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<図1>
  • 特許-抗α4β7抗体の産生方法 図1
  • 特許-抗α4β7抗体の産生方法 図2
  • 特許-抗α4β7抗体の産生方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】抗α4β7抗体の産生方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/18 20060101AFI20250123BHJP
   C07K 1/18 20060101ALI20250123BHJP
   C07K 1/22 20060101ALI20250123BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20250123BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20250123BHJP
   C07K 16/46 20060101ALN20250123BHJP
   A61P 1/04 20060101ALN20250123BHJP
   A61P 1/16 20060101ALN20250123BHJP
   A61P 37/06 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
C07K16/18 ZNA
C07K1/18
C07K1/22
A61K39/395 K
A61K39/395 N
C12P21/08
C07K16/46
A61P1/04
A61P1/16 101
A61P37/06
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021573298
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 US2020037059
(87)【国際公開番号】W WO2020252069
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】62/859,494
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100181168
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智裕
(72)【発明者】
【氏名】アメリ,デブラ
(72)【発明者】
【氏名】カーター,スーザン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ドーラン,マイケル イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒロー,ニコール
(72)【発明者】
【氏名】カンドゥー,アミタバ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,エイミー
(72)【発明者】
【氏名】パークス,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ぺーリー,オルガ
(72)【発明者】
【氏名】バーシャ,パラズ
【審査官】松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514346(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0282249(US,A1)
【文献】Journal of chromatography B,2001年,752(2),233-245
【文献】Biochemistry,2007年,46(6) ,1534-1544
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
A61K 39/395
C12P 21/08
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 37/06
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成する方法であって、以下:
pH6.5以上のpHでベドリズマブを含む組成物を提供する工程であって、前記組成物はベドリズマブを発現する哺乳動物細胞培養物に由来するものである、工程と;
ベドリズマブの限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)前に、もしくは薬学的に許容される担体におけるベドリズマブの製剤化前に、ベドリズマブを含む前記組成物を少なくとも10時間インキュベートする工程と;
それにより、ベドリズマブを含む組成物を生成する工程であって、前記組成物が16%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を含む、工程と、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法が、<15%の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、14%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、13%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、12%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、11%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、10%未満の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記インキュベーションが周囲温度で行われる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記インキュベーションが15~30℃で行われる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記インキュベーションが20~25℃で行われる、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約6.5~8.5のpHで提供される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約7.0~8.0のpHで提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約7.0~7.5のpHで提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、またはpH8.5のpHで提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約10~120時間の期間又は約12~120時間の期間、インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約12~96時間の期間もしくは約12~72時間の期間、インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約12~48時間の期間もしくは約24~120時間の期間、インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約24~96時間の期間、約24~72時間の期間もしくは約24~48時間の期間、インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ベドリズマブを含む前記組成物が、少なくとも12時間の期間インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
ベドリズマブを含む前記組成物が、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約96時間もしくは約120時間の期間、インキュベートされる、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む前記組成物が、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含み、前記方法が、BP2のレベルが低下したベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む組成物を生成する、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含み、2%未満、1.5%未満、1%未満、または0.7%未満のBP2を有する組成物を生成する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記哺乳動物細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記CHO細胞培養物が、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現またはグルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップを使用して、哺乳動物宿主細胞タンパク質(HCP)からベドリズマブを含む前記組成物を精製することをさらに含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ベドリズマブを含む前記組成物が、プロテインAを含むアフィニティークロマトグラフィー樹脂を使用して精製される、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗α4β7抗体またはその断片を精製するための方法に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2019年6月10日に出願された、米国仮出願番号第62/859,494号に対する優先権を主張する。前述の出願の内容の全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
配列表
本出願は、ASCIIfフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2020年6月5日に作成された上記ASCIIコピーは、T103022_1090WO_SL.txtという名称であり、10,009バイトのサイズである。
【背景技術】
【0004】
タンパク質の大規模で経済的な精製は、バイオテクノロジー産業においてますます重要な関心事になっている。一般に、生物学的医薬品は、目的の治療用タンパク質を大量に生産するように設計された原核生物、例えば細菌、または真核生物、例えば哺乳動物または真菌の細胞株を使用する細胞培養によって生産される。使用される細胞株は生きている生物体であるので、糖、アミノ酸、及び成長因子を含む複雑な細胞培養培地を供給する必要があり、動物血清の調製物から供給されることもある。例えば、細胞培養培地成分、宿主細胞タンパク質(HCP)、宿主核酸及び/またはクロマトグラフィー材料、ならびに凝集体、誤って折りたたまれた種、または目的のタンパク質の断片などの生成物関連の不純物を含む、プロセス関連不純物からの所望の組換え治療用タンパク質の分離は、ヒトの治療薬として使用するのに十分な純度にするには、手ごわい課題がある。
【0005】
凝集体を含む生成物関連及びプロセス関連の不純物は、精製プロセスを妨害し、保存中にタンパク質に影響を与える可能性があるか、及び/または対象に抗体を投与すると、副作用の原因となる可能性がある(Shukla et al.,J.Chromatogr.B.Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.,848(1),28-39)。
【0006】
従って、効果的に不純物を除去し、タンパク質の回収率を向上させ、及び治療的要件を維持しながら、治療用タンパク質、例えば、抗体の精製の改善方法に関する技術の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、少なくとも部分的に、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を産生するためのプロセスの開発に基づいている。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分は、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分である。以下の態様及び実施形態のいずれかにおいて、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号2に記載のCDR1、配列番号3に記載のCDR2、及び配列番号4に記載のCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号6に記載のCDR1、配列番号7に記載のCDR2、及び配列番号8に記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号1を含む重鎖可変領域及び/または配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号9を含む重鎖及び/または配列番号10を含む軽鎖を含む。例示的な実施形態では、抗α4β7抗体は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0008】
したがって、一態様では、本発明は、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を生成する方法を提供し、この方法は以下を含む:pH6.5より大きいpHで、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を提供すること;ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を少なくとも20分~10時間インキュベートすること;それにより、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を産生すること。
【0009】
別の態様では、本発明は、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物を生成する方法を提供し、この方法は以下を含む:ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物をpH6.5を超えるpHで提供すること;ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を、組成物中の抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の塩基性アイソフォーム種のレベルを低下させるのに十分な時間インキュベートすること;それにより、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物を生成すること。
【0010】
前述の態様のいくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号2に記載のCDR1、配列番号3に記載のCDR2、及び配列番号4に記載のCDR3を含む重鎖可変領域及び/または配列番号6に記載のCDR1、配列番号7に記載のCDR2、及び配列番号8に記載のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号1を含む重鎖可変領域及び/または配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、配列番号9を含む重鎖及び/または配列番号10を含む軽鎖を含む。例示的な実施形態では、抗α4β7抗体は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0011】
いくつかの実施形態では、この方法は、<16%、<15%、<14%、<13%、<12%、<11%または<10%の塩基性アイソフォーム種を有する、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物を生成する。
【0012】
いくつかの実施形態では、インキュベーションは、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の精製中に実施され、このインキュベーションは、(a)抗体の限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)前に、または(b)薬学的に許容される緩衝液中での抗体の製剤化前に行われる。
【0013】
いくつかの実施形態では、このインキュベーションは周囲温度で行われる。いくつかの実施形態では、このインキュベーションは、15~30℃で行われる。いくつかの実施形態では、このインキュベーションは20~25℃で行われる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約6.5~8.5のpHで提供される。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約7.0~8.0のpHで提供される。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物は、約7.0~7.5のpHで提供される。他の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約6.6~7.3のpHで提供される。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、またはpH8.5のpHで提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約10~120時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約10~120時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約12~96時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約12~72時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約12~48時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、少なくとも12時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、少なくとも15~36時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約24~120時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約24~96時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約24~72時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約24~48時間の期間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、約10時間、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約96時間、または約120時間インキュベートされる。
【0016】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、清澄化された細胞培養物の収穫物から精製する方法であり、この方法は(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、及び(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を細胞培養物の収穫物から精製することであって、この抗体が4.0以下のpHに24時間以内に曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分は、対照と比較して、塩基性アイソフォーム種(CEXによって決定される)のレベルが低下しており、この対照は、同じ方法によって生成された、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に対して、より長い期間、すなわち、24時間を超えて曝露される。
【0018】
いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0019】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分、例えば、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物は、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含み、ここで、この方法は、BP2のレベルが低下した、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を生成する。特定の実施形態では、この方法は、2%未満、1.5%未満、1%未満、または0.7%未満のBP2を有する、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物を生成する。
【0020】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する哺乳動物細胞培養物に由来する。特定の実施形態では、哺乳動物細胞培養物は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞培養物である。特定の実施形態では、CHO細胞培養物は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞を含む。特定の実施形態では、CHO細胞培養物は、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、この方法は、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、及び疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)からなる群より選択される1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップを使用して、哺乳動物宿主細胞タンパク質(HCP)からヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物を精製することをさらに含む。
【0022】
特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、プロテインAを含むアフィニティークロマトグラフィー樹脂を使用して精製される。
【0023】
特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、塩基性アイソフォームを減少するために、インキュベーションの前にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの後にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される。
【0024】
特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの前に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの後に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。
【0025】
特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの前に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの後に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される。
【0026】
特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、CHTクロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの前にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される。特定の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、インキュベーションの後にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される。
【0027】
いくつかの実施形態では、この方法は、組成物を医薬製剤に組み込むことを含む。
【0028】
特定の実施形態では、医薬製剤は、凍結乾燥された医薬製剤である。特定の実施形態では、この凍結乾燥された医薬製剤は、乾燥した、凍結乾燥された医薬製剤である。いくつかのそのような実施形態では、この方法は、それが投与に適しているように、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤を液体で再構成するステップをさらに含む。
【0029】
別の実施形態では、この医薬製剤は、液体の医薬製剤である。いくつかのこのような実施形態では、液体の医薬製剤は、ヒトへの皮下投与に好適である。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、塩基性アイソフォーム種のレベルを低下させて精製する方法を提供し、このヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分は、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)によって薬学的に許容される担体中で、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の製剤に対して細胞培養物の収穫からヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の一次回収までの間の総時間のうち少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%についてpH6.5以上に維持される。精製プロセスの大部分において、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分をpH6.5以上のpHに維持することにより、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の塩基性アイソフォーム種を、等価な精製プロセスに対して、すなわちヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)によって、薬学的に許容される担体中で、細胞培養物の収穫物からヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を一次回収して、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を製剤化するまでの合計時間のうち有意な時間、例えば、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、または40%超の間、pH6.5未満のpHであるという、等価な精製プロセスに対して、低減し得る。
【0031】
別の態様では、本発明は、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分の塩基性アイソフォーム種は、組成物中に存在するヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分の15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満を含む。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下した、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、本明細書に記載の方法を使用して生成される。いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、本発明の方法の組み合わせによって生成される。
【0032】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物を生成する方法であり、この方法は以下:(a)ヒト化抗α4β7抗体またはその結合部分抗原及び宿主細胞タンパク質(HCP)を含む試料と陰イオン交換樹脂とのローディング緩衝液の存在下での接触であって、ここで、ローディング緩衝液は11mS/cm以下の導電率を有し、その結果、HCPが陰イオン交換樹脂に結合するような接触と;(b)フロースルーマテリアル(flow through material)を陰イオン交換樹脂から収集することであって、このフロースルーマテリアルが、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む収集と、を含む。
【0033】
別の態様において、本発明は、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物を生成する方法を提供し、この方法は:(a)ヒト化抗α4β7抗体またはその結合部分抗原及び宿主細胞タンパク質(HCP)を含む試料と陰イオン交換樹脂とのローディング緩衝液の存在下での接触であって、ここで、このローディング緩衝液が約11mS/cm以下(例えば、約11mS/cm以下、約10mS/cm以下、約9mS/cm以下、約8mS/cm以下、約7mS/cm以下、約6mS/cm以下、約5mS/cm以下、約4mS/cm以下、約3mS/cm以下、または約2mS/cm以下)の導電率を有し、その結果、HCPが陰イオン交換樹脂に結合するような接触と;(b)陰イオン交換樹脂を溶出緩衝液と接触させることと;(c)フロースルーを陰イオン交換樹脂から収集することであって、このフロースルーが、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む収集と、を含む。
【0034】
上記の態様のいくつかの実施形態では、この方法は、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分、例えば、減少した量のHCPを有するベドリズマブを含む組成物を生成する方法であり、フロースルーは、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分、例えば、ベドリズマブ、及び減少した量のHCPを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、9mS/cm~11mS/cm(例えば、約9mS/cm~約11mS/cm、または約10mS/cm~約11mS/cm)の導電率を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、11mS/cm未満(例えば、11mS/cm未満、10mS/cm未満、9mS/cm未満、8mS/cm未満、7mS/cm未満、6mS/cm未満、5mS/cm未満、4mS/cm未満、3mS/cm未満、または2mS/cm未満)の導電率を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、約9mS/cm、9.5mS/cm、10mS/cm、10.5mS/cm、または11mS/cmの導電率を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、HCPは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞タンパク質である。特定の実施形態では、HCPは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞に由来する。特定の実施形態では、HCPは、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞に由来する。
【0039】
いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、洗浄緩衝液で洗浄される。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、11mS/cm以下の導電率を有する。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は9mS/cm~11mS/cmの導電率を有する。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、11mS/cm未満の導電率を有する。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、約9mS/cm、9.5mS/cm、10mS/cm、10.5mS/cm、または11mS/cmの導電率を有する。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、ローディング緩衝液と同じ導電率を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、20~150mMの塩、50~125mMの塩、または75~100mMの塩を含む。一実施形態では、この塩は塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。例えば、緩衝液は、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、または約150mMの塩化ナトリウムを含んでもよい。さらに、または代替的に、緩衝液は、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、または約150mMのリン酸ナトリウムを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、20~150mMの塩、50~125mMの塩、または75~100mMの塩を含む。一実施形態では、この塩は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。例えば、緩衝液は、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、または約150mMの塩化ナトリウムを含んでもよい。さらに、または代替的に、緩衝液は、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、または約150mMのリン酸ナトリウムを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、ローディング緩衝液の導電率またはそれより低い導電率を有する。いくつかの実施形態では、洗浄緩衝液は、ローディング緩衝液と同じ導電率を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、陰イオン交換カラムまたは陰イオン交換膜としてフォーマットされている。
【0046】
いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、第四級アミン官能基を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)及びHCPを含む試料は、1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップ後の哺乳動物細胞培養物に由来する。特定の実施形態では、1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップは、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のステップを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppmである。4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である。
【0049】
いくつかの実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、導電率が12mS/cmを超えるローディング緩衝液を使用して同じ試料を使用してこの方法を実行したときに生成されるフロースルー内のHCPの量に対して、少なくとも50%(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または、少なくとも約98%または約98%超)減少する。
【0050】
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む緩衝液への限外濾過及び/またはダイアフィルトレーションを含むプロセスによって、フロースルーを処理して緩衝液を交換することをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、この方法は、組成物を医薬製剤に組み込むことを含む。
【0052】
特定の実施形態では、この医薬製剤は、凍結乾燥された医薬製剤である。特定の実施形態では、凍結乾燥された医薬製剤は、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤である。いくつかのそのような実施形態では、この方法は、それが投与に適するように、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤を液体で再構成するステップをさらに含む。
【0053】
別の実施形態では、この医薬製剤は、液体の医薬製剤である。いくつかのこのような実施形態では、液体の医薬製剤は、ヒトへの皮下投与に好適な医薬製剤である。
【0054】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、本発明の任意の方法によって生成されるヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物である。ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物も本明細書で提供され、この組成物は、本発明の任意の方法によって得られる。いくつかの実施形態では、組成物中のHCPの量は、8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppm以下、4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である。別の実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)の塩基性アイソフォーム種は、組成物中に存在する抗体種の16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物は、本発明の方法の組み合わせによって生成される。
【0056】
別の態様において、本発明は、混合モードクロマトグラフィー樹脂からの溶出後に回収されたヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)の収量を増大させる方法に関し、この方法は、混合モードクロマトグラフィー樹脂を平衡化緩衝液を用いて平衡化することと、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む溶液及びローディング緩衝液を、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が混合モードクロマトグラフィー樹脂に結合するように混合モードクロマトグラフィー樹脂にロードすることと、この混合モードクロマトグラフィー樹脂を洗浄緩衝液で洗浄し、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を溶出緩衝液で、混合モードクロマトグラフィー樹脂から溶出することとを含み、ここで平衡化緩衝液、ローディング緩衝液及び/または洗浄緩衝液のpHは7.0以下である。
【0057】
一実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液のpHは6.0~7.0である。別の実施形態では、平衡化緩衝液は、ローディング緩衝液及び/または洗浄緩衝液のpHは6.5~7.0である。別の実施形態では、平衡化緩衝液は、ローディング緩衝液及び/または洗浄緩衝液のpHは、6.6~6.8である。
【0058】
別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩濃度は、30mM~70mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩濃度は、40mM~70mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩濃度は50mM~65mMである。別の実施形態では、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩濃度は55mM~65mMである。別の実施形態では、この塩は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。
【0059】
別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度は、30mM~70mMである。別の実施形態では、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度は、40mM~70mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度は、40mM~60mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度は、45mM~55mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度は、約50mMである。別の実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液はさらにリン酸ナトリウムを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液のpHは同じである。いくつかの実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液の塩濃度は同じである。いくつかの実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液は同じ緩衝液であってもよい。前述の態様のいくつかの実施形態では、混合モード樹脂は、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂、例えば、CHT樹脂であってもよい。
【0061】
別の態様において、本明細書に提供されるのは、抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物であって、この組成物が、抗α4β7抗体の16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満の総塩基性アイソフォーム種を含み、この塩基性アイソフォーム種が抗α4β7抗体の主要なアイソフォームと比較して正味の正電荷を有し、この抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域及び配列番号2を含む軽鎖可変領域を含む組成物である。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種は、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーによって定量され得る。例えば、いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種は、主要なアイソフォームに対応するピークよりも陽イオン交換(CEX)樹脂からより緩徐に溶出するピークの相対面積を決定することによって定量され得る。
【0062】
従って、別の態様において、本明細書に提供されるのは、抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物であって、この組成物が、抗α4β7抗体の16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満の総塩基性アイソフォーム種を含み、この塩基性アイソフォーム種は、抗α4β7抗体の主要なアイソフォームと比較して正味の正電荷を有し、この主要なアイソフォームに相当するピークよりも陽イオン交換(CEX)樹脂から緩徐に溶出するピークの相対面積を決定することによって定量され得、この抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む、組成物である。
【0063】
いくつかの実施形態では、この組成物は、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は2%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は1.5%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は1%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は0.7%未満のBP2を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも3である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも5である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも7である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも10である。
【0065】
いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の8%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の7%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の6%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の5%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。
【0066】
別の態様では、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される組成物及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物のpHは、6.0~7.0の間である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物のpHは、約pH6.3である。他の実施形態では、この薬学的組成物のpHは、pH6.3~pH6.5である。
【0067】
いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、アミノ酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、このアミノ酸は、アルギニンまたはヒスチジンである。
【0068】
いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、糖をさらに含む。特定の実施形態では、この糖は、スクロースまたはトレハロースである。
【0069】
いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、アルギニン、ヒスチジン、及びスクロースを含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、アルギニン、ヒスチジン、スクロース及びポリソルベート80を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、少なくとも200mg、少なくとも250mg、または少なくとも300mgの抗α4β7抗体を含む。いくつかの実施形態では、この薬学的組成物は、約300mgの抗α4β7抗体を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0072】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、総塩基性アイソフォーム種が16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満である抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物を生成する方法であって、この方法は、pH6.3より高いpHで抗α4β7抗体を含む組成物を提供すること;抗α4β7抗体を含む組成物を10時間超の期間インキュベートすること;それにより、抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物であって、総塩基性アイソフォーム種が16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満である組成物を生成することを含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域、及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。
【0073】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、総塩基性アイソフォーム種が16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満である抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物を生成する方法であって、この方法は、pH6.3より高いpHでベドリズマブを含む組成物を提供することと;ベドリズマブを含む組成物を、この組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルを低下させるのに十分な時間、インキュベートすることと;それにより、抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物であって、総塩基性アイソフォーム種が16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満である組成物を生成することとを含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域、及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。
【0074】
一般に、塩基性アイソフォーム種は、抗α4β7抗体の主なアイソフォームと比較して正味の正電荷を有する。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種のレベルは、陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)を使用して定量され得る。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種のレベルは、主要なアイソフォームに対応するピークよりも陽イオン交換(CEX)樹脂からより緩徐に溶出するピークの相対面積を決定することによって定量され得る。いくつかの実施形態では、この組成物は、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は2%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は1.5%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は1%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は0.7%未満のBP2を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも3である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも5である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも7である。いくつかの実施形態では、BP2に対するBP1の比は、少なくとも10である。
【0076】
いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の8%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の7%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の6%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は抗α4β7抗体の5%未満の総塩基性アイソフォーム種を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、前述の方法によって得られる抗α4β7抗体を含む組成物である。いくつかの実施形態では、この抗体は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、前述の方法によって得られる抗α4β7抗体を含む組成物である。いくつかの実施形態では、この抗体は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。
【0079】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、ヒト対象の疾患または障害を治療するための方法であり、この方法は、ヒト対象の疾患または障害を治療するために有効な量の抗α4β7抗体(例えば、ベドリズマブ)を含む本明細書で提供される薬学的組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、本明細書で提供されるように、及び/または本明細書で提供される方法に従って生成された、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したか、及び/または宿主細胞タンパク質のレベルが低下している、ベドリズマブの組成物を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域、及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。
【0080】
一実施形態では、この疾患または障害は、炎症性腸疾患(IBD)である。いくつかの実施形態では、IBDは、潰瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、セリアック病、非熱帯性スプルー、血清反応陰性関節症に関連する腸症、顕微鏡的大腸炎または膠原性大腸炎、好酸球性胃腸炎、または直腸結腸切除後に生じる回腸嚢炎、及び回腸肛門吻合である。いくつかの実施形態では、炎症性腸疾患は、クローン病または潰瘍性大腸炎である。治療され得る追加の疾患としては、例えば、原発性硬化性胆管炎(PSC)、及び移植片対宿主病(GVHD)が挙げられる。
【0081】
さらに、本発明はまた、以下の実施形態を含む:
【0082】
1.塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成する方法であって、以下:
pH6.5より高いpHでベドリズマブを含む組成物を提供することと;
ベドリズマブを含む組成物を10時間超インキュベートすることと;
それにより、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成することと、を含む前記方法。
【0083】
2.前記インキュベーションが周囲温度で行われる、項目1に記載の方法。
【0084】
3.前記インキュベーションが15~30℃で行われる、項目1に記載の方法。
【0085】
4.前記インキュベーションが20~25℃で行われる、項目1に記載の方法。
【0086】
5.ベドリズマブを含む前記組成物が約6.5~8.5のpHで提供される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0087】
6.ベドリズマブを含む前記組成物が約7.0~8.0のpHで提供される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0088】
7.ベドリズマブを含む前記組成物が約7.0~7.5のpHで提供される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0089】
8.ベドリズマブを含む前記組成物が、約pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、またはpH8.5で提供される、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
9.ベドリズマブを含む前記組成物が約10~120時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
10.ベドリズマブを含む前記組成物が約12~120時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0092】
11.ベドリズマブを含む前記組成物が約12~96時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0093】
12.ベドリズマブを含む前記組成物が約12~72時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0094】
13.ベドリズマブを含む前記組成物が約12~48時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0095】
14.ベドリズマブを含む前記組成物が少なくとも12時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
15.ベドリズマブを含む前記組成物が約24~120時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0097】
16.ベドリズマブを含む前記組成物が約24~96時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0098】
17.ベドリズマブを含む前記組成物が約24~72時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0099】
18.ベドリズマブを含む前記組成物が約24~48時間の期間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
19.ベドリズマブを含む前記組成物が、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約96時間、または約120時間インキュベートされる、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0101】
20.ベドリズマブを含む前記組成物が、ベドリズマブを発現する哺乳動物細胞培養物に由来する、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0102】
21.前記哺乳動物細胞培養物が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、項目20に記載の方法。
【0103】
22.前記CHO細胞培養物が、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞を含む、項目21に記載の方法。
【0104】
23.前記CHO細胞培養物が、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞を含む、項目21に記載の方法。
【0105】
24.アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップを使用して、哺乳動物宿主細胞タンパク質(HCP)からベドリズマブを含む組成物を精製することをさらに含む、先行する項目のいずれか1項に記載の方法。
【0106】
25.ベドリズマブを含む前記組成物が、プロテインAを含むアフィニティークロマトグラフィー樹脂を使用して精製される、項目24に記載の方法。
【0107】
26.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される、項目25に記載の方法。
【0108】
27.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーション後にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される、項目25に記載の方法。
【0109】
28.ベドリズマブを含む前記組成物が陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目24に記載の方法。
【0110】
29.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目28に記載の方法。
【0111】
30.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目28に記載の方法。
【0112】
31.ベドリズマブを含む前記組成物が、陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目24に記載の方法。
【0113】
32.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目31に記載の方法。
【0114】
33.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、項目31に記載の方法。
【0115】
34.ベドリズマブを含む前記組成物が、CHTクロマトグラフィーを使用して精製される、項目24に記載の方法。
【0116】
35.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される、項目34に記載の方法。
【0117】
36.ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される、項目34に記載の方法。
【0118】
37.ベドリズマブを含む組成物であって、項目1~36のいずれか1項に記載の方法によって生成される前記組成物。
【0119】
38.前記塩基性ベドリズマブアイソフォーム種が、組成物中に存在する前記ベドリズマブ種の10%未満を含む、項目37に記載の組成物。
【0120】
39.宿主細胞タンパク質(HCP)の量が減少したベドリズマブを含む組成物を製造する方法であって、以下:
(a)ベドリズマブ及びHCPを含む試料を、ローディング緩衝液の存在下で陰イオン交換樹脂と接触させることであって、ここで、前記ローディング緩衝液の導電率は、HCPが前記陰イオン交換樹脂に結合するように、11mS/cm以下である、前記接触させることと;
(b)前記陰イオン交換樹脂からフロースルーマテリアルを収集することであって、
ここで、前記フロースルーマテリアルは、ベドリズマブ及び減少した量のHCPを含む、前記収集することと、を含む、前記方法。
【0121】
40.前記ローディング緩衝液が9mS/cm~11mS/cmという導電率を有する、項目39に記載の方法。
【0122】
41.前記ローディング緩衝液が10mS/cm以下という導電率を有する、項目39に記載の方法。
【0123】
42.前記ローディング緩衝液が、9mS/cm以下という導電率を有する、項目39に記載の方法。
【0124】
43.前記ローディング緩衝液が約9mS/cm、9.5mS/cm、10mS/cm、10.5mS/cm、または11mS/cmという導電率を有する、項目39に記載の方法。
【0125】
44.前記HCPがチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞タンパク質である、項目39~42のいずれか1項に記載の方法。
【0126】
45.前記HCPが、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞に由来する、項目44に記載の方法。
【0127】
46.前記HCPが、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞に由来する、項目44に記載の方法。
【0128】
47.前記陰イオン交換樹脂を洗浄緩衝液と接触させることをさらに含む、項目39~46のいずれか1項に記載の方法。
【0129】
48.前記洗浄緩衝液が11mS/cm未満の導電率を有する、項目47に記載の方法。
【0130】
49.前記洗浄緩衝液が9mS/cm~11mS/cmという導電率を有する、項目47に記載の方法。
【0131】
50.前記洗浄緩衝液がローディング緩衝液と同じ導電率を有する、項目47に記載の方法。
【0132】
51.前記ローディング緩衝液が塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、項目39~50のいずれか1項に記載の方法。
【0133】
52.前記洗浄緩衝液が塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、項目39~50のいずれか1項に記載の方法。
【0134】
53.前記陰イオン交換樹脂が陰イオン交換カラムまたは陰イオン交換膜としてフォーマットされている、項目39~52のいずれか1項に記載の方法。
