(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-22
(45)【発行日】2025-01-30
(54)【発明の名称】成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/17 20060101AFI20250123BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C45/37
(21)【出願番号】P 2022514689
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2020074544
(87)【国際公開番号】W WO2021043873
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-08-30
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】グラザー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォールムート,マッティアス
(72)【発明者】
【氏名】ベサー,アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヴォニシュ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ガイザー,オリファー
(72)【発明者】
【氏名】シュタウト,ドロテー ゼルマ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-510202(JP,A)
【文献】国際公開第2018/135443(WO,A1)
【文献】特開2004-058453(JP,A)
【文献】特開2005-284623(JP,A)
【文献】米国特許第06816820(US,B1)
【文献】米国特許第05812402(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/17
B29C 45/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの部品(114)を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
a) 金型キャビティ(112)の候補形状を記述した3次元幾何学的形状データ(110)を検索するステップと、
b) 前記幾何学的形状データ(110)を分析するステップであって、前記分析は以下のサブステップ、
b1. 複数の所定の基準について、前記幾何学的形状データ(110)を自動的に走査することによって前記金型キャビティ(112)の幾何学的形状を分析することと、
b2. 以下の、
- 少なくとも1つの材料の溶融質量で前記金型キャビティ(112)を充填することのコンピュータ実装シミュレーションと;
- 前記金型キャビティ(112)を使用して製造される前記部品(114)のコンピュータ実装シミュレーションと、
のうち少なくとも1つによって、前記金型キャビティ(112)の使用をシミュレーションすることと;
を有するステップと、
c) ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果を、前記分析結果を少なくとも1つのターゲット仕様に合わせることによって、自動的に解釈するステップと、
d) ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果を出力するステップであって、前記解釈結果は、前記金型キャビティ(112)の候補形状を用いる成形プロセス及び部品設計の一方又は両方の少なくとも1つの品質を記述する、ステップと、
f) ステップa)で検索された前記幾何学的形状データ(110)を、前記幾何学的形状データ(110)を有限数のメッシュ要素を含むメッシュに離散化することによって、前処理するステップであって、ステップb)を実行する前に実行され、前記幾何学的形状データ(110)の欠陥部分のファイル修復をさらに含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は:
e) 前記成形プロセスに使用される少なくとも1つの材料を検索する、ステップ、
をさらに含み、
ステップe)は、ステップb)の前に実行される、請求項1に記載方法。
【請求項3】
ステップe)は、以下のサブステップ:
e1. 前記材料
、前記部品(114)
および前記部品(114)を製造するための製造
機のうちの少なくとも1つの
、少なくとも1つのターゲット特性を検索することと、
e2. 前記ターゲット特性によって、データベースから少なくとも1つの材料を自動的に選択することと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb1.は、前記幾何学的形状データ(110)において、少なくとも1つの測定変数を決定することを含み、ステップc)は、前記少なくとも1つの測定変数を前記ターゲット仕様の少なくとも1つの閾値と比較することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの測定変数は
、長さ
、角度
および厚
さからなる群から選択される、請求項4に記載方法。
【請求項6】
ステップc)は、前記金型キャビティ(112)の候補形状の重大な幾何学的形状特性を特定することを含み、ステップc)は、人工知能の少なくとも1つのプロセスを使用することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップb2.は、少なくとも1つのシミュレーションされる変数を決定することを含み、ステップc)は、前記少なくとも1つのシミュレーションされる変数を、前記ターゲット仕様の少なくとも1つのシミュレーション閾値変数と比較することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシミュレーションされる変数は
、
前記金型を充填するために使用される前記少なくとも1つの材料の溶融質量の特性、
前記少なくとも1つの材料の溶融質量の温度
、
前記金型の特性
、
流路長
、
前記少なくとも1つの材料の溶融質量で前記金型を完全に充填するための充填時間
、および
前記部品の少なくとも1つの材料の特性、
からなる群から選択される特性である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップc)で生成された前記少なくとも1つの解釈結果は、推奨情報の少なくとも1つの項目を含み、前記推奨情報の少なくとも1つの項目は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応からなる群から選択される少なくとも1つの推奨を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、少なくとも1つの自動レポートを出力することをさらに含み、前記自動レポートは、前記推奨情報の少なくとも1つの項目を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステップd)は、前記少なくとも1つの自動レポートを出力することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの自動レポートの出力は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応、のうちの1つ以上のガイダンスを提供することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は:
g) ステップc)で生成された前記少なくとも1つの解釈結果から、分析情報の少なくとも1つの項目を検索し、前記分析情報の少なくとも1つの項目を自動学習プロセスで使用すること、
をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、少なくとも1つの要求側コンピュータ(124)及び少なくとも1つの処理側コンピュータ(122)を使用することを含み、前記処理側コンピュータ(122)は、前記要求側コンピュータ(124)から前記3次元幾何学的形状データ(110)を検索し、少なくともステップb)~c)を実行し、ステップd)で前記解釈結果を前記要求側コンピュータ(124)に出力し、前記要求側コンピュータ(124)と前記処理側コンピュータ(122)は、少なくとも1つのウェブインターフェース(128)を介して通信する、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
h) ステップc)で生成された解釈結果を、少なくとも1つのさらなるコンピューティング装置に出力すること、
をさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの部品(114)を製造するための成形プロセスを設計するための設計システム(116)であって、請求項1~15のいずれか1項による方法のステップを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(118)を備える、設計システム。
【請求項17】
前記設計システム(116)は、少なくとも1つの処理側コンピュータ(122)と少なくとも1つの要求側コンピュータ(124)とを含み、前記処理側コンピュータ(122)は、前記要求側コンピュータ(124)から3次元幾何学的形状データ(110)を検索し、少なくともステップb)~c)を実行し、ステップd)での解釈結果を前記要求側コンピュータ(124)に出力するように構成されている、請求項16に記載の設計システム。
【請求項18】
前記設計システム(116)は、前記要求側コンピュータ(124)から前記処理側コンピュータ(122)へ情報を送信すること、又はその逆に情報を送信することの一方又は両方のための、少なくとも1つのウェブインターフェース(128)をさらに備える、請求項17に記載の設計システム。
【請求項19】
前記設計システムは、クライアントサーバシステムであり、前記少なくとも1つの処理側コンピュータ(122)は、サーバ
および少なくとも1つウェブサーバからなる群から選択される、請求項16~18のいずれか1項に記載の設計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの部品を製造のための成形プロセスを設計するコンピュータ実装された方法、設計システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。このような方法、システム、装置は、一般的には、例えば、成形プロセスの開発段階における技術的設計又は構成の目的のために採用されることができる。しかし、さらなる適用が可能である。
