(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】希土類元素の定量方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/44 20060101AFI20250121BHJP
G01N 33/2028 20190101ALI20250121BHJP
G01N 31/00 20060101ALI20250121BHJP
G01N 31/12 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
G01N1/44
G01N33/2028
G01N31/00 S
G01N31/12 B
(21)【出願番号】P 2020203803
(22)【出願日】2020-12-09
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2020011032
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 俊昭
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001074(JP,A)
【文献】特開2017-007893(JP,A)
【文献】特開2014-109039(JP,A)
【文献】特開2000-275901(JP,A)
【文献】実公昭29-015700(JP,Y1)
【文献】中国特許出願公開第102676830(CN,A)
【文献】特開平08-068739(JP,A)
【文献】特開2003-161685(JP,A)
【文献】実公昭29-002600(JP,Y1)
【文献】特開昭60-166222(JP,A)
【文献】特開2019-173148(JP,A)
【文献】JIS,マグネシウム合金中の希土類定量方法,JIS-H1345:1998,1998年,URL1:https://kikakurui.com/h1/H1345-1998-01.html, URL2:https://kikakurui.com/h1/H1345-1998-02.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
G01N 31/00-31/22
G01N 33/20-33/208
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ紙を含まない希土類シュウ酸塩を、炉内にて加熱昇温し酸化分解する過程において、炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給する際、希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を
10モル以上炉内に供給して酸化分解反応を促進し、
定量目的の希土類元素を100重量%としたとき、前記希土類元素以外の金属元素の含有量は0.1重量%未満である、希土類元素の定量方法。
【請求項2】
希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を20モル以上炉内に供給する、請求項1に記載の希土類元素の定量方法。
【請求項3】
定量目的の希土類元素がスカンジウムである、請求項1または2に記載の希土類元素の定量方法。
【請求項4】
炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給した後、炉内を800℃以上に加熱する、請求項1~3のいずれかに記載の希土類元素の定量方法。
【請求項5】
加熱昇温の際の昇温速度は、300℃から500℃において50℃/分以下とする、請求項1~4のいずれかに記載の希土類元素の定量方法。
【請求項6】
前記炉は密閉式炉である、請求項1~5のいずれかに記載の希土類元素の定量方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかの方法において生成した希土類酸化物から希土類元素の含有量を算出する、希土類元素の定量方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類化合物中の希土類元素の定量方法に関し、さらに詳しくは、希土類シュウ酸化合物を酸化物とし高精度に希土類元素を定量する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド(ランタン等)を指す。これらの元素は例えば他の金属元素との合金に添加されることにより耐久性向上や磁性などの特性向上が図れる。そのため、希土類元素は、様々な電子部品に用いられている。
【0003】
希土類元素は、鉱山等から産出される希土類化合物中に存在する。その一方、希土類化合物は産出量が限られるため、その価格は貴金属と同等である。その結果、希土類化合物の取引の際には、希土類化合物中の希土類元素の含有量を、正確かつ誤差の少ない方法で算出することが求められる。
【0004】
