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特許7620021高アスペクト比の3D NANDエッチングのための側壁のノッチ低減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】高アスペクト比の3D NANDエッチングのための側壁のノッチ低減
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20250115BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022550129
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020020363
(87)【国際公開番号】W WO2021173154
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドール・ニキル
(72)【発明者】
【氏名】柳川 匠
(72)【発明者】
【氏名】ソン・アンキ
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0393047(US,A1)
【文献】特開2019-046994(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0074191(US,A1)
【文献】米国特許第10361092(US,B1)
【文献】米国特許第09673058(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする方法であって、
反応チャンバ内で基板支持体上に基板を受け取り、前記基板は前記積層体と前記積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、前記積層体は(a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、
前記反応チャンバ内で前記基板をプラズマに曝露し、それによって前記基板上で前記積層体に前記フィーチャをエッチングすることを備え、
前記プラズマは、WF6、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスから発生し、WF6の流量は0.1~10sccmであり、前記プラズマ発生ガスはさらに、Krを含み、前記Krの流量は、30~120sccmであり、
前記プラズマは容量結合プラズマであり、
前記基板は、20kHz~1.5MHzの周波数、基板あたり500W~20kWのRF電力レベルでバイアスされ、
前記WF6および前記フルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程で前記フィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、前記タングステンベースのポリマー膜は酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの前記交互層の間における均一なエッチング速度を促進して、エッチング過程で前記フィーチャの前記側壁がノッチ化されないようにする、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、エッチング過程において、前記WF6は、解離してタングステン含有断片とフッ素含有断片になり、前記タングステン含有断片は、前記フッ素含有断片と比較して前記フィーチャの上部近くで比較的集中したままであり、前記フッ素含有断片は、前記タングステン含有断片と比較して前記フィーチャの中深くに浸透する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記タングステンベースのポリマー膜は、前記フィーチャの上部近くの前記タングステンベースのポリマー膜のタングステンの割合が、前記フィーチャの下部近くの前記タングステンベースのポリマー膜と比較して多くなるように、前記フィーチャの前記側壁に沿って組成が不均一である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記プラズマは、20MHz~100MHzの励起周波数かつ6.3kW以下のRF電力で発生する、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記酸化体はO2であり、前記O2の流量は20~150sccmである、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、前記プラズマ発生ガスはさらに、SF6を含み、前記SF6の流量は、1~20sccmである、方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、前記プラズマ発生ガスはさらに、NF3を含み、前記NF3の流量は、30sccm以下である、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、前記フルオロカーボンまたはハイドロフルオロカーボンは、C48、C38、C46、およびCH22のうちの1つ以上を含み、前記フルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンの総流量は、30~240sccmである、方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法であって、前記基板をエッチングする間、前記基板支持体は、20~80℃の温度に維持される、方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法であって、前記基板をエッチングする間、前記反応チャンバ内の圧力は、10~80mTorrに維持される、方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法であって、前記フィーチャは、酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層にエッチングされる、方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法であって、WF6の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の0.02%~10%である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、WF6の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の0.02%~1%である、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、WF6の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の0.02%~0.5%である、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記基板は、300kHz~600kHzのRF周波数でバイアスされる、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記基板は、400kHzのRF周波数でバイアスされる、方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法であって、前記タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンの前記層に第1の厚みで形成され、窒化シリコンまたはポリシリコンの前記層に第2の厚みで形成され、前記第1の厚みと前記第2の厚みとは異なる、方法。
【請求項18】
基板上に3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする装置であって、
その中に基板支持体を有する反応チャンバと、
容量結合プラズマ発生器と、
材料を前記反応チャンバに導入するための入口と、
前記反応チャンバから材料を取り出すための出口と、
コントローラと、を備え、前記コントローラは、
前記反応チャンバ内で前記基板支持体上に前記基板を受け取り、前記基板は前記積層体と前記積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、前記積層体は、a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、
WF6、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスからプラズマを発生させ、WF6の流量は0.1~10sccmであり、前記プラズマ発生ガスはさらに、Krを含み、前記Krの流量は、30~120sccmであり、
