている可能性がある。
【0061】
吸収勾配を伴う関連するアプローチは、2つの前駆体(両方ともアルキル基を有する)を使用するが、一方は他方よりも1つまたは複数のアルキルリガンドを含むいくらかのスズ系レジスト膜の使用を対象とする。例えば、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズおよびジイソプロピルジ(ジメチルアミノ)スズを使用することができる。最初に、膜の堆積中にジイソプロピルジ(ジメチルアミノ)スズの流れが導入され、膜が堆積されるにつれて、比率はイソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズの流れに対して増加する。これにより、膜の底部と比較して、表面上の2つのアルキル基に結合したSnの量が多い膜が得られる。
【0062】
さらに別の戦略は、酸素よりもはるかに高いEUV吸収係数を有する元素を導入するために、水に代替の(または追加の)共反応剤を導入することを伴う。一例は、図2Bに示すように、テルルの組み込みである。ビス(トリメチル)テルルは、気相共反応剤として実行可能なオプションを提供する。いくつかの実施形態では、これは、トリス(t-ブトキシ)イソプロピルスズおよび水などのアルキルスズ前駆体と組み合わせることができる。このようにして、EUV放射の80%以上を吸収する薄膜を、膜の底部近くの反応性Sn-アルキル部位をほとんど減少させることなく得ることができる。図2Bに示すように、堆積の最初の部分の間、共反応剤は、水とビス(トリメチル)テルルの両方を含む。下にある基板上に形成される最初の膜は、かなりの量のスズとテルルの両方を有する。堆積が進むにつれて、ビス(トリメチル)テルル:トリス(t-ブトキシ)イソプロピルスズの比率が減少し、それによって膜の最初の部分と比較して、比較的少ないテルルおよび比較的多いスズを有する膜を形成する。様々な実施形態において、膜は、例えば汚染および取り扱いの問題を最小限に抑えるのを助けるために、膜の上面近くでテルルを含まない組成に移行し得る。
【0063】
同様の戦略(基本化学物質としてトリス(t-ブトキシ)イソプロピルスズおよび水も用いる)を用いて、低濃度のHI(または適切なヨウ化アルキル)を水と一緒に使用してヨウ素を勾配導入し、界面近くでヨウ素を勾配ドーピングすることができる。
【0064】
このセクションでは、勾配膜の乾式堆積のための非プラズマ法について言及しているが、いずれの戦略も同様にプラズマ系堆積法に適用することができることが理解される。
【0065】
ALD/CVD法(プラズマ)による勾配膜の乾式堆積:
傾斜膜を作成する別の方法は、プラズマを使用して、膜の最初の堆積中に金属中心に結合したアルキル基のいくつかを除去することを伴う。例えば、Sn-アルキル結合は、プラズマの存在下で、VUVまたはプラズマからの電子もしくはイオンの衝撃によって容易に切断される。理想的には、アルキル基を単に除去するが、膜をエッチングしない条件のプラズマが使用される。例えば、O2、Ar、He、またはCO2プラズマを使用することができる。膜が堆積されると、アルキル基を除去するためのプラズマの効率が低下し(すなわち、プラズマの電力が低下し)、最終的にはオフになる。これにより、膜の底部よりも膜の表面に多くのM-アルキル結合を有する傾斜膜が得られる。
【0066】
パターニング曝露
堆積および任意選択の塗布後の焼き付けに続いて、勾配膜が曝露される。EUV、193nm、または電子ビームを使用して、膜を曝露することができる。多くの実施形態では、EUVが使用される。また、本開示は、EUVリソグラフィによって例示されるリソグラフィパターニング技法および材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技法にも適用可能であることを理解されたい。現在使用および開発されている標準の13.5nm EUV波長を含むEUVに加えて、このようなリソグラフィに最も関連する放射源はDUV(deep-UV)であり、これは一般に、248nmまたは193nmのエキシマレーザ光源、X線(X線範囲の低エネルギー範囲におけるEUVを形式的に含む)、ならびに広いエネルギー範囲をカバーすることができるeビームの使用を指す。特定の方法は、半導体基板および最終的な半導体デバイスで使用される特定の材料および用途に依存する可能性がある。したがって、本出願で説明される方法は、本技術で使用され得る方法および材料の単なる例示である。
【0067】
勾配膜の考えられる利点は、EUV吸収が高いことである。表面におけるSn-アルキル結合の密度が底部よりも高い傾斜Sn系膜が、その一例である。密度、構成元素のEUV断面積、および化学量論に基づいて、SnO2が本明細書および国際出願第PCT/US19/3161号に記載されているCVD有機スズ酸化物膜よりも高い線形吸収係数を有することは容易に計算することができ、すなわち、SnO2は、所与の体積に対してCVD有機スズ酸化物膜よりも多くのEUV光子を吸収する。EUV光子の吸収は、ランベルトベールの法則によって計算することができる。図1Aは、様々な代表的な膜についての組成対膜深さを図示する。図1Bは、これらの同じ代表的な膜についての吸収対膜深さを図示し、推定はランベルトベールの法則に基づいて行われる。
【0068】
曝露領域と非曝露領域との間にコントラストを生じさせるために、ウエハに入射する入射EUV光をより多く捕捉することが有利であり得る。パターンがその後に後続の層に転写され得るように、十分な厚さのレジストを使用する必要がある。一般に、レジストが組成的に均質である場合、レジストの底部への光の約70%の透過が起こるはずである。しかし、傾斜組成が場合によっては均質なレジスト組成で発生する吸収挙動の不均一性に対抗することができるので、レジストが傾斜組成を有する場合、より多くの吸収量およびより少ない透過量が適切であり得る。
【0069】
例示的なSnの場合について、特に下にある基板の近くの膜の底部の近くで、より高い吸収を有する面積を組み込むことが有利であり得る。これらの領域は、より多くのEUV光を吸収し、近接する領域を曝露することができるより多くの二次電子を生成する(例えば、本明細書で説明するCVD有機スズ酸化物膜の半径は約1nmである)。1つの可能な方法は、より少ないSn-アルキル結合、効果的にはより多くのSnO2様材料を膜の底部に向かって有し、より多くのSn-アルキル結合を膜の上部に向かって有する領域を含むことである。
【0070】
異なる組成勾配のいくつかの例が図1Aに示され、対応する吸収が図1Bに示される。さらに、図1C図1Eは、異なるEUVフォトレジストおよびそれらが提供する結果として生じる吸収/透過を図示する。これらの図では、EUVフォトレジスト121が、下にある基板120上に位置決めされる。EUV放射122がEUVフォトレジスト121を照らし、異なる量のEUV放射122がEUVフォトレジスト121によって吸収され、その結果、異なる量のEUV放射がEUVフォトレジスト121を通って下にある基板120上に透過される。図1Cのフォトレジスト121は、30%の比較的低いEUV吸収、70%の透過率を有する均質な有機スズ酸化物フォトレジストである。図1Dのフォトレジスト121は、90%の比較的高いEUV吸収、10%の透過率を有する均質な膜である(EUV吸収および結果として生じる化学物質はフォトレジストの上部に向かって重み付けされるため、このフォトレジストは一般にパターニング用途には効果がない)。図1Eのフォトレジスト121は、40%の透過率で全体的に60%のEUV吸収を提供する組成勾配を有する傾斜スズ系EUVフォトレジストである。図1Eの組成勾配によって提供される増加するEUV吸収勾配は、フォトレジスト121の厚さ全体にわたってより均一な吸収をもたらす。容易にわかるように、SnO2様性質が高い領域を含めると、膜内のEUV吸収が増加する。与えられた例はすべて、膜の表面に向かってSn-アルキル含有量が増加しているが、Sn-アルキルの重い領域とSn-アルキルの軽い領域が交互に並んだラミネート層が存在する概念も想定される。
【0071】
現像戦略
曝露および任意選択の焼き付けに続いて、膜が現像される。膜は、湿式現像または乾式現像のいずれかであり得る。選択された膜および化学物質は、曝露されていない膜が曝露された膜の上で選択的に除去され得るように設計することができる。
【0072】
