(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-17
(45)【発行日】2025-01-27
(54)【発明の名称】ノズルフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 63/02 20060101AFI20250120BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20250120BHJP
B01D 69/02 20060101ALI20250120BHJP
B01D 69/08 20060101ALI20250120BHJP
B01D 71/48 20060101ALI20250120BHJP
B01D 71/56 20060101ALI20250120BHJP
B01D 71/64 20060101ALI20250120BHJP
B01D 71/72 20060101ALI20250120BHJP
B01D 71/82 20060101ALI20250120BHJP
D01F 6/00 20060101ALI20250120BHJP
【FI】
B01D63/02
B01D63/00 500
B01D69/02
B01D69/08
B01D71/48
B01D71/56
B01D71/64
B01D71/72
B01D71/82
D01F6/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021014769
(22)【出願日】2021-02-02
(62)【分割の表示】P 2018551801の分割
【原出願日】2017-03-30
【審査請求日】2021-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2016-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大屋敷 靖
(72)【発明者】
【氏名】神本 哲史
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】増山 淳子
【審判官】金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/129384(WO,A1)
【文献】特開2004-194720(JP,A)
【文献】国際公開第2014/030585(WO,A1)
【文献】特開2016-862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22,61/00-71/82,39/00-41/04
D01F 1/00-6/96,9/00-9/04
A61M 1/00-1/38
H01L 21/306-21/308,21/465-21/467,21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体又は気体の流れに沿って配置されるように構成されたハウジングと、
ハウジング内に配置された複数の中空糸フィルタ部材であって、吸
着を含む、圧力損失が1kPa以下の非ふるい保持メカニズムを通じて液体又は気体の流れから微粒子を捕捉するように構成された複数の中空糸フィルタ部材と
を備える、フィルタカートリッジであって、
中空糸フィルタ部材は、ハウジング内に中空糸フィルタ部材を固定するため、及び中空糸フィルタ部材の周りの空間をシールするために、ポッティング材でポッティングされ、液体
又は気体の流れを、外部空間に沿ってではなく、中空糸フィルタ部材の内部空間を通って流れるように方向付け、
ハウジングの複数の端部の1つが、接続部材に螺合、圧入、又は溶接されている、
フィルタカートリッジ。
【請求項2】
ハウジングが円筒状であり、5mm~25mmの直径を有する、請求項1に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項3】
ハウジングが10mm~1000mmの長さを有する、請求項1又は2に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項4】
中空糸フィルタ部材がハウジング内にポッティングされ、それにより、液体又は気体の流れが、中空糸フィルタ部材の内部空間を通って移動するように方向付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項5】
中空糸フィルタ部材が、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマー、又はこれらの組合せを含むポッティング材でポッティングされている、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項6】
