(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】高温プロセスのための軸方向に冷却される金属シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20250128BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250128BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/302 101G
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2023518125
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 US2021035377
(87)【国際公開番号】W WO2022066240
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2024-05-23
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤップ・リップヤウ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラマン・ニヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ウォンセナカム・パンヤ
(72)【発明者】
【氏名】リンド・ギャリー・ビー.
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-143101(JP,A)
【文献】国際公開第2020/159799(WO,A1)
【文献】特開2002-327274(JP,A)
【文献】特表2010-541239(JP,A)
【文献】特開2010-225642(JP,A)
【文献】特表2016-508288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/3065
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドであって、
第1の金属材料からなるベース部分であって、前記ベース部分は、ガス入口を含む第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面と、を有し、前記ベース部分は、前記ガス入口と流体連通する複数の通路を含む、ベース部分と、
第2の金属材料からなるフェースプレートであって、前記フェースプレートは、前記ベース部分の前記第2の表面に取り付けられた側面と、底面と、を有し、前記フェースプレートの前記側面および前記底面と、前記ベース部分の前記第2の表面とは、前記複数の通路と流体連通するプレナムを画定し、前記フェースプレートは、前記プレナムを通って上方へ前記底面から延在し前記ベース部分の前記第2の表面に接触する複数の壁を含み、前記底面は、前記複数の壁に沿って配置され前記プレナムと流体連通する複数の出口を含む、フェースプレートと、
前記ベース部分の周囲に沿った溝内に配設されたヒータと、
前記ベース部分の前記第1の表面上に配置された冷却プレートであって、前記冷却プレートは、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む、冷却プレートと、
前記第1の金属材料および前記第2の金属材料よりも低い熱伝導率を有する第3の材料からなり、前記シャワーヘッドの前記冷却プレートと前記ベース部分との間に配置されたプレートと、
を備えるシャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記冷却プレートおよび前記プレートの外径は、前記溝の内径以下である、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の壁は、垂直かつ同心円状であり、
前記複数の壁は、異なる高さを有し、
前記複数の壁は、異なる幅を有する、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記複数の壁および前記出口は、前記フェースプレートの領域内に配置され、
前記冷却プレートおよび前記プレートの外径は、前記領域の直径以下であり、
前記領域の前記直径は、前記溝の内径以下である、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記ベース部分は、前記ベース部分の上端から半径方向外側に延在するフランジを含み、前記シャワーヘッドは、前記ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともに前記フランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記第3の材料は、熱可塑性材料を含み、前記シャワーヘッドは、前記プレートと前記冷却プレートとの間に配置された追加プレートをさらに備え、前記追加プレートは、前記第3の材料とは異なる熱伝導率を有する、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項6に記載のシャワーヘッドであって、
前記追加プレートの第1の外径は、前記プレートの第2の外径以上であり、
前記プレートは、前記追加プレートよりも薄い、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記第3の材料は、熱可塑性材料を含み、前記プレートは、
1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、
平坦である第2の層と、
1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、
を備える、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の層および前記第3の層の前記凹部は、互いに位置合わせされ、
前記第1の層および前記第3の層の前記凹部は、部分的に重なり、または、
前記第1の層および前記第3の層の前記凹部は、重ならない、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、前記ベース部分は、
第1の円板形要素であって、前記第1の円板形要素の外径に近接する溝を含み、前記ヒータは、前記溝内に配置される、第1の円板形要素と、
前記第1の円板形要素上に配置され、前記溝の内径以下である外径を有する、第2の円板形要素と、
前記第1の円板形要素上に配置され、前記溝の外径以上である内径を有する、円筒形要素と、
を備え、
前記第1の円板形要素および前記第2の円板形要素ならびに前記円筒形要素の底部の外径は、等しく、
前記第1の円板形要素および前記第2の円板形要素ならびに前記円筒形要素は、拡散接合される、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項10に記載のシャワーヘッドであって、前記第1の円板形要素は、
前記第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備え、
前記スロットは、前記ガス入口と流体連通し、前記スロットから半径方向に延在する複数の溝を含み、
前記通路は、前記溝の遠端から前記第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、前記底面を通って延在する、シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項10に記載のシャワーヘッドであって、前記円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含み、前記シャワーヘッドは、前記ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともに前記フランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記フェースプレートは、前記フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝を含み、
前記複数の溝は、異なる長さであり、
前記複数の壁は、垂直かつ同心円状であり、
前記複数の溝は、前記複数の壁と交差する、シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドと、ペデスタルと、を備える処理チャンバであって、
前記フェースプレートは、前記底面の外径に沿った環状凹みを含み、
前記シャワーヘッドは、前記環状凹み内に配設されたエッジリングを含み、
前記エッジリングは、前記ペデスタルの上面の外縁に近接し、
前記エッジリングと、前記ペデスタルの前記上面の前記外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流は、前記処理チャンバからの汚染物質が、基板処理中に前記ギャップを通って前記ペデスタル上に配置された基板に向かって流れることを防止する、処理チャンバ。
【請求項15】
シャワーヘッドであって、
ガス入口を含む第1の表面と、前記第1の表面に対向する第2の表面と、を有するベース部分であって、前記ベース部分は、前記ガス入口と流体連通する複数の通路を含む、ベース部分と、
前記ベース部分の前記第2の表面に取り付けられた側面と、複数の出口を含む底面と、を有するフェースプレートであって、前記フェースプレートは、上方へ前記底面から上方へ延在し前記ベース部分の前記第2の表面に接触する複数の壁を含む、フェースプレートと、
前記ベース部分の前記第1の表面上に配置された冷却プレートであって、前記冷却プレートは、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む、冷却プレートと、
前記フェースプレートおよび前記冷却プレートよりも低い熱伝導率を有し、前記シャワーヘッドの前記冷却プレートと前記ベース部分との間に配置されたプレートと、
を備えるシャワーヘッド。
【請求項16】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、前記プレートは、熱可塑性材料からなり、前記プレートは、
1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、
平坦である第2の層と、
1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、
を備える、シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、前記ベース部分は、
第1の円板形要素であって、前記第1の円板形要素の外径に近接する溝内に配置されたヒータを含む、第1の円板形要素と、
前記第1の円板形要素上に配置され、前記溝の内径以下である外径を有する、第2の円板形要素と、
前記第1の円板形要素上に配置され、前記溝の外径以上である内径を有する、円筒形要素と、
を備え、
前記円筒形要素の底部ならびに前記第1の円板形要素および前記第2の円板形要素の外径は、等しい、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項17に記載のシャワーヘッドであって、前記第1の円板形要素は、前記第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備え、前記スロットは、前記ガス入口と流体連通し、前記スロットから半径方向に延在する複数の溝を含み、前記通路は、前記溝の遠端から前記第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、前記底面を通って延在する、シャワーヘッド。
【請求項19】
請求項17に記載のシャワーヘッドであって、前記円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含み、前記シャワーヘッドは、前記ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともに前記フランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える、シャワーヘッド。
【請求項20】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、前記フェースプレートは、
前記フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝であって、前記複数の溝は、異なる長さであり、前記複数の壁は、垂直かつ同心円状であり、前記複数の溝は、前記複数の壁と交差する、複数の溝と、