希土類化合物の形態は様々である。希土類元素の含有量を求める方法として、希土類化合物であるところの希土類水酸化物や希土類有機酸化合物を酸などに溶解させ、得られた溶液に対し、ICP発光分光分析法や原子吸光法、ICP質量分析法を適用して定量するという湿式の方法が知られている。ただ、これらの方法は、分析の相対標準偏差が1~2%程度であり、この誤差はそのまま取引金額に影響するため最適とは言えない。
【0005】
その一方、希土類化合物中の希土類元素を定量する乾式の方法も知られている。非特許文献1においては、定量対象であるマグネシウム合金を加熱焼成して希土類元素の形態を酸化物にし、重量法で分析する方法が記載されている。そして、非特許文献1においては、マグネシウム合金中の希土類元素をシュウ酸塩として分離し、500℃付近にてろ紙を灰化し、950℃にて酸化物形態にし、その重量から希土類元素の全含有量を求めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】JIS H1345:1998「マグネシウム合金中の希土類定量方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載の方法は、定量的に希土類シュウ酸塩として分離する方法である。非特許文献1には、希土類含有率5%(m/m)以上10%(m/m)以下の場合は試料はかり取り量が1gであると記載されている。10%(m/m)を超えた数値は記載されていない。つまり、非特許文献1に記載の内容だと、希土類元素の含有量は最大でも100mg(=10%(m/m)×1g)という上限がある。非特許文献1の手法は、天秤の精度を考慮すると精度が必要な分析には適当とは言えない。
【0008】
非特許文献1には、温度以外の焼成方法の具体的記述が無い。仮に、非特許文献1の方法を密閉式炉内で実施すると、ろ紙が灰化する際や希土類シュウ酸塩が酸化分解する際に、必要な酸素が不足し、不完全燃焼となる。その場合には煤(カーボン)が炉内や試料中に残留し、重量法にて残留希土類酸化物を秤量した際に正の誤差を生むおそれがある。
【0009】
一般的にカーボンは空気中では500℃程度で分解する(すなわち炭素がCO2化する)が、酸素が不足する還元雰囲気下では1000℃以上になるまで分解しにくい。酸素が不足する還元雰囲気下だと、非特許文献1で記載の950℃では分解できないおそれもある。
【0010】
本発明の課題は、希土類シュウ酸化合物中の希土類元素を乾式にて精度良く定量する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭素がCO2化する手前の温度であって有機物が酸化分解しやすい(すなわち希土類元素から炭素含有基が脱離しやすい)温度帯において一定量の酸素を導入することで、酸素不足によるカーボンの生成を防止できることを見出した。
【0012】
上記の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
希土類シュウ酸塩を、炉内にて加熱昇温し酸化分解する過程において、炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給する際、希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を5モル以上炉内に供給する、希土類元素の定量方法である。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を20モル以上炉内に供給する。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
定量目的の希土類元素がスカンジウムであり、
前記希土類元素を100重量%としたとき、前記希土類元素以外の金属元素の含有量は0.1重量%未満である。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様に記載の発明において、
炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給した後、炉内を800℃以上に加熱する。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1~第4のいずれかの態様に記載の発明において、
加熱昇温の際の昇温速度は、300℃から500℃において50℃/分以下とする。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれかの態様に記載の発明において、
前記炉は密閉式炉である。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様に記載の発明において生成した希土類酸化物から希土類元素の含有量を算出する、希土類元素の定量方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、希土類シュウ酸化合物中の希土類元素を乾式にて精度良く定量する方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。本明細書において「~」は所定の値以上且つ所定の値以下を指す。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更することができる。