有機スズ酸化物に基づくEUVフォトレジスト組成に適した乾式現像プロセスが実証されており、市販のスピンコーティング可能な配合物(例えば、Inpria Corpから)と、上記で参照した乾式真空堆積技法を使用して適用される配合物の両方に適用可能である。ネガティブトーンの乾式現像は、ハロゲン化水素または水素とハロゲン化物(プラズマに衝突していないHClおよび/またはHBrを含む)を含む流れ、またはH2とCl2および/もしくはBr2の流れに曝露された非EUV曝露領域を、リモートプラズマまたはプラズマから生成されたUV放射で選択的に乾式現像(除去)してラジカルを生成することによって達成されている。乾式現像についてのプロセスの例には、有機スズ酸化物含有EUV感受性フォトレジスト薄膜(例えば、厚さ10~40nm、場合によっては厚さ10~20nm、例えば15nm)が挙げられ、EUV曝露線量を受けて曝露後の焼き付けが行われた後、乾式現像される。乾式現像についてのプロセス条件は、例えば以下の通りである:反応剤流100~500sccm(例えば、500sccm HBrまたはHCl)、温度-10~120℃(例えば、-10℃)、圧力20~500mT(例えば、300mT)、プラズマなし、約10~500秒、場合によっては約10秒~1分、フォトレジスト膜と組成および特性に依存。ハロゲン化水素反応剤の流れが水素ガスおよびハロゲン化物ガスである場合、リモートプラズマ/UV放射を使用してH2とCl2および/またはBr2からラジカルを生成し、水素ラジカルおよびハロゲン化物ラジカルを反応チャンバに流し、ウエハの基板層上のパターニングされたEUVフォトレジストに接触させる。適切なプラズマ電力は、バイアスなしで100~500Wの範囲であり得る。これらの条件は、いくつかの処理リアクタ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なKiyoエッチングツールに適しているが、処理リアクタの能力に応じて、より広い範囲のプロセス条件を使用することができることを理解されたい。
【0073】
勾配膜のもう1つの潜在的な利点は、現像において明らかである。前に説明したように、EUV光がレジストを通過すると、光の一部が吸収される。これは、レジストの底部がレジストの上部よりも曝露される光が少ないことを意味する。勾配膜を使用することにより、選択的現像に必要な十分なEUV誘導反応性を維持しながら、レジストの厚さ全体に吸収されるEUV光子の数をより均一に分散させることが可能であり得る。例えば、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズおよびテトラキス(ジメチルアミノ)スズの場合、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ:イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズの比率が比較的高い堆積領域は、テトラキス(ジメチルアミノ)スズ:イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズの比率が比較的低い堆積領域と比較して、Sn-アルキル結合の割合が低く、Sn-O-Sn結合が多い場合がある。したがって、より多くのテトラキス(ジメチルアミノ)スズ量が堆積中に最初に流される(そして次に堆積中に減少する)場合、膜の底部は、膜の上部よりも効果的に架橋され得る。
【0074】
結論
高EUV吸収元素の導入により、フォトレジスト材料は、Inpriaなどの従来の金属酸化物フォトレジストと比較してより多くのEUV光子を吸収し、より多くの二次電子を放出することができ、これにより線量要件が下がり、したがってEUVリソグラフィのコストを下げることができる。このような膜は、潜在的に、湿式スピンコート法と乾式CVD/ALD法の両方を使用して堆積することが可能である。
【0075】
傾斜膜は、均質な膜よりも膜曝露に必要なEUV線量を低減するという利点を提供し得る。これらの膜の乾式堆積は、スピンコーティングされた膜の上で膜の厚さ全体にわたってレジストの組成を調節するより多くの機会を提供する。
【0076】
装置
図3は、本明細書に記載の説明された乾式堆積および現像の実施形態の実施に適した低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体302を有するプロセスステーション300の一実施形態の概略図を図示する。複数のプロセスステーション300は、共通の低圧プロセスツール環境に含まれ得る。例えば、図4は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なVECTOR(登録商標)処理ツールなどのマルチステーション処理ツール400の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、プロセスステーション300の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(以下で詳細に説明されるものを含む)は、1つまたは複数のコンピュータコントローラ350によってプログラム的に調整することができる。
【0077】
プロセスステーションは、クラスタツール内のモジュールとして構成することができる。図6は、本明細書に記載の実施形態の実施に適した真空統合堆積およびパターニングモジュールを備えた半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。そのようなクラスタプロセスツールアーキテクチャは、上述され、図5および図6を参照して以下でさらに説明されるように、レジスト堆積、レジスト曝露(EUVスキャナ)、レジスト乾式現像、およびエッチングモジュールを含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、特定の処理機能、例えば乾式現像およびエッチングは、同じモジュール内で連続して実施することができる。そして、本開示の実施形態は、本明細書で説明するように、エッチングされる層または層スタック上に配置された光パターニングされたEUVレジスト薄膜層を含むウエハを、EUVスキャナでの光パターニングに続いて乾式現像/エッチングチャンバに受け入れ、光パターニングされたEUVレジスト薄膜層を乾式現像し、次に、パターニングされたEUVレジストをマスクとして使用して下にある層をエッチングするための方法および装置を対象とする。
【0079】
図3に戻ると、プロセスステーション300は、プロセスガスを分配シャワーヘッド306に送給するための反応剤送給システム301aと流体的に連通している。反応剤送給システム301aは、任意選択で、シャワーヘッド306に送給するプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器304を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁320は、混合容器304へのプロセスガスの導入を制御することができる。様々な実施形態において、混合容器304は省略されてもよく、反応剤送給システム301aは、プロセスステーション300に達する前に混合しないように、反応剤の各々をプロセスステーション300に別々に送給するように構成され得る。プラズマ曝露が使用される場合、プラズマはまた、シャワーヘッド306に送給され得るか、またはプロセスステーション300で生成され得る。上記のように、少なくともいくつかの実施形態では、非プラズマ熱曝露が好まれる。
【0080】
図3は、混合容器304に供給される液体反応剤を気化させるための任意選択の気化ポイント303を含む。いくつかの実施形態では、気化されてプロセスステーション300に送給される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラ(LFC)を気化ポイント303の上流に設けることができる。例えば、LFCは、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含み得る。次に、LFCのプランジャ弁は、MFMとの電気通信で比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整することができる。
【0081】
シャワーヘッド306は、プロセスガスを基板312に向けて分配する。図3に示す実施形態では、基板312は、シャワーヘッド306の下に位置し、台座308上に載置された状態で示されている。シャワーヘッド306は、任意の適切な形状を有することができ、プロセスガスを基板312に分配するための任意の適切な数および配置のポートを有することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、台座308は、基板312を基板312とシャワーヘッド306との間の体積に曝露するために、上昇または下降させることができる。いくつかの実施形態では、台座の高さは、適切なコンピュータコントローラ350によってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