前記底面の外径に沿った環状凹みであって、前記環状凹みは、エッジリングを含み、前記エッジリングは、前記エッジリングと、ペデスタルの上面の外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流を可能にする、環状凹みと、
を含む、シャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:
本開示は、2020年9月25日に出願された米国特許出願第63/083,442号のPCT国際出願である。上記の出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より詳細には、高温プロセスのための軸方向に冷却される金属シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を概ね提示する目的のためのものである。この背景技術の項に記載される範囲での現時点で名前が挙げられている発明者らの研究と、出願時に従来技術として通常みなされえない記載の態様とは、いずれも本開示に対する従来技術としては明示的にも暗示的にも認められない。
【0004】
原子層堆積(ALD)は、材料の表面(例えば、半導体ウェハなどの基板の表面)上に薄膜を堆積するための気相化学プロセスを順次実行する薄膜堆積方法である。ほとんどのALD反応は、前駆体(反応物)と呼ばれる少なくとも2つの化学物質を使用し、これらの化学物質は、順次自己制限的に一度に1つの前駆体で材料の表面と反応する。別々の前駆体への繰り返される曝露により、薄膜が、材料の表面上に徐々に堆積される。
【0005】
熱ALD(T-ALD)は、加熱された処理チャンバ内で実施される。処理チャンバは、真空ポンプおよび不活性ガスの制御された流れを用いて大気圧未満の圧力に維持される。ALD膜で被覆されるべき基板は、処理チャンバ内に置かれ、ALDプロセスを開始する前に処理チャンバの温度と平衡にされる。
【発明の概要】
【0006】
シャワーヘッドは、ベース部分と、フェースプレートと、ヒータと、冷却プレートと、金属プレートと、を備える。ベース部分は、第1の金属材料からなり、ガス入口を含む第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を有し、ガス入口と流体連通する複数の通路を含む。フェースプレートは、第2の金属材料からなり、ベース部分の第2の表面に取り付けられた側面と、底面と、を有する。フェースプレートの側面および底面と、ベース部分の第2の表面とは、複数の通路と流体連通するプレナムを画定する。フェースプレートは、プレナムを通って上方へ底面から延在しベース部分の第2の表面に接触する複数の壁を含む。底面は、複数の壁に沿って配置されプレナムと流体連通する複数の出口を含む。ヒータは、ベース部分の周囲に沿った溝内に配設される。冷却プレートは、ベース部分の第1の表面上に配置され、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む。金属プレートは、第1の金属材料および第2の金属材料よりも低い熱伝導率を有する第3の金属材料からなり、シャワーヘッドの冷却プレートとベース部分との間に配置される。
【0007】
他の特徴では、冷却プレートおよび金属プレートの外径は、溝の内径以下である。
【0008】
他の特徴では、複数の壁は、垂直かつ同心円状である。
【0009】
別の特徴では、複数の壁は、異なる高さを有する。
【0010】
別の特徴では、複数の壁は、異なる幅を有する。
【0011】
他の特徴では、壁および出口は、フェースプレートの領域内に配置され、冷却プレートおよび金属プレートの外径は、領域の直径以下である。
【0012】
他の特徴では、複数の壁および出口は、フェースプレートの領域内に配置され、領域の直径は、溝の内径以下である。
【0013】
他の特徴では、冷却プレートおよび金属プレートは、ベース部分およびフェースプレートの外径よりも小さい直径を有する。
【0014】
他の特徴では、第1の金属材料および第2の金属材料は同じである。
【0015】
他の特徴では、ベース部分は、ベース部分の上端から半径方向外側に延在するフランジを含み、シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0016】
他の特徴では、金属プレートは、上面および底面の少なくとも一方に1つまたは複数の凹部を含む。
【0017】
別の特徴では、シャワーヘッドは、金属プレートとベース部分との間に配置された非金属からなる追加プレートをさらに備える。
【0018】
別の特徴では、非金属は、第3の金属材料よりも低い熱伝導率を有する。
【0019】
別の特徴では、追加プレートの外径は、金属プレートの外径以下である。
【0020】
別の特徴では、金属プレートは、追加プレートよりも厚い。
【0021】
別の特徴では、フェースプレートは、ベース部分に拡散接合される。
【0022】
別の特徴では、ベース部分およびフェースプレートは、耐食材料で被覆される。
【0023】
他の特徴では、金属プレートは、1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、平坦である第2の層と、1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、を備える。
【0024】
他の特徴では、第1の層、第2の層、および第3の層は、拡散接合される。
【0025】
他の特徴では、第1の層および第3の層の凹部は、互いに位置合わせされる。
【0026】
他の特徴では、第1の層および第3の層の凹部は、部分的に重なる。
【0027】
他の特徴では、第1の層および第3の層の凹部は、重ならない。
【0028】
他の特徴では、ベース部分は、第1および第2の円板形要素と、円筒形要素と、を備える。第1の円板形要素は、第1の円板形要素の外径に近接する溝を含む。ヒータは、溝内に配置される。第2の円板形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の内径以下である外径を有する。円筒形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の外径以上である内径を有する。
【0029】
他の特徴では、第1の円板形要素および第2の円板形要素ならびに円筒形要素は、拡散接合される。
【0030】
別の特徴では、溝は、第1の円板形要素の上面から第1の円板形要素の底面に向かって垂直に延在する。
【0031】
他の特徴では、第1の円板形要素および第2の円板形要素ならびに円筒形要素の底部の外径は、等しい。
【0032】
他の特徴では、第1の円板形要素は、第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備える。スロットは、ガス入口と流体連通し、スロットから半径方向に延在する複数の溝を含む。通路は、溝の遠端から第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、底面を通って延在する。
【0033】
他の特徴では、円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含み、シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0034】
他の特徴では、フェースプレートは、フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝を含む。
【0035】
他の特徴では、複数の溝は、異なる長さである。
【0036】
他の特徴では、複数の壁は、垂直かつ同心円状であり、複数の溝は、壁と交差する。
【0037】
他の特徴では、フェースプレートは、底面の外径に沿った環状凹みを含み、シャワーヘッドは、環状凹み内に配設されたエッジリングをさらに備える。
【0038】
他の特徴では、処理チャンバは、シャワーヘッドおよびペデスタルを備える。エッジリングは、ペデスタルの上面の外縁に近接する。
【0039】
別の特徴では、エッジリングと、ペデスタルの上面の外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流は、処理チャンバからの汚染物質が、基板処理中にギャップを通ってペデスタル上に配置された基板に向かって流れることを防止する。
【0040】
他の特徴では、システムは、シャワーヘッドと、ガス入口にプロセスガスを供給するためのガス分配システムと、冷却プレート内の導管に流体を供給するための流体分配システムと、ヒータに電力を供給するための電源とを備える。
【0041】
別の特徴では、システムは、ガス分配システムと、流体分配システムと、電源と、を制御するためのコントローラをさらに備える。
【0042】
さらに他の特徴では、シャワーヘッドは、ベース部分と、フェースプレートと、冷却プレートと、第1の金属プレートと、第2のプレートと、を備える。ベース部分は、ガス入口を含む第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を有する。ベース部分は、ガス入口と流体連通する複数の通路を含む。フェースプレートは、ベース部分の第2の表面に取り付けられた側面と、複数の出口を含む底面と、を有する。フェースプレートは、上方へ底面から上方へ延在しベース部分の第2の表面に接触する複数の壁を含む。冷却プレートは、ベース部分の第1の表面上に配置される。冷却プレートは、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む。第1の金属プレートは、シャワーヘッドの冷却プレートとベース部分との間に配置される。第1の金属プレートは、フェースプレートおよび冷却プレートよりも低い熱伝導率を有する。第2のプレートは、第1の金属プレートとベース部分との間に配置される。第2のプレートは、第1の金属プレートよりも低い熱伝導率を有する非金属からなる。
【0043】
別の特徴では、第1の金属プレートは、1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、平坦である第2の層と、1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、を備える。
【0044】
別の特徴では、ベース部分は、第1の円板形要素と、第2の円板形要素と、円筒形要素と、を備える。第1の円板形要素は、第1の円板形要素の外径に近接する溝内に配置されたヒータを含む。第2の円板形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の内径以下である外径を有する。円筒形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の外径以上である内径を有する。円筒形要素の底部ならびに第1の円板形要素および第2の円板形要素の外径は、等しい。
【0045】
他の特徴では、第1の円板形要素は、第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備える。スロットは、ガス入口と流体連通し、スロットから半径方向に延在する複数の溝を含む。通路は、溝の遠端から第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、底面を通って延在する。
【0046】
他の特徴では、円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含む。シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0047】
他の特徴では、フェースプレートは、フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝を含む。溝は、異なる長さである。壁は、垂直かつ同心円状である。溝は、壁と交差する。フェースプレートは、底面の外径に沿った環状凹みを含む。環状凹みは、エッジリングを含み、エッジリングは、エッジリングと、ペデスタルの上面の外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流を可能にする。
【0048】