【0135】
54.前記陰イオン交換樹脂が第四級アミン官能基を含む、項目39~53のいずれか1項に記載の方法。
【0136】
55.ベドリズマブ及びHCPを含む試料が、1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップに続く哺乳動物細胞培養物に由来する、項目39~54のいずれか1項に記載の方法。
【0137】
56.1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップが、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のステップを含む、項目55に記載の方法。
【0138】
57.溶出液中のHCPの量が8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppm以下、4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である、項目39~56のいずれか1項に記載の方法。
【0139】
58.前記フロースルーマテリアル中のHCPの量が、導電率が12mS/cmを超えるローディング緩衝液を用い、同じ試料を用いて前記方法が実施されたときに生成される前記フロースルーマテリアル中のHCPの量と比較して少なくとも50%減少する、項目39~57のいずれか1項に記載の方法。
【0140】
59.1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む緩衝液への限外濾過及び/またはダイアフィルトレーションを含むプロセスによって溶出緩衝液を交換するために前記フロースルーマテリアルを処理することをさらに含む、項目39~58のいずれか1項に記載の方法。
【0141】
60.項目39~59のいずれか1項に記載の方法で生成されたベドリズマブを含む組成物。
【0142】
61.前記組成物中のHCPの量が、8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppm以下、4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である、項目60に記載の組成物。
【0143】
62.混合モードクロマトグラフィー樹脂からの溶出後に回収されるベドリズマブの収量を増大させる方法であって、前記混合モードクロマトグラフィー樹脂を平衡化緩衝液で平衡化すること、ベドリズマブ及びローディング緩衝液を含む溶液を、前記混合モードクロマトグラフィー樹脂にロードして、ベドリズマブが前記混合モードクロマトグラフィー樹脂に結合するようにすること、洗浄緩衝液で前記混合モードクロマトグラフィー樹脂を洗浄すること、及び溶出緩衝液で前記混合モードクロマトグラフィー樹脂からベドリズマブを溶出することを含み、ここで前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液及び/または前記洗浄緩衝液のpHは7.0以下である、方法。
【0144】
63.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.0~7.0である、項目62に記載の方法。
【0145】
64.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.5~7.0である、項目62に記載の方法。
【0146】
65.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.6~6.8である、項目62に記載の方法。
【0147】
66.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が30mM~70mMである、項目62~65のいずれか1項に記載の方法。
【0148】
67.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が40mM~70mMである、項目66に記載の方法。
【0149】
68.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が50mM~65mMである、項目66に記載の方法。
【0150】
69.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が55mM~65mMである、項目66に記載の方法。
【0151】
70.前記塩が、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、項目66~69のいずれか1項に記載の方法。
【0152】
71.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が、30mM~70mMである、項目62~65のいずれか1項に記載の方法。
【0153】
72.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が40mM~70mMである、項目71に記載の方法。
【0154】
73.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が40mM~60mMである、項目71に記載の方法。
【0155】
74.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が45mM~55mMである、項目71に記載の方法。
【0156】
75.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が約50mMである、項目71に記載の方法。
【0157】
76.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液がさらにリン酸ナトリウムを含む、項目71~75のいずれか1項に記載の方法。
【0158】
77.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが同じである、項目62~76のいずれか1項に記載の方法。
【0159】
78.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が同じである、項目62~77のいずれか1項に記載の方法。
【0160】
79.前記平衡化緩衝液、、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液が同じ緩衝液である、項目62~76のいずれか1項に記載の方法。
【0161】
80.前記混合モード樹脂がセラミックヒドロキシアパタイト樹脂である、項目62~79のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0162】
図1】ベドリズマブの陽イオン交換(CEX)-高速液体クロマトグラフィー(HPLC)プロファイルを示しており、ピークは、酸性種、塩基性種、及びベドリズマブの主要なアイソフォームを表している。
図2】CHTカラムに27mg/mlのタンパク質または35mg/mlのタンパク質をロードした後、標準のセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)平衡化及び洗浄緩衝液を使用して精製したベドリズマブの溶出プロファイルを示している。
図3】CHTカラムに38mg/mlのタンパク質をロードした後、標準のCHT平衡化及び洗浄緩衝液または低pH緩衝液を使用して精製したベドリズマブの溶出プロファイルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0163】
本明細書で提供されるのは、ベドリズマブなどの抗α4β7インテグリン抗体を、例えば、哺乳動物細胞培養物の清澄化された収穫物由来の液体溶液から精製するための方法である。本発明は、とりわけ、抗α4β7インテグリン抗体、またはその抗原結合フラグメント、例えば、ベドリズマブの精製調製物中に存在する、生成物関連物質(例えば、塩基性及び/または酸性アイソフォーム種)及び/またはプロセス関連の不純物(例えば、宿主細胞タンパク質(HCP)、宿主細胞の核酸、ウイルス、クロマトグラフィー材料、及び/または培地成分)の量を制御するための精製方法に関する。ベドリズマブは、比較的疎水性の高い抗体であり、特に抗体が治療用途に必要な純度のレベルで大量に生産される場合、精製に課題がある。
【0164】
I.定義
本発明が、より容易に理解されるために、特定の用語を最初に定義する。
【0165】
細胞表面分子「α4β7インテグリン」または「α4β7」(全体で交換可能に使用)は、α4鎖(CD49D、ITGA4)とβ7鎖(ITGB7)とのヘテロダイマーである。ヒトα4インテグリン及びβ7インテグリン遺伝子GenBank(National Center for Biotechnology Information,Bethesda,Md.)それぞれ、RefSeqアクセッション番号NM_000885及びNM_000889)は、Bリンパ球及びTリンパ球、特にメモリーCD4+リンパ球によって発現される。多くのインテグリンに典型的なα4β7は、休止状態または活性化状態のいずれかで存在する可能性がある。α4β7に対するリガンドは、血管細胞接着分子(VCAM)、フィブロネクチン及び粘膜アドレシン(MAdCAM(例えば、MAdCAM-1))を含む。α4β7インテグリンに結合する抗体は、本明細書では「抗α4β7抗体」と呼ばれる。
【0166】
本明細書で使用される、抗体、またはその抗原結合フラグメントは、α4β7には結合するが、α4β1にもαB7にも結合しない「α4β7複合体に対する結合特異性」を有する。ベドリズマブは、α4β7複合体に対して結合特異性を有する抗体の例である。
【0167】
「約」という用語は、その後に続く値が正確な値ではなく、その値+/-5%という値である範囲の中心点であることを意味する。その値がパーセンテージで示される相対値である場合、「約」という用語は、それに続く値が正確な値ではなく、その値+/-5%という範囲の中心点であることを意味し、その範囲の上限が100%の値を超えることはできない。
【0168】
本明細書で使用される場合、「凝集体」または「凝集体(複数可)」という用語は、2つ以上の抗体または抗体フラグメントの会合を指す。例えば、凝集体は、抗体及び/または抗体フラグメントの二量体、三量体、四量体、または四量体よりも大きい多量体であってもよい。抗体凝集体は、可溶性であってもまたは不溶性であってもよい。凝集分子間の間の会合は、それらが会合する機構に関係なく共有結合または非共有結合のいずれであってもよい。会合とは、凝集した分子間で直接的であっても、それらを一緒に連結する他の分子を介して間接的であってもよい。後者の例としては、限定するものではないが、他のタンパク質とのジスルフィド結合、脂質との疎水性会合、DNAとの電荷会合、浸出プロテインAとの親和性会合、または複数の成分との混合会合が挙げられる。凝集体は、細胞培養でのタンパク質発現中、下流処理でのタンパク質精製中、または保存中に不可逆的に形成され得る。溶液中の凝集体の存在は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(例えば、UV検出を備えたSEC、光散乱検出を備えたSEC(SEC-LSD))、フィールド・フロー・フラクショネーション、分析超遠心分離沈降速度、またはキャピラリー電気泳動-ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS、還元及び非還元)を使用して決定され得る。
【0169】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続された4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(H)鎖及び2つの軽(L)鎖からなる免疫グロブリン分子を指すものである。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略記される)及び重鎖定常領域(CH)から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメインCH1、CH2、及びCH3から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略記される)及び軽鎖定常領域から構成される。この軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。このVH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存されている領域と共に散在する、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域に、さらに細分され得る。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へと、次の順序で配列される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。いくつかの実施形態では、抗体は、フラグメント結晶化可能(Fc)領域を有する。特定の実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプであり、カッパ軽鎖を有する。
【0170】
本明細書で使用される「塩基性種」または「塩基性アイソフォーム種」という用語は、抗体またはその抗原結合部分のバリアント、例えば、ベドリズマブを指し、これは全体的な塩基性電荷によって特徴付けられる。抗体またはその抗原結合部分の塩基性種は、陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー(CEX-HPLC)、CEX-質量分析、または等電点電気泳動などの当該技術分野で公知の様々な方法によって検出され得る。抗体の塩基性種としては、限定するものではないが、電荷バリアント、構造的バリアント、及び/またはフラグメンテーションバリアントが挙げられる。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分を含む組成物は、2つ以上のタイプの塩基性アイソフォーム種を含み得る。いくつかの実施形態では、CEX-HPLC分離中の保持時間の相違に基づいて、複数の塩基性アイソフォーム種を同定し得る。例えば、抗体、例えば、ベドリズマブを含む組成物を、CEX-HPLCを使用して分析する場合、図1に示すように、それぞれが抗体の1つ以上の塩基性アイソフォーム種を表す1つ以上の塩基性アイソフォームピークを同定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種は、アスパラギン酸残基がスクシンイミドに異性化された抗体のアイソフォームである。宿主細胞不純物、または抗体もしくはその抗原結合部分に関連しない他の不純物は、一次配列により、抗体の「塩基性種」もしくは「塩基性アイソフォーム種」、またはその抗原結合部分とは見なされない。
【0171】
本明細書で使用される場合、「緩衝液」という用語は、その酸-塩基コンジュゲート成分の作用によって、pHの変化に抵抗する緩衝溶液を指す。緩衝液は、特定の条件のセット、例えば、処理ステップまたはクロマトグラフィー樹脂もしくは膜などのクロマトグラフィー支持体の制御を仲介する生化学的条件を確立するために使用される。
【0172】
「CDR」または「相補性決定領域」は、「フレームワーク領域」(FR)と称される、より保存された領域内に散在する、超可変性の領域である。本明細書で使用される場合、抗体の「抗原結合フラグメント」または「抗原結合部分」という用語は、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFvフラグメント、一本鎖抗体、機能的重鎖抗体(ナノボディ)、ならびに特異的結合についてインタクトな抗体と競合する、少なくとも1つの所望のエピトープに対する特異性を有する抗体の任意の部分(例えば、エピトープに特異的に結合するのに十分なフレームワーク配列を有する相補性決定領域の単離された部分)を指す。抗原結合フラグメントは、組換え技術によって、または抗体の酵素的もしくは化学的切断によって生成され得る。
【0173】
「クロマトグラフィー支持体」とは、本明細書で用いられる場合、特定の化学組成もしくは特異的な三次元構造の固体もしくは多孔性マトリックス、または特異的化学基もしくは高分子が、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過(サイズ排除クロマトグラフィー)、またはイオン交換クロマトグラフィーを含む、クロマトグラフィーを実行するために固定され得る固体もしくは多孔性マトリックスを指す。クロマトグラフィー支持体の例としては、限定するものではないが、樹脂(例えば、アガロース)または膜が挙げられる。本明細書で使用される「クロマトグラフィーハウジング」とは、クロマトグラフィー支持体を含む構造を指す。クロマトグラフィーハウジングの例としては、カラムもしくはカートリッジ、または他の容器が挙げられる。
【0174】
本明細書で使用される「清澄化された収穫物」という用語は、目的のタンパク質、例えば、抗α4β7抗体を含む液体物質であって、細胞培養物、例えば、発酵バイオリアクターから、1つ以上の工程段階を受けてその物質由来の細胞破片及び粒子状不純物などの固体粒子が除去された後に抽出された抗α4β7抗体を含む液体物質を指す。細胞培養後、通常、遠心分離及び濾過などの分離技術を使用して、典型的には収穫物を精製して細胞及び細胞破片を除去する。最初の清澄化、粒子除去ステップは、例えば、後続のクロマトグラフィーステップ(下流処理)で使用され得る「清澄化された収穫物」をもたらす。清澄化された収穫物は、一般に、本明細書に記載の下流処理ステップなどの下流処理の出発物質である。
【0175】
本明細書で使用される場合、「培養」及び「細胞培養」という用語は、一般に、細胞が制御された条件下で、一般にそれらの自然環境の外で成長する(上流)プロセスを指す。細胞を「培養する」とは、細胞の生存及び/または成長及び/または増殖に適した条件下で細胞を細胞培養培地と接触させることを指す。細胞培養は、特定の実施形態では、目的の組換えタンパク質、例えば、抗α4β7抗体を産生し得る宿主細胞の集団を生成及び維持するための方法、ならびに目的のタンパク質の産生及び収集のための方法及び技術を指す。例えば、発現ベクターが適切な宿主、例えば培養中の宿主細胞に一旦、組み込まれれば、その宿主は、関連するヌクレオチドコード配列の発現、ならびに所望の組換えタンパク質の収集及び精製に適した条件下で維持され得る。「細胞培養」とは、細胞を含む溶液を指す場合もある。
【0176】
本明細書で使用される場合、「下流プロセス」という用語は、目的のタンパク質、例えば、抗体を精製するために、上流プロセスの後に使用される1つ以上の技術を指す。例えば、下流プロセス技術は、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、例としては、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィーなどのイオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、または置換クロマトグラフィーを使用するタンパク質生成物の精製を含む。
【0177】
本明細書で使用される「溶出溶液」または「溶出液」という用語は、目的のタンパク質、例えば、抗体をクロマトグラフィー支持体、例えば、樹脂または膜から置換するように製剤化された水性液体を指す。一実施形態では、溶出溶液は、目的のタンパク質、例えば抗体が、クロマトグラフィー支持体、例えば、樹脂または膜ではなく、溶出溶液と結合することを優先するように、平衡化及び/または洗浄溶液とは異なる生化学的特性を有する。
【0178】
本明細書で使用される「平衡化溶液」という用語は、処理ステップまたはクロマトグラフィー支持体、例えば、クロマトグラフィー操作の初期操作条件を作成するために配合された水性液体を指す。平衡化溶液は、目的のタンパク質、例えば、抗体をロードするため、例えば、固相、例えば、クロマトグラフィー支持体、例えば、樹脂または膜を調製するために使用される。
【0179】
本明細書で使用される「フロースルー操作」は、例えば、クロマトグラフィーステップに関連して、不純物が結合し、クロマトグラフィー支持体と結合したままでありながら、タンパク質がローディング及び洗浄中に溶出するプロセスを指す。
【0180】
「高分子量」または「HMW」という用語は、モノマー抗体よりも大きい分子量を有する抗体複合体を示すために使用される。一実施形態では、HMW凝集体は、約147kDaを超える分子量を有する。高分子量凝集体の存在は、当該技術分野で公知の標準的な方法、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定され得る。
【0181】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体に由来する最小配列を含むキメラ抗体である。ほとんどの部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類等の非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの事例では、ヒト抗体のフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見られない残基を含み得る。これらの改変は、抗体性能をさらに改良するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、超可変CDRループの全てまたは実質的に全てが、非ヒト抗体の超可変CDRループに対応し、FRの全てまたは実質的に全てが、ヒト抗体配列のFRである。このヒト化抗体は、任意選択で、抗体定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト抗体の抗体定常領域(Fc)の少なくとも一部も含む。さらなる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照のこと。
【0182】
精製される抗体を含む溶液に含まれる不純物に関して本明細書で使用される「不純物」という用語は、プロセス関連不純物及び生成物関連不純物の両方を含む。「プロセス関連不純物」という用語は、本明細書において用いる場合、組成物、例えば、タンパク質を含むがそのタンパク質自体には由来しない溶液中に存在する、不純物(複数可)を指す。例えば、プロセス関連の不純物としては、限定するものではないが、細胞培養培地成分、宿主細胞成分(例えば、タンパク質(HCP)、宿主細胞核酸、または脂質含有細胞内構造またはその断片)、ウイルス、緩衝液由来の微量の金属またはイオン、物質処理容器またはクロマトグラフィー支持体からの浸出可能な物質が挙げられる。プロセス関連の不純物は、タンパク質、例えば、抗体の調製(上流及び/または下流の処理)中に形成され得る。本明細書で使用される場合、「宿主細胞不純物」という用語は、宿主細胞株、細胞培養液、または細胞培養によって導入されたタンパク質性、核酸汚染物質、脂質汚染物質、または副産物を指す。「宿主細胞タンパク質」という用語は、宿主細胞株、細胞培養液、または細胞培養によって導入されたタンパク質性副産物を指す。不純物の例としては、限定するものではないが、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質(CHOP)、E.coliタンパク質、酵母タンパク質、シミアンCOSタンパク質、または骨髄腫細胞タンパク質(例えば、NS0タンパク質(BALB/cマウス由来のマウス形質細胞腫細胞))が挙げられる。宿主細胞タンパク質には、宿主細胞発現系で産生される目的のタンパク質は含まれない。例えば、CHO細胞が組換え抗体またはそのフラグメントを産生するために使用される場合、「宿主細胞タンパク質」という用語は、組換え抗体またはそのフラグメント以外の、CHO細胞に由来するタンパク質を包含する。本明細書で使用される「生成物関連不純物」という用語は、目的のタンパク質、例えば、抗体自体に由来する不純物を含む。例えば、生成物関連の不純物としては限定するものではないが、目的の抗体の凝集体、誤って折りたたまれた種、酸化もしくは脱アミド化された種、または低分子量フラグメントが挙げられる。
【0183】
本明細書で使用される場合、「組換え抗体」という用語は、宿主細胞、例えば、哺乳動物宿主細胞に導入された組換え発現ベクター(複数可)上に保持される遺伝子(複数可)の転写及び翻訳の結果として生成される抗体を指す。特定の実施形態では、組換えタンパク質は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA1、IgA2、IgD、またはIgEからなる群より選択されるアイソタイプの抗体である。特定の実施形態では、組換え抗体は、IgG1である。
【0184】
「組換え宿主細胞」という用語(本明細書では「宿主細胞」という用語と交換可能に使用される)は、組換え発現ベクターが導入された細胞を含む。このような用語は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫も指すことを意図することを理解されたい。変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続の世代においてある特定の改変が起こる場合があるので、このような子孫は、実際には、親細胞と同一でない場合があるが、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に依然として含まれる。さらに、特に明記しない限り、「細胞」という用語が使用される場合、例えば、宿主細胞または哺乳動物細胞または哺乳動物宿主細胞は、細胞の集団を含むことを意図することを理解されたい。
【0185】
所望のタンパク質に関して「実質的に精製された」とは、タンパク質を含む精製された試料が、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも97.5%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、または少なくとも99%の所望の組換えタンパク質を含み、不純物が3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、または0.5%未満であることを意味する。
【0186】
本明細書で使用される場合、タンパク質、例えば、抗体、調製物の文脈における「上流プロセス」という用語は、宿主細胞由来のタンパク質(例えば、抗体)の産生及び収集を含む活動を指す(例えば、目的のタンパク質、例えば、抗体を産生するための細胞培養時に)。
【0187】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、連結している別の核酸を増殖し得る核酸分子を指す。この用語には、自己複製核酸構造としてのベクター、ならびに導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターが含まれる。ある特定のベクターは、作動的に連結された核酸の発現を導き得る。かかるベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。
【0188】
本明細書で使用される「洗浄」または「洗浄溶液」という用語は、樹脂または膜などのクロマトグラフィー支持体から未結合の汚染物質を置換するように製剤化された水性液体を指す。いくつかの実施形態では、洗浄物は、目的のタンパク質、例えば抗体をロードした後、及び目的のタンパク質、例えば抗体の溶出の前に、固体支持体、例えば、樹脂または膜上を通過する。一実施形態では、洗浄液は、平衡溶液と同様の生化学的特性を有する。
【0189】
II.抗α4β7インテグリン抗体
本明細書に開示された方法は、抗α4β7インテグリン抗体を含む高度に精製された組成物を大量に製造するために使用され得る。明らかなように、本明細書に記載の抗α4β7インテグリン抗体を産生するための任意の方法は、個別に使用されても、または組み合わせて使用されてもよい。例示的な実施形態では、抗体は、ベドリズマブ、またはベドリズマブの抗原結合領域(複数可)を有する抗体である。ベドリズマブはまた、商標ENTYVIO(登録商標)(Takeda Pharmaceuticals, Inc.)として公知である。ベドリズマブは、ヒトIgG1フレームワーク及び定常領域、ならびにマウス抗体Act-1由来の抗原結合CDRを含むヒト化抗体である。ベドリズマブCDR、可変領域、及び変異Fc領域(Fcエフェクター機能を排除するように変異)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,147,851号に記載されている。
【0190】
ベドリズマブは、α4β7インテグリン、例えば、α4β7複合体に特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体である。ベドリズマブは、α4β7インテグリンと粘膜アドレッシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)との相互作用をブロックし、炎症を起こした胃腸実質組織への内皮を通過したメモリーTリンパ球の移動を阻害する。ベドリズマブは、インテグリンα4β1またはαEβ7に結合することもまたはその機能を阻害することもなく、α4インテグリンと血管細胞接着分子-1(VCAM-1)との相互作用に拮抗しない。
【0191】
α4β7インテグリンは、消化管に優先的に移動するメモリーTリンパ球の個別のサブセットの表面に発現される。MAdCAM-1は主に腸内皮細胞に発現し、腸リンパ組織へのTリンパ球のホーミングに重要な役割を果たす。α4β7インテグリンとMAdCAM-1との相互作用は、潰瘍性大腸炎及びクローン病の特徴である慢性炎症などの粘膜炎症の重要な原因であるとされている。ベドリズマブは、炎症性腸疾患、例としては、クローン病及び潰瘍性大腸炎、回腸嚢炎、例としては、慢性回腸嚢炎、移植片対宿主病、及びHIVの治療に使用され得る。
【0192】
ベドリズマブの重鎖可変領域は、本明細書において配列番号1として提供され、及び ベドリズマブ軽鎖可変領域は、本明細書において配列番号5として提供される。ベドリズマブは、配列番号2のCDR1、配列番号3のCDR2、及び配列番号4のCDR3を含む重鎖可変領域を含む。ベドリズマブは、配列番号6のCDR1、配列番号7のCDR2及び配列番号8のCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。一実施形態では、この抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ベドリズマブ及びベドリズマブの配列はまた、それぞれの全内容が、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、米国特許出願公開2014/0341885号及び米国特許出願公開第2014-0377251号にも開示されている。本明細書に開示される方法は、結合領域、例えば、上記されるCDRまたは可変領域を含む抗体を用いて行ってもよい。
【0193】
本発明の方法は、哺乳動物細胞において抗α4β7抗体、特にベドリズマブまたはベドリズマブの結合領域、すなわち、CDRまたは可変領域を有する抗体を産生するために有用である。
【0194】
抗体産生のための例示的な戦略
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、以下に説明する1つ以上のステップを含む、ベドリズマブの生成及び/または精製を容易にするための1つ以上の追加のステップと併せて実行され得る。ベドリズマブのような組換えタンパク質の長期間、高収率産生のために、哺乳動物宿主細胞を、抗α4β7抗体(例えば、ベドリズマブ)を安定に発現するように操作し得る。例示的な細胞培養プロセス、及びベドリズマブなどのモノクローナル抗体の産生に関する考察は、Li et al.(2010)mAbs 2:5,466-477、及びBirch and Racher(2006)Adv.Drug Delivery Rev.58:671-685(その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0195】
特定の実施形態では、一次回収は、pH低下、遠心分離、及び濾過のステップを順次使用して、生産バイオリアクターの収穫物から細胞及び細胞破片(HCPを含む)を除去することによって進めてもよい。特定の実施形態では、本発明は、前記一次回収由来の試料混合物を、アフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換(AEX)、陽イオン交換(CEX)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(CHT)、及び/または混合モード(MM)精製ステップのうちの1つ以上に供することに関する。いくつかの実施形態では、ステップの順序は、凝集体、不純物、またはアイソフォームのレベルを調節することによって、抗体組成物の結果として生じる品質に影響を与え得る。
【0196】