【0083】
いくつかの実施形態では、台座308は、ヒータ310を介して温度制御され得る。いくつかの実施形態では、台座308は、開示された実施形態に記載のように、HBrまたはHClなどのハロゲン化水素乾式現像化学物質に対する光パターニングされたレジストの非プラズマ熱曝露中、0℃を超えて300℃以上、例えば50~120℃、例えば約65~80℃の温度に加熱され得る。
【0084】
さらに、いくつかの実施形態では、プロセスステーション300についての圧力制御は、バタフライ弁318によって提供され得る。図3の実施形態に示すように、バタフライ弁318は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかし、いくつかの実施形態では、プロセスステーション300の圧力制御はまた、プロセスステーション300に導入される1つまたは複数のガスの流量を変化させることによって調整することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド306の位置は、台座308に対して調整され、基板312とシャワーヘッド306との間の体積を変化させることができる。さらに、台座308および/またはシャワーヘッド306の垂直位置は、本開示の範囲内の任意の適切な機構によって変更されてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、台座308は、基板312の配向を回転させるための回転軸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの例示的な調整のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の適切なコンピュータコントローラ350によってプログラム的に実施することができることが理解されよう。
【0086】
プラズマを使用することができる場合、例えば、穏やかなプラズマ系乾式現像の実施形態および/または同じチャンバ内で実施されるエッチング動作において、シャワーヘッド306および台座308は、プラズマに電力を供給するために、無線周波数(RF)電源314および整合ネットワーク316と電気的に通信する。いくつかの実施形態では、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングの1つまたは複数を制御することによって制御することができる。例えば、RF電源314および整合ネットワーク316は、任意の適切な電力で動作してラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成することができる。
適切な電力の例は、最大約500Wである。
【0087】
いくつかの実施形態では、コントローラ350に対する命令は、入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を介して提供され得る。一例では、プロセス段階に対する条件を設定するための命令は、プロセスレシピの対応するレシピ段階に含まれてもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階は、プロセス段階に対するすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリアクタパラメータを設定するための命令がレシピ段階に含まれ得る。例えば、レシピ段階は、HBrまたはHClなどの乾式現像化学物質反応剤ガスの流量を設定するための命令、およびレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ350は、図4のシステムコントローラ450に関して以下に説明される特徴のいずれかを含むことができる。
【0088】
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションは、マルチステーション処理ツールに含まれ得る。図4は、インバウンドロードロック402およびアウトバウンドロードロック404を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を含み得るマルチステーション処理ツール400の一実施形態の概略図を示す。ロボット406は、大気圧において、ポッド408を介してロードされたカセットから、大気圧ポート410を介してインバウンドロードロック402にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット406によって、インバウンドロードロック402の台座412上に載置され、大気圧ポート410が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック402がリモートプラズマ源を含む場合、ウエハは、処理チャンバ414に導入される前にロードロック内の窒化ケイ素表面を処理するためにリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸収したガスを除去するためにインバウンドロードロック402においても加熱されてもよい。次に、処理チャンバ414へのチャンバ搬送ポート416が開かれ、別のロボット(図示せず)が、ウエハをリアクタ内に移動させ、リアクタ内に示す第1のステーションの台座上に処理のために載置する。図4に図示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されるであろう。
【0089】
図示の処理チャンバ414は、図4に示す実施形態において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して418で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスステーションは、乾式現像モードとエッチングプロセスモードとの間で切り替え可能であり得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、処理チャンバ414は、乾式現像ステーションおよびエッチングプロセスステーションの1つまたは複数の一致した対を含んでもよい。また、いくつかの実施形態では、垂直傾斜組成を有するEUVレジスト膜を堆積するために、マルチステーション処理ツールは、一連の(例えば、4つの)連続した均質な階段状吸収層を堆積するように構成することができ、それによって膜の上部と比較して膜の底部で高いEUV吸収性を有する原子の密度を増加させる。図示の処理チャンバ414は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0090】
図4は、処理チャンバ414内でウエハを搬送するためのウエハハンドリングシステム490の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム490は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを搬送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されよう。非限定的な例として、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。図4はまた、プロセスツール400のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ450の一実施形態を図示する。システムコントローラ450は、1つまたは複数のメモリデバイス456と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス454と、1つまたは複数のプロセッサ452とを含むことができる。プロセッサ452は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ450は、プロセスツール400の活動のすべてを制御する。システムコントローラ450は、大容量記憶デバイス454に記憶され、メモリデバイス456にロードされ、プロセッサ452で実行されるシステム制御ソフトウェア458を実行する。あるいは、制御論理は、コントローラ450にハードコードされ得る。これらの目的のために、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはFPGA)などを使用することができる。