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特許7623162二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/06 20060101AFI20250121BHJP
   F16L 5/00 20060101ALI20250121BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20250121BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
H02G9/06
F16L5/00 A
F16L5/00 R
F16L5/02 J
H02G1/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021027836
(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公開番号】P2021158911
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2020057998
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 恵人
(72)【発明者】
【氏名】小澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】白山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大祐
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-280430(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155359(WO,A1)
【文献】特開2003-176887(JP,A)
【文献】特許第6684383(JP,B1)
【文献】特開2018-031412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/06
F16L 5/00
F16L 5/02
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造であって、
二重壁角型電線管と、
ハンドホールと、
前記二重壁角型電線管と接続される変換アダプタと、
前記変換アダプタを前記ハンドホールに接続するための内側コネクタ及び外側コネクタと、
を有し、
前記二重壁角型電線管は、外管と、前記外管の内部に配置される直管状の内管とから構成され、
前記二重壁角型電線管は、前記外管は大径部と小径部からなり、前記内管の外面が前記外管の内面と前記小径部で相互に融着されていて、
前記二重壁角型電線管は、前記変換アダプタを介して前記ハンドホールと接続されており、
前記変換アダプタは、前記内側コネクタと前記外側コネクタを用いて前記ハンドホールへ取り付けられる螺旋状部から前記二重壁角型電線管の継手部に変換可能であり、
前記変換アダプタは、一方側に形成される前記螺旋状部と他方側に形成される前記二重壁角型電線管との継手部から構成され、
前記内側コネクタと前記外側コネクタはともに断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、
前記内側コネクタの前記筒状部の外周面には水膨張性不織布が設けられ、前記内側コネクタの前記フランジ部の内面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順に張り付けられ、
前記外側コネクタの前記筒状部の内周面には水膨張性不織布が設けられ、前記外側コネクタの前記フランジ部の外面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順で張り付けられ、
前記内側コネクタは、前記螺旋状部の端部の内周面に螺合し、前記ハンドホールの内壁面に前記内側コネクタの前記フランジ部の内面の前記水膨張性不織布が当接し、
前記外側コネクタは、前記螺旋状部の外周面に螺合し、前記ハンドホールの外壁面に前記外側コネクタの前記フランジ部の外面の前記水膨張性不織布が当接し、
前記内側コネクタの前記フランジ部と、前記外側コネクタの前記フランジ部とで、前記ハンドホールの壁部が挟み込まれ、
前記内側コネクタ又は前記外側コネクタの少なくとも一方の前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成され、前記変換アダプタの前記継手部に前記二重壁角型電線管が接続されていることを特徴とする二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項2】
前記二重壁角型電線管は、前記外管の両端部にそれぞれ形成される雄型継手部と雌型継手部と、前記雄型継手部と前記雌型継手部の両者を繋ぐ本体部からなり、前記本体部は、略円筒形の前記小径部とそれより大径の略矩形状の前記大径部が交互に繰り返し形成されたもので、さらに前記直管状の内管は略円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造。
【請求項3】
前記内管は、前記雄型継手部では、前記雄型継手部の内部に収納被覆されているか、前記雄型継手部の先端部近傍の内面と一体化されているかのいずれかであり、前記雌型継手部では、前記雄型継手部との接続を阻害しないように切断されていることを特徴とする請求項2に記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項4】
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの前記山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項5】
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記螺旋状山部の前記山部間を繋ぐ管軸方向に平行な前記仕切り壁は、前記螺旋状山部の周方向に30°~90°の所定間隔で設けられることを特徴する請求項1から請求項4のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項6】
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記螺旋状山部の前記山部間を繋ぐ管軸方向に平行な前記仕切り壁は、管軸方向に垂直な方向に、所定位置の中心線に対して、略垂直な方向に所定間隔で略平行に複数形成されることを特徴する請求項1から請求項4のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項7】
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記所定間隔で略平行に複数形成される前記仕切り壁は、管軸方向に垂直な方向に、中心線位置と中心線を挟んで上下に半径の1/2から1/5の間の所定間隔で形成されていることを特徴する請求項6に記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項8】
前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雌型継手部から構成され、
前記雌型継手部は、所定位置に装着された略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成される雄型継手部が嵌合することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項9】
前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雄型継手部から構成され、
前記雄型継手部は、前記雄型継手部の所定位置に装着された略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【請求項10】
前記変換アダプタは、前記変換アダプタの前記螺旋状部に、前記変換アダプタの長さ調整を行うための余長を有していることを特徴する請求項1から請求項9のいずれかに記載の二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドホールへ二重壁角型電線管が接続された二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばハンドホールに対して電線管を接続する際には、抜け止めや止水対策が施されたコネクタが使用される。
【0003】
例えば、特許文献1には、ハンドホールやマンホール等の壁体に埋設された管路口部材に、ケーブル保護管を接続するにあたって、抜け止め対策や止水対策を行うための各種部材の組み付けを簡単且つ確実に行うことができる管接続構造が提案されている。
【0004】
特許文献1の管接続構造は、管路口部材に管継手の一端側を接続するとともに、この管継手の他端側に抜け止め用兼止水用の機能部材を介してケーブル保護管が接続される。すなわち、この機能部材は、ケーブル保護管の端部に嵌着される。機能部材は、ケーブル保護管の接続時において管継手の他端側に嵌合される嵌合筒部を有する。また、機能部材は、この嵌合筒部に一体的に形成されて、ケーブル保護管の接続時において管継手からのケーブル保護管の抜けを阻止する抜け止め材と、嵌合筒部に設けられて、ケーブル保護管の接続時においてその接続部分を止水する止水材とを備える。
【0005】
また、特許文献2、特許文献3には、ケーブル保護管の接続時においてその接続部分を止水する止水材を備える管体接続構造が提案されている。
【0006】