【背景技術】
【0002】
射出成形法などの成形法は、近年の小規模及び大規模の製造業において一般的な製造方法である。一般的な射出成形法では、熱可塑性材料、熱硬化性材料、エラストマー材料などのプラスチック材料は、通常は加熱プロセスで溶融され、次いで、例えば、加圧下で空のダイに射出される。次いで、プラスチック材料は、ダイによって与えられた形を維持するために、通常は、冷却又は硬化プロセスで硬化され、それによって製品となる。それによってダイによって形成された製品を大量に再現することができる。ダイの設計及び構成はコストが高いため、射出成形中に何らかの問題が発生した場合でもダイは容易に変更することができない。したがって、生産コスト及び廃棄を最小限に抑えるために、ダイ又は金型キャビティの充填プロセスは、通常は、前もって一般的なシミュレーション方法を使用してシミュレーションされる。
【0003】
US2008/099569A1は、複数の熱制御ゾーンを有する材料及び装置において熱分析を行うためのシステム及び方法を記載している。マニホールドなどの現代の装置は、一般的に、複数の異なる領域から異なる速度で熱を導入又は除去する複数の熱装置を有している。熱プロファイルを決定する従来の方法は、許容できる結果に到達するためには、絶えず続く推測と未知の数のシミュレーションが必要であった。さらに、操作開始時からの必要なシミュレーション回数が分からないため、期間が不明であり、このことは製造担当者にとっては不満であることが多い。開示された実施形態は、マニホールドシステムの設計及び/又は評価を支援するためのFEA(有限要素解析)の使用を含む。一実施形態では、有限要素解析は、指定された制御ゾーンにおける、他の制御ゾーンで熱装置によって引き起こされた熱流束を決定するように実行される。
【0004】
さらに、EP1376415A2は、3次元キャビティを規定する金型への流体の射出をモデル化する方法を記載しており、該方法は:キャビティを規定する3次元コンピュータモデルを提供することと;モデルに基づいて解領域を離散化することと;境界条件を指定することと;解領域の少なくとも一部について質量保存の法則、運動量保存則、及びエネルギー保存の法則を用いてプロセス変数を解くことと、を含む。解を離散化するステップは、複数のノードによって規定された複数の接続された要素に、モデルを細分化することによって、モデルに基づく有限要素メッシュを生成するステップと;材料特性の変動が小さい第2方向よりも材料特性の変動が大きい第1方向に多くのノードが存在するように、メッシュを異方的にリファインするステップとを含むことができ、リファインはノードから境界までの距離を計算するサブステップの少なくとも1つと;ノード層の番号システムを使用することと、を含むことができる。
【0005】
さらに、US2018/117816A1は、射出成形プロセス中の射出成形金型内の多数のプロセスパラメータ値を決定する方法を記載している。該方法は、射出成形金型及び/又は製造される成形部品の形状データを決定するステップと、射出成形プロセスの仮想部品固有の圧力曲線を決定するステップと、仮想部品固有の圧力曲線に基づいて部品固有のイベントパターンを決定するステップと、射出成形金型を使用して射出成形プロセスを実施し、射出成形プロセス中の測定圧力曲線を決定するステップと、測定圧力曲線に基づいて測定イベントパターンを決定するステップと、を含む。プロセスパラメータ値は、仮想イベントパターン及び測定イベントパターンに基づいて導出される。本発明はさらに、対応するプロセスパラメータ値決定装置及び射出成形金型構成を説明する。
【0006】
さらに、US5812402Aは、製造すべき製品の形状を金型から解放可能な形状に補正し、補正された製品形状に基づいて射出成形金型を設計するための射出成形金型設計システムであって、製品形状及び金型形状の情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み取られた情報に基づいて製品形状又は金型形状を画面上に表示する表示手段と、前記製品形状又は金型形状の補正に必要な指定情報が入力される入力手段と、前記入力手段によって入力された指定情報に応じて、前記製品形状及び金型形状を補正するために障害になる線又は面の情報を前記記憶手段にアンロードし、前記線又は面を画面上から除去し、前記製品形状又は金型形状の補正動作が終了した後に、アンロードされた線や面に関してスクリーン上で線や面を、前記記憶手段に再プロットする制御手段と、を備える射出成形金型設計システムを記載している。
【0007】
さらに、US2004/093104A1は:熱硬化性樹脂で作られた樹脂成形品を成形するために樹脂充填キャビティに注入された熱硬化性樹脂の流れを、有限差分法又は有限要素法を用いて解析する流れ解析手段と、前記樹脂成形品を成形するために樹脂充填キャビティに注入された熱硬化性樹脂の熱収縮後の熱硬化性樹脂の残留ひずみ(又は応力)を計算する残留ひずみ計算手段と、前記樹脂成形品の強度を有限要素法を用いて解析する強度解析手段と、を備える設計支援装置を記載している。この構成によれば、熱硬化性樹脂で作られた樹脂成形品の強度を正確に予測することができる。
【0008】
さらに、US2018/181694A1は、ユーザによって実際の成形機に設定データを設定することと、設定データに基づいて、及び/又は周期的に実施された成形プロセスに基づいて、成形プロセスの少なくとも1つの記述変数に対する第1の値の取得することと、プロセス最適化システムからのデータに基づいて、少なくとも1つの記述変数の第2の値を取得することと、を含む成形機のプロセス最適化システムを最適化する方法を記載している。所定の差異化基準に従って、第1の値と第2の値とが互いに異なるかどうかがチェックされる。チェックにより、第1の値と第2の値が互いに異なることが示された場合、プロセス最適化システムは、成形機及び/又は成形プロセスに適用されたときに、記述変数の第2の値の代わりに、記述変数の第1の値が実質的に結果となるように修正される。
【0009】
部品を製造するための成形プロセスを設計することには、いくつかの技術的課題が存在する。一般的に、開発プロセスの全ての段階で、技術専門家、例えば機械工学、化学工学、プロセス工学、化学、材料科学又は物理の分野の技術専門家からのインプットが、例えば、モデル、シミュレーション及び計算を構築し解釈(interpretation)するために必要である。さらに、このような方法及びシステムは、複雑な計算及び集中的な計算の性能を必要とする。このような方法及びシステムは、大きなデータ記憶及び計算能力並びにしばしば利用できない技術的専門知識を必要とする。したがって、このような方法の実施は、一般的に非常に時間がかかり、複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計する際の上述の技術的課題に対処する手段及び方法を提供することが望ましい。具体的には、当該技術分野で知られている方法、システム、及び装置と比較して、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計する方法を改善するための方法、システム、コンピュータプログラム、及び製品を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題は、独立請求項の方法、システム、コンピュータプログラム及び製品によって対処される。独立した方式で、又は任意の組み合わせで実現され得る有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0012】
以下で使用される場合、「有する」、「備える」、又は「含む」という用語、又はそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴の他に、この文脈で説明されている実体にさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指し得る。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、及び「AはBを含む」という表現は、B以外にAに他の要素が存在しない状況(つまり、Aは専らかつ排他的にBを構成する状況)と、Bに加えて、1つ以上の要素、例えば要素C、要素CとD、又はさらに要素などが実体Aに存在する状況の双方を指し得る。
【0013】
さらに、「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語、又は、特徴もしくは要素が1回以上存在し得ることを示す同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴又は要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴又は要素を参照するときに、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は、それらの特徴又は要素が1回以上現れ得るという事実にもかかわらず、繰り返されないことに留意されたい。
【0014】
さらに、以下で使用される場合、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」という用語、又は、同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴に関連して使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、いかなる意味でも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本発明は、当業者であれば認識するように、代替的特徴を用いて実施することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」又は同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替実施形態に関するいかなる制限もなく、本発明の範囲に関するいかなる制限もなく、及び、そのような方法で導入される特徴を本発明の他の任意の又は非任意の特徴と組み合わせる可能性に関するいかなる制限もなく、任意の特徴であることが意図されている。
【0015】
本発明の第1態様では、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するためのコンピュータ実装方法が開示されている。本コンピュータ実装方法は、方法、デザイン方法、又は設計方法とも呼ばれる。コンピュータ実装方法は、以下のステップを含み、該ステップは所与の順序で実行され得る。ただし、異なる順序も可能である。さらに、1つ、2つ以上、あるいは全ての方法ステップを1回又は繰り返し実行することができる。さらに、方法ステップは、時間的に重複して実行されてよく、又は並行して実行されてもよい。該方法は、挙げられていない追加の方法ステップをさらに含んでよい。