中空糸フィルタ部材が、ポリマーの主鎖又は側鎖に極性基を有するポリマー材料から形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項7】
ポリマーが、ポリアミド、ポリイミド、ポリケトン、ポリエステル、又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタカートリッジを通る液体又は気体の流れを方向付けること、及び
液体又は気体内に含まれる微粒子を中空糸フィルタ部材で捕捉すること
を含む、液体供給物
又は気体供給物の濾過方法。
【請求項9】
ハウジングが円筒状であり、5mm~25mmの直径を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ハウジングが10mm~1000mmの長さを有する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
中空糸フィルタ部材がハウジング内にポッティングされ、それにより、液体又は気体の流れが、中空糸フィルタ部材の内部空間を通って移動するように方向付けられる、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
中空糸フィルタ部材が、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマー、又はこれらの組合せを含むポッティング材でポッティングされている、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
中空糸フィルタ部材が、ポリマーの主鎖又は側鎖に極性基を有するポリマー材料から形成されている、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ポリマーが、ポリアミド、ポリイミド、ポリケトン、ポリエステル、又はこれらの組合せを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
濾過はしばしば、液体供給物がフィルタに入る箇所から、液体がフィルタから放出される箇所まで、望ましくない圧力降下をもたらす。液体は、濾材を通って押し出されるとき、濾材の抵抗に遭い、その結果、液体の流量が減少する。フィルタにわたる高い圧力降下は、たとえば、フィルタの上流での圧力上昇を避けるべき場合や、濾過前後の液体の安定した流量が望まれる場合など、いくつかの用途では望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
フォトリソグラフィなどの微細加工プロセスによっては、再循環エッチング槽からの粒子の除去を含め、極めて清浄な動作状態を必要とするものもある。また、製作される物品の複雑性および小型性のため、狭い空間内に配置可能な濾過装置を利用することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、液体もしくは気体の流れなどの流体から微粒子または汚染物質を除去するための、濾過方法およびフィルタカートリッジまたはノズルに関する。具体的には、本開示は、低圧力損失の濾過を提供することができ、また狭い空間内に配置可能な、フィルタカートリッジまたはノズルを対象とする。
【0004】
フィルタカートリッジの一実施形態は、液体または気体の流れに沿って配置されるように構成されたハウジングと、ハウジング内に配置された複数の中空糸フィルタ部材とを含む。ある特定の態様における中空糸フィルタ部材は、表面エネルギを介して液体または気体の流れから微粒子を捕捉するように構成されている。中空糸の開口形態および非ふるい保持を介した濾過により、流体は著しい圧力降下なしにフィルタカートリッジを通過することができる。
【0005】
本開示はまた、フィルタカートリッジの一バージョンを通る液体または気体の流れを方向付けること、および液体または気体内に含まれる微粒子をフィルタカートリッジの中空糸フィルタ要素で捕捉することを含む、液体または気体供給物の濾過方法をも対象とする。
【0006】
異なる図を通じて同一の参照符号が同一の部品を指す添付図面に示す本発明の例示的な実施形態についての以下のより詳細な説明から、上述の事項が明らかになるであろう。図面は必ずしも原寸に比例したものではなく、それよりも本発明の実施形態を示すことに重点を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】フィルタカートリッジの斜視図であり、カートリッジ内に収容された中空糸をカートリッジハウジングの一部切欠図を通じて示す。
【
図2】ハウジングを透過的に示した、
図1のカートリッジの斜視図である。
【