さらに他の特徴では、シャワーヘッドは、ベース部分と、フェースプレートと、ヒータと、冷却プレートと、プレートと、を備える。ベース部分は、第1の金属材料からなる。ベース部分は、ガス入口を含む第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を有する。ベース部分は、ガス入口と流体連通する複数の通路を含む。フェースプレートは、第2の金属材料からなる。フェースプレートは、ベース部分の第2の表面に取り付けられた側面と、底面と、を有する。フェースプレートの側面および底面と、ベース部分の第2の表面とは、複数の通路と流体連通するプレナムを画定する。フェースプレートは、プレナムを通って上方へ底面から延在しベース部分の第2の表面に接触する複数の壁を含む。底面は、壁に沿って配置されプレナムと流体連通する複数の出口を含む。ヒータは、ベース部分の周囲に沿った溝内に配設される。冷却プレートは、ベース部分の第1の表面上に配置される。冷却プレートは、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む。プレートは、第1および第2の金属材料よりも低い熱伝導率を有する第3の材料からなる。プレートは、シャワーヘッドの冷却プレートとベース部分との間に配置される。
【0049】
他の特徴では、冷却プレートおよびプレートの外径は、溝の内径以下である。
【0050】
他の特徴では、複数の壁は、垂直かつ同心円状である。複数の壁は、異なる高さを有する。複数の壁は、異なる幅を有する。
【0051】
他の特徴では、複数の壁および出口は、フェースプレートの領域内に配置される。冷却プレートおよびプレートの外径は、領域の直径以下である。領域の直径は、溝の内径以下である。
【0052】
他の特徴では、ベース部分は、ベース部分の上端から半径方向外側に延在するフランジを含む。シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0053】
他の特徴では、第3の材料は、熱可塑性材料を含む。シャワーヘッドは、プレートと冷却プレートとの間に配置された追加プレートをさらに備える。追加プレートは、第3の材料とは異なる熱伝導率を有する。
【0054】
他の特徴では、追加プレートの第1の外径は、プレートの第2の外径以上である。プレートは、追加プレートよりも薄い。
【0055】
他の特徴では、第3の材料は、熱可塑性材料を含む。プレートは、1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、平坦である第2の層と、1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、を備える。
【0056】
他の特徴では、第1の層および第3の層の凹部は、互いに位置合わせされ、第1の層および第3の層の凹部は、部分的に重なり、または、第1の層および第3の層の凹部は、重ならない。
【0057】
他の特徴では、ベース部分は、第1の円板形要素と、第2の円板形要素と、円筒形要素と、を備える。第1の円板形要素は、第1の円板形要素の外径に近接する溝を含む。ヒータは、溝内に配置される。第2の円板形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の内径以下である外径を有する。円筒形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の外径以上である内径を有する。第1の円板形要素および第2の円板形要素ならびに円筒形要素の底部の外径は、等しい。第1の円板形要素および第2の円板形要素ならびに円筒形要素は、拡散接合される。
【0058】
他の特徴では、第1の円板形要素は、第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備える。スロットは、ガス入口と流体連通し、スロットから半径方向に延在する複数の溝を含む。通路は、溝の遠端から第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、底面を通って延在する。
【0059】
他の特徴では、円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含む。シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0060】
他の特徴では、フェースプレートは、フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝を含む。複数の溝は、異なる長さである。複数の壁は、垂直かつ同心円状である。複数の溝は、壁と交差する。
【0061】
他の特徴では、処理チャンバは、シャワーヘッドおよびペデスタルを備える。フェースプレートは、底面の外径に沿った環状凹みを含む。シャワーヘッドは、環状凹み内に配設されたエッジリングを含む。エッジリングは、ペデスタルの上面の外縁に近接する。エッジリングと、ペデスタルの上面の外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流は、処理チャンバからの汚染物質が、基板処理中にギャップを通ってペデスタル上に配置された基板に向かって流れることを防止する。
【0062】
さらに他の特徴では、シャワーヘッドは、ベース部分と、フェースプレートと、冷却プレートと、プレートと、を備える。ベース部分は、ガス入口を含む第1の表面と、第1の表面に対向する第2の表面と、を有する。ベース部分は、ガス入口と流体連通する複数の通路を含む。フェースプレートは、ベース部分の第2の表面に取り付けられた側面と、複数の出口を含む底面と、を有する。フェースプレートは、上方へ底面から上方へ延在しベース部分の第2の表面に接触する複数の壁を含む。冷却プレートは、ベース部分の第1の表面上に配置される。冷却プレートは、冷却材を受け入れるための入口と、出口と、を有する導管を含む。プレートは、フェースプレートおよび冷却プレートよりも低い熱伝導率を有する。プレートは、シャワーヘッドの冷却プレートとベース部分との間に配置される。
【0063】
他の特徴では、プレートは、熱可塑性材料からなる。プレートは、1つまたは複数の凹部を含む第1の層と、平坦である第2の層と、1つまたは複数の凹部を含む第3の層と、を備える。
【0064】
他の特徴では、ベース部分は、第1の円板形要素と、第2の円板形要素と、円筒形要素と、を備える。第1の円板形要素は、第1の円板形要素の外径に近接する溝内に配置されたヒータを含む。第2の円板形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の内径以下である外径を有する。円筒形要素は、第1の円板形要素上に配置され、溝の外径以上である内径を有する。円筒形要素の底部ならびに第1の円板形要素および第2の円板形要素の外径は、等しい。
【0065】
他の特徴では、第1の円板形要素は、第1の円板形要素の上面の中心にスロットを備える。スロットは、ガス入口と流体連通し、スロットから半径方向に延在する複数の溝を含む。通路は、溝の遠端から第1の円板形要素の底面へ下方に向かい、底面を通って延在する。
【0066】
他の特徴では、円筒形要素の上端は、半径方向外側に延在するフランジを含む。シャワーヘッドは、ヒータ上に配置された垂直部分を有するとともにフランジに取り付けられた水平部分を有する締め付けリングをさらに備える。
【0067】
他の特徴では、フェースプレートは、フェースプレートの中心から半径方向外側に延在する複数の溝を含む。複数の溝は、異なる長さである。複数の壁は、垂直かつ同心円状である。複数の溝は、壁と交差する。フェースプレートは、底面の外径に沿った環状凹みを含む。環状凹みは、エッジリングを含み、エッジリングは、エッジリングと、ペデスタルの上面の外縁との間のギャップを通る半径方向外側へのガス流を可能にする。
【0068】
本開示の適用可能性のさらなる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかとなるであろう。詳細な説明および具体例は、例示のみの目的を意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0069】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】処理チャンバを含む基板処理システムの一例を示す図である。
【0071】
【0072】
【
図3】複数の垂直壁を有するフェースプレートを備えるシャワーヘッドの一例を示す図である。
【0073】
【
図4】複数の垂直壁を有するフェースプレートおよび熱チョークを備えるシャワーヘッドの一例を示す図である。
【0074】
【
図5】
図4のシャワーヘッドをペデスタルとともに示す図である。
【0075】
【
図6】
図4のシャワーヘッドの熱チョークの一例を示す図である。
【0076】
【0077】
【0078】
【
図9A】
図4のシャワーヘッドをさらに詳細に示す図である。
【
図9B】
図4のシャワーヘッドをさらに詳細に示す図である。
【0079】
【0080】
【
図11A】
図4のシャワーヘッドのフェースプレートの等角図である。
【
図11B】
図4のシャワーヘッドのフェースプレートの上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図面において、参照番号は類似および/または同一の要素を特定するために再利用されることがある。
【0082】
アルミニウムなどの金属からなるシャワーヘッドは、摂氏約575~650度のペデスタル温度を要求するプロセスの場合にシャワーヘッドへの比較的大きい熱流が生じるため、比較的高いペデスタル温度で実行されるプロセスのためには一般的に使用されない。シャワーヘッドへの熱流は、シャワーヘッドの中心領域からエッジ領域へ半径方向に駆動される熱フラックス方向によって一般に相殺される。シャワーヘッドのエッジ領域では、処理チャンバのより冷たい上部プレートまたは側壁への熱結合が生じる。熱結合は、金属シャワーヘッド内に(例えば、摂氏約80~120度の)温度勾配を引き起こす。その温度勾配は、結果として、特に(例えば、ALDなどのプロセスにおいて)シャワーヘッドと基板との間のギャップが比較的小さい場合に、シャワーヘッドと基板との間の熱結合により、処理中に基板内に比較的大きい温度勾配を引き起こす。
【0083】
本開示では、シャワーヘッド内の垂直プレナム壁を通る熱流経路が、シャワーヘッドの底部から上部への軸方向熱流を向上させ、結果としてシャワーヘッドを横切る半径方向の温度勾配を低減する。具体的には、シャワーヘッドの中心に空洞を有する開いたプレナムを使用する代わりに、本開示によるシャワーヘッドは、シャワーヘッド内にガス流を分配するためにシャワーヘッドのフェースプレートにおけるスポーク状の溝(以下で詳細に図示および説明される)を使用する。スポーク状の溝は、シャワーヘッドのプレナム内に、二重の目的にかなう垂直壁を含めることを可能にする。シャワーヘッド内にガス流を分配することに加えて、これらの壁はまた、シャワーヘッドの底部から上部への熱流経路を提供する。シャワーヘッド内に結果として生じる軸方向の熱流経路および軸方向の温度勾配は、シャワーヘッドのフェースプレートを横切る半径方向の温度範囲を(例えば、いくつかのプロセスでは摂氏約150度から摂氏約30度に)大幅に低減する。
【0084】
追加的な熱管理のために、加熱、冷却、および熱チョーク(以下で説明される)の組合せが、本開示によるシャワーヘッドにおいて使用される。冷却プレートは、シャワーヘッドの上面上に配置され、温度制御のためにシャワーヘッドのエッジにおける加熱容量を保持しながら、シャワーヘッドの中心領域を冷却するように設計される。ヒータコイルが、シャワーヘッドの周囲に沿って配設される。熱チョークは、以下で説明されるようにシャワーヘッドの冷却プレートとフェースプレートとの間に配置される。
【0085】
加熱、冷却、および熱チョークにより、シャワーヘッドを比較的冷たく(例えば、摂氏200度よりも低い温度に)保持しながら、シャワーヘッドは、シャワーヘッドとペデスタルとの間に比較的小さいギャップを有しつつ、摂氏650度程度の高温で実行されるプロセスにおいて使用され得る。シャワーヘッドを冷たく保持することは、シャワーヘッドに付けられる耐食被覆を保護する。加熱、冷却、および熱チョークによって提供される熱管理により、シャワーヘッドは、このような縮小されたギャップで動作しながら、ペデスタルからの熱負荷によって損傷されない。
【0086】
さらに、シャワーヘッドとペデスタルとの間のギャップを縮小することによって、シャワーヘッドを通って流れるガスの体積は、シャワーヘッドにおいて空洞のあるプレナムを使用する代わりにシャワーヘッドにおけるガス分配のために使用される溝および壁により大幅に低減され得る。流れ体積の低減は、プロセスにおける前駆体消費を低減することに役立ち、これはコストを低減する。流れ体積の低減により、プロセスガスは迅速にパージされ得、これはガス遷移間の継続時間を短縮し、結果としてALDなどのプロセスにおけるサイクル時間を短縮する。短縮されたサイクル時間により、より多数の基板が、同じ長さの時間内に処理され得、これはスループットを増大させる。本開示によるシャワーヘッドのこれらおよび他の特徴は、以下で詳細に説明される。
【0087】
本開示は、以下のように編成される。本開示によるシャワーヘッドが使用され得る処理チャンバの一例が、
