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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-06
(45)【発行日】2025-02-17
(54)【発明の名称】締結装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20250207BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20250207BHJP
   H01M 50/502 20210101ALI20250207BHJP
【FI】
H01R13/66
H01M50/50 101
H01M50/502
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024061348
(22)【出願日】2024-04-05
【審査請求日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0121978
(32)【優先日】2023-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姜 成 求
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-108450(JP,A)
【文献】特開2013-131441(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106450071(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103730784(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/66
H01M 50/50
H01M 50/502
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続端子を含む第1コネクタと、
前記第1接続端子が挿入される中空が形成された第2接続端子を含む第2コネクタと、を含み、
前記第2接続端子は、前記第1接続端子の挿入方向に沿って互いに離隔配置される第1導体および第2導体と、前記第1導体と前記第2導体との間に電気的に連結される第1抵抗体と、を含み、
前記第2コネクタは、前記第1導体と前記第2導体との間に配置され、前記第1接続端子の挿入力に対抗する弾性力を提供して前記第1接続端子の挿入を遅延させる第1弾性構造物をさらに含む、締結装置。
【請求項2】
前記第1接続端子は、前記第1コネクタと前記第2コネクタの締結初期には前記第1導体と接し、前記第1接続端子が前記第2接続端子に所定深さ以上挿入されると前記第2導体に接する、請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
前記第1弾性構造物は、
前記第1導体と前記第2導体との間に配置される絶縁体と、
前記絶縁体と前記第2コネクタのコネクタ本体との間に位置し前記絶縁体に前記弾性力を提供するスプリング装置と、を含み、
前記絶縁体は、前記弾性力によって前記中空に向かって突出し、前記挿入力によって突出高さが可変する、請求項1に記載の締結装置。
【請求項4】
前記第1コネクタは、バッテリーまたは負荷と前記第1接続端子との間に電気的に連結される第1配線をさらに含み、
前記第2コネクタは、前記負荷または前記バッテリーと前記第2接続端子との間に電気的に連結される第2配線をさらに含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項5】
前記第1コネクタは、第1バッテリーと前記第1接続端子との間に電気的に連結される第1配線をさらに含み、
前記第2コネクタは、第2バッテリーと前記第2接続端子との間に電気的に連結される第2配線をさらに含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項6】
前記第1コネクタは第3接続端子をさらに含み、
前記第2コネクタは前記第3接続端子が挿入される中空が形成された第4接続端子をさらに含む、請求項1に記載の締結装置。
【請求項7】
前記第4接続端子は、前記第3接続端子の挿入方向に沿って互いに離隔配置される第3導体および第4導体と、前記第3導体と前記第4導体との間に電気的に連結される第2抵抗体とを含み、
前記第2コネクタは、前記第3導体と前記第4導体との間に配置され、前記第3接続端子の挿入力に対抗する弾性力を提供して前記第3接続端子の挿入を遅延させる第2弾性構造物をさらに含む、請求項6に記載の締結装置。