前記基板を20kHz~1.5MHzの周波数で500W~20kWのRF電力レベルでバイアスし、
前記反応チャンバ内で前記基板を前記プラズマに曝露し、それによって前記基板上で前記積層体に前記フィーチャをエッチングし、
前記WF6および前記フルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程で前記フィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、前記タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの前記交互層の間における均一なエッチング速度を促進して、エッチング過程で前記フィーチャの前記側壁がノッチ化されないようにする
ように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願の一部としてPCT願書様式を本明細書と同時に提出する。同時に提出したPCT願書様式に記載されている通りの利益または記載されているものに対する優先権を本出願が主張している各出願を、あらゆる目的のために参照によりその全容を本願に援用する。
【0002】
本明細書の実施形態は、半導体デバイスを製造する方法および装置に関し、さらに詳細には、側壁のノッチを低減し、プロファイルのトレードオフなしで、高アスペクト比のフィーチャを誘電体含有材料にエッチングする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造過程で頻繁に用いられる1つのプロセスが、誘電体含有材料の積層体に、エッチングしたシリンダまたはその他の凹んだフィーチャを形成することである。例えば、このようなプロセスは、3D NAND(垂直NANDまたはV-NANDとも呼ばれる)構造の製造などのメモリ用途で広く使用されている。半導体産業が進歩し、デバイスの寸法が小さくなるにつれて、特に幅が狭く、かつ/または深さが深い高アスペクト比のシリンダの場合、そのようなフィーチャを均一にエッチングすることがますます困難になっている。
【0004】
本明細書に記載している背景説明は、本開示の状況を全体的に提示することを目的としている。この背景の項に記載している範囲で、現在明記している発明者の研究、および出願時に先行技術として適格ではない可能性がある説明の側面は、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術であるとは認められない。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の特定の実施形態は、誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする方法および装置に関するものである。通常、フィーチャは、基板に3D NAND構造を製作する際に積層体にエッチングされる。
【0006】
本明細書の実施形態の1つの態様では、3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする方法を提供し、本方法は、反応チャンバ内で基板支持体上に基板を受け取り、基板は、積層体と、積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、積層体は、(a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、反応チャンバ内で基板をプラズマに曝露し、それによって基板上で積層体にフィーチャをエッチングすることとを含み、プラズマは、WF6、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスから発生し、WF6の流量は約0.1~10sccmであり、プラズマは容量結合プラズマであり、基板は、約20kHz~1.5MHzの周波数、基板あたり約500W~20kWのRF電力レベルでバイアスされ、WF6およびフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程でフィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの交互層の間における均一なエッチング速度を促進してエッチング過程でフィーチャの側壁がノッチ化されないようにする。
【0007】
特定の実施形態では、エッチング過程で、WF6は、解離してタングステン含有断片とフッ素含有断片になることがあり、タングステン含有断片は、フッ素含有断片と比較して、フィーチャの上部近くで比較的集中したままであり、フッ素含有断片は、タングステン含有断片と比較して、フィーチャの中深くに浸透する。いくつかのこのような実施形態では、タングステンベースのポリマー膜は、フィーチャの上部近くのタングステンベースのポリマー膜のタングステンの割合が、フィーチャの下部近くのタングステンベースのポリマー膜と比較して多くなるように、フィーチャの側壁に沿って組成が不均一である。
【0008】
場合によっては、処理過程で特定の条件を用いてよい。例えば、プラズマは、約20MHz~100MHzの励起周波数かつ約6.3kW以下のRF電力で発生するとしてよい。これらの事例または他の事例では、酸化体はO2であってよく、O2の流量は約20~150sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、プラズマ発生ガスはさらに、SF6を含んでいてよく、SF6の流量は約1~20sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、プラズマ発生ガスはさらに、Krを含んでいてよく、Krの流量は約30~120sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、プラズマ発生ガスはさらに、NF3を含んでいてよく、NF3の流量は約30sccm以下であってよい。これらの事例または他の事例では、フルオロカーボンまたはハイドロフルオロカーボンは、C48、C38、C46、およびCH22のうちの1つ以上を含んでいてよく、フルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンの総流量は約30~240sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、基板支持体は、基板をエッチングする間、約20~80℃の温度に維持されてよい。これらの事例または他の事例では、基板をエッチングする間、反応チャンバ内の圧力は、約10~80mTorrに維持されてよい。これらの事例または他の事例では、フィーチャは、酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層にエッチングされてよい。これらの事例または他の事例では、WF6の流量は、プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~10%であってよい。これらの事例または他の事例では、WF6の流量は、プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~1%であってよい。これらの事例または他の事例では、WF6の流量は、プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~0.5%であってよい。これらの事例または他の事例では、基板は、約300kHz~600kHzのRF周波数でバイアスされてよい。例えば、基板は、約400kHzのRF周波数でバイアスされてよい。これらの事例または他の事例では、タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンの層に第1の厚みで形成され、窒化シリコンまたはポリシリコンの層に第2の厚みで形成されてよく、第1の厚みと第2の厚みとは異なる。
【0009】
開示した実施形態の別の態様では、基板上に3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする装置を提供し、本装置は、中に基板支持体を有する反応チャンバと、容量結合プラズマ発生器と;材料を反応チャンバに導入するための入口と、反応チャンバから材料を取り出すための出口と。本明細書に記載のいずれかの方法を行うように構成されているコントローラとを含む。
【0010】
