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特許7623469多孔性複合体、それを含む負極及びリチウム電池、並びにその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-20
(45)【発行日】2025-01-28
(54)【発明の名称】多孔性複合体、それを含む負極及びリチウム電池、並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/18 20060101AFI20250121BHJP
   C01B 32/194 20170101ALI20250121BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20250121BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
C01B33/18 Z
C01B32/194
H01M4/62 Z
H01M4/36 Z
H01M4/36 A
H01M4/36 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023504395
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 KR2021009316
(87)【国際公開番号】W WO2022019605
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0090564
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サン・クク・マ
(72)【発明者】
【氏名】イン・ヒョク・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ニム・チョ
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-084852(JP,A)
【文献】特開2015-164889(JP,A)
【文献】特表2014-507365(JP,A)
【文献】特表2014-518835(JP,A)
【文献】特開2020-066574(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106554011(CN,A)
【文献】国際公開第2011/013855(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0190015(US,A1)
【文献】EL-DEEN, A.G. et al.,Flexible 3D Nanoporous Graphene for Desalination and Bio-decontamination of Brackish Water via Asymmetric Capacitive Deionization,Applied Materials & Interfaces,2016年,8,25313-25325
【文献】MO, Runwei et al.,High-quality mesoporous graphene particles as high-energy and fast-charging anodes for lithium-ion batteries,NATURE COMMUNICATIONS,2019年,10:1474,1-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00 -33/193
C01B 32/00 -32/991
H01B 1/00 - 1/24
H01M 4/00 - 4/62
H01G 11/00 -11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ気孔とグラフェンとを含み、
前記グラフェンを含むグラフェンマトリックス内に、前記ナノ気孔が配され、
前記ナノ気孔の大きさが1ないし40nmであり、50nm以上のマクロ孔を含まない、多孔性複合体であって、
前記多孔性複合体が、シリカ、及び前記シリカの還元生成物であるSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上と、元素周期律表の2族ないし13族、第15族及び16族のうちから選択された1以上の金属、及び前記金属の酸化物のうちから選択された1以上と、をさらに含む、多孔性複合体。
【請求項2】
前記グラフェンは、分枝された構造を有し、
前記ナノ気孔が、前記分枝された構造内に分布され、
前記分枝された構造は、互いに接触する複数のグラフェン粒子を含む、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項3】
前記グラフェンは、半球形構造体または球形構造体を有し、
前記ナノ気孔は、前記半球形構造体内または前記球形構造体内に分布される、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項4】
前記半球形構造体の大きさが50nmないし300nmであり、球形構造体の大きさが50nmないし300nmである、請求項3に記載の多孔性複合体。
【請求項5】
前記多孔性複合体は、多面体・ボール構造体または平面構造体であり、前記構造体内部に、ナノ気孔が分布される、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項6】
前記グラフェンは、ナノ気孔周囲に、少なくとも1個ないし20個のグラフェン層を含み、前記グラフェンの層厚は、0.6ないし12nmである、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項7】
前記ナノ気孔の大きさが1ないし20nmである、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項8】
前記多孔性複合体が含む前記シリカ又は前記SiO(0<x<2)に含まれるシリコン(Si)の含量が0.1ないし5原子%である、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項9】
前記金属の酸化物が、第1金属酸化物、及び前記第1金属酸化物の還元生成物である第2金属酸化物のうちから選択された1以上を含み、
前記第1金属酸化物が化学式M(0<a≦3、0<b≦4、aが、1、2または3であれば、bは、整数である)で表される1種以上であり、前記第2金属酸化物が、化学式M(0<a≦3、0<c<4、aが、1、2または3であれば、cは、整数ではない)で表される1種以上であり、
前記第1金属酸化物のaとbとの比率であるb/aが、前記第2金属酸化物のaとcとの比率であるc/aに比べてさらに大きい値を有し、前記Mは、元素周期律表の2族ないし13族、第15族及び16族のうちから選択された1以上の金属である、請求項1に記載の多孔性複合体。
【請求項10】
前記第1金属酸化物が、Al、NbO、NbO、Nb、MgO、Sc、TiO、ZrO、V、WO、MnO、Fe、Co、PdO、CuO、AgO、ZnO、Sb及びSeOのうちから選択された1以上であり、
前記第2金属酸化物が、Al(0<z<3)、NbO(0<x<2.5)、MgO(0<x<1)、Sc(0<z<3)、TiO(0<y<2)、ZrO(0<y<2)、V(0<z<3)、WO(0<y<2)、MnO(0<y<2)、Fe(0<z<3)、Co(0<w<4)、PdO(0<x<1)、CuO(0<x<1)、AgO(0<x<1)、ZnO(0<x<1)、Sb(0<z<3)及びSeO(0<y<2)のうちから選択された1以上である、請求項9に記載の多孔性複合体。
【請求項11】
負極活物質と、
請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の多孔性複合体と、を含む負極。
【請求項12】
前記負極活物質が、Si、Sn、Al、Ge、Pb、Zn、Ag及びAuからなる群のうちから選択された1以上の金属、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物、それらの酸窒化物、それらの炭化物、またはそれらと炭素系材料との複合体を含む、請求項11に記載の負極。
【請求項13】
前記負極活物質が、シリコン、シリコン合金、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物及びシリコン・炭素複合体のうちから選択された1以上を含む、請求項11に記載の負極。
【請求項14】
前記負極活物質が、シリコンと炭素との複合粒子と、前記複合粒子表面に配された炭素系コーティング層と、を含む、請求項11に記載の負極。
【請求項15】
正極と、負極と、
前記正極と前記負極との間に配される電解質と、を含み、
前記正極及び前記負極のうち1以上が、請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の多孔性複合体を含む、リチウム電池。
【請求項16】
シリカ粒子に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給し、熱処理し、前記シリカ、及びその還元生成物であるSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上を含む複合前駆体を準備する段階と、
前記複合前駆体から、前記シリカ、及びSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上を除去することにより、前記シリカ粒子の位置にナノ気孔が配された多孔性複合体を準備する段階と、を含む、多孔性複合体の製造方法。
【請求項17】
前記多孔性複合体を準備する段階が、乾式エッチングまたは湿式エッチングによって遂行される、請求項16に記載の多孔性複合体の製造方法。
【請求項18】
前記湿式エッチングが、酸または塩基によって遂行される、請求項17に記載の多孔性複合体の製造方法。
【請求項19】
前記多孔性複合体を準備する段階が、