【請求項8】
前記第3接続端子は、前記第1コネクタと前記第2コネクタの締結初期には前記第3導体と接し、前記第3接続端子が前記第4接続端子に所定深さ以上挿入されると前記第4導体に接する、請求項7に記載の締結装置。
【請求項9】
前記第1コネクタは、バッテリーまたは負荷と前記第3接続端子との間に電気的に連結される第3配線をさらに含み、
前記第2コネクタは、前記負荷または前記バッテリーと前記第4接続端子との間に電気的に連結される第4配線をさらに含む、請求項6に記載の締結装置。
【請求項10】
前記第1コネクタは、第1バッテリーと前記第3接続端子との間に電気的に連結される第3配線をさらに含み、
前記第2コネクタは、第2バッテリーと前記第4接続端子との間に電気的に連結される第4配線をさらに含む、請求項6に記載の締結装置。
【請求項11】
前記第1接続端子はピンまたは柱状の導体であり、
前記第1導体および第2導体は前記第1接続端子が挿入できるリング、円筒形状、または多角形柱状である、請求項1に記載の締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は締結装置に関するものであって、より詳しくはバッテリー用締結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池(secondary battery)は充電および放電を繰り返すことができるという点から、化学物質の電気エネルギーへの非可逆的変換のみを提供する一次電池と異なる。
【0003】
二次電池は、高いエネルギー密度を提供するために、互いに直列および/または並列に結合された多数の単位バッテリーセルから構成されたバッテリーモジュール形態で使用できる。また、バッテリーモジュールは、互いに直列および/または並列に結合して高容量のバッテリーパックまたはバッテリーラックを構成することができる。
【0004】
バッテリーパックまたはバッテリーラックを構成するためにバッテリーモジュールを結合する過程でバッテリーセルとモジュールケース(case)の間の寄生キャパシタによってサージ(surge)形態の突入電流(inrush current)が各バッテリーモジュールに流入される現象が発生することがある。また、バッテリーパックまたはバッテリーラックを負荷と連結する過程でも、負荷側キャパシタに突入電流が流入される現象が発生することがある。このような突入電流は、突入電流に脆弱な電子装置(例えば、各バッテリーモジュールに搭載されたモジュールBMS(battery management system))の損傷を起こす原因として作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示を通じて解決しようとする課題は、バッテリーモジュールを他のバッテリーモジュールまたは負荷と連結する過程で発生する突入電流を制限することができる締結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための一実施形態による締結装置は、第1接続端子を含む第1コネクタと、前記第1接続端子が挿入される中空が形成された第2接続端子を含む第2コネクタとを含むことができる。
【0007】
前記第2接続端子は、前記第1接続端子の挿入方向に沿って互いに離隔配置される第1導体および第2導体と、前記第1導体と前記第2導体との間に電気的に連結される第1抵抗体とを含むことができる。
【0008】
前記第2コネクタは、前記第1導体と前記第2導体との間に配置され前記第1接続端子の挿入力に対抗する弾性力を提供して前記第1接続端子の挿入を遅延させる第1弾性構造物をさらに含むことができる。
【0009】
前記第1接続端子は、前記第1コネクタと前記第2コネクタの締結初期には前記第1導体と接し、前記第1接続端子が前記第2接続端子に所定深さ以上挿入されると前記第2導体に接することになる。
【0010】
前記第1弾性構造物は、前記第1導体と前記第2導体との間に配置される絶縁体と、前記絶縁体と前記第2コネクタのコネクタ本体との間に位置し前記絶縁体に前記弾性力を提供するスプリング装置とを含むことができる。
【0011】
前記絶縁体は、前記弾性力によって前記中空に向かって突出し、前記挿入力によって突出高さが可変できる。
【0012】
前記第1コネクタは、バッテリーまたは負荷と前記第1接続端子との間に電気的に連結される第1配線をさらに含むことができる。前記第2コネクタは、前記負荷または前記バッテリーと前記第2接続端子との間に電気的に連結される第2配線をさらに含むことができる。
【0013】