図3】2つのホースと直列に接続されたフィルタカートリッジの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の例示的な実施形態を参照して、本発明を詳細に図示および説明するが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、そこで形状および細部の種々の変更を加えてもよいことを当業者なら理解するであろう。
【0009】
種々の組成物および方法を説明するが、ここで説明する特定の分子、組成物、設計、方法論、またはプロトコルは変わり得るので、本発明はこれらに限定されないことを理解されたい。説明で使用する専門用語は、特定のバージョンまたはバージョンを説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0010】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形を含むことにも留意されたい。したがって、たとえば、「中空糸」への言及は、1つまたは複数の中空糸要素および当業者に知られているその等価物への言及であり、以下同様である。別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を持つ。本明細書に述べるものと類似または同等の方法および材料を、本発明のバージョンの実施または試験に用いることができる。本明細書に述べる全ての刊行物は、その全体が参照により援用される。本明細書のいかなる事項も、従来発明によって本発明がこうした開示に先行する権利を有さないことを認めるものと解釈されるべきではない。「任意の」または「任意に」とは、その後に説明する事象または状況が発生しても発生しなくてもよく、またその説明が、事象が発生する場合および事象が発生しない場合を含むことを意味する。本明細書における全ての数値は、明示の有無にかかわらず、「約」という用語で修飾することができる。「約」という用語は、一般に、記載値に相当する(すなわち、同じ機能または結果を有する)と当業者がみなすであろう数の範囲を指す。いくつかのバージョンでは、「約」という用語は表示値の±10%を指し、他のバージョンでは、「約」という用語は表示値の±2%を指す。
【0011】
図1および
図2には、フィルタカートリッジ100の例示的なバージョンが示してある。フィルタカートリッジまたはノズルは、中空の中心部を有するハウジング110を含む。ハウジング110の中空の中心部には、複数のフィルタ部材120が配置されている。ハウジングは、たとえば約5mm~約25mmの直径を有する管など、形状が円筒状または管状であることができる。たとえば、ハウジングは、約0.25インチ(6.35mm)、約0.5インチ(12.7mm)、約0.75インチ(19.1mm)、または約1インチ(25.4)の直径を有する管とすることができる。
図1および
図2に示すように、ハウジング110は、カートリッジ100の一方の端部の外面の周りに位置するねじ山140を含むことができる。あるいは、ねじ山140を、ハウジング110の両端に含むことができる。ねじ山140は、管類、パイプ、ゲージ、ツール、または設備ラインもしくは処理システムの上流側および下流側の他の要素など、他の要素との流体密封接続を提供することができる。代替の接続メカニズムが可能である。たとえば、カートリッジ100は、他の要素に螺合、圧入、または溶接することができる。
【0012】
ハウジングは、ポリマーを含む材料から形成することができる。ハウジングに適したポリマーの非限定的な例には、ナイロンなどのポリアミド、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)などのフルオロポリマー、およびポリエチレン(PE)などのポリオレフィンが含まれる。ハウジングは、設備ラインの狭い空間内に配置可能な長さを有することができる。たとえば、ある特定の実施形態では、ハウジングは約10mm~約1000mmの長さを有することができる。
【0013】
フィルタ部材120は、両端が開口した中空糸とすることができる。
図1および
図2に示すように、中空糸フィルタ部材120は、ハウジング110の長さにほぼ等しい長さを有し、それにより、フィルタ部材120は、カートリッジ100の第1の端部112から第2の端部114まで延在する。あるいは、中空糸フィルタ部材は、カートリッジの長さの一部のみにわたって延在することができる。さらなる代替バージョンでは、カートリッジ内の個々の中空糸フィルタ部材の長さは、異なる長さとすることができる。たとえば、一部または全部の中空糸フィルタ部材120は、ハウジング110の長さのほぼ半分、3分の2、または4分の3の長さを有することができる。あるいは、全ての中空糸フィルタ部材は、ハウジングの長さにほぼ等しい長さ(たとえば約10mm~約1000mm)を有することができ、一部の中空糸部材が、追加の表面積を提供するために他のものよりもわずかに長い(たとえば約1mm~約5mm長い)。
【0014】