前記複合前駆体を塩基性溶液に投入して撹拌する段階を含む、請求項16に記載の多孔性複合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性複合体、それを採用した負極及びリチウム電池、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器の小型化、高性能化に符合させるために、リチウム電池の小型化、軽量化以外に、高エネルギー密度化が重要になっている。すなわち、高容量のリチウム電池が重要になっている。
【0003】
また、電気自動車、エネルギー保存装置(ESS)などにおいては、高エネルギー密度以外に、高速充放電が重要になる。すなわち、高速充放電が可能なリチウム電池が重要になっている。
【0004】
前述の用途に符合するリチウム電池を具現するために、向上された伝導度などを提供することができる導電材が検討されている。
【0005】
従来の炭素系導電材以外に、グラフェンなどが検討されているが、電極製造過程において、グラフェンの凝集などにより、理論的な物性を具現し難かった。
【0006】
従って、従来の一般的な導電材に比べ、さらに向上された物性を提供することができる新たな材料が依然として要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の炭素系導電材に比べ、向上された充放電特性を提供する多孔性複合体を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、また、前記多孔性複合体を含む負極を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、また、前記多孔性複合体を含むリチウム電池を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、また、前記多孔性複合体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様により、
ナノ気孔(nanopore)とグラフェンとを含み、
前記グラフェンを含むグラフェンマトリックス内に、前記ナノ気孔が配され、前記ナノ気孔の大きさが50nm以下である多孔性複合体(porous composite)が提供される。
【0012】
他の一態様により、
負極活物質と、
前述のところによる多孔性複合体と、を含む負極が提供される。
【0013】
さらに他の一態様により、
正極と、負極と、
前記正極と前記負極との間に配される電解質と、を含み、
前記正極及び前記負極のうち1以上が、前述のところによる多孔性複合体を含むリチウム電池が提供される。
【0014】
さらに他の一態様により、
シリカまたは第1金属酸化物に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給して熱処理し、前記シリカまたは前記第1金属酸化物、及びその還元生成物であるSiO(0<x<2)または第2金属酸化物のうちから選択された1以上を含む複合前駆体を準備する段階と、
前記複合前駆体から、前記シリカまたは前記第1金属酸化物、及びSiO(0<x<2)または第2金属酸化物のうちから選択された1以上を除去することにより、多孔性複合体を準備する段階と、を含む多孔性複合体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
一態様によれば、50nm以下のナノ気孔とグラフェンとを含む複合体を採用することにより、リチウム電池のサイクル特性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】実施例1で製造された複合前駆体の高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)イメージである。
図1B】実施例1で製造された多孔性複合体の高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)イメージである。
図1C】実施例1で製造された多孔性複合体の高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)イメージである。
図1D】実施例1で製造された多孔性複合体の高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)イメージである。
図1E】実施例1で製造された多孔性複合体の高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)イメージである。
図2A】実施例1、実施例2及び比較例1で製造された複合体のC 1sオービタルに係わるX線光電スペクトル(XPS)イメージである。
図2B】実施例1、実施例2及び比較例1で製造された複合体のO 1sオービタルに係わるX線光電スペクトル(XPS)イメージである。
図2C】実施例1、実施例2及び比較例1で製造された複合体のSi 2pオービタルに係わるX線光電スペクトル(XPS)イメージである。
図3】一具現例による多孔性複合体形成過程を模式的に示した図である。
図4】一具現例によるリチウム電池の概路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下で説明される本創意的思想(present inventive concept)は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有しうるが、特定実施例を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。しかしながら、それらは、本創意的思想を特定実施形態について限定するものではなく、本創意的思想の技術範囲に含まれる全ての変換、均等物または代替物を含むものであると理解されなければならない。
【0018】
以下で使用される用語は、単に、特定実施例について説明するために使用されたものであり、本創意的思想を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。以下において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせが存在することを示すものであり、1またはその以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、成分、材料、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。以下で使用される「/」は、状況により、「及び」とも解釈され、「または」とも解釈される。
【0019】
図面において、さまざまな層及び領域を明確に表現するために、厚みは、拡大されたり縮小されたりして示されている。明細書全体を通じ、類似した部分については、同一図面符号を付した。明細書全体において、層、膜、領域、板のような部分が、他部分の「上」または「上部」にあるとするとき、それは、他部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、さらに他部分がある場合も含む。明細書全体において、第1、第2のような用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、該構成要素は、用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0020】
以下において、例示的な具現例による、多孔性複合体、それを含む負極及びリチウム電池、並びにその製造方法につき、さらに詳細に説明する。
【0021】
多孔性複合体(porous composite)は、ナノ気孔(nanopore)とグラフェンとを含み、前記グラフェンを含むグラフェンマトリックス内に、前記ナノ気孔が配され、前記ナノ気孔の大きさが50nm以下である。
【0022】
該多孔性複合体がグラフェンを含むことにより、高い電子伝導度を提供する。また、該多孔性複合体がグラフェンマトリックス内に配される大きさ50nm以下のナノ気孔を含む多孔性構造を有することにより、電極製造時、電極活物質と優秀な結着力を有しうる。従って、該多孔性複合体を含む電極のサイクル特性が向上される。
【0023】
該多孔性複合体が含むナノ気孔の大きさは、例えば、高解像度透過顕微鏡(HR-TEM:high resolution transmission electron microscope)イメージから、手作業(manually)、またはソフトウェアによって自動的に(automatically)計算されうる。代案としては、該多孔性複合体が含むナノ気孔の大きさは、窒素吸着法で測定することができる。該ナノ気孔の大きさは、例えば、球形気孔の場合には、気孔の直径であり、非球形気孔の場合には、気孔の任意の両末端間の距離の最大値である。該ナノ気孔の一部をグラフェンが取り囲む場合、該ナノ気孔を取り囲むグラフェンの曲率半径(radius of curvature)の2倍がナノ気孔の大きさである。
【0024】
該グラフェンは、草むら構造を有し、前記草むら構造内に、ナノ気孔が分布された構造を有しうる。
【0025】
グラフェンは、例えば、分枝された構造(branched structure)を有し、ナノ気孔が、グラフェンの分枝された構造内にも分布される。グラフェンの分枝された構造は、例えば、互いに接触する複数のグラフェン粒子を含む。グラフェンが分枝された構造を有することにより、多様な伝導性経路を提供することができる。
【0026】
グラフェンは、例えば、半球形化された構造体(hemispherical structure)であり、ナノ気孔が、前記半球形化された構造体内に分布される。半球形化された構造体の大きさは、例えば、50ないし300nmである。半球球化の意味は、実質的に半球形と近い形態をいずれも含む。例えば、半球形、半楕円形などをいずれも含む。構造体が半球形である場合には、構造体のサイズは、構造体の平均曲率半径の2倍を示す。グラフェンが球形化された構造体を形成することにより、多孔性複合体が、電極内において電極活物質と容易に結着されうる。
【0027】
グラフェンは、例えば、球形化された構造体(spherical structure)であり、ナノ気孔が、前記球形化された構造体内に分布される。球形化された構造体の大きさは、例えば、50ないし300nmである。球形化の意味は、実質的に球形と近い形態をいずれも含む。例えば、球形、楕円形などをいずれも含む。構造体が球形である場合には、構造体のサイズは、構造体の平均粒径を示す。構造体が楕円形である場合には、長軸直径範囲でもある。グラフェンが半球形化された構造体を形成することにより、多孔性複合体は、電解液に容易に含浸されうる。