以下の説明では、「ソフトウェア」または「コード」が使用されている場合は常に、機能的に同等のハードコードされた論理を代わりに使用することができる。システム制御ソフトウェア458は、タイミング、ガスの混合、ガス流量、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール400によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア458は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために使用されるプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア458は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェア458は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ450に関連する大容量記憶デバイス454および/またはメモリデバイス456に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムの例またはプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムを含む。
【0093】
基板位置決めプログラムは、基板を台座418上にロードし、基板とプロセスツール400の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
【0094】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、ハロゲン化水素ガス組成(例えば、本明細書に記載のHBrまたはHClガス)および流量を制御するためのコード、および任意選択で、堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。
【0095】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0096】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態による1つまたは複数のプロセスステーションのプロセス電極に適用されるRF電力レベルを設定するためのコードを含むことができる。
【0097】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態による反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含むことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ450に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ450によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例として、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0100】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ450のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール400のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0101】
システムコントローラ450は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などのような様々なプロセスパラメータを制御することができる。命令は、本明細書に記載の様々な実施態様に従って、乾式現像および/またはエッチングプロセスを動作させるためのパラメータを制御することができる。
【0102】
システムコントローラ450は、典型的には、装置が開示された実施形態による方法を実施するように、命令を実行するように構成された1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含む。開示された実施形態によるプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ450に結合され得る。
【0103】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ450はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラ450は、処理条件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0104】
広義には、システムコントローラ450は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でシステムコントローラ450に通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0105】
システムコントローラ450は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、システムコントローラ450は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ450は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびシステムコントローラ450が連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ450は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0106】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0107】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、システムコントローラ450は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0108】
特定の実施形態では、いくつかの実施形態の実施に適したエッチング動作に適し得る誘導結合プラズマ(ICP)リアクタについて、次に説明する。ICPリアクタが本明細書では説明されているが、いくつかの実施形態では、容量結合プラズマリアクタも使用されてもよいことを理解されたい。
【0109】
図5は、特定の実施形態または乾式現像および/もしくはエッチングなどの実施形態の態様を実施するのに適切な誘導結合プラズマ装置500の断面図を概略的に示し、その一例は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationによって製造されているKiyo(登録商標)リアクタである。他の実施形態では、本明細書に記載の乾式現像および/またはエッチングプロセスを実施する機能性を有する他のツールまたはツールタイプを実施のために使用することができる。
【0110】
誘導結合プラズマ装置500は、チャンバ壁501および窓511によって構造的に画定された総合プロセスチャンバ524を含む。チャンバ壁501は、ステンレス鋼またはアルミニウムから製作することができる。窓511は、石英または他の誘電体材料から製作することができる。任意選択の内部プラズマグリッド550は、プロセスチャンバ全体を上部サブチャンバ502および下部サブチャンバ503に分割する。ほとんどの実施形態では、プラズマグリッド550を除去することができ、それによってサブチャンバ502および503からなるチャンバ空間を利用することができる。チャック517が、底部内面近くの下部サブチャンバ503内に位置決めされる。チャック517は、エッチングおよび堆積プロセスが実施される半導体ウエハ519を受け入れて保持するように構成される。チャック517は、存在する場合、ウエハ519を支持するための静電チャックであり得る。いくつかの実施形態では、エッジリング(図示せず)がチャック517を囲み、チャック517の上に存在する場合、ウエハ519の上面とほぼ平面である上面を有する。チャック517はまた、ウエハ519をチャックおよびデチャックするための静電電極を含む。この目的のために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が設けられてもよい。チャック517からウエハ519を持ち上げるための他の制御システムもまた、設けられてもよい。チャック517は、RF電源523を使用して充電させることができる。RF電源523は、接続部527を通して整合回路521に接続される。整合回路521は、接続部525を通してチャック517に接続される。このようにして、RF電源523はチャック517に接続される。様々な実施形態において、静電チャックのバイアス電力は、開示された実施形態に従って実施されるプロセスに応じて、約50Vに設定され得るか、または異なるバイアス電力に設定され得る。例えば、バイアス電力は、約20Vb~約100V、または約30V~約150Vであり得る。