前記第1コネクタは、第1バッテリーと前記第1接続端子との間に電気的に連結される第1配線をさらに含むことができる。前記第2コネクタは、第2バッテリーと前記第2接続端子との間に電気的に連結される第2配線をさらに含むことができる。
【0014】
前記第1コネクタは第3接続端子をさらに含むことができる。前記第2コネクタは前記第3接続端子が挿入される中空が形成された第4接続端子をさらに含むことができる。
【0015】
前記第4接続端子は、前記第3接続端子の挿入方向に沿って互いに離隔配置される第3導体および第4導体と、前記第3導体と前記第4導体との間に電気的に連結される第2抵抗体とを含むことができる。
【0016】
前記第2コネクタは、前記第3導体と前記第4導体との間に配置され、前記第3接続端子の挿入力に対抗する弾性力を提供して前記第3接続端子の挿入を遅延させる第2弾性構造物をさらに含むことができる。
【0017】
前記第3接続端子は、前記第1コネクタと前記第2コネクタの締結初期には前記第3導体と接し、前記第3接続端子が前記第4接続端子に所定深さ以上挿入されると前記第4導体に接することになる。
【0018】
前記第1コネクタは、バッテリーまたは負荷と前記第3接続端子との間に電気的に連結される第3配線をさらに含むことができる。前記第2コネクタは、負荷またはバッテリーと前記第4接続端子との間に電気的に連結される第4配線をさらに含むことができる。
【0019】
前記第1コネクタは、第1バッテリーと前記第3接続端子との間に電気的に連結される第3配線をさらに含むことができる。前記第2コネクタは、第2バッテリーと前記第4接続端子との間に電気的に連結される第4配線をさらに含むことができる。
【0020】
前記第1接続端子はピンまたは柱状の導体であってもよい。前記第1導体および第2導体は前記第1接続端子が挿入できるリング、円筒形状、または多角形柱状であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、バッテリーモジュールを他のバッテリーモジュールまたは負荷と連結する過程で発生する突入電流を制限することができて、突入電流による部品損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態による締結装置を概略的に示す図である。
図2】一実施形態による締結装置のソケット端子を概略的に示した斜視図である。
図3a】一実施形態による締結装置で第1コネクタと第2コネクタが締結される過程を説明するための図である。
図3b】一実施形態による締結装置で第1コネクタと第2コネクタが締結される過程を説明するための図である。
図3c】一実施形態による締結装置で第1コネクタと第2コネクタが締結される過程を説明するための図である。
図4】一実施形態による締結装置がバッテリーの電気的な連結に適用される一例を示す図である。
図5】一実施形態による締結装置がバッテリーの電気的な連結に適用される他の例を示す図である。
図6】他の実施形態による締結装置を概略的に示す図である。
図7】また他の実施形態による締結装置を概略的に示す図である。
図8図6および図7の実施形態による締結装置がバッテリーの電気的な連結に適用される一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。以下、添付された図面を参照して実施形態の効果および特徴、そしてその実現方法を詳しく説明する。図面において、同一の参照符号は同一の構成要素を示し、それに関する重複する説明は省略される。しかし、本発明は多様な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されると解釈されてはならない。むしろ、これら実施形態は本開示が徹底且つ完全にされるように例として提供され、通常の技術者に本発明の様態および特徴を十分に伝達するはずである。
【0024】
したがって、本発明の様態および特徴の完全な理解のために当業者に必要でないと思われるプロセス、要素、および技術は説明されないことがある。図面において、素子、層、および領域の相対的大きさは明確性のために誇張されることがある。
【0025】
本文書で「および/または」という用語は、関連して列挙された複数の項目の全ての組み合わせまたは任意の組み合わせを含む。本発明の実施形態を記述する時、「~することができる」を使用することは「本発明の一つ以上の実施形態」を意味する。以下の本発明の実施形態に関する説明で、単数形態の用語は文脈に異なって明示されない限り複数形態を含むことができる。
【0026】