いくつかの実施形態では、中空糸フィルタ部材120は、ポッティング材130でハウジング110内にポッティングすることができる。
図1に示すように、カートリッジ内の排気を改善または向上させるために、ポッティング材130をカートリッジの一方の端部にのみ含んでもよい。あるいは、ハウジングの選択された構造に応じて、ポッティング材をカートリッジ内またはどちらかの端部の追加位置に含むことができる。ポッティング材130は、ポリオレフィン、フルオロポリマー、ポリアミド、または同様の材料とすることができる。ポッティング材130は、中空糸フィルタ部材をハウジング110内に固定することができる。たとえば、フィルタ部材120を、互いに、またカートリッジ100の一方の端部でハウジング110に固定することにより、ポッティング材130は、カートリッジを通る流体または気体のフローを妨げる恐れがある、ハウジング内でのフィルタ部材の移動または座屈を防止することができる。加えて、ポッティング材130を使用して、中空糸フィルタ要素の周りの空間を液体または気体のフローからシールすることができ、それにより、液体または気体は、フィルタ要素の外面に沿ってではなく、フィルタ要素の中空内部空間を通って流れるように方向付けられる。
【0015】
図3に示すように、フィルタカートリッジは、液体もしくは気体の流れまたはフローに沿って配置されるように構成することができる。フィルタカートリッジ300は、管350,360の間に位置している。カートリッジ300の第1の端部では、ねじ山340が、管350の対応するねじ山342と係合している。カートリッジ300の第2の端部では、ハウジング310が、管360の対応する部分344内に圧入するように構成されている。フィルタカートリッジ300は、管350に螺合された一方の端部および管360に圧入された一方の端部を有して
図3に示してあるが、接続タイプの代替構成が可能である。たとえば、フィルタカートリッジ300は、管350,360に両方の端部で圧入されること、または両方の端部で溶接されることもできる。あるいは、フィルタカートリッジ300の一方の端部は管350に溶接し、カートリッジの他方の端部は管360に圧入または螺合してもよい。フィルタカートリッジ300は、管350および360としっかりと結合し、それによって流体密封接続を形成するように構成することができる。
【0016】
フィルタカートリッジ100,300は、たとえばフォトレジスト組成物を除去するための再循環システムなど、処理システムの液体または気体の通常流路内に配置することができる。たとえば、フィルタカートリッジ100,300は、管類またはパイプの一部分に挿入することができ、それにより、カートリッジを通る液体の流路は、接続された管類またはパイプを通る液体の流路とほぼ直線状のままである。液体は、カートリッジ100,300に入るとき、両端が開口した中空糸フィルタ要素120,320を平行に通過する。
【0017】
液体内の微粒子は、非ふるい保持メカニズムを介して、中空糸フィルタ要素120,320によって捕捉することができる。本明細書で使用するとき、「非ふるい保持メカニズム」は、フィルタまたは中空糸の圧力降下またはバブルポイントに関連しない遮り、拡散、吸着、またはこれらの組合せなどのメカニズムによって生じる保持を指す。たとえば、微粒子は、中空糸の内面(たとえば、中空糸を形成するポリマー膜の露出した極性基)で、表面エネルギによって捕捉することができる。中空糸の開口形態および非ふるい保持を介した濾過により、液体は著しい圧力降下なしにフィルタカートリッジ100,300を通過することができる。したがって、フィルタカートリッジ100,300は、低圧力損失の濾過を提供し、これにより、追加の加圧なしに液体をフィルタの下流で使用することが可能になる。低圧力損失の濾過は、迅速な槽回転を必要とすることが多い再循環エッチング槽において特に有用である。たとえば、一バージョンでは、フィルタカートリッジ100,300は、約1kPa以下の圧力損失をもたらす。
【0018】
フィルタカートリッジの例示的なバージョンでは、中空糸フィルタ部材120,320は、非ふるい膜から形成されている。本明細書で使用するとき、非ふるい膜は、たとえば、吸着、遮り、拡散、またはこれらの組合せを含め、非ふるい保持メカニズムを介して、粒子を捕捉するまたは主に粒子を捕捉するように最適化された膜を指す。膜表面への粒子吸着は、たとえば、分子間のファン・デル・ワールス力および静電気力によって媒介される。遮りは、膜を通って移動する粒子が、膜との接触を避けるのに十分なほど迅速に方向を変えることができないときに生じる。拡散による粒子輸送は、粒子が濾材と衝突する一定の可能性を生み出す主に小さい粒子のランダム運動またはブラウン運動に起因する。
【0019】