例えば、開示した実施形態の特定の態様では、基板上に3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする装置を提供し、本装置は、中に基板支持体を有する反応チャンバと、容量結合プラズマ発生器と、材料を反応チャンバに導入するための入口と、反応チャンバから材料を取り出すための出口と、コントローラであって、反応チャンバ内で基板支持体上に基板を受け取り、基板は、積層体と、積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、積層体は、(a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、WF6、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスからプラズマを発生させ、WF6の流量は約0.1~10sccmであり、基板を約20kHz~1.5MHzの周波数で約500W~20kWのRF電力レベルでバイアスし、反応チャンバ内で基板をプラズマに曝露し、それによって基板上で積層体にフィーチャをエッチングし、WF6およびフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程でフィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの交互層の間における均一なエッチング速度を促進して、エッチング過程でフィーチャの側壁がノッチ化されないようにするように構成されている、コントローラとを含む。
【0011】
これらの特徴およびその他の特徴を、関連する図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】材料を交互に重ねた積層体を示す図である。
【0013】
図2図1の基板をエッチング処理した後に側壁にかなりのノッチができているのを示す図である。
【0014】
図3図1の基板に本明細書の実施形態によるエッチング処理をした後の図である。
【0015】
図4】本明細書の様々な実施形態によるエッチング方法を説明するフローチャートである。
【0016】
図5A】特定の実施形態に従って本明細書に記載したエッチング処理を実施するために使用してよい反応チャンバの図である。
図5B】特定の実施形態に従って本明細書に記載したエッチング処理を実施するために使用してよい反応チャンバの図である。
図5C】特定の実施形態に従って本明細書に記載したエッチング処理を実施するために使用してよい反応チャンバの図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および図2は、第1の材料104と第2の材料105との交互層を含む積層体103に高アスペクト比のフィーチャ102をエッチングして部分的に製作した3D NAND構造を含む基板101を示している。図1は、エッチング前の構造を示し、図2は、高アスペクト比のフィーチャ102をエッチングした後の構造を示している。1つの例では、第1の材料は酸化シリコンで、第2の材料は窒化シリコンである。別の例では、第1の材料は酸化シリコンで、第2の材料はポリシリコンである。交互層は、材料ペアを形成する。明確にするために、図1および図2は、エッチングしたフィーチャを少数の材料ペアのみで示している。ただし、エッチング動作は、通常これよりも多くの材料ペアでエッチングすることが理解される。場合よっては、材料ペアの数は、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約60、または少なくとも約75であってよい。積層体103の各層の厚みは、約20~50nm、例えば約30~40nmであってよい。積層体103の上にあるのはマスク層106である。マスク層106は、高アスペクト比のフィーチャ102をエッチングする場所に開口がある状態でパターニングされる。マスク材料の例として、非晶質炭素、ポリシリコン、およびその他の一般的なマスク材料があるが、これに限定されない。エッチング前のマスク層の厚みは、約1~2.5μmであってよい。積層体103にエッチングした高アスペクト比のフィーチャ102の深さは、約3~10μm、例えば約5~10μmであってよい。高アスペクト比のフィーチャ102の幅/直径は約50~150nm、例えば約60~110nmであってよい。場合によっては、フィーチャの幅は約100nm以下であってよい。隣接するフィーチャ間のピッチは、約100~200nm、例えば約120~170nmであってよい。
【0018】
図1に示した基板101は、エッチングするために半導体処理装置に用意されている。以下に適切な装置を説明する。基板101を処理装置に導入した後、処理装置内でプラズマが発生し、基板101がプラズマに曝露される。一定時間経過後、このプラズマへの曝露により、マスク層106で保護されていない基板101の領域にエッチングが行われ、それによって図2に示したように高アスペクト比のフィーチャ102が形成される。マスク層106はエッチング化学物質に対して耐性があるが、通常はエッチングプロセス中にいくらかの浸食を受ける。そのため、図2に示したマスク層106は、図1に示したマスク層106よりも薄い。積層体103がエッチングされると、高アスペクト比のフィーチャ102の側壁にパッシベーション層107形成される。パッシベーション層107は、積層体103の材料とエッチング化学物質から生じた1つ以上の材料とが合わさったものから形成される混合層である。そのため、パッシベーション層107の組成は、形成される層の組成によって異なる。例えば、酸化シリコン層の側壁を形成しているパッシベーション層107の一部は、通常、少なくともシリコン、酸素、および炭素を含む組成を有するが、窒化シリコン層の側壁を形成しているパッシベーション層107の一部は、通常、少なくともシリコン、窒素、および炭素を含む組成物を有する。同じように、ポリシリコン層の側壁を形成しているパッシベーション層107の一部は、通常、少なくともシリコンおよび炭素を含む組成を有する。多くの場合、パッシベーション層は、フルオロカーボン膜であり、これはポリマーであってよい。
【0019】
図2は、パッシベーション層107が比較的同一形状で均一に堆積されていることを示しているが、そうではない場合もある。場合によっては、パッシベーション層107は、高アスペクト比のフィーチャ102の上部近くに集中し、フィーチャの底部近くにはパッシベーション層107がほとんどないかまったくないことがある。場合によっては、パッシベーション層107は、以下でさらに考察するように、第1の材料の層104と第2の材料の層105との間に不均一に形成されることがある。
【0020】
図2に示したように、交互層の積層体をエッチングするときに生じ得る1つの問題は、2つの異なる層の間でエッチング速度が不均一になることである。多くの場合、酸化シリコン材料は、窒化シリコンまたはポリシリコン材料よりも速く垂直方向にエッチングされる。酸化物材料の垂直方向のエッチング速度がこのように速いと、酸化物層の水平方向のエッチングが比較的少なくなる。これとは対照に、窒化物層は、垂直方向にはゆっくりとエッチングされ、水平方向には広くエッチングされる。このようにエッチング速度が一致していない結果、窒化シリコン材料(またはポリシリコン材料)の側壁には、過剰エッチングされた領域が形成される可能性があり、それによってノッチ化された(ノッチを有する)ある側壁になる。図2の例では、第1の材料104(例えば酸化シリコン)の層は、水平方向のエッチングが第2の材料105(例えば窒化シリコンまたはポリシリコン)の層よりも少ない。時間の経過に伴い、この不均一なエッチングの結果、図2に示したようにノッチ化された側壁になる。このノッチは望ましくない。図2には示していないが、ノッチは、かなりのイオン散乱を引き起こす可能性があり、これは大きな湾曲の形成につながる可能性がある(例えばフィーチャの中央部分がフィーチャの上部に比べて過剰エッチングされる場合)。ノッチは、積層体の材料の誘電特性にも悪影響を及ぼす可能性がある。
【0021】
図2は、積層体103の各層が垂直方向の側壁を有するものとして示しているが、必ずしもこうであるとは限らない。様々な実装形態では、水平方向に過剰エッチングされた材料の層(例えば酸化物と窒化物との積層体内の窒化シリコン、または酸化物とポリシリコンとの積層体内のポリシリコン)は、層の上部近くで最も大きく過剰エッチングされるため、他の材料層のすぐ下にアンダーカットが形成される。過剰エッチングされた層の下部は、過剰エッチングの度合いが小さいことがあるか、まったく過剰エッチングされないことがある。そのため、過剰エッチングされた層の側壁は、傾斜しているか、湾曲しているか、あるいは垂直でないことがある。
【0022】