「第1」、「第2」、「第3」などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明することに使用されるが、これら構成要素はこの用語によって限定されない。この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながら第2構成要素は第1構成要素と命名することができ、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名することができる。
【0027】
本文書で一つの構成要素または層が他の構成要素または層に対して「上に」”、「連結された」、または「結合された」ことと記載される場合において、「上に」、「連結された」および「結合された」ことは直接、または一つ以上の他の構成要素または層を介して形成されることを全て含む。また、一つの構成要素または層が2つの構成要素または層「の間」にあることと記載される場合、2つの構成要素または層の間の唯一の構成要素または層であるか、一つ以上の介された他の要素または層が存在することと理解されなければならない。
【0028】
本文書で2つの構成要素を「電気的に連結」するということは2つの構成要素を直接(directly)連結する場合だけでなく、2つの構成要素との間に他の構成要素を介して連結する場合も含むことができる。他の構成要素はスイッチ、抵抗、キャパシタなどを含むことができる。実施形態を説明することにおいて「連結」するという表現は、直接連結するという表現がない場合には、電気的に連結するということを意味する。
【0029】
以下、必要な図面を参照して実施形態による締結装置について詳しく説明する。
【0030】
(実施形態)
図1は、一実施形態による締結装置を概略的に示す。
【0031】
図1を参照すれば、一実施形態による締結装置1aは、第1コネクタ10a、および第2コネクタ20aを含むことができる。
【0032】
第1コネクタ10aは、プラグ(plug)機能を果たすオス(male)コネクタである。第1コネクタ10aは、コネクタ本体11、そしてコネクタ本体11の一面から一方向(x方向)に突出した接続端子12(以下、「プラグ端子」と称する)を含むことができる。
【0033】
第2コネクタ20aは、ソケット(socket)機能を果たすメス(female)コネクタである。第2コネクタ20aは、コネクタ本体21、そしてコネクタ本体21の内部に位置する接続端子22(以下、「ソケット端子」と称する)を含むことができる。
【0034】
第1コネクタ10aと第2コネクタ20aの締結時、プラグ端子12はソケット端子22に挿入結合できる。プラグ端子12は、挿入方向(x方向)に突出したピンまたは柱状であってもよい。ソケット端子22は、内部にプラグ端子12の挿入方向(x方向)に沿って延長される中空を含む円筒形状、または三角形、四角形などの多角形柱状であってもよい。
【0035】
プラグ端子12およびソケット端子22は、電気的な連結のために導体から形成できる。プラグ端子12がソケット端子22の中空に挿入されると、プラグ端子12の外壁がソケット端子22の中空内壁に接し、これによりプラグ端子12とソケット端子22が電気的に連結できる。
【0036】
第1コネクタ10aは、プラグ端子12に電気的に連結される配線13をさらに含むことができる。第2コネクタ20aは、ソケット端子22に電気的に連結される配線23をさらに含むことができる。第1コネクタ10aは、配線13を通じてバッテリー(図示せず)、またはバッテリーから電力の供給を受ける負荷に連結できる。第2コネクタ20aは、配線23を通じてバッテリー(図示せず)、またはバッテリーから電力の供給を受ける負荷と連結できる。
【0037】
ソケット端子22は、突入電流制限のためにプラグ端子12の挿入方向(x方向)に沿って互いに離隔配置される複数の導体221、222と、複数の導体221、222の間に連結される抵抗体223を含むことができる。
【0038】
図2は、図1のソケット端子22を概略的に示した斜視図である。
【0039】
図2を参照すれば、導体221、222は、リング、円筒形状、または三角形、四角形などの多角形柱状で、内部にプラグ端子12が挿入される中空を含むことができる。導体221は、第2コネクタ20aにおいてプラグ端子12が挿入される入口側に配置できる。導体222は、第2コネクタ20aにおいてプラグ端子12がソケット端子22に所定深さ以上挿入されると、プラグ端子12と接する位置に配置できる。
【0040】
再び、図1を参照すれば、第2コネクタ20aは、ソケット端子22を構成する導体221、222の間の絶縁を確保しプラグ端子12の挿入速度を遅延させるために導体221、222の間に位置する弾性構造物24をさらに含むことができる。
【0041】