図1を参照して図示および説明される。本開示のシャワーヘッドによって解決される課題が、
図2を参照して説明される。課題を解決する本開示によるシャワーヘッドの例が、
図3~
図5を参照して図示および説明される。
図4のシャワーヘッドにおいて使用される熱チョークの例が、
図6を参照して図示および説明される。
図4のシャワーヘッドの上面図および底面図が、それぞれ
図7および
図8を参照して図示および説明される。
図4のシャワーヘッドは、
図9A~
図11Bを参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0088】
図1は、熱原子層堆積(T-ALD)を用いて基板を処理するように構成された処理チャンバ102を備える基板処理システム100の一例を示す。処理チャンバ102は、基板処理システム100の他の構成要素を包囲する。処理チャンバ102は、基板支持体(例えば、ペデスタル)104を備える。処理中に、基板106がペデスタル104上に配置される。
【0089】
1つまたは複数のヒータ108(例えば、ヒータアレイ)が、処理中に基板106を加熱するために、ペデスタル104の金属製ベースプレート上に配置されたセラミックプレート内に配設され得る。ゾーンヒータまたは一次ヒータ(図示せず)と呼ばれる1つまたは複数の追加的なヒータが、ヒータ108の上方または下方でセラミックプレート内に配置され得る。さらに、図示しないが、ペデスタル104を冷却するために冷却材が通って流れ得る冷却チャネルを備える冷却システムが、ペデスタル104のベースプレート内に配設され得、1つまたは複数の温度センサが、ペデスタル104の温度を検知するためにペデスタル104内に配設され得る。
【0090】
処理チャンバ102は、処理チャンバ102内にプロセスガスを導入および分配するために、シャワーヘッドなどのガス分配装置110を備える。ガス分配装置(以下、シャワーヘッド)110は、アルミニウムなどの金属または合金からなる。シャワーヘッド110は、一方の端部が処理チャンバ102の上面に接続されたステム部分112を含み得る。シャワーヘッド110のベース部分114は、略円筒形であり、処理チャンバ102の上面から離間した位置でステム部分112の反対側の端部から半径方向外側に延在する。
【0091】
シャワーヘッド110のベース部分114の基板対向面は、フェースプレート(後の図に示す)を備える。フェースプレートは、前駆体が通って処理チャンバ102内に流れる複数の出口または特徴部(例えば、スロットまたはスルーホール)を備える。シャワーヘッド110のフェースプレートは、
図10A~
図11Bを参照して詳細に図示および説明される。
【0092】
シャワーヘッド110はまた、冷却プレートおよびヒータ(後の図を参照して図示および説明される)を備える。冷却プレートは、以下で説明されるように冷却材が通って循環することができる導管(
図7を参照)を含む。さらに、図示しないが、1つまたは複数の温度センサが、シャワーヘッド110の温度を検知するためにシャワーヘッド110内に配設され得る。シャワーヘッド110は、1つまたは複数の熱チョークおよびエッジリングなどの追加的な特徴部を備え、これらは後の図を参照して詳細に図示および説明される。
【0093】
ガス配送システム130は、1つまたは複数のガス源132-1、132-2、...、および132-N(まとめて、ガス源132)を備え、ここでNは、0よりも大きい整数である。ガス源132は、バルブ134-1、134-2、...、および134-N(まとめて、バルブ134)およびマスフローコントローラ136-1、136-2、...、および136-N(まとめて、マスフローコントローラ136)によってマニホールド139に接続される。マニホールド139の出力は、処理チャンバ102に送られる。ガス源132は、プロセスガス、洗浄ガス、パージガス、不活性ガスなどを処理チャンバ102に供給することができる。
【0094】
流体配送システム140が、ペデスタル104内の冷却システムに、およびシャワーヘッド110内の冷却プレートに、冷却材を供給する。温度コントローラ150が、ペデスタル104内のヒータ108、ゾーンヒータ、冷却システム、および温度センサに接続され得る。温度コントローラ150はまた、シャワーヘッド110内の冷却プレート、ヒータ、および温度センサに接続され得る。温度コントローラ150は、ペデスタル104および基板106の温度を制御するために、ヒータ108、ゾーンヒータに供給される電力と、ペデスタル104内の冷却システムを通る冷却材の流れと、を制御し得る。温度コントローラ150はまた、シャワーヘッド110の温度を制御するために、シャワーヘッド110内に配設されたヒータに供給される電力と、シャワーヘッド110の冷却プレート内に配設された導管を通る冷却材の流れと、を制御し得る。
【0095】
真空ポンプ158が、基板処理中に処理チャンバ102の内部に大気圧未満の圧力を維持する。バルブ156が、処理チャンバ102の排気ポートに接続される。バルブ156および真空ポンプ158は、処理チャンバ102内の圧力を制御するため、および、バルブ156を介して処理チャンバ102から反応物を排気するために、使用される。システムコントローラ160が、基板処理システム100の構成要素を制御する。
【0096】
図2は、ベース部分202およびフェースプレート204を備えるシャワーヘッド200を示し、フェースプレート204は、ベース部分202の底面203から空間的オフセットをもってベース部分202に取り付けられる。シャワーヘッド200(すなわち、ベース部分202およびフェースプレート204の両方)は、アルミニウムなどの金属または合金からなる。いくつかの例では、ベース部分202およびフェースプレート204は異なる金属または合金からなっていてもよい。
【0097】
ベース部分202の底面203は、非平面である。例えば、ベース部分202の底面203は、実質的に凹面である。フェースプレート204の上面209は、平面である。ベース部分202の底面203と、フェースプレート204の上面209とは、プレナム206を画定する。
【0098】
ベース部分202の上面205は、実質的に平面である。上面205は、上面205の外径(OD)に近接する溝207を含む。ヒータコイル212が、平坦リング223を用いて溝207内に搭載される。平坦リング223は、ベース部分202の上面205と同一平面にあり、溝207の外縁からベース部分202の中心に向かって半径方向内側に延在する。上面205は、溝207のODから上面205のODに向かって半径方向外側に延在してから、垂直下方に延在した後、ベース部分202の中心に向かって半径方向内側に延在して、第1のフランジ211を形成する。
【0099】
処理チャンバの上部プレート213が、シャワーヘッド200のベース部分202およびフェースプレート204を取り囲む。上部プレート213は、上部プレート213の内径(ID)から半径方向内側に延在するフランジ217を含む。ベース部分202の第1のフランジ211は、上部プレート213のフランジ217の上に張り出す。Oリング215が、フランジ217内の溝219内に配設される。
【0100】
ベース部分202は、ベース部分202のODにおいて底面203から垂直上方に延在してから、半径方向外側に延在した後、第1のフランジ211の底部へ垂直上方に延在して、第2のフランジ229を形成する。第2のフランジ229は、第1のフランジ211よりも小さい直径を有する。フェースプレート204の周囲部分231が、フェースプレート204のODから第2のフランジ229へ垂直上方に延在する。フェースプレート204は、第2のフランジ229においてベース部分202に取り付けられる。
【0101】
シャワーヘッド200は、ステム部分208を有する。ステム部分208の一端は、処理チャンバの上部に取り付けられる。ステム部分208の他端は、締結具221-1、221-2を用いてベース部分202の上部領域237の中心に取り付けられる。ステム部分208は、ガス配送システムから1つまたは複数のガスを受け入れるための入口210を含む。入口210は、ステム部分208を通り、ベース部分202の中心を通って、プレナム206内へ垂直下方に延在する。ガスは、入口210からプレナム206内へ流れてから、複数の孔227-1、227-2、227-3、...、および227-N(まとめて、スルーホール227)を通り、ここでNは、1よりも大きい整数であり、処理チャンバ内へ流れる。
【0102】
冷却プレート214が、ベース部分202の上方に配置される。冷却プレート214は、ベース部分202のODに実質的に等しいODを有する環状である。冷却プレート214のIDは、溝207のIDに実質的に等しい。冷却プレート214は、流体配送システムからの冷却材が通って流れる導管225を含む。導管225は、冷却プレート214内の溝233内に配設される。冷却プレート214は、ベース部分202のエッジにおける冷却を提供する。
【0103】
比較的高温を要求するプロセス(例えば、ALD)においてペデスタルに極めて近接して使用される場合、シャワーヘッド200のフェースプレート204は、比較的大きい半径方向温度勾配を有する。例えば、熱は、矢印によって示される経路に沿って、フェースプレート204の中心からフェースプレート204のODに向かい、冷却プレート214へ向かって上方へ流れる。例えば、いくつかのプロセスでは、フェースプレート204の中心における温度は、摂氏約330度であり得る一方、フェースプレート204のエッジにおける温度は、(処理チャンバの比較的冷たい上部プレート213への熱損失により)摂氏約190度であり得る結果として、フェースプレート204を横切る半径方向温度勾配は摂氏約140度となる。
【0104】
図3は、本開示によるペデスタル312に極めて近接して配置されるシャワーヘッド300を示す。シャワーヘッド300は、ベース部分302と、フェースプレート304と、を含む。シャワーヘッド300(すなわち、ベース部分302およびフェースプレート304の両方)は、アルミニウムなどの金属または合金からなり、互いに拡散接合される。いくつかの例では、ベース部分302およびフェースプレート304は、異なる金属または合金からなっていてもよい。
【0105】
ベース部分302は、互いに拡散接合された2つの要素302-1および302-2(まとめて、ベース部分302)を備える。第1の要素302-1は、円筒形である。第1の要素302-1の周囲部分333は、垂直上方に延在してから、半径方向外側に延在して、第1の要素302-1のODに沿ってフランジ307を形成する。第1の要素302-1の上面301は、実質的に平面であり、溝311を含む。溝311は、第1の要素302-1の周囲部分333に近接して位置する。ヒータコイル322が、平坦リング326を用いて溝311内に搭載される。平坦リング326は、溝311の外縁から第1の要素302-1の中心に向かって半径方向内側に延在する。ベース部分302の第2の要素302-2は、第1の要素302-1の上面309に取り付けられた平坦な円板形要素である。第2の要素302-2は、平坦リング326のIDに等しいODを有する。
【0106】
シャワーヘッド300は、多くの点で、
図2に示されるシャワーヘッド200とは異なる。第1に、シャワーヘッド300のベース部分302およびフェースプレート304の構造は、
図2に示されるシャワーヘッド200のベース部分202およびフェースプレート204の構造とは異なる。具体的には、シャワーヘッド200のベース部分202の底面203は非平坦であり、フェースプレート204から空間的オフセットをもっているのに対して、シャワーヘッド300のベース部分302の底面303は平坦である。
【0107】
第2に、ベース部分302の底面303は、フェースプレート304の上面309と直接接触し、上面309もまた平面である。ベース部分302およびフェースプレート304は、シャワーヘッド200のプレナム206とは異なるプレナム305を画定する。シャワーヘッド300のプレナム305は、シャワーヘッド300のプレナム206とは異なるが、その理由は、シャワーヘッド300のフェースプレート304は、シャワーヘッド200のフェースプレート204とは異なり、複数の垂直壁316-1、316-2、316-3、...、316-N(まとめて、垂直壁316)、ここでNは1よりも大きい整数、を含むからである。垂直壁316は、プレナム305を通ってフェースプレート304からベース部分302に延在するが、シャワーヘッド200のプレナム206には存在しない。
【0108】