特許文献2の管継手は、管体の外周面に結合する結合部を有するとともに、接続対象の貫通孔の周囲に当接する当接面を有する。また、ベルマウスは、管体の内周面に結合する結合部を有するとともに、接続対象の貫通孔の周囲に当接する当接面を有する。この際、管継手の当接面より内周側であって、結合部より外周側の部位に、貫通孔に進入する突部が形成される。このように、貫通孔に嵌合する円筒状の突部を管継手に形成することで、特許文献2では、管継手の当接面が貫通孔の周囲にから離れる方向に変位するのを阻止することができる。
【0007】
また、特許文献3の管継手は、特許文献2と同様に、管体の外周面に螺合する雌ねじを内周面に有し、管体の外周面に嵌る外筒部と、該外筒部の軸方向の一端において外周方向に張り出して接続対象である貫通孔の周囲に当接する当接面を有する外面鍔部を備える。また、ベルマウスは、管体の内周面に螺合する雄ねじを外周面に有し、管体内に挿入される内筒部と、該内筒部の軸方向の一端において外周方向に張り出して貫通孔の周囲に当接する当接面を有する内面鍔部を備える。
【0008】
さらに、特許文献3では、管継手の外筒部の内周面に、水分の吸収により膨張する管体外水膨張部が形成されるとともに、ベルマウスの内筒部の外周面に、水分の吸収により膨張する管体内水膨張部が形成される。このように、水膨張部を形成することで、接続作業が容易でありながらも十分な止水性を得られる接続構造を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2009-159742号公報
【文献】特開2014-207752号公報
【文献】特開2018-031412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1の管体接続構造は、管継手を挿入する管路口部材の開口部の形状が複雑であり、管路口部材の加工が困難である。
【0011】
一方、特許文献2の構造は、特許文献1と比べて全体的に構造が簡便であり、止水性を確保するために、外周管継手の内周部と外面鍔部の裏面と、ベルマウスの内筒部の外周と内面鍔部の表面とにそれぞれ水膨張性不織布を設けている。しかし、特許文献2の構造も、外周側の管継手が貫通孔に進入する突部を備えているため構造が複雑で、貫通孔に進入する突部の分だけ、貫通孔を大きくしなければならない問題がある。
【0012】
また、特許文献3は、特許文献2と類似の構造であるが、貫通孔に進入する突部が存在しない分だけ、構造が簡単で、しかも貫通孔の口径を不必要に大きくしなくてもよい。ししながら、このような管体接続構造においては、ベルマウスの施工後の土砂の埋戻し時の土圧等により、管体等が変形し、この結果、止水性が低下し、地下水が電線管等の内部に浸入する恐れがある。特に、このような問題は、管体が大口径の場合には顕著になる。
【0013】
図15(a)、図15(b)は、従来の接続構造を示す概略図である。ハンドホール123の壁部125には、貫通孔124が形成される。貫通孔124には、螺旋状電線管121の先端が挿入される。この際、ハンドホール123の外部において、螺旋状電線管121の外周には、外側コネクタ101bが取り付けられる。
【0014】
外側コネクタ101bは、一端側(ハンドホール123側)に、拡径されたフランジ部を有する。また、外側コネクタ101bの内面には、螺旋状電線管121の外周面の螺旋形状と螺合する螺旋形状が形成され、螺旋状電線管121の外面に外側コネクタ101bが螺合する。この際、外側コネクタ101bの内面には水膨張性不織布が配置され、外側コネクタ101bと螺旋状電線管121とは、水膨張性不織布を介して螺合する。
【0015】
一方、内側コネクタ101aは、一端側(ハンドホール123側)に、拡径されたフランジ部を有する。また、内側コネクタ101aは、外周面に、螺旋状電線管121の内面の螺旋形状と螺合する螺旋形状を有する。また、内側コネクタ101aの外周面には、水膨張性不織布が配置される(図は水膨張性不織布の透視図とする)。
【0016】
まず、図15(a)に示すように、貫通孔124に挿通された螺旋状電線管121の先端に内側コネクタ101aを螺合させて挿入する(図中矢印P)。次に、図15(b)に示すように、外側コネクタ101bを締め込むことで(図中矢印Q)、内側コネクタ101aのフランジ部と、外側コネクタ101bのフランジ部とで、ハンドホール123の壁部125を挟み込むことができる。以上により、螺旋状電線管121がハンドホール123に接続される。
【0017】
図16は、螺旋状電線管121とハンドホール123との接続構造の断面図である。前述したように、内側コネクタ101aの外面の螺旋状山部107aは、螺旋状電線管121の内部において、螺旋状電線管121の螺旋形状と螺合する。また、外側コネクタ101bの内面の螺旋状山部107bは、螺旋状電線管121の外部において、螺旋状電線管121の螺旋形状と螺合する。
【0018】
図17(a)は、図16のR部拡大図、図17(b)は、図16のS部拡大図である。図17(a)に示すように、内側コネクタ101aの外周面には水膨張性不織布117aが配置される。また、図17(b)に示すように、外側コネクタ101bの内周面には水膨張性不織布117bが配置される。このため、周囲から、外側コネクタ101bと螺旋状電線管121との隙間へ水が浸入すると、水膨張性不織布117bが膨張して、止水性を確保することができる。また、さらに、内側コネクタ101aと螺旋状電線管121との隙間に水が浸入すると、水膨張性不織布117aが膨張して、止水性を確保することができる。
【0019】
この状態で、ハンドホール123の周囲には、土砂が埋め戻され、螺旋状電線管121が埋設される。例えば、螺旋状電線管121は、適用される現場により異なるが、地上から30cm~5m程度の範囲の深さ(通常は、30cmから2m程度の場合が多い)に埋設される。
【0020】
この際、図18に示すように、螺旋状電線管121を敷設した後に土砂で埋め戻すと、螺旋状電線管121は、土砂の埋戻し時の土圧や、上方におけるトラック等の通行時の荷重を受けることがある(図中矢印T)。このような土圧等が付与されると、螺旋状電線管121の変形等によって、螺旋状電線管121と内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとの間の隙間が大きくなる恐れがある。ここで、埋設深さが浅いと土圧は低いが、トラック等の車両通行時の圧力が大きくなる。逆に埋設深さが深いと土圧は高くなるが車両通行時の圧力は、周囲の地盤に分散されることで小さくなる。
【0021】
前述したように、螺旋状電線管121と内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとの間には、水膨張性不織布117a、117bが配置されるが、螺旋状電線管121等の変形によって、隙間が大きくなると、水膨張性不織布117a、117bの膨張では、完全に止水性を確保することが困難となる。このため、止水性が低下し、地下水がハンドホール123や螺旋状電線管121の内部に浸入する恐れがある。この傾向は、特に、大口径の螺旋状電線管121ほど大きくなる。
【0022】
これに対する対策として、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとのクリアランスを予め小さく設計する方法がある。しかし、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117a、117bの膨張による圧力が大きくなりすぎる恐れがある。
【0023】
例えば、図17(a)に示すように、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101aのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117aが膨張した際の圧力(図中U)によって、内側コネクタ101aや螺旋状電線管121を破損させる恐れがある。同様に、図17(b)に示すように、螺旋状電線管121と、外側コネクタ101bのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117bが膨張した際の圧力(図中V)によって、外側コネクタ101bや螺旋状電線管121を破損させる恐れがあり、実際に破損することがある。
【0024】
このように、土圧等の影響による止水性の悪化を防ぐために、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bのクリアランスを小さくすると、両者の破損の恐れがある。このため、水膨張性不織布117a、117bの膨張時の圧力により、螺旋状電線管121や、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bの破損を抑制することができるとともに、止水性にも優れた接続構造等が要求される。