【0016】
本コンピュータ実装方法は、以下のステップ:
a) 金型キャビティの候補形状を記述した3次元幾何学的形状データを検索するステップと、
b) 前記幾何学的形状データを分析するステップであって、前記分析は以下のサブステップ、
b1. 複数の所定の基準について、前記幾何学的形状データを自動的に走査することによって前記金型キャビティの幾何学的形状を分析することと、
b2. 以下の、
- 少なくとも1つの材料の溶融質量で金型キャビティを充填することのコンピュータ実装シミュレーションと;
- 金型キャビティを使用して製造される部品のコンピュータ実装シミュレーションと、
のうち少なくとも1つによって、前記金型キャビティの使用をシミュレーションすることと;
を有するステップと、
c) ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果を、少なくとも1つのターゲット仕様に合わせる(subject)ことによって自動的に解釈するステップと、
d) ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果を出力するステップであって、前記解釈結果は、前記金型キャビティの候補形状を用いた成形プロセス及び部品設計の一方又は両方の少なくとも1つの品質を記述する、ステップと、
を含む。
【0017】
少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法は、ネットワーク上で、例えばネットワークの1つ以上のコンピューティング装置上で、例えばウェブプラットフォーム上で完全に又は部分的に実行されてよい。特に、一例として、設計方法の少なくともステップa)、ステップb)及びステップc)は、ネットワーク上で実行されてよい。一例として、設計方法は、ネットワーク上でなど、オンラインで完全に実行されるように構成されてよい。
【0018】
本明細書で使用されている「コンピュータ実装」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1つのプロセッサを含むデータ処理手段などのデータ処理手段を用いることによって、完全に又は部分的に実施されるプロセスを指し得る。したがって、「コンピュータ」という用語は、一般に、少なくとも1つのプロセッサなどの少なくとも1つのデータ処理手段を有する、装置、又は装置の組み合わせもしくはネットワークを指し得る。コンピュータは、さらに、データ記憶装置、電子インターフェース又はヒューマンマシンインターフェースのうちの少なくとも1つなど、1つ以上のさらなるコンポーネントを含んでいてよい。
【0019】
本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、コンピュータ又はシステムの基本的な動作を実行するように構成された任意の論理回路、及び/又は一般に、計算もしくは論理操作を実行するように構成された装置を指し得る。特に、プロセッサは、コンピュータ又はシステムを駆動する基本的な命令を処理するように構成されることができる。一例として、プロセッサは、少なくとも1つの算術論理ユニット(ALU)、数学コプロセッサ又は数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(FPU)、複数のレジスタ、具体的には、ALUにオペランドを供給し、演算結果を記憶するように構成されたレジスタ、ならびに、L1及びL2キャッシュメモリなどのメモリとを含み得る。特に、プロセッサは、マルチコアプロセッサであってよい。具体的には、プロセッサは、中央処理装置(CPU)であってよく、又はそれを含んでいてもよい。追加的に又は代替的に、プロセッサはマイクロプロセッサであってよく、又はマイクロプロセッサを備えていてよく、したがって、具体的には、プロセッサの要素が1つ集積回路(IC)チップに含まれていてよい。追加的に又は代替的に、プロセッサは、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又は1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などであり得るか、又はそれらを含み得る。
【0020】
本明細書で使用されている「設計」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、物体又はプロセスを計画し及び/又は特定することの手順を指し得る。設計の手順は、一例として成形プロセスを開発し又は定義することを含んでよい。
【0021】
本明細書で使用される「成形プロセス」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、少なくとも1つの材料を任意の形態又は形状に成形することのプロセス又は手順を指し得る。一例として、成形プロセスは、射出成形を含み得る。特に、形態又は形状は、金型によって少なくとも1つの材料に転写され得る。
【0022】
本明細書で使用する「金型」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、ダイ又はフォーム、例えばマトリックス又はフレームを与えるフォームを指し得る。特に、本明細書で使用される場合、金型は、少なくとも1つのキャビティを有する任意のダイ及び/又はフォーム、例えば、構造及び/又は切り抜き与える少なくとも1つのフォームを指し得る。金型は、特に射出成形などの成形プロセスで使用されることができ、そこでは、材料の少なくとも1つの溶融質量が金型の少なくとも1つのキャビティに注入されることができる。簡単のために、本明細書では、「金型」及び「金型キャビティ」という用語は、交換可能に使用され得る。一例として、少なくとも1つのキャビティを有する金型は、材料を形成するために成形プロセスで使用されることができる。特に、金型キャビティに注入された材料の溶融質量は、キャビティのネガティブな形態及び/又は幾何学的形状を与えられてよい。具体的には、金型は、少なくとも1つの部品を製造するために使用されてよく、製造された部品は、金型キャビティのネガティブな形態及び/又は幾何学的形状を有していてよい。簡単のために、本明細書では、「金型」及び「金型キャビティ」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0023】
成形プロセスは、少なくとも1つの部品を製造するように構成され得る。本明細書で使用される「部品」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の部品又は要素を指し得る。特に、部品は、任意の機械又は装置の構成部品であってもよく、又はそれを備えてもよい。部品は、例えば、部品を製造するための成形プロセスで用いられる金型又は金型キャビティのネガティブ形状を少なくとも部分的に有し得る。したがって、「少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセス」は、部品を創出するための形状付与手順であってもよく、又はそれを指し得る。
【0024】
本明細書で使用されている「検索する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意のデータソースから、例えばデータストレージから、ネットワークから、あるいはさらなるコンピュータ又はコンピュータシステムからデータを生成する及び/又は取得するシステム、具体的にはコンピュータシステムを指し得る。検索は、具体的には、シリアルポート又はパラレルポートなどのポートを介するなど、少なくとも1つのコンピュータインターフェースを介して行われ得る。検索は、一次情報を利用することにより、例えばプロセッサを使用して、一次情報に1つ以上のアルゴリズムを適用することによるなどすることにより、一次情報の1つ以上の項目を取得し、及び二次情報を生成するサブステップなどのいくつかのサブステップを含み得る。
【0025】
本明細書で使用する「幾何学的形状データ(geometrical data)」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の物体又は要素の3次元的な形態又は形状に関する情報を指し得る。具体的には、3次元形状に関する情報などの幾何学的形状データは、コンピュータ互換性データセット、具体的にはデジタルデータセットなどの、コンピュータ可読フォームで存在してよい。一例として、幾何学的形状データは、コンピュータ支援設計データ(CADデータ)であってよく、又はそれを含んでよい。具体的には、3次元幾何学的形状データは、物体又は要素の形態又は形状を記述するCADデータであってよく、又はそれからを含んでよい。したがって、「金型キャビティの候補形状を記述する幾何学的形状データ」は、特に、金型を使用することによって形成される少なくとも1つの物体又は要素の可能な形態及び/又は幾何学的形状に関する情報、及び/又は、金型キャビティの可能な形態及び/又は形状に関する情報であってよい。したがって、特に、ステップa)で検索される幾何学的形状データは、具体的には、金型、例えば成形プロセスで使用される金型のネガティブ形態及び/又は形状に関する情報であってよく、又はそれを含んでよい。
【0026】
本明細書で使用されている「候補形状」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の開始形態又は形状を指し得る。特に、候補形状は、金型、具体的には成形プロセスで使用される金型の開始形状であってよく、又はそれを含んでよい。したがって、候補形状は、例えば、成形プロセスを設計する方法で使用される金型の開始幾何学的形状であってよい。特に、候補形状は、金型キャビティの初期幾何学的形状及び/又は形態であってよく、又はそれを含んでよい。例えば、候補形状は、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスで使用される金型の幾何学的形状及び/又は形態であってよく、又はそれを含んでよい。
【0027】
本明細書で使用されている「走査」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の物体又はデータを検査する任意のプロセス又は手順を指し得る。したがって、幾何学的形状データを走査することは、幾何学的形状データを検査又は評価するプロセス又は手順であってよく、又はそれを含んでよい。走査は、具体的には、自動的に行われてよい。走査は、コンピュータ又はコンピュータネットワークによって自律的に実行されてよい。したがって、「自動的に」という用語は、具体的には、プロセスを実行するコンピュータ又はコンピュータネットワークを指し得る。その結果、「自動的に走査する」という用語は、例えば、コンピュータが、走査のプロセス又は手順を、例えば自律的に実行することであってよく、又はそれを含んでよい。例えば、自動的に走査する手順は、技術専門家又はユーザからの干渉又はインプットなどの、外部からの干渉を受けることなく実行され得る。