垂直壁316は、一様な高さを有してもよく、または、異なる高さを有してもよい。垂直壁316は、一様な幅を有してもよく、または、異なる幅を有してもよい。垂直壁316は、フェースプレート304の底部からフェースプレート304の上面309に延在し、ベース部分302の底面303に接触するので、垂直壁316は、シャワーヘッド300の垂直軸に沿ってフェースプレート304の底部からベース部分302への熱流経路を提供する。したがって、垂直壁316は、シャワーヘッド300の軸方向冷却を提供する。垂直壁316によって提供されるこれらの熱流経路および軸方向冷却は、シャワーヘッド300のフェースプレート304を横切る半径方向温度勾配を低減することに役立つ。
【0109】
第3に、シャワーヘッド300は、シャワーヘッドの冷却プレート214とは異なる冷却プレート320を備える。具体的には、環状でありシャワーヘッド200のエッジにおいてのみ冷却を提供する冷却プレート214とは異なり、冷却プレート320は、冷却プレート214よりもサイズが大きく(シャワーヘッドと接触する表面積がより大きい)、シャワーヘッド300の中心から(具体的には、以下で説明されるステム部分から)シャワーヘッド300のベース部分302の第2の要素302-2のODに延在する。
【0110】
冷却プレート320は、ベース部分302の第2の要素302-2の上に配設され、第2の要素302-2に取り付けられる。冷却プレート320は、流体配送システムからの冷却材が通って流れる導管324を含む。導管324は、冷却プレート320内の溝325内に配設される。熱は、垂直矢印によって示されるように、フェースプレート304の底部から、垂直壁316を介して、ベース部分302の第1および第2の要素302-1、302-2を通って冷却プレート320に流れる。したがって、シャワーヘッド200のエッジを冷却する冷却プレート214とは異なり、冷却プレート320は、シャワーヘッド300の中心領域を冷却する。
【0111】
処理チャンバの上部プレート313が、シャワーヘッド300のベース部分302およびフェースプレート304を取り囲む。上部プレート313は、上部プレート313の内径(ID)から半径方向内側に延在するフランジ317を含む。ベース部分302のフランジ307は、上部プレート313のフランジ317の上に張り出す。Oリング315が、フランジ317内の溝319内に配設される。
【0112】
シャワーヘッド300は、ステム部分308を有する。ステム部分308の一端は、処理チャンバの上部に取り付けられる。ステム部分308の他端は、ベース部分302の第2の要素302-2の上面335の中心に取り付けられる。ステム部分308は、ガス配送システムから1つまたは複数のガスを受け入れるための入口310を含む。
【0113】
入口310は、ステム部分308を通って垂直下方に延在し、ベース部分302の中心においてスロット(一例が
図9A~
図10Bに示される)を介してプレナム305に接続する。フェースプレート304の底面339は、複数の孔327-1、327-2、327-3、...、および327-N(まとめて、スルーホール327)を含み、ここでNは、1よりも大きい整数である。ガスは、入口310からスロットを通ってプレナム305内へ流れてから、フェースプレート304の底面339における複数の孔327を通って処理チャンバ内へ流れる。フェースプレート304の底面339は、処理チャンバ内に配置されたペデスタル312の上面349に極めて近接する。
【0114】
処理中に、基板341がペデスタル312上に配置される。ペデスタルは、基板341を支持するためにペデスタル312の上面349を取り囲むリング343を含む。図示しないが、ペデスタル312は、
図1を参照して説明した基板支持体110の他の特徴を含む。
【0115】
以下で説明されるように、冷却プレート320の直径を増大させ、ヒータコイル322を別様に配置することによって、フェースプレート304の垂直壁316によって提供されるシャワーヘッド300の軸方向冷却は向上され得、シャワーヘッド300を横切る半径方向温度勾配は、さらに低減され得る。以下で説明されるように、熱管理をさらに向上させるため、ならびに、軸方向冷却およびシャワーヘッドを横切る半径方向温度勾配をさらに改善するために、熱チョークが追加され得る。
【0116】
図4および
図5は、本開示によるシャワーヘッド400を示す。
図4は、シャワーヘッド400を示し、
図5は、本開示によるペデスタル312上に配置されたシャワーヘッド400を示す。シャワーヘッド400は、ベース部分402と、フェースプレート404と、フランジ部分530と、を含む。シャワーヘッド400(すなわち、ベース部分402、フェースプレート404、およびフランジ部分530)は、アルミニウムなどの金属または合金からなり、互いに拡散接合される。いくつかの例では、ベース部分402およびフェースプレート404は、異なる金属または合金からなっていてもよい。
【0117】
シャワーヘッド400は、多くの点で、シャワーヘッド300とは異なる。シャワーヘッド300よりも大きい冷却プレートと、シャワーヘッド300とは異なるヒータコイルの配置を使用することに加えて、シャワーヘッド400は、シャワーヘッド300には存在しない熱チョークをさらに含む。シャワーヘッド400のこれらの要素は以下で詳細に説明される。
【0118】
ベース部分402およびフェースプレート404は、
図9A~
図11Bを参照してさらに詳細に図示および説明される。簡単に言えば、ベース部分402は、3つの構成要素、すなわち、第1の構成要素500、第2の構成要素520、および第3の構成要素530を備え、これらはまとめてベース部分402と呼ばれる。第1の構成要素500は、平面状の上面および底面560、562を有する円板形要素である。第2の構成要素520は、第1の構成要素500の上面560に取り付けられた平坦な円板形要素である。
【0119】
第3の構成要素530(これは以下で説明されるフランジ428を含むので、上記ではフランジ部分530と呼ばれている)は、第1の構成要素500のODにおいて第1の構成要素500に取り付けられた円筒形要素である。第1の構成要素500に取り付けられた第3の構成要素530の底部のODは、第1の構成要素500のODに等しい。第3の構成要素530は、第1の構成要素500のODから垂直に延在してから、半径方向外側に延在して、フランジ428を形成する。
【0120】
第1の構成要素500の上面560は、第1の構成要素500のODに近接する溝411を含む。ヒータコイル422が、逆L字形状を有する締め付けリング564を用いて溝411内に搭載される。締め付けリング564は、ヒータコイル422の上部から垂直上方に延在してから、半径方向外側に延在して逆L字形状を形成し、フランジ428に取り付けられる。ベース部分402は、
図9Aおよび
図9Bを参照して以下でさらに詳細に図示および説明される。
【0121】
シャワーヘッド400は、多くの点で、
図3に示されるシャワーヘッド300とは異なる。第1に、シャワーヘッド300にヒータコイル322を搭載するために使用される平坦リング326が半径方向内側に延在するのとは異なり、シャワーヘッド400にヒータコイル422を搭載するために使用される逆L字形状の締め付けリング564は、垂直上方に延在してから半径方向外側に延在する。締め付けリング564のこの逆L字形状は、シャワーヘッド300において使用される冷却プレート320よりも大きい直径の冷却プレート420を使用することを可能にする。冷却プレート420のODは、ヒータコイル422が配設される溝411のID以下である。冷却プレート420の増大したサイズ(直径)は、シャワーヘッド300に対して冷却プレート320によって提供される軸方向冷却と比較して、シャワーヘッド400の垂直軸に沿った軸方向冷却を向上させる。冷却プレート420によって提供される向上した軸方向冷却は、結果として、シャワーヘッド400のフェースプレート404を横切る半径方向温度勾配をさらに低減する。
【0122】
第2に、シャワーヘッド300とは異なり、シャワーヘッド400は、第1および第2のプレート430、432によって形成された熱抵抗体を含み、第1および第2のプレート430、432の各々は、ベース部分402およびフェースプレート404のために使用される金属または合金よりも低い熱伝導率を有する。以下でさらに詳細に説明されるように、第1および第2のプレート430、432は、冷却プレート420内の冷却材が沸騰することを防止するために、フェースプレート404から冷却プレート420への熱流を妨げる(すなわち、熱流を緩やかにする)。さらに、
図6を参照して以下でさらに詳細に説明されるように、第1のプレート430は、第1および第2のプレート430、432によって形成される熱抵抗体のインピーダンスをさらに増大させる複数の凹部434-1、432-2(まとめて、凹部434、
図6に詳細に示される)を含む。
【0123】
冷却プレート420、ヒータコイル422、ならびに第1および第2のプレート430、432の組合せは、シャワーヘッド300と比較して、シャワーヘッド400の加熱および冷却の釣り合いをとることにより、シャワーヘッド400における熱管理を大幅に改善する。改善された熱管理は、シャワーヘッド400のフェースプレート404を横切る半径方向温度勾配を低減する。シャワーヘッド400の低減された熱ストレスは、シャワーヘッド400がシャワーヘッド300よりもペデスタル312の近くに置かれることを可能にする。
【0124】
フェースプレート404とペデスタル312との間のより小さいギャップは、プロセスガスの流れ体積を低減することを可能にし、これはコストを低減する。プロセスガスの流れ体積を低減することによって、より少量のプロセスガスが迅速にパージされ得、プロセスサイクル中のプロセスガス間の遷移がより高速に実行され得るため、プロセスサイクルがより高速になる。これにより、同じ時間でより多数の基板を処理することが可能となり、結果としてより高いスループットが得られる。
【0125】
より具体的には、平面であるベース部分402の底面562は、同じく平面であるフェースプレート404の上面409と直接接触する。ベース部分402およびフェースプレート404は、プレナム405を画定する。シャワーヘッド400のフェースプレート404は、複数の垂直壁416-1、416-2、416-3、...、416-N(まとめて、垂直壁416)を含み、ここでNは、1よりも大きい整数である。垂直壁416は、プレナム405を通ってフェースプレート404からベース部分402に延在し、ベース部分402に接触する。
【0126】
垂直壁416は、フェースプレート404の底部からフェースプレート404の上面409に延在し、ベース部分402の底面562に接触するので、垂直壁416は、シャワーヘッド400の垂直軸に沿ってフェースプレート404の底部からベース部分402への熱流経路を提供する。したがって、垂直壁416は、シャワーヘッド400の軸方向冷却を提供する。垂直壁416によって提供される軸方向冷却は、シャワーヘッド400のフェースプレート404を横切る半径方向温度勾配を(例えば、いくつかのプロセスでは、摂氏約150度から摂氏約30度に)低減することに役立つ。垂直壁416は、一様な高さを有してもよく、または、異なる高さを有してもよい。垂直壁416は、一様な幅を有してもよく、または、異なる幅を有してもよい。垂直壁416は、
図10A~
図11Bを参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0127】
冷却プレート420は、シャワーヘッド400の中心から(具体的には、以下で説明されるステム部分から)シャワーヘッド400のベース部分402の第2の構成要素520のODに延在する。冷却プレート420は、第1および第2のプレート430、432の上に配設され、第1および第2のプレート430、432に取り付けられる。冷却プレート420は、流体配送システムからの冷却材が通って流れる導管424を含む。導管424は、冷却プレート420内の溝425内に配設される。熱は、フェースプレート404の底部から、垂直壁416を介して、ベース部分402ならびに第1および第2のプレート430、432を通って冷却プレート420に流れる。
【0128】
シャワーヘッド400の冷却プレート420はシャワーヘッド300の冷却プレート320よりも直径が大きいため、冷却プレート420は、シャワーヘッド300の冷却プレート320によって被覆および冷却されるベース部分302の領域よりも大きいベース部分402の領域を被覆および冷却する。具体的には、冷却プレート420は、シャワーヘッド400の中心からヒータコイル422まで延在するシャワーヘッド400の部分のほとんどを冷却する。したがって、冷却プレート420は、シャワーヘッド300において冷却プレート320によって提供される軸方向冷却と比較して、シャワーヘッド400にわたる軸方向冷却を大幅に改善する。
【0129】
図5において、シャワーヘッド400は、ステム部分408を有する。ステム部分408の一端は、処理チャンバの上部に取り付けられる。ステム部分408の他端は、第1および第2のプレート430、432を通って、締結具421-1、421-2を用いてベース部分402の第2の構成要素520の上面435の中心に取り付けられる。ステム部分308は、ガス配送システムから1つまたは複数のガスを受け入れるための入口410を含む。