【0025】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、コネクタの螺合部の山部に仕切り壁を設けると同時に、さらに吸水膨潤してゲル化した水膨張性不織布の変形移動を可能にして、応力を緩和するための移動空間として山部間に溝を設けることで、簡易な構造で、高い止水性を確保することができるとともに、水膨張性不織布の膨張時の圧力による破損を防止することが可能な、内側アダプタと外側アダプタを用いた変換アダプタにより二重壁角型電線管がハンドホールに接続された二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前述した目的を達するために第1の発明は、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造であって、二重壁角型電線管と、ハンドホールと、前記二重壁角型電線管と接続される変換アダプタと、前記変換アダプタを前記ハンドホールに接続するための内側コネクタ及び外側コネクタと、を有し、前記二重壁角型電線管は、外管と、前記外管の内部に配置される直管状の内管とから構成され、前記二重壁角型電線管は、前記外管は大径部と小径部からなり、前記内管の外面が前記外管の内面と前記外管の前記小径部で相互に融着されていて、前記二重壁角型電線管は、前記変換アダプタを介して前記ハンドホールと接続されており、前記変換アダプタは、前記内側コネクタと前記外側コネクタを用いて前記ハンドホールへ取り付けられる螺旋状部から前記二重壁角型電線管の継手部に変換可能であり、前記変換アダプタは、一方側に形成される前記螺旋状部と他方側に形成される前記二重壁角型電線管との継手部から構成され、前記内側コネクタと前記外側コネクタはともに断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、前記内側コネクタの前記筒状部の外周面には水膨張性不織布が設けられ、前記内側コネクタの前記フランジ部の内面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順に張り付けられ、前記外側コネクタの前記筒状部の内周面には水膨張性不織布が設けられ、前記外側コネクタの前記フランジ部の外面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順で張り付けられ、前記内側コネクタは、前記螺旋状部の端部の内周面に螺合し、前記ハンドホールの内壁面に前記内側コネクタの前記フランジ部の内面の前記水膨張性不織布が当接し、前記外側コネクタは、前記螺旋状部の外周面に螺合し、前記ハンドホールの外壁面に前記外側コネクタの前記フランジ部の外面の前記水膨張性不織布が当接し、前記内側コネクタの前記フランジ部と、前記外側コネクタの前記フランジ部とで、前記ハンドホールの壁部が挟み込まれ、前記内側コネクタ又は前記外側コネクタの少なくとも一方の前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成され、前記変換アダプタの前記継手部に前記二重壁角型電線管が接続されていることを特徴とする二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造である。
ここで、前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記変換アダプタの前記継手部に接続される前記二重壁角型電線管は、前記外管と前記内管が少なくとも一部において相互に融着一体化されていることが望ましい。本願発明においては、以下の全ての発明において、ハンドホールの定義には、ハンドホールに加えて、ハンドホールと略同一構造の小型の分岐桝などもハンドホールに含むかあるいは、同義に解釈するものとする。本願発明においては、ゴムパッキンの記載は、ゴムパッキンに用いる弾性体の代表例として記載したもので、ゴムまたはエラストマーが好適に用いることができる。エラストマーとして、熱硬化型エラストマー、熱可塑エラストマーとも適用可能である。
【0027】
前記二重壁角型電線管は、前記外管の両端部にそれぞれ形成される雄型継手部と雌型継手部と、前記雄型継手部と前記雌型継手部の両者を繋ぐ本体部からなり、前記本体部は、略円筒形の小径部とそれより大径の略矩形状の大径部が交互に繰り返し形成されたもので、さらに前記直管状の内管は略円筒形状であってもよい。
【0028】
前記内管は、前記雄型継手部では、前記雄型継手部の内部に収納被覆されているか、雄型継手部の先端部近傍の内面と一体化されているかのいずれかであり、前記雌型継手部では、前記雄型継手部との接続を阻害しないように切断されていてもよい。
【0029】
前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの前記山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されてもよい。
【0030】
前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記螺旋状山部の山部間を繋ぐ管軸方向に平行な仕切り壁は、前記螺旋状山部の周方向に30°~90°の所定間隔で設けられることが望ましい。前記仕切り壁は、前記山部の開始位置あるいは終了位置から周方向に30°~90°の所定間隔で設けられることで、十分な止水性と山部の剛性を確保することができる。
【0031】
前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記螺旋状山部の前記山部間を繋ぐ管軸方向に平行な前記仕切り壁は、管軸方向に垂直な方向に、所定の中心線に対して、略垂直な方向に所定間隔で略平行に複数形成されることが望ましい。前記仕切り壁は、管軸方向に垂直な方向に、中心を挟んで上下に半径の1/2から1/5の範囲の所定間隔で形成されていれば、十分な止水性と山部の剛性を確保することができる。前記仕切り壁は、前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造に限らずに、内管が存在しない一重壁の角形電線管に関しても同様に適用できる。
【0032】
前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雌型継手部から構成され、前記雌型継手部は、所定位置に装着された略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成される雄型継手部が嵌合してもよい。
【0033】
前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雄型継手部から構成され、前記雄型継手部は、前記雄型継手部の所定位置に装着された略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成されてもよい。
【0034】
前記変換アダプタは、前記変換アダプタの長さ調整を行うための余長を有していてもよい。
【0035】
第1の発明によれば、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、ハンドホールに接続されるのが、螺旋状部の形状から、二重壁角型電線管との継手部の形状への変換を行うための変換アダプタであるため、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造に対して、止水性が良好であり、螺旋状部、内側コネクタ又は外側コネクタの土圧などによる変形や吸水による破損を抑制することが可能である。この結果、二重壁角型電線管との継手部の形状への変換を行うための変換アダプタを用いることで、二重壁角型電線管に対して、有効な止水性に優れるハンドホールとの接続構造を有することができる。
【0036】
また、管軸方向に平行な方向の断面において、内側コネクタ又は外側コネクタの少なくとも一方の螺旋状山部の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、山部間に溝が形成される。このため、水膨張性不織布が吸水膨潤して膨張した際に、水膨張性不織布の過剰な膨張分を当該溝に逃がすことができる。この結果、螺旋状部と内側コネクタ又は外側コネクタの間に、膨潤してゲル化した水膨張性不織布による過剰な応力を緩和することができ、部材の破損を抑制することができる。
【0037】
また、対向する山部間には、管軸方向に平行に、溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁が所定間隔で形成されるため、溝が水の浸入経路となることを抑制することができる。さらに、2つの山部を結ぶ仕切り壁を設けることで、2つの山部の剛性を増すことができる。このように、螺旋状山部の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなる内側コネクタ又は外側コネクタを用いることで、止水性の確保と吸水膨潤による応力増加による内側コネクタ又は外側コネクタの破損防止のいずれの効果も得ることが可能である。これにより、大口径の二重壁角型電線管の場合であっても、各部材の破損を抑制するとともに、二重壁角型電線管等への地下水の流入を防止することができる。
【0038】
また、雄型継手部の先端部において、雄型継手部の先端部近傍の内面が内管と一体化されているか、あるいは内管が雄型継手部により被覆されていることで、製造が容易であり、二重壁角型電線管同士の接続も容易になる。
【0039】
また、雌型継手部の内面において、内管が切除されていることで、雄型継手部と嵌合した際に、雄型継手部と雌型継手部の内部の内管とが干渉することを抑制することができる。前記のように雄型継手部の場合には、内管を必ずしも切除する必要はないが、雌型継手部の場合には、雄型継手部との接続に際して、雄型継手部の挿入の障害となるので、雄型継手部を切除する必要がある。
【0040】
また、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、内側コネクタ及び外側コネクタの両方の螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状を、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの山部とし、対向する山部間に形成される溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁を形成することで、より確実に上述した効果を得ることができる。
【0041】
また、仕切り壁が前記螺旋状山部の山部間を繋ぐように設けられ、前記山部の開始位置あるいは終了位置から周方向に30°~90°の所定間隔で設けられることで、十分な止水性及び山部の剛性を確保することができる。
【0042】
また、仕切り壁が前記螺旋状山部の山部間を繋ぐように設けられ、中心線位置を挟んで上下に半径の1/2から1/5の間の所定間隔で略平行に複数本形成されていれば、十分な止水性と山部の剛性を確保することができる。ここで、略平行に複数本形成される仕切り壁は、中心線位置に形成されていても良いし、中心線位置に形成されていなくてもよいが、中心線位置に形成さることが全体として仕切り壁が等間隔に形成されるので望ましい。
【0043】