【0111】
プラズマ生成のための要素は、窓511の上に位置決めされたコイル533を含む。いくつかの実施形態では、コイルは、開示された実施形態では使用されない。コイル533は、導電性材料から製作され、少なくとも1つの完全なターンを含む。図5に示すコイル533の例は、3ターンを含む。コイル533の断面は記号で示されており、「X」を有するコイルはページ内に回転して延びるが、「●」を有するコイルはページ外に回転して延びる。プラズマ生成のための要素はまた、RF電力をコイル533に供給するように構成されたRF電源541を含む。一般に、RF電源541は、接続部545を通して整合回路539に接続される。整合回路539は、接続部543を通してコイル533に接続される。このようにして、RF電源541はコイル533に接続される。任意選択のファラデーシールド549aは、コイル533と窓511との間に位置決めされる。ファラデーシールド549aは、コイル533に対して間隔を置いて離れた関係に維持され得る。いくつかの実施形態では、ファラデーシールド549aは、窓511のすぐ上に配置される。いくつかの実施形態では、ファラデーシールド549bは、窓511とチャック517との間にある。いくつかの実施形態では、ファラデーシールド549bは、コイル533に対して間隔を置いて離れた関係に維持されていない。例えば、ファラデーシールド549bは、ギャップなしに窓511の真下にあり得る。コイル533、ファラデーシールド549a、および窓511は各々、互いに実質的に平行になるように構成される。ファラデーシールド549aは、金属または他の種がプロセスチャンバ524の窓511上に堆積するのを防止することができる。
【0112】
プロセスガスは、上部サブチャンバ502に位置決めされた1つまたは複数の主ガス流入口560を通して、および/または1つまたは複数の側ガス流入口570を通してプロセスチャンバに流入され得る。同様に、明示的には示されていないが、同様のガス流入口を使用して、プロセスガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給することができる。真空ポンプ、例えば、1段または2段機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ540を使用して、プロセスチャンバ524からプロセスガスを引き出し、プロセスチャンバ524内の圧力を維持することができる。例えば、真空ポンプを使用して、ALDのパージ動作中に下部サブチャンバ503を排気することができる。弁制御導管を使用して真空ポンプをプロセスチャンバ524に流体的に接続し、真空ポンプによって提供される真空環境の適用を選択的に制御することができる。これは、プラズマ処理動作中、スロットル弁(図示せず)または振り子弁(図示せず)などの閉ループ制御流量制限装置を用いて行うことができる。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバへの真空ポンプおよび弁制御流体接続部も用いることができる。
【0113】
装置500の動作中、1つまたは複数のプロセスガスは、ガス流入口560および/または570を通して供給され得る。特定の実施形態では、プロセスガスは、主ガス流入口560を通してのみ、または側ガス流入口570を通してのみ供給され得る。場合によっては、図に示すガス流入口は、より複雑なガス流入口、例えば1つまたは複数のシャワーヘッドに置き換えることができる。ファラデーシールド549aおよび/または任意選択のグリッド550は、プロセスチャンバ524へのプロセスガスの送給を可能にする内部チャネルおよび孔を含み得る。ファラデーシールド549aおよび任意選択のグリッド550のいずれかまたは両方が、プロセスガスを送給するためのシャワーヘッドとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、液体気化および送給システムが、液体反応剤または前駆体が気化されると、気化した反応剤または前駆体がガス流入口560および/または570を介してプロセスチャンバ524に導入されるように、プロセスチャンバ524の上流に位置し得る。
【0114】
無線周波数電力は、RF電源541からコイル533に供給され、RF電流がコイル533を通って流れるようにする。コイル533を通って流れるRF電流は、コイル533の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上部サブチャンバ502内で誘導電流を生成する。様々な生成されたイオンおよびラジカルとウエハ519の物理的および化学的相互作用により、ウエハ519上のフィーチャがエッチングされ、ウエハ519上に層が選択的に堆積される。
【0115】
プラズマグリッド550が、上部サブチャンバ502と下部サブチャンバ503の両方が存在するように使用される場合、誘導電流は、上部サブチャンバ502に存在するガスに作用し、上部サブチャンバ502に電子-イオンプラズマを生成する。任意選択の内部プラズマグリッド550は、下部サブチャンバ503内の熱電子の量を限定する。いくつかの実施形態では、装置500は、下部サブチャンバ503に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように設計および動作される。
【0116】
上部の電子-イオンプラズマと下部のイオン-イオンプラズマの両方は陽イオンおよび陰イオンを含み得るが、イオン-イオンプラズマは陽イオンに対してより大きい比率の負イオンを有する。揮発性エッチングおよび/または堆積副生成物は、ポート522を通して下部サブチャンバ503から除去され得る。本明細書に開示されるチャック517は、約10℃~約250℃の範囲の高温で動作することができる。温度は、プロセス動作および特定のレシピによって異なる。
【0117】
装置500は、クリーンルームまたは製作施設に設置される場合、設備(図示せず)に結合されてもよい。設備は、処理ガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管を含む。これらの設備は、目的の製作施設に設置されると、装置500に結合される。加えて、装置500は、ロボットが典型的な自動操作を使用して半導体ウエハが装置500に出入りすることを可能にする移送チャンバに結合され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ530(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含み得る)が、プロセスチャンバ524の動作のいくつかまたはすべてを制御する。システムコントローラ530は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置500は、開示された実施形態が実施されるときに流量および持続時間を制御するためのスイッチングシステムを含む。いくつかの実施形態では、装置500は、最大約500ms、または最大約750msのスイッチング時間を有してもよい。スイッチング時間は、フローケミストリ、選択したレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他の要因によって異なり得る。
【0119】
いくつかの実施態様では、システムコントローラ530はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器はシステムコントローラ530に一体化することができ、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。システムコントローラは、処理パラメータおよび/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0120】