【0130】
入口410は、ステム部分408を通り、第1および第2のプレート430、432ならびにベース部分402を通って垂直下方に延在し、ベース部分402の第1の構成要素500の中心においてスロット502(
図9A~
図11Bにさらに詳細に図示および説明される)を介してプレナム405に接続する。フェースプレート404の底面439は、複数のスルーホール427-1、427-2、427-3、...、および427-N(まとめて、スルーホール427)を含み、ここでNは、1よりも大きい整数である。ガスは、入口410からスロット502を通ってプレナム405内へ流れてから、フェースプレート404の底面439における複数のスルーホール427を介して処理チャンバ内へ流れる。フェースプレート404の底面439は、処理チャンバ内に配置されたペデスタル312の上面349に極めて近接する。
【0131】
処理中に、基板341がペデスタル312上に配置される。ペデスタル312は、基板341を支持するためにペデスタル312の上面349を取り囲むリング343を含む。図示しないが、ペデスタル312は、
図1を参照して説明した基板支持体110の他の特徴を含む。
【0132】
処理チャンバの上部プレート313が、シャワーヘッド400のベース部分402およびフェースプレート404を取り囲む。上部プレート313は、上部プレート313のIDから半径方向内側に延在するフランジ317を含む。ベース部分402のフランジ428は、上部プレート313のフランジ317の上に張り出す。Oリング315が、フランジ317内の溝319内に配設される。
【0133】
処理チャンバの上部プレート313は、シャワーヘッド400よりも冷たい。結果として、フェースプレート404の中心領域はペデスタル312からの熱負荷により比較的熱いのに対して、シャワーヘッド400のエッジは、処理チャンバの上部プレート313へ熱を失う。ヒータコイル422は、シャワーヘッド400のエッジに沿った熱損失を相殺することに役立ち、冷却プレート420は、シャワーヘッド400の中心領域を冷却する。加熱および冷却の組合せは、シャワーヘッド400の中心からODへの半径方向温度勾配を低減する。
【0134】
シャワーヘッド400、具体的にはベース部分402およびフェースプレート404は、ニッケルなどの耐食材料で被覆される。耐食材料の放射率が、シャワーヘッド400を横切る温度勾配をさらに低減する。しかし、被覆は、閾値温度(例えば、ニッケル被覆については摂氏約200度)より上で劣化(例えば、結晶化)し得る。被覆が劣化することを防止するため、冷却プレート420は、シャワーヘッド400の温度を閾値温度よりも低く保持する。
【0135】
しかし、冷却プレート420がシャワーヘッド400の温度を閾値温度よりも低く保持しながら、導管424を通って流れる冷却材は、熱がフェースプレート404から冷却プレート420に流れるにつれて熱くなる可能性があり、冷却を提供する能力(すなわち、冷却容量)を失い得る。例えば、水が冷却材として使用される場合(他の冷却材が使用されてもよいが)、水は、摂氏100度で沸騰し、冷却容量を失い得る。シャワーヘッド400の温度は摂氏約200度に到達し得るため、冷却材の温度は、冷却材の沸点よりも十分低く(例えば、水が冷却材として使用される場合、摂氏100度よりも十分低く)保持される必要がある。これは、フェースプレート404と冷却プレート420との間に介在する第1および第2のプレート430、432を備える熱抵抗体(熱チョークとも呼ばれる)を使用することによって実現され、フェースプレート404から冷却プレート420への熱流を妨げ、冷却材が過熱および沸騰することを防止する。
【0136】
具体的には、シャワーヘッド400は、図示のように、冷却プレート420とベース部分402との間に配設された(より具体的には、冷却プレート320と、ベース部分402の第2の構成要素520との間に配設された)第1のプレート430および第2のプレート432を備える。熱抵抗体(または熱チョーク)を形成する第1および第2のプレート430、432は、
図6を参照して以下でさらに詳細に図示および説明される。簡単に言えば、第1および第2のプレート430、432は、異なる熱伝導率を有する材料からなり、その熱伝導率の各々は、ベース部分402およびフェースプレート404を構成する金属または合金の熱伝導率よりも低い。例えば、ベース部分402およびフェースプレート404がアルミニウムからなる場合、第1のプレート430は、ステンレススチールからなることができ、第2のプレート432は、非金属(例えば、半導体材料)からなることができる。例えば、第1のプレート430の熱伝導率は、ベース部分402およびフェースプレート404の熱伝導率よりも小さく、第2のプレート432の熱伝導率よりも大きい。
【0137】
したがって、第1および第2のプレート430、432は、導管424内の冷却材の過熱を防止するために、フェースプレート404から冷却プレート420への熱流を緩やかに妨げる(すなわち、熱流を緩やかにする)熱抵抗体を形成する。具体的には、熱抵抗体は、冷却材がその沸点に到達することを防止する。第1のプレート430は、凹部434をさらに含み、これは、熱抵抗体の熱抵抗をさらに増大させるエアポケットを提供する。
【0138】
シャワーヘッド400は、セラミックフェースプレートを備えるシャワーヘッドを超える多くの利点を提供する。具体的には、シャワーヘッド400は、1つまたは複数の金属または合金からなり、セラミックフェースプレートを備えるシャワーヘッドよりも高い熱伝導率を有する。例えば、アルミニウムの熱伝導率は、セラミック材料の熱伝導率よりも約5倍~6倍高い。シャワーヘッド400のより高い伝導率は、シャワーヘッド400を横切る温度勾配を低減する。また、熱ストレスはセラミックフェースプレートを損傷(例えば、破砕)し得るが、熱ストレスは、シャワーヘッド400においてはそのような破局的な障害を引き起こさない。したがって、シャワーヘッド400は、セラミックフェースプレートを備えるシャワーヘッドよりもペデスタル312の近くに配置され得る(
図5を参照)。
【0139】
さらに、上記で説明したように、シャワーヘッド400を横切る温度勾配は、ベース部分402、冷却プレート420、ヒータコイル422、ならびに第1および第2のプレート430、432に接触するフェースプレート404内の垂直壁416によって提供される改善された軸方向冷却により大幅に(例えば、ペデスタル設定点が摂氏約650度である場合には摂氏約30度に)低減される。したがって、フェースプレート404とペデスタル312との間のギャップはさらに縮小され得る(
図5を参照)。例えば、フェースプレート404を損傷することなく、ペデスタル設定点が摂氏約650度のシャワーヘッド400を横切る半径方向温度勾配を摂氏約30度に維持しながら、シャワーヘッド400とペデスタル312との間の約0.2インチ、0.15インチ、および0.11インチのギャップが達成され得る。
【0140】
ギャップの追加的な縮小は、基板処理中に使用されるプロセスガスの量を低減することを可能にし、これはコストを低減する。例えば、
図2に示されるシャワーヘッド200で使用されるプロセスガスの量は約820ccであり得る一方、
図4に示されるシャワーヘッド400で使用されるプロセスガスの量は約530ccであり得る。使用されるガスの量の大幅な低減により、ガスは、迅速にパージおよび遷移され得、したがって、プロセスサイクル(例えば、ALDサイクル)は迅速に実行され得、これは結果としてスループットを増大させる(すなわち、同じ時間でより多数の基板が処理され得る)。
【0141】
シャワーヘッド400は、エッジリング442をさらに備え、エッジリング442は、処理チャンバからの汚染物質が、フェースプレート404と、ペデスタル312の上部との間の領域内のプロセスガスの微小ボリューム内に戻る拡散を防止することに役立つ。具体的には、フェースプレート404の底面439は、フェースプレート404のODに沿った環状凹み440を含む。エッジリング442は、環状凹み440内に配設される。処理中に、プロセスガスがエッジリング442と、ペデスタル312のエッジとの間のギャップ444を通って流れる速度が、異なるプロセスガス流とは無関係に比較的高い場合には、プロセスガスの微小ボリューム内への汚染物質の拡散が防止され得る。異なるプロセスガス流とは無関係なギャップ444を通るガス流の比較的高い速度は、以下のようにして提供され得る。
【0142】
ギャップ444は、
図5に示される2つのパラメータ、すなわち、エッジリング442の底部と、ペデスタル312のエッジにおけるリング343の上部との間の距離h(すなわち、ギャップ444の高さ)と、ギャップ444を通る通路の長さL(およそ、ペデスタル312のエッジにおけるリング343のIDとODとの間の距離)と、によって画定される。プロセスガスがギャップ444を通って流れる速度は、hと、Lと、プロセスにおいて使用される全ガス流と、の関数である。例えば、hの値が小さいほど、ギャップ444内のガス流の速度は高い。
【0143】
ギャップ444内に入る前のガスの速度は、プロセスにおいて使用される全ガス流とともに増減する。ギャップ444に入る前のガスの速度が低い場合、hの値は、より小さい必要がある。逆に、ギャップ444に入る前のガスの速度が高い場合、hの値は、より高いことが可能である。したがって、ギャップ444内の比較的高い速度を維持するためには、異なるプロセスガス流に対して、hの異なる値が必要とされる。hの異なる値は、フェースプレート404とペデスタル312との間の距離を変化させることなく、異なるプロセスに対して適切な厚さのエッジリング442を使用することによって、提供され得る。
【0144】
図6は、第1および第2のプレート430、432を備える熱抵抗体をさらに詳細に示す。第1および第2のプレート430の外径は、ベース部分402の第2の構成要素520のOD以下である。図示しないが、第1および第2のプレート430、432は、
図7~
図9Bに示される孔のさまざまなセットと整列する孔を含み、それを通して締結具が、冷却プレート420をベース部分402に締結するために挿入され得る。
【0145】
第1のプレート430は、複数の凹部434-1、434-2、434-3、...、および434-N(まとめて、凹部434)を含み、ここでNは、1よりも大きい整数である。凹部434は、第1のプレート430の上面および底面のうちの少なくとも一方の上に配置され得る。第1のプレート430の上面上の凹部434のサイズ、形状、および個数は、第1のプレート430の上面の表面積の約65%が冷却プレート420の底面と接触するようなものであり得る。同様に、第1のプレート430の底面上の凹部434のサイズ、形状、および個数は、第1のプレート430の底面の表面積の約65%が第2のプレート432の上面と接触するようなものであり得る。他の百分率が、第1のプレート430の上面および底面の接触面積に対して使用され得る。例えば、第1のプレート430の上面および底面の接触面積は、50~80%の間で変動し得る。また、第1のプレート430の上面および底面の接触面積は、異なって(すなわち、等しくなくて)もよい。
【0146】
第1および第2のプレート430、432は、比較的低い熱伝導率を有する材料からなる。第1のプレート430は、第2のプレート432よりも高い熱伝導率を有し得る。例えば、第1および第2のプレート430、432の熱伝導率は、それぞれ約15ワット毎メートル・ケルビン(W/mK)および2W/mKであり得る。第1および第2のプレート430、432は、フェースプレート404から冷却プレート420に流れる熱に対する熱障壁を提供する。
【0147】
第2のプレート432は、フェースプレート404から第1のプレート430に流れる熱に対する熱障壁を提供し、第1のプレート430は、第2のプレート432から冷却プレート420に流れる熱に対する熱障壁を提供する。第1および第2のプレート430、432は、互いに直列である熱チョークまたは熱抵抗体として機能する。したがって、第2のプレート432および第1のプレート430は、フェースプレート404から冷却プレート420に流れる熱に対して、緩やかに増大する熱障壁または熱抵抗を呈示する。
【0148】
凹部434は、エアポケットを含み、上面および底面の少なくとも一方の上で第1のプレート430全体にわたって離間されて、熱障壁をさらに増大させる。第1および第2のプレート430、432のスタックは、冷却プレート420が比較的大量の熱をシャワーヘッド400から伝導し去ることを防止する熱抵抗体を形成し、これは比較的高い容量でヒータコイル422を動作させることができる。熱抵抗体は、導管424内の冷却材(例えば、水)が、熱流によりその沸点に近づくことを防止する。