例示的な一実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、混合モード、陽イオン交換、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0197】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、混合モード、陽イオン交換、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0198】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陽イオン交換、混合モード、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0199】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陰イオン交換、混合モード、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0200】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、混合モード、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陰イオン交換、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0201】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、CHTクロマトグラフィー、陽イオン交換、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0202】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、CHTクロマトグラフィー、陰イオン交換、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0203】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陽イオン交換、CHTクロマトグラフィー、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0204】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陽イオン交換、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0205】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陰イオン交換、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0206】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陰イオン交換、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0207】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陽イオン交換、疎水性相互作用クロマトグラフィー、陰イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0208】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陽イオン交換、陰イオン交換、疎水性相互作用クロマトグラフィーの順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0209】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陰イオン交換、陽イオン交換、疎水性相互作用クロマトグラフィーの順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0210】
別の例示的な実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA)、陰イオン交換、陽イオン交換の順序のステップを含むプロセスを使用して精製され得る。
【0211】
精製ステップは必ずしも互いに直接隣接しているとは限らないことを理解されたい。濾過またはウイルス減少ステップなどの他のさまざまなプロセスステップを、電荷プロファイルに対するクロマトグラフィーステップの順序の影響を乱すことなく、クロマトグラフィーステップの間に挿入してもよい。
【0212】
ベドリズマブ組成物中に存在する塩基性アイソフォーム種のレベルを調節するために、本明細書に記載されるように、インキュベーションステップを前述の精製ステップのいずれかの間に組み込んでもよい。追加的または代替的に、精製プロセスは、本明細書に記載されるように、抗体が低pH条件に曝露される期間を最小化するように適合させてもよい。
【0213】
ベドリズマブ組成物中に存在する宿主細胞タンパク質のレベルを調節するために、陰イオン交換クロマトグラフィーを使用するベドリズマブ精製プロセスの任意の段階で、本明細書に記載の低導電率緩衝液を使用してAEXを実施してもよい。
【0214】
CHTを含む精製プロセスにおいてベドリズマブの収量を調節するために、本明細書に記載のCHT条件を、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを使用するベドリズマブ精製プロセスの任意の段階で使用し得る。
【0215】
本発明の特定の実施形態は、さらなる精製ステップを含む。イオン交換クロマトグラフィー法の前、最中、または後に実行できる追加の精製手順の例としては、エタノール沈殿、等電点電気泳動、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンセファロース(商標)でのクロマトグラフィー、さらなる陰イオン交換クロマトグラフィー及び/またはさらなる陽イオン交換クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインG、抗体、特定の基質、リガンドまたは抗原を捕捉試薬として使用)が挙げられる。
【0216】
特定の実施形態では、非結合フロースルー及び洗浄画分をさらに分画してもよく、標的生成物の純度を提供する画分の組み合わせをプールしてもよい。
【0217】
特定の実施形態では、タンパク質濃度を調整して、抗体製品と生成物関連物質との間の異なる分配挙動を達成し、その結果、純度及び/または収率をさらに向上し得る。特定の実施形態では、ローディング操作中に異なるタンパク質濃度でローディングを実行して、任意の特定の精製ステップの生成物の品質/収率を改善し得る。
【0218】
特定の実施形態では、分離効率及び/または特定の精製ステップの収率を改善するために、カラム温度を独立して変化させてもよい。
【0219】
特定の実施形態では、ローディング及び洗浄溶液マトリックスは、上記の新規の分離が達成され得るように、同様の「樹脂相互作用」挙動を達成しながら、異なってもよいし、または化学物質の混合物から構成されてもよい。例えば、限定ではないが、ローディング溶液及び洗浄溶液は、イオン強度またはpHの点で異なっていてもよく、一方で、洗浄ステップ中に達成される生成物のウォッシュアウトに関して機能は実質的に類似したままである。特定の実施形態では、アミノ酸、糖、PEGなどの添加物を、ローディングステップまたは洗浄ステップに添加して、分離挙動を調節して分離効率及び/または収率を達成し得る。
【0220】
特定の実施形態では、ローディング&洗浄ステップは、標的生成物の品質及び/または収率を達成するための、カラム排出もしくは収集されたプール、またはその両方のレベルにおける、生成物関連の不純度/物質のレベルのインライン、アットライン、またはオフライン測定によって制御され得る。特定の実施形態では、ローディング濃度は、分離効率及び/または収率を改善するために必要な分配を達成するために、溶液または他の溶液によるインラインまたはバッチまたは連続希釈によって動的に制御され得る。
【0221】
本発明の特定の実施形態は、限外濾過及びダイアフィルトレーション工程を使用して、目的のタンパク質、例えば、抗体産物をさらに濃縮及び製剤化する。限外濾過については、Microfiltration and Ultrafiltration: Principles and Applications,L.Zeman and A.Zydney(Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1996)に;及びUltrafiltration Handbook,Munir Cheryan(Technomic Publishing,1986;ISBN No.87762-456-9)に詳細に説明されている。濾過プロセスの1つは、「Pharmaceutical Process Filtration Catalogue」というタイトルのミリポアカタログ、177~202ページ(Bedford,Mass.,1995/96)に記載の通り接線流濾過である。限外濾過とは、一般に、孔径が0.1μm未満のフィルターを使用した濾過を意味すると考えられている。このような小さな孔径のフィルターを使用することにより、抗体などのタンパク質を膜表面上に保持しながら、試料溶液をフィルター膜の孔に浸透させることにより、試料の体積を減らし得る。
【0222】
ダイアフィルトレーションは、メンブレンフィルターを使用して、塩、糖、非水溶媒を除去及び交換し、結合種から分離し、低分子量種を除去するか、及び/またはイオン及び/またはpH環境の急激な変化を引き起こす方法である。微小溶質は、透過液の流量にほぼ等しい速度でダイアフィルトレーションされる溶液に溶媒を加えることによって最も効率的に除去される。これにより、溶液から微小種が一定の量で洗い流され、保持されている目的のタンパク質が効果的に精製される。本発明の特定の実施形態では、ダイアフィルトレーションステップは、任意選択でクロマトグラフィーまたは他の精製工程の前に、本発明に関連して使用される様々な溶液を交換するために、及びタンパク質調製物から不純物を除去するために使用される。
【0223】
ベドリズマブの限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)は、装置及び膜、例えば、PELLICON(登録商標)カセット(MilliporeSigma,Burlington MA)の、例えばポリエーテルスルホンまたは再生セルロース、例えばULTRACEL(登録商標)またはBIOMAX(登録商標)膜という選択で行い得る。一実施形態では、UFは、30kDaの分子量カットオフを有する微小孔性ポリエチレン膜上にキャストされたセルロース膜を使用して実行される。
【0224】
III.レベルが変更された塩基性アイソフォーム種を含むベドリズマブ組成物の調製
哺乳動物宿主細胞からのベドリズマブの調製物は、通常、主要な(major)(または主要な(main))ベドリズマブのアイソフォームに加えて、少量の酸性及び/または塩基性アイソフォーム種を含む。酸性及び塩基性アイソフォーム種は、例えば、陽イオン交換高圧液体クロマトグラフィー(CEX-HPLC)を含む、当該技術分野で公知の方法によって定量され得る。酸性及び塩基性のベドリズマブアイソフォームは、CEX樹脂での保持時間の違いに基づいて主要なアイソフォームから分離され得る。一般に、図1に示すように、ベドリズマブの液体調製物に存在する酸性ベドリズマブアイソフォーム種は主要なアイソフォームに比べて保持時間が短く、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種は、主要なアイソフォームに比べて保持時間が長い。ベドリズマブの調製物は、電荷にわずかな変動があり、その結果、異なる保持時間でCEX樹脂から溶出する、複数の酸性種及び/または複数の塩基性種を含み得る。複数の塩基性ピークは、CEX樹脂上での保持時間に関連して本明細書で参照され、主要なアイソフォームピークに続いてCEX樹脂から溶出する最初の塩基性アイソフォームピークは、本明細書では「塩基性ピーク1」と呼ばれ、主要なアイソフォームピークに続くCEX樹脂から溶出する第2の塩基性アイソフォームピークは、本明細書では「塩基性ピーク2」と呼ばれ、主要なアイソフォームピークに続くCEX樹脂から溶出する第3の塩基性アイソフォームピークは、本明細書では「塩基性ピーク3」などと呼ばれる。
【0225】
医薬抗体調製物において、主要なアイソフォームとして存在する抗体のパーセンテージを最大化する一方で、塩基性及び/または酸性アイソフォームのパーセンテージを最小化することが望ましい場合がある。本発明は、一態様では、ベドリズマブを含む組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォームのパーセンテージを調節する方法を提供する。この方法は、ベドリズマブアイソフォームの分布がpHの変化によって調節できるという驚くべき発見に基づいている。ベドリズマブの塩基性アイソフォームは、pHの変動に特に敏感である。本明細書に記載されるように、アイソフォーム分布におけるこのpH依存性調節は、少なくとも部分的に、塩基性ピーク2のレベルの変動、及びそれに伴うベドリズマブ主要なアイソフォームのレベルの変動によって駆動される。
【0226】
理論に拘束されることを望まないが、本明細書で提供される発見に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも2つの塩基性アイソフォーム種がいくつかのベドリズマブ調製物に存在すると考えられている。第1に、CEX樹脂から「塩基性ピーク1」として溶出することは、IgG重鎖のカルボキシ末端にリジン残基が存在することに起因する。第2に、CEX樹脂から「塩基性ピーク2」として溶出することは、抗体の1つ以上のアスパラギン酸残基が異性化してスクシンイミド中間体を形成することに起因する。特定の実施形態では、1つ以上のアスパラギン酸残基は、異性化を受けて、スクシンイミド中間体を形成している。アスパラギン酸に隣接するグリシンまたはセリン残基は「n+1位置」(カルボキシ末端に隣接し1アミノ酸近い)で、アスパラギン酸残基のスクシンイミドへの異性化に有利に働く場合がある。配列番号1の残基102のアスパラギン酸の代わりにスクシンイミドを含むベドリズマブのこのバリアントの同定によって、この塩基性アイソフォームバリアントを、いくつかの実施形態では、ベドリズマブ調製物において低減、最小化、または除去することが可能になる。いくつかの実施形態では、この塩基性アイソフォームバリアントは、例えば、ベドリズマブを含む調製物を(例えば、CEX樹脂上で)分画すること、及びまた、「塩基性ピーク2」としてCEX樹脂から溶出するベドリズマブの画分としても識別可能である、配列番号1の残基102でアスパラギン酸の代わりにスクシンイミドを含むそれらの画分を除去する(または収集できない)ことを含む方法によって除去され得る。いくつかの実施形態では、この塩基性アイソフォームバリアント(本明細書では「スクシンイミドバリアント」または代替的に「塩基性アイソフォームピーク2」または「BP2」バリアントと呼ばれる)のレベルは、抗体のpH曝露を制御することにより、ベドリズマブの産生及び精製中に最小化され得る。いくつかの実施形態では、この塩基性アイソフォームバリアントのレベルが低下している組成物は、ベドリズマブ主要なアイソフォームの相対的比率の対応する増大を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、この塩基性アイソフォームバリアントのレベルが低下した組成物は、この塩基性アイソフォームバリアントのレベルが上昇した組成物と比較して効力が増大し得る。
【0227】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを精製する方法であり、ここではベドリズマブは、限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)によって、薬学的に許容される担体に、細胞培養物の収穫物からベドリズマブが一次回収されてから、ベドリズマブが製剤化されるまでの合計時間のうち少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の間、pH5.5以上、pH5.6以上、pH5.7以上、pH5.8以上、pH5.9以上、pH6.0以上、pH6.1以上、pH6.2以上、pH6.3以上、pH6.4以上、またはpH6.5以上で維持される。ベドリズマブを精製プロセスのほとんどに関してpH5.5以上、pH5.6以上、pH5.7以上、pH5.8以上、pH 5.9以上、pH6.0以上、pH6.1以上、pH6.2以上、pH6.3以上、pH6.4以上、またはpH6.5以上で維持することによって、塩基性ベンドリズマブアイソフォーム種は、等価な精製プロセスに対して低減され得、このプロセスでは、限外濾過/ダイアフィルトレーションによって、薬学的に許容される担体に、細胞培養物の収穫からベドリズマブが一次回収されてから、ベドリズマブが製剤化されるまでの合計時間のうち有意な時間、例えば、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、または、40%超の間、ベドリズマブは、pH5.5~6.5未満のpHである。いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、1000Lスケール、2000Lスケール、3000Lスケール、4000Lスケール、または5000Lスケールで生産された細胞培養物の収穫物に由来するベドリズマブの調製物を使用して、商業的製造規模で実施される(例えば、、少なくとも3000Lスケール)。
【0228】
したがって、一態様では、本発明は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の低塩基性種組成物を生成する方法を提供し、この方法は、(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここで抗体が3.5以下のpH(例えば、pH2.5~3.5、pH3.0未満、またはpH3.5未満)に、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、3時間以内、5時間以内、7時間以内、10時間以内、または12時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は、3.5以下のpH(例えば、pH2.5~3.5、3.0未満のpH、または3.5未満のpH)に長時間、すなわち、20分超、30分超、45分超、1時間超、3時間超、5時間超、7時間超、10時間超、または12時間超、曝露される。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、対照と比較してより低いレベルのBP2を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセットを含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0229】
別の態様では、本発明は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の低塩基性種組成物を生成する方法を提供し、この方法は、(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここで抗体が4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、15時間以内、18時間以内、または24時間以内曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は、4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に長時間、すなわち、20分超、30分超、45分超、1時間超、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、15時間超、18時間超、または24時間超、曝露される。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、対照と比較してより低いレベルのBP2を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセットを含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0230】
別の態様では、本発明は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の低塩基性種組成物を生成する方法を提供し、この方法は、(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体が4.5以下のpH(例えば、pH4.1~4.5)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は、4.5以下のpH(例えば、pH4.1~4.5)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間の長い期間曝露される。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、対照と比較してより低いレベルのBP2を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセットを含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0231】
別の態様では、本発明は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の低塩基性種組成物を生成する方法を提供し、この方法は、(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体が5.0以下のpH(例えば、pH4.6~5.0)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、または96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は、5.0以下のpH(例えば、pH4.6~5.0)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間超、曝露される。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、対照と比較してより低いレベルのBP2を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセットを含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0232】
別の態様では、本発明は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の低塩基性種組成物を生成する方法を提供し、この方法は、(i)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、(ii)抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体が5.5以下のpH(例えば、pH5.1~5.5)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、または96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体は、5.5以下のpH(例えば、pH5.1~5.5)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間超、曝露される。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、対照と比較してより低いレベルのBP2を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列のセットを含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、この方法は、例えば、1000Lスケール、2000Lスケール、3000Lスケール、4000Lスケール、または5000Lスケール(例えば、少なくとも3000Lスケール)で生産された細胞培養物の収穫物に由来するベドリズマブの調製物を使用して、商業的製造規模で実施される。
【0234】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法は、組成物、例えば、ベドリズマブを含む液体組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォームのレベルを調節するために使用され得る。いくつかの実施形態では、この方法を使用して、低レベルの塩基性ベドリズマブ種を有するベドリズマブ組成物を製造してもよい。
【0235】
一態様では、本発明は、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルを低減するのに十分な時間、pH6.5を超えるpHで組成物をインキュベートすることにより、ベドリズマブを含む組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルを低下させる方法を提供する。一実施形態では、この方法は、周囲温度、例えば、20~25℃で実施される。他の実施形態では、この方法は、2~8℃で実施される。
【0236】
別の態様では、本発明は、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を製造する方法を提供する。この方法は、pH6.5以上のpHでベドリズマブを含む組成物を提供すること、ベドリズマブを含む組成物を、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下するのに十分な時間インキュベートし、それにより、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下しているベドリズマブを含む組成物を生成することを含み得る。
【0237】
ベドリズマブ組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルを効率的に低減するために、インキュベーションは、好ましくは、pH6.5以上のpHで実施される。
【0238】
例示的な実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約pH6.5~9.0である。例えば、ベドリズマブ組成物のpHは、約pH6.5~9.0、pH6.5~8.5、pH6.5~8.0、pH6.5~7.5、またはpH6.5~7.0の範囲であり得る。あるいは、ベドリズマブ組成物のpHは、約pH7.0~9.0、pH7.5~9.0、pH8.0~9.0、またはpH8.5~9.0の範囲であり得る。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約6.5~7.5のpH、例えば、pH6.6~7.3、pH6.6~7.5、pH6.7~7.5、pH6.8~7.5、pH6.9~7.5、pH7.0~7.5、pH7.1~7.5、pH7.2~7.5、pH7.3~7.5、またはpH7.4~7.5の範囲であり得る。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約pH6.5~7.5、pH6.5~7.4、pH6.5~7.3、pH6.5~7.2、pH6.5~7.1、pH6.5~7.0、pH6.5~6.9、pH6.5~6.8、pH6.5~6.75、またはpH6.5~6.6の範囲であり得る。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約7.0~7.5の範囲であり得る。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約7.5~8.0の範囲であり得る。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約8.0~8.5の範囲であり得る。例示的な実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、約pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、pH8.5、pH8.6、pH8.7、pH8.8、pH8.9、またはpH9.0であり得る。
【0239】
上記のpH、例えば、6.5以上のpHでベドリズマブを含む組成物は、ベドリズマブ組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージが減少するのに十分な時間インキュベートされ得る。例示的な実施形態では、インキュベーションは、20分以上、30分以上、45分以上、1時間以上、1.5時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、8時間以上、10時間以上、12時間以上、15時間以上、18時間以上、24時間以上、48時間以上、72時間以上、96時間以上、120時間以上、144時間以上、または168時間以上の期間にわたって行う。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約0.5日以上、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、または7日以上の期間行う。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約20分~約1時間、約20分~約1時間、約20分~約2時間、約20分~約3時間、約1時間~約3時間、約1時間~約5時間、または約5時間~約8時間行ってもよい。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約8時間から約168時間(7日)以上にわたって行ってもよい。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約8~168時間、例えば、約8~144時間(6日)、約8~120時間(5日)、約8~96時間(4日)、約8~72時間(3日)、約8~48時間(2日)、約8~36時間、約8~24時間(1日)、約8~18時間、約8~12時間、約15~36時間、または約8~10時間行ってもよい。他の実施形態では、インキュベーションは、約10時間~約168時間以上、例えば、約10~168時間、約12~168時間、約18~168時間、約24~168時間、約36時間~168時間、約48~168時間、約72~168時間、約96~168時間、約120~168時間、または約144~168時間行ってもよい。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約0.5~7日間、例えば、約0.5~5日、約0.5~4日、約0.5~3日、約0.5~2日、または約0.5~1日行ってもよい。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約1~5日、約1~3日、または約1~2日間行ってもよい。例示的な実施形態では、pH6.5以上でのインキュベーションは、1~2日、1~3日、または1~5日の期間にわたって行う。他の例示的な実施形態では、pH6.5以上でのインキュベーションは、総精製時間、例えば、清澄化された細胞培養物の収穫物の提供から始まり、精製された抗体のUF/DFで終わる期間の25%超の間にわたって行われる。
【0240】
他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォームのパーセンテージを、1%以上、例えば、1.5%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、3.5%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、または100%以上減少させるのに十分な期間行われる。例示的な実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを1%~5%減少させるのに十分な期間行われる。他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを1%~10%減少させるのに十分な期間行われる。他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを2%~10%減少させるのに十分な期間行われる。他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを5%~10%減少させるのに十分な期間行われる。他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを2%~20%減少させるのに十分な期間行われる。他の実施形態では、インキュベーションは、組成物中の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のパーセンテージを5%~20%減少させるのに十分な期間行われる。
【0241】