広義には、システムコントローラ530は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作または除去における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0121】
システムコントローラ530は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ530は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ530は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの一例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0122】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、ALEチャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、EUVリソグラフィチャンバ(スキャナ)またはモジュール、乾式現像チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0123】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0124】
EUVLパターニングは、しばしばスキャナと呼ばれる任意の適切なツール、例えばオランダ、フェルトホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(登録商標)プラットフォームを使用して実施することができる。EUVLパターニングツールは、本明細書に記載のような堆積およびエッチングのために基板がそこから出入りする独立型デバイスであり得る。または、以下で説明するように、EUVLパターニングツールは、より大きなマルチ構成要素ツール上のモジュールである場合がある。図6は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空統合堆積、EUVパターニング、および真空移送モジュールと連動する乾式現像/エッチングモジュールを備えた半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。プロセスは、そのような真空統合装置なしで実施することができるが、そのような装置は、いくつかの実施態様において有利である可能性がある。
【0125】
図6は、本明細書に記載のプロセスの実施に適した、真空移送モジュールと連動する真空統合堆積およびパターニングモジュールを備えた半導体プロセスクラスタツールアーキテクチャを図示する。複数の格納施設および処理モジュール間でウエハを「移送する」ための移送モジュールの配置は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。堆積およびパターニングモジュールは、特定のプロセスの要件に従って、真空統合される。エッチング用などの他のモジュールもまた、クラスタに含まれる場合がある。
【0126】
真空搬送モジュール(VTM)638が、様々な製作プロセスを実施するために個々に最適化され得る4つの処理モジュール620a~620dと連動する。例として、処理モジュール620a~620dは、堆積、蒸発、ELD、乾式現像、エッチング、ストリップ、および/または他の半導体プロセスを実施するために実装され得る。例えば、モジュール620aは、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なVectorツールなど、本明細書に記載の非プラズマ熱原子層堆積で実施するように動作することができるALDリアクタであってもよい。また、モジュール620bは、Lam Vector(商標)などのPECVDツールであってもよい。図は、必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【0127】
ロードロックまたは移送モジュールとしても知られるエアロック642および646は、VTM638およびパターニングモジュール640と連動する。例えば、上述のように、適切なパターニングモジュールは、オランダ、フェルトホーフェンのASMLによって供給されるTWINSCAN NXE:3300B(商標)プラットフォームであり得る。このツールアーキテクチャにより、半導体基板またはウエハなどのワークピースを真空下で移送させ、曝露前に反応しないようにすることが可能である。堆積モジュールとリソグラフィツールの統合は、H2O、O2などの周囲ガスによる入射光子の強力な光吸収を考えると、EUVLも大幅に低い圧力を必要とするという事実によって促進される。
【0128】
上述のように、この統合アーキテクチャは、説明されたプロセスの実施のためのツールの1つの可能な実施形態にすぎない。プロセスは、例えば図6を参照して説明したように(しかし統合されたパターニングモジュールはない)、モジュールとしてエッチング、ストリップなどの他のツール(例えば、Lam KiyoまたはGammaツール)を用いる、独立型であるかまたはクラスタアーキテクチャに統合されたLam Vectorツールなど、より従来型の独立型EUVLスキャナおよび堆積リアクタを使用して実施することもできる。
【0129】
エアロック642は、堆積モジュール620aに仕えるVTM638からパターニングモジュール640への基板の移送を指す「搬出」ロードロックであってもよく、エアロック646は、パターニングモジュール640からVTM638への基板の移送を指す「搬入」ロードロックであってもよい。搬入ロードロック646はまた、基板のアクセスおよび撤去のためにツールの外部へのインターフェースを提供し得る。各プロセスモジュールは、モジュールをVTM638に連動するファセットを有する。例えば、堆積プロセスモジュール620aは、ファセット636を有する。各ファセット内では、センサ、例えば、図示のセンサ1~18は、それぞれのステーション間を移動する際のウエハ626の通過を検出するために使用される。パターニングモジュール640ならびにエアロック642および646は、図示されていない追加のファセットおよびセンサを同様に備えてもよい。
【0130】
主VTMロボット622は、エアロック642および646を含むモジュール間でウエハ626を移送する。一実施形態では、ロボット622は1つのアームを有し、別の実施形態では、ロボット622は2つのアームを有し、各アームは、搬送のためにウエハ626などのウエハを取り上げるエンドエフェクタ624を有する。フロントエンドロボット644は、ウエハ626を搬出エアロック642からパターニングモジュール640へ、パターニングモジュール640から搬入エアロック646へ移送するために使用される。フロントエンドロボット644はまた、搬入ロードロックと基板のアクセスおよび撤去用ツールの外部との間でウエハ626を搬送してもよい。搬入エアロックモジュール646は大気と真空との間の環境に調和させる能力を有するため、ウエハ626は、損傷することなく2つの圧力環境の間を移動することができる。
【0131】
EUVLツールは、典型的には、堆積ツールよりも高い真空で動作することに留意されたい。この場合、堆積からEUVLツールへの移送中に基板の真空環境を高め、パターニングツールに入る前に基板を脱ガスすることができるようにすることが望ましい。搬出エアロック642は、パターニングツール640の光学系が基板の脱ガスによって汚染されないように、オフガスの排出中の一定期間は搬送されたウエハをパターニングモジュール640の圧力以下の低圧で保持することによってこの機能を提供してもよい。搬出脱ガスエアロックに適した圧力は、1E-8Torr以下である。
【0132】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ650(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含み得る)が、クラスタツールおよび/またはその別々のモジュールの動作のいくつかまたはすべてを制御する。コントローラは、クラスタアーキテクチャに固有であることも、製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置することも、または遠隔位置でネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続することも可能であることに留意されたい。システムコントローラ650は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボード、ならびに他の同様の構成要素を含み得る。適切な制御動作を実施するための命令は、プロセッサ上で実行される。これらの命令は、コントローラに関連付けられたメモリデバイスに記憶されるか、またはネットワークを介して提供されてもよい。特定の実施形態では、システムコントローラは、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0133】