【0028】
グラフェンは、例えば、複数の球形構造体が連結された螺旋形構造体(spiral structure)でもある。ナノ気孔は、前記螺旋形構造体の球形構造体内にも分布される。該螺旋形構造体の大きさは、例えば、500nmないし100μmである。グラフェンが螺旋形構造体を形成することにより、多孔性複合体が、電極内において、電極活物質と容易に結着されうる。
【0029】
グラフェンは、例えば、複数の球形構造体が凝集されたクラスタ構造体(cluster structure)でもある。ナノ気孔は、前記クラスタ構造体の球形構造体内にも分布される。該クラスタ構造体の大きさは、例えば、0.5mmないし10cmである。グラフェンがクラスタ構造を有することにより、多孔性複合体が電極内で電極活物質と容易に結着されうる。
【0030】
該多孔性複合体は、例えば、しわの寄った構造体(crumpled structure)でもある。該多孔性複合体は、例えば、しわの寄った多面体・ボール構造体(faceted-ball structure)でもある。しわの寄った多面体・ボール構造体は、例えば、球形化された構造体でもある。しわの寄った多面体・ボール構造体内部に、ナノ気孔が分布されうる。該多孔性複合体がそのようなしわの寄った多面体・ボール構造体により、複合体が電極内において、電極活物質と容易に結着されうる。
【0031】
該多孔性複合体は、例えば、しわの寄った平面構造体(planar structure)でもある。しわの寄った平面構造体は、例えば、球形化された構造体でもある。しわの寄った平面構造体内部に、ナノ気孔が分布されうる。複合体が、そのようなしわの寄った平面構造体により、多孔性複合体が電極内において、電極活物質と容易に結着されうる。
【0032】
該多孔性複合体において、グラフェンの含量は、例えば、多孔性複合体総重量100重量部を基準にし、90重量部以上、95重量部以上、98重量部以上、99重量部以上または99.5重量部以上である。該多孔性複合体は、例えば、グラフェンによってもなる。
【0033】
グラフェンは、複数個の炭素原子が互いに共有結合で連結され、多環式芳香族分子を形成したものであり、前記共有結合で連結された炭素原子は、基本反復単位として、6員環を形成するが、5員環及び/または7員環をさらに含むことも可能である。その結果、グラフェンは、互いに共有結合された炭素原子(通常、sp2結合)の単一層としても見られる。グラフェンは、単一層によってもなるが、複数の単一層が互いに積層され、複数層を形成することも可能である。グラフェンは、例えば、1層ないし100層、2層ないし100層、あるいは3層ないし50層の積層された層数を有しうる。
【0034】
グラフェンは、結晶化度は0.5ないし1.5、例えば、1.055ないし1.146である。グラフェンの結晶化度(または、グラフェン結晶の無秩序度)は、ラマン分析スペクトルのDピークとGピークとの強度比(D/G強度比)を測定して得ることができる。
【0035】
該多孔性複合体が含むグラフェンは、ナノ気孔において、10nm以下の距離ほど延長され、少なくとも1層ないし20層のグラフェン層を含むものでもある。例えば、複数のグラフェン層が積層されることにより、ナノ気孔周囲に、12nm以下の総厚を有するグラフェンが配されうる。例えば、グラフェンの総厚は、0.6ないし12nmでもある。該グラフェン層は、ナノ気孔の一部または全部を取り囲みうる。例えば、図1D及び図1Eを参照すれば、複数の積層されたグラフェン層が、球形または半球形の形態を有し、ナノ気孔周囲の一部または全部を取り囲む。
【0036】
該多孔性複合体が含むナノ気孔の大きさは、例えば、1ないし50nm、1ないし40nm、1ないし30nm、1ないし20nm、2ないし20nm、5ないし20nm、または10ないし20nmでもある。該多孔性複合体がそのような範囲のナノ気孔を含むことにより、さらに向上された電子伝導度を提供することができる。
【0037】
複数のナノ気孔が連結され、多様な形態の二次気孔を形成することができる。複数のナノ気孔が連結された二次気孔は、例えば、ナノチューブ形態でもある。ナノチューブ形態の気孔の断面長は、500nm以下であり、例えば、100ないし300nmである。該ナノチューブ形態の二次気孔の直径は、約50nm以下、例えば、1ないし50nmである。
【0038】
該多孔性複合体は、例えば、該多孔性複合体がシリカ(SiO)、及び前記シリカの還元生成物であるSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上をさらに含むものでもある。そのようなシリカ及び/またはSiO(0<x<2)は、それらを含む複合前駆体のエッチング過程で除去されず、ナノ気孔内に、意図的または非意図的に残留することができる。その場合、該多孔性複合体は、ナノ気孔と、シリカ、及び前記シリカの還元生成物とを同時に含むものでもある。シリカの還元生成物は、例えば、SiO1.8、SiO1.9、SiO1.7、SiO1.6、SiO1.5、SiO1.4、SiO1.3などでもある。
【0039】
該多孔性複合体が含むシリコン(Si)の含量は、該多孔性複合体全体につき、0.01ないし10原子%、0.01ないし7原子%、0.1ないし5原子%、0.1ないし3原子%、または0.1ないし1原子%以下でもある。該多孔性複合体が含むシリコン(Si)の含量は、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)スペクトルにおいても決定される。該多孔性複合体が含むシリコン(Si)の含量が少ないほど、例えば、充放電過程において、金属とリチウムとの反応による初期効率の低下を防止することができる。
【0040】
シリカ、及び前記シリカの還元生成物であるSiO(0<x<2)の平均粒径は、例えば、レーザ回折方式や動的光散乱方式の測定装置を使用して測定する。該平均粒径は、例えば、レーザ散乱粒度分布計(例えば、LA-920(堀場製作所製))を利用して測定し、体積換算における、素粒子側から50%累積したときのメジアン粒子粒(D50)の値である。該多孔性複合体が含むシリカ、及び前記シリカの還元生成物であるSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上の均一度偏差が、3%以下、2%以下または1%以下でもある。該均一度は、例えば、XPSによって求めることができる。従って、該多孔性複合体内において、シリカ、及び前記シリカの還元生成物であるSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上が、3%以下、2%以下または1%以下の偏差を有し、均一にも分布される。
【0041】
一方、該多孔性複合体は、例えば、元素周期律表の2族ないし13族、第15族及び16族のうちから選択された1以上の金属、及び前記金属の酸化物のうちから選択された1以上をさらに含むものでもある。そのような金属及び/または金属酸化物は、それらを含む複合前駆体のエッチング過程において除去されず、ナノ気孔内に意図的または非意図的に残留する金属及び/または金属酸化物でもある。その場合、該多孔性複合体は、ナノ気孔と、金属/金属酸化物とを同時に含むものでもある。
【0042】
該多孔性複合体は、例えば、第1金属酸化物、及び前記第1金属酸化物の還元生成物である第2金属酸化物のうちから選択された1以上をさらに含むものでもある。
【0043】
該第1金属酸化物は、例えば、化学式M(0<a≦3、0<b≦4、aが、1、2または3であれば、bは、整数である)で表される1種以上であり、第2金属酸化物は、例えば、化学式M(0<a≦3、0<c<4、aが、1、2または3であれば、cは、整数ではない)で表される1種以上であり、前記第1金属酸化物のaとbとの比率であるb/aが、前記第2金属酸化物のaとcとの比率であるc/aに比べ、さらに大きい値を有しうる。Mは、元素周期律表の2族ないし13族、第15族及び16族のうちから選択された1以上の金属でもある。
【0044】
該第1金属酸化物及び該第2金属酸化物が含む金属は、例えば、Al、Nb、Mg、Sc、Ti、Zr、V、W、Mn、Fe、Co、Pd、Cu、Ag、Zn、Sb及びSeのうちから選択された1以上でもある。該第1金属酸化物は、例えば、Al、NbO、NbO、Nb、MgO、Sc、TiO、ZrO、V、WO、MnO、Fe、Co、PdO、CuO、AgO、ZnO、Sb及びSeOのうちから選択される。該第2金属酸化物は、例えば、Al(0<z<3)、NbO(0<x<2.5)、MgO(0<x<1)、Sc(0<z<3)、TiO(0<y<2)、ZrO(0<y<2)、V(0<z<3)、WO(0<y<2)、MnO(0<y<2)、Fe(0<z<3)、Co(0<w<4)、PdO(0<x<1)、CuO(0<x<1)、AgO(0<x<1)、ZnO(0<x<1)、Sb(0<z<3)及びSeO(0<y<2)のうちから選択された1以上でもある。
【0045】
MがAlである場合、該第1金属酸化物は、例えば、Alであり、該第2金属酸化物は、例えば、Al(0<y<3)でもある。該第2金属酸化物は、例えば、Al2.9、Al2.8、Al2.7、Al2.6、Al2.5、Al2.3、Al2.1などでもある。
【0046】
該第1金属酸化物及び/または該第2金属酸化物を含む多孔性複合体において、金属酸化物が含む金属が、グラフェンとの化学結合を介し、化学的に結合される(bound)。グラフェンの炭素原子(C)と、金属酸化物の金属(M)は、例えば、酸素原子を媒介に、C-O-M結合(例えば、C-O-Si結合)を介し、化学的に結合される。該多孔性複合体が含むグラフェンと、金属酸化物の金属とが化学結合を介し、化学的に結合されることにより、グラフェンと金属酸化物とが複合化される。従って、グラフェンと金属酸化物との単純な物理的混合物と区別される。
【0047】
該多孔性複合体が含む金属の含量は、多孔性複合体全体につき、0.01ないし10原子%、0.01ないし7原子%、0.1ないし5原子%、0.1ないし3原子%、または0.1ないし1原子%以下でもある。該多孔性複合体が含む金属の含量は、XPSスペクトルで決定されうる。該多孔性複合体が含む金属の含量が少ないほど、例えば、充放電過程において、金属とリチウムとの反応による初期効率の低下を防止することができる。