フィルタカートリッジの例示的なバージョンでは、中空糸フィルタ部材120,320は、ポリマーの主鎖または側鎖に極性基を有するポリマー材料から形成されている。たとえば、中空糸フィルタ部材は、ポリアミド、ポリイミド、ポリケトン、ポリエステル、またはこれらの組合せから形成することができる。ポリマー材料の主鎖または側鎖に位置する極性基は、粒子吸着メカニズムを通じて荷電粒子または微粒子を捕捉することが可能である。分子内のファン・デル・ワールス力および粒子と中空糸膜の内面との間の引力静電相互作用は、膜表面への粒子の輸送を提供することができる。したがって、液体が中空糸フィルタ部材を通って移動するときに、液体から粒子を除去することができる。
【0020】
たとえば、フィルタカートリッジの一バージョンは、ナイロン6などのポリアミドから形成され、正電荷密度を有する、中空糸フィルタ部材を含む。金属コロイドや有機ポリマーゲルなどの粒子は、負に帯電することができる。粒子が中空糸フィルタ部材を通って移動するときに、吸着が生じ、それによって液体の流れから粒子を除去することができる。フィルタカートリッジの他のバージョンでは、中空糸フィルタ部材と粒子との間の電荷相互作用を逆にしてもよい。たとえば、フィルタ部材は負電荷密度を有してもよく、粒子は正に帯電してもよい。
【0021】
引力静電相互作用の他に、遮りおよび拡散メカニズムを使用して、中空糸フィルタ部材120,320内に粒子を捕捉および保持することもできる。同じ電荷の相互作用(すなわち、正-正または負-負の相互作用)によって生じるような、膜と粒子との間の反発力がない場合、または膜および/もしくは粒子が中性-ゼロ電荷を運ぶ場合、膜との接触または衝突を通じて、膜によって粒子を捕捉することができる。
【0022】
いくつかの態様では、フィルタカートリッジのバージョンは、約20%、30%、50%、または60%~約65%、75%、85%、または90%の保持率を有することができる。本明細書で使用する「保持率」は、流体流の経路に配置された濾過部材によって流体流から除去される粒子のパーセンテージを指す。非ふるい保持率は、たとえば、金ナノ粒子またはナノメートルサイズのビーズを使用して評価することができる。その内容全体が参照により本明細書に援用される、「Sub-30nm Particle Retention Test by Fluorescence Spectroscopy(蛍光分光法によるサブ30nm粒子保持試験)」,Yaowu,Xiao,et ah,Semicon China;March 19-20,2009,Shanghai,Chinaに開示されている方法および材料を利用して、ナノメートルサイズの蛍光ポリスチレンラテックス(PSL)ビーズを使用して本発明のフィルタ部材および微孔性膜の保持率を測定することができる。本発明のいくつかのバージョンでは、蛍光ナノ粒子はG25粒子である。G25粒子は、粒子の公称直径を25ナノメートルで記載しているDuke Scientificによって販売されている。しかし、20ナノメートル~30ナノメートル、場合によっては21ナノメートル~24ナノメートルの範囲の粒子を使用することができる。フィルタ部材を評価するために用いられる蛍光粒子単層被覆率は、1%~30%とすることができるが、他の単層被覆率も用いることができる。
【0023】
1つまたは複数の実施態様に関して本発明を図示および説明したが、当業者なら、本明細書および添付図面の解読および理解に基づいて、同等の変更および修正を思いつくであろう。本発明は、全てのこうした修正および変更を包含し、以下の請求項の範囲によってのみ限定されるものである。加えて、いくつかの実施態様のうちの1つのみに関して本発明の特定の特徴または態様を開示したが、こうした特徴または態様は、いかなる所与のまたは特定の用途にとっても望ましく有益であり得るように、他の実施態様の1つもしくは複数の他の特徴または態様と組み合わせてもよい。さらに、「含む」、「有している」、「有する」、「持つ」という用語、またはこれらの変形が、発明を実施するための形態と特許請求の範囲のどちらかで使用される限り、こうした用語は、「備える」という用語と同様に包括的であることを意図するものである。また、「例示的な」という用語とは、最良のものではなく一例を意味するためのものにすぎない。本明細書に示す特徴および/または要素は、理解を簡単かつ容易にするために互いに対して特定の寸法および/または向きで示してあり、また実際の寸法および/または向きは、本明細書に示すものとは実質的に異なってもよいことも理解されたい。
【0024】
本発明のある特定のバージョンを参照して、本発明をかなり詳細に説明したが、他のバージョンも可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書中に含まれる説明およびバージョンに限定されるべきではない。
【0025】
本明細書で引用した全ての特許、公開された出願、および参考文献の教示は、その全体が参照により援用される。