他の実施形態では、インキュベーションは、抗α4β7抗体(例えば、ベドリズマブ)を含む低塩基性種組成物を生成するのに十分な期間行われ、この組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の総塩基性アイソフォーム種を有する。いくつかの実施形態では、この方法は、塩基性アイソフォームピーク2のレベルが、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満に達するのに十分な時間、pH6.3を超えるpHで組成物をインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、ベドリズマブを含む組成物を、pH6.3よりも高いpH(例えば、pH6.4、pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、pH8.5、pH8.6、pH8.7、pH8.8、pH8.9、またはpH9.0)でインキュベートすること;抗α4β7抗体(例えば、ベドリズマブ)を含む組成物を20分以上、例えば、30分以上、1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、10時間以上、12時間以上、15時間以上、18時間以上、24時間以上、48時間以上、72時間以上、96時間以上、120時間以上、144時間以上、または168時間以上インキュベートすることを含む。
【0242】
インキュベーション中、いくつかの実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、pH6.3以上に維持され得る。インキュベーション中、他の実施形態では、ベドリズマブ組成物のpHは、pH6.5以上に維持され得る。いくつかの実施形態では、ベドリズマブ組成物は、インキュベーション期間の間、ほぼ同じpHに維持される。
【0243】
インキュベーションは、任意の適切な温度で実施され得る。例えば、インキュベーションは、約0~40℃の範囲の温度で実施され得る。別の実施形態では、インキュベーションは、約1~37℃の範囲の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約0~4℃の範囲または4~8℃の範囲の温度で実施される。他の実施形態では、このインキュベーションは周囲温度で行われる。例えば、インキュベーションは、約20~25℃の範囲の温度で実施され得る。他の実施形態では、インキュベーションは、約37℃で実施される。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約1~25℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約5~18℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約15~30℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態では、インキュベーションは、約33~37℃の範囲の温度で実施される。例示的な実施形態では、インキュベーションは、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35 ℃、36℃、37℃、38℃、39℃、または40℃で行われる。
【0244】
前述の方法は、任意選択で、ベドリズマブ組成物のpHを調整する追加のステップを含んでもよい。例えば、ベドリズマブを含む組成物中の塩基性ベドリズマブ種のパーセンテージを低減することが望ましい場合、この方法は、インキュベーションの前に組成物のpHを上げるステップを含んでもよい。例えば、ベドリズマブを含む組成物が6.5未満のpHである場合、この方法は、組成物のpHを6.5以上のpHに上げるステップを含んでもよい。逆に、ベドリズマブを含む組成物中の塩基性ベドリズマブ種のパーセンテージを増大することが望ましい場合、この方法は、インキュベーションの前に組成物のpHを下げるステップを含んでもよい。例えば、ベドリズマブを含む組成物が6.5以下のpHにある場合、この方法は、組成物のpHを6.5未満のpHに下げるステップを含んでもよい。
【0245】
ベドリズマブを含む組成物は、液体溶液であってもよい。いくつかの実施形態では、ベドリズマブを含む組成物は、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を産生するために使用される宿主細胞に由来する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞、またはグルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞である。
【0246】
前述の方法は、細胞培養からの抗体の単離に続くベドリズマブ精製の小規模または大規模プロセスに組み込んでもよい。特定の実施形態では、宿主細胞培養物からのベドリズマブの一次回収、例えば、バイオリアクター収穫は、遠心分離及び濾過のステップを使用し得る。本明細書に記載の方法は、遠心分離の前もしくは後に、及び/または濾過の前もしくは後に、ベドリズマブ組成物に対して実施して、精製の対応する段階で組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルを低下し得る。一次回収後、プロセス関連の不純物及び/または生成物関連の不純物からベドリズマブを精製するために使用され得る下流の工程段階としては、限定するものではないが、アフィニティークロマトグラフィー(プロテインAクロマトグラフィーなど)、深層濾過、陽イオン交換(CEX)、陰イオン交換(AEX)、混合モードクロマトグラフィー(MM)、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(CHT)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、限外濾過、及び/またはダイアフィルトレーションが挙げられる。本明細書に記載の方法は、下流の工程段階の前または後にベドリズマブ組成物に対して実施して、精製の対応する段階で組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルを低下し得る。
【0247】
例えば、ベドリズマブ組成物は、アフィニティークロマトグラフィーの前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートされ得る。1つの実施形態において、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、アフィニティークロマトグラフィーロードマテリアル、またはアフィニティークロマトグラフィーの溶出液のpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0248】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、深層濾過の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートされ得る。一実施形態では、この方法は、pH6.5以上のpHで深層濾過の前または後にベドリズマブ組成物のpHを調整することを含んでもよい。
【0249】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、陽イオン交換(CEX)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートされ得る。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、CEXロードマテリアル、またはCEX溶出液のpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0250】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、陰イオン交換(AEX)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートされてもよい。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、AEXロードマテリアル、またはAEXフロースルーのpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0251】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、混合モードクロマトグラフィー(MM)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートしてもよい。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、MMロードマテリアル、またはMM溶出液のpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0252】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、セラミックヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(CHT)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートしてもよい。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、CHTロードマテリアル、またはCHT溶出液のpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0253】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートされ得る。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物、例えば、HICロードマテリアル、またはHIC溶出液のpHを、pH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0254】
別の実施形態では、ベドリズマブ組成物は、限外濾過及び/またはダイアフィルトレーション(UF/DF)の前または後に、本明細書に記載されるようにインキュベートしてもよい。一実施形態では、この方法は、ベドリズマブ組成物のpHをUF/DFの前または後にpH6.5以上のpHに調整することを含んでもよい。
【0255】
IV.含んでいる塩基性アイソフォーム種が減少したベドリズマブ組成物
いくつかの態様において、本発明は、低レベルの塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を含むベドリズマブ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種のレベルが減少した組成物は、本明細書に提供される方法(例えば、セクションIII及び実施例を参照のこと)により得ることができる。いくつかの実施形態では、塩基性アイソフォーム種のレベルが減少している組成物は、本明細書に提供される方法(例えば、セクションIIIを参照されたい)により生成される。したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、ベドリズマブを含む組成物であって、この組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルを減少させるために十分な時間、pH6.5より大きいpHでベドリズマブを含む組成物をインキュベートすることをとりわけ含む、方法によって生成される、組成物である。インキュベーションに続いて、ベドリズマブを含む組成物を、例えば、組成物中のプロセス由来の不純物及び/または生成物由来の不純物のレベルを低減するように設計された、さらなる精製ステップに任意選択で供してもよい。
【0256】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む組成物であって、上記の方法によって、例えば、精製プロセス中に抗体が低pH条件に曝露される期間を制限することによって得られる組成物である。
【0257】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物であって、この組成物が、とりわけ、以下(i)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供することと、(ii)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体またはその抗原結合部分が3.5以下のpH(例えば、pH2.5~3.5、pH3.0未満、またはpH3.5未満)に、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、3時間以内、5時間以内、7時間以内、10時間以内、または12時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体が、3.5以下のpH(例えば、pH2.5~3.5、3.0未満のpH、または3.5未満のpH)に長時間、すなわち、20分超、30分超、45分超、1時間超、3時間超、5時間超、7時間超、10時間超、または12時間超、曝露されることと、を含む方法によって獲得可能な組成物である。
【0258】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物であって、この組成物が、とりわけ、以下(i)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供することと、(ii)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体またはその抗原結合部分が4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に、20分以内、30分以内、45分以内、1時間以内、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、15時間以内、18時間以内または24時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体が、4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に長時間、すなわち、20分超、30分超、45分超、1時間超、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、15時間超、18時間超、または24時間超、曝露されることと、を含む方法によって獲得可能な組成物である。
【0259】
別の態様では、本明細書に提供されるのは、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物であって、この組成物が、とりわけ、以下(i)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供することと、(ii)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体またはその抗原結合部分が4.5以下のpH(例えば、pH4.1~4.5)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、または96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体が、4.5以下のpH(例えば、pH4.1~4.5)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間超、曝露されることと、を含む方法によって獲得可能な組成物である。
【0260】
別の態様では、本明細書に提供されるのは、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物であって、この組成物が、とりわけ、以下(i)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供することと、(ii)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体またはその抗原結合部分が5.0以下のpH(例えば、pH4.6~5.0)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、または96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体が、5.0以下のpH(例えば、pH4.6~5.0)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間超、曝露されることと、を含む方法によって獲得可能な組成物である。
【0261】
別の態様では、本明細書に提供されるのは、ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を含む組成物であって、この組成物が、とりわけ、以下(i)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分発現する組換え宿主細胞の培養物から得られる清澄化された細胞培養物の収穫物を提供することと、(ii)ベドリズマブ、またはその抗原結合部分を、細胞培養物の収穫物から精製することであって、ここでこの抗体またはその抗原結合部分が5.5以下のpH(例えば、pH5.1~5.5)に、3時間以内、5時間以内、10時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、48時間以内、72時間以内、または96時間以内、曝露され、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照に比較して塩基性アイソフォーム種のレベルが、低下しており(CEXによって決定される)、この対照が、同じ方法で作製された抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を含む組成物であり、この抗体が、5.5以下のpH(例えば、pH5.1~5.5)に長時間、すなわち、3時間超、5時間超、10時間超、12時間超、18時間超、24時間超、36時間超、48時間超、72時間超、または96時間超、曝露されることと、を含む方法によって獲得可能な組成物である。
【0262】
前述の態様のいくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0263】
前述の態様のいくつかの実施形態では、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を精製するステップは、プロテインAクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせのうち1つ以上を含む。
【0264】
前述の態様のいくつかの実施形態では、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する宿主細胞は、GS-CHO細胞である。他の実施形態では、宿主細胞は、DHFR-CHO細胞である。
【0265】
前述の態様のいくつかの実施形態では、この組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の塩基性アイソフォーム種を含む。
【0266】
前述の態様のいくつかの実施形態では、この組成物は、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の塩基性アイソフォームピーク2を含む。
【0267】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、ベドリズマブの塩基性種が組成物中のベドリズマブアイソフォームの15%以下を含むベドリズマブ組成物である。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、約14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下のレベルの塩基性アイソフォーム種を含むベドリズマブ組成物である。
【0268】
いくつかの実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~15%、1%~14%、1%~13%、1%~12%、1%~11%、1%~10%、1%~9%、1%~8%、1%~7%、1%~6%、1%~5%、1%~4%、1%~3%、または1%~2%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約2%~11%、3%~11%、4%~11%、5%~11%、6%~11%、7%~11%、8%~11%、9%~11%、または10%~11%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~10%、2%~10%、3%~10%、4%~10%、5%~10%、6%~10%、7%~10%、8%~10%、または9%~10%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~9%、2%~9%、3%~9%、4%~9%、5%~9%、6%~9%、7%~9%、または8%~9%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~8%、2%~8%、3%~8%、4%~8%、5%~8%、6%~8%、または7%~8%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~7%、2%~7%、3%~7%、4%~7%、5%~7%、または6%~7%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~6%、2%~6%、3%~6%、4%~6%、または5%~6%である。他の実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約1%~5%、2%~5%、3%~5%、または4%~5%である。例示的な実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルは、約5%以下である。
【0269】
いくつかの実施形態では、ベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のパーセンテージは、本明細書に記載のように、pH6.5を超えるpHでのインキュベーションなしに、同じ方法によって生成されたベドリズマブ組成物中の塩基性アイソフォーム種のパーセンテージに対して約 1%以上、例えば、1.5%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、3.5%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上、または100%以上低下される。
【0270】
ベドリズマブを含む組成物中の塩基性アイソフォーム種のパーセンテージは、CEX-HPLCを含むがこれに限定されない任意の適切な方法によって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)を含む低塩基性種組成物であり、この組成物は、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、または9%未満の抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分の総塩基性アイソフォーム種を含み、この塩基性アイソフォーム種は、抗α4β7抗体またはその抗原結合部分の主要なアイソフォームに対して、CEXで決定されるとおり、正味の正電荷を有し、この抗α4β7抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1を含む重鎖可変領域、及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含む。いくつかのそのような実施形態では、この組成物は、2%未満のBP2、1.5%未満のBP2、1%未満のBP2、または0.7%未満のBP2を含む。いくつかの実施形態では、この組成物は、1.5%~2.5%のBP2、1.2%~2.2%、1%~2%のBP2、1%~1.8%のBP2、1%~1.6%のBP2、1%~1.5%のBP2、0.8%~1.8%のBP2、0.8%~1.6%のBP2、0.8%~1.4%のBP2、0.8%~1.2%のBP2、0.8%~1%のBP2、0.7%~1.7%のBP2、0.7%~1.5%のBP2、0.7%~1.3%のBP2、0.7%~1%のBP2、0.6%~1.6%のBP2、0.6%~1.4%のBP2、0.6%~1.2%のBP2、0.6%~1%のBP2、0.6%~0.8%のBP2、0.5%~1.5%のBP2、0.5%~1.3%のBP2、0.5%~1%のBP2、または0.5%~0.8%のBP2を含む。
【0271】
いくつかの実施形態では、組成物中のBP1対BP2の比は、少なくとも3(例えば、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10)である。いくつかの実施形態では、BP1対BP2の比は、2対12、2対10、2対8、2対6、2対4、3対12、3対11、3対9、3対6、3対5、3対4、4対12、4対11、4対10、4対8、4対6、4対5、5対12、5対11、5対10、5対9、5対8、5対6、6対12、6対11、6対10、6対8、6対7、7対12、7対11、7対10、7対9、7対8、8対12、8対11、8対10、8対9、9対12、9対11、または9対10である。
【0272】
いくつかの実施形態では、低塩基性種の組成物は、8%未満(例えば、7%未満、6%未満、または5%未満)という抗α4β7抗体の総塩基性アイソフォーム種(例えば、ベドリズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、低塩基性種組成物は、4%~8%、4%~7.5%、4%~7%、4%~6.5%、4%~6%、4%~5.5%、4%~5%、5%~8%、5%~7.5%、5%~7%、5%~6.5%、5%~6%、6%~8%、6%~7.5%、または6%~7%という抗α4β7抗体の総塩基性アイソフォーム種(例えば、ベドリズマブ)を含む。
【0273】
いくつかの実施形態では、前述の組成物は、抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)、及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む薬学的組成物に組み込まれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、低塩基性種の抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分(例えば、ベドリズマブ)、及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物である。この抗体製剤は、液体のままであってもよいし、または凍結乾燥された乾燥抗体製剤であってもよい。一態様では、乾燥した凍結乾燥抗体製剤は、150mg、180mg、240mg、300mg、360mg、450mgまたは600mgの抗α4β7抗体を含む単回投与バイアルで提供され、投与用の滅菌水のような液体で再構成されてもよい。別の態様では、抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブは、それを必要としている対象にそれが投与されるまで、容器、例えば、バイアル、シリンジまたはカートリッジ中で、約2~8℃で格納された安定な液体薬学的組成物である。いくつかの実施形態では、シリンジまたはカートリッジは、54mg、108mg、160mg、または216mgの抗体の単回投与を提供し得る。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体の再構成された凍結乾燥製剤または安定な液体薬学的組成物は、限定するものではないが、アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒスチジン、及び/またはヒスチジン一塩酸塩)、糖(例えば、スクロース)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)、及び/または緩衝液(例えば、クエン酸塩、リン酸塩など)を含む1つ以上の賦形剤を含んでもよい。一実施形態では、抗α4β7抗体の再構成された凍結乾燥製剤または安定な液体薬学的組成物は、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン一塩酸塩、スクロース、及び/またはポリソルベート80を含む。別の実施形態では、抗α4β7抗体の再構成された凍結乾燥製剤または安定な液体薬学的組成物は、クエン酸塩、アルギニン、ヒスチジン、及び/またはポリソルベート80を含む。抗α4β7抗体の追加の製剤及び使用は、例えば、米国特許第9,764,033号及び米国特許第10,040,855号に記載されている。前述の特許の各々の内容の全体が、本明細書に参照によって組み込まれる。
【0274】
V.低レベルの宿主細胞タンパク質を含むベドリズマブ組成物の調製
いくつかの態様において、本発明は、減少した量の宿主細胞タンパク質を有するベドリズマブを含む組成物を生成する方法を提供する。この方法は、標準的な操作条件に比べて導電率が低下したAEX緩衝液(例えば、ローディング緩衝液)を使用すると、標準操作条件で生成されたベドリズマブ組成物と比較して、宿主細胞タンパク質(HCP)のレベルが低下したベドリズマブ組成物が得られるという驚くべき発見に基づいている。
【0275】
したがって、一態様では、本発明は、宿主細胞タンパク質(HCP)の量が減少したベドリズマブを含む組成物を製造する方法を提供し、この方法は、ベドリズマブ及びHCPを含む試料を、ローディング緩衝液の存在下で陰イオン交換樹脂と接触することであって、ここでこのローディング緩衝液が、標準的な緩衝液条件と比較して導電率が低下していることと、陰イオン交換樹脂からフロースルーマテリアルを収集することであって、このフロースルーが、ベドリズマブ及び減少した量のHCPを含むこととを含む。例示的な実施形態では、AEXは、ベドリズマブがAEX樹脂に結合せず、別個の溶出ステップなしでフロースルーマテリアルに収集されるフロースルーモードで実行される。
【0276】
陰イオン交換(AEX)の緩衝液導電率の標準動作範囲(例えば、陰イオン交換Q膜吸着装置を介して)は、約11~15mS/cm(平均約13.6mS/cm)である。したがって、いくつかの実施形態では、標準のAEX緩衝液条件は、約11mS/cm以上、約12mS/cm以上、約13mS/cm以上、約14mS/cm以上、または約15mS/cm以上の導電率を有するローディング緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、標準的な緩衝液の導電率は約11mS/cm~約12mS/cm、約11mS/cm~約13mS/cm、約11mS/cm~約14mS/cm、または約11mS/cm~約15mS/cmである。いくつかの実施形態では、標準的な緩衝液の導電率は約14mS/cm~約15mS/cm、約13mS/cm~約15mS/cm、約12mS/cm~約15mS/cm、または約11mS/cm~約15mS/cmである。いくつかの実施形態では、標準的な緩衝液の導電率は約11mS/cm、約12mS/cm、約13mS/cm、約14mS/cm、または約15mS/cmである。
【0277】
本明細書に記載の方法で使用される導電率の低下したAEX緩衝液(例えば、AEXローディング緩衝液)は、標準のAEX緩衝液条件と比較して導電率が低下している。例えば、特定の実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約15mS/cm以下、約14mS/cm以下、約13mS/cm以下、約12mS/cm以下、約11mS/cm以下、約10mS/cm以下、約9mS/cm以下、約8mS/cm以下、約7mS/cm以下、約6mS/cm以下、約5mS/cm以下、約4mS/cm以下、約3mS/cm以下、または約2mS/cm以下という導電率を有する。いくつかの実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約11mS/cm以下の導電率を有する。
【0278】
特定の実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約1mS/cm~約11mS/cm、約2mS/cm~約11mS/cm、約3mS/cm~約11mS/cm、約4mS/cm~約11mS/cm、約5mS/cm~約11mS/cm、約6mS/cm~約11mS/cm、約7mS/cm~約11mS/cm、約8mS/cm~約11mS/cm、約9mS/cm~約11mS/cm、または約10mS/cm~約11mS/cm(上記の1つ以上の範囲内の範囲を含む)という導電率を有する。いくつかの実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約11mS/cm~約12mS/cm、約11mS/cm~約13mS/cm、約11mS/cm~約14mS/cm、または約11mS/cm~約14.5mS/cm(上記の1つ以上の範囲内の範囲を含む)という導電率を有する。特定の実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約1mS/cm~約2mS/cm、約1mS/cm~約3mS/cm、約1mS/cm~約4mS/cm、約1mS/cm~約5mS/cm、約1mS/cm~約6mS/cm、約1mS/cm~約7mS/cm、約1mS/cm~約8mS/cm、約1mS/cm~約9mS/cm、約1mS/cm~約10mS/cm、または約1mS/cm~約11mS/cm(上記の1つ以上の範囲内の範囲を含む)という導電率を有する。