【0048】
該第1金属酸化物及び該第2金属酸化物の平均粒径は、例えば、レーザ回折方式や動的光散乱方式の測定装置を使用して測定する。該平均粒径は、例えば、レーザ散乱粒度分布計(例えば、LA-920(堀場製作所製))を利用して測定し、体積換算における素粒子側から50%累積したときメジアン粒子粒(D50)の値である。該多孔性複合体が含む第1金属酸化物及び第2金属酸化物のうちから選択された1以上の均一度偏差は、3%以下、2%以下または1%以下でもある。該均一度は、例えば、XPSによって求めることができる。従って、該多孔性複合体内において、第1金属酸化物及び第2金属酸化物のうちから選択された1以上が、3%以下、2%以下または1%以下の偏差を有して均一にも分布される。
【0049】
他の一具現例による負極は、負極活物質、及び前述の多孔性複合体を含む。該負極が、前述の多孔性複合体を含むことにより、向上されたサイクル特性を提供する。
【0050】
該負極活物質は例えば、Si、Sn、Al、Ge、Pb、Zn、Ag及びAuからなる群のうちから選択された1以上の金属である、リチウムと合金可能な金属、リチウムと合金可能な金属の合金、リチウムと合金可能な金属の酸化物、リチウムと合金可能な金属の窒化物、リチウムと合金可能な金属の酸窒化物、リチウムと合金可能な金属の炭化物、またはリチウムと合金可能な金属と、炭素系材料との複合体を含むものでもある。該炭素系材料は、鱗片状黒鉛、結晶質黒鉛、非晶質黒鉛、人工黒鉛、中間相炭素球体(carbonaceous mesophase spheres)、コークス(coke)、炭素ナノチューブ、炭素ナノファイバ、グラフェン、グラフェンオキサイドなどでもあるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野において、炭素系材料として使用されうるものであるならば、いずれも可能である。
【0051】
該負極活物質は、例えば、シリコン、シリコン合金、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物及びシリコン・炭素複合体のうちから選択された1以上を含むものでもある。例えば、該シリコン・炭素複合体は、シリコン・炭素ナノ複合体でもある。該シリコン・炭素ナノ複合体は、シリコンと炭素とのうち1以上が、1μm未満のナノレベルの大きさを有する複合体を意味する。例えば、該シリコン・炭素ナノ複合体は、シリコンナノ粒子と炭素ナノ粒子とが複合化された複合体でもある。
【0052】
該負極活物質は、例えば、コアが、シリコンと炭素との複合粒子、及び前記複合粒子表面に配された炭素系コーティング層を含むものでもある。前記炭素系コーティング層は、非晶質炭素を含むものでもある。例えば、前記コーティング層に含まれたカーボンは、炭素前駆体の焼成物でもある。前記炭素前駆体は、当該技術分野で使用されうるものであり、焼成によって炭素系材料が得られるものであるならば、いずれも使用可能である。例えば、前記炭素前駆体は、高分子、コールタールピッチ、石油ピッチ、メゾ相ピッチ、コークス、低分子中質油、石炭系ピッチ、及びそれらの誘導体からなる群のうちから選択された1以上でもある。前記コア上に、炭素系コーティング層が形成されることにより、SEI(solid electrolyte interface)を形成することになり、Liイオンの選択的通過により、シリコンが電解液などと接触することを防止することができる。前記コーティング層の含量は、特別に限定されるものではなく、コア総重量につき、0超過ないし10wt%でもある。例えば、前記コーティング層の含量は、コーティング層を含むコア総重量を基準に、1wt%ないし8wt%でもある。例えば、前記コーティング層の含量は、コーティング層を含むコア総重量を基準に、1wt%ないし6wt%でもある。例えば、前記コーティング層の含量は、コーティング層を含むコア総重量を基準に、1wt%ないし4wt%でもある。
【0053】
該負極活物質は、例えば、炭素系材料でもある。該炭素系材料は、例えば、結晶質炭素、非晶質炭素、またはそれらの混合物である。該結晶質炭素は、例えば、無定形、板状、鱗片(flake)、球形または纎維型の天然黒鉛または人造黒鉛のような黒鉛である。該非晶質炭素は、例えば、ソフトカーボン(soft carbon)(低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メゾ相ピッチ炭化物、焼成されたコークスなどである。
【0054】
負極は、例えば、下記の例示的な方法に製造されるものの、必ずしもそのような方法に限定されるものではなく、要求される条件によって調節される。
【0055】
まず、前述の多孔性複合体、負極活物質、バインダ及び溶媒を混合し、負極活物質組成物を準備する。準備された負極活物質組成物を、銅集電体上に直接コーティングして乾燥させ、負極活物質層が形成された負極極板を製造する。代案としては、前記負極活物質組成物を、別途の支持体上にキャスティングした後、その支持体から剥離して得られたフィルムを、前記銅集電体上にラミネーションし、負極活物質層が形成された負極極板を製造する。
【0056】
該負極集電体としては、一般的に、3ないし500μmの厚みに作られる。そのような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せずに、導電性を有したものであるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、熱処理炭素、銅やステンレススチールの表面に、カーボン・ニッケル・チタン・銀などで表面処理したもの、アルミニウム・カドミウム合金などが使用されうる。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成し、負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体のような多様な形態で使用されうる。
【0057】
バインダとしては、例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、前述の高分子の混合物、スチレンブタジエンゴム系ポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、フッ素系ゴムなどが使用され、溶媒としては、N-メチルピロリドン(NMP)、アセトン、水などが使用されるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野で使用されるものであるならば、いずれも可能である。
【0058】
負極活物質組成物に、可塑剤または気孔形成剤をさらに付加し、電極板内部に気孔を形成することも可能である。
【0059】
負極に使用される負極活物質、バインダ及び溶媒の含量は、リチウム電池で一般的に使用するレベルである。リチウム電池の用途及び構成により、前記バインダ及び前記溶媒のうち1以上の省略が可能である。
【0060】
該多孔性複合体の含量は、例えば、負極活物質100重量部につき、1ないし10重量部、1ないし5重量部、または1ないし3重量部である。
該バインダの含量は、例えば、負極活物質100重量部につき、1ないし20重量部である。
【0061】
該溶媒の含量は、例えば、負極活物質100重量部につき、1ないし50重量部である。
【0062】
負極は、前述の多孔性複合体以外に、従来の導電材をさらに含むものでもある。従来の導電材としては、カーボンブラック、黒鉛微粒子、天然黒鉛、人造黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素ファイバ;炭素ナノチューブ;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末、金属ファイバまたは金属チューブ;ポリフェニレン誘導体のような伝導性高分子などが使用されるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野において導電材として使用するものであるならば、いずれも可能である。
【0063】
さらに他の具現例によるリチウム電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配される電解質と、を含み、前記正極と前記負極のうち1以上が、前述のところによる多孔性複合体を含む。
【0064】
該リチウム電池は、例えば、次のような方法によっても製造される。
【0065】
まず、前述の負極製造方法によって負極が準備される。
【0066】
次に、正極活物質、導電材、バインダ及び溶媒が混合された正極活物質組成物が準備される。前記正極活物質組成物が、金属集電体上に直接コーティングされて乾燥され、正極板が製造される。代案としては、前記正極活物質組成物が、別途の支持体上にキャスティングされた後、前記支持体から剥離されたフィルムが、金属集電体上にラミネーションされて正極板が製造されうる。
【0067】
該正極活物質に使用される導電材の一部または全部が、前述の多孔性複合体でもある。
【0068】
該正極活物質として、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、リチウム鉄リン酸化物及びリチウムマンガン酸化物からなる群のうちから選択された1以上を含むものでもあるが、必ずしもそれらに限定されるものではなく、当該技術分野において、利用可能な全ての正極活物質が使用されうる。
【0069】