弾性構造物24は導体221、222の間に位置し、絶縁物質から形成されて導体221、222間の絶縁性を確保することができる。弾性構造物24は、第2コネクタ20aのコネクタ本体21から所定方向(y方向)に、即ち、ソケット端子22の中空に向かって、突出していてもよい。弾性構造物24は、プラグ端子12の挿入力によって突出高さが減少し、弾性力によってプラグ端子12の挿入力に対抗する弾性力を提供することができる。図1を例として挙げれば、弾性構造物24は、導体221、222の間に配置される絶縁体241、そして絶縁体241とコネクタ本体21の間に位置し、絶縁体241に弾性力を印加するスプリング装置242を含むことができる。
【0042】
図3a~図3cは、第1コネクタ10aと第2コネクタ20aが締結される過程を説明するための図である。
【0043】
プラグ端子12とソケット端子22の締結初期には、図3aに示されているように、プラグ端子12がソケット端子22の導体221に先に挿入できる。これにより、プラグ端子12と導体222の間には抵抗体223を含む突入電流制限回路が形成され、抵抗体223によって突入電流が抑制できる。
【0044】
その後、プラグ端子12の挿入が持続されると、プラグ端子12の端部は図3bに示されているように弾性構造物24に接することになる。弾性構造物24の弾性力はプラグ端子12の挿入力に対抗する力を提供し、これによってプラグ端子12の挿入が遅延される。
【0045】
その後、プラグ端子12の挿入が持続されると、弾性構造物24の突出高さが減少してプラグ端子12が弾性構造物24を通過して導体222側に移動できる。そして、最終的にプラグ端子12が導体222に直接接して第1コネクタ10aと第2コネクタ20aの締結が完了できる。プラグ端子12が導体222に直接接触することによって、プラグ端子12と導体222の間の電流流れが突入電流制限回路を経ずにプラグ端子12と導体222の間で直接流れることになる。
【0046】
前述のところによれば、締結装置1aは第1コネクタ10aと第2コネクタ20aを締結する過程で自動的に初期充電が行われ突入電流が制限できる。また、弾性構造物24によってプラグ端子12の挿入が遅延され十分な初期充電時間を確保することができる。
【0047】
再び、図1を見れば、ソケット端子22を構成する導体221、222間の絶縁性確保のために、第2コネクタ20aは導体221、222の間で弾性構造物24が配置されていない空間に挿入される絶縁体25をさらに含むこともできる。
【0048】
図1では第2コネクタ20aが弾性構造物24を一つのみ含む場合を例として挙げて示したが、実施形態がこれによって限定されるのではない。他の実施形態では、第2コネクタ20aがソケット端子22を構成する導体221、222の間に配置される複数の弾性構造物24を含むこともできる。
【0049】
図4および図5は、一実施形態による締結装置1aがバッテリーの電気的な連結に適用される例を示す。
【0050】
図4および図5を参照すれば、バッテリー2の出力端子のうちのいずれか一つ(例えば、ポジティブ出力端子)と負荷3の間の電気的な連結のために締結装置1aが使用できる。例えば、締結装置1aの第1コネクタ10aおよび第2コネクタ20aの配線13、23がそれぞれ、バッテリー2の出力端子および負荷3に電気的に連結できる。これにより、締結装置1aの第1コネクタ10aと第2コネクタ20aが締結されると、バッテリー2の出力端子と負荷3の間に締結装置1aによる電気的な連結が形成できる。
【0051】
図4を参照すれば、バッテリー2の出力端子のうちの残り一つ(例えば、ネガティブ出力端子)と負荷3の間の電気的な連結も締結装置1aを使用して提供できる。反面、図5を参照すれば、バッテリー2の出力端子のうちの残り一つ(例えば、ネガティブ出力端子)と負荷3の間の電気的な連結は、突入電流制限用抵抗体が含まれていない締結装置4を使用して提供されてもよい。
【0052】
一方、締結装置1aは、バッテリー2と負荷3の間の電気的な連結だけでなく、バッテリー2間の電気的な連結など突入電流が発生する可能性がある他の種類の電気的な連結のためにも使用できる。
【0053】
(他の実施形態)
図6は、他の実施形態による締結装置を概略的に示す。
【0054】
図6を参照すれば、他の実施形態による締結装置1bで、第1コネクタ10bは、コネクタ本体11から一方向(x方向)に突出した複数のプラグ端子12a、12bを含むことができる。また、第2コネクタ20bは、コネクタ本体21の内部に位置する複数のソケット端子22a、22bを含むことができる。各プラグ端子12a、12bは図1を参照して説明したプラグ端子12と同一な構造で形成され、各ソケット端子22a、22bは図1および図2を参照して説明したソケット端子22と同一な構造で形成できる。したがって、以下の説明で一実施形態による締結装置1aのプラグ端子12およびソケット端子22と重複する説明は省略される。