また、変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雌型継手部から構成され、雌型継手部は、所定位置に装着された略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成される雄型継手部と接続が可能であれば、角型電線管の雌型継手部と容易に接続が可能であり、接続部の抜け止め性と止水性を確保することができる。
【0044】
また、変換アダプタの継手部が角型電線管の雄型継手部で構成され、雄型継手部が、略C字状あるいは環状の抜け止めリングと環状のゴムパッキンから構成されれば、角型電線管の雌型継手部と容易に接続が可能であり、接続部の抜け止め性と止水性を確保することができる。
【0045】
また、変換アダプタが、螺旋状部の長さ調整を行うための余長部を有していれば、接続する角型電線管の長さに応じて変換アダプタの長さを変換アダプタの螺旋状部を切断することで調整することができる。このため、前記二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造において、接続構造を所望の長さに容易に構成することができる。特に、接続箱手前における長さの微調整には有効である。
【0046】
なお、内側コネクタ及び外側コネクタの両方の筒状部の螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状を、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの山部を形成し、さらに前記のように対向する山部間には、管軸方向に平行に、溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁が所定間隔で形成することで、溝が水の浸入経路となることを抑制することができる。さらに、2つの山部を結ぶ仕切り壁を設けることで、2つの山部の剛性を増すことができる。このように、螺旋状山部の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなる内側コネクタ又は外側コネクタを用いることで、止水性の確保と吸水膨潤による応力増加による破損防止のいずれの効果も得ることが可能である。これにより、大口径の変換アダプタと二重壁角型電線管ハンドホールへの接続構造において、各部材の破損を抑制するとともに、二重壁角型電線管への地下水の流入を防止することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、簡易な構造で、高い止水性を確保することができるとともに、水膨張性不織布の膨張時の圧力による破損を防止することが可能な、二重壁角型電線とハンドホールとの接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】(a)は内側コネクタ1aの側面図、(b)は、内側コネクタ1aの正面図(螺旋状山部7aの透視図)。
図2】(a)は、螺旋状山部7aの断面図、(b)は、仕切り壁9aにおける螺旋状山部7aの断面図、(c)は、螺旋状山部7aの他の形態の断面図。
図3】(a)は内側コネクタ1aaの側面図、(b)は、内側コネクタ1aaの正面図(螺旋状山部7aの透視図)。
図4】水膨張性不織布17a等が張り付けられた、内側コネクタ1aの側面図。
図5】(a)は外側コネクタ1bの断面図、(b)は、外側コネクタ1bの正面図(螺旋状山部7bの透視図)。
図6】水膨張性不織布17b等が張り付けられた、外側コネクタ1bの側面図。
図7】(a)は二重壁角型電線管40を示す側面図、(b)は(a)の断面図。
図8】(a)は、二重壁角型電線管の雄型継手部41と雌型継手部43の接続構造を示す断面図、(b)は、(a)のAA部拡大図。
図9】(a)は、変換アダプタ60aを示す図、(b)は、変換アダプタ60bを示す図。
図10】ハンドホールと変換アダプタ60aが接続された接続構造20aを示す断面図。
図11】螺旋状山部7aにおける水膨張性不織布17aの膨張時の形態を示す図であり、(a)は管軸方向に平行な断面図、(b)は管軸方向に垂直な断面図。
図12】(a)、(b)は、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30bを構築する工程を示す図。
図13】(a)、(b)は、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30cを構築する工程を示す図。
図14】変換アダプタ60aの余長部65により、長さ調整を行って二重壁角型電線管40と接続する方法を示す図。
図15】(a)、(b)は、従来の内側コネクタ101aと外側コネクタ101bを用いて螺旋状電線管をハンドホール123へ接続する工程を示す図。
図16】従来の内側コネクタ101aと外側コネクタ101bを用いて螺旋状電線管がハンドホール123へ接続した状態の断面図。
図17】(a)は、図16のR部拡大図、(b)は、図16のS部拡大図。
図18】螺旋状電線管121に上方から土圧がかかった状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
(内側コネクタ)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態において用いる部材について説明する。図1(a)は、内側コネクタ1aの側面図、図1(b)は、図1(a)のW矢視図であって、螺旋状山部7aを透視した図である。内側コネクタ1aは、図15に示したような、螺旋状電線管や、後述する変換アダプタ(図9)の螺旋状部をハンドホールに接続する際に用いられる部材であり、後述する外側コネクタと共に用いられる。
【0050】
内側コネクタ1aは、例えば樹脂製であり、螺旋状山部7aを有する筒状部3aと、筒状部3aの一方の端部に筒状部3aの管端部から略直角に拡径するフランジ部5aとを有する。すなわち、内側コネクタ1aは、断面が略T字状の部材である。なお、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aは、筒状部3aの外面において突出する部位であり、内側コネクタ1aの筒状部3aの外面に、変換アダプタ等の螺旋状部と螺合するために形成される。
【0051】
図2(a)は、螺旋状山部7aの拡大断面図である。筒状部3aの管軸方向に平行な方向の螺旋状山部7aの断面形状は、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11aからなる。また、図1(b)、図2(b)に示すように、対向する山部11a間に形成される溝13aを閉塞するように、山部11a間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9aが、所定間隔で形成される。仕切り壁9aが多いほど、止水効果と剛性向上効果をより確実に得ることができるが、仕切り壁9aを増やし過ぎると、水膨張性不織布の膨張時の圧力を緩和する効果が低下する。
【0052】
なお、仕切り壁9aの周方向の配置間隔θa(図1(b)参照)は、止水効果、剛性向上効果、水膨張不織布の吸水による膨張時の圧力による破損防止効果をバランス良く得るためには、30°~90°であることが望ましいが、最大で20°~90°の範囲とすることが可能である。また、後述するように、仕切り壁9aの配置方向は必ずしも中心方向に向かっていなくても良い。例えば、金型のパーテーションラインと平行な方向あるいは成形時に使用する金型の分離方向と同様の方向であっても良い。
【0053】
より詳細には、螺旋状山部7aの螺旋開始位置または螺旋終了位置から、これらの開始点、又は終了点を起点として、それぞれ周方向に30°~90°の所定範囲の距離に、仕切り壁9aが形成されることが望ましい。但し、山部11aの間の溝13aへの水の浸入を抑制し、山部11aの端部の剛性を高めるためには、最初の仕切り壁9aと最後の仕切り壁9aは、螺旋状山部7aの開始位置あるいは終了位置の近傍に設けることが望ましい。
【0054】
ここで、図2(a)に示すように、二つのそれぞれの山部11aの管軸方向に平行な断面において、管軸方向に対するそれぞれの山部11aの外側稜線の角度θoが内側稜線の角度θiより小さく形成される。また、それぞれの山部11aの頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線Oによって区分される山部11aの基底部の外側の支持部の長さYは、内側の支持部の長さZよりも長い。
【0055】
なお、山部11aの断面形状は図示した例には限られない。例えば、図示した例では、山部11aの外側稜線と内側稜線の先端部のいずれも曲線で構成されているが、一方を直線状にしてもよい。例えば、外側稜線の先端を曲線状として、内側稜線は直線状の山部としてもよい。
【0056】
また、図2(a)に示す例では、山部11aは、突状の山部形状の断面が中実である例を示すが、これには限られない。例えば、図2(c)に示すように、断面において、山部11aの外面と内面が、ともに突状の波形状に成形され、内面に窪み部を有する形状であってもよい。ここで、山部11aは、突状の山部形状の断面が中実であることが望ましい。この理由は、突状の山部形状の断面が中実であると、内側コネクタ1aの筒状部3aの剛性が向上するためである。この結果、内側コネクタ1aの筒状部3aの断面の変形防止効果によるハンドホール23の漏水抑止効果の向上や、土圧を長期に渡って受けた時のクリープ変形の防止効果や、コネクタ成形時の寸法安定性に優れる。なお、以下の説明では、山部11aが中実である場合について説明する。
【0057】
図3(a)は、内側コネクタ1aaの側面図、図3(b)は、図3(a)のAB矢視図であって、螺旋状山部7aを透視した図である。内側コネクタ1aaは、内側コネクタ1aと略同様の構成であるが、仕切り壁9aの形態が異なる。内側コネクタ1aaは、内側コネクタ1aのように、中心から径方向に向かって仕切り壁9aが形成されるのではなく、管軸方向に垂直な断面において、所定位置の中心線(直径)に対して、略垂直な方向に所定間隔で、略平行に仕切り壁が形成されている。
【0058】