理論または作用機構に束縛されることを望むものではないが、側壁のノッチは、積層体103の異なる材料にパッシベーション層107が不均一に形成されることによって引き起こされる可能性があると考えられる。例えば、パッシベーション層107は、第2の材料105(例えば、窒化シリコンまたはポリシリコン)の層の側壁と比較して、第1の材料104(例えば、酸化シリコン)の層の側壁の方が大きい厚みで形成されるとしてよい。パッシベーション層107が厚いほど、横方向のエッチングに対する保護が大きくなる。よって第1の材料の層は、薄いパッシベーション層107が上にある第2の材料の層よりも横方向のエッチングが少ない。
【0023】
代わりに、またはこれに加えて、側壁のノッチは、2つの異なる材料の不均一なエッチング速度によって引き起こされることがある。場合によっては、これにより特に、最初の速度でエッチングされる上の層と、それとは異なる速度でエッチングされる下の層との間の交差部に角が形成されることがある。このような角は、イオン衝撃に曝露され、これは、特に過剰エッチングされた層の上部領域で、アンダーカットの形成を引き起こす可能性がある。
【0024】
側壁のノッチは、2つの別種類の層の間の応力の差によって引き起こされることもある。1つまたは複数の原因に関係なく、側壁のノッチが生じていることは明らかである。
【0025】
側壁のノッチを低減するために特定の技術が開発されてきた。多くの場合、これらの技術には、エッチング化学物質の組成を調整することが含まれる。さらに詳細には、エッチング化学物質は、基板をエッチングするプラズマ中の窒素含有種、酸素含有種、炭素含有種、およびフッ素含有種の比率を制御することによって調整されてきた。しかし、これらの技術は通常、エッチングされたフィーチャのプロファイルに関わるトレードオフをもたらす。例えば、このような技術によって、湾曲が形成されたり(例えばフィーチャの上部に比べてフィーチャの中央部分が過剰エッチングされる場合)、選択性が低下したり、キャッピングが増加したり、エッチング速度が低下したりすることがある。このような結果はいずれも望ましくない。
【0026】
エッチング化学物質に六フッ化タングステン(WF6)を含めることで、湾曲、選択性、キャッピング、またはエッチング速度に関わるトレードオフを伴うことなく側壁のノッチがなくなるか実質的に低減されることがわかった。その結果、エッチングされたフィーチャの側壁は遥かに滑らかになる。この結果は極めて望ましいものである。
【0027】
理論または作用機構に束縛されることを望むものではないが、WF6は、第1の材料(例えば酸化シリコン)と第2の材料(例えば窒化シリコンまたはポリシリコン)との垂直方向および/または水平方向のエッチング速度をより等しくする可能性があると考えられる。例えば、WF6は、第1の材料垂直方向のエッチング速度を下げ(例えばそれによって第1の材料の水平方向のエッチング速度が上がる)、かつ/または第2の材料の垂直方向のエッチング速度を上げるとしてよい(例えばそれによって第2の材料の水平方向のエッチング速度が下がる)。代わりに、またはこれに加えて、WF6は、第1の材料(例えば酸化シリコン)の側壁にあるパッシベーション層の形成速度を下げ、かつ/または第2の材料(例えば窒化シリコンまたはポリシリコン)の側壁にあるパッシベーション層の形成速度を上げるとしてよい。代わりに、またはこれに加えて、WF6は、2つの異なる種類の層間の膜の応力またはその他の特性の差に対抗するとしてよい。
【0028】
WF6は、プラズマ内にF*が過剰にある結果、第1の材料と第2の材料とのエッチング速度をより均一にするとしてよい。代わりに、またはこれに加えて、WF6は、図2のパッシベーション層107と同じように、タングステンベース(例えば場合によっては酸化タングステンベース)の側壁ポリマー膜を生成するとしてよい。タングステンベースの側壁ポリマー膜は、様々な層の側壁の上に滑らかに堆積するとしてよく、それによってノッチの形成を防止する。
【0029】
WF6は、タングステンベースの膜を堆積させるのに広く使用されている。ただし、WF6は、エッチング化学物質の一部としては一般に使用されていない。エッチング化学物質にWF6を添加することに関して側壁のノッチの改善が観察されたことは予想外であった。
【0030】
図3は、本明細書の一実施形態によるエッチングプロセスの後の図1の基板101を示している。この場合、エッチング化学物質はWF6を含んでいる。その結果、第1の材料104と第2の材料105とは、均一な速度でエッチングされ、生じる側壁は滑らかである。パッシベーション層107は、図3では同一形状で均一であるように示されている。ただし、必ずしもこうであるとは限らない。パッシベーション層107は、厚みおよび/または組成が均一でなくてもよい。例えば、フィーチャの上部近くでは比較的厚く、フィーチャの下部近くでは比較的薄いか存在しなくてもよい(またはこの逆)。1つの事例では、パッシベーション層107は、フィーチャの上部近くでは比較的タングステンが多く、フィーチャの下部近くでは比較的タングステンが少ない(またはその逆)組成であってよい。これらの事例または他の事例では、パッシベーション層107は、フィーチャの上部では比較的炭素が少なく、フィーチャの下部では比較的炭素が多い(またはその逆)組成であってよい。特定の実施形態では、パッシベーション層107は、2つのパッシベーション層を含んでいてよく、そのうちの1つは、タングステンベースのもので、もう1つは炭素ベースのものである。2つのパッシベーション層は、互いに重なっていてよく(例えば別々の層として、または混ざりあった層として)、かつ/またはフィーチャ内の垂直方向の異なる位置に形成されてよい(例えばタングステンベースのパッシベーション層は、炭素ベースのパッシベーション層と比較して、フィーチャの上部またはフィーチャの下部の方に近い)。図2に関して前述したように、パッシベーション層107の組成は、それに接して形成される層の組成にも左右されるとしてよい。
【0031】
1つの特定の実施形態では、パッシベーション層内のタングステンは、フィーチャの下部と比較して、フィーチャの上部に向かって集中していてよい。換言すると、WF6からのタングステンの多くは、フィーチャの上部近くに留まっている。これは、場合によってはマスク層を保持するのに役立つ可能性がある。フィーチャの上部近くのタングステンの濃度は、タングステンおよびタングステン含有種の付着係数が高い結果であるとしてよい。このような付着係数が高い種が側壁に接触すると、跳ね返らずに「付着する」可能性が非常に高くなってフィーチャの奥深くまで入っていく。WF6からのフッ素は、付着係数が遥かに低く、フィーチャの下部にさらに容易に浸透することができ、その場合はエッチング速度の上昇に加担する。これらの要因の両方(例えばタングステン含有種がフィーチャの上部近くに留まることと、フッ素含有種がフィーチャの下部に移動して積層体をさらにエッチングすること)により、エッチング選択性が望ましい通りに高いままになる。
【0032】
図4は、本発明の様々な実施形態による、誘電体材料を含む積層体のフィーチャをエッチングする方法を記載しているフローチャートである。本方法は、基板を反応チャンバに用意する操作401から始まる。基板は、例えば図1に関して記載した基板であってよい。次に操作403で、プラズマ発生ガスからプラズマが発生する。プラズマ発生ガスは、少なくともWF6を含む。プラズマ発生ガスは、積層体の材料をエッチングに適したエッチング化学物質も含む。様々な例では、エッチング化学物質は、例えば1つ以上の酸素含有種、1つ以上の炭素含有種、および1つ以上のフッ素含有種を含む。エッチング化学物質に一般に使用される材料の例として、C38、C48、C46、CH22、CH3F、CHF3、C58、C66などのフルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボン、O2、O3、CO、CO2、COSなどの酸化体、およびNF3があるが、これに限定されない。不活性種もプラズマ発生ガスに提供されてよい。
【0033】