例えば、Li1-bB’(前記化学式で、0.90≦a≦1.8及び0≦b≦0.5である);Li1-bB’2-c(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiE2-bB’4-c(前記化学式で、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である);LiNi1-b-cCoB’α(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1-b-cCoB’2-αF’α(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cCoB’2-αF’(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cMnB’α(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α≦2である);LiNi1-b-cMnB’2-αF’α(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi1-b-cMnB’2-αF’(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、0<α<2である);LiNi(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0.001≦d≦0.1である);LiNiCoMnGeO(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0≦b≦0.9、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0.001≦e≦0.1である);LiNiG(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiCoG(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiMnG(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);LiMn(前記化学式で、0.90≦a≦1.8、0.001≦b≦0.1である);QO;QS;LiQS;V;LiV;LiI’O;LiNiVO;Li3-f(PO(0≦f≦2);Li3-fFe(PO(0≦f≦2);LiFePOの化学式のうちいずれか一つによって表現される化合物を使用することができる。
【0070】
前記化学式において、Aは、Ni、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、B’は、Al、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素、またはそれらの組み合わせであり、Dは、O、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Eは、Co、Mn、またはそれらの組み合わせであり、F’は、F、S、P、またはそれらの組み合わせであり、Gは、Al、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、またはそれらの組み合わせであり、Qは、Ti、Mo、Mn、またはそれらの組み合わせであり、I’は、Cr、V、Fe、Sc、Y、またはそれらの組み合わせであり、Jは、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、またはそれらの組み合わせである。
【0071】
前述の化合物表面にコーティング層が付加された化合物の使用も可能であり、前述の化合物と、コーティング層が付加された化合物との混合物の使用も可能である。前述の化合物の表面に付加されるコーティング層は、例えば、コーティング元素のオキサイド、コーティング元素のヒドロキシド、コーティング元素のオキシヒドロキシド、コーティング元素のオキシカーボネート、またはコーティング元素のヒドロキシカーボネートのコーティング元素化合物を含む。そのようなコーティング層をなす化合物は、非晶質または結晶質である。該コーティング層に含まれるコーティング元素としては、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti、V、Sn、Ge、Ga、B、As、Zr、またはそれらの混合物である。該コーティング層の形成方法は、正極活物質の物性に悪影響を与えない範囲内において選択される。該コーティング方法は、例えば、スプレーコーティング法、浸漬法などである。具体的なコーティング方法は、当該分野の当業者に周知されている内容であるので、詳細な説明は、省略する。
【0072】
例えば、LiNiO、LiCoO、LiMn2x(x=1、2)、LiNi1-xMn(0<x<1)、LiNi1-x-yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)、LiNi1-x-yCoAl(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)、LiFeO、V、TiS、MoSなどが使用されうる。
【0073】
正極活物質組成物として、導電材、バインダ及び溶媒は、前記負極活物質組成物の場合と同一のものを使用することができる。一方、前記正極活物質組成物及び/または前記負極活物質組成物に可塑剤をさらに付加し、電極板内部に気孔を形成することも可能である。
【0074】
前述の正極活物質、導電材、バインダ及び溶媒の含量は、リチウム電池で一般的に使用するレベルである。該リチウム電池の用途及び構成により、前述の導電材、バインダ及び溶媒のうち1以上が省略されうる。
【0075】
次に、前記正極と前記負極との間に挿入されるセパレータが準備される。前記セパレータは、リチウム電池で一般的に使用されるものであるならば、いずれも使用されうる。電解質のイオン移動に対して低抵抗でありながら、電解液含湿能にすぐれるものが使用されうる。例えば、ガラスファイバ、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはそれらの組み合わせ物のうちから選択されたものであり、不織布形態または織布形態でもよい。例えば、該リチウムイオン電池には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような巻き取り可能なセパレータが使用され、リチウムイオンポリマー電池には、有機電解液含浸能にすぐれるセパレータが使用されうる。例えば、前記セパレータは、下記方法によっても製造される。
【0076】
高分子樹脂、充填剤及び溶媒が混合されたセパレータ組成物が準備される。前記セパレータ組成物が、電極上部に直接コーティングされて乾燥され、セパレータが形成されうる。または、前記セパレータ組成物が、支持体上にキャスティングされて乾燥された後、前記支持体から剥離させたセパレータフィルムが電極上部にラミネーションされ、セパレータが形成されうる。
【0077】
前記セパレータ製造に使用される高分子樹脂は、特別に限定されるものではなく、電極板のバインダに使用される物質であるならば、いずれも使用されうる。例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、またはそれらの混合物などが使用されうる。
【0078】
次に、電解質が準備される。
【0079】
例えば、前記電解質は、有機電解液でもある。また、前記電解質は、固体でもある。例えば、ボロン酸化物、リチウムオキシナイトライドなどでもあるが、それらに限定されるものではなく、当該技術分野において、固体電解質として使用されるものであるならば、いずれも使用可能である。前記固体電解質は、スパッタリング法などの方法により、前記負極上にも形成される。
【0080】
例えば、有機電解液が準備されうる。該有機電解液は、有機溶媒にリチウム塩が溶解されて製造されうる。
【0081】
前記有機溶媒は、当該技術分野において、有機溶媒として使用されうるものであるならば、いずれも使用されうる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン、ジオキソラン、4-メチルジオキソラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、スルホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、またはそれらの混合物などである。
【0082】
前記リチウム塩も、当該技術分野において、リチウム塩として使用されうるものであるならば、いずれも使用されうる。例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ただし、x、yは、自然数である)、LiCl、LiI、またはそれらの混合物などである。
【0083】
図4から分かるように、前記リチウム電池1は、正極3、負極2及びセパレータ4を含む。前述の正極3、負極2及びセパレータ4が巻き取られるか、あるいは折り畳まれ、電池ケース5に収容される。次に、前記電池ケース5に有機電解液が注入され、キャップ(cap)アセンブリ6に密封され、リチウム電池1が完成される。前記電池ケースは、円筒状、角形、薄膜型などでもある。例えば、前記リチウム電池は、薄膜型電池でもある。前記リチウム電池は、リチウムイオン電池でもある。
【0084】
前記正極と前記負極との間にセパレータが配され、電池構造体が形成されうる。前記電池構造体がバイセル構造に積層された後、有機電解液に含浸され、得られた結果物がポーチに収容されて密封されれば、リチウムイオンポリマー電池が完成される。
【0085】
また、前記電池構造体は、複数個積層され、電池パックを形成し、そのような電池パックが、高容量及び高出力が要求される全ての機器に使用されうる。例えば、ノート型パソコン、スマートフォン、電気車両などに使用されうる。
【0086】
特に、前記リチウム電池は、高率特性及び寿命特性にすぐれるので、電気車両(EV:electric vehicle)に適する。例えば、プラグインハイブリッド車両(PHEV:plug-in hybrid electric vehicle)のようなハイブリッド車両に適する。
【0087】
さらに他の一具現例による多孔性複合体の製造方法は、シリカまたは第1金属酸化物に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給して熱処理し、前記シリカまたは前記第1金属酸化物、及びその還元生成物であるSiO(0<x<2)または第2金属酸化物のうちから選択された1以上を含む複合前駆体を準備する段階と、前記複合前駆体から、前記シリカまたは前記第1金属酸化物、及びSiO(0<x<2)または第2金属酸化物のうちから選択された1以上を除去することにより、多孔性複合体を準備する段階と、を含む。
【0088】
複合前駆体を提供する段階は、例えば、金属酸化物を含む構造体に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給して熱処理する段階を含む。