ここで、内側コネクタ1aのように仕切り壁9aを円周方向に均等に形成するのではなく、仕切り壁9aを所定の中心線(直径)に対して、略垂直な方向に所定間隔で略平行に形成するのは、このようにすることで、本製品を成形するための金型が円周方向に多分割するのではなく、所定中心線に対して対称な2つの金型での内側コネクタの製造が可能になるためである。すなわち、所定位置での中心線を金型のパーテーションラインとすることで、内側コネクタ1aaを成形するための金型のパーテーションラインと垂直な方向に(すなわち成形時に使用する金型の分離方向に向けて)仕切り壁9aを設けることができる。
【0059】
仕切り壁9aの配置は、例えば左右方向に対する中心線(図3(b)の左右に二分割する中心線AC)の位置に仕切り壁9aを配置してもよく、配置しなくてもよい。いずれの場合でも、上記中心線に対して、左右対称であって、上下方向に所定の間隔で略平行に所定本数配置される。ここで、上下方向に併設されるそれぞれの仕切り壁9aの長さは、上下方向に対する中心線(図3(b)の上下に二分割する中心線AD)から遠ざかるにつれて長くなり、当該中心線ADから最も遠い仕切り壁9aが最も長くなる。通常、仕切り壁9aは、内側と外側の螺旋状山部7aを結ぶように設けられるが、中心線ADから最も遠い仕切り壁9aは、図3(b)に記載のように、外側の螺旋状山部7a同士を結ぶように設けられてもよい。
【0060】
図示した例では、上下方向に対する中心線ADを通過する仕切り壁9aを中心に上下に対称に12カ所形成される。なお、当該中心線ADから最も遠い位置の仕切り壁9aは、外側の螺旋状山部7a同士を結ぶように配置される。また、当該中心線ADから最も遠い位置の仕切り壁9aの中央には、中心線ADと略垂直な他の仕切り壁9aが設けられている。尚、この垂直な仕切り壁9aは、任意の位置に設けることはできないが、この垂直な仕切り壁9aの形成位置は、金型のパーテーションライン形成位置に対応するために、金型の分割を阻害することはない。
【0061】
なお、上下方向に所定間隔で、略平行に複数形成される仕切り壁9aの間隔は、所定間隔で形成されればよい。例えば、複数の仕切り壁9aは、上下方向を二分割する中心線ADに対して、中心線ADを挟んで上下に半径の1/2から1/5すなわち直径の1/4から1/10の範囲の所定間隔で形成されていればよい。又は、所定間隔で略平行に複数形成される仕切り壁9aは、中心線AD位置と中心線ADを挟んで上下に半径の1/3から1/5すなわち直径の1/6から1/10の間の所定間隔で形成されていればよい。ここで、仕切り壁を設ける間隔は、止水効果と螺旋状山部の変形抑制のための剛性向上効果を得るためには所定の範囲にする必要があるため、製品サイズが大きくなると仕切り壁を多く設ける必要があることから、仕切り壁の直径や半径に対する形成間隔の比率は上記の設定範囲を満足した上で小さくすることが望ましい。なお、以下の説明では、内側コネクタ1aを用いた例を説明するが、内側コネクタ1aaも同様の効果を得ることができる。
【0062】
図4は、内側コネクタ1aの使用状態を示す図であり、水膨張性不織布17aの一部を透視した図である。図4のD部拡大断面図に示すように、内側コネクタ1aの筒状部3aの外周面には水膨張性不織布17aが設けられる。この際、筒状部3aに設けられる水膨張性不織布17aは、一対の山部11aにまたがり、山部11a間に形成される溝13aの上部を跨いで覆うように張り付けられる。したがって、水膨張性不織布17aと内側コネクタ1aの外面との間には、溝13aに対応する隙間が形成される。
【0063】
なお、水膨張性不織布17aは、例えば、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維とバインダー樹脂を加えた不織布であることが望ましい。このように、バインダー樹脂を用いることで、不織布の繊維の一部がバインダー樹脂により、接着して繊維が相互に接続された不織布が得られる。この場合、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの割合は、両者の合計を100質量%とした場合に、ポリアクリル酸ナトリウム量は30質量%から70質量%であり、さらに望ましくは50質量%から70質量%であることが望ましい。また、水膨張性不織布17aには、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維の両者の合計に対して、バインダー樹脂を1~10質量%の範囲で使用することが望ましく、さらに望ましくは、1質量%~5質量%の範囲で使用することが望ましい。なお、水膨張性不織布17aは、例えば、ニードルパンチ法により成形されることが望ましい。ここで、ポリエステル樹脂の代表的なものとしては、PET樹脂であるため、不織布に用いられるポリエステル繊維としては、多くの場合には、PET繊維が用いられる。ポリエステル樹脂の合成方法は、ポリアルコールと多価カルボン酸を脱水縮合することで、ポリアルコールと多価カルボン酸が交互に配列した形で重合することによって作られる。
【0064】
水膨張性不織布17aの吸水性は、ポリアクリル酸ナトリウムによりもたらされるが、アクリル酸の重合体はカルボキシル基を多数持つため、非常に親水性が高く、さらに網目構造に架橋させ、ナトリウム塩の形とすると高い吸水性を持つゲルとなり、優れた吸水特性を示す。
【0065】
ここで、内側コネクタ1aのフランジ部5aの筒状部3a側(図中矢印B)をフランジ部5aの内面側とし、フランジ部5aの筒状部3aとは逆側(図中矢印A)をフランジ部5aの外面側とする。図3のC部拡大断面図に示すように、内側コネクタ1aのフランジ部5aの内面には、弾性部材として、ゴムパッキン15aと水膨張性不織布17aがこの順に張り付けられる。すなわち、フランジ部5aの内面に設けられたゴムパッキン15a上に水膨張性不織布17aが設けられる。
【0066】
(外側コネクタ)
次に、本発明の実施形態において用いる部材として外側コネクタ1bについて説明する。図5(a)は、外側コネクタ1bの側面図、図5(b)は、図5(a)のX矢視図であって、螺旋状山部7bを透視した図である。外側コネクタ1bは、例えば樹脂製であり、螺旋状山部7bを有する筒状部3bと、筒状部3bの一方の端部に筒状部3bの管端部から略直角に拡径するフランジ部5bとを有する。すなわち、外側コネクタ1bと、内側コネクタ1aはともに、断面が略T字状の部材である。なお、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bは、筒状部3bの内面において中心方向に突出する部位であり、外側コネクタ1bの筒状部3bの内面に、変換アダプタ等の螺旋状部と螺合するために形成される。
【0067】
筒状部3bの内面には、螺旋状山部7bが設けられ、管軸方向に平行な方向の螺旋状山部7bの断面形状は、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11bからなる。山部11bの形態は山部11aと略同様である。なお、前述した内側コネクタ1aの螺旋状山部7aと同様に、山部11bは、断面が中実であってもよく、又は、断面において、山部11bの外面と内面が同様の波形状を有し内面側に窪み部を有する形状であってもよい。
【0068】
また、内側コネクタ1aの螺旋状山部7aと同様に、対向する山部11b間に形成される溝13bを閉塞するように、山部11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9bが所定間隔で形成される。仕切り壁9bが多いほど、止水効果と剛性向上効果をより確実なものとすることができるが、仕切り壁9bが多すぎると、水膨張性不織布の膨張時の押圧力により変形を緩和する効果が低下するため、仕切り壁9bの周方向の配置間隔θb(図5(b)参照)は、止水効果、剛性向上効果、水膨張性不織布の膨張時の押圧力により変形を緩和する効果をバランスよく得るためには、20°~90°の範囲に設定する必要があるが、30°~90°の範囲に設定することが望ましい。
【0069】
なお、前述した内側コネクタ1aaと同様に、外側コネクタ1bに対しても、互いに平行な仕切り壁9bを設けてもよい。すなわち、内側コネクタ及び外側コネクタの螺旋状山部7a、7bの山部11a、11b間を繋ぐように、管軸方向に平行に形成される仕切り壁9a、9bは、管軸方向に垂直な断面において、所定位置の中心線に対して、中心線に略垂直な方向に、所定間隔で互いに略平行に複数形成されてもよい。このように、管軸方向に垂直な断面において、所定位置の中心線に対して、中心線に略垂直な方向に、所定間隔で互いに略平行に複数形成された内側コネクタと外側コネクタは、二重壁電線管に限らず、通常の内管の存在しない角形電線管にも適用することが可能である。
【0070】
図6は、外側コネクタ1bの使用状態を示す部分断面図である。外側コネクタ1bの筒状部3bの内周面には水膨張性不織布17bが設けられる。水膨張性不織布17bは、水膨張性不織布17aと同様のものを使用可能である。また、筒状部3bに設けられる水膨張性不織布17bは、一対の山部11bにまたがり、山部11b間に形成される溝13bの上部を跨いで覆うように張り付けられる。したがって、水膨張性不織布17bと外側コネクタ1bの内面との間には、溝13bに対応する隙間が形成される。
【0071】
なお、内側コネクタ1aと同様に、外側コネクタ1bのフランジ部5bの筒状部3b側(図中矢印B)をフランジ部5bの内面側とし、フランジ部5bの筒状部3bとは逆側(図中矢印A)をフランジ部5bの外面側とする。図5のE部拡大断面図に示すように、外側コネクタ1bのフランジ部5bの外面にはゴムパッキン15bと水膨張性不織布17bがこの順に張り付けられる。すなわち、フランジ部5bの内面に張り付けられる水膨張性不織布17bは、フランジ部5bの外面に設けられたゴムパッキン15b上に設けられる。
【0072】