プラズマ発生ガス中のWF6の流量は、少なくとも約0.1sccm、または少なくとも約0.2sccm、または少なくとも約0.5sccm、または少なくとも約1sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、WF6の流量は、約20sccm以下、例えば約10sccm以下、または約5sccm以下、または約2sccm以下、または約1sccm以下、または約0.5sccm以下であってよい。特定の実施形態では、WF6の流量は、約0.1~10sccmであってよい。プラズマ発生ガスの全体の流量は、少なくとも約1sccm、少なくとも約10sccm、少なくとも約50sccm、または少なくとも約80sccmであってよい。これらの事例または他の事例では、プラズマ発生ガスの全体の流量は、約600sccm以下、または約500sccm以下、または約300sccm以下、または約200sccm以下、または約100sccm以下、または約50sccm以下であってよい。場合によっては、1つ以上のフルオロカーボン源を(反応チャンバに送給する前または後に)混合して、例えば所望の割合の炭素およびフッ素を供給してよい。いくつかの例では、C48および/またはC38および/またはC46の流量が約20~120sccmであってよい。これらの例または他の例では、CH22の流量が約10~120sccmであってよい。様々な実施形態では、フルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンの総流量が約30~240sccmであってよい。これらの例または他の例では、NF3の流量が約0~30sccmであってよい。これらの例または他の例では、O2の流量が約20~150sccmであってよい。これらの例または他の例では、SF6の流量が約1~20sccmであってよい。これらの例または他の例では、Krの流量が約30~120sccmであってよい。様々な事例では、WF6は、プラズマ発生ガスの体積流量の少なくとも約0.02%、または少なくとも約0.05%、または少なくとも約0.1%、または少なくとも約0.5%、または少なくとも約1%、または少なくとも約3%を占めていてよい。これらの事例または他の事例では、WF6は、プラズマ発生ガスの体積流量の約10%以下、または約5%以下、または約1%以下、または約0.5%以下を占めていてよい。
【0034】
様々な事例では、プラズマを発生させるために以下の条件を用いてよい。プラズマは、容量結合プラズマであってよい。プラズマは、約13~169MHz、例えば約20~100MHz(例えば特定の事例では60MHz)の励起周波数で、300mm基板あたり約0ワット~6.3kWの電力レベルで発生するとしてよい。様々な事例では、プラズマを発生させるために使用する電力レベルは、特に高いことがあり、例えば300mm基板あたり約5kW以上、または約6kW以上である。例えば垂直方向の高速のエッチング速度を促進するために、基板に比較的高いバイアスを印加してよい。バイアスは、約20kHz~1.5MHz、または約200kHz~1.5MHz、または約300kHz~600kHz(例えば特定の事例では約400kHz)の周波数で、300mm基板あたり約500W~20kW、または300mm基板あたり約2~10kWの電力レベルで基板に印加されてよい。特定の実施形態では、基板は、400kHzで、約500W~20kWの電力レベルでバイアスされる。反応チャンバ内の圧力は、少なくとも約10mTorrまたは少なくとも約30mTorrであってよい。これらの事例または他の事例では、反応チャンバ内の圧力は、約500mTorr以下、例えば100mTorr以下、または約80mTorr以下、または約30mTorr以下であってよい。場合によっては、圧力は、エッチング中は比較的低いままであってよいが(例えば10~80mTorr)、反応チャンバの内壁を洗浄するための洗浄動作ではそれよりも高い圧力(例えば100~500mTorr、または300~500mTorr、または400~500mTorr)まで上がるとしてよい。用意する基板の下にある基板支持体は、(例えば加熱および/または冷却によって)約-80℃~130℃の温度に維持されてよい。場合によっては、基板支持体は、少なくとも約-80℃、または少なくとも約-50℃、または少なくとも約-20℃、または少なくとも約0℃、または少なくとも約20℃、または少なくとも約50℃、または少なくとも約70℃の温度に維持される。これらの事例または他の事例では、基板支持体は、約130℃以下、または約120℃以下、または約100℃以下、または約80℃以下、または約50℃以下、または約20℃以下、または約0℃以下、または約-20℃以下、または約-50℃以下の温度に維持されてよい。特定の事例では基板支持体は、約20~80℃の温度に維持されてよい。これらの温度は、基板がプラズマに曝露されている間に制御されている基板支持体の温度に関するとしてよい。
【0035】
一定時間経過後、積層体にフィーチャが形成され始める。図3に示したように、フィーチャが最終エッチング深さに達した後、基板は、操作405で反応チャンバから取り除かれる。従来の手法と比較して、図4に関して記載した方法では、ノッチが比較的少ない(またはない)深いフィーチャを形成することが可能である。プラズマ発生ガス中にWF6を含めることにより、適切な流量かつ適切なプラズマ条件下で供給した場合は、側壁のノッチが実質的に低減するかなくなる。有利なことに、側壁のノッチがこのように低減することで、フィーチャの湾曲、選択性、キャッピング、またはエッチング速度に関してトレードオフがもたらされることはない。
【0036】
装置
本明細書に記載した方法は、任意の適切な装置で実施されてよい。適切な装置は、本実施形態による処理動作を制御する命令を含む処理動作およびシステムコントローラを実現するためのハードウェアを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ハードウェアは、処理ツールに含まれる処理ステーションを1つ以上有していてよい。
【0037】
図5A図5Cは、本明細書に記載のエッチング動作を実施するために使用してよい調整可能なギャップがある容量結合閉じ込めRFプラズマ反応器500の実施形態を示している。図示したように、真空チャンバ502は、下方電極506を収容する内部空間を取り囲んでいるチャンバハウジング504を有する。チャンバ502の上部では、上方電極508が下方電極506から垂直方向に離れている。上方電極と下方電極508、506の平坦面は、実質的に平行で、電極間の垂直方向に対して直角である。上方電極および下方電極508、506は円形で、垂直軸に対して同軸であることが好ましい。上方電極508の下面は、下方電極506の上面に対向している。離れて対向している電極の面は、両面の間に調整可能なギャップ510を画定している。動作中、下方電極506にはRF電源(整合)520によってRF電力が供給される。RF電力は、RF供給管522、RFストラップ524およびRF電力部材526を介して下方電極506に供給される。下部電極506により均一なRF場を実現するために、接地シールド536がRF電力部材526を取り囲んでよい。共同所有されている米国特許出願第7,732,728号(同文献の全容を参照により本願に援用する)に記載されているように、ウエハがウエハポート582を介して挿入され、処理のために下方電極506の上のギャップ510で支持され、処理ガスがギャップ510に供給され、RF電力によって励起されてプラズマ状態になる。上方電極508には給電するか接地することができる。
【0038】
図5A図5Cに示した実施形態では、下方電極506は、下方電極支持プレート516上で支持される。下方電極506と下方電極支持プレート516との間に介在する絶縁リング514が、下方電極506を支持プレート516から絶縁する。
【0039】
RFバイアスハウジング530が下方電極506をRFバイアスハウジングボウル532上で支持している。ボウル532は、RFバイアスハウジング530のアーム534によって、チャンバ壁プレート518の開口を介して導管支持プレート538に結合されている。好適な実施形態では、RFバイアスハウジングボウル532とRFバイアスハウジングアーム534は、1つの構成要素として一体に形成されているが、アーム534とボウル532は、ボルト固定されるか接合された2つの別個の構成要素とすることもできる。
【0040】
RFバイアスハウジングアーム534は、RF電力ならびに設備(気体冷却剤、液体冷却剤、RFエネルギー、リフトピン制御用のケーブル、電気で監視し作動させる信号など)を、下側電極506の後ろ側の空間で、真空チャンバ502の外側から真空チャンバ502の内側に通すための1つ以上の中空の通路を有する。RF供給管522は、RFバイアスハウジングアーム534から絶縁されており、RFバイアスハウジングアーム534は、RF電力がRF電源520へ戻る帰路となる。設備管路540が設備要素のための通路となる。設備要素のこれ以上の詳細は、米国特許第5,948,704号および第7,732,728号に記載されており、説明を簡略化するため本明細書には提示しない。ギャップ510は、閉じ込めリングアセンブリまたはシュラウド(図示せず)で取り囲まれることが好ましく、その詳細については、共同所有されている米国特許公報第7,740,736号に見ることができ、同文献を参照により本願に援用する。真空チャンバ502の内部は、真空入口580を通って真空ポンプに接続することで低圧に維持されている。
【0041】