【0028】
幾何学的形状データは、複数の所定の基準(criterion)について具体的に走査されてよい。本明細書で使用される「基準」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の物体又は要素が判断又は評価される特性又は仕様を指し得る。特に、基準は、物体又は要素の特性が比較される少なくとも1つの参照特性又は性質であってよく、又はそれらを含んでいてよい。具体的には、基準は、部品の製造のための特性又は仕様であってよい。したがって、一例として、基準は、金型の候補形状を記述した幾何学的形状データなどの幾何学的形状データが走査される基準特性などの少なくとも1つの特性であってよく、又はそれを含んでいてよい。この基準は、例えば、幾何学的形状データによって規定される形態又は形状を有する金型キャビティを使用する場合の部品の製造可能性を決定するために使用され得る。
【0029】
金型及び/又は金型キャビティの使用によって製造される部品のコンピュータ実装シミュレーションは、具体的には、部品の少なくとも1つの特性又は特徴、例えば、部品に及ぼす張力の外力の影響下での部品の挙動、例えば、機械的強度及び/又は応力分析などのコンピュータ実装シミュレーションを指し得る。具体的には、荷重、応力又は歪みなどによる材料の挙動がシミュレーションされることができる。
【0030】
材料、具体的には、成形プロセス、例えば部品の製造に使用される材料は、例えばプラスチック材料であってよく、又はそれを含んでいてよい。本明細書で使用される「プラスチック材料」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の熱可塑性材料、熱硬化性材料、又はエラストマー材料を指し得る。特に、プラスチック材料は、モノマー及び/又はポリマーを含む物質の混合物であってよい。具体的には、プラスチック材料は、熱可塑性材料であってよく、又は熱可塑性材料を含んでいてもよい。追加的に又は代替的に、プラスチック材料は、熱硬化性材料であってよく、又は熱硬化性材料を含んでよい。追加的に又は代替的に、プラスチック材料は、エラストマー材料を含んでよい。
【0031】
少なくとも1つの材料の溶融質量で金型キャビティを充填するコンピュータ実装シミュレーションは、具体的には、部品の製造のコンピュータ実装シミュレーションを指すことができる。したがって、材料は、具体的には、部品の製造中は溶融状態であってよい。あるいは、金型の使用によって製造される部品のコンピュータ実装シミュレーションでは、シミュレーションされたる料は硬化又は硬化状態であってもよい。
【0032】
ステップb)における幾何学的形状データの分析は、コンピュータ実装シミュレーションの少なくとも1つの出力など、少なくとも1つの分析結果をもたらしてよい。
【0033】
ステップc)では、ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果を、コンピュータ又はコンピュータネットワークの使用によってなど、自動的に解釈してよい。一例として、ステップc)では、少なくとも1つの解釈結果が、分析結果から自動的に識別されてよい。特に、少なくとも1つの解釈結果が、分析結果を少なくとも1つのターゲット仕様に合わせることによって生成されることができる。
【0034】
本明細書で使用されている「ターゲット仕様」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、任意の物体又は要素に存在することを目標とした特性又は性質を指し得る。ターゲット仕様は、例えば、部品がこの特性又は特徴を有すること及び/又は示すことを目標としている少なくとも1つの特性又は特徴であってもよく、又はそれを含んでいてよい。
【0035】
本明細書で使用されている「解釈結果」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、計算及び/又は調査から得られた任意の結果又は結論を指し得る。特に、解釈結果は、ステップc)における自動解釈などの、解釈の結果又は結論を指し得る。解釈結果は、具体的には、デジタル情報などのコンピュータ可読形式の情報であってよく、又はそれを含んでいてよい。
【0036】
本明細書で使用される「出力」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、別のシステム、データストレージ、自然人又は法人が情報を利用できるようにするプロセスを指し得る。一例として、出力は、コンピュータインターフェース又はヒューマンマシンインターフェースなどの1つ以上のインターフェースを介して行われてよい。一例として、出力は、コンピュータ可読形式、可視形式、可聴形式のうちの1つ以上で行われ得る。
【0037】
この方法は、さらに以下の:
e) 成形プロセスに使用される少なくとも1つの材料を検索する、ステップ、
を含み得る。
【0038】
特に、成形プロセス、例えば部品を製造することのために使用される材料、具体的にはプラスチック材料は、ステップe)で検索されてよい。ステップe)は、例えば、ステップb)の前に実行されてよい。
【0039】
ステップe)は、具体的には、少なくとも以下の2つのサブステップ:
e1. 材料;部品;部品を製造するための製造機、のうちの少なくとも1つの少なくとも1つのターゲット特性を検索することと、
e2. ターゲット特性によって、データベースから少なくとも1つの材料を自動的に選択することと、
を含む。
【0040】
ステップe)、具体的にはステップe2.は、例えば、少なくとも1つの人工知能プロセスを使用することを含んでよい。具体的には、ステップe2.は、少なくとも1つのニューラルネットワークを使用することを含んでよい。このように、成形プロセスに使用される材料は、具体的には、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いて検索されてよい。一例として、ニューラルネットワークは、ターゲット特性及びこれらのターゲット特性に適した材料を含む学習データを用いて、学習されてよい。学習データは、例えば、技術専門家によって組み立てられたものであってよく、又は、以前の経験のデータであってもよい。
【0041】
特に、ステップb1.は、幾何学的形状データにおいて:金型からの部品の意図された脱型に関するアンダーカット;金型からの部品の意図された脱型に関するドラフト角度;薄い領域;質量蓄積;肉厚分布;基部肉厚、基部肉厚に対するリブ肉厚の比率;金型から、例えば金型のキャビティからの部品の意図された脱型に関する金型の製造可能性、のうちの少なくとも1つを決定することを含んでよい。
【0042】
具体的には、ステップb1.は、幾何学的形状データにおいて、少なくとも1つの測定変数を決定することを含んでよい。さらに、ステップc)は、例えば、少なくとも1つの測定変数を、ターゲット仕様の少なくとも1つの閾値と比較することを含んでよい。
【0043】
一例として、少なくとも1つの測定変数は:長さ、具体的には、少なくとも1つの材料の溶融質量の最大流れ長さ;角度、具体的には、金型の表面と意図された脱型の方向との間の角度;厚さ、具体的には、少なくとも1つの材料の溶融質量の流れ方向に垂直な少なくとも1つの方向の延び長さ、からなる群から選択されてよい。
【0044】
さらに、ステップc)は、具体的には、金型の候補形状の重大な幾何学的形状特性を特定することを含んでよい。このように、ステップc)では、例えば不利なアンダーカット、質量蓄積などの候補形状の重大な幾何学的形状特性が特定され得る。
【0045】
具体的には、ステップc)は、人工知能の少なくとも1つのプロセス、具体的には少なくとも1つのニューラルネットワークを使用することを含み得る。したがって、ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果は、例えば、人工知能、例えば、ニューラルネットワークなどを用いて自動的に解釈され得る。
【0046】
ステップb2.は、具体的には:ウェルドライン;流れ長さ;薄い領域;質量蓄積;せん断応力;収縮;充填圧力;金型を閉じるのに必要なクランプ力;サイクルタイム;充填時間;負荷限界、具体的に部品の弾性変形につながる負荷限界、特に部品の塑性変形につながる負荷限界、のうちの少なくとも1つを決定することを含んでよい。
【0047】
特に、ステップb2.は、少なくとも1つのシミュレーションされる変数を決定することを含み得る。さらに、ステップc)は、少なくとも1つのシミュレーションされた変数を、ターゲット仕様の少なくとも1つのシミュレーション閾値変数と比較することを含み得る。具体的には、少なくとも1つのシミュレーションされる変数は:金型を充填するために使用される少なくとも1つの材料の溶融質量の特性、具体的には、少なくとも1つの材料の溶融質量の粘度、少なくとも1つの材料の溶融質量の温度;金型の特性、具体的には、金型の温度及び金型内の圧力;流路長;少なくとも1つの材料の溶融質量で金型を完全に充填するための充填時間;部品の少なくとも1つの材料の特性、具体的には、硬度、堅牢性、より具体的には構造的堅牢性、弾性及び可塑性、からなる群から選択される特性であってよい。
【0048】
さらに、本方法は、
f) ステップa)で検索された幾何学的形状データを、幾何学的形状を有限数のメッシュ要素を含むメッシュに離散化することによって、前処理するステップ、
を含むことができる。
【0049】
ステップf)は、特に、ステップb)を実行する前に実行されてよい。特に、ステップ f)は、幾何学的形状データの欠陥部分のファイル修復をさらに含んでよい。このように、表面の穴、重なり合った領域又は接続されていない領域、不完全な容積など、幾何学的形状データの欠陥部分は、ステップf)で修復されることができる。
【0050】
特に、3次元幾何学的形状データは、CADデータであってよい。具体的には、3次元幾何学的形状データは、金型の候補形状を幾何学的に記述するCADデータであり得る。
【0051】
ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果は、具体的には、推奨情報の少なくとも1つの項目を含んでよい。本明細書で使用される「推奨情報の項目」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、示唆又は提案含む任意のデータを指し得る。特に、情報の項目は、候補形状に関する示唆又は提案に関するデータもしくは情報であってよく、又はそれを含んでいてもよい。したがって、具体的には、推奨情報の項目は、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスの1つ以上の特性に関する少なくとも1つの示唆又は推奨であってよく、又はそれを含んでいてもよい。特に、推奨情報の少なくとも1つの項目は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応からなる群から選択された少なくとも1つの推奨を含んでいてよい。
【0052】
本方法は、少なくとも1つの自動レポートを出力することをさらに含んでよい。具体的には、本方法は、推奨情報の少なくとも1つの項目を含む少なくとも1つの自動レポートを出力することをさらに含んでよい。
【0053】
特に、ステップd)は、少なくとも1つの自動レポートに推奨情報の少なくとも1つの項目を出力することを含んでよい。具体的には、ステップd)は、推奨情報の少なくとも1つの項目を、例えば、少なくとも1つのインターフェースを介して、別のシステム、データストレージ、自然人又は法人が情報を利用できるようにすることを含んでもよい。一例として、ステップd)の出力は、推奨情報の少なくとも1つの項目を含む自動レポートなどの解釈結果を、ユーザに利用可能にすることであってもよく、又はそれを含んでいてもよい。
【0054】
特に、例えばステップd)における、少なくとも1つの自動レポートの出力は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応:のうちの1つ以上のガイダンスを提供することを含むことができる。具体的には、自動レポートの推奨情報などの解釈結果の出力は、例えばユーザに学習ツールなどのガイダンスを提供するように構成されていてよい。したがって、一例として、少なくとも1つの部品を製造するために金型キャビティを使用する場合に、特にステップb)で生成された分析結果を考慮して、例えば、少なくとも1つの部品の製造性に悪影響を与える可能性のある困難さなど、問題が発生する可能性がある場合には、少なくとも1つの可能なアプローチ及び/又は解決策を提供することができる。
【0055】
一例として、ステップd)では、推奨情報の少なくとも1つの項目は、ユーザが金型キャビティの発生する可能性のある欠陥及び/又は困難さ、例えば、1つ以上の材料関連の困難さ、形状関連の困難さ及び製造パラメータ関連の困難さの1つ以上を認識及び/又は解決できるようにすることを特に目的として提供されることができる。
【0056】
さらに、本方法は:
g) ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果から、分析情報の少なくとも1つの項目を検索し、前記分析情報の少なくとも1つの項目を自動学習プロセスで使用するステップ、
を含んでよい。
【0057】
具体的には、分析情報の少なくとも1つの項目は:少なくとも1つの解釈結果に対する反応と、成形プロセスに使用するために選択された材料、の少なくとも1つに関する情報を含んでいてよい。
【0058】
さらに、本方法は、少なくとも1つの要求側コンピュータ及び少なくとも1つの処理側コンピュータを使用することを含み得る。特に、処理側コンピュータは、要求側コンピュータから3次元幾何学的形状データを検索することができる。さらに、処理側コンピュータは、本方法の少なくともステップb)~c)を実行し、ステップd)で解釈結果を要求側コンピュータに出力することができる。
【0059】
具体的には、要求側コンピュータと処理側コンピュータは、少なくとも1つのウェブインターフェースを介して通信し得る。本明細書で使用される「ウェブインターフェース」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常で慣用的な意味を与えられるべきであり、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されることなく、情報を転送するために構成された境界を形成する任意の項目又は要素を指し、該情報転送はハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を介して対処されることができる。追加的又は代替的に、ウェブインターフェースは、要求側コンピュータから処理側コンピュータに、及び/又はその逆に、例えば情報を送信、受信及び/又は交換するなどにより、情報を転送するように構成されていてよい。ウェブインターフェースは、具体的には情報を転送又は交換するための手段を提供してよい。特に、ウェブインターフェースは、オンラインデータ転送接続を提供し得る。ウェブインターフェースは、少なくとも1つのウェブプラットフォームを含んでよい。ウェブプラットフォームは、例えば、少なくとも1つの要求側コンピュータからの少なくとも1つの要求を受信するように構成されていてよい。
【0060】
一例として、ユーザは、要求側コンピュータから処理側コンピュータへ3次元幾何学的形状データの送信を開始してよい。特に、金型キャビティの候補形状及び/又は金型を使用して製造される部品の形状の3次元幾何学的形状データなどの3次元幾何学的形状データは、例えば、少なくとも1つのウェブインターフェースを介して、例えば、少なくとも1つのウェブプラットフォームを介して、要求側コンピュータから処理側コンピュータに転送されてもよい。
【0061】
本方法は、さらに以下の:
h) ステップc)で生成された解釈結果を、少なくとも1つのさらなるコンピューティング装置に出力するステップ、
を含むことができる。
【0062】
特に、コンピューティング装置は、解釈結果を少なくとも1つのプロセスパラメータに変換するように構成されていてよく、該プロセスパラメータは、例えば、製造プロセスのパラメータであり得る。
【0063】
コンピューティング装置は、例えば、共同作業者又はパートナーのコンピューティング装置であってもよい。具体的には、コンピューティング装置は:工具製造業者;金型設計者、機械エンジニア、射出成形業者、材料サプライヤーからなる群から選択されたパートナーのコンピューティング装置であってよい。
【0064】
ステップh)は、マッチングする共同作業者又はパートナーを特定することをさらに含んでよい。具体的には、マッチングする共同作業者又はパートナーは、解釈結果、特にステップc)で生成された解釈結果を、解釈結果から生じる又は結論付けられる可能性のある問題に対する複数の解決者を含む任意のデータベース又はリストと比較することによって特定されてよい。具体的には、データベースは、複数の共同作業者又はパートナーに関する情報、例えば、多数の企業及び/又は事業のアイデンティティ及び専門知識などであってよく、又はそれらを含んでよい。
【0065】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するための設計システムが開示されている。該設計システムは、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するためのコンピュータ実装された方法、例えば、上述したような、又は以下にさらに詳細に説明するような設計方法、のステップを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える。したがって、ここで使用される用語のほとんどの可能な定義については、本発明の第1態様で開示された設計方法の説明を参照することができる。
【0066】
特に、設計システムは、少なくとも1つの処理側コンピュータと少なくとも1つの要求側コンピュータとを含んでよく、該処理側コンピュータは、具体的には、要求側コンピュータから3次元幾何学的形状データを検索し、設計方法の少なくともステップb)~c)を実行し、設計方法のステップd)での解釈結果を要求側コンピュータに出力するように構成されることができる。
【0067】
設計システム、具体的には処理側コンピュータは、データベース、具体的には材料データベース又はパートナーデータベースを記憶するためのデータストレージ又はメモリの少なくとも一方又は両方を備えていてよい。特に、データストレージ又はメモリは:内部データストレージ、例えば、内蔵ドライブ又はメモリ;外部データストレージ、例えば、外部ドライブ、及びクラウドサーバなどの外部データサーバ;ポータブルデータストレージ、からなる群から選択されてよい。
【0068】
設計システムは、要求側コンピュータから処理側コンピュータへ情報を送信すること、又はその逆に情報を送信することの一方又は両方のための、少なくとも1つのウェブインターフェースをさらに備えてよい。ウェブインターフェースは、ワールド・ワイド・ウェブなどのコンピュータネットワークと通信するためなどの、無線ウェブインターフェース及び有線ウェブインターフェースの一方又は両方を含んでいてよい。
【0069】
設計システムは、具体的には、クライアントサーバシステムであってよく、又はそれを含んでいてよい。特に、クライアントサーバシステムは、少なくとも1つのサーバ、具体的には、少なくとも1つのリソース又はサービスの提供者と、少なくとも1つのクライアント、もしくは少なくとも1つのサービスを要求するクライアントコンピュータ、例えば、少なくとも1つのサービス要求者との間で、タスク及び/又はワークロードを分割するように構成されてよい。特に、本明細書では、少なくとも1つのサーバは、処理側コンピュータであってよい。具体的には、少なくとも1つの処理側コンピュータは:サーバ;例えばウェブプラットフォームを提供するように構成されたウェブサーバ、からなる群から選択されてよい。要求側コンピュータは、クライアント及び/又はクライアントコンピュータであってよい。具体的には、要求側コンピュータは、ユーザの少なくとも1つのパーソナルコンピュータ又はユーザのコンピューティング装置であってよい。
【0070】
詳細には、設計システムは、複数のサーバなどの処理側コンピュータを備えていてよく、該サーバは、部分的にウェブサーバであってよく、又はそれを含んでいてよい。したがって、一例として、設計システムは、少なくとも部分的にクラウド又はネットワークで動作する複数のサーバ含むことができる。設計システムは、具体的には、1つ以上の処理側コンピュータ、1つ以上の要求側コンピュータの複合システムであってよく、又はそれを含んでいてよい。したがって、設計システムは、少なくとも1つのバックエンドサーバなどの1つ以上の処理側コンピュータと、少なくとも1つのフロントエンドサーバもしくはコンピュータ、具体的にはウェブフロントエンドなどの1つ以上の要求側コンピュータと、1つ以上のコンピュータ実装シミュレーションとの間の複雑な相互作用であってよく、又はそれらを含んでよい。
【0071】