なお、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを合わせて、単にコネクタと称する場合がある。すなわち、変換アダプタ等と接続されるコネクタは、いずれも、断面が略T字状であり、螺旋状山部7a、7bを有する筒状部3a、3bと、筒状部3a、3bの一方の端部に筒状部3a、3bの管端部から略直角に拡径するフランジ部5a、5bと、を有する。
【0073】
この際、内側コネクタ1aの場合には、筒状部3aの外周面とフランジ部5aの内面に水膨張性不織布17aが張り付けられ、又、外側コネクタ1bの場合には、筒状部3bの内周面とフランジ部5bの外面に水膨張性不織布17bが張り付けられる。また、いずれの場合でも、筒状部3a、3bの螺旋状山部7a、7bの管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11a、11bからなり、対向する山部11a、11b間に形成される溝13a、13bを閉塞するように、山部11a、11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9a、9bが、所定間隔で形成される。
【0074】
(二重壁角型電線管及び角形電線管の構造)
次に、本発明の実施形態において用いる部材として二重壁角型電線管40について説明する。図7(a)は、二重壁角型電線管40を示す側面図であり、図7(b)は、二重壁角型電線管40の管軸方向の断面図である。
【0075】
二重壁角型電線管40は、主に、内管59、外管57、雄型継手部41と雌型継手部43等から構成される。二重壁角型電線管40は、例えばポリオレフィン樹脂等の合成樹脂製である。二重壁角型電線管40は、外管57と、外管57の内部に配置される内管59とから構成される。内管59は略円筒形であり、内管59の外面が、外管57の内面と、小径部49に対応する位置で相互に融着により一体化される。
【0076】
また、二重壁角型電線管40の外管57の一方の端部には雄型継手部41が設けられ、他方の端部に雌型継手部43が設けられる。すなわち、外管57の両端部には、それぞれ雄型継手部41と雌型継手部43が形成される。雄型継手部41と雌型継手部43は、他の二重壁角型電線管40等との接続部となる。すなわち、二重壁角型電線管40は、外管57の両端部にそれぞれ形成される雄型継手部41と雌型継手部43と、雄型継手部41と雌型継手部43の両者を繋ぐ本体部からなる。雄型継手部41と雌型継手部43とを繋ぐ本体部において、略円筒形の小径部49とそれより大径の略矩形状の大径部51が交互に繰り返し形成される。大径部51の径(1辺の長さ)は、小径部49における外径よりも大きい。なお、ここで、特に図示しないが、角形電線管の構造について説明する。角形電線管は、二重壁角型電線管40から内管59を除去したものであり、内管が存在しないため融着部も存在しない。角型電線管は、外管57のみから構成され、外管57は、雄型継手部41と雌型継手部43及び両者を繋ぐ本体部から構成される。外管の雄型嵌合部、雌型嵌合部、本体部の構造は二重壁角型電線管40と全く同一であり、本体部は略円筒形の小径部と大径の略矩形状の大径部が交互に繰り返し形成されている。
【0077】
(二重壁角型電線管の嵌合)
次に、雄型継手部41と雌型継手部43について説明する。雄型継手部41と雌型継手部43とは、互いに嵌合可能である。すなわち、二重壁角型電線管40同士は接続可能である。図8(a)は、雄型継手部41と雌型継手部43との接続構造を示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)のAA部拡大図である。
【0078】
雄型継手部41の端部の所定位置には、抜け止めリング47とゴムパッキン45が配置される。抜け止めリング47は、円周方向の一部が切断部で切断された略C字状の部材である。抜け止めリング47は、周方向に、爪部46とスライドガイド48とがスリットを介して交互に形成される。抜け止めリング47は、例えば、ABS樹脂、PP樹脂、硬質塩化ビニル、これらのいずれかとPC樹脂の混合樹脂またはポリマーアロイのいずれかを適用可能である。なお、特に図示しないが、抜け止めリング47は、必ずしも略C字状でなく、リングの両端部に鋸刃状溝や多数の微少突起群、剥離紙を有する粘着剤層、または係止突起と係止スリットなどの接続部を有し、それぞれの接続部を相互に接続することで、環状のリングとすることもできる。以上のように、本発明においては、環状のリングを略C字状のリングの代わりに用いることができる。すなわち、略C字状のリングと環状のリングのいずれも用いることができる。
【0079】
抜け止めリング47よりも基部側には、環状のゴムパッキン45が設けられる。ゴムパッキン45は、例えば、EPゴム、SBR、CR、NBR、ACMゴムやEPDM/PPの動的架橋エラストマー等で構成される。
【0080】
図8(b)に示すように、抜け止めリング47の一方の端部側は、外径が他の部位よりも小さい縮径部となり、他方の端部側に向けて拡径するように複数の爪部46が設けられる。抜け止めリング47は、各爪部46の弾性変形によって縮径可能である。
【0081】
抜け止めリング47の周方向において、爪部46同士の間には、スリットを介してスライドガイド48が設けられる。スライドガイド48は、縮径部から、抜け止めリング47の軸方向に略平行に形成される。抜け止めリング47は、雄型継手部41において、一対の規制部50の間に配置される。規制部50は、抜け止めリング47が配置される部位よりも外径が大きい部位である。抜け止めリング47は、規制部50同士の間において、軸方向にスライド動作が可能である。この際、スライドガイド48は、抜け止めリング47のスライド時に、抜け止めリング47が雄型継手部41の軸方向に対して傾くことを抑制する。このため、抜け止めリング47をスムーズにスライドさせることができる。
【0082】
なお、雄型継手部41の外形は外管57によって形成される。内管59は、雄型継手部41において、雄型継手部41の内部に収納被覆される。雄型継手部41において、内管59は、例えば、雄型継手部41の先端部の内面と一体化されている。なお、雄型継手部41の内面と内管59とを一体化させずに、内管59と雄型継手部41とが離れていてもよい。すなわち、雄型継手部41は、雄型継手部41の先端部近傍の内面が内管59と一体化されているか、あるいは内管59が雄型継手部41の先端部より突出しない状態で外周を覆われていれば必ずしも接触固定されていなくてもよいが、一体化されている方が望ましい。
【0083】
次に、雌型継手部43について説明する。雌型継手部43は、前述した雄型継手部41と嵌合する。雌型継手部43は、先端側(開口側)から、順に、筒状部54と、筒状部54から内径が徐々に縮径する斜面部52と、斜面部52の最小内径部から拡径するリング嵌合部53を有する。なお、雌型継手部43の内面の少なくとも一部において、雄型継手部41との嵌合を阻害しないように内管59が切除されている。
【0084】
図8(a)に示すように、雌型継手部43へ雄型継手部41を押し込むと、雌型継手部43の斜面部52と抜け止めリング47が接触し、爪部46が変形して抜け止めリング47が縮径する。この際、抜け止めリング47は、規制部50の間でスライド可能であるため、雄型継手部41の挿入時に、抜け止めリング47の縮径とスライドによって挿入抵抗を低減可能である。また、スライドガイド48によって、抜け止めリング47のスライド時に、抜け止めリング47の傾きを抑制することができる。
【0085】
さらに、雄型継手部41を押し込むと、爪部46の端部が雌型継手部43の斜面部52を通り抜け、弾性変形していた爪部46が、元の径に復元して拡径する。これにより、抜け止めリング47の爪部46が、雌型継手部43のリング嵌合部53と嵌合する。このため、雌型継手部43と雄型継手部41とが接続される。
【0086】
なお、この状態において、ゴムパッキン45の外周面は、雌型継手部43の筒状部54の内面と密着し、雌型継手部43と雄型継手部41の隙間を埋めることができる。このため、雌型継手部43と雄型継手部41の間に、外部から水分が浸入することを防止することができる。
【0087】
(変換アダプタ)
次に、本発明の実施形態において用いる部材として変換アダプタについて説明する。図9(a)は、変換アダプタ60aを示す図である。変換アダプタ60aは、一方側に形成される螺旋状部63と、他方側に形成される雌型継手部61aとを有する。雌型継手部61aは、前述した二重壁角型電線管40との継手部である。
【0088】
螺旋状部63は、前述した螺旋状電線管121と同一の形態である。したがって、螺旋状部63には、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを螺合させることができる。また、雌型継手部61aは、前述した雌型継手部43と同一の形態である。したがって、雌型継手部61aには、二重壁角型電線管40の雄型継手部41を接続することが可能である。すなわち、変換アダプタ60aは、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを配置可能な螺旋状部63から二重壁角型電線管40との継手部である雌型継手部61aに変換することが可能である。
【0089】
(変換アダプタのハンドホールへの接続構造)
次に、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを用いたハンドホールへの変換アダプタ60aの接続構造について説明する。図10は、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとで変換アダプタ60aの螺旋状部63をハンドホール23へ接続した接続構造20aを示す断面図である。内側コネクタ1aと外側コネクタ1bは、図16に示したように、従来の内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bと同様の手順で使用することができる。このため、以下の説明では、一部の重複する説明を省略する。
【0090】