システム制御ソフトウェアは、適用のタイミングおよび/またはツールもしくはモジュール動作の任意の側面の大きさを制御するための命令を含むことができる。システム制御ソフトウェアは、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェアは、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含む。例えば、半導体製作プロセスの各段階は、システムコントローラによって実行するための1つまたは複数の命令を含み得る。凝縮、堆積、蒸発、パターニング、および/またはエッチング段階に対するプロセス条件を設定するための命令は、例えば、対応するレシピ段階に含まれてもよい。
【0134】
様々な実施形態において、ネガティブパターンのマスクを形成するための装置が提供される。装置は、パターニング、堆積、およびエッチングのための処理チャンバと、ネガティブパターンのマスクを形成するための命令を含むコントローラとを含むことができる。命令は、処理チャンバ内において、基板の表面を曝露するためのEUV曝露によって半導体基板上の化学増幅レジスト(CAR)内のフィーチャをパターニングし、光パターニングされたレジストを乾式現像し、パターニングされたレジストをマスクとして使用して下にある層または層スタックをエッチングするためのコードを含み得る。
【0135】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに固有であることも、製造フロアのクラスタアーキテクチャの外部に位置することも、または遠隔位置でネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続することも可能であることに留意されたい。図3図4、または図5のいずれかに関して上述したようなコントローラは、図6のツールを使用して実装することができる。
【0136】
結論
金属および/または金属酸化物フォトレジストの乾式現像のための、例えば、EUVパターニングの場面でパターニングマスクを形成するためのプロセスおよび装置が開示される。
【0137】
本明細書に記載の例および実施形態は、例示のみを目的とするものであり、それに照らして様々な修正または変更が当業者に提案されることが理解される。明確にするために様々な詳細が省略されているが、様々な設計代替案が実施されてもよい。したがって、本例は限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、本開示は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、本開示の範囲内で修正されてもよい。
【0138】
以下の例示的な請求項は、本開示の特定の実施形態をさらに説明するために提供される。本開示は、必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法であって、
反応チャンバ内に前記基板を提供することと、
第1の反応剤および第2の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記基板上に前記フォトレジスト材料を堆積することであって、前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は各々、気相で前記反応チャンバに提供されることと
を含み、
前記第1の反応剤は、M1 a R1 b L1 c の式を有する有機金属前駆体であり、式中、
M1は、高パターニング放射吸収断面積を有する金属であり、
R1は、前記第1の反応剤と前記第2の反応剤の間の前記反応に耐え、パターニング放射に曝露された状態でM1から切断可能な有機基であり、
L1は、前記第2の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、
a≧1、
b≧1、および、
c≧1であり、
以下の条件:
(a)前記フォトレジスト材料が高パターニング放射吸収断面積を有する2つ以上の元素を含む、および/または
(b)前記フォトレジスト材料が前記フォトレジスト材料の厚さに沿った組成勾配を含む、
の少なくとも1つが満たされる、
方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、極紫外線(EUV)フォトレジスト材料であり、M1は、高EUV吸収断面積を有する、方法。
[適用例3]
適用例2に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、ヒドロキシル部位を含む、方法。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、水、過酸化物、ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化ジまたはポリヒドロキシアルコール、フッ素化グリコール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
[適用例5]
適用例2~4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、硫黄ブリッジおよび/またはテルルブリッジを介して金属原子を架橋することができる材料を含む、方法。
[適用例6]
適用例2~5のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、硫化水素、二硫化水素、ビス(トリメチルシリル)テルル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
[適用例7]
適用例2~6のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、ヨウ化水素を含む、方法。
[適用例8]
適用例2~7のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第2の反応剤は、1つまたは複数のL1を置き換え、それによって化学結合を介してM1の2つ以上の原子を架橋する、方法。
[適用例9]
適用例2~8のいずれか一項に記載の方法であって、
M1の前記EUV吸収断面積は、1×10 7 cm 2 /モル以上である、方法。
[適用例10]
適用例2~9のいずれか一項に記載の方法であって、
M1は、Sn、Sb、In、Bi、Te、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む、方法。
[適用例11]
適用例2~10のいずれか一項に記載の方法であって、
R1は、アルキル基またはハロゲン置換アルキル基を含む、方法。
[適用例12]
適用例11に記載の方法であって、
前記アルキル基は、3つ以上の炭素原子を含む、方法。
[適用例13]
適用例2~12のいずれか一項に記載の方法であって、
R1は、少なくとも1つのベータ水素またはベータフッ素を含む、方法。
[適用例14]
適用例13に記載の方法であって、
R1は、i-プロピル、n-プロピル、t-ブチル、i-ブチル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、t-ペンチル、sec-ペンチル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
[適用例15]
適用例2~14のいずれか一項に記載の方法であって、
L1は、アミン、アルコキシ、カルボキシレート、ハロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される部位を含む、方法。
[適用例16]