本発明のさらなる態様では、コンピュータプログラムが開示されている。コンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するためのコンピュータ実装方法、例えば、上記又は以下にさらに詳細に記載されるような設計方法、をコンピュータ又はコンピュータシステムに実行させる命令を含む。したがって、ここで使用される用語のほとんどの可能な定義については、本発明の第1態様で開示された設計方法の説明を参照することができる。
【0072】
具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリア及び/又はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されていてよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読データキャリア」及び「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、その上にコンピュータ実行可能な命令を記憶したハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指し得る。コンピュータ可読データキャリア又は記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)などの記憶媒体であってよく、又はそれらを含んでいてよい。
【0073】
本明細書でさらに開示及び提案されているのは、プログラムがコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するためのコンピュータ実装方法、例えば、上記又は以下にさらに詳細に記載されるような設計方法、をコンピュータ又はコンピュータシステムに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品である。したがって、ここで使用される用語のほとんどの可能な定義については、本発明の第1態様で開示された設計方法の説明を参照することができる。
【0074】
特に、コンピュータプログラム製品は、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されたときに、本明細書に開示された1つ以上の実施形態による設計方法を実行するための、コンピュータ可読データキャリアに記憶されたプログラムコード手段を含んでいてよい。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品とは、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙媒体又はコンピュータ可読データキャリアなどの任意の形式で存在してよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で配布されてもよい。
【0075】
さらに、本明細書で開示及び提案されるのは、コンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するためのコンピュータ実装方法、例えば、上記又は以下にさらに詳細に記載されるような設計方法を、コンピュータ又はコンピュータシステムに実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体である。したがって、ここで使用される用語のほとんどの可能な定義については、本発明の第1態様で開示された設計方法の説明を参照することができる。
【0076】
本発明の方法、システム及びプログラムは、当該技術分野で知られている方法、システム及びプログラムと比較して多数の利点を有する。特に、本明細書に開示されている方法、システム及びプログラムは、当該技術分野で知られている装置、方法及びシステムと比較して、成形プロセスの設計性能を向上させることができる。具体的には、本発明により、処理時間又は設計時間が大幅に短縮され得る。さらに、本発明は、特に、プラスチック部品を設計及び製造するための通常のワークフローにおける非効率性を回避することにより、現在最新の設計方法と比較して、より少ない計算能力を必要とし、低減された複雑さを示し得、及び/又は、低減された複雑さを有し得る。
【0077】
要約すると、及びさらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定され得る:
【0078】
実施形態1:少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
a) 金型キャビティの候補形状を記述した3次元幾何学的形状データを検索するステップと、
b) 前記幾何学的形状データを分析するステップであって、前記分析は以下のサブステップ、
b1. 複数の所定の基準について、前記幾何学的形状データを自動的に走査することによって前記金型キャビティの幾何学的形状を分析することと、
b2. 以下の、
- 少なくとも1つの材料の溶融質量で前記金型キャビティを充填することのコンピュータ実装シミュレーションと;
- 前記金型キャビティを使用して製造される前記部品のコンピュータ実装シミュレーションと、
のうち少なくとも1つによって、前記金型キャビティの使用をシミュレーションすることと;
を有するステップと、
c) ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果を、前記分析結果を少なくとも1つのターゲット仕様に合わせることによって、自動的に解釈するステップと、
d) ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果を出力するステップであって、前記解釈結果は、前記金型キャビティの候補形状を用いる成形プロセス及び部品設計の一方又は両方の少なくとも1つの品質を記述する、ステップと、
を含む。
【0079】
実施形態2:前記方法は:
e) 前記成形プロセスに使用される少なくとも1つの材料を検索する、ステップ、
をさらに含む、先行する実施形態による方法。
【0080】
実施形態3:ステップe)は、ステップb)の前に実行される、先行する実施形態による方法。
【0081】
実施形態4:ステップe)は,以下のサブステップ:
e1. 前記材料;前記部品;前記部品を製造するための製造機、のうちの少なくとも1つの少なくとも1つのターゲット特性を検索することと、
e2. 前記ターゲット特性によって、データベースから少なくとも1つの材料を自動的に選択することと、
を含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0082】
実施形態5:ステップe)、具体的にはステップe2.は、少なくとも1つの人工知能プロセス、具体的には、少なくとも1つのニューラルネットワークを使用することを含む、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0083】
実施形態6:ステップb1.は、前記幾何学的形状データにおいて:前記金型からの前記部品の意図された脱型に関するアンダーカット;前記金型からの前記部品の意図された脱型に関するドラフト角度;薄い領域;質量蓄積;肉厚分布;基部肉厚、基部肉厚に対するリブ肉厚の比率;前記金型からの前記部品の意図された脱型に関する前記金型の製造可能性、のうちの少なくとも1つを決定することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0084】
実施形態7:ステップb1.は、前記幾何学的形状データにおいて、少なくとも1つの測定変数を決定することを含み、ステップc)は、前記少なくとも1つの測定変数を前記ターゲット仕様の少なくとも1つの閾値と比較することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0085】
実施形態8:前記少なくとも1つの測定変数は:長さ、具体的には、前記少なくとも1つの材料の溶融質量の最大流れ長さ;角度、具体的には、前記金型の表面と意図された脱型の方向との間の角度;厚さ、具体的には、前記少なくとも1つの材料の溶融質量の流れ方向に垂直な少なくとも1つの方向の延び長さ、からなる群から選択される、先行する実施形態による方法。
【0086】
実施形態9:ステップc)は、前記金型の候補形状の重大な幾何学的形状特性を特定することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0087】
実施形態10:ステップc)は、人工知能の少なくとも1つのプロセス、具体的には少なくとも1つのニューラルネットワークを使用することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0088】
実施形態11:ステップb2.は:ウェルドライン;流れ長さ;薄い領域;質量蓄積;せん断応力;収縮;充填圧力;金型を閉じるのに必要なクランプ力;サイクルタイム;充填時間;負荷限界、具体的に前記部品の弾性変形につながる負荷限界、特に前記部品の塑性変形につながる負荷限界、のうちの少なくとも1つを決定することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0089】
実施形態12:ステップb2.は、少なくとも1つのシミュレーションされる変数を決定することを含み、ステップc)は、前記少なくとも1つのシミュレーションされる変数を、前記ターゲット仕様の少なくとも1つのシミュレーション閾値変数と比較することを含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0090】
実施形態13:前記少なくとも1つのシミュレーションされる変数は:前記金型を充填するために使用される前記少なくとも1つの材料の溶融質量の特性、具体的には、前記少なくとも1つの材料の溶融質量の粘度、前記少なくとも1つの材料の溶融質量の温度;前記金型の特性、具体的には、前記金型の温度及び前記金型内の圧力;流路長;前記少なくとも1つの材料の溶融質量で前記金型を完全に充填するための充填時間;前記部品の少なくとも1つの材料の特性、具体的には、硬度、堅牢性、より具体的には構造的堅牢性、弾性及び可塑性、からなる群から選択される特性である、先行する実施形態による方法。
【0091】
実施形態14:前記方法は、
f) ステップa)で検索された前記幾何学的形状データを、幾何学的形状を有限数のメッシュ要素を含むメッシュに離散化することによって、前処理すること、
をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0092】
実施形態15:ステップf)は、ステップb)を実行する前に実行される、先行する実施形態による方法。
【0093】