【0055】
第1コネクタ10bと第2コネクタ20bが締結されると、プラグ端子12aはソケット端子22aに挿入結合されてソケット端子22aと電気的に連結できる。また、プラグ端子12bはソケット端子22bに挿入結合されて、ソケット端子22bと電気的に連結できる。
【0056】
第1コネクタ10bは、プラグ端子12a、12bにそれぞれ電気的に連結される配線13a、13bをさらに含むことができる。第2コネクタ20bは、ソケット端子22a、22bにそれぞれ電気的に連結される配線23a、23bをさらに含むことができる。第1コネクタ10bは、配線13a、13bを通じてバッテリー(図示せず)、またはバッテリーから電力の供給を受ける負荷に連結できる。第2コネクタ20bは、配線23a、23bを通じてバッテリー(図示せず)、またはバッテリーから電力の供給を受ける負荷と連結できる。
【0057】
各ソケット端子22a、22bは、図2に示されているように、対応するプラグ端子12a、12bの挿入方向(x方向)に沿って互いに離隔配置される複数の導体221、222と、複数の導体221、222の間に連結される抵抗体223を含むことができる。以下の説明では説明の便宜のために、各ソケット端子22a、22bを構成する各構成要素に対して図2の図面符号を参照して説明する。
【0058】
第2コネクタ20bは、複数の弾性構造物24a、24bをさらに含むことができる。各弾性構造物24a、24bは、対応するソケット端子22a、22bの導体221、222の間に配置できる。各弾性構造物24a、24bは、絶縁物質から形成されて対応するソケット端子22a、22bの導体221、222間の絶縁性を確保することができる。各弾性構造物24a、24bは、第2コネクタ20bのコネクタ本体21から所定方向(y方向)に、即ち、対応するソケット端子22a、22bの中空に向かって、突出していてもよい。各弾性構造物24a、24bは対応するプラグ端子12a、12bの挿入力によって突出高さが減少し、弾性力によって対応するプラグ端子12a、12bの挿入力に対抗する弾性力を提供することができる。各弾性構造物24a、24bは導体221、222の間に配置される絶縁体(図1の図面符号241参照)、そして絶縁体241とコネクタ本体21の間に位置し、絶縁体241に弾性力を印加するスプリング装置(図1の図面符号242参照)を含むことができる。
【0059】
第1コネクタ10bと第2コネクタ20bの締結初期には、各プラグ端子12a、12bが対応するソケット端子22a、22bの導体221に先に挿入される。これにより、各プラグ端子12a、12bと対応するソケット端子22a、22bの導体222の間には抵抗体223を含む突入電流制限回路が形成され、抵抗体223によって突入電流が抑制できる。
【0060】
その後、プラグ端子12a、12bの挿入が持続されると、各プラグ端子12a、12bの端部は対応する弾性構造物24a、24bに接することになる。各弾性構造物24a、24bの弾性力はプラグ端子12a、12bの挿入力に対抗する力を提供し、これによってプラグ端子12a、12bの挿入が一部遅延される。
【0061】
その後、プラグ端子12a、12bの挿入が持続されると、各弾性構造物24a、24bの突出高さが減少してプラグ端子12a、12bが弾性構造物24a、24bを通過して対応するソケット端子22a、22bの導体222側に移動できる。そして、最終的に各プラグ端子12a、12bが対応するソケット端子22a、22bの導体222に直接接して第1コネクタ10bと第2コネクタ20bの締結が完了できる。各プラグ端子12a、12bが対応するソケット端子22a、22bの導体222に直接接触することによって、各プラグ端子12a、12bと対応するソケット端子22a、22bの導体222の間の電流流れが突入電流制限回路を経ずに各プラグ端子12a、12bと対応するソケット端子22a、22bの導体222の間で直接流れることになる。
【0062】
図6では第2コネクタ20bを構成するソケット端子22a、22b全てに対して突入電流制限のための抵抗体223および弾性構造物24が配置されたが、実施形態がこれによって限定されない。図7は、また他の実施形態による締結装置1cを概略的に示す。図7を参照すれば、第1コネクタ10cは図6の第1コネクタ10bと同一に構成されるが、第2コネクタ20cはソケット端子22a、27のうちの一部22aのみ互いに離隔される複数の導体221、222および抵抗体223を含むように構成できる。したがって、弾性構造物24aも一部ソケット端子22aに対してのみ配置できる。