【0021】
本実施形態は以下の構成を有する。
「希土類シュウ酸塩(希土類化合物)を、炉内にて加熱昇温し酸化分解する過程において、炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給する際、希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を5モル以上炉内に供給する、希土類元素の定量方法。」
【0022】
希土類化合物には、酸化物、水酸化物、硫酸塩、シュウ酸塩やそれらの複合塩などがある。これらは酸化することにより安定な酸化物とすることができる。希土類シュウ酸塩のうちシュウ酸スカンジウムを例示すると、以下の式1で示される反応により酸化スカンジウムを生成することができる。
Sc2[(COOH)2]3+3/2O2→Sc2O3+6CO2↑ ・・・(式1)
【0023】
希土類化合物における希土類元素の含有率には限定は無いが、後掲の実施例の項目にて示すように、希土類化合物中に希土類元素が10重量%超え(或いは15質量%以上、20質量%以上)含有されている場合であっても本実施形態を適用可能である。
【0024】
また、炉内にて加熱する対象となる希土類化合物中の定量目的の希土類元素(例えばスカンジウム)を100重量%としたとき、その希土類元素以外の元素の含有量は0.1重量%未満であるのが好ましく、0.01重量%未満がより好ましい。定量目的の希土類元素以外の金属元素とは、上記の例だとスカンジウム以外の元素(例えばイットリウム、鉄、ナトリウム等)であって、水素、希ガス元素、炭素、窒素、酸素は除く。
【0025】
希土類シュウ酸塩を酸化物にすることにより、酸化物の重量から希土類元素の重量を算出することができる。そして、元の試料量を把握すれば、試料中の希土類元素の含有量を求めることができる。
【0026】
ただし、非特許文献1に対して本発明者が知見した課題、すなわち、シュウ酸塩を精度良く定量するための酸化物を得るためには、式1に示すように、反応時に酸素の供給が必要となる。
【0027】
供給する酸素が不足すると、シュウ酸が完全に酸化分解することが難しくなり、非酸化性雰囲気となりカーボンを生成しやすくなる。具体的に言うと、上記式(1)において、酸化スカンジウムすなわちSc2O3が得られる前に、スカンジウムに対して一酸化炭素が配位したもの、二酸化炭素が配位したもの、炭酸イオンが配位したものが生成しやすくなる。これが最終的に上記カーボンの原因の一つとなる。カーボンを生成すると、その分解温度は1000℃以上であるため残分として残ることになる。そのようになると、酸化物の重量にカーボン量が加算され正確な希土類元素の重量を求めることができなくなる。
【0028】
酸素雰囲気下での加熱による酸化分解反応において、特に300℃から500℃(あるいは600℃)の温度領域で酸化分解反応が著しく生じる(すなわちシュウ酸スカンジウムからの脱炭素が行われる)ことが、熱分析の結果から判明した。この温度領域で酸素あるいは酸素を含むガス、例えば大気を反応場(いわゆる炉内)へ導入することが反応を促進する上で望ましい。
【0029】
炉には限定は無く、密閉式炉(例えば蓋により開閉自在)でもよいし、大気開放型炉(例えば蓋が無いもの)でもよい。ただし、本発明の課題がより深刻になるのは密閉式炉であり、本発明の効果を顕著に享受できるのも密閉式炉である。いずれにせよ、希土類化合物を加熱により酸化させるための器を炉と称し、希土類化合物が載置される部分を炉内と称する。
【0030】
上記式1を鑑みると、例えばシュウ酸スカンジウムの場合には1モル当たり酸素が1.5モル必要となる。その一方、実際には焼成時に用いる炉内の酸素を全て反応に寄与することは難しい。それを鑑みると、希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を5モル以上炉内に供給するのが好ましく、より好ましくは7モル以上、さらに好ましくは10モル以上、特に好ましくは20モル以上である。ここでいう「炉内に供給する酸素量」は、酸素あるいは酸素を含むガスの総供給量中の酸素量を指す。
【0031】
加熱昇温の方法には限定は無いが、数百℃以上の加熱を実現するためには燃焼加熱が好ましい。加熱昇温の方法には限定はないが、電気炉、ガス炉などがある。
【0032】
炉内温度は、密閉式炉を採用する場合、例えば天板や側壁に取り付けられた温度計により計測してもよい。大気開放型炉を採用する場合、例えば側壁に取り付けられた温度計により計測してもよい。
【0033】
酸素または酸素を含むガスは、酸素ガスを含むし、酸素と他物質(窒素、希ガス等)との混合ガスを含み、大気も含む。また、ここで言う酸素とは、重酸素も含む。
【0034】
酸素または酸素を含むガスを炉内に供給する方法には限定は無い。
密閉式炉の場合は炉外から炉内に向けて該ガスを導入すればよい。その際、該ガスの導入が行われても、炉内温度が300~500℃の範囲を外れないようにする。また、炉内圧力を適度に保つため、排気も行う。