【0149】
したがって、冷却プレート420と、ヒータコイル422と、第1および第2のプレート430、432によって形成される熱抵抗体とは、シャワーヘッド400の加熱と冷却との間の釣り合いを提供して、シャワーヘッドを横切る温度勾配を最小化し、シャワーヘッド400の温度を閾値温度(例えば、摂氏200度)よりも低く保持することによりシャワーヘッド400上の耐食被覆を保護する。
【0150】
第1のプレート430は、モノリシックプレートとして製造され得る。代替的に、第1のプレート430は、3つの層、すなわち、(層を通って切り取られた凹みまたはスロットの形態で)凹部434を含む2つの層(上部層および底部層)と、平坦(すなわち、凹部434なし)であり2つの層の間に挟まれた第3の層と、を備え得る。3つの層は、互いに接合(例えば、ろう付けまたは拡散接合)され得る。
【0151】
凹部434は、多くのやり方で、第1のプレート430の上面および底面のうちの少なくとも一方の上に配置され得る。第1のプレート430の上面上の凹部434は、第1のプレート430の底面上の凹部434と位置合わせされ得る。代替的に、第1のプレート430の上面上の凹部434は、第1のプレート430の底面上の凹部434に対してずらされ得る。例えば、第1のプレート430の上面上の凹部434は、第1のプレート430の底面上の凹部434のうちの少なくとも1つと重なり得る。代替的に、第1のプレート430の上面上の凹部434のいずれも、第1のプレート430の底面上の凹部434と重ならなくてもよい。
【0152】
第1のプレート430の上面上および底面上の凹部434は、第1のプレート430の上面および底面の接触面積が上記で説明した通りである限り、任意のサイズ、形状、および個数を有し得る。例えば、第1のプレート430の上面上および底面上の凹部434は、同じサイズおよび形状であり得る。代替的に、第1のプレート430の上面上の凹部434は、第1のプレート430の底面上の凹部434とは異なるサイズおよび/または形状であり得る。凹部434は、対称的または非対称的に、第1のプレート430の上面上および底面上に配置され得る。
【0153】
凹部434の数は、図示したものとは異なる(例えば、より少ない、またはより多い)ことが可能である。第1のプレート430の上面および底面は、同じ数の凹部434を有し得る。代替的に、第1のプレート430の上面は、第1のプレート430の底面とは異なる数の凹部434を有し得る。
【0154】
凹部434の深さは、同じであってもよく、または異なってもよい。第1のプレートの上面上および底面上の凹部434は、同じ深さを有し得る。代替的に、第1のプレート430の上面上の凹部434は、第1の深さを有することができ、第1のプレート430の底面上の凹部434は、第2の深さを有することができる。第1のプレート430の上面上の凹部434の深さは、第1のパターンで変動することができ、第1のプレート430の底面上の凹部434の深さは、第2のパターンで変動することができる。上記の変形例の任意の組合せが使用され得る。
【0155】
第1および第2のプレート430、432のODは、冷却プレート420のOD以下であり、ベース部分402においてヒータコイル422が配設される溝のID以下である。第1および第2のプレート430、432の厚さは、プロセス要件に応じて変わり得る。第1のプレート430は、第2のプレート432よりも厚くてもよい。
【0156】
いくつかの応用では、第2のプレート432もまた、上面および底面の少なくとも一方の上に凹部を含むことができ、第1のプレート430を参照して上記で説明した変形例のうちの任意のものを含むことができる。また、第1および第2のプレート430、432の凹部間で可能な追加的な置換および組合せがあり得る。いくつかの応用では、第2のプレート432は、熱可塑性材料(例えば、ポリイミド)からなることができ、上記で説明した第1のプレート430の構造的特徴のすべてを含むことができ、独立して(すなわち、第1のプレート430とともに使用される代わりにそれ自体で)使用され得る。代替的に、いくつかの応用では、第2のプレート432は、省略されてもよく、第1のプレート430は、熱可塑性材料(例えば、ポリイミド)からなることができる。
【0157】
また、図示しないが、比較的低い熱伝導率を有する第3のプレートが、第1および第2のプレート430、432に加えて使用され得る。第3のプレートは、第3のプレートの熱伝導率が第1および第2のプレート430、432とは異なり得ることを除いて、第1および第2のプレート430、432のいずれと類似してもよい。第3のプレートは、第1および第2のプレート430、432の上方、下方、またはそれらの間に配置され得る。第3のプレートの熱伝導率は、第3のプレートの位置に基づいて選択され得る。例えば、第2のプレート432の下方に配置される第3のプレートは、第2のプレート432よりも低い熱伝導率を有し得る。第1のプレート430の上方に配置される第3のプレートは、第1のプレート430よりも高い熱伝導率を有し得る。第1および第2のプレート430、432の間に配置される第3のプレートは、第1のプレート430よりも小さく第2のプレート432よりも大きい熱伝導率を有し得る。
【0158】
図7および
図8は、シャワーヘッド400の上面図および底面図をそれぞれ示す。
図7において、冷却プレート420の上面図が見える。冷却プレート420は、スルーホール431に挿入された締結具によってベース部分402の第2の構成要素520に取り付けられる。孔409が、ステム部分408をシャワーヘッド400に取り付けるための締結具を挿入するために設けられる。第1および第2のプレート430、430を通って冷却プレート420をベース部分402に締結するために締結具が挿入され得る取り付け孔/締結孔431-1、431-2、および431-3のさまざまな他のセットが示されている。
【0159】
この図に見える締め付けリング564の上部水平部分は、孔433-1を通って挿入された締結具によって、この図には見えない(しかし
図4および
図5では見える)締め付けリング564の底部垂直部分に締結される。締め付けリング564の上部水平部分は、孔433-2を通って挿入された締結具によって、ベース部分402のフランジ428に締結される。
【0160】
要素437-1および437-2は、電源に接続され得るヒータコイル422の第1および第2の端子である。要素429-1および429-2は、流体配送システムに接続され得る導管424のそれぞれ入口および出口である。
【0161】
冷却プレート420は、ステム部分408(
図5に見える)からベース部分402のODに向かって半径方向外側に延在する。導管424は、冷却プレート420内の対応する溝425(
図5に見える)内に配設される。導管424の巻き数は変わり得る(すなわち、図示のものよりも多い、または少ない巻き数が使用され得る)。導管424の直径は、導管424の長さ全体にわたって一様であり得る。導管424のサイズ、形状、およびレイアウトは、プロセス要件に適合するように最適化され得る。
【0162】
代替的に、冷却プレート420は、複数のゾーンに分割され得、複数の導管がこれらのゾーンに配置され得る。例えば、第1の導管が、冷却プレート420の内側半部分を備える第1のゾーンに配置され得、第2の導管が、冷却プレート420の外側半部分を備える第2のゾーンに配置され得る。別の例として、第1および第2の導管が、それぞれ冷却プレート420のIDおよびODに近接して画定された第1および第2のゾーンに配置され得、第3の導管が、第1および第2のゾーンの間の第3のゾーンに配置され得る。複数の導管の各々は、同じ冷却材が供給され得る。代替的に、複数の導管のうちの少なくとも1つは、複数の導管のうちの他のものとは異なる冷却材が供給され得る。複数の導管が使用される場合、各導管は、導管424を参照して上記で説明した特性(サイズ、形状、およびレイアウト)のいずれを有してもよい。
【0163】
図8は、シャワーヘッド400の底面図を示し、フェースプレート404の基板対向側(すなわち、底面439)を示す。フェースプレート404の底面439内のスルーホール427が、この図に見える。スルーホール427はまた、
図11A~
図11Bに示されるフェースプレート404の追加図にも見える。この図にはエッジリング442の底部も見え、これは
図4および
図5を参照して上記で詳細に図示および説明されている。
【0164】
図9Aおよび
図9Bは、シャワーヘッド400のベース部分402およびフェースプレート404をさらに詳細に示す。
図9Aは、シャワーヘッド400の等角図を示す。第1の構成要素500は、この図では詳細に見えない(しかし、
図9Bではより詳細に見える)。第2の構成要素520は、孔409および431-1、431-2、431-3のセットを含み、それぞれ
図7に示される孔409および431-1、431-2、431-3の対応するセットと整列する。フランジ428は、
図7に示される孔433-1と整列する孔433-1を含む。
【0165】
図9Bに、ベース部分402の第1、第2、および第3の構成要素500、520、530がさらに詳細に示される。ベース部分402の第1の構成要素500は、第1の構成要素500のODに沿った溝411を含む第1の円板形要素である。溝411は、第1の構成要素500の上面560に開口し、第1の構成要素500の底面562に向かって垂直下方に延在する。
【0166】
第1の構成要素500は、第1の構成要素500の上面560の中心にスロット502を含む。スロット502は、スロット502の中心から半径方向外側に延在する複数の溝504を含む。複数の通路506が、溝504の遠端から第1の構成要素500のほぼ中間まで垂直下方に延在する。507に示されるように、ほぼ中間点から、通路506は、第1の構成要素500の残部を通って分裂(すなわち、分岐)してもよく、第1の構成要素500の底面560に開口してもよい。したがって、通路506は、507に示されるように逆「Y」字の形状を有し得るが、他の形状(例えば、U字、V字などの形状)も考えられる。入口410を通って受け入れられたガスは、スロット502を通り、通路506を通ってフェースプレート404に入る。第1の構成要素500は、孔409および431-1、431-2、431-3のセットを含み、それぞれ第2の構成要素520の孔409および431-1、431-2、431-3の対応するセットならびに
図7に示される孔のそれぞれのセットと整列する。
【0167】
ベース部分402の第2の構成要素520は、第2の円板形要素である。第2の構成要素520のODは、第1の構成要素500内の溝411のID以下である。第2の構成要素520は、第1の構成要素500の上面560上に配置され、上面560に締結または拡散接合される。第2の構成要素520の中心における入口410は、第1の構成要素500内のスロット502と整列し、スロット502内に開口する。
【0168】
ベース部分402の第3の構成要素530は、円筒形要素であり、これもまた、第1の構成要素500上に配置され、第1の構成要素500に締結または拡散接合される。第3の構成要素530の上端は、半径方向外側に延在してフランジ428を形成する。第3の構成要素530のIDは、溝411のOD以上である。下端における第3の構成要素530の幅または厚さは、溝411のODと、第2の構成要素520のODとの間の距離(または差)に等しい。第3の構成要素530の下端のODと、第2の構成要素520のODと、フェースプレート404のODとは、
図4および
図5に見えるように等しい。
【0169】
第2の構成要素520は、第1の構成要素500上に配置される。第3の構成要素530もまた、第1の構成要素500上に配置される。第3の構成要素530は、第2の構成要素520を取り囲む。第1、第2、および第3の構成要素500、520、530は、拡散接合を用いて互いに結合されてシャワーヘッド400のベース部分402を形成することができる。拡散接合は、構成要素を結合するためにろう付けが使用される場合に一般に使用されるフィラーをなくす。フィラーをなくすことは、ろう付けおよびそれに続く洗浄の後に残り続けがちな残留フィラーによる汚染の可能性を除去する。
【0170】
フェースプレート404は、垂直壁416を含む。例えば、垂直壁416は、同心円状であり得る。上記で説明したように、垂直壁416は、異なる高さおよび/または幅を有し得る。フェースプレート404がベース部分402に取り付けられると、垂直壁416と、ベース部分402の第1の構成要素500の底面562との間のスペースは、フェースプレート404内のプレナム405を形成する。ベース部分402の第1の構成要素500内の通路506は、フェースプレート404内のプレナム405内に開口する(
図10Aおよび
図10Bにも示される)。