【0089】
複合体を提供する段階は、例えば、シリカ及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3である場合、bは、整数である)で表される1種以上の第1金属酸化物に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給して熱処理する段階を含み、前記Mは、元素周期律表の2族ないし13族、第15族及び16族のうちから選択された1以上の金属である。
【0090】
該炭素供給源ガスは、下記化学式1で表される化合物であるか、あるいは下記化学式1で表される化合物;及び下記化学式2で表される化合物と、下記化学式3で表される酸素含有気体とからなる群から選択された1以上との混合ガスである。
【0091】
[化学式1]
2n+2-a[OH]
【0092】
前記化学式1で、nは、1ないし20であり、aは、0または1であり、
【0093】
[化学式2]
2n
【0094】
前記化学式2で、nは、2ないし6であり、
【0095】
[化学式3]
【0096】
前記化学式3で、xは、0、または1ないし20の整数であり、yは、0、または1ないし20の整数であり、zは、1または2である。
【0097】
化学式1で表される化合物、及び化学式2で表される化合物が、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノール、プロパノールからなる群から選択された1以上である。化学式3で表される酸素含有気体は、例えば、二酸化炭素(CO)及び一酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)、またはその混合物を含む。
【0098】
シリカ及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数である)で表される第1金属酸化物に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給して熱処理する段階以後、窒素、ヘリウム及びアルゴンからなる群から選択された1以上の不活性気体を利用した冷却段階をさらに経るのである。該冷却段階は、常温(20~25℃)で調節する段階を言う。該炭素供給源ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンからなる群から選択された1以上の不活性気体を含むものでもある。
【0099】
複合前駆体の製造方法において、気相反応により、グラフェンが成長する過程は、多様な条件によっても遂行される。
【0100】
第1条件によれば、例えば、シリカ及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数である)で表される第1金属酸化物が配された反応器に、まずメタンを供給し、熱処理温度(T)まで昇温処理する。熱処理温度(T)までの昇温時間は、10分ないし4時間であり、熱処理温度(T)は、700℃ないし1,100℃の範囲である。熱処理温度(T)において、反応時間の間、熱処理を実施する。該反応時間は、例えば、4ないし8時間である。熱処理された結果物を常温に冷却させ、複合体を製造する。熱処理温度(T)から常温まで冷却する過程にかける時間は、例えば、1ないし5時間である。
【0101】
第2条件によれば、例えば、シリカ及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数である)で表される第1金属酸化物が配された反応器に、まず水素を供給し、熱処理温度(T)まで昇温処理する。熱処理温度(T)までの昇温時間は、10分ないし4時間であり、熱処理温度(T)は、700℃ないし1,100℃の範囲である。熱処理温度(T)において、一定反応時間の間、熱処理した後、メタンガスを供給し、残余反応時間の間、熱処理を実施する。該反応時間は、例えば、4ないし8時間である。熱処理された結果物を常温に冷却させて複合体を製造する。冷却する過程において、窒素を供給する。熱処理温度(T)から常温まで冷却する過程にかける時間は、例えば、1ないし5時間である。
【0102】
第3条件によれば、例えば、シリカ及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数である)で表される第1金属酸化物が配された反応器に、まず水素を供給し、熱処理温度(T)まで昇温処理する。熱処理温度(T)までの昇温時間は、10分ないし4時間であり、熱処理温度(T)は、700℃ないし1,100℃の範囲である。熱処理温度(T)において、一定応時間の間、熱処理した後、メタンと水素との混合ガスを供給し、残余反応時間の間、熱処理を実施する。該反応時間は、例えば、4ないし8時間である。熱処理された結果物を常温に冷却させ、複合体を製造する。冷却する過程において、窒素を供給する。熱処理温度(T)から常温まで冷却する過程にかける時間は、例えば、1ないし5時間である。
【0103】
複合前駆体を製造する過程において、炭素供給源ガスが水蒸気を含む場合、非常にすぐれた伝導度を有する複合前駆体を得ることができる。気体混合物内の水蒸気の含量は、制限されるものではなく、例えば、炭素供給源ガス全体100体積%を基準にし、0.01ないし10体積%である。該炭素供給源ガスは、例えば、メタン、メタンと不活性気体とを含む混合気体、またはメタンと酸素含有気体とを含む混合気体である。
【0104】
該炭素供給源ガスは、例えば、メタン、メタンと二酸化炭素との混合気体、またはメタンと、二酸化炭素及び水蒸気との混合気体でもある。メタンと二酸化炭素との混合気体において、メタンと二酸化炭素とのモル比は、約1:0.20ないし1:0.50、約1:0.25ないし1:0.45、または約1:0.30ないし1:0.40である。メタンと、二酸化炭素及び水蒸気との混合気体において、メタンと、二酸化炭素及び水蒸気とのモル比は、約1:0.20ないし0.50:0.01ないし1.45、約1:0.25ないし0.45:0.10ないし1.35、または約1:0.30ないし0.40:0.50ないし1.0である。
【0105】
該炭素供給源ガスは、例えば、一酸化炭素または二酸化炭素である。該炭素供給源ガスは、例えば、メタンと窒素との混合気体である。メタンと窒素との混合気体において、メタンと窒素とのモル比は、約1:0.20ないし1:0.50、約1:0.25ないし1:0.45、約1:0.30ないし1:0.40である。該炭素供給源ガスは、窒素のような不活性気体を含まないものでもある。
【0106】
熱処理圧力は、熱処理温度、気体混合物の組成、及び所望する炭素コーティングの量などを考慮して選択することができる。該熱処理圧力は、流入される気体混合物の量と、流出される気体混合物の量とを調整して制御することができる。該熱処理圧力は、例えば、0.5atm以上、1atm以上、2atm以上、3atm以上、4atm以上または5atm以上である。
【0107】
熱処理時間は、特別に制限されるものではなく、熱処理温度、熱処理時の圧力、気体混合物の組成、及び所望する炭素コーティングの量によって適切に調節することができる。例えば、熱処理温度における反応時間は、例えば、10分ないし100時間、30分ないし90時間、または50分ないし40時間である。例えば、該熱処理時間が長くなるほど、沈積されるグラフェン(炭素)量が多くなり、それにより、複合体の電気的物性が向上されうる。ただし、そのような傾向が、時間に必ずしも正比例するものではないのである。例えば、所定の時間経過後には、それ以上、グラフェン沈積が起こらないか、あるいは沈積率が低くなってしまう。
【0108】
前述の炭素供給源ガスの気相反応を介し、比較的低い温度においても、シリカ(SiO)及び/またはM(0<a≦3、0<c≦4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数である)で表される第1金属酸化物、及びそれらの還元生成物であるSiO(0<x<2)及び/またはM(0<a≦3、0<b<4、aは1、2または3であり、bは、整数ではない)で表される第2金属酸化物のうちから選択された1以上に、均一なグラフェンコーティングを提供することにより、複合前駆体が得られる。
【0109】
図3は、一具現例による複合前駆体の形成過程について説明するためのものである。図3に示されているようなスケールにより、限定的に解釈されるものではなく、図3は、一具現例を図示したものである。
【0110】
図3を参照すれば、シリカ粒子10上部に、炭素供給源ガスからなる反応ガスを供給すれば、シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10aの上部に、グラフェン11が成長することになる。反応時間の経過により、シリカ及びその還元生成物(SiO)(0<x<2)のうちから選択された1以上10bの上部に、グラフェン11がだんだんと形成され、複合前駆体を得ることができることになる。
【0111】
該複合前駆体は、例えば、グラフェン11に、シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10cが分布された構造を有しうる。シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10cは、グラフェン11にも分布される。
【0112】
図3において、シリカ粒子10と、シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10aと、シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10cは、互いに異なるサイズで示されているが、そのようなサイズに限定されるということを意味するものではない。図3において、グラフェンの細部的な構造を詳細に図示していないが、例えば、グラフェンは、膜(layer)タイプまたはナノシート(nanosheet)タイプでもあり、あるいは一部フレークが混合された構造でもある。
【0113】
用語「ナノシート」及び「膜」の定義について述べれば、次の通りである。該ナノシートは、シリカ及びその還元生成物のうちから選択された1以上の上部に、グラフェンが不規則的な状態に形成された場合を示す。該膜は、シリカ及びその還元生成物のうちから選択された1以上の上部に、グラフェンが連続して均一に形成されたフィルム形態を言う。該フレークは、前述のナノシートまたは膜の一部が損傷または変形された場合に該当しうる。