ハンドホール23の壁部25には、貫通孔24が形成される。ハンドホール23の外部において、外側コネクタ1bが変換アダプタ60aの螺旋状部63の外周面に配置される。外側コネクタ1bは変換アダプタ60aの螺旋状部63の外周面に螺合する。この際、外側コネクタ1bは、フランジ部5bを変換アダプタ60aの螺旋状部63の端部側に向けて配置される。また、外側コネクタ1bのフランジ部5b側からの変換アダプタ60aの螺旋状部63の突出量は、ハンドホール23の壁部25の厚みよりもわずかに大きくなるように設定される。
【0091】
この状態で、貫通孔24に、変換アダプタ60aの螺旋状部63の一方の端部が挿入される。また、ハンドホール23の内部側から、内側コネクタ1aが、変換アダプタ60aの螺旋状部63の一方の端部の内周面に螺合して配置される。なお、内側コネクタ1aは、フランジ部5a(水膨張性不織布17a)と変換アダプタ60aの螺旋状部63の端部とが接触し、筒状部3aが完全に変換アダプタ60aの内部に挿入されるまで、変換アダプタ60aに螺合させる。
【0092】
この状態で、外側コネクタ1bを変換アダプタ60aに対して締め込むことで、内側コネクタ1aのフランジ部5aと、外側コネクタ1bのフランジ部5bとで、ハンドホール23の壁部25を挟み込むことができる。この際、ハンドホール23の内壁面に内側コネクタ1aのフランジ部5aの内面の水膨張性不織布17aが当接し、ハンドホール23の外壁面に、外側コネクタ1bのフランジ部5bの外面の水膨張性不織布17bが当接する。
【0093】
ここで、前述したように、変換アダプタ60aを用いた二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造は、土砂で埋め戻されて使用される。この際、変換アダプタ60aと、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bとの隙間から水が浸入する恐れがある。これを防ぐため、変換アダプタ60aの螺旋状部63と、内側コネクタ1a及び外側コネクタ1bとの隙間には、水膨張性不織布17a、17bが配置される。
【0094】
(変換アダプタとコネクタとの水膨張性不織布による止水メカニズム)
図11(a)、図11(b)は、螺旋状山部7aにおける水膨張性不織布17aの膨潤を示す概念図であり、図11(a)は、管軸方向に平行な断面図、図11(b)は、仕切り壁9aにおける管軸方向に垂直な断面図である。なお、図11(a)、図11(b)では、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aについて示すが、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bでも同様の挙動を示す。このため、以下、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aについて説明し、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bについての説明は省略する。
【0095】
図11(a)に示すように、変換アダプタ60aの螺旋状部63と螺旋状山部7aとの間に水分が浸入すると、水膨張性不織布17aが膨潤する(図中矢印G)。この際、溝13a以外の部位においては、水膨張性不織布17aの膨潤によってゲル化することで、変換アダプタ60aの螺旋状部63の内面と内側コネクタ1aの筒状部3aの外表面との間の止水性が確実に確保される。
【0096】
一方、水膨張性不織布17aの膨潤によって変換アダプタ60aの螺旋状部63と螺旋状山部7aとの間の圧力が上昇する。しかし、溝13aが過剰に膨潤した水膨張性不織布17aの逃げ部として機能する。このため、螺旋状部63と螺旋状山部7aとの間の圧力が過剰に上昇することが抑制され、変換アダプタ60aや内側コネクタ1aの破損を抑制することができる。
【0097】
一方、図11(b)に示すように、溝13aには、所定の間隔で仕切り壁9aが形成される。仕切り壁9aの直上の部位では、水膨張性不織布17aは、仕切り壁9aの上面に当接し、溝13aには逃げられないが、図示したように、仕切り壁9aは薄く、水膨張性不織布は適度な変形能を有するため、仕切り壁9aの前後のスペースに水膨張性不織布17aが逃げることができる。この際、仕切り壁9aの上部は水膨張性不織布17aによって塞がれるため、溝13aを伝って浸入する水を仕切り壁9aの位置で止めることができる。この際、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、固体と液体の中間の物質形態であり、適度な粘性と変形能を有しているため、移動や変形がしやすい。このため、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、仕切り壁9aの前後の溝13aにより形成される空間に容易に変形した結果として移動することができる。また、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、乾燥すると収縮して膨潤前の状態に戻る。また、水膨張性不織布17aを構成する繊維の一部がバインダー樹脂により相互に接着されているので、乾燥時に元の状態に戻りやすい。
【0098】
ここで、山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの膨潤によって、山部11aは、溝13a方向に向けて押圧される。このため、山部11aが倒れる方向に力を受ける。しかし、仕切り壁9aが所定の間隔で配置されるため、仕切り壁9aによって山部11aの剛性が高まり、山部11aの倒れ込みを抑制することができる。また、山部11a間の溝13aに、過剰に膨潤しゲル化した水膨張性不織布17aが変形し移動して配置され、溝13aに移動した水膨張性不織布17aが山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの応力を受けて変形することで、山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの膨潤による応力を緩和することができる。
【0099】
特に、図2(a)で示したように、二つの山部11aの断面において、管軸方向に対するそれぞれの山部11aの外側稜線の角度θoが内側稜線の角度θiより小さい。また、それぞれの山部11aの頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線Oによって区分される山部11aの基底部の外側の支持部の長さYが、内側の支持部の長さZよりも長い。このため、山部11aの外周からの力によって、山部11aは内側に向けて変形しやすくなる。しかし、仕切り壁9aによってこの変形を抑制することができる。また、内側稜線の先端が曲線状に形成されることで、膨潤してゲル化した水膨張性不織布17aが山部11a間に入り込みやすくなる。
【0100】
(二重壁角型電線管の変換アダプタを介したハンドホールへの接続構造の構築工程)
図12(a)、図12(b)は、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造の構築工程を示す図である。まず、図12(a)に示すように、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ変換アダプタ60aを取り付ける。この際、変換アダプタ60aの螺旋状部63は、螺旋状電線管121と同様の構造であるから、螺旋状電線管121と同一の手順で変換アダプタ60aをハンドホール23へ接続することができる。したがって、変換アダプタ60aとハンドホール23とが接続された接続構造20aを得ることができる。
【0101】
この状態から、図12(a)に示すように、二重壁角型電線管40の雄型継手部41を、変換アダプタ60aの雌型継手部61aに挿入する(図中矢印J)。前述したように、雄型継手部41と雌型継手部61aとは接続可能である。このため、図12(b)に示すように、変換アダプタ60aの継手部に二重壁角型電線管40が接続され、二重壁角型電線管40が、変換アダプタ60aを介してハンドホール23に接続された二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30bを得ることができる。すなわち、接続構造20aによれば、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ取り付けられた螺旋状部63から、二重壁角型電線管40との継手部に変換して、二重壁角型電線管40を接続することができる。
【0102】
また、図9(b)は、変換アダプタ60bを示す図である。変換アダプタ60bは、一方側に形成される螺旋状部63と、他方側に形成される二重壁角型電線管40との継手部である雄型継手部61bとを有する。図9(a)とは、継手部が雌型継手部61aから雄型継手部61bに変更されている点が相違する。
【0103】
変換アダプタ60aと同様に、変換アダプタ60bの螺旋状部63には、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを螺合させることができる。また、雄型継手部61bは、前述した二重壁角型電線管40の雄型継手部41と同一の形態である。したがって、変換アダプタ60bの雄型継手部61bは、所定位置に装着された抜け止めリング47とゴムパッキン45から構成される。雄型継手部61bには、二重壁角型電線管40の雌型継手部43を接続することが可能である。すなわち、変換アダプタ60bも、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを配置可能な螺旋状部63から二重壁角型電線管40との継手部である雄型継手部61bに変換することが可能である。
【0104】
図13(a)、図13(b)は、変換アダプタ60bを用いた二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造の構築工程を示す図である。まず、前述したのと同様の手順で、図13(a)に示すように、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ変換アダプタ60bを取り付ける。以上により、変換アダプタ60bとハンドホール23とが接続された接続構造20bを得ることができる。