導管支持プレート538は、作動機構542に装着されている。作動機構の詳細は、共同所有されている米国特許第7,732,728号に記載されており、同文献を上記により本願に援用する。サーボ機械モータ、ステッピングモータなどの作動機構542は、例えばボールねじおよびボールねじを回転させるモータなどのねじ歯車546によって垂直リニアベアリング544に装着される。ギャップ510のサイズを調整する動作で、作動機構542は、垂直リニアベアリング544に沿って移動する。図5Aは、作動機構542がリニアベアリング544上の高位置にあり、それによって小さいギャップ510aが生じているときの構成を示している。図5Bは、作動機構542がリニアベアリング544上の中間位置にあるときの構成を示している。図示したように、下方電極506、RFバイアスハウジング530、導管支持プレート538、RF電源520がすべて、チャンバハウジング504および上方電極508に対して下の方に移動している結果、中間サイズのギャップ510bになっている。
【0042】
図5Cは、作動機構542がリニアベアリング上の低位置にあるときの大きいギャップ510cを示している。好ましくは、上方電極および下方電極508、506は、ギャップを調整する間は同軸のままで、ギャップ全体にわたって上方電極と下方電極とが対向している面は平行のままである。
【0043】
この実施形態では、例えば300mmウエハやフラットパネルディスプレイなどの直径の大きい基板全体にわたって均一なエッチングを維持するために、多工程の処理レシピ(BARC、HARCおよびSTRIPなど)の過程で、CCPチャンバ502内の下方電極506と情報電極508との間のギャップ510を調整することが可能である。特に、このチャンバは、下方電極506と上方電極508との間に調整可能なギャップを実現するのに必要な直線運動を可能にする機械的配置に関係している。
【0044】
図5Aは、近位端で導管支持プレート538に封止され、遠位端でチャンバ壁プレート518の段状フランジ528に封止されている、横方向に撓んだベローズ550を示している。段状フランジの内径は、チャンバ壁プレート518の開口512を画定し、この開口をRFバイアスハウジングアーム534が通る。ベローズ550の遠位端は、クランプリング552でクランプされている。
【0045】
横方向に撓んだベローズ550は、真空封止を実現するとともに、RFバイアスハウジング530、導管支持プレート538および作動機構542が垂直方向に動くのを可能にする。RFバイアスハウジング530、導管支持プレート538および作動機構542をカンチレバーアセンブリと称することができる。好ましくは、RF電源520は、カンチレバーアセンブリと一緒に動き、導管支持プレート538に装着できる。図5Bは、カンチレバーアセンブリが中間位置にあるときにベローズ550が中立位置にあるのを示している。図5Cは、カンチレバーアセンブリが低位置にあるときにベローズ550が横方向に撓んでいるのを示している。
【0046】
ラビリンスシール548が、ベローズ550とプラズマ処理チャンバハウジング504の内部との間で粒子バリアとなる。固定シールド556が、チャンバ壁プレート518でチャンバハウジング504の内壁の内側に動かないように装着されてラビリンス溝560(スロット)ができ、ラビリンス溝の中で可動シールドプレート558が垂直方向に移動してカンチレバーアセンブリの垂直方向の動きを受け入れる。可動シールドプレート558の外側部分は、下方電極506のあらゆる垂直位置でスロット内に留まる。
【0047】
図示した実施形態では、ラビリンスシール548は、ラビリンス溝560を画定しているチャンバ壁プレート518にある開口512の周囲に、チャンバ壁プレート518の内面に装着された固定シールド556を有する。可動シールドプレート558は、RFバイアスハウジングアーム534に装着され、そこから、アーム534がチャンバ壁プレート518の開口512を通る場所で径方向に延在する。可動シールドプレート558は、ラビリンス溝560の中に延在するが、固定シールド556からは第1のギャップ分だけ離れ、チャンバ壁プレート518の内面からは第2のギャップ分だけ離れ、カンチレバーアセンブリが垂直方向に動けるようになっている。ラビリンスシール548は、ベローズ550から剥離した粒子が移動して真空チャンバの内部505に入るのを阻止し、処理ガスプラズマからのラジカルがベローズ550に移動するのを阻止する。ベローズではラジカルが堆積物を形成するおそれがあり、これは後に剥離される。
【0048】
図5Aは、カンチレバーアセンブリが高位置にあるときに(小さいギャップ510a)、RFバイアスハウジングアーム534の上で可動シールドプレート558がラビリンス溝560の高位置にあるのを示している。図5Cは、カンチレバーアセンブリが低位置にあるときに(大きいギャップ510c)、RFバイアスハウジングアーム534の上で可動シールドプレート558がラビリンス溝560の低位置にあるのを示している。図5Bは、カンチレバーアセンブリが中間位置にあるときに(中位のギャップ510b)、可動シールドプレート558がラビリンス溝560内の中立位置または中間位置にあるのを示している。ラビリンスシール548は、RFバイアスハウジングアーム534を中心に対称であるものとして示されているが、他の実施形態では、ラビリンスシール548は、RFバイアスアーム534を中心に非対称であってよい。
【0049】
図6は、様々なモジュールが真空搬送モジュール638(VTM)とインターフェース接続している半導体プロセスクラスタアーキテクチャを描いている。複数の格納設備および処理モジュールの中で基板を「搬送」するための搬送モジュールの構成は、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。ロードロックまたは搬送モジュールとしても知られているエアロック630が、4つの処理モジュール620a~620dを有するVTM638内に示されており、処理モジュールは、様々な製造プロセスを実施するように個別に最適化されてよい。例として、処理モジュール620a~620dは、基板エッチング、堆積、イオン注入、基板洗浄、スパッタリング、および/またはその他の半導体プロセスのほか、レーザ計測およびその他の欠陥を検知し、欠陥を特定する方法も実施するように実装されてよい。1つ以上の処理モジュール(620a~620dのいずれか)を本明細書で開示した通りに、すなわち基板に陥凹のあるフィーチャをエッチングするために実装してよい。エアロック630および処理モジュール620a~620dを「ステーション」と呼ぶことがある。各ステーションは、ステーションをVTM638にインターフェース接続する小面636を有する。小面の内側では、それぞれのステーション間を移動するときに基板626が通過するのを検知するためにセンサ1~18を使用する。
【0050】
ロボット622は、ステーション間で基板を搬送する。1つの実装形態では、ロボットは、アームを1つ有していてよく、別の実装形態では、ロボットはアームを2つ有していてよく、この場合、各アームは基板を取って運搬するためのエンドエフェクタ624を有する。ロードポートモジュール(LPM)642内のカセットまたはFOUP(Front Opening Unified Pod)634からエアロック630に基板を搬送するために、大気搬送モジュール(ATM)640にあるフロントエンドロボット632を使用してよい。処理モジュール620a~620dの内部にあるモジュールセンター628は、基板を配置するための1つの場所であってよい。基板を整列させるためにATM640内のアライナ644を使用してよい。
【0051】
ある例示的な処理方法では、LPM642内のFOUP634のうちの1つに基板を配置する。フロントエンドロボット632がその基板をFOUP634からアライナ644に搬送し、それによって基板626をエッチング前に正しく中心に配置するか、上に堆積させるか、あるいは処理することが可能になる。位置合わせした後、基板は、フロントエンドロボット632によってエアロック630に移動する。エアロックモジュールは、ATMとVTMとの間の環境を適合させる機能があるため、基板は、2つの圧力環境の間を損傷せずに移動することが可能になる。基板は、エアロックモジュール630からロボット622によってVTM638を通って処理モジュール620a~620dのうちの1つ、例えば処理モジュール620aに移動する。この基板の動きを実現するために、ロボット622は、各アームでエンドエフェクタ624を使用する。処理モジュール620aでは、基板は、記載した通りにエッチングを受ける。次に、ロボット622は、基板を処理モジュール620aから次の所望の位置に動かす。
【0052】
基板の動きを制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャのローカルとするか、製造現場でクラスタアーキテクチャの外部に位置付けるか、遠隔地にあってネットワーク経由でクラスタアーキテクチャに接続することが可能であることに留意されたい。
【0053】