【0114】
複合前駆体は、例えば、半球形構造体、球形構造体、複数の半球形構造体または球形構造体が連結された螺旋形構造体、複数の半球形構造体または球形構造体が凝集されたクラスタ構造体、及びスポンジ構造体(sponge structure)のうちから選択された1以上の構造を有するグラフェンマトリックスと、前記グラフェンマトリックス内に配されるM(0<a≦3、0<b≦4、aは1、2または3であり、bは、整数である)で表される第1金属酸化物、及びM(0<a≦3、0<c<4、aが、1、2または3であるならば、cは、整数ではない)で表される第2金属酸化物のうちから選択された1以上を含む。
【0115】
次に、複合前駆体から、前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物のうちから選択された1以上を除去することにより、多孔性複合体を準備する。
【0116】
多孔性複合体を準備する段階は、例えば、乾式エッチング(dry etching)または湿式エッチング(wet etching)によっても遂行される。該乾式エッチングは、プラズマなどの方法によっても遂行されるが、必ずしもそのような方法に限定されるものではなく、当該技術分野で可能な方法であるならば、いずれも可能である。該湿式エッチングが、酸または塩基によっても遂行される。例えば、該多孔性複合体を、酸性溶液または塩基性溶液に投入した後、撹拌し、酸または塩基により、第1金属酸化物及び/または第2金属酸化物を溶解させて除去することができる。該酸は、塩酸、硫酸、硝酸などが使用されうるが、それらに限定されるものではない。
【0117】
多孔性複合体を準備する段階は、例えば、複合前駆体を塩基性溶液に投入して撹拌する段階を含むものでもある。該塩基性溶液は、蒸溜水に塩基を添加して製造されうる。該塩基は、例えば、LiOHであるが、それに制限されるものではない。溶媒は、蒸溜水であるが、それに制限されるものではなく、アルコール、アセトニトリルなどが使用されうる。
【0118】
複合前駆体を塩基性溶液に投入して撹拌する時間は、例えば、5ないし200時間、10ないし200時間、50ないし200時間、80ないし100時間であるが、そのような範囲に限定されるものではない。
【0119】
酸性溶液または塩基性溶液が含む酸または塩基の濃度は、例えば、0.1ないし10wt%、1ないし5wt%でもあるが、そのような範囲に限定されるものではない。
【0120】
複合前駆体を酸性溶液または塩基性溶液に投入して撹拌した後、濾過して残留物を分離した後、蒸溜水で何回か洗浄して酸または塩基を完全に除去した後、乾燥させ、多孔性複合体を得る。
【0121】
酸性溶液または塩基性溶液の濃度及び撹拌時間のようなエッチング条件により、第1金属酸化物及び/または第2金属酸化物が完全に除去されるか、あるいは一部残留しうる。
【0122】
例えば、エッチングを介し、図3の複合前駆体において、シリカ粒子10と、シリカ粒子及びその還元生成物のうちから選択された1以上10aと、シリカ及びその還元生成物のうちから選択された1以上10cとの一部または全部が除去されることにより、シリカ粒子の位置に、ナノ気孔が配された多孔性複合体が得られる。
【0123】
以下の実施例及び比較例を介し、本発明についてさらに詳細に説明される。ただし、実施例は、本発明を例示するためのものであり、それらだけにより、本発明の範囲が限定されるのではない。
【0124】
(グラフェンシリカ複合体の製造)
製造例1:グラフェンシリカ複合体
シリカ(SiO)粒子(平均粒径:約15nm、OCI社)を反応器内に位置させた後、反応器内において、CHを約300sccm、1atmで約30分間供給した条件で、反応器内部温度を1,000℃に上昇させた。
【0125】
次に、前記温度で7時間維持し、熱処理を行った。次に、反応器内部温度を常温(20~25℃)で調節し、シリカ粒子、及びその還元生成物であるSiO(0<x<2)粒子がグラフェンに埋め込まれた複合体(複合前駆体)を得た。
【0126】
(シリコン・炭素複合体負極活物質の製造)
製造例2:シリコン・炭素複合体の製造
板状及び針状型のSi粒子25重量部を、ステアリン酸10重量部及びイソプロピルアルコール65重量部と混合し、組成物を噴霧乾燥させ、それを乾燥させ、約4.5μmの平均粒径を有する前駆体二次粒子を得た。シリコンの表面には、厚み約0.1~10nmのシリコンサブオキシド(SiO)(0<x<2)が形成された。
【0127】
該噴霧乾燥は、噴霧乾燥器(モデル:MMSD Micro Mist Spray Dryers、藤崎電機製)を利用した。窒素雰囲気下で、噴霧ノズルサイズと圧力とを調節し、パウダー噴射雰囲気温度を約200℃に調節し、イソプロピルアルコールを乾燥させることにより、前駆体二次粒子を製造した。
【0128】
製造された前駆体二次粒子を反応器内に位置させた後、反応器内においてCH:CO=80:20体積比気体混合物を約300sccm、1atmで約30分間供給した条件で、反応器内部温度を1,000℃に上昇させた。
【0129】
次に、前記温度で4時間維持して熱処理を行った。次に、反応器内部温度を常温(20~25℃)に調節し、多孔性シリコン・炭素複合体粉末を得た。
【0130】
(多孔性複合体の製造)
実施例1:多孔性複合体1
製造例1で合成したグラフェンシリカ複合体を、3.2wt%LiOH水溶液に投入し、88時間撹拌した後、遠心分離機で残留物を濾過した。
【0131】
濾過された残留物を、蒸溜水で数回洗浄して塩基を完全に除去した後、乾燥させ、多孔性複合体を得た。多孔性複合体が含むナノ気孔の大きさは、約10~20nmあった。
【0132】
実施例2:多孔性複合体2
撹拌時間を6時間に変更したことを除いては、実施例1と同一方法で、多孔性複合体を製造した。
【0133】
(リチウム電池(half-cell)の製造:炭素系負極)
実施例3:炭素系負極:多孔性複合体1
(炭素系負極の製造)
天然黒鉛粒子(三菱化学製)、実施例1で製造された多孔性複合体1の粉末、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を、96:1:1.5:1.5の重量比の比率で混合した後、蒸溜水を投入し、機械式撹拌機を使用し、60分間撹拌し、負極活物質スラリーを製造した。製造された負極活物質スラリーを、ドクターブレードを使用し、15μm厚の銅集電体上に約60μm厚に塗布し、常温で乾燥させた後、100℃の熱風乾燥器で0.5時間乾燥させた後120℃の真空条件において、4時間さらに1度乾燥させ、負極極板を製造した。製造された負極極板を圧延(roll press)し、負極を製造した。
【0134】
(コインセルの製造)
前述のところで製造された負極を使用し、リチウム金属を相対電極にし、ポリプロピレンセパレータ(Cellguard 3510)と、エチレンカーボネート(EC)+エチルメチルカーボネート(EMC)+ジエチルカーボネート(DMC)(2:4:4体積比)との混合溶媒に、リチウム塩として、1.15M LiPFを添加した電解液を使用し、コインセルを製造した。
【0135】
実施例4:炭素系負極:多孔性複合体2
実施例1で製造された多孔性複合体1の粉末の代わりに、実施例2で製造された多孔性複合体2の粉末を使用したことを除いては、実施例3と同一方法で、負極及びコインセルを製造した。
【0136】
比較例1:グラフェン・シリカ
実施例1で製造された多孔性複合体粉末の代わりに、製造例1で製造されたグラフェン・シリカ複合体粉末を使用したことを除いては、実施例3と同一方法で、負極及びコインセルを製造した。
【0137】
比較例2:ケッチェンブラック
実施例1で製造された多孔性複合体粉末の代わりに、ケッチェンブラック(EC600JD、Lion社製)を使用したことを除いては、実施例3と同一方法で、負極及びコインセルを製造した。
【0138】
(リチウム電池(half-cell)の製造:シリコン・炭素複合負極)
実施例5:シリコン・炭素複合負極:多孔性複合体1
(シリコン・炭素複合負極の製造)
製造例2で製造したシリコン・炭素複合体粉末、人造黒鉛粒子(粒径約12μm、シャンシャン社製)、実施例1で製造された多孔性複合体1の粉末、ポリビニルアルコール(PVA、Aldrich社)バインダを、18.5:76.5:1:4重量比の比率で混合した後、蒸溜水を投入し、機械式撹拌機を使用し、60分間撹拌し、負極活物質スラリーを製造した。製造された負極活物質スラリーを、ドクターブレードを使用し、1,510μm厚の銅集電体上に、約60μm厚に塗布し、常温で乾燥させた後、100℃の熱風乾燥器で0.5時間乾燥させた後、120℃の真空条件で4時間さらに1回乾燥させ、負極極板を製造した。製造された負極極板を圧延し、負極を製造した。
【0139】
(コインセルの製造)
前述のところで製造された負極を使用し、リチウム金属を相対電極にし、ポリプロピレンセパレータ(Cellguard 3510)と、EC(エチレンカーボネート)+DEC(ジエチルカーボネート)+FEC(プルルロオエチレンカーボネート)(5:70:25体積比)との混合溶媒に、リチウム塩として1.0M LiPFを添加した電解液を使用し、コインセルを製造した。
【0140】
実施例6:シリコン・炭素複合負極:多孔性複合体1
実施例1で製造された多孔性複合体1の粉末の含量を0.5に変更したことを除いては、実施例5と同一方法で、負極及びコインセルを製造した。
【0141】
比較例3:シリコン・炭素複合負極:ケッチェンブラック
実施例1で製造された多孔性複合体1の粉末の代わりに、ケッチェンブラック(EC600JD、Lion社)を使用したことを除いては、実施例5と同一方法で、負極及びコインセルを製造した。
【0142】
評価例1:XPSスペクトル評価
実施例1で製造された多孔性複合体1、実施例2で製造された多孔性複合体2、及び製造例1で製造されたグラフェンシリカ複合体につき、Qunatum 2000(Physical Electronics)を使用し、XPSスペクトルを測定した。
【0143】
図2Aは、C 1sオービタルに係わるピークであり、図2Bは、O 1sオービタルに係わるピークであり、図2Cは、Si 2pオービタルに係わるピークである。
【0144】