【0279】
特定の実施形態では、導電率が低下したローディング緩衝液は、約1mS/cm、約1.5mS/cm、約2mS/cm、約2.5mS/cm、約3mS/cm、約3.5mS/cm、約4mS/cm、約4.5mS/cm、約5mS/cm、約5.5mS/cm、約6mS/cm、約6.5mS/cm、約7mS/cm、約7.5mS/cm、約8mS/cm、約8.5mS/cm、9mS/cm、9.5mS/cm、10mS/cm、10.5mS/cm、11mS/cm、11.5mS/cm、12mS/cm、12.5mS/cm、13mS/cm、13.5mS/cm、14mS/cm、14.5mS/cm、または15mS/cmという導電率を有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、この方法は、ベドリズマブを含むローディング緩衝液の適用に続いて、洗浄緩衝液をAEX樹脂に適用することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、ローディング緩衝液と同じ導電率を有する。他の実施形態では、洗浄緩衝液は、ローディング緩衝液と比較して増加した導電率を有する。他の実施形態では、洗浄緩衝液は、ローディング緩衝液と比較して低下した導電率を有する。
【0281】
いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。例示的な実施形態では、ローディング緩衝液は40~70mMのNaCl(例えば、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mMまたは70mMのNaCl)を含む。いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、55~65mMのNaClを含む。さらに、または代わりに、ローディング緩衝液はリン酸ナトリウムを含んでもよい。例示的な実施形態では、ローディング緩衝液は、20~50mMのリン酸ナトリウム(例えば、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMのリン酸ナトリウム)を含む。いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、35~45mMのリン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、pH6.5以上のpH、例えば、pH6.5~8.5、pH7.0~7.5、pH6.8~7.4などである。いくつかの実施形態では、ローディング緩衝液は、約6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、または8.5のpHである。
【0282】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、フロースルーモードで低導電率緩衝液中で平衡化されたAEX樹脂と抗体を含む溶液とを接触させること、及びフロースルーマテリアルを収集することを含む、α4β7抗体、例えばベドリズマブを精製する方法である。一実施形態では、低導電率溶液は、NaClとpH6.5~8.5の緩衝液との混合物を含む。いくつかの実施形態では、低導電率溶液は、5~15mS/cm、5~11mS/cm、7~10mS/cm または約10mS/cmの導電率を有する。
【0283】
いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、陰イオン交換膜としてフォーマットされている。いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、陰イオン交換クロマトグラフィーカラムとしてフォーマットされている。いくつかの実施形態では、陰イオン交換樹脂は、第四級アミン官能基を含む。例示的なAEX樹脂としては、限定するものではないが、Mustang Q(Pall Corporation,Port Washington,NY)、Sartobind Q(Sartorius GmbH,Goettingen,Germany)が挙げられる。他の例示的なAEX樹脂としては、例えば、Eshmuno Q resin(EMD Millipore,Burlington,MA)及びNuvia Q resin(Bio-Rad,Hercules,CA)が挙げられる。
【0284】
HCPは、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を産生するために使用される宿主細胞に由来し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ベドリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生され、HCPは、CHO細胞タンパク質である。特定の実施形態では、HCPは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞に由来する。特定の実施形態では、HCPは、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞に由来する。
【0285】
特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、約8ppm以下、約7.5ppm以下、約7ppm以下、約6.5ppm以下、約6ppm以下、約5.5ppm以下、約5ppm以下、約4.5ppm以下、約4ppm以下、約3.5ppm以下、約3ppm以下、約2.5ppm以下、約2ppm以下、約1.5ppm以下、または約1ppm以下である。
【0286】
いくつかの実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、1ppm~8ppm、2ppm~8ppm、3ppm~8ppm、4ppm~8ppm、5ppm~8ppm、6ppm~8ppm、または7ppm~8ppm(上記の1つ以上の範囲内を含む)である。いくつかの実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、1ppm~2ppm、1ppm~3ppm、1ppm~4ppm、1ppm~5ppm、1ppm~6ppm、1ppm~7ppm、または1ppm~8ppm(上記の1つ以上の範囲内を含む)である。いくつかの実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、1ppm~3ppm、3ppm~5ppm、または5ppm~7ppmである。
【0287】
特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、標準導電率(例えば、11~15mS/cm以上の導電率)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用してこの方法を実行したときに生成されるフロースルーマテリアル中のHCPの量に対して、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約98%または約98%超、低減されている。
【0288】
特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、約0.5%~約50%、約1%~約50%、約2%~約50%、約5%~約50%、約10%~約50%、約15%~約50%、約20%~約50%、約25%~約50%、約30%~約50%、約35%~約50%、約40%~約50%、または約45%~約50%低減される。特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、標準導電率(例えば、約11~15mS/cm)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用してこの方法を実行した場合に生成されるフロースルー中のHCPの量に対して約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約50%~約85%、約50%~約90%、約50%~約95%、または約50%~約98%低減される。
【0289】
特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、または約90%~約98%低減される。特定の実施形態では、フロースルー中のHCPの量は、標準導電率(例えば、約11~15mS/cm)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用してこの方法を実行した場合に生成されるフロースルー中のHCPの量に対して、約0.5%~約1%、約1%~約2%、約2%~約5%、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%、約50%~約55%、約55%~約60%、約60%~約65%、約65%~約70%、約70%~約75%、約75%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約98%減少される。
【0290】
ベドリズマブ及びHCPを含む試料は、任意選択で、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、及び混合モードクロマトグラフィー、またはそれらの組み合わせなどの1つ以上の追加精製ステップ後に、哺乳動物細胞培養に由来する。さらに、本明細書に記載のAEX法に従って、ベドリズマブを含む試料中のHCPのレベルは、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、及び混合モードクロマトグラフィー、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の追加の精製ステップによって任意選択でさらに低下され得る。
【0291】
したがって、本明細書に記載の方法は、いくつかの実施形態では、ベドリズマブを含む試料中のHCPのレベルをさらに低下させるために1つ以上の追加の精製ステップを含んでもよい。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載のAEX方法を使用し、さらに1つ以上の追加の精製ステップを含む、ベドリズマブを含む組成物中のHCPのレベルを低下させる方法を提供する。1つ以上の追加の精製ステップは、本明細書に記載のAEX法の前または後に実行され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の精製ステップは、1つ以上のクロマトグラフィー分離を含む。例示的な実施形態では、1つ以上の追加の精製工程としては、アフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインAクロマトグラフィー)、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー、または混合モードクロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0292】
例示的な実施形態では、本発明は、ベドリズマブを含む組成物中のHCPのレベルを低下させる方法を提供し、この方法は、ベドリズマブ及びHCPを含む組成物を提供すること、アフィニティークロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィー、及び/または陽イオン交換クロマトグラフィーを実施することによってHCPからベドリズマブを精製すること、さらに本明細書に記載のAEX法を実施することによってHCPからベドリズマブをさらに精製することを含む。一実施形態では、本明細書に記載のAEX法のロードマテリアルは、陽イオン交換溶出液を含む。前述の方法を使用して、11~15mS/cm以上の導電率の陰イオン交換緩衝液を使用して、同じ方法の実施から生じる組成物中に存在するHCPのレベルと比較して、HCPのレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成し得る。
【0293】
別の例示的な実施形態では、本発明は、ベドリズマブを含む組成物中のHCPのレベルを低下させる方法を提供しており、この方法は、ベドリズマブ及びHCPを含む組成物を提供することと、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー及び/またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(例えば、セラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィー)を実施することによってHCPからベドリズマブを精製することと、さらに本明細書に記載のAEX法を実施することによってHCPからベドリズマブをさらに精製することとを含む。一実施形態では、本明細書に記載のAEX法のロードマテリアルは、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー溶出液を含む。前述の方法を使用して、11~15mS/cm以上の導電率の陰イオン交換緩衝液を使用して、同じ方法の実施から生じる組成物中に存在するHCPのレベルと比較して、HCPのレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成し得る。
【0294】
ベドリズマブの内容及び/または宿主細胞タンパク質含有量は、HCP ELISA、クロマトグラフィー(例えば、SEC)、分析的超遠心分離、光散乱(DLSまたはMALLS)、質量分析(例えば、MALDI-TOF MS)、またはナノ粒子追跡分析NTA、NanoSight Ltd、Wiltshire,UK)などのナノスケール測定)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で公知の任意の方法によって測定され得る。
【0295】
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む緩衝液への限外濾過及び/またはダイアフィルトレーションを含むプロセスによって、AEXフロースルーマテリアルを処理して緩衝液を交換することをさらに含む。
【0296】
VI.減少した宿主細胞タンパク質を含むベドリズマブ組成物
いくつかの態様において、本発明は、含んでいる宿主細胞タンパク質が減少したベドリズマブ組成物を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞タンパク質が減少した組成物は、本明細書で提供される方法によって生成される(例えば、セクションVを参照のこと)。したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、ベドリズマブを含む組成物であって、ここでこの組成物は、ベドリズマブ及びHCPを含む試料を、ローディング緩衝液の存在下で陰イオン交換樹脂と接触することであって、ここでこのローディング緩衝液が、標準的な緩衝液条件と比較して導電率が低下していることと、陰イオン交換樹脂からフロースルーマテリアルを収集することであって、このフロースルーが、ベドリズマブ及び減少した量のHCPを含むこととによって生成される。AEX樹脂からの溶出に続いて、フロースルーマテリアルを任意選択で処理して、溶出緩衝液を1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む緩衝液に交換し、それにより、HCPの量が減少した薬学的組成物を形成し得る。この緩衝液交換工程は、例えば限外濾過及び/またはダイアフィルトレーションを含む標準的な方法を使用して実施され得る。
【0297】
HCPは、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を産生するために使用される宿主細胞に由来し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ベドリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生され、HCPは、CHO細胞タンパク質である。特定の実施形態では、HCPは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞に由来する。特定の実施形態では、HCPは、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞に由来する。
【0298】
特定の実施形態では、この組成物中のHCPの量は、約8ppm以下、約7.5ppm以下、約7ppm以下、約6.5ppm以下、約6ppm以下、約5.5ppm以下、約5ppm以下、約4.5ppm以下、約4ppm以下、約3.5ppm以下、約3ppm以下、約2.5ppm以下、約2ppm以下、約1.5ppm以下、または約1ppm以下である。
【0299】
いくつかの実施形態では、この組成物中のHCPの量は、1ppm~8ppm、2ppm~8ppm、3ppm~8ppm、4ppm~8ppm、5ppm~8ppm、6ppm~8ppm、または7ppm~8ppm(上記の1つ以上の範囲内を含む)である。いくつかの実施形態では、この組成物中のHCPの量は、1ppm~2ppm、1ppm~3ppm、1ppm~4ppm、1ppm~5ppm、1ppm~6ppm、1ppm~7ppm、または1ppm~8ppm(上記の1つ以上の範囲内を含む)である。いくつかの実施形態では、この組成物中のHCPの量は、1ppm~3ppm、3ppm~5ppm、または5ppm~7ppmである。
【0300】
特定の実施形態では、この組成物中のHCPの量は、標準導電率(例えば、11~15mS/cm以上の導電率)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用して行われた方法によって生成される組成物中のHCPの量に対して、少なくとも約0.5%、少なくとも約 1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%または約98%超、低減されている。
【0301】
特定の実施形態では、この組成物中のHCPの量は、約0.5%~約50%、約1%~約50%、約2%~約50%、約5%~約50%、約10%~約50%、約15%~約50%、約20%~約50%、約25%~約50%、約30%~約50%、約35%~約50%、約40%~約50%、または約45%~約50%低減される。特定の実施形態では、フロースルーマテリアル中のHCPの量は、標準導電率(例えば、約11~15mS/cm以上の導電率)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用して実行された方法によって生成される組成物中のHCPの量に対して約50%~約55%、約50%~約60%、約50%~約65%、約50%~約70%、約50%~約75%、約50%~約80%、約50%~約85%、約50%~約90%、約50%~約95%、または約50%~約98%低減される。
【0302】
特定の実施形態では、組成物中のHCPの量は、約1%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約40%~約50%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%、または約90%~約98%低減される。特定の実施形態では、フロースルーマテリアル中のHCPの量は、標準導電率(例えば、約11~15mS/cm以上の導電率)を有するローディング緩衝液を用いて同じ試料を使用して実行された方法によって生成される組成物中のHCPの量に対して、約0.5%~約1%、約1%~約2%、約2%~約5%、約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%、約50%~約55%、約55%~約60%、約60%~約65%、約65%~約70%、約70%~約75%、約75%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約98%減少される。
【0303】
ベドリズマブの含量及び/または宿主細胞タンパク質含有量は、HCP ELISA、クロマトグラフィー(例えば、SEC)、分析的超遠心分離、光散乱(DLSまたはMALLS)、質量分析(例えば、MALDI-TOF MS)、またはナノ粒子追跡分析NTA、NanoSight Ltd、Wiltshire,UK)などのナノスケール測定)を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で公知の任意の方法によって測定され得る)。
【0304】
VII.混合モードクロマトグラフィーを使用したベドリズマブの調製
本明細書に記載されているのは、混合モードクロマトグラフィー樹脂からの溶出後のベドリズマブの収量を最大化する緩衝液である。タンパク質の損失は、高濃度のローディング条件(例えば、少なくとも14g/L、15g/L、17g/L、10g/L、25g/L、30g/L、35g/L以上)下のローディング濃度で、例えば、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂を使用した混合モード精製の洗浄ステップ中に発生し得る。混合モード樹脂、例えば、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂のローディング能力を増加させ、ベドリズマブの結果として得られる収率を改善するために、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液を、カラムを洗浄する際に抗体の損失を低減するために最適化し得る。驚くべきことに、本明細書に記載の方法は、混合モード樹脂へのより大きなローディング濃度を可能にし、最終溶出液中の生成物の品質(例えば、凝集体パーセント)を変えることなく、標準混合モード緩衝液と比較して収率を2~3%増大させる。
【0305】
従って、一態様では、本発明は、混合モードクロマトグラフィー樹脂からの溶出後に回収されるベドリズマブの収量を増大させる方法であって、混合モードクロマトグラフィー樹脂を平衡化緩衝液で平衡化すること、ベドリズマブ及びローディング緩衝液を含む溶液を、混合モードクロマトグラフィー樹脂にロードして、ベドリズマブが混合モードクロマトグラフィー樹脂に結合するようにすること、洗浄緩衝液で混合モードクロマトグラフィー樹脂を洗浄すること、及び溶出緩衝液で混合モードクロマトグラフィー樹脂からベドリズマブを溶出することを含み、ここでこの平衡化緩衝液、ローディング緩衝液及び/または洗浄緩衝液のpHは7.0以下である、方法を提供する。混合モードクロマトグラフィー用の標準緩衝液は、より高いpH、すなわち7.2以上のpHにし得る。本発明のいくつかの実施形態では、7.0以下のpHを有する平衡化緩衝液を使用する。いくつかの実施形態では、7.0以下のpHを有するローディング緩衝液を使用する。いくつかの実施形態では、7.0以下のpHを有する洗浄緩衝液を使用する。
【0306】
混合モード精製の洗浄ステップ中にベドリズマブが失われるのを防ぐために、7.0未満の範囲の緩衝液pHを使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、平衡化緩衝液、ローディング緩衝液、及び/または洗浄緩衝液のpHは、7.0未満、6.9未満、6.8未満、6.7未満、6.6未満、6.5未満、6.4未満、6.3未満、6.2未満、6.1未満、6.0未満、5.9未満、5.8未満、5.7未満、5.6未満、または5.5未満であり得る。例えば、緩衝液は、約7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、6.3、6.2、6.1、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、または5.5のpHを有し得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、約7.0~5.5の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約7.0~6.0の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約7.0~6.5の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約6.8~5.8の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約6.8~6.0の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約6.8~6.5の範囲のpHを有する。他の実施形態では、緩衝液は、約6.6~6.8のpHを有する。
【0307】
さらに、または代わりに、ベドリズマブの精製のための混合モードクロマトグラフィー樹脂の平衡化、ロード、及び/または洗浄に用いられる緩衝液は、70mM未満の総塩濃度を有し得る。例えば、緩衝液は、70mM未満、65mM未満、60mM未満、55mM未満、50mM未満、45mM未満、40mM未満、35mM未満、または30mM未満の塩濃度を有してもよい。いくつかの実施形態では、緩衝液は、約70mM、約65mM、約60mM、約55mM、約50mM、約45mM、約40mM、約35mM、または約30mMの塩濃度を有する。他の実施形態では、緩衝液は、30~70mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、40~65mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、40~65mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、50~60mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、40~50mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝液は、45~55mMの範囲の塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、ベドリズマブの精製のためのCHTクロマトグラフィー樹脂の平衡化、ローディング、及び/または洗浄に用いられる緩衝液に存在する塩は、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、ベドリズマブの精製のための混合モードクロマトグラフィー樹脂の平衡化、ローディング、及び/または洗浄に用いられる緩衝液は、70mM未満の塩化ナトリウム濃度を有してもよい。例えば、この緩衝液は、70mM未満、65mM未満、60mM未満、55mM未満、50mM未満、45mM未満、40mM未満、35mM未満、または30mM未満という塩化ナトリウム濃度を有してもよい。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、約70mM、約65mM、約60mM、約55mM、約50mM、約45mM、約40mM、約35mM、または約30mMという塩化ナトリウム濃度を有する。他の実施形態では、この緩衝液は、30~70mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、40~65mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、40~65mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、50~60mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、40~50mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、この緩衝液は、45~55mMの範囲の塩化ナトリウム濃度を有する。いくつかの実施形態では、前述の塩化ナトリウム緩衝液は、リン酸ナトリウムをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、前述の塩化ナトリウム緩衝液は、1~30mMのリン酸ナトリウム、例えば、5~20mMのリン酸ナトリウム、10~20mMのリン酸ナトリウムなどをさらに含んでもよい。例示的な実施形態では、塩化ナトリウム緩衝液は、さらに、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、15mM、20mM、25mM、または30mMという濃度のリン酸ナトリウムを含んでもよい。
【0309】
上記の緩衝液は、ベドリズマブの精製中の混合モードクロマトグラフィー樹脂の平衡化、ローディング及び/または洗浄に使用され得る。例示的な実施形態では、混合モード樹脂は、セラミックヒドロキシアパタイト樹脂であり得る。
【0310】
いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液のうちの2つは、同じpHを有する。いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液のうちの2つは、同じ塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液のうちの2つは、同じpH及び同じ塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液の全てが、同じpHを有する。いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液の全てが、同じ塩濃度を有する。いくつかの実施形態では、平衡化、ローディング、及び洗浄緩衝液の全てが、同じpH及び同じ塩濃度を有する。
【0311】
いくつかの実施形態では、混合モードクロマトグラフィー樹脂をロードした後に回収されるベドリズマブの収量を増大させる方法は、カラムをpH7未満、pH5.5~6.9またはpH6.5~6.8及び塩、例えば、40~60mMまたは45~55mMの濃度のNaClで溶出することを含む。この方法は、7未満のpH、pH5.5~6.9またはpH6.5~6.8でカラムを洗浄することをさらに含み得る。
【0312】
本明細書に記載の緩衝液及び方法は、平衡化、ローディング、及び/または洗浄ステップが、pHが7.0を超える緩衝液、及び/または70mMを超える塩濃度、及び/または70mMを超える塩化ナトリウム濃度を使用して実行される場合の収率に対して、混合モードクロマトグラフィーカラムから溶出されたベドリズマブの収率を改善し得る。いくつかの実施形態では、収率は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、18%、20%以上改善される。いくつかの実施形態では、収率は、7.0より大きいpHを有する緩衝液と比較して2%を超えて改善される。いくつかの実施形態では、収率は、7.0より大きいpHを有する緩衝液と比較して3%を超えて改善される。いくつかの実施形態では、収率は、7.0より大きいpHを有する緩衝液と比較して4%を超えて改善される。いくつかの実施形態では、収率は、7.0より大きいpHを有する緩衝液と比較して5%を超えて改善される。
【0313】
VIII.抗α4β7抗体を含む組成物の純度を評価する方法
抗体、例えば、ベドリズマブを含む組成物の純度は、本明細書に記載の方法を含むがこれに限定されない任意の適切な方法によって評価され得る。
【0314】
(a)塩基性アイソフォーム種の評価
本発明は、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む組成物中の塩基性アイソフォーム種のレベルを調節する、例えば減少させる方法、及びベドリズマブを含む組成物中の主要なアイソフォームのレベルを調節する、例えば、増加させる方法を提供する。ベドリズマブ組成物中に存在する塩基性ベドリズマブアイソフォーム種の相対量、及び主要なベドリズマブアイソフォームの相対量は、実施例のセクションで詳細に説明するように、陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)を使用して測定され得る。CEX法は、全体的な表面電荷に従って抗体種を分画する。移動相を使用して低イオン強度に希釈した後、試験試料をCEXカラム、例えば、適切な緩衝液、例えば、10mMリン酸ナトリウム、pH6.6で平衡化した、Dionex Pro-PacTM WCX-10カラム(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA(USA))などに注入してもよい。その抗体は、同じ緩衝液で塩化ナトリウム勾配を使用して溶出され得る。タンパク質の溶出は、280nmでモニターされ得、ピークは酸性、塩基性、または主要なアイソフォームのカテゴリーに割り当てられる。酸性ピークは、主要なアイソフォームピークよりも短い保持時間でカラムから溶出し、塩基性ピークは、主要なアイソフォームピークよりも長い保持時間でカラムから溶出する。主要なアイソフォームの割合、酸性種の割合の合計、及び塩基性種の割合の合計が報告される。試料の主要なアイソフォーム保持時間は、適合性を決定するために参照標準の保持時間と比較される。特定の実施形態では、CEX-HPLC法が使用される。例えば、ベドリズマブとその酸性及び/または塩基性種とを含む組成物は、上記のように陽イオン交換クロマトグラフィーを使用し、続いて、HPLCを使用して溶出されたピークを分析して分離され得る。一実施形態では、HPLCは、Agilent 1200 HPLCシステム(Agilent,Santa Clara,CA)を使用して実行してもよい。定量は、検出されたピークの相対面積パーセントに基づいている。例示的なベドリズマブ調製物のCEX-HPLCプロファイルを図1に示す。