大気開放型炉の場合は、炉の側壁から炉内に貫通させ空気を導入および排気すればよく、密閉式炉についても導入口から空気または酸素を導入し、排気口から排気させればよい。
【0035】
希土類化合物のうち希土類シュウ酸塩について以下の内容も知見された。すなわち、希土類シュウ酸塩を加熱昇温する際、昇温速度を制御することにより、カーボンの生成、或いは定量測定を妨げる発火等による散逸の発生を抑制できる。具体的には、該昇温速度は、300℃から500℃において70℃/分以下とするのが好ましく、50℃/分以下とするのがより好ましい。該昇温速度の下限には限定は無いが、作業効率を鑑みると例えば1℃/分、好適には10℃/分が挙げられる。
【0036】
炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給した後(1段階目の加熱)、800℃以上に加熱するのが好ましい(2段階目の加熱)。これにより、カーボンの生成や一酸化炭素の生成をさらに抑制したうえで、希土類化合物中の希土類全量を希土類酸化物に変えられる。
【0037】
なお、反応場の残留酸素があれば、500℃以上においても酸化反応は進行する。その場合、反応場を800℃以上にしても酸化反応が進まなくなり、上記の800℃以上の加熱(2段階目の加熱)は不要となる。
【0038】
以上の作業を経て、希土類酸化物から希土類元素の含有量を算出する。算出手法としては、例えば上記のように酸化物の重量から希土類元素の重量を算出すればよい。
【実施例】
【0039】
以下、本実施例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0040】
<実施例1、2、比較例1、2>
以降に述べる各例では、天秤にザリトリウス社製EXTEND、密閉式炉であるマッフル炉にヤマト科学製FP412、磁性るつぼにニッカトー製磁性るつぼを用いた。
【0041】
シュウ酸スカンジウム1gから2gを磁性るつぼに秤取し、マッフル炉に入れ毎分10℃の昇温速度で加熱した。なお、各例における秤取量は後掲の表1に記載の通りである。
【0042】
300℃から500℃まで(毎分10℃であるため20分の加熱)、実施例では大気を毎分300ml炉内に導入した。導入態様としては、マッフル炉の貫通孔から配管を通じてポンプで炉内に大気を導入した。なお、各例における大気導入量および酸素量は後掲の表1に記載の通りである。酸素量(M)は、加熱時間と、大気導入量総量と、大気中の酸素の含有率とから求めることが可能である。
【0043】
そして、500℃から800℃までは大気の導入を止め毎分10℃の昇温速度で加熱した。
【0044】
800℃で加熱を止め、放冷させ、室温まで冷却した後に、天秤で残量を秤量し、残量を酸化スカンジウムとしてスカンジウム含有量を算出した。各例におけるその結果を表1に示す。
【0045】
一方、比較例1では、大気導入量を50ml/分とした。比較例2では、最初に炉内に大気は存在させるものの、加熱開始後は大気の導入を行わず加熱した。その他は実施例1と同じ条件とした。
【表1】
【0046】
表1より、シュウ酸スカンジウム1モルに対する大気導入総量中の酸素のモル数が3モル強の比較例1では、スカンジウム含有量が高くなり、加熱後の残留物にも着色が認められた。この着色は、大気導入量(すなわち酸素供給量)がゼロの比較例2でも認められた。これらの例においては、酸素供給量が酸化分解反応に対し不足し、その結果、未分解物が残留したことにより、見かけのスカンジウム含有量が高く算出されたと推測される。
【0047】
その一方、実施例1、2では、比較例1、2のような着色は認められなかったうえ、スカンジウム含有量としてはほぼ同じ値が得られ、且つ比較例1、2の値よりも実施例1、2のスカンジウム含有量の値は低かった。その結果、実施例1、2ではカーボンの残留はほとんど生じておらず、実施例1、2の値は真値に近い値であると推測される。この試験結果により、希土類シュウ酸塩1モルに対し、酸素を5モル以上炉内に供給することの有意性が示された。
【0048】
<実施例3~5>
実施例1の条件のうち、炉内温度が300℃から500℃の間、酸素または酸素を含むガスを炉内に供給する際の昇温速度を以下の表2に記載のように変化させたこと以外は実施例1と同様に試験を行った。その結果を表2に示す。表2には実施例1の結果も再掲する。
【表2】
【0049】
表2より、実施例3~5では、スカンジウム含有量としてはほぼ同じ値が得られ、且つ比較例1の値よりも低かった。これは、比較例1のような正の誤差がほとんど生じていないためである。
【0050】
その一方、実施例4、5だと、試料にわずかにくすみがみられた。実施例1の結果と比べたとき、実施例4、5だと、わずかではあるが正の誤差が生じている。実施例4、5だと、加熱昇温の際の昇温速度は、300℃から500℃において50℃/分を超えている。この試験結果により、加熱昇温の際の昇温速度は、300℃から500℃において50℃/分以下とすることの有意性が示された。