適用例2~15のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、sec-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、i-プロピル(トリス)ジメチルアミノスズ、n-プロピルトリス(ジエチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、sec-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、i-プロピル(トリス)t-ブトキシスズ、n-プロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、t-ブチルトリクロロスズ、i-ブチルトリクロロスズ、n-ブチルトリクロロスズ、sec-ブチルトリクロロスズ、i-プロピルトリクロロスズ、n-プロピルトリクロロスズ、t-ブチルトリボモスズ、i-ブチルトリボモスズ、n-ブチルトリボモスズ、sec-ブチルトリボモスズ、i-プロピルトリブロモスズ、n-プロピルトリブロモスズ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、方法。
[適用例17]
適用例2~16のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板をプラズマに曝露し、いくつかのM1-L1結合をM1-H結合で置き換えることをさらに含む、方法。
[適用例18]
適用例2~17のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の前記反応は、化学気相堆積反応、原子層堆積反応、またはそれらの組み合わせである、方法。
[適用例19]
適用例2~18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は、同時に前記反応チャンバに提供される、方法。
[適用例20]
適用例2~18のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は、同時に前記反応チャンバに送給されない、方法。
[適用例21]
適用例2~20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板の温度は、前記反応チャンバに送給される際の前記第1および第2の反応剤の温度以下である、方法。
[適用例22]
適用例2~21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1および第2の反応剤の間の前記反応を開始することは、前記基板をプラズマに曝露することを含む、方法。
[適用例23]
適用例2~21のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1および第2の反応剤の間の前記反応を開始することは、前記基板を熱エネルギーに曝露することを含む、方法。
[適用例24]
適用例2~23のいずれか一項に記載の方法であって、
第3の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第2の反応剤と前記第3の反応剤との間または前記第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始することをさらに含む、方法。
[適用例25]
適用例24に記載の方法であって、
前記第1および第3の反応剤の各々は、Sn、Sb、In、Bi、およびTeからなる群から選択される金属を含み、前記第1の反応剤中の前記金属は、前記第2の反応剤中の前記金属とは異なる、方法。
[適用例26]
適用例2~25のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板上に堆積された前記フォトレジスト材料は、前記フォトレジスト材料の厚さに沿った前記組成勾配を含む、方法。
[適用例27]
適用例26に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、M1に加えてM2を含み、M2は、高EUV吸収断面積を有し、M1とは異なる金属であり、前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:M2を提供する、方法。
[適用例28]
適用例26に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる比率のM1:R1を提供する、方法。
[適用例29]
適用例28に記載の方法であって、
R1に結合した金属原子の割合は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で変化する、方法。
[適用例30]
適用例26に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料における前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料内の異なる垂直位置で異なる濃度のIまたはTeを提供する、方法。
[適用例31]
適用例26~30のいずれか一項に記載の方法であって、
前記組成勾配は、前記フォトレジスト材料の上部と比較して、前記フォトレジスト材料の底部に高密度の高EUV吸収元素を提供し、前記底部は、前記上部の前に堆積される、方法。
[適用例32]
適用例2~31のいずれか一項に記載の方法であって、
前記第1の反応剤を前記反応チャンバに提供する前に、第3の反応剤を前記反応チャンバに提供し、前記第2の反応剤と前記第3の反応剤との間、または前記第3の反応剤と第4の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記フォトレジスト材料の初期部分を堆積することをさらに含み、
前記第3の反応剤は、式M2 a L2 c を有し、式中、
M2は、高EUV吸収断面積を有する金属であり、
L2は、前記第2の反応剤または前記第4の反応剤と反応するリガンド、イオン、または他の部位であり、
a≧1、および
c≧1であり、
それにより前記フォトレジスト材料の前記初期部分がR1を組み込まない、
方法。
[適用例33]
適用例2~32のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板をプラズマに繰り返し曝露し、前記フォトレジスト材料からいくらかのR1を除去することをさらに含み、前記プラズマを生成するために使用される条件は、前記フォトレジスト材料内のM1-R1結合の濃度に勾配があるように時間と共に変化する、方法。
[適用例34]
適用例33に記載の方法であって、
前記プラズマを生成するために使用される電力は、前記フォトレジスト材料の底部近くに比較的低い濃度のM1-R1結合があり、前記フォトレジスト材料の上部近くに比較的高い濃度のM1-R1結合があるように、時間と共に低減される、方法。
[適用例35]
適用例2~34のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、垂直密度勾配を含む、方法。
[適用例36]
適用例2~35のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料をEUV放射に曝露し、前記フォトレジスト材料を現像してパターンを形成することをさらに含んでもよく、前記フォトレジスト材料を現像することは、湿式処理または乾式処理によって行われる、方法。
[適用例37]
適用例2~36のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フォトレジスト材料は、深さ依存性のEUV感度を提供する、方法。
[適用例38]
基板上にフォトレジスト材料を堆積する方法であって、
反応チャンバ内に前記基板を提供することと、
第1の反応剤および第2の反応剤を前記反応チャンバに提供して前記第1の反応剤と前記第2の反応剤との間の反応を開始し、それによって前記基板上に前記フォトレジスト材料を堆積することであって、前記第1の反応剤および前記第2の反応剤は各々、気相で前記反応チャンバに提供され、前記フォトレジスト材料は、複数のパターニング放射吸収種および/またはパターニング放射に対する深さ依存性の感度を提供することと
を含む、方法。
[適用例39]
適用例1~38に記載の方法のいずれかによって形成される、フォトレジスト材料。
[適用例40]
基板上にフォトレジスト材料を堆積するための装置であって、
反応チャンバと、
気相反応剤を導入するための入口と、
前記反応チャンバから材料を除去するための出口と、
前記反応チャンバ内の基板支持体と、
少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、適用例1~38に記載の方法のいずれかを引き起こすように構成されるコントローラと
を含む、装置。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6