【0315】
一実施形態では、CEXアッセイ法は、試験試料を低イオン強度に希釈すること、10mMリン酸ナトリウム、pH6.6で平衡化されているCEXカラムに注入すること、この緩衝液中のNaCl勾配でカラムを溶出することと、ピークを280nmでモニターすることと、ピークを酸性、主要、または塩基性として割り当てることとを含み、ここでは酸性ピークは、最初に最短の保持時間で溶出し、主要ピークは二番目溶出し、塩基性ピークは最長の保持時間で溶出し、ピーク面積は定量化されて、その量は全てのピーク面積のパーセントとして計算される。
【0316】
(b)宿主細胞タンパク質レベルの評価
本発明は、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む組成物中の残留宿主細胞タンパク質のレベルを調節する、例えば、減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、ベドリズマブ組成物中に存在する宿主細胞タンパク質の量は、標準的な技術を使用して、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を使用して測定され得る。Cygnus Technologies(Southport,NC(USA))のCHO HCP ELISA Kit 3Gなど、この目的のために設計された多くのELISAキットが市販されている。試験試料中の宿主細胞タンパク質は、固定されたポリクローナル抗CHOHCP抗体を使用して捕捉され得る。次に、捕捉されたタンパク質は、適切な検出剤、例えば、同じ抗体の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識バージョンを使用して検出され得る。この例示的な実施形態では、CHO HCPの濃度に正比例する捕捉されたペルオキシダーゼの量は、ペルオキシダーゼ基質3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して、450nmで比色分析的に測定され得る。HCP濃度は、試験キットに含まれているものなどのCHO HCP標準曲線と比較することで決定され得、抗体調製物中のタンパク質の総レベルのパーセンテージとして報告される。別の実施形態では、HCPは、本明細書に例示されるウサギ-ウサギ(Rabbit-Rabbit)(「RaRa」)法を使用して決定され得る。ポリクローナル抗CHOHCP抗体は、ベドリズマブと同様の製造条件でヌル細胞で製造された収穫物でウサギを免疫することによって生成され、この抗体をアフィニティー精製した。ベドリズマブ試料中の宿主CHO細胞タンパク質は、固定化ポリクローナル抗CHO HCP抗体を使用して捕捉され、次いで、同じ抗体のビオチン標識バージョン、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを使用して検出される。CHO HCPの濃度に正比例する捕捉されたペルオキシダーゼの量は、ペルオキシダーゼ基質3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して、450nmで比色分析的に測定され得る。HCP濃度は、試験キットに含まれているCHO HCP標準曲線と比較して決定され、総タンパク質のパーセンテージとして報告される。別の実施形態では、HCPは、本明細書に例示されるウサギ-ヤギ(Rabbit-Goat)(「RaGo」)法を使用して決定され得る。ポリクローナル抗CHO HCP抗体は、ベドリズマブと同様の製造プロセスを使用して、ヌル細胞で製造された収穫物質でウサギ及びヤギを免疫することによって生成した。抗体プールは独立してアフィニティー精製した。MLN0002試験試料の宿主細胞タンパク質は、固定されたポリクローナルウサギ抗CHO HCP抗体を使用して捕捉され、次いでヤギ抗CHOアフィニティー精製抗体及びロバ抗ヤギIgG試薬(西洋ワサビペルオキシダーゼで標識された)を順次添加することによって検出される。CHO HCPの濃度に正比例する捕捉されたペルオキシダーゼの量は、ペルオキシダーゼ基質3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して、450nmで比色分析的に測定される。HCP濃度は、試験キットに含まれているCHO HCP標準曲線と比較して決定され、総ベドリズマブに対する濃度(ng/mg)として報告される。
【0317】
本明細書で提供される様々な実施形態に関連して使用するのに適したCHO HCPアッセイは、HCPを捕捉するためにポリクローナル抗CHO HCP抗体を使用することを含み、これは、ペルオキシダーゼ基質3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を、450nmで比色分析により定量化される物質に変換するポリクローナル抗CHO HCP抗体の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識バージョンに結合した後に検出される。一実施形態では、本明細書で提供される様々な実施形態に関連して使用するのに適したHCP ELISAは、固定化ポリクローナル抗CHO HCP抗体、好ましくはCygnus Technologies(Southport,NC(USA))のCHO HCP ELISA Kit 3Gを提供された抗体を使用してHCPを補足するELISA法であり、これにより、捕捉されたタンパク質は、同じ抗体の西洋ワサビペルオキシダーゼ標識バージョンによって検出され、捕捉されたペルオキシダーゼの量は、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して450nmで比色分析により測定され、続いて、CHO HCP標準曲線と比較してHCP濃度が決定される。
【0318】
(c)サイズバリアントの評価
特定の実施形態では、本明細書に記載の技術を使用して生成されたクロマトグラフィー試料中の凝集体、モノマー、及びフラグメントのレベルが分析される。本明細書に記載の様々な実施形態では、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、抗体またはその抗原結合部分、例えば、ベドリズマブの集団に存在するモノマー、高分子量(HMW)凝集体、及び低分子量(LMW)分解産物の相対レベルを決定し得る。SEC法は、HMW種及びLMW分解生成物からの抗体モノマーのサイズベースの分離を提供する。試験試料及び参照標準は、適切な緩衝液を使用して、市販のSECカラムを使用して分析され得る。例えば、いくつかの実施形態では、SEC分析は、G3000 SWxlカラム(Tosoh Bioscience、King of Prussia、PA(USA))、またはタンデムに接続された2つのG3000 SWxlカラム、及びアイソクラティックリン酸塩-塩化ナトリウム緩衝液系(pH6.8)を使用して実行し得る。タンパク質種の溶出は280nmでモニターされる。メインのピーク(モノマー)及び総ピーク面積を評価して、純度を決定する。試料の純度(%)(モノマー%として算出した)、HMW凝集体%、及び/またはLMW分解生成物%が報告されている。
【0319】
一実施形態では、SEC分析は、タンデムに接続された2つのG3000 SWxlカラムに試料を注入することを含み、タンパク質種の溶出が280nmでモニターされ、及びメインピーク(モノマー)及び総ピーク面積が測定される、アイソクラティックリン酸塩-塩化ナトリウム緩衝液系(pH6.8)で実行される。
【0320】
IX.薬学的組成物及びその使用
本明細書で提供されるベドリズマブを含む組成物、例えば、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物、及び/または宿主細胞タンパク質のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物は、治療的使用のために医薬製剤に組み込まれ得る。ベドリズマブを含む医薬製剤は、任意の適切な方法によって調製され得る。
【0321】
一態様では、本明細書に記載の組成物を含む医薬製剤は、凍結乾燥された医薬製剤である。一態様では、凍結乾燥製剤は、1つの容器、例えば、バイアルに単回投与として保存され得る。容器、例えばバイアルは、例えば、約2~8℃で冷蔵されるか、または室温、例えば約20℃~35℃、約25℃もしくは約30℃で、それを必要とする対象に投与されるまで、保存される。バイアルは、例えば、10、20、または50ccのバイアルであり得る。容器、例えば、バイアルは、約90~115mg、約95~105mg、少なくとも約100mg、約135~160mg、約145~155mg、少なくとも約150mg、約180~220mg、約190~210mg、約195~205mg、少なくとも約200mg、約280mg~320mg、約290mg~310mg、少なくとも約300mg、約380~420mg、約390~410mg、少なくとも約400mg、約580~620mg、約590~610mg、または少なくとも約600mgの抗α4β7抗体を含んでもよい。一態様では、バイアルは、約200mgの抗α4β7抗体を含む。バイアルは、例えば、約100mg、約108mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、または約600mgの抗α4β7抗体の送達、例えば、製造を可能にするのに十分な抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブを含み得る。例えば、バイアルには、投与量よりも約15%、約12%、約10%または約8%多くの抗α4β7抗体を含み得る。
【0322】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、投与のために滅菌水などの液体で再構成され得る、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤として製剤化される。再構成された製剤の投与は、上記の経路の1つによる非経口注射によってもよい。静脈内注射は、滅菌等張食塩水、緩衝液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水またはリンガー(乳酸またはデキストロース)溶液でさらに希釈することなどによる注入による場合がある。
【0323】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ヒトへの皮下投与に適切な液体医薬製剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体は、皮下注射によって、例えば、治療の開始後または3回目のその後の投与後、約2、3もしくは4週間ごとに、例えば、約54mg、108mg、または約165mgまたは約216mgの用量で投与される。
【0324】
別の態様では、抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブを含む本明細書に記載の組成物は、それを必要としている対象にそれが投与されるまで、容器、例えば、バイアル、シリンジまたはカートリッジ中で、約2~8℃で格納された安定な液体薬学的組成物にある。いくつかの実施形態では、抗α4β7抗体の安定な液体薬学的組成物は、約0%~5.0%、0%~2%、≦2%、≦1%、≦0.6%または≦0.5%の凝集体を含む。シリンジまたはカートリッジは、1mLまたは2mLの容器であってもよく(例えば、160mg/mL用量の場合)または、例えば、より高い用量(少なくとも320mgまたは400mg以上)の場合、2ml以上であってもよい。シリンジまたはカートリッジは、少なくとも約20mg、少なくとも約50mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約100mg、少なくとも約108mg、少なくとも約120mg、少なくとも約155mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約240mg、少なくとも約300mg、少なくとも約360mg、少なくとも約400mg、または少なくとも約500mgの抗α4β7抗体を含み得る。いくつかの実施形態では、容器、例えば、シリンジまたはカートリッジは、約20~120mg、約40mg~70mg、約45~65mg、約50~57mg、または約54mgの抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブを送達するように製造され得る。他の実施形態では、シリンジまたはカートリッジは、約90~120mg、約95~115mg、約100~112mg、または約108mgの抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブを送達するように製造され得る。他の実施形態では、シリンジまたはカートリッジは、約140~250mg、約150~200mg、約160~170mg、約160~250mg、約175mg~210mg、または約160mg、約165mg、約180mgまたは約200mgの抗α4β7抗体、例えば、ベドリズマブを送達するように製造され得る。
【0325】
本明細書に記載の精製組成物を保存及び凍結するために使用され得る容器としては、ポリカーボネートボトル(IV製剤用)またはPETGボトル(皮下製剤用)が挙げられる。製剤をボトルに分注した後、凍結が発生する可能性がある(例えば、摂氏-60度以下)。
【0326】
薬学的組成物は、本明細書で提供される任意のベドリズマブ組成物、例えば、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物、及び/または宿主細胞タンパク質のレベルが低下したベドリズマブと、薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬学的組成物のpHは、6.0~7.0の間であり、例えば、pH6.0~6.2、pH6.0~6.4、pH6.0~6.6、pH6.0~6.8、pH6.1~6.3、pH6.1~6.5、pH6.1~6.7、pH6.1~6.9、pH6.2~6.4、pH6.2~6.6、pH6.2~6.8、pH6.2~7.0、pH6.3~6.5、pH6.3~6.7、pH6.3~6.9、pH6.4~6.6、pH6.4~6.8、pH6.4~7.0、pH6.5~6.7、pH6.5~6.9、pH6.6~pH6.8、pH6.6~7.0、pH6.7~6.9、またはpH6.8~7.0である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、または約7.0のpHである。
【0327】
薬学的組成物は、アミノ酸または糖をさらに補充されてもよい。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、アルギニンまたはヒスチジンなどのアミノ酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、スクロースまたはトレハロースなどの糖をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗α4β7抗体の薬学的組成物は、アルギニン、ヒスチジン、及び/またはポリソルベート80を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗α4β7抗体の薬学的組成物は、クエン酸塩、アルギニン、ヒスチジン、及び/またはポリソルベート80を含む。
【0328】
本明細書で提供されるベドリズマブを含む組成物、例えば、塩基性アイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物、及び/または宿主細胞タンパク質のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物は、インビトロまたはインビボでインテグリンα4β7の活性を阻害する方法で使用され得る。
【0329】
一態様では、本明細書に記載の組成物は、ヒトの疾患または障害を治療するのに有効な量で抗α4β7抗体を含む組成物を対象に投与することを含み、対象の疾患または障害を治療するために使用され得る。ヒト対象は、成人(例えば、18歳以上)、青年、または子供であってもよい。ヒト対象は65歳以上の人である場合もある。
【0330】
一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、免疫調節剤、TNF-アルファアンタゴニスト、またはそれらの組み合わせによる治療で適切な応答の欠如、応答の喪失、または治療に不耐性であった可能性がある対象を治療するために使用される。対象は、以前に少なくとも1つのコルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)による治療を受けており、例えば炎症性腸疾患の治療のためにコルチコステロイドに対して不十分な反応を示し、不耐性であるか、または依存を示した可能性がある。コルチコステロイドに対する不十分な反応とは、プレドニゾン30mgを2週間毎日経口投与するか、静脈内投与で1週間投与するのに等しい用量を含む、少なくとも1回の4週間の誘導レジメンという履歴があるにもかかわらず、持続性の活動性疾患の徴候及び症状を指す。コルチコステロイドに対する応答の喪失とは、コルチコステロイドを、毎日経口でプレドニゾン10mgに匹敵する用量未満に漸減する試みが2回失敗したことを意味する。コルチコステロイドの不耐性としては、クッシング症候群、骨減少症/骨粗しょう症、高血糖症、不眠症及び/または感染という病歴が含まれる。
【0331】
免疫調節剤は、例えば、経口アザチオプリン、6-メルカプトプリン、またはメトトレキサートであり得る。免疫調節剤に対する不十分な反応とは、少なくとも1つの8週間のレジメンまたは経口アザチオプリン(1.5以上mg/kg)、6-メルカプトプリン(0.75mg/kg以上)、またはメトトレキサート(12.5mg/週以上)という履歴にもかかわらず、持続的に活動する疾患の徴候及び症状を指す。免疫調節剤の不耐性としては、限定するものではないが、悪心/嘔吐、腹痛、膵炎、LFT異常、リンパ球減少症、TPMT遺伝子変異及び/または感染が挙げられる。
【0332】
TNFαアンタゴニストとは、例えば、TNFαの生物学的活性を阻害し、かつ好ましくは、TNFα、例えば、モノクローナル抗体、例えば、REMICADE(インフリキシマブ)、HUMIRA(アダリムマブ)、CIMZIA(セルトリズマブペゴル)、SIMPONI(ゴリムマブ)またはENBREL(エタネルセプト)などの循環受容体融合タンパク質に結合する因子である。TNF-αアンタゴニストに対する不十分な反応とは、インフリキシマブ5mg/kg(IV)、少なくとも2週間間隔で2回投与;アダリムマブの80mg皮下投与を1回、その後少なくとも2週間間隔で40mgを1回投与;またはセルトリズマブペゴルの皮下400mg、少なくとも2週間間隔で2回投与という少なくとも1つの4週間の誘導レジメンの履歴があるにもかかわらず、持続的に活動する疾患の徴候及び症状を指す。TNF-αアンタゴニストに対する応答の喪失とは、以前の臨床的利益に続く維持投薬中の症状の再発を指す。TNFαアンタゴニストの不耐性としては、限定するものではないが、注入関連反応、脱髄、うっ血性心不全及び/または感染が挙げられる。
【0333】
潰瘍性大腸炎の対象に対して本明細書で使用される寛解の維持の喪失とは、少なくとも3ポイントのメイヨースコア及び少なくとも2の修正バロンスコア(Modified Baron Score)の増加を指す。
【0334】
一実施形態では、それに応じて治療され得る疾患としては、限定するものではないが、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、セリアック病、非熱帯性スプルー、血清反応陰性関節症に関連する腸症、顕微鏡的大腸炎またはコラーゲン蓄積大腸炎、好酸球性胃腸炎、または直腸結腸切除後に生じる回腸嚢炎、及び回腸肛門吻合が挙げられる。いくつかの実施形態では、炎症性腸疾患は、クローン病または潰瘍性大腸炎である。治療され得る追加の疾患としては、例えば、原発性硬化性胆管炎(PSC)、及び移植片対宿主病(GVHD)が挙げられる。
【0335】
潰瘍性大腸炎は、中等度から重度の活動性の潰瘍性大腸炎(例えば、内視鏡検査のサブスコアが2または3で、メイヨースコアが6~12)であり得る。治療は、中等度から重度の活動性潰瘍性大腸炎に苦しむ患者において、臨床反応の誘導及び維持、臨床的寛解の誘導及び維持、または粘膜治癒をもたらす可能性がある。治療はまた、患者によるコルチコステロイド使用の減少、排除、または減少及び排除をもたらす場合がある(例えば、コルチコステロイドのない寛解)。
【0336】
クローン病は、中等度から重度の活動性クローン病である場合もある(例えば、クローン病活動指数(CDAI)スコア220~450)。治療は、中等度から重度の活動性クローン病に苦しむ患者において、臨床反応を達成するか、または臨床的寛解を達成する場合がある。治療はまた、患者によるコルチコステロイド使用の減少、排除、または減少及び排除をもたらす場合もある(例えば、コルチコステロイドのない寛解)。
【0337】
膵炎及びインスリン依存性糖尿病は、本発明の組成物を使用して治療することができる他の疾患である。MAdCAM(例えば、MAdCAM-1)は、NOD(非肥満糖尿病)マウスの、ならびにBALB/c及びSJLマウス由来の外分泌膵臓のいくつかの血管によって発現されることが報告されている。MAdCAM(例えば、MAdCAM-1)の発現は、NODマウスの膵臓の炎症を起こした膵島の内皮で誘導されたと報告されており、MAdCAM(例えば、MAdCAM-1)は、膵島炎の初期段階でNOD膵島内皮によって発現される主要なアドレッシンであった(Hanninen,A.,et al.,J.Clin.Invest.,92: 2509-2515(1993))。NODマウスを抗MAdCAMまたは抗ベータ7抗体で治療すると、糖尿病の発症が予防された(Yang et al.,Diabetes,46:1542-1547(1997))。さらに、膵島内でα4β7を発現するリンパ球の蓄積が観察され、MAdCAM-1は、炎症を起こした膵島からの血管へのα4β7を介したリンパ腫細胞の結合に(Hanninen,A.,et al.,J.Clin.Invest.,92: 2509-2515(1993))またはマントル細胞リンパ腫の胃腸管に(Geissmann et al.,Am.J.Pathol.,153:1701-1705(1998))関係している。
【0338】
本発明の組成物を使用して治療することができる粘膜組織に関連する炎症性疾患の例としては、胆嚢炎、胆管炎(Adams and Eksteen Nature Reviews 6:244-251(2006)Grant et al.,Hepatology 33:1065-1072(2001))、例えば、原発性硬化性胆管炎、例えば腸のベーチェット病、または胆管周囲炎(胆管及び肝臓の周辺組織)、及び移植片対宿主病(例えば、胃腸管における(例えば、骨髄移植後)(Petrovic et al.Blood 103:1542-1547(2004))が挙げられる。クローン病に見られるように、炎症はしばしば粘膜表面を超えて広がり、したがって、サルコイドーシス、慢性胃炎、例えば自己免疫性胃炎などの慢性炎症性疾患(Katakai et al.,Int.Immunol.,14:167-175(2002))及び他の特発性状態は治療に適している可能性がある。
【0339】
本発明はまた、粘膜組織の白血球浸潤を阻害する方法にも関する。本発明はまた、がん(例えば、リンパ腫などのα4β7陽性腫瘍)を治療するための方法に関する。本発明の製剤を使用して治療され得る粘膜組織に関連する炎症性疾患の他の例としては、乳腺炎(乳腺)及び過敏性腸症候群が挙げられる。
【0340】
病因がMAdCAM(例えば、MAdCAM-1)とα4β7との相互作用を利用する疾患または病原体は、本明細書に記載の製剤中の抗α4β7抗体で治療され得る。そのような疾患の例としては、ヒト免疫不全ウイルスによって引き起こされるような免疫不全障害が挙げられる(例えば、WO2008140602を参照のこと)。
【0341】
本発明の組成物は、そのリガンドへのα4β7インテグリンの結合を阻害する有効量の抗α4β7抗体で投与される。治療の場合、有効量は、所望の治療(予防を含む)効果を達成するのに十分である(例えば、α4β7インテグリン媒介性結合及び/またはシグナル伝達を低減または防止し、それにより白血球の接着及び浸潤及び/または関連する細胞応答を阻害するのに十分な量)。有効量の抗α4β7抗体、例えば、α4β7インテグリンの飽和、例えば中和を維持するのに十分な有効力価は、炎症性腸疾患において臨床反応または寛解を誘導し得る。有効量の抗α4β7抗体は、潰瘍性大腸炎またはクローン病の粘膜治癒につながる場合がある。本発明の製剤は、単位用量で投与されても、または複数用量で投与されてもよい。投薬量は、当該技術分野で公知の方法によって決定され得、例えば、個人の年齢、感受性、耐性、及び全体的な健康状態に依存し得る。投与様式の例としては、経鼻または吸入または経皮投与などの局所経路、栄養チューブまたは坐剤を介するなどの経腸経路、及び静脈内、筋肉内、皮下、動脈内、腹腔内、または硝子体内投与などの非経口経路が挙げられる。一実施形態では、総用量は165mgである。別の実施形態では、総用量は108mgである。別の実施形態では、総用量は216mgである。一実施形態では、総用量は300mgである。
【0342】
いくつかの態様において、本明細書に記載の疾患、例えば、UCまたはクローン病を治療するための投薬レジメンは、2つの段階、誘導期及び維持期を有する。誘導期において、抗体またはその抗原結合フラグメントは、抗体もしくはその抗原結合フラグメントに対する免疫寛容を誘導するなどの特定の目的に、または臨床反応を誘発し、炎症性腸疾患の症状を改善するために適した有効量の抗体もしくはその抗原結合フラグメントを迅速に提供する方法で投与される。患者は、最初に抗α4β7抗体によって治療されるとき、治療が長く無い後に治療されるとき、例えば、抗α4β7抗体療法から、3ヶ月を超えて、4ヶ月を超えて、6ヶ月を超えて、9ヶ月を超えて、1年を超えて、18ヶ月を超えてもしくは2年を超えて後に治療されるとき、または炎症性腸疾患の症状の再発、例えば疾患の寛解からの再発があった場合、抗α4β7抗体療法の維持期中、誘導期治療を施されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導期(誘導段階)レジメンは、維持レジメン中に維持される平均定常状態トラフ血清濃度よりも高い平均トラフ血清濃度、例えば、次の投与の直前の濃度をもたらす。
【0343】
維持期では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、安定したレベルの抗体またはその抗原結合フラグメントを用いた誘導療法によって達成される応答を継続する方法で投与される。維持レジメンは、症状の再発または炎症性腸疾患の再発を防ぎ得る。維持レジメンは、例えば、単純な投薬レジメンであるか、または治療のために必要なのはまれなトリップであるなど、患者に利便性を提供し得る。いくつかの実施形態では、維持レジメンは、例えば、本明細書に記載の製剤において、低用量、まれな投与、自己投与、及び前述のいずれかの組み合わせからなる群より選択される戦略による、抗α4β7抗体またはその抗原結合フラグメントの投与を含み得る。
【0344】
一実施形態では、例えば、治療の誘導期中に、投薬レジメンは、ヒト患者において炎症性腸疾患の寛解を誘導するための、本明細書に記載の製剤中の有効量の抗α4β7抗体または抗原結合フラグメントを提供する。誘導期の期間は、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、または約8週間の治療であり得る。いくつかの実施形態では、誘導レジメンは、抗α4β7抗体またはその抗原結合フラグメントの高用量、頻繁な投与、ならびに高用量と頻繁な投与との組み合わせからなる群より選択される戦略を、例えば、本明細書に記載の製剤において利用し得る。誘導投薬は、1回、または複数の2回以上の投薬、例えば、少なくとも2回の投薬であり得る。誘導期中、用量は、1日1回、1日おき、1週間に2回、1週間に1回、10日に1回、2週間に1回、または3週間に1回投与され得る。いくつかの実施形態では、誘導用量は、抗α4β7抗体による治療の最初の2週間以内に投与される。一実施形態では、誘導投薬は、治療の開始時(0日目)に1回、及び治療の開始後約2週間に1回であり得る。別の実施形態では、誘導期の期間は6週間である。別の実施形態では、誘導期の期間は6週間であり、複数の誘導用量が最初の2週間の間に投与される。
いくつかの実施形態では、例えば、重度の炎症性腸疾患を有する患者の治療を開始する場合(例えば、抗TNFα療法に失敗した患者において)、誘導期は、軽度または中等度の疾患を有する患者よりも長い期間を有する必要がある。いくつかの実施形態では、重度の疾患を有する患者の誘導期は、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも10週間、少なくとも12週間、または少なくとも14週間の期間を有し得る。一実施形態では、重度の疾患を有する患者のための誘導投与レジメンは、0週での投与(治療の開始)、2週での投与、及び6週での投与を含み得る。重度の疾患を有する患者は、0週目(治療の開始)での投与、2週目での投与、6週目での投与、及び10週目での投与を含み得る。
【0345】
この投与は、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、または10週間に1回投与され得る。より高いまたはより頻繁な用量、例えば、隔日、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回は、活動性疾患の寛解を誘導するため、または新しい患者を治療するために、例えば、抗α4β7抗体に対する寛解を誘導するために有用であり得る。2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、または10週間に1回の投与は、予防療法に、例えば、慢性疾患の患者の寛解を維持するために有用であり得る。一態様では、治療レジメンは、0日目、約2週目、約6週目、及びその後1週間または2週間ごとの治療である。特定の態様では、治療レジメンは、0日目、約2週目、約6週目、及びその後8週間ごとの治療である。別の態様では、誘導治療レジメンは、合計6回の治療のための1日おきの治療である。
【0346】
いくつかの態様において、永続的な臨床的寛解、例えば、治療開始後6ヶ月または1年の期間内に世話をする医師による少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回の訪問を通して持続する臨床的寛解が、最適化された投与計画で達成され得る。
【0347】
いくつかの態様において、持続的な臨床反応、例えば、治療開始後、少なくとも6ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも1年持続する臨床反応は、効果的な投薬レジメンで達成され得る。
【0348】
本開示を、以下の実施例でさらに説明する。示された実施例は、単に説明の目的のためであり、いかなる方法でも本開示の範囲も内容も限定するものと解釈されるものではない。
【実施例
【0349】
以下の実施例は、CHO細胞培養物からベドリズマブを精製するための例示的なプロセスにおける様々なステップを説明する。
【0350】
実施例1.ベドリズマブの荷電アイソフォームの制御
ベドリズマブには、酸性、主要、及び塩基性の3つの荷電アイソフォームがある。陽イオン交換(CEX)-HPLCを使用して、酸性、主要、及び塩基性種を表すクロマトグラムの相対面積に基づいて、ベドリズマブのアイソフォーム分布を定量化し得る。これらの3つのベドリズマブ種を示す例示的なCEX-HPLCプロファイルを図1に示す。
【0351】
CEX-HPLCを使用して、ベドリズマブの荷電アイソフォーム分布を、さまざまな条件下での保管後に評価した。表1に要約されているように、ベドリズマブの製造中の工程内保持は、荷電アイソフォーム種の分布に影響を与え、塩基性アイソフォームは保持条件によって最も影響を受けた。

【表1】
【0352】
これらの結果、ベドリズマブの異なるアイソフォーム種の割合が、特定の条件下で抗体を保持することによって予測可能に調節され得ることが示されている。塩基性アイソフォーム種は、約6.5未満のpHでの保持期間では増大する傾向がある。対照的に、塩基性アイソフォーム種は、約6.5を超えるpHでの保持期間では減少する。これらの変化は、パイロットスケール(表2)と製造規模(表3)の両方で製造されたベドリズマブで観察される。
【表2】

【表3】
【0353】