【0171】
フェースプレート404は、複数の半径方向に延在する溝540-1、540-2、540-3、...、540-N(まとめて、溝540)を含み、ここでNは、1よりも大きい整数であり、これらは車輪のスポークのように配置される。溝540は、垂直壁416と交差し、垂直壁416を複数のセクションに分割する。複数のスルーホール427(
図8および
図11Bを参照)は、フェースプレート404の底面439(すなわち、基板対向面、
図8を参照)上で垂直壁416の両側に配置される。
【0172】
垂直壁416およびスルーホール427は、フェースプレート404の中心から、フェースプレート404の中心から所定の半径方向距離まで延在するフェースプレート404の領域内に形成される。所定の半径方向距離によって画定されるフェースプレート404の領域の対応する所定の直径は、エッジリング442が配設されるフェースプレート404の底面439における凹み440のIDと整列する(すなわち、凹み440のID以下である)。したがって、垂直壁416およびスルーホール427を含むフェースプレート404の領域の所定の直径は、エッジリング442のID以下である。所定の直径はまた、
図4および
図5に見えるように、ベース部分402内の溝411のID以下である。
【0173】
垂直壁416および溝540は、ベース部分402の第1の構成要素500内の通路506から受け入れられたガスをスルーホール427に一様に分配する。さらに、
図4および
図5を参照して上記で説明したように、垂直壁416はフェースプレート404から垂直上方に延在してベース部分402の底面562(すなわち、ベース部分402の第1の構成要素500の底面562)に接触するので、垂直壁416は、フェースプレート404とベース部分402との間の熱経路を提供する。
【0174】
図10Aおよび
図10Bは、ベース部分402およびフェースプレート404を備えるシャワーヘッド400の等角図および断面図をそれぞれ示す。シャワーヘッド400の入口410は、ガス分配システム(例えば、
図1に示される要素130)からプロセスガスを受け入れる。プロセスガスは、入口410、スロット502、溝504、および通路506を通ってフェースプレート404内に流れ、プロセスガスは、スルーホール427を介してフェースプレート404を出て処理チャンバに入る。シャワーヘッド400の構成要素、特にベース部分402およびフェースプレート404の構造的および機能的詳細は、既に
図4~
図9Bを参照して上記で詳細に説明したので、簡潔にするためにここでは再び説明しない。
【0175】
図11Aおよび
図11Bは、
図10Bに示したフェースプレート404の断面AAの等角図および上面図をそれぞれ示す。
図11Aおよび
図11Bは、垂直壁416と、溝540と、垂直壁416の周りに配置されたスルーホール427と、を示す。図示のように、溝540は、あるパターンで配置され得る。例えば、図示のように、溝540は、フェースプレート404の中心からフェースプレートの所定の直径の最後まで半径方向外側に延在することができ、フェースプレート404内に垂直壁416およびスルーホール427が配置される。
【0176】
代替的に、溝540のうちのいくつかは、フェースプレート404の中心から半径方向外側に延在し得るが、所定の直径の最後まで延在しなくてもよい。別の配置では、溝540のうちのいくつかは、フェースプレート404の中心から始まらなくてもよく、所定の直径の最後まで半径方向外側に延在しなくてもよい。例えば、溝540の第1のセットは、フェースプレート404の中心から第1の距離で始まってから、所定の直径の最後または途中まで半径方向外側に延在することができ、溝540の第2のセットは、フェースプレート404の中心から第2の距離で始まってから、所定の直径の最後または途中まで半径方向外側に延在することができ、などであり、第2の距離は第1の距離とは異なる。
【0177】
換言すれば、第1のセット、第2のセットなどにおける溝540の長さおよび範囲は、異なって(すなわち、等しくなくて)もよい。したがって、垂直壁416のうちのいくつかは、フェースプレート404の中心から同じ半径方向距離に位置し得るが、異なる弧長を有し得る。入口410、スロット502、溝504、および通路506からスルーホール427を介して受け入れられたガスを分配するために好適であり得る垂直壁416および溝540の他のパターンおよび配置も考えられる。
【0178】
上記の説明は、性質上、単なる例示であり、本開示、その応用、または用途を限定することを意図していない。本開示の広範な教示は、さまざまな形態で実施され得る。したがって、本開示は特定の例を含むが、他の変更形態は図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を調べることで明らかとなるから、本開示の真の範囲はそのように限定されてはならない。
【0179】
方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時並行して)実行され得ると理解されるべきである。また、実施形態の各々は上記では特定の特徴を有するように説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちのいずれか1つまたは複数は、たとえ組合せが明示的に記載されなくても、他の実施形態のうちのいずれかの特徴において実施されること、および/またはそれと組み合わされ得る。換言すれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに置換することは、本開示の範囲内にある。
【0180】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続され」、「係合され」、「結合され」、「隣接し」、「近接し」、「の上に」、「の上方に」、「の下方に」、および「配設され」を含むさまざまな用語を用いて記載される。「直接的」であると明示的に記載されない限り、第1および第2の要素間の関係が上記の開示に記載される場合には、その関係は、他の介在する要素が第1および第2の要素間に存在しない直接的関係であってもよいが、1つまたは複数の介在する要素が第1および第2の要素間に(空間的または機能的のいずれかで)存在する間接的関係であってもよい。本明細書において使用される場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという句は、非排他的論理ORを用いた論理的な(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0181】
いくつかの実施態様では、コントローラがシステムの一部であり、上記の例の一部であり得る。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の、処理のためのプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ペデスタル、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を備え得る。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、および処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合され得る。その電子機器は「コントローラ」と呼ばれてもよく、1つまたは複数のシステムのさまざまな構成要素または構成部分を制御し得る。
【0182】
コントローラは、システムの処理要件および/またはタイプに応じて、処理ガスの配送、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体配送設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続またはインタフェースされたツールおよび他の搬送ツールおよび/またはロードロックとの間でのウェハ搬送を含む、本明細書に開示されたプロセスのうちのいずれかを制御するようにプログラムされ得る。
【0183】
概して、コントローラは、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、終点測定を可能にするなどを行うさまざまな集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として規定され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば,ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、もしくはマイクロコントローラを含み得る。
【0184】
プログラム命令は、半導体ウェハ上で、もしくは半導体ウェハに対して、またはシステムに対して、特定のプロセスを実行するための動作パラメータを規定するさまざまな個別の設定(またはプログラムファイル)の形態で、コントローラに通信される命令であり得る。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、ウェハの、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの作製中に1つまたは複数の処理ステップを遂行するためにプロセス技術者によって規定されたレシピの一部であり得る。
【0185】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムに統合され、システムに結合され、さもなければシステムにネットワーク接続され、またはそれらの組合せであるコンピュータの一部であるか、またはコンピュータに結合され得る。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよく、ウェハ処理のリモートアクセスを可能にし得るファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、作製動作の現在の進行を監視し、過去の作製動作の履歴を検査し、複数の作製動作からの傾向または性能メトリックを検査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にし得る。
【0186】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができ、ネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得る。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含むことができ、これらはその後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、データの形態で命令を受け取り、データは、1つまたは複数の動作中に実行されるべき処理ステップの各々に対するパラメータを指定する。なお、パラメータは、実行されるべきプロセスのタイプと、コントローラがインタフェースし、または制御するように構成されるツールのタイプと、に固有であり得ると理解されるべきである。
【0187】
したがって、上記で説明したように、コントローラは、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載されたプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて作動する、1つまたは複数の個別のコントローラを備えることなどによって、分散され得る。このような目的のための分散されたコントローラの一例は、チャンバ上のプロセスを制御するように組み合わされた、(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなどの)リモートに位置する1つまたは複数の集積回路と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路である。
【0188】
限定なしに、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの作製および/または製造に関連または使用され得る任意の他の半導体処理システムを含み得る。
【0189】
上記のように、ツールによって実行されるべき1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体にわたって位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場のツール位置および/またはロードポートとの間でウェハのコンテナを運ぶ材料搬送において使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信し得る。