【0105】
この状態から、図13(a)に示すように、二重壁角型電線管40の雌型継手部43に、変換アダプタ60bの雄型継手部61bを挿入する(図中矢印K)。前述したように、雌型継手部43と雄型継手部61bとは接続可能である。このため、図13(b)に示すように、二重壁角型電線管40が、変換アダプタ60bを介してハンドホール23に接続された二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30cを得ることができる。このように、変換アダプタ60a、60bとハンドホール23との接続構造20a、20bを少なくとも一部に用いることで、変換アダプタ60a、60bの継手部に、これと嵌合して二重壁角型電線管40が接続された、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30b、30cを得ることができる。このように、変換アダプタは、一方の側に螺旋状部63を、他方の側に雄型継手部41または雌型継手部43のいずれかを有していればよい。
【0106】
なお、変換アダプタ60a、60bとハンドホール23の接続構造は、上述した例には限られない。例えば、変換アダプタ60a、60bのハンドホール23との接続部とは逆側の端部に、管継手によって別の螺旋状電線管、または鋼管や塩ビ管などのその他の電線管が接続されている構造とすることもできる。
【0107】
(二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造の長さ調整方法)
二重壁角型電線管40の長さが短い場合には、図14の右上に示すように(図中矢印L)、この変換アダプタ60aをそのまま用いて、螺旋状部63が外側コネクタ1bから突出するように配置され、ハンドホール23から大きく突出した位置の雌型継手部61aに二重壁角型電線管40が接続される。
【0108】
一方、二重壁角型電線管40の長さが長い場合には、図14の左下に示すように(図中矢印M)、螺旋状部63の余長部65を切断する。その後、図14の右下に示すように(図中矢印N)、螺旋状部63のほとんどが外側コネクタ1bに隠れるように、切断後の変換アダプタ60aがハンドホール23の壁部25の外面に接続される。このように、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造の長さ調整を変換アダプタ60aの余長部65を切断することで行うことができる。
【0109】
なお、変換アダプタ60aの螺旋状部63の長さは、少なくとも、ハンドホール23の壁部25の厚みと、外側コネクタ1bの筒状部3bの長さ(及び外側コネクタ1bの筒状部3bの締め込み代)の総和が必要である。ここで、締め込み代は、通常は、螺旋状山部の1/4周分あれば十分である。また、内側コネクタ1aは、変換アダプタ60aの端部にねじ込むだけなので、締め込み代は不要である。したがって、変換アダプタに必要な最小長さは、ハンドホール23の壁厚と外側コネクタ1bの管軸方向の長さと外側コネクタ1bの締め込み代の合計の長さを超える部分の長さを余長と考えることができる。これに対し、変換アダプタ60aの螺旋状部63の長さは、螺旋状部63の最低必要長に加えて、前述した二重壁角型電線管40との接続時の長さ調整分の余長部65が加えられた長さとする。
【0110】
以上説明したように、本実施形態によれば、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bの螺旋状山部7a、7bの管軸方向に平行な方向の断面形状が、それぞれ、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11a、11bからなり、対向する山部11a、11b間に溝13a、13bが形成される。このため、螺旋状山部7a、7bを覆うように配置される水膨張性不織布17a、17bが膨潤した際に、膨潤してゲル化した水膨張性不織布を、溝13a、13bへ逃がすことができる。このため、変換アダプタ60a、60bと各コネクタとの間の過剰な応力を緩和することができ、部材の破損を抑制することができる。
【0111】
ここで、水膨張性不織布は、吸水膨潤してゲル化するが、ゲルについての高分子化学における定義は、溶媒に不溶な三次元網目構造を有する高分子およびその膨潤体として定義され、三次元網目構造を持つ架橋高分子では、溶媒との相互作用により膨潤するものの、架橋構造をもつために、有限の膨潤性を示す。この膨潤の度合い(膨潤度)は、架橋密度に依存し、架橋密度が高いほど膨潤度が小さい。また、膨潤ゲルは、液体と固体の中間の物質形態であり、その化学組成や種々の要因を制御することで、粘性のある液体から固体に近い状態まで、粘性と適度な変形能を有する状態まで変化させることができるため、水膨張性不織布を膨潤してゲル化することにより、止水性を確保すると同時に過剰な応力を逃がすことが可能になる。ここで、ゲル化は、架橋構造によりもたらされるが、架橋構造の生成は、必ずしも架橋構造による必要がなく、異なる分子鎖の特定の単位間の2次的な結合力例えば水素結合などによっても可能である。また、膨潤してゲル化した三次元網目構造を持つ架橋高分子は、乾燥により収縮してもとの状態に戻ることができる。
【0112】
また、溝13a、13bを閉塞するように、山部11a、11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9a、9bが、所定間隔で形成される。このため、溝13a、13bが浸入経路となることを抑制することができる。さらに2つの山部11a、11bを結ぶ仕切り壁9a、9bを設けることで、2つの山部11a、11bの剛性を増すことができ、山部11a、11bが溝13a、13b方向に倒れるように変形することを抑制することができる。
【0113】
特に、仕切り壁9a、9bが、周方向に30°~90°間隔で設けられることで、止水効果と剛性向上効果をより確実に得ることができる。ここで、仕切り壁9a,9bの配置間隔を30°~90°としたのは、90°より大きいと円周方向に均等に剛性向上効果を得ることが難しく、30°以上としたのは、これより小さい配置間隔にすることは、剛性向上効果が過剰になるからである。このように、内側コネクタ1a及び外側コネクタ1bを用いることで、大口径の変換アダプタ60a、60bの場合であっても、止水性を確保し、破損を抑制することが可能な接続構造20a、20bを得ることができる。さらに、同様の効果を得ることが可能な、接続構造20a、20bを用いた二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造30b、30cを得ることができる。
【0114】
なお、本実施形態では、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bの両者を用いた例を示したが、これらの少なくとも一方のみを用いてもよい。すなわち、一方のコネクタとして、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bを用い、他方のコネクタとして、従来の内側コネクタ101a又は外側コネクタ101bを用いて、これらを組み合わせて用いてもよい。例えば、内側コネクタ1aと外側コネクタ101bとを組み合わせて用いたとしても、ハンドホール23内または変換アダプタ60a、60b内への水の浸入の最終経路を確実に止水し、内側コネクタ1a及びこれと螺合する変換アダプタ60a、60bの破損を防止することができる。このように、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bの少なくとも一方を用いることで、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bと変換アダプタ60a、60bとの接続部において、本実施形態の効果を得ることができる。
【0115】
また、ハンドホール23に対して変換アダプタ60a、60bを接続することで、二重壁角型電線管40をハンドホール23へ接続することができる。
【0116】
この際、変換アダプタ60a、60bの螺旋状部63に予め余長部65を形成しておくことで、二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造の長さの微調整を容易に行うことができる。
【0117】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0118】
1a、1aa………内側コネクタ
1b………外側コネクタ
3a、3b………筒状部
5a、5b………フランジ部
7a、7b………螺旋状山部
9a、9b………仕切り壁
11a、11b………山部
13a、13b………溝
15a、15b………ゴムパッキン
17a、17b………水膨張性不織布
20、20a、20b………接続構造
23………ハンドホール(分岐桝)
24………貫通孔
25………壁部
30b、30c………二重壁角型電線管とハンドホールとの接続構造
40………二重壁角型電線管
41………雄型継手部
43………雌型継手部
45………ゴムパッキン
46………爪部
47………抜け止めリング
48………スライドガイド
49………小径部
50………規制部
51………大径部
52………斜面部
53………リング嵌合部
54………筒状部
57………外管
59………内管
60a、60b………変換アダプタ
61a………雄型継手部
61b………雌型継手部
63………螺旋状部
65………余長部
101a………内側コネクタ
101b………外側コネクタ
107a、107b………螺旋状山部
117a、117b………水膨張性不織布
121………螺旋状電線管
123………ハンドホール
124………貫通孔
125………壁部
図1
図2
図3
図4
図5
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