図2Aから分かるように、実施例1、実施例2及び比較例1の複合体において、炭素ピークの大きさは、いずれも高く示されている。
【0145】
図2Bから分かるように、比較例1の複合体の酸素ピークに比べ、実施例2の多孔性複合体の酸素ピークは、顕著に低減され、実施例1の炭素系複合体の酸素ピークは、微々たるものであった。
【0146】
図2Cから分かるように、比較例1の複合体のシリコンピークに比べ、実施例2の多孔性複合体のシリコンピークは、顕著に低減され、実施例1の多孔性複合体のシリコンピークは、ほとんどなかった。
【0147】
前記ピーク面積から計算されたシリコン、酸素及び炭素の含量を、下記表1に示した。
【0148】
【表1】
【0149】
表1、及び図2Aないし図2Cから分かるように、実施例1の多孔性複合体は、Si含量が0.5at%未満と微々たるものであり、ほとんどのシリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)は、エッチングによって除去され、ナノ気孔が形成された。実施例2の多孔性複合体においては、シリカ(SiO)及びSiO(0<x<2)の半分ほどがエッチングによって除去され、ナノ気孔が形成された。
【0150】
評価例2:HR-TEM分析
実施例1で製造された複合体に係わる高解像度透過電子顕微鏡(HR-TEM)(Tecnai Titan(FEI社製))分析を行った。
【0151】
図1Aは、エッチング前のグラフェン・シリカ複合体のイメージであり、図1Bないし図1Eは、エッチング後の多孔性複合体のイメージである。
【0152】
図1Aから分かるように、実施例1で製造されたグラフェン・シリカ複合体は、シリカ(SiO)粒子、及びその還元生成物であるSiO(0<x<2)粒子がグラフェンに埋め込まれた構造を有するところを示している。シリカ(SiO)粒子及びSiOx(0<x<2)のうちから選択された1以上の粒子の外郭に、グラフェン層が配されることを確認した。シリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)のうちから選択された1以上の粒子は、グラフェンマトリックス内に均一に分散されている。シリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)粒子のうち1以上の粒径は、約15nmであった。実施例1で製造されたグラフェン・シリカ複合体の粒径は、約100nmないし200nmであった。図1Aにおいて矢印は、シリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)粒子のうち1以上を示す。
【0153】
図1Bないし図1Eから分かるように、実施例1において、エッチングによって製造された多孔性複合体においては、シリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)粒子がほとんど観察されておらず、グラフェンマトリックス内にナノ気孔が配される構造を有するところを示している。ナノ気孔外郭にグラフェン層が配されることを確認した。該ナノ気孔は、グラフェンマトリックス内に均一に分散されている。グラフェンマトリックス内に配されるナノ気孔は、シリカ(SiO)粒子及びSiO(0<x<2)粒子がエッチングによって除去されることによって形成された。ナノ気孔の粒径は、約15nmであった。該多孔性複合体の粒径は、約100nmないし200nmであった。
【0154】
評価例3:常温充放電特性評価:炭素系負極活物質
実施例3、比較例1及び比較例2で製造されたリチウム電池に対し、25℃において、0.1C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで定電流充電を行い、次に、定電圧モードで0.01Vを維持しながら、0.01C0.05C rateの電流で、カットオフ(cut-off)した。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.1C rateの定電流で放電した(化成(formation)サイクル)。
【0155】
化成サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、0.1C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電を行い、次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.1C rateの定電流で放電し(最初サイクル)、
最初サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、0.2C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電した。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.2C rateの定電流で放電し(2回目サイクル)、
2回目サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、0.5C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電した。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.2C0rateの定電流で放電し(3回目サイクル)、
3回目最初サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、1.0C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電した。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.2C rateの定電流で放電し(4回目サイクル)、
4回目サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、2.0C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電した。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.2C rateの定電流で放電した(5回目サイクル)。
【0156】
全ての充放電サイクルにおいて、1つの充電/放電サイクル後、10分間の休止時間を置いた。常温充放電実験結果の一部を、下記表2に示した。
【0157】
[数学式1]
初期効率[%]=[最初サイクルにおける放電容量/最初サイクルにおける充電容量]×100
【0158】
[数学式2]
高率特性[%]=[C rate充電容量(n番目サイクルにおける充電容量)/0.2C rate充電容量(最初サイクルにおける充電容量)]×100
【0159】
【表2】
【0160】
表2から分かるように、実施例3の多孔性複合体を含むリチウム電池は、比較例1のグラフェン・シリカ複合体を含むリチウム電池、及び比較例2の炭素系導電材を含むリチウム電池に比べ、初期効率が向上され、高率特性がさらに向上された。
【0161】
評価例4:常温充放電特性評価:シリコン・炭素複合負極活物質
実施例5、実施例6及び比較例3で製造されたリチウム電池に対し、25℃において、0.1C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電を行い、次に、定電圧モードで0.01Vを維持しながら、0.01C rateの電流で、カットオフした。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.1C rateの定電流で放電した。(化成サイクル)。
【0162】
化成サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、0.2C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電を行い、次に、定電圧モードで0.01Vを維持しながら、0.01C0.05C rateの電流で、カットオフした。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、0.2C rateの定電流で放電した(最初サイクル)。
【0163】
最初サイクルを経たリチウム電池に対し、25℃において、1C rateの電流で、電圧が0.01V(Liに対するもの)に至るまで、定電流充電を行い、次に、定電圧モードで0.01Vを維持しながら、0.01C0.05C rateの電流で、カットオフした。次に、放電時、電圧が1.5V(Liに対するもの)に至るまで、1C rateの定電流で放電し(2回目サイクル)、そのようなサイクルを、同一条件で50回反復し、容量維持率を測定した。
【0164】
全ての充放電サイクルにおいて、1つの充電/放電サイクル後、10分間の休止時間を置いた。常温充放電実験結果の一部を、下記表3に示した。
初期効率は、下記数学式3によって表示され、初期放電容量は、化成サイクルにおける放電容量である。
【0165】
[数学式3]
初期効率[%]=[化成サイクルにおける放電容量/化成サイクルにおける充電容量]×100
【0166】
【表3】
【0167】
表3から分かるように、実施例5の多孔性複合体を含むリチウム電池は、比較例3の炭素系導電材を含むリチウム電池に比べ、初期効率、放電容量及び寿命特性がいずれも向上された。実施例6の多孔性複合体を含むリチウム電池は、比較例3の炭素系導電材を含むリチウム電池に比べ、初期効率が向上され、放電容量も同等レベルであった。
【0168】
表3に示されていないが、実施例5の多孔性複合体を含むリチウム電池の寿命特性は、比較例3の炭素導電材を含むリチウム電池と類似したレベルであった。
【産業上の利用可能性】
【0169】
50nm以下のナノ気孔と、グラフェンとを含む複合体を採用することにより、リチウム電池のサイクル特性が向上される。
【符号の説明】
【0170】
1 リチウム電池
2 負極
3 正極
4 セパレータ
5 電池ケース
6 キャップアセンブリ
10 シリカ粒子
11 グラフェン
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2A
図2B
図2C
図3
図4