【0063】
図8は、図6および図7の実施形態による締結装置1b、1cがバッテリーの電気的な連結に適用される一例を示す。
【0064】
各締結装置1b、1cは、図6および図7に示されているように複数のプラグ端子を含む第1コネクタ10b、10cと、複数のソケット端子を含む第2コネクタ20b、20cから構成できる。したがって、一つの締結装置1b、1cのみを使用してバッテリー2の出力端子と負荷3の間の電気的な連結を提供することができる。
【0065】
一方、締結装置1b、1cはバッテリー2と負荷3の間の電気的な連結だけでなく、バッテリー2間の電気的な連結など突入電流が発生する可能性がある他の種類の電気的な連結のためにも使用できる。
【0066】
ここに説明された本発明の実施形態による電子または電気装置および/または任意の他の関連装置または構成要素は任意の適したハードウェア、ファームウエア(例えば、注文型集積回路(application-specific integrated circuit))、ソフトウェア、またはソフトウェア、ファームウエアおよびハードウェアの組み合わせを用いて実現できる。例えば、これら装置の多様な構成要素は一つの集積回路(IC)チップ上にまたは個別ICチップ上に形成できる。また、これら装置の多様な構成要素は可撓性印刷回路フィルム(flexible printed circuit film)、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、印刷回路基板(PCB:printed circuit board)または一つの基板上に実現できる。本明細書に記載された電気的連結または相互連結は、例えば、PCBまたは他の種類の回路キャリア上の配線または導電性素子によって実現できる。導電性素子は例えば表面金属化(surface metallizations)のような金属化、および/またはピン(pin)を含むことができ、導電性重合体(conductive polymers)またはセラミック(ceramics)を含むことができる。
【0067】
また、これら装置の多様な構成要素はここに説明された多様な機能を遂行するために一つ以上のプロセッサー上で実行され、一つ以上のコンピューティング装置内で実行され、コンピュータプログラム命令を実行し他のシステム構成要素と相互作用するプロセスまたはスレッドであってもよい。コンピュータプログラム命令は例えばランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のような、標準メモリ装置を使用するコンピューティング装置で実現できるメモリに保存される。コンピュータプログラム命令はまた、例えばCD-ROM、フラッシュドライブなどのような他の非一時的(non-transitory)コンピュータ読取可能媒体に保存できる。
【0068】
また、当業者は多様なコンピューティング装置の機能が単一コンピューティング装置に結合または統合できるか、または特定コンピューティング装置の機能が本発明の例示的な実施形態の範囲を逸脱しないながら一つ以上の他のコンピューティング装置にわたって分散できるのを認識しなければならない。
【符号の説明】
【0069】
1a、1b、1c:締結装置
10a、10b、10c:第1コネクタ
11:コネクタ本体
12、12a、12b:プラグ端子
13、13a、13b:第1コネクタの配線
20a、20b、20c:第2コネクタ
21:コネクタ本体
22、22a、22b、27:ソケット端子
221、222:ソケット端子の導体
223:抵抗体
23、23a、23b:第2コネクタの配線
24、24a、24b:弾性構造物
241:絶縁体
242:スプリング装置
2:バッテリー
3:負荷
【要約】
【課題】バッテリーモジュールを他のバッテリーモジュールまたは負荷と連結する過程で発生する突入電流を制限することができる締結装置を提供する。
【解決手段】締結装置は、第1接続端子を含む第1コネクタと、前記第1接続端子が挿入される中空が形成された第2接続端子を含む第2コネクタとを含むことができる。前記第2接続端子は、前記第1接続端子の挿入方向に沿って互いに離隔配置される第1導体および第2導体と、前記第1導体と前記第2導体との間に電気的に連結される第1抵抗体とを含むことができる。前記第2コネクタは、前記第1導体と前記第2導体との間に配置され、前記第1接続端子の挿入力に対抗する弾性力を提供して前記第1接続端子の挿入を遅延させる第1弾性構造物をさらに含むことができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8