GS-CHO細胞に由来するベドリズマブの荷電アイソフォーム分布を評価するために、追加の実験を行った。ベドリズマブの、主要な酸性、及び塩基性種の割合は、種々のpH(すなわち、pHが4.7、5.1、5.3、5.7、5.9、6.1、6.5、または6.9)で5℃または室温で0~7日間貯蔵後に評価した。表4-11に示すように、pH5.9以上のpHで安定性の向上が観察された。プロテインAの捕捉と溶出に続いて、中和の典型的なpH範囲(pH約4.9~5.2)は、塩基性種の形成の増大と関連していた。ベドリズマブをpH5.9または6.1で保管した場合、pH5.9未満での保存中に観察された塩基性種と比較して、塩基性種の増加は遅くなった。表10及び11に示すように、pH6.5以上のpHでの塩基性化学種の増大は停止するか、または逆にさえなる。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】
【0354】
このデータは、ベドリズマブ調製物中の主要なアイソフォームのレベル及び塩基性アイソフォーム種のレベルがpHによって調節できることを示している。特に、塩基性アイソフォーム種は、抗体を低pH(<pH5.9)にさらすことによって増加し、それに伴い主要なアイソフォームは減少する。塩基性アイソフォーム種のレベルは、pHの低下にさらされると、より急速に、より大きく増加する。さらに、この傾向は、pHの上昇、例えば、>pH6.5にさらされることで可逆的である。
【0355】
実施例2.ベドリズマブの塩基性アイソフォームの低減
ベドリズマブの塩基性アイソフォームの形成に対するpHの影響をさらに評価するために、抗体を高pH条件(200mM Tris、pH9)に曝露し、陽イオン交換(CEX)-HPLCを使用してベドリズマブのアイソフォーム分布を定量した。各条件について、酸性、主要、及び塩基性アイソフォームに対応するクロマトグラムピークの下の相対面積を決定することにより、各ベドリズマブアイソフォームの相対量を定量した。
【0356】
表12に示すように、ベドリズマブの塩基性種に対応する3つのピークがpH6.3(対照)に存在した(すなわち、「塩基性ピーク1」、「塩基性ピーク2」、及び「塩基性ピーク3」)。表12に示すように、pHを上げると、塩基性ピーク2の大幅な低下が観察された。
【表12】

塩基性ピーク2に特徴的な保持時間を有するCEX樹脂から溶出する物質を収集し、酵素分解した後、質量分析(MS)を使用して分析した。スクシンイミドに特徴的なMSピークは、コントロール調製物の塩基性ピーク2 CEX画分に存在したが、pH9への曝露後に分析した調製物には存在しなかった。ベドリズマブの一次アミノ酸配列の分析により、アスパラギン酸のスクシンイミドへの異性化に有利な残基、すなわち、n+1位置
【化1】

のグリシンまたはセリンの近くに位置するベドリズマブのCDR-H3のアスパラギン酸残基が特定された。この発見によって、低pHで観察されたベドリズマブの塩基性種の増大が、このアスパラギン酸残基のスクシンイミドへの異性化に起因する可能性があることが示唆される。中性pHまたはその近くで抗体を維持すると、塩基性ピーク2の形成が遅くなるか、防止され得、pHを上げて(>pH6.9)処理することは、異性化反応を逆転させ、スクシンイミドをアスパラギン酸(またはイソアスパラギン酸)に戻し得る。
【0357】
塩基性ピーク2に対するpHの影響をさらに評価するために、抗体をさまざまなpH条件(pH6.5、pH7、pH8、pH8.5、またはpH9)に曝露した後、CEX-HPLCによって相対ピーク面積を決定した。表13に示すように、塩基性ピーク2は、pHに非常に敏感であり、pHの増加とともに減少し、実施例1で報告された結果と一致している。
【表13】
【0358】
次に、塩基性ピーク2に対応するベドリズマブアイソフォームのレベルを、2つの異なるCHO細胞株(DHFR-CHO及びGS-CHO)に由来するベドリズマブ調製物に基づいて評価した。表14に示すように、DHFR-CHO細胞株とGS-CHO細胞株の両方に由来するベドリズマブ調製物で塩基性ピーク2の減少が観察された。
【表14】
【0359】
実施例3.宿主細胞タンパク質クリアランスに対する陰イオン交換体ロード導電率の影響
治療用タンパク質組成物中の宿主細胞タンパク質汚染物質の量を減らすことが一般的に望ましいので、宿主細胞タンパク質含有量を減らしたベドリズマブ組成物を生成するための製造方法を検討した。
【0360】
陰イオン交換(AEX)の緩衝液導電率の標準動作範囲(例えば、陰イオン交換Q膜吸着装置を介して)は、約11~15mS/cm(平均約13.6mS/cm)である。標準動作範囲を超える条件での不純物クリアランスを評価するために、より低い導電率のAEX条件を使用して得られた組成物で不純物クリアランスを試験した。ベドリズマブの清澄化収穫物の2つの独立した開始調製物を試験した(収穫物1及び収穫物2)。ロードマテリアルの導電率を標準導電率(約13.6mS/cm)、または低導電率(約11mS/cm)に調整した後、全ての試料をAEX精製に供した。表15に示すように、HCPレベルは、標準導電率AEXロードマテリアルと比較して、低導電率AEXロードマテリアルで低下した。
【表15】
【0361】
次に、AEXの能力(フロースルーモード)を、標準の動作条件(すなわち、13~15mS/cm未満)よりも低い導電率の範囲を有するローディング緩衝液を使用して試験した。表16は、ローディング条件、導電率、宿主細胞タンパク質含有量、ならびに酸性及び塩基性アイソフォームの割合をまとめたものである。試験は、CHO宿主細胞タンパク質ELISAを使用して実施された。表16に示すように、宿主細胞タンパク質の量は、AEXローディング緩衝液の導電率の低下とともに減少した。
【表16】
【0362】
次に、HCPクリアランスに対するAEX導電率の低下の影響を、2つの異なるHCPELISA法によって評価した。最初の方法では、ウサギ一次抗体及び抗ウサギ二次抗体を、HCP ELISA(RaRa)で使用した。第2の方法では、HCP ELISA(RaGo)でウサギ一次抗体及びヤギ二次抗体を利用した。表17及び表18は、それぞれ標準または低導電率のAEXロードを使用した後のこれら2つのHCPELISA法の結果をまとめたものである。どちらの方法も、AEXロードマテリアルの導電率を下げることによってHCPクリアランスが改善されることを示している。
【表17】

【表18】
【0363】
組換えタンパク質調製物中のHCPの量は可変である。本明細書に示されるように、ベドリズマブの調製物からのHCPクリアランスは、AEXを使用する精製中の導電率を低下させることによって改善され得る。出発物質中のHCP濃度に関係なく、導電率の低いAEX条件では、標準の導電率の高いAEX条件と比較してHCPの大幅な削減が達成された。
【0364】
実施例4.混合モード樹脂のローディング容量に対する平衡化及び洗浄条件の影響
精製中のベドリズマブの損失を最小限に抑えるために、さまざまな精製条件を調べて、抗体産物の収量が減少するステップを特定した。高濃度のローディング条件下でのセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)精製の洗浄ステップ中にタンパク質の損失が発生することが観察された。例えば、図2は、標準的な洗浄及び平衡化緩衝液(75 mMのNaCl、10mMリン酸ナトリウム、pH7.2)を使用する27mg/mlまたは35mg/mlのローディング後のCHTカラムからのベドリズマブの溶出プロファイルを比較している。図2に示すように、高濃度のローディング条件下での洗浄ステップ中に、タンパク質がカラムから徐々に減少し始めた(35mg/ml)。
【0365】
CHTカラムへのベドリズマブのローディング容量を増やし、CHT洗浄ステップで失われるタンパク質の量を減らすことでベドリズマブの収量を向上させるために、代替のCHT平衡、ローディング、及び洗浄緩衝液を評価した。CHTカラム上のベドリズマブのローディング量(g/l)及び達成された得られた収率を、高pHの標準CHT緩衝液(75mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム、pH7.2)を用いてCHTカラムの操作と比較して、CHTの平衡化及び洗浄に低いpH緩衝液(50mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム、pH6.7)を使用したCHTカラムの操作後に確認した。図3に示すように、標準のCHT緩衝液条件(破線)を使用した洗浄ステップの間に、かなりの量のタンパク質が失われたが、低pH緩衝液(実線)を使用した場合、タンパク質の損失は観察されなかった。さらに、表19に要約されているように、平衡化及び洗浄ステップで低pH緩衝液を使用すると、CHTカラムへのローディング量が増えることが可能になり、最終溶出液中の生成物の品質(例えば、凝集体パーセント)を変えることなく、標準のCHT緩衝液を使用して達成されたものと比較して、2~3%高い収率が得られた。
【表19】
【0366】
均等物
本発明はその詳細な説明に関連して記載されてきたが、前述の記載は、本発明の範囲を示すことを意図し、限定するものではなく、それは添付の特許請求の範囲で定義されると理解されるべきである。他の態様、利点、及び修正は、添付の特許請求の範囲内である。
【0367】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によってその全体が組み込まれる。加えて、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料が、本発明の実践または試験で使用することができるが、好適な方法及び材料が本明細書に記載される。

本発明は次の実施態様を含む。
[1]
ベドリズマブを含む組成物を生成する方法であって、以下:
pH6.5より高いpHでベドリズマブを含む組成物を提供することと;
ベドリズマブを含む前記組成物を少なくとも20分~10時間インキュベートすることと;
それにより、ベドリズマブを含む組成物を生成することと、
を含む、前記方法。
[2]
前記方法が、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成する方法であり、前記方法が、塩基性ベドリズマブアイソフォーム種のレベルが低下したベドリズマブを含む組成物を生成する、上記[1]に記載の方法。
[3]
前記方法が、<16%、<15%、<14%、<13%、<12%、<11%または<10%の塩基性ベドリズマブアイソフォーム種を有するベドリズマブを含む組成物を生成する、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記インキュベーションがベドリズマブ精製中に行われ、前記インキュベーションが(a)抗体の限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)前に、または(b)薬学的に許容される緩衝液中での抗体の製剤化前に行われる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記インキュベーションが周囲温度で行われる、上記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記インキュベーションが15~30℃で実施されるか、または前記インキュベーションが20~25℃で実施される、上記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[7]
ベドリズマブを含む前記組成物が約6.5~8.5のpHで提供される、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[8]
ベドリズマブを含む前記組成物が約7.0~8.0のpHで提供される、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[9]
ベドリズマブを含む前記組成物が約7.0~7.5のpHで提供される、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[10]
ベドリズマブを含む前記組成物が、約pH6.5、pH6.6、pH6.7、pH6.8、pH6.9、pH7.0、pH7.1、pH7.2、pH7.3、pH7.4、pH7.5、pH7.6、pH7.7、pH7.8、pH7.9、pH8.0、pH8.1、pH8.2、pH8.3、pH8.4、またはpH8.5のpHで提供される、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[11]
ベドリズマブを含む前記組成物が約10~120時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[12]
ベドリズマブを含む前記組成物が約12~120時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[13]
ベドリズマブを含む前記組成物が約12~96時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[14]
ベドリズマブを含む前記組成物が約12~72時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[15]
ベドリズマブを含む前記組成物が約12~48時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[16]
ベドリズマブを含む前記組成物が少なくとも12時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[17]
ベドリズマブを含む前記組成物が約24~120時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[18]
ベドリズマブを含む前記組成物が約24~96時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[19]
ベドリズマブを含む前記組成物が約24~72時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[20]
ベドリズマブを含む前記組成物が約24~48時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[21]
ベドリズマブを含む前記組成物が、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約96時間、または約120時間の期間インキュベートされる、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[22]
ヒト化抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を、清澄化された細胞培養物の収穫物から精製する方法であって、
(i)前記抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を発現する組換え宿主細胞の培養物から得られた清澄化された細胞培養物の収穫物を提供すること、及び
(ii)前記細胞培養物の収穫物から前記抗α4β7抗体またはその抗原結合部分を精製することであって、ここで、前記抗体は、4.0以下のpHに24時間以内曝露される、前記精製することと、を含み、
ここで前記抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、前記方法。
[23]
前記抗α4β7抗体またはその抗原結合部分が、対照と比較して、塩基性アイソフォーム種(CEXによって決定される)のレベルが低下しており、前記対照は、同じ方法によって生成された、前記抗α4β7抗体、またはその抗原結合部分を含む組成物であり、前記抗体は4.0以下のpH(例えば、pH3.6~4.0)に、より長い期間、すなわち、24時間を超えて曝露される、上記[22]に記載の方法。
[24]
前記抗α4β7抗体またはその抗原結合部分がベドリズマブまたはその抗原結合部分である、上記[22]または[23]に記載の方法。
[25]
ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む前記組成物が、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含み、前記方法が、BP2のレベルが低下したベドリズマブまたはその抗原結合部分を含む組成物を生成する、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[26]
前記方法が、ベドリズマブまたはその抗原結合部分を含み、2%未満、1.5%未満、1%未満、または0.7%未満のBP2を有する組成物を生成する、上記[25]に記載の方法。
[27]
ベドリズマブを含む前記組成物が、ベドリズマブを発現する哺乳動物細胞培養物に由来する、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[28]
前記哺乳動物細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、上記[27]に記載の方法。
[29]
前記CHO細胞培養物が、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞を含む、上記[28]に記載の方法。
[30]
前記CHO細胞培養物が、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞を含む、上記[28]に記載の方法。
[31]
アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップを使用して、哺乳動物宿主細胞タンパク質(HCP)からベドリズマブを含む前記組成物を精製することをさらに含む、上記実施態様のいずれかに記載の方法。
[32]
ベドリズマブを含む前記組成物が、プロテインAを含むアフィニティークロマトグラフィー樹脂を使用して精製される、上記[31]に記載の方法。
[33]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される、上記[32]に記載の方法。
[34]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後にアフィニティークロマトグラフィーを使用して精製される、上記[32]に記載の方法。
[35]
ベドリズマブを含む前記組成物が陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[31]に記載の方法。
[36]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[35]に記載の方法。
[37]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後に陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[35]に記載の方法。
[38]
ベドリズマブを含む前記組成物が陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[31]に記載の方法。
[39]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[38]に記載の方法。
[40]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後に陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製される、上記[38]に記載の方法。
[41]
ベドリズマブを含む前記組成物がCHTクロマトグラフィーを使用して精製される、上記[31]に記載の方法。
[42]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの前にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される、上記[41]に記載の方法。
[43]
ベドリズマブを含む前記組成物が、前記インキュベーションの後にCHTクロマトグラフィーを使用して精製される、上記[41]に記載の方法。
[44]
前記組成物を医薬製剤に組み込むことを含む、上記[1]~[43]のいずれかに記載の方法。
[45]
前記医薬製剤が凍結乾燥された医薬製剤である、上記[44]に記載の方法。
[46]
前記凍結乾燥された医薬製剤が、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤である、上記[45]に記載の方法。
[47]
それが投与に適するように、前記乾燥した凍結乾燥された医薬製剤を液体で再構成するステップをさらに含む、上記[46]に記載の方法。
[48]
前記医薬製剤が、液体医薬製剤である、上記[44]に記載の方法。
[49]
前記組成物が、上記[1]~[48]のいずれかに記載の方法によって生成される、ベドリズマブを含む組成物。
[50]
ベドリズマブを含む組成物であって、上記[1]~[48]のいずれかに記載の方法によって入手可能な、前記組成物。
[51]
前記塩基性ベドリズマブアイソフォーム種が、前記組成物中に存在する前記ベドリズマブ種の16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満を含む、上記[49]または[50]に記載の組成物。
[52]
抗α4β7抗体を含む低塩基性種組成物であって、前記組成物が、前記抗α4β7抗体の16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満の総塩基性アイソフォーム種を含み、前記塩基性アイソフォーム種は、抗α4β7抗体の主要なアイソフォームと比較して正味の正電荷を有し、かつ前記主要なアイソフォームに相当するピークよりも陽イオン交換(CEX)樹脂から緩徐に溶出するピークの相対面積を決定することによって定量され得、前記抗α4β7抗体は、配列番号1を含む重鎖可変領域及び配列番号5を含む軽鎖可変領域を含む、前記組成物。
[53]
前記組成物が、第1の塩基性アイソフォームピーク(BP1)及び第2の塩基性アイソフォームピーク(BP2)を含む、上記[52]に記載の組成物。
[54]
前記組成物が2%未満のBP2を含む、上記[53]に記載の組成物。
[55]
前記組成物が1.5%未満のBP2を含む、上記[53]に記載の組成物。
[56]
前記組成物が1%未満のBP2を含む、上記[53]に記載の組成物。
[57]
前記組成物が0.7%未満のBP2を含む、上記[53]に記載の組成物。
[58]
BP1対BP2の比が少なくとも3である、上記[53]に記載の組成物。
[59]
BP1対BP2の比が少なくとも5である、上記[53]に記載の組成物。
[60]
BP1対BP2の比が少なくとも7である、上記[53]に記載の組成物。
[61]
BP1対BP2の比が少なくとも10である、上記[53]に記載の組成物。
[62]
上記[52]~[61]のいずれかに記載の組成物、及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、薬学的組成物。
[63]
ベドリズマブを含む組成物を生成する方法であって、以下:
(a)ベドリズマブ及び宿主細胞タンパク質(HCP)を含む試料を、ローディング緩衝液の存在下で陰イオン交換樹脂と接触させることであって、ここで、前記ローディング緩衝液の導電率は、HCPが前記陰イオン交換樹脂に結合するように、11mS/cm以下である、前記接触させることと;
(b)前記陰イオン交換樹脂から前記フロースルーマテリアルを収集することと、を含み、
ここで、前記溶出液がベドリズマブを含む、前記方法。
[64]
前記方法が、低減された量のHCPを有するベドリズマブを含む組成物を生成する方法であり、前記フロースルーマテリアルが、ベドリズマブ及び減少された量のHCPを含む、上記[63]に記載の方法。
[65]
前記ローディング緩衝液が9mS/cm~11mS/cmという導電率を有する、上記[63]または[64]に記載の方法。
[66]
前記ローディング緩衝液が10mS/cm以下という導電率を有する、上記[63]または[64]に記載の方法。
[67]
前記ローディング緩衝液が9mS/cm以下という導電率を有する、上記[63]または[64]に記載の方法。
[68]
前記ローディング緩衝液が約9mS/cm、9.5mS/cm、10mS/cm、10.5mS/cm、または11mS/cmという導電率を有する、上記[63]または[64]に記載の方法。
[69]
前記HCPがチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞タンパク質である、上記[63]~[68]のいずれかに記載の方法。
[70]
前記HCPが、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)発現を欠くCHO細胞に由来する、上記[69]に記載の方法。
[71]
前記HCPが、グルタミンシンテターゼ(GS)発現を欠くCHO細胞に由来する、上記[69]に記載の方法。
[72]
前記陰イオン交換樹脂を洗浄緩衝液と接触させることをさらに含む、上記[63]~[71]のいずれかに記載の方法。
[73]
前記洗浄緩衝液が11mS/cm未満の導電率を有する、上記[72]に記載の方法。
[74]
前記洗浄緩衝液が9mS/cm~11mS/cmという導電率を有する、上記[72]に記載の方法。
[75]
前記洗浄緩衝液がローディング緩衝液と同じ導電率を有する、上記[72]に記載の方法。
[76]
前記ローディング緩衝液が塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、上記[63]~[75]のいずれかに記載の方法。
[77]
前記洗浄緩衝液が塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、上記[63]~[75]のいずれかに記載の方法。
[78]
前記陰イオン交換樹脂が陰イオン交換カラムまたは陰イオン交換膜としてフォーマットされている、上記[63]~[77]のいずれかに記載の方法。
[79]
前記陰イオン交換樹脂が第四級アミン官能基を含む、上記[63]~[78]のいずれかに記載の方法。
[80]
ベドリズマブ及びHCPを含む前記試料が、1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップ後の、哺乳動物細胞培養物に由来する、上記[63]~[79]のいずれかに記載の方法。
[81]
前記1つ以上のクロマトグラフィー分離ステップが、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、及びセラミックヒドロキシアパタイト(CHT)クロマトグラフィーからなる群より選択される1つ以上のステップを含む、上記[80]に記載の方法。
[82]
前記フロースルーマテリアル中のHCPの量が8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppm以下、4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である、上記[63]~[81]のいずれかに記載の方法。
[83]
前記フロースルーマテリアル中のHCPの量が、導電率が12mS/cmを超えるローディング緩衝液を用い、同じ試料を用いて前記方法が実施されたときに生成される前記フロースルーマテリアル中のHCPの量と比較して少なくとも50%減少する、上記[63]~[82]のいずれかに記載の方法。
[84]
1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む緩衝液への限外濾過及び/またはダイアフィルトレーションを含むプロセスによって溶出緩衝液を交換するために前記フロースルーマテリアルを処理することをさらに含む、上記[63]~[83]のいずれかに記載の方法。
[85]
前記組成物を医薬製剤に組み込むことを含む、上記[63]~[84]のいずれかに記載の方法。
[86]
前記医薬製剤が凍結乾燥された医薬製剤である、上記[85]に記載の方法。
[87]
前記凍結乾燥された医薬製剤が、乾燥した凍結乾燥された医薬製剤である、上記[86]に記載の方法。
[88]
それが投与に適するように、前記乾燥した凍結乾燥された医薬製剤を液体で再構成するステップをさらに含む、上記[87]に記載の方法。
[89]
前記医薬製剤が、液体医薬製剤である、上記[85]に記載の方法。
[90]
前記液体医薬製剤が、ヒトへの皮下投与に適している、上記[89]または[48]に記載の方法。
[91]
上記[63]~[90]のいずれかに記載の方法で生成されたベドリズマブを含む組成物。
[92]
前記組成物が、上記[63]~[90]のいずれかに記載の方法によって入手可能なベドリズマブを含む組成物。
[93]
前記組成物中のHCPの前記量が、8ppm以下、7.5ppm以下、7ppm以下、6.5ppm以下、6ppm以下、5.5ppm以下、5ppm以下、4.5ppm以下、4ppm以下、3.5ppm以下、3ppm以下、2.5ppm以下、または2ppm以下である、上記[91]または[92]に記載の組成物。
[94]
混合モードクロマトグラフィー樹脂からの溶出後に回収されるベドリズマブの収量を増大させる方法であって、前記混合モードクロマトグラフィー樹脂を平衡化緩衝液で平衡化すること、ベドリズマブ及びローディング緩衝液を含む溶液を、前記混合モードクロマトグラフィー樹脂にロードして、ベドリズマブが前記混合モードクロマトグラフィー樹脂に結合するようにすること、洗浄緩衝液で前記混合モードクロマトグラフィー樹脂を洗浄すること、ならびに溶出緩衝液で前記混合モードクロマトグラフィー樹脂からベドリズマブを溶出することを含み、ここで前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液及び/または前記洗浄緩衝液のpHは7.0以下である、前記方法。
[95]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.0~7.0である、上記[94]に記載の方法。
[96]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.5~7.0である、上記[94]に記載の方法。
[97]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが6.6~6.8である、上記[94]に記載の方法。
[98]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が30mM~70mMである、上記[94]~[97]のいずれかに記載の方法。
[99]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が40mM~70mMである、上記[98]に記載の方法。
[100]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が50mM~65mMである、上記[98]に記載の方法。
[101]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が55mM~65mMである、上記[98]に記載の方法。
[102]
前記塩が、塩化ナトリウム及び/またはリン酸ナトリウムを含む、上記[98]~[101]のいずれかに記載の方法。
[103]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が30mM~70mMである、上記[94]~[97]のいずれかに記載の方法。
[104]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が40mM~70mMである、上記[103]に記載の方法。
[105]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が40mM~60mMである、上記[103]に記載の方法。
[106]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が45mM~55mMである、上記[103]に記載の方法。
[107]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩化ナトリウム濃度が約50mMである、上記[103]に記載の方法。
[108]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液がさらにリン酸ナトリウムを含む、上記[103]~[107]のいずれかに記載の方法。
[109]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液のpHが同じである、上記[94]~[108]のいずれかに記載の方法。
[110]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液の塩濃度が同じである、上記[94]~[109]のいずれかに記載の方法。
[111]
前記平衡化緩衝液、前記ローディング緩衝液、及び/または前記洗浄緩衝液が同じ緩衝液である、上記[94]~[108]のいずれかに記載の方法。
[112]
前記混合モード樹脂がセラミックヒドロキシアパタイト樹脂である、上記[94]~[111]のいずれかに記載の方法。
【0368】
【表20】
図1
図2
図3
【配列表】
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