実施形態16:ステップf)は、前記幾何学的形状データの欠陥部分のファイル修復をさらに含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0094】
実施形態17:前記3次元幾何学的形状データは、前記金型の候補形状を幾何学的に記述するCADデータである、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0095】
実施形態18:ステップc)で生成された前記少なくとも1つの解釈結果は、推奨情報の少なくとも1つの項目を含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0096】
実施形態19:前記推奨情報の少なくとも1つの項目は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応からなる群から選択される少なくとも1つの推奨を含む、先行する実施形態による方法。
【0097】
実施形態20:前記方法は、少なくとも1つの自動レポートを出力することをさらに含み、前記自動レポートは、前記推奨情報の少なくとも1つの項目を含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0098】
実施形態21:ステップd)は、前記少なくとも1つの自動レポートを出力することを含む、先行する実施形態による方法。
【0099】
実施形態22:前記少なくとも1つの自動レポートの出力は、材料の適応、幾何学的形状の適応、及び製造パラメータの適応、のうちの1つ以上のガイダンスを提供することを含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0100】
実施形態23:前記方法は:
g) ステップc)で生成された前記少なくとも1つの解釈結果から、分析情報の少なくとも1つの項目を検索し、前記分析情報の少なくとも1つの項目を自動学習プロセスで使用すること、
をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0101】
実施形態24:前記分析情報の少なくとも1つの項目は:前記少なくとも1つの解釈結果に対する反応と、前記成形プロセスに使用するために選択された材料、の少なくとも1つに関する情報を含む、先行する実施形態による方法。
【0102】
実施形態25:前記方法は、少なくとも1つの要求側コンピュータ及び少なくとも1つの処理側コンピュータを使用することを含み、前記処理側コンピュータは、前記要求側コンピュータから前記3次元幾何学的形状データを検索し、少なくともステップb)~c)を実行し、ステップd)で前記解釈結果を前記要求側コンピュータに出力する、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0103】
実施形態26:前記要求側コンピュータと前記処理側コンピュータは、少なくとも1つのウェブインターフェースを介して通信する、先行する実施形態による方法。
【0104】
実施形態27:前記方法は、
h) ステップc)で生成された解釈結果を、少なくとも1つのさらなるコンピューティング装置に出力すること、
をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0105】
実施形態28:前記コンピューティング装置は、前記解釈結果を少なくとも1つのプロセスパラメータに変換するように構成され、前記プロセスパラメータは、製造プロセスのパラメータである、先行する実施形態による方法。
【0106】
実施形態29:前記コンピューティング装置は共同作業者又はパートナーのコンピューティング装置であり、具体的には、工具製造業者;金型設計者、機械エンジニア、射出成形業者、材料サプライヤーからなる群から選択されるパートナーのコンピューティング装置である、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0107】
実施形態30:ステップh)は、マッチングする共同作業者又はパートナーを特定することをさらに含む、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0108】
実施形態31:少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するための設計システムであって、先行する実施形態のいずれか1つによる方法のステップを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える、設計システム。
【0109】
実施形態32:前記設計システムは、少なくとも1つの処理側コンピュータと少なくとも1つの要求側コンピュータとを含み、前記処理側コンピュータは、前記要求側コンピュータから3次元幾何学的形状データを検索し、少なくともステップb)~c)を実行し、ステップd)での解釈結果を前記要求側コンピュータに出力するように構成されている、先行する実施形態による設計システム。
【0110】
実施形態33:前記設計システム、具体的には前記処理側コンピュータは、データベース、具体的には材料データベース又はパートナーデータベースを記憶するためのデータストレージ又はメモリの少なくとも一方又は両方を備えている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる設計システム。
【0111】
実施形態34:前記データストレージ又は前記メモリは:内部データストレージ、例えば、内蔵ドライブ又はメモリ;外部データストレージ、例えば、外部ドライブ、及び、クラウドサーバなどの外部データサーバ;ポータブルデータストレージ、からなる群から選択さる、先行する実施形態による設計システム。
【0112】
実施形態35:前記設計システムは、前記要求側コンピュータから前記処理側コンピュータへ情報を送信すること、又はその逆に情報を送信することの一方又は両方のための、少なくとも1つのウェブインターフェースをさらに備える、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる設計システム。
【0113】
実施形態36:前記設計システムは、クライアントサーバシステムであり、前記少なくとも1つの処理側コンピュータは、サーバ;ウェブサーバからなる群から選択される、先行する5つの実施形態のいずれか1つによる設計システム。
【0114】
実施形態37:プログラムがコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、前記コンピュータ又はコンピュータシステムに、方法に参照する先行する実施形態のいずれか1つによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【0115】
実施形態38:プログラムがコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、前記コンピュータ又はコンピュータシステムに、方法に参照する先行する実施形態のいずれか1つによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【0116】
実施形態39:プログラムがコンピュータ又はコンピュータシステムによって実行されると、前記コンピュータ又はコンピュータシステムに、方法に参照する先行する実施形態のいずれか1つによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【図面の簡単な説明】
【0117】
さらなる任意の特徴及び実施形態は、後続の実施形態の説明において、好ましくは従属請求項に関連して、より詳細に開示される。そこでは、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、分離された態様で、また任意の実行可能な組み合わせで実現されてよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は、図に概略的に示されている。その中で、これらの図において同一の参照番号は、同一の又は機能的に互換可能な要素を示す。
【0118】
図では:
【
図1】金型キャビティの候補形状を及び金型キャビティを用いて製造される部品を記述した3次元幾何学的形状データの実施形態の一部を示す。
【
図2】デザインシステムの実施形態を示す斜視図である。
【
図3】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図4】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図5】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図6】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図7】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図8】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【
図9】少なくとも1つの部品を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装の方法の異なる実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0119】
実施形態の詳細説明
図1では、金型キャビティ112の候補形状を記述する3次元幾何学的形状データ110の実施形態が、部分的に斜視図で示されている。さらに、金型キャビティ112を用いて製造された部品114が
図1に示されている。
【0120】
少なくとも1つの部品114を製造するための成形プロセスを設計するための設計システム116の一実施形態が、
図2に斜視図で示されている。設計システム116は、例えば
図3~
図9に示されているような、少なくとも1つの部品114を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法120を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ118を備える。設計システム116は、少なくとも1つの処理側コンピュータ122と、少なくとも1つの要求側コンピュータ124とをさらに含んでよい。具体的には、処理側コンピュータ122は、要求側コンピュータ124から3次元幾何学的形状データ110を検索するように構成されていてよい。さらに、処理側コンピュータ122は、コンピュータ実装方法120で生成された解釈結果を要求側コンピュータ124に出力するように構成されることができる。特に、処理側コンピュータ122は、材料データベース又はパートナーデータベースなどのデータベースを記憶するためのメモリ126を備えることができる。一例として、設計システム116は、要求側コンピュータ124から処理側コンピュータ122へ情報を送信すること、又はその逆に情報を送信することの一方又は両方のための、少なくとも1つのウェブインターフェース128を含むことができる。