いくつかの実装形態では、コントローラはシステムの一部であり、システムは上記の例の一部であってよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理用の1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハのペデスタル、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板を処理する前、その間、およびその後にシステムの動作を制御する電子機器と一体化していてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御してよい。コントローラは、システムの処理要件および/または種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生ツールの設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給の設定、電位および動作の設定、ツールおよびその他の移送ツールの中へ、またはそこからのウエハ移送および/または特定のシステムに接続されているか、特定のシステムの境界となっているロードロックなど、本明細書に開示したいずれかの処理を制御するようにプログラムされてよい。
【0054】
概して、コントローラは、命令を受け、命令を発し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行う、様々な集積回路、論理回路、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を保存するファームウェア形態のチップ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)と定義されるチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを備えていてよい。プログラム命令は、半導体ウエハ上で、もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して、特定の処理を実行する動作パラメータを定義する様々な個別の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラへと伝達される命令としてよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハのダイを製造する過程で1つ以上の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されたレシピの一部としてよい。
【0055】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと一体化して接続しているか、システムとネットワーク接続されているか、これらを組み合わせた状態であるコンピュータの一部であってもよいし、このコンピュータに接続していてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」にあってもよいし、あるいはウエハ処理の遠隔アクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全体または一部であってもよい。コンピュータは、製造動作の現在の進捗を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能メトリックを調査し、現在の処理のパラメータを変更し、処理ステップを設定して現在の処理に従い、または新しい処理を始めるために、システムへの遠隔アクセスを可能にしてよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)は、ネットワークを介してシステムに処理レシピを提供でき、このネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザ境界を含んでいてよく、それらのパラメータおよび設定はその後、リモートコンピュータからシステムへ伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実行される各々の処理工程に対するパラメータを指定するデータ形態の命令を受け取る。パラメータは、実行される処理の種類、およびコントローラがインターフェース接続するか制御するように構成されているツールの種類に対して固有のものとしてよいと理解すべきである。そのため、前述したように、一緒にネットワーク化され、本明細書に記載した処理および制御などの共通の目的に向かって機能する1つ以上の別個のコントローラを備えることなどによってコントローラを分散してよい。このようにするために分散したコントローラの例が、(例えばプラットホームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔地に位置する1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上にあって、組み合わさってこのチャンバ上の処理を制御する1つ以上の集積回路であろう。
【0056】
非限定的に、例としてのシステムには、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、析出チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの製造および/または生産に関連するか使用されてよい任意のその他の半導体処理システムがあってよい。
【0057】
上記のように、ツールによって実行される1つまたは複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場全体に位置するツール、主要コンピュータ、別のコントローラ、または、ウエハの容器を、半導体製造工場内のツール位置および/または搭載ポートへ運び、そこから運び出す材料輸送に使用されるツールのうちの1つ以上のツールと通信することがあってよい。
【0058】
追加の実施形態
前述の様々なハードウェアおよび方法の実施形態は、例えば半導体デバイス、ディスプレイ、LED、光起電性パネルなどの製作または製造のために、リソグラフィパターニングのツールまたはプロセスと併せて使用してよい。通常このようなツール/プロセスは、必ずではないが、共通の製造施設で一緒に使用または実施される。
【0059】
膜のリソグラフィパターニングは、通常、以下の工程の一部またはすべてを含み、各工程は、可能性のある多くのツールで実現できる。(1)ワークピースに、例えば窒化シリコン膜が上に形成されている基板に、スピンオンツールまたはスプレーオンツールを使用してフォトレジストを塗布する。(2)ホットプレートもしくは炉またはその他の適切な硬化ツールを使用してフォトレジストを硬化させる。(3)ウエハステッパなどのツールを用いてフォトレジストを可視光線またはUV線またはX線光に露光する。(4)レジストを現像して、レジストを選択的に除去し、それによってウェットベンチまたはスプレー現像機などのツールを使用してレジストをパターニングする。(5)レジストのパターンを、ドライエッチングまたはプラズマアシストエッチングツールを使用して下の膜またはワークピースに転写する。そして(6)RFまたはマイクロ波のプラズマレジストストリッパーなどのツールを使用してレジストを除去する。いくつかの実施形態では、フォトレジストを塗布する前に、アッシャブルハードマスク層(アモルファスカーボン層など)および別の適切なハードマスク(反射防止層など)を堆積させてよい。
【0060】
本明細書に記載した構成および/または手法は、例示的な性質のものであり、多くの変形例が可能であることから、これらの特定の実施形態または例を限定的な意味に解釈すべきではないことを理解されたい。本明細書に記載した特定の手順または方法は、任意の数の処理戦略のうちの1つ以上を表すとしてよい。そのため、図示した様々な行為を、図示した順序で、他の順序で、並行して、または場合によっては省略して実行してよい。同じように、上記の処理の順序は変更してよい。特定の参考文献を参照して本明細書に援用している。このような参考文献に記載されている否定または否認は、本明細書に記載した実施形態に必ずしも当てはまらないことが理解される。同様に、このような参考文献で必要に応じて記載されている特徴は、本明細書の実施形態では省略されていることがある。
【0061】