【0121】
特に、設計システム116の要求側コンピュータ124は、例えば、少なくとも1つのクライアントコンピュータのような、少なくとも1つのフロントエンド又はフロントエンドコンピュータであってよく、又はそれを含んでいてよい。一例として、要求側コンピュータ124は、設計方法のステップd)の解釈結果をユーザに図示するように構成されていてよい。
【0122】
設計システム116の処理側コンピュータ122は、例えばウェブプラットフォームを提供するように構成された、例えば少なくとも1つのウェブサーバのような、少なくとも1つのサーバなどの少なくとも1つのバックエンド又はバックエンドコンピュータであってよく、又はそれを含んでいてよい。特に、処理側コンピュータ122は、3次元幾何学的形状データ110を処理するように構成されていてよい。詳細には、3次元幾何学的形状データ110を処理するために、処理側コンピュータ122は、設計方法のステップb)~c)を実行するための、少なくとも1つのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を利用することができる。
図3~
図9では、少なくとも1つの部品114を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法120の異なる実施形態のフローチャートが示されている。少なくとも1つの部品114を製造するための成形プロセスを設計するコンピュータ実装された方法120、具体的には設計方法120は、具体的には所与の順序で実行され得る以下のステップを含む。ただし、異なる順序も可能である。また、2つ以上の方法ステップを全部又は部分的に同時に実行することができる。さらに、1つ、2つ以上、あるいは全ての方法ステップを1回又は繰り返し実行することができる。該方法は、本明細書に挙げられていない追加の方法ステップをさらに含んでよい。設計方法120の方法ステップは、以下である:
ステップa) (参照番号130で示される)金型キャビティ112の候補形状を記述する3次元幾何学的形状データ110を検索するステップと、
ステップb) (参照番号132で示される)前記幾何学的形状データ110を分析するステップであって、前記分析は、以下のサブステップ:
ステップb1. (参照番号134で示される)複数の所定の基準について、前記幾何学的形状データ110を自動的に走査することにより、前記金型キャビティ112の幾何学的形状を分析することと、
ステップb2. (参照番号136で示される)以下の、
- 少なくとも1つの材料の溶融質量(参照番号138で示される)で金型キャビティ112を充填することのコンピュータ実装シミュレーションと;
- 金型キャビティ112(参照番号140で示される)を使用して製造された部品114のコンピュータ実装シミュレーションと、
のうちの少なくとも1つによる、前記金型キャビティ112の使用をシミュレーションすることと;
c) (参照番号142で示される)ステップb)で生成された少なくとも1つの分析結果を、前記分析結果を少なくとも1つのターゲット仕様に合わせることにより、自動的に解釈するステップと、
d) (参照番号144で示される)ステップc)で生成された少なくとも1つの解釈結果を出力するステップであって、前記解釈結果は、前記金型キャビティ112の候補形状を用いる成形プロセス及び部品設計の一方又は両方の少なくとも1つの品質を記述するステップ。
【0123】
一例として、ステップb1.134で分析された金型キャビティ112の形状は、プラスチック部品などの部品の少なくとも1つの幾何学的形状データ、例えば部品114の少なくとも1つの幾何学的形状データであってよく、又はそれを含んでよく、金型キャビティ112の形状は、具体的には部品114の逆形状などのネガティブ形状であってよく、又はそれを含んでいてよい。
【0124】
特に、
図3に示されるように、設計方法120のステップb2.136は、少なくとも1つの材料の溶融質量で金型キャビティ112を充填することのコンピュータ実装シミュレーションによって、金型キャビティ112の使用をシミュレーションする第1サブステップb2.138のみを含むことができる。あるいは、
図4に示されているように、設計方法120のステップb2.136は、金型キャビティ112の使用によって製造された部品114のコンピュータ実装シミュレーションによって、金型キャビティ112の使用をシミュレーションする第2サブステップb2.140のみを含むことができる。あるいは、
図5に示されるように、設計方法120のステップb2.136は、第1サブステップ138及び第2サブステップ140の両方を含むことができる。
【0125】
設計方法120は、成形プロセスに使用される少なくとも1つの材料を検索するステップe)(参照番号146で示される)をさらに含んでよく、ステップe)146は、例えば
図6~
図9に示されるように、ステップb)132の前に実行されてもよい。特に、ステップe)は:
e1. (参照番号148で示される)材料;部品114;部品114を製造するための製造機、のうちの少なくとも1つの、少なくとも1つのターゲット特性を検索することと;
e2. (参照番号150で示される)ターゲット特性によって、データベースから少なくとも1つの材料を自動的に選択することと、
を含む。
【0126】
具体的には、ステップe2.150は、人工知能の少なくとも1つのプロセス、特に少なくとも1つのニューロンネットワークを使用することを含んでよい。
【0127】
さらに、設計方法120は、ステップa)130で検索した幾何学的形状データ110を、幾何学的形状データを有限個のメッシュ要素を含むメッシュに離散化することによって、前処理を行うステップf)(参照番号152で示される)を含んでよい。具体的には、ステップf)は、幾何学的形状データ110の欠陥部分のファイル修復をさらに含んでよい。特に、例えば
図7に示されているように、ステップf)は、ステップb)を実行する前に実行されてよい。
【0128】
具体的には、設計方法120は、例えば、
図7~
図9に例示されているように、さらなるステップとして、少なくとも1つの自動レポート154を出力することを含んでよい。特に、自動レポートは、例えば、ステップc)142で生成された解釈結果によって含まれる、推奨情報の少なくとも1つの項目を含み得る。
【0129】
さらに、設計方法120は、例えば
図8及び
図9に図示されているように、ステップc)142で生成された少なくとも1つの解釈結果から分析情報の少なくとも1つの項目を検索し、該分析情報の少なくとも1つの項目を自動学習プロセスで使用するステップg)(参照番号156で示される)を含んでよい。一例として、自動学習プロセスは、
図9でステップe)146からステップg)156を指す矢印によって例示的に示され得るように、ステップe)146で検索された材料に関する情報をさらに利用することができる。
【0130】
具体的には、設計方法120は、少なくとも1つの要求側コンピュータ124と、少なくとも1つの処理側コンピュータ122を使用することを含み得る。特に、処理側コンピュータ122は、要求側コンピュータ124から3次元幾何学的形状データ110を検索することができる。さらに処理側コンピュータ122は、少なくともステップb)132及びステップc)142を実行し、さらにステップd)144で解釈結果を要求側コンピュータ124に出力することができる。具体的には、
図2に示されているように、処理側コンピュータ122及び要求側コンピュータ124は、少なくとも1つのウェブインターフェース128を介して通信することができる。
【0131】
設計方法120は、例えば
図7~
図9に示されるように、ステップc)で生成された解釈結果を少なくとも1つのさらなるコンピューティング装置に出力するステップh)(参照番号158で示される)をさらに含んでよい。特に、ステップh)158は、例えば
図9に例示されるように、さらなるサブステップとして、工具製造業者、金型設計者、機械エンジニア、射出成形業者及び材料サプライヤーなどのマッチングする共同作業者又はパートナー160を特定することをさらに含んでよい。一例として、設計方法120は、
図9に示されるように、ステップh)158を2回実行することを含んでよい。特に、ステップc)で生成された解釈結果が出力されるコンピューティング装置は、解釈結果を少なくとも1つのプロセスパラメータに変換するように構成されてよい。したがって、設計方法120は、
図9に示されるように、追加のステップとして、解釈結果を少なくとも1つのプロセスパラメータ159に変換することを含むことができる。ステップ159の実行に続いて、設計方法120は、転送ステップ161をさらに含むことができ、プロセスパラメータを適切な製造機に転送することができる。ステップ161を実行するのに続いて、設計方法120は、例えば部品などの製造結果163を評価することをさらに含むことができる。
【0132】
さらなるステップとして、設計方法120は、登録ステップ162と、その後に実行されるログインステップ164を含むことができる。例えば
図9に示されるように、登録ステップ162及びログインステップ164は、ステップa)を実行する前に実行されてよい。さらに、マッチングする共同作業者又はパートナーも、
図9でログインステップ164からステップh)158を指す矢印によって例示的に示され得るように、登録及びログインさせなければならない場合もある。
【符号の説明】
【0133】
参照番号のリスト
110 幾何学的形状データ
112 金型キャビティ
114 部品
116 設計システム
118 プロセッサ
120 成形プロセスを設計するコンピュータ実装方法
122 処理側コンピュータ
124 要求側コンピュータ
126 メモリ
128 ウェブインターフェース
130 ステップa)
132 ステップb)
134 ステップb1.
136 ステップb2.
138 b2.の第1サブステップ
140 b2.の第2サブステップ
142 ステップc)
144 ステップd)
146 ステップe)
148 ステップe1.
150 ステップe2.
152 ステップf)
154 少なくとも1つの自動レポートを出力すること
156 ステップg)
158 ステップh)
159 解釈結果を少なくとも1つのプロセスパラメータに変換すること
160 マッチングする共同作業者又はパートナーを特定すること
161 転送ステップ
162 登録ステップ
163 製造結果の評価
164 ログインステップ