本明細書では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」および「部分的に製造された集積回路」という用語は、入れ替えて使用することができる。当業者は、「部分的に製造された集積回路」という用語が、多くの集積回路製造段階のいずれかの段階でのシリコンウエハを指し得ることを理解するであろう。半導体デバイス産業で使用されるウエハまたは基板の直径は、通常200mm、または300mm、または450mmである。上記の詳細な説明では、実施形態がウエハ上に実現されると仮定している。ただし、実施形態はそれに限定されない。ワークピースの形状、サイズおよび材料は、様々であってよい。半導体ウエハに加えて、開示した実施形態を利用し得る他のワークピースとして、プリント回路基板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、マイクロメカニカルデバイスなど、様々な物品がある。特定のパラメータについて特に明記しない限り、本明細書で使用する「約」および「およそ」という用語は、関連する値に対して±10%を意味することを意図している。
【0062】
以上の説明では、本実施形態を完全に理解してもらうために多くの特定の詳細を記載している。開示した実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全部がなくとも実施され得る。他の場合では、開示した実施形態を不必要に不明瞭にしないように、公知の処理動作は詳細には説明していない。開示した実施形態は、具体的な実施形態と併せて記載されているが、開示した実施形態を限定する意図はないことが理解される。本開示の主題は、本明細書に開示した様々なプロセス、システムおよび構成、ならびにその他の特徴、機能、作用、および/または特性のすべての新規かつ自明ではないコンビネーションおよびサブコンビネーション、ならびにその任意の均等物およびすべての均等物を含む。
[適用例1]3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする方法であって、
反応チャンバ内で基板支持体上に基板を受け取り、前記基板は前記積層体と前記積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、前記積層体は(a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、
前記反応チャンバ内で前記基板をプラズマに曝露し、それによって前記基板上で前記積層体に前記フィーチャをエッチングすることを備え、
前記プラズマは、WF 6 、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスから発生し、WF 6 の流量は約0.1~10sccmであり、
前記プラズマは容量結合プラズマであり、
前記基板は、約20kHz~1.5MHzの周波数、基板あたり約500W~20kWのRF電力レベルでバイアスされ、
前記WF 6 および前記フルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程で前記フィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、前記タングステンベースのポリマー膜は酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの前記交互層の間における均一なエッチング速度を促進して、エッチング過程で前記フィーチャの前記側壁がノッチ化されないようにする、
方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、エッチング過程において、前記WF 6 は、解離してタングステン含有断片とフッ素含有断片になり、前記タングステン含有断片は、前記フッ素含有断片と比較して前記フィーチャの上部近くで比較的集中したままであり、前記フッ素含有断片は、前記タングステン含有断片と比較して前記フィーチャの中深くに浸透する、方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、前記タングステンベースのポリマー膜は、前記フィーチャの上部近くの前記タングステンベースのポリマー膜のタングステンの割合が、前記フィーチャの下部近くの前記タングステンベースのポリマー膜と比較して多くなるように、前記フィーチャの前記側壁に沿って組成が不均一である、方法。
[適用例4]適用例1に記載の方法であって、前記プラズマは、約20MHz~100MHzの励起周波数かつ約6.3kW以下のRF電力で発生する、方法。
[適用例5]適用例4に記載の方法であって、前記酸化体はO 2 であり、前記O 2 の流量は約20~150sccmである、方法。
[適用例6]適用例5に記載の方法であって、前記プラズマ発生ガスはさらに、SF 6 を含み、前記SF 6 の流量は、約1~20sccmである、方法。
[適用例7]適用例6に記載の方法であって、前記プラズマ発生ガスはさらに、Krを含み、前記Krの流量は、約30~120sccmである、方法。
[適用例8]適用例7に記載の方法であって、前記プラズマ発生ガスはさらに、NF 3 を含み、前記NF 3 の流量は、約30sccm以下である、方法。
[適用例9]適用例8に記載の方法であって、前記フルオロカーボンまたはハイドロフルオロカーボンは、C 4 8 、C 3 8 、C 4 6 、およびCH 2 2 のうちの1つ以上を含み、前記フルオロカーボンおよびハイドロフルオロカーボンの総流量は、約30~240sccmである、方法。
[適用例10]適用例9に記載の方法であって、前記基板をエッチングする間、前記基板支持体は、約20~80℃の温度に維持される、方法。
[適用例11]適用例10に記載の方法であって、前記基板をエッチングする間、前記反応チャンバ内の圧力は、約10~80mTorrに維持される、方法。
[適用例12]適用例11に記載の方法であって、前記フィーチャは、酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層にエッチングされる、方法。
[適用例13]適用例11に記載の方法であって、WF 6 の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~10%である、方法。
[適用例14]適用例13に記載の方法であって、WF 6 の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~1%である、方法。
[適用例15]適用例14に記載の方法であって、WF 6 の前記流量は、前記プラズマ発生ガスの総流量の約0.02%~0.5%である、方法。
[適用例16]適用例1に記載の方法であって、前記基板は、約300kHz~600kHzのRF周波数でバイアスされる、方法。
[適用例17]適用例16に記載の方法であって、前記基板は、約400kHzのRF周波数でバイアスされる、方法。
[適用例18]適用例1から17のいずれか一項に記載の方法であって、前記タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンの前記層に第1の厚みで形成され、窒化シリコンまたはポリシリコンの前記層に第2の厚みで形成され、前記第1の厚みと前記第2の厚みとは異なる、方法。
[適用例19]基板上に3D NAND構造を製作する際に誘電体材料を含む積層体にフィーチャをエッチングする装置であって、
その中に基板支持体を有する反応チャンバと、
容量結合プラズマ発生器と、
材料を前記反応チャンバに導入するための入口と、
前記反応チャンバから材料を取り出すための出口と、
コントローラと、を備え、前記コントローラは、
前記反応チャンバ内で前記基板支持体上に前記基板を受け取り、前記基板は前記積層体と前記積層体の上部にパターニングされるマスク層とを含み、前記積層体は、a)酸化シリコンと窒化シリコンとの交互層、または(b)酸化シリコンとポリシリコンとの交互層のいずれかを含み、
WF 6 、1つ以上のフルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボン、ならびに1つ以上の酸化体を含むプラズマ発生ガスからプラズマを発生させ、WF 6 の流量は約0.1~10sccmであり、
前記基板を約20kHz~1.5MHzの周波数で約500W~20kWのRF電力レベルでバイアスし、
前記反応チャンバ内で前記基板を前記プラズマに曝露し、それによって前記基板上で前記積層体に前記フィーチャをエッチングし、
前記WF 6 および前記フルオロカーボンおよび/またはハイドロフルオロカーボンは、エッチング過程で前記フィーチャの側壁にタングステンベースのポリマー膜を形成し、前記タングステンベースのポリマー膜は、酸化シリコンと窒化シリコンとの前記交互層の間、または酸化シリコンとポリシリコンとの前記交互層の間における均一なエッチング速度を促進して、エッチング過程で前記フィーチャの前記側壁がノッチ化されないようにする
ように構